アキラのやり方はヒカルとは違っていた。
唇を重ねたまま離れず、わずかに口を動かし愛撫する。
ヒカルの両手はしばらく宙に浮いたままだった。
アキラはなおも強く口を押し当て激しくヒカルを求める。
やがて最初閉じたままだったヒカルの口がこじ開けられ舌が入って来た。
ヒカルは一瞬ビクリとする。
そのヒカルの動揺をアキラは敏感に感じ取り顔を離した。
熱を持ったアキラの目はヒカルに問う。止めるなら、今だと。
そして、もう二度とこんなマネはしないと。
ヒカルは今止めたら今度こそ二度とアキラが手の届かないところに
行ってしまうと思った。手放したくない。オレのものだ。
迷うより先にヒカルはもう一度アキラの頭を手で引き寄せ唇を重ねた。
初めて出会った時から印象的だった黒髪に指を差し入れ、乱す。
アキラがやってみせたようなキスを今度はヒカルが与え、舌を差し入れる。
アキラの口の中で互いの舌先が触れあった時、
ヒカルは頭の奥の芯が解けるように感じた。
唇以上にアキラの舌は柔らかくて熱くて甘かった。