中国の次期指導者とされる習近平国家副主席が5日、訪中した米国のクリントン国務長官との会談を取りやめたことで、
同副主席の現状について、さまざまな憶測が飛び交っている。「暗殺未遂説」も出た。習副主席は9月1日以来、公式の場に姿を現していないとされる。
中国政府・外交部の洪磊報道官は5日の定例記者会見で、クリントン長官との会談をとりやめたことについて、「日程調整の都合」と説明した。
しかし、国家首脳の会談が「日程調整」を理由に急遽(きゅうきょ)取りやめになることは、通常では考えられない。
外交部は定例記者会見の様子をホームページで公開しているが、習・クリントン会談の取り消しに関連する部分は掲載されなかった。
習副主席は、同日予定していたシンガポールのリー・シェンロン首相との会談もキャンセルした。
習副主席の予定変更については、米メディアが中国政府筋からの情報として、「水泳中に背中を負傷した」などと報じた。
その後、海外に拠点を置く反政府系の中国語メディアや東南アジアの一部メディアは「暗殺未遂があったとの説がある」などと報じ始めた。
高級幹部専用の北京301医院(病院)に搬送されたとの見方が紹介された。
いずれの報道も習副主席の現状について、断定的には論じていない。一方で、中国当局の「情報遮断」を批判する主張もある。
「中国当局はメディアに対してしばしば、根拠のない憶測をすべきでないと非難する」と指摘した上で、「根拠のない憶測が生じるのは、
情報遮断の必然的結果だ」などと論じた。
習副主席と比較的近い立場にあったとされる中国共産党中央政治局の賀国強常務委員についても動向が伝えられなくなったとして、
関係を憶測する見方も出ている。(編集担当:如月隼人)