財務・国税と法務・検察は事務次官をはじめ、さまざまなレベルで日常的に連絡を取り合っていて、人事の交流もある。
鳥越:それが事実とすれば、「この政治家は危ないから排除しよう」「あの政治家のスキャン
ダルを探しておいてくれ」といった官僚による政治支配の談合になる。
長谷川:その結果かどうかはわかりませんが、私は3年前の政権交代直前から、鳩山政権
は駄目だろうと思っていました。
なぜかというと、鳩山氏は2009年の2月に「政権を取ったら霞が関の局長級はいったん
全員、辞表を書いてもらう」といっていたのに、政権交代前の6月には辞表の件を撤回した
。あれっ、と思ったら、ちょうどその頃、鳩山氏には「故人献金問題(※1)」や母親からの「
子ども手当(※2)」などのスキャンダルが表沙汰になった。それで折れてしまったに違いあり
ません。
小沢氏に対しては同じ頃に西松建設事件が起き、霞が関はこれで脱官僚路線を止め
られると思ったでしょうが、こちらは不発に終わったわけです。
※1:故人献金問題/2009年6月、鳩山由紀夫・元首相の資金管理団体・友愛政経
懇話会の政治資金収支報告書(2005〜08年)に、既に亡くなっている人や実際に寄付
していない人から個人献金があったかのように虚偽記載されていることが発覚。4年間で計
193件、2177万円。
※2:子ども手当/2009年11月、鳩山元首相や弟の鳩山邦夫・元総務相が、実母から
巨額の資金提供を受けていたことが判明。利息を払っておらず、贈与税逃れを指摘された
。後日、鳩山元首相はそのうち12億4500万円を贈与財産として申告し、6億円の贈与税
を支払った。