以前、寄席の楽屋に招かれた事がある。
なにぶんにも寄席については素人の域を出ていない者にとっては、
たいそうに珍しい物が見聞出来るかと期待に胸躍らせたのだが、
何の事は無い、普段見知った落語家が居て、提灯、長火鉢が置いてあるだけ。
唯一つ目に付いた物は、寄席の楽屋には不釣合いな、いかめしい器械。
見習いさんに「これは何でしょうか」と聞いたところ、
「あ〜、それですか。それは立川志らく用充電器です」との答えが返ってきた。
さらに話を聞くと、志らく師匠が口座に上がる前に頭にかぶり、
スイッチを入れて、電気を体に流し、気合を入れるための器械だそうだ。
なにやら霧の中で鼻をつままれたような心持になったが、
さらに詳しく話を聞くと、この話、ありそうな事だが、やっぱり嘘。
今川焼きを焼く器械が火事で焼けて壊れた物だそうだ。
という話も何も全て嘘。
前のお題から思いつくままに書き綴った与太話。
お粗末様でした。
お次のお題は 「 おとしばなし ( 落とし噺 ) 」