今日は、どんな一日でしたか? その6

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383大人の名無しさん
>>381
誘い受けみたくなっちゃったけど書いてみる。ちょっと長話になる。

中学の同級生だった元カノと、高校2年で付き合い出した。
生真面目で頑固な女の子だった。彼女はしっかり者でフラフラしてた俺はいつも怒られていた。

10年近く付き合って24才。突然彼女が遠くの街に上級職の資格を取りに行くと言い出した。
俺は渋ったが、言い出したら訊かない人なので2年間の遠距離生活開始。

一年目はウザイくらい連絡が来たが、二年目は連絡も途切れがちに。電話しても上の空。浮気かな?と問い詰めると、別れ話。
浮気とか毛嫌いする人だったから意外だったが、結局理由も聞けずに別れた。
よくある話。それから会ってない。

あれから10年。俺も結婚して一児のパパ。幸せに暮らしてる。
たまに彼女の事を思い出したりするけど、ただの思い出。どこで何をしてるのかも知らなかった。

それが昨日、彼女の旦那を名乗る男から連絡があり会いたいと。
彼女は過去の事。それに面識の無い旦那さんと話す事も無いので断ると
「先月彼女が死んだ」と。頭がクラクラした。

384大人の名無しさん:2009/02/27(金) 22:06:04 ID:8l/8/MMy
近所の喫茶店で待ち合わて、俺の顔を見た途端に旦那さん土下座。
予想外の展開に面食らうも、頭を上げてもらい話を聞く。

10年前。彼女は彼が働く職場に研修でやってきた。
彼女の真っ直ぐな姿に彼は強く惹かれ、好きになった。だが彼女は地元に俺がいる。
早く資格が取れ、結婚資金も貯める為にも働きながら資格が取れるこの街に来たと言う彼女を振り向かせようと彼は万策尽くしたが、彼女は全くなびかなかった。
思い詰めた彼は職場の飲み会で彼女を酔わせ、強引に関係を持った。彼女は妊娠した。

彼女は悩んだが「命への責任がある」と一人で産むことを決心した。
彼は自分の責任だから彼女を一生支えさせてくれと、拒み続ける彼女に必死に懇願し続け、一年後彼女は折れた。

385大人の名無しさん:2009/02/27(金) 22:07:32 ID:8l/8/MMy
それから10年。二人は夫婦として暮らしてきた。
始まりは良くなかったが、彼女は一切その事を口にせず、笑顔の絶えない幸せな家庭だった。
だがテレビで故郷が映ると、少しだけ悲しげな目になる妻を見る度、彼は今迄以上に彼女を幸せにしようと懸命に働いた。

一年前、彼女に癌が見つかった。それからは文字通りあっと言う間だった。
入院中も彼女は弱音は一切吐かず気丈に振る舞った。娘との最期の時間を楽しんでいる様にすら見えた。
そして半年前、彼女は天に召された。

彼女は遺書を残していた。内容は彼や娘への励まし、思い出などが綴られていたが、遺書の最後、一番最後に一言だけ、俺宛てに謝罪の言葉があった。
ごめんなさい と。

彼は気付いていた。10年間彼女がずっと後悔していた事。俺の事を気にかけていた事。

だから俺に謝りにきました。今さらだし筋違いだろうが謝罪させて欲しいと。
俺にも事情や思う所もあるでしょうが、彼女の遺骨を傍に置いてやってほしいと。

俺は何も言えなかった。「そんな安い小説みたいな話なんかあるもんか」と茫然としながら思っていた。黙って話を聞くしかできなかった。彼はひとしきり謝って帰っていった。

遺骨は受け取った。小さくて何処の箇所かも分からない。本当にこれが彼女だなんて全く実感が沸かない。
今はこの話自体が本当なのかすら分からない。分かりたくないのかもしれない。

まあそんな話です。