インターネットの「掲示板」を通じた睡眠薬の無許可販売事件で、
薬事法違反容疑で逮捕された神戸市長田区、無職、小寺美奈容疑者(44)は、
生活保護制度を悪用し無料で睡眠薬を処方してもらい、転売していたことが
捜査関係者への取材で分かった。小寺容疑者は約8年前から受給し
「20人から30人に売った」と供述。県警は、制度を逆手に無料入手を繰り返していたとみている。
生活保護法(医療扶助)では、受給者は指定医療機関での診療、薬の処方は
公費で支払われ無料となる。捜査関係者によると、小寺容疑者は04年12月ごろ
神戸市に生活保護を申請し、毎月約25万円受給。しかし「裕福な暮らしがしたかった」などとして、
無許可販売をするようになったという。確認できただけでも10年5月以降、
4人から無許可販売の代金約400万円が小寺容疑者や未成年の長男、
次男名義の3口座に振り込まれていた。
自身も不眠症だったといい、毎月同市内の5〜6施設の病院に通院。必要以上に
処方を受けて自分で服用しながら多くをネット販売していたとみて、県警が購入者らに事情を聴いている。