●おまえら男ならヒカルたんハァハァだよな?Part11○
「進藤君?」
俯いて身を震わせているヒカルに、行洋は声をかけた。できるだけ、優しく。
弾かれたように、ヒカルが顔を上げた。
ヒカルの大きな目から涙が零れ落ちた。あふれ出た涙は止まらず、ヒカルの顔が嗚咽に歪んだ。
驚きに目を見張りながらも、行洋はゆっくりとヒカルに近づき、泣き出すのをこらえているような
ヒカルの頭を慈しむように撫でた。
その手が引き金になった。
「あ‥」
ヒカルの口から嗚咽が漏れ、そしてそれはすぐに大きな叫び声になった。
「あああーーーっ!」
ヒカルは行洋に抱き着いて、大声で泣いた。
「佐為、佐為、佐為ぃいーー!
どうして、どうして、いなくなっちゃったんだよぉ!
オレを置いて、オレを一人だけ置いて、
なんにも言わないで、さよならも言わないで、
どうして一人でいっちゃったんだよぉおお!」
突然泣き出した少年が、わからない。
だが悲しみは、こらえているよりは吐き出してしまった方が良い。
自分にしがみついて泣いている少年の背を、行洋は優しく、とんとんと叩いてやった。
泣きながら、ヒカルは棋院の奥部屋で佐為の棋譜を初めて見たときのことを思い出した。
あの時も泣いた。
けれどあの時は一人だった。
佐為の事は誰にも言えなかったから、たった一人で泣いて叫んで、けれどそれを受け止めてくれる
人はいなかった。だからヒカルの涙も叫びも、ヒカルの中で逃げ場をなくしてしまっていた。
けれど今は違う。
同じ泣くのでも、今はそれを受け止めてくれる人がいる。
行洋のがっしりとした胸にすがりながら、佐為の胸はこんなだったのだろうか、と思う。
佐為には触れることはできなかった。
いつも隣にいて、どんなに身近に感じていても、決して触れることはできなかった。
いつもいるのが当たり前だと思っていたから、空気のような存在だと思っていたら、そのまま
空気のように消えてしまった。
「いつも、いつも、一緒にいたのに。ずっと、一緒だって、言ってたくせに。」
着物の袖をつまんで引っ張って、顔を見上げた。
涙で視界がぐちゃぐちゃで、その顔がどんな風にヒカルを見下ろしているのか、わからなかった。
だからヒカルは目の前の暖かい胸を、責めるようにこぶしで叩いた。
「どうしてだよ?
神の一手を極めるんじゃなかったのかよ?
まだ、届いていないじゃないか?
なのに、どうして消えちまったんだよ?」
叩きながら、また涙が出てきて、ヒカルは目の前の広い胸に顔を埋めた。
そんなヒカルをなだめるように、大きな手が優しくヒカルの頭を撫でた。
ヒカルたぁん!俺の事を忘れないでくれよう!
このデスマーチから俺を助け出してくれ…もうアニメビデオも三話分たまってるよ。
ジャソプも買ってはいるけど積んでるし、今週まだ家に一回も帰れてない…
今アニメどこらへんだ?ヒカルたん…ヒカルたん…ハァハァしてぇーYO!
な…何か涙なしでは読めないスレになっている…小説もだけど…
オレも7年間可愛がったインコを死なせちゃった時は泣いた…
布にくるんで5日間くらい枕元に置いて一緒に寝て、やはりそのままじゃ可哀想だからって
埋めたよ…うわあああああん…
アーヘタレーコナイノカトオモタヨ
〃ヾ▼ ノ
⊂(´▽`⊂⌒ヽつ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
いつしか泣き疲れて眠ってしまったヒカルを、行洋はそっとソファに座らせてやった。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を、濡れタオルでそっと拭う。
「…佐為…」
ヒカルの口から、今はもういない人の名前が漏れ、また一筋、涙がこぼれる。
その涙を行洋はまた拭ってやる。
息子と同い年のその少年は、寝顔のせいなのか、歳よりも随分と幼く見える。
実際、ヒカルの口から漏れる言葉は支離滅裂で、行洋には理解できない事のほうが多かったが、
それでもわかった事はある。
それは、saiがもういないのだ、という事実。
そして、彼は進藤ヒカルにとって、大切な、身近な人物だったのだろう、という事。
確か去年の5月頃からだった。この少年が手合いに出て来なくなったのは。
自分がsaiと打ってから、それほど日が経ってはいなかったと思う。
彼―saiが消えた(?)のはその頃だったのだろうか。
きっと、そのために、この少年は碁から離れようとしたのだろう。
どんな思いで別離の悲しみを乗り越えて、この少年はここへ戻ってきたのか。
行洋は復帰後のヒカルの快進撃を思い出し、そしてその原動力がどこにあったのかが
わかった気がした。
真剣勝負として臨んだ自分を更に上回ったsai。彼と出会って、自分は変わった。
プロを引退したという事だけでない。
囲碁への情熱を新たにし、まだ自分の中に新しい碁があるのだと気付き、新しい世界へと
もう一度足を踏み出した。自分にそうさせたのはsaiとの1局だ。
そのsaiはもういないのだと彼は言う。それは行洋にとっても衝撃だった。
だが行洋のそんな衝撃も後悔も、この少年の胸の中の痛みに比べればどうということも
ないのかもしれない。
行洋は痛ましげな眼差しでヒカルを見下ろし、明るい色の前髪をそっとはらった。
saiとの別れが、きっとこの少年にとっての初めての別離だったのだろう。
それがどんなに辛いことなのか。親しい人を失う悲しみを、自分も何度も味わってきた。
最初の別離の苦しみも悲しみも、今はもう遠い思い出の中にしかない。
別れの味に慣れてしまった自分を、行洋は少し悲しく思った。
けれど、どんな出会いも、最後には別れで終わるのだ。
どんなに辛くても、それは避けられないことなのだ。
これからも、何度も、同じような、けれどその都度異なる別離が、彼を襲うだろう。
せめてそれらが、少しでも、彼にとって優しく、納得のできる別離であることを希いながら、
行洋はヒカルの髪を梳き、頭をそっと撫でてやった。
優しい手の感触にヒカルは目を開けて、そして、その手が行洋のものであるとわかって、
慌ててソファから身を起こした。
「ご、ごめんなさい、オレ…」
「済まないね、」
優しい慈しむような目で笑って、ヒカルの頭を撫でた。
「辛いことを言わせてしまったようだな。」
その言葉にヒカルは首を振った。
誰にも言えなかったことを聞いてもらえた。そしてきっと、行洋にとっては訳のわからないことを
口走って子供のように泣き喚いた自分を、受け止めてくれた。
嬉しかった。ありがたかった。少し恥ずかしくもあり、照れくさくもあったけれど。
「進藤君、」
ヒカルの頭をポンと軽くたたいて、行洋は呼びかけた。
「明日からの君の闘い振りを楽しみにしているよ。」
思いがけない行洋の言葉に、大きな目を見開いてヒカルは行洋を見上げた。
「…ありがとうございます。」
ヒカルの言葉に行洋はにっこりと笑った。
「塔矢先生…」
ヒカルは立ちあがって、深く頭を下げた。
「ごめんなさい…ありがとうございました。」
そうしていると、また涙が出てきそうになった。
唇を真一文字に引き締めて、涙をこらえて、ヒカルは顔を上げた。
そんなヒカルを、行洋は優しく微笑んで見ていた。
その微笑みを見て、ヒカルは、ああ、塔矢に似ているな、と思った。
やっぱり親子なんだなあ、と思いながら、もう一度、深々と礼をした。
そうして部屋を出て行こうとしたヒカルに、行洋が背後から声をかけた。
「そうだ、進藤君、」
呼び止められて、ヒカルは振り向いた。
「よかったら、今度うちにおいで。一度、君と手合わせしたい。」
ヒカルは行洋の言葉にこっくりと肯いた。
目を開けると、ホテルの白い天井が目に入った。
佐為の夢を見ていたような気がした。けれど夢の内容は覚えていなかった。
「佐為…おまえがいなくなってから、もう一年経つんだな。」
ヒカルは小さく呟いて、そして、デスクの上に置いておいた扇子を手に取った。
夢の中で手渡された扇子。
あの夢の中でも、佐為は何も言わなかった。何も言わずに、黙って微笑んで、扇子を手渡した。
ヒカルと打つ時に、石の場所を指し示していた扇子。
神の一手を目指すと宣言し、秀作の棋譜を並べ、扇子を手にして碁を打つ。
そうすれば佐為に近づけると思っていたのだろうか。
「オレが一生かかったって、佐為に辿り着けるはずなんてなかったのにな。」
いや、違う。そうじゃない。
佐為は佐為で、オレはオレだから。
「オレ、やっぱりバカだな。」
どんなに佐為のようになりたいと思ったって、オレはオレ以外の何者にもなれなかったのに。
オレが佐為になる事が、佐為が存在した事を証明する事ではなかったのに。
目指す頂点は同じでも、辿る道は一人一人、それぞれの道を歩いていかなければならない。
佐為と一緒にいた2年の間、二人で同じ道を二人一緒に歩いていた。
その事がどれほど得難い事なのか、奇蹟のような、本来ならば有り得ない事なのだと、
あの時には気付かなかった。
そして今、隣には塔矢がいる。二人で同じく神の一手を目指して。
けれど塔矢だって、他人なのだ。
どれほど近い場所にいるように思えても、同じ道を歩いているように思っても、それぞれが
踏みしめる一歩一歩は、きっと違うのかもしれない。
今、肩を並べて歩いていても、いつかそれぞれの道は分かれていってしまうのかもしれない。
たとえ目指す場所が同じであっても。
それでもオレはそこに向かって歩き続けるだろう。頂点に向かって。
目指す頂点の向こうに、佐為はいるのかもしれない。いないのかもしれない。
いや、その頂点には、近づく事はできても、そこに到達する事は決して出来はしないのだろう。
それでも、オレはそこに向かって歩く。たった一人でも、歩き続ける。
佐為から離れて歩き出すことは、けれど佐為を忘れる事じゃない。
忘れはしない。忘れられるはずが無い。忘れる必要も無い。
誰も信じなくても、何の証拠も無くても、佐為と過ごした2年間は本当にあったことだから。
誰も認めなくてもオレは忘れない。それだけでいい。
「キミの打つ碁がキミの全てだ。」
アキラの言葉がヒカルの中に蘇った。
その通りだ、と思う。
オレは、オレの碁を、進藤ヒカルの碁を打つ。
今度こそ、オレ一人で。
振り返って、ヒカルはデスクの上に置かれた扇子を見た。
あれは、どこにでもある、ただの扇子。棋院の売店で買った。
佐為に渡されたものは、オレの心の中にある。
それは神の一手を目指そうと言う意思。
碁を愛し、最善の一手を追求し、何があっても、打ちたいと、打ちつづけようと思う情熱。
その、佐為の囲碁への情熱を継いで、オレの一歩は、ここからまた始まる。
デスクの上に扇子を置いたまま、ヒカルはドアを開けて出ていった。
ああ〜ヒカルたん!
嬉しさのあまり泣きそうだYO!
俺、ヒカルたんに応援してもらえたらがんがれると思うんだ…ヒカルたん…ウッ
交際たんもがんがれー
俺もさ…仕事で愛犬の死に目に会えなかったよ…
仕事続きで精神的にも体力的にもいっぱいいっぱいで
逃げるように定時に無理矢理あがって、久しぶりに家に帰ったら妹が
「お兄ちゃん、黙ってたんだけど、○○死んじゃったんだ…」って。
思い出したら泣けてきたよ。・゚・(ノД`)・゚・ウワァーン
| ヾ▼
|▽゚) コレデモクッテガンバレヨ
|ノ⊃◎ マタアシタナ
|
|
~~~~~~~~~~~~~~
あ、961に(完)付け忘れた。あれでおしまいです。
勝手な解釈書き散らし、失礼しました。
残照たん・・・⊃Д`)・゚・。
今ちょーどしみじみしてる時だからかな、すげーしみたよ。
塔矢名人出てくると一層感慨深いよ・・・。うp感謝!
残照、ありがとう。書いてくれて、ありがとう。
オレ、神々の誰かが何か書いてくれないかなぁと思っていたから、
嬉しいよ…。
昨夜、part12で泣いた後、みょーにはしゃいでガンガン書き込む自分がいた。
ヒカルのひとりで悲しむ姿が、痩せて弱っていくさまが、
碁を打たなければ、佐為が戻ってくるんじゃないかと考えるヒカルが悲しくて、辛かった。
残照の話の中で、行洋に受けとめてもらえたヒカルがいてホッとしたよ…。
神々の中で、他にも書きたい人がいたら是非うpして欲しいなぁ。
(TДT)滝涙。
夜中に、こげに泣かされるたぁ思わねがった・・・
うん。他の神々のも読みてぇ。癒されてぇ。
>>残照さん
本当にありがとう。
なんて言っていいか分らないぐらい本当に感動した。
”佐為は佐為でオレはオレ””進藤ヒカルの碁を打つ”とか
”棋院の売店で買った”扇子のくだりとか、
自分の中でもやもやしていたものを、
はっきりとした形の物語にしてもらった気分だ…
このスレがあって本当に良かった。
969 :
学生さんは名前がない:02/07/04 13:03
最後の8行、よかった。残照さん、サンキュ。
悲しいのは、ヒカルたんが後悔して悲しんでるから。
救ってほしいのは、オレじゃなくて、ヒカルたん。
ヒカルたんの笑顔が見たい。
ageてしまった。スマソ
ゴ、ゴメソ。
泣きじゃくるヒカルたんに(;´Д`)ハァハァ・・・
オレも一緒に泣きながらヒカルたんに(;´Д`)ハァハァ・・・
ヒカルたん、1000取り合戦がんばってな。
失楽園もがんがれ!!
残照、すげえよかった……。
途中オヤジにエロいことされるんじゃないかと思ったオレを許してくれ。
よかったよっぉぉぉぉ!!
>972
実は俺もなんだ。
泣き止ませるためにチューして、そこかに済し崩しに……なんて思ってた。
なんて不純なんだ…と凹んでいたが、同志がいてくれてちょっとだけ救われたぞ。
残照、凄く良かった。
ファンフィクションの意味を改めて考えたよ。
進藤の態度は、昼間の出来事を思い出させる。折角キスで忘れかけていたのに。
今日まで進藤に拒まれた事なんてなかったんだ。なんで、今日に限って。
良い碁って…塔矢と打った碁か?塔矢と打った碁は俺とのセックスより大切なのか?確かに
俺達にとって碁は大切だ。でも。
…イヤ、いくら二人っきりだからって廊下でだなんて気が早急すぎたんだ。あんなに可愛くても
成長期の男だ、体重を預けられたって進藤を抱きかかえて二階の部屋へ行くのはキツイしな。
自分で無理矢理納得しようとしているのに気付かないフリをして、俺は二階の進藤の部屋に
向かう。そうだ、何を今更不安を感じる必要がある、俺と進藤はこの部屋で何回セックスをして
きた?
最初こそ強姦を言えるものだったかもしれないが、以降は合意の上で行われた。向こうから
求めてくる事だってあった。そう、何も不安になる事なんてない。
先に部屋に入りベットに腰掛け、進藤を待つ。
動悸が早鐘の様だ。落ち着け、落ち着くんだ。
今から塔矢の、進藤と塔矢の打った碁を検討する。しかし、その後はセックスだ。今日は進藤の
両親もいない。好きなだけ出来るじゃないか。
まもなくドアが開き、炭酸飲料のペットボトルとコップを二つ器用に持った進藤が部屋に入って
くる。
「ごめん、お待たせ。炭酸でイイよね。」
さっきの余韻か、まだ顔が少し赤い。
「さあ、検討しよぜ。」
そう言い、部屋の真ん中に置かれている碁盤の正面に座り、碁筒を手に取る。
碁盤に展開してゆく棋譜は、美しく斬新な発想の応手で、碁打ちとしてひどく興味をそそられた。
しかし、男として俺は、進藤の同世代に比べて色素が薄くしなやかなかな手に目を奪われる。
あの手は、進藤は俺のものだ、塔矢アキラになんか絶対に渡さない。
残照、読めてすごくよかった。
>972、973 安心してくれ。オレもだ。
読み始めて、元名人までヒカルたん(;´Д`)ハァハァなのかと思っちまった。
後から、汚れちまったオレに(´・ω・`)ショボーンだったが…
他にもいたんだな(w
…と書いていたら、ヘタレ
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!
自信なさげなのに、絶対渡さない決意、がんがれよ!
今晩は1000ゲト合戦になりそうだな。誰がとれるか、見守ってるyo。
鯉タン、続き書くつもりなら山猫してくれないかなぁ。
ああいうピュアなのも読みたいんだ。
ヘタレ!キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!!
大人の包容力を忘れるなよ!
でも、そんなヘタレはもうヘタレじゃないという罠。
ガンガレ――――!
恋の続き楽しみにまってまつ・・・
本スレでも待ってるんだyo
みんなシャイだな(*´Д`*)…ハァハァ
昨夜はスレに関係ないことを書いてすみません。
ヒカルタン、住人の皆様ありがとうございます。
薬で命をつないでいる姿が痛々しかったので、
ホッとしている気持ちもあるんですよ。冷たいかもしれないけど・・・
あの子は佐為のところへ行った。
でも、命が消えるのを見るのは悲しいね。
緒方は、立ち上る煙草の煙をぼんやりと見つめていた。
アキラが離れて、初めて自分の気持ちに気がついた。
アキラがヒカルに好意を寄せていると知った時、胸に湧いたもの…。
うまく隠せたと思っていたのに――――ヒカルには、ばれてしまった。
本当の気持ちを……。
そして、今ヒカルに惹かれかけている。
緒方は、深く溜息をついた。
欲しい物をちゃんと理解しているヒカル達の方が、よっぽど大人だ。
いままで…きっと本気で人を好きになったことがなかった…。
だから、どうすればいいのかわからなかった。
「好きだ」の一言がどうしても言えなかった。プライドが許さなかった。
今も、あの時の感情をどう説明すればいいのかわからない。
あの時、アキラを責めたりしなければ――――――
アキラは今も自分の側にいたのだろうか……?
いや…あれは正しかったはずだ。
あのままでは、自分もヒカルも傷ついた。
そして、アキラ自身も…。
だが、今、幸せだとはとても思えなかった。
少なくとも、自分とヒカルは違う……。
吸わないまま短くなった煙草が、皿の上で灰の固まりに変わっていく。
このまま、永久に答えは出ないような気がした。
「何があったんだ?」
アキラが何度も訊ねる。
ヒカルは黙って手首をさすった。アキラに掴まれたところがまだ痛い。
きっと痣になっている。
アキラの問いに、ヒカルは「何でもない」と首を振った。
ウソだ……!何もないのに泣くわけがない!
アキラはいらだつ気持ちを抑え、我慢強く同じ問いを繰り返す。
「ごめん……オレ…今日ちょっと変なんだ…急に泣きたくなったりしてさ…心細くて…
無意識のうちにここに来ちゃって…なんか恥ずかしくてさ…」
ヒカルは笑って見せた。無理矢理の笑顔は、何か頬が引きつるような感じがする。
それが、うまくいっていないのは、アキラの顔を見ればわかる。
アキラが大きく息をついて、台所へと消えた。
戻ってきたアキラの手の中には、缶ビールがあった。
差し出されたそれを無言で受け取った。
アキラも何も言わない。
一口飲んだ。苦い……。
「……未成年のくせに…塔矢って意外とワル?」
「これくらい普通だろ?」
ヒカルの憎まれ口に、軽く返す。
ヒカルの口元がほころんだ。
アキラの問いかけにヒカルは答えなかった。
明らかにウソだとわかる言い訳をしながら、無理に笑顔を作って見せた。
その困っているような、涙を堪えているような複雑な表情に、もう何も言えなかった。
ヒカルがビールを一口飲んで顔をしかめた。
ヒカルは甘いジュースが好きなのだ。
だが、生憎と冷蔵庫の中には、ミネラルウォーターと缶ビールしかなかった。
ビールは、以前、芦原が置いていった物だ。
こういう時は、水よりアルコールだ。…少なくとも自分はそうだ。
ヒカルだってビールぐらいは飲んだことあるだろうに、いかにも不味そうな顔をする。
ジュースを買っておいたほうがいいな…
と、アキラはヒカルのしかめ面を見ながら、頭の隅で考えた。
「……未成年のくせに…塔矢って意外とワル?」
ヒカルがアキラをちょっと睨んで、悪戯っぽく言った。
「これくらい普通だろ?」
軽く去した。ヒカルは、アキラが思っているよりずっと真面目なようだ。
やっとヒカルが笑った。ほんの少しだけだが…。
アキラも笑みを返した。少しだけ安心した。
: ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜.゜..
ミ /彡 :::.゜。 ゜・。゜゜. . . .
..ミ、|ミ //彡 1000ゲトガンバレヨ…ショウセツヤタチ
ミ.|.ミ/ ./.| :::.゜。 ゜・。゜゜. . . .
.|//|. [] ▼〃ヾ : ::.゜ ゜ ゜゜。・。゜
/. [] (*゚ー゚) :::.゜。 ゜・。゜゜. . . .
┬┬┬┬┬-O∞O‐┬┬
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。・゚・(ノД`)・゚・。サイセイたん元気出せyo
自分もインコ好きだから痛いほど気持ちが分かるyo
すまん、コウサイたんダータ(恥
サイセイたん、スマソ
俺、今ここが一番落ちつくんだ…・(;∀;)。
何かもう色々疲れることばっかしでさ…・。・゚(ノД`)ノ・。・゚
再生タン、へたれタンの続きが読めて幸せだよ。マターリ癒されてる。
うん!恋タンの続きも読みてぇよな!
『…彼がオマエに興味を持ったり、ましてや抱こうなんて思わなかったら、――オレを疑った
りしなければ、こんなことにはならなかったのにな』――緒方の落ち着いた声を聞き、ピクリと
アキラの細い肩がふるえた。目を閉じて、アキラはどこからか湧き上がる痛みに耐えるように
ぎゅっと拳を固めた。
「だって……!」
血を吐くように絶句したアキラをどう思ったのか、緒方は口元だけでクスリと笑い、自分の
下に力無く横たわるヒカルを見下ろした。光を無くした大きな瞳は、どこを見ているとも判らない。
緒方は頬を撫で続ける手をスッとずらすと、胸の赤い飾りを中指と親指で摘み、人差し指の爪先で
その突起の僅かな窪みを刺激した。
「あ…、んっ」
ヒカルの口から、吐息のような喘ぎが漏れる。ヒカルはそろそろと右手を持ち上げると、開いた
口に人差し指を折り曲げて咥え、それを幼子のように無心に吸っていた。
「進藤。――言っておくが、これで終わったわけじゃない」
優しい口調で囁きながら、ヒカルの口に親指を添えて軽くこじ開ける。ヒカルの口は容易く開き、
緒方が軽く腕を引くと、ヒカルが吸っていた人差し指はと唾液の糸を引きながら易々と離れた。
ヒカルの人差し指の第2関節部分は吸われた強さで赤くなっていたが、歯を立てた跡はなかった。
「…こんな調子でオレを吸ってくれるなら咥えさせてやってもいいが」
緒方はその手を取り、傍で立つアキラに近づけて確認させる。アキラは軽く目を伏せ、決して
顔を上げようとはしなかった。
緒方は呆れたように肩を竦ませ、ヒカルの右手をベッドの上に放った。
カチャリ……と金属の触れ合う音が部屋に響く。緒方がベルトを緩めた音だった。
「――やっぱり噛み千切られそうだな。オマエにも、アキラくんにも」
緒方はククと喉の奥で笑いながらスラックスのボタンを外すと、ひどくゆっくりとした仕種で
ジッパーを下ろす。
自分の身体を抱きしめて目を閉じていたアキラは聞きなれたその音に反応した。顔を上げ、
緒方が自分の前立てを開き、自分のジュニアをズルリと取り出すところを凝視している。
赤黒い緒方のそれは半勃ちの状態だったが、それでも十分の質量を感じさせた。
「さっきから…イイ思いをしてるのはオマエだけだろう?」
自分の性器の逞しさを見せつけるように、緒方は側面に軽く指を滑らせ2・3度撫でた。
それだけで緒方の牡の部分はより硬度と巨きさを増したようだった。
ヒカルたんと一緒に目指したけど今日は2つでやめとくよー。
頑張ってズサーしてね。
>>コウサイさん、986
元気だせYO
お互いがんばろうぜ
残照もヘタレも再生もキタ(゚∀゚) キタ
失楽園も乙彼!気が向いたら3つめに挑戦しる!
ヘタレ>974の「しかし、その後はセックスだ」に禿藁
かっこよすぎるぜヘタレ!
>985
オレ、再生書いてるよ。
昨日はホントは
名無しで愚痴はきするつもりだったのにクッキーが・・・
だから謝らなくていいYO
「で、さ、この黒、死んじゃったと思うだろ?でもココに打てば。」
コツ、と静かな部屋に扇子が碁盤を指す音が響く。
「…こんな所に活路があるなんて。」
「へっへー!だろ?これで右辺にも荒らしに入れる。こっちのカカリは無視しなきゃいけない
けど。」
そういば、こうやって進藤の部屋で碁盤を挟むのは二度目だ。和谷の部屋や棋院では幾度
かあったが、ココでは仕切りなおしの一局以来。
「でも、それじゃ地合いで遅れるんじゃないか?」
「うっ…」と、詰まった様な声を出し、目が泳ぐ。
「そうなんだよね。それで最終的に負けたんだよなー。やっぱ駄目かなぁ?」
少し上目遣いで聞いてくる。その表情にドキリとしたが、おくびにも出さず、極めて平静な
声で「駄目ってわけじゃない。確かに良い手だと思う、言われるまで気付かなかったしな。
でも最良の一手じゃあない。」
「あー、伊角さんまでアイツと同じ事言うんだ。ちぇっ。」
アイツ?
アイツってのは塔矢か?
俺が塔矢と同じ事を?
▼〃ヾ
(*゚▽゚) <サーイクゾー1000ゲト!!
( O┬O
〜 ◎-ヽJ┴◎ キコキコ
わーーーい、みんなキテルキテル!
山猫常連だけじゃなくて、新作まで読めるとは(;∀;)スバラシイ
オレ、ヘタレすげぇ好きなんでうれいしいよ。いいよな、ヘタレ伊角、等身大な男でさ。
失楽園も再生も、残照もみんな好きだ===!おれも山猫になりてぇ。
986、おれも今ここが一番落ち着くよ。(T_T)いろいろあってさ。
ヒカルたん、オレが1000ゲトしたらヒカルたん、オレにチューしてくれよ?
(;´Д`)ハァハァ・・・
| ヾ▼
|▽゚)
⊂ノ ヤダネ
|
|
~~~~~~~~~~~~~~
いーじゃねーか!
ほっぺにチュッ!…とひとつ。
ラーメン好きなだけおごるのによー。
ヒカルがアキラの手をしっかりと握っている。
アキラはヒカルの寝顔を見つめた。
ヒカルの不可解な行動は、緒方が原因ではないかと何となく考えていた。
それは、もはや確信に近い。
今はもう静かな寝息を立てて眠っているが、やはりさっきまでのヒカルは変だった。
「緒方さん…か……」
会って確かめたい気持ちはあるが、それは躊躇われた。
証拠があるわけでもない。ただの勘…いや…思い込みかも…。
当のヒカルが、それについて一言も話さないのだから…。
何より、アキラ自身が緒方と顔を合わせたくなかった。
ヒカルの手首に、赤い痕が見える。
ヒカルを逃がすまいと自分がつけた痣だ。
今はヒカルの方が、アキラの手を離さない。
ヒカルがアキラの手に頬をすり寄せた。
一人ではないことを確かめているかのような仕草だ。
ヒカルの柔らかい頬にキスをした。
「ん……」
微かに吐息が漏れた。目覚める気配はない。
ヒカルの何もかもが愛おしかった。
_,,.. -──‐- .、.._
,. ‐''"´ ``'‐.、
,.‐´ `‐.、.
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,i´_,,.. --───‐‐.、.._ _,,─‐‐- .、.._ _,,.. - .、.._`:、
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\ ∧_∧ ./ /
\ ( ´∀`) / 1000ゲト!愛するヒカルたんに捧げようハァハァハァハァ
\/ ))-))\/ ヒカルたああああああん!!!!
○ |⌒I、│○
Σ(_) ノ巛 ガシャーン
1001 :
1001:
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。