●おまえら男ならヒカルたんハァハァだよな?part2●
柔らかい毛に指を絡ませ、徐々に刺激を与えて行く。
「・・・、あっ・・・」
自分でする時とは比べものにならない上手さに声が漏れる。
顔が歪む。
碁会所からこのマンションまで、車の中では一言も言葉を
交わさなかった。
ただ、助手席に座っていたヒカルは、シフトレバーを滑らかに操作する
緒方の手に見惚れていた。
「あ・・・あっ・・・、ん、・・・ふ・・・」
呼吸が速くなり、足からは力が抜け体重を緒方に預ける。
規則的に動く緒方の腕がヒカルの腕に当たっている。
ビクンと顎を上げた時、ブラインド越しの光りが目に入った。
(ヒカル─)
佐為の声が聞こえたような気がした。
佐為・・・
佐為と過ごしたあの懐かしい日々が頭の中で広がる。
そしてそれをあの部屋で聴いたシャワーの音が打ち消して行く。
(─もう、戻れないんだ─)
それを思い知った時、目からは涙が溢れ、
ヒカルは緒方の腕の中で大きく頭を振った。