吉原のティアラって風俗店使ったことある?

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225名無しさん@お腹いっぱい。
 膝を抱えて俯いていたアタシは、立ち上がってカバンからケータイを取り出した。
 まだ忘れていなかった、矢澤さんのケータイの番号を打ち込む。
 通話ボタンを押す前に、大きく深呼吸した。

 しっかりしないさいよね。
 いつまでも逃げてるだけじゃ、なにも解決しないでしょ。
 ちゃんと話し合って、本当に終わらせなくちゃ。
 このまま美琴に、心配をかけ続けるワケにはいかないんだから。

 決心して通話ボタンを押そうとしたら、反対に着信を知らせる音が鳴り響いた。
 せっかくのところを邪魔されムカつくあまり、表示を確認もせず電話に出る。

『いま美琴ちゃんが車を降りたところなんだけど、これからそっちに――』
 聞こえてきたアイツのセリフを、アタシは不機嫌に遮った。
「ちょっと、なんなのよいきなり」

『だから、これからそっちに戻るから、泊まる用意をして待ってて』
「今日は無理。平日だからもう奈々子さんがご飯用意してくれてるし、真咲だっているんだから」
『それは葉月ちゃんが自分で解決するしかない問題だね。別にオレの名前を出してもらっても、こっちはいっこうに構わないよ?』

「……、ご飯食べてからでいいでしょ。真咲の方は、なんとかするから」
『んー、まあしょうがないか。いいよ、それで。八時頃迎えに行くのでいいかな』
「八時半がいい」
『わかった。公園についたら電話するから』

八時半ちょっと前に電話がかかってきて、アタシはこっそり下宿を抜け出した。
 公園の入口横に停まっていた車に乗り込むと、エンジンをかけながらアイツが言う。

「なんて言って出て来たの?」
「関係ないでしょ。アタシの問題なんだから」
 嫌味ったらしく答えてやったものの、実際のところ、ウソをつく必要はなかったのだ。

 下宿の部屋に戻ったアタシを待っていたのは、真咲の残したメモだった。
 明日は週半ばの祝日、さすがに強行軍すぎるので帰らないと言っていたのだけど、気が変わって帰省したらしい。
 真咲に余計な心配をさせないで済んだことに、アタシはホッとしていた。