1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/26(火) 07:22
前スレから継続中のお題は「駄」「芝」「負け」
味なひねりを期待しますーではがんばっていこー
3 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/26(火) 07:46
「駄」「芝」「負け」
青い空に、ぽこっと浮かんだ丸っこい雲が、俺たちを見ていた。
「あぁー、負けちったなぁ。畜生!」
「ははっ、まぁしかたないさ。相手はプロみたいな連中だもんな」
「そりゃそうだ。」
「腹へったなぁ。食いに行くか?」
「そうするか」
伸びきった芝草からよろよろと起き上がり、鼻緒の切れ掛かった下駄を履いた。
「ははっ、お前、目の回り真っ青だぜ」
「そう言うお前だって、鼻血ブーじゃねぇか、ダッセー!」
笑いながら肩を組んで、俺たちは、フラフラと歩き始めた。
まぁ、人生、いろいろあるさ!
#スレ建立ありがとです。
「砂浜」「祭り囃子」「泣く子」
「砂浜」「祭り囃子」「泣く子」
海岸沿いのバールでテラスにある白い椅子に座った僕は、
白いワイシャツに赤いチョッキを着込んだギャルソンに生ビールを注文した。
サングラス越しに見えるテラスから続く砂浜は、
なだらかに下り紺碧の海に沈んでいく。
水平線から真っ白い入道雲が吹き出し
、紺青の空に大威張りで広がっている。
その時、水滴の滴るジョッキに手を伸ばした僕の視界の片隅を、
泣く子の姿が流れ去った。
顔を向けると、そこには五歳ぐらいの少年が右手にバスタオルを引きずり、
左手で零れ落ちる涙を拭き拭き歩いてくる。
その後ろを三人の男がついていく。
男たちは赤・青・緑・黄色の格子の服を着て、
手に手に太鼓や笛やシンバルを抱えていた。
男たちが楽器を奏で始めた時、少年が急に立ち止まる。
振り向いた少年は白い歯を見せ、
砂だらけの顔が向日葵のように笑っていた。
次、「タンバリン」「三日月」「納豆」
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/26(火) 11:50
「タンバリン」「三日月」「納豆」
「タンバリン」
彼女がそっと呟いた。
「何か云った?」
僕が問い掛けると、彼女は薄い唇に笑みを湛えていた。
「昔ね、そう、小学校の頃かな。発表会とかで合奏やるでしょう?」
腰に絡まる繊手の白さが、僕の藍色のTシャツに映えて綺麗だた。
三日月の照り返しを受けて、まるで仄かな光を放っている。
「私、どうしてもタンバリンがやりたくて、わんわん泣いたのよ。も
う、先生だって呆れるくらい。それから、私は毎年、タンバリンだっ
たの。何故かね、みんな私にやらせてくれたの」
云い乍、彼女は僕の腕を急に引っ張った。彼女の窈窕とした顔表が、
眸とと眸が触れ合うくらいに間近にあった。
「だから……」
さも楽し気に破顔した彼女は。その笑んだ唇で、薄紅に遊ばれた唇で
僕に親嘴した。
「だから、私はタンバリンの女王なのよ」
云って、彼女は走り出していた。弾けるようにして、波の静寂と月の
灯火に支配された空間を駆けて行く。
彼女が云った言葉の意味は理解できなかったが、僕には一つだけ判っ
たことがあった。だから、僕は彼女に向かって叫んだ。
「ねぇ! 今日の夕食、納豆だった?」
次、「ベルサイユ宮殿」「メガネケース」「信濃路」
6 :
「ベルサイユ宮殿」「メガネケース」「信濃路」 :2001/06/26(火) 20:30
蕎麦が美味い店があるときいて、食通でならす俺は信濃路にドライブにいった。
一目でわかるといわれたその店の外観は、ベルサイユ宮殿のようだった。
日本の田舎の風景、田んぼのどまんなかに山を背景に本物より幾分か小さい(大分?)城は
はっきりいってラブホテルのようだ。
「まちがえていらっしゃるかたもいるんですよ」
女将が苦笑しながら奥へ通してくれた。
「それにしても、どうしてお城なんですか?」
「さあ、亡くなった主人がメガネケースがどうとかいってまして」
「メガネケースですか?」
「はい、先祖代々のメガネケースに「遺言」がかかれていたのを発見したとか申しまして」
庭を眺められる席について、それ以上は女将からきけなかった。
蕎麦は美味かった、ただ、その後何度もいこうとしたが、あんなに目立つ建物だったのに俺はみつけることができない。
誰かあの店がまだあるのかしってるだろうか?
#次 「馬券」「ゲームセンター」「小銭」 でどうでしょ?
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/27(水) 00:30
ハズレ馬券を破り捨てて、俺は歩き始めた。
繁華街を吹く11月の風は、うそ寒く、俺はコートの襟を立て、タバコに火をつけた。
最後の一本だ。
ふと脇のゲームセンターが目に入った。
大きなぬいぐるみが見える。
俺は2年前の離婚で別れた娘のことを思った。
「いまごろ6歳か……」
ポケットから小銭を出し、ゲーム機に入れようとした途端、手が滑った。
小銭は乾いた音を立てて機械の下に転がっていった。
「ちくしょう!」
繁華街を吹く11月の風は冷たく、俺の息は目の前で白く煙った。
あ、次は「野球中継」「長靴」「古新聞」でお願いします。
9 :
いくら:2001/06/27(水) 03:26
時刻は午後八時。
娘がお気に入りのアニメを見終わり、ようやく父にチャンネルの権利が
譲渡された。
野球中継の行われているチャンネルに切り替えると、既に八回の裏、序盤
の展開は気になるが、両チームとも無失点。ここからが本番だ。
「と、思いたいなぁ」
台所では妻と娘がなにやら騒いでいるのが、聞こえる。
「ゴキブリ〜!、新聞とってきて新聞!!」
「はい」
「今日のは駄目!!そこの古新聞!!」
「あー、お父さんの長靴にゴキブリがー」
「そのまま捨ててー!!」
野球は満塁2アウト。父は離れるわけにはいかなかった。
頭の片隅で財布の中身を思い出す。
涙で、画面が見えない。
次、「スクワット」「ゴルフ」「越前蟹」
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/27(水) 10:28
「スクワット」「ゴルフ」「越前蟹」
自宅のトレーニングルームで、汗を流しながらスクワットを続けていた。
今度のゴルフトーナメントでいい成績をあげないと、プロ契約を打ち切られて
しまうかもしれないのだ。
しかし、苦手なコースだけに、いま一歩弱気にもなっていた。
目の前に置いてあるテレビでは、「ふるさと自慢」という番組をやっている。
「さて、今日はこの越前蟹の取れる、石川県三国港に来ています」
「おぉ、うまそうだな。んっ、三国町って言ったら、
トーナメント会場のすぐ近くじゃないか」
「よしいい成績を出したら、めいっぱいこの蟹を食うことにするぞぉ!」
「蟹が、俺を呼んでいるぅ」
俺は、両手の指をチョキチョキさせながら、スクワットにスパートをかけた。
「こけし」「太公望」「冷奴」
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 03:58
この部屋に集った3人。「こけし」「太公望」「冷奴」
彼ら3人の対話のなかで、タケシの青春が明らかにされるのだ。
こけし「生きることは苦なのか? なあ冷奴」
冷奴「知りませんよ。私は。」
太公望「まあいい。苦であっても楽であっても、死を選ぶのには別の動機が必要だからな。」
次、「うんこ」「まんこ」「ちんこ」
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 04:33
「うんこ」「まんこ」「ちんこ」
だけれど、どれがいちばんひろいのかなあ?
そうだねぇ・・・ まんこにはちんこがすっぽりとはいるけども
うんこは・・・うんこはつらいねぇ。
じゃあいちばんひろいのはまんこだ!
だよね、せんせい!
まあ、せかいいちひろいみずうみは「かすぴかい」だけれども。
いんちきだヨ
では「ミサイル」「バオバブ」「自衛隊」
「ミサイル」「バオバブ」「自衛隊」
おれはジャングルを一人突き進んでいく。
2010年自衛隊は警備隊となり地球防衛軍の一員として世界を股に掛けている。
シューン、シューン
その時俺の背後から聞きなれない音が過ぎ去った。
こんな時のために集中訓練を受けた俺の脊髄はすかさず反応し、
弓なりとなりブリッジ体勢をとっていた。
――敵の新型ミサイルか?
ブリッジの体勢を維持したまま反転したジャングルを念入りに観察する。
敵の姿どころか気配だに感じられない。
俺は両腕に体重を移動し力を集中させてから一気に両足を蹴り上げ
二足歩行の態勢に戻った。
――やれやれだぜ。
脇から滴る汗を拭い鼻にその手を近づけてみる。
「くっ、くせえ」
一瞬の気の緩みだったのか。
バオバブの根っこに足をとられた俺はもんどりうって倒れこみ、
顔面が地面にめり込んだ。
――ちっ、やれやれだぜ。
この時へし折れた俺の鷲鼻は新型兵器をも物ともしない勇敢な戦死の
勲章として防衛軍で語り継がれている。
#ちいと長いか。やれやれだぜ…
次「九官鳥」「熊」「猫」
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 13:35
「九官鳥」「熊」「猫」
目の前のブロック塀を一気に駆け上がって、そこから続くアパートの
出窓に向けてフワリと浮かび上がり、注意深く軟着陸した。
みっつ置いてある、鉢植えを倒さないようにしながら、出窓の奥の
方へ歩いて行く。
「ニャーオ」向かいのアパートから、猫の声がした。
俺は、右前脚を空中に止めたまま、そちらを見た。佐久間さん家の九官鳥だ。
気を取り直して、歩みを進め目的の場所を陣取った。
しばらく、うつらうつらしていると、どこかで子供の泣き声がする。
俺は、耳のアンテナをクリクリと動かした。
「うぇーん、熊さんと一緒じゃなきゃいやだぁ」
山崎さん家の、チーちゃんが、駐車場で泣いているのが見える。
「カンカンカン」という、階段を駆け下りる音がして、お母さんが
ぬいぐるみを持って現れ、チーちゃんに渡した。
泣き声がやんだ。機嫌がよくなったらしい。
「バタン」ドアを勢いよく閉めて、山崎さん家の車は、プルルルルとどこかへ出かけて行った。
「そうか、じゃぁ、今日は山崎さん家のベランダで昼寝することにするかな」
俺は、大きく伸びをしてから、立ち上がった。
「パチスロ」「のど飴」「ラーメン屋」
15 :
名無しさんの初恋:2001/06/28(木) 17:11
ラーメン屋の中にパチスロが設置されているだと……?
バカなっ…!
お前は、大きく見誤っている。
この世の実態が見えていない。
まるで体脂肪が15%と言えば、世間は許してくれるとまだ考えてやがるんだ・・。
臆面もなく・・・・!
甘えを捨てろ。
お前のその甘え・・その最もたるは、
毎日のように食っている、その、「のど飴」だ。
クソに高い金払って食うのが当たり前か・・・・?
なぜそんなふうに考える・・・・?
バカがっ・・・・!
とんでもない誤解だ。
なぜ・・それがわからない・・?
なぜ・・それに気付かない・・・・?
16 :
猫くん:2001/06/28(木) 23:11
>>16 ええのんよ。新しいスレでは、お題を出さなくても。
お題がない場合は、そこまでのお題が有効だという、ルールで設立しておりゃぁすから。
「パチスロ」「のど飴」「ラーメン屋」でいいから、何か書いてちょ。
できれば、お題とストーリーが密接なつながりを持っているヤツを(藁)
18 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/29(金) 01:43
僕の家から100メートルくらい行った所にラーメン屋があって
そこでおいしいラーメンを作ってるのが元さんなんだ。
いつも声が大きくて、学校の帰りなんかに僕らがふざけて歩いていると
「こらー、車に轢かれるぞー」とか怒られちゃう。だから「元々亭」の
前ではいつもおとなしくするのが僕らのルールだ。
なんで声が大きいかっていうと、いつも「いらっしゃーい!」とか
「ラーメンお待ち!」とかイセイよく言ってるからだと思う、きっと。
たまに食べに行くと、元さん用のノド飴をくれるから、それは嬉しい。
出前なんかも自分で行ってるんだけど、最近は寄り道ばっかりしてる
みたい。「パチスロ」とかいうお店で、僕のお母さんが言うには、
そこの店員さんが好きなんだって。
こないだ一緒に歩いてた女の人なのかどうか、今度元さんに聞いてみよう。
「3856」「腸」「地球儀」でお願いします。
貨幣に支配されついに腸に名前を付けられる羽目になった。
地球儀に燃したスクリーンに映し出される自分の番号
いや便利なんだ、これ。酔っぱらって雪道で寝てても
警察が起こしにきてくれる。ばーか、まだかえるもんか
はなせこのやろー
次は「火星人」「フル装備」「桜咲」
あ、番号入れ忘れた・・
「火星人」「フル装備」「桜咲」
春に桜咲く静かな高級住宅街には深窓の令嬢が良く似合う。
でも深窓の令嬢って本当にいるのだろうか、
と僕はかねてから疑問に思っていた。
だいたい深窓というくらいだから、
道端から中のお屋敷が見えてはいけない。
でっかい壁に囲まれたフル装備の警報装置付きの家で
なければ深窓などという状況は有り得ないのだ。
でも僕は発見してしまった。深窓のお屋敷を。
俗世界から閉ざされた深窓、そこにはこの世のものとは
思われない魅惑的な女性――深窓の令嬢がいるに違いない。
だから今晩、僕はこのお屋敷への侵入を試み成功した。
三階のあの窓が深窓で、その中に令嬢がいるに違いない。
僕は鍵付きのロープを思い切り投げ上げ三階のテラスに
引っ掛けると泥棒宜しく登っていく。
辿り着いた深窓から部屋を覗いて見ると、なんと、
チャッカマンを持った発火星人が僕に狙いを定めていた。
ゲロゲロゲーロ
次、「浅薄」「怒涛」「コガネムシ」
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/29(金) 07:27
浅薄であった。
このような場所で。
「野糞を垂れるなど…!」
怒濤の勢いで押し寄せるコガネムシども。
逃げ場はない。
あっという間にわたしの糞を平らげた何百というマグソコガネの群れが、
次の餌を求めて、わたしの足を這い上がってきた!
奴らの狙いはただ一点。
わたしの…ああ、もう尻まで!
うああ、うああああああっ!!
という夢のおかげで寝グソをせずにすみました。助かった。
お題なし。
−ア……イシ……テ……イ……マス
声が聴こえる。
微かな、だが、確りとした声が。
己の浅薄さが招いた事態だ。それは甘んじて受けよう。
だが、鴻大無辺の大宇宙を彷徨する孤独感は、身を押し潰し、心を擦り切れさせる。
だからだろうか、聴こえもしない声が聴こえるのは。
−アイ……シテ……イマ……ス
頭を振り、その幻聴を消し去ろうとする。
消えない。どころか、余計に聴こえてくる。いや、耳からではない。脳に直接響いて
くるようだ。
−アイ……シテイマ……ス
「誰だ!」
無駄と知りながらも声を張り上げた。この小さなカプセルの中には、人間一人がやっ
と入るスペースしかない。そして、酸素残量はエンプティランプを点滅させている。
−アイシテ……イマ……ス
意識が薄らいできた。瞬間、過去の栄光が怒濤と化して、脳裡を席巻する。どうし
ようもない虚無感と共に。
ふと、バイザー越しに小さな塊が見えた。コガネムシだ。震えるようにして、一生
懸命に羽を広げようとしている。
−アイシテイマス
そのコガネムシが力尽きてバイザーから転げ落ちると、世界が真の闇に覆われた。
次、「土地鑑」「突破口」「信奉者」
24 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/29(金) 12:09
信奉者は持ち前の土地鑑で突破口を開いた
>>24 短すぎじゃない?それで面白ければいいけど・・
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/29(金) 12:21
「土地鑑」「突破口」「信奉者」
「あれ、洋子さん。二丁目の方を回る予定じゃなかったっけ」
「あっ美香さん。えへ、土地勘(土地鑑)が、ないもんだから迷っちゃったわ」
「どう?突破口は、開けた?」
「うーん、だめね。最初のひとりがなかなか……」
「そうね。最初にひとり、信奉者を作ってしまえば、あとは口コミで広がってくれるのにね」
「とにかく、がんばりましょ!」
「うん」
#ナニを売っているのか、気になるふたり(藁)
「茶筒」「マジックインキ」「ごま塩」
>>25 お前はヴァカか?
適当に書いただけなんだから無視して進めろボケ
茶筒にマジックインキで丸を書いてお茶たてて
ごましお入れると女できるってさ。
へ、聞いて得したね。
これはね女のいる奴は全員知ってることで、
みんなそうやって女作ってるんだよ。
お題は「創作」「文学」「3字」
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/29(金) 23:37
「創作」「文学」「3字」
「小百合子?ええー、それ本名なの?あははって、笑っちゃいけないよね、ごめん」
「そうなんだよねぇ。おじいちゃんが「小百合」お父さんが「百合子」ってつけたかったらしいんだ」
「それで、合わせて「小百合子」かぁ」
「うん、せめて、3字にして欲しかったなぁ」
「で、小百合子ちゃんは、高校時代は、何してたの?」
「創作ダンスをやってたんだ。それ以外の時は、文学少女ってところかな」
「ふむふむ、なるほどわかったよ。ようこそわがクラブへ」
#高校の時に、いたんですよこの名前の人が
「メロンパン」「ものさし」「上履き」
31 :
27:2001/06/29(金) 23:53
ごめん、言いすぎた。
気にしないで進めて……(*´ー`*)
32 :
もろ下ねたなんで、嫌いな人は読まないで。:2001/06/30(土) 00:20
「メロンパン」「ものさし」「上履き」
古典でえろい文学作品って結構あるじゃん。
でさ、高校時代読もうとしたのよ。
でも、てきとーに選んだデカメロンパンってすぐにその分厚い本を閉じました。
頭悪いおれのこと、やっぱ古典的なものさして理解できないやね、とーぜん。
そんで現在。完全にえろ小説はまっちゃったよ。ふかーく、しかも。
有名すぎるかもしれないけど、
マゾ系読む時なんかわざわざラバー着た上履き難いきつめのやつを決めてからだし。
#本当は上品なねたで書きたかった…
#ごめんなさい。ふかく。
僭越ながらお題ださせてください。
「クラブ」「ぞうきん」「傀儡」
わたしのお父さん 三年四組 大場加奈子
わたしのお父さんは、毎日夜遅くまで帰ってきません。そして、帰ってく
るといつもお母さんと大ゲンカです。いつものようにお父さんとお母さんが
ケンカしているとお父さんが言いました。
「クラブに通い詰めるのも立派な仕事なんだぞ!」
気弱なお父さんが、初めて見せた男の顔でした。だけど、そのあとお母さ
んにボロぞうきんのようにされたのは言うまでもありません。
お父さんのお仕事は、わたしはよく知りません。
だけど、わたしはそんなお父さんが大好きです。なぜなら、わたしの言う
ことを何でも聞いてくれるからです。ほしいお人形や、お洋服など、何でも
買ってくれます。
最後に、お父さんの口グセを紹介します。それは、
「傀儡にも家族がいるんだ」
です。意味はよくわらないけど、お父さんはいつも言っています。
おわり
次は「好意」「マネーロンダリング」「螺鈿細工」でお願い。
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/01(日) 19:56
叔父が退職後民間企業の相談役になった。普段嫌悪している「天下り」なのだがなぜか、叔父からもらった螺鈿細工のお椀は非常にうれしかったのを憶えている。普段と違う特別な時に出てくるそれが、私専用に一つあるのは非常に嬉しかったのだ。
いま私の「彼」は汚いお金を洗ってきたからと、シャネルをくれる。いわゆるマネーロンダリングなのかもしれないし、私に好意はあっても「愛」なんてないのも分かっている事だ。
それでも嬉しいのは何故なんだろう。
嬉しいと思う自分とそれを悲しんでいる自分の狭間で今日も生きていく。
父は金に汚いも綺麗もないが口癖だった。今も私が欲しいものをくれる人はいない……
次のお題
「花火」「スパッター」「ラーメン」
「花火のような官僚批判論がでてくる
まずいラーメンのようにんびのびだ。」
「うるさいよ。スパッターってなんだかしらねえ」
「厨房どもにきいてみろ」
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/02(月) 01:05
「花火」「スパッター」「ラーメン」
俺達は、ラーメン屋で、晩飯を食っていた。
テレビでは、北ヨーロッパで起こった火山噴火の模様が写しだされている。
どろどろに溶けた、溶岩流は、かなりのスピードで山肌を移動して行く。
「おい、見ろよ。溶岩がしぶきをあげて、まるで花火みたいじゃないか」
「へぇー、溶岩のしぶきのことをスパッターって、言うらしいぞ」
「なんだ、俺達の溶接の仕事と、同じだぜ!」
とまくし立てていた、孝雄が興奮して、俺の背中をドンとたたいた。
俺はむせてしまい。食っていたラーメンのツユを鼻から逆流させ
ヤツのワイシャツに、しぶきを飛ばしシミを作ってやった。
「これも、スパッター。だな、ははっ」ヤツは、力の抜けた笑いを返してきた。
「どんぶり」「ブローカー」「模擬店」
見事に終わっております。
んだなす。
どんぶりをかたしながら、ブローカー生活も今年でおわりだとおもった。
後はプロの奴がこの模擬店をきりのりしていけばいい。
「タンゴ」「猿」「注目」
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/08(日) 10:26
ダンゴ三兄弟のだんごは「団子」です。
猿のエミリーはそんなすごいことを知っていたので注目された。
まるで誰かのように。
「剥げ頭」「愛してる」「露人」
剥げ頭の露人が「愛してる」とひとりごとを繰り返していた。
ってこんな風に適当な言葉のパズルだけで続くならば
このスレつぶれてしまってかまわない。
43 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/09(月) 14:35
「おい、そのハゲ頭の銃をこっちによこせ」
店長は、持ち主のいなくなった銃を片っ端から集めて回っていた。
うちのスーパーの駐車場に、おととい掘った塹壕は、まだ持ち堪えている。
隣では、塹壕の壁にもたれて、青果の木村君が眠っていた。
昨夜も徹夜で撃ち合いだった、無理もない。
「また露人、きますかね」
そういうと、店長がタバコの箱を僕めがけて投げつけてきた。
「気の抜けた言い方やめろ。露助といえ」
箱は当然からっぽだった。
なんでこんな事になったんだろう。
きっと、店長みたいに、自分の女房よりも、争いを愛してる人がいるからだ。
いつまでこんな事が続くんだろう。
きっと、僕が殺されるまでだ。
44 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/09(月) 14:36
「ビール」「中華」「油」
でお願いします。
#あくまでも個人的見解だが(レスというものは元来そういうものだ)、
#3語が互いに関連性がありすぎると、
#その関連性に依存するか、またはあえて全然関係ないことを書こうと
#して硬直化した文章になってしまう気がする。
#そういう見地からは、一見無関係な3語を択んだほうが次に
#つながりやすいのでは。
#以上、気にしないで。
#最近関連無い3語続きだから、関連あるのも良しと考えるがいかがか
#むしろ自分は関連性を断ち切ろうとするのが、いい動機になるのですが
#書きにくくて沈むのも良しだけれど、続いて欲しくもあるので
47 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/10(火) 02:24
「ビール」「中華」「油」
車でキャンプに行った時の、屋外料理は豪快なことができるので好きなんだ。
家のキッチンでやるとフライパンの返しとかせこくなってしまうんだけど
キャンプの時は、思い切ってできるもんね。
薪を集めて、焚き火をする。
みっつの大きな石を三脚のように並べて、中華なべを乗せる。
油を入れて、火の上に乗せてあたためる。
煙が上がって来たところで、溶いたたまごを入れ、半熟になったところで
ごはんを入れて、すばやくかき混ぜる。
豪快に返しを入れる。「がばっ、がばっ」うーん、気持ちいいぞ!
たくさんこぼれても気にしない。きざみネギを入れて、仕上げに酒だ。
あれ、酒がない。
「おーい、酒だ。誰か酒をここにかけてくれぇ」
「はいよぉ」
「おい、こりゃ、ビールじゃねぇか。知らねぇぞ、むちゃくちゃな味になっても責任取れよ」
「いただきまーす。うへぇ、なんだこの味は」
「自業自得だ。全部食え!」
#って感じになるかな?
確かに、関連性がありすぎるとお題が出た時点でイメージが固まりすぎる。
今回のも、中華屋で野菜炒めやギョウザを食べながらビールを飲んでいる。
というイメージから遠ざかるために、逆に苦労した。で、苦労したわりに
ぶっとんでないから。どちらかと言うと。関連性のないお題に賛成だね。
「無人島」「納豆」「恋愛小説」
48 :
初挑戦:2001/07/10(火) 09:00
「なあ」 「なあに」
「もう何日目だっけ?」 「10日目、かな?」
「そうか」「そうよ」
「俺さ、お前のこと前から好きだったんだ」 「ありがと」
「こんなムードのかけらもない無人島でごめんな」 「仕方ないよ」
「これは、俺のプロポーズ代わりに受けとってほしい」 「え? でも」
「いいんだ、何も言わず受け取ってくれ」「う、うん。え? 何これ、納豆ばっかり?」
「すまん、もう俺にはこれしか残っていないんだ」 「これ、食べても大丈夫なの?」
「なあ」 「なあに」
「一昨日の納豆、全部食べちゃったの?」 「ええ」
「ひとつくらい、残してあげようとか思わなかった?」 「ええ」
「俺のこと、嫌い?」 「そんなことないわ」
「じゃあ、俺の事好き?」 「……」
「もしかしてあなた、恋愛小説とか好き?」「え、ああ」
「あたしは今、お腹が空いて死にそうなの」 「俺もだよ」
「だから今あたしに必要なのは」 「食料だろ」
「……あなた、いい人ね」 「そ、そうかな」
「うん、とってもいい人」
中国で青島ビール飲みながら戦闘機を整備する、油まみれの日本兵の絵が浮かんだ。
そんだけsage。
50 :
「無人島」「納豆」「恋愛小説」 :2001/07/11(水) 01:13
「なにかひとつと言われれば…… 納豆かなぁ」
「え?」
「だってほらあれって勝手に醗酵して増えるんだろ? ちょうどいいじゃないか」
ダンベルを上下させつまらないことを言う。頭まで筋肉にするつもりだろうか。
「増えるのは納豆菌だけでしょ。大豆はどうするのよ。大豆は」
「あ。そうか。無人島で大豆を作ってたらできる前に飢え死にかな?」
しゃれた恋愛小説みたいな恋の結末がこの男。別に不満は無いけど「生活」には小説と違い「END」マークなんて無い。
「しっかりしてよ、もう。愛してるんだからね」
「お〜う。任しとけよ」
無邪気な笑顔に殺意を覚えた、夜。
次のお題「種無しスイカ」「丘」「雪」
51 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/11(水) 09:27
井上喜久子のおさかなラジオ
52 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/11(水) 13:29
「種無しスイカ」「丘」「雪」
俺は、種無しスイカが嫌いだ。
と言うよりも、スイカをガバっと頬張って口の中で種を選り分けて
それを機関銃のように飛ばすのが好きなのだ。
じいちゃんが昔教えてくれた、小さな頃のいたずらだった。
雪の降る季節、丘の上にある病院にじいちゃんは入院していた。
「スイカが食いたいな」というじいちゃんのリクエストで買って持って行ったスイカ。
じいちゃんの種飛ばしが見たくて、果物屋で「これは種が入っていますね?」と、何度も
念を押して買ったスイカだったのに……
じいちゃんは、食べずに行ってしまった。
夏、風鈴のそよぐ縁側で、俺はスイカの種を勢いよく飛ばしてる。
「あなた、そんな下品なこと子供に教えないでくださいよ」
女房は、大きくなった自分のおなかをさすりながらそう言った。
そうか。じゃぁ、やっぱり孫に教えることにするかな……
自分の子供の顔もまだ見ていないのに、
元気にはねまわる孫と自分の小さな頃の姿が頭に重なった。
「夏の記憶」はどこかで結ばれてつながっているのかもしれないな。
俺は、手に持ったスイカにもういちどかぶりついた。
#「フライドポテト」「オープンカー」「靴下」
53 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/11(水) 13:52
オープンカーでキャンプに行った時の、屋外料理は豪快なことができるので好きなんだ。
家のキッチンでやるとフライパンの返しとかせこくなってしまうんだけど
キャンプの時は、思い切ってできるもんね。
薪を集めて、焚き火をする。
みっつの大きな石を三脚のように並べて、中華なべを乗せる。
油を入れて、火の上に乗せてあたためる。
煙が上がって来たところで、溶いたたまごを入れ、半熟になったところで
ごはんを入れて、すばやくかき混ぜる。
豪快に返しを入れる。「がばっ、がばっ」うーん、気持ちいいぞ!
たくさんこぼれても気にしない。きざみネギを入れて、仕上げに酒だ。
あれ、フライドポテトがない。
「おーい、フライドポテトだ。誰かフライドポテトをここにかけてくれぇ」
「はいよぉ」
「おい、こりゃ、靴下じゃねぇか。知らねぇぞ、むちゃくちゃな味になっても責任取れよ」
「いただきまーす。うへぇ、なんだこの味は」
「自業自得だ。全部食え!」
「携帯」「嵐」「落とし穴」
54 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/11(水) 14:12
俺達の関係には、思わぬ落とし穴があった。
気付いたのは三年目の春…
「ねぇ、なんでメールすぐ返事くれないの?」
「そんなこと言われても、俺パソコンだもん。そんなすぐに気付くわけじゃないし…」
「じゃぁ、携帯買ってよ。なんで今時携帯も持ってないの?」
彼女の瞳が、不機嫌そうにつりあがった。
「携帯?俺携帯嫌いなの知ってるだろ」
「そこがわかんないのよね、なんで携帯嫌いなの」
「携帯ってほら、金かかるし」
「パソコンは金かかんないわけ?」
「ん〜〜〜、っていうかさぁ、街とか出歩きながら話してるやついんじゃん」
「うん。」
「ああ言うのってなんかさ、馬鹿っぽいと思わん?
俺は少なくともあんな低次元なやつらにはなりたくな…」
「あーそう。へー、携帯嫌いなのって持ってる奴を馬鹿だと思うからなんだー、ふーん」
「いや別に持ってるヤツ全部を否定しているわけでは…」
「じゃぁ、メール携帯で送りまくるヤツも馬鹿よね。ふーん」
「あ、あの…、お嬢サン?」
「じゃぁ、あなたはずっと私を馬鹿なやつと思ってたのよね。
ごめんなさいね1日に何通もメール送って、携帯なんかで!!」
「え、いや俺は別に…」
「さよなら!次会う時は携帯電話好きの彼氏連れてきてあげるから!」
そんな、春の嵐。
次は「海」「白い帽子」「浴衣」
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/11(水) 15:48
俺は海にも山にも行かず、川に洗濯に行った。
俺は浴衣を着ていた。下半身を見るとはみちんしていた。
「馬鹿馬鹿しいな」
と言いながらも洗濯を始めた。
最初にふんどしを洗った。あそこが寒くてたまらない。早く乾かしちまわねぇと。
そう思ったからだ。
その後に浴衣と、ばばあの下着を洗った。
「何かいいことはねえかな〜」
と若い頃と同じように思っていると、白い帽子が繁みの向うに見えるではないか。
(しめしめ)
俺は思った。山奥でちょっとくらいいたずらしても分かりはしない。
道に迷っていて、淋しがっていたから、なでてやった。そう言えばいい。
俺は繁みの向うに行った。
「……」
絶句。
超ドブスだった。
俺はそのまま半狂乱になって、走り始めた。
あっちこっちに手足をぶつけて血が流れていたのまでは覚えている。
後で聞くと、俺は50キロ離れた、街中で気絶したのだそうだ。
突然、駅の近くで。浴衣姿ではみちんで。
「まあ、いいか〜」
俺は眠ることにした。
「なす」「インク」「ガム」
56 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/11(水) 16:53
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/12(木) 16:09
age
58 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/12(木) 17:09
ガムをインクで塗ってナスにした。
「かす」「バイク」「パム」
59 :
「かす」「バイク」「パム」 :2001/07/12(木) 18:13
「タランティーノのジャッキーブラウン観た?」
「えーまだ観てない」
「いいんだよ、パム・グリアがさ」
「誰それ?」
「お前知らないの? 主役の女優だよ」
「もしかして、マーズアタックとか出てる人?」
「そうそう、あのマッチョマンの奥さん役!」
「ああ、わかった! いかすよね、あの人」
「マジいっかすーぅ」
「えーでもどうして今更?」
「さっき、DVD買ったんだよ!」
「え? だって家、プレイヤーないじゃん」
「プレイヤーも買ったの、サラウンドシステムもだぜ。」
「お金どうしたのよ」
「バイク売った」
「え」
「何よ、やったじゃん!今夜ジャッキーブラウン観ようぜ」
「あのバイク、私んだよ」
60 :
「かす」「バイク」「パム」 :2001/07/12(木) 19:28
「何だよ、もう売っちゃったものは仕方ないだろ」
「お気に入りのバイクだったのに」
「いいじゃん、他にも三台あるだろ。買いすぎだって」
「……あのマフラー高かったのよ」
「え?」
「こないだ水冷式に変えたばっかりなのに」
「何それ? 冷蔵庫みたいなもん? パム冷蔵庫でも欲しいのか?
でも冷蔵庫2台は要らないよ。DVDデッキのが絶対いいって」
「バカ! スクーターにも乗れないあんたには分かんないわよっ」
「ご、ごめん。でもせっかくだからさ、一緒にDVDで映画見ようよ、な」
「はあ……、あんたって本当にどうしようもないわね」
「ちょっと、これ何よ」
「え?」
「OL輪姦学校、幼女誘拐、義妹肛姦10選、喪服の恋人……」
「お、おい、勝手に引き出し開けるなよ。それは前から持ってたんだって」
「全部DVDじゃない! こんなもののために、あたしのグリアが……」
「は?」
「あなたが売ったバイクの名前よ! 出ていけ、このチンカス野郎っ」
「酒粕」「ベンツ」「丸大ハム」
61 :
59:2001/07/12(木) 19:31
62 :
60:2001/07/12(木) 23:06
固有名詞ダメなんだった。失礼しやした。
「酒粕」「高級車」「ハム」 でお願い致します。
63 :
氏ねR:2001/07/13(金) 13:16
秘境。
その言葉が脳裡を過ぎる程の景観。
本道から少し逸れただけで、そこは鋼鉄の町に暮らし慣れた俺にとって
は非日常の空間だった。
「迷ったか……」
俺は幾度目かの確認をして、足を止めた。少し休憩しようと思ったか
らだ。四隣は既に薄墨を流したように山の端と、空の境界を曖昧にして
いる。明るいうちに麓まで降りようと、闇雲に猪突したのがよくなかっ
たらしい。あのまま留まって居れば、誰かが気付いてれたかもしれない。
整備された登山道、季節も頃合い。ハイカーの一人位は通ったかもしれ
ない。だが、それは別の危険性も孕んでいたことに、俺ははたと思い至っ
た。登山道入り口にあったあの高級車。あれは彼奴等の車に違いない。
彼奴等は確実に追ってきているのだ。
ふと、灯火が目に入った。
闇に閉ざされて、誰かが明かりを求めたらしい。
「助かった!」
俺は駆けだしていた。200m程先にあったその建物は、どうやら酒
造工場のようだった。酒粕の臭いが、強烈に鼻を突く。
「誰か! 誰か居ませんか!」
俺が呼び掛けると、奥から初老の杜氏が現れた。頭に手拭いを巻いて、
浅黄色の作務衣を着たその杜氏は、不思議そうに俺を見つめていたが、
やおら口を開いた。
「どうなされた、こんな辺鄙なところで?」
「いえ、その道に迷ってしまって……、あの、電話を貸して貰えません
か?」
俺は取り敢えず、友人の一人と連絡を取ることを思いついた。警察は
彼奴等の傀儡だ。あいつなら、信用できる。
「ほう、電話か? まぁ、ついてきなされ」
杜氏が案内した先はプレハブ小屋で、中には万年床やら、空の酒瓶や
ら、雑誌やらが散乱していた。ここに杜氏が寝泊まりしているのだろう。
「ほれ」
後ろ手にした杜氏が顎で指し示した先にそれはあった。
「ほうれ、それを使え。それしか連絡手段はないわ」
どうやらハムの機械のようだ。
「僕には使えませんけど?」
「そうか? 儂にも使えん」
杜氏の言葉は半ば陽気な声音だった。俺は言葉を失って、頭を抱え込
むと、杜氏はすっと俺の側に寄ってた。俺が何かと顔を上げると、杜氏
は俺の肩を叩いた。
「なんなら、酒でも造ってみんか?」
何故だか、杜氏のその誘いはとても魅力的なものに思えた。
次、「ギター」「灯台」「日本海」
64 :
「ギター」「灯台」「日本海」 :2001/07/13(金) 13:42
家(うち)の爺さんは流しだ。
酒場を巡ってリクエストで唄う、というアレだ。
と言っても、今もその気なのは爺さんだけで、
ここ数年間で、夜に家をあけたのは3日とないだろう。
しかも哀しい哉、そろそろ呆けはじめた。
「わしの眼鏡を使っとらんか」
と俺の部屋を訪ねてくるときはきまって眼鏡は……と
いう冴えない落ちの上に
「いやいや灯台もと暗しといってな」
と耄碌した言い訳でしめくくり、
散歩の途中に和服姿を女を見れば、
「おお、小鈴さん」
と声をかける。小鈴、というのは爺さんの初恋の人らしい。
無論、人違いである。
そんな爺さんが、今夜はめずらしく仕事にでるらしく、
先ほどからごそごそと準備をしはじめたようだ。
まったくこんな爺さんに来られても迷惑だろうに。
なにかが見つからないらしく、そわそわとしはじめた。
「どうしたの」
「いや、あれじゃ、わしのあれがない」
だから、あれじゃわかんねーよ。
「眼鏡なら、その鼻の上」
「んなこた知っとる!」
「じゃ何だよ」
「あ、あれじゃ、ギターじゃ!」
俺は絶句した。なんだよ、胸の前にぶらさげてる物体は。
「Am」
俺が吐き出すようにそう言うと、爺さんは反射的にギターを鳴らし、
唄いだした。
「悲しみ本線、日本海〜ぃ」
#インケツ かぶりもの 退屈
65 :
インケツ かぶりもの 退屈:2001/07/13(金) 17:57
「最後の勝負や」
うめくように花田は言った。大江は馬鹿馬鹿しそうに花田を見る。
「ゆうてもわれ、もうすかんぴんやないか、
家帰って母ちゃんのおっぱいでももろとけ」
「退屈なこと言わんと、も1回だけ、な」
花田は、顔をひきつらせる。本人はこれで笑ってみたつもりだろうが、傍から見れば胃に穴を開けたゴリラくらいにしか見えない。
「われ、もう電車賃かてないないやろ」
「ええかげんさらせ、次はわいの勝ちじゃ、これでぜんぶ取り戻す」
そこまで言われては、大江も引くわけにはいかない。
「よっしゃ、ほしたらわしも全部じゃ」
大江の節くれだった指が、座布団に札を放る。
「どないする」
札を手に取る花田の顔面から、血の気がひく。
「くれ」
「ええんか?」
「ええわい!」
「ほれ」
受け取った花田は、札を見るなり胡坐をかいたまま後ろへ倒れこんだ。
「なんや」
「どないでもさらせ、この強盗」
座布団の上にさらされた札。
「クッピンのブタやないか、ぎゃはははは」
「ほな、われはなんじゃい!」
首だけをもたげやり切れぬ怒りをぶつける花田。大江は鼻を鳴らす。
「イヒヒ、こんなんで勝てるとは思わへんかったわい。インケツや!」
花田はがくりと首を落とした。
「さて、どないしようかのう、なあ花田」
「……知っとるやろ、もう何もあらへん」
「そら困ったのう。したら、そのかぶりもん(かぶりもの)脱いでけや」
「あ?」
「身包みとはよー言わんわ、そやからその頭の上に乗っかってるもん、置いてけ」
「……われ、知っとったんか」
「ほーじゃ、知らんでか。」
花田の目の端から、ポロリと大粒の何かがこぼれた。
「切ないのー」
#どこの人間じゃわれー(泣
#「摩天楼」 「玉手箱」 「お好み焼き」
「摩天楼」「玉手箱」「お好み焼き」
俺は現代に来て摩天楼を見上げた。
俺は玉手箱を空けたからここに来たわけではない。
酔いつぶれて起きたらこの村にいた。
無礼な奴が俺にぶつかった。
俺は切り捨てごめんをした。
「あちょー」
お好み焼きだった。
「モモ」「ミキ」「アキラ」
マタ オチタンダネ?
ナクナ!アキラメルナ!
オマエハ ユイショタダシイ モモンガ
オマエノ センゾモ オレガ ソダテタ
オマエモ カナラズ トベルハズ
モウイチド オレノ ミキヲ ハイアガレ
ソシテ ソウ トブンダ!
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/13(金) 23:14
sageてしまった。
次は「可及的速やか」「動物クッキー」「契約」で
69 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/14(土) 22:20
ageときまっせ
70 :
蒼薔薇のレェス:2001/07/15(日) 02:55
「いいですか?我々には残された時間は少ないのです。」
男はそう言い、煙草の火を灰皿の上でもみ消した。紫煙が残り香となって辺りを漂う。
「分かってるよ、契約期間は今週いっぱい。要するに今週中に何とかすりゃいいんだろ?」
神経質な男の声を右耳から左耳へと聞き流し、俺は旨くもない珈琲を飲み流した。
「本当に分かっているのですか?でしたら可及的速やかに実行してくれませんと。」
「…だからってなぁ、動物クッキーに睡眠薬仕込むなんてどうかと思うぜ?
子供相手に容赦しねえな、お前は。」
「貴方が甘すぎるんですよ。」
無機的な魚のような目でじろりと俺を睨む。俺はふんと鼻をならして喫茶店をあとにした。
こいつのやり方など使わない。俺は俺のやりたいようにするさ。
次回、「ウサギ」「卵」「仮面」
71 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/15(日) 03:13
>>70 10行だ〜 マンセー! エロ小説頑張ってね(w)
72 :
微塵子の英雄:2001/07/15(日) 04:37
仮面を付けたウサギが一匹、卵をボウルに流し込んでスポンジケーキを作ろうとしていましたがどうも分量を間違えたらしくてスポンジ頭のカメレオンがいっぱい焼き上がりました。一匹のカメレオンはオーブンから「いい湯だったなあ」と歩み出ると、舌をぴょろりと伸ばしてウサギの仮面を奪って食べました。怒ったウサギは耳を取り外してカメレオンを叩くためのカメレオン叩きを作ってカメレオンを一々つぶしてカメレオン叩きの後ろについているピンセットでつまみ上げて、ボウルに入れました。そこに小麦粉と豆を入れて、プディングを作って食べました。もちろん、反芻もちゃんとしました。
次回「毛虱」「ゾロアスター教」「ライオンハート」
73 :
筒井警部の一人推察:2001/07/15(日) 12:38
「つまり、中川ハルカ殺しの容疑者、松野真一にはアリバイがあるんですよ、警部。」
なかば残念そうに、大西巡査部長は調査結果を報告した。
「所属するゾロアスター教研究会の会合のため、事件当時は新幹線の中だと・・。」
「アリバイなんてのは、事件後にいくらでも操作できるさ、大西くん。」
筒井警部は不敵な笑みを浮かべると、振り返り、大西を見つめた。
その眼は、まるで敵をロックオンしたマシーンのように、冷たく光っていた。
「松野は中川ハルカのスナック『ライオンハート』の常連だった。かなり惚れていた、
ま、イレ込んでいたといったほうがいいかな? 金銭的にね。
ところがハルカは素っ気なかった。殺す動機としては充分だよ。しかもだ、ハルカは
強姦された後、絞殺されている。そこでの証拠のほうが重要だ。」
「しかし警部、犯人の体液は検出されていません・・。」
「体液にこだわることはないよ、大西くん。松野は事件後から病院に通っているのさ。」
「まさか・・。」
「そう、奴はハルカに何も残さなかったが、ハルカが奴に残したんだ、毛虱をね。」
次回 「終戦記念日」「大阪五輪」「蜂蜜」
@_@
最近レベル高い……
76 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/15(日) 21:53
甘い、甘い蜂蜜を昔はよくつまみ食いしてた。
その度に、おばあちゃんに怒られたっけ。
祖母は、まず私の手をぺしりと叩く。そして決まってこのセリフをいうの。
「全くもう、私があんたくらいの頃は蜂蜜なんてそうそう家にあるもんじゃなかったわ」
「ごめんなさ〜い」
私は悪びれない様子で、こういうの。
優しい祖母、今はいない。
祖母はお喋りだった。よく昔の話をしてくれた。
「大阪五輪、ダメだったね」
「そうねぇ…昔、東京でオリンピックが開催された時は嬉しかったわ。
大阪で行われるのも、楽しみにしてたのにねぇ」
優しく、微笑む、祖母。
笑顔の裏の戦争の話は、私は聞いた事がない。
今はいない。
「…夢」
私はぽつりとつぶやいた。
祖母の夢を見てた。
気付けば今日は、終戦記念日だった。
77 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/15(日) 21:54
ヤバ、お題忘れた;
「焼き肉」「電卓」「一戸建て」
78 :
げげ:2001/07/15(日) 22:33
「終戦記念日」「大阪五輪」「蜂蜜」で
メモ帳にまとめて、さあ、UPするぞと来てみたら、
おわっていた・・。鬱だ氏脳。
80 :
げげさん、79さん、ゴメン:2001/07/16(月) 01:20
深夜の高級住宅街を、黒塗りのワゴンが静かに、法定速度で走っていた。
窓まで黒くフィルムコートされたワゴンの車内には、運転手の他に男が4人、乗りこんでいた。
だが、どの男も黒づくめの服装をしている。腰に消音器付き短銃。尋常ではない。
リーダーらしき、胸板の厚い男が言った。年恰好は40代に見える。
「今夜は裏切り者を始末する。殺すとは考えるな、処分するんだ。」
他の3人は軽くあごを動かし頷く。
「作戦の再確認だが、俺とシゲは正面玄関を破って侵入する。いいな、シゲ。」
「ああ、奴ら、こんな所の一戸建てに住みやがって。後悔させてやる!」
シゲと呼ばれた茶髪の男は、そう毒づくと目だし帽を頭から被った。
強がってはいるが、2時間前に食べた焼き肉が胃にずっしりと重く、シゲは
軽い吐き気を覚えていた。
リーダーの男は次に細身の男を見て言った。
「いいか、タカ、お前は作戦通り2階から侵入しろ。寝室にいるかも
しれないからな。」
「OK。唐津さん。」
細身の男は右手の親指を立てて短く応えた。
「リョウ、お前は裏口で待機だ。逃げ出してくるヤツがいれば敵だ、撃て。」
「・・・・・・。」
20代半ば、一番年下と思われるリョウは青白い顔で無言のまま頷いた。
「お前の持ち場は死ぬ可能性がいちばん低い、安心しろ!」
シゲが苛立ちとも励ましともとれる口調で低く叫んだ。
「・・はい。唐津さん、シゲさん・・・・。」
消えそうな、泣きそうな声でリョウが応えた。
リーダー唐津は3人を一瞥した。今夜の作戦は死者が出てもおかしくない。
今一度、士気を鼓舞する必要がある。
「いいか、よく聞いてくれ。今日は組織の裏切り者、曹雄龍とその家族を処分する。
やつは知っての通り、組織本部の・・・・総括電卓にアクセスし・・」
「カーット、カットー!!」
監督が叫んだ。NGだ。
「もーなによー、唐津ちゃん、総括電卓ってさー、電脳でしょー?
で・ん・の・お! ・・・・もー頼むわよねー、若手をジャ○ーズで
かためてんだしい、あ、リョウちゃんはさっきのグーよグー。
その調子ねー。じゃあ、もお一回、シーン120から!」
#ちと長い?
#でも、焼き肉食べてるお父さんが電卓片手に一戸建てのローン計算ってのは
#みなさんも興ざめでしょ?
#次回は「原子力潜水艦」「金魚すくい」「スクイズ失敗」でどぞ。
81 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/16(月) 12:15
機関音のみが静かに響く、原子力潜水艦の艦内。
日本初のミサイル原潜「かずのこ」に取材で同乗することになった。
「ロシアのSSBNタイフーンはプールがあることで有名ですが、当艦も居住性には工夫を凝らしています。」
幾層も、ラッタルを下ったさきには、隊員用の食堂があった。
「宇和島水産高校、スクイズ失敗!2アウトです」
テレビが、高校野球をリアルタイムで伝えている。
隊員達はジョッキになみなみと注がれた生ビールを飲んでいた。
「深い海の底だと、季節感が失われる物ですが、当艦は違います」
次に案内された部屋では、さらに我が目を疑う光景が繰り広げられていた。
なんと、そこには縁日が、完全な形で再現されていたのだ。
隊員隊は、ウチワを片手に金魚すくいや射的などに、うち興じていた。
「夏の間は、土日に限り1700から2200にかけて、縁日が行われます」
さらに、お盆には花火まであげるという。
私は日本の防衛について、考えを改めねばならなかった。
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/16(月) 12:18
お題は「ミシン」「コイル」「メール」でお願いします。
83 :
埼玉県民:2001/07/16(月) 18:22
お題は「うまい」「うますぎる」「十万石饅頭」でお願いします。
84 :
82のお題で:2001/07/16(月) 23:05
#83はルールが見えてないのかな。82でいくよ。
2001年、それはわが社にとっての転換期となりました。
わが社にとっての救世主となった商品、PM−01が販売開始されたのです。
PM−01は、極秘役員会で決定された商品でした。その収録テープでは以下の会話が聞き取れます。
「社長、いまやわが社はジリ貧です。今こそこの商品に社運を賭けましょうぞ!」
「ん、しかし専務、わが社の伝統的製品に単にメールやらのネット端末を付加しただけで、売れるのか?」
「それは営業本部長が保証しております、な、本部長!」
「さようで。・・社長、今のアイテー事情に乗らぬは、百年の悔いを残しますぞ。」
「しかしなあ、専務に本部長よ、他業界のインターネット付きアイテムでコケたものもあるだろうが?」
「それは常務から説明してもらいましょう、常務、例の説明を社長に!」
「は。インターネットを付加しながらコケた商品には、実は共通点がございまする。」
「ん?・・・・なんだ、その共通点は?」
「テレビ、カーナビ、そして家庭内固定電話、この3種が鳴り物入りでありながらコケたネット商品でございまする。
これらの共通点は、ずばり、パーソナルツールでなかったことにつきまする。」
「何?・・・・パーソナルツールだと?」
「は。インターネットはパーソナルツールに付加してこそ真価を発揮するもの。きゃつらはそれに気づかず、いたずらにアイテーに乗った痴れ物どもにございまする。」
「社長、わが社の製品こそ、元祖パーソナルツールと呼べるもの。女性にとっての自立の象徴でありました。」
「さようで。・・社長、今ぞ危急存亡のとき。発展途上国のパソコン需要に先回りの意味もありかと!」
「社長、モーター部には超電磁コイルを仕込み、省電力は業界随一にございまする。」
「わかった。・・・・賭けようじゃないか、ネット機能付きミシンに!」
こうしてPM−01は発売されました。結果は大当たり、特に発展途上国から引っ張り凧となり。イスラム圏での女性の人権問題まで引き起こしてしまったのです。
・・・・・・・・・・・・ウオノメミシン100年史 地の巻 勇躍の章より・・・・・
>>84 オチがわかってるのにワラタ。
つか、次のお題ヨロピコ
86 :
84:2001/07/16(月) 23:09
じゃ、お題は83のでたのんます。
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/16(月) 23:36
「うまい」「うますぎる」「十万石饅頭」
「十万石饅頭って何?」
「まずいらしいよ」
「だから十万石饅頭って何よ?」
「うまいものを食べたければ、やめた方がいいらしいよ」
「だ・か・ら十万石饅頭って、何なのよ?」
「あんたは、いつもうますぎるものを食べているから、やめとけって」
「そうじゃない。聞きたいのは十万石饅頭ってぇのは、饅頭なのか?ってことだよ」
「あぁー、そうだよ」
「そっか、ありがと」
「流星」「パンの耳」「鼻毛」
88 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/17(火) 00:01
「流星」「パンの耳」「鼻毛」
僕は大人です。、夜になると、部屋の窓を開けて、
グラスにお酒を注いでくつろいでいます。
ゆったりと漂う時間、B&Oのステレオセットから
けだるいジャズボーカル。
あ、今しも、南の空へと、流星が落ちてゆく。
その刹那煌々と照らし出されたぼくの部屋には、
食べきれなかったパンの耳。
床に映った、今にも鼻毛を抜く素振りのわが手の
シルエット。
それを見たとき、ぼくは命を絶とうと思った。
「のみ」「釣り」「暖房」
89 :
初挑戦:2001/07/17(火) 00:29
「流星」「パンの耳」「鼻毛」
花の命はかくも短いものなのか。
茄子の小さな花はすっかりしおれてしまった。
玄関前のゴミ収集所のパンの耳に混じって。
学校の教室の花にあの子はいつも水をやっていた。
できものを額につくった私はその光景を見守っていたんだ。
テスト帰りのあの日、下駄箱にそっといれたラブレター。
いつかその思いは流星になって。
涙淵に沈む私の願いを聞いてくれるのだろうか。
ぞっとするほど美しい、あの願いを。
そこまで言い終えると私は悲しげな面持ちで、訝しげな表情の彼女を
凝視した。文学部哲学科の彼女は一生懸命に言葉を探している。私は唇
を開きそっと囁いた。ゆっくり前だけを見つめることも大事なんだ、と。
途端に彼女は顔を赤らめ席をたった。やっと私の言葉を理解した彼女
に私は安堵の溜息を漏らした。しかし、5分たっても10分たっても彼
女は戻ってこなかった。私は諦めにも似た笑顔をつくると、運ばれる料
理を二つ眺めながら一人ワイングラスに手を伸ばした。
「流産」「ロバの耳」「毛穴」
90 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/17(火) 12:18
「お客さん、どちらでお聞きになられたんですか?」
白衣を着た男は、カウンター越しに覗き込むように俺に顔を近づけた。
「誰でもいいだろ、ここで手に入ると聞いてきたんだ」
俺は男から顔を離して手にしていた紙袋を押し付けた。
男は紙袋をおとなしく受け取ると、中身をちらりと確認する。
「よろしいでしょう、お分けしましょう」
ビジネスの顔にもどり、カウンターの下から俺が渡した袋より少し大きい紙袋を取り出した。
「前日に、貴方のあそこの毛穴にこのロバの耳から抽出したエキスをぬりこんでください」
ささやくように男は俺に説明する。
「そうすれば、数ヵ月後には立派におめでたですよ」
「そうか」
男に礼をいって、俺はその店をでた。
動物愛護協会が世界の政治を握り「生物から抽出した薬品」は
逆に闇ルートで希少価値を増し価格は天上知らずになった。
多少、懐は痛いがしかたがない、紙袋を手にして俺は家路を急ぐ。
何度か流産して、俺たち夫婦はもうこの手しかない。
彼女が望むなら、馬だろうとロバの汁だろうと塗ってやる。
それにしても嫌な世の中になったものだ・・・。
「しまりす」「はがき」「えんぴつ」
91 :
氏ねR:2001/07/17(火) 15:06
しまりすはえんぴつではがきにかいた。
「……イジメル?」
92 :
しまりす、はがき、えんぴつ:2001/07/18(水) 21:57
風俗嬢さやかの日記帳にようこそ。
7月18日ゲキ晴れ
今日はもう最悪だったの。
いかにもヲタクって感じの小デブが来て。
こういう人の汗って妙にぬるってて気色悪いのよね。
でも、お客さんなんだしーって思ってたんだけど、
小さいのよね、アレが。えんぴつみたいだったの。
とりあえずマットからって思ってたら、
「バックでやらせてくれ。」
とか言い出して、届くのかよアンタって思ったけど、
四つんばいになってあげたの。案の定届かなかったわね。
でもそいつ、その気になってて、
「あっあっ、すごいよ、きみ、しまりすごいよ、巾着だ!」
なーんて言ってたの。スマタなのに。
風俗嬢相手に知ったかぶるなってんだ。
ヲタクって人種はがきんちょよね、がきんちょ。
でも明日からグアムに旅行だしー、まあいいか。
え?板が違う?何よーちゃんと3語載ってるわよ。じゃね。
#「サイパン」「自動車税」「てめー、上等じゃねえか」 じゃね。
93 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/18(水) 22:00
94 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/19(木) 13:16
95 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/19(木) 14:22
>>93-95
隠し題の手法は過去レスで既出だと思うが、、、。
97 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/21(土) 10:41
「サイパン」「自動車税」「てめー、上等じゃねえか」
「なんか、このごろ調子が悪いんだよ」
「あんた、疲れてんじゃない? 旅行でも行ったら?」
僕は律子の提案でサイパン旅行の手はずを整えた。
旅行代理店勤めの律子に頼んだので、格安のパックが手に入るのだ。
「何で律子は行かないんだよ?」
「あったりまえでしょ! スケベと一緒になんか行くわけないよ」
いつもこれだ。この前も、僕が金欠の時に。自動車税の支払い通知が
来たんで借金を頼んだら、けんもホロホロ。
まったく、使えない女だよ、あいつは。
「ん? なんか言った?」
律子が目を吊り上げて、僕の前で仁王立ちしている。
「なんも、言ってないよ。それよか、今晩空いてないの? 飲みにいかない?」
「あんたとなんか、行かないよーだ。へへっ」
なにが、へへっ、だよ。二十七にもなって男日照りのくせに。
まあ、いいや。こんな、バカ女とサイパン行ったら遊べないからな。
「あんた、あいかわらず独り言が聞こえてるわよ」
「そ、そんなことないよ――って、言ってた?」
「てめー、上等じゃねえか」
その瞬間、律子の平手打ちが僕の両頬を四往復して、股間に思いっきり
蹴りを入れられていた。
はぁと。
#「憤死」「渓谷」「どじょう」
98 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/21(土) 14:12
「憤死」「渓谷」「どじょう」
「柳の下に、いつもどじょうが居るとは限らないぞ。」
はぁ、そんなもんですかね。
「いつも滑っているスロープだからって、油断するなよ、渡辺!」
まあ、そうっすね、大丈夫だと思います。
「ようし、行けィ!渡辺」
渡辺はさっそうと滑り出した。渓谷のスロープは悪魔のアゴのようにえぐれて、急角度だった。
「渡辺ーーーっ!待て、ちょっと待てーっ!」
先輩がはるか背後から何か叫んでいる。渡辺はしかし、ふりかえる余裕など無い。ゴゴゴッゴーッと滑降を続ける。
「渡辺ーっ!おまえはコースを間違っているんだ、そのスロープは、ああ、そのスロープは!」
渡辺は視界から消えてしまった。あいつは、2度と戻ってこないだろう。温かい祖国へ帰っていった渡辺を思いながら、彼は歯軋りを繰り返し、そして雪の中で憤死した。
99 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/21(土) 14:29
次は、「デジタル」「ひも」「陸橋」
100 :
氏ねR:2001/07/21(土) 14:58
先をこされてしまいましたが、せっかく仕事中に
書いたので書き娘しときます。
書いてるうちにどんどん長くなりましたけど(^^;
「ここで逢ったが百年目、小阪又十郎覚悟!」
五十搦みの女が、褐色の帯に携えた懐刀に手を掛けている。
「御人違いではございませぬか?」
前を行く虚無僧は立ち止まり、振り向きもしない。
「こちらを向かれよ! そなたに濡衣を着せられ憤死した、木幡惣兵衛が妻おみつじゃ。この貌、見忘れたとは云わさぬぞ」
虚無僧は漸く振り向く。
「顔形も定かならぬ恰好で、どうしてその御仁と判られようか……。御人違いでございましょう」
「いや、人違いであるものか。その引摺る右足が何よりの証拠」
「これは痛風ゆえ。この界隈に右足を引摺る男が幾人おるか判っておられるのか」
女は懐刀を握る手に力を込める。
「何の、そなたのその声じゃ。その憎々しい声音を忘れるわけがないじゃろうが」
半歩踏み出して、女は更に睨め付ける。
「いや、声の似た男など、それこそごまんとおられましょう。では、御免」
虚無僧は、軽く会釈して踵を返す。
「たとえ普化僧に身を窶そうと、そなたの罪が贖われたわけではあるまい! 潔く、覚悟を決められよ!」
「拙僧には与り知らぬこと、では」
「やい! 梵論字!」
囲繞した野次馬の中から、甲高い声がした。
「あんたも元はお侍でしたんでしょう。その矜持はどこかに御捨てになられたんですかい?」
そして、弥蔵にした遊び人風の若造がしゃしゃり出てきた。
「この敵討ち、俺が預かりましょう。ここは天下の往来でさぁ。場を改めてたほうがよございませんか? では、明日、町外れの渓谷まで来てくださいな。どちらも異存はございませんね?」
やがて虚無僧は、軽く頭を垂れて人混みに消えた。
「何じゃ、そなたは?」
「名乗るほどのもんじゃございませんや」
「なら、なぜ邪魔じゃまをしたのじゃ?」
若造が、にやりと笑った。
「滾った湯の中で、どじょうは冷たい豆腐の中に逃げ込みますが、その豆腐の中もやがて煮えてしまいます」
「それが何じゃ?」
眉根を寄せて女は問い糺す。
「因果応報というやつでございますよ。罪は、それに相応しい罰で償われるということでございます」
若造は、低く冷たい目をしていた。
101 :
筒井警部の華麗な作戦:2001/07/21(土) 17:20
午前4時55分。JR明石駅より西へ1kmほど離れた国道2号線の側道に、2人のホームレスが座り込んでいた。
彼らがいるのは西行きの側道、2号線本線は山陽電鉄をまたぐ陸橋となっている。他に数人のホームレスがいるが、就寝中のようだ。
すでに辺りは明るくなっており、いやでも夏日を予想させる。
20代後半とみられる片方が、もう一方の年上らしきホームレスに話しかけた。
「警部、犯人は来るんでっしゃろか・・。」
「おい、警部はやめろ、いまはゲンさんだろ、結城くん!」
あわてて若い男をさえぎったのは筒井警部である。筒井はまわりのホームレスを注意深く見回し、若い男を睨みつけた。
「あ、す、すんまへん、ついいつものクセで・・。」
結城はそう言うと、腕時計を見た。デジタルのBaby−Gが4時59分を表示している。
「5時ジャストに西行きの本線陸橋からカネ入りのバッグを落とせ、ゆうてホンマ無茶ですな、爆破予告犯は。しかもバッグはルイビトン指定でっせ。ダボが。」
「ヴィトンのバッグなら高所からの落下に耐えうるとの判断か。しかし犯人もバッグ指定が命取りになるとは思っていないだろう。」
「へ? バッグにゴムひもでも付けてるんでっか? ヨシモトみたいに。」
「そんな子供だましはせんよ。」
筒井警部は例の不敵な笑みをたたえていた。
「ほな、どうするんですか?」
「爆弾犯ってのはアメリカの例からも基本的に単独だ。バッグ回収はそこらのホームレスにさせるだろう。」
実際、どこからともなく現れた一人のホームレスが、本線高架を先ほどから見上げている。
「はあ・・。」
「時間だ、見てみろ。」
本線高架からポーンとバッグが投げ込まれた。つづいてまた。さらにまた。廃棄されているかごとく次々に。
「え? え? これは・・・・。」
「バッグは30投げ込まれる。ホンモノのヴィトンにカネが入っている。ニセには古新聞だ。」
次々と落下するヴィトンに、ホームレスは明らかに動揺していた。よほど焦ったのであろう、手近のバッグと引っつかみ、携帯電話を取り出すと11桁の番号をプッシュしのだ。
「よし、通話したぞ、拘束だ!」
まわりにいたホームレスが一斉に携帯を持つホームレスに飛び掛った。側道のホームレスはすべて警察官だったのだ。衆寡敵せず、携帯のホームレスは捕捉された。
「爆弾魔も無事逮捕、よかったですな、筒井警部。」
中村警視正が電話口で明るく話す。踊りながら話しているように。
「今回は犯人の要求からアイデアが浮かびましたよ。大阪府警の協力を得られたのも大きい。」
「確かに。大阪にゃ『在庫』があり余ってますからな、ニセヴィトンは。それこそ売るほどに。」
「で、警視正、ホンモノのヴィトンなんですが・・・。経費は本庁でいいですね。・・80万ですけど・・。」
そういうと、筒井警部はいつもとはちょっと違う笑みを浮かべた。
あちゃ、長文すぎたか。ごめん。
お題は続行で・・・・(暑くて考えるのメンドクサイのよ)
>>100 歴史小説・時代小説スレで話題にあがってたよ。
104 :
蒼薔薇のレェス:2001/07/22(日) 00:43
車の灯りが道路に連なる。都会に溢れた光は夜の星をその舞台へ出すことを許さない。唯、血を滴らせるが如く真っ赤な大きな満月が夜空にぽっかりと浮かんでいる。
――満月の魔力は人を狂わせるのよ。
僕は右手にきつく握りしめていた紐を見た。連鎖的に思い出されるのは彼女の白い頸。
白く細い頸。彼女のうなじに唇を這わせるのが僕は好きだった。少し力を入れるだけでぽきりと折れてしまいそうな、彼女の頸。
実際あっけないモノだった。こんな紐を使うだけで彼女はあっけなく逝ってしまったのだから。
満月の魔力は人を狂わせる…か。君の言ったことは本当だったみたいだね。
陸橋の上で夜風に髪をなびかせながら僕は彼女のことを考えていた。
ピピッ。
デジタル時計のアラームが鳴る。見てみると丁度、日付が変わっていた。
彼女を殺した紐。真っ赤な大きい満月。道路の上の陸橋。そして、きっと虚ろな目をしているであろう、僕。
大型トラックが下を通ろうとした。
満月ノ魔力ハ人ヲ狂ワセル…。
僕は陸橋の上から、大型トラックに向かって勢い良くダイビングした。
お次は「裸足」「漆喰」「ホイップクリーム」でお願いします。
105 :
あひ→:2001/07/22(日) 04:57
あひ!
@_@
「裸足」「漆喰」「ホイップクリーム」
エックスマーーーーン
「そう、わたしがエックスマン。黄昏時に現れる
この世の悪役だ。ムヒヒヒ」
そのとき漆喰の壁から、突如ひとりの老人が現れた。
「な、なんだ、貴様は!」
エックスマンは、頭につけたホイップクリームが崩れ
るのを片手で気にしながら、その老人の前に進み出た。
「おぬしは奇怪な悪さばかりしとるな」
老人は、二重底の眼鏡の奥の眼ををキラリと光らせ、
エックスマンを見据えた。
「なんだ、このどん百姓めが!」
「おぬし、そこここの壁新聞にいたずら書きをして
おるじゃろ。わしには全てお見通しじゃ」
老人が言い終わるや否や、エックスマンは身をかがめ、
靴を脱ぎ捨てた。
「くそじじい! お前こそ、社会の敵だぁぁーーーー」
ぶぃーーーーーーーーーーーん
はっ、はっ、はっ、はぅ
「裸足水虫キィッッーーーーク」
さて、老人の運命やいかに?
# 「ミルクコーヒー」「二重」「タンク」
108 :
オチに難あり・・かな:2001/07/22(日) 18:27
「ミルクコーヒーって何だよ!」
ヒロシが怒ったような声で言った。ヒロシはいつもどうでもいい事で怒る。
「コーヒーとミルクを混ぜた飲み物じゃない。知らないの?」
私はちょっと意地悪く答えてやった。するとまたヒロシががなる。
「だからさあ、そういう飲み物はフツーは『コーヒー牛乳』とか『カフェオレ』って云うじゃんよお。
なんでそんなダサダサの名前でメニューに載せるんだよ。俺たちの喫茶店だぜ?」
ダサダサ、と言われては私も引っ込めない。
「ミルクコーヒーのどこがダサイのよ! コーヒー牛乳のほうがもっとダサイわよ。それにカフェ・オ・レはコーヒー牛乳ともミルクコーヒーとも違うわ!」
「どこが違うんだ?」
「カフェ・オ・レは仏蘭西の文化とも云える飲み物よ! 日本の喫茶店が気安く作れるもんじゃないわ! 外国のカフェが玉露やお抹茶を出してる? 出してないでしょう!」
「い、いやそれは文化とかの問題じゃないと・・。」
「文化よ!」バン!
私は思いきりカウンターにげんこつを振り下ろしていた。カウンターの上に置いた飲料水入りの小さなポリタンクが揺れた。
完全に攻守が入れ替わっていた。私もそんな気はなかったのだけど、怒りが収まらなかった。自分の右の二重まぶたがピクピクしているのがわかった。
「落ち着いて、落ち着いて、ね。エミちゃん様。・・つまり、キミ的には、カフェオレの名前は信条として使えないんだ。」
なだめるヒロシ。
「そうよ。だからミルクコーヒーよ。」
「うん。了解。キミの格付けでは、カフェオレ、ミルクコーヒー、コーヒー牛乳なんだね。」
ヒロシが言った。私はまたキレそうになって、大声で言った。
「違うわ! カフェ・オ・レ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>ミルクコーヒー>>>>コーヒー牛乳よ!」
#「チタニウム」「四面楚歌」「海峡」
109 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/23(月) 07:22
「チタニウム」「四面楚歌」「海峡」
海に面した小さな平原にある小さな村に、突如として、魑魅魍魎の一味が
現れた。一味はみな、チタニウムの光沢を放つユニフォームを纏っていた。
「我来たり、そして我在り」
一味の頭と思しき、ちんちくりんでエロガッパ風の妖怪が一歩前に出る。
(もちろん、村人も何も、そこには人っ子一人いない)
「にゃはは〜〜」
その時、正義の味方、コテハン仮面が現れたのだ。
コテハン仮面は、普段は村人に紛れ込み、村人1とか村人2とかの
名無しのを演じ、この村の秩序を日々乱している。
「現れたな、コテハン仮面。我々の邪魔をするとは、いい根性をしておる。
このドン百姓めがァー」
フッフッフッ
コテハン仮面は口元をつりあげ、不敵な笑いを浮かべた。
「俺にはお見通しだ! 貴様は百の顔を持つ魑魅魍魎。しかし、実態は
単なる社会不適格者にすぎんとな。はっはっはっ」
それは、コテハン仮面の油断であった。うっかり腰に手を当てて笑って
いたのだ。
「必殺、津軽海峡、ふ・ゆ・げ・し・きぃーーー」魑魅魍魎の手が空を切る。
ひゃいぃぃーーーーん
コテハン仮面は、あっけなく吹き飛ばされていた……
つづく
「捻れ」「足跡」「雷鳴」
111 :
氏ねR:2001/07/23(月) 08:57
どうも、こんなところで話題になっていようとは、
お釈迦様でも知らぬ仏のお富さんでした。
「憤死」「渓谷」「どじょう」というお題を見た瞬間、
ふと時代劇物が書きたくなって、勢いで書いた代物です。
>>125さんの指摘「おみつ」->「みつ」はこちらが正しいと思います。
私も読み返してみてそう感じました。
語句に関しては、前前から使ってみたかったと言うのもありますが、
時代の雰囲気を出すのに手っ取り早いと思ったから使用しました。
漢字は、私は漢字率を高くしたいと日頃思っているくちでして、漢字
のフォルムの美しさは、やっぱりひらがなじゃ表現できないと思います。
>>7さんの湯治場という解釈は私も納得してしまいました。
特に湯治場とイメェジはしてなかったのですが、「まわりには足を引き
摺った人がたくさん居る」という台詞からも、漠然とそういうイメェジ
を抱いていたんだと思います。
痛風に関しては、行き当たりばったりで使ってしまいました。後で調べ
てみると江戸期に痛風はなかったというような資料がありまして、正直
穴があったら入りたい心境です。
オチがついていないのは私も思います。あまり長くなってもスレの趣旨
に反すると思ったのと、そろそろ仕事に戻らないといけなかったから、
という二つの理由であの場面で終わらせました。
で、最後の台詞ですけど、つまりですね。一時凌ぎで冷たい豆腐の中に
逃げ込んでも、結局はその豆腐も煮えてしまう。いくら逃げたところで、
罪と言う鍋の中に居る限りは煮える運命なのだと、言いたかったのですが。
私は時代物は本職じゃないので、続きはどなたか有志にお任せします。
あと謎の若造は十文字小弥太(杉良太郎)のイメェジで……。
すみません。まちがえました、上。
>>100からストーリー続くかチャレンジ
やがて敵討ちの当の相手である虚無僧が消えたことで、話はすすまぬと見た野次馬達は興味を失い散っていった。
敵討ちの名乗りをあげた当のおみつと、その側に声をかけた遊び人だけが残された。
「全く、いらぬ口出しをしおって」
おみつは悔しげに唇を噛み、遊び人風の若造を睨みつけた。
「失礼いたしました、しかし、そのおみ足では幾ら相手の身体が不自由でもちいとばかし、敵討ちはむずかしいんじゃこざんせんか?」
おみつは男に言われて、始めて自分の膝ががくがくと痛みに揺れているのに気がついた。
敵(かたき)を探す旅は長く、この江戸にたどり着く前に傷めた足は、疲れはてていたのだ。
「敵がみつかったのじゃ、こんなものは思うにおよばぬ」
おみつは男にふいと背をむける。捻れて痛めた足はそれだけでも激痛がはしったが、こんなところで休んでいるわけにはいかない。
小阪又十郎を折角みつけたのだ、ここで夫の敵がとれなければ国許をでた意味が無い。
足跡をたどり、たどり、幾年月かけてようやく・・・・。
「無理でございますよ、あっしが責任をもって御案内いたしますから」
それに、と男は空を仰いだ。
大きな黒々とした雲がいつのまにか空をおおい、雷鳴が遠くから響いて来ていた。
「もうすぐ大雨になります、お宿までお送り致しますよ」
おみつは、微動だにせずに男の顔をみつめた。
「そこもとは何者じゃ?」
男は小物でございますと笑い、おみつに手にしていた番傘を開いてさしかけた。
そして、大粒の雨が、傘に一粒、二粒とあたりはじめ、それも数え切れない程になったころ、ようやくおみつは男とともに歩きだした。
ちょっとながすぎましたね^^;
114 :
113:2001/07/23(月) 12:49
113はキーワード的には
>>109 の「捻れ」「足跡」「雷鳴」 をつかいました。
かきそびれちゃったい^^;
次のお題は 「猫」「アサガオ」「つばめ」 でどうぞ
115 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/23(月) 13:03
「捻れ」「足跡」「雷鳴」
『どろどろどろどろ』低く連続した雷鳴のような音の波が地面を這って押し寄せて来る。
『かっ、かっ』鋭く乾いた響く音が、突き刺さるように耳を襲う。
『どろどろ、かっ、どろどろ、かっ、どろどろどろどろどろどろ、かっ』
回りを取り巻く男達の揺れるような動きが、乾いた砂の上に捻れた足跡を残す。
『だだーん!』巨大な太鼓が、終止符を木霊させた。
「うぉーーー」男達は、一文字山のてっぺんめがけて走り出す。
祭りの興奮の極みへの導火線に、火が放たれたのだ。
#じぇんたいにもちっと短いお話を所望〜ん!
「遭難」「ソーセージ」「笑い」
すんずれいしました。
お題は上の「猫」「アサガオ」「つばめ」でね。
117 :
「猫」「アサガオ」「つばめ」:2001/07/23(月) 22:44
「あの雌猫ったらいい年して恥かしくないのかね」
おいおい、そりゃもてない僻みじゃないのかい。
「若いつばめ、ねぐらに引き込んで」
だからさ、そんなことあなたに何の関係もないでしょうが。
「でかい声たてて」
ああ、そりゃ迷惑かけたね、次は静かにしとくよ。
「だいたい、あの雌猫、自分を何様だと思ってんのかしら」
だから、雌猫なんでしょ。
「こないだなんか私ん家のトイレで用足してたんだよ」
そりゃ用も足すよ、けちけちしなさんな
「しかも、アサガオにちょこんとのっかって」
このへんにゃ、砂も土もなかなか見つかんないんだよ。
口惜しかったら庭付きの家にでも住みなって。
--
次、「引越し」 「新茶」 「パレオギャル」 でヨロシクどーぞ
「引越し」「新茶」「パレオギャル」
ピンポーン、チャイムが鳴った。
「あの、隣に引越して来ましたパレオギャルです。これつまらないものですが」
「あっ、新茶ね、ありがと。で、パレオギャルって何?」
「えっとですね。パレオギャルです」
「ふーん、本当のところパレオギャルって何なの?」
「だから、パレオギャルですってば。そういうそちらの手ぬぐいの頬かむりは何です?」
「あっそう。わたしは空き巣なのよ、あなたも頭悪そうだから空き巣に気をつけてね。
それじゃ新茶ありがとね」
「国語辞書」「老舗」「流行」
先を越された。ネタがかぶった。でもあげとく。
休日の気怠い午後。
睡魔がビール券と菓子折を持って勧誘に来る頃だ。
うちは間に合ってます、と言えないのが人間として何とも辛いところだ。
親の敵と言わんばかりに、奥歯を噛み締めていると、安っぽいベルが鳴った。
誰か来たようだ。
重い腰を上げ玄関の戸を押し開けると、そこにはパレオギャルが立っていた。
「どうもォ、アタシィ、引越して来たらしくってぇ、挨拶でもしよっかなぁ、なんて」
小麦色の健康的な肌とたわわな果実を、発色も鮮やかなオレンジ色のビキニが申し訳
なさそうに包み込んでいる。腰をそっと抱くパレオは南国の花の意匠だ。
「これ、うちの実家でぇ、取れたぁ、新茶なんですけどぉ」
手にはそぐわない茶筒が一つ。しかし、何で水着なんだろうか。
「しっかし、暑いですよねぇ、もう、死んじゃう、みたいな」
茶筒を受け取りつつ、あまりの違和感に絶句する。すると、そのパレオギャルはきょ
ろきょろと何かを探し出した。
不思議そうな視線に気付いたのか、重そうな付け睫が、2・3度上下した。
「あのぉ、そろそろ時間かと思ってぇ、オチを探してまーす! あっ、あった!」
逞しい手に拾われたそれは、コズミックファンタジーだった。
120 :
氏ねR:2001/07/24(火) 11:50
「国語辞書」「老舗」「流行」
「母さん」
僕が呼び掛けても、母は小さな肩を震わせていた。いつの間に母の背は、こんなに小さくなってしまったのだろう。見る影もなく萎れてしまった母を、見るのは辛かった。まるで世間の苦労を凡て背負い込んでしまったように背中は折れ曲がり、あの暖かく柔らかかった手は、まるで枯れ枝のよう。
「母さん」
もう一度、呼びかけた。漸く、母は顔を上げた。
「父さんはね、最後の最後までお前を待っていたんだよ」
父の死に目に会えなかった僕を、怒鳴るでもなく、微かな憐憫に情がこもった声は否応なく湿っていた。
「父さんは、お前を待っていたんだよ」
諭すように、母は繰り返した。
老舗の和菓子やの暖簾をたった一人で守り抜いた父。小さい頃から、僕はその後を継ぐことだけを教えられて育ってきた。だが、高校卒業と同時に僕はその檻から脱走した。それから早十年。突然の帰郷は父の死によってもたらされた。
「最近はねぇ、流行の洋菓子やら何やらに押されてね。店は潰れる寸前だった。儲けなんて、これっぽっちもなかったのよ。でも、父さんは、店をたたまなかった。何故だか判るかい?」
僕は静かに首を振った。
「店の暖簾なんてどうでもよかった。お前が帰ってくると父さんは信じてね、お前が帰ってくる前に俺が潰してなるものかって……」
後半は嗚咽に紛れた。母は、そっと古びた国語辞典を僕に差し出した。
「これは?」
母は無言で差し出すだけだ。僕は受け取り何気に開こうとした。癖がついているのか、あるページが自然に開いた。
そのページは何故か皺くれて、そして、ある単語が幾重にも幾重にも丸で囲まれていた。
「お前の名はね、それから取ってつけたんだよ」
母が憧憬に満ちた声で呟いた。僕は、溢れ来る涙を抑えることが出来なかった。父の死に顔を見ても流れなかった涙が、まるで心の澱を洗い流すかのように溢れてくる。
「母さん、父さんの後を継ぐよ」
父が、僕の背中をそっと押してくれたような気がした。
次は「早退」「総体」「相対」というのはどう?
121 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/25(水) 05:40
「早退」「総体」「相対」
○△高校三年A組の教室には、朝七時半というのに一人の少女が
最前列の席に座り、ノートに向かって字を書き散らしていた。
少女の名は音子。昨日は身体の調子が悪くて早退したため、こうし
て宿題をやっているのである。
「あ〜ぁ。総体でたいなぁ〜」
総合体育大会――総体は県下の高校が集まる県大会である。
音子は陸上の選手として中学の頃から注目されてきた。
今年は高校生活最後の記念として、七月に行なわれる総体に参加し
て、クラブ活動を引退する予定なのだ。
そんなことを考えながら、音子は再び教科書に目を落す。
「直線ABと相対する直線CDが交わる点をXとすると……」
ダアアアアアッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「数学、いやじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
音子はそう叫ぶと教室を飛び出し、校庭へかけていった。
「上木くーん、体操まぜてよー」
んんんんん、ほわーーーー
むうううう、ひょわーーーー
その時、二人の頭上で怪しげな黒い雲が渦を巻いていた。
いったい、何が二人を起るのだろうか。
# 「高裁」「交際」「公債」
122 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/25(水) 07:11
「おいおい、田中、前見ろ前」
「やばいやばいぞ」
身長二メートルを超える巨大な裸の黒人が背を屈め路上で笑っている
黒人は何かぶつぶつと言っている
「高裁、高裁、高裁、高裁」
田中と富士は回り込むように避けた
やばい!田中と黒人の目があった!
黒人は立ち上がり怒鳴った
「交際してくれ!交際!交際!」
田中が言った
「3、2、1、0」
「逃げるぞ!」
田中と富士は全速力で走った
後ろをみた、巨大な裸の黒人がとてつもない速さで追いかけてくる
「来るぞ!」
黒人は完全に切れている
「どうする?追いつかれそうだぞ、やるか?」
「やるしかなさそうだな、一撃に賭ける」
ストップ!
追いつかれた
瞬間、富士は黒人のみぞおちに蹴りをいれた
黒人は屈んだ
「今だ!」
「おらぁ!」
倒れゆく黒人が言った
「公債」
123 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/25(水) 07:16
122
キーワード書くのわすれました
「寿司」「偽善者」「欲」
キーワードがお話に「関連している」ものをキボーン
125 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/25(水) 08:46
「寿司」「偽善者」「欲」
駅前の商店街の一角に寿司屋がある。
生まれてこの方この町に住み着いている私は、幼い頃
父親に連れて来られて以来の常連だ。
「いらっしゃい。お、お久しぶりで」
常連とはいっても、昼夜逆転の生活を送っている私は
ここのところご無沙汰している。
「そういや、親父さんは元気にしてるの?
最近見ないけど」
「いやぁ、実は弟の家に預かってもらってるんすよ。
親父の身体に気を使って、俺が全部仕切っちゃたら、
『この偽善者め。俺をこけにするのか』なんて、
タンカを切って、出ていっちまったんすよ」
「親父さん、頑固だからなー」
私は差し出された冷酒を啜りながら、若旦那と久しぶりの
会話を楽しんでいた。
「しかし、淋しいねぇ。肉欲の塊のような親父さんの話が
楽しみだったんだけどなあ」
私は若旦那と笑い転げていた。その時
「てやんでぇ! 人がいなけりゃ、コケにしやがって!」
振り向くと、親父さんが顔を真っ赤にして入り口に立って
いる。真っ白な髪が心細げにくっついている顔は、鬼の
ように怒っていたが、眼は心なしか光るものが見えていた。
# 「円盤」「鋭敏」「うなぎ」
126 :
「円盤」「鋭敏」「うなぎ」:2001/07/25(水) 13:11
「わははははははは、もはや地球はわれわれのものだ」
宇宙人の声が大空にひびきわたった。
「博士!もうだめです」
「安心したまえ、小林クン!」
博士は自信満々にウデ組みをし、円盤をふりあおいだ。
「宇宙人君、私が地球の代表だ、降りて来て勝負したまえ」
余裕なのか、おそれもしない博士に興味をもったのか、円盤は音もなくおりてきた。
「勝負だと?何でたたかうのかな?」
余裕の笑みをうかべた宇宙人が二人の前に現れた。
「これだ」
博士はたらいを差し出し、にやりとわらった。
「は・・・・博士、これは・・・」
「そう、うなぎだ、小林クン、宇宙人よ、君と私とでうなぎのつかみどりの勝負をしよう、まけたら潔く地球をあけわたそう」
「その言葉わすれるなよ」
かくして、宇宙人の鋭敏すぎる手はうなぎに耐え切れず、博士によって地球は救われた。
「土用の丑には、やはりうなぎだな」
くれゆく夕日にウナギの蒲焼をかざし、博士はまんぞくげに生ビールをあおるのであった。
#うーん・・・・なんかうまくいかないなあ^^;
お題は 「神様」 「中学生」 「遊び場」 でどうでしょう
127 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/25(水) 13:35
「神様」「中学生」「遊び場」
「どうせだったら、もっとかっこいい神様になりたかったなぁ」
まだ中学生の博史は、その巨体を縮めてため息をついた。
友達と一緒に、遊び場で馬鹿な話をして、食べたいものを食べて
楽しく過ごしているのが懐かしかった。
でも今は『神様』をやっているのでなかなかそういうわけにもいかない。
神様を演じ続けなければならないのだ。
「博史君、出番ですよ」と声がかかり、準備をした。
「さーて、登場してもらいましょう。『早食いの神様』です!」
目の前に、牛丼やカツどんが大量に並べられた。これを可能な限り
早く食べなくてはならないのだ。それが神様の使命なのだ。
博史は、神様であるために限界まで頑張った。意地がその限界をたびたび
高めていた。しかし今日、超えてはならない一線を博史は超えてしまった。
博史は『仏様』になってしまったのだ。チーン!
#「シマウマ」「麺棒」「クラムチャウダー」
128 :
筒井警部の子孫@30C:2001/07/25(水) 21:39
299X年。地球は核と反陽子と陽電子と中性子の炎につつまれた!
しかしぃっ!人類は死滅していなかった。バーーン!(ナレーション)
ブルルルン、ブルブルブルン、(鋼鉄バイクの爆音)
ザッ!バイクから降りるモヒカン男たち。
(以下、いかにも悪そうな暴走賊たちの台詞。何故かみな岡山弁)
A「おい、ありゃあシマウマじゃが〜。」
B「おおっ、ほんまじゃ、シマウマじゃ、狩りしょうや〜。」
C「そうじゃそうじゃ、久しぶりの獲物じゃけぇ、楽しみじゃのう。」
A「ほんなら、行こうや〜。」
B「久しぶりの天然物じゃ。こないだのナメクジ以来じゃ。」
C「おお、あれで作ったクラムチャウダーは、でえれえうまかったのう。」
B「クラムチャウダーはアサリじゃが〜。あれはエスカルゴ風ナメクジじゃ。」
A「どうでもええが〜。今はシマウマじゃが〜、おめーは、能書きばーたれよるなあ。」
C「ほうじゃ、少しは反省しよれ。」
B「もうええわい。・・ところで誰が一番に突撃するんなら?」
・・・・・・沈黙。
C「おめーから行け。」
B「なんでワシじゃ?おめーのマシンのほーがはえーがな。」
C「きょうてーか?おめー?」
B「何いいよる、恐とい事あるか、たかがシマウマじゃが。けど公平に決めなおえんが?」
A「ほなら、この麺棒で3人でくじ引きじゃ。赤いカビが突撃じゃ。なら文句はねーが?」
B&C「ねー。」
・・・・・・くじ引き・・・Bが赤を引く。
C「やっぱりおめーじゃ、おめーが行く運命じゃったんじゃ〜。」
B「かー、やっちもね〜・・。けど、行かなおえまーが、は〜。・・ほなら、おめーら後ろから網持って来よれ。ワシがこの槍で突いたるけえ。」
ブルブルブルン!B出発!ところが、Bがシマウマに向かってまもなく、シマウマは何者かに襲われた!それも一瞬で。
そして、獲物を奪われると思った「そいつ」はBのマシンにも立ち向かう!
B「大変じゃ〜!シマウマが襲われよった〜!」
あわてて引き返すB。
A「どしたんじゃー!何に襲われたんじゃ〜!?」
B「じゃが〜じゃが〜!」
C「え?なんじゃって〜?・・・・ゲ!」
そう、Bの後ろから迫り来る「そいつ」は一頭のジャガーだったのだ。
129 :
筒井警部:2001/07/25(水) 21:44
#長かったねえ。でもうまくオチが隠れてくれてヨシとするか。
#お次は「海流」「氷点下」「ウオツカ」で。涼しくなるのを頼むYO。
最近、みんな矢鱈と長いのねぇ。
131 :
蒼薔薇のレェス:2001/07/26(木) 00:33
「海流」「氷点下」「ウォッカ」
何冊も、古びた航海日誌がある。
私の物ではない。私の友人が、私への最後のプレゼントとして贈ってくれた物だった。
彼は実に勇敢な人物であった。何時も未だ見ぬ場所へと心を羽ばたかせており、夢を追い続けるような男だった。もっとも、天性の冒険家である彼は「女性を悲しませる男」としても有名であったが。
私の方はと言うと生まれつき体が弱く、夢見がちな少年であった。彼と共に遠い異郷のことを語り合ったりしたが、私と彼には決定的な違いがあった。彼は実際にその目で、耳で、体で異国を感じることが出来たのだ。そして私はそんな彼の土産話で異国への憧憬を募らせていたに過ぎぬ。
最後の航海日誌には出港から彼が亡くなる直前のことまでが綴られている。
彼の船は氷山と衝突した後に海流に流されて氷海へと漂っていた。
体力が尽きるものから次々と亡くなってゆく。時には閉鎖された空間の中で発狂するものも出てくる。
氷点下の世界、凍える空気、輝くオーロラ…。
やがて食糧も尽き、船員たちも両手に足りぬ程になった。
偶然に通りかかった船に救助されたそうだが、長い間極寒の地に縛られていた彼の体は既に限界となっており、帰郷後すぐに息を引き取った。
息を引き取る前に言った彼の言葉は今でも耳に残っている。
「この航海日誌が俺の人生の全てだ。お前になら安心して託せる。」
彼の一生は、なんと激しく輝かしく、一瞬の時を駆け抜けていったものだろうか。
私は彼の写真の前にグラスを置き、一人で乾杯をするとウォッカをあおった。
今日は彼の命日だ。
132 :
蒼薔薇のレェス:2001/07/26(木) 00:36
お次は「向日葵」「花火」「クリームソーダ」で
所で筒井警部さん、もしかして岡山県の方ですか?
133 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/26(木) 11:27
∧ ∧ ツヅキハ?
ミ ゚Д゚ミ∧
∩ヽ/||⌒!つ
134 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/26(木) 12:23
「向日葵」「花火」「クリームソーダ」
「花火大会、終わっちゃったね」
そうつぶやく雛子の近くを、大勢の人々が駅に向かって歩き出していた。
そして、途中のコンビニで買って来たクリームソーダの透明なふたをはずして
カップをおおげさに逆さまにし、最後の水滴まで口に入れるとこう続けた。
「今、帰ってもまだ混んでいるだろうから、少しそこらへんで涼んで行こうか?」
立ち上がって、裾をはらった雛子に、貴明は頷いた。
土手の上をカラコロと歩く雛子は、大きな向日葵模様の浴衣を着ている。
幅が狭くてなで肩の体型が、普段似合わないTシャツ姿の鬱憤をはらすかのように
大胆な色っぽさを夕風にそよがせていた。
大きな木の影でアベックが、きつく抱き合っているのを見つけると
「あらっ!」と言ってから、両手のひらで鼻と口をはさむようにして「ふふふ」と
小刻みに笑った。向日葵が風に煽られたように小さく揺れた。
「あっ、おしっこしたくなっちゃったよ」
貴明がそう言って、暗がりに走って行くと雛子も小走りについて来た。
「なんだよ、見るなよな」
「はははっ、暗くてどうせ見えないわよ」
貴明が大急ぎで小便を終えようとする時に、背後から雛子が近寄り
身体を抱え込むようにして、その先端をティッシュで拭いた。
貴明四歳の夏、母雛子との思い出だ。
#「スニーカー」「虫歯」「じゃんけん」
135 :
氏ねR:2001/07/26(木) 18:15
いつのころからかな?
スニーカーを履かなくなったのは。
普段は硬質な革靴がほとんど。
スーツをしわくちゃにになるまで着て。
誰彼構わず頭をやじろべぇのように下げて。
虫歯で歯が痛いと言っても、頭痛がすると
言っても、休みなど取れるはずもない。
だから、ここにいるんだ。
わかるか?
ここにいるのは俺なんだ。
わかるか?
さぁ、じゃんけんしようよ。
ほら、じゃんけんするんだ。
勝ったら、無事に帰してあげるよ。
でも、もし負けたなら……。
……。
……ん……。
……ん……あ……。
たまにはストレスを発散しなくては。
次は「モバイル」「バナナの皮」「星」
136 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/26(木) 20:27
「モバイル」てなんだ
バナナの皮をむきながらおもった
俺はこういう星の元には産まれてこなかった。
(村上春樹のような言い訳)
「モバイル」てなんだ
バナナの皮をむきながらおもった
俺はこういう星の元には産まれてこなかった。
(村上春樹のような言い訳)
「モバイル」てなんだ
バナナの皮をむきながらおもった
俺はこういう星の元には産まれてこなかった。
(村上春樹のような言い訳)
次は「天丼」「朝」「レモン」
137 :
:2001/07/27(金) 01:10
138 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/27(金) 02:15
朝、いまいましい朝。
朝、一日の始まり。
来なければいいのに、朝なんて。
朝が来るたびに、そう思うんだ。
クソ憎たらしい朝。
例えばそれは、レモンを絞ったときに皮の部分のあの汁が、
プチンとはじけて目にはいるような、そんないまいましさ。
例えばそれは、手書きの原稿で「天井」と書こうとしたとき、
気が付いたら「天丼」と書いているような、そんな憎たらしさ。
あー。朝。
朝が来るたび、思うんだ。
次は、「銃声」「つめきり」「猫」
猫、流行?
「銃声」「つめきり」「猫」
瓦礫だらけの街中に積んだ土嚢の影で、俺達はつかのまの休戦にくつろいでいた。
追い込んだゲリラが、こちらの政府軍の要人を人質に押さえていることがわかったからだ。
「せっかく追い詰めたんだから、とっととケリをつけてやればいいんだ」
「それじゃぁ、人質が殺されてしまうじゃないか」
「そんな要人の役職は、いくらでも代わりがいるだろうに、
なりたがっているやつは、掃いて捨てるクズと同じぐらいたくさんいるんだぜ。けっ」
つめきりをぱちんぱちんさせる俺の横で、相棒は、吐き捨てるように言った。
ようやく戻った、静けさをやっと信用したのか一匹の黒猫が道路を渡ろうとして周りをうかがっている。
口には子猫をくわえている。どこか安全なところに連れて行くつもりなのだろうか?
「おっ、獲物だぜ」相棒は銃を構えた。
「おい、やめとけよ、後で懲罰対象にされるぜ」俺はやめさせようとした。
猫が道路の真ん中まで来た時に、こちらに気付いたのか道路の真ん中の陥没した穴に隠れてしまった。
低い体制でいるこちらからは、ちょうど見えない場所だ。
「ちくしょう」そういって、相棒は中腰になり狙いをつけながら引き金をしぼった。
「どきゅーーーーん」
銃声が響いて、相棒が仰向けに倒れた。頭から血を噴出している。
俺達は全員緊張して銃を構えた。後に続く銃声はなく、再び静けさが戻った。
ゲリラの立てこもっている建物の隣の民家に飛び込んだ猫のしなやかな尻尾の先が向うに消えた。
その家の二階のかすかに開いていた窓が、すっと閉じられた。
誰は、誰を守っているのだろうか?
そして俺は、何を守っているのだろうか?
#「歯ブラシ」「滑り台」「チョコレート」
141 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/27(金) 12:57
>「歯ブラシ」「滑り台」「チョコレート」
終業式の日、演壇で喋る校長先生のスカートめくりに成功し
学校中の男子の英雄となっおれだったが、
校長室に親まで呼び出され、おれだけ特別な夏休みの宿題を課せられた。
夏休み、おれは母ちゃんの使い古しの歯ブラシを持って、毎日、としまえんに通った。
おれに課せられた宿題とは、プールにある超巨大滑り台の清掃だった。 歯ブラシで。
毎日、毎日、磨いたよ。
時にはてっぺんからまっさかさまに滑り落ちたこともあった。
それでも監視員のおニイさんやバイトのおネイさんにアイス奢ってもらったり、
内緒なことを教えてもらったり、それはそれで充実した夏休みを過ごしたさ。
夏休み最後の日。最後の清掃を終えたおれのところに校長がやってきた。
またおこられるのかと思ったら、「これ食べなさい」とチョコレートをくれた。すこし泣けた。
プールのみんなとうちあげをやった後、家に帰って
校長のくれたチョコを食べようとしたら、それはチョコではなくギョウチュウ検査の薬だった。
世界なんて倒産すればいいと思った。
次、「舌」 「芝居」 「浴衣」
143 :
「舌」 「芝居」 「浴衣」 :2001/07/27(金) 13:41
宿自慢の露天風呂にはいったあとは、そろえてあった浴衣に着替え、俺は部屋に戻った。
俺が部屋にもどるとしばらくして宿の女将が、食前にと酒とつまみを少々みつくろってもってきた。
「お口にあえばよろしいのですが」
舌の上で転がす地酒は、上等な味わいがあった。
「美味いですよ、女将さん」
少々芝居がかってるようにも思えたが、自分がもうこんな会話が不思議でない年になってしまったのかと
改めて気がつき、女将を帰した後、手酌であおる酒が寂しくもあり、複雑なきもちになった。
#次は 「歓声」 「宇宙コロニー」 「地球」 でどうでしょ?
144 :
氏ねR:2001/07/27(金) 14:08
また、遅れをとったか。でも折角だからね。
「其許、入ったらどうじゃ」
おみつは、濡れるがままに任せて先を行く若造に声を掛けた。
「冗談言っちゃいけませんぜ」
番傘を差し出すおみつに、遊び人風の男は苦笑混じりに振り返った。
「なら、宿まで来ぬか? 替えの服ぐらいあろう。女物の浴衣でも良ければの話じゃが」
「へっ、お気持ちだけいただいときましょう」
若造は片唇を吊り上げて、困ったように笑った。
おみつは思う。この男は何者なのだろうかと。町人にしては身の熟に、そつがない。
言葉の端端にも品性が漂うし、何より姿勢が綺麗過ぎた。
「其許、もしや武士ではあるまいか?」
おみつの口から零れ落ちた、言葉は若造の足を止めた。
「馬鹿言っちゃいけませんぜ。俺のどこがお武家様だと?」
「その左肩の下がる骸付じゃな」
おみつは的を居たと思った。しかし、若造は別のことを口にした。
「そこの芝居小屋、最近頓に評判でさぁ。顔の女形がそれはもう別嬪でしてね」
言うが早いか、若造はおみつの背を押しやる。
「何じゃ、芝居など見とうない」
おみつは無理に振り向くと、目つきの悪い破落戸が囲んでいた。十二三人はいるだろう
か。それぞれが手に鈍く光るものを持っている。
「黙って芝居でも見てらっしゃれば良かったんですがねっ!」
若造はおみつから番傘を奪うと、破落戸に向かって投げつけた。開いた番傘が破落戸た
ちの視界を奪うと、その一瞬を逃さずに若造はおみつを抱え上げて駆けだしていた。
「こ、この無礼者! 下ろせ!」
「ご無礼は承知のこと。おっと、あまり喋られるな。舌を噛まれるぞ」
大粒の雨は、いつの間にか小糠雨に変わっていた。
145 :
氏ねR:2001/07/27(金) 14:35
地球環境維持を目的に制定された通称「環境法」により、地球での新た
な生活圏の拡大が不可能になった人類は、コロニーと呼ばれる生活空間を
宇宙に建造することで、爆発的な人口増加に対応してきた。
だが、地球統一政府(GOAU)の強引な移民政策は、地球環境が復元の
兆しを見せ始めたころから、人々の反感を募られせる要因となり、宇宙コ
ロニーと地球圏とを完全に隔離した自治方針が温床となっていた。
そして、ここサナ・エモア広場には、反政府の旗印の下に、続々と人民
が集い始めていた。その歓声は、厚い大気を貫いて宇宙にまで届くほどの
活気に充ちている。「5thコロニーの惨劇を忘れるな」が合言葉であった。
かくして、悲劇の舞台は開幕への準備を終え、貪欲な観客はその瞬間を
待ちわびていたのだった。
146 :
氏ねR:2001/07/27(金) 14:41
お題忘れた。
「焼け木杙」「西日暮里」「ミリリットル」
「焼け木杙」「西日暮里」「ミリリットル」
成田離婚の私とあなた、
十年たってもバツイチ同士。
ドゴール空港で再会し、
焼け木杙に火がついた。
エール・フランス、帰国のフライト
時差の間に間にしっぽり濡れて
別れた成田じゃどしゃぶりの雨。
スカイライナーで上野まで、
山手線に乗り換えて、
日暮里あたりじゃ大洪水。
流したものも流れたものも
あわせて量れば1000ミリリットル。
降りたつホームは、二人が出合った
ああ西日暮里。
痰壷すするあなたが素敵
148 :
147:2001/07/27(金) 21:13
くせでsageてたよ。ageますです。
次、「持病」 「徒花」 「朴念仁」
149 :
「持病」 「徒花」 「朴念仁」:2001/07/28(土) 12:18
>>144からとゆーかなんというか〜どーつなげたもんかと^^;すいません
店の中は雨宿りの客でほぼ満席であったが、かぶりものをとったとはいえ虚無僧姿は目立ったのか、すぐに知れた。
浪人風の侍はひょいと暖簾をくぐり、店員の声に冷酒を注文して、奥で一人座っていた男の前に座った。
「小阪殿、やはりここにおられたか」
人好きしそうな笑みをうかべ、侍は運ばれてきた徳利を自らの杯に注ぐ前に男に差し出す。
「何の用だ」
男は杯に手を伸ばさなかった。侍は仕方なく、おかれたままの杯に酒をつぐ。
「小阪殿、気に召されるな、貴殿は藩のために、あの朴念仁を始末しただけのことだ」
男は小阪又十郎、先程、虚無僧姿を見破られ、天下の往来で仇を名乗られた男である。
無言のままの小阪に、侍はかまわず言葉をつづけた。
「長年貴殿の心に咲いていた仇花も見事に咲いた・・・よかったではないか」
虚無僧の杖をずいっと手元に引き寄せ、小阪は侍をにらんだ。仕込みの杖の鯉口を切りかけた。
「貴殿にはまだ働いてもらいたいとの仰せがあってな、貴殿の「持病」なおさせてもらうぞ」
「まさか・・・・」
「年がいっているとはいえ、花は花、散ってこそ美しいではないか」
杯をあおり、侍はふ、ふ、ふと笑った。
#なんとか15行〜ひ〜^^;
#次、 「乾電池」 「時計」 「カギ」 でどうでしょ?
150 :
筒井警部は・・・:2001/07/28(土) 14:37
宮田加奈子が死体で発見されてから、3日。捜査本部にはぼちぼち有力といえる情報が入りだした。
そんな中、まだ駆け出し刑事の佐々木が聞き込みを終え、大西巡査部長の元へ報告に来た。
「デカ長、有力な手がかりです。宮田加奈子が死亡推定日の22日に会っていたのは、こいつ、黒田啓介。28歳。現在無職です。」
そう言って佐々木の示した写真には、無表情で目つきの悪い男が写っていた。28歳にしては幼くみえたが、写真が古いという可能性もある。
「いかにもストーカー的容貌だな。なんで加奈子はこの男に会う必要があったんだ?」
「はい、ガイシャの友人が言うには、去年の秋に一旦別れたのですが、その後もしつこくメールで呼び出してたとか。
ガイシャ宅にはバイブレーターが配達されたこともあるそうです。ご丁寧に乾電池入りで、開封したとたん動き出したそうです・・。」
「またしてもストーカー絡みか。気がめいるな。どうせそのバイブの先にも何か付着してたりするんだろ。」
「えっ? よくおわかりで。ただ家族が気味悪がって、すぐ捨ててるんですよね。残念ながら。」
大西は深くため息をついた。ストーカー絡みの犯罪は非常にやりにくい。捜査そのものもさることながら、捜査妨害ともとれるマスコミの攻勢だ。
殺害された被害者が以前からストーカー被害に遭っていたとなると、鬼の首を取ったようにマスコミが騒ぎ、捜査がしにくくなる。・・このヤマは速攻で始末しなければ。
大西は佐々木を見た。駆け出しとはいえ、眼光鋭く、何回かの修羅場をくぐり抜けてきた体躯には頼もしさが感じられた。
この男も、いっぱしのデカだな。大西は思った。
「よし、黒田に接触してみろ。奴の反応で大体の目安もつく。ホシでなくとも何かカギを握っているかもしれん。」
佐々木は腕時計を見た。15時20分。夕刻前には接触できる。無論本人がいればだが。
「今から行きます。黒田の住所はガイシャの手帳で確認済です。確か川崎市多摩区。あ、でも誰と・・」
二人は周りを見渡した。動けそうな者はいない。
「シマもサカキもいないか。よし、俺が行ってやる。車をだせ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く。(大丈夫かな〜続きにして)
#お題は「広告」「長電話」「蝉時雨」でお願いします。
#>蒼薔薇のレェス氏
#私は大阪出身・大阪在住です。岡山には4年間暮らした経験がありますんで・・。
#そのときに「岡山弁」の響きのトリコになりました。
#でも・・岡山県人は「ジャガーじゃが」なんてベタな落ちは使わへんやろなあ。
152 :
:2001/07/28(土) 20:23
153 :
虚像:2001/07/28(土) 23:15
「はい・・・はい、日曜の朝10時に玉造駅構内のマクドナルドの前ですね」
「ふぅ・・・」
いつもながら、だらだらと続く長電話を見て、美知はソーメンをすする手を止めた。
四人掛け用のテーブルがあるリビングからは、妹が手近な広告の裏に、
何やら走り書きをしているのが見える。
どうも、日曜の予定や、持っていくものを書き留めているらしい。
「ばからし・・・」
少し不機嫌に一人ごち、美知は再び、氷水につけられたソーメンに手をつけた。
近頃の美紀はやたらと元気だ。
姉よりも先に彼氏持ちになったということを自覚してなく、散々、彼氏とののろけ話や喧嘩話、
おしゃれの話や将来の話を姉妹の会話に持ちこんでくる。
少しは妹に先をこされた、姉の苦悩も分かって欲しい。
姉の心、妹知らず、とは言ったものだ。
「お姉ちゃん」
「ん」
気がつくと、妹はいつの間にやら、外出用の服に身を包み、
テーブルの上のおにぎりに手をつけていた。
「こらっ、女の子が行儀悪い」
「・・もぐっ、私・・これからお弁当のおかず買ってくるね。
んっくん、はぁ・・お姉ちゃん、何か欲しいものある?」
「姉思いの可愛い妹が欲しいわ・・」
「・・・?」
美紀は突然の台詞に、顔をキョトンとさせている。
確かに、可愛い妹という点では彼女も、美知のニーズを満たしているのだが・・
「そんなのスーパーに置いてないよ?」
「分かってるわよ」
精一杯の皮肉も、彼女には通じない。本当に鈍感である。
「ほらさっさと行って来なさい。もうすぐ蝉時雨よ」
「えっ、あ、ホントだ。急がなきゃ」
美紀はドタバタと、玄関の方に走っていくと、途中、バタンッ、ふぎゃっ、
などと効果音を残しつつ、家から出ていった。
妹が去った、家内には何処かモノ寂しい空気が漂う。
「ま・・・どっちにいろ、可愛いんだけどね」
誰も居なくなったことで、少々本音がこぼれたのか、
美知は少し頬を紅く染めると、残ったソーメンに箸を伸ばした。
次回のお題
「女装」「ロウソク」「更衣室」
154 :
虚像:2001/07/28(土) 23:18
などと効果音を残しつつ、家から出ていった。
妹が去った、家内には何処かモノ寂しい空気が漂う。
「ま・・・どっちにいろ、可愛いんだけどね」
誰も居なくなったことで、少々本音がこぼれたのか、
美知は少し頬を紅く染めると、残ったソーメンに箸を伸ばした。
次回のお題
「女装」「ロウソク」「更衣室」
行カウントするの忘れてたよ。鬱だ・・・
クラブ活動が終わり、美智子と私は更衣室で着替えながら、最近見たビデオの話をしていた。
「ねぇ、夏だしなんかコワいビデオとかって見たいよね。」
私が言うと、美智子は少しうかない顔をして言った。
「玲子はそういうの好き? 私あんまりああいうの・・・。」
「えっ?苦手?」
私は制服のブラウスのボタンにかけた手を止めた。少し意地悪したくなったのだ。
「じゃあ、見ようよ。部屋暗くして、ロウソクの明かりだけにしてさ。」
「でも私って、現実と違うところが気になって、イマイチ入りこめないのよね。」
美智子は怖いのがいやなんじゃなくて、リアリティを追求しているみたい。
「そお?リ○グとかって、結構コワかったけど。」
「○ング?・・あんなの、怖くないわ。テレビから女装したオバケが出てくるんでしょ?」
「女装・・って、女の幽霊なんだけど・・テレビから出てくると子供だまし・・かな?」
「テレビから出てくるのもバカっぽいけど、そもそも論理的に破綻してるのよ。」
「む、難しいこと言うね、美智子。どんなとこ?」
「ダビングして他の人に見せりゃ、呪いが解けるんでしょ? だったら、二人の人が、
互いにダビングし合いながら、一週間交代で呪いのビデオを見つづけることが可能じゃないの?
そんなの、呪いでもなんでもないジャーン。」
美智子は勝ち誇った顔で行った。うーん。確かにね。
「さて、着替えも終わったし、モスでも行きますか、玲子。」
「そだね。」
更衣室を出ると、真っ白な真夏の日差しが眼に飛び込んできた。
読み返すと、誤変換が・・・鬱だ。
というわけで、お題は
「鬱」「変換」「総理大臣」
157 :
氏ねR:2001/07/30(月) 16:51
男は総理大臣と呼ばれていた。今回の参議院選では尽力し、
そして彼の党は快勝した。だが、それは党内の敵対派閥の勢力
を強める結果でもあった。
男の溜息は重い。
「何もわかっちゃいない」
野党がタレント議員を擁立し、彼の人気に対抗しようとした
ためだが、そのれは政治レベルを下げる行為である。郵政事業
の民営化を推し進めてきた彼だが、政治まで民営化するつもり
はない。政治家が政治家である理由を国民の誰もが理解しない
限り、この国の政治は三流と呼ばれるのだ。
男は苦笑した。
政治のせの字も知らない若者が、彼をタレントだか何かと勘
違いして群れ集ってくる様が滑稽に思えたからだ。
「何もわかっちゃいな」
男はぼさぼさの髪を手櫛でかき回してから、立ち上がった。
秋の国会に向けて構造改革を具体化し、実現しなくてはならない。
「口だけと言われ続けるわけにはいかないからな」
その道程は峻険過ぎて、彼を鬱鬱とした気分にさせた。
次は「エスプレッソ」「アドバルーン」「シュプレッヒコール」
うーん、読み返してみて誤字脱字、文章の不成立。
すみません。これからはおしてたたきまくります。
160 :
菊水:2001/07/30(月) 19:02
>「エスプレッソ」「アドバルーン」「シュプレッヒコール」 +「変換」
「あら大変換気扇が壊れたみたい」
キッチンで煙草を吸おうとしたが、昨日まで元気に動いていた換気扇が
うんともすんとも言わなくなってしまった。社長は煙草が嫌いだから諦めるしかない。
「ここらで一発どーんとアドバルーンをぶちあげてだな──」
打ち合わせのテーブルでは、十数年前の石田純一みたいな格好の親父が
うちの事務所の社長にむかって熱弁を奮っている。
この業界も随分厳しいのだが、中小となれば尚更だ。
社長の独立する前にいた会社の先輩だとか言ってた。
独立して成功したうちの社長に頭を下げるのはきっと屈辱的なことなのだろうけど、
だからと言って、さっきから延々とがなっている演説は、リアリティがなさすぎて
あまりにむなしい。わたしはこういうのを「チンポでかい話」と呼んでいる。
デミタスカップでエスプレッソを二つ運ぶ。
「おいおい、君のとこも案外、苦しいみたいだね〜」
は?
「コーヒーくらいケチケチしたらあかんよ」
「別のカップにしますか?」
少し意地悪な気持ちになって言い返す。
「んーんー、いいよいいよ、飲んじゃたらおかわり頼むから」
デスクに戻ってメールの続きを打ち始める。
「ぶっ、なんだいこれ、濃すぎるよ。川崎くん、君のとこはお茶の入れ方も」
「あ、濃すぎました? 最近そういうのに凝ってて。
ルミちゃん、お湯で薄めてあげてくれる?」
社長。あんたやっぱ尊敬するよ。
「あ、いや結構、結構。川崎くんも相変わらず凝り性だねえ」
掛けっぱなしのラジオから中島みゆきが流れてきた。
「シュプレッヒコールの波、かきわけていく……」
気付くと、親父のダミ声がやんでいる。何の気なしに
テーブルを覗くと、親父は社長の足許にいきなり土下座していた。
#長くなりすぎましたスマソ
#次、「親分」 「雁」 「月」
161 :
幽多漏:2001/07/30(月) 19:33
>>151 おいら原産地が岡山だから言うけど、じゃがオチは有りかも。ベタベタなオチとしては有効かと思われ。
162 :
筒井警部:趣向をかえて。:2001/07/31(火) 00:07
月に群雲(むらくも)、花に風。
とかく浮世は、ままならねえが
漢(おとこ)この世に、生まれたからにゃあ、
咲かせて見せやしょ、花桜。
明日の風向き、わかりゃしねえが、
わかってどうとも、なりゃしねえ。
箱根の山を、越えてく雁も、
今日を生き延び、明日を得る。
親分子分の人情だけが
人の世で生きる、糧じゃねえ。
漢一匹、おのれの力
燃やし尽くしてこその華。
命果てても、身が滅んでも
永久(とわ)に残るは、おのれの名。
富士と桜の この日ノ本に
生きた証を、刻み込まん。
#最終句は自分でも不満足です・・。
#難しいですわ。なんていうの?この様式・・今様?
#次のお題「熱帯魚」「さんご礁」「ゴーヤーチャンプルー」で。(思いきり誘導してる?)
#>161氏。フォローありがと。
163 :
氏ねR:2001/07/31(火) 08:14
>>159>>160 確かに入ってませんね(^^;
書いているうちにお題とか関係なく、私論み
たいになってしまったようで。
野党は小泉人気を反対票に変換しようとした。
と書いたつもりでいました。
164 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/01(水) 12:57
>「熱帯魚」「さんご礁」「ゴーヤーチャンプルー」
久しぶりに短大時代の仲間が集まった。
名古屋章子、千葉真美、森繁久代は、
鉄腕アトム好きがきっかけで知合った三人組だ。
街ぜんたいを見渡せる超高層ビルのレストランで食事をとった後、
カラオケへむかう。
「チバチャン、winkやってー」
「えーひとりでー、モリシゲッチ一緒しよーよ」
「えー、唄っちゃおっかな?」
「いえーい」
淋しい熱帯魚、かなしい小鳥、Y.M.C.A.とC調言葉に
ご用心なナンバーがつぎつぎ振り付きでデュエットされる。
「ナゴヤチャン唄わないのー?」
「そうだよ、聖子ちゃん聴きたい!」
「えーほんとー?」
名古屋は、青い珊瑚礁、赤いスイートピー、黒い花びらと、
近頃ではなかなか見かけない聖子ちゃんカットを振り乱して
熱唄した。
「チバチャンって、いつみても鉄腕アトムみたいで可愛いよね」
久代が言う。すかさず真美も言い返す。
「そういうモリシゲッチだって、ウランちゃんみたいでプリティーよー」
「えー、じゃ私は私は?」
章子は、胸の奥にチリチリしたものを抱えつつも、恒例になった台詞を吐いた。
真美と久代は嬉しそうに、章子のほうを振り向くと声をあわせた。
「じゃ、ナーゴーヤーチャン プルートニュ〜ゥムー♥」
……私は放射性廃棄物ってかい。
いつか仕返ししてやる! そう思いながら、この80年を過ごしてきた
章子だった。
プルサーマルは失敗だった。
誘導、無にしてスマソ(w
>>162 次、「浴槽」 「花火」 「フェレット」で
166 :
「浴槽」 「花火」 「フェレット」:2001/08/01(水) 23:13
浴槽の中で、うっかり昔のCMを口ずさんでしまった少女は、
あわれ「お魚」にされてしまったのでありました(; ;)
「誰かがお風呂を沸かしたらどうしよう」
不安に背鰭を震わせる彼女に、魔法使いが囁きました(安直!)
「心配する事はない、花火の夜、お前はその観客の姿に蘇るであろーぞ」
そして願いは叶えられました。
間もなく近所の子が外で花火を始め、それを見ていち早く駆けつけた
一匹のフェレットに彼女は・・・
ネズミ花火だったのでありました。
※でも、フェレットってネズミ捕るのでしょうか?
クサイ話ですみません(<フェレットだけに^^;)
次のお題:「紅茶キノコ」「浴槽」「花火」
168 :
「浴槽」 「花火」 「フェレット」:2001/08/01(水) 23:42
>>167 よ、よかった^^
フェレットっていかにも上流階級向けの気が・・・
なぜか吉田戦車の漫画を連想(笑)
169 :
「紅茶キノコ」「浴槽」「花火」 :2001/08/02(木) 13:14
「これはお父さんが貴方に残したのよ」
涙ぐみながら母は風呂場の戸をひらいた。
「うっ!」
たちこめる匂いに俺は思わず口をおさえた。
浴槽一杯の紅茶キノコ・・・・。
「あのひとも馬鹿だねえ、こんなものに命かけてさ」
母はいつのまにか遠くを見ていた。
「貴方は花火が欲しいっていうのに、お父さん縁日の紅茶キノコ売りに全部金つかっちゃって・・・」
そういう母はなんとかヨーグルトを冷蔵庫で『飼って』いる、なんとかとかいう菌の子孫なんだそうだ。
似たもの夫婦というものなんだろう、俺は後ろで硬直している葬儀屋に聞いた。
「これ、オヤジの思い入れ強そうですから一緒に天国にいかせてあげれませんか?」
葬儀屋は浴槽と俺の顔を交互に見て、上司と相談しますとどこかに行ってしまった。
#うーん、むずかしいなあ
#おつぎは「洗面器」 「銭湯」 「麦茶」 でどうでしょ?
170 :
「洗面器」 「銭湯」 「麦茶」 :2001/08/02(木) 15:36
今日は会社に泊まりだ。
近所にはサウナ付き銭湯があり、仕事の疲れはそこで取ろうか。
カコーン
この湯煙を見ているだけで今日の疲れが吹っ飛びそうだよ。
客もいないし、ほとんど貸しきり状態だな。
ケロヨンの洗面器も風情というか、いいねぇ。
曇る鏡に石鹸を塗るとイイと聞いたのは何年も前のことか。
一通り全身を洗い、いざ湯舟へ!
泡風呂、薬湯、電気風呂。
色々あって悩んでしまう。
結局は普通の湯船に落ち着いたんだが。
ほどよく身体も温まり、いい気分になってきた。
鼻歌もよく通るし、クセになりそうだな。
さて、あがりますか。
「湯上りはコーヒー牛乳を・・・ ふふふ。」
なんて考えてたが、冷蔵庫に入ってないじゃないか!
店主曰く、売り切れだとか。
むぅー、っとした顔をしてると店主がコップを目の前に出してきた。
見ると氷の入った麦茶だった。
店主のほうを見ると、にこりと微笑んだので早速頂いた。
火照った身体にキーンと染み渡る。
会社への帰路、少し汗をかいた。
また銭湯へ行こうと身体が言ったのか。
******************
長いし全然まとまってない。ダメだこりゃ
次は「ハンカチ」「傘」「ごみばこ」でどうでしょうか
171 :
「ハンカチ」「傘」「ごみばこ」:2001/08/02(木) 21:41
「お嬢さん、ハンカチを落としましたよ^^」
「あら、私としたことが^^; ありがとうございます」
ありきたりの展開が始まるかと思いきや突然の夕立です。
前も見えないほどの豪雨、男も女も一張羅。さあどーする?
「おおお、麗しきお嬢さま。恐れ入りますがさっきのハンカチを;」
「恐れ入りますが、私もこれ一枚しか・・・」
「そんな。ひどいよー」
「自分でなんとかしろー。このハンカチ男。」
「いやいや、法律によると私にも最低2割の謝礼の権利云々」
売り言葉に買い言葉。裁判で所有権を決定する事に決定した頃には
夕立も上がって、初夏の青空がまあ美しいこと^^
「こんなハンカチ、ごみばこに捨ててやるぅぅぅ(涙)」
「なんだ、傘もってるじゃないか」
「ああいう時は、自分で落としても、なぜか惜しくなるものなんです!」
男はハンカチの存在理由について考え直さずにはおれなかった。
そういう問題ではないけど、全然。
※なんのこっちゃ・・・^^;ワレナガラ
次のお題:「雨ガッパ星人」「傘星人」「ごみばこ号」
172 :
宇宙海賊戦艦カジッタシリアヌス号 主題歌:2001/08/02(木) 22:48
作詞:ララバイ=シビップ
作曲:あなた
唄 :あなた
俺たちは〜 宇宙の男〜
宇宙の海は 俺の海〜
ジャイアン理論で 光速突破〜
「艦長、傘星人の宇宙船、異常接近です!」
「よし、ハイパーヒトラー砲、発射!」
俺たちの〜 ま・え・に・敵・無し〜〜。
俺たちは〜 宇宙を駆ける〜
宇宙の果ては 果てしない〜
ワープ航法 どこでも行〜く〜ぜ〜
「艦長、雨ガッパ星人から降伏勧告です!」
「ナニぃ?・・『バカめ』と伝えてやれ!」
俺たちに〜 か・な・う・敵・無し〜〜。
俺たちは〜 星屑の男〜
宇宙の星屑 俺らの宿命〜
だけど結構 いいとこあるんだぜ〜
「艦長、大変ペポ! 地球の特攻兵器、ごみばこ号ペポ!」
「地球か。何もかもみな、懐かしい。」
「そんなこと言ってる場合じゃないペポ!」
俺たちに〜 向・か・う・敵・無し〜〜。
(そら誰もおらんやろ・・・・)
なんかすごく場違いなふんいき・・・・・・・・。
次は「隕石」「糖尿病」「レタス」で。
174 :
「隕石」「糖尿病」「レタス」:2001/08/03(金) 11:47
超巨大隕石が地球に接近。 地球と月危うし!
「地球を動かして危機回避作戦」の隊長に任命された某博士の書斎に
ある日、病弱の愛娘が訪れました。
昼は高校で熟睡、夜は徹夜の同人誌編集という、不規則極まりない生活
を送る娘は、若くして「糖尿病予備軍」の連隊長に任命されておりました。
「お父さま、ごめんなさい^^;」
「ん!?」
「あれは、あの隕石は、私の胆石なんですっ(涙)」
思ってもみなかった宇宙の驚異!
すると、地球は娘の十二指腸あたりなのでしょうか?
レタス中心の低脂肪食により人類は危機を脱し、同人誌も無事刊行した
ものの、人類はその後また新たな試練を迎えます。
過度の植物性繊維摂取による繊維状隕石が・・・
「あ!妖星レタスだ」
※ ふんいき流用してしまいました^^ 困難ばっかしですみません(; ;)
次のお題:「夏祭り」「同級生」「下痢」
175 :
「夏祭り」「同級生」「下痢」 :2001/08/03(金) 12:24
俺はいま、見ず知らずの民家にいる。
「同級生がいるからいいよ!」
オフクロに切れる俺。
予備校のサマーキャンプに行かせたいらしいのだが
オフクロの論理に原を立てららしく、
かたくなに断ってしまった。
かといって、家のこのままごろごろしても退屈なんで、
いとこの住む北海道までバイクでツーリングすることに決めた。
途中、夏祭りでにぎわう街にはいった俺は、なつかしの
風せんヨーヨーをポッシュポッシュとはずませながら、
あちこち見て回っていた。
そこで、女性と出会い、彼女のうちに泊まらせてもらう事にした。
おいしいスイカに舌鼓を打ち、彼女と時間を忘れて話をした。
深夜、彼女の隣の部屋で寝る事にしたのだが、どうにも眠れない。
「よし!」
俺は意を決して彼女の部屋に行くことに。
彼女の布団をそっとあけ、愛撫。
彼女もその気だったらしい、スムーズに下着を取る事ができた。
では、いだだきます。
ぶりっ!ばりばりばり!ぷーーーーーーーーうっ・・・ぶりっ!
スイカを食べ過ぎた。
「キャー!!!!」
あわてて出てきたしまった俺は、下痢にかかってしまった事を
後悔しながらその街を後にした。
次のお題「機関車」「人形」「1時半」
176 :
氏ねR:2001/08/03(金) 13:58
気がつくと、僕は「楽園」行きの列車に乗っていた。
隣には、少女が居た。どこか朧気で、どこか虚気で。
だが、見たことがある。何故か、見覚えがある。
「お兄ちゃんは、どこまで行くの?」
少女の屈託のない笑顔が眩しい。だが、どこか影がある。
「判らないよ。この電車は……」
「あら、これは機関車よ?」
少女は小首を傾げた。
「人が捨てたり、諦めたりした夢で走ってるの」
「そう」
僕が頷くと、少女は膝の上に乗せていた人形を僕にさし
だした。亜麻色の髪をした西欧人形。薄汚れて、ボロボロ
になっているのは、少女に愛された証拠だろうか。
「何だいこれは?」
「ユディトちゃんよ。これはお兄ちゃんに必要なの」
僕の指がその人形の頬に触れた瞬間、世界が暗転した。
「こら、いつまで寝てるの。もう1時半よ。夏休みだからっ
て、だらけてないのっ!」
けたたましい母の怒声と、足蹴りで起こされた。まだ、
夢心地だった。
「変な夢を見た。ボロボロの人形を持った少女がいて、確
かその人形をユディトって……」
誰とはなく言った僕の言葉に、母は見るからに周章した。
「おまえ、どこで……。いや、いい機会かもしれない。お
まえには言ってなかったが、実は……」
機関車と言うと、蒸気機関からディーゼル機関
まで当てはまりますからね。もし、SLをイメェジ
されたのなら気鑵車、もしくは気罐(缶)車と
表記するのがあっていると思いますよ。
すみません。衒学的なもので(^^;
お題は「スタンダード」「ダブルベース」「モジョ」で。
って、限定的なお題になってしまった。
178 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/03(金) 21:58
「スタンダード」「ダブルベース」「モジョ」
「かーのじょ、遊ばない?」
「なによ、モジョって呼びなさいよ」
「何、そのモジョって?」
「あんた、知らないの?昔、モダンガールをモガ、モダンボーイをモボって
言ったのを知らないの?」
「で、モジョって何?」
「モダン女子大生よ」
「えー、女子大生?化粧濃すぎないか?」
「失礼ね。ファンデーションを二回塗ってダブルベースにしているだけよ」
「へー、それが今の女子大生のスタンダードなの?」
「ほっといて!」
「ヒグラシ」「鎮守」「水門」
「艦長、まもなく虹色星団の重力圏に入ります。」
宇宙航法士の島田依助が、明るい声で報告した。
「うむ。確かあそこには浮きドックがあったな。久しぶりに寄港、休息するか。」
カジッタシリアヌス号の艦長、尾北寺雄三が言う。とたんにブリッジ内に歓声が響いた。
「やったー。久しぶりにラザニアぎょうさん食うたるでぇ〜。」
「嬉しいペポ! 艦長愛してるペポ!」
しかし、そんな和気あいあいの雰囲気は、通信士、ジラフ先生の叫びに壊された。
「た、大変です艦長。浮きドック、応答ありません。・・いえ、応答はありますが、意味不明です。」
「何だと? 何と言ってる?」
「回線、回します。」
[ガッ!・・・・ザザ・・モジョ・モジョモジモジョモジョモジョ]
「なんだこれは?」
「何でしょう?・・・ガソリンスタンドの広告とか?」
・・・・ジラフハ プチブリザードノ ジュモンヲ トナエタ。 スコシ サムクナッタ。・・・・
「何かトラブルがあったのかもな。・・おいコダイスとオダイバ、それにトッピィ、お前ら戦闘艇・コスモゲロで見に行け!」
「うへへーい。」
というわけで、カジッタシリアヌス号の戦闘班3人組は出発した。ここだけの話だが、コダイスとオダイバは仲が悪い。
「おい、コダイス、おめえ粋がって前へ出るなよ? 俺の真似ばっかするな?」
「なんだと?オダイバ! キャラかぶってんのは貴様だ!お前がおとなしくしてろ!」
「ねえ、喧嘩はよそうよ。 3人で一機の戦闘艇なんだから協力しなきゃ。ん?・・何か来たよ?」
レーダー照準器が、浮きドックから急接近する物体を捉えている。
「よーし、ロックオンだ。おいトッピィ、データを転送してくれ。」
「ええ?いきなり攻撃するのかい?それはまずいよ。宇宙航行法での正当防衛は・・」
「バカか?コダイス?ロックオンなんて古いんだよ。俺のエモノだ!スタンダードミサイル発射あ!」
「ああっ!勝手に話を進めないでよ。僕に宇宙航行法の薀蓄を言わせてよ・・・あ・・。ミサイルが・・。」
コスモゲロから放たれたミサイルは、まっすぐに、接近する不明機に突っ込んだ。しかし命中寸前、ミサイルは自爆した!
「コダイスさん、何あれ?・・シールドみたいなもの?・・でもベースシールドであんな見事な防御は・・」
「ダブルベースシールドだな。」
「安直な展開だよ! コダイスさん! こんなんで続くのかい?」
一般的でない名称は、結局その用語の新解釈だけで終わるからなんかつまらんね。
うん。奇しくもダブルベースの意味の捉え方が似てしまったのも
興味深いけど・・・・。
182 :
「ヒグラシ」「鎮守」「水門」 :2001/08/03(金) 23:49
前号までのあらすじ(^^)
巨大な紅茶キノコを遺して、父・茸郎はこの世を去った。
ヨーグルト命な母・ヨーコと息子・猿蔵は途方に暮れるが・・・
「どうやら、あなたに本当の事を教える時が来たようです」と母。
水門を開くと浴槽は空となり、すっくと立つ紅茶キノコの姿が
夕陽の中に浮き彫りになりました(←???)
「あなたの本当のお父さんはね」
「あわわ、言わないで、その先は言わないでくれぇぇぇ;」
ただ一瞬のブームに踊らされ、ヒグラシの様なはかなさが板について
しまった紅茶キノコ・・・彼は黙ってうつむくばかりです(←???)
真相を怖れて引きこもる猿蔵。
「紅茶キノコなんて、ヨーグルトなんて、微生物じゃないかぁ(; ;)」
ベッドの側に大事に鎮守していた、巨大なビーカーをながめます。
「やっぱしお前しかいない(^ ^)」
ビーカーの中には、先祖代々のシーモンキーが・・・
※あわわ。ありがちゴメン^^;
>>169 次のお題:「ラーメン」「土星」「ディズニーランド」
>>182 「水門」はどこ?シーモンキーだなんて言わないでね。
「鎮守」の意味は、
(1)軍隊を駐在させ、その土地を守ること。
(2)「鎮守府」の略。
(3)土着の神をしずめて、国・城・寺院・村落などを守護する神。近世以降、氏神・産土神・地主神などと同一視し、
各村落の神社をさすようになった。「村の―のお祭」
応用範囲が広くなるように一般名詞を使っているのだから、できれば
意味を含めて変形させずに活かして欲しいものです。
>>182 ごめん、もう一回よーく見たら、「水門」あったね。
早とちりでゴメンです。
185 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/04(土) 00:29
>>183 あ、「鎮守」ってもしや、〜むーらの鎮守の神様の〜ですね^^;
なぜか、映画「帝都物語」(異様な映画だったけど)を連想して
しまったんです; 見逃してやってくださいm(_ _)m
僕の家は繁華街に近い住宅街だし、ねだって買ってもらった望遠鏡は小さな安物だから、木星や土星のような大きくて目立つ惑星しか見れないけれど。僕にとって天体観測は────そう、ディズニーランドのエレクトリカルパレードなんかよりもエキサイトできるものなんだ。一月ぶりに屋上に上がる。晴れて良かった。細切れの雲が移動してくれるまで、なにげなく街を見下ろして時間を潰す。父さんや母さんは「狭い街」「壮大な景色って、こんなもんじゃないのよ」って言ったけど、僕がまだ小さいからかな?僕は屋上から見る街並みって結構「壮観」だと思うんだけどな。
弱々しいながらも満天の星空が、やがて僕の背後に浮き上がる。目の前には小さいけれどな街の光が輝いていて「壮観」だ。
海や山で思わず叫びたくなるような衝動が湧いてきた。くくくく。もし叫んだら、階下の父さんや母さんはびっくりするかな。考え出すと叫ばずにはいられなくなった。やっちゃおうかな。なんて叫ぼう…よし、あれだ。よぉし!叫ぶぞー!
僕は大きく息を吸って、遂に……
ちゃらり〜らら〜♪ちゃらりらちゃら〜〜〜〜♪」
屋台のラーメン屋がゆっくりと真下を通りかかる。父さん、母さんの言う通りだよ。意気消沈した僕は本来の目的である観測すら、どうでもよくなって屋上を後にした。
次のお題:「川」「くらげ」「盆踊り」
「ラーメン」「土星」「ディズニーランド」
「土星を目印とはこれ如何に……」と、コテハン仮面は呟いた。
その日は文芸板始って以来初のオフ会なのだ。
コテハン仮面は颯爽と駅に向かった。そう、目指すはあの
東京ディズニーランドなのだ。JRを乗り継ぎ京葉線に乗り
換える。目印の土星を想像し、車窓越しの風景を眺めていた。
「あはは」
そのとき、どこかで聞いたことのあるセリフが聞こえてきた。
もしや、そう思ったコテハン仮面は、ゆっくりと車内を見渡す。
周りには、ひげもじゃ男はいない。
――あはは、といえばクマ、ひげもじゃに決まっている。
それがコテハン仮面の妄想だった。そのかわり、コテハン仮面の
目を釘づけにしたものがあった。丸い大きなつばのついた麦藁
帽子を被ったセクシーギャル、もとい、セクシー姐ちゃんだ。
――もしや、土星とは?
コテハン仮面は、注意深くその姐ちゃんの値踏みを始めた。
つづく
#「金色」「蛍」「岩石」
>>188 リロードし忘れ、スマソ。
次のお題:「川」「くらげ」「盆踊り」 です。
「川」「くらげ」「盆踊り」
「お嬢さん、その帽子は土星ですかな?」
コテハン仮面が大きなつばの麦藁帽子を被ったセクシー
姉ちゃんに声をかけると、彼女が振り向いた。
「なんだテメェは、ゴルァ!」
彼女は、盆踊りでもすれば似合いそうな、紺の地に赤い
金魚の柄のついた浴衣から白い脚をだして睨みつけている。
よく見ると威勢のいい声とは裏腹に、顔色は青白く痩せた
肢体を覗わせた。コテハン仮面は勇気を出して口を開く。
「大丈夫ですか? 顔色が悪いようですが」
「いくらげっそりしてたからって。大きな、お、せ、わ」
彼女の笑顔を夕日が照らし上げる。
ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン
電車が川に掛けられた橋を渡っていく。西の空は紫色に
染まり、オフ会の待ち合わせ時間が迫っていた。
コテハン仮面の顔は、すでに、にゃははは〜と緩んでいた。
「金色」「蛍」「岩石」
191 :
「金色」「蛍」「岩石」 :2001/08/04(土) 11:46
白血病の彼女にとって、今年は最後の夏でした(; ;)
「蛍になりたいな・・・」
願いが届き、白髪の仙人が言いました
「金色の星、丘を昇る時、そなたの願いは叶えられよーぞ」
少女は蛍となり、岩石を伝う清水に誘われてゆきました。
「蛍子よぉぉぉ〜」(即興すぎる名前だなあ)
あまりといえば、ありがちな展開に、親は赤面するばかり・・・
「猛暑で死ななければいいが;」
「金色の星、海に沈む時、そなたは人の形にかえろーぞ」
星は沈み、仙人の予言通り、少女は元の姿に戻りました。
昨夜は光ってたお尻丸出しで、岩の挟間から素っ裸で救助されたその時
彼女は「死んでしまいたい」と、泣いてテレビの取材に答えました。
彼女は今日も元気です。
※ なんだか、ますます暑苦しくなってきて・・・^^;
次のお題:「お奉行様」「金色」「蛍」
192 :
"削除"又はskip依頼:2001/08/04(土) 12:15
失礼しました^^;
>>191です
よく上を見ると、一つとばしちゃった様な気がします。
支障あったら「削除」とか「後回し」とかお願いします;
みんな、暑さのせいなのです<ちがうよー^^;
193 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/04(土) 15:29
お奉行様はつぶやいた。
「蛍になりたい。公務はますます繁忙。難問も山積じゃ。
気楽そうな蛍となってみたいものじゃ」
酔ってだらしなく眠っているように見えた越後屋が薄目をあけた。
「お奉行様、俗謡にも蛍は甘き水に誘われると。こちらに」
と言うと、傍らの箱の蓋を開いた。中には金色の小判が・・・・・・
194 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/04(土) 15:35
193
次のお題。
「麦茶」「木陰」「花火」
195 :
:2001/08/04(土) 22:44
僕は今夏休み。
昨日絵梨ちゃんといっしょに花火に行ったんだ。
凄く暑くてたいへんだった。
喉かかわいたので、木陰で麦茶を飲んだよ。おししかったな。
また行きたいよ。
次のお題
「ルーズソックス」「サンシーロスタジアム」「カフェラテ」
196 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/04(土) 23:25
>『ルーズソックス』『サンシーロスタジアム』『カフェラテ』
スタジオ・ジョゼッペ・メアッツァ。
またの名を、サンシーロスタジアム。
イタリアの中心都市ミラノにある、このサッカー専用スタジアムの正面で、
奴と会う手筈になっていた。
それにしても、さっきの店で頼んだカフェラテは不味かった。
本場のエスプレッソは合格点だが、ミルクの量がいかにも多過ぎる。
奴が来た。
口直しに美味いものをおごらせよう。
私は、ルーズソックスが一番可愛く見える角度で足を組むと、メールで
知り合った親父が声をかけてくるのを待った。
次のお題
『幽霊』『当たり屋』『タイムリミット』
197 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/05(日) 10:41
奴は俺の顔を見て幽霊に出会ったように震え上がった。
生きているはずがない俺だからだ。
俺はかつて奴と組んで当たり屋をやっていた。
金持ちの乗ってそうな高級車にわざとはねられて、
賠償金をむしり取る商売だ。
ある時、奴が裏切った。
他の仲間と手を組み、俺に生命保険をかけ、殺そうとした。
あらかじめ車を仕込んでおき、
当たり屋にお誂え向きと思えるスピードで走らせた。
俺が飛び出したとき、車が急に速度を上げたのだ。
俺はしたたかに跳ね飛ばされた。
いくら当たり屋で訓練を積んでいても生身の人間だ。
たまたま目撃者がいて、救急車が呼ばれ、病院に運ばれた。
その病院で俺は死んだ。
その病院で俺が死ぬことができたのは、たまたまそこに
俺と組んで薬物の取引に手を出していた医者がいたからだ。
医者は俺の死亡証明を書き、
俺は俺に似た死体を手に入れさせて、俺ということにした。
しばらくは人に知られないように潜伏して暮らした。
奴が巨額の保険金を受け取るのを待っていたのだ。
これは俺の金だ。俺がすべて手にするべき金だ。
保険が下りた。
それが、奴の命のタイムリミットとは知らず、
奴は首を長くして金が自由になる日を待っていたのだ。
次のお題
「古着」「艦長」「象」
198 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/05(日) 11:13
お題 「麦茶」「木陰」「花火」
町の中心にお城がある。
お城のまわりに掘割がある。
夏になるとそこで花火大会が開かれる。
街の真上にドンドン花火を打つ。
見物人はみな首を90度に曲げて、
不自然な格好で天上の花火に見とれる。
華やかな火が丸屋根のように広がって、その中に包まれるようだ。
落ちてくる火の粉をかぶりそうな近距離で花火が爆発する。
僕のうちは、お城のすぐそばの古い民家だから、庭から見物ができる。
親戚や知り合いが、「特等席だ」と言って毎年やってくる。
従姉のミキちゃんも来る。
皆でにぎやかに話しながら、縁側で花火を見た。
西瓜をたくさん切って食べた。麦茶も飲んだ。
「きれいだねー、花火。でも毎年これを見ると首が痛くなるよ」
大勢の人たちが首を変にまげて上を見ている姿は、
冷静に考えるとひどく面白いようでもある。
僕はミキちゃんを誘って、庭に下りた。
庭には芝が植えられていて、片隅に少し木立がある。
二人で芝に横になって、体を伸ばして花火を見た。
「うわー、花火に全身がくるまれるようだよ」
ミキちゃんはとっても嬉しそうだ。
いつまでも見物していたかったが、
だんだん打ち上げも間遠になってきた。
そろそろ終りに近いようだ。
ミキちゃんは半身を起こして、あたりを見回した。
「ほら、花火の光で、木立が影をつくってる」
花火がつくった夜の木陰が、
僕たちのすぐ足元に出来ては消えていった。
199 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/05(日) 11:30
古着屋って面白いな。
いろんなものがあるよ。
軍服もあるし艦長さんの制服もある。
象牙を使ってつくったブラジャーってのもあった。
誰がどんな時につけたのかな。
200 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/05(日) 15:32
199 「眠い」「夕立」「電気」
201 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/05(日) 17:19
インドの森を進む象の陸艦隊。
金ぴか服の艦長さんが指揮する。
制服の兵隊が護衛する。
ぼろぼろ古着の奴隷が働く。
眠いと思ったら、知らずに眠っていた。
夕立の音で眼が醒めた。もう暗い。電気をつけた。
お題「椿」「クーラー」「雪」 季節に注意
202 :
「椿」「クーラー」「雪」 :2001/08/05(日) 22:21
「雪んこぉ・・・」
霜柱も立たなくなってきたある日、少年は思いきって聞きました。
「雪んこは、やっぱり、そぉかぁ、春になると消えるのかぁ?」
「いんや、にいちゃんどん」と雪ん子は微かに微笑みます。
「われは姿を変えるだけ、にいちゃんどんと一緒にいる^^」
「夏は?」
「夏はクーラーになってるぞ、クーラーが涼しいのはそのせいだ」
「じゃあな、じゃあな、春は、秋は?」
「うん」と雪ん子は答えます。
「春や秋はな、椿の木になっているんだ、椿の木になって・・・」
「森林冷却効果やな」
「んだ^^」
※前件読み忘れでした^^; ちゃんとあってたよかった。
次のお題:「浴衣」「椿」「クーラー」
203 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/06(月) 16:08
私はクーラーのきいた部屋で、浴衣を着て、椿を眺めていた。
どうしてそうなったのかは分からない。
気が付いたら、クーラーのきいた部屋で、浴衣を着て、椿を眺めていたのだ。
まるで、その為だけにこの世界に呼ばれたように…。
ビールを飲みたかったが、ビールはなかった。
ビールどころか、冷蔵庫もなかった。
ここには、電話もなく、食料もなく、季節さえなかった。
あるのは、浴衣と椿とクーラーだけだった。
まるで、その為だけにこの世界に呼ばれたように…。
手抜き的なネタです(w
次のお題は「ヨーグルト」「魔法世界」「チャップリン」
204 :
「ヨーグルト」「魔法世界」「チャップリン:2001/08/06(月) 16:45
「私、実家に帰らせてもらいます」
朝食のテーブルで、妻が言い出した。
「待てよ、この牛乳だいじょぶか、って言っただけだよ
いや、ちょっとヨーグルトみたいな酸っぱい感じがしてさ」
「私があなたにいつも痛んだものを食べさせてる、って言いたいの?」
「何でそうなるんだよ、ただ」
「ママ、お腹すいたー」
「タバサ! すぐにおでかけの準備しなさい!」
「こんなことで子供を巻き込むなよ
だいたいタバサは魔法使いと人間との間の子供なんだから、
魔法世界じゃ生きられないだろう」
「ママー、お腹すいたー」
テーブルにあったリンゴをタバサに一切れとってやる。
「パパ、ありがと」
「あなた、そうやって私からタバサをとりあげる気ね!」
「何言ってるんだよ、ちょっと落ち着けよ」
「わかったわ、あなたの頭の中は、あの女のことでいっぱいなのね
そうよ、そうに決まったわ。今すぐ追い出してやる!!」
「お、おい待てよ」
妻は手に持っていたものを振りかぶり、私に殴りかかってきた。
「ママー、リンゴにケチャップかかっちゃった」
「あら、おいしいのよ、ケチャップリンゴ」
#次、「ハンマー」 「銀」 「父」
206 :
オナカイパーイ:2001/08/06(月) 22:28
レジ打ちのコンドラグッフは、そのしたたかな振り袖の下から
炎でできたハンマーを取り出す。舌足らずのだみ声で、
「お父ちゃんからもらたとんかちでち」
買い物客のヴァラジゴーネンも負けてはいない。
ユルユルとした演説口調でなおかつパピヨンの刺青。
「お魚には水銀がたくさんたくさん入ってるんざますのよ」
コロシアムと化したスーパー。遠巻きに見つめる客と店員。
タランティーノの映画のように殺戮は行われ、時間軸はあいまいになる。
突然大蛇が現れ、向かい合った2人は一体化し、ヴァランドラジョームとしての新しい生活が
あぶねえ、風呂で寝るところだった。
次のお題「アクティヴ」「変形」「発疹」
ルール違反のお題を2つ出してしまった。
「魔法+世界」
「チャップリン」(固有名詞)
スマソ、逝ってくるわ。
カツオを食べたら肘の内側に発疹が出た。
日曜の夜だったので、病院は行かなかった。
痒さを和らげるため、とりあえず冷やした。
体の柔らかい部分に出るのかと思い、服を脱いで腹や太ももを見てみた。
何もなく、痒くもなかった。
もう一度肘の内側を見ると、さいしょ丸だった発疹が、三角に変形していた。
見間違いではなかった。
発疹は三角、丸、四角の順に形を変え続けていた。
冷したのが良くなかったのかと思い、暖めてみた。
発疹の変形は三角形で止まった。
痒みもなくなったが、立体的に盛り上がり、移動をはじめた。
肘の内側から手首の方へ。
手のひらから親指の付け根を通って手の甲へ。
上腕部まで這いあがり、肩を越えて、背中の下の方まで動いてしまった。
翌朝、会社を休んで病院で診てもらった。
医者は言った。
「アクティブ性変形湿疹の一種ですな」
次のお題「象」「初日の出」「脱毛クリーム」
>暖めてみた
「温めてみた」が正しいのかな。
210 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/07(火) 02:50
お風呂のポンポン船が、不調でお休みだったある日。
「お父さま?」「はいはい」
父は水中マブチモーターを調べながら答えます。
「わたし、もしかしたら、今年中に死ぬかもしれない」
思わず浴槽滑りそうになって、お父さんは聞きました「なんで!?」
「ほら、ここのお腹のブツブツが、今日、高校で習った「発疹チフス」
そっくりで、肩の節にも変形が(; ;)」
「・・・蚊に刺されただけだろー;」
「蚊もマラリアを運んでくるって、それに、このお腹の痛みはなんだか
「子宮筋腫」みたいで(涙) だったら私、発疹チフスと子宮筋腫と・・・」
「そんなにポンポン病気にならないよー。他の人はどう?」
「二郎君も「僕もしやC型肝炎か第三性病かも」と真っ青だったわ」
近頃の細菌はそんなにアクティブなのか?
そう悩む自分自身も、昔「自分はもしや耐性結核では?」と悩んでいた事
などまるで記憶からはじき出されていた。
「家庭の医学」恐るべし。
※なんかわからない間に3語はいってましたー;
次のお題:「風鈴」「発疹」「変形」
211 :
210:2001/08/07(火) 02:53
失礼しました^^;
リロード忘れてました、飛ばしてやって下さい;
>>209
212 :
「象」「初日の出」「脱毛クリーム」:2001/08/07(火) 07:30
夏の勝負前に、象の足とお嘆きの貴女におくる
画期的、脱毛クリーム!その名も「初日の出!」
クリームをたっぷりとぬりつけ、5分たったらあらふしぎ
まるで初日の出の太陽のようにつるりんとけがぬけます!
ただ今、サンプルを無料配布中、ご希望の方は電話番号
1−***−つーるつる まで!
#お題は
>>210さんの 次のお題:「風鈴」「発疹」「変形」 でどうぞ
213 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/07(火) 13:52
「風鈴」「発疹」「変形」
外食で済ませた晩飯に何か相性の悪いものが入っていたのか、アレルギー体質の僕はとても辛い状況だった。
もぞもぞとした痒みを伴う発疹を掻くことはこらえても、気になってさわりすぎて
しまうために、自分の首が太い丸太みたいに腫れて変形しているのではないかという錯覚に陥るほどだ。
頭がぼーっとして来て、吐き気もして来た。
仕方なく、ふとんの上で仰向けになって、天井を眺めてみる。
まさか、食中毒だったらどうしようか。自分で病院まで行けるだろうか。
この部屋でひとり倒れていたら誰も気付いてくれないじゃないか。
「ちりちりりーん」
ふと、どこかで風鈴の音がした。
でも窓を締め切ってクーラーをつけているこの部屋でそんな音が聞こえる筈は無いんだ。
耳を澄ました。心を澄ました?
「ちりちりりーん」
聞こえて来るのは、僕の中を吹き抜ける風に揺すられる風鈴の音かもしれなかった。
絶望するには程遠く、寂しさをほんの少し散りばめたその音色は、優しげで気持ちよく、僕の心を奮わせた。
今日は眠って、明日起きることにしよう。
#「ガードレール」「彼岸花」「土用」
214 :
「ガードレール」「彼岸花」「土用」:2001/08/07(火) 18:34
「運転中の携帯電話は危険だ」。
誰もがそう言います。しかし、高度情報社会の中で、私達は大きな盲点
を見落としているのではないでしょうか?
いまだ歪んだガードレールが事故の激しさを物語る現場。
2子さんは、今も、土用のウシの日に彼岸花を捧げます。
夫の2夫さんは、5年前のこの日、ここで命を落としました(; ;)
多忙な毎日、運転しながらのうな丼が、夫の命を奪ったのです。
「夫の死を無駄にしてはならない」
彼女は、24時間テレビで、世界の人々に訴えました。
「土用の牛の日だからといって、うな丼運転はやめよう!」
彼女の小さな声は、いまや世界の潮流となって広がりつつあります。
今月の標語:「肝吸いを、すするその手が、事故つかむ」
※気をつけます^^;
次のお題:「土用」「木工用」「乾いた肌用」
216 :
214:2001/08/07(火) 22:22
実は、今の今まで「牛の日」だと思ってました(笑)
(「丑」と思い出すのなんて、ごくマレです)
牛丼食べる日でもないのに・・・つい、生活がでてしまったのかもm(_ _)m
217 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/08(水) 11:39
「土用」「木工用」「乾いた肌用」
「おねえちゃん、この山盛りにたくさんのお札は、な〜に?」
「これはねぇ。いろんなことがうまく行くようにってお守りよ、ミーちゃん」
「これは?」
「大工仕事をする時にケガをしないようにって『木工用』」
「あれは?」
「『乾いた肌用』と『湿った土用』よ」
「ふーん、ミーコ『かわいい女の子用』が欲しいなぁ」
「(怒)ははっ、そういうのはないのよ」
「ふーん、じゃぁミーコ、おねえちゃんのために『結婚しそこねた三十女用』の札さがしてあげるよ』
「(激怒)ははっ、ありがとう!」
#「かたつむり」「トランポリン」「痛風」
218 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/08(水) 12:23
ボヨヨーン ボヨヨーン
二人の子供がトランポリンで交互にはねながら・・・・・・
「エスカルゴってかたつむりのことなんだよ。知ってた?」
「痛風って風が吹いても痛いってことだよ。知ってる?」
ボヨヨーン ボヨヨーン
手抜きすぎますか?
お題「切手」「墜落」「電線」
ドカーン、ドカーン
二人の子供が墜落して来て……
「電柱につながっているのって電線のことなんだよ。知ってた?」
「切手って、手を切った人のことじゃないよ。知ってる?」
ドカーン、ドカーン
ピチャピチャ、ピチャピチャ
二人の子供が木工用ボンドを舐めながら……
「乾いた肌用ってカサカサ肌のことなんだよ。知ってた?」
「土用って土曜日のことじゃないんだよ。知ってる?」
ピチャピチャ、ピチャピチャ
なんだかなぁ。
220 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/08(水) 21:43
>「切手」「墜落」「電線」
俺は、地見屋。
小銭や馬券を拾って、生計を立てている。
繁華街のテリトリーを一周して、公園に作ったダンボールの家に
帰る途中、一枚の切手が落ちているのに気がついた。
俺でなければ見逃しただろうが、消印の無い新品の切手だ。
汚れてなければ、換金屋に持っていける。
腰をかがめて手を伸ばした時、突然、地面が沈みこんだ!
落とし穴だ!
何千メートルも墜落して、俺は地底王国の電線に引っ掛かった。
次の御題
「帰らないで」「スイカ」「悲鳴」
221 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/08(水) 22:04
「帰らないで」
プラットフォームで加奈子が口にしたこの言葉が頭から離れない。
耳の奥で趣味の悪い嫌がらせのようにくぐもった響きを繰り返す。
「帰らないで」「帰らないで」「帰らないで」……
加奈子は確かにそう言った。
俺は言えなかった。
「付いて来い」と言えなかった。
「いつか迎えに来る」とすら言えなかった。
いま、俺は誓う。必ず帰る、と。
挫折の帰郷なんかじゃない。凱旋だ。
たった一曲の俺のオリジナルソングをスマッシュヒットさせ、
凱旋してやる。
さあ聴け、ロックを忘れた日本のサルどもよ。
これが俺の魂の叫びだ。
行くぜ!
♪じゃじゃーん、スイカがぁ〜、赤いのはぁ〜・・・
失礼しました。
「パソコン」「シロサイ」「雨空」
悲鳴は・・・・?
223 :
221:2001/08/08(水) 22:24
「帰らないで」
プラットフォームで加奈子が口にしたこの言葉が頭から離れない。
耳の奥で趣味の悪い嫌がらせのようにくぐもった響きを繰り返す。
「帰らないで」「帰らないで」「帰らないで」……
加奈子は確かにそう言った。
俺は言えなかった。
「付いて来い」と言えなかった。
「いつか迎えに来る」とすら言えなかった。
いま、俺は誓う。必ず帰る、と。
挫折の帰郷なんかじゃない。凱旋だ。
たった一曲の俺のオリジナルソングをスマッシュヒットさせ、
凱旋してやる。
さあ聴け、ロックを忘れた日本のサルどもよ。
これが俺の心の悲鳴だ。
行くぜ!
♪じゃじゃーん、スイカがぁ〜、赤いのはぁ〜・・・
鬱だし能・・・
「パソコン」「シロサイ」「雨空」
224 :
「パソコン」「シロサイ」「雨空」 :2001/08/08(水) 22:46
曇天でも秋葉原のパソコン市場は大賑わい^^
雨空をのぞく店先には「回転可能!」「43800円!」の
液晶ディスプレイが飾られ、画面の中はいつものWindowsの青空です。
(↑これってどんなもんでしょう?)
日本語のガイドブック片手に、ラジオ会館に迷った外人が
「ココは、シロサイの様に込み入った構造でエスカレーターは・・・」
と悩んでおります。
なぜ、ラジオ会館がシロサイなのか?
シロサイの様に珍しいから?それほどでもないのに^^;
と、ガイドブックを覗いてみると、こう書いてありました
「ここは、城砦の様に込み入った構造で・・・」
城砦=シロサイ!
外国人、あなどりがたし(なんで?)
※たまに東京に来てみたら^^;
次のお題:「黒猫」「白日」「黄門」
225 :
蒼薔薇のレェス:2001/08/08(水) 23:16
>「黒猫」「白日」「黄門」
「黄門?」
「そう、黄門ってのは中納言の唐名さ。大陸ではそう言われているんだ。」
「ふーん。で、君は遣唐使の土産話と中納言の噂、どっちを聞かせに来てくれたんだい?」
正直、私にとっては官職の呼び名などどうでも良かった。
権力を持つ物が己の私利私欲のままに行動する。それが私は許せないだけなのだ。中納言の悪い噂は宮中で知らぬ者など居ないだろう。
なーお、と式の黒猫が鳴いた。私はぱちんと扇を鳴らす。すると既に待ちかまえていたように、女房の胡蝶が参内の為の正装一式を持って現れた。
「さあて、君も来るか?」
私は悪戯めいた表情で友人に向き直った。もうじき、中納言の悪事が白日の下にさらされようとしていた。
226 :
蒼薔薇のレェス:2001/08/08(水) 23:18
自分でも書いててワケ分かんないっす…。
次は「十二単」「ウェディングドレス」「陸軍士官」で
自分勝手やねえ。
お題出しなさいよ。
あ、ごめん。
正直、俺はどちらでもいいと思っていた。
と、言うより、式自体挙げるつもりはなかったのだ。
敗戦、いや、終戦が近いことは誰の目にも明らかだった。
しかし俺は出征しなければならない。陸軍軍曹として。
たかが軍曹。それでも俺の一声で100人の若者を突撃させ、
殺すことだってできる。
俺は戦争を憎まない。時代を憎まない。
憎いのは、こんな時に現れやがったこの女だ。
十二単とウェデイングドレスを両手に掲げて、
「どっちがいいかな?」などと無邪気に笑いやがる。
俺はどちらでもいい。
少し気を抜けば、「愛している」などとたわけたことを言ってしまいそうだ。
しかし俺は出征しなければならない。
明日の式が終われば、陸軍軍曹として。
女はまだ悩んでいる。俺はどちらでも良かった。
あれからまだ一週間しかたっていない。
腹が痛い。撃たれるとはこういうことか。
内蔵が焼け落ちるのがわかる。
もう一度会いたかった。
ひと月以内にはあの女に届くだろう。
戦死により階級を特進され、
陸軍士官になった俺の亡骸が。
230 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/08(水) 23:32
「蚊取り線香」「吹雪」「刺身」でお願いします。
231 :
オドネル:2001/08/08(水) 23:38
232 :
「パソコン」「シロサイ」「雨空」:2001/08/08(水) 23:59
「あの蚊取り線香が消えた時・・・」
初夏のサナトリウム、陽光の中で不景気な咳に苦しみながら
少女はいいました(ああ、またか^^;)
「私の命も消えるんだわー;」
日が暮れて、夏も終わり、紅葉が色付き、冬になっても
なぜか、不思議な事に、蚊取り線香は消えませんでした。
そして、吹雪がやってきました。
翌朝、スーパーのマグロの刺身の冷凍の様にコチコチに凍った
金鳥のお姉さんが、雪解けのテラスから発見されたのでありました(涙)
※しかしなぜ「瀕死→少女」と相場が決まっているのでしょうか^^;
次のお題:「浴衣」「蚊取り線香」「シンクロ係数」(古い・・・)
233 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/09(木) 09:28
しばらく来ない間に石が多くなりましたな〜
「浴衣」「蚊取り線香」「シンクロ係数」
「ねぇ、『シンクロ係数』って何?」
「わかんねぇよ。国語辞書に載っていないような固有名詞のことは、おらぁ、わかんねぇんだよ」
「だれかわかる人はいるのかしら?」
「さぁ、言い出した人はわかっているんだろうけどな。普通の人は知らないだろ。
それより、お前浴衣ぐらい着ろよ。風呂から上がって裸でうろちょろするんじゃないよ
蚊に刺されても知らないぞ」
「いいじゃない、ちゃんと蚊取線香つけているんだもん。この方が気持ちいいし。
あんたも、裸になっちゃえば?そんでもって、わたしを刺してみるとかさ」
「うへっ!おらぁもう寝るぞ」
#「玉」「石」「混ざる」
235 :
「玉」「石」「混ざる」 :2001/08/09(木) 17:04
男は汗だくになって石の山を、漁っていた。
昨夜、彼の夢に神様があらわれてこう言ったのだ。
おまえの庭に石が積み上げられているが、その中に一つだけ玉を混ぜておいた。
いつも、正直にまじめに生きたおまえへのご褒美だ。
男は、一生懸命に玉を探した。
それを売ったお金で、母の病気を治すつもりだった。
「博士、ついに完成ですね」
「うむ、今までよく頑張ってくれた」
「これで世界は…」
「そうだ、これで世界は生まれ変わる」
「あとは、この価値転換装置のボタンを押すだけですね」
「うむ、現代の価値観は腐りきっとる。この装置の完成により、世界は再編に向かうだろう」
「早くボタンを押しましょうよ、博士」
「そうだな、じゃあせーの、でいくぞ」
「せーの」
「せーの」
数分後、男は石の山のあったところで倒れていた。
ナタで頭を割られている。
石は全て、村人によって持ち去られていた。
ただ一つ残った玉が、男のかたわらで輝いていた。
次のお題「トリック」「シャボン玉」「森」
>>234 「シンクロ係数」ってお題もお題だが、「シラネーヨ」ですますなよ。
芸がなさすぎ。
237 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/09(木) 17:15
238 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/09(木) 17:22
「トリック」「シャボン玉」「森」
うちの父は、
昭和の森記念公園での社内サッカー大会でハットトリックを決めた瞬間を、
しゃぼん玉ホリデーで放映されたことが、唯一の自慢だ。
うちの母は、森進一のステージの舞台効果を手伝って、
裏手から扇風機の風に乗せでしゃぼん玉をふきまくって誉められ、
愛用のパトリック・コックスにサインをしてもらったのが唯一の宝物だ。
その二人の息子である俺は、
蚊取り線香のCMに登場していた浴衣の女性に欲情して吼えまくった
隣家のバカ犬と何故かシンクロ係数1200であることが唯一の特徴の
かなりスカした
>>237だけど、何か?
#おらよ。
#次、「バイク便」 「逆セクハラ」 「サマータイム」
239 :
「バイク便」 「逆セクハラ」 「サマータイム」 :2001/08/09(木) 18:51
「もうそろそろ家に帰らないと・・」
腕時計を見ながら正雄は立ち上がった。
「今年から、ウチの会社がサマータイム制を導入しちゃってさあ、
早起きすると、眠くなるのも早くてね。
年のせいもあるのかなぁ」
美佐子に聞かれたわけでもないのに、少し言い訳してみる。
「そう」
軽い侮蔑感を含んだ相槌。
「それに、明日出社前に、取引先へ書類を届ける約束もしちゃってさ・・」
彼女の反応を見るように顔を盗み見る。
無表情な彼女に安堵感を覚えたその直後
間髪を入れず、美佐子が言う。
「バイク便を使えばいいじゃないの」
ライターを弄る美佐子の指はせわしなく動いている。
苛立ちと焦燥感がジリジリと空気に広がっていく。
即興の言い訳を並べようと正雄は口を開いた。
「そういうわけにもいか・・・」
正雄の心を見透かしていた美佐子が話し出す。
「ねえ、もう私に飽きたんなら、正直にそういって。
あなたが思っているほど、私、弱くないのよ。
知ってるんだから。奥さん、妊娠したんでしょう。
もう何年もしてない・・触れてないって・・・
嘘つき!本当はあったんでしょう。週に何回してたの?
私と出会ってから何回してたの?」
耐え切れずに、正雄は冗談めかして
雰囲気の濃度を薄めるつもりで言った。効果がないことはわかっている。
「何言ってるんだ、君は。週に何回だなんて。まるで逆セクハラみたいだなあ」
「いいわ、そうやって誤魔化していれば。
でも覚えておいて。私はあなたと別れない。
私はあなたと違って失うものは何も持ってないのよ。怖くないわ」
その場にいる権利さえないような気がした正雄は
明日届けるはずの書類を掴むことも忘れて、美佐子の家をあわてて後にした。
追いつめられたのは美佐子、追いつめたのは自分。
これから受けるべき神罰があるならば、自分ひとりであるように正雄は
祈りながら帰路についた。
ひゃあ。。すみません、長くなっちゃった。
初挑戦でしたが難しいですね。
お題は「ひよこ」「フロッピー」「灰」でお願い致します。
241 :
「ひよこ」「フロッピー」「灰」:2001/08/09(木) 22:27
パソコン業界そのものが、まだヨチヨチ歩きのヒヨコ同然だった頃
5インチフロッピーで運用される「CP/M」なるOSがはやった。
そして今、業界を取り戻すべく呼ばれ、灰の中から蘇った新しいOS。
その名は・・・
「CP/M(P4)参上!」
・・・どこが新しいの^^;
※高かったなあ^^;>CP/M
次のお題:「ひよこ」「流れ星」「卵」
242 :
「ひよこ」「流れ星」「卵」:2001/08/09(木) 23:30
「この人と出会ったのは、東京にいって最初の夏の暑い日だったわ、
仕事で失敗しちゃってやけ酒で、自販機でビールをかってのんでたのよ、
空が珍しく綺麗でね、流れ星がながれて気がついたら
足元に光る卵があるじゃない、その中からカレが現れたの」
「・・・・・・・・こちらのかたが?」
「ええ、それでもうカレしかいないって、ピーんときたのよ、カレも両親に会いたいっていってくれて」
『やあっ!ボクは惑星ヒヨコンから流れ星にのってやってきたひよこ王子ポヨッピー!』
「でも、おまえ・・・宇宙人ってんだろ?この・・・ひと」
「地球の男なんてサイテーなのばっかりなんだから、いいじゃない」
「おまえ、先様のご両親にご相談は?」
「やだなー二人ともふるくさいなあーもー」
「そういう問題じゃないだろう」
#次は、「雨降り」「昨日」「カップ」 でどうでしょ
243 :
「雨降り」「昨日」「カップ」:2001/08/10(金) 00:25
今日はコーヒーカップ。
明日は灰皿を割るつもりらしい。
趣味で陶芸をやっている父は、気に入らない作品を壊してしまう。
周りがいくら誉めても妥協しない。初心者のくせに芸術家気取りだ。
僕がいちばん気に入ってるのは水玉模様の抹茶茶碗だ。
雨降りの日に母が退屈しのぎに描いた水玉模様を、父は消さなかった。
僕が作った花瓶はいつのまにか割られていたのだが……
●次は「星占い」「ショートケーキ」「初恋」
244 :
243:2001/08/10(金) 00:27
1行目に
『昨日は箸置き』
っていう文が入ります。
スマソー。
245 :
蒼薔薇のレェス:2001/08/10(金) 01:09
雑誌に載っているらしい「今週の星占い」をネタに騒ぐ女子高生の会話をBGMにしながら、私は彼を待っていた。
私にもあんな頃があったなぁ。私だって昔は占いが大好きだった。自分の運勢や好きな人との相性を占っては其の結果に一喜一憂していた。
何時からだろう、現実にばかり捕らわれるようになってしまったのは。占いが大好きだった頃は全てが夢と希望に満ち溢れていた。願い事は何でも叶うと思っていた。
ウェイトレスが紅茶とショートケーキを運んでくる。彼はまだ来ない。
彼のことを考えると、私は初恋を胸に抱えている少女のように胸の奥が熱く疼いた。
次は「ヘアピン」「スポーツタオル」「熱中症」
246 :
パカポン:2001/08/10(金) 02:28
「ヘアピン」「スポーツタオル」「熱中症」
エキゾーストノートなんて俺達には聞えやしない。
耳に入るのは頭蓋骨とヘルメットの内壁が衝突する音と、
やかましいピットスタッフからの指令。
「…ガガ、ガ、ピットインだ! バカヤロウ! ブローするぞ!」
フュエルタンクのゲージはエンプティを通り越し、
ラジエーターはヒート寸前。
当然だ。
60℃を超える路面温度、熱中症にかかるのはドライヴァーだけではない。
モータースポーツ、とはよく言ったものだ。
俺のマシン、ポルシェ911カレラ改もその性能を極限まで搾り出している。
クラブでスポーツタオルを肩にかけてやるそれとは
根本的に運動の質が違いすぎる。
限界だ。俺は声に出してみる。強烈なGがそれをかき消す。
チェッカーは遠い。あと幾度最終ヘアピンを回ればたどり着けるのか。
突如、エンジンロック。イッツ、オーヴァー。
光に包まれる。色が消える。重力がなくなる。天地が逆転する。
「ハハ、これじゃまるで跳ね馬(フェラーリ)じゃねえか……」
初めてカートに乗った日を思い出す。
レースは楽しいものだ。
こんな時になってそれを思い出す。
炎が見える。俺は死を確信する。
なんじゃそりゃ。
「FAX」「文庫本」「コンクリート」
247 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 03:53
俺のコンクリートファックスで送って文庫本にしてけろや
次「冷戦」「カントリーロード」「紫式部」でお願いします
248 :
「ひよこ」「フロッピー」「灰」:2001/08/10(金) 09:02
=== その時十二単が動いた/権力闘争の果てに ===
・平安に見える一方、「謀反のでっちあげ」等による突然の討伐など
常に権力の冷戦状態にあった平安時代。
カントリーロードを辿って逃げ延びた貴族たちの「最後の隠れ家」とは?
・紫式部など当時の妻・愛人たちが着ていた、異様にかさばる十二単の
もう一つの目的は?
当時の女性たちは、なぜ、ああにも着太りしていたのでしょうか。
・「その時十二単が動いた」
今回は、十二単の中に隠れる事が可能かどうかを、テレビスタッフ
が自ら実地検証いたします。お楽しみに!
※なんとなく説得力が・・・ないない^^;
次のお題:「十二時」「十二単」「十二使徒」
249 :
248:2001/08/10(金) 09:04
タイトル欄古い・・・あせってます^^;
250 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 10:20
「十二時」「十二単」「十二使徒」
年令五十二、使途不明金が発覚し逮捕
年令三十二、単車を盗み逃走中にトラックに衝突即死
年令二十二、時間をさかのぼり結果のわかっている馬券を買おうとして消滅
「はぁ、このリストなんか共通項あるんですか」
「ある、それぞれの年令を見てみろ」
「へっ?」
「多分、みんな自由になりたかったんだろうなぁ」
#「大蛇」「地図」「長者」
251 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 19:36
会社から帰宅した私は
おもむろにバックから地図を取り出した
赤く丸が書かれたそこはヤリマンの居場所なのだ
ヤリマンに出会うためには捧げるための大蛇を用意せよと
地図には書かれている。
けれどヤリマンに捧げるための大蛇を私は持っていない。
頭を抱え込んだ私は 小学生の頃少し話した事があった
「長者」というあだ名の2年4組の山口君に電話をかけた。
私「あ、長者!?俺、今ヤリマンを探しているんだけど!」
長者「おお、ヤリマンかあ!大蛇が必要だぜ!」
私「さっすがー長者!話しが早いや、それでその大蛇はどこにいる?」
長者「今から地図を送るよ!」
私「え?もしかしてこの地図、、昔長者がくれたものだったのか!?」
長者「、、、、うん、約束しただろ、いつか絶対見つけようって」
まさか僕が長年夢みていた、ヤリマンを探そう計画が
長者との約束だったなんて。50年の時を超え、僕と長者は
またヤリマン計画に乗り出したのだ。
「インスタントラーメン」「プロテスタント」「赤いスイートピー」
よろしくお願いします
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 21:15
>>204さん
五日たって、今ようやく気づきました。
ケチャップって・・・血のり・・・・・・
253 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 21:27
離婚を禁ずるカトリック系の女の子は、
離婚に容認的なプロテスタント系の女の子よりも
婚外交渉に積極的だというアメリカ映画の知識を仕入れた若い頃。
インスタントラーメンをすすりながら聖子の
「赤いスイートピー」を聞いてたなんて
貧乏だなあ。
254 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 21:32
253
お題「酔っ払う」「はげる」「マニキュア」
255 :
「酔っ払う」「はげる」「マニキュア」 :2001/08/10(金) 23:14
酔っ払うとお茶碗とかそこらじゅうのモノを
手当たり次第束子で洗う癖があるのよ。
そうすると、マニキュアがはげるじゃない。
次の日、そのマニキュアの剥げ具合で
どんだけ酔っ払っていたのかが判るってわけ。
この癖が治らない限り、私はお嫁にいけそうもない。
お題は
「ストロー」「真珠」「傘」
256 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 23:47
10日午前7時22分ごろ、会社役員×××さん(47)が、
都内某所の自宅で倒れているのを訪ねてきた同僚が見つけ、110番通報した。
病院に運ばれたが1時間後に死亡が確認された。
警察では現場に争った形跡が無いことと、遺書が残されていたことなどから、
自殺と見て調べている。
遺書には
『お題は
「ストロー」「真珠」「傘」』
などと意味不明の文字も含まれていた。
なお、発見した同僚によると、死亡した会社役員は息を引き取る直前に
『次は、「ツベルクリン反応」「表面張力」「7ならべ」』
と言葉を残したという。
257 :
ストロー 真珠 傘:2001/08/10(金) 23:51
オフィス街はどしゃぶりの雨で、路面を打ちつける雨粒が
真珠の玉のように弾けている。
昼食時間になると、色とりどりの傘を持つ人々が歩道に溢れる。
しかし、私は濃い紺色のスーツを着て、
保険の資料の入ったカバンを抱えて街中を駆け回る。
会社への営業は休憩時間の方が話を聞いてもらえるので、
この時間帯を有効に利用するのだ。
普通の会社の昼休みが終わった後が、私の昼休み。午後二時を過ぎる。
今日のように蒸し暑い中を走り回った私は、食事よりもまず、
アイスコーヒーを注文する。
ストローなど使わずに、グラスに口をつけてそいつをガブガブと
飲み干す。この仕事にも嫌気が差してきた私にとって、
これが唯一の至福のときだ。
お題は、「ギター」「空」「電話」
258 :
ツベルクリン反応 表面張力 7ならべ:2001/08/11(土) 00:07
下戸を知られることを恐れた私は一気に飲み干した。
隣のテーブルの酔客がツベルクリン反応の話をし出したのをしおに、
寡黙に7ならべの続きを待った。
帰省中のごく退屈な集まりの中、私は酔いを自覚した。
コップにいつの間にか日本酒が表面張力で張り付いていた。
お題は、「剣道」「姑息」「するめ」
259 :
剣道 姑息 するめ:2001/08/11(土) 00:17
「勉強を好きな人なんているか?」と担任は言ったが、
ここにいる、と僕は思った。
何より勉学が好きだった。渇いた土地が水を欲しがるように
僕自身は、何かを希求していた。
その点、剣道は学術的なにおいがした。
中学時代からの5年以上の経験を踏まえて言うならば、
その不潔さを覗けば僕には文武の武の方でベストだった。
授業を終えた僕は、焼かれたするめのような伸びをして
体育館に向かった。
次は、「爪」「前菜」「登山」
260 :
259:2001/08/11(土) 00:31
僕は姑息なやつだった。
スマソ
261 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/11(土) 00:44
ギター、空、電話+爪、前菜、登山
狭い山小屋の中を、田中は落ちつきなく歩きまわっていた。
空が曇っているのを気にしているのは田中一人だった。
武田はギターを弾きながら鼻歌を歌っている。
林は転んだときに割れた爪を気にしていた。
窓の外を見ると、とうとう雨が振り出していた。
(ああ、これから下山するのに……)
登山初心者の田中はびびりまくっていた。
食事登板の森野がラーメンを作って戻ってきた。
「前菜だ」
そう言って森野は、田中にソーセージをくれた。
田中はソーセージを頬張りながら呟いた。
「ママに電話しておかなくっちゃ!!」
田中は『マザコン田中』と呼ばれるようになった。
次のお題「リモコン」「サンダル」「お香」
262 :
261:2001/08/11(土) 01:15
八行目:食事登板→当番
逝ってくるねー。
263 :
「リモコン」「サンダル」「お香」 :2001/08/11(土) 01:23
「鬼太郎、しっかりするのじゃ!」
お父さんが風呂敷・・・じゃなくてアタッシュケースを開くと、リモコン下駄
ならぬリモコンサンダルは、妖怪バグに向かって飛んでゆきました。
「ぐわぁーん!」
妖怪の正体は古い大型汎用機のバグだったのです。妖怪バグを丁寧に葬り
お香のスプレーをひと吹きして、二人は都市の雑踏にまぎれてゆきました。
「おばけのポストに、e-mail打てば・・・」
今日もWindowsに住む虫たちが、ゲゲゲの唄を唄うのです(要サウンドカード)。
※半分寝ながらで恐縮です^^;
次のお題:「サンダル」「銀河」「トイレ」
264 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/11(土) 07:05
「サンダル」「銀河」「トイレ」
私はゆっくりと銀河を見つめていた。
銀河は渦を巻き、中心はブラックホールでもあるのか、全ての
ものを吸い込んでいる。青白い筋が、中心をめがけて渦巻いている。
そして私は目を閉じる。
銀河宇宙旅行もまだまだ終りの気配はない。これまでと同様に、
これからも長い旅が続くのだ。
私は、銀色の宇宙スリッパを履いた自分の脚の先に目を落した。
この旅行のために、妹から贈られたものだった。
ドン、ドン、ドン
その時突然、物音がした。敵の襲来に違いない。私は身体を
強張らせ、戦闘の準備を整えた。
「さっさと、でてよ! お兄ちゃん、トイレ長すぎるわよ」
うぬ、妹の声か、そう私は呟くと、しぶしぶお尻を拭いて、ズボンを
引上げるのであった。
次、「朝」「ホッチキス」「くらげ」
265 :
「朝」「ホッチキス」「くらげ」:2001/08/11(土) 08:42
会社につくと隣の席の小島がにやにやしながら声をかけてきた。
「鈴木さん、俺ね、朝、となりにくらげがいたんだよ」
小島はここしばらく忙しかったからキテルみたいだった。
「へへへ、それでね、くらげがふにゃふにゃおどりやがるからさ
ホッチキスでとめてやったんすよ」
小島は手にした業務用の大きなホッチキスを俺に見せた。
赤い血のような物がこびりついていた。
そういえば、ちょっと先の事務机のあたりにも同じようなものが散乱してついている。
「小島・・・くらげの血は赤いのか?」
「赤いくらげもいるんすよ、俺、はじめてしったんすよ」
げらげらわらいながら小島は、今出社してきた別の同僚に顔を向けてまた同じ話を大声でしはじめた。
いつのまにか側に来ていた田中が俺の方を少し小突いて、ロッカー室を指差した。
「昨日、うっかり洋子ちゃんが残業しちまったらしい」
「ったく、社長の息子だからって余分な仕事ふやすんじゃねえよ」
俺はため息をつくと、田中とロッカー室へむかった。
#次のお題は、「金縛り」「悲しみ」「金切り声」 でどうでしょ
266 :
、「金縛り」「悲しみ」「金切り声」:2001/08/11(土) 09:35
「こんな言い方、ひどいと思うけど・・・」
悲しみにくれる彼女に、先生は言いました。
「あなたは利用されたのよ!」
テレビそのままのセリフがこんなに快感だったなんて・・・
予想外の快感と義務感に、先生は金切り声をあげました。
「そうかもしれない」彼女は思いました。
開け放された入口に、金縛りにあった様にじっと立っていたあの人。
あの人は「ドア」として利用されていたのかもしれない。
CDの穴に指さして回しながら歌っていたあの人は、もしかして
CDラジカセとして利用されていただけなのかも・・・
そして。
ああ、そして歯が丈夫な私は、栓抜きとして利用されていただけなのかも?
そういえば、家に着くと必ず三ツ矢サイダーの瓶が机の上にありました。
ワクワクしながら、歯で栓を抜いてくれと頼まれた日々を思い出すにつけ
彼女は人間の価値について、考えずにはいられませんでした。
何かがおかしい、もしかして。
※朝からこんな事かいてて・・・
次のお題:「土曜日」「土星」「腐葉土」
267 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/11(土) 13:14
土曜日になると朝早くから野菜づくりなどの庭仕事をするのが
父の楽しみだ。
会社に行く日には、起きてすぐ身だしなみを整え、
朝の食卓では緊張感さえ感じさせる面持ちで
経済新聞を読んでいる父だった。
それが土曜日には、目がさめるとパジャマのまま
庭に下り、サンダルばきでそちこちとさまよう。
あちらではしゃがんで腐葉土をほじり、こちらでは支柱を立て直す。
土や葉がひっついたパジャマのまま朝食の食卓につき、
トーストをかじりながらも、庭の方を見て考えこんでいる。
食事が終わればいよいよ一日の仕事の始まりだ。
父は農作業服に着替える。
タオルを首にまく。麦わら帽子をかぶる。長靴をはく。
父は青々しい茂みの中にかがみこんで熱心に働いている。
父の姿は見えない。
ただ麦わら帽子だけが青い葉の波の上に現れた。
青葉の宇宙に浮かぶ土星のように思えて
私はしばらく目がはなせなかった。
お題「歯」「血」「エイズ」
268 :
よいしょっと!:2001/08/11(土) 14:08
「こいつが、完成体のウィルスです。」
青白い顔をした若い研究者が、厳重に封をされたガラスアンプルを差し出した。
「感染力はインフルエンザウィルスに匹敵。致死率はエボラウィルス並。さらに、こいつは
生殖器官と眼球に好んで駐留するので、その恐怖はエイズウィルスに勝るでしょう・・。ククク。」
研究者は歯を見せて笑った。ヤニのついた黄色い歯を見せて。
「わかった。研究は成功とみていいな。こいつを、北京上空にばら撒く。例の日までに量産は可能か?」
軍服を着た男が、研究者に尋ねた。男の階級がかなり高位にあることが、軍服の徽章からわかる。
その徽章は大佐を表していた。
「もちろん。わが国の技術力と底力に、世界は目を見張るでしょうな。クク。なにしろ、連中は
まったく血を流すこともなく、日の当たるところに出てきて、ばたばた腐り死ぬのですから。
ヒャヒャヒャ・・。」
「よし。楽しみにしているぞ。」
2008年。北京上空に高濃度の新型ウィルスがばら撒かれた。
このウィルスにより、北京じゅうのネズミというネズミがウィルスに感染し、白日のもとにその死骸をさらした。
「ネズミ駆除用B剤は成功ですぞ、大佐。これで北京は世界で一番清潔な都市になります。」
「そうだな。」
「しかし、大佐、ネズミが駆除されたことで、ゴキブリの異常発生が報告されていますが。」
「アイヤー!!それを忘れていたアルー!」
大佐は大きな声を張り上げた。・・・・北京五輪開幕まで、あと70と4日・・・・。
#次、「粗製濫造」「設備」「レッドアラート」
#蒼薔薇のレェス氏、元気すか??
270 :
「粗製濫造」「設備」「レッドアラート」:2001/08/11(土) 14:42
「地球も限界だと思うんだよね。
人類そのものの粗製濫造で
今の世界には本当に生きる価値のある奴なんていやしない。
実際、人口ってもう一杯一杯じゃん?
温暖化や新種の奇病発生のなんかのレッドアラートが
鳴り響いてるのがそのいい証拠なんじゃない。
だからさ、優秀な人間を作る為に妊娠・出産は‘許可制‘に
すればいいと思うわけ。
その為の施設や設備、人件費に税金を払うなら
惜しいとは思わないよ。
道路穿り返すお金に使われるくらいならそっちのほうが
百倍マシだって思わない?」
*お題は「斧」「クレーン車」「渦巻き」でお願いします。
271 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/11(土) 16:52
依頼人が暗号らしき文章を読み上げた。
「斧とクレーン車から渦巻きが生まれた」
うーん、分からない。私にはまるで無意味な文章に思えた。
「ちょっと拝見」
金田一先生は文章が書かれた紙片を受け取り、しげしげと
見つめていたが、いきなり爆笑して皆を驚かせた。
「いや、し、失礼。あんまり簡単な暗号だったから・・・・・・」
「それで、いったい、どういう意味なんです」依頼人が詰め寄った。
先生が説明した。
「この文をよく見てください。いいえ、意味じゃない。文字の形を
見るんです。「斧」、クレーン車の「車」、「渦巻き」の「巻」を
見て、お気づきになったことはありませんか?」
「斧という字は「父」と「斤」という字で出来ていますね」
「ああ、それじゃ、巻という字には「己」つまり「おのれ、自分」が
含まれている。」
「車という字には「田」「早」「中」・・・・・・。しかし意味が通じない」
先生はニヤニヤしながら、
「文字を横にして御覧なさい」
私は頭の中で車という文字を横にして考えてみた。
「母! 車という文字には「母」が隠れている!」
「そうか、つまり「父と母から自分は生まれた」という意味なのか!」
「でも、先生! 一体これはどういう意味なんですか」
そのとき質問に答える金田一先生は、暗い目で遠くを見ていた。
「そう、それが問題なのです。この暗号を残した人物の
恐らくは出生に関わる秘密が隠されているのです」
272 :
271の続きをどうぞ:2001/08/11(土) 17:28
金田一先生は指でバリバリと髪の毛を掻き毟った。
もともと櫛の通っていない先生の髪はますます乱れた。
「ああッ、ぼ、ぼ、僕は愚かだった。あんまり簡単に暗号が解けた
ものだから、安心して、それ以上の追求をやめてしまった。
車という文字にはもう一つの形が隠れていたのです」
しかし、あの時、隠された文字はすべて検討したはずではないか。
それとも、検討して捨てた文字に含まれる真実の意味を見落としたのだろうか。
「き、君、漢字じゃなかったんだ。隠されていたのは記号だったんです。
車の中に含まれていた母の字は横倒しだ。これは何を意味するでしょう。
横倒しになった母の字。倒された母。ここから当時の母親のおかれた
事情というものを読み取れはしないでしょうか。」
「それでは、「父と倒された母から自分は生まれた」ということに
なるのか」
先生は髪をさらに掻き毟って声を高めた。
「違う、違う、それこそ犯人の思うつぼの結論です。そうやって
母親の方へ、母と呼ばれる人の方へ皆の関心が集まれば集まるほど、
犯人は安全な圏内に逃れることができるのです。そうではないのです」
「じゃ、どういうことか、説明したまえ」警部が怒ったように言った。
「車という字に記号が隠されていたのです。それは「♀」でした」
「♀!」
「♀とは雌を現す記号です。この人物は母と呼ばれる人から
生まれたのではなかった。一人の女性、名前も定かではない女性の胎から
生まれたのです。そしてその出生の時、母と呼ばれる人は
重大な打撃を与えられ、打ち倒されていた・・・・・・」
273 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/11(土) 17:35
271、272
お題「バラバラ」「浴室」「高速」
痩せるためにパラパラの練習。
ディスコで踊るためじゃない。
さいきんはクラブというらしいが、三十代の私には関係ない。
だけど家族におなかの肉が揺れているのを見られるのは恥ずかしい。
こっそり浴室でやる。
もともと長風呂ではないので、高速でやる。
次「マッサージ」「ため息」「缶蹴り」
275 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/12(日) 01:18
道端に落ちてた缶を蹴っ飛ばしたら、
ハイヒールがぽきりと折れて、足をくじいてしまった。
お風呂に入りながらマッサージをしたが
どうにも痛みはひかず、出るのは溜息ばかり。
靴もダメ足もダメでどうしよう。
明日、面接なのに。
次「りんご」「蜘蛛」「ジュース」
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/12(日) 02:28
私は蜘蛛女。
りんごジュースが大好き。
次「石鹸」「遠慮」「ホームラン」
277 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/12(日) 03:26
野球が好きだった。
だけど、皆でやる野球は好きじゃない。
僕はいつも一人で野球をやる。
連戦連勝。僕の野球人生に負けという二文字はなかった。
ある時、思った。
どうして、ボールなんだ? 別に石鹸でもいいじゃないか!
思いついた途端、僕は風呂場からミルク石鹸(牛の絵が描いたヤツだ)と
持って自分の部屋に行った。
ここが僕のフィールドだ。
ボールを投げるマシーン(名前は決めていない。あえて言うなら
「負けっぱなしピッチャー」ってところだ)に、石鹸を入れた。
石鹸は僕の手のひらから、すると落ちていった。
僕はバットを持ち、ホームラン宣言をする。
「真剣勝負だ。遠慮はいらない」言ってやった。
負けっぱなしピッチャーが、歯軋りをしたように思えた。
ぎぎぎ…という機械音とともに、負けっぱなしピッチャーが
動き出した。
しゅっ、と石鹸が目にもとまらぬ速さで投げられた。
「なに!!」
僕は叫んだ。
そして、苦痛に顔を歪めた。
振ることのできなかったバットを放り投げ、額に手をやった。
審判役も兼ねている僕が、言った。
「デッドボール……!!」
なるほど!
石鹸はボールには、不向きだ!!
次「焚き火」「コピー」「森林地帯」
278 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/12(日) 07:20
「焚き火」「コピー」「森林地帯」
木下が目を覚ました時、目の前に広がる光景に驚愕した。
「な、なんなんだ」
そこは果てのない森林地帯だった。もちろん遠くを見渡すことなど
できない木下であったが、なぜか、無限に広がる森林に己がいる
ことを本能的に察知していたのだ。
「ここは、一体……」
木下は懸命に思い出そうとしていた。そう、ここに来る前に一体
何をしていたのかと。頭に覆い被さる木の葉は木下をますます
苛立たせていた。
「もしかして……」
木下は少しづつ状況を把握していた。そう、これは秘密のWEB
サイトで入り込んだバーチャル空間のコピーではないか。
そう思い当たった時、木下は微かに漂う匂いに気がついた。
匂いを頼りに木下は草木を押し分け進んでいった。10分ほどして
パチパチと音がし煙が上がっている場所を認めた。
用心深く歩を進める木下の眼で焚き火の日を見とめた時、
木下はようやく事態を把握した。
「ああ、学校の夏季キャンプに参加していたんだ」
つづく
#「蟻」「真空」「ほのぼの」
279 :
sage:2001/08/12(日) 12:41
大掃除で、物置からテレビが出てきた。
最初、ぼくはテレビだと気がつかなかった。
ブラウン管がとても小さくて、長い脚が4本のびている。
何かの家具に思えたのだ。
スピーカーの前のところが布張りで、とても古びている。
ほこりを拭うと、木の表面は手ざわりがよい。
見物していた健司叔父さんが、白黒テレビだよと言った。
白と黒にうつるテレビだそうだが、何のことかわからない。
そのうち、叔父さんがテレビの裏をあけて、中をのぞいた。
「いっぱい真空管を使っているなあ。」
叔父さんは沢山の真空管をテレビから抜きとった。
そのうち何本かをぼくに渡し、
「来い」と言った。
地面をセメントで平らに固めた場所に連れて行った。
叔父はいきなり、セメントに真空管を投げつけた。
ビシッ
と鋭い音がして、真空管が破裂し、白い煙が立ち上った。
ビシッ ビシッ
叔父は次々と真空管を地面に打ちつけた。
ぼくもまねをした。
ちょうど、セメントの上を蟻んこの行列がたどっていた。
「爆撃だ」
ビシッ ビシッ
ガラスの破片が蟻んこに飛び散り、小さな白い煙が立つ。
ほのぼのとした煙だなあ、とぼくは思った。
280 :
sage:2001/08/12(日) 12:58
279
お題「系譜」「羊羹」「微笑」
281 :
「系譜」「羊羹」「微笑」 :2001/08/12(日) 23:19
土砂降りの夏の夜。伯爵は異様な微笑を浮かべ、決り文句を言いました。
「フッフッフ、ようこそ我が館へ」
目隠しをとられ、引きたてられた部屋は、一面が漆黒の応接間でした。
「お、おうちに帰して下さいっ(; ;)」
座らされたソファーが、異様な音をたてた様な気がしました。
「こ・・・これは!?」
「そう、この館は全て羊羹でできている。羊羹建ての洋館なのだ^^」
「・・・こんな冗談一つのために^^;」
「静かに歩いてくれないか。その床は虎屋の羊羹でできているのだ。」
「かわいそうなお方(涙)」
「遺伝なのだ、これが、わたしの系譜なのだぁ;」
伯爵の咆哮が洋館に響き、羊羹の小豆を揺るがすのでした・・・
※あ、ありがち・・・^^
次のお題:「微笑」「石焼きイモ」「クローン人間」
282 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/12(日) 23:57
「微笑」「石焼きイモ」「クローン人間」
その石焼きイモ屋は、いつも微笑んでいた。
微笑んでいると言うよりも、ニタニタ。いやニヤニヤしているという感じかな?
それは、僕たちにとって気持ち悪くも感じたし、格好のからかう相手でもあった。
「やーい、クローン人間、クローン人間!」
僕たちは、その言葉の意味も知らずに、その石焼きイモ屋をはやしたてた。
でもその男も意味がわからないのか、あいかわらずニヤニヤしているだけだった。
もしかしたら、どこか頭がおかしいのだろうか?
それを遠くから見ていた僕たちは、みんなで顔を見合わせて笑った。
僕たちは、そっくり同じ顔をしていたし、その男も同じ顔をしていた。
女性という種別の人間が死んでから二百年たった今、世界中の人は同じ顔をしているのだから。
それは、当然のことだった。
#「ワイン」「耳かき」「口臭」
283 :
sage:2001/08/13(月) 01:30
男がソファからずり落ちた格好で、足を伸ばしてテレビの野球を
見ている。
私はソファの上でひざを丸めて、男の頭を後ろから眺めている。
いい加減酔ってしまった。
耳かきで耳垢を取るのにも飽きた。
気になっているのは鼻の奥の異物だ。かなり大きそうなやつだ。
男は野球に見入っている。振り向きはしないだろう。
私は耳かきを鼻腔から進入させ、そろりそろりと異物をかき出す。
見たこともないような、でっかい鼻くそだ。
ちょっとの間、しげしげと観察してしまう。
黙って指でまるめていると、男が
「ねえ、オレの耳も掃除してよ」
と甘えてくる。
耳かきを指先で拭く。それだけでは男に悪い気がして、
飲みかけの赤ワインのグラスに耳かきの先を漬けて、消毒したつもりになる。
男の頭を膝にのせる。ワインくさい口臭がする。
男の耳垢をほじくる。
鼻くそはまだ掌の中だ。
下品ですまない。
お題「ぶどう」「眼鏡」「自転車」
284 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/13(月) 02:00
「ぷはっ 何だそりゃぁ」
男が他愛ない無邪気な顔で笑った。
私の顔がそんなにおかしいらしい。
私も冗談のつもりだったから、一緒になって笑った。
男の笑顔がしんそこ楽しそうなので、私も楽しくなった。
どれどれ、そんなに面白いのか、と鏡をのぞきこんだ。
変った眼鏡だ。
ぶどう色のフレームの自転車型の眼鏡。
二輪のタイヤの輪の部分にレンズが入っていて、
なんだか本当に愉快そうな私の目がそこから見ていた。
お題「名手」「ドア」「遺伝学」
285 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/13(月) 04:42
>>281さん
羊羹にしようか洋館にしようか変換のときに迷ったんですが・・・・・・
286 :
「系譜」「羊羹」「微笑」:2001/08/13(月) 13:28
>>285さま
実は、ふと「洋館の廃材利用の洋館」とかも思ったのですが・・・
恥かしくなってやめました。不味そうだし^^;
287 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/14(火) 08:40
遺伝学の発展も、それを支える様々な技能の名手なしには、
その扉を開くことはなかったであろう。
お次は、「へた」「みぞれ」「寿司」でどうでしょ。
288 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/14(火) 23:29
「まるでだめだ!」
俺は手にした原稿を力いっぱい、床に叩きつけた。
原稿はその勢いで、流れるように床を滑る。
「どいつもこいつも、へたの横好き、自己満足のレベルにすら至っていない。構成も、設定も、心理描写も、修辞も、題材までもが、陳腐で無粋で不恰好で退廃的、まったく話にならない!」
俺は思わず叫んでしまった。すると、隣のデスクでちらし寿司を食っていた吉岡が、興味深げにやってきた。
「どったの? 加賀チャン。そんな大声出してさ。」
「どうもこうも無いですよ、吉岡さん。この内容じゃあ・・・・。クイズコンクールの応募作品なんですが。」
答えるのも面倒だったが、俺は吉岡に合わせ、状況を説明した。
「ふーん・・。」
そう言うと、吉岡は手近にあった応募原稿を読み上げた。
「なになに・・?『レストラン雷』だと?・・・えーと。
『レストランかみなり、ここのメニューは変わっています。
雨は、飴が出てきます。みぞれは、かき氷が出てきます。吹雪は麩と蕗(フキ)が出てきます。
では、あられは、何が出てくるでしょう?』・・・・あられはあられだろう?米菓子の。」
「答え見てください、吉岡さん。」
「おう、・・・・・『答え:少女型ロボット』・・・・・。」
吉岡さんは、その精神を吸い取られたかのように、動かなくなってしまった。
289 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/14(火) 23:33
next! 「蟷螂」「橋脚」「重要文化財」
290 :
「蟷螂」「橋脚」「重要文化財」 :2001/08/15(水) 15:54
宇宙暦0123.88
突如巨大化した重要文化財が、京都の四条大橋に集結!
巨大仏像、巨大掛け軸等、その総重量は橋脚をも脅かしつつありました。
さしものフェーザー砲も、相手が重要文化財では蟷螂の斧というかどうする
事もできません・・・
そこに窮余の策として呼ばれたのは・・・
玉虫の厨子マン!
玉虫ビーム、スイッチオン!
超巨大化したウルトラ国宝には、重要文化財も降参だ^^
ありがとう、宮内庁。
※「巨大生八つ橋対巨大たこ焼き(レフリーはひよこ)」は自粛・・・^^;
次のお題:「林間教室」「あやまち」「COBOL」
291 :
林間教室」「あやまち」「COBOL」 :2001/08/16(木) 12:43
「はい、次の人COBOLについて説明してください」
目の前のむさくるしい男が視線もあげずに俺に問う。
「すいません、わかりません」
俺はつくづく、あやまちをおかしたことを後悔した。
「IT授業を避暑しながら軽井沢で」なんて甘い言葉につられてくるんじゃなかった
受付嬢がいくら美人でもここまでくるわけではないのだ。
あと一週間、折角の夏休みがここで終わる。
#次は「炎天下」「野球」「かきわり」でどうでしょ?
292 :
291:2001/08/16(木) 12:44
すいません、林間学校いれそこねました。
無効にしてください。
290さんの御題の
次のお題:「林間教室」「あやまち」「COBOL」
でどうぞ。
293 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/16(木) 14:49
私が林間学校に行っている間に、世界はあやまちを犯した。
無数の核弾頭が世界中に降り注ぎ、私の知る世界は崩壊した。
両親の亡骸さえ見ることが出来なかった私に待っていたものは、
地獄さえ生やさしいと思えるような日々だった。
そして、50年、人類はCOBOLをつかって簡単な業務アプリが
書けるぐらいにまで、その文明を復興することが出来たのだった。
プリントアウトされた戦没者名簿の中に、両親の名前を見つけたとき、
私はプリンタ用紙の束に埋もれるようにして、いつまでも泣き続けた。
294 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/16(木) 14:50
次は291さんの
「炎天下」「野球」「かきわり」
でお願いします。
295 :
パカポン:2001/08/16(木) 15:36
「炎天下」「野球」「かきわり」
野球には唯一、全力疾走をしなくていい時間がある。
時間の流れを独り占めする権利。
それは白球をスタンドに叩き込んだものだけに許された特権だ。
おれは今、ゆっくりとベースを回っている。
炎天下にそびえるアルプススタンドから拍手の波がおれの背中を押す。
三塁ベースを軽くかかとで撫でる。
もうすぐ、この短くも至上の旅が終わる。
ホームにはベンチから飛び出した仲間が輪を作っている。
「サヨナラ」という単語をこんなに晴れやかに使う人種が、
野球人のほかにあるだろうか。
その時だった。
バカでかいかきわりを担いだ300人ばかりの大道具さんが
舞台袖から・・・どーすりゃいいんだよ。
次。
「炎天下」「野球」「かちわり」で。
296 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/17(金) 10:50
久々に復活した野球拳。
第一回は炎天下の38度となってしまいました。
「ディレクター、最初から脱いじゃいけませんかー^^;」
「それじゃあ番組あっという間におわっちゃうだろ!」
「あ、ADさん、かちわり・・・ずるい!」
こうなったらわざと負けるに限る。
負けたら、とにかく大きなものから脱いでしのごう・・・
そこで気づいたのです。
ジャンケンでわざと負けるのは、勝つのと同じ位難かしいことを!
わざと負ける事も勝つこともできない・・・
炎天下の甲子園球場、彼女は偶然にもジャンケンが「神託」である事
を悟ったのでありました。ああ、暑い。
※チョコレート(白象印の)が車の中で液状化してました;
次のお題:「夏休み」「リゾートホテル」「村役場」
297 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/20(月) 10:57
田舎へ行けば行くほど、あたりで一番立派な建造物が役所だ、ということは多くなる。
私のつとめる村役場も、例に漏れず、村中で一番立派で壮麗な、白亜の鉄筋建造物である。
観光地とそう離れていない割には、粗末な民宿しかないこの村で、毎年夏休みシーズンともなると、
若者がリゾートホテルと勘違いして、いく組も乗り付けてくるのだった。
「あのォー、予約してないんだけど、泊まれますよね、彼女が疲れちゃってて」
ここが村役場であることを告げると、中には「そこを何とか」とごねる若者もいる。
無理なものは無理だ、と断り続けると、最後には
「てめぇ、誰の税金で給料もらってんだよ、サービスしろよ、村長出せよ」
毎年夏の、ウンザリするぐらい、ほのぼのとした情景である。
298 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/20(月) 10:59
次のお題は
「カニ」「氷枕」「モミジ」
でお願いします。
299 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/20(月) 18:00
「カニが食べたい」と彼女が言った。
だから僕はカニの入ったスーパーの袋をぶらさげて、
彼女の部屋にやってきた。
「ありがとう。ワガママ言ってごめんね」
「別にいいけど。それより、熱は下がったのか?」
「ん・・・、まだみたい」
「氷枕ぬるくなってるよ。かえよっか」
僕は彼女の頭のしたから茶色いゴムのぶよぶよを引っ張り出し、
大事に抱えながら台所へ立った。
普段はとでも気が強くて、人に頼ることを極端に嫌う彼女。
一昨日の喧嘩の時には平手が飛んできて、
僕のほっぺたにはモミジのような赤々とした跡がくっくりとついた程だ。
その彼女が弱々しい声で電話をしてきたと思ったら、
第一声に「カニが食べたいの」と来たもんだ。
病気になると人恋しくなると言うが、
彼女にしてもそれは例外ではなかったようだ。
僕は冷凍庫から取り出したアイスの塊を砕きながら、
振り向かずに彼女に聞いた。
「ねえ、カニはどうやって食べる? 茹でた方が消化にいいよね」
返事はない。僕の背中に彼女の規則正しい寝息が届いてきた。
氷枕にタオルを巻いて、彼女の頭の下に敷く。
「茹でたやつ。マヨネーズをつけて食べたい」
彼女はうっすらと目を開け一言呟くと、また眠りについた。
僕は彼女の意外な一面を愛おしいと思いつつもそれは口に出さず、
カニを茹でるための湯を沸かしに再び台所に向かった。
---
次のお題。「海苔」「葬式」「ハイヒール」
300 :
「海苔」「葬式」「ハイヒール」:2001/08/20(月) 19:58
海苔の生産くらいしか産業がいあいという、超過疎の漁村。
葬式の準備中に、村長さんが、言いにくそうに切り出しました。
「あなたのお母さんが、死んだお父さんの遺体を海底まで運んで
ほしいと言っている。説得してくれないか?」
さらに村長さんが愚痴るには
「なぜか、死体にはハイヒールで踏まれた跡がある。誰のだか・・・^^;」
回想シーンをはしょって息子は答えました。
「僕は父を海底まで送り届けますよ、村長さん。訳があるのです」
「ん!?」
「そのハイヒールの跡は母のものです。母は・・・乙姫さまなのです!」
なんと父が浦島太郎だったとは(驚)
聞いたところ、ハイヒールにビキニが乙姫様の正装だとか。
もと浦島太郎だった男は、無事、竜宮城に届けられ再生されました。
遠くから何人もの村人が集まり、これに加わりました^^
彼らは今も竜宮城に行ったきりで、村は廃村になったということです。
※竜宮城って・・・父がかわいそう^^;
次のお題:「夏服」「そよ風」「宿題」
301 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/21(火) 10:01
「そろそろ夏服に」
「そうね、もういい頃よね」
アゲハの姉妹は、ずっと着たきりで薄く透き通ってしまった冬服を
頭のほうからパリパリと、少しずつ脱いでゆきます。
「たいへん、新しい服がすこし湿っているし、しわになっているわ」
「だいじょうぶ。そよ風が乾かしてくれるもの」
しばらく後、姉妹がふわり、ふわりと舞っています。
なんてかわいくきれいなんでしょう。すぐにでもすてきな恋が訪れそうです。
ガサガサガサ、ぶんっ!ばさっ!
「やったー!標本ゲットだぜ!」
哀れ姉妹は小学生の夏休みの宿題になってしまいました。
次は「まぐろ」「電話」「バイク」でお願いします。
302 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/21(火) 11:39
「何よ、給料日にマグロの刺身くらいが何だっての!?」
安アパートのドアをバタン! と大きな音を立て、妻が帰るなり言った。
「あぁ、おかえり」
返事もせず買い物篭の中からバサバサと、モヤシやらキューリやらを
取り出して冷蔵庫に行く妻。
スカートから見える膝は黒く薄汚れていて、僕はそっと目をそらした。
「スイカ、買ってきちゃった。割れ物で安くなってたから」
ザックリと赤い傷口を覗かせたスイカに包丁を入れる。
シャリシャリという音、時々種を吐き出す音。
ヂリリリリリーン ヂリリリリリーン
電話が鳴る。
「はい、佐藤でございます。……あぁ、お母さん?」
妻の口調が暗くなった。
「……ええ、大丈夫よ。高志さんも来月から職場に戻るんだから」
「……そんな勝手ばかり言わないで! 大丈夫よ。まだ貯金もいくらかはあるし」
最後まで聞けずに、僕は家を飛び出した。
ゴム草履を裸足の足にひっかけ、足を引きずって歩く、髭だらけの僕。
アスファルトが熱い。
夏休みの子供達の歓声が、公園から聞こえてくる。
ハッと気付くと、アパートの駐輪場で、僕はバイクのハンドルを握り締めていた。
誰のかも分からない、薄汚れたバイク。僕にはお似合いだ。
暑さでぼうっとした頭で何気なくまさぐると、キイがついていた。
ひねる。エンジンがかかる。ギアを入れる。
僕はこのバイクで現実世界から飛び出すんだ。
・ 長くなってゴメソ。次のお題は
「小さな手」 「猫の鳴き声」 「恋愛感情」 でお願いします。
「あそぼ」
茜色に染め上げられた天偶が影を伸ばし、声の主を覆い隠している。
「誰?」
問いは、だが中空に吸い込まれた。
「あそぼ」
夕日と同じ色の着物の少女だ。
「誰なの?」
少女は一歩踏み出した。そして、小さな手を差し出す。
「あそぼ」
もう一歩、少女は踏み出す。
ふと、どこかで猫の鳴き声がした。そして、そちらに気を取られた瞬間、その少女は泡沫のように消えていた。それから日が暮れ切るまで、四隣を探し回ったが、結局見つけられなかった。今思えば、それは恋愛感情に近いものだったのかもしれない。
それは、揺籃時代の不可思議な思い出だった。
久しぶりに田舎に帰って来て、胸の中の憧憬と、実際の風景の較差に戸惑いを覚えてか、忘れていた思い出が蘇ったのだろう。そして、自然と足が進んでいく。
駅を出て、畦道を通り、森を抜け、川辺へ出る。
「あそぼ」
そこには朱色の少女が居た。
次は「ブラセボ効果」「ドップラー効果」「サブリミナル効果」で。
304 :
「ブラセボ効果」「ドップラー効果」「サブリミナル効果」:2001/08/21(火) 18:05
明日の運動会が、自殺したいほどイヤな二人。
もちろん「なにもこんな理由で自殺しなくても・・・」なので
二人はプラセボ効果を使う事にしました^^
「このビタミン剤を青酸カリだと信じて飲むと・・・;;;」
「し、死ぬの!?」
「もちろん死なないけど・・・1日くらい仮死状態になるかも」
二人は「これは青酸カリだから」と、ビタミン剤を飲みました。
ついでに、ビデオの一時停止と再生を使って、サブリミナル効果
で火曜サスペンスの自殺シーンも見ました。
すると、ドップラー効果の実験のように高音低音が・・・!?
「どうなってしまうんだろう」と不安な二人。
翌朝。ビタミンで二人は、元気になってしまいました^^;トホホ
※台風くるのにこんなこと(笑)
次のお題:「斧」「琴」「菊」(古い!)
305 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/21(火) 23:34
「斧」「琴」「菊」
をおっ! 犬が三毛の一族!
あっ、これはたんなる感想ですから、無視してください。
306 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 06:40
僕は琴を弾く母の姿が好きだった。この時代にしては慎ましい、物静かで
和服ばかりを好んで着るような女性だった。うちの家系というのは、代々
音楽で飯を食ってきたようなもので、当時も家族全員はもちろんのこと、親戚すら
何かしら音楽に携わっていた。
そしてある日地元の夏祭りを機会に、親戚一同久しぶりの飲み会をした。
やはり仕事の音楽の話で盛り上がっていて、まだ中坊だった僕には正直
つまらなかった。その場から抜け出したくてきょろきょろしていたところ、
一番しゃべりたくないやつに声をかけられた。父方の叔父だ。飲みすぎで
すでにできあがっていて、口をだらしなく開けたまま薄笑いしてるかと思えば
突然僕にこう言った。
「よう、おまえトランペットうまいらしいな。今度聞かせろよ。まあ、
家名を落とさないようにがんばれや。俺の声にはかなわんけどな、ははは。
ああ、でもおまえの母ちゃんみたいになっちゃー駄目だぞ。琴なんて今時古いん
だよ。あんなんできたって何の自慢にもなんねえからな。」
それまでワイワイ飲んでたみんながみんな一瞬にして青ざめた顔になった。
「あ、あんた・・・。」酔っ払いの奥さんが何か言いかけようとしたその時、
僕の母は静かに口を開いた。
「確かに、琴なんて今時古いですわね・・・。でも、あなたにはわからないん
ですか。琴の音色は斧のようにも菊のようにもなりえるんですの。私はそこに
惹かれたんですのよ。」正座したまま顔色1つ変えずに、むしろ穏かにそう
言った母とは反対に、叔父は不意をつかれたのか、ただおどおどと畳に転が
っているおちょこを握り締めた。
僕は今20代のただの会社員だ。音楽の道へは進まなかったけど、今でも琴の
ことを、亡くなった母のことを忘れることはできない。母という人は、
見た目は菊のようにたおやかな人だったけれども、実は内に斧を秘めた人
だったのかもしれない。ものを力強く切ってしまうような、そんな鋭さを
秘めた・・・
子守唄のように聞いてきた母の琴の音を、しばらくうっとり思い出してひたっていた。
「こら新米、ちゃんと働けよ。」はっ。僕は部長の声で我に帰り、あわててパソコン
に向かったものの、その後もどこか母の面影に心を奪われていた。
P.S場面は思い浮かぶものの辛かった〜。もっと勉強しに逝きます。
金田一だったのか。知らなかった・・・
次のお題は、「トランプ」「りんご」「太陽」。ヨロシコ。
307 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 06:42
しまった。15行どころか・・・。鬱だ。さらに逝って来ます。
308 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 09:44
おじいちゃんの法事の日。子供は広い座敷に集められて、トランプしながらお経が終わるのを待つことになった。
わたしが一番年上かなと思っていたら、もうひとつ上の子がいた。
お母さんは「あの子はみんなに会うのははじめてだから、仲良くするのよ」と言った。
その子は、何度注意しても配られた札を全部みんなに見せてしまう。ババ抜きも七並べもできやしない。
おまけにべろべろなめる。べたべたになったのを、りんごみたいに赤いほっぺたに貼り付けて笑う。
それを小さな子たちがマネする。雑誌のフロクの紙のトランプはもう、みんなのよだれでぶよぶよだ。
アタマきた。お母さんの言ったことなんか頭から飛んじゃって、言ってやった。
「バーカバーカ!トランプできないの?あたしより大きいくせに」
ふすまがすーっと開き、おばさんが入ってきた。怒られると思った。でもおばさんは黙ってその子を連れて行った。
わたしも黙ってトランプを片付けた。まもなくお経が終わって、みんなでスイカを食べた。
縁側で、トランプを乾かした。一枚ほっぺたに当ててみた。太陽であったまってた。
次は「カーテン」「時刻表」「ギャンブル」でお願いします。
309 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 13:21
ギャンブル好きの夫は、今日も早くから出かけた。
パチンコか、競馬か、私には理解できない。
どうして結婚したんだろう?
「どうして結婚したんだろう?」
1日に何度も何度も繰り返す言葉。
洗いたてのレースのカーテン越しに、琥珀のような
透明な日差しが差し込んでくる。
窓際に立って、小さく見える階下の人たちを眺める。
ふと、本当に突然、田舎の両親を思い出した。
駆落ち同然で逃げ出した娘に、黙って今までの
預金通帳を送ってよこした母。
秋に新米をよこした父。
田舎に帰ろう。そうだ田舎に帰ろう。
私は額にかかる髪の毛をかきあげ、震える指で
時刻表をめくった。
次は 「プラスチック」 「蟻」 「舐める」 でお願いします。
310 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 17:36
僕は家へと続く広い道路を、不規則なジグザグを描いて歩いていた。
熱く焼けたアスファルトの上には、水たまりもなければ
ゴミが散乱している訳でもないし、人も、車も、犬もいない。
ただ、蟻を踏みつぶさないように歩いているだけの事だ。
311 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 17:37
無意味な殺生はできるだけ避けるというのが僕のポリシーだからして、
まさかコンビニまで車で出掛ける訳にはいかない。
4本のタイヤが何十匹もの蟻を容赦なく……なんて、想像するのも恐ろしい。
あまりにも熱いので、買ったばかりのカップアイスを食べながら歩いているが、
こう見えて、1滴もこぼさないように細心の注意を払っているのだ。
甘い滴に蟻が集まって、そこを車に踏まれるといけない。
しばらく歩いていると、アスファルトの亀裂に足を取られている蟻を見つけた。
僕はアイスのついたプラスティックのスプーンを舐めると、亀裂に差し込む。
結果、蟻の救出には見事成功したが、そのスプーンを使うのは気が引けた。
僕は残りのアイスが溶けないように家路を急ぐことにした。
もちろん、蟻を踏まないようにしながら。
次は「マグカップ」「電卓」「ゆうだち」でお願いします。
310-311は続きです。なぜかコピペ失敗ナリ。
313 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 21:22
暗くなっても、灯りをつけないままの家。
わたしはじっとして、ゆうだちの音を聞いている。
窓の外はまだ明るくて、軒先から水滴が落ちるのや、
激しい雨脚がよく見える。
マグカップに入れた熱い飲み物をのみながら、
わたしは静かに耳を澄ます。
会社のオフィスの厚いガラスの内側では、
雨が降っているのが見えても、音は聞こえない。
いつもなら、会社の机で単調に電卓を叩いているはずの時間だった。
無断欠勤がこんなに楽しいものなのか、と感じているわたしの心は、
すでにそのときに会社に別れを告げていたのかも知れなかった。
314 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 22:03
次のお題は?
315 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 22:14
あ お題ですか?
それでは、
「海」「罪」「球」
316 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 23:26
とある夏、ビーチで遊んでいた私達は、とんでもない出来事に遭遇した。
これは、そのときの記録である。
「おい!あ、あれを見ろ!」
「え?」
「海の方を見るんだ! 何かえたいの知れないものが、上陸してるぞ」
「うわあ、バケモノだ。いや、宇宙人だ」
きゃー!
助けてくれー!
その怪物は、大きな頭に三つの眼でこちらを睨みつけ、
小さな足でよちよちと迫って来た。
手らしきものが、左右に三本ずつついていた。
私達は、荷物を背中に背負うやいなや、必死で逃げ出した。
走って走って走り抜いて、なんとか命からがら怪物を振り切った。
私達の一人が、そのときの化物の姿を思い出しながら、
スケッチを残してくれたので、ここに記録しておく。
<スケッチ>
罪 球
球 球
説明 左のおぞましい姿のものが謎の怪物。
右手の三人は、荷物を背負い、手をバタバタさせながら
逃げる私達。
317 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/22(水) 23:34
316
お題「ケチ」「愚痴」「てんこもり」
318 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/23(木) 11:09
居酒屋の座敷にガタイのいい男たちが数人。しきりに愚痴っている。
「オレらって給料安くねえか」
「だよなー。ヨソと比べたら半分以下だもんな。やる気でねえよ」
「ケチだよな。たいした補強もしねーでAクラスなんて無理だよ」
「ケチケチ!親会社ケチすぎ」
「でも試合中に噛むガムだけはいつもてんこもりだよな」
「親会社の商品ね。あれはいいよね」
「おれ、あのガムなかったら生きて行けないかも」
「イシイさんなんか、巨人から来たばっかの頃イッキに噛み過ぎておかしくなったよな」
「やべえ、噛みたくなってきた。明日の試合まで待てないかも」
「やばいやばい」
「帰ろう」
男たちは小刻みに震える手で勘定を済ませ、千葉の街に消えて行った。
次は「赤色灯」「目覚まし時計」「公園」でお願いします。
319 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/23(木) 12:05
その夜、無線マニアの俺は警察無線の傍受を楽しんでいた。
「2丁目公園に爆弾のようなものがあるとの入電中、付近の車輌は急行せよ、繰り返す……」
2丁目公園といえばすぐ近くだ、これは言ってみるとするか。
公園の入口には、既に数台の警察車輌が到着しており、周囲は赤色灯の光で満たされていた。
ヤジウマの人垣もできていたが、俺はそれをかきわけて先頭へ飛び出すと、
5メートル程先の地面には「爆弾のようなもの」が転がっていた。
それはチープなアナログの目覚まし時計と、茶色の紙筒がコードで結ばれた、いかにもな代物だった。
「ばっばっば、爆発するぞ!」
俺は大声で叫んだ。冗談のつもりだったが、ヤジウマ共は悲鳴を上げながら一斉に逃げ出し、
警官達もあわててパトカーの陰に隠れたり、噴水に頭からダイブする者までいた。
そして、静寂を取り戻した公園の真ん中には、俺と「爆弾のようなもの」だけがいた。
あらためて目覚まし時計の盤面を見ると、あと5秒で12時ちょうどを指すところだった。
4、3、2、1……思わず息を止めた。
「ジリリリリリリリ……」
それが、俺が聞いた最後の音だった。
#次は「名刺」「水滴」「頭痛薬」でお願いします。
320 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/24(金) 00:30
正直セールスマンというのは辛しの一言だ。
上から圧力をかけられ、売るのは商品だけでなく僕でもある。
そもそも僕は無愛想なほうで、無理に笑うと釣り針がひっかかったかの
ように口端がひきつってしまうという特技を持っている。
独身住まいのアパートのぼろさにも鬱だ。時雨が降しだした今、したたり
落ちる水滴は部屋の中にすらあいさつをして入ってくる。ははは、雨漏りだ。
とにかく頭痛薬を飲んだ。自分の成績の悪さはうなぎ下がりで、頭痛薬を
お供にさせるようになってしまった。ああ、カプセルでよかった。
粉だけは勘弁してくれ。粉だけは...。
頭痛薬を飲み終えて救急箱に片付けようとしたところ、変な紙切れを
同じ戸棚から見つけた。ん?名刺だ。しかも入社したてのやつだ。
その色あせた感じが僕の若さを物語ってる。ぷ、ばかだなあ。裏に
プリクラなんか貼ってるし、えらそうに「あきらめません、売るまでは」
なんて書いてる。いや〜、若い若い。でも、今はとてもそんな気持にはなれない。
家を包むように降りしきる雨よ、そんな僕だってたまにはいいだろう?
お・だ・い...「チューリップ」「地球儀」「鏡」。よろしく。
321 :
「チューリップ」「地球儀」「鏡」:2001/08/24(金) 00:44
くるくるくるくる……地球儀を回す。
駄々をこねて父から譲り受けた古い地球儀。ロシアはソ連になってまたロシアになった。まだチェコスロバキアや、ビルマと刻まれている黄ばんだ球体。
くるくるくるくる……ガラス戸の向こうのベランダでは、枯れてしまったチューリップが、風に茎だけを踊らせている。
テレビでは、連日の猛暑や台風被害、犯罪、株価低迷、麻薬所持で現行犯逮捕された芸能人、くるくるくるくるくる情報を伝える。
閉じられた部屋の中ではエアコンが程よく効いている。何ひとつリアリティのない空間で、くるくる回る地球儀とチューリップ、そして独り踊る私を映す鏡だけがリアリティだ。私は飽きもせず、ひたすらくるくるくるくる……踊り続けていた。
う…短いっすね。
次のお題:「飲料水」「指輪」「演説」
322 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/24(金) 10:17
「最後に勝利するのは我が国だ!」
大統領の演説がラジオから聞こえる、
彼女は政府の出した「核戦争で生き残るには」というパンフレットをすがるように読んでいた。
飲料水はこれで足りるか?食料は?と不安そうに俺に尋ねる。
なぜ、こんな事になったんだ?
まもなく敵国のミサイルが飛んでくる。俺達のちっぽけなシェルターなんて役に立たないだろう。
俺は彼女に言った
「もう、いいんだよ、側にいてくれ」
「私、怖い、死ぬの?、みんな?」
「いや、何パーセントの確率で助かるかもしれない」
もちろんそんな事はウソにきまっている、でも今はウソの希望でも彼女に持たせたい。
「そうだ、戦争が終わったら渡そうと思っていた指輪、今、渡すよ」
俺は彼女の指にそっと指輪をつけ、そっと抱きしめた。
次のお題「アメリカン」「電気釜」「中国拳法」お願いします
323 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/24(金) 12:38
私は町の電気屋さんだ。郊外の大型量販店に安さでは負けるかもしれないが、
この狭い店内に何気なく並んでいるのも、すべて私がカタログを読みふけり、
厳選した商品だけだ。お客さんの細かな要望にマッチする商品をオススメし、
徹底したアフターサービスを行う。顧客満足度には自信があるのだ。
だが、この景気のせいで売れ行きはさっぱりだった。
数台積み上げたフラットテレビでCS放送をザッピングして暇をつぶす。
たまたま写った中国拳法の演舞をする女性に見とれていると、若者が駆け込んできた。
「あ、いらっしゃいませっ」
「あのぉ、アメリカンな電気釜が欲しいんですけど?」
なんだそりゃ?……しかし「無い」とは言えない。私のプライドが許さない。
私は全メーカーのカタログをひっくり返すとデザインが派手なものを選び、
取り寄せ可能な海外メーカーのカタログと一緒に並べ、若者に熱く説明した。
20分ほどそうしていただろうか、若者は会釈して、カタログを3冊ほど持ち帰った。
彼、買ってくれるといいなぁ。私はブツブツ言いながらテレビに視線を移すが、
もう先程の番組は終わっていた。ちぇっ。
次は「暖炉」「アボガド」「救世主」でよろしくです。
324 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/25(土) 04:49
今日の私って何だかおかしいのかしら。あまり好きじゃないアボガドをさっと
買い物かごに入れたり、この歳になって絵本を買ったり。
もうすぐ4歳になる娘のために買ってきたアボガドと絵本をテーブルにのせる。
「お母さん、なあに、この変な形のもの。」「ああ、それはアボガドっていって
体にとってもいいのよ。後で食べましょうね。」「これは・・・?」「これは
あなたの絵本よ。おもしろいから読みなさいね。」「ええー、ままが読んで。」
私ったら相変わらず「〜して。」と幼い愛娘に言われるとどうしても首を縦に
振ってしまうようで。夕ご飯の支度そっちのけで私が朗読することになっちゃった。
眼鏡をかけたねずみのおばあさんが、自分の孫ねずみに暖炉の前でお話を聞かせる
シーンで物語は始まる。思わず笑っちゃった。「お母さん?」娘は不思議そうに先を
せかすように私の顔を覗き込む。
こうしてゆっくりと昼下がりは過ぎていった。あのチビねずみは救世主に
なるといって将来町を出て行くけど、あなたはどんな大人になるんでしょうね。
救世主にならなくてもいいから普通の優しい女の子になってね。それが、私の願いなの。
そして、願わくは私の元にずっといてほしい・・・。なんて、無理かしら、無理よねえ。
尾弟は、「紅茶」「イルカ」「傘」よろすぃく。
325 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/25(土) 06:04
もうすぐ4歳になる娘を連れて、電車にのってイルカを見に行った。
イルカの水族館は駅からかなり離れた場所だ。
娘は、なんというか、イルカ好きで、
服でも食器でも、イルカをデザインしたものがあると、
それを選んでしまう。
イルカのイラストがついているものであれば欲しがるので、
センスが悪いものだと、時々は私が困ることがある。
歩いて行く途中でにわか雨がふり出したので、
傘はもっていたけれど、雨宿りのつもりで喫茶店に入った。
熱い紅茶を飲みながら娘とイルカの話をした。
娘によれば、イルカは海の中でお互いに会話を交わしているのだが、
人間はまだその言葉を理解できていない。
だけどイルカは人間の言葉を理解していて、人間よりも
頭がいいということになるらしい。
娘の将来の夢のひとつは、海に入って
イルカに言葉を教えてもらったり、
イルカの智恵を授かったりすることらしい。
娘はイルカがただ好きというよりも、
イルカを尊敬しているらしいということが
今日はじめて分かったのだった。
雨がやんだら急に陽射が強くなって、痛いような光線が容赦なく照りつけだした。
娘と私は店を出て、傘を日傘代わりにさしながら、
やっぱりイルカのことを話しながら歩いているのだった。
娘も私もまだ本物のイルカを見たことがない。
あ〜わたしは324さんじゃないです。
なんかいいシチュエーションなのでもらっちゃいました。
お気に召さなかったらごめんなさい。
お題「眠り」「矛盾」「牛乳」ということで。
326 :
名無し物書き@推敲中?:2001/08/26(日) 05:11
娘には変な所がある
牛乳を入れると「私、牛乳嫌い」と言ったりするが、
ヨーグルトは大好きと矛盾した事を言う。
まだ娘はヨーグルトは牛乳から知らないのかしら?
娘が好きなヨーグルトはパッケージにかわいい牛のキャラクターがついたメーカーの物、
食べ終わった後でも、そのカップを洗って集めている。
「さあ、おやつを食べ終わったらお昼寝の時間よ」
娘はすぐに寝入った、私もつかれているのかウトウトと眠りについた
私も324さんではありませぬ、
お題「魚雷」「エベレスト」「すきやき」
327 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/26 12:36
海のない国に海軍があったという話をご存知だろうか。
昔、南米のボリビアは戦争に負けて領土を奪われ
海岸地方を失って内陸国になった。
それでも海軍という組織は廃止されることなく生き残ったのだ。
恐らくは、何時の日にか国土を奪還する日を夢見て・・・・・・
エベレストを遠くに望む、とある高地の湖には、
某国海軍の潜水艦施設が置かれている。
なぜこんな山奥の湖に潜水艦がいるのか?
秘密を守るため?
いや、違う。深海の方がよほど機密を保持できる。
核兵器攻撃のため?
それためなら移動式発射部隊の方が効率的だ。
潜水艦は、魚雷訓練のためにこの静かな湖にいるのだ。
だってそうでしょう、荒海の中で模擬魚雷を発射していたら、
その回収にどれほど苦労するか。
なかにはそのまま行方不明になる魚雷もあるのだ。
この高原の静謐で透明な湖では、魚雷回収の苦労はない。
いくらでも安心して訓練に励めるというものだ。
確かに、山奥の海軍という存在はいささか滑稽で悲しい。
けれど、すきやきらいを言っている場合じゃない。
ただひたすらに技術を錬成しているのだ。
お題「魚」「雷」「すきやき」
328 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/27 11:40 ID:WwaNNNEs
生温い風が強まり、どんどん空が暗くなってきた。
夕立ちの前触れのオゾン臭が漂う。
早く買い物を済ませて、家に戻ったらすぐに洗濯物を取り込まなくては。
スーパーの駐輪場に滑り込み、鍵もかけずに店内へ。
こうしておけば盗難が気になって、素早く買い物ができる。
今日は魚が一割引か。さんま、大根が外せないが重くてスピードが落ちる。却下。
まぐろの刺身、いかにも手抜き風だ。却下。
いかそーめん、おかずにならない。論外だ。
もういい、肉だ。すき焼きにしよう。豆腐とネギなら家にある。
和牛切り落とし400グラム持ってレジにダッシュ。
チャリに飛び乗り猛然とスパート。立ちこぎで太ももが悲鳴を上げる。真上で雷が鳴る。間に合うか?
間一髪で洗濯物を取り込み終えた。今日も勝った。雨音を聞きながら勝利の一服。
すき焼き鍋を用意し
よう…って、もう出てる。
いかん、昨日もすき焼きだった。
次は「木綿」「カレンダー」「履歴書」で。
329 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/27 13:10 ID:13qj1VDk
ふと、カレンダーを見て驚く、なんてこった今日は再就職の面接日でないか!
会社をリストラされて2カ月、今度こそは何がなんでも採用されなければならない
俺は慌てて、履歴書を持って家を飛び出した。
今日の面接先は「日本木綿豆腐協会」とかいう団体だ、名称こそ変だが、
条件的には俺の年でも採用されるらしい、だが、どんな団体だろうか?
その団体は寂れた感じのオフィスビルの4階にあった
「あの、今日面接を受けることになった、、」
「ああ、藻茄さんですね、こちらにどうぞ」
通された部屋に入るなに俺は驚いた、なんと1m四方もある豆腐が置かれているではないか!
そして、怪しげな色っぽい美人が出てきた、
「藻茄さん、豆腐はやはり木綿豆腐でしょ?」
「はあ?」
「フフフ、ようこそ、我が日本木綿豆腐協会に、等団体は世界じゅうの
豆腐をすべて木綿豆腐にするための運動をおこなっています」
「はあ、木綿、、、、豆腐ですか?」
「あなたは選ばれた人なのです」
俺は何だか頭がクラクラしてきた
「失礼ですが、ここで帰らせて、、、」と言おうとした矢先、爆発音が鳴り響き、
警報音が鳴り出した!
「うわああ、いったいどうしたんだ!」
「日本絹ごし豆腐連合の連中が攻めてきたのよ!」
「日本絹ごし豆腐連合!?!?」
「さあ、こっちの隠し通路へ!」
俺は訳もわからず、彼女の後をついていった
次は「しゃれこうべ」「スパゲッティー」「ホームラン」で
330 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/28 04:28 ID:qfMlKnS.
「シャレ神戸」
今、若い女性の間では、神戸でお洒落な一時を過すのが流行っています、
なんでも、それを「シャレ神戸」と言うそうです。
まず、神戸のお洒落なイタ飯屋でスパゲッティーを食べます、すっかり気分はナポリタンですね、
そして、黄色いハッピを着て、甲子園球場で阪神タイガースを応援するのがトレンディーの極みです、
「かっ飛ばせー!、ヒ・ヤ・マ!、ホームラン!」
うーん、すっかり、ナウなヤングです。
次回のお題 「電柱」「なわとび」「インド」
331 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/28 15:38 ID:ZkmyrLcM
真新しい住居が並ぶ坂道を登りきった。街を見渡せた。
先の下り坂を見下ろすと、小さな公園があった。
子供達がなわとびをして遊んでいるのが見える。
ふと思う。インドで見た彼は、人間じゃなかった。菩薩といってよかった。
ごつごつした岩の平板を枕に、かさかさの草布団で眠っていたのは菩薩だ。
坂を下り、公園の前にさしかかり、子供の跳ぶなわの軌跡を追った。
ひとりの子が交差跳びをしている。
8を見たような気がしてうっとうしかった。子供は笑っている。
すべてがどうでもよくなった。
なあ、僕たち、そこの電柱につかまりセミの鳴きまねでもしてやろうか。
次回「終電」「小豆」「コンサート」でよろしく。
332 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/28 15:48 ID:bWJcid12
333 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/29 02:52 ID:s3jir1cM
背の低い、華奢な少女が姿を消した。
可愛らしい少女で、皆から「コマメちゃん」と呼ばれていた。
その日は、友人とコンサートに出かけていた。
家に「遅くなったけど34分の終電で帰る」と
電話があったが少女は帰って来なかった。
数年後、確かに終電で帰ってきた少女に
もう誰も「コマメちゃん」と呼びかけなかった。
次のお題は『松原』『赤飯』『くしゃみ』でお願いします。
334 :
「松原」「赤飯」「くしゃみ」:01/08/29 06:52 ID:z6pgfi9o
工事も順調に進み、冬の松原を縫って色とりどりのパビリオンが
形をなしてゆきます。
「ここは、もしや愛知万博2005の会場予定地ですか?」
「それはね。来年までの、お、た、の、し、み^^」
屋敷のおじさんは答えました・・・まだ息が白い、くしゃみもでます。
そして突如、会場が全面オープンする日がきました。
「いやぁ〜参ったね^^思ったより早くて」
青空に真っ白な飛行船が、大きな垂れ幕をひいてゆきます。
垂れ幕には大きな字で・・・
<祝!妙子お嬢様のお赤飯 初潮万国博覧会、本日開催^^>
世界の国からやってきた何百万の人々に、お赤飯が振舞われました。
「ば・・・ばかー。パパのばかぁ(涙)」
翌日、松原の茂みに、お嬢様の自殺の亡骸が発見されたということです;
でも赤飯はおいしかった。
※朝からヒンシュクなネタですが(笑)
次のお題:「冥王星」「赤飯」「くしゃみ」
335 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/29 12:00 ID:q/onAEJI
私もずいぶん長生きしたものだ。
地球を汚染し尽くした人類が、冥王星に住処を求めることになってもう100年。
彼の地では、いま赤飯が大流行しているそうだ。
炊きあがった赤飯をわざわざ貴重な木の折り箱に入れ、
20℃の室温で24時間程度放置したものが最高級品としてもてはやされているとか。
いやはや、何が流行るかわからないものだ。
新人類たちに、あんなものは祝い事の後に仕方なく食べたものだと言ってみても、
年寄りのたわごとだと、まったく信じてもらえない。
私にいわせれば、冥王星の流行事情が、瞬時に地球に届く通信システムの方が信じられない。
どこかの天才が発見した、原因と結果を完全に管理する方法を実用化したそうで、
「アメリカがくしゃみをすれば日本がカゼをひくシステム」とか呼ばれている。
なんのことやら、さっぱりわからない。
情報をやりとりする度にくしゃみをしなくてはならん不便さは、なんとかならないものか。
336 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/29 12:03 ID:q/onAEJI
次のお題は「鼻」「トロフィー」「エンジン」でお願いします。
337 :
「鼻」「トロフィー」「エンジン:01/08/29 15:41 ID:vc.CLQHw
「鼻高な欧米人はどうも苦手だなあ・・・エンジンかからないなぁ^^;」
みのもんたは思いました。
しかし、仕事なのでありまふ。
「さー!国際大会トロフィーは誰の手に!? まずは第一問^^」
¥10000
Q:高校野球大会などで選手が組むものってなあに?
<A:円陣 ><B:エンジン>
<C:猿人 ><D:本体 >
(50:50)( ) (..)
(..)(..)
「ウ。ウーム^^;スミマセーン、オーディエンス、オネガイシマース」
みの。前途多難。
※<テレフォン>が出せなくて哀しい;;;
次のお題:「卒業」「核のボタン」「セーター」
338 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/29 18:54 ID:bZaaI.pY
卒業式の後、ぼくたちは河原の秘密基地に集まった。
周りは枯れたススキで覆われていて外からは見えないが、
かき分けて進むと、古タイヤを上手く組合せて作った
基地があるのだ。
「ゴメン遅くなって」
「あ、ヒロシ、お前これ知ってる?」
ショウが指差す方向に、古びたプラスチックのボタンがあった。
「核のボタン」と書かれている。
「核ってあれ?」
「原爆とかの?」
「ウソだろー」
ぼくたちは顔を見合わせる。
ふと気付くと、みんなは既に普段着になっていて、
ぼくはブレザースーツがうっとうしくなった。
ブレザーを脱ぎ捨てセーターだけになると、風がちょっと
冷たくなった。
中学になったら、こんなバカバカしいお遊びは出来なく
なるのかな?
ぼくはひとりで考えている。
次のお題は
「コーヒー牛乳」 「赤いスカート」 「古本屋」
でお願いします。
339 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/29 22:30 ID:YpRAVHLU
A 何気なく古本屋に入る、
見ると赤いスカートを履いた女がコーヒー牛乳とアンパンをかじりながら
「日本米ふんどし芸者対決」と書かれた本を一心不乱に立ち読みしている
私は何か見てはいけない物を見てしまったようで慌てて外にでた
B ふと宇宙戦艦ヤマトのエンディングテーマを歌って見たくなる
「あれ、あの子がつけていた、赤いスカートだったっけ、それとも、赤いスカーフだったっけ?
」
気になってしょうがない、俺はバイクを飛ばし本屋に向った
瀬古本屋、、そう、ここは俺の中学からの友人の瀬古が経営している本屋だ、
彼は根っからのアニメおたくなのでアニメに関する本は店内にびっしりと置かれている
「瀬古、ひさしぶりだな、ちょっと調べたい事が出来てな」
「ふっ、こんな夜更けに来るとは、お前も変わっているな」
俺は片っ端からヤマトに関係しそうな本を読み始めた、だが、さすがに俺の求める資料はなかなか出てこない
「どうだ、そろそろ眠くならないか、コーヒーでも飲まないか?」
「ああ、瀬古、ありがとう、だが、俺は宗教上の関係でコーヒー牛乳しか飲めない」
「そう思って用意したぜ、雪印のコーヒー牛乳」
「ふっ、相変わらず準備がいいな、瀬古」
俺達の夜はふけていく
2種類書いてみました
次は「フルーツ牛乳」「ボーリング場」「鉄火丼」でお願いします
340 :
雪印のコーヒー牛乳大好き:01/08/30 02:37 ID:3r45yQSk
ボーリング場を後にした僕達は、途方に暮れた。
どうしよう、もう何もすることが無い。
気まずい沈黙の中、半歩遅れて彼女がついてくる。
暫くして、ファミレスの明かりを見つけた時は、柄にもなく
神様に感謝したぐらいだ。
彼女はミックスジュースを一口飲んで、呟いた。
「私、フルーツ牛乳で良かったのに・・・。」
僕はたまらなくなって、目の前にあった鉄火丼をかき込んだ。
次は『誘蛾灯』『スクールバス』『着物』でお願いします。
341 :
[『誘蛾灯』『スクールバス』『着物』:01/08/30 09:12 ID:Q16r43FA
僻地の学校は大変なもんで、最終のスクールバスには誘蛾灯に群がる様
に下校の学生が群がります。
それに混じって、着物姿の一人のおばーちゃんが乗りこみます。
年こそとっていても、柔らかな表情と、どこか凛としたまなざしに
何だか自然に席が空き、「ありがとうね^^」と座ります。
信号待ちの間にも、時間を惜しんで(?)乱れ飛ぶ雑談の中で・・・
おばあちゃん、不意に一言。
「いいなあ・・・(; ;)」
信号が青に変わって、渋滞の中をバスが進み出した時、なにかが
起こった様な「ふんいき」がありました。
次の停止場で、「どうも^^」と、一人の和服の少女が溜め息混じり
に俯いて降りた時、なぜかおばーちゃんの席はカラでした。
でもスクールバスは超満員。そんなのよくある事かもしれません。
※僻地の私学って大変ですね^^;
次のお題:「南仏」「大仏」「払底」
342 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/30 10:24 ID:8/p3Lu6o
近所に大仏で有名な東大寺があるので、観光客を見ない日はない。
彼らの顔は輝いていて、そんな環境の中で私は、夏休みをほとんど家で過ごしてしまった。
お昼ご飯のそうめんを食べながら、母親に愚痴をこぼしてみる。
「お母さん、私も旅行に行きたい。ずーっと遠いところへ行きたい」
「たとえば、どこ?海外?」
「うーん、たとえば、南仏プロヴァンス!」
「お母さん、そんなとこ知らんわ。何があるの、そこ」
「オリーブ畑とか、葡萄農園とか、ワインとか」
「ほかには??」
私の貧弱な南仏のイメージは、それだけで払底してしまった。
わたしはあきらめて、そうめんを再び食べ始めた。すると、母が、
「そうや、小豆島、あそこならオリーブ畑あるわ、今からでも行って来たら?」
私はとどめを刺された気分になって、今年の夏休みは、そのまま終わってしまったのだった。
343 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/30 10:26 ID:8/p3Lu6o
次は
「組織」「ていねい」「観覧車」
でお願いします。
344 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/30 19:46 ID:RF0wqy/2
彼女と知り合ってちょうど一月経った頃だった。
二人で映画に行った帰り際、彼女がぽつりと言った。
「あ、そうだ、私のお父さんが、あなたに話があるって」
一体何の話だろう?土曜日に喫茶店で会うことになった。
店に入ると、彼女とその父親が並んで座っていたが、
彼女は用事があるらしく、すぐに店を出ていった。
「いきなりこんな事を言われて、信じてもらえるかわからないが……」
彼は僕をまっすぐ見つめ、ていねいな語り口でひとつひとつ説明してくれた。
自分は本当の父親ではなく、彼女はクローンで昔の女優の髪の毛から作られたこと、
一定の時間が経つと身体の組織が崩れて死んでしまうこと、
そして、その死期が近いということを。
日曜、僕は彼女を連れて遊園地にやってきた。
心から感動させることができれば、もっと長く生きられるかもしれない、
という彼女の父親の言葉を信じて、彼女に楽しい一日を過ごしてもらうためだ。
とりあえず、観覧車に乗って一緒に景色を見てみようか……。
次は「水着」「電柱」「バット」でお願いします。
345 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/30 20:02 ID:RnpZpMDU
人体解剖図を手に僕は夢想する。
右手にはメスが握られ、目の前には愛する女性。
僕は、出来るだけ優しく彼女の体にメスを入れる。
組織はていねいに編み込まれ、血液は観覧車のように
体中を回っている。
美しい、美しい夢の世界。
ああ、どうか神様、僕のこの夢想が夢想のままで終りますように。
お次『座布団』『パチンコ』『通せんぼ』
346 :
345:01/08/30 20:06 ID:RnpZpMDU
失礼!
次のお題は「水着」「電柱」「バット」ですね。
「夏休みといえば海だ」と安易な発想で俺と友人Yは海水浴にいった。
もちろん女目当てに行くので二人というのはナンパに関して非常に都合がいい。
海岸を見渡せば、色とりどりの水着を身に着けた女が俺達を出迎える。
しかし俺はまだ童貞、ブラからはみ出しそうなたわわな乳や水着の食い込んだ尻に
反応してしまい、俺の飼うなまこがバットにクラスチェンジ。
なんてお約束な俺なんだと恥ずかしながら腰を折り曲げ誤魔化そうと隣のYを見れば、
トランクスの上からそそり立つ電柱に、俺は恐れをなして声をあげてしまった。
その声に近くにいた女が振り向き、悲鳴を皮切りにパニック状態。
慌てた俺はYを見捨てて走り出す。一緒にされたら俺はこの海岸に二度と来れない!
しかし、そのときなぜかひろゆきはうまい棒なんだろうかと疑問が浮かんだ。
そのまま利用させてもらって
『座布団』『パチンコ』『通せんぼ』
348 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/30 22:31 ID:SW19vSOw
夏休みの小学校のプールでひと泳ぎし、水着とタオルを手提げに入れて
肩にぶらさげた帰り道。
不覚にも6年2組の連中の通せんぼに出逢った。
奴らは椅子に座布団を並べた蔭からパチンコを打ち込んで来た。
そこいらじゅうに銀玉が爆裂する。
かたわらの電柱の後ろに飛び込んで、危うく身をかわす。
次はバットを持った連中が突撃をかけてくるだろう。
オレは仲間の顔を思い出しつつ辞世の句をつぶやくと、
手提げをぶんぶん振り回しながら、あいつらの只中に飛び込んでいった。
辞世の句
回る因果 組織って いーねー 観覧車
お次「追加決定」「フラスコ」「割り箸」
349 :
「追加決定」「フラスコ」「割り箸」:01/08/31 10:02 ID:JbZgtP22
博士も細君も、忙しいもんで夕食は出前です^^;
ソースカツ丼も食べ終わり、割り箸を置くと、博士はニヤリと笑って
「さて妻よ、子供をつくりにゆこう^^」(ああ!悪趣味)
「はい・・・」
と辛そうに答える若妻の手をとって、博士は地下室へと向かうのです。
フラスコの中で、水色の液体と金色の触媒が踊っています。
そこに小さくうごめくピンク色の物体・・・
「フッフッフ、実験は成功だ^^来年には立派な胎児になる。」
笑顔の夫を見ながらも、妻の心は沈みまくるのです。
「もっと手軽で、実績もある、古風な方法があるのに・・・(; ;)」
とは、恥ずかしくてとても言えません。
「わっはっはぁぁぁ! 我が子一人。追加決定^^」
今夜も博士の歓喜の声が、地下室に響き渡るのでありまふ。
※ホント悪趣味・・・;
次のお題:「校庭」「鉄棒」「電子ブロック」で御願いします。
350 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/31 10:06 ID:uACsuJsY
オレは店頭販売のプロ。
暗い催事場も、さびれた駅前も、オレが立てば魔法のマーケットに変わる。
オレの商品説明を5秒でも聞いてしまった客は、その場に釘付けになり、10秒後には財布を取り出す。
ちょっと刺激してやれば、購買欲は奔流のように溢れ出すものだ。
「欲しいけど、同じものをすでに持っている」という客がたまにいる。
欲望を解放できない気の毒な人間。不感症といってよいタイプだ。
普通の販売員はここで諦めるが、オレは違う。
「すでにこれをお持ちとは!」と持ち上げ、決めゼリフでボタンを押してやる。
「お客さま、追加決定!」
そんなわけで、割り箸から高級クルーザーまで、オレに売れないものはない。
死体だけは扱ったことがないが、先月依託されたフラスコ入りのアレ、どーみても臓器の一部だったな。
次は「マルボロ」「香港」「常務」で。
351 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/31 11:51 ID:Vi.n94Zg
マルボロをくわえ香港の常務に電話をかけた。
●小説ではありません、単なるレスでし。
いや〜、皆さん上手ですね。私は10日程前にここを見つけまして、
今まで4本ほど書かせて頂きましたが、自分のを読み返すとしょぼいです。
何人くらいの方でこのスレは回ってるんでしょうか?結構熱いスレですよね。
>>348 なにげにキーワード6つ使ってますね。やるなぁ。
353 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/31 17:21 ID:yX95Ab3Q
小学校の頃、放課後の校庭には2つの派閥があった。
ストイックに鉄棒の上達をひたすら競う一派と、体育館の陰で電子ブロックをいじる一派だ。
俺は前者に属し、なぜだかその頃は大車輪が出来て、クラスの女の子にも人気があった。
電子ブロック派は概ねもてなかったが、リーダーの高本の手元を興味深げに見つめる女子が一人いた。
その子は吉村さんといって、俺は密かにその子が一番好きだったんだ。
吉村さんとは7年後、一浪して入学した私大で出会うことになった。
なぜかひょいと入ったバスケ部のマネージャーをしていたのだ。女は変われば変わるものだ。
2年の夏合宿の香港の夜、ついに口説き落とすことに成功し、俺は8年来の想いを遂げた。
でも結局、彼女が先に卒業して、関係もそのときに終わってしまった。
次に彼女に会ったのは、20年後、俺のつとめる会社の創業祭の場で、常務夫人として現れたときだ。
俺のタバコをあれほど嫌った彼女が、マルボロなんかをくわえている。
はるか上座の方で、彼女と常務とのツーショットを見たとき、俺はあまりのことに飛び上がりそうになった。
高本常務が、あの電子ブロック派の高本だったことに、そのとき初めて気付いたのだった。
354 :
名無し物書き@推敲中?:01/08/31 17:26 ID:yX95Ab3Q
衝突した2つ(6つ?)のお題を力業で解決してみました。
次のお題は、
「終了」「700万」「まかなえない」
でお願いします。
355 :
「終了」「700万」「まかなえない」:01/08/31 22:49 ID:aFtZK9GM
700万人はいる子供に、サンタさんはどうやってプレゼントを配るのか?
とても一人が一夜でまかなえる数じゃあないと思うけど。
・・・そんな事に悩み出した頃、母は自信たっぷりにこう言いました。
「だいじょうぶ^^サンタさんはきっと弓子ちゃんの所にくるわ」
そしてその夜、寝るフリをしていた私は確かに見ました。
白いつけ髭の扮装サンタさんが、靴下にプレゼントをいれてくれるのを。
そして・・・ああ、そして私は見てしまったのです;
サンタが母ににっこりと微笑みかけ、キスするのを!
その上、サンタは母に、当時5才の私に思いもよらぬ事をしたのです(涙)
父は、なぜか、その日に限っていませんでした。
それから10月10日が過ぎ、私には可愛い弟ができました。
しかし私には言えなかった。
「あなたは、実は、サンタクロースとお母さんの不倫の子なのよ」とは;
いくら私のためとはいえ、母がサンタ相手に主婦売春とは!
今日はクリスマス。弟は、煙突の玩具を枕に寝ています。
私はあの悪夢を終了させようと、包丁片手に息をこらして待っておりました。
サンタクロースを。
※季節違うけど見逃して;
次のお題は:「水玉」「卵」「鳥」でお願いします。
356 :
355:01/08/31 22:52 ID:aFtZK9GM
あ。
よく見たら「まかなえない」が「まかなえる数じゃない」になってる!
後の祭(クリスマスだから)・・・見逃して下さいm(_ _)m
357 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/01 02:22 ID:OvjODiIM
わたしは卵。
親鳥の胎内にいます。
母はわたしを腹に抱いて生きています。
母とともに、
わたしは歩きます。
水に浮かびます。
高く飛びます。
はるか下方では、
青葉の露の水玉が朝日にきらきら輝いています。
でもわたしは胎内の盲目児。
未生の夢を夢見ているだけなのかも知れません。
358 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/01 02:26 ID:OvjODiIM
次のお題は
「トマト」「帰宅」「コンタクト」
359 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/01 02:43 ID:JeQW6xd6
400くらい行ったら一息いれて感想とか
それぞれ好きな作品とか挙げてみるってのどうでしょうか?
それまでに2chがあればですが…
360 :
「トマト」「帰宅」「コンタクト」:01/09/01 16:45 ID:yVyVLm8k
「現代に適応とはどういう事だろう?」吸血鬼は考えました。
片眼鏡がブキミだからとコンタクトにした。勤務もお役所で目立たない。
暑さのまだ残る9月、電車で30分の我が家に帰宅すると
冷たいトマトジュースを、ぐっとかけつけ三杯^^
「パパ!おかえりなさ〜い^^」娘がかけ寄ってきて、首筋にガブリと一杯。
これでいい。私がトマトでガマンすれば、家族は私の血で育てられる。
「おとーさん。いつも思うけど・・・大丈夫?」
「ウッフッフ、余裕で大丈夫だとも^^
でも、夜の母さんの分に少しは残しておくのだぞ。」
「わぁ〜 パパのえっち。いいなぁ^^」
「母さんには、吸血鬼にしてしまった責任があるからな。」
という事は、父娘とも暗黙の了解でした。
問題は・・・そう、問題は、この父が死んだ後のことなのです。
でも大丈夫。実は、全然大丈夫^^
吸血鬼は不死身なのでありました。
※関連性のない三語って難かしい・・・^^;
次のお題:「人工衛星」「チキンラーメン」「王家の紋章」でお願いします。
361 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/01 17:14 ID:yVyVLm8k
●余談なのですが・・・
>>339 (Bの方です)
「あの子がふっていた、赤いスカートだっけ(後略)」
と、読み間違えて、そのシーン想像して爆笑したのは・・・自分だけ!?
362 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/02 00:09 ID:H9INgf7E
結局、今日一日外に出ることはなかった。
電話の呼び出し音も外の騒々しさも無視して、
僕は朝から四角い画面の奥に、王家の紋章を探す旅に出ている。
しかし勇者にも休息が必要だ。
僕は一時停止ボタンを押して、ラーメンを作りに台所に行く。
出来上がりを待つ間、ラジオのスイッチを入れた。
アナウンサーが金切り声をあげている。
「人工衛星墜落まで、あと3時間!!!」
ラジオを消し、ラーメンを一口啜る。
「相変わらずチキンラーメンは美味いな」と僕は呟いた。
お次は『雄叫び』『マネキュア』『宇宙』でお願いします。
363 :
『雄叫び』『マネキュア』『宇宙』:01/09/02 06:39 ID:NRAGinEg
「地球か、何もかも懐かしい」
低い轟音を上げる宇宙戦艦の中で、起きた艦長はつぶやきます。
鏡台にマネキュアで「仕事中毒、宇宙中毒!逝ってよし!」と真っ赤な
伝言を残して去った妻との離婚訴訟・・・
「ワシを、ワシを、艦長に任命してくれぇぇぇ!」と、雄叫びをあげて
大臣に土下座し、さんざ恩に着せられて宇宙艦長になった、あの屈辱。
逃げる様に宇宙に旅立った、あの日・・・
仕事に溺れる様に使命を果たし、人類を救った艦長も、地球に帰ると
そういう苦い記憶が戻ってくるのです。
「宇宙か、すべてが懐かしい」
睡眠薬を山ほど飲んで寝た艦長、そのまま永眠・・・
さらば艦長、私達はきっと忘れない。
人類を救った貴方の勇気と、奥さんとの見苦しい噂を。
※今度はカーク船長でやってみたいな^^
次のお題:「煎餅」「尼僧」「血」でお願いします。
364 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/02 12:57 ID:bPcPmRCU
私の亡くなった主人は、代々軍人の血筋で、結婚して間もなくお義父さんと同じ、軍艦乗りになりました。
軍艦乗りは、一年中ほとんど家を空けっぱなしで、娘が死んだときも、葬式にさえでれなくて。
ええ、そうです、中学校に遊星爆弾が直撃したんです、私は娘の遺体に近寄ることさえ出来ませんでした。
私はその怒りをそのまま主人にぶつけてしまって、今ではすまないことをしたと強く後悔しています。
でも、それが結局、地球のためにはなったのかしら。私と別れた後、主人はあの船で地球を救ったのです。
放射能除去後、死んだ主人や娘、地球の人たちや敵星の人たちを弔うため、出家して尼僧になりました。
いまでも、主人のお墓に、多くの方が訪ねてくださって、主人の大好きだったお煎餅をお供えしてくれるんです。
主人も皆のためになるのが、何よりも嬉しかったのだろう、と思います。
そうは思うんですが、たとえ地球が滅ぶことになっても、私のための主人でいてほしかったと、
いけない事かもしれないですけど、思うこともあるんですよ。
365 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/02 13:00 ID:bPcPmRCU
まあ、記憶は幾らでも美化できるということで。
「奈良」「波動」「古代」
でお願いいたします。
366 :
「奈良」「波動」「古代」:01/09/03 06:42 ID:/m2CbIDc
はるか昔の奈良時代、一人の仏師がスランプに苦しんでおりました。
「アイデアが・・・^^;」
失敗作を作れば罰を受け、ヘタをすると自分が仏様になってしまいます。
その時です!遥か時を隔てた世界から、全く新しいイメージを受け取ったのは。
「波動を、波動を感じるぞー! 古代からか、それとも未来からか?」
仏師は、まるで何かが憑依した様に彫り始めました。
「長身の胸のない女が見える!乱雑な机と、のびた麺が見える〜;;;」
それから1300年経って・・・奈良の正倉院に1人の男と娘が訪れました。
「あ。メーテル^^」
「惑わされるな、娘よ。これは「百済観音像」だ」
「メーテルーぅぅぅ^^;(哲郎のマネ)」
「・・・そういえば・・・森雪にも似てる気がする。さすが我が娘じゃ」
二人は鹿せんべいを求めて、ガラスケースの前から去って行きました。
参考画像(あわわわ、こじつけ^^;)
http://www.narahaku.go.jp/jpgdata/kudarab1.jpg ※似てなくても見逃して(笑)
次のお題:「英国風庭園」「女学校」「細菌兵器」でお願いします。
367 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/03 12:05 ID:YWaJf11I
季節の花々に彩られた英国風庭園、スクウェアに刈り込まれた生け垣の陰にはふたりの乙女。
「わたしたち、いつまでもお友達よ」
「もちろんだわ。たとえ離れても。おばあさんになっても、きっと再会しましょう」
乙女のひとりが手近のバラを一枝手折り、髪に差していいました。
「では五十年後、約束よ。お便り頂戴」
それからまもなくたいへんな時代がやってきました。
恐ろしい戦争が起こりました。街は空襲で破壊され、けが人、病人であふれました。
乙女たちが語らった女学校は、軍に接収され、美しかった庭園には無気味な工場が建ちました。
一般人が近付くことは固く禁じられました。「細菌兵器」を作っているのだという噂でした。
灰色の煙突からは、なぜかバラの香りが漂っていたそうです。
一葉のカードを手にしたおばあさんが、英国風庭園の生け垣の間を歩いています。
そう、あのときの乙女です。髪はすっかり白くなりましたが、表情は明るく、好奇心にあふれた様は昔と変わりません。
ここは戦後、軍需工場跡に作られた公園です。あの女学校の庭園が見事に復元されています。
「あの場所で待っていてね。わたしは髪にバラを差しています」
タイプで打たれたカードに、おばあさんは少し腹を立てていました。
いくら年をとったからって、親友がわからないはずがないじゃない。
約束の場所で待っていたのは、たてがみにバラを差した美しい牝馬でした。
凝った細工の鞍に、金色の刺繍で文字が綴ってあります。
「わたし、細菌兵器工場でバイオ改造されて、最強の軍馬になっちゃったの!でも幸せよ」
おばあさんは馬の鼻づらを優しく撫で、涙をこぼしました。
「そうね、しあわせね」
次、「印刷」「金属」「霊峰」で。
368 :
「印刷」「金属」「霊峰」:01/09/03 12:24 ID:oOrR3rI.
霊峰の誉高いその名山も俗化してしまったようだ。
地元の観光局が作成したであろう趣味の悪い印刷物を入り口に置き、
金属製の補助手摺が延々と続く。
聖地を汚されてしまった気分になる。
お題 「手首」「都会」「アサリ」でお願いします。
369 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/03 15:55 ID:bMz3c45g
手首は彷徨っていた。
遠い昔、自分の持ち主が住んでいた街を目指して。
手首はある街にたどり着いた。
その町の海岸通りは、海水浴客らで溢れかえっていた。
都会の喧騒から脱出してきたかのように、彼らはその街で羽を伸ばす。
若い女達が小さな布きれを身にまとっただけの姿で、その美しい肢体を惜しげも無く曝しながら街を闊歩している。
手首は居ても立ってもいられず、女の水着の中に飛び込んだ。
むかしはいつも、こうやって主人の代わりに女の秘所をまさぐったものだった。
手首はふと、持ち主と行った潮干狩りを思い出した。
でもこれはアサリでは無く、はまぐりだ。
そう思った瞬間、手首は女の水着の中から引っ張り出された。
手首は思いきり地面にたたきつけられ、女のビーチサンダルに踏みつけられた。
手首は逝ってしまいそうだった。
何時間経ったろうか。
気がつくと、海が茜色に染まっている。
手首はゆっくりと起き上がり、また持ち主を探す旅を続けることにした。
次回、「テニス」「堕胎」「悪魔」でお願いします。
370 :
「テニス」「堕胎」「悪魔」:01/09/03 21:29 ID:aFjczK0.
女性の陸上競技者は、処女のうちから処女膜が破れてしまう者がいる、と云う噂を聞いた。流産の危険と同じように、幅跳びや三段跳びで身体を大きく伸縮させるから? テニス部だって、質と量、共に劣らない運動が必要だ。
練習前の柔軟体操をしながら、つい、そんな事を考えてしまったのは、この前、堕胎手術を受けたせいだ。妊娠した、と彼に告げた時。
「本当に俺の? でもお前、俺が初めてだって嘘ついてたじゃん。だって、あの時……」
正直、ショックだった。高校生である事を理由にしてくれた方が、まだマシだった。
隣のコートの男子部員達がちらちらと、こちらを見ている。
明らかに、前とは違った視線───堕ろしたって……相当な……らしいぞ……じゃあ俺も……。下卑た笑い声が聞こえてくる。
女生徒が気まずそうに接してくるのも、そういう事? わかった。それなら、いっそ……。
そして彼女は変わった。誰からも、性的な意味合いをもって「悪魔のような女」と呼ばれるほど蠱惑的な女に。
次のお題「お膳」「カラス」「口紅」でお願いします。
371 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/04 02:42 ID:j4l3oX5Y
その日は、確か暑かったような気がする。
私は小学校からの帰り道、いつもとは違う道を選んだ。
多分、間近に控えた夏休みの開放感からだったのだろう。
家と家の隙間を通り、庭先を家人に見つからないように通り抜け、
狭く入り組みあった路地を通り抜けた時、私は迷ってしまった事に気付いた。
それから何処をどう通っても、見覚えのある道には出ない。
ふと目をやると、目の前の垣根の奥の庭先に女の人の姿が見えたので、
私は道を尋ねようと、急いで垣根をくぐり庭先に出た。
白い着物を着て女の人はお膳の前に座っていた。
耳を澄ませば、「あんたがいつ来てもよいように、お膳はいつもだしておる。
あんたがいつ来てもよいように、口には紅をひいておる。
紅の赤みが足りぬのか・・・。紅の赤みが足らぬのか・・・。」と聞えてくる。
私が怖くなって声も上げられずにいると、その女の人は
「紅の赤みが足りぬなら、紅の赤みを足せばよい」と言って此方を見た。
その後のことは、よく覚えていない。
気が付けば家で母に抱かれ泣いていた。
ただ庭先に、カラスの死骸がいくつもあったのだけが印象に残っている。
あれから十数年、私は今でも口紅を引けないでいる。
372 :
371:01/09/04 02:46 ID:j4l3oX5Y
長文スマソ。
次は『冷笑』『かぼちゃ』『パソコン』でお願いします。
373 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/04 07:23 ID:UaxqrJck
「パソコンに冷笑されてみませんか^^」
久々に出かけた北海道、「かぼちゃ畑のケーキ」などなど
メルヘンいっぱいの帯広の某お土産物屋さんでのことでした。
パソコンに冷笑・・・頭痛い^^;
「パソコンに冷笑。どうですか〜^^」
夏休みシーズンも終わって、客は自分一人でした;;;
「おねがいしま〜す(; ;)」
「いーですか。私も、誰も、見てませんから^^、心ゆくまで・・・」
冷笑されてくださいねと言われて、向かい合ったパソコンは
「あ。富士通FM−7だ^^; 漢字が縦長いなあ(汗)」
キーをたたくと、「キキッ」と何かが笑った様な音がしました。
しかし相手はパソコン、笑われて怒る気にもなれません。(←?)
使ううち、不思議と小さなこだわりが消えてゆきます。(←??)
「茶道の境地とは、もしや、こーゆーものなのかも!」(←???)
「全然ちがうと思います^^;」店員さんが微笑しました。
※書いててはっきりわかりません(笑)
次のお題:「湖」「夜店」「銀河系」で御願いします。
374 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/05 01:12 ID:m4CawoTI
「銀河系に湖されてみませんか^^」
久々に出かけた北海道、「夜店畑のケーキ」などなど
メルヘンいっぱいの帯広の某お土産物屋さんでのことでした。
銀河系に湖・・・頭痛い^^;
「銀河系に湖。どうですか〜^^」
夏休みシーズンも終わって、客は自分一人でした;;;
「おねがいしま〜す(; ;)」
「いーですか。私も、誰も、見てませんから^^、心ゆくまで・・・」
湖されてくださいねと言われて、向かい合った銀河系は
「あ。富士通FM−7だ^^; 漢字が縦長いなあ(汗)」
キーをたたくと、「キキッ」と何かが笑った様な音がしました。
しかし相手は銀河系、笑われて怒る気にもなれません。(←?)
使ううち、不思議と小さなこだわりが消えてゆきます。(←??)
「茶道の境地とは、もしや、こーゆーものなのかも!」(←???)
「全然ちがうと思います^^;」店員さんが微笑しました。
次のお題「もなか」「蜻蛉」「風呂」
375 :
「もなか」「蜻蛉」「風呂」:01/09/05 16:28 ID:iT8Gyb7s
「蜻蛉なんて、成虫になって3日かしか生きられないのですよ^^」
6時起床で9時就寝。TVもPSも何もなしというガチガチの学園寮生活。
そんな生活の中で、こんなフレーズの漫画を見たせいでしょうか、
彼女は完全に意図を見失ってしまいました(涙)
蜻蛉の生命ははかなくて・・・
「だから私、ダイエットなんてやめました^^」
その日、彼女はもなかを5つ食べました。
次の日。蜻蛉の生命ははかなくて・・・
「死ぬまでに、牛乳風呂に入ってみたいと思ったのです^^;オネガイ」
これは好評でした。他の寮生もおこぼれにあずかったのですから。
そして、また、次の日。
予定通りというか、彼女は、なぜか死んでおりました。
どこか釈然としない死に顔でした。
でも蜻蛉だったら満足な顔をして死ぬのか、誰にもわからないのでありまふ。
※「蜻蛉」を読むのに2分かっかってしまった(笑)
次のお題:「夕立」「青空」「イカ焼き」
376 :
「夕立」「青空」「イカ焼き」 :01/09/05 20:08 ID:vLw2xpQA
「うわー、むっちゃすごい青空やあっ」
「初めて飛行機に乗ったら、誰でもビックリするんや」
「あの雲、むっちゃ黒いでっ」
「下は夕立で、大騒ぎやろ。笑えるのう」
「見送りに来とった人たちも、大笑いしとったな。なんでやろ?」
「あほやからや。外国でイカ焼きがどれだけ望まれとるか、解っとらんのや」
「お金儲け上手な父ちゃんが大好きやあっ」
#お題は継続で。「夕立」「青空」「イカ焼き」
377 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/05 22:39 ID:LusQaruA
わたしにも、彼氏、みたいなもんができた。
いっしょに下校したり、電話したり、宿題をしたりするだけなんだけどね。
いままであまり男子と話したことがなかったので、すごく面白い。
毎日いろんなことを質問している。
「イカくさいって何?なんでくさいの?イカ焼きはいいにおいじゃん」
「男子が午後、あいつ夕立!オレも夕立!って騒いでるのはなんで?外は青空なのに」
両方とも、男にしか関係ないことなんだってね。
面白いなあ、男って!もう夢中だよ。
次は「靴下」「トランペット」「アルプス」で。
378 :
無しさん:01/09/06 00:18 ID:vGKI2auw
アルプス山脈で今日もピーターはトランペットを吹いていた。
ハイジ「今日は久し振りにクララが遊びにくるのよ。楽しみだわ!」
ペーター「じゃあ、歩けるようになったお祝いにこれをあげよう!」
ペーターは羊の毛であんだ白い靴下をハイジに渡しておきました。
次は「注射」「ピンク」「壁」
379 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/06 01:42 ID:qW5rIzKs
夢を見た。
街路樹、夏の日差し、蝉の声。
ピンクのワンピースを着た私が、恋人の姿を見つける。
走り出す、ふいにピンクのワンピースが儚く消える。
目覚めた私の目に涙。
あの頃世界はあんなにも輝いていたというのに。
あの頃世界は私だけのものだったのに。
今は注射の痛みだけが私の痛み、白一色の壁だけが私の世界。
私は目を閉じる。儚く消えたピンクのワンピースを取り戻す為に。
次は『蝉時雨』『定期預金』『電話』でお願いします。
あなた蝉時雨って見ました?
ええ、あれです。新幹線の横に書いてあるあれです。
あなた私バカにするですか? 1の霊になって呪いますよ?
定期預金風呂に入れますよ? いいんですか? 印鑑で殴りますよ?
叩き風呂ですな。もう。ハニワを見つけた時ぐらい嬉しいですね。
それでも私は醤油の蓋閉めてるんですよ。ええ、電話で。
電話にだれもでんわ、なんつてね。電話してたら電波になってしまってね。
もうキムチですよ。神経に入りましたね、キムチ。
蝉時雨が全部悪いんですよ。それとボケモンジェットやめろ。
AIR DOも成績悪いですね。みんな乗ってね。
さいなら、さいなら、さいなら。
次は「夕暮れ」「朝焼け」「真夏の太陽」で。
381 :
noname:01/09/06 04:35 ID:clkPBHtk
気がつけば、創作文芸版まで読んでるよ・・・電波覗いて終わりにするつもりだったのに(泣)
・・・って、今4時半? あぁ・・・朝焼けがキレイ(泣)
書き始めたの、夕暮れ時だったっけ・・・(泣)
職安逝くも職はなし、真昼の太陽に曝されて帰路へ。途中、日射病でダウン(泣)
病院でブドウ糖点滴を受けるも「混んでるので立ってて下さいね。30分ほどすから」(泣)
ようやく帰宅、冷蔵庫を開けると食材が傷んでる。腹減った(逝)
次→「電卓」「一本」「深層海洋水」にて。
382 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/06 08:54 ID:tSk/rPdc
街で続発する暴行事件。現場に残されたのは深層海洋水一本だけ・・・
「犯人は人間じゃない。こんな奴は人間以下だ!」
新任の後輩は、警部の言葉を丁寧にメモしました。
「わかりました。さっそく、手配書を出します!」
手配書の内容。
「犯人の想像図:人間イカ。足が10本。墨を吐く。深海が大好き。」
捜査は難航しました。
「一本、二本・・・」と電卓で数えても8本足りない場合がほとんどです。
ようやく見つかった容疑者も、頑として黙秘を続けています。
「なんて口の堅い奴なんだ、一言もしゃべろうとしない。」
「乾きかけて弱ってるんじゃないでしょうか?」
警部は、恐ろしい微笑みを浮かべてこういいました。
「所詮、イカは人間じゃないということさ^^;」
※突然の推理ものに緊張です(笑)
次のお題:「草原」「工場」「宮殿」でお願いします。
383 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/06 13:18 ID:VxWk2mdA
おれは肉牛飼ってる。つまり牧場をやっているわけ。
時々勘違いした観光客が
「わあー見渡す限りの草原!ステキ!」
とかいってオレんちの牧草地で写真とってやがる
オマエが今撮ってるのは食肉製造工場の「原料」だっつうの。
食うんだよウシが。遊ばせる土地なんかねえんだよ。
丘の広大なトウモロコシ畑もウシの餌だ。
え、牛が見えないって?
ああ、あそこにあるでしょリゾートホテルのタワー。
あれ去年つぶれてさ、買ったのよオレが。牛詰め込むのに。
だって肉製造工場だからさ、上に積んじゃった方が効率いいのよ。
カミサンは肉宮殿って呼んでるけどね。
景気?いやあ忙しいよ最近平日半額とか250円とかでさ
(以下略)
次は「洗濯機」「饅頭」「狩人」でお願いします。
384 :
達也25歳:01/09/06 15:51 ID:jWHDALlI
洗濯機がウンウンと唸っている。
達也は疲れきっていた。
「あー、もう駄目だ。」
自分の人生は、買ってきた主人にその存在を
すっかり忘れ去られた饅頭みたいなものだ。
そのうち、黴が生えてきて異臭を放ちドロドロと溶け出していくに違いない。
絶望的な鬱状態を打開したかった。
その時、チャイムが鳴った。
最初、その音の意味が理解出来ずにいた。
20秒ほど経って、もう一度チャイムが鳴る。
のそりと起き上がり、達也は玄関へと向かった。
鍵を開けるなり、2mはありそな大柄な男がドアをガツンと開けた。
乱暴そうな男だな,,,
「おめでとうございます。あなたは今日から狩人です。」
は?
その時の達也には狩人の意味がわからなかった。
何しろ、チャイムの意味を理解することにすら20秒かかっているのだ。
次は「猫」「大雨」「恋人」でお願いします。
385 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/06 17:31 ID:9SZ9RPMQ
>「猫」「大雨」「恋人」
魔法世界に、雨が降る。
大雨を避けて、リトルゴッドと俺は、岩場の洞窟に身を隠していた。
リトルゴッドは大きな体を丸くして、デモンズブライドとの戦闘で
傷ついた腕を、魔法治療で治している。
その鈍重な横顔を眺めているうちに、なぜだろう、俺は別れた恋人
「江利子」の事を思い出していた。
俺が迷っている間に、江利子、君は結論を出してしまった。
この大男のように、俺は、君をまっすぐ見つめる事が出来なかった
・・・・・・。
リトルゴッドが、猫のように滑らかな動作で立ち上がった。
「来るぞ、達也」
#次の御題:「豚」「魔法」「トンネル」
386 :
「豚」「魔法」「トンネル」 :01/09/06 17:55 ID:wlpYbdeA
国境のトンネルを抜けたら、河内やった。
道幅いっぱいにひろがりたおして、何人もの清原が肩組んで歩いとる。
坊主頭の清原、金髪の清原、パンチパーマの清原、モヒカンの清原、スキンヘッドに無精ヒゲの清原。
町じゅう清原だらけやないけ、どないなっとんねん。
どこぞのダボがこのワシに魔法でもかけよったんかいな。
なんや、櫓の上で豚がキイキイ鳴いとるがな。
誰やあないなことやったんは。動物虐待や。
カワイソなことしたるなや、降ろしたらんかい...
とおもたらなんや、菊水丸かいな。
387 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/06 17:57 ID:wlpYbdeA
次の御題:「音頭」「肝臓」「空港」 で、頼むで。
388 :
名無しさん@推敲中?:01/09/06 21:40
俺は今空港にいる。何で空港かって?
最愛の人、キャサリンと再会するためだ。親から勘当されてまで
あの人との国際結婚に踏み切った俺。あと数分で彼女の乗ってる便が
着陸する。俺の心臓どころか肝臓までが激しく揺さぶられてる
気持になる。酒のアルコールのせいだけじゃないぞ、これは。うふぅ。
飛行機から降りてくる面々を息を呑むようにじっと見つめていた。
彼女はまだか!?あれも違う。こいつも違う。あああ、どこなんだ。
ん!?ハワイのフラダンス集団が降りてきた。そしてここは日本だというのに踊り
始める。一番目立つ位置にいる女が音頭をとった。終始ずば抜けて変だった彼女。
前歯が欠けた彼女。・・・っておい、キャサリンじゃないか!?気が動転しそうだった。
あんなに色白だったのに、人種が変わったようだよ。演奏が全部終わってから俺は全力疾走した。
「オウ、マイハニ、キャシー!」「オウ、○○」俺達はひしと抱き合った。駆け落ちという重き過去、
君の今の変わり果てた姿、どれもが俺達の愛には勝てないんだよ。その後1時間ほど
長くてしつこいキスを交し合っていた。そして誰もいなくなった・・・
お題です:「スキンヘッド」「あけび」「ノスタルジア」
389 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/07 09:45
スキンヘッドにボディピアス、刺青の絵柄はユニオンジャック。
イングランドのフーリガンみたいなおそろしい見た目なんだけど、ほんとは東北人。
そんな男といっしょに暮らしはじめて半年目。
「あけびくいて」
キリン秋味の缶にタバコの灰を落としながら、彼がぽつりと言った。
「アケビ?」
「おれんちの裏山になってるんだー」
ノスタルジアってやつか。
次の日、スーパーであけびを見つけた。
上品な色合いの、きれいな果実だ。
淡い紫の皮がぱくっと割れて、白くてふんわりした果肉がのぞいている。
静かな里山の林に、これがいくつもぶら下がって揺れているところを想像してみた。
実りの秋、自然の恵み。宮沢賢治。東北に住むのもいいかもしれないな。
あけびを渡すと、彼はいそいそと台所に立った。
「ひき肉使っていい?」
うれしさのあまり、おかずまで作る気になったらしい。
しばらくするとお醤油のいい匂いがただよってきた。
小さな幸せ。
「あけびできた。おれんちのほうじゃ、こやっでくんだ」
しょっぱそうな湯気を立てているそれは、肉を詰められしょうゆで煮られ、変わり果てたあけびだった。
これならナスでよかったんじゃ?
さようなら、宮沢賢治。私は一生東北には行きません。
次は「プログラム」「さんま」「タクシー」で。
390 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/07 12:41
店の外に出たら、土砂降りだった。
ここから駅までは結構距離があるので、仕方なくタクシーを拾った。
「駅まで」
「はい」
ふと見ると、助手席のヘッドレストには液晶モニターが埋め込まれており、
シートには懐かしのファミコンが置いてあった。
しかも、セットされているのは「さんまの名探偵」だった。
「あの、運転手さん、これって……やっていいって事?」
「そうです、最初のほうの物が落っこちてくる所、一発でクリアしたら半額」
「で、クリアできないと…?」
「料金倍で請求させてもらいます、ハハハ、やるのは自由ですよ」
「じゃぁ、せっかくだからやりますよ」
こんなもんチョロいぜ。昔一発でクリアした。あの落下プログラムは見切っている。
しかし、世の中、そう甘くはなかった。
「ちょっと、運転主さ〜ん!それ反則でしょ!」
ファミコンの電源を入れた音を合図に、クルマは激しく蛇行を始めたのだ(笑)
#次のお題は「漁港」「球体」「オマージュ」でおねがいします。
#もうすぐ400だ♪
391 :
「漁港」「球体」「オマージュ」:01/09/07 20:07
寂れた浜辺に、白い公会堂が建ちました。
急に割り振られた村費で、思い立った様に作られたその建物は、
総大理石作りの柱で支えられ、球体の一部の様な床をもった
漁村とは全くアンマッチな代物でありました。
「せんせぃ〜。なんであれって、柱と天井だけなの?」
「ううむっ。 それはだな、私のかわいい教え子よ・・・!」
不意にだされた荷の重い質問に、家庭教師は焦りました。
「あれはだな、その、きっとだな、ギリシャ時代のオリンポス宮殿
へのオマージュではないかと・・・^^;アセアセ」
「いやっ。先生ったら、えっち^^;」
「・・・?」
「やけどしちゃいますよー(笑)」
なんでそうなるの?
いったい何と勘違いしたのかが、妙に気になる初夏の海でありました。
※毎度悪趣味で恐縮です・・・^^;
次のお題はぐっと上品に:「思慕」「妖精」「納豆」でお願いします^^
392 :
名無しさん@推敲中?:01/09/07 22:48
「その絵、何だか私に似てません?」君の鋭い一言で僕の心臓はばっくばくだった。
だが何とか平静を装って笑いながら言う。「あはは。何言ってんだよ。」
なぜわかったのだろう。君をイメージして描いたこの絵。湖の上を妖精がそっと歩いて
る絵なのだが、君を見立てて僕は描いたんだ。今時古いしタブーなのだろうか。
教師と生徒の恋愛なんて。僕は、美術教師として君のクラスを受け持ち、初めて君を見たあの
時から、その妖精のような魅力の虜になってしまったんだ。募る思い、思慕してやま
ない日々。授業以外の会話など交わしたことなかったのに、あの日君が忘れたパレット
をこの部屋にとりにきた時に、君は僕の絵を見たんだ。たまたま美術室の掃除をしようと
倉庫室からこの絵を引っ張り出してきた時の、たったこれだけの会話だったけど、何だか幸せだった。
そうして僕は今日この日、卒業式に彼女に告白することに決めた。もう教師と生徒ではない。
男と女として君に告白しよう。昨日突然思い立ったんだ。絶えられないんだよ、思慕
するだけの毎日なんて。そのセリフをずっと考えてる。「もう僕達は周りの中傷を恐れる
こともない。君は大学へ行くし、立派な大人だ。だから、どうか僕の嫁さんになって
くれないか。そして、朝ご飯には必ず納豆をつけてくれ。好きです。」よし、これだ。
うん、いける、いけるぞ!僕は、桜の木の下で友達と話している君の元へ、ずんずん歩いていった。
お題:同じく上品に!?「百合」「旅情」「自転車」
393 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/07 23:02
「あんた、ごはんに生タマゴかけるとき絶対ゴハンを周りによせるね」
そういえばたしかによせるな。無意識によせる。納豆の場合もよせる。
よせる、よせる。ああ、他にも何かよせるものがあるような気がする。
思慕をよせるという言葉もあるな。高尚な感じがする。
下品な方面でも何かあったな。そうだあれだ。
「おまえだっていつもチチをよせてるだろ、『妖精のブラ』とかで。よせて上げてるだろ」
「ちっがーうよ!『天使のブラ』だよ、バーカ!」
よせ、とようせい、をかけた方がいいネーミングだと思うんだがなあ。
次は「妊娠」「十字架」「歓声」で。
394 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/07 23:04
ああっ、ごめんなさいリロードしなかった。
393のことは忘れて下さい。
395 :
名無しさん@推敲中?:01/09/07 23:21
>393=394
まあよかばい。ワラタ。次の人、お題はどちらでもよござんす。
>392より
乳首に納豆を塗り付ける。
ぬるぬるとした感触に、女は白い喉をのけぞらせる。
へろゆき。お前は、この女に恋をしているな。
お前は今、一年以上思慕し続けている、この女の夢を見ているのか?
ミッキー・ロークから盗んだ俺のテクで、この女が動物に変わって
いくのを知らずに。
冷蔵庫の食材で散々もてあそんでから、俺はこの女を貫くだろう。
へろゆき。俺の妖精。
お前を想いながら、俺はこの女と一つになる。
ホモって言うな。これは、ボーイズラブ。
プラトニックなボーイズラブ。
#ああっ、タッチの差で遅れたか!
まあ、いいか。官能系だし(w
次のお題は……392?
397 :
名無しさん@推敲中?:01/09/08 00:18
>396
おいおい。新たなるアラーシか?
まあよかばい。
398 :
「百合」「旅情」「自転車」:01/09/08 05:56
岬めぐりの、自転車ははしる。
汽車と船でやってきた利尻島。
島を一周で疲れ果て、レンタサイクル返却の、二人の少女がおりました。
旅情にひたっていると、長身の兄ちゃんが食堂で
「利尻YH名物、利尻牛乳いかがですかー^^」
色々と話すうち、三人は牛乳の飲み比べをするい事になりました。
「えーっと、三人での最高記録って何本だったっけ・・・」
「・・・それでは、3人で100本、百合に挑戦ということで(笑)」
全く別のある展開を期待していた二人。「トホホ〜^^」
それでも、三日かかって百合達成したからすごい。
岬には、季節外れの百合の花が、一人寂しく咲いておりました。
※万一消滅してたらすみません>利尻YH
次のお題、393からもらって:「妊娠」「十字架」「歓声」でお願いします。
(余談ですが、「妖精のブラ」に一票・・・失礼しました^^;)
399 :
「妊娠」「十字架」「歓声」:01/09/08 09:10
彼は妊娠していた。
どうしてそうなったのかは、最初彼にもだれにも解らなかった。
医者は胸の手前で十字架を切り、彼に言った。
「せめて生まれてくる子は皆の歓声と祝福の中で、けして嘲笑と罵倒の中で生まれてくることのないように。」
産みの苦しみをあじわい、育ての苦労を知り、親と言う名の責任と無力感を知った。
まさにそれは彼にとって、いや全ての人にとって、創造と言う名の破壊、秩序と言う名の混沌の毎日だった。
彼はだれもしたことがないことをやったのだ。世の中を相手に改革をしたのだ。
結局彼は親の役目を果たしただけであった、実際彼だけでは、育てることは、できなかっただろう。
皆の協力と献身が必要だった。そして育て終わったとき、彼の目には涙が溢れていた。
彼の涙の意味はこれから解ってくるだろう。 彼は構造改革と言う名の出産をした男として、名を残すだろう…。
次は「かんどう」「ないかく」「せいじ」でお願いします。
※朝のニュース観て書いていたら、こうなった……わけわからなかったらスマソ。
400 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/08 09:52
日本製品バッシングの嵐うずまくある日。
「ひどい!まるで収容所ではないか・・・これはいかん、どうしよう」
日本人街を視察の大使はうなりました。
だからといって、罪もない人外国にあたるのも本分ではない、かくなる
上は政府に直訴か・・・気が重いなあ^^;
しかし、門番が遭わせてくれません。
「大使ならなんとかせい、じぶんで」これでは・・・
ふと、隔離区域から疲れた少年が
「誠実な心でがんばろうぜ、おっさん」と呼びかけます。
彼の周囲には、小さなミュータントがいっぱい・・・
「もしやここは!?」
うん、と少年は小さくうなずいて
「ポケモン、ゲットーだぜ^^;」
※「ひらがな」を生かそうとあがいたのですが・・・やっぱし変(笑)
次のお題:「水遊び」「木材」「金鉱山」でお願いします。
401 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/08 11:02
学校の近所に、ハヤくらいは一応釣れる川があり、草ボーボーの土手にランドセルを放り出して、
ザリガニをさがしたり、意味もなく石を投げ込んだりして放課後を過ごしていた。
その日もいつものようにみんなで「投げ込み」に興じていた。
漬け物石くらいの大きさの一発をキメたら、ボワウン!という音と、すごい水柱が上がった。
一瞬シーンとしたあと、誰かが「おもしれー!」と叫び、みんなゲラゲラ笑い出した。
「そんなの大して面白くねーよ」
いつ来ていたのか、転校生のサドだ。佐渡島から転校してきたからサド。
そのアダナがすごくやばいことは、小学生だからまだ知らなかった。
「なんだよサド、もっと面白いことできんのかよ」
サドはふふんと笑うと裸足になり、浅瀬に入った。
「あ、おれの道具袋からザルだして」
笊を受け取ると中腰になって川底の砂を浚いはじめた。じゃっじゃっ。
「見ろよ」
笊には、砂に混じって金色に光るものが。金?ここって金鉱山?
それから毎日、放課後はみんなで「金鉱山ロードー」。笊持って中腰でじゃっじゃっ。
サドの指導のもと、せっせと励んだ。なぜかサド以外の笊に金が入ることはなかったんだが。
「そんなの面白いのか?」
橋の上からの声は、東京の木場から来た転校生のキバちゃんだ。なぜかでっかい木材を抱えている。
「キバちゃんはもっと面白いことできんのかよ」
キバちゃんは木材を橋からドブンと投げ入れ、川の深いところに浮かべると、自分も橋から飛び降りてそのうえに立ち、
玉乗りみたいに足を小刻みに使って、木材を転がしながら前身しはじめた。
「アラアラアラよ〜!」
スゲエ!全員、ダッシュで木材を探しに行った。
「川での水遊び禁止」というお達しが出る前の、ちょっとした思い出ってところだ。
次は「キーボード」「処女」「東京都」でお願いします。
402 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/08 16:07
『10時に新宿東口で。今は埼玉だよ。目印は赤い傘』
受信したメールには一言、必要なことだけが書いてあった。
メールアドレスからすると、携帯電話から打ちこんだものらしい。
新幹線の中で暇を持て余しているのだろう。
いよいよ会える。僕はキーボードを叩きすぐに返信した。
彼女はチャットで知り合った16歳の女の子。もちろん処女だ。
北海道に住む彼女が、わざわざボクにあいに来てくれる。
車を走らせた僕は愕然とした。
赤・青・黒……カラフルな傘が覆い尽くしている。
外は大雨だった。
次は『雪』『口笛』『カレンダー』てお願いします。
>166=>171=>174=>182=>191=>192=>202=>210=>214=>224=>232=>241=>248=>263
>266=>281=>290=>296=>300=>304=>321=>334=>337=>341=>349=>360=>363=>366
>373=>375=>382=>391=>398=>400に言いたい。
お前の文章を見つける度に、血圧が上がってしまう。
俺はお前が嫌いだ。
いや、お前が嫌いなんじゃない、お前の文章が嫌いなんだ。
ひたすら、つまらない。顔文字を多用するのも気に食わない。
単語の意味を知らない。文章を書く人間に、これは致命的だ。
233に揶揄されても気付きもしない。
まさか「玉石混淆」も知らないのか?
俺の力一杯の嫌味も通じなかった。悲しかった。
荒らしの方がまだマシだ。奴らは自覚してやっているからな。
だが、お前は無邪気に書きたいものを書いてるだけだから始末に困る。
カレンダーを見る。お前が現れて1ヶ月か…。
雪が降る頃までには、この状況も変わるだろうか。
俺が口笛を吹けるようになるのと、お前の文章が読むに耐えうるもの
になるのは、どっちが早いだろうか。
「錐」「無重力」「平凡」
↑
321は間違い。
すまぬ。
405 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/09 17:39
>「錐」「無重力」「平凡」
そして、いつの日か、君は愛に気付く。
平凡な小器用なだけの文章に囲まれて輝く、ワンアンドオンリー。
錐で刺されるような胸の痛み。
「雪ん子ぉ・・・・・・」
無重力空間に開放されるような幸福感。
「^^」
読んでしまう。最後まで、読みふけってしまうのだ。
彼女を愛しているのではない。
彼女の文章を愛している。
愛している。
御題は継続で。「錐」「無重力」「平凡」
個性という平凡が叫ばれて久しい今日この頃。
何が個性だ、何が自主性だ。
平凡具合を量ろうってんなら、俺がナンバーワンだ、
文句あるか?
家族構成は『一姫ニ太郎』の、その『太郎』だ。
名前? 太郎に決まってんだろ! ゴルァ!
今どき太郎は珍しい? じゃあ公共機関の書類書き込み見本でも見ろよ。
「日本 太郎」「郵便 太郎」「関東 太郎」俺がいっぱだ。
顔文字? んなもん、任せろ。平凡な奴しか使わん!
(^^) (; ;) (^^;) (- -;) (ToT)
大概はこれで非凡さを避けてるわけよ。
俺の感覚の世界では、怒りも悲しみも、喜びすらも
もはや無重力に漂う方向性のない塊にすぎない。それを意識しろ。
感情の鉾先を向けるべき目標があっても、だ。
無重力に漂う錐の頂点が差すのは『どこでもない』。
どこかへ向かったとしても、それは偶然だ。偶然を装おいたいなら尚更だ。
どこへも向かわない感情。偶然にしか支配されない感情。漂うだけで行き先を持たない感情。すべてを偶然でオブラートして焦点をぼやかせろ。
それが生き抜く、いや────それが平凡のコツだ。
次のお題:「洗濯ばさみ」「携帯電話」「包帯」
俺のアパートの窓からは、一戸建てのベランダが見える。
朝カーテンを開くと、よくその家のベランダに洗濯物が
干されているのを目にする。
しかし、ごくたまに変わったものが干してあることがある。
それは、携帯電話だ。
ストラップが洗濯バサミにはさまれている。
ボディの部分には、包帯が巻かれている。
不思議な光景だった。
ベランダに干す必要がまるでないのに、何故。
包帯を巻く必要がないのに、何故。
一度も鳴らないのは、何故。
しかし、時が経つにつれ、
この不思議な光景も、日常の風景へと変わっていった。
俺の中の疑問もやがて、解消はされていなかったが
疑問ではなくなっていった。
俺はいつも通り、朝カーテンを開いた。
「!!」
そこには、新モデルの携帯電話が並んでいた。
俺は苦悩した。
次のお題:「爆発音」「緑色の生物」「爽やかな笑顔」
408 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/10 10:37
この小さな事務所には、爽やかな笑顔を見せてくれる女子社員など居ない。
俺と社長の他には、ベランダの片隅で緑色の生物が風に揺れているだけだ。
こいつは去年の暮れの大掃除の時、積もった砂をかき集めた山から芽を出した。
いわゆる雑草という奴だが、俺にそれを刈り取るつもりは無かった。
俺は毎朝ひと仕事始める前にブラウザを起動し、このスレを見る事にしていた。
いつものように、まだ読んでいない番号から読み始める。
401、402と読み進め、403を読み終えると、スクロールさせる手を止めた。
俺はここで挙げられている人物じゃないとは思うが、「レスを全部読む」をクリックし、
自分が書いた番号と重なっていないか確かめた。
結果、403で挙げられている番号と、都合5本ある俺のレスは重なっていなかった。
「まぁ、俺のレスも「石」のほうである事には変わりないだろうがな」
その時爆発音が轟き、俺は表の道路を見る。1台のバイクが走り去っていった。
毎朝9時10分になると、くそやかましいバイクが事務所の前を通る。
明日の朝は止めてぶっ殺してやると思っても、9時15分頃になるとすっかり忘れるらしい。
明日の9時10分に、俺はまた腹を立てている事だろう。
●次は「サンダル」「電話帳」「気合い」でお願いします。
409 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/10 10:50
脱ぎ散らかされたサンダルは、色褪せたピンク色だった。
くたびれたそれは、まるで自分のようだと思いながら、彼女はやるせなく口元を歪めて笑った。
のろのろとリビングに向かい、所々染みのあるソファに身を沈める。
――ああ、これはあの時彼がこぼしたコーヒーの染みだ。何故洗おうと思わなかったのだろう。
心の中に穿たれた空洞が、やがて孤独によって満たされてゆくのを感じながら、
今では広く感じられる部屋を見回した。実家から持ってきた古びた電話台に、一冊の電話帳が残されている。
それだけが、彼女の愛した男の残したものだった。
「新しい仕事が見付かったんだ。気合を入れなおして、しっかり働くからな
彼はそう言って微笑んだ。どこか照れたような、しかし力強い笑みだった。
――何故、あの微笑を失ってしまったのだろう。どうすれば、二人は別れずに済んだのだろう。
ぼんやりと電話帳を見つめたまま、彼女は身じろぎもしなかった。
●次は「リンゴ」「カレンダー」「スパゲティ」でお願いします。
410 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/10 11:02
ワールド・シリーズ決勝、マリナーズ対ヤンキースで満員のセーフコ・フィールド。
マリナーズが3点リードして迎えた9回表。優勝の瞬間を目前にして、怒号にも似た歓声に包まれてたスタンド。
観客はすでに全員立ち上がって、佐々木の登場を待っていた。「カズ、カズ、カズ、カズ、カズ、カズ!」
アップを終えた佐々木が、ゆっくりとブルペンから足を踏み出したそのとき、耳を聾する爆発音が鳴り響き、
スタンドを振動が襲った。逃げまどう観客、うろたえる選手、叫ぶ実況アナウンサー。
パニックの中で、ヤンキースのトーリー監督だけがひとり冷静だった。
彼は腰を抜かしているアンパイアに近付き、告げた。「ピンチヒッター、あいつ」
ネクストバッターズサークルの、爆発でできた大穴から巨大な緑色の生物が這い出し、マスコットバットを掴んだ。
ネバネバした触手から繰り出すのは異常に鋭いスイング。
「秘密兵器だぜ」トーリーは不適に笑った。
「くそっ、トーリーきたねえぞ!」マリナーズのピネラ監督は叫んだ。そして佐々木を呼び寄せた。
「行け!大魔人」
ゴゴゴゴ!巨大化した佐々木は緑色の生物をグラウンドの土ごとつかみ取ると、ボールのように丸め、
グラブの中で握り、投げた。ボールはシアトル郊外のレーニエ山の頂上にストンと落ちた。
「すばらしいフォークが決まりました!満員のお客さんから大魔人コールです」
「ダイマジン、ダイマジン、ダイマジン、ダイマジン!」
大魔人はいつもの爽やかな笑顔、ビッグスマイル(!)でファンに応えた。
次は「衛星」「だるま」「臭気」でお願いします。
ああ、またリロードしないでそのまま投稿してしまった。
412 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/10 13:36
>>1によると、こういう場合は先のほうのお題が優先のようだけど
是非6つでがんばってほしい(笑)
413 :
林檎/カレンダー/スパゲティ/衛星/だるま/臭気:01/09/11 01:24
墜落した人工衛星に積んであった「排便消化菌」。
それは人工衛星内の「食物→便→水」への循環を促す大発明でした・・・
レストランはいまだない臭気に包まれておりました。
「私は、ペペロンチーノのスパゲティと紅茶。娘はリンゴジュースで。」
徹夜論文明けの父と徹夜同人誌明けの娘が、ぼんやりと空を見上げながら
機械的にスパゲティを口に入れてゆきます。
背後には、奇妙な音と臭気が、けたたましく臭ってます(?)。
「達成感と爽快感。いつもにもまして、素晴らしい朝だの。」
「身体がきれいになってみたい^^」
テレビでは報道官が、カレンダーを指しながら悲鳴を上げておりました。
「もはや我々は手も足も出ません、ダルマです」
「全地球にばらまかれた排便消化菌は、来週には人類の9割の直腸に(涙)」
「何が悲しいのか? 便所にゆく時間も省けて助かるではないか。」
「健康になっていいじゃない、ねえ」
話している間にも、おびただしいオナラが二人の背後から発射されます。
どうせ自分の屁、人類の屁なのです。いずれみんな慣れるでしょう^^
「一屁は、百薬に優る」
※便秘よりはマシな結末ではないでせうか?^^;
次のお題:「青空」「青春」「青いカプセル」でお願いします。
「リンゴ」「カレンダー」「スパゲッティ」
「衛生」「だるま」「臭気」
「こんなとこ早く出ようぜ」
真一は、火のついていないたばこをくわえながら、言った。
夕方4時半を過ぎた店内には、寛と真一以外に客は一人もいなかった。
「まぁ、待てよ」
真一は、普段は大人しい寛の口調の変化に気がつかなかった。彼も、あるいは平常心ではなかったのかもしれない。
「しっかし、お前、よくそんなスパゲッティ食えんな。どう考えても、この店、衛生に問題ありだろ」
「黙ってろって」
「汚ねぇなぁ、見ろよ、あそこ、だるまが置いてある棚、駕籠の中にリンゴがあるだろ。汚ったねぇ、
ハエが黒々とたかって。ヘッ、カレンダーだって、一昨年のだぜ」
埃っぽく、陰気な店内には食べ物の臭気、というよりむしろ雰囲気そのものがどす黒い臭気となって漂っている
ようであった。真一の声だけが白々しく、広くはない店内に響いていた。
「しっかし、なんだってこんな店選んだんだ?」
「この店、昨日までずっと閉まってて、今日一日だけ開けたんだ、俺たちのために」
皿の上から見上げた寛の顔は、血の気が失せ、青ざめていた。
「なんだそりゃ」
「佐藤洋子の実家だよ、この店」
一瞬、真一の表情が強ばった。したたり落ちる汗は、額でまだらに光っていた。
「あいつと俺、付き合ってたって知ってたか」
「ハッ、笑わせんな。お前みてぇなダセェ男が女と付き合えるわけねぇだろ。それにあいつは…」
真一は、思わず息が詰まった。
見た目のひ弱な寛からは想像もつかないようなものすごい力が、真一の腕を押さえつけていたのだ。
奥のキッチンからは、備え付けの棚から刃物を抜きとる音が聞こえてきた。
ちと、長いか…。
ま、お題は、前の方ので。
415 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 01:42
「課長、新製品を開発しました!!」
「おお、やっと出来たのか! 名前はなんだ!?」
「『青空青春、青いカプセル』です!!」
「……それちょっとセンスないんじゃないのか?」
「何を言うんですか! これを飲めば青春のあの青空が蘇るんですよ!!」
「そうか……どれ、試してみるか」
「あ、課長。そんなに飲んじゃ……」
「うおおおおおぉ。股間が熱い。青春が蘇るとはこういうことか」
「いえ、あの、それは副次的な物でして。決してそういう目的では……」
「おい、山川君。今ここでしよう」
「うわ、課長。やめてください。男同士ですよ!!」
「かまわんかまわん。ほうら、もうこんなに濡れてる」
「濡れませんよ! うわ!! ギャー!! 助けて!!」
……次のお題は『濡れる』『感触』『指先』で。
あ、「衛生」→「衛星」だったのね
ま、いっか
ちくしょ
突然、右の頬に鋭い痛みを感じた。
指先で、感触のあった辺りを探ってみる。
ぬるりとしたものが指先に残った。
血、だ。鏡を見ると、たいして深くない傷だが、
思いのほか出血している。
かまいたちか? と思って顔から手を離した瞬間、
再び左の頬にも同じ痛みが走った。
結果、両頬からの出血により、涙のように頬が濡れる。
「なんで、こんなことが……」
突然の事に無気味になった私に一つの言葉が降りてきた。
天啓とはこういう事か。
「右の頬を打つ者に、うかうか左の頬も差し出すと、かなり鬱だ」
おそらく
>>413を目にしたら
>>401もかなり鬱だろう。
頑張れ若造! 両者、年寄りだったらゴメソ!
官能系はしらけるので自粛、です。
>次のお題:「箱」「スピーカー」「奥義」
419 :
:「箱」「スピーカー」「奥義」:01/09/11 06:30
●余談レスで恐縮です^^;
恥かしいけど、
>>413書いてから
>>403に気がつきました。
逆順よみしてるせいです。お粗末でした・・・
なんだか、「平服でどうぞ^^」というパーティにYシャツ一枚できてみると
実は衣装箱満載で・・・
スピーカーで「みなさーん、2さんは平服ですよー」なんて気分です(笑)
「お遊び、お遊び」に惹かれて書いてたのにー^^;
下手なのとか、しょーもないのとかは書いちゃだめ?(涙)
もに、しょーもなさに石になってしまうなら・・・
あなたの愛で、読み飛ばしてやってほしい。
(でも、全部読んでてくれたみたいなのは、ちょっと嬉しかったりして;)
「読むに耐えるようになるまで」と言われても、今までそんな上達してないし・・・
冬まで待ってもムダだと思う^^;
別に文章の「奥義」とか「最低限の常識」学ぼうと書いてるわけでもないし。
こんなへりくだる必要ないかもしれないけど・・・
「石があるから、玉がひきたつ」 と、たわしは言いたい。
それに、石だって、なんかのはずみで沢庵石に役立ったりするかもしれない。
※ホント青臭いこと書いてスマソm(_ _)m
次のお題:そのまま継続で:「箱」「スピーカー」「奥義」でお願いします。
(お騒がせしましたー^^;)
420 :
「箱」「スピーカー」「奥義」:01/09/11 09:50
私はこのスレが大好きだ。
勿論かちゅ〜しゃの「お気に入り」にも入れてある。
そこをクリックして新しいレス数が表示される時は
プレゼントの箱を手渡され、
「開けてごらんよ」と囁かれている時の、あのワクワク感に似ている。
恥ずかしながら自分も実は数個書き込んでいる。
創作時に気をつけているのは、音量を絞る、ということだ。
最大ボリュームでは
スピーカーから流れる音が割れ、五月蝿いだけの雑音になる。
高質を目指すなら音量を微調整出来なくてはいけない。
偉そうに書いてしまって申し訳ない。
実際は、自分は微調整どころか
ツマミの目盛りさえ読みきれていないのが現状である。
読み手の立場になってみれば、
パーフェクトな文章を作るのが可能な奥義は無いからこそ
多種多様な文章を楽しむことも出来るのだけれど。
次のお題は「ガーベラ」「コロッケ」「防災」でお願いします。
422 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 10:14
「師よ!なぜ私の技を封印されるのですか」
わたしは立派なスピーカーになりたかった。拙い語りを補うために、自分なりの技をあみ出した。
いくつかの語りはうまくいき、これから磨きをかけようと思っていた。
それなのに、その技を封印されてしまったら、どうやって語ればいいのか。
語れないスピーカーなど、たんなる箱。いやだ!わたしは語りたいのだ!
「師よ、ああ、慈悲深き師よ。それではどうか私に顔文字に替わる奥義をお授け下さいm(_ _)m」
師は沈黙したままだ。そんな奥義など、どこにもないからだ。
次は「耳」「浮世絵」「天下り」でおねがいします。
423 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 10:16
420です。まただ。いつもすみません。
424 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 11:02
番号間違えました。422です。ほんとすみません。421の題で書きます。
「お母さん、明日、学校に防災頭巾を持ってかないといけないの」
娘はおずおずとプリントを差し出した。日付けは一週間前。
いつものことなので、もう怒る気にもなれないが、一応怖い顔をつくる。
「もー!またア?買いに行くから一緒に来なさい」
商店街の雑貨屋で、娘はなかなか可愛い柄の頭巾を選びだした。この子はセンスがいい。
こういうモノを手作りしないのは専業主婦の名折れだろうか、とちらりと思う。
でもちゃんと商品として売っているのだから、みんなが手作りってわけじゃないわよね。
肉屋でコロッケを買い食いし、花屋でガーベラを買って帰った。
なんとなく楽しい夕方だった。
425 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 11:27
お題は「耳」「浮世絵」「天下り」でいいのかな?
「社長の遺体が発見された時、私は社長室の隣――秘書課の部屋にいました。
社長が社長室から出て行かれたことも気付きませんでした。丁度浮世絵が届いた所で…
ええ、社長室に飾る為にと、社長がご自身で購入されたものです。
何か気付いたこと、ですか?そうですね、そのすぐ後、専務が秘書課にいらっしゃいました。
国土交通省からの天下りの方なのですが、随分社長とは対立されていて……
え?私の耳に、もっと他に噂が入っていないかですって?残念ですが、社長と専務の対立以外には。
その対立の原因というのは、実は――」
次は「螺旋階段」「横綱」「パラボナアンテナ」でお願いします。
426 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 13:40
「横綱! 今のお気持ちはいかがですか?! 引退はありえますか?!」
私はひとつため息をついた。
相撲界に入って15年。入幕して8年。横綱になって2年目の秋場所。
5日目に既に2勝3敗。正念場だ。
部屋に帰っても親方は無言だ。
付き人達は、私と目をあわせないように下を向いている。
4階建てのモダンな建物。私の居室は最上階にあった。
有名な建築家が設計したものらしく、窓の外に螺旋階段が
見えた。
「記者達から逃げようたって、この巨体じゃな」
螺旋階段を降りることができない。
居室から出て、親方の部屋へ行った。
「親方、ちょっとマンションに帰ってきたいんですが」
「……そうだな。カミサンとも話してみろ」
帰ると、妻はいるのにテレビが消してあった。
めずらしい。
口に出すと、妻は困った様に少し笑った。
「パラボナアンテナの調子が悪いようなの」
たぶん嘘だろう。
だが、その嘘にちょっとなぐさめられた私がいる。
427 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 13:42
あ、次のお題です。
「うまい棒」 「近所の犬」 「大雨」
お願いします。
428 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 13:53
私は気を取り直し、屋敷内の隅々まで見て回った。
室数五十を超える客室はおろか、倉庫に厨房はては浴室に至るまでだ。
しかし、そのどの場所でも、人の気配は微塵も感じられなかった。
落胆と疲労で体が重い。
足を引きずるようにして、螺旋階段に差し掛かったときだった。
突然、窓という窓が光を放ち、雷鳴が轟いた。
思わず近くの窓を覗いた私の目に浮かび上がったのは━━蔦に覆われた尖塔に鎮座した、巨大なパラボラアンテナ。
洋館には不釣合い、というよりもむしろシュールとさえ思えるその光景に、私はしばし言葉を失った。
そのときだ。私の耳に荒い吐息が吹きかけられたのは。
その余りの生々しさに背筋が凍りつき、全身が総毛立つ。
窓と私の間に何かが滑り込んだ。
わずかな空白。
強烈な圧迫感とともに、私が最後に理解できたものは、横綱のマワシと、肥えきった肉体と、突き出された豪腕。
それからのことは、ナニモオボエテイナイ。
書いた自分が意味不明ですわ(w スミマセヌ。
次は「日本刀」「トウモロコシ」「六法全書」でお願いします。
げ、被りました。
後のはナシということで・・・m(__)m申し訳ない。
恥の上塗りだ・・・鬱。
いつも同じ人がカブッてるように思う
一種の荒らしではないか
えっ、気のせいじゃないの……
少なくとも私は一回しかかぶったことないっすよ。
(>429じゃないよ)
1度かぶった人は気を付けてくれ。
2度同じ間違いを繰り返すのはカコワルイぞ。
>>419 アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
アヒャヒャヒャアーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャアヒャヒャドヒャヒーヒーヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャアーーヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャウププヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャアヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャブヒヒャヒャ
ヒャヒャヒャハライテーヒャヒャヒャヒャヒャヒャクククク
ヒャヒャヒャヒャヒャ-ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャアヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒーヒヒヒヒヒアーヒャヒャヒャアヒヒヒヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャアヒャヒャヒャヒャグヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャドヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャー
アーヒャヒャヒャウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
ヒャアブヒャヒャアヒャヒャヒャヒャヒャシヌーヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャイヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
ヒャエヒャヒャクククヒャヒャヒャヒャヒャウヒャヒャヒャ
ハライテヒャヒャヒャヒャヒャアヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャー
ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャーーー
434 :
あの、426です:01/09/11 17:49
読み返して思ったんです。
5日目で2勝3敗では引退の危機ではないですね。
ですから、2日目移行4連敗、くらいに読んで下さい。
ごめんなさい。
投稿後いちいち付け足したり、どうでもいいような訂正をするのもカコワルイな。
>435
訂正しなかったらもっとカコワルイじゃないかよう。
>5日目に既に2勝3敗。正念場だ。
訂正するならまずテニオハではないだろうか?
438 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 20:55
「うまい棒」 「近所の犬」 「大雨」
焼酎五合分の眠りから覚めて、私は、とにかく起き上がってみることにした。
しばらくは横になったままでいたい気分だが、咽喉がひどく乾く。
冷蔵庫に昨日のオレンジジュースかなにか、残っていたはずだ。
酒臭い溜息をひとつ吐く。頭と胃袋に余計な刺激を与えないよう、そろそろとベッドから体を起こす。
煙草の焦げ跡だらけのカーペットに足を下ろしたとたん、クシャ、と軽い音がして何かが潰れた。
「うまい棒・たこやき味」
私の足元でひしゃげてスナック菓子の粉末を飛び散らせている小袋には、いいかげんな描写のキャラクターと共にそう書いてある。
袋の先には、トラックとセダンのミニカーの忘れ物。
月曜の、おそらく昼過ぎ。
真夏の陽射しと、近所の犬が狂ったように吼える声が、閉め切ったカーテンの隙間から突き刺す。
私は、瞬間的に猛烈な吐き気が襲ってくるまで、暫くそのまま動けずにいた。
こみ上げてくるものをなんとか抑えながら、トイレに辿りついて、私は嘔吐した。
体中の全てのものを、トイレの水を流し放しながら、吐き出した。
昨日を、先週を、去年を。思い出せる限りのものどもを。
どうやらそのまま眠ってしまったらしい。
パイプから水の噴出すシューシュー言う音で目が醒めると、私は真っ暗なトイレの中でタンクの蓋を抱いて床に横になっていた。
ずぶ濡れになりながら眠っている間、どうやら大雨の降る夢を見ていたようだ。
そこがどこでいったい何をしていたのか、全く思い出せないが。
…お粗末でした。
では次、「文庫本」「掃除」「団扇」でどうぞ。
http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news&key=1000204851 “迷惑メール”発信サイトに“じゅうたん爆撃”運動が勃発
【国内記事】 2001年9月11日 06:43 PM 更新
出会い系サイトなど会員勧誘などが携帯電話やPCに無差別
に届く“迷惑メール”問題で,ユーザーが発信元のサイトを
“じゅうたん爆撃”して攻撃する運動が広がっている。
掲示板サイト「2ちゃんねる」に,出会い系サイトに対し
スクリプトを実行するURLが複数公開されている。ここをク
リックすると,出会い系サイトに対して「迷惑メールを送るな
」などといった書き込みや,会員登録を連続して自動的に実行
する。多数のユーザーが参加すれば出会い系サイトはDoS攻撃を
受けることになり,サーバがダウンする可能性がある。
440 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/11 22:18
「文庫本」「掃除」「団扇」
数ヶ月振りに部屋の掃除をし、本棚の整理をしていた私は、懐かしいものを見つけました。
あなたは覚えておいででしょうか。あなたがこの町にいらしたあの頃、私に貸して下さった文庫本です。
あなたはいつも、縁側に安楽椅子を持ち出して、団扇で涼を取りながら読書しておられましたね。
ある日お邪魔した私が、あなたが読んでおられた本に興味を示したのを御覧になったあなたは、
快くその本を貸して下さいましたね。とても嬉しく、帰宅する電車の中で頁を捲ったものです。
その後すぐ引っ越してしまわれたあなたに、いつかこの本をお返ししたいとそればかり願っておりました。
先日、同窓会であなたの現在の御自宅の御住所を知り、こうしてお頼りいたしました。
次は「青空」「バス停」「打ち水」でお願いします。
441 :
「青空」「バス停」「打ち水」:01/09/11 23:01
バス停殺人事件発生!
打ち水をしていたバス会社のおっさん、バス停で撲殺さる。
目撃者は一切なし。
現場は抜ける様な青空で、人影ひとつなかった。
「ちょっと待ってください、警部」年配の記者が、話の腰を折った。
「目撃者はいないのですね」「はい!」
「現場には人影ひとつなかったのですね」「そうです・・・」
「現場に人影ひとつないのを、どうやって目撃したのですか?」
警部、一つもひるまず。
「目撃者はいません。でも、目撃物はあったのです」「・・・?」
「バス停ですよ。バス停が第一目撃者です、只今、捜査部は彼を尋問中です」
それから2日後、事件は恐るべき展開を見せた。
バス停が犯行を自白したのである。
バス停殺人事件・完
※結局毎度あいかわらずですが・・・
次のお題:「神戸肉」「京湯葉」「紅葉饅頭」でお願いします。
「神戸肉」「京湯葉」「紅葉饅頭」
神戸肉はひどく疲れていた。
一日中、砂袋をかついで運んだ。
右から左へ
下から上へ
幾度と倒れた。足の関節がきしむ音がした。
すり減った靴。
肩の傷。
ゆがんだ背骨。
家路は徒歩である。数キロ歩いた時点で
神戸肉は立ち止まりポケットから
紅葉饅頭を取り出した。
この数日、ろくな食事を取っていない。
口を大きく開き、かぶりついた。
京湯葉の呪いも知らずに。
=====
なんかなぁー、まあいいか
=====
ええと、次のお題は
「ペプシ」、「カラーテレビ」、「熱いシャワー」
443 :
「ペプシ」「カラーテレビ」「熱いシャワー」:01/09/12 00:19
盛夏、昼下り。
カラーテレビにかぶりつきのサザエさんに、カツオがコーラをもってきました。
「お姉さまー、冷たいペプシでもいかがですか。」
「まあ、気持ち悪い。何がほしいの、はっきりおっしゃい!」
「ショッピングセンター行かない・・・」
と、サザエの肩を揉むカツオに「はっ!」とある緊張がはしりました。
そこにマスオさんが帰ってきます。
「あら、お帰りなさい。熱いシャワーでもどーぞ。」
「また今日も、マスオ君は養子だからなんて言われちゃったよ、ハハハ」
「ははは・・・」と、カツオは力無く笑うだけです。
「ホント、今日はなんか変よ、カツオ」サザエは不思議がりました。
そう、カツオは見てしまったのです。
サザエの肩に、幾重にも深く刻まれた、緊縛の縄の痕跡を・・・
「なんでもないよ。」カツオは言いました。
「なんでもないんだ。お姉さん。」
※やっぱし下品。
次のお題:「水晶」「時間」「温泉」でお願いします。
444 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 22:20
私はいつも時間に追われていた。シングルライフ、っていうとすごくかっこよくて
若々しいイメージを抱く人は多いだろう。でも、私はいつだって疲れきっていた。
朝6時起きで弁当を作り、車で会社へ行き、働き蜂のようにせっせと働き、残業は当たり前。
下手すると次の日にまたがることだってあるのだ。寝るために帰るだけの家になっている。
休みの日すら新しいプランを考えたり遣り残しをエクセルで打ちこんだり、常に仕事のこと
が頭から離れない。楽しみといえば熱帯魚をしばし眺めるくらいのものだ。
今日は残業はなかったもののやはり疲労を背負っていつもの道を歩いていた。どこかへ
いって飲んで憂さ晴らししようとふらついてたのだが、ふとネオン街の隅のほうに
全身黒ずくめの人を見つけてはっとする。どうやら占い師らしい。私は吸いつけられる
ようにそっちのほうへ向かっていた。霊感占いが主だと言いながら、そのわりかし綺麗
な女性は手元にあった大きな水晶玉をじっと見つめる。「私の今後はどんなもんでしょう。
今のままでよいのでしょうか?」という質問に対して1つの答えが返ってきた。
「今のままでは危険です。何か黒い陰が見えます。1つアドバイスしておきます。
温泉へ行きなさい。できるだけ遠くの名の通った温泉へ行って身を清めてきなさい。」
こうして私は、気にかかる仕事を振り切って今北海道の温泉へと車を運ばせるのだった。
445 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 22:24
間違い訂正:陰→影
お題です:「ネクタイ」「ドーナツ」「誕生石」よろしく。
446 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 22:33
「トルコ風呂がソープに名を変えて、トルコ共和国の人たちが
喜んだっていうけれど、その比じゃないわけよ」
片見のやつがドーナツをむしゃむしゃしながら熱弁している。
熱弁してなくても暑苦しいやつなんだけどね。
「12月生まれの誕生石はトルコ石! トルコ風呂が改名して、
全国1千万人の師走生まれが、心の底ではどれほど感謝しているか、
わかるかなあ。誰も語らないんだけど」
やつはネクタイをはたいて、シュガーを落とした。
447 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 22:35
あ、またお題を忘れた。
お次は「まったり」「のんびり」「のらりくらり」
448 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 23:21
「君達、耳の穴かっぽじってよく聞きたまえ。いいか、まったりとのんびり
とのらりくらりってのは似てるようで全然違うんだぞ!
まず君たちはまったりしたおいしいものを食べて健康にも気をつけねば
ならない。規則正しく早寝早起き、栄養ある食事。これは戦うには最低限
必要なのだよ。次に、のんびりすることも大事だ。脳に糖分をやる以外に、
のんびりと休む時間も後々に脳を活性化させることになる。最後に、これだけ
にはなるな。のらりくらり。これにだけは君達はなってはならない。人間
めりはりが大切だ。計画を緻密にたて実行せよ。ああ、これぞ勉学の正しき道。
あ、言い忘れた。もちろん勉強しろよ。俺が君達に最後に残す言葉はこれ
だけだ。君達ならわかってくれると信じている。クッ。」鬼講師で有名なやつが
男泣きしながら教室を出て行った。
周りの友人達は寝たりあくびしたりどうでもいいという感じでその講演を
聞いていたが俺はなぜか熱くなっていた。闘志の炎がめらっと立ち上ってきたのだ。
「偏差値10からの大学受験」そんな看板が立った予備校のドアを開けて外に飛び出し、
風をきりながら歩いていく。俺の偏差値はかろうじて9という感じだがなあに、これからよ。
449 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 23:25
また忘れた。
お題:「洗顔クリーム」「糸」「歴史」よろしゅう。
450 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 23:30
451 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/12 23:42
上のはやらしい画像です。
「洗顔クリーム」「糸」「歴史」
今、世界史のテスト中だ。
なんだってこんな昔の出来事を知らなければいけないんだろう。
1800年も昔の中国の出来事なんて知って何になるんだろう。
「そういう出来事を糸として織り上げられた芸術品が歴史なんだよ」
先生はそんなことを言っていたけどそれにしては美しくない出来事が多すぎる。
それに過ぎてしまった歴史に対して私達は何もできないのだ。
そんなことを考えていてもテスト用紙の空白は埋まらない。
私に出来ることは帰りに切らせてしまった洗顔クリームを忘れずに買うことだ。
退屈なテスト時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
:初参加ですダメなところ(ばかりですが)を指摘して頂けると嬉しいです。
次のお題:「モンスター」「ピザ」「カレンダー」
453 :
:「モンスター」「ピザ」「カレンダー」:01/09/13 23:39
教授が、10年ぶりにパソコンを買い換える。
貧乏研究室としてはの一大イベント。カレンダーを前に教授はワクワクだ。
「今まで使ってた、ピザボックス型のMacのLC***は格好はよかったけどね」
「今度入るのは、CPUの動作周波数が200を越えるモンスターマシーンで・・・」
みんな同じ事ばかり何度も聞かされる。一体、どんなマシンなんだろう?
「うむ、68系じゃなく、PowerPCというCPUが使われておる。9月には入るよ」
そして、9月になって、宅急便屋さんがやってきた。
「任天堂ゲームキューブ1台ですね。ハンコを・・・」
※ちょっと欲しい、ゲームキューブ^^
次のお題:「稜線」「G線」「中央線」でお願いします。
454 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/14 19:18
バッハのG線上のアリアが空間に鳴り響く。
南アルプスの稜線が朝日に金色に輝く。
中央線の電車が、山を越えて美しい姿を現す。
中央線? 中央本線ではないかって?
私が作ったこの空間では、アルプスを越えて中央線の電車が走る。
狭い部屋いっぱいに展開された風景の中を疾駆する
小型の模型電車の姿が、音楽に包まれる。
美しい!
455 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/14 19:21
お題です。
「爆破」「身を守る」「行方不明」です。
456 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 01:41
爆破」「身を守る」「行方不明」
モンゴル平原とは、これほどまでに我々にとって不利な土地とは、思わなかった。
この、隠れる場所すらない広大な平原で、我々は、ほどなく全滅させられるだろう。
鉄で覆われた、巨大な化け物。戦車という名前は聞いていたが、それが、まさかこれ程までとは…。
すさまじい走力、猛烈な火力、それから強靱な鉄の装甲。このソビエトの化け物に対して我々の機関
砲では、かすり傷すら負わせることが出来ないのだ。
「戦車内ニ日本兵ガ捕ラレテイル虞有、攻撃待機セヨ」
この伝令を最後に、もう十時間以上なにも連絡がない。
命令を下す上官も、伝える通信兵も行方不明ときている。いや、すでに戦死したと考えた方がいいだろう。
この小さな蛸壺が敵に発見されるのも、時間の問題だ。
とにかく、こんな馬鹿げた命令を守ることよりは、たとえ独りでも我が身を守るためには、決死の覚
悟であの化け物を倒すしかないのである。こんな歩兵銃も火炎瓶もまったく役に立たないのは、分か
り切っている。しかし、地雷なら、この地雷ならなんとかなるかもしれない。
こんなことは、儚い慰めにしかならないかもしれないが、こいつを足下で爆破させたならば、あるい
は、いくら戦車といえども、傷くらいは負わすことは出来るのではないだろうかと思っている。
これを書いたところで、誰の目にも届かないのは分かっている、しかしこの失敗を繰り返さないため
にも、書かずにはいられなかったのだ。いや、本当は今の自分を勇気づけるためだったのかもしれないが。
ノモンハンにて
457 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 01:45
お題は、「国旗」「小川」「ボール」でお願いします。
458 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 02:12
俺のばあちゃんの思い出というのは、戦争の中でのごく素朴な
それでも楽しいものばかりだった。おもちゃといえば今のファミコン
とかゲーム機みたいな進んだものなどない。ボールとかおてだまとか
ゴム飛びなんかが主だったが、それでも楽しかったし不幸など感じ
なかったという。そして小川が友達だった。裸同然で水遊び。自然の中
に育ち名のわからない花に命名するだけで女の子は幸せになれたんだ。
蛙を捕まえて戦わせるだけで男の子は十分戦士だったし。
やがて終戦を迎え、ばあちゃんはお嫁に行き、家を守った。そんなばあちゃんが
ポツリとこぼした。「ああ、日の丸弁当が食べたいよ。今日のお茶会にもってく
弁当、日の丸にしとくれ。」「母さん、もっといいもの作りますよ。」
「いや、日の丸でいい。」なんでも、同窓生に会うのだそうだ。日の丸弁当を
見ると、日本の国旗を思い出し、いつでもどこでも戦時中のできごとの
話で盛り上がるらしい。どうやら以前も持っていったようだ。背中が曲がって
顔はしわくちゃのばあちゃん。若い頃は夢と希望にあふれていたんだろうな。
例えそれが悲しい色を帯びた時代のなかででも。ささいなものに歓喜していたんだ・・・
お題:「ドライヤー」「喫茶店」「消毒液」よろしく。
459 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 02:24
名もない小さな喫茶店
そんな名前の喫茶店でコーヒーを
胃が汚れています
指が汚れています
消毒液は缶コーヒー
胃から腸へ
血管へ
指へ
ドライヤーで乾燥した布団で眠ります
明かりを消してください
毛布をください
詩じゃダメ?ずるい?
「鍋焼きうどん」「盗撮」「カミソリ負け」
460 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 02:50
「父さん、人相悪いよ。髭もう少しそりなよ。じゃないとパンチラ盗撮
する変態みたいだよ。」「パ、パンチラ?」私は渋々髭をそることに
した。スーパーマリオみたいに綺麗にのばしてたけど、娘に気持悪がられて
いてもたってもいられなくなったんだ。つっ、いてぇ。どうやらカミソリ負け
したらしい。やっぱT字型は苦手だなあ。
今日は家族サービスの日だった。朝からドタバタ用意して、なんとか車で
目的の旅館までやってきた。西日が差し込む部屋で、テレビを見たり菓子を
食いながらお茶を飲んだりしてのんびりしていた。すでに浴衣に着替えたりして♪
娘と坊主は下の一角にあるゲーセンに行くとかいって下に降りて行ったし。
家族サービスといってもなんだかバラバラだなあ。奥さんはそこらへんにあった
通販のカタログを夢中で読んでるし。まあ、昼間は遊園地へ行ったし、これでいいんかな?
やがて夕食の時間になった。懐石料理みたいなのがズラッとならんでみんなもくもくと
食べていた。「うちの鍋焼きうどんが食べたい。」坊主が突然思い出したかのようにそうつぶやいた。
その後坊主は帰りたい、帰りたいとだだをこねだした。家でゴロ寝してるだけで家族サービスに
なってるのかな?俺はふと考えさせられてしまった。
お題:「パチンコ」「パフェ」「猿」よろしく。
461 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 03:07
完璧。
一点の欠陥もないパーフェクトなチョコレートが
チョコレートパフェとはいかがなものか?
そんな疑問を抱き彼は挑戦した。
命を注ぎ込むのだ。
生クリームの食感を殺さず固すぎず、柔らかすぎず・・・。
屈折した発想は猿の命を奪う結果に。
テーブル中央の穴から頭だけ出した猿。
木槌で頭蓋骨を割り露出させた脳に生クリーム、チョコクリーム、バニラアイス。
数々のフルーツと板チョコがトッピングされたそれはまさに完全無欠のチョコレート。
それがパチンコの景品。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ヘラブナ」「レンジャー」「医学書」
遊園地にいた。
大雨が降っていて、遊園地のアトラクションは運行停止になっていた。
たくさんの客達が大きな待合室にいた。
そこで想い想いの事をして過ごしている。
「ヘブラナレンジャー観れなかったね」
をくり返す彼女の隣で、私は窓の外を眺めて、
「雨は止むかな」と心配気に呟いたが、
本当は彼女の前だというのに、うまくいかない髪型のことで精一杯だった。
友人に先に行ってくれるように言っておいてから、トイレに入った。
鏡の前で髪型を直すけれど、やっぱり駄目だった。
諦めて外にでると、
鞄の中に法医学書があった。
それがパチンコの景品。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「未来生物」「天気雨」「対岸の火事」
463 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 03:48
「未来生物ってさー」
唐突に彼女はつぶやいた。
「今ココに現れたらもう未来じゃないから未来生物って言えないよねー」
(やれやれまた始まった)と思いながら僕は答える。
「そうゆう事じゃなくてさ、今まで見たこともないような生物だから未来の生き物って事なんじゃないの?」
「そっかー、そうじゃなきゃ私たちの子供がもし生まれたらその子も未来生物って事になっちゃうもんね」
そんな僕らのやりとりをにやにや見ている友人、まるで対岸の火事って顔だ。
そう、彼女は僕としか話さないのだ。
毎日毎日こんな突飛な会話をさせられるこっちの身にもなって欲しい。
「そういえばさー」
まただ。
「天気雨って天気なの?雨なの?予報する時はなんて言うの?」
それにはまじめに答えなければ。
なぜなら僕は気象予報士。運転免許以外で唯一持っている資格だ。
それはパチンコの景品だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「象牙」「停電」「コロイド」
464 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 05:40
年老いた叔父が街からやって来た。
街からは、次から次に人々がやって来る。
叔父も、その中の一人だ。
たどり着いたのは明け方のまだ薄暗い時間だった。
叔父は親切な人に連れられて、わたし達の家に来た。
親切な人は叔父を家に置くと、急くように去っていった。
叔父は座敷に座らされたが、すっかり意気地を失ってうつむいていた。
母が話しかけても、ろくに返答もしない。
わたしと妹が街の様子を質問しても、興味がないのか、ウウとかアアとか生返事だ。
やがて座ったままで寝息を立て始めた。
蒲団に寝かせる準備をしていると、ふいに目覚めて、
象牙のように白濁した眼を開いて、周りを見るようなしぐさで、
「ここも停電しているのか?」
とつぶやいた。
妹がわたしの背中に隠れるようにして、小声でささやいた。
「叔父さん、体中がコロイド・・・・・・」
コロイドじゃなくてケロイドだと訂正する気にもなれなくて、
無惨な叔父の姿をただ見つめるだけだった。
465 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 05:43
お次は「靴下」「1万円札」「坂道」
466 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 12:33
僕がこの坂道を下り初めてもうどれくらい経ったんだろう。
一番下まで行こうと思ってただけなのにいつまで経っても下りが続くばかりだった。
よく考えてみると地球は丸い。
気づくとまた坂の頂上に立っていた。
拾ったお金でしか生活していなかったので食事も着替えもできない。
「1万円札でも落ちてないかな。」
そうつぶやきながら僕はまた坂道を下り続ける。
靴下に穴が開くまで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ひな人形」「プルトニウム」「十姉妹」
467 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 19:40
今日は最後のお祭りです。
近所で有名な子沢山の村川家の十姉妹をトラックにのせ、
市営のサッカー場に運びます。
お内裏様とお雛様
三人官女と五人囃子
全部で十人です。
途中、呉服屋に寄って探してみましたが
十二単なんて在庫にありませんね。
せいぜい綺麗なおべべを着てもらうことにしました。
サッカー場の観客席に着飾らせた彼女たちを並べました。
死体のひな人形です。
今日は楽しいひな祭り。
さて、これからグラウンドの真中に
わたしの娘を埋めることにいたしましょう。
プルトニウムまじりの雨が降り始めました。
468 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 19:47
お次です。
「安定」「防音」「ホトトギス」
469 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 20:28
ナカヌなら、殺してしまえ
全く非道なものだと、ここのところ安定している彼は言いました。
必然的に防音状態となっているこの部屋で、嘲笑うように言い放ったその顔からは、
明日には両手両足を拘束されている彼の姿が安易に想像できました。
「俺だったらこう詠むね」に続いた言葉は、
誰が聞いても大笑いしそうな内容で。
ナカヌなら、羽根をもぎるぞ ホトトギス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お次は
「アイドル」「騒音」「発電」です。
470 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 20:49
周りの皆様がおっしゃるには、私はアイドルだとの事です。アイドル
とは、歌を歌う職業だそうです。だから私は歌います。思いきり声を
張り上げて、喉が裂けるまで。肺が乾ききるまで。
騒音を遮るシェルターの中、バイトの彼は発電機のメーターを見て、
口元にあるマイクに向かって言った。
「もうちょっと、大きな声出して。君はすばらしいアイドルなんだから」
もう寿命がそう長くない発電機…『アイドル』に向かって。
お次は
「パリ」「納豆」「浸透圧」
471 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 22:44
まずはパリだ。
そして納豆。
これをいかにつなげるかで全てきまる。
パリで朝食が納豆?それで憤激な俺?
納豆の産地がフランス?真相を確かめにパリに向かう俺?
いやいや、
引きわり納豆の作り方をパリ在住パスカン・イワン(56)に
教える俺?
違う違う、しかし、それにいしたって浸透圧。
これだよ。
パリジェンヌに納豆が食物として認知されるがための浸透圧
の計算方程式を考える俺?
ああ、俺、パリ、納豆。
その三つはスレッドというビーカーのなかで同じ浸透圧で
溶解していった。自我というフィルターをとおして。
次は「ロック」「豚」「プレステ」
472 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/15 22:53
週明けの出勤。
同じようにだるそうな顔のサラリーマンですし詰めの電車で研究室へ向かう私。
私の名前は桐島香。とある大学の研究室で蛯谷教授の秘書として働いている。
コーヒーの準備ができたところで教授がやってきた。
いつも絶妙なタイミング。
「おはようございます蛯谷教授、週末の学会は何か収穫ありました?」
「おはよう、桐島君。週末は有意義に過ごせたよ。
なんでも、パリに納豆が染み込まないのは納豆の方が浸透圧が高いかららしい」
秘書の私には難しすぎた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「年輪」「火だるま」「健康優良児」
おっと、書いてる間に投稿されてた。
俺のお題は無視してくれ。
>473
すまねえ・・。
はい!続行!
475 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 00:04
「ロック」「豚」「プレステ」
酒と言ったら、日本酒だろ、普通。
何?大人ならスコッチウイスキーだって?はぁ?スコッチはストレートで飲むもんだって?はぁ?
冗談じゃねぇ。
こちとらモンゴロイドだ。化学調味料には、めっぽう強いが、アルコールにはちと弱ぇんでぃ。
アルコール漬けの白人とは体質からして違うんでぃ。
ウイスキー呑むならロックもしくは水割りだ。
肉は魚肉。百歩ゆずって豚肉とくらぁ。
趣味はプレステ。映画なら松竹。洋画観んなら吹き替え版用意しやがれ!
これのどこが悪い。
日本人をなめるな。
え?何?戦争?
決まってんだろ、
金で解決よ。
次は、上の人の「年輪」「火だるま」「健康優良児」で
>475
お気遣いありがとうございます。
477 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 07:15
樹木の年輪は暑い夏と厳しい冬の繰り返しが、
成長と停滞を交互に刻みつけたものだそうです。
人にも幸福な時期と不幸な出来事がかわりばんこに押し寄せて、
それが精神に跡を残しているのではないでしょうか。
暖かな家族の中で健康優良児として育った少年時代の終りに
突然に襲った家の火災で全てを失ったと思ったあの出来事は忘れられません。
偶然一人だけ外出しての帰りに、
わが家が猛烈な火炎に包まれているのを見たときの驚き。
その中から、火だるまに燃える家族が、よろよろと
よろよろと さまようように現れたときのどうしようもない恐怖。
すべてが燃え尽きたときの悲しみと無力感。
けれども、もしかしたら私の人生はその時からもう一度始まったのかも知れません。
会社を興したり、刑務所に入れられたり。
苦労はしましたが、今はまた幸せです。
478 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 07:17
お題です。
「電話帳」「ホース」「塩水」
479 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 07:46
時に西暦300X年(・・・またか)
半導体工場テロにより、全コンピュータが使用不能。
ソロバンまで逆戻りもできない人類が選んだ道とは?
当然、水力コンピュータしかなかった。
「お母さま、コンセントから塩水が漏れてます・・・」
「ほらほら、ホース踏んでるから」
ホースから足を離すと、8色の水がCPUに入り、弁やポンプを
流れはじめる。小さな噴水とかついてて、なかなかおしゃれだ。
「一応修理に出しとく」と、電話帳で水道パソコン工房の番号を探す。
「一杯、二杯・・・」
電話番号に応じて、カップで塩水を電話機に入れて、ポンプを回すのだ。
しかし、これで安心してはいけない。
今年の夏は、水不足。
※これしかおもいつかないー;
次のお題:「お下げ」「利上げ」「横ばい」でお願いします。
480 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 09:04
「ほらほら、頭をお下げ。思いっきり、脚をけり上げなさい」
「できんたい。逆立ちできんたい!」
「腕に力が入ってないわよ。しっかり力を入れなさい。脚をける!」
「あっ、できた。いま、わし逆立ちしとるよ」
「カメラ、カメラ。写真撮っときましょうね」
「カメラは、あんた、テレビの横ばい」
テレビでは日銀の利下げのニュースが流れている。
お題「怒り」「栄養」「指輪」
481 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 09:08
480
不注意。
利下げ→利上げでした。
け「り上げ」ということで勘弁してください。
482 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 20:38
>403さん
よくまあ、こんなに沢山の文章の書き手を特定できましたね。
もしかして、ご本人の自己嫌悪?
まあ、403の文章自体がお題に対する即興文なんですから
聞くだけ野暮ね。
483 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/16 20:51
あ わたしはあなたの文章大好きですよ
290なんてわたしの頭では絶対書けない。
ありがとう 宮内庁!!
>>482 特定は簡単だと思いますよ。
文章の中身はさておき、顔文字(しかも省略形)を多用するのはまずいのでは。
この板ならなおさら。その点は
>>403に同意ですね。文章自体の事は置いといて。
しかしこのスレ、投稿が盛んですね。感想とか、雑談とか出ないですね。
何回か提起してみたんですが。
やるなら他のスレでやったほうがいいですかね?
「怒りが指輪に栄養を与えるのよ!」
「さぁ、私たちで力を合わせて悪の怪人を倒しましょう!」
「ムーン怒り指輪パワー、栄養アップ!」
ビカビカー
「さぁ、これで変身が終わったわよ!」
「きゃあ、リーダー、下着がありません!」
「こっちはスカートがありません!」
「どうなってるのかしら。こんなことは初めてだわ」
怪人、変身が終わるまで待っている。
「ちょっと待っててね。今着替えてくるから」
「いえいえ、こちらも仕事ですから」
「大変ね、怪人も」
戦士達は公衆便所に駆け込んでいく。
「さぁ、これで準備できたわよ! 覚悟しなさい、怪人!」
「がおー」
……次のお題は「バス」「宿題」「粒子加速器」で。
486 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/17 06:07
駄文ばかりで感想も雑談もする気がおこらん。
487 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/17 11:59
>>486 お約束ながら、オマエモナー
つまんないなら読まなくていいのにね暇人さん。
488 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/17 13:10
read.cgiの仕様も変わったことだし、まず1-50迄の中で、そして51-100迄、と
心に残ったものとか、面白かったものをあげていくというのはどうでしょう。
1-50を見返したところ、
>>23が一番記憶に残っています。
コガネムシだ、というところ、劇的なお題の使い方に、感動しました。
雑談スレばっかりじゃん。
ここぐらい創作文芸らしくしとけ。
創作文芸についての雑談をする板だよ??
491 :
「バス」「宿題」「粒子加速器」:01/09/17 16:23
会社帰りに乗ったいつもの駅前行きバス。
疲れているときに限って、座席に空きはない。
吊革に掴まり、流れる夜景を見るともなしに眺める。何でもない、一日の終わり。
隣に立った大学生らしき二人組の会話が耳に入る。
大型粒子加速器建設中の事故。死者は二十人以上に。政府の対応は・・・。
右から左に流れていく言の葉に何のリアリティも感じないのもまた、いつもの日常だった。
私は黙って頭を垂れた。
目の前の席に座る少年は、小学一、二年生くらいだろうか。
きっと料金分の小銭が入っているのだろう、こぶしをぐっと握り締めて、興味深げに車内を見回している。
ふと、少年と目があった。
その澄んだ双眸は、まぎれもない非日常への興奮の色に彩られている、ように思えた。
はじめての冒険、はじめてのバス。
誰もが経験し、そして通過していった感情。その真っ只中に今、この子は居るのか。
電光掲示板が次の停留所を表示した。
少年は真っ先にボタンを押そうとして手を伸ばした。
と、突然の横揺れに体勢を崩し倒れこむ。
慌てて手を差し伸べた私の胸に、吸い込まれるように収まったその身体は、とても温かく、そして懐かしかった。
少年がはにかんで笑った。私も笑みを返した。
ボタンはまだ、点灯していなかった。
帰ったら、息子と話をしてみよう。
降り立ったバス停の向こうに、住宅の灯りが点在していた。
お題。「虎徹」「なすび」「罫線」
書き忘れ。
最終行前にに付け足し。
「それが、今の私の宿題だ。」
493 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/17 16:26
9月15日、僕はバスに揺られて筑波に向かっていた。
そう、この日は年に一度の高エネルギー加速器研究機構の
一般公開の日だ。
この施設には3つの代表的な粒子加速器があり、高エネルギー将来計画
「リニアコライダ」の加速器技術の開発を行っている先端加速器試験装置
ATF)もある。
リニアコライダ計画に関する基盤技術の確立が課せられた宿題といえるだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「長ネギ」「チェストパス」「腐乱死体」
494 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/17 17:41
#粒子加速器というのがどんな物なのか知らないので、適当に解釈しました。すまそ
ここは昼休みのオフィス街。午前中の仕事を終えた大勢のサラリーマンやOLが、同僚と談笑しながら歩いている。
そんな平和な時間は、突如として破られた。
「うわあ!」
最初に絶叫したのは、一人のサラリーマンであった。
次の瞬間には、その場に居合わせた全員が、まるでコーラスのように絶叫をハモらせる。
彼らの視点は、広い車道を走る一台の乗り合いバスに注がれていた。
しかし、それはただのバスではなかった。
時速百キロ……いや、二百キロはあろうか。とにかく凄まじいスピードで、オフィス街の真っ直ぐな路上を疾走していたのだ。
信号なんて無視、左側なんか走っちゃいない。まさしく暴走である。
停車中のタクシーを蹴飛ばし、交通整理の警官を真っ正面からはね、「世界人類が平和でありますように」の広告塔をへし折る。
しかし、それでもバスは減速しない。それどころか、バスは加速し続け、ついに四百キロの大台に到達した。
その時、道路は急なカーブにさしかかった。カーブ入り口の正面にはビルが建っていて、曲がりきれないと確実に激突する。
だが、バスは曲がる素振りなど見せなかった。
そのままの猛速でビルへと突っ込み、凄まじい衝突音を辺りに轟かせた。
誰もが暴走の終わりを感じた……。
が、しかし、
「うわあ!」
絶叫のコーラス再び。なんとそのバスは、スピードを保ったままビルの外壁を突き破り、そのまま向こう側に貫通していったのだ。
まるでレーザー砲であった。粒子加速器で極限まで加速された光子が鉄や岩を貫くが如く、かのバスもビルやその他の障害物を容赦なく貫通していった。
バスの加速はなおも続き、遂に音速を超える。
発せられる風圧も凄まじく、居合わせた自転車はことごとく転倒し、ゴミ捨て場のゴミは散乱し、空のカラスは失速し、オヤジのカツラも吹き飛んだ。
警察にはとうに通報されたものの、手に負えるような状況ではなく、自衛隊の出動と相成った。
路上を封鎖し、何台もの戦車がバスの前に立ちはだかる。
「撃てえ!」
指揮官の号令の元、集中砲火が始まる。
バスも、はじめのうちは砲弾を耐え、戦車を跳ね飛ばしたりしていたが、陸空自衛隊の合同作戦の前には力及ばず、ついに数十分に及ぶ暴走に終止符が打たれた。
バスを取り囲む自衛隊員。彼らが内部に突入を敢行しようとした、その時、
「待ってください!」
騒ぎを聞きつけた一人の女性が、隊員たちを押しのけて、バス前方のドアに駆け寄ったのだ。
制止するのも聞かずに、彼女はドアを開け、
「ごめんなさいね! 授業中に突然いなくなって、どこに行ってたのかと思ってたら……」
隊員たちは、アッと驚いた。
なんと、暴走バスを運転していたのは、十歳前後の男の子だったのだ。
彼は、おもむろに運転席から立ち上がり、料金箱のそばを通って、下りステップの手前に立った。
そして、彼は口を開き、こう言った。
「先生、算数の宿題を家から持ってきました」
「うわあ!」と、三たび絶叫のコーラスが響いた。
なお、幸いにして今回の事件による死亡者はゼロであった。
遅れちゃったので、お題は
>>491に準拠ってことで。
「ただいま」
私は自分の部屋に、いつも通り帰ってきた。
なぜか、部屋にはものすごい臭いが漂っていた。
においの出所を探ってみると、どうもトイレから臭ってくるらしい。
私は、トイレの扉を開けてみた。
なんとトイレの壁に扉ができていた。臭いもそこからきているらしい。
その扉の鍵は開いていた。
開けてみたら、なんとそこには、もう半ば白骨化した男と思われる(股間になんかそれっぽいのがあったから)腐乱死体があった。しかも肛門に長ネギを突っ込まれていた。
何故だ。なぜこんなものがここにあるんだ。そう思い、私はうろたえた。
ふと見ると、死体の横に、封筒があった。
中を開けてみると、たった一言こう書いてあった。
「チェストパス」
私はどうすればいいか分からなくなってしまった。
「弟」「ファスナー」「変身」
>491
ごめん、俺の方が一足遅かったのにキーワード無視された形になっちゃったね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
すぐに訂正文投稿しようと思ったんだけど投稿できなくなっちゃって。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
虎徹作の長曾禰興里入道虎徹で切腹したい気分だよ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なすびのようなしわのない脳味噌だからこのぐらいの文章しか浮かばない…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
497 :
弟/ファスナー/変身/虎徹/なすび/罫線:01/09/17 22:12
「今夜の虎徹は、たいそう、よく切れること」
「姉上!」と弟が訊いた。
「という事は、意に反して切れない時もあるという事ですね?」
「刃物のピーク性能は意外とデリケート・・・そういう事もある。」
「でも、姉上が切ったのは、ただの昼のマーボナス用のなすびですよ?」
事ある度に、この調子。新井理恵の漫画みたいな弟だ。
若き弟の幻影がゆらぐと、頭上から唐竹割りの様にファスナーがひかれ
その下から現れた正体は、いつも変わらぬ担当さんであった。
・・・締切り寸前の修羅場という名の、現実。
「時間、切れますよ。」
担当さんの笑顔が震えてる。
「はぁ〜い (^^;L 」
料理という名の逃避は終わり、黙々と罫線の間を埋める時間がやってくる。
時間を切ってみたい気分だった。
※時間を我等に(笑)
次のお題は:「藤棚」「ワンピース」「微積分」でお願いします。
498 :
しまったやりなおし。ごめんなさい!:01/09/17 22:17
「今夜の虎徹は、たいそう、よく切れること」
「姉上!」と弟が訊いた。
「という事は、意に反して切れない時もあるという事ですね?」
「刃物のピーク性能は意外とデリケート・・・そういう事もある。」
「でも、姉上が切ったのは、ただの昼のマーボナス用のなすびですよ?」
事ある度に、この調子。新井理恵の漫画みたいな弟だ。
若き弟の変身がとけると、頭上から唐竹割りの様にファスナーがひかれ
その下から現れた正体は、いつも変わらぬ担当さんであった。
・・・締切り寸前の修羅場という名の、現実。
「時間、切れますよ。」
担当さんの笑顔が震えてる。
「はぁ〜い (^^;L 」
料理という名の逃避は終わり、黙々と罫線の間を埋める時間がやってくる。
時間を切ってみたい気分だった。
※わざわざupしなおすほどもんでもないか。
次のお題は:「藤棚」「ワンピース」「微積分」でお願いします。
499 :
290でございます:01/09/17 23:07
>>482さん
余談ですが自分って
>>403さんはと別の人です(そういう展開、好きですけど)
でも、あそこまで的確に特定されてしまうなんて・・・(笑)
(ただ唯一、
>>355 だけ抜けてました、でも、他みんな合ってます)
「493の方が悪いわけではない」
491の言葉に、羽二重を羽織った初老の紳士は鷹揚に頷いた。
「左様、この場でのレスなど九牛の一毛。すべてを看破する事は……」
「神ならぬ人間にできるはずもない!」
横殴りに発せられた怒声に彼等は振り向いた。
そこには、ピンクのワンピースに身を包んだ……林家ペーパー夫妻の姿。
彼等は客間の藤棚まで近寄るとカメラを其処に置き、
「人生は微積分のように答が出るものではないのです。ましてやオッカムの剃刀などと云々」
唖然と立ちすくむ491と紳士を後目に、ペーは滔々と人生論を語り始めたのであった……。
あ、お題を忘れていた。
もっとましな作品が出なければ↓を使ってくれ。
「泣き虫」「ルードヴィッヒ」「洗濯板」
固有名詞NGらしいな。
なら「泣き虫」「博愛」「洗濯板」
くだらぬレスを続け、混乱させてすまない。
支障がないなら続行してくれ。
503 :
「泣き虫」「博愛」「洗濯板」:01/09/18 23:53
まだ小さい頃、彼女は泣き虫と言われた。
が、その心にあふれる博愛は、その後の彼女を勇敢な行動に駆り立てた。
ゴディバという名の女。
余りに過酷な税を領主に訴え、全裸のまま町中の晒し者にされる事とひきかえに
税の軽減を約束させた勇者である。
生まれたままの姿で鞍もない白馬にのせられ、町を一周させられる。
冷たさの残る初春の風が、その豊かな金髪を乱しても、彼女には、はだけた胸
を隠す事すら許されなかった・・・
何かが溢れそうな眼を懸命に開き、健気に前を向いて町をゆく。
耐えるのだ。飢えた子供達と、それを救えない可哀想な親達のために!
皆は彼女の勇気に感謝し、決してその姿を見なかった。覗き屋トムを除いて・・・
屈辱の巡礼が終り、馬を下りる彼女を、門番は最敬礼で見送った。
「あらまどんも、わだし照れちゃったですじゃ」
洗濯板の様な胸を覆って礼を言うゴディバ・62才の春の出来事だった。
※失礼しました(^^L
次のお題:「赤鬼」「青カビ」「硫黄」でお願いします。
504 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/19 10:40
このクラスの生徒達は、おかしい。
授業では次々に席を立って質問し、貪欲なまでに知識を吸収しようとする。
非常に勉強熱心なので、赴任当時は喜んだものだ。しかし、彼らは異常だ。
知識として求めるものが偏っているのだ。
「先生、硫黄の臭いが腐った卵に似ているというのは本当ですか」
教科書の記述に疑問を持ったようだ。
「多くの人はそう言います。わたしは嗅いだことはありませんが。今度実験しましょう」
これがきっかけとなり、授業は「似た臭いのもの」方面へ脱線し、ひとしきり他愛ないやり取りが続いた。
もういいだろうと、ここまでのまとめを板書しようと黒板に向かったそのとき、
「先生、女のあそこは青カビチーズの臭いに似ているのですか」
出てしまった。下ネタ、これこそ彼らが求めてやまない知識なのだ。
全員の目がわたしに注がれる。あちこちでゴクリと咽を鳴らす音。
きちんと答えなければ、興奮した彼らは、さながら小さな赤鬼のようにつかみかかるだろう。そして、実験。
わたしは息を大きく吸い込み、教壇に向かった。
505 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/19 10:41
次は、熊、コンクリート、老人で。
506 :
「熊」「コンクリート」「老人」:01/09/20 02:15
「があぁあああああっ!!!」
若い熊が咆哮を上げながら老人に襲いかかる。
熊の身の丈は老人の倍以上だった。
老人は臆することなく、キセルの火種を落とすと、おもむろに言った。
「ふっ…この儂を『熊捕りの助』と知ってのことかっ!」
年からは想像もできない俊敏さで、熊に切りつける。
こうして山の中の死闘は唐突に始まった。
死闘が繰り広げられた山の、下山ルートの途中には、
ゼネコンの下請けの下請け、と云う小さな作業現場があった。
大量の土砂の山が積み上げられ、コンクリートを精製するタンクが始終回っている。
小さな作業現場とはいえ、ちょっとした建造物────
例えばテトラポットや縁石ブロック程度────なら、
この場で成形して運搬できる中規模の現場だ。
そこで作られたテトラポットは、山を下った所にある入り江を守るべく運搬され、成形後、順次入り江に運ばれていった。
それから数十年後。
老朽化したテトラポットを撤去する事となった。
巨大なテトラポットは、埠頭の一隅を利用した作業現場で、運搬と再利用のため、一旦粉砕される事となった。
コンクリートの砂煙りがもうもうと上がる中、作業員の一人が叫ぶ。
「ほ、骨、人の骨だーーーーーー!」
作業現場は騒然となった。
どこかの組員が秘かに消される時、息のかかった会社でテトラポットに埋められると云う与太は話されていたものの、実物を目の当たりにした者達はたまったもんじゃない。
大騒ぎする現場を、山の中から見下ろす二つの目があった。
「ちっ! あん時、隠した餌、あんな所にありやがったか……」
老いた熊は、盛大な舌打ちを漏らして、木々の向こうへ去っていった。
────────────
次のお題:「洟」「補正下着」「シッカロール」
507 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/20 10:37
「洟垂らし!」
彼女のその言葉にさすがの僕もキレた。
「なんだよその言い方は!そんなバカにされ方したの初めてだよ!
だいいち俺がいつ洟垂らしてた!このタレ乳アセモ女!」
「ひどいわ、私はただ”あなたらしい”って言っただけなのに…
私だって好きで胸がたれてるわけじゃないわよ…。」
・・・聞き違いだったようだ。僕はなんてひどいことを言ってしまったんだろう。
気の利いた謝罪の言葉も見つからないまま、ただ一言「ごめん」といいながら、
僕は彼女の補正下着を脱がせ、アセモにシッカロールを塗ってやった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
液体窒素 獣道 リップクリーム
508 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/20 11:30
なんでこんなことになってしまったんだろー。
いつものように西口に座って、ケータイで男としゃべって、アポして会った。
車に乗った。どんどん走って、高速に入った。
今、目の前に「危」というプラカード?みたいのを付けたタンクローリーが走ってる。
「液体窒素」ってなんだろー。えきたいなにそ?ようそかな。漢字読めないんだよなー。
ってゆーか、やばい。財布もケータイも取り上げられて、いまわたしの所持品、リップクリームだけ。
「ねえ、どこに連れていくんだよ」「帰りたいー!おろせよー」
何を言っても黙ったまま。チョーこわくなってきた。どうしよう。
「おしっこしたいよ!止めてよ!」
さすがに車の中で漏らされるのはいやなのか、路肩に止めてくれた。チャンス。
逃げろ!わたし!チョコレートみたいな凸凹のコンクリート壁を必死でよじのぼった。
あいつも車から出て追いかけてきた。でも若さがちがうよ、わたしは中学生だぜ。おっさん。
壁のてっぺんは、山に通じてた。どっちに逃げようかと見回したら、変なカンバンを見つけた。
「この先、獣道」
ジュウドウ?なんじゃそりゃ?とりあえずその道を進んでみるか。なんか面白そうだし。
次は ランナー、羊、建築、でお願いします。
509 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/20 21:51
羊が走る。
まるでランナーの様に…
何かから追われるでも無く、疾風の如く走り去った。
場所は、建築現場。
閑静な住宅街のど真ん中だ。
塗り立てのコンクリートには、羊の足跡だけが残っていた。
「変なペット飼ってんじゃねえよ!なぁ!首輪付けるか、柵に入れとけ!離し飼いは、3万以下の罰金だろぅ!」
施行主である俺は、誰に言うとでも無く叫んだ。
次は
『苔』『パラジクロロベンゼン』『五臓六腑』
510 :
『苔』『パラジクロロベンゼン』『五臓六腑』:01/09/20 23:37
初夏の、苔の色も青い某料亭にて。
「・・・!」
客は、そのコーラの特異性を瞬時に見破った。
「五臓六腑にしみわたる味じゃろう。」
「やっぱり違う。チクロの味は違うな。砂糖にはない味だ」
客は、ジクロルベンゼン入りの生レバーペーストを口に含む。
付け合せに、ワインと空豆。
死刑が明日に迫った最後の晩餐。何を恐れても手遅れである。
人は何故こうも、身体に悪いものを求めるのか?
そう悩みつつ、つい「おかわり!」してしまう。
結局、食通は死んでもなおらない。
レクター博士、最後の晩餐なのだった。
※たまたまDVDの広告を見かけたので^^;
次のお題:「日光室」「リボン」「扇風機」でお願いします。
511 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 06:50
「日光室を、お目にかけましょう」
館の主人が得意げに言った。
『それは、いったいどんな部屋だろう?』
連れて来られた部屋は、四方がコンクリート打ちっぱなしの壁で、遥か上空にある天井はガラスで出来ていた。
日光がサンサンと降り注ぎ、閉鎖的なサンルームといった感じたった。
そこには、何人もの裸の女がリボンで縛られて転がっていた。
おもむろに主人がリボンを解くと、真っ赤に日焼けした肌にリボンの下の日焼けしてない素肌が縦横無尽に表れた。
得意げな主人を前に、俺はコメントに窮した。
換気扇が音を立て虚しく回っていた。
512 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 06:57
次は、寄生・規制・既成
513 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 08:00
いつの日からだろう
こんなに規制された日々になるとは・・・・
俺は毎日楽しかった。
暗い闇の中を彷徨いながら、毎日遊んで暮らしていた。
いや、俺にとってそこは明かりに満ちた場所であったと言うべきか・・・
迷路のように入り組んだ場所。俺はそういうところが好きだ。
飯はいつでも食えるし、寝たい時に寝れる。
なんて幸せな暮らしだったのだろう・・・・
だが、俺の幸せが奪われる日が遂にやってきた・・・
何だか周りが騒がしくなってきた。
「おい!こいつは見事な奴だぞ。どうだ見てみるか?」
「うわっ!おいおい。そんなもん見せるよな」
「ははは。ごめんごめん。これは見事な寄生虫だ。標本にでもするか」
しょうがない。もうこれは既成事実だ。俺はサナダムシなのだ・・・・
今では、ホルマリン漬けにされ、あの単調な部屋で俺は死ぬのをずっと待っている。
いずれ死ぬであろう。
第二の被害者が出ないようにくれぐれも忠告しておく。
あまり主人の飯を食いすぎるな。ほどほどにしておけ。
それじゃ さらばだ・・・・・
514 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 08:01
次は、「煙草・麻雀・葉書」でお願いします
515 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 09:47
郵便受けを開けると、DMやチラシに混じって手書きの葉書が一枚届いていた。
「引っ越しました」差出人は学生の頃の遊び仲間。
彼からは同じような通知を何度かもらった。去年は「結婚しました」だった。
彼の妻には一度だけ会ったことがある。麻雀の面子が足りないとかで、新居に呼び出されたときだ。
段ボールが積み上げられたリビングに放り出された座ぶとんのひとつに片膝立てて座り、煙草をふかしている女性。
それが彼の妻だった。床に置かれた灰皿からは吸い殻があふれていた。
「お前、吸い過ぎだよ。妊娠してるのに」
夫に吸いかけの煙草を揉み消されて、彼女は一瞬眉をひそめはしたものの、すぐに次の一本に火をつけた。
今回の葉書の新住所は、彼の実家になっている。文面にはないが、これは「離婚しました」葉書なのだろう。
次は「ごま油」「蠅」「映画」でお願いします。
516 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 16:26
悪臭は既に感じなくなっていた。
流し台に放っておかれたままの皿に、幾匹かの蠅が止まっているのが見えた。
その濃緑色の鉢にはごま油が付着し、時折この狭く薄暗い部屋の中を旋回している。
破けた青のポリ袋から零れた腐食物。
やがて、饐えた臭を放つ食べ残しのパイナップルの中にその身を埋めた。
その艶かしいまでの姿態。
「そうだ」
彼は思う。
「これは映画」
起き上がることができなくなったのが十三日前。
誰も来なくなってから十一日。
電気が通じなくなってから八日。
物を口にしなくなって五日。
最後に水を飲んだのは三日前。
彼は、彼自身であったはずの躯が、すでに彼のものでなくなったという事実に深い安堵感を覚えていた。
517 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 16:31
次は、「教義」「先覚者」「陋屋」
518 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 19:14
「アメリカはこの国に一歩たりとも入れてはならない。
もしアメリカ人がこの国の道を歩くことになれば、
われわれは彼らを殺すことに躊躇してはならない。
死を下すことは時にはわれわれの義務である。
彼らには彼らの教義があるだろう。しかし、われわれには
われわれの教義がある。アメリカ人の教義がどのようなものであれ、
われわれはわれわれの先覚者から受け継いだ教義を守る。
ふたつの文明はいつまでも平行線をたどる。
教義を守れない人間は、すでにあるべき人の姿を外れているのである。
したがってボロキレのように扱われても仕方がない。」
首都を遠く離れた片田舎の陋屋で燃え盛る革命の気炎。
尊王攘夷を本心から信奉する彼には、
攘夷(排外主義)は尊王(新しい権力への集中と確立)の手段であるとうそぶく
現実政治家の時代がすぐそこまで迫っているとは思いもよらなかったのだ。
(Kampharus Uda著 Royalists in the Meiji Restoration より翻訳)
519 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 19:18
お次は
「1点限り」「無料駐車」「国産原料」でどうぞ。
520 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 22:33
ほとんどの無人有料駐車場は電源BOXのブレーカーを落とすことで無料駐車場になる。
入り口の遮断機のセンサーに空き缶を通すことで車が来たと誤解させ
遮断機を上げて出る方法もあるが、この方法は二人でやらないとなかなか成功しない。
一人が運転し、もう一人がセンサーを誤作動させているうちに車を出さなければならないからだ。
ココで疑問が生じる。スチール缶でもアルミ缶でもセンサーは誤作動するのか?
答えはおそらくYESであろう。アルミボーディーの車もあるからだ。
アルミといえば、国産原料はほとんどと言っていいほど無い。
原料であるボーキサイトがとれたとしても精製するための電気料金が高すぎて国内では生産できないのだ。
今でも稼働しているかどうかはわからないが、昔国内でも一社だけアルミの電気分解による精製を行っている会社があった。
おそらく国内で稼働していた精製装置はその一点限りであろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うさぎ」「中古車屋」「死に別れ」
521 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 22:41
「さーいらっしゃい!いらっしゃい国産原料のアスファルトで出来た無料駐車場だよ!
この、限定車をお買い上げの方に限り大奉仕!これで車庫証明の心配も無いよ!お一人様一点限り!」
景気は低迷し、新車購入者は、ほとんどいなくなった。
新規契約獲得には、各社おまけ合戦という情けない営業が繰り広げられていた。
俺もリストラ寸前。
苦し紛れに思いついたのが無料駐車場プレゼントだ。
声を張り上げて宣伝しながら辞表の文面を考えていた。
522 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 22:43
だぶった
がっかり(*_*)
523 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/21 23:21
>>513 は悲惨な1のスレの煽り文に使えそうだ。うまい。
524 :
「うさぎ」「中古車屋」「死に別れ」:01/09/22 01:26
うさぎが死んだ夜、あの人はいなかった。
中古車屋の営業は車を求めて、日本全国を行ったり来たり。
あの人と結婚したら、ずっと寂しいのかな。
私が泣いている時、いっしょに傍に居てくれないのかな。
病気で私が死んだなら、あの人がその知らせを聞くのは、きっと遠くの街でしょう。
ひとりぼっちの死に別れ。
泣きながら、うさぎの棺桶代わりになりそうな箱を探している時に、電話が鳴る。
「俺だ」
「どこにいるのよ。ラビちゃんが死んだんだよ」
「そうか。今から行く」
電話を切ったあの人は、ホテルを飛び出してタクシーを捕まえる。
山を越え、県を越え、私の部屋に走ってくる。
あの人は、私が死んだ時も、きっと、走る。
# 御題は継続で。
「うさぎ」「中古車屋」「死に別れ」
525 :
うさぎ 中古車屋 死に別れ:01/09/22 01:43
俺はほんとにだめなやつだ・・・
この前、近くの山に狩りに行った時、俺は唯一の趣味である
銃で獲物に狙いを定めていた。銃を構える瞬間が堪らない。
こんな俺でも、大きな熊を一撃で倒せる、そう思っていた。
しかし、俺は何を勘違いしたのかうさぎを撃ってしまった・・・
いや、俺はうさぎしか撃てないのだ。弱い物しか殺せないのだ・・・
そういえばこんな事もあった・・・・
俺は車が欲しかった。車でも買って、目当ての女を乗せたかった。
だが、駄目な俺が金を持ってるはずが無い。
新車は無理だから、中古車屋にでも行く事にした。予算は5万だ。
俺は店の人に、予算内の中古車があるか聞いた。
俺は、車の事を詳しく知らなかったので5万で買えると思っていた。
さすがに店の人も困り果てていた。だが、有ることは有ると言ってくれた。
俺は即決した。もちろん保証・車検などなしであったが、そんなことはどうでも良かった。
手に入れたことが何より嬉しかった。しかし、実は前の持ち主がこの車と死に別れ、
つまり、この車で事故して死んだということが後になって分かった・・・
もうどうでもいい・・・俺もこの車と一緒に・・・・
#次は、 大学生 借金 一石二鳥 でお願いします。
526 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/22 21:52
国内では維持できない不採算部門を国外に移転して生き残りを図るのが自由資本の論理。
このたび、すべての国内の大学を物価の安い発展途上国に移転する「大学設置法改正案」
が可決される見通しです。
大学生の皆さんは、大学の移転にともない、数年間を海外で暮らすことになります。
卒業のあかつきには、外国語に堪能な日本人がおおぜい国際社会にはばたいていくと期待されます。
国の教育予算は大幅に削減され、最先端分野の研究開発に振り向けられます。
教員には現地の優秀な人材を募集し、人件費の劇的な節減を行います。
キャンパスは勉強に集中できるよう、自然の豊富な未開拓な土地が選定され、
学生諸君の生活費は、日本国内での10分の1以下となると予測されます。
また同時に「教育基本法」の一部改正が行われ、特定業種における破綻企業として
文部大臣が認めた場合の被雇用者は、3ヶ月以内に次の就業先が見つからない場合は、
自動的に大学生であると認定され、国外の大学キャンパスに送出されることになります。
雇用と能力のミスマッチを埋めるための再教育再訓練の場としても大きな期待が寄せられます。
一石二鳥の名法律だと褒め称える声が、国内外で高まっているのも無理はありません。
527 :
烏賊リング:01/09/22 21:54
さっきからちらちらと俺を、いや、俺の居る方向を見ている奴がいる。
大学生位だろうか。まだ社会人というには幼い面立ちに似合わない無精ひげを
はやしている。
なにみてやがる。俺は大学は行ってないがそれなりに、そう、それなりだ。
それなりでしかない。
大学に行かなかったのは決して俺の意思ではない。
俺を養い、教育し、保護する義務をもった俺の親が借金の保証人になったはいいが、
債務者たる叔父に逃げられてしまい、首をつったからだ。
俺を残して。俺だけを残して。
それにしても、何見てやがるんだ。喧嘩でもうっているつもりなのだろうか。
俺がもし大学に行っていれば、平日の昼に公園に来て知らん人に喧嘩売るなんて
暇の潰し方はしない。
きっと俺ならば暇さえあれば、夢であった一級建築士の資格をとるべく
大学の立派な図書館にいりびたるだろうに。
だから、何見てんだ。
大体、最近の大学生ってのはどうもいかん。
大学で遊び溜めでもするつもりなのかどうか知らんが、波が立てば飲み会。
風が吹いたら飲み会。何処にいこうが、何をしたって飲み会だ。
そんなだから毎年飲み会で死者がでるんだろう。
成人式でクラッカー鳴らすんだろう。俺に喧嘩をうるんだろう。
だから、何みてるんだ!いい加減俺も黙ってはいない。よし、上等だ。
俺を怒らせるとヤバイ、大人は怖いって所をみせてやろうじゃないか。
すっくと立ち上がった俺は、そのまま大学生であろう男を見据えたまま、
カツカツと革靴を鳴らし、ネクタイを解き、拳に撒きつけ、堂々たる
態度で、「オイ、君何をさっきから俺を見てやがるんだ?」
と、いってやろう。よし、そうしよう。そうすれば大学に行ってるからってそれだけの
理由でいきがる彼を懲らしめられるし、おまけに自分のプライドも保てる。
いいじゃないか。なかなか冴えてるな俺は。一石二鳥とはこのことだ。
ようし、やってやる。俺は俺の人生を肯定するのだ。やってやるよ。
そして、すっくと俺は想像どうり立ち・・・。あがれない。
なんてこった。べったりとケツがベンチに張り付いているではないか。
「ま、まさか」と、無意識に声をだした俺は、今さらやけに照り光るベンチ
の表面に気がついた。
塗りたてだった。
あの大学生らしき彼は、これを知っていたのだろうか、と思い、大学生らしき
男を見ると、彼は一人なのに、それを全く気にしないかのように大笑いしていやがった。
鉄のような風がびゅうと鳴ってスラックスのすそを煽った。
もう、冬かな。
俺はセブンスターをとりだし、同時にライターを・・。ライターが無い。
もう、冬かな。再びそう思った。俺。42歳。
鉄のような
528 :
烏賊リング:01/09/22 21:55
なんてこった!
先にいかれてた。
お題は上の人ので!
529 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/22 21:56
お題です。
「保健」「風」「コード」
530 :
527 529:01/09/22 21:59
あ >528さん
すまんこってす
531 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/22 22:02
52「6」 529 でした
重ね重ねすまんこってす
532 :
烏賊リング:01/09/22 22:03
>530サン
いやや。大学設置法改正案とは、まいりましたよ。
さ、どうぞ!続行!
533 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/22 22:08
ああっ 526に「借金」がない。
「特定業種における借金2億円以上の破綻企業として」
重ね重ね重ね・・・・・・すまん
反省のため
しばらく山に入ることにしました。
さよなら
535 :
保健 風 コード:01/09/22 22:23
俺は…困り果てていた。なにせ今から、保健機具を売り歩かなければ
ならないのだから。
なんで俺はこんな事をしているんだろう?同じ『ほけん』なら責めて
保険の勧誘員になれよ俺。百歩譲って健康機具。こんなもんどうや
って売れっつーんだよ?
いや文句を言っている場合ではない。売らねば。歩合制なんだから。
次は駅南のスーパーだ。一応、アポは取ってある。
だが…こちらから指定させてもらった時間に間に合いそうにない。
バスが来ない。タクシーなんか間違っても乗れない。
そうだ。連絡を入れねば。携帯携帯。
バッグを探り、出て来たものは、
…コードレス電話。
寝惚けてたんだな。俺。
ど、どうするんだ!連絡も無しに遅れるのか、俺。
探せ。何でもいいから探せ。って何を探す?
公衆電話があった。あ、探してたものは公衆電話だ。うん。
いや、かけろ?とっとと。
財布を出す。札入れなどあまり必要無いのだが、札入れだ。
テレホンカードを出し、ピンクの公衆電話に、
…ピンク?
て、テレカ使えねー。
空っ風が、俺のスラックスの裾を揺らした。
お次は、「音量」「電線」「卵」
536 :
烏賊リング:01/09/22 22:40
俺はロッカー。
といっても駅でずらり並んでやがるコインで使えるロッカーじゃねえ。
俺はそこまで使えるものじゃあねえ。
俺はロッカー
要はバンドマン。バリバリのノリがまだ残っている買いたてのシャツだ。
一度も洗っていないジーンズのように、バリバリだ。
だから俺はロッカーだから、ロッカーらしく音楽を聴く。
え?ウォークマン?
俺はロッカーだぜ?ステレオ肩に担いで、電車で二駅先まで
聞える大音響で町を闊歩さ。
そう。俺はロッカーだ。だからって一昔前の奴らみたいなダサい趣味は
してねえよ。ライダースに有刺鉄線なんて、だせえ。
そこを行くと俺なんかは電線だね。三線の。
俺はロッカーだ。
しかし、ロッカーでも、そんな俺でも腹は減る。
ロッカーだけど、人間だからね。
これから?スーパーだよ。晩飯買うんだ。
え?何喰うって?そりゃあ、想像どうりさ。べいびい。
卵だよ。たーまーご!
次は!
台風、マルチ商法、蕎麦。
537 :
烏賊リング:01/09/22 22:44
>535
つうか、気が合うね。
527で>空っ風が、俺のスラックスの裾を揺らした。
と、同じような文句つかったよ!
ここ、面白いね!はまった!!(w
538 :
台風・マルチ商法・蕎麦:01/09/23 00:31
高校時代のクラスメイトが、良い儲け話があるから乗らないか?と電話してきた。
何十年ぶりだろう?あまり話した記憶も無い。
定年を過ぎ、細々と年金暮らしをしている俺に、今更儲け話等関係無い。
しかし、孫に何か買ってやるのも悪く無い。
妻に先立たれ、娘夫婦とは随分疎遠になっていた。
孫の顔を何年も見ていない。
俺は儲け話にのった。
それは至極簡単だった。
蕎麦を彼から買取り、それを他の人に少し高く売る。その差額が利益だ。
上質の蕎麦を安く売ってくれた。
お客も紹介してくれた。
(i-modeにつき、続…)
539 :
台風・マルチ商法・蕎麦:01/09/23 00:39
(続き)
あっというまに5万儲かった。
誉められた。
一階級昇進したら、蕎麦の仕入値が安くなった。
まとめて買えばさらに安くなると、勧められて貯金を全額はたいた。
孫の喜ぶ顔が見たい。
レザーのカッコイイジャケットを買った。
蕎麦問屋のチェーン店に勧められた。
75万した。
凄く良い皮らしい。
喜び勇んで孫の所に行くと、露骨に嫌な顔をされた。
がっかりした。
その後も度々プレゼントを持って行ったが、喜ばれなかった。
借金が出来た。
とたん蕎麦も売れなくなった。
540 :
さらに続…:01/09/23 00:48
大量の蕎麦の在庫と借金に埋もれた。
ガス・水道・電気が次々止まり、マンションを追い出された。
娘にも相手にされず、路上生活が始まった。
ホームレスに「マルチ商法に引っ掛かったね」と言われた。
今夜は風が強い。
ダンボールだけでは肌寒かった。
その日、大型台風が首都圏を通過。
電柱が薙ぎ倒される程の強い物だった。
哀れな爺さんの、その後を知る人はいない…。
541 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/23 00:53
即興文なのに、分けてカキカキ失礼m(__)m
次は
羽衣
ダンピング
ミニチュアピンシャー
542 :
「羽衣」「ダンピング」「ミニチュアピンシャー」:01/09/23 11:48
私の羽衣はどこ。私の腕を動かすのは誰。
そろそろお家にゆく時間・・・ (ラジオ番組「夜の停車駅」から引用)
好奇心旺盛な天女の魂は、あらゆる生物に憑依します。
ここは自動車製造工場、一日中働く工業ロボットに憑依してしまった
彼女は、多忙さの中で、自我を失いかけておりました。
他の生き物に憑依しようにも、生物皆無の無人工場・・・
そんなある日、遠くに一匹の俊敏なドーベルマン犬が現れました!
心の力をふりしぼって、天女はドーベルマンに憑依しました。
しかし、何かが違う。外界がやけに巨大に見えるのれす。
「あらしまった。この方は、ミニチュアピンシャーだったのね(笑)」
そーか、遠くから見たから小さく見えたんだー。似てるし。
それ以降、小さなサイズに縮小されてしまった彼女。
小さいってことは便利なのか、それとも・・・
「まあいいか^^」という気楽さが天女たる所以でありました。
※ずいぶんと昔のFM放送ですが・・・
次のお題:「小学校」「株価操作」「衛星」
543 :
かきなおしごめん:01/09/23 12:06
私の羽衣はどこ。私の腕を動かすのは誰。
そろそろお家にゆく時間・・・ (ラジオ番組「夜の停車駅」から引用)
好奇心旺盛な天女の魂は、あらゆる生物に憑依します。
ここは自動車製造工場、ダンピング規制にもめげず働く工業ロボットに
憑依してしまった彼女は、多忙さの中で、自我を失いかけておりました。
他の生き物に憑依しようにも、生物皆無の無人工場・・・
そんなある日、遠くに一匹の俊敏なドーベルマン犬が現れました!
心の力をふりしぼって、天女はドーベルマンに憑依しました。
しかし、何かが違う。外界がやけに巨大に見えるのれす。
「あらしまった。この方は、ミニチュアピンシャーだったのね(笑)」
そーか、遠くから見たから小さく見えたんだー。似てるし。
それ以降、サイズが縮小されてしまった彼女。
小さいってことは便利なのか、それとも・・・
「まあいいか^^」という気楽さが天女たる所以でありました。
※一つ抜けてましたゴメソ
次のお題:「小学校」「株価操作」「衛星」
544 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/23 12:31
「ススム君、またね!」
小学校の帰り道のT字路、同級生のスズちゃんは右の道に行った。僕の家は左の道にある。
また明日、学校で会えると分かってても、なんとなく寂しい。
高級マンションの9階に僕の家はある。玄関を鍵で開け、僕の部屋に向かう。
勉強机のコンピュータの前に座った時、僕は……いや、俺は「ススム君」から天才ハッカーSとなる。
昨日は試しに某国の軍事衛星を乗っ取ってみた。あの国の慌てふためく様子は楽しかったな。
今日のチャレンジは株価操作。今日は市場に偽情報を送って、俺の手持ちの株を最高値時に売り逃げしてみるつもりだ。
今日のチャレンジが成功したら、出来たお金で鈴ちゃんを遊園地に誘おっと。
「これ、やっぱりデートっていうんだろうな」
俺は最初の偽データ送信を開始した。
次のお題
「ネコミミ」「パソコン」「秋の空」
545 :
「ネコミミ」「パソコン」「秋の空」 :01/09/23 13:47
パソコンなんてさっぱりわからない俺も
時流に乗って買ってみた。
設定や接続はいつもパシリに使っているオタクの島村に全てやらせた。
彼女にパソコンを買ったことをいうと
「わー見せて見せて」という。
「おーし」
意気揚々と電源ボタンを押して英語がたくさん出てきた画面が
青い画面に切り替わる。
と、その直後画面いっぱいにアニメのネコミミの女の子の絵が。
「はにゃ〜ん、ネットとオナニーのやり過ぎはだめにょ」
そんな台詞付きの絵を見た彼女は固まっていた。
というよりも全身から俺の存在を全否定するオーラを出していた。
秋の空が眩しい程に清々しかったあの日が
彼女と会った最後になったのは言うまでもない。
お題は「ハイレグ」「ビスケット」「絵の具」でお願いします。
546 :
「ハイレグ」「ビスケット」「絵の具」:01/09/23 15:21
「くっそーっ!!島村の奴!!」
清々しいあの日々・・・。
美大でしがない油絵を描いていた俺に、かいがいしくも
手作りのビスケットを差し入れてくれたのが彼女だった。
(いつか画家で大成して彼女と・・・・・。)
俺と彼女の恋愛が始まるのも、さほど時間はかからなかった。
だがしかし、気になる事がひとつある。
彼女は実はヌードのモデルとしてこの大学にやって来ている事だ。
俺は悩んだ。彼女の無垢な体を、たくさんの野郎どもが
凝視する・・・・。そんな光景をそうぞうすると寒気がはしった・・・。
そしてある日、俺はいけない、と思いつつも
彼女がヌードで参加する授業を覗き見してしまう事にした。
なんだか興奮してしまう俺・・・。
最低だ・・・・。
でもはやく彼女にはそんなバイトはやめてもらいたい・・・。
いざ教室に忍び込む。黙々とキャンパスに向かう連中の
目の中には、絹のように白い彼女の肢体が映っているのだろう・・。
ああ・・・。俺は一体何をやってるんだ・・・。
歯を食いしばり、思い切って意を決して目を開いた。
す、するとそこにはハイレグの水着を着た彼女が!!
泣いた。ああ、俺は泣いたよ。
次回「キンモクセイ」「高層ビル」「自転車」
548 :
546,547:01/09/23 15:30
ごめそ、「絵の具」が入ってなかたよ・・・・。
貧乏で絵の具を買うのにも困っていた、と付け加えます。
549 :
「キンモクセイ」「高層ビル」「自転車」 :01/09/23 15:55
高層ビル愛好家の俺としては、高層ビルというものにも一応
ルールってものがあることをここで言いたい。
第一に、高層ビルは簡単に壊れてはならけない。これは当たり前だ。
木造なんてもってのほかだ。禁木製である。
第二に、高層ビルの1階で走り回るような事をさせてはならない。
自転車なんてもってのほかだ。子供でも駄目だ。
第三に、高層ビルの正面に木を植えてはならない。
キンモクセイなんてもってのほかだ。そんなものは庭に植えろ。
第四に、高層ビルを抗争ビルにしてはならない。銃の打ち合いは勘弁だ。
爆弾なんてもってのほかだ。あんなものが倒れちゃおしまいだ。
これらのルールを守ったものだけが、高層ビルとして認められる。
#次のお題は、「反乱」 「盗聴」 「線香」 でよろしくお願いします。
550 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/24 01:44
盗聴されて反乱おこして線香あげた。
次ぎのお代は。
2ch、逝ってよし、オマエモナー
でよろしくおねがいします。
551 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/24 01:47
「ここに居られましたか」
振り返ると、峠道の向うに第五隊長・浦楯記の姿があった。
「浦君か。いや、探させてしまったかな」
浦は寛濶とした笑みを浮かべて、
「加屋先生ならば此処にいらっしゃるだろうと思っておりました」
頂上の大石に座する加屋霽堅の下へと歩みを速めた。
廃刀令が出た時点で、敬神党が反乱を起こすであろう事は容易に推測された。
しかし、だ。
僅か百七十余という寡勢で熊本鎮台(のちの第六師団)を襲う、という。
そのあまりの暴挙に、鎮台は一時総崩れの憂き目を見たのである。
「細作の盗聴術をもってしても我らが策、見破られなんだことだけでもよしとせねばならぬが……」
呵々と笑った加屋は、やがて誰ともしれぬように歎息を吐いた。
「此度の一挙、世の人々は浅慮であったと笑うであろう」
遠き目をして語ると、 加屋はふと足元に目を寄せた。
「あたら有為の士を多数死なせた。あれ見よ神風連の頑迷固陋と蔑まれても致し方あるまい」
「すべて、憂国の上でのことにござる。後世、我らの志を汲む具眼の者が必ずや現れましょう」
力む浦の言葉を宥めるように加屋は言った。
「我らの、ではない。立場はどうであれ、国を護る心はどちらも変わりないのだ」
独白のごときその一言。
浦は黙して、次の言葉を待った。
「この地を食い物にせんとする輩は排除せねばならぬ。その一事のみでも伝えたかった……結局は、斯様な形になってしまったが」
頭を上げた加屋の目に、熊本城の瓦は目映かった。
……。
「あちらで林桜園先生がお待ちです。もう時間もございませぬ。さ、ご支度を」
日は既に天高く。
促す浦に、加屋はゆっくりと立ち上がった。
祇園山から見はるかす阿蘇の山々と、熊本城の勇姿。
残っていたのは、ただ線香の煙……。
●自己満足小説なのでお題は継続。
552 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/24 02:14
限られた行数の中で三語を組み入れてオチを付けるのが美しいと思うYO
553 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/24 12:44
ゴセンゾ様 オトウサマ オカアサマ キョウダイシマイ
ミナミナ仲良ク ハカノ中デクラシテイマス
長女カズ子 次女ツグコ 親ヲ置イテ先ニ逝ッテシマイマシタ
長男健一モ 先ニ逝ッテヨシオト私ダケガノコサレマシタ
ヨシオモ病デミコミアリマセン
村モカワリマシタ
仲ノヨイモノハ皆死ンダリ町ニユキマシタ
フビンハ ヨシオデス
ヨシオ マエモナーンモ シテヤレナカッタガ
コレカラモナンモ シテヤレマセン
私ガシンダラ ダレガ面倒ナオマエノ世話ヲスルカ
ソレヲ考エルト カワイソウデナリマセン
ヨシオモ連レテイッテヤルコトニシマシタ
近所ノミナサマニハメイワクヲカケマス
少シデスガ台所ノヒキダシニ金ガアリマスノデ
センコウノタシニシテクダサイ
思イカエスト昔ノコトガテレビノヨウニ アザヤカニ
浮カビマス チャンネルヲカエルヨウニ
ケンイチノコト カズコノコト ツグコノコト ヨシオノコト
オモイダサレマス
私ノコトハ 何モウツラナイ2chノヨウニ
カスレルヨウナ シロイ ガ面ダケデス
カゾクノタメニ生キマシタ
カゾクガナクナッタノデ 私モシニマス
アトノコトハ ミナタノミマス
ゴメイワクカケマス
554 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/24 12:49
次のお題は
「弁当」「急降下」「初霜」でいかが。
>>552 荒らしまがいになってしまいスマン。
ただ書かせてもらうと
明治九年十月二十四日の神風連の乱
副将・加屋霽堅は当日に戦死、
浦楯記は捕縛後刑死しとるので
時期は二人とも線香上げ後のあぼーん後ということなのです。
どっちにしろ妄想だ。逝ってきます
このコンビには、というよりも、この店はどうもいかんね。
だってもう冬よ?昨日初霜降ったの知らないのかどうかなあ店長。
煙草の陳列してる場合じゃねえのよ。
見ろよこの閑散とした店内を。見ろよこのドリンク類棚のスカスカさを。
ちゃんと仕入れ、市場調査しろって。言われない?上の人にさ。
「今月の売上がおちてる」とか。ああ、落ちようがねえのか。
でもさあ、冬だぜ?冬。わかってねえだろうなあ、ほら、その証拠に
この弁当棚。
まーだ冷やしラーメンおいてやがるよ。まだ生産してるメーカー側も悪いがね。
っけ、やっぱ駄目だ。喰えそうなものがねえ。しょうがねえ、
カップめんでもかってくか。俺はホームラン軒味噌味を、愛想だけはある
店長にきっちりつり銭の出ないように代金を払って帰路についた。
ったく、糞なコンビ二だ。なんて思っていたら、忘れてたじゃねえか、ドリンク!
しかし、またあそこに戻ってもなあ、ってわけで、自販でいいやって思ってたら
コカコーラの自販機発見、これはついてるなあと1000円札を出しつつ、札使える
かなあ?と、見ると使えないタイプ。
っく!!どいつもこいつも!って文句謂っても始まらん。
どれどれ。小銭は?・・・。っふ・・。旧五百円玉。予想どうりの展開。
ね?使えないのは旧硬貨。俺の心も急降下。
駄目だこりゃあ。いや、俺がな。
次は
「栗」「ソープ嬢」「菩薩」
557 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/25 07:27
留学生などの外国人が多くステイする萩原家
なぜかそこに居候の形で住み始めて1年半
すっかり溶け込んでしまって、学校卒業までここにいそうな予感
秋なので皆で山にハイキング♪というのも
こういう生活の良いところ
元コックのケインがランチを作り
力持ちのバツゥが荷物を皆引き受けてくれる
軽い心で野山を散策し
夕方になって帰ろうとして道に迷った
あせればあせるほど方針はぐらつき
だんだんと苛立ちがつのる
完全に暗くなる前に 今日は野宿と決定し
場所を確保する
明日また日が昇るまでは休息して体力を温存したい
けれども 空腹はいかんともしがたい
不安が空腹を増幅させている
ケインが栗の木を発見し イガイガを山ほど持ってきた
しかし 生で食えというのか
そのとき ヘビースモーカーのイングルソープ嬢が
ライターを差し出した
彼女が菩薩様に見えた
558 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/25 18:22
557です
仕事に行く直前に557を書いて
戻って来て見たらお題がないです
556さんのお題で続行をお願いします
559 :
「栗」「ソープ嬢」「菩薩」:01/09/25 22:32
秀吉は目を疑った。
「髪をやや短くしているが、あれはまさしく、尼子家の姫君殿・・・」
弱小と言われつつも誇りを守りぬく、自ら滅亡の路を選んだ尼子家。
その優しい風貌から「菩薩さま」とも囃された姫が、なんとソープ嬢に
身を堕していようとは(涙)
一月通いぬいた末、秀吉は、その志を訊いた。(←ひどい!)
姫は黙して語らない。
彼女には、平民もこんな職業も、団栗の背比べの様なものかもしれない。
側近に打ち明けられ、秀吉は仰天した。
姫はアートフラワーに凝っているらしい。そんなに高くつくのだろうか。
しかし、何故、戦国時代にソープ嬢があったのか?
それは永遠の謎である。
(参考資料:映画「幻の湖」)
※「尼子家」の有無さえも、うろ覚えであてになりません(笑)
次のお題:「たまごっち」「核爆弾」「陽光」でお願いします。
勝手に子供作るからだ、知らんよ勝手にすれば
「うわあっちゃー!えけけけけけ。」
突然、路上で女子高生がが発狂した。さんさんと陽光の照る町はにわかに
色めきだつ。「たまごっち」による被害者が、ついにこの町からも出てしまった。
即座に町の要所要所に配置されているセンサーが作動し、監視所に連絡が入る。
と、同時に保護隊、通称「おやじっち狩り隊」が出動、女子高生は金属製の
箱に詰め込まれ、保護牢へとトラックで送られた。
「たまごっち」それはいまや世界中を脅かす存在となっていた。
西暦2021年。世界中で流行した玩具、「たまごっちねくすとEX」
のせいであった。
「たまごっちねくすと」とは、20世紀後半に日本周辺で
大流行した、業界初のハンディー擬似生物育成玩具、「たまごっち」
の最新バージョンである。
しかし、その隠された機能とは恐ろしいもので「たまごっち」の育成に失敗、
万が一「おやじっち」と呼ばれる裏キャラに育ってしまった場合
その所持者「飼い主」は脳から直結した回線を通して、飼い主の脳内に
おやじっちが潜入、ある種の生体依存型ウィルスを深層心理に
撒き散らす。というバグが発見されている。
では、そんな物、即座に回収すべきではないか、という声も聞えてくるが、
実際はそう簡単にはいかない。
なぜならば、その代償ではないが、反対のバグも発見されているからだ。
たまごっち育成に成功し、「天使っち」になった場合、
「飼い主」には脳内麻薬を制御可能とするウィルスが脳に入り込み、
「飼い主」が望めばいつでも凄まじい力を発揮できるというしくみである。
それによって、今や「たまごっちねくすとEX」は、麻薬同様の売値で闇取引
されているのである。
問題なのは、前者のウィルスである最近、科学玩具メーカー「モミ−」
開発部が発表した報告書によれば、「脳内に侵入したウィルスは、ある
一定の期間を置いて脳からリンクされたインターネット内へ進入、
さらに各国の軍事制御コンピュータにアタックをこころみ、最終的には
核爆弾の発射をする」というものだった。
各国はこれを深刻に受け止め、現在のような厳戒態勢をとっているのである。
おもろい、誉めてやる
>562
ああ、ありがとうございます!
お題ですね。
次は 「コミック」 「白菜」 「時計仕掛け」
で、お願いします。
564 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/28 10:39
あまりにも不甲斐無いのでage
565 :
「コミック」 「白菜」 「時計仕掛け」:01/09/28 11:46
大事にしていたコミックが無造作に結えられ、漬け物石代りにされている事を知って
少年は慟哭した。
手塚治虫やFや水野英子の作品が、黄ばんで白菜臭くなってしまった。
ページもくっついてしまって・・・
それでも規律と能率を重んじる親はこう言う。
「こんなものを読んで時間を無駄にしてはいけない!」と。
いつもの学校の帰り道、慰める言葉もない彼女に、彼は自虐的にこう言った
「うちって、<時計仕掛けのオレんち>なんだ」
※またまた駄洒落です(^^;L
次のお題は:「ねずみ男」「狂牛病」「寅さん」でお願いします。
あげ。
567 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/30 07:03
趣味で作っていたフィギュアがぼちぼち売れ出したのは嬉しい。
もともとの私の好みは女性芸能人フィギュア。
「浜崎あゆみ」や「和田アキ子」には自信あるな。
しかし、注文があれば何だって作っちゃう。
「ねずみ男」だって「フーテンの寅さん」だってOKだ。
製作中なのが「狂牛病の牛」。
1頭だけでは牛が変なふうに寝そべっているとしか見えないので
3頭の牛が次第にずっこけていくところを並べてみた。
気に入ってもらえるか分からないが、これはこれで自信あるぞ。
お題です。「竹」「射殺」「扇子」
568 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/30 09:36
やっぱりアルファインでのプレイは一種の重大イベント?みたいなもんだからプレイの
組立みたいなモンをイメージしてから行きますね。(笑)
サービスタイムや泊まりで行っても実際に気合いを入れてプレイしてる時間って私の場合は
せいぜい3時間強なんですよね。(割とマターリしてる時間を除いて)
例えばこの間は吊りをメインにやったから今日はスパンキングをメインにしようとか
ローソクに時間を掛けようとかets 浣腸はアナルSEXの前の決まり事だから私は特に意識は
しないですねー、強いて云えばその日のプレイの途中で責めのストーリーの為に縛り上げてから
注入するか、それこそプレイの前どころか部屋に入って風呂に入る前にチャッチャッと済まして
しまうかのどっちかです。
ある程度、パターンで決まっているのは風呂に入って身体を洗わせてから私が最初に出てコスチュームを
洗面台の上に置いておく所ですか。
プレイの始まりは磔台に拘束してのスパンキングと決めていますのでコスチュームは半袖のレオタードか
競泳水着のどっちかです。
皮ベルトで叩く時はレオタード(割と厚手で背中が開いていないから)、バラ鞭で叩く時は水着(背中が開いて
いて薄手だけどバラ鞭なら身体の前面も思いっきり叩けから)と風呂から上がった瞬間に置いてある
コスチュームから相手もこれから自分が何をされるのか分かる様になっています。
やっぱりレオタードの時は女房もさすがに少し緊張していますね(笑)今の季節は薄着なので
水着にバラ鞭が主でしたがこれからの季節はレオタードに皮ベルトが主になりますね。
風呂から上がると私はスッポンポン、女房は水着かレオタード姿でまず酒を飲みます
女房は狂える様にと決まってまずワンカップを一気飲みするのもいつものパターンです(笑)
酒と会話が有る程度終わるとソファーの前に膝まつかせて軽くフェラチオをさせてから
皮ベルトの時は後ろ向きに、バラ鞭の時は前向きにどっちもボールギャグを噛ませて拘束します。
でもさすがに最初から皮ベルトは使いません、バラ鞭で思いっきり乱打してから仕上げの大体
3発くらいですね。
さすがにレオタードを着せているので肌は避けたりしませんがものすごいアトがのこりますよ、
ボールギャグの為、悲鳴にならない呻き声を上げて白目を剥きながら苦痛で鎖の音を立てながらもがく姿は
ほんとうに何度見ても堪りませんねー(笑)ベルトのスパンキングの後は本当に身体の力が抜けてしまうらしく
膝が崩れて鎖にぶらさがっていますね。
ご褒美にそのまま後ろからペニスを付き入れてやりますが、浣腸を済まして居る時はアナルに入れてやる事も
有ります、スパンキングで昇った後は女房いわく前でも後ろでも入れてもらえさえすれば大してどっちでも良いそうですねー。
磔から降ろしてコスチュームを脱がした後はエナメルのパンティーを履かせ16年物(笑)の麻縄で後ろ手に縛り上げてから
滑車に吊し木馬に跨らせてバイブをパンティーで押さえて挿入してやります。(この時、乳首をクリップで夾みます)
そのまま何度も昇りつめさせ木馬と吊された縄にグッタリと力の抜けた身体を預けるまで放置してやります。
(このときの快感なのか苦痛なのかの悲鳴の様な叫び声も堪らないんですよねー)
569 :
名無し物書き@推敲中?:01/09/30 21:28
「春日翁を射殺した犯人は、この三人の中にいます」明智探偵は言いました。
長男・一樹 親の補佐として働く実業家。趣味は狩猟。
次男・ニ郎 勘当同然の駆け落ち後成功した、優秀な数学者。銃の収集家。
三男・三蔵 一族の健康をケアする博識な医者。射撃クラブ所属。
「じらさずに言ってくれ給え、明智くん」と扇子をパタパタさせながら、警部。
彼のすっぱりと竹を割った様な性格を知ってか、警部は煽りまくります。
「小林君、もう一度現場を思い出して見ようか・・・あのスタンドを」
「あ!」小林少年と警部が叫んだのは同時でした。
ああ、なんということでせう。こんな意外な点に、明確な証拠があろうとは。
「あ、明智君・・・」「そうです、警部」
白い砂利道を、警部に連れられて犯人が通ってゆきます。
「先生、先生、なんて意外な犯人だったのでしょう、ぼくは・・・(涙)」
ああ意外。完。(←なんのこっちゃ)
※最初から考えてないから謎です・・・失礼しました。
次のお題は:「金貨」「銀河」「銅像」でお願いします。
俺のぽっけ。すかすかぽっけ。金貨が一枚、銅貨が二枚。
ゆるせねえなあ。金貨の奴。
銅貨が如何に頑張ったりしても、所詮銅貨なんだから。
金貨は、生まれた時から金貨。
そういう価値の元、うまれたんだからなあ。
それでも、彼の外套は、夜の湿気に重くなる。
金貨をはめ込んだ王様の銅像。広場を、民衆を威嚇するかのごとく立ちそびえる。
ゆるせん。だって、そうだろう?元から、生まれた瞬間から王様なのになあ。
解ってるんだろう?王様。
お前が一番なんだよなあ?生まれた時から、苦労せづと、貴様が一番だ。
それなのに、わざわざ銅像の胸元に埋め込む金貨。
ただ、金貨をはめこむわけじゃあない。
埋め込むんだ。
金貨は見えないんだ。金貨でさえ、俺にとっては一番なのに、だ。
ゆるせねえなあ。
俺はどうして、こんなところでこんな銅像をながめるんだろうなあ。
俺はどうしてこんな、紙切れを配って歩くんだろうなあ。
彼の手には、束となって「神風さーかす〜戦や一夜〜」と書かれた、
彼にとっての糧でありながら、彼にとって何の価値も無い紙切れがあった。
彼は、ゆるせなかったんだ。
彼の境遇を、彼の生い立ちを、彼をサーカスに売った両親を、
彼を、彼と言う価値を認めない世の中を。
ゆるしたくなかったんだ。
外套のポッケには、コインが三枚。金貨が一枚、銅貨が二枚。
俺は、銅貨でもいいんだよなあ。でも、せめて、ぴかぴかに光った銅貨でいたかったよなあ。
彼はそう思いながら、ただ、ただ、透き通る夜を流れる銀河を、仰ぐだけだった。
次は、「鍵」 「雪」 「幻灯」で、お願いです。
あ、省略されてますね、
ぎりぎりかと思ったんですが。
次は、「鍵」 「雪」 「幻灯」で、お願いです。
572 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/02 20:26
>「鍵」「雪」「幻灯」
マリンスノー。
深海に降る雪は、発光性のプランクトンが正体だ。
エンジンを切った深海探索艇ノーチラス号は、幻灯的な光景の中を惰性でゆっくりと
進んで行く。
昨夜、彼女のマンションを出たのは、日付が変わってからだった。
私、結婚するの。とってもいい人なの。
俺には、やめろなんて言う資格は無いよ。
やっぱり、奥さんを選ぶのね。
さよなら。さよなら。
気密服の胸に、違和感があるのに気がついた。
鍵を返すのを忘れていたな。なんで、ポケットに入っているんだろう。
気にするな。今は任務に集中しろ。そら、見えて来た!
視界が開け、今、ノーチラス号は深海の巨大ピラミッドに到着した。
♣ 次回のお題は
「鍵」「雪」「幻」
573 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/06 00:14
昼過ぎから降り出した雨にみぞれが混じり、雪になった。
海から吹きつける風は次第に強さを増している。この分では今夜は吹雪になる。
道路が使えるうちになんとかこの町を脱出し、どこかへ辿り着かなくては。
ドアに鍵は掛けない。どうせ住民は私が最後だし、今後この町を訪ねる物好きもいまい。
おかしな病気が流行りはじめたのは一ヶ月前だった。
感染した人間は、幻を見るようになる。自分が見た幻について誰かに話すと、相手が感染する。
幻は恐ろしい魔物であったり、美しい女であったり、ひとによって異なるが、何を見るかに関わらず必ず死に至る。
検死解剖で、患者全員の脳組織が破壊されているとわかったが、治療法はもちろん、感染源を突きとめることさえできなかった。
一週間前からは、外部からの連絡が一切途絶え、食料も燃料も供給されなくなった。この町は見捨てられたのだ。
私は感染していない。そう、私には誰一人、幻について話してくれなかったのだ。
次は、「黒」「宝石」「踵」で。
名無し物書き@推敲中?様の別ストーリー・・・。
『学者』は遺跡に持参した黒ダイヤを埋めていた。
・・・これが見つかっても、また「新文明だ!」とマスコミは騒ぎ立てるのだろうか?・・・
『学者』は歴史の創作者となった。
そのフィクションは媒体により、リアルとなった。
ふと痛みを覚えて、足元を見る・・・。
汚れたスニーカーの踵の部分にうっすらと血がにじんでいる。
靴を脱いでみると靴下が血に染まっていた。
・・・いつのまに切ったのだろう。まあ、良い。・・・
『学者』は丁寧に地をならすとそそくさとその場を去った。
・・・マスコミにこんな所を見られては地位も名誉も失ってしまう。・・・
黒ダイヤの作戦は上手くいった。
『学者』は賞賛され、その真意を疑う者は誰一人居なかった。
「えー、この文明はどうやら、かなりの栄華を誇ったみたいですね。」
記者会見で『学者』は雄弁に語った。
一人の記者が質問をした。
「教授、ではこの文明はなぜ滅びたのでしょう?」
『学者』は考えた。
・・・他の文明に滅ぼされたでは、面白くないし、ありがちだ。
ここは、新しい学説(虚構)でも発表するとしよう。
「えー、この文明は何かの疫病が流行って滅びたみたいですね・・・。昔の事ですからね。医療に呪術が使われているような時代です。」
・・・ウイルスが遺跡に残っているかと調べる輩(やから)も出てくるかもしれない。補足しておくか。・・・
「このウイルスは切り傷等から侵入して、脳細胞を破壊するウイルスです。えーと、この書物に出てますね。動物の体内でしか生きられないウイルスですから、発掘されたからといって心配しないで下さい。」
記者達は軽く笑った。
『学者』は最高潮だった・・・。
学説は一大ムーブメントを起こして、『学者』は時の人となった。
その頃からだろうか?
『学者』は幻を見るようになっていた。
・・・一体これはどうした事だ?・・・
医者にいっても原因はわからなかった。
日に日に幻は酷くなり、夢か現実かの区別も危うくなっていった。
世間でも、『学者』と同じ症状の患者が増え、謎の奇病として恐れられるようになった。
厚生省は、『学者』の学説発表と奇病の流行の時期の一致を危惧し遺跡の調査を開始した。
そして、『学者』の発掘した黒ダイヤに新種のウイルスが付着しているのを発見した。
厚生省の役人に問いただされても、『学者』は返事をする事さえままならなくなっていた。
ただ、「この文明も滅びる!!」と繰り返すだけだった。
自体を重く見た政府はこの町を全面封鎖を決めた。
『学者』の埋めた黒ダイヤはただの黒い宝石だった。
いつ、ウイルスは付着したのか?
そもそもウイルスの話も『学者』の作り話に過ぎなかったはずだ・・・。
そのフィクションは媒体により、リアルになった。
・・・媒体がなんであるか?そんな事は見等もつかなかった。
ー終わり。
長くてすんません。(汗)
次は「愛」、「ボブスレー」、「ジャングル」でお願いします。
うげ・・・。すんません長くて・・・。
次は「愛」、「ボブスレー」、「ジャングル」でお願いします・・・。
577 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/06 06:48
落ちのない三題噺はつまんないよ。
578 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/06 06:49
三つの言葉を使えば良いってもんじゃないだろ?
すんません。
「そのフィクションは媒体により、リアルになった。」
っていう「テーマ」で落としたつもりだったんすけども。(汗)
戸棚の上の、古ぼけたブラウン管に灯がともった。
「映らないね」
彼女がぽつりと零す。それを聞いて、ベッドの上の少年は破顔した。
「なにがおかしいのよ?」
「見ていれば分かる」
映ってないと思っていた画面に、ちらりと見え隠れする原色達の姿。
白磁の世界に流線を描くボブスレーの様に、彼女は感歎の声を漏らした。
「でもさ」
「ん?」
「一色のキャンバスには、原色が良く似合うよね」
「……まあ、ジャングルなんかでも赤とか黄色とか、鮮やかなのが多いけど……」
愛ちゃん、と扉の向うに看護婦のシルエットが浮かび上がった。
またねと言葉を残して、彼女は部屋を後にした。
キャンバスに映える原色、か。
少年は、その白一色の病室で、己の爛れた肌に手をやった。
次は「夜行巡査」「高野聖」「外科室」
2001/10/5
飛行機が落ちて二十八日目。
いまだ助けはこない。だが、不幸中の幸いで、落ちたところがジャングル
だったのがよかった。
父に教え込まれたアウトドアの知識が、まさかこれほどに役に立つとは。
その父のおかげで食料には困らない。だが、問題は、彼女だ。
この事故での俺以外のたった一人の生き残りだ。
彼女は、ジャングルの食料を嫌がって、あまり食べてくれない。
このままでは彼女は飢え死にか、栄養失調を起こしてしまう。
もはや、かなり危険だが、あの手段を使うしかないだろう。
あの手段とは、この先にある川を、丸太を組んで作り上げたイカダで
下るという計画のことだ。
いまから、実行しようとおもう。
これは、私たち二人が、ここにいたという証明である。
と、書いた紙切れを、俺は大きな岩の下のくぼみにそっと差し込んだ。
ここならきっと、雨が降ってもあまり濡れずにすむだろう。
「さあ、いこう」
そう謂って、力なく座り込んでいる彼女、中田裕子の手をひっぱりあげ、
いかだに乗せた。
この事件で、俺たちの間には、愛が生まれていた。
危機をともに分かち合った男女に良くあるパターンだ。
もっとも、こういう愛にはすぐに終わりが訪れると、世間ではいわれているが・・。
イカダを川に押し入れる。
流石に、太い丸太を選び、頑丈に作っただけあって、大変な重量だ。
しかし、日本でボブスレーの選手だった俺には大した障害ではないのだが。
彼女が俺を見つめている。体が弱りきっていて、声も出せないのだ。
その目には、不安、緊張、恐怖、といった負の感情が浮かんでいた。
しかし、俺は、彼女の目に、微かだが、確かに一片の希望が光るのを見た。
イカダは川の流れにのったようだ。彼女は俺の腕にもたれかかっている。
僅かに震えながら。
俺は、そんな彼女をいとおしい、と思った。同時に、必ず助けると誓った。
さあ、川よ、俺たちを運んでおくれ。
俺たちの、未来へ、俺たちの明日へ。
※次は「財布」 「ワイン」 「高級食材」
で、お願いです。
あああ。
遅かった。
次は、581さんので。
>>583さん
スマソ。
次の方、できればお題六つでよろしく。
文章は5行以上15行以下を目安に。
586 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/07 10:46
酒はワイン。ブルゴーニュの年代物を集めている。
趣味は古書収集。泉鏡花の各種版本のコレクションでは世界一だ。
ワイングラスを傾けながら、鏡花を読むのが至福の時である。
「夜行巡査」「高野聖」「外科室」が最も好みだ。
今晩はエジプトからミイラを取り寄せてある。
私の財布が軽くなるほどの値段がする高級食材である。
血抜きしてあるミイラの、しかも五千年も昔の微かな血の味。
生きた美女の健康で新鮮な血液もいいが、
ドラキュラだっていつも人間の首筋に牙をたてていると疲れる。
たまにはこういう種類の枯れた贅沢を味わってみてもいいじゃないか。
お題は「みかん」「中古車」「留守番」です。
よりによって俺が留守番している時に何でこんなものが・・。
次々と「和歌山みかん」と、書かれた小さめのダンボール箱が会社の玄関に
積み上げられてゆく。
一体、なんなのだ。こんな納品は聞いていない。加藤の奴もそんなことは
謂っていなかった。そういやあ、あいつ何処までいったんだ?
昼休みおわってるのに。確か、「中古車見てくる」とか謂って、
先月買ったばかりのプジョーに乗っていったなあ。
わけがわからん。
そう謂っている間にも次々と運び込まれるみかん箱。もはや玄関には収まりきらない。
勘弁してくれよ、ウチの会社はそんなに広くないぞ。これ以上は無理だ。
「すいません、あとどの位あるんですか?これ。」
そう、配達員に尋ねると、彼は謂った
「え?これっすかあ?このトラック全部っすよ、全部。」
そういいながら彼は、10トントラックの荷台を指差した。
・・・・。
早く、帰ってきてくれ加藤。
次は
「心理」 「武者」 「秋」
お願いします。
589 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/08 15:14
丹波のさらに奥、「夜久野」という町に小さな名無しの墓があります。
これが、戦国時代、家の安泰のため遠く東北に嫁いだ夜久野姫の墓です。
彼女が十六の若さで、山形の大名・最上家に嫁いだのは、しだれ桜も
咲き出した四月の事でした。
雪に閉ざされた山形で、誰もこない留守番の生活を続けるうち
姫は胸を患い、ある大吹雪の翌朝、その短い一生を終えました。
「みかんが食べたいです・・・」という姫は、最後の日の朝、新雪の丘を指差し
「ああ、しだれ桜がきれいです」と微笑み、帰らぬ人となりました。
実家に設けられた小さな墓には、時折、四月のしだれ桜の枝が・・・
・・・という伝説は、まるで冗談というか捏造なのだが(笑)
急遽仕事で夜を徹して国道をいく、その途中にあった町だった。
いいじゃないか、とりあえず少しは眠気は紛れたのだし。
史実なんて知らない。夜久野姫ってどんなんだったのだろう?
・・・わかるわけない(笑) 姫の存在自体がでっちあげだもの。
「ああ、仕事がしんどい」
夜久野の微笑む声が聞こえる。 ・・・わけないけど(笑)
※少々長くてすみません^^;
次のお題は「ワイン」「Linux」「徹夜」でお願いします。
590 :
589の母の子でございます:01/10/08 15:17
やってしまいました、一分遅れ・・・^^;ゴメン
589のお題は無視してやってくださいm(_ _)m
>590
ああ、本当に競っていたんですね。一分とは・・。
でも俺最近書きすぎなんで。
お題は589のでいいですよ。
では、続行してください。
592 :
心理武者秋ワインLinux徹夜:01/10/08 17:19
九州のとあるゴルフコース、俺のミスショットは、妙なコースを
描いて、いかにも薩摩武者といういでたちのごついおっさんに当った。
「なんばしょっとか!」と捨て台詞を残して、薩摩男は立ち去る。
なんだろう、「難波ショット」とは?
関西育ちの俺のDNAの中の何かが、偶然、新ショットへと昇華したのか?
その日から、難波ショットを求めての徹夜の研究が始まった。
俺はもう、Linux一本でMS帝国に立ち向かう心理だった。
「難波ショットを知りたいのです!」「あんたあほか?」(ワッハ吉本)
「難波ショットを!」「冷凍のはないんだよね、今」(豚マンの蓬莱)
「難波ショットありませんか」「予約はおありでしょうか?」(たよし)
戎橋筋に秋風が吹いても、俺は諦めなかった。
いまや引退し、ワインマニアとして悠悠自適の生活を送る俺は振り返る。
3年後、完成した難波ショットで業界を総ナメにした、あの出発点は
まさにここにあったのではないかと・・・薩摩武者に感謝する。
※責任とってムリヤリ6語で書いてみましたが・・・(汗)
次のお題は:「白衣」「黒衣」「憑依」
初めてお目にかかります。
あまり慣れていないので、イマイチ意味不明かも知れませんが、
よろしければご批判・ご感想をお願いいたします。
お題:白衣・黒衣・憑依
最近、陰陽師とかっていうのが流行ってますな?
あ、ご存知ない?
占いやら、物の怪の御払いやらをする職業だそうで。なんでも平安の雅な時代から
の由緒あるお仕事だそうですな。
まぁ、最近は科学万能の感もありますが、やれ憑依されただのなんだのって騒ぎは
今も昔も変わらないようですよ。
目に見えないモンってのは、いつの世も怖いものなんですな。
たとえばですな。
そうそう、今のあなたのように、まず御払いを受ける人は白衣で身を包むわけです。
ほれ。そのあなたの目の前にあるお水。そうそう。それです。それを額にぴちょっと
付けまして。そう。ちょっとでいいんです。
そうしてですな。
今私が着ているような黒衣を纏った陰陽師とやらがですな。
もぞもぞと呪文を唱えたり、舞を舞ったりするのですよ。
ほれ、このようにですな。くるりと。
はい?まるで自分が憑き物落としをされてるような気分だって?
いやいや。そんなことはありませんよ。
あなたが憑き物なんです。
お題は・・・。
「スピーカー」「コシヒカリ」「ジプシー」
594 :
おはつです♪:01/10/08 19:25
初めまして。
久しぶりなので、イマイチ意味不明だったらごめんなさい。
よろしければ批評・感想などいただけると幸いです。
お題
「白衣」「黒衣」「憑依」
最近、陰陽師とかっていうのが流行ってますな?
あ、ご存知ない?
占いやら、物の怪の御払いやらをする職業だそうで。なんでも平安の雅な時代から
の由緒あるお仕事だそうですな。
まぁ、最近は科学万能の感もありますが、やれ憑依されただのなんだのって騒ぎは
今も昔も変わらないようですよ。
目に見えないモンってのは、いつの世も怖いものなんですな。
たとえばですな。
そうそう、今のあなたのように、まず御払いを受ける人は白衣で身を包むわけです。
ほれ。そのあなたの目の前にあるお水。そうそう。それです。それを額にぴちょっと
付けまして。そう。ちょっとでいいんです。
そうしてですな。
今私が着ているような黒衣を纏った陰陽師とやらがですな。
もぞもぞと呪文を唱えたり、舞を舞ったりするのですよ。
ほれ、このようにですな。くるりと。
はい?まるで自分が憑き物落としをされてるような気分だって?
いやいや。そんなことはありませんよ。
あなたが憑き物なんです。
次のお題は
「スピーカー」「コシヒカリ」「縦笛」
でお願いします。
ありゃ。すみません。
2重投稿になっちゃいました。
hate?
あれ?
記事番号が一致してないぞ?
592になってるのに、入ってみると596になってる・・・。
598 :
「スピーカー」「コシヒカリ」「縦笛」:01/10/08 22:17
「今日のお宿を・・・」
どんなに頼んでも、笛吹きの若者に宿を貸す者はいませんでした。
その夜、街に若者の縦笛の音が、まるでスピーカーの大音声の様に
鳴り響いたのであります。
するとどうでしょう、水田に実った稲穂の米に、ゴキブリの様な足が
生えて、若者の後をついてゆくではありませんか!
「戻ってきてくれよう〜米」と叫んだところで、米には耳がありません。
笛の音だけは聞こえるのか、ついに米粒は次々と夜の海に飛びました。
これが、日本への米伝来のはじまりと云われています。
コシヒカリ等の日本の米粒が、外国の米粒よりも丸いのは、こうやって
海を渡る時に、水ぶくれしたせいなのですよ^^
もちろんネタですが。
※なんか異様な光景だー^^;
次のお題は:「セーラー服」「海軍」「赤紙」でお願いします。
599 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/08 23:15
お見合いのお相手は海軍士官の滝澤様。
大尉様というお話で、
真っ白な軍服がまぶしく、腰に短剣をさした凛々しいお方。
かよこは頭がぼうっとして、お顔もよく拝見できませんでした。
お顔は真っ黒に日焼けしておられて、
ふつうで見ても真っ黒でよくわからなかったかも……
でもでも、かよこのような幼き者をお嫁に望まれているというのは……
だってまだセーラー服の女学生。
だってまだ大人じゃないし……と厠の中で物思いに沈みつつ、
かよこは不思議そうにたった今つかったばかりの
紙が赤紙になっているのを見つめた。
お題は
「お風呂」「工場」「森林」でどうぞ。
600 :
「お風呂」「工場」「森林」:01/10/09 00:41
木材工場に勤める彼女は、若い工場医を慕っていました。
肺病で入院していたある日、彼女は言いました。
工場の機械になるよりも、一輪の花になりたい。
花になって、少しでも、疲れた貴方の心の慰めになれるなら・・・と。
じゃあ今日だけ、と医者が約束したその翌日、彼女は一輪の花となって
医者の卓上の花瓶にお邪魔しておりました。
静かな夏の午後、医者も別室でお昼寝です。
ふと、西の空からやってきたアゲハ蝶が、蜜を求めてやって来ました。
その時、彼女は見たのです。
アゲハ蝶の後足に、びっしりとついた花粉の塊を。
・・・蝶は何匹も訪れ、夕方になりました。
元の姿に戻った彼女は、何もなかった様に西の宿舎に帰りました。
宿舎に帰る道の西の森林には、伐採されお風呂の薪となる木々の切り株と
無造作に狩り取られ、枯れかけのコスモスがありました。
色も褪せかけたその花々には、無数のアゲハ蝶が群がっておりました。
※ワンパターンですが・・・^^;
次のお題は:「変身」「三分」「すぐおいしい」でお願いします。
601 :
変身・三分・すぐおいしい:01/10/09 07:19
どれくらい経ったんだろうか。
窓から差し込んでくる茜色の夕陽が僕の体に染みこんできた。
腕時計は6時を3分ほどまわっていた。其の日は風邪のせいで学校も休んだ。
ずいぶん寝たけれど、まだ、気だるさはぬけず僕はベッドを抜けることができなかった。
21年生きてきてはじめて味わうような感覚。
「得別な病気なんじゃないか」そういぶかしんだ。一人暮しのせいで少々弱気になっていた。
「けんちゃんいる?」
不意に、ドアが開き、年の割には幼い声が部屋の中にこだました。
「ゆう君からけんちゃんがやすんだって聞いて・・・」
「なんでもないよ」僕はぶっきらぼうに答えた。本当はとても嬉しかったのに…。
「とにかくすぐおいしいものつくるから」
彼女の声はとてもやさしく、そして、とても温かい。そう思った。
しばらくして彼女はお粥を持ってきた。上には梅干がちょこんと置いてある。
「はーい、あーんして」
僕は照れながら口を無理やり開け、一口食べた。
うん?なんだこの味は。今までになく美味い。いつもの白米、いつもの梅干なのに…。
いつもの米と梅干は彼女の手で調理され、僕の体を快復させる秘薬に変身した。
「おいしい・・・」
と、ぼそっと呟いた僕は其の時確信した。
僕は彼女を愛しているんだ。
うーん、小学生の作文になってしまった。
次は「カプチーノ」「陽炎」「広東省」
602 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/09 11:33
けだるい平日の午後のカフェ。いつものようにカプチーノを頼んだ。
ぐるぐるぐるぐる、シナモンスティックでかき回す。ああ、まったくつまらない毎日。
ふと目を上げると革ジャンの中年男が立ちはだかり、私の目をまっすぐに見据えていた。そして尋ねた。
「やりますか、やりませんか?」
ひょっとして、あの企画?やりますと答えると、素早く目隠しと大音量の演歌が流れるヘッドフォンを着けられ、バンに押し込まれた。
この後は飛行機だろうか。どうやって出入国するのだろうか。行き先は?手を引いていた人に質問した。答えは側頭部への一撃だった。
気が付くと、暗く蒸し暑いところにいた。たくさんの人間が押し込まれた小部屋だとわかる。
時折部屋が大きく揺れ、思わず悲鳴をあげると、隣にいた人が「ここは海の上だ。おれたちはコンテナに積まれたんだよ」といった。
これはあの企画でしょう?私たちがどこで何をするのか知っているひとはいないの?手当りしだいに質問した。
広東省で幻の中華材料探しだという呑気な者もいたし、ロシアの油田開発だという者もいた。何も答えない者も。
それにしても暑い。苦しい。なんだろう、この企画。同行ディレクターはどこなんだろう。意志確認はいつだろう。
毎週日曜夜、大平洋にぽつんと浮かんだこの船がテレビに映し出されているのかな。
赤道直下の太陽に炙られたコンテナが陽炎に包まれて、けっこういい絵なのかもしれない。
次は「湿疹」「古雑誌」「証拠」でお願いします。
603 :
湿疹・古雑誌・証拠:01/10/09 12:04
いやー、本当に困っているんですよ。今は出てないんですけどね。
なんか、ふとした瞬間に出てくるんですよ。
湿疹が。あ、先生、今笑ったでしょう。
ふざけないで下さい。僕は真剣なんですよ。こうね体中にばー、と湿疹が出てね…。
もうこの体質で本当に苦労してるんですよ。恋人にもこのせいで振られるし。
この前なんて、押入れの中の古雑誌を整理してたらいきなり出てきてね。いきなりですよ。
参っちゃいますよ。いろんな先生に見てもらってもトンと原因がわからないって云うんです。
病院に来ると不思議に出てこないから、失神が出る証拠を出せなんて云われてどやされた事もありますよ。
先生はそんなこと仰らないですよね。ちゃんと僕を診察してくれますよね。
先生!
「また、あの患者さん来ましたね」
「うーん、幻覚が見えるのかな…。精神科の今野先生に連絡してみるよ」
次は「映画のチケット」「日向ぼっこ」「電話帳」いってみよう!
幽霊の死人部屋、良かったよ、おもしろくて、(苦笑)
606 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/10 05:23
「映画のチケット」「日向ぼっこ」「電話帳」
また、雨が降っている。家の屋根にぶつかって、ばたばたと音を立てている。
これでもうまる三日、降り続いている。雨というのは、嫌なものだ。
それまでは、太陽の光が降ってきていたのだ。ときにはあたたかく、和やかで、ときにはまぶしく強烈な、一日として同じ光はなかった。
優しい光のときには、日向ぼっこをした。厳しい光のときには、水不足になることもあった。
私たちは毎日、空を見上げていたものだ。誰もが幸せそうに生きていた。
数年前から雨は降り始めた。正確にいつだったか、というと、よく思い出せない。
気がついたら降っていた。ただ、いつのまにか降るようになったのだ。
雨はいろいろなものを降らせた。
なぜ降るようになったのか、それは今でもわからない。
多くの科学者が解明に挑んだが、成功したものはひとりとしていない。
ただ仮説や推測が飛び交い、不安を蓄積しただけだった。
最初に降ってきたのは、映画のチケットだった。
そのころ流行した映画や、幼いころに見た映画、どこの国のものかわからない映画……。
誰が想像しただろう。空から映画のチケットが降ってくるなんて。
それから、いろいろなものが降るようになった。
雨は次々に降った。
空き缶、電話帳、ティッシュの箱、カメラ、本、ストッキング、魚やトカゲが降ることもあった。
いろいろなものが降ってきた。そして今も降っている。
空から人間が降ってくる。カーテンを開けると、彼らの表情が見える。
みんな笑っている。幸せそうに笑っている。笑いながら降ってくる。
人間の雨がやむのは、いつになるのだろう。
雨というのは、嫌なものだ。
次は「戦場」「虫」「リクエスト」。
607 :
戦場・虫・リクエスト:01/10/10 16:51
男は田んぼの畦道に佇んでいる。ここは信州の山間の村。
一人息子と夏休みを利用して里帰りをした。しかし、息子はこの暑さで倒れてしまった。
布団の中から息子は「とうちゃん、イナゴが見たい」と、男に懇願した。
都会暮らしの息子にとって、イナゴは図鑑でしか見たことがない架空の生き物なのだ。
其のために男はここにいる。
南中からの太陽の光は、男の内臓を炙ってるかのごとく容赦なく照りつづけている。
其の日の気温は40度にせまる真夏日だった。男は顔をしかめて天を仰ぐ。
だが、別に酷暑がつらいのではない。
虫が嫌いなのだ。
蟻・蜻蛉・バッタ・カブトムシなどの昆虫は勿論、蜘蛛・百足・団子虫なども駄目だ。
とにかく一般に云われるありとあらゆる「虫」は、見るだけで気持ちが悪くなる。
大学進学にあたり東京に逃げ出したのも虫の多い田舎暮らしからの逃避だった。
男にとって其処にいることは戦場の最前線にいるのと等しい状況である。
逃げ出したい。けれど、息子のリクエストの「イナゴ」を獲るまでは帰宅できず、死に物狂いで探した。
やっとの事で小さなイナゴを一匹捕まえた男は、虫からの開放感から踊りながらその場を後にした。
玄関を力いっぱい開け、できるかぎり急いで息子のところに向かう。
「おい、イナゴを獲ってきたぞ」男は其の虫を息子に差し出した。
「とうちゃん、これバッタじゃねえか」
次は「ごみ箱」「お袋」「メソポタミア文明」
深夜三時。突然の腹痛に目を覚ました。
それに対する妥当な処置といえば、厠に直行、素早く用をたし、完全に目が覚める
前に再び眠りに着く。この流れだろう。
しかし、我が家は、家というよりも野であって、つまり、雑誌、服、ペットボトル、
サボテン、灰、スナック菓子の袋とその中身、日焼けオイル、などが障害となり、
まづは、闇に目を慣らした上で、それらを避けて厠まで移動するという難儀をやって
のけなければならぬ。
しかし、腹が痛い。超絶に痛い。目慣れるのを待っていればこの歳で粗相をしてしまう
恐れがあった。37歳、腹痛無職。
すわ、と、立ち上がり、なんとか障害をどけて中継地点、である、台所までたどり着いた。
足の裏にへばりついたカレーパンの袋をはがし、ゴミ箱へ投げつける。しかし、
無力にも空気に力をそがれ、ひらひら落ちてゆく様を見守ったのち、再び移動。
ゴールである厠まであと少し、という所で我が家の難関、通称「本山」に行く手を
阻まれた。「おいしいワイン3000」「海とアガリクス茸」「必読!暗記法の全て」
「改訂版メソポタミア文明の会」「雪の曼荼羅」などの難解きわまる本の山は、
あたかも先日テロされたアメリカの高層ビルのように今にも崩れそうだ。
しかし、ここを通り抜けなければ全てが終わる。残された五分のプライドさえ、
うしなってしまう。いざ、行かんと、足を一歩踏み出したところ、何てことでしょう。
神よ、汝を呪う。踏み出した先にはかの、カレーパンの袋が。
一体どういう経緯をもってカレーパンの袋はここまで到達したのか、つるりと滑った
私の足は本山の中核を直撃、雪崩を引き起こし、そのまま壁と本のに挟まれてしまった。
丁度そのころ、我が肛門の番人は、敵の攻撃にあえなく敗北。
私の瑣末なプライドさえも押し流す勢いで敵はパンツを重たくした。
目の前には、一冊の本が開かれていた。題は「お袋さんよ」
私は、「出産とは、言い換えればこう謂う過程に似ているかもしれん。」
と、つぶやいた。
我がお袋の口癖の、「整理整頓は能率向上のもと」をおもいだしながら。
お次は、「野生」 「コンビニ」 「終着駅」
で、おねがいです。
610 :
映画「エボリューション(...)」展開予想:01/10/10 23:46
「野生」「コンビニ」「終着駅」
宇宙の野生種ともいうべき、新しい生命体が地球にやってきた。
「奴等は30日で40億年の進化を遂げる」
ついに30日目の朝、博士の家にやってきた奴等は、今や完全に人間
であったのだったのだった。
「まず、朝飯を食べてから・・・」と、コンビニで買ってきたカップラーメン
にお湯を注ぐ博士。
そしてラーメンが出来た時、奴等は既に絶滅していた。
カップラーメンができる半分くらいの時間で、奴等は10万年分進化して
生命の終着駅に達してしまった。
まさに、問題は「朝飯前に」解決したのである。
※ホントにこんな映画だったら、やだ(^^;L
次のお題は:「裏」「宇宙」「布団」でお願いします。
611 :
「裏」「宇宙」「布団」:01/10/11 01:38
いよいよか・・・。
私は期待に胸を躍らせていた。
一体どれくらいの時間がかかったのだろう。
人類が宇宙に飛び出してから大分経つが、
未だに航行距離を縮める事はなかなか難しく、私の乗った
船はようやく月の裏側に差し掛かった。
ここから水星より先へ行く大型の船へ乗り換える。
しかし、それにはまだ地球の時間の感覚で最低三日は必要だ。
数々のインジケーターは順調にパラメーターを表示している。。
これなら遅れはしないだろう。
「ふむ。では明日のスケジュールは任せるよ」
傍らの電子秘書にそう伝え、私は眠りに就くため、
布団にもぐり込んだ。
そう、このぬくもり・・・。これだけは地球から取り寄せた。
次回、「健康保険証」 「戦艦」 「派出所」
612 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/11 19:46
戦艦は巨大である。
それは海に浮かぶ一つの共同体であり
一つの町である。
ここにないものはほとんどない。
映画館もあれば、コンビニもある。
花壇もあれば、派出所もある。
陸上の生活とほとんど変らない毎日だ。
「えー、すいません。敵の爆弾が炸裂して、火傷で友達が死にそうなんですが」
「あ、患者さんね? 健康保険証はもってる?」
「身に付けていたはずですが、なにせこの火傷ですから・・・」
「そう、後でもってきてね。保険きかないと大変な金額になるわ」
613 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/11 19:48
お題
「心得る」「推理」「音程」
で。
614 :
心得る・推理・音程:01/10/11 21:52
私の母親が殺されました。
母子家庭で育った私のたった一人の身内。
犯人は隣家に住む男子学生なのだそうです。
眉目秀麗でとても好感が持てる方なのにどうしてと、近所から聞こえてきそうです。
実は、ひそかに其の方の事を好いておりました。
ですからとてもショックでいたたまれません。
今朝方、刑事さんが来られて事の成り行きを説明してくれました。
推理小説に出てくるような若くはつらつとした刑事さんでした。
「戸締りはしっかりと心得るようにお願いします」そう最後に言い残していかれました。
しかし、あの学生さんが殺人を犯すなんてとても考えられません。
私の思考は混乱しております。頭の中で混沌と渦を巻いています。
苦しいのです。
狂った音程が響いているようで、どうにも苦しいのです。
あの若者が犯人のわけは…。そんなはずはない…。
そんなはずは・・・。
だって、私が母を殺したのだから…。
615 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/11 21:54
次は「たばこ」「ランドセル」「郷愁」でお願いしやす。
以前、息子が使っていたランドセルから煙草が一本出てきた。倉庫を整理している
最中だった。
今現在、息子は高校生で、進学校へ通っている。煙草なんか吸っている
姿をみたことがないし、匂いもしない。
俺自身も吸わないし、妻だってすわない。
しかし俺は、その煙草の銘柄がすぐにわかった。「若葉」。郷愁に駆られた。
「若葉」は、生前の父が良くすっていた煙草だ。父の、におい。
俺がまだ中学生で、まだこんな都会に引っ越す前。四国にいたころだ。
その頃、一度、父の若葉を隠れて吸ったことがあった。良い木で作られた
灰皿と、煙草入れがセットになった入れ物から、こっそり抜き取ったのだ。
きっと匂いがしたんだろう。それはすぐに父にばれてしまった。
しかし、父は怒らなかった。「どうだ?きついだろう」と、一言。
居間のテレビに向かいながら、俺に言った。目をあわさずに。
「若葉」は、父のにおい。威厳のにおい。優しいにおい。
それが何故、息子のランドセルから出てきたのかは、解らない。
なにせ5年間、倉庫にしまってあったのだから。
たとえ、それが息子のもので、かくれて煙草をすっていたとしても、
俺は、あの日の父のように「どうだ?きついだろう」と、謂ってやろうと思った。
次、
「ボート」 「夕闇」 「しぶき」
「ボート」 「夕闇」 「しぶき」
さぁ!ついに敵の基地の位置を突き止めた
オリウスの一行は、夕闇せまるガロン海から潜入をはかる!
波のしぶきを受け、一行を乗せたボートは
たくみに敵の基地へと近づいて行った!!
次回、「長電話」「とがった物体」「10年前のスクーター」
に、ご期待ください!
やぁぁってやるぜぇぇぇっっ!!
ベタですまそ・・・。
619 :
「長電話」「とがった物体」「10年前のスクーター」:01/10/14 07:56
原宿遊び人の娘から親へ長電話がきた。 今度遊びにくるという。
「あられもない格好で原宿で踊ってた、あの短パン娘が」
悪口ばかり口から出ても、やはりどこか楽しそう。
そして人知れず電話を傍受し、悪の組織を壊滅せんとする某正義の組織。
諜報員は「ん!?」と唸りこう書いた。「疑惑情報あり:タンバン娘を発見」
外国人の上官、これを見てびっくる仰天、大急ぎで本部に報告した。
「タリバン娘、日本に潜入。指示を請う」
そして次の日、10年前のスクーター「SKY」で実家まで行こうと
していた娘は、なぜか家に着かなかった。
「また約束すっぽかしおった、あいつは」と、ぼやく両親。
そして、その時、イケイケなタンパン娘は・・・
考えた事もない様な奇妙な部屋で、聞いた事もない自白剤を
見た事もないとがった物体で注射されようとしていた。
「教訓:服装にも気をつけやう」
※これって・・・やっぱし時事ネタ?
次のお題は:「落石注意」「落花狼藉」「落成記念」
620 :
落石注意・落花狼藉・落成記念:01/10/14 08:47
其の日はある成金の新居の落成式の当日だった。
しかし、住居の周りには落花狼藉に大工道具・建築資材が散らばっている。
住居はまだ、出来上がってない。
広大な敷地には日本庭園らしき物が作られているようだが、これも途中で投げ出されている。
庭の中央部には、著名な芸術家のモニュメントが製作途中でぽつねんと置き去りにされ佇む。
10Mを越す巨大な物体で、石を使った前衛作品だろう。正直、素人にはなんとも言いがたい。
「落石注意」の立て札もちょこんとおいてある。
落成記念の記念品を配達に来た若者はこの散々たる状況を見て狼狽していた。
仕方が無く、散歩中の中年女性に事の顛末を伺った。
「此れはいったいどういう事なんですか?」
「ここの旦那さんが夜逃げしちゃってね。だからお金が払えなくて工事がストップしちゃったんだよ」
「でもこんな豪邸を建てられるような方だったらそんな事態にはならないんじゃないんでしょうか」
「うーん、それがねー、事が事だからね−」
「と、云いますと?」
「旦那さん牛肉加工業者の社長さんだったのよ」
621 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 08:51
やりにくい御題だった…。
次は「卓球」「滝」「電気」で頑張ろう!
622 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 09:32
電気?卓球?滝?
電気で「たき」なら「瀧」だろ!
活動休止は残念なニュースだね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「脳死」「電卓」「物干し竿」
623 :
脳死・電卓・物干し竿:01/10/14 09:46
脳死判定を電卓で計算するように短絡的にやったら
おっちゃん物干し竿でひっぱたきに行くぞ!
次は「餓死」「洗濯」「二刀流」でよろしゅう。
624 :
「餓死」「洗濯」「二刀流」:01/10/14 16:37
船場の旦那様に捨てられた洗濯女は、餓死寸前。
「ああ、もう死ぬしかないのだわ(涙)」
と、東尋坊の崖に立つと、一つの看板が目についた。
看板に曰く「しばし待て、考えなされい、今一度」
「そうだわ、わざわざ自殺しなくたって、自動的に餓死するし・・・」
そこに立ち寄った二刀流の武蔵。
「おぬし、一見ただの小娘ながら、死間に臨んでの二刀流。
まさに見事、いざ勝負。もはや小娘とは思わぬ故うんぬんかんぬん」
選択肢がまた増えた。リッチな気分の洗濯女。
なのに、あんまり嬉しくないのは、なぜ?
「さあ、選べ!」
「・・・・・」
※川崎のぼるの漫画でしか知らない武蔵・・・(コジローの方が目立ってた)
次のお題は:「洗脳」「すすぎ」「乾燥」でお願いします。
625 :
おはつです、ロリポップです:01/10/14 17:42
今日は11月にしては特別寒く、だからなのか夕焼けがやけに美しい。
久々の休みで、一日ゆっくりすることが出来た。
しかし家の中は険悪な空気が漂ったままだ。
洗濯機の回る騒々しい音が聞こえてくる。
朋絵がたまった洗濯物を一気に片付けているようだ。
一昨日から僕達はちょっとしたことで口論になってしまい、朋絵は怒って家事をやらなくなってしまったのだ。
けれどついに折れたのか、朋絵はついさっきから皿洗いや掃除を始めていた。
・・・食器洗い機か。買ってやりたいけど、今は余裕ないんだよなあ。
「ちょっと散歩しようか」ちょっとした思い付きで、ふと言ってみた。
洗面所から、相変わらずむすっとした声がする。
「待って、もう少しですすぎ終わるから」でも行く気はあるみたいだ。「分かった」
しばらく僕達は、何も話さず住宅街を歩いていた。
こんな風に二人で並んで歩くなんて、何時から忘れていただろう。
僕は、必死になって仕事をしている間に彼女のことを気遣うのをすっかり怠っていた。
普段は控えめな朋絵も、きっと不満が募っていたに違いない。
僕はふと、朋絵の乾燥した手を見つめた。
普段朋絵の手など気にしたことは無いのだが、その手指はあかぎれがいくつか出来ている。
その手で毎日家事をしているわけだ。
彼女は僕の心が読めるんだろうか。
「ねえ、食器洗い機買ってくれる?」
朋絵は言った。「いいよ」
結局僕の負け。
不思議だ。何でいきなり朋絵を気遣うことが出来たんだろう。
彼女のその手に洗脳されたのか。
空に広がった夕焼けがあまりにも綺麗で、それに洗脳されてしまったのか。
何かありがちな感じでスマソ。
次は「街灯」「肉まん」「河川敷」で。
626 :
ロリポップ:01/10/14 17:43
あ、省略されてます。長くなってごめんなさい。
次は「街灯」「肉まん」「河川敷」で。
627 :
「街灯」「肉まん」「河川敷」:01/10/14 19:29
土曜日にかりだされた会社帰り。
同僚が、ふと足をとめて「あ、筋肉マンのキーホルダーだ。」と
河川敷のフリーマーケットの屋台を見る。
自分は筋肉マンが余り好きではなかったので、見てるだけ。
「あ、ロビンマスクも、ウォーズマンもあるぞー」
同僚の歓喜はいやがおうにも高まる。
側ではなんと、自家製の「筋肉マンショー」までやっていた。
5歳児までが「筋肉まんだー(^^)」と応援している。
連載時には、受精卵にすらなってなかったはずなのに。
「親が教えるんですよね」と、同僚。しかし筋肉マンとは!
嘆く自分に、ふと目にとまるものがあった。
「仮面の忍者赤影・ソノシート10枚組 300円」・・・さあ、どうする?
街灯に照らされた「マリアの鐘」の写真までが妙に美しい。
同僚がニヤニヤ見ている。さあどうする。自分には子供もいないのに(汗)
※「筋肉マン二世」も相変わらずですね(^^)
次のお題は:「宇宙飛行士」「壷」「魔女」
628 :
ロリポップの値打ち:01/10/14 19:52
?辯辯辯辯辯轣@
├о─о──?h ┌──────────
( ⌒ イ < アイデアは悪くない。しかし散漫とした
ー │ 印象が強い。朋絵のいじらしさを
/ 46点 \ │ もう少し丁寧に書くべき。そうすれば
│ 「僕」の心の変化に読者はアイデンテファイし、
│ 袖を濡らすであろう。
└───────────────────
629 :
宇宙飛行士・壷・魔女:01/10/14 19:57
彼氏「僕はねえ、子供の頃に宇宙飛行士になりたかったんだ」
彼女「ふーん、かっこいいもんね。でも、現実的で私はいや。
もっとロマンッチクな夢の人のほうがいいな」
彼氏「そう云う君はどんな夢だったの?」
彼女「私は魔女になりたかったの」
彼氏「魔女?壷の中で魔法の薬を作っているような魔女かい?」
彼女「ええそうよ」
彼氏「其れはかなり空想的だね・・・」
彼女「空想なんかじゃないわ。二年前にひとつ魔法が使えるようになったもの」
彼氏「えっ!そ、其れはどんな魔法?」
彼女「好きな男の子が私のことを本気で愛してくれるようになる魔法」
彼氏「あー、そうか。ということは僕は其の魔法にかかっちゃったんだね」
彼女「いいえ、あなたにはかけてないわ」
次は「武道」「葡萄」「不当」でがんばって。
630 :
627の値打ち:01/10/14 20:04
?辯辯辯辯辯轣@
├о─о──?h ┌──────────
( ⌒ イ < 葛藤は結構だが……。さあどうする、
ー │ と言われても、どうでもいい、としか
/ 19点 \ │ 言いようがあるまい。
└──────────────
>629
それ、どういうオチだ?
632 :
629の値打ち:01/10/14 20:10
?辯辯辯辯辯轣@
├о─о──?h ┌──────────
( ⌒ イ < そこまでひねくれることはあるまい。
ー │ 彼氏に魔法がかかってもよいではないか。
/ 81点 \ └───────────────────
633 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 20:12
>>631 彼女は彼氏を好きじゃなかったという・・・オチです。
すいません。もっと精進致します。分かりにくくてごめんなさい。
634 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 20:15
>>632 評価してもらい幸いです。
これからも宜しく御願でいたら嬉しいです。
635 :
「武道」「葡萄」「不当」:01/10/14 20:52
武道の極を求め、滝に打たれる修行者の前に、魔王が現れた。
「いきなりだが、お前の望みを叶えてやろう」
「え!? なら武道なんていいや、手段だし。えとえと、金かな、女かな、名声も・・・」
ルンルンの修行者を魔王は笑った。
「お前の潜在意識から、直接欲しいものを出す。そりゃあ!」
煙の中から出てきたものは、「三ツ矢サイダー・葡萄味」であった。
「なんだこれはー!」「スマソ、急だったもので」
もう一回、そりゃぁ!・・・金属の筒らしきものがでてきた。
「これは!」「あ、これは「怪奇大作戦」でSRIが使ってた「強化服」です」
「・・・・・・欲しいのか」
魔王までがあきれてる。
「まさか、大金とか美娘とかノーベル賞の方がいいに決まってます。」
「ならもっと、欲望ギンギンのものを考えろ! がんばれ。」
FM−80B、死んだ愛犬、何度目かになって、やっと「魔法のバトン」がでてきた。
「昔、テレビでやってた、あるお手伝いさんが魔法を使うバトンですね」
「ほう、ならそれで、自分の欲しいものを出してみろ。セルフサービスだ」
ちょっと赤面しながらバトンを振る。ちょっと恥かしいけど。
本来、自分がほしかったものって何だろう。・・・思えば久しく考えてない事だ。
長い修行は、そんな大事な事すら忘れさせてしまったのか? なんだか不当だ。
そしてやっと願いは叶えられた。魔法で望みが叶う生活。彼は魔王になったのだ。
※ちょっと行数オーバーごめんなさい;
次のお題は:「風」「雲」「虹」でお願いします。
・かな
636 :
自分で評価(笑):01/10/14 21:05
最大の欠点は、書いた者の年がバレてしまうという事だ。
匿名性を旨とする2chにおいて、これは致命的だ。
せめて、ガッチャマンあたりにしておけば・・・
覆水盆に帰らず。
637 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 21:07
道場の扉を開く音が聞こえて、振り返ったら、葡萄が立っていた。
動物や植物が、まるで人間のように自分の意志を持って自由に動
き、人間との意志疎通を行えるようになった、というニュースを聞
いたのは、確か昨日の朝のことだ。まさかそいつが自分の目の前に
現れるなんて、夢にも思わない。
「空手を、習いたいのですが」
葡萄が空手を習うなんて、と不当な評価を受けてこんなにも寂れ
た小さな道場まで来たのだろう。葡萄の粒は少々水分を失っている。
葡萄に空手を教えるのは、きっといろいろ大変だろう、とふと思
い、わたしは返事に困ったまま、葡萄を見つめていた。一方、葡萄
はじっとわたしの前に立ったまま、動こうとはしない。さぁ、早く
空手を教えてくれと言わんばかりに、葡萄は胸を張って、私の前に
立っている。
とても不思議ではあるが、嫌な感じはしない。私はゆっくりと、
葡萄に近づいた。
「道着を着たことはないんだろう? さぁ、こっちへ来なさい。
帯の結び方を教えてあげよう」
目も口も鼻も耳もない葡萄が、子供のように無邪気な笑みを浮か
べているのが、わかった。
かぶった上に大幅文字数オーバーで申し訳ありません。
初めてですが、よろしくお願いします。
お題は635さんのもので継続お願い致します。
639 :
637をよんで:01/10/14 21:20
・・・・・・
├о─о──・ ┌──────────
( ⌒ イ < 評価なんておこがましい事とてもできない自分ですが(汗)
ー │ 単に個人的に、このムリヤリ感とシュール感が好きで
/ こんなの好き点 \ │ ・・・失礼しました^^;
└──────────────
640 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 22:06
僕はよく幼い頃に父にこう訊ねたものだ。「父さん、虹は風でどこかへ
飛ばされたりしない?」同じ質問に対していつも同じ答えが返ってきた。
「七色の虹といって七人の力で支えあってるから流れていったりしない
んだよ。」社会人になった今でもその言葉の意味を考えることが多かった。
しかし、虹はいつだって七色というわけでもなく、三色だって風1つで
場所を移動するわけでもない。「生きていくには協力が必要だよ。」
つまり父はそう伝えたかったのかと思う。
今新規のプロジェクトについて頬杖つきながら考え込んでいる。4人で
組むこの新しい原案を、いかに実現させるか。今回の顧客はあの大手の
ところだ。斬新かつポップな線を狙っていけばいいということはわかって
いる。それプラス何度も話し合い、議論の繰り返しも必要になるのだろうな。
はっきり言って、今回のメンバーは苦手なやつらばかりなのだが、今更
父親の言葉を思い出す。虹かあ。そういや最近虹なんてそうそう見れない
よなあ。雨があがった後はなんだか寂しい灰色の景色ばかり。このプロジェクトが
成功して虹が見れたらどんなにいいだろう。雲さえかすむようなアーチの形した虹。
641 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 22:08
お題忘れた。「アメジスト」「浴衣」「掃除機」
642 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/14 22:08
>>637って、好みとしてはすごく好きなんだけど、
何度見かえしても「武道」が見当たらないような...
643 :
ロリポップ:01/10/14 22:09
>>639 感想までいただいて、ありがとうございます。
かなりこじつけでムリヤリだなぁと、今自分で思いました。
でも好きだと言ってもらえるととても嬉しいです。
精進しますので、これからもよろしくお願いします。
>>642 ……。
「武道」、入れた箇所を削ってしまっていました。
失格ですね、申し訳ありません。
ご指摘、ありがとうございました。
次からは気をつけますので、これからもよろしくお願いします。
645 :
635の値打ち:01/10/14 22:34
?辯辯辯辯辯轣@
├о─о──?h ┌──────────
( ⌒ イ < もったいない。
ー │
/ 50点 \ │潜在意識から欲しいモノを出す、という
│ 面白いアイディアが活きてない。
└────────────────────
AAずれて見えるのは俺だけ?
647 :
「アメジスト」「浴衣」「掃除機」:01/10/15 00:40
結い上げた髪と、紺色の浴衣の間から見える姉さんのうなじの白
さが眩しくて、僕は目をそらしてしまう。
「…遊びに行くなら、自分が当番じゃないときに行けよな」
当番がいない日の掃除は、必ず僕に回ってくる。それほどしっか
り掃除をする訳ではないけれど、掃除機をかけるのって、意外と面
倒だったりする。当番でない日なら、なおさら。
姉さんは、鏡台の前で満足気に自分の姿を眺めた後、薄紫の小さ
な石っころがついたネックレス(アメジスト、という石だそうだ)
を大事そうに箱から取り出し、鏡台の上に置いた。
恋人から、もらったものだろうか。
「姉さん、着替えが済んだなら、ここ、掃除してもいいかな?」
いいわよ、と鏡越しに言い残して、姉さんがどこかへ行ってしまっ
たのを確認してから、僕は鏡台の上に置かれたままのネックレスに
掃除機を近づける。小さな石は、耳障りな音をたててホースの中へ
と吸い込まれていった。
きっと姉さんは、浴衣には到底似合いそうもない金切り声で叫び
ながら、必死にネックレスを探すのだろう。そんな姉さんを、恋人
は知っているのだろうか。
石っころは、掃除機の腹の中だ。
#次のお題は、「虎」「輪」「古傷」でお願いします。
648 :
アメジスト・浴衣・掃除機:01/10/15 00:56
パパがとおい国に行ってしまったそうです。ママが言っていました。
ゆりが「なんていう国に行ったの?」てきいたら
「ゆりはしらない国だよ」って言っていました。
ママはこのごろげんきがありません。
そうじきをかけながらないているときもありました。
ゆりはパパがとおい国に行ってしまったからママがないてるんだとおもったので、
「だいじょうぶだよ。パパはすぐかえってくるよ。ゆりわかるもん」て言いました。
そうしたらママは「うん」てわらいながらなみだをながしていました。
うれしいのかかなしいのかはっきりしてほしいです。
きのう、ママといっしょにおまつりに行きました。
ママとゆりはおそろいの白いゆかたをきて行きました。
でも、ママの首にはアメジストっていうむらさきいろのネックレスがあってうらやましかったです。
パパに買ってもらったそうです。ゆりは買ってもらえなかったのでうらやましかったです。
おまつりではたこやきを買ったりきんぎょをすくったりしました。
一ばんやったことはおみこしをずっと見ていたことです。
そういえばパパもおみこしをかついでいました。
ママはずっとおみこしを見ていました。ゆりも見ていました。
ずっと、ずっと見ていました。
でも、ぜんぜんあきなかったです。
今日のママはうれしそうです。ゆりもなんかうれしいです。おしまい。
お題をひらがなで書かせてもらいました。
次は「小学生」「憐憫」「犬」でよろしく。
649 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/15 00:58
アメジストが紫色だって?
確証があってのもの言いか?
鬼怒川沿いの旅館の大浴場で男が二人湯につかっている。
一人は痩身で、辛い人生をなんとか乗り越える器量をもっているように思える。
もう一方の肥満体は、湯から上がった後に身に着ける浴衣のサイズについて心配している。
宴席での司会を彼は務めることになっているが、浴衣は小さく帯も短い。
いや、憶えていないけれど、紫水晶がアメジストだったと思うんだよ。
憶えていないくせに紫色と主張するのか?
貴様、ロジックのない戯言は止めた方がいいぜ!!
痩身の言う事は概ね正しいが、あるべき態度を超えてデブを貶めている。
肥満体は、そんなことは百も承知している。
コイツに限らず痩身の言うことは概ねこんなものさ。
そんなことより、新弟子用の浴衣さ。
あれがないと、間が抜ける。
オチおちなんて無いさ。
デブは心配事が多い、という寓話さ。
次会お題
「発泡酒」「流行っているオリーブ色」「朝礼でのスピーチ」
651 :
虎・輪・古傷:01/10/15 02:22
「其処のお嬢ちゃんちょっとこっちにおいで」
的屋の若者が気持ち悪いほどやさしげな声で客引きをしている。
其の声とは裏腹におどろおどろしい古傷が若者の頬には存在していた。
「お嬢ちゃん、この輪っかが5本中一本でも入ったら虎を見せてあげるよ」
「えー、本当!」少女は純粋な声を響かせた。
「そんなことあるわけないじゃない。お人形よ。お人形」
母親は当たり前のように少女に現実を云う。
この母親は決して夢見るような事は云わないんだろうな、と男は心の中で嘆いた。
「お人形でもいい。あたしやる」
そう言い終わるが早いか、少女は既に輪投げの輪を手に持っていた。
「えい!」少女は考えもなしに力いっぱい輪を放った。
輪はあらぬ方向に飛んでいくが、お構いなしに少女は動作を続ける。
少女の手に持つ輪は残すところひとつになった。少女の瞳が潤んでくる。
「しょうがないな」と若者は呟き、輪投げの標的をずらし、
少女が手を伸ばせば届きそうな位置に据えた。
喜んだ少女が最後のひとつを放つと輪は収まり良く木製の棒にかかった。
「やったー。虎さん、虎さん」少女は人形を手にした喜びでステップを踏んでいる。
「少女は若者の方を仰ぎ見て、「お人形頂戴」とうれしそうにしゃべった。
しかし、若者はもう其処にはいず、
代わりに獰猛な虎が一匹、牙を剥いてこちらを威嚇していた。
次は「かえる」「携帯電話」「杞憂」でいきましょう。
652 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/15 10:42
「おう、そこの貼紙が見えねえのか。携帯電話は御遠慮くださいってのが」
ドスのきいた声で我に返る。しまった、またメールに没頭してしまっていた。
「ごめんよウメさん。これなしじゃいられなくて」
「情けないねえ。でも寿司屋のカウンターではやめてくれよな、はい中トロ」
程よくサシが入った中トロを口に放り込む。じわりとひろがる脂の甘味、シャリの酸味。ああこれだ。
「ところでヒロシ、かえるはどうした」
「今朝から見つからないんだ。チクショー、ひょっとしてもう二度とあいつに会えないのかも」
「そうクヨクヨしなさんな。そういうのを杞憂ってんだ。ひょっこり出てくるさ」
「難しい言葉をよく知ってるね、ほんとにウメさんか」
「ヨシコ先生に教わったのよ。さあ、今日は奢りだ」
ウメさんはアナゴを焙り、とろりとした煮詰を刷毛で塗り付ける。香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
ぴょんきち、わりいな。今日はひとりで全部食うぜ。
次は「二代目」「人工芝」「左利き」でお願いします。
653 :
二代目・人工芝・左利き:01/10/15 14:58
男は左利きとして育てられた。
「ピッチャーは左のほうが有利だから」という単純な理由で、
今は亡き男の父親にそう強制された。
遺伝的には右利きなので無理が生じるかもと両親は危惧したが、
生まれたときから左手だけを使うようにしていたので其れは自然のものとなっていく。
社会の構造は暗黙の元、右利き用に仕組まれているので多少不便な事はある。
駅の自動改札にしろ、ドアや窓にしろサウスポーにとっては使い勝手は悪い。
しかし、男は決して右利きには成らなかった。
父親の夢を託されていたから。
「俺と同じ道を歩んで欲しい」其れは父親の真摯なる願いだった。
そして、今、男は人工芝の敷かれたドーム型の球場にいる。
やっとここまで来たんだ。親父の願いが、僕の夢がかなったんだ。
男は高揚する気持ちをおさえるのに必死だった。
一歩一歩着実に踏みしめて男はマウンドに上った。
「僕はニ代目としてしっかりこの仕事を全うします」
自分の胸に強く刻み込むように父親に誓った。
男は左手に白球を握り締める。
ここからバッティングピッチャーとしてのスタートだ。
男はそう呟くと勢い良く脚を振り上げ、ストレートを投げ込んだ。
背中には父親と同じ「128」の背番号が飾られていた。
次は「ジャズ」「寓話」「不登校」
654 :
「ジャズ」「寓話」「不登校」:01/10/15 23:58
コンピュータにも寓話はある。
言葉を憶えたばかりの赤子が、最初に聞かされる物語に相当するもの。
それは「1×1=1 1×2=2 1×3=3 1×4=4 1×5=5・・・」
という掛け算や足し算ではないだろうか?
ある日、超がつくほど単調な音楽が流行った。
それは、丁度、上記の掛け算の様に、歌詞もメロディも変調もない。
ただただ、大音響のドラムとベースが規則正しく九九のリズムを続けてる。
そしてそれは、全世界で意外なほどの拡がりを見せた。
それは言葉も生活も違う人々を繋ぐ一方、違うメッセージを持っていた。
二人でも、十人でも、百万人でも、何人が数えようが同じ結果しか持たない数式。
「各人が色々考えようが、一人が考えようが同じ事。考えない方が楽ではないか」
というメッセージだ。
そんな、骨太の無気力が支配する世界に、ついに救世主がやってきた!
きたぞ、僕らの、不登校児A(エース)・・・なんて事もあり得るかもしれない。
備えあれば憂いなし。がんばれ不登校児(何を?)
※なんか疲れてます(笑)
次のお題は:「大聖堂」「トイレ」「光」でお願いします。
655 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 00:06
ジャズが抜けている…。
656 :
大聖堂 トイレ 光:01/10/16 00:23
今日も北村は、何か晩飯の足しになるものはないかファミリーレストランのゴミ箱や
コンビニエンスストアーの裏口をさまよっていた。
「たいしたもんがね―な…」
季節は冬。
ある程度のカロリーを摂取しなければ、
今日明日とも生き残れるか分からない。
北村がこんな生活を始めて五年の月日が経っていた。
こんな生活、と思いながらも自由な生活に満足していた。
♪♪〜♪〜
綺麗な音色がする。子供のころ、音楽の授業で聞いたような
懐かしい音色だ。
北村は無意識の内にその音色が聞こえてくる方へ歩いていった。
(腹減ったな)
その音が聞こえてくる方へ行くと、彼が今まで見たことのないような
大きな大聖堂が整然と存在していた。
(これは・・・)
この建物が一体何時からあるものなのか、北村には分からなかった。
この音色はオルガンの音だ。
綺麗な音だ、と思った。もっと傍に行って、この音色を聞いていたい
と北村は思った。しかし、この中に入るには、自分の体は汚れすぎている。
少し考えてから裏口に回ると、窓があった。
(ここから入れそうだ)
窓から入り込むと、そこはトイレだった。
北村は薄汚い自分にはここがこの聖堂に近づける精一杯だと思った。
トイレの中で、冬が近づいてくる光と浴びながら、
彼は丸まってオルガンの音色に耳を済ませた。
#長いっすね。初書きです。
次のお題は、電卓、味噌汁、赤いワンピース でお願いします。
657 :
「ジャズ」「寓話」「不登校」:01/10/16 00:46
>>655 しまった、すみません、どうせだから書きなおし(^^;L
ジャズの世界にも寓話がある。
ショーウィンドゥの中のトランペットを、一心に見つめる黒人の少年の寓話。
小説も、映画も、伸たまきも、西原理恵子までもがこの寓話を引用する。
彼にトランペットを与えたのは、先生だったろうか、ルイ・アームストロング
の様な突如出会った大音楽家か、それとも・・・
(1)先生に条件つきで買ってもらう。
(2)大作曲家が気前よくくれる。
(3)ショーウィンドゥを叩き割って盗んでしまう。
ある日、ある空間で、このパラレルワールドの三人が出会ったのです。
外から見れば皆同じ「元不登校児・今大音楽家」。でも仲はあんまりよくない。
「この犯罪者、俺達トリオの面汚しだー」
「お前だって、先生のお稚児さんという噂が・・・」
「よう、お師匠様の腰巾着殿」
彼等は成功者だった。
その一方、あの大分岐点で、何かを失った事も各々自覚していた。
失った可能性とは何だろう?
そう。それは、スラムで落ちこぼれた、一浮浪者としての可能性だったのです。
って・・・誰もいらないか、そんな可能性。
四人目がドブの中で泣いていた。
※やっぱし疲れてます、スマソ
次のお題は654のままでお願いいたします。
658 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 01:59
地球最後の男が、一人、味噌汁をすすっていた。
するとドアにノックの音が・・・・
「どうぞ」という答を待たず、赤いワンピースの少女が駆け寄ってきた。いいなあ。
寂しいながらも、新婚気分で朝食の二人。
すると、また、ノックの音が!
青い水着の女がやってきた。
そう。
たしかに地球最後の男ではあった。
しかし、女も地球最後だとは言ってない。
元来、生存能力については女性の方が云々
などと言う間にも、またまたノックが響き渡る。今度は5人いっしょに。
瞬く間に、何十人で一杯になる部屋。
黄色いワンピースのお茶目な女が、電卓で人員管理をやっている。
夜なんか大変なんだろうなあ・・・
これでもうらやましい!?
※今日は多くて恐縮です;;;
次のお題は:「ソロバン」「スープ」「白いワンピース」でお願いします。
659 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 03:16
初恋は、ずいぶんと昔の話だ。
私は幼いころ、東京に住んでいた。戦時中には、連日のごとく空襲が続く。
ご多分に漏れず、私は田舎に疎開することになったが、そこで私は、
生涯二度とない経験、初恋と殺人を同時に経験した。
疎開先の小母は遠縁に当たるが、もちろん肩身は狭い。早朝から夕方にかけて農作業を手伝わされ、
夜になるとソロバンを勉強した。小母によれば、ソロバンぐらい勉強しておかなきゃ将来役に立たない、
ということらしい。食事はいつも芋粥で、毎日腹を空かせていた覚えがある。
そんな生活を続けていたある日、あの人に出会った。
山の稜線に夕日が射すころ、いつものように疎開先の小母から声がかかる。
手を泥だらけにしていた私は、やっと終わったかと安堵した。その時だ。
夕日のなかに映える白い物が、あぜ道をやってきた。子供の私は目をこする。
「お仕事、大変ね」
白い物はそう言った。
いや、「もの」ではなく「者」だ。白いワンピースを着た女の子だった。
年の頃は15ほど、眩しいほど白いく、きれいなワンピースを着ていた。
子供の私は、「そんなことないよ」というニュアンスの受け答えをした記憶がある。
その日から、毎日のように彼女は来た。決まって夕方だ。
最初は戸惑ったものの、いつしか笑って話せるようになっていた。
しかし、そんなことが一ヶ月ほど続いた頃、小母が私に向かって眉根を寄せて言った。
「あの子とは付き合っちゃダメ」
どうしてかと訊くと、この小さな村では、嫌われているということだった。
理由は、亜米利加のものをよく使っているからだという。
ワンピース、キャンディー、洋靴など、村の人間は影で「非国民」と呼んでいるらしい。
子供心に、私は思った。
そんなのは関係ないじゃないか。亜米利加製のものを使っているから、何だっていうんだ。
心のなかで反発したが、口に出せては言えない。私は曖昧にうなずいただけだった。
小母は最後に念を押した。
「いい?あの子はいっつも白い服を着てる。亜米利加の艦載機に見つかったら、
真っ先に標的にされちゃう。近づいても駄目」
つづく
つづき
あくる日だった。
いつものように農作業をしていた私は、珍しく昼間に彼女を見た。
青空の下に真っ白いワンピースが鮮やかだった。
そのとき私は気がついた。音がする。低く、くぐもった音・・・
艦載機だ。
2機の艦載機が、田舎の青空を横切る。戦時中といえども、
幼かった私には、初めて目にする光景だった。
彼女も気がついたようだ。私がいる、青々とした田んぼの稲に向かってか駆けてくる。
私は周りに視線をめぐらす。
大人は誰一人としていない。私ひとりだけだった。
彼女が近づく。稲のあいだに隠れようとしているらしい。
(白い服は、亜米利加の管制機に見つかったら)
小母の言葉が脳裏をよぎった。
「こっちに来るな!」
私は叫んだ。自分でも、これほどの大声が出るとは思わなかった。
それでも彼女は駆けてくる。
私は稲のあいだから飛びだした。勢いがつく。
「あっちに行け!」
彼女に体当たりをして踵を返し、必死に稲のなかに飛び込んだ。
稲のなかから顔をあげる。彼女はあぜ道に尻餅をつき、正気を失ったように呆然としていた。
音が響く。機銃の音が。
白いワンピースが、真っ赤に染まった。
あれから何年経ったのだろう。私ももう年老いた。
あとから知ったのだが、彼女は貿易商の娘で、それで亜米利加製品に興味を持っていたそうだ。
そして、村中から忌み嫌われ、友達が欲しかったとも。
「おじいちゃんって、どうして日本食が嫌いなの? 味噌汁も飲まないし」
彼女と同じような年齢になった孫が、不思議そうな顔で訊く。
「しょうに合わないんだよ」
あの日のことは、誰にも打ち明けてはいない。私が日本の製品を嫌い、
外国製品を好む理由も言えるはずがなかった。
はるか昔の過ちを思い返しながら、私は孫が作ってくれた温かいスープをすすった。
※寝る前の暇つぶしが・・・もう3時。早く寝なきゃ。
というわけで、次のお題は、
「アメリカ」「老人」「戦争」
で、お願いします。
661 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 04:36
>>659>>660とても好感が持てる作品だと思います。
山川方夫の「夏の葬列」を思い出しました。
いかんせん、話しが長すぎます。其れは反則です。
662 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 10:19
「じゃ、いってきます。留守よろしく。ハーブに水をやってね」
息子夫婦が旅立った日は、最後のセミが弱々しく鳴いていた。
庭のキンモクセイがすっかり花を落とし、朝晩の冷えた空気が関節にしみ込む頃になって、
老人はようやく気付いた。息子たちの帰りはいつだったかな。
「カレンダーってのは、つい存在を忘れちまう」
水着の美女が微笑む8月を破り取ると、9月初めから中旬まで、嫁の女に似合わぬ力強い字で「←アメリカ?→」と書かれている。
ということは、もう帰っていてもいいはずだが。老人の胸の鼓動が少し速さを増した。
「いかんいかん、不整脈が出ちまった」
敷きっぱなしの布団にもぐり込み、息を整えるうち、老人はいつしか眠ってしまった。
傍らには新聞の束。崩れ落ちる高層ビルの写真に、大きな見出し。
「これは戦争だ!」
次は「政治家」「洗濯」「技術」でおねがいします。
663 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 13:49
シナプスの結合を選択的に切断し、記憶を消す装置が開発された。
「これは、PTSDやトラウマに悩むすべての人への福音となるでしょう。つらい記憶を抱え
た脳を洗濯する『人道的洗脳装置』とでも言いましょうか」
記者たちを前に、教授は晴れやかに微笑んだ。
幼児期の虐待、災害の記憶、まんじゅう怖い……装置は次々とその効果を証明してみせた。
教授は結果に満足し、実験を次のステップへと進めた。今度は公開実験である。
「この装置を応用することにより、人間の職業適正をより高めることも可能です」
装置には政治家が座り、実験開始を待っている。
「判断力とクリーンさ、これを阻害する記憶をこれから消去します」
実験が始まった。装置がわずかな高周波音をたてる。だが、政治家は突然、身体を後ろに反
らせてけいれんし、そして動かなくなった。急いで装置が止められ、教授が駆け寄った。
「……駄目だ。死んでいる」
「教授、どういうことです!」実験に立ち会った記者が、なかば怒鳴るように質問を投げる。
「技術的に問題はなかったはずです……しかし、記憶が消えすぎている。信じられないこと
ですが……脳がスポンジになっているんです」
初めてです。ふとオモロそうなので書きました。
次は「潜水艦」「夜」「少女」でよろしくお願いします。
× 職業適正
○ 職業適性
ああ、鬱だ。
665 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 14:47
朽ちかけた一人乗りのボートは、逃げ出した少女を乗せ、沖へ沖へと流れて
いった。モーターもなく櫂も無く、ただ波に揉まれるボートの中で、少女は、
闇の中でも微かにそれとわかる白い腕を手でさすりながら、ささやかな暖にす
がりついている。
月も星も顔を隠す夜空と、黒々と揺れる海の間に微かに見えるのは、霞みな
がら揺らめく炎、そして煙。あの炎は誰を焼いている炎なのか。煙の中に彼ら
の顔が見える気がして、目を凝らしたが、ただ遠くに遠くに行くばかりで、懐
かしい人々の顔など浮かび上がらせる事はなかった。
少女は、煤で汚れたシャツをはたいた。懐かしい街の埃が、しかし同時に決
して抗うことを許さない圧倒的な熱く赤々と燃えさかる暴力の香りを漂わせ、
小さな唇は強くかみしめられた。
少女の目からこぼれた雫が、すっかり小さくなった炎を映して、たゆたう母
に飲み込まれる。
雫を飲み込んだ水面が微かに盛り上がり、不意に現れた先が曲がった太い管
は、ゆっくりと睥睨するように回り、やがてその鼻先を少女に向ける。
少女は息をのんで後ずさるが、狭いボートに逃げるところも無く、追いつめ
られ唇がわななき、目の前の怪物に「潜水艦……」と名前を付けた。
その言葉に、臆したように怪物は海中に帰り、少女はボートの中で震えた。
その直後、静寂を破って海中から吹き出した白く巨大な筒が、街を焼いたの
と同じ閃光を発して空を目指したとき、少女のボートは、閃光と大波に飲み込
まれた。
しかし、海はその一瞬の出来事から顔を背けて、平静を装い、月も星もない
空を照らしてたゆたった。
次は、
「タコ」「猿」「リモコン」
でお願いします。
『猿になるな、人間になれ』
「ダイナユーザー以外は猿ってか?」
ダイナブックのタコなコマーシャルを見るたびに腹が立って、
リモコンでチャンネルを切り替えた。
それ以来、東芝製品は買ったことがない。CMの力は恐ろしい。
実話。しようもない話なので、お題は
「タコ」「猿」「リモコン」
を持ち越してください。
667 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 17:34
>>663 こういう分野のお話を読むと、どこか懐かしさすら憶えてしまうのは自分だけ?
なんとなく感激です。教授さんが立派すぎて不満(笑)。
できれば美少女な助手さんも希望(^^)
668 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 17:47
669 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/16 22:14
おまえは今幸せか おまえは今生きているのか
おまえは夢や欲望を持って生きているのか
おまえは夢や欲望を嘲り笑うだけなのか
おまえは猿のようにオナニーしているだけなのか
おまえは本当の女を知りたくはないのか
おまえはタコ呼ばわりされて平気なのか
おまえをタコ呼ばわりしたやつを見返したくはないのか
おまえはリモコン操作で動くロボットなのか
おまえには受信機なんて付いていないという事に気付いてないのか
おまえが見ている物は一体なんなのか
おまえ自身には分かっているのか
おまえの全速力なんてそんなものなのか
おまえは己の限界を畏れているだけじゃないのか
おまえはおまえとして生まれてきた事を誇りに思っているのか
おまえの遺伝子を残す事に感涙にむせぶ事ができるのか
おまえは今幸せか おまえは今生きているのか
なんかたまっているのか俺は・・・・・
次は「チョコレート」「手編み」「もみじ」
670 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/17 16:50
由利はチャコールグレーのパンプスを履いていた。
まるで誰かを刺せるのではないかと思えるぐらい
つま先の尖ったパンプスだった。
人気のない公園で、俺はただ由利のパンプスを見ていた。
「もう別れましょう。」
由利ははっきりとそう言った。
覚悟していた。けれど、実際に彼女の口からその言葉を聞くと
俺の中の何かが ぷ ち ん と音を立てた。
クリスマスにもらった手編みのマフラー。
バレンタインにもらった手作りのチョコレートケーキ。
あれから。あれからまだ半年しか経っていないというのに。
まだ半年しか経っていないというのに!
俺は、ゆっくりと顔を上げた。
気が付くと、由利は倒れていた。
俺の手には人の首を締めた感触がまだ残っている。
公園は色付いたもみじでいっぱいだった。
俺は深呼吸すると、すがすがしい気持ちで、公園を出て行った。
#次は 嫉妬 少女漫画 イヤホン でお願いします。
672 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/17 21:06
会社の帰りだった。
帰宅途中の山の手線は閑散としていてる。
そのせいか、近くの男のMDウォークマンの音がよく聞こえた。
イヤホンから漏れる音が耳障りだ。が、しかし、私は嫉妬した。
男の他人の迷惑を顧みない奔放な態度に。
自宅への帰り道、古本屋に立ち寄った。
もう夜も遅いというのに、塾の帰りだろうか、小学生に見える子どもたちが、
少女漫画コーナーに群がっていた。
私は嫉妬した。
彼らの未来ある若さに。
自宅はもう目と鼻の先だった。
街灯に照らされる細道に、ホームレスが段ボールで家を作ってた。
実に目ざわりで邪魔だ。が、しかし、私は嫉妬した。
彼の自由な人生に。
私はすべてに嫉妬している。だから私は、自宅に帰るとすぐに手首を切った。
すべてから解放され、奔放になりたかった。
生まれ変わって若返りたかった。
この生活を終わらせれば、自由になれる気がした。
※く、暗い・・・書いててヤになった。少々行数をオーバーして申し訳ない。
次は「山の手線」「小学生」「街灯」でお願いします。
673 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/17 21:17
おまえら相当病んでるよ。
メンヘル板へいけ。あそこはみんな優しいぞ(笑)
674 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/17 22:08
>>673忠告ありがと♪
\________________/
|/
∧_∧
(○)) (∀・ )
ヽ|〃 (∩∩ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
675 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/18 21:17
小学生の時にやった、「山の手線遊び」を覚えていらっしゃいますか。
わたしたちの学校では、よく遊んだものです。
この遊びはできるだけ沢山仲間を集めるのが楽しい。
たとえば35人の子供たちを集めて、内側15人、外側20人がしっかりと手を結ぶ。
内側の子らは、反時計回りに、
外側の子らは、時計回りに、
一生懸命に走り出す。
いつまでも走ります。
内回りか外回りかどちらかの誰かが倒れるまで、
何十周でも何百周でも駆けて駆け抜けます。
わけの分からない喜びの叫びをあげながら、
いつまでも走ります。
街灯がともっても、星が光りだしても。
676 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/18 21:20
お題で
「満期」「ピラミッド」「サンドイッチ」
行数はあくまで目安。
あまり気にしないほうがいいよ。
俺なんか省略されまくり。
678 :
「満期」「ピラミッド」「サンドイッチ」:01/10/19 20:52
もう少しだ。もう少しなんだ。
あれから数日、私はあの事件についての調査にのめり込んでいた。
風呂などは当然入る余裕がないし、食事といえば水と、コンビニで
買ったサンドイッチや菓子パンを食べるだけだ。
薄汚れた部屋の一角で一年も前の雑誌や煙草の吸い殻を
ねじ込まれた空缶がピラミッドのように積み重なっている。掃除も
もういつからしてないかわからないなどと情けない事を考えながら、
それでも私は書類を手繰る手を止めなかった。
そういえば図書館の本も貸出期間の満期をとうに越えている。
679 :
678です。:01/10/19 20:54
面白そうなので書いてみました。
次のお題は「魚」「縁」「ループ」でお願いします。
ループです。
魚が泳いでいました。
スイスイスイスイ。
緑の魚でした。
半分腐っていました。
その魚がどうなったかなんてどうでもいいと
思います。
何を言ったてどうでもいいんだから。
こんな話を読んでる人はすべて虚栄心の塊だから。
(どうですか?小説なんて全然かけません。)
681 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/19 22:09
GREAT!↑
私も題を出したいです。
次の題は「自己矛盾」「虚栄心」「2ちゃんねる」です。
683 :
「自己矛盾」「虚栄心」「2ちゃんねる」:01/10/20 00:16
1 成人式を迎えた彼女。皆は一列に並んで出迎えた。
2 まず、一番右に並んだ父親が「おめでとう、娘よ」と祝福する。
3 「先生からも!」と、左の父親に促され、家庭教師の自分もお祝いを言う。
4 「まてよ」。私は軽い衝撃と共に、大きな間違いに気がついた。
5 「一番右側に並んだ父親」が左にいる自分・・・これは自己矛盾だ。
6 こんな事が現実にあるだろうか、あるわけがない。
7 自分は、一体、どういう世界にいるのだろうか。
8 この世界は、実在なのだろうか? 今の家庭教師の虚栄心の満足も幻影か?
9 もしや、この世界は何者かの空想ではなかろうか。
10 それもごくいい加減な、例えば2ちゃんねるの三題噺の様な・・・
11 などと、バカな妄想にとりつかれる自分に、彼女はメモをくれた。
12 「今夜は、私の身体を成人式して下さいねっ(^^)」
13 「うん、うんっ」身振りで答える自分に、彼女は無言で微笑む。
14 そうだ。婚約した自分達には洋々とした未来がある。
15 こんな中学生ちっくな妄想に浸ってる時じゃない。私は彼女の手をとってドア
※・・・青臭い話好きなので^^;L 失礼しました。
次のお題は:「赤いマフラー」「黒いネクタイ」「白いリボン」でお願いします。
> 次のお題は:「赤いマフラー」「黒いネクタイ」「白いリボン」でお願いします。
こう書いた
>>683の念頭には、おそらく異教という異教に共通の蛇の色と、その意味するもの、
といった話題がかくされている。ヨハネの黙視論ではこのミレトス教の竜は、
四人の騎士として再び登場するのであるが・・・その話はよしておこう。
しかし・・・
> ※・・・青臭い話好きなので^^;L 失礼しました。
・・・正確には黄色である。彼(彼女?)は、一体なんの間違いをおかしたのか・・・
(こんなのしかうかばない・・・まるまま引用しかも散文、
そしてドサクサマギレにお題 「壁紙、標準体型、胆汁」)
黙視論->黙示録 の間違い(w
686 :
「壁紙、標準体型、胆汁」:01/10/20 06:54
25時・・・それは、全てが手遅れの時間だ。
というのは間違いかもしれない。
ある時代、「我が民族こそ最高」と宣伝する某勢力が、某国を占領してしまった。
そして、某収容所で突然引っ立てられた彼女は、偶然にも
「これこそ、我が民族の標準体型!」と礼賛された。
彼女のあられもない写真百態は、膨大な数のパソコンに壁紙として採用された。
巨大なストレスからくる胆汁の異常を別とすれば、快適な生活が彼女に訪れた。
皮肉にも、占領される前には望めなかった生活が。
以前は、誰も彼女のプロポーションなど評価しなかった。
某細菌に唯一耐性を持った、あの占領民族。
事もあろうに、彼等の方が自分を、それも肉体だけを評価してくれるとは!
ホッテントット族の「標準体型」をもつ彼女は、巨大な尻を休めて悩むしかない。
※朝からこんな暗い話・・・
次のお題は明るく:「川遊び」「ピクニック」「枝豆」でお願いします。
枝豆でポケットをいっぱいにし、彼は上機嫌だった
「あの猫もこれで、ぼくのことを許してくれたらいいけど・・・」
そんなことを考えながら、昨日、川遊びしに行った場所へ向かった。
「飼っていいよ」、そんな風に父親が言ったので、彼は驚いた、
てっきりだめだと思ったのだが。その時の父親はとても機嫌が良かった。
「きっとコレのおかげなんだろうなぁ」
そう考えて、猫が食べるはずがない枝豆でポケットをいっぱいにして、
「これを食べたら、猫も許してくれるだろう」と考えていたのだった。
猫はいなかった、
代わりに彼のセーターと手紙
猫は、親子連れがピクニックに一緒につれてきただけだった。
手紙にはそのようなことが、書かれていたのだが、
彼には字が読めなかったのだった。
#・・・なにげに暗い話にしてしまったような・・・
んで、お題は、「窓辺、解説、エゴ」
688 :
名無し物書き@遂行中?:01/10/20 15:17
窓辺には暖かな日溜りが出来て、僕は猫と一緒にそこでゴロゴロとして
時を過ごす。猫のスベスベと手触りのいい体を撫でながら、TVから
流れるアナウンサーの声に耳を傾ける。画面の右上にはLIVEと
表示されて、解説者の緊張した表情から、何かしら剣呑な雰囲気が見て取れる。
「只今、現場からリポートしています。この白昼、堂々と市内で実行
された銃乱射事件。犯人は自動車を運転手を殺害の上強奪し未だに市内に
潜伏しているものと思われます。目撃者の証言に寄れば、犯人はカラシ
ニコフ小銃で武装し、黒いマスクを被り、細身のスーツ姿で―――」
タタタッ、タタタタタタ
カメラマイクは至近で乾いた銃声を拾った。
アナウンサーは顔を引きつらせ、道路の方を見やった。TVの画面は突然
傾いて、一瞬の乱れた画像の後に真っ黒になった。画面はニュース番組の
スタジオに戻され、呆然とした出演者の顔を写した。
猫はそんな放送に興味がないように、僕にただじゃれ付いて来る。僕は
リモコンでチャンネルを変えて、他の放送局では現場中継をしていないか
探す。誰かが今理不尽にも殺された事に対する自我の震えなど無い。ただ
好奇心により犯人と銃撃の跡を写した画面を求める。猫の自我は日溜りと
僕の体温の温もりに関心を抱き、他者の死に揺れるエゴは無い。
#すいません、長かったですね・・・
次は「嗚咽」「徒労」「包丁」でお願いします。
689 :
名無し物書き:01/10/20 16:18
自分が今までしてきたことは、全て徒労に終わった。
そう思うと、自分の口から自然と嗚咽が漏れるのを彼女は止めることが
できなかった。
受話器からは、相手が電話を切った後の無機質な電子音が響いていた。
自分の20代のすべてといっていいほどを捧げてきた相手。
そこには、他人でありながらもけして離れることのできない、ねっとりと
した感情が結ばれていた。
電話を切り、しばし放心状態になる彼女。
眼の端には、さっきまでむいていた、中途半端にその実をさらした林檎と、
きれいにとがれた包丁が置いてあった。
#お題がないので
彼女は静まり返った部屋で、覚悟をきめた。
ベランダからの射す日の光が、
包丁を握り締めた後ろ姿を照らし出し。
がらんとした部屋で彼女の陰が踊っていた。
なんども、なんども、
涙で目がくもっても、それでも突き立てていた。
目をつむり、嗚咽を繰り返す彼女、それでも手は止まらない・・・
突然、ケータイが鳴り、
次の瞬間、そのすべてが徒労に終り、
間違い電話の相手に、涙声で答え。
かの女は腫れた目で、玉ねぎ抜きの
バーモントカレーを食べることになった。
#あぁ・・なんかありがちだ・・・お題 「職場、水道、非公開」
691 :
職場・水道・非公開:01/10/21 01:56
或る真夏日の早朝、都内でOLをしているみさきは驚愕した。
自宅の水道からオレンジジュースが出てきたのだ。
顔を洗おうと蛇口を捻ると、有色の液体が流れ出てきた。
嗅ぎ覚えのある臭いだったので徐に口にしてみるとそれはオレンジジュースだった。
その前日は彼女の二十回目の誕生日だったので、友人に祝ってもらい数時間前まで飲み明かした。
まだ寝ぼけているのかと思ったが,これは現実らしい。
職場の友人何人かにこの出来事について電話したが,オレンジジュースは彼女の家の水道からしか流れ出てきてないらしい。
彼女は幼かった時分に胸にしたある願い事を思い出した。
「大人に成ったらおもいっきりオレンジジュースが飲みたいな」
その願いは決して人に漏らさずに非公開のまま今日まで来ていた。
そして、子供心に夢見たその願望は,二十歳の誕生日に神様からプレゼントされたのだ。
「ありがとう神様・・・」
みさきは瞳から大粒の涙を零しながら蛇口から直接オレンジジュースを飲んだ。
郷愁の想いが込み上げてくる。
幼かった自分を懐古しながら何かにつかれたように飲み続けた。
陽光が彼女の姿をそっと浮かび上がらせていた。
次は「ミシン」「灰皿」「青春」でよろしゅう。
添削せずに出したからなんか文章がぎこちない・・・。
精進します。
693 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/21 03:29
親父の書斎からかっぱらってきた分厚いガラス製の灰皿をなぜか部室にある脚の取れ
かけた卓袱台の上に置きユニフォーム姿で堂々と買った(と言っても自販機でだが)
セッタの吸い殻を山盛りにしながら俺たちはよく一日中だべったものだった。俺は寝そ
べりながら吹き上げた紫煙が部室の窓から丸見えの青空へ流れていく様子を顧問の
教師の髭面やバレー部の好きだった娘の姿と同じくらい今でもよく憶えていて、なんと
ありきたりな青春を人並みに過ごせたことよと幸福感に浸ることができる。あのでかく
て白い雲は風に乗ってこれからどこへ行くのだろう。俺は将来、いったい何になるの
だろう。
町でいちばんでっかい屋敷に住んでいるという噂の女教師が突然部室に入ってきたのは
いつの日だったろうか。あわててタバコを隠す俺たちを見て微笑みながら「いいのよ」
と言い俺の顔をまっすぐに見て「お願いがあるの」と言ったのだ。そしてどぎまぎする
おれに一着の背広を差し出し「着てみて頂戴」言うとおりに着てみせると「ちょっと丈
があわないわね」背中を向かせてぱんぱんとひっぱたいてから「脱いで頂戴」冷たく
言った。
そのまま出ていこうとするのであわてて理由を聞くと、「だってあなた、体格がそっく
りなのよ」フィアンセにと言ったのか恋人にといったのか、なぜはっきり憶えていない
かと言えばその涙にふくれた大きな瞳があまりに美しく衝撃的だったからだ。
その後しばらくして女教師は退職した。町を去ったという噂を耳にした。
彼女の実家はかつてミシンを売り、町でいちばんでかかった。
しかしその家はまもなく跡形もなく取り壊された。
消息は聞かない。
次、「ベッド」「狸うどん」「ミトコンドリア」でどうぞ
694 :
ミシン灰皿青春:01/10/21 04:56
「旧式のミシン?」
彼女はまだ眠たそうな目で僕に聞いた。
「そう。お婆ちゃんが居なくなって使われないままに納戸に押し込まれた旧式のミシンのようなものさ。昔それがあった事は思い出せても、引っ張り出してきて今更使おうとは誰も中々思い付けない」
僕が灰皿を探してキョロキョロしてると、彼女が机の下から取ってくれた。
「でも、使えるんでしょ。使おうと思えば」彼女は言った。
「そう使える。でもね、誰も古いミシンには興味を持てないでいるんだ。ウルグアイの天気予報に興味が持てないようにね」
僕は煙草に火を点けて、TVをニュース番組に切り替えた。
画面に派手な字体で『米国同時多発テロ』と映し出され、レポーターが熱っぽく現地の様子を伝えている。
「それは悲しい事の様に思えるわ」
「仕方の無い事だと思う。ある種の物事はだだ過ぎて行くだけなんだ。その過程の中ではとても重要なんだけど、一旦過ぎ去ってしまうと誰も見向きしなくなる」
「そうなんだけどね」彼女はそう言って立ち上がり、台所に消えた。
少しすると珈琲の芳ばしい香りが部屋に充満した。
彼女はカップを机に置きながら、
「でもね、風化しない物だってあるのよ」と言った。
「例えば?」僕は聞いた。
「そうね・・・、例えば青春の残滓」
言ってから、彼女はクスクスと笑った。
それは、僕等の高校時代の苦い思い出だった。
「まだ根に持ってるのかよ・・・」
僕はそう言って、珈琲を飲み干した。
次は、「スピーカー」「酢酸カーミン溶液」「鳩」でよろしく
すまん、ちんたら書いてたら重なった。
次は693の「ベッド」「狸うどん」「ミトコンドリア」でよろしく
696 :
名無しさん@XEmacs:01/10/21 05:15
断食二十日目、
ベットに腰掛けたまま、眠れないまま一日が過ぎる、ン・週間前の食べ物はすっかりひからび
痩せたゴキブリが、かさかさと音を立てながら何時間も、えさを探してさまよっている。
体内では、エネルギーに代えるものを探して、ミトコンドリアがさまよっていた。
夜半過ぎ、吐気のない頭痛が続いたあと、あっというまに楽になった。
ちょうどそのころ。、わずかな臭いを嗅ぎ分けて狸うどんカップ麺に、ゴキブリはかみついていた。
無数のゴキブリが、あつまり、ビニールのフィルムを、スチロールを、くいちぎる。
# 良かった・・・セーフだ! お題は。「スピーカー」「酢酸カーミン溶液」「鳩」 ということで・・・
697 :
「スピーカー」「酢酸カーミン溶液」「鳩」 :01/10/21 08:54
「将軍。<平和のための戦い>をアピールしないとな。」「イエッサー!大統領」
将軍の命令により、地上部隊は巨大スピーカーを携える事になった。
「ウィ・アー・ザ・ワールド」や「戦争を知らない子供たち」が大音響で
鳴り響く中展開される、凄まじいる市街戦・・・
「違うのだ、将軍。音楽とかではない」「はい、大統領」
軍隊は白い伝書鳩で伝令を行うことになった。
「何を考えておる、将軍・・・まあ核兵器を探すことに全力をあげよう」「よし」
テロリストがいると思われる地帯に、酢酸カーミン液が散布された。
わぁぁ(^^) 核のある部分が、ピンク色に反応・・・するわけない。
大統領の顔色が、怒りでピンク色になった。
「将軍。もしやお前、私をバカにしておるな!」「はい!大統領」
・・・「こんなもんでどうでしょう?」と報道官が訊く。「ううむ」
たしかに、大統領の潔白さのアピールはできるCMだ。でもあんまりバカすぎ。
「報道官。まさかお前、私をバカにしておらんだろーな?」
※時事ネタは配慮がしんどいー;
次のお題は:「浴衣」「リンゴあめ」「失われたアーク」でお願いします。
698 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/21 11:46
めえったなおいこんな洞窟の中で迷子かよ。何が失われたアーク第7章日本編だ
主人公の俺の身にもなってみれ馬鹿野郎。さっきから蛇、蜘蛛、蠍、百足のたぐいは
言うに及ばずライオン、ジョーズ、ショッカーまで出てきやがって身体中傷だらけだ
責任者出てこい。
おっ、あそこで何か光ってるぞ。うーむよく見りゃここはでっかい神殿で、正面に
棺らしきものが鎮座ましましてるじゃないか。しめしめこの中に例の秘密が隠されて
いるんだな、早速あけてみよう。
やっほっほーいすごい宝石だ。ダチョウの卵ぐらいある超巨大なダイヤモンドだぞ。
ついに俺は大金持ちだやったー。ばんざーい、ばんざーい。
「おにいさん、リンゴアメはいらんかね」
横合いから突然声をかけられて吃驚仰天し思わず飛びずさったおれの眼前には昔懐か
しいもんぺ姿のおばあさんがいて一本のリンゴアメをこちらに差し出しながら
しわくちゃの顔でじっと俺を見つめていた。その瞬間お宝のダイヤはどうしたことか
手からするりと抜け落ち暗闇の中へ真っ逆様に落っこちていき俺は悲鳴を上げながら
今は夏祭りの真っ最中であり大好きだったあの娘に告白してふられたという現実に
無理矢理気づかされて大声で叫び声をあげながら婆を蹴り飛ばしてダイヤに手を伸ばし
奈落の底へと
浴衣姿のおばさんたちが数人俺を取り囲み目を丸くして俺を見つめていた。
「ホッチキス」「猫」「オブジェクト指向」よろしくどうぞ。
699 :
名無しさん@XEmacs:01/10/21 16:20
大きなスクリーンに簡素な椅子に座わった男が写し出され、皆が一斉にローマ式の敬礼をする。
猫を撫でながらのあいさつがつづく、カメラは男の首から下を映し続け、
猫は、こちらをきっとにらんでおり、スピーカーから加工された声がひびく。
面接の時からおかしな会社だと思ったが、これは、悪の組織ではないだろうか?
全くの技術者でしかなかった彼は、これはラッキーだと考えてたが、
彼が案内された情報局におかれたコンピュータは、紙テープをせっせと吐き出し、
プログラマー達はそれを、ファイル単位にハサミで切り分け、ホッチキスで止めている。
構造主義、オブジェクト指向全盛の時代に何やってんだか・・・
700 :
名無しさん@XEmacs:01/10/21 16:23
お題忘れてたよ。
「小数点以下・補聴器・玄人」
ちびっこ諸君、元気してるかな?おなじみ、
「電波君いらっしゃい!」の時間だよ!
はーい。おにいさんだよ。
今日は、趣向を変えて、自分を電波だと思っていない君たちに提案だ!
君たちのような、小数点以下の切捨てごめん君達には!
お兄さんからこんな特典があります!よーくきいててね!
はい!
精神波安定補聴器!
これさえあれば世の中の声がよーく聞えるようになるね!
自分に対する不満、意見、疑問、いままで聞かなかった事にしていた問題!
これからは、「聞えなかったし、しょうがないじゃん」なんて、言い訳は効きません
いいかなー?
わかったかなー?大丈夫かなー?
これがわかったら、君たちも、お兄さんのような人生の玄人になれるよ!
それじゃあ、また来週!
幸運をいのるよ!
・・。これ、「1を叩く・・」にも使えないかな_??
次のお題は
「もやし」 「サバイバル」 「狂気」
お願いします。
玄人の立場から言わせてもらえば、こんなのはどうだって良い様なことに過ぎない。
殆どがそうだ。
だからこそ俺はくだらない話に耳を傾けるようなことはしない。
言ってみれば小数点以下切捨て。俗なのは嫌だ。
できる限り淘汰した情報に包まれながら、心地良い眠りに誘われるのが良い。
つまり、補聴器みたいなのが必要なヤツに憧れたりする。
そうすれば復、何事も無かったかの如く、歩き出せる。
はい、終了。「レオナルド=ダ=ヴィンチ・左手・セブンスター」
ごめん、かぶった。
「もやし」「サバイバル」「狂気」でお願いします。
704 :
的 ◆SpLWlLC. :01/10/21 22:08
重苦しい空気に包まれた教室のドアを開けるその瞬間まで、
僕は狂気に満ち満ちた戦士でいられるのだけどもね
まあさながらサバイバルしてるって感じになるのさ。
でも、なんでだろう?
カバンを置いて椅子に座った瞬間にはもうもやしっ子になっちまうのサ。
彼らの話題が高度すぎるんだろうね。
自分を棚に上げていることをわざと気付いていないように披露される彼の人間批評。
僕のように髪の毛が短い人間のぶんまで手入れしてくれているブサイク。
こうして僕は今日も終わるので人を大勢殺したわけだ。
ストレスが原因だっていいんだろ?こんな奴らばっかりなんだ。
次の御題: 「K」 「表現上の限界」 「両替」 でお願いします。
と、まあ、Kとか、Iとか、Sでもいいです。
そう謂った固定ハンドルがいますね。
これはあくまで補足というか、言い訳と言うべきかもしれませんが、
701に関してですが、これは、悪魔で作品です。決して、
ここの誰それに言っている事でも、もちろん、煽りでもありません。
文字という情報伝達手段の表現上の限界とは言いませんが、
これは、3語スレの、レスと言う観点の上で見て頂きたいのです。
人によっては、「なんだこれは、あてつけか?」などと考えてしまう
人もいるかもしれませんので。
言ってみれば、変換ソフトの違いなのです。
一つの、どうとでも取れる文章を、情報として取り込んだ時、
その人の脳内で如何に変換されるか、という問題です。
これは、人それぞれ多種多様なので、誤解は仕方の無いことかもしれません。
例えるなら、円をドルに両替した、円をユーロに両替した場合、
日本におけるお金の価値は、海外の様々な国のお金の価値とは、
決して、必ずしも同じではないという事です。
このレスは、作品として、また、701の自分のレスが誤解を招きやすい
事に気がついた私の弁論でもあります。
どうか、ご了承ください。
>的さん
やりやすいお題でよかったです。
つぎのお題は、704の的さんのを、使ってください。
「K」 「表現上の限界」 「両替」です。
どうぞ。
706 :
K・表現上の限界・両替:01/10/21 23:14
Kと名乗ったアフリカン・アメリカンの青年はいきなり私を羽交い締めにして、
路地裏に引きづり込んだ。
クラブで知り合った見ず知らずの外人に、ほいほい着いて行った私が悪いのだろうが、
あの男の行為は獣だった。
Kは後ろから私を抱きしめ、パンティーを引き裂いた。
それ以上の事を書き記すのは表現上の限界だ。
私は時が過ぎるのをただただ願った、それだけだった。
事が終わると、Kはくしゃくしゃの100ドル札を投げ捨てて去っていった。
そこには言葉はなく、ただ沈黙だけが漂っていた。
私は五臓六腑を突き刺す鈍痛に耐えながら徐に立ち上がり、
目の前にある100ドル紙幣を手に取る。
「これ、両替しなくちゃ使えないじゃん」
意外に冷静な思考が、今起こった非現実の出来事を受け止めているような気がした。
少々暗いものを書いてみました。
次は「日記」「123」「爽快感」で。
707 :
「日記」「123」「爽快感」:01/10/22 00:57
「これは、<123殺人事件>だ」
「なぜですか、警部」
「見給え。まず1人目、次に2人目、そして3人目だ! これは故意としか思えん」
「・・・わかりました、さっそく捜査を始めます」
捜査の結果、最初の被害者の日記が発見された。
日記に曰く「私は100人目だ。100番ゲットして爽快感。わー、死ぬー!」
「困りましたねえ」若手刑事は湯豆腐をつつきながら呟く。
「うむ。これでは<100101102殺人事件>になってしまう」
「兎に角!」警部は立ち上がった。
「え? ウサギに角を打つのですか、飛車は・・・」
「とにかく! 1人目、2人目、3人目の犯人を探す事に全力を挙げよう」
しかし、97人はうかばれない。
※漠然と、昔あった「VP−プランナー」という123そっくりソフトを思い出して^^;
次のお題は:「なにがでるかな」「自白剤」「九官鳥」でお願いします。
708 :
名無しさん@XEmacs:01/10/22 01:55
37歳も歳の離れた父親から溺愛されたモーツアルトは25歳の青年になるまで一緒にすごし、
(モーツアルトは六歳のころから姉と、各国を演奏旅行していたのだが。)
溺愛する一方、父親はこの天才を、鳥かごの中の九官鳥のようにあちこちで、見せびらかしていた。
そのような鬱積した生活のなかで、かれは、いくつかの手紙を残している。
「誓って君の鼻にウンコをたれるぞ。そうすりゃ鼻の下までブランコだ。君のウンコとオシッコはすんだ?さあ、お休み。
ベッドで大きな音をたててウンコなさい。ぐっすりお休み。お尻に口をつけて。さよなら。ああ、僕の尻が火のように燃え
てきたぞ!、なにがでるかな!きっとウンコのおでましだ。そうだそうだ、ウンコだ。わかってるぞ。見えるぞ見える・・・
、嗅いでるし、それにこりゃなんだ。もっと引き延ばしてくれ・・・あぁ・・・なんと長くて切ない音なんだ」
こんな手紙恋人に出すモーツアルトを自白剤飲ませて、小一時間は問い詰めたい。
#ソース ->
ttp://www2s.biglobe.ne.jp/~notujiya/toilet_study/th_page013.html #こんなんでいいんかな?
# お題、「おでん、館長、モップ」
709 :
おでん・館長・モップ:01/10/22 16:30
いやー、おでんはやっぱりバクダンだな。
おっちゃんバクダンもう一個!ついでに大根も。
なんかさ、おいらここのおでん食ってるときが一番幸せなんだよね。
今はね、歴史資料館の館長やっているんだけどね、ここが全然人が来なくてさ。
たまに小学生の社会科見学で大勢来るだけで、普通は一日に数人しか来ないわけよ。
だからさ、従業員も受付のバイトの娘が二人いるだけなんだ。
館長って言っても肩書きだけでさ、閉館後の清掃もおいら一人でやってるわけ。
モップ取り出して床を掃除してるとさ、なんかツーっと涙零れて来るんだ。
ああ、おいらはこんな事やるために一生懸命勉強してきたわけじゃないのにって。
一応、大学院までいって博士号取ったんだけど、歴史なんて勉強したってなんも役に立たなくてさ。
あんなちっぽけな資料館の名前だけの館長やるしかないわけよ。
世智辛い世の中だね、まったく。アー、そのはんぺん頂戴。ビールも。
おでん食い終わったら家に帰ってかあちゃんの顔見なくちゃいけないと思うと又、つらいよ。
男はつらいよ、なんて映画あるけどほんとそうだよね。
次は「大根」「エロス」「経済学」
710 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/22 16:34
>>708そのソースおもろい!
天才ってちょっとおかしな嗜好を持ってるんだね。
711 :
魔女の宅急便:01/10/22 16:35
712 :
名無しさん@XEmacs:01/10/22 19:03
スーパーで、何もせずに、うろうしている姿があった。店員達に怪しい視線を浴びつつ、煙草に時折むせていた。
臨床経済学のフィールドワークだのなんだのといって、結局サボっているだけなのだが。こうやって人の流れを
ボンヤリ見つめているのもたいくつになってきた・・・
主婦が、彼の前を横切る、手にもっていた大根を、ささっと懐に隠す、
「万引きだな・・」そう思った彼は、主婦のあとをつけ、レジを通らずに店を出るのを確認する。
「ちょっと奥さん」、そう言って声をかけたが、別にどこかに突き出すつもりはなく。
これは、学術的な興味がどうのこうのと、ながながと主婦の話を、家計、家庭の事情などを聞き出す。
最後に、「アレを、なんに使うんですか?」などと聞くと、彼女は、エロスに満ちた笑みを浮かべ、
彼はぎょっとした。
#イカン、ベタベタな話に案の定なった。
#
>>710 結構有名な話だと思う。
# ルカ(リュカ?)の オナラ大全とかにものっていたと思う。
# 彼の作品を、彼の手紙と、彼の鳥についての博学とで、まじめに分析したようなものもあるらしい。(音符の配置とかかな?)
# 一見どうでもいいようなことを、まじめに考える事が出来る人にはちょっとあこがれるな・・・
#
# お題 「カンサス、混同、ウマー」
713 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/23 01:29
カンサスシティ・ロイヤルズのマック鈴木は獲得が予定されていたイチロー鈴木と
混同されることを避けるためにシアトル・マリナーズから放出されたと思われる。
そのことが (|| ゚Д゚)トラウマー になっていなければいいのだが。ちゃんちゃん。
次、書類・スピード・緑青
714 :
書類スピード緑青:01/10/23 06:43
風が舞い、光が踊る。
黒崎の鼻と呼ばれる岬に続く道で、僕は風神の怒りに身を晒していた。
砂塵が突き抜けるようなスピードで傍らを吹き抜けていく。
このままこの風に我が身を委ねる欲望に苛まれながら、僕は歩いている。
緑青の浮いた十円玉のような自我が、僕を地上に繋ぎ止めていた。
『だって貴方は私に何も与えてくないもの』
『結局自分にしか興味が無いのね』
『この書類で私たちは他人になれるの。素敵でしょう?』
ふと、道が開けた。
僕の目の前に海が広がっていた。
海。
海は暴風に表面を荒立ててはいるが陽光をキラキラと反射して自らの広大さを確かめるように輝いている。
海、海、海。
僕は岬の先端に立ち、目の前にある圧倒的な海の前で翼のように手を広げた。
自我が希薄になり、空の高みに意識が吹き飛ぶ。
歓喜が全身を貫き、僕は躊躇せずに硬い岩肌を蹴った。
次は、ピスタチオ・ピアノ・カサブランカ でよろしく
715 :
ピスタチオ・ピアノ・カサブランカ:01/10/23 07:33
「マスター。その曲だけは弾くなと言ったじゃないか」
「・・・自分でリクエストしといて(汗)」
「ピアノレストラン」とは名ばかりの、某JR無人駅前の食堂。
切符も委託で売っている。
「スパゲティ・ペスカトーラ」と「かつ丼」と「わらび餅」を一緒に
売ってるこの店で、映画「カサブランカ」のボギーを気取る彼は、もしや
お似合いの客かもしれない。そもそも、客は彼一人しかいないのに。
「ナッツがむけないよー(涙)」
「これはですね、ピスタチオといって・・・」
ろくなこといわない。
彼は、まだ、気付かないのだろうか。
ここが「究極の左遷支店」と呼ばれた稚内支店で、自分が、昨夜
配属されてきた名ばかりの支店長だということに。
「・・・この方が気分的に楽かもしれませんね」
「同感だね、係長」
一瞬真顔になって、彼は微笑んだ。
※あわわ、くらい。
次のお題は:「リボン」「スカーフ」「南仏」でお願いします。
716 :
名無しさん@XEmacs:01/10/23 09:04
シュガーペースのリボンで飾られたかなり大きなウェディングケーキ、
実は大きなハリボテで、中に親友の一人が隠れて、2人を驚かすことになっていた。
当日、2人は「切る」とか「切り分ける」とかは縁起が悪いなどと考えたのか。
みんなが見まもる中、真っ直ぐにナイフを突き立ててしまった。
みるみるうちに、床が血に染まり。人々が駆け寄りケーキに手を突っ込んで
傷口を、スカーフでおさえつける。
新郎新婦はわけがわからないまま、つれだされたままだ。
何が起ったのかまだ分っていないまま、
なにげなく暗い気持ちで、南仏に新婚旅行に出かけた2人は、
到着したホテルで、友人の突然の死を知った。
#暗すぎ・・・お題「遅刻、寝不足、うしろまえ」
717 :
遅刻寝不足うしろまえ:01/10/23 16:05
寝不足で遅刻したらうしろまえでした。
部員A:「できました〜、部長」
部長 :「どれ。・・・貴様・・・創作を、なめとんのかーーー!!!(怒)」
部員A:「ひぃぃぃ〜。だってだって既成観念を捨て去れって言ったじゃないですかぁ(泣)」
部長 :「稚拙稚拙稚拙稚拙稚拙稚拙ぅぅぅ。このような駄文は即時トラッシュ!である」
部員A:「そんなぁ。そこまで言うならお手本を見せてくださいよぉ」
部長 :「・・・よかろう」
遅刻コクコクこっくりさんは、今日も寝不足スイートピー♪
今日は告白出来るのかしら、メロンの気持ちはうしろまえ。
部員A:「・・・・・・」
部長 :「・・・・・・」
部員A:「・・・・・・」
部長 :「・・・・・・ちょっと、甘かったか?」
次は、「水割り」「赤色回転灯」「観覧車」でよろしく
718 :
名無し@初投稿:01/10/23 17:08
和幸の心臓は緊張で高鳴っていた。今日こそ、今日こそ決めてやる。
言うんだ。全てを振り絞って。
そんな思いが、今まで感じたこともない高揚感となって彼を襲っていた。
「・・・どうしたの?沢田君」
「えっ!?・・・い、いや、何でもないよ」
気づくと、水割りを片手にとろんとした目の和美が和幸の顔を不思議そうに覗き込んでいた。
「もう、きょうのあなたったら口数も少ないし、ぼうっとしてばっかり。一体どうしたの?
今日は、私たちが付き合い始めてから一周年の記念日なのに・・・」
和美は、不満げな表情で口を尖らせた。そして、少し視線を落とすと言った。
「もしかして、私といるのが嫌なの?」
「そんなわけないよ!・・・ただ」
そこまで言い、和幸は少しうつむいた。
「ただ、何?」
和美は、店内の赤色回転灯に照らされ、随時目まぐるしく色を変えている和幸の顔を覗き込んだ。
和幸は暫く押し黙っていたが、やがて和美の方を見た。
「ちょっと、でないか?行きたいところがあるんだ」
十分後、彼らは海沿いの遊園地のチケット売り場にいた。
「観覧車乗車券、二枚」
和幸は静かにアクリル板ごしの女性に言った。
「あー、すみません。本日は運行中止になっております」
女性は困り笑いの表情を浮かべて言った。
和幸の作戦は、終わった。
後に残ったのは、「寒い」と言って顔をしかめる和美と強い突風であおられ、和幸の後頭部に直撃した
ポップコーンの空き箱だけだった。
次は「雪」「牛」「さだまさし」でよろしくお願いします。
昨日はホントびびった。
何にってあの降り積もった雪の白さに。
白いって言ってもあれだぜ、白くないんだぜ。
どこか黒いんだ。
それが物凄く気持ち悪かった。吐きそうになった。
土の黒いのが少し見え隠れしてたから先日捌いた
牛の死に際の台詞思い出したんだ。
「お前の勝ちだと思うなよ、俺は負け犬じゃねえ。」
…そりゃあ、お前牛だもんなあ。
BGMになんか聞き覚えのあるヤツが流れたら要注意だ。
何?って勿論さだまさしさ。
じゃあ、俺はそろそろ行くぜ。
今夜は朝までフィーバーフィーバ−なんだ。
と隣のが言ってるのを聞きながら僕は最後のソルティードックを
不味そうに流し込んだの覚えている。
「ナインボール」「二ヵ月半」「血だらけ」
ナインボールを2ヶ月半ぶりにやったら、血豆がつぶれて血だらけになった。
721 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/23 22:53
次のお題は?
「から竹割」「水割り」「保険証書」
松の頭をから竹割をしたら、水が流れてきた。
その水で水割りを作ったら、家族が保険証書を持ってきて、ニヤリと
笑った。
「納豆」「秋雨」「全仏」
納豆を食べながら、窓外の秋雨をみる。
時あたかも全仏オープンの初日であった。
「マウス」「名無し」「無名」
725 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/23 23:04
726 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/23 23:40
>>724なあ頼むよ。ここをあらそうなんて思わないでくれよ。
おいらは立派なHNなんてつけてない名無し物書き@推敲中?だけどさ、
一生懸命お題に沿った文章考えてるわけよ。
キーボードをパコパコ叩きながら、マウスをちょこちょこ動かしながら、
ない頭をフル活動させて頑張ってるんだよ。
少しばかり、無名の文士を気取りたいわけよ。
だからさ、これは俺からのお願い。
荒らすなら他のスレでやって。
ほんと、懇願するよ。
後生だからやめてな、な。お願い。
お次は「ミルク」「英国」「炸裂」でやりましょい。
うん、わかった。
では、こういうのはどうだ。
ミルクティーは英国ブルックボンド社のものがおいしい。
と、そのとき、窓外で炸裂音がした。
松、お前ほんとに最低だな
荒らしは放置で。
730 :
「ミルク」「英国」「炸裂」:01/10/24 00:31
「英国数理社、5教科とも得意です!」
と時期はずれの転校生、松本祥宏は言った。
「前の学校でも成績はトップクラスでした!」
誰も訊いてねえよ、そんなこと。
「といっても下から数えてですがね!アハハハハ!」
イッペンシンデミル?クサッテルヨ、ノウミソ。
「僕のことはまっつんて呼んでください!まっつん!」
し〜ん
「あれぇ、おかしいなあ!笑い炸裂するとこなんだけど!」
空気読めよ、テメエ。
で、次のお題は?
いえ、ネタなので継続でおねがいします...
733 :
名無しさん@XEmacs:01/10/24 05:55
何でコンビニで英国フェアなんだよ!
店長の思いつきで、やたらめんどうな仕事が、増えいらいらしていた。
レジで彼を呼ぶ声がする。小走りで向かうと、
さっきまでうろうろして邪魔だった男が、
ミルクと、タマゴのパックと、食パン抱えて立っている。
「温めてください・・・」
・・・だぁと!? (怒り炸裂
このセクハラ野郎!!
タマゴ引ったくってレンジでチンしてやったわよ。
#と、、朝から何やっテンだ俺・・・
#お題 「酢の物、全巻、大変だ!」
#・・・エライ間違い発見・・・
>730
「ミルク」がはいっていないのでボツ。
736 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/24 19:09
松は存在自体がボツ。
荒らしとして報告しましょう。
>736
人間性が薄っぺらいからボツ。
中身がスカスカのハズレくじ。
無い!本棚が空っぽだ!
漏れの特撮怪獣コレクションが!
「ゴジラ対へドラ」が!「大巨獣ガッパ」が!
東宝・日活・大映、怪獣物は全巻、米国盤LDまで揃ってたのに!
漏れは頭の中が真っ白になるのを感じながら台所に駆け込んだ。
嫁の奴、テーブル一杯に小鉢を並べてなんか食ってやがる!
もずく酢、なまこ酢、膾、ヌタ、胡瓜と若布の...なんだぁ、みんな酢の物じゃねえか!
そんなことより漏れの怪獣コレクションだ!
「あぁ、あれ?売ったわよ。お金いるから」
嫁はこともなげにそういって、病院の薬袋を漏れの方に押しやった。
その袋には、「末永産婦人科」の文字が...大変だ!
「整形」「カット」「バイク便」でお願いします
740 :
整形・カット・バイク便:01/10/25 00:57
僕の彼女が整形をした。僕に無断で。
「ジュリア・ロバーツみたいでしょ」
そう言って微笑みかけた彼女の鼻は前よりも確実に高くなっていた。
僕は彼女の突飛な行動に腹を立てて、思わず手を上げてしまった。
バシッ!、という音だけが彼女の部屋にこだまし、彼女はその場に倒れこんだ。
居たたまれなくなった僕は彼女の部屋を飛び出し、自宅へと戻った。
家に帰った僕はベッドの上で丸くなり悶々としていた。後悔した。
彼女は精神が不安になるとリストカットをする癖があるのだ。
今回はかなりきつく言ったからもしかして・・・。
不安になり、彼女の携帯に電話をしたが、彼女の声は聞けなかった。
僕は無我夢中に家を飛び出すと近所のバイク便屋の事務所に向かった。
「すいません、届けてほしいものがあるんですけど」
僕は今、バイクの後ろで運転手の腰をきつく抱きしめている。
死ぬんじゃねぞ!と、心の中で叫びながら晩秋の冷たい風を感じている。
次のお題は「車輪」「スクイズ」「恋人」で。
#非常に短くまとめた。
とあるカップル、男の方が旧に「ちょっとトイレ」。
往来の真ん中でキョトンとする彼女・・・
向こうから別のカップルが、やってきて・・・
「ちょっと、あんた達ここで何やってんのよ!!」
男(1は一塁セーフ、かれは、車輪の陰から様子をうかがっている
男(2は、女二人にはさまれて「アウト」、 (スクイズかよ!
恋人たちのふくざつな関係は続く。
#お題、「ふぐ、落書き、CNN」
742 :
的 ◆SpLWlLC. :01/10/25 02:37
昔の人々はふぐを食すことに、それこそ命がけだったのだと思う。
いまではどんな毒か、またその対処は、安全に食うには?等の疑問に、
CNNまでもが答えるくらいの勢いで、「安全」で或るための情報が渦巻いていて、
素晴らしく嘆かわしい。過去に勇気を出した方々の功績が、今後はもう無いだろうと
単純に予測できてしまうからなのだろう。
そんなこんなで、僕はしなかったが自殺した友人の残した落書き帳の表紙の
タイトルを書いて終わりにしたいと思う。
“No” they cried in chorus. (『違う』と彼らは一斉に叫んダ)
#次御題は、「生理痛」「how to」「媒体」
743 :
「生理痛」「how to」「媒体」:01/10/26 07:30
電車の広告には、あいもかわらず、女子学生の自殺云々の記事があった。
ちょっと待て。どこかおかしくないだろうか。
彼女は思うのだ。
なぜ媒体は女学生の自殺を、とりわけ大きくとりあげるのか。
男子学生だって、おじさんだって、同じ人間なのに・・・
第一、全ての女子学生が、媒体が演出する様に美形ではないはずだ。
写真週刊誌にでてる様なのなんて、何十人に一人のはずなのに。
一体、雑誌にはガイドラインというか、新入社員のhow toもの教科書
みたいなものに共通の「お約束」でもあるのではないのか。
実は彼女も自殺を考える事がある。
しかし、仮にそうしたとして、媒体は決して、その真の理由を報道しないと思う。
彼女は、生理痛を苦に自殺を考えていた。
※3分で考えたらこんなの(汗)
次のお題は:「七福神」「八犬伝」「009」でお願いします。
たしか七福神は聖徳太子の書いた宝船の絵かなんかがはじめだったと記憶している
ただ、この中で純粋に日本の神様と言えるのは恵比寿様くらいだったっけか?
他の神様はちょくっと曰く付きで、実はシバ神だったり、中国の仙人だったり
しかも恵比寿さんも一度は、国籍不明になっていたりとワケガワカラン有り様である。
ちょくっと豆知識だけども、今のメンバーになったのは、江戸の初期、
滝沢馬琴が「八犬伝」書いてたころだろうか?
弾かれたメンバーには、
008:天の岩戸の前で裸踊りした神さま。
009:酒飲みの猿
などがいる。猿の方はほんとうにただの猿、
「しょうしょう」とかいう猿、
なんで猿なのかわからない。
#webで調べてもワカラン事が多かった、
#で、これは、小学生の時読んだ、教育漫画の知識をフルに使った嘘です。
#信用しないように・・・(しかしお題が凶悪)
# お題、「苦情、タイプライター、緊張感」
私はタイプライターを打つ。今ごろ同志が動いている筈だ。
時計を見た。時間は午後8時。電話が鳴る。
「はい、グ○コサービスセンターです」
また苦情の電話であった。さんざん罵倒され、電話を一方的に切られる。
私は舌打ちした。父の会社が倒産して以来、総務からこの部署に回されて二年になる。
執拗な苦情電話に応対する日々。正直、倦んでいた。
実家の会社が倒産したのも、元はと言えば自分の勤めているグ○コが合理化と称して取引を打ち切ったからだ。
タイプライターで総務へ回す報告書を打つ。なにげない苦情の電話でも、総会屋・暴力団関係者が出てくるトラブルになるかも知れない。
が、途中でそれをやめ、別の文章を打つ。
『おおさか婦警のあほえ わしら…』
不思議と捩れた感情は高揚する。
同志はこの会社から、今ごろ現金を受け取っている筈だ。
学生時代、共に権力と半端ながら闘った同志。
今度は業務用の電話がまた鳴る。
「もしもし。俺だ。あかん、警察がうようよいるから帰る」
同志がそう低い声で言い、電話を切った。
私は失望と安堵の息をつく。
部屋に総務の人間が入ってきた。
「こちらの方があんたに話をききたいそうや」
元の同僚は左遷された私へ不遜に言う。
隣の男は軽く手を上げ「大阪府警警備部の吉田と言います」
私の中で緊張感が奔る。柔和な顔だが、警察の眸は笑っていない。
私は2ヵ月後、大阪府警別館で上申書を公安の吉田に提出した。
同志を裏切ったのだ。動機は私怨、金銭目的。
「過激派くずれが」
吉田は嘲笑した。
だが、それから私は逮捕されることもなかった。吉田達が極秘で上申書の裏取捜査をしていたことも知っている。
私も覚悟し会社も辞めたが、逮捕されることはなかった。
次のお題は『焼肉』『カタルシス』『自衛隊』
746 :
730ではないが:01/10/26 23:51
>>735 遅レスだが「ミルク」は入っている。
イッペンシンデ ミル?ク サッテルヨ、ノウミソ。
ミルクと言えば、最近の和牛事情。肉好きの俺としては甚だ困惑している。
鉄板焼、肉まん、焼そば、お好み焼き。ああ、食いたい。
マニアではないので蝸牛考のようにつっこんだ分布などは分からないが、
まあ、大抵の事は語れるな。というか、語るし。水ギョウザでもつまみながらね。
でも、まあ、牛肉はちょっと、な……。
周囲の風潮に流されるのも馬鹿な話だが、如何せんデメリットが大きすぎる。
マスコミの掌で躍るのは勘弁と言いながら、その言動こそがマスコミの
術中にはまっているところが、現代大衆社会の罠。
まあコーンハウザーの指摘通りというか。
まあ、それを言えば今度の自衛隊派遣だってさ……(フェードアウト)
747 :
『焼肉』『カタルシス』『自衛隊』:01/10/27 08:08
狂牛病だから牛の焼肉は控えよう。
しかし、それで問題は根本解決しませんでした。
焼却場にも、自衛隊にも、医者にも手におえない問題。
それは、牛さん以外の「嫉妬」にありました。
なぜ牛さんだけが・・・
鳥にだって、豚にだって、植物くんだって狂う権利があるはず。
そんな想いは、妙な病気を生み出したのであります。
困ったのは人間です。
牛を控えるだけならできる、肉全般もまあまあできる、しかし・・・
「お母様!パンが空を飛んでる」
「こちらでは、シシャモが写経をしておる。机が狭くてかなわんな」
納豆までが「うははははー!」と奇声をあげて横断歩道を渡ってます。
ここまでくると一種のカタルシス、しかし、人間は何を食べればいのでしょうか。
もしや、既に人間が、真っ先に狂っていたのかもしれません。
※朝起きて真っ先にこんな事かいてるー。今日はいい天気(^^)
次のお題は:「タンポポ」「石焼き芋」「元老院」でお願いします。
748 :
タンポポ・石焼き芋・元老院:01/10/27 10:21
「元老院というのは、古代ローマにおいて・・・・」
教壇に立つ初老の男性は最前列に座る生徒にも聞こえないようなささやくような声を出して、
教鞭をとっている。しかし、既に卒業を目の前にした生徒にはこんな授業はどうでも良い事だった。
節分も過ぎもうすぐ草花も芽吹く時節。
校舎の裏でこっそり咲いているセイヨウタンポポの花を思い出し、
感慨深い面持ちになった。
もうみんなとお別れか・・・。
タンポポを見て、春が訪れる喜びと大切な人との別れを感じた。
片思いの彼女の顔が目に浮かんでは消えて行く。
あの時の石焼き芋おいしかったな・・・。
彼女と食べた石焼き芋の味が口の中でよみがえってくる。
しかし、別れの時は刻一刻と幸雄の背後から忍び寄ってくる。
ここで分かれると、一生後悔すると考えた幸雄は行動に移そうと思った。
告白してやる。
強い意思が芽生えた幸雄の胸は初春の陽光に照らされ、より温かみを増した。
「化石」「なす」「哀愁」でお願い致します。
749 :
「化石」「なす」「哀愁」:01/10/27 12:14
無人の地球に、無人ロケットが帰ってきました。
出発する時は有人だったのですが、帰ってきたのが数万年後だったので
乗組員を複製ロボットが乗っているのです。
「おかえり!」
「おめでとう(^^)」
何万台もの観客ロボットが、笑顔パターンを顔面に表示します。
別に感情があるわけじゃない。大昔に指示されただけの「賑やかな化石」でした。
二人の乗組員は、ロケットに、16歳の自分達をモデルの有機ロボットを残していました。
帰ってきた時、一番に、何をなすべきか。
それは何万年も前に、死を前にした二人によって設定されておりました。
「ああいうこと、こういうこと、したかったよなー!」
「うんっ(^^)」
二台のロボットは、プログラムされた台詞をしゃべりながら、遊園地に向かいます。
既に存在理由を失った哀愁そのものの遊園地は、それでも堂々たる風格でした。
観覧車に乗って冷えた地球を眺めながら、二台は遠い昔、自分達を造った者達の意図
を逆算したのでありました。
それは現在に至るまで、いまだ続いているのでありまふ。
*「なす」がなんとも・・・(汗)
次のお題は:「雨」「遊園地」「ペンギン」でお願いします。
一応名門と言われている美術学校を出て、その後師匠に付いたりもしてはみたものの……
この10数年間俺は何を描いてきたんだろう。
気が付いたらこうして遊園地の壁にペンキで絵を描いている。あ〜あ、ペンギンか。
結局、翔べなかった自分を描いているみたいだ。
もう、やめよう。
なんか全く別のことを始めよう。それがいい。
「ねえ、ママ見て。ペンギンさん」
「あら上手ねぇ」
「ボクも大きくなったら遊園地に絵描く人になりたいな」
よせよ。照れるじゃんか。
やば。雨が降ってきそうだ。
とりあえずこのペンギンを急いで描き終えて
人生考えるのは、その後にしよう。
750です。
次のお題書き忘れ失礼。
「フリーマーケット」「エンジンオイル」「粋」
にぎわう代々木公園。フリーマーケットだ。
洋服家具宝飾品玩具寝具車雑貨下敷と、ごった返す人、若者婆爺中年婆爺。
俺は目当てのデニム地のツナギを、
「あんちゃん、2002円。どう?」
「いやいや、そいたら、間とって2500.」
「って、俺の言ってる、2円の重みわかってくれんか?」
なんて、交渉して3000円を、どうにか負けろと騒いでいるそのとき。
「うあああああ。」
「わあああああああ。なにすんだこらあ」「ああああああ。なにしてんだてめええ」
と、同時に木霊するのを俺は聞いた。
はた、と振り返ると、そこにはエンジンオイルか、何かをびっしゃびっしゃと
踊り狂うかのごとき動きと、剣道の試合を彷彿とさせる悲鳴をあげながら、彼は
出展している店を選ぶことなくエンジンオイル缶に入った黄色い液体を
ふりまくのだった。
そこに、出てきた正義漢。一人二人。
怒声をあげつつ殴りかかる正義漢。三人4人。
入れ乱れ、品物はとび、オイルらしきは、飛び散り、うああああ、ぎゃああだの。
やかましいのである。
と、あんちゃんの持っている、俺の物になるはずのツナギ。オイルらしきで汚れが
ちらほら。
「なあ、やっぱ、2000円でしょう。」
「まさかあいつとグルか?粋じゃねえか」
後ろでは、相変わらず死闘格闘。茶は滅、苦は茶。阿鼻狂乱餓気地獄。
「2000円」
飛んできたティーシャツが肩にかかる。延々と響く絶叫、罵声。
日常の流れとは、本来、こういうものかもしれない。
「やるじゃねえか1500でいいわははは」
にっこり笑って振り返り、俺。一言。
「粋だねえ」
つぎ、
「腐敗」 「バリエーション」 「断髪」
おねがいします。
うわ!長い!気がつけばながい!
すみませんした。
お題は、
「断髪」「バリエーション」「腐敗」です。
でした。
754 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/28 05:01
>>750氏
本当に上手いな、ため息が出るよ。
他にも上手いやついるが、まとまり方と
無理のなさではちょっとズバ抜けている。
755 :
「断髪」「バリエーション」「腐敗」:01/10/28 05:40
「ちっ、床が腐敗していやがる。踏み抜いちまった。」
「まあな、50年も海底に沈んでいれば木も鉄も腐るよ。」
「しかし、この船って巡航艦ってやつだろ、旧日本軍の。
今さらこんな船調査して何になるんだ?」
「この船には、国運をかけた秘密兵器が積んであったそうだ。」
「それ、おれも聞いたぜ。空や水中にぶっ放すというなんとか砲
ってやつ、・・・とにかくバリエーションに富んだ攻撃が
できたんだろ。」
「らしいな、もしこの船が撃沈されずにミッドウェーの応援に
駆けつけていたら、歴史が変わっていた、と上層部は言っているがね。
真偽のほどはわからない。」
「それが本当だったら、あれだな。残念だったろうな、船員は。
おれよ、学生のころ、応援団長やっていたんだけど、
一度だけ40度の風邪ひいて大事な試合に応援行けなかったのよ。
それでその試合は負けちまったんだがな。そのことは今でも悔や
まれてね・・・えっと、あれだ、"断髪の思い"ってやつだ。」
「ばか、それを言うなら"断腸の思い"だろう。」
「そうだった、"団長の思い"だ!」
次のお題は、「いわし雲」「バイオリン」「犬」ということで。
756 :
いわし雲・バイオリン・犬:01/10/28 06:07
僕は愛犬のゲンゴロウ丸を連れて河川敷に散歩に来た。
空を見上げるといわし雲がぽっかり浮かんでいた。
あの時止めなければ・・・
僕の心中にはいまだにバイオリンの道を諦めた事がくぐもっている。
大学まで行ってバイオリンを学んだのは何のためだったのだろうか。
憧れはあるものの、後悔はしていないと自分に言い聞かす。
彼女と結婚するためにその道を捨てたのだ。
彼女は今、バイオリニストとして世界に認められる存在だ。
だから、僕は影で支えるものにならなければならない。
「うををーーーーーーー!」
僕は叫びながら天空を見つめた。
悔しい思いを捨てるためにゲンゴロウ丸とに走りだした。
くそっ。
僕の足は絡まるほど回転した。体中のエネルギーと一緒に憧れを捨てるために。
#お次は「空白」「白」「猫」
757 :
名無しさん@XEmacs:01/10/28 06:44
夜が白んでくる。
玄関の電気はついたまま、
猫が空白の一日を作るたびに、
家族の一人が寝ずの番をする、
20世紀では、どこの家にでもあるような話だった
# ミジカー
# お題「制限、使用後、スタミナ」
よし、きた!
60分間無制限1本勝負で女とセックスしたあと、使用後のコンドームを水洗いしてもう1回戦するスタミナがおれにはある!
どうだ!
では、次のお題。
「制限」「使用後」「スタミナ」
「すみませんが、20歳以上と証明できる物を提示願います」
またか。ここ最近、どうも童顔に見られて困る。
酒も煙草も買えないではないか。あれか?身分証明が無いってことでも20歳未満
であるという事になってしまうんだろうか。いっそ、顔で制限したらどうなんだ。
自分を証明できなければ、大人でななく、酒は買えませんとなるのか。
くそう。そんな事を考えてる場合ではない。ここで既に四件目。
あとは三丁目のコンビニを残すのみだ。果たして俺のスタミナは持つのか。
いや、持ってくれ。
とにかく、走るしかない。家には俺の帰りを待つ酔っ払いどもが。
頑張れ!俺!と、自分にエールを飛ばした時、コンビニの自動ドアに映った俺の顔。
げっそりと落ちて重みを帯びた目のふち、だらんとした頬。もう何か、やり尽くした
という顔をしている。俺はダイエット食品のモデルか。
使用前、使用後の、使用後か。
ビーンと開いた自動ドア。
俺、ふふと笑って。夜のしじまを抜けて。
お題「マスク」 「売上」 「コピー機」
760 :
「マスク」「売上」「コピー機」:01/10/29 00:04
映画「コンビニ同時多発テロ・マスク男に狙われたコピー機売上」の
興行成績は最低だった。30分でたてた企画だから当然かもしれないが。
そんな作品でも、自主上映したいという申し出があった。
ファンとは有難いものである。
「売上なんて、どうでもいいじゃありませんか。入場料払う時は、客は作品を
観てないんだから」と言ってくれる。涙がでるほど有難い。
コピー機で刷った入場券と、公民館の「視聴覚室(大)」での上映。
監督も、もちろん観客に紛れて参加した。
念のためマスクで正体を隠したのは、自信の無さの表れかもしれない。
初回が終わった。観客席は、なんと寿司詰め一杯だった。アナウンスが入る。
「さて皆様、観客席に、今、ここまで我々の期待を裏切ってくれた監督が・・・」
両側に陣取る、屈強の黒服男に気付いたのはその時だった。
ファンとは・・・恐ろしいものである。
※ホントにこんな映画がでたらこわいよー(笑)
次のお題は:「手」「塚」「虫」でお願いします。
761 :
「手」「塚」「虫」:01/10/29 00:59
「「ブラックジャック」というマンガを知っていますか?」
手にした本を脇にかかえて、いきなり男は話し掛けてきた。
塚墓の前でうづくまっていた私は、呆気にとられた。
治まらない気持ち・・・飼い犬のレオの死が、私から正気を奪っていたこともある。
虫の知らせか、本能的にこの男から胡散臭さを感じ取った。
「「ブラックジャック」というマンガを知っていますか?」
男は同じことを繰り返した。
「ブラックジャックというのは獣医の名前です。彼だったら、
君の死んだ犬も生き返らせることが出来ます。」
・・・やはり、こいつは嘘っぱち野郎だった。何もかもが。
#次のお題は、「ドーナッツ」「遊歩道」「赤いくつ」でお願いします。
テニスプレイヤーの「ドキッチ」が突然世に出た頃。
ヒンギス戦だ。NHKでは、ドーキック、たしかそのように紹介していた。
なんで、ドキッチとドーキックをまちがえるのか?
オーストラリアの発音ではドキッチなんだろうか?
だったら、ドーナッツはドナッチ?、なんかいたいモー娘ファン?
そんなこと考えながら、遊歩道でぶらぶらしつつ。
欄干の上のきちんと並んだ赤いくつには気づきもしないのだった。
↑全然ダメじゃん!
それより早く、次の3語は?
#スンマセン、
#お題「3語、だめじゃん、全然」
765 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/29 01:31
3語の標語をつくることになった。
交通事故で死ぬ子供や老人が増えたからである。
だが、さっぱり効果があがらず、かえって事故の犠牲者が増えた。
「全然、だめじゃん、これ!」
「スンマセンッす!」
会議室のテーブルに置かれていた標語の原本は、
『赤信号 クルマは急に 止まるかも』
766 :
『赤信号 クルマは急に 止まるかも』:01/10/29 06:00
「青信号 クルマは急に 走り出す」
会議室のテーブルに置かれていた標語の原本にはそうあった。
「あれ、この前と違うね。ダメということはいっしょだけど。」
「すみません、またダメですか。一応、直してみたのですが・・」
「って、この前の標語で事故増えたからって、対語を使えば減るものではないよ。」
「この標語に根拠がないわけではないのです。統計では、点滅状態から赤信号に
変わるとき急発進の車と接触するケースが目立つものですから。
そこに留意を呼びかければ、事故の増加が止まるかもしれません。」
「期待する。市民の安全と自分のくびを守りたまえ。」
#わたしは765とは別人です、念のため。
#次は、「明け方」「源氏物語」「レンガ」でお願いします。
デイヴは左手でピースサインを出しながら痛みに耐えた。
それでも右手で開いた角川ミニ文庫の源氏物語だけは目で必死に追っていた。
キウィはもう一度レンガの角で豆腐をかち割った。
世界は粘膜のように喜びにふるえる。
どういうわけか頭から血が出たが、もう明け方は近い。
コカコーラ ペニシリン タバコ
768 :
名無しさん@XEmacs:01/10/29 17:39
連合軍の支給したペニシリン入りの激マズなゼリーの落札が終り
本日のメイン
コカコーラの瓶が、競売にかけられた。
どう見ても、ノーマルボトル。
なんども、回収され、ロゴが刷りきれたただの国内瓶。
へビースモーカーの浮浪者にタバコの吸い殻入れに使われたり。
火炎瓶なんかにも使われたりした。(結局、われなかったが・・・)
この瓶、信じられないくらい固く、
これでドアノブをぶち壊したやつがいる。
フジツボなんかがついてもいるし、本当に国内の瓶かどうから怪しい
それ以上に海底からどうやって舞い戻ったのかも説明不能。
なんどか殺人にもちいられているらしく、
証拠品の倉庫からフイと消えては
死体のそばに仲よくころがっている。
で、ガタイの大きな男が、今しがた落札。
#お題「倉庫、草むら、踏み切り」
769 :
「倉庫、草むら、踏み切り」:01/10/29 18:23
廃線になった。
私はその線路に沿って歩く。
線路のすぐ脇はすごい草むら状態だ。
そこを通るのだからあっという間に草まみれになった。
生き生きと伸びる貧乏草の群れに混じって、
私はひたすらに歩いた。
ずっと昔、電車に揺られて通ったあのアトリエに行くのだ。
蒸し暑いあのアトリエ―アトリエと呼ぶのもくすぐったいぼろい倉庫。
あのひとに逢いに行くのだ。
そしてもう一度、私を描いて欲しいと頼むのだ。
私を確認するために。
お題「林檎、高校、白熊」
770 :
「林檎、高校、白熊」:01/10/30 00:58
今から数十年前、ここはアメリカのとある高校・・・。
「林檎なんて大嫌いさ。今までずっとそうだったし、これからもそうだろうよ。」
と言うとビルは手にもっていたリンゴを握り潰そうとした。
しかし、ひ弱な彼の腕は、主人の期待に応えられるほと屈強ではなかった。
「目の前に現われたら、必ず潰してやるんだ。白熊がペンギンの卵の殻を割るよう
にグッシャとね。」
窓に体をもたれさせ、(友人)に語るのだった。
「僕は将来、コンピュータのプログラマになる。君も一緒にやろう。」
窓の下からクラスメイトが声をかけて来た。
「おい、ゲイツ!また、(お友達)とおしゃべりか??」
どっと沸きあがる嘲笑。
ビルは唇をぎゅっとかみ締め、(友人)をかかえると、教室の奥へと入っていった。
クマは幸運の動物。だからテディベアは、ビル坊やの一番のお友達。
#粗末だなぁ・・・。失礼。
#次は、「窓」「汽車」「森」で・・・。
771 :
蒼薔薇のレェス:01/10/30 01:11
「窓」「汽車」「森」
がたたん、がたたん、と単調に揺れながら汽車は周りの景色を走らせていた。
窓から見える景色は一時間前と変わりはしない。
このまま森の中を突っ切って、そのうち空を走れば楽しいのに。
そうして星々の間を汽車が走るのだ。銀河鉄道みたいで素敵じゃないだろうか?
一人で窓枠に肘を突いてそう考えながら、彼はクスリと笑みを零す。
彼が降りる予定の駅にはあと三十分ほどで着くはずだった。
あーん、お目汚し失礼いたしました。
次は「木枯らし」「膝掛け」「うたた寝」で。
772 :
「木枯らし」「膝掛け」「うたた寝」:01/10/30 02:29
老人が眼を覚ましたとき、膝掛けが椅子の下に落ちていた。
「やれやれ、寝てしまったのか。いつまで待てば良いのやら・・・」
と言って膝掛けを拾おうとした時、小屋の扉が開いた。
そこには、一人の若い女性が立っていた。
「マルセル、ただいま。ずっと待っていてくれたのね・・・」
「ジョ、ジョセフィン、お前なんだね。ずっと待っていたよ。こんなに歳をとってしまったよ。」
老人は、立ち上がり女性に歩み寄ると、彼女の肩に手をまわそうとした。
女性は微笑んだ後、すっと消えてしまった。
老人はうたた寝から目覚めた。
窓の外をみると、木枯らしが舞っている。
老人はため息を一つつくと、暖炉に薪を放り込んだ。
次のお題は、「少年」「イルカ」「星」でお願いします。
「イルカは高度な“知性”を持ちながら、自然と完全に調和して生きている。その生き方から学ぶことに依って私達も、自然と調和する道を知ることができる。」
ジャック・マイヨールの言葉に憧れた少年は少しばかり歳を取り、
生まれたままの姿でカリブ海に飛び込んだ。
もっと深く。
もっと自由に。
もっと楽しく。
今度は薄暗くなるところまで潜ってみよう。
煩わしい心配事は全部脱ぎ捨てた。
今度こそ!
そんな僕をプランクトンの星たちが祝福してくれるはずだ。
次のお題書き忘れ失礼。
「ピクルス」「スマイル」「平日」
775 :
平和を我らに / ジョンレノン:01/10/30 04:00
ニューヨークの平日はいつものように人でごったがえしてる。
特にこの地域は最悪だ。私達はもう懐かしいあの日々を忘れてしまったかのようだ。
世界がネットで繋がれて新しい時代が来るのだと少しは期待していた奴らもいたっけ。
何も変わらない。悪夢のようなベトナムから、どれくらい時間が経ったろうか。
最近では目に見える戦争は起こらなくなった。
グローバル経済が未来の人類に戦争をしかけているのだ、と友人が言っていた。
ドラッグの規制も厳しくなった。私はレフトオーバー(残り物)と呼ばれている。
スマイルマークでサイケデリックなあの頃が今でも忘れられない。
酒と女とダンスに明け暮れていた懐かしい日々。
要領のいい奴らはヒッピーからヤッピーへと姿を変え、すっかり資本主義の権化と化した。
ヒッピーはすっかりファッションになった。
子供達はアップルコンピューターをヒップだって言う。
僕はといえば、しがないトラックドライバー。「調子はどうだい?」「悪くないね」
ピクルスをファーストフードチェーンに配送して回っている。気楽な仕事さ。
今日も天気がいい。私もすっかり歳をくっちまったよ。
ジョンのギブピースアチャンスを少し伸びたカセットテープで聴きながら空を見上げた。
しかしニューヨークの渋滞は最悪だ。このテープも、古くなったな。
ワールドトレードセンタービルが見えてきた。目的地まであと5分ってところか。
しかし、このテープは伸びきってるよ、そうさ、私は退屈な毎日に飽き飽きしてる。
大惨事でも起きればいいんだ。
776 :
次回のお題:01/10/30 04:04
マクドナルド トイレットペーパー 雪
777 :
マクドナルド・トイレットペーパー・雪:01/10/30 18:29
昨日、マクドナルドで昼飯食ったわけよ。
入ったら、そこのバイトの女の子がめちゃくちゃ可愛い子で。
肌は雪のように白くて、笑顔が可愛らしくて。
芸能人なんかよりよっぽど良かった。
神々しかったよ。天子がいるって感じたね。
そしたら、おいら年甲斐もなく緊張しちゃったわけよ。
それまで、こんなかわいい子としゃべった事なかったからさ。
顔真っ赤になって、手なんか震えが来て、舌も回らなくてさ。
やべ、どうしよう、って途惑った。
ようやく注文して、席についたら泣けてきちゃって。
そんな事で緊張している自分が悲しくて、切なくて。
頬を伝って涙がつー、と一筋の道を作ったのよ。
恥ずかしかったから、急いでトイレに向かった。
個室の中に入ったら嗚咽し出したよ。
堰がきれた様にドバドバ泣いて、もう号泣。
トイレットペーパーで顔拭いたら、それが顔中にくっついちゃって、又、号泣。
強くならなくちゃな、俺、って思う日だった。
#次のお題は「星」「高校生」「セーター」でいきましょい。
ある女子高生が網掛けのセーターを膝に寝込んでいる。
親になんて言うつもりなのか、星が輝き、車も跡絶えた。
寝姿が可愛かったので膝でもだいて暖めてやるかな、
とは思ったものの、浮気相手の家の前まできて・・・
この女、全くなに考えてんだよ!。
などと・・・男
#相変わらず短い、777とられて、とほほ・・・
#お題、「光明、教条、出版物」
#編みかけに訂正・・・
#さらに訂正、女子高生 -> 女子高校生、(スマン、出題者)
781 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/30 23:08
そんな細かい訂正はどうでもいいよ、わかってるから。
もっと根本的に問題がある。日本語になっていないよ。
782 :
「光明、教条、出版物」:01/10/31 02:30
エコロジーという言葉は、現代人にはともすれば強迫観念であり「教条」ですらある。
確かにこの言葉が市民権を得たことにより、人々は環境問題に関心を寄せ、市民レベル
での活動につながった。
しかし、それに便乗した出版社は、「バイブル」として環境問題の出版物を大量に
送り込んだのだ。結果、そのほとんどの本は売れないで廃棄処分となり、新たなゴミ
問題を生み出すことになった。
この状態を打開する一つの提案として、資源を消費せずゴミも流出させず、多くの人間に
情報を流せるインターネットの利用を挙げられる。
例えば2チャンネルのような新たな大衆メディアが、環境問題に光明を与える媒体と
ならないだろうか。
#では、「砂漠化」「海面」「モデル」でお願いします。
783 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/31 03:05
彼女とレストランに入り、注文を済ませると、
いつものように彼女から一方的に話し掛けてきた。
彼女は最近始めたモデルの仕事が面白いらしく、
最近の話題はもっぱら仕事の話で、今日も多分に漏れず仕事の話だった。
彼女は三日前、仕事のため海へ行ったときキラキラ光る海面を見ながら、
もし温暖化のせいで地球の地表全てが砂漠化したとき、
内陸に何百キロ歩いても砂浜と呼べるのではないのかと思ったそうだ。
彼女はこの話をまるで新しい発見でもしたかのように、得意そうに話した。
私は苦笑しながらこの話を聞いた。
#次のお題、「爆弾」「工事」「山」
囚人たちがストを起こした。ある地方でのことだ。
政府が強いた秘密厳守だろうか。
出所したばかりの健康な人間がバタバタと死ぬ。
ある手紙からそのうわさは広まり、暴動が発生した。
行政大管区から憲兵をひきつれた一隊がやってきたが。
当然のように、だれも山に踏み込もうとは思わない。
政府が原子爆弾を持つために・・・彼らはウランを採掘をしていた。
工場であれ、工事現場であれ、、彼らは一人づつに分かれ作業し
孤独に穴を掘る。あまりに非効率なのだが。
刑罰上ノ理由によって決められたことでもある。
謎の死はてっきりエメラルドか何かだと思ってくすね、
大事に身につけていた結果だった。
# ・・・(苦笑中)
# お題「ばなな、まぐま、謎歌」
785 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/31 15:04
「チーズくさい?」
…ほらね、やっぱりまた聞いた。ピザやさんでバイトをしている年下のカレ。
カレと付き合うようになって1ヶ月がたとうとしている。季節が秋から冬に移
ろい始めているというのに、あたしたちの恋は、まるでまぐまだ。「マグマ」
じゃなくって「まぐま」。
なんかひらがなのほうがしっくりくる。やわらかい、曲線を描いた、地下の奥
深く眠る激しい感情。
その感情の波をあたしは持て余していた。もうすぐ26歳になるというのに、い
くつも恋をしてきたのに、もしかしたらあたしは、生まれてはじめて他人を好き
になっているのかもしれない、そんな思いが溢れ出しては押し寄せる。けれども
あたしはハタチじゃなくて、ジュウハチでもなくて。大人の振りして鍵をかけるのだ。
「5つも年下の男の子相手に、本気になってどうするの?もうすぐアナタは30になっ
て、いつかきっと、泣くのよ。」
もてあまし気味の気持ちを沈めるために、真っ白いノートに短歌を認める。
「ピザ−ラの バイクを見つけ 胸が鳴る そんな自分に 戸惑うばかり」
「食う?」
今日の差し入れはデザートピザ。チーズの乗っていない生地に、ばななやくりーむがトッピングされていて、パイみたい。ひとくち齧る。甘い。素直に甘味があたしに広がっていく。そうか、あたし、お腹がすいていたんだ。
空腹を、カレが満たす。からっぽな、意地っ張りなあたしを、カレが満たしてくれる。
継歌を。カレの見ている目の前であたしはノートに書き足した。
----------
お題は「こたつ」「波」「コードレス」で、おねがいします。
786 :
名無し物書き@推敲中?:01/10/31 17:42
妹がまたバカな買い物をしてきた。
「どう? このコードレスこたつ。なかなかいい買い物だと思わない?」
と、得意顔で話しながら、コードレスこたつの入っている箱をポンポンと叩いた。
妹はさっそく、私にコードレスこたつを組み立てさせ、自分は仁王立ちのまま、
指示を出していただけだった。
こたつが組み立て終わると、妹は私をこたつに押し込め、
「さあ、これが人類が英知と努力によって作り出したコードレスこたつよ」
そう慇懃に言うとリモコンのスイッチを押した。
だが電源がついたのはこたつではなく、テレビだった。
妹も私もこれは不良品であるという確信を一瞬にして持ったが、
妹はそれでもリモコンのスイッチを押した、すると今度はエアコンがついた。
「こいつはすごいな。もしかしたら空に向かってリモコンのスイッチを押したら
衛星が落ちてくるかもよ」
と言いながら、妹からリモコンを奪い空に向かってリモコンのスイッチを押した。
「うるさいわね! ただ単に周波数がおかしいとかいう初期不良でしょ!」
妹は露骨に厭な顔をしながらそう言うと、私からリモコンを奪い、
こたつの説明書に書かれている会社の電話番号を見ながら、
電話に向かって歩いていった。
私は苦笑しながら妹を見送った後、
どうすれば妹のバカな買い物癖を治せるだろうかを考えながらベランダに出た。
ふと空を見上げると、昼間なのにもかかわらず、流れ星が見えた。
#お題は「みかん」「流れ星」「冬山」でおねげします
787 :
名無し物書き@推敲中?: