吉原のティアラって風俗店使ったことある?

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226名無しさん@お腹いっぱい。
高台の家に着くと、アタシを乗せたまま車は車庫に向かった。
 車庫から家の中に入ると、そのままバスルームへと連れて行かれる。
 仕方なくシャワーを浴びて、アイツが用意していたナイトウェアに着替えた。

 細かな刺繍が美しい、フランネルのネグリジェとナイトガウン。
 今夜はなんだかいろいろ、ここひと月ほどの週末とは扱いが違う。
 それはともかく、今夜は千堂センパイが家にいるらしくて、落ち着かなかった。

 アイツの家はコの字型になっていて、両翼をアイツと千堂センパイで使い分けている。
 だから気にしなくていいよと、アイツは言ったけど。
 リビングの向かい側に見える窓の灯は、やっぱり気になった。

 そわそわしているのを見兼ねたのか、アイツは別の部屋にアタシを案内した。
 初めて入る、こじんまりとした感じの、暖炉のある部屋。
 猫足のソファに座ると、飲み物が手渡された。

「なに、これ?」
 耐熱ガラスのマグにはレモンのスライスが浮かべられていて、シナモンの香りもする。
「ホットワインだよ。アルコールをちょっと飛ばして、蜂蜜とかを入れてある」
 アタシがマグに口をつけると、アイツは向かい側のソファで、タバコに火を点けた。

「それで、どういうことなの?」
 ホットワインはおいしかったけど、ひと口飲んだだけで、アタシはマグをテーブルに置いた。
 早く用件を知りたい。

「あ、言ってなかったっけ。話があるって」
「聞いてない。ていうか、だったらなんでシャワー浴びさせたのよ」
 睨まれたアイツは、ぬけぬけと答えた。
「久し振りに葉月ちゃんで、着せ替えごっこして遊びたくなったから」

 あっそ…。
 呆れていると、アイツが用件を切り出す。

「今日、美琴ちゃんを送って行ったときに、頼まれたんだ」
「だから、なにを?」
「矢澤サンに逢いに行くから、付き合って欲しいって」