●おまえら男ならヒカルの碁のヒカル好きだよな?●

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587消失点
「いつからこうなったのかな…。」
唇が離れるか離れないかの時に、互いの熱い吐息が混じる中で
ヒカルはつぶやいた。アキラからの返答は、ない。
アキラは再び顔を寄せて来たがヒカルは制した。
アキラが怪訝そうな表情になる。
ひと固まりの熱情が去って、ヒカルは現実を取り戻し始めていた。
このままこの場所で続きを続けるのは気が引けた。
ここは碁を打つところだ。
怖じ気付いたと責められればそれまでだったが。
「…うちに、来る?」
ヒカルの迷いを察したようなアキラの言葉にヒカルは戸惑った。
けど、アキラの家は…。
アキラはポケットからキーを一つ出した。
ヒカルの心臓がドクリと脈打つ。
「この近くに、借りたんだ。…来る?」
わずかばかりの歯止めが、ヒカルの中で弾け飛んでいく。
もはやアキラの目に完全に捕らえられ、引き返せなくなっていた自分がいた。