773 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
正月、楽しかったなぁ。
孫が沢山来て「じいじ、じいじ」と賑やかだったなぁ。
美味い料理を鱈腹食って、美酒を浴びるほど飲んで…
居心地の良い居間で、ついうとうとする。
大きな窓から差し込む陽は、身も心も蕩けさせるなぁ。
「お父さん、お風邪を召しますわよ」
息子の嫁の優しい声に目を覚ました。・・・・何か足りない・・・虚ろだ。
そうか、生涯ただ一人愛した女「妻」の笑顔がない。
ないはずだ、彼女が逝ってから、もう2度目の正月。
うん、来年の正月は君と過ごそうね。約束するよ。
君が好きだった七賢を飲みながら、若い頃の阿佐ヶ谷の思い出を語ろうね。
孫が叫んだ。「あぁ!じいじが泣いてるよ」
てやんでぇっ、目から鼻水が出ただけだわい。
そして、正月が終わった。
774 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/11(水) 13:15:37.15 ID:IJX9MOLJ
文才と想像力があるのう。