●おまえら男ならヒカルたんハァハァだよな?Part44○

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952日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:32 ID:O+DxbxzX
 ヒカルは前に一度、アキラに大事なそれを見せてくれようとした。あの時、見たい気持ちを
押さえてよかったと思う。楽しいことだけ綴りたいというヒカルの協力者になることは、
それを受け取るよりずっとすてきだと感じた。
「だけど……途中…………空いてるんだ……」
胸にしがみつくヒカルの指が強く震えている。アキラはヒカルを強く抱き返した。
「ヒカル………」
「大丈夫だよ………その後、いっぱい楽しいことがあったから………」
ヒカルが身体をずり上げて、アキラの顔を覗き込む。
「海に行っただろ…花火もしたし…かき氷も…お月見も楽しかったよな…」
ヒカルの瞳はキラキラしていて、一片の暗さも見えなかった。
「それにさ、昨日の分で、日記全部使い切ったんだ…」
本当にうれしそうに笑う。それにつられて、自分の口元も僅かに弛んだ。
 ヒカルを腕に抱いたまま、アキラは身体を支えて起きあがった。ちょうど自分の膝の上に
ヒカルが乗る恰好となる。自分のすぐ目の前にヒカルの繊細な造作の顔があった。
「今日の分はないの?」
「まだ、買ってない…」
明日買いに行くというヒカルを自分の上からおろすと、アキラは自室へと入っていった。
953日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:33 ID:O+DxbxzX
 アキラは自室に篭もったままなかなか出てこない。ヒカルは不安で堪らなかった。また、
何か無神経なことを言ってアキラを不愉快にしたのではないだろうか…
 彼を―佐為を失って以来、ヒカルは自分の言動に注意深くなっていた。端から見れば
さして変わったように見えないが、何をするにも出来るだけ気をつけてきたつもりだ。
「……どうしよう…オレ…なんかしたのかな………わかんネエ…」
いくら考えてもわからない。
「…ワガママばかり…言ったから…?」
 確かに甘えすぎていたかもしれない。アキラにも…彼にも――優しいから、何でも許してくれたから
無神経な言葉で傷つけた。そして――いなくなった。
「アキラまでいなくなったらどうしよう……」
ヒカルは急に悲しくなった。アキラはまだ出てこない。自分から行けばいいのだが、どうしても
立てなかった。

 「何で出てこねえんだよ…」
確かに自分はワガママだけど…ワガママさではアイツらだって負けてない。
「すぐ怒鳴るし…好き放題言いっぱなしだし…」
ヒカルはひとしきり文句を言って、アキラの部屋の方に目をやった。
 やっぱり、まだ出てこない。ヒカルの気持ちは、ドンドンしぼんでいく。不安が強がりを
挫き始めたとき、漸くアキラが出てきた。
954日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:34 ID:O+DxbxzX
 ヒカルはホッとして…それから、腹が立った。
「何やってたんだよ…!」
怒鳴りかけた自分の前に、薄い紙袋が差し出された。
「何これ…」
キョトンと問いかけるヒカルに、アキラは複雑な笑顔を見せた。
「プレゼントのおまけ………かな…」
「え…?…ありがと…」
 これを取りに行っていたのか…ヒカルは顔を赤くした。勝手に不安になって怒ったり、
悲しんだり…恥ずかしい。アキラに頼り切っている自分を再確認させられて、ヒカルは少し
落ち込んだ。

 封を開けると、中から一冊のノートが出てきた。
「これ…………」
そのノートには見覚えがあった。ヒカルが日記代わりに使っている帳面と同じものだ。
ただし、そこには青紫の静かな花ではなく、鮮やかな黄色い花が大きく描かれていた。
 ヒカルはアキラをまじまじと見つめた。彼はその視線を避けるように、ふいっと横を向いた。
その横顔にはいつもの冷静なアキラらしくなく、動揺が浮かんで見えた。
955日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:35 ID:O+DxbxzX
 ヒカルはアキラが話すまで、じっと待った。これには何か意味があるはずだ。きっと、
自分に言いたいことがあるのだと思った。
 そんな自分の心情を察したのか、アキラは小さく溜息を吐くと、ヒカルから視線を外したまま
ボソボソと何かを言った。
「え?何?聞こえネエよ…」
「……嫉妬…したんだ…」
は?何?どういうこと?意味がわかんネエ…
この帳面と嫉妬とどういう関係があるというのか、ヒカルにはさっぱり理解できない。
「………ボクは、キミがノートを買ったとき、キミにはリンドウは似合わないと思った…」
ヒカルは頷いた。アキラは確かにそう言っていたし、自分でもそう思った。だけど、アキラは
勘違いしている。このリンドウはヒカルじゃなくて―――
「だから、別の日にそのノートを買って、キミに渡そうと思っていた…………」
アキラはそこで一旦言葉を切った。落ち着きなく視線を彷徨わせ、何度も口を開きかけては
閉じた。

 「でも、キミがリンドウに別の人を重ねているってことに気が付いて……」
ヒカルは少なからず驚いた。アキラに隠し事は難しい。もともと勘がいいのはわかっていたが、
このことに気付いているとは思わなかった。
「そうしたら…何となく…渡せなくなってしまった………」
956日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:36 ID:O+DxbxzX
 「最初は緒方さんじゃないかと疑ったり……」
「ち、違うよ…!」
ヒカルは慌てて否定した。首と手を同時に振り、必死で弁解する。
 アキラはちょっと微笑んで、「うん…わかってる」とヒカルの頭を撫でた。
「キミはボクだけのものじゃないと落ち込んだり…そのくせ、キミが笑ったり、
 ボクに優しかったりすると、そんなこと全部忘れたみたいに舞い上がったり…」
「ボクはキミに振り回されて、穏やかな気持ちにはなかなかなれない……」
 そう言ってじっと見つめるアキラの眼差しは酷く優しくて穏やかで…ヒカルの心臓はドキドキと
大きく跳ねた。
「で、ボクはこのノートを机の引き出しの奥に突っ込んで…今、慌てて引っ張り出してきたわけ…」
「そんなに奥の方にしまっていたの?」
ヒカルの無邪気な問いに、アキラは頬を染めた。
「いや…すぐに見つかったんだけど…」
「?」
「やっぱり何となく渡し難くて、ちょっと考えてた…」
アキラは本当に言いにくそうだった。照れてちょっとヒカルを睨む視線が色っぽいと思った。
957日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:37 ID:O+DxbxzX
 ヒカルの顔に満面の笑みが広がった。もらった帳面の最初のページに何かを書くと
それを丁寧に剥がして、小さく畳む。それから「はい」とアキラの胸に押しつけた。
「オレの気持ちは前に伝えたじゃん…持ってるんだろ?」
口をとがらせ、拗ねたようにアキラを睨んだ。
「わかってネエみたいだから、もう一回だけ言っとく…」
 アキラは貰った紙片を慌てて広げた。以前にもらった手紙とまったく同じ言葉がそこに
書かれていた。だが今度は、隅の方に小さくではなく、真ん中に大きく力強く書かれていた。
「“大好き”だって…いつも…何度も言ったじゃねえか…!」
「ヒカル…」
「三度目は書かネエからな…!」
 背中を向けてしまったヒカルを後ろから、ギュッと抱きしめた。
「…普段何となく言ってる言葉でも、紙に書くとスゲー緊張するんだ…バカ…」
「………ゴメン…ボクも返事を書こうか?」
「いらねえ…スゲー立派な返事が返って来たらオレが落ち込む…」
本気か冗談かわからない口調。後ろからではヒカルの表情が見えなくて、少し残念だ。
「じゃあ、口で言う…ヒカル好きだ…」
「……知ってるよ…」
「すごくすごく好き…大好き…」
「わかってるよ…バカ…」
しつこいとばかりに、ヒカルが腕の中で藻掻いた。でも離さない。
「愛してる……」
「………うん…オレも…」
力を抜いてもたれ掛かってくる。その重みがすごく心地よかった。
958日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:38 ID:O+DxbxzX
 誰かに呼ばれたような気がして目が覚めた。
「………アキラ?」
ヒカルは身体を少し持ち上げて、彼の顔を覗き込んだ。
 アキラは静かな寝息を立てて、ぐっすりと眠っている。
「あ…」
また呼ばれた。と、思った。だが、実際耳には何の音も届かない。強いて言えば、窓の向こうから、
微かに虫の音が聞こえてくるだけだ。
 自分の背中にまわされたアキラの腕をそっと外すと、ヒカルは裸にシャツを一枚羽織って
部屋を抜け出した。
 灯りをつけて、きょろきょろと辺りを見回したが、やはり誰もいるはずがなかった。
時計を見るとまだ日付は変わっていない。
「まだ、ぎりぎり今日なんだ…」
今日のことをいろいろと思い出した。すごくうれしくて楽しくて…本当に一生の思い出になる
誕生日だった。
959日記 ◆8glbRKJZxQ :03/09/03 23:39 ID:O+DxbxzX
 「そうだ…」
ヒカルはテーブルの方へと近づいた。そこにはもらったばかりの帳面が置いたままになっていた。

 明るい黄色が眩しかった。秋の花であるリンドウより、夏の花のヒマワリが今自分の手元に
あるのが不思議だった。

オレの夏はちゃんとアキラが持っててくれたんだ………

表紙をめくると、最初のページは破れている。さっき、ヒカルが破いたのだ。そして、それも
またアキラが持っている。リンドウの手紙と一緒に…



今日はオレの誕生日だった。
アキラがプレゼントを二つもくれた。
新しいバッグと、この帳面だ。
バッグよりこっちの方がうれしいって言ったら、アイツ怒るかな?
今日から、日記も新しくなった。
オレも新しいオレだ。
これには楽しいことだけ書くなんてことしない。
腹が立ったことも悲しかったこともみんな書く。
書いていいんだよな?
それから、うれしかったこともいっぱい書く。
今日はすごく楽しかった。楽しくてうれしくて、何から書いていいかわからない。
だから、明日書く。だって、今日はもう眠いし…
とりあえず、誕生日おめでとうヒカル!

 ヒカルはそれだけ書いて、帳面を閉じると、またアキラの隣に潜り込んだ。

おわり
960祭りのあと:03/09/03 23:50 ID:qR5Gn/mD
(16)
ヒカルの手を強く握りしめながら、アキラは一人物思いにふけっていた。
神の一手を目指すためと追ってきたヒカルと、いつのまにかこのような関係になれた。アキラにとってそれは願ってもない奇跡だった。
だがヒカルにふれる度に、肌を重ねる度に、ひとつになる度に、ヒカルと離れている時間を苦痛に感じるようになった。
片時も離れたくない想いが膨れ上がったアキラは、自然とヒカルに対する独占欲が強くなっていた。
だから会う人全てに無防備に笑顔をふりまいたり親しげに話したりするヒカルを見ていると、自分以外に微笑むことすら許せなくなったアキラは、嫉妬心を抑えきれないでいた。
時には自分に気があると勘違いして、隙あらばヒカルを奪おうとする輩もいた。 
アキラが目で制しただけで大概の者は手を出そうとはしなかったが、鈍感なヒカルはそれに気づかず、無意識のうちに次々と人をたぶらかすのできりがない。
自分はヒカルにとって特別な存在ではないのだろうかという不安から、アキラは小悪魔のようなヒカルに自分だけのものなのかと確認せずにはいられなくなった。
だが想いが膨らむと同時に膨れ上がった嫉妬や独占欲のかたまりをぶつけると、ヒカルはたいてい鬱陶しそうな態度をとる。
自分の想いを理解してもらえない苛立ちから、アキラは暴力的な行動をとってしまうしかなかった。
当然ヒカルは抵抗したが、状況が状況なだけに自分の想いが空回りしているような気がして頭がパニックになった。
想いを抑えることができないアキラは、嫌われることを承知で無理やり抱くしかなかった。自分だけのものだとヒカルの体に跡を残さずにはいられない。
しかしそれを終えたあと、ボロボロになったヒカルを見て自己嫌悪に陥る。こんな一方的なやり方は恋とはいえない。アキラは達成感よりも罪悪感に苛まれた。
けれど、それでもヒカルは自分から離れることはなかった。
小悪魔的行為は相変わらずだが、どんなに酷いことをしても離れようとしないヒカルを見ると、安心できる自分がいた。
だがどんなに蔑視されても罵られても必ず自分のところにヒカルが帰ってきてくれるという優越感と独占欲は、ヒカルへの行為を更にエスカレートさせていくものとなった。
アキラはいつのまにかこうすることでしかヒカルの愛を信じることができなくなっていたのだった。

961祭りのあと:03/09/03 23:52 ID:qR5Gn/mD
(17)
「今日の花火大会、本当に楽しかった」
別れ際、ヒカルはそう言った。
だがアキラは名残惜しそうにヒカルの手を握る。その寂しそうな顔に、ヒカルはなかなか別れの言葉を言い出せないでいた。
「なぁ、塔矢。そろそろ手、離してくれないか?」
「嫌だ」
「嫌だって、おまえ・・・」
ヒカルはため息をついた。さっきまであんなにも強引だったのに、突然子どものようにごねてくるアキラの真意がつかめない。
「・・・キミは、寂しくないのか」
「え?」
「寂しいって思っているのはボクだけなのか?」
訴えるような目で見つめられ、ヒカルは戸惑った。
寂しいとかよりもアキラとの行為で体がクタクタに疲れていたため、早く家へ帰りたかったからだ。
けれどここで冷たくあしらえば、また同じことの繰り返しのような気がして迂闊なことは言えない。
好きなのにどうして分かり合えないのかと、ヒカルはもどかしさを感じた。
好きだからこそ不安になるアキラを理解するにはヒカルはまだ幼すぎたのだ。
そしてアキラもまた、ヒカルのために好きだという気持ちを抑えきれるほど大人ではなかった。
二人は黙ってお互いの様子を窺った。
「そんじゃあさ、今日はおまえの家に泊まる。これなら文句ねーだろ?」
体に余裕などなかったが、こんな状態のアキラを一人にできないヒカルは、自宅に帰るのを諦めてそばにいることにした。
アキラはそれを聞くと子どものように喜んだ。
なんだかんだ言って、こんな塔矢にもかわいいとこあんだよな。
ヒカルは無邪気に笑うその笑顔に見とれてしまい、思わず微笑み返した。


962祭りのあと:03/09/03 23:55 ID:qR5Gn/mD
(18)
「どうせなら残りの夏休みずっとボクの家に泊まりなよ。碁の勉強のためと言えば父さんも許してくれるだろうし、キミのお母様も快諾するだろう」
なんだか話が飛躍しているように感じたが、ヒカルは疲労感からとりあえず頷いて聞き流した。
「朝から晩まで四六時中ずっとキミを独占できるのかと思うと震えが止まらないよ。善は急げだ。早く家に帰ろう」
見る見るうちに輝きを取り戻したアキラは、ヒカルの手を引くと家路へと急いだ。
そんなアキラにヒカルは震えが止まらなくなっていた。
それってこれからオレは塔矢の家に監禁されるって意味なのか? 四六時中ずっと塔矢に監視されて、やりたい放題にされるのか?
「塔矢、オレやっぱ帰るよ。母さんに怒られちゃうしさ」
ヒカルは何とか理由をつけて断ろうとした。
そして安易に家へ泊まりに行くなど言わなければよかったと後悔した。まさかそれがアキラの独占欲に火をつけるとは思わなかったからだ。
「大丈夫。お母様にはボクからきちんと説明するから。それにいずれ一緒になる身なんだから、ご挨拶しなければならないと思っていたし」
アキラはポッと照れ笑いした。
ヒカルはアキラの思考がとんでもないところまで飛躍していることを悟った。
しかし今更気づいても、アキラを止めることなどできない。
「祭りのあとだけに、あとの祭りってか・・・」
ヒカルは自嘲するかのようにそう呟くと、自分の将来と身を案じた。


                                       <終>
963通りすがりのA:03/09/04 00:06 ID:F4BOmKn2
日記サイコー!!!!!!!!!!!
もうサイコ----------------!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お疲れ様でした。
キタ。
スッゴクキタ。
感動です。
ムネにスゴクキマシタ。
この作品に出会えたコトに感謝する。
本当にお疲れサマでした。

964やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/04 02:13 ID:xNzD8BBx
(8)
「おい、何マグロになってんだよ。いつもはもっと淫乱だろうが。いい子ぶってねーで大
声で哭けよ」
トーマスはヒカルたんの後ろ髪を思い切り引っ張った。だが何の反応も示さない。ヒカル
たんは反発からか、少しも表情を変えなくなった。それどころかどんなに突き上げても、
ポークビッツやイチゴを弄ってもピクリともしない。まるで人形を抱いているような気分
になったトーマスは、若゙キンマンのヒカルたんの間での出来事を思い出す。偽者のヒカル
たんに触れるのは、トーマスに耐え切れない孤独と虚無感を与えた。そして今、目の前に
確かにヒカルたんがいるはずなのに、あの時と同じ虚無感がトーマスを襲う。それを振り
払うかのようにトーマスは更に激しく突き上げた。
ヒカルたんはというと、何度も激しく突き上げるので背中にポタポタとトーマスの汗が落
ちるのを感じ、それすらも嫌悪感を抱くようになっていた。
それを感じたトーマスは、あまりの虚しさに今までの鬱屈とした想いをぶちまけた。
「オレ知ってんだからな。おまえらが毎晩毎晩ベッドをギシギシうるせーくらいに鳴らし
てたのも、壁が薄いってのにかまわず大声あげるてよがってるのも。オレがそれをどんな
気持ちで聞いてたかわかるか!? どんだけ悔しかったかわかるか!!」
一瞬強張った表情をしたが、手荒く扱われている今となっては、ヒカルたんにとってトー
マスの気持ちなどどうでも良かった。それよりも早くこれが終わるようにと心の中で念じ
る。そして早く若゙キンマンに会いたい。ヒカルたんの心には若゙キンマンしかいなかった。
想いをぶつけても動じないヒカルたんにトーマスは唇を噛み締める。今まで暴力を使うこ
とで何とかヒカルたんを思い通りに動かしてきたが、そうすればするほどヒカルたんと若゙
キンマンの間に自分の入り込む隙がないことを思い知らされる。
それならそれでかまわない。突き進むのみだ。そう思ったトーマスには、もう慈悲などと
いう言葉は存在しなくなっていた。
965やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/04 02:15 ID:xNzD8BBx
(9)
「おまえは本当にバカだな。言っただろ、オレを怒らすなって」
トーマスは自分のモノを抜き取ると、脱ぎ捨てた自分の衣服のポケットから小瓶を出した。
「これ、アイツの城で見つけたんだ。けど本当はこんなもん使いたくなかった。使ったと
ころで、それが本当の恋になるわけじゃないって思ってたから」
ヒカルたんは不安になる。その小瓶は初めて若゙キンマンの城に行ったときに飲まされた薬
とよく似ていたからだ。
「オレは自力でおまえをふりむかせるつもりだった。でもよくよく考えれば、アイツもこ
ういった汚い手を使ってたんだよな。だったらオレも使うさ。それでおまえがオレのもの
になるなら」
ヒカルたんは逃げようとした。それは薬の威力がどれだけのものか、身をもって知ってい
たからだ。だがトーマスはヒカルたんの上に馬乗りになると口を強引にこじ開け、ビンの
ふたを開けて流し込んだ。口を押さえられ、吐き出せないようにされる。
息苦しくなったヒカルたんは、酸素を求めてつい飲み込んでしまった。するとあの時と同
じように食道が焼けるように熱くなった。そして体がだんだんと火照るのを感じる。ただ
一つ違うところがあった。それは頭がぼーっとして、まるで眠りにつく寸前のように体が
動かなくなったのだ。
トーマスはゆっくりと何度も耳元でささやき始めた。
「おまえが世界で一番愛しているのは、このオレだ」
真っ白になった頭の中にその言葉だけが響き渡る。そして何度も繰り返されるうちに、ヒ
カルたんの意識は次第に侵食されていった。
呆然と目を見開き、トーマスの言葉を繰り返しつぶやくようになったヒカルたんを見て、
トーマスは笑った。
「ヒカルたん、おまえが世界で一番愛しているのは?」
視点が定まらないヒカルたんの目を見つめ、トーマスは問うた。
ヒカルたんはゆっくりとトーマスを見上げる。そして片手でトーマスの頬をなでた。
「トーマス、…大好きトーマス」
ヒカルたんはそう言うと笑顔で抱きついた。
「良くできました」
トーマスはヒカルたんの髪をなでると、ご褒美でもあげるようにキスをした。
966やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/04 02:17 ID:xNzD8BBx
(10)
用があってこっそりパトロールを抜け出していた若゙キンマンは、行方がわからなくなった
ヒカルたんを探していた。トーマスの姿も見えないことに不安がよぎる。
時間をかけてヒカルたんのいそうな場所を探す。簡単に見つかると思っていたが、二人の
姿は全く見えなかった。
町を一通り捜査した若゙キンマンは、森へと向かった。すると森にある湖の上空で、聞き覚
えのある甘い声が響いているのを若゙キンマンは聞き逃さなかった。
急いで湖のほとりに降り立った。しかし辺りには人影が見えない。ただはっきりとあの声
だけが聞こえる。
若゙キンマンは目を凝らして辺りを見まわした。すると小枝にヒカルたんの服が引っかかっ
ているのを見つける。若゙キンマンはゆっくりと近づいき、その衣服を手に取った。
「なんでこんなところに…?」
ふと木陰に白い物体が揺れるのが見えた。若゙キンマンはそれを見て体を硬直させた。
そこにはトーマスに犯されているヒカルたんがいたからだ。
「…キサマーッ!! 何やってんだ」
若゙キンマンは怒りをあらわにしてトーマスに飛びかかった。
しかしそれをヒカルたんが阻む。
「やめろ! オレのトーマスに何する気だ」
ヒカルたんはトーマスをかばうように抱きしめると、若゙キンマンを睨んだ。
「…どういうことだ!?」
予想だにしなかった展開に、若゙キンマンは愕然とヒカルたんを見つめる。
その姿を見てトーマスはヒカルたんを抱きしめて嘲るように笑った。
「こういうことだよ、若゙キンマン」
トーマスはヒカルたんの顎をクイッと持ち上げた。ヒカルたんは自ら目をつぶり、トーマ
スに口付けた。
「残念だったな。おまえはもう用無しだ」
トーマスはそう言ってヒカルたんを抱き上げると、その場から立ち去った。
ゆっくりと遠ざかるヒカルたんを若゙キンマンは呆然と見つめる。
ふと、ヒカルたんと目が合う。トーマスの肩越しでクスクスと笑いながらこちらを見る姿
は、若゙キンマンにとって小悪魔そのものに見えた。
967やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/04 02:18 ID:xNzD8BBx
(11)
一人残された若゙キンマンは、散らばったおもちゃや地面の汚れ具合を見て、ヒカルたんが
抵抗した形跡が確かにあることを確認した。
「いったい何があったというんだ」
落ちているおもちゃを手に取り、若゙キンマンは自分が留守にしていたことを悔んだ。
そして自分がヒカルたんを信じすぎていたことにショックを受けた。例えどんなことがあ
ってもヒカルたんが自分への愛を貫くと信じきっていた若゙キンマンは、ヒカルたんの拒絶
で、いつのまにかこんなにも動揺する自分がいたことに気付く。
「何が策略だ…。あぁそうだよ、分身。虜になっていたのはボクのほうだ」
若゙キンマンはじっとヒカルたんの服を見つめる。そして手に取ると、愛しそうに抱きしめ
た。
そこにはいつもの残酷卑劣な姿はなく、愛しい者に裏切られて涙する若゙キンマンがいた。



                             (おわり)

968ルームサービス  IN BATHROOM @:03/09/04 14:02 ID:adEio7Z6
バスルームのあかりと薄い湯気の中、手が上下する。
掲げた右手の上から下へと、アキラの左手が滑り、ヒカルの体内に入り込むための潤滑剤を塗りつけている。
ヒカルの顔の前で、見せつけるように行われている作業。
ヒカルは、焦点のぼけた瞳でそれをみている。
しかし、眼のふちの赤みがだんだんと増している。

犬は何もしてない。ただ手持ち無沙汰だ。ヒカルに触れていいものか
どうかもわからない。ただ、存在している。傍観者として。

爪の先から指のまた、肘まで、十分に滑りが与えられた。
手袋は使用しないことになった。
アキラの素手がヒカルに入る。
969ルームサービス  IN BATHROOM A:03/09/04 14:05 ID:adEio7Z6
アキラとヒカルの瞳が出会う。二人はしゃべらない。
ヒカルの静かな注視に先にアキラが眼を反らす。
バスルームの床にヒカルの体がアキラに押し倒される。
口づけが唇から首筋、鎖骨のくぼみへと繰り返される。人形のように受けていた
ヒカルだが、乳首を噛まれて肩を軽く震わせた。すかさず、アキラはわき腹を舌
でなであげる。ひくりとヒカルの肩が震えた。アキラの手が動きヒカルの中心で
動く、開いた唇からかすかなため息が漏れた。

犬は、手を出さないことにした。生き物が、体の上を動き回るオカッパの黒髪を
強くつかんでいるからだ。全身を動き回るオカッパの愛撫に瞬く間に生き物は乱
れていく。たちあがったものの先端を何度か音をたてて吸われた時に軽く唇を震
わせる様子がとてつもなくかわいらしかった。
だが、その顔の上にはオカッパの頭が多いかぶさり、犬の目から見えなくなる。
オカッパに全身をすりつけるようにされて生き物がせつなげに震える。
重なった足の内側に手をいれ、オカッパが生き物の両膝を立てさせる。曲げた足
の中心にオカッパの指がつきたてられる。
970ルームサービス  IN BATHROOM B:03/09/04 14:07 ID:adEio7Z6
「つっ!」
アキラは自分の指を受け入れたヒカルの内部にわれを忘れた。長時間いじくられて
とろけそうに熟れた粘膜がアキラの指に反応して蠢く甘美さ。なるべく入り口近く
に負担をかけないように、アキラだけが知っている奥の場所を突く。
「あぅっうん」
素直にあがった声に安心し、さらに指をねじこむように動かす。
「…………っ」
唇は噛みしめられているが、震える肩が、髪の毛をつかむ指先がヒカルが感じて
いると伝えている。
指をふやし、ゆさぶるように奥を刺激すると、金色の前髪をふりみだし、たまら
ないあえぎ声でアキラにすがりついてくる。
……気が……狂いそうだ。
いつもそう思う、ヒカルが自分の体の下でこんなふうに頭を振り乱すなんてこと
があっていいのだろうか。
アキラが自分が瞬く間に興奮してゆくのがわかる。今すぐヒカルの暖かい体の中
に入って思うさまつきあげて果ててしまいたい。しかし。
「とう………や……もっと……」
髪の毛をつかむヒカルの手の力が増す。
971ルームサービス  IN BATHROOM C:03/09/04 14:16 ID:adEio7Z6
「もっと、奥まで、欲しい?」
オカッパが、生き物に尋ねる。尋ねると同時に、オカッパは、生き物のそこに
入ってる指の本数を増やした。一度ひき、強く突き入れる動き。オカッパの手
は、さらにすくいあげるような動きをした。生き物は可愛らしい唇から絞りあ
げるような悲鳴が漏れる。金色と黒色のまざったかみの毛がバスルームの床を
撫で、飛沫を散らす。返事はなく、ただたまらない吐息だけが聞こえる。
「ね、答えて?どうして欲しい?」
のけぞる生き物の体をおさえつけて、オカッパが生き物に口づける。
ねっとりと生き物の中に入り込むオカッパの舌と、ねちっこく生き物の下半身
を分け入って動くオカッパの右手に、オカッパの体の下で、ひくひくと震える
信じられないほど綺麗な生き物。
長い口ずけの後、糸をひいて、唇が離れる、とうや………、と生き物が切なく
つぶやく。

貫かれたい。
ヒカルの望みはそれだけだった。
塔矢自信で貫かれて、抱きしめられて、何もわからなくなるまで、ゆさぶられ
たい。
なのに。
「どうされたい?」
…………欲しい、もっと奥まで………、めちゃくちゃにして。
「とっ」
答えようとした瞬間に指先ねじ込むようにいいところを刺激してきた。
「はァァあぁんっ」」
「いい?進藤、こっちは?」
別のポイントも刺激され、さらに子犬のような悲鳴をあげた。その子にしめつ
けたなかで指をまげて回される。



972ルームサービス  IN BATHROOM D:03/09/04 14:22 ID:adEio7Z6
「あぁあっ・・」
手足をつっぱらせて快感に耐えるヒカルの粘膜をさらに指は責めさいなむ。
「あーっっ、、あーっあっひっあ」
たまらない、広げた足のじゅくじゅくとして敏感な中心をおしひろげられ、
かき乱される。指をすりつけられるたびにからだじゅうが感電したように
わななく。
「とう・・や・・あ、とう・・やあ、ああ」
涙をあふれさせながら自分を犯す男の名を呼ぶ。
返事をするように唇をふさがれ、少しひいた指をまた思いきりつきいれら
れる。
「んーーーーーっ」
体を痙攣させて耐えるヒカルの快感を思う存分唇からうばいとって塔矢は
微笑む。
「さっきはいやだっていったけど、今はいいだろ、進藤のここ、舐めるよ」
言うが早いが、塔矢のかみの毛が胸からへそをなで、足の中心に熱く柔ら
かい感触をヒカルは感じる。



オカッパが頭を下腹部にうつしたので、、犬の目には生き物の体を見るこ
とができた。下半身に顔をうずめようとするオカッパを自ら誘導するよう
に足をかかげて曲げる。涙のからまった睫を伏せ、唇をうすくひらかせて
震え、もはや、犬の存在など、完全に目に入っていないようだった。オカ
ッパの頭の動きにあわせて、眉間に皺がより、とろけそうな吐息が生き物
の唇から漏れる。犬は自分の前がガチガチになっていることに気が付いて
いたが、生き物から目を離せず。抜くことができないままであった。

973ルームサービス  IN BATHROOM E:03/09/04 14:23 ID:adEio7Z6
一日中道具やら、何やらで焦らされ続けた後、熱く柔らかい舌でそこを舐め
られるのはとてつもなく気持ちがよかった。
ヒカルは、甘い声をあげながらただアキラの舌の与える快楽に集中していた。
広げられたせいで、舌がいつもはとどかない所まで届く。
ふいに舌を引かれ、ふっと息をふきかけられる。
「あぅんっ」
冷たい空気を感じて震えたそこを指ですくいあげられるように刺激され、さ
らに声が出る。
「あ、あん」
「進藤の中、見えるよ、真っ赤だ」
ふいにアキラが言う。ちらりと見たアキラの顔が上気して、すごく興奮して
いるのに、突然恥ずかしくなる。
「バカっ!塔矢、オヤジ、変態!!」
「いまさら、変態だなんていわれてもどうも思わないよ、それより、キミは
どうなの?」
指が一本、増やされて、ヒカルはうめいた。
「ここを、いじられてこんなに感じて」
さらに一本、抵抗もなく入った。そのままぐっと入れられて広げられる。
 「ふあっぁっああ!!」
 「ここをひろげられるのも、大好きなくせに」
さらに一本、鳥肌が立った。

974ルームサービス  IN BATHROOM F:03/09/04 14:27 ID:adEio7Z6
「−−−−−やっあっ!!」
4本の指を横たえ、蟻の門渡りを刺激すると、細い肩がひくりと震えた。さ
らに乳首を刺激しつつ、性器の先端を含むと、泣き声に似たあえぎがあがった。
「と……や、お……ね……が……」
「どうしたの?やめて欲しい?」
指を動かす、いやいやをするようにヒカルは頭を振った。
「続けてほしいの?」
入れた指をさらにつきあげると、ヒカルは、ひっと喉を鳴らした跡、軽く先
走りで前を塗らした。
「もちろん続けて欲しいよね」
舌先で先走りの蜜をちろりとなめるとたまらない声があがる。
「はあっああん!!」
バスルームの濡れた床の上で揺れる、濡れた金色の髪と後ろの濃い色の髪、
なだらかな頬にはりついてなんだか色っぽい。
…………たまらない。
中に入れた指を広げてまわすようにすると、搾り出すような声があがった。
通常の状態だとここまで広げるとかなりつらいだろうに、粘膜はひくひくと
ものほしそう指を締め付けてくる。
………なんて淫乱なんだろう………。
さらにおしひろげようとする指に、乱れるヒカル。
かわいすぎてかわいすぎて、死にそうだった。
だからアキラは言った。
「………キミを見てると、気が狂いそうになる」「………あぁんっ」
「キミが欲しくて、抱きしめたくて、ひとつになってつきあげたくて、この
まま死んじゃうんじゃないかと思うくらい胸が痛い」
「………とぉ………や」「欲しい?僕が?」「ふっ!!」
わざと指を動かしたので、言葉をつむぐことができないようだった。しかし、
顔はコクンコクンとうなずくように揺れた。流れ出した涙で潤んだ顔をみつ
めつつ、アキラは言った。
「ボクの手を入れてあげる、ボクが囲碁を打つ右手をキミの中に入れてあげる」
「………っ!!」
975ルームサービス  IN BATHROOM G:03/09/04 14:29 ID:adEio7Z6
吐息は、返事になっただろうか。
ヒカルは思った。
腕を入れると言われてめちゃくちゃに感じている。自分の変態ぶりに、ヒカル
はあきれつつも、さらに、興奮が加速していくのを感じていた。
涙にくもった視界にアキラの真剣な顔がある。鋭い瞳が自分をまっすぐにみつ
めている。
それだけで感じた。ものほしげに自分がアキラの指をしめつけたのがわかった。
「ふぁっ」
「いっ・・・」
さらに進入しようとくの字型に揃えられているらしい指がゆっくりとねじこま
れてくる、沈められてくる指に広げられる感覚が確かにある。ごつごつとした
骨の感触。スープはなまあたたく。プラグは冷たくてすべすべしていて熱がな
かった。
しかし、容赦なく入ってくる指にはアキラの熱が確かにある。
入り込んでくる指の太さはこれまでにうけ入れた限界に近づいている。
しかし、入ってきた質量にやはり敏感に立ち上がったものの根元と裏を両側
から刺激され、力が抜ける。指が進んで受け入れてしまうのがわかる。また
広げられる。
熱く敏感な粘膜の中心を弾けるほどに押し開かれて、今までに達したことも
ないほど深くアキラを受け入れようとしている。
「はぁっあっ」
突然声をあげ、足をもがくように動かしたヒカルにアキラは侵入を一旦とめる。
少し、動いた指に、あああ、と声が出る。走った快楽のおとしどころをもと
めてヒカルは足をばたつかせた。
アキラは気が付いたらしく、ヒカルの足を高く抱えなおした。

976ルームサービス  IN BATHROOM H:03/09/04 14:32 ID:adEio7Z6
「犬」
突然呼ばれて、犬は突然びくりと反応した。
「足、支えた方が進藤、楽みたいだ、そっち持て」
「あ、はい、はい」
犬はあわてて回りこみ、おかっぱがやっているように生き物の足をかか
えあげた。
どきどきした。その位置にくると両足を大きくまげてひろげ、高く抱え
あげられ、腰を浮かせぎみ「犬」
にされた生き物の肛門が大きくひろげられて、指を受け入れているのが
見える。
すでに根元近くまで入っている。
足を持ち上げたことでしかし、少し空間が出来たのか。オカッパの手がさ
らにめり込む。
「いっ・・・・」
生き物が少し眉間にシワをよせて、うめいた。しかし、支えている足から
伝わる震えは、
あきらかに快楽がまじっている。オカッパがひきのばされた括約筋を残った
親指で丁寧に愛撫し、蟻の門渡りを刺激する。短い息を吐いていた生き物の
吐く息が少し鼻にかかった
その瞬間、さらに指が進む。
「ぁあっあ゛―っ」
肛門は最大限に広がり、一番太い指の付け根が侵入した。オカッパはさらに
ゆっくりと手を回しながら手首までを侵入させる。抱えている足には一瞬の
激しい緊張が走り、その後は硬直したようになった。
生き物は大きな眼をまん丸に見開き、叫ぶように口を大きくあける。だが
声にならないらしい。
手をとめ、オカッパが生き物の勃起した中心を宥めるようにさすった。
「・・・・」
声を出さないが生き物はかすかに震える。オカッパが再びゆっくりと手を
すすめる。

977ルームサービス  IN BATHROOM I:03/09/04 14:34 ID:adEio7Z6
 ヒカルは気が狂いそうだった。内臓の奥まで、アキラの拳をぎゅうぎゅう
に詰め込まれる。ぎりぎりまで広げられた粘膜の中で拳が回される。ヒカル
は声にならない叫びをあげる。
しかし。
  進藤・・感じて・・・る?とアキラのうわずった
声が聞こえる。ヒカルは言葉にならないうめきで応える。
拳がまわりながらひいてゆく。内臓全体をひきずり出されるような感覚。
「ぁっあっああっ」
体ががたがたと震えた。そして、拳はそこに達した。勃起しているものの
裏側その個所を、とてつもない圧力でおしつぶされるように刺激される。
「―――――!」

体全体に、太い鞭のような痺れが、走った。

体が一瞬よじれた。

瞬間、前が弾けた。
978ルームサービス  IN BATHROOM J:03/09/04 14:36 ID:adEio7Z6
「ーーーーー!!」
波は一回ではなく、ヒカルは全身を痙攣させつつ、前を
弾けさせつづけた。おさまったかと思った時にアキラが前を刺激する
のでさらに弾ける。うすらぎかけた意識の中、頬をぺたぺたとたたか
れる。涙で曇った視界の中にアキラの顔がある。
「進藤、今気絶されると抜けない、もうちょっとがんばって」
言われて、下半身に入っているアキラの拳を意識した瞬間にまた少し
弾けた。しかし、やはり太い。
「あっうっ」
鋭い息を発した唇を塞がれた。舌の奥まで犯されながら内側から開いて
拳が出てゆくのを感じていた。


抜いた後、一気に力の抜けたヒカルの体を抱きしめて、髪を愛撫していると
聞こえて来た耳障りな音にアキラは眉をしかめた。
見ると、犬が己で性欲処理に励んでいる。
………醜すぎる。
「犬、うっとおしいことをやるな、出てけ」
アキラにすごまれると、犬はひくりと顔をあげ、名残おしそうにアキラの
腕の中のヒカルを見たが、その後すごすごと出て行った。
(・・・・ヘンなヤツだ・・・)
バスルームから出て行く犬を見詰めていると、ヒカルが鼻を鳴らして甘え
て着たので、
キスをする。
安心しきって、もたれているヒカルの涙でぐしゃぐしゃになった顔を見て
いると。

・・・・・・壮絶な罪悪感が襲って来た。

979月明星稀 ◆2DpdawnHik :03/09/05 01:24 ID:BgsGKC+t
突然、怖くなった。
彼の想いを受ける資格など無いように思えた。
「アキラ……」
「なに?ヒカル。」
「本当に、俺でいいのか?」
「そんな事……」
なぜそんな事を言うのかわからないと、訝しげにアキラはヒカルを見る。
けれどヒカルはアキラから目を逸らし顔を背け、彼の胸を押し戻した。
「だって……どうして?」
どうして、こんな俺を好きだなんて言える?
「俺は汚い。」

「おまえは知らないだけだ。俺は汚い。どうしようもなく汚れてる。
おまえが好きになるような価値なんてないんだ。」
「……本気でそんな事を言っているのか?」
片手で離れようとするヒカルの肩を掴み、更にもう片方の手で、アキラから目を逸らそうとするヒカルの
顎を捕らえる。黒い瞳の奥の炎にヒカルはたじろぎながら、逃れる事が出来ない。
「価値だって?
何でその価値を量ろうというのだ。
何に価値があり、何に無いと言うのだ。
愚かしさも、激しさも、情の深さも、全部含めて君が好きだ。
佐為殿を愛してた君も、彼を失って闇に堕ちていった君も、全部君だ。その君の、全てを愛してる。
君以外の誰も、僕の心をこんなにも動かせる人はいない。ヒカル、」
「それだけじゃない。おまえの知らない事だってある。俺は汚い。汚くてずるい。」
「そんなの、僕だって同じだ。それとも君は僕は全然汚くないとでも思っているのか?」
980学生さんは名前がない:03/09/05 01:25 ID:BgsGKC+t
ちびちびと行きます。
日記がとうとう終わってしまったか……交際さん、乙かれでした。
そして若゙キンマンも祭りのあともおわっちまって本当に祭りの後のようなうら哀しい秋の夜…

でもチャウダーさんが復活してくれて嬉しいよ。
残されたのが俺一人じゃないとわかってちょっと安心した。
981Honey☆man(ヽ(・∀・)ノ  「涙」   世界一の廃人 ):03/09/06 01:03 ID:oxcpwQzD
           
              
982学生さんは名前がない:03/09/06 15:25 ID:eUnSDNK2
☆ッシュ
983学生さんは名前がない:03/09/07 00:47 ID:aHIoc32R
捕手
984やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/07 02:53 ID:Gyb4dUfl
  〜ヒカルたん癒し系〜

(1)
月明かりに照らされて暗闇に白く浮かぶヒカルたんの体を、トーマスは飽きることなく見
つめていた。
ヒカルたんは何時間にも及ぶ行為に疲れ果て、トーマスのベッドでぐっすりと深い眠りに
ついている。だがそれでもまだ離れたくないと、トーマスの手をぎゅっと握っていた。
トーマスはこれが夢ではないのかとヒカルたんに抱きついた。暖かい肌の感触、穏やかな
寝息、せっけんの香りがする体。目を閉じても確かに感じるヒカルたんの存在に、トーマ
スは嬉しくて涙を流した。
「…トーマス、どうかしたのか?」
いつのまにか抱きしめる腕に力が入りすぎてしまい、ヒカルたんは目を覚ましてしまった。
トーマスは急いで涙をぬぐう。
「泣いてるのか?」
ヒカルたんは心配そうに見上げた。
「なんでもねーよ。ただちょっと…おまえがそばにいるのが嬉しくてさ」
トーマスは顔をヒカルたんの胸にこすりつけるようにして抱きついた。ヒカルたんはまる
で母親のようにトーマスの頭をなでる。
「何バカなこと言ってんだよ。オレ達ずっと一緒にいたじゃん」
笑いながらヒカルたんはそう言った。
それをトーマスは唇を噛み締めて聞いていた。
ヒカルたんは若゙キンマンとの記憶全てをトーマスに置き換えていたのだ。
トーマスにとって今夜は初めて共に過ごす夜であるのだが、ヒカルたんはそれに気づくこ
となく、いつものようにトーマスに抱きついて眠った。
985やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/07 02:54 ID:Gyb4dUfl
(2)
朝食を囲む食卓は異様な空気に包まれていた。
つい前日まで若゙キンマンと仲良く食事していたヒカルたんは、トーマスと二人だけの世界
をつくっている。
その隣でなんともないような顔をして若゙キンマンは黙々と食事をする。
佐為はおろおろして食事どころではなかった。
「ごちそうさまでした」
若゙キンマンは早々に席を立った。
「もう終わりですか? まだ随分と残っているじゃないですか」
佐為は心配そうに見つめる。けれどヒカルたんはそれに気づきもしない。
「すみません。これから急いで行かなければならない用事ができてしまったので」
若゙キンマンはそう言って謝ると、ヒカルたんを見つめた。だがヒカルたんの目に若゙キン
マンがうつることはなかった。切なそうに顔を歪めると、若゙キンマンは俯いてその場から
立ち去った。
その寂しそうな後姿を見て、佐為は怒鳴らずにいられなかった。
「ヒカルたん、どういうことですか? あれじゃ若゙キンマンが可哀想ではありませんか」
佐為の金切り声にヒカルたんは驚いた。
「何だよ朝から大声で」
鬱陶しそうに睨むヒカルたんに、佐為の怒りは更に増した。
「随分と酷いことをするんですね。昨日まであんなにも好きあっていたのに、こんなにも
すぐに捨てることができるんですか? 最低です、ヒカルたんなんか最低です」
そう言うと佐為もその場から立ち去った。
残されたヒカルたんはわけがわからず、小首をかしげた。
「何で佐為のヤツ、怒ってんだ? っていうか若゙キンマンて誰だよ」
ヒカルたんの言葉にトーマスは目を見開いた。
「ん? トーマスは若゙キンマンってヤツのこと知ってんのか?」
その問いにトーマスはどう答えようか迷ったが、知らないフリをするしかなかった。
「…いや、知らねーよそんなヤツ」
986やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/07 02:56 ID:Gyb4dUfl
(3)
碁会所を飛び出した若゙キンマンは城へ戻っていた。
そしてヒカルたんの間の扉を開ける。城内はトーマスのせいで荒れ果てていたが、この広
間だけはきれいに残されていた。
一つ一つコレクションを見つめ、若゙キンマンは窓の外を見た。窓からはかすかにヒカルた
んのいる碁会所が見える。ふとあの頃の幸せだった記憶が甦り、若゙キンマンは無意識のう
ちにヒカルたんの名前を呼んだ。
「久しぶりだな。キミがそこまで落ち込むのを見るのは」
その声に驚き、若゙キンマンは振り向いた。
「…オガタさん!?」
タバコをくゆらせながら、オガタはゆっくりと近づいた。そして若゙キンマンの目の前に来
ると黒い艶やかな髪を優しく弄んだ。
「完璧主義のキミでも感情に流されることはあるんだな。しかし…」
オガタは黒髪を思い切り引っ張る。若゙キンマンは痛みのあまり顔をしかめた。
「トーヤ一族の恥さらしとなる行為はやめてもらおう。これでは何のために若゙キンマンと
いう名前をキミに与えたのかわからないじゃないか」
「は…はい」
返事を聞くと、オガタは手を放した。
開放された若゙キンマンは恐怖のあまりその場に座り込んだ。
その怯える姿をしばらく見つめていたオガタは口の端で笑うと、若゙キンマンの腕をつかみ
ベッドへと連れて行こうとした。
「待ってください。お願いします、オガタさん。許してください」
若゙キンマンは懇願した。しかしオガタはそれを聞き入れなかった。
「キミのお父様から言われているんだ。罰はきちんと与えるようにと。それにキミは今、
悪名高い若゙キンマンだろう。もうあの頃の泣いてばかりいたアキラたんじゃないんだ。
駄々をこねないでおとなしく罰を受けなさい」
オガタはそう言うと若゙キンマンをベッドへ押し倒し、服を引き裂いた。
若゙キンマンは諦めたかのように目を閉じると、埃っぽいシーツをつかんで、それが終わる
のを待った。
987やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/07 02:57 ID:Gyb4dUfl
(4)
「おかしいですね」
碁会所の前で佐為はそわそわしながら若゙キンマンの帰りを待っていた。
いつもならこの時間は夕食を終えて団欒する頃だった。
「なァ、佐為まだ? オレもう腹が減りすぎて死にそうなんだけど」
夕食を待ちきれないヒカルたんは佐為の袖を引っ張った。
「ダメです。絶対食べちゃダメ。いいですか、皆がそろうまで夕食は無しです」
きっぱりという佐為にヒカルたんはふてくされた。
「ヒカルたん、本当にどうしたんですか? 若゙キンマンが帰ってこないのですよ? 心配
ではないのですか?」
ヒカルたんの行動を信じられない佐為は、ヒカルたんに詰め寄った。しかしヒカルたんの
口からは信じられない言葉が出た。
「だから何なんだよ。若゙キンマンって誰だよ。そんなヤツどうでもいいじゃん」
パシッと乾いた音が響く。ヒカルたんは叩かれた頬を押さえ、佐為を睨んだ。
「痛ッ。何すんだよ!!」
「見損ないました。私の知っているヒカルたんは誰よりも優しくて心のきれいな子だと思
っていました。だからこそあなたにこの町の安全を任せたのです。それなのに、どうして
そんな残酷なことが平気でできるんですか? 仮にもあなたたちは愛し合っていた仲では
なかったのですか?」
涙ながらに追及されたヒカルたんはそれでも食い下がった。
「佐為の方こそ訳わかんないこといってんじゃねーよ! だいたいオレがなんで見ず知ら
ずのヤツと付き合わなきゃならないんだよ。いったい誰なんだよ若゙キンマンって」
ヒカルたんの言葉に佐為は異変を感じた。どう見てもヒカルたんが嘘を言っているように
は思えなかったからだ。しかし何故なのか理解できない。
「とにかく若゙キンマンが帰って来るまで夕飯はお預けです。どうしても食べたいと言うの
なら、若゙キンマンを探しに行きなさい」
そう言われたヒカルたんは食欲には勝てず、渋々と探しに飛び立った。
その姿を不安そうに見送ると、佐為は碁会所へ戻ろうとした。ドア越しに何かもの言い
たげにトーマスが立っているのが見える。だが、佐為と目が合うと逃げてしまった。
佐為はため息をついてヒカルたんの向かっている方向を見つめた。
988やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/07 02:58 ID:Gyb4dUfl
(5)
日も暮れ静まり帰った森の湖の畔に若゙キンマンは一人佇んでいた。
服を脱ぎ、ゆっくりと湖の中へ入る。だが疲労と激痛ですぐに倒れてしまった。傷だらけ
の体には水さえも凶器と化していた。突き刺さるような痛みが体中を走る。だが若゙キンマ
ンはそれでももっと深いところを目指した。そして腰まで浸かれるところに来ると、ゆっ
くりと手を下半身へ伸ばす。そして尻の穴へ指を入れ、中のものをかきだした。どろっと
白いものが体外に出て行くのを感じる。
若゙キンマンは空を仰いだ。東の空に不気味な赤い光を発している月が見える。まるで血塗
られたような毒々しい赤さに吐き気がした。
オガタの高笑いが耳から離れない。罰と称して行われた行為は、若゙キンマンに体だけでな
く心にも傷をつくっていた。ただでさえヒカルたんに裏切られたショックが大きいという
中で、その罰を受けるにはあまりにも酷なことだった。
しばらく呆然と月を見上げながら佇んでいると、背後に人の気配を感じて振り向いた。
そこには息を切らしながらふてくされた顔をするヒカルたんが立っていた。
その顔を見て、若゙キンマンは今すぐにでも飛びつきたい気持ちだった。けれども自分を見
る冷たい目がそれを思いとどまらせた。
「こんなとこで何遊んでんだよ。若゙キンマンだか誰だか知らないが、おまえのせいで夕飯
が食べれないんだぞ。さっさと帰ってこいってんだ。このバーカ」
「…そうか。ごめん」
謝った若゙キンマンを見て、ヒカルたんは帰るために飛び立とうとした。けれども俯いてい
る若゙キンマンが泣いているような気がしてやめた。
「ごめん。オレもちょっと言い過ぎた。けど、そんなことでおまえもいちいち泣くなよ」
だがいっこうに話そうとも動こうともしない若゙キンマンに、ヒカルたんは仕方ないと諦め
て湖の中へ入った。
「なァ、本当にオレが悪かったって」
すまなそうにヒカルたんは近づいた。しかし若゙キンマンは突然騒ぎ出す。
「来るな! それ以上ボクに近づくな!」
「はぁ? どうしたんだよ、おまえ」
逃げる若゙キンマンを訝しく思い、ヒカルたんは追いかけた。だがその原因はすぐわかった。
ヒカルたんはそれを見て我が目を疑った。
989やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/07 02:59 ID:Gyb4dUfl
(6)
「どうしたんだよ、これ…」
薄暗い月明かりで今まで見えなかったが、近くで見るとそれはよく見えた。
何かで強く叩かれたような赤く腫れた痕や鬱血した痕が無数に小さな体に散らばっていた。
ヒカルたんはよく見ようと手首をつかんで引き寄せようとした。
若゙キンマンは激痛に顔を歪める。見ると手首にはずっと縛られていたような痕があった。
そしてこれらがまだできたばかりの傷であることがわかると、ヒカルたんは若゙キンマンの
身に何が起こったのか察した。
「これって、おまえ…」
ヒカルたんに見られるのが怖くて、若゙キンマンは手を振り払うと急いで岸へと上がった。
その後をヒカルたんも追う。そして岸に上がった若゙キンマンの白い内ももに、うっすらと
赤い線が無数に走るのを見て確信した。
「なァ、おまえそれって合意の上だったのか? それとも誰かに無理矢理やられたのか?」
ヒカルたんの問いに答えず、若゙キンマンは服を着る。
「おい、無視すんなよ。おまえそれがどういう意味なのかわかってるのか?」
「うるさい。キミには関係ないだろう」
そう言うと若゙キンマンはヒカルたんを睨んだ。
「関係ないかもしれねーが、こんなおまえを放っておけないだろ!」
その言葉を聞いて若゙キンマンはヒカルたんへ飛びついた。そして思い切り押し倒すと、無
理矢理キスを迫る。
息もできないくらい激しく貪られたことと、愛しいトーマスを裏切るわけにはいかない気
持ちから、ヒカルたんは若゙キンマンの唇をかじった。
「何すんだよっ」
息を荒げながら若゙キンマンを睨む。だが若゙キンマンは唇から流れる血をぬぐおうともせ
ずにじっとヒカルたんを見つめる。
「これがボクだ。…わかったらもう、…近づくな」
そう言うと若゙キンマンは森の中へ姿を消していった。
その消えていく様をじっと見つめる。ヒカルたんは頭の片隅に何か引っかかるものがあっ
て、ずっと動けないでいた。
990やりすぎ☆若゙キンマン:03/09/07 03:00 ID:Gyb4dUfl
(7)
「んぅっ、トーマス。もっと…、もっと激しくしていいから」
結局若゙キンマンは碁会所に戻らなかった。ヒカルたんは更に佐為から責められたが、口答
えすることなく素直に謝った。そして夕食もそこそこにしてトーマスを求めた。
何があったのかわからないが、熱のこもった声で激しく自分を求めてくるヒカルたんに、
トーマスは必死で応えた。
「もっと…もっとオレをめちゃくちゃにしてよ。何も考えられないくらいにさ…もっと」
ヒカルたんは足りないとばかりにトーマスのモノを感じようと腰をふった。
トーマスはなかなか満足してくれないヒカルたんに焦り始めた。このままでは自分の体が
もたない。トーマスは唇を噛みしめ、若゙キンマンのことを思い出していた。アイツならヒ
カルたんを簡単に満足させることができるのだろうか。やっとアイツから奪い取ったとい
うのに、独占したというのに、どうしてこうも安心できないのだろう。トーマスは焦燥感
でいっぱいだった。
「トーマス、もっと、もっといじめてよぉ」
しびれを切らしたヒカルたんはその言葉発した途端、何かにとりつかれたかのように叫び
暴れだした。
「おい、どうしたっていうんだよ」
突然の変貌にトーマスは動揺した。
ヒカルたんは頭をふって泣き叫ぶ。そして震える手でトーマスに助けを求めた。
「助けて、トーマス。…オレの頭の中に、なんかいる」
ヒカルたんは恐怖でガタガタと震えていた。
「なんかいるって、どうしたんだ」
トーマスの問いにヒカルたんは泣きながら答えた。
「わかんない。なにか訴えてるんだ。思い出せ、思い出せって。でも何も思い出せない。
何か大切なこと忘れてるのに、思い出せないんだ。…アイツのせいだ」
「アイツ?」
トーマスは胸騒ぎを感じる。
「若゙キンマン。アイツを迎えに行った頃から、誰かがオレの頭の中で叫んでるんだ」
トーマスは絶句した。
991学生さんは名前がない:03/09/07 03:01 ID:095unfFb
ほす
992懐かしい風の香り:03/09/07 03:13 ID:Gyb4dUfl
(1)
「よう、進藤」
棋院の廊下の隅で呆然と立っていたヒカルに和谷が話しかける。
突然声をかけられたヒカルは、驚いて持っていた携帯電話を落としてしまった。
「あ…和谷か」
ヒカルはおどおどしながら携帯を拾う。
「どうかしたのか?っておまえ、この前でたばかりの携帯じゃん!」
ヒカルはさっと携帯を隠そうとしたが、和谷にとられてしまう。
「これってデジカメ並に写真が撮れるってヤツだろ?いいよな〜。オレも金があったら買
うんだけどな〜」
「…よくねェよ」
ヒカルは怒ったような口調でそう言うと、和谷から携帯を奪い取った。
「何だよ、いつもならスゲーだろって自慢してくるくせに。もったいぶってないで、なん
か写真見せろよ」
和谷はヒカルからまた携帯をとろうとする。
「何すんだよ、やめろよっ!!」
ヒカルは怒鳴った。
「何おまえマジになってんの?」
和谷は目をぱちくりしてヒカルを見つめる。
今日のヒカルはどう考えても様子がおかしかった。
まるで何かに怯えた子猫のように、全身の毛を逆立ててるようだ。
「ごめん。急用ができたんだ。オレ先に帰る」
ヒカルはそう言うと棋院をあとにした。
「…変なヤツ」
和谷は何が何だかさっぱりわからなくて首をかしげた。
993懐かしい風の香り:03/09/07 03:16 ID:Gyb4dUfl
(2)
「ぼっちゃん、進藤さんがおみえですよ」
家政婦に案内されたヒカルは深呼吸すると部屋へ足を踏み入れた。
リホームをしたのか、部屋は新しくきれいになっていた。
「随分時間がかかったね。連絡いれたらすぐに来るようにって言ってあるだろ。これじゃ、
わざわざ携帯を持たせた意味がないじゃないか」
越智は嫌味ったらしく言った。
「今日は研究会の日だって知ってんだろ」
越智がそれを知っててわざと呼び出してきたのをヒカルはわかっていた。
しらばっくれる越智をヒカルはじっと睨んだ。
「そんなとこに立ってないで、ここに座るなりしたら?」
越智はベッドに座ると、となりに来るように手で示した。リホームついでに購入したのか、
そこにはキングサイズのベッドがあった。
ヒカルは唇を噛みしめてうつむく。
「それともそこでやりたいのか」
ベッドから立ち上がると、越智はヒカルに近づいた。
「画像は見た? よく撮れていただろう」
ヒカルのジーンズの尻ポケットに手を差し込むと、携帯を取り出した。
携帯を楽しそうにいじる越智を殴りたい衝動を、ヒカルは目を閉じてこらえた。
「あーこれ、すごく気に入っているんだ」
越智はそれをヒカルに見せつけた。ヒカルは目を開こうとしない。
「すごいよね。尻の穴ってこんなにひろがるとは思わなかったよ」
その言葉で越智にされたことを思い出したヒカルは、耳をふさいで忘れようとした。
越智は嘲るように笑うと、部屋のドアの鍵を閉めた。
その音にヒカルは振り向く。その鍵は今までこの部屋になかったものだ。
ヒカルは不安で胸がいっぱいになった。
994懐かしい風の香り:03/09/07 03:19 ID:Gyb4dUfl
(3)
驚いているヒカルをよそに、越智は机の上にあるリモコンのボタンを押した。
天井から映画のスクリーンのようなものが出てきた。そしてそのスクリーンにはヒカルの
裸姿が映し出された。
ヒカルは悲鳴をあげてオーディオがある棚に走った。映像を止めようとしたが、その棚に
は鍵がかけられていて、ふたを開けられなかった。
スピーカーから大音量の自分の喘ぎ声が流れる。
部屋の外まで聞こえてしまうほどの大音量に、ヒカルは越智の持っていたリモコンを奪い
取ろうとした。
「おとなしく見なよ」
「家の人にバレたらどうすんだよ!」
だが越智は不適な笑みを浮かべて淡々と話し始めた。
「この前ホームシアターセットが欲しいっておじいちゃんに言ったら、映画館並みにリホ
ームしてくれたんだ。しかも防音設備にも凝ってくれてね」
越智はそう言うとヒカルの股間をジーンズの上から握った。
ヒカルはつかまれた痛みに悲鳴をあげた。
「進藤ってさ、あの時の声すごく大きいんだよね。でももう大丈夫。どんなに叫んでも外
部に声が漏れないようにしたから」
嬉しそうに話しながら越智は冷笑した。
ヒカルは越智から与えられる刺激に必死にたえた。
無言の抵抗をするヒカルに、越智は手を止めてヒカルをベッドへ連れて行く。
「早く脱げよ」
抵抗しても無駄だとでもいう越智の態度に、ヒカルは仕方なく従った。
995学生さんは名前がない:03/09/07 14:48 ID:vCTzCNFV

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
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     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
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996学生さんは名前がない:03/09/07 14:55 ID:o7+dv0SV
test
997学生さんは名前がない:03/09/07 14:57 ID:o7+dv0SV
997
998学生さんは名前がない:03/09/07 14:57 ID:o7+dv0SV
998
999益男:03/09/07 14:58 ID:o7+dv0SV
寸止めしときます            
1000学生さんは名前がない:03/09/07 14:59 ID:tvt+03gU
やったぁ!
10011001
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