★★写真が「上手い」という域を超えられない★★

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136モーム「月と6ペンス」中野好夫訳

…「いいかい、美という、およそ世にも貴いものがだねえ、まるで砂浜の石塊みたいにだよ、
ほんの通りすがりの誰彼にでも無造作に拾えるように、
そんなにコロコロ転がっていると思うのか?
美というものは、すばらしい、不思議なものなんだ。
芸術家が、己れの魂の苦しみを通して、世界の混沌の中から創り出すものなんだ。
だが、それで美が創り出されたからといって、
それを知るということは、人間誰にもできるもんじゃない。
美を認識するためには、芸術家の経験を、めいめい自分で繰返さなければならない。
いわば芸術家が、一つのメロディを歌って聞かせてくれる。
それをもう一度僕等の心で聞こうというには、
僕等に知識と感受性と想像力とが必要なのだ。」