1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
名文だと思う文章をコピペするスレッドです。
作家名「本のタイトル」
[内容]
[感想]
というようなフォーマットでお願いします。
*ジャンルは問いませんが、創作の参考となるような文章を
*余り長く引用すると著作権にひっかかる恐れがあります。
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Ψ (∀・ ) それでは行ってみよう!
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2 :
(゚д゚):2001/06/11(月) 22:08
立原道造「優しき歌よりU 夢みたものは・・・・」
夢みたものは ひとつの幸福
ねがつたものは ひとつの愛
山なみのあちらにも しづかな村がある
明るい日曜日の 青い空がある
-中略-
夢みたものは ひとつの愛
ねがつたものは ひとつの幸福
それらはすべてここに ある と
*遠藤周作の小説に引用されていて、本の内容よりもこの
*詩に強烈な印象を受けた。
いいスレッドだね。よく志賀直哉の文章を丸写しすると文章力がつくと言うしね。
「不貞」
突然、風のうなりがはっきり聞え、バスをとりまく砂粒の靄が一段と
濃くなった。窓ガラスには、目に見えぬ手が投げつけるように、幾つ
かみも砂がぶつかってきた。蝿は寒そうな翼を動かし、足をかがめ
て、飛びたった。バスは速度を落した。今にも止るかと見えた。しば
らくして、風は静まったようで、霧も少しく晴れ、車は速力をとり戻し
た。埃だらけの風景の中に、幾つかの光の穴があいた。ひょろ長く、
白っぽい棕櫚の樹が二、三本、まるで金属を切り抜いたかと見える
のが、窓ガラスに現れては、一瞬の後に消え去った。
#「不貞」は描写がすごい。
5 :
夏目漱石:2001/06/12(火) 09:39
「初秋の一日」の冒頭
汽車の窓から怪しい空を覗いていると降り出して来た。
それが細かい糠雨(ぬかあめ)なので、雨としてよりは
むしろ草木を濡らす淋しい色として自分の眼に映った。
三人はこの頃の天気を恐れてみんな護謨合羽(ゴム
がっぱ)を用意していた。けれどもそれがいざ役に立
つとなるとけっして嬉しい顔はしなかった。彼らはそ
の日の佗びしさから推して、二日後に来る暗い夜の景
色を想像したのである。
「十三日に降ったら大変だなあ」とOが独言のように云った。
#雨=草木を濡らす寂しい色という着眼点が秀逸。
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 10:49
良スレage。
同上。
その瞬間、僕はパソコンのディスプレイの前で自分の目を疑った。
「レスが……ついてる」
僕には初めての経験だ。それも一つや二つではない。400を越えるレスだ。
レスが400を越えたスレを立てた者は、裏2chへと招待される。そこではひろゆきとモナーがエルフ娘を相手に酒池肉林を楽しんでいる。
一時2ch全体で話題になった噂だ。
もちろん僕はこの噂を信じていたわけではない。だが、この噂を耳にした時から、僕は毎日スレを立て続けた。
全くレスがつかなかった時もある。自分でレスをつけ100まで持っていってから、自作自演では駄目だと聞いて夜通し泣いたこともある。
「でも、まさか……。ホントに400もレスがつくなんて」
噂を信じていたわけではない。そう、あんな噂嘘に決まっている。だが、もしかしたら……。
正直に言って、僕はエルフ娘が大好きだ。中学生の頃、ロードス島戦記を読んだ事が全ての発端だった気がする。
もし本当に裏2chへと招待されたら……。そんな淡い期待が僕の頭の中を犯し始めていた。
その時、僕の頭の中でギコネコが言った。
「今すぐディスプレイに頭突っ込めゴルァ! こっちの世界に来いやゴルァ!」
「本当……だったんだ」
もう迷うことはない。僕は21インチのディスプレイに頭から突っ込んだ。
暖かい光が僕を包む。体が浮遊する感覚。だが、それで終わりだった。
それ以上は何も進まず、一向に裏2chに辿り着く気配が無い。
「まさか……」
僕は自分のお腹をみた。恐れていたとおりの光景が、そこにはあった。
そう、僕のお腹がディスプレイに引っかかって、これ以上進まないのだ。
21インチのディスプレイ。肩幅の狭い僕は楽に通り抜ける事ができると思っていた。
だが、長年の引きこもり生活で僕のお腹はすっかり出てしまっていたのだ。
「ああ……エルフ娘……」
お腹がつかえて、進むことも戻ることもできなくなった僕は、遠のく意識の中、ディードのエロ同人を思いだしていた。
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 15:42
age
10 :
梶井基次郎:2001/06/12(火) 16:25
私はもう往来を軽やかな昂奮に弾んで、一種誇らかな気持さえ感じながら、美的装束をして街を濶歩した詩人のことなど思い浮かべては歩いていた。
汚れた手拭の上へ載せてみたりマントの上へあてがってみたりして色の反映を量ったり、またこんなことを思ったり、 ――つまりはこの重さなんだな。――
その重さこそ常づね尋ねあぐんでいたもので、疑いもなくこの重さはすべての善いものすべての美しいものを重量に換算して来た重さであるとか、思
いあがった諧謔心(かいぎゃくしん)からそんな馬鹿げたことを考えてみたり――なにがさて私は幸福だったのだ。
#「檸檬」より。――つまりはこの重さなんだな。――の所がすごく好き。
改行きちんとしようよ
12 :
宮本輝:2001/06/12(火) 20:39
葉の繁った大木の下で少年がひとり眠っていた。
少年は麦わら帽子を顔に乗せ、両手を腹の所に
置いて眠り込んでいるのである。大木の傍に自
転車が止めてあり、初夏の昼下がりらしい陽光
がまわりを照らしている。さやかに風が吹いて
いるのか、葉という葉がかすかに右から左へ
となびいている。それだけの絵だった。絵の下に
小さな紙が張られてあり、そこに絵の題と作者名
が記されていた。
「星々の悲しみ」より
*ふっと絵の描写から地の文に戻る所が上手いなと思った。
*関係ないけど宮本輝はこの話が一番好きです。
13 :
良スレ認定委員会:2001/06/13(水) 00:32
良スレのため、ageさせて頂きます。
14 :
芥川竜之介「夢」:2001/06/13(水) 16:40
わたしはこの部屋のまん中に立ち、片手に彼女を絞め殺そうとしていた。
(しかもその夢であることははっきりわたし自身にもわかっていた。)
彼女はやや顔を仰向け、やはり何の表情もなしにだんだん目をつぶって
行った。同時にまた彼女の乳房はまるまると綺麗にふくらんで行った。
それはかすかに静脈を浮かせた、薄光りのしている乳房だった。
わたしは彼女を絞め殺すことに何のこだわりも感じなかった。いや、むし
ろ当然のことを仕遂げる快さに近いものを感じていた。彼女はとうとう目
をつぶったまま、いかにも静かに死んだらしかった。
――こう云う夢から醒めたわたしは顔を洗って来た後、濃い茶を二三杯飲
み干したりした。けれどもわたしの心もちは一層憂鬱になるばかりだった。
ーエロティック。
15 :
若山牧水「なまけ者と雨」:2001/06/14(木) 00:13
降るか照るか、私は曇日を最も嫌ふ。どんよりと曇つて居られると、
頭は重く、手足はだるく眼すらはつきりとあけてゐられない様な欝
陶しさを感じがちだ。無論為事は手につかず、さればと云つてなま
けてゐるにも息苦しい。
それが静かに四辺いを濡らして降り出して来た雨を見ると、漸く
手足もそれぞれの場所に帰つた様に身がしまつて来る。
机に向ふもいゝし、寝ころんで新聞を繰りひろげるもよい。何にせ
よ、安心して事に当られる。
*歌人の随筆文。小説の出だしみたいで好き。
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| _||||||||| / < チキータSEX!
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レ::::::::::::::::::|/::: ̄`ー‐---‐′ └
チキータSEX(chiquitat sex)とは: .┏━┓
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男せい器が飛び出るSEXのことを ┃┗┓┏━┓\ / .■
チキータSEXと呼ぶ! .┗┓┃┃●┃ \/ ■
あまりにもきけんな為に ┏┛┃┃┗┓ /\
ローマ教皇庁から一千年に渡って ┗━┛┗━┛/ \ ●
禁止されたSEX、それがチキータSEXだ!
(黄燐書房刊『これが世界のSEXだ』より) starring:ICHIROH nagai
そしてそのチキータSEXが、 as NAMIE-XEY
今一千年の眠りから目ざめようとしている!!! (水野晴郎)
18 :
夢野久作:2001/06/14(木) 11:16
「書けない探偵小説」
素晴らしい探偵小説が書きたい。
ピカピカ光る太陽の下を傲華(ごうか)な流線スターがスウーと横切る。
その中に色眼鏡をかけて済まし返っているスゴイような丸髷美人の横
顔が、ハッキリと網膜に焼付いたまま遠ざかる。アトからガソリンの臭
いと、たまらない屍臭とがゴッチャになってムウとするほど鼻を撲つ。
……ハテナ……今のは、お化粧をした死骸じゃなかったか知らん……。
と思うトタンに胸がドキンドキンとする。背中一面にゾーッと冷たくなる。
ソンナ探偵小説が書きたい。
美人を絞殺して空屋の天井に吊しておく。
その空屋の借手がないために、屍体がいつまでもいつまでも
発見されないでいる。
タマラなくなった犯人が、素人探偵を装って屍体を発見する。
警察に報告して、驚くべき明察を以て自分の犯行の経路を発く。
結局、何月何日の何時何分頃、何ホテルの第何号室に投宿す
る何某という男が真犯人だと警官に予告し、自分自身がその名
前で、その時刻に、その室に泊る。その一室で警官に猛烈な抵
抗を試みた揚句、致命傷を受けて倒れる。万歳を三唱して死ぬ。
ソンナ探偵小説が書きたい。
〜中略〜
何かと書いて来るうちに、お約束の六枚になった。ところで読返して
みると、これが即ち探偵小説と申上げ得るものはタダの一つもない。
みんな大人のお伽話みたいな心理描写ばっかりである。
……ハテナ……。
俺は一体、何を書きたがっているのだろう。
#こんな風に思い付いたネタを羅列できるくらいネタが欲しい。
19 :
太宰治「作家の手帳」:2001/06/14(木) 22:01
けれども、昨日の午後、片方の奥さんが、ひとりで井戸端でお洗濯を
していて、おんなじ歌を何べんも何べんも繰り返して唄うのである。
ワタシノ母サン、ヤサシイ母サン。
ワタシノ母サン、ヤサシイ母サン。
やたらに続けて唄うのである。私は奇妙に思った。まるで、自画自讃
ではないか。この奥さんには三人の子供があるのだ。その三人の子供
に慕われているわが身の仕合せを思って唄っているのか。或いはまた、
この奥さんの故郷の御老母を思い出して。まさか、そんな事もあるまい。
しばらく私は、その繰り返し唄う声に耳を傾けて、そうして、わかった。
あの奥さんは、なにも思ってやしないのだ。謂(い)わば、ただ唄ってい
るのだ。夏のお洗濯は、女の仕事のうちで、一ばん楽しいものだそう
である。あの歌には、意味が無いのだ。ただ無心にお洗濯をたのしん
でいるのだ。大戦争のまっさいちゅうなのに。
アメリカの女たちは、決してこんなに美しくのんきにしてはいないと
思う。そろそろ、ぶつぶつ不平を言い出していると思う。鼠を見てさえ
気絶の真似をする気障な女たちだ。女が、戦争の勝敗の鍵を握って
いる、というのは言い過ぎであろうか。私は戦争の将来に就いて楽観
している。
#なんかE。
20 :
ウンベルト・エーコ:2001/06/15(金) 10:31
書物というのは、信じるためにではなく、検討されるべき対象として、
つねに書かれるのだ。一巻の書物を前にして、それが何を言ってい
るのかではなく、何を言わんとしているのかを、わたしたちは問題に
しなければならない。
# 「薔薇の名前」より。
# 自戒をこめて。
リチャード・P・エバンス「天使がくれた時計」より
アンドリアの成長があまりに早いので、時間が異常に早く
進んでいるのではないかと思うことがある。ときには手を
伸ばして時間を止めたいと思うことさえあるほどだ――し
かしこれはまちがっている。音の流れを止めたら歌が台
無しになる。
喜びをつかんでも、今度はそれが逃げていくのを恐れる
だけとは、これが人生というものなのか?幸せには、それ
を失う危険が代償としてついてくる。
*深い。こういう心に残る文章が書きたい。
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/16(土) 21:45
良スレのためageさせて頂きます。
今ageると叩かれそうだな、こりゃ。
「プッシュ」
作者にはメッセージがあって、読者の仕事は、そのメッセージを
できるだけ細かく読みほどくこと。腕のいい読者は探偵みたいな
もので、本文の中からいろんな手がかりを見つけ出す。腕のいい
読者って、あなたみたいな人よ、プレシャス。情熱のある人!読ん
でいる本に情熱をそそぎこむの。数字のことや空白を埋めること
なんか忘れて、ただ読んで書きなさい!
-中略-
ミズ・レイン、必ず韻を踏まなくてもいいのよって言う。ことばを
雨や雪のつぶみたいに、自由にふらせればいいの。雪の結晶
には、ふたつとして同じものがないってこと、知ってた?
-中略-
ふたつとして同じ一日はない。一日がたくさん固まって一年に
なり、一年がたくさんかたまって一生になる。
#美しい文章。
25 :
伊藤左千男「奈々子」:2001/06/18(月) 11:56
自分は、たえられなくなって、覆いの着物をのけ、再びわが子の胸に
耳をひっつけて心臓音を聞いてみた。
何ほど念を入れて聞いても、絶対の静かさは、とうてい永久の眠りで
ある。再び動くということなき永久の静かさは、実に冷酷のきわみである。
永久なる眠りも冷酷なる静かさも、なおこのままわが目にとどめ置くこ
とができるならば、千重(ちえ)の嘆きに幾分の慰藉(いしゃ)はあるわけ
なれど、残酷にして浅薄な人間は、それらの希望に何の工夫を費さない。
#「野菊の墓」の作者。上手いというより心に残る文章。
良スレじゃのう
「腕のいい読者は探偵みたいなもの」なるほど
でもこのスレ、2次創作より問題あるんじゃない。
引用の域を越えて著作権違反だと思うけど。
28 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 22:43
うんちうんちうんち
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30 :
しゃら:2001/06/18(月) 23:12
>>27 みんな著作権法違反なのはわかっててやってると
思いますよ。
引用の域を越えるどころか無断複製そのままだし。
31 :
小林秀雄「女とポンキン」:2001/06/19(火) 00:46
その時、私の背後で、ポンキンがゴソゴソと音をさした。突然、女は、
「ポンキン、いけません!」と癇高い声を出した。見ると、キョトンとしたポンキンの前を、
二尺ばかりのやまかがしが、音も無く動いていた。
ポンキンは、それに何か仕様としたものらしい。女主人と狸とは、互いに睨み合った。私
は、この瞬間、女の涙に光った、蒼白い、一所懸命な顔を、本当に美しいと思った。
:素敵なポンキン。
32 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/19(火) 01:09
>>30 文学的批評を加えれば引用になるのだろうか。
それは一言で可能だろうか。できたらすごい。
>>27 これを問題にする作家や出版社はいないよ。
意図する処は明確で、作家の利益も損なわれないし。
まぁ抜き出された文章を読んで、本屋に走る人が一人でも
出ればよきかな、なんて思ってミタリ・・。>>著作権
「メランコリア」
私のバスは運河に平行する道を走っている
道と運河の間には二階建て三階建ての建物がならび
路上を老人達が悠然と歩いている
道端に座り込んでオレンジを売る商人
プリント地のパジャマ服を着た子どもたち
-中略-
バスの中の私は知っている
アンナがあの船に乗っていることを
船がどこにも寄航せずにまっすぐインドに向かうことを
従って、私には船に乗る方法がないことを
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 01:41
川に落ちて、頭からずぶ濡れになっているキャリー。
超能力で建築物を破壊し、人を殺す事の出来る彼女が今は、
仰向けになる事も出来ずに虫のように惨めに手足を動かしている。
(スティーブン・キング『キャリー』)
この小説は、彼女が超絶的な力を使い果たした所から
本当の物語が始まる。
そして、その物語はこの世の何よりも『優しい』。
Addicted To You の歌詞
(音楽著作権協会は特に怖いので引用しません)
私は彼女の詞の才能に嫉妬してます。
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 03:31
君となら、してみてもいいよ♪
天才の仕事ですね。
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 17:20
age
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 18:40
>>27-30
発表から50年以上経ってるものなら著作権が消滅してるから全文掲載しても大丈夫。
>>39 著作権消滅は作者の死後50年じゃなかったっけ。
41 :
池澤夏樹:2001/06/22(金) 01:25
雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、ぼくを乗せた
この世界の方が上へ上へと昇っているのだ。静かに、滑らかに、
着実に、世界は上昇を続けていた。ぼくはその世界の真中に
置かれた岩に坐っていた。岩が昇り、海の全部が、膨大(?)
な量の水のすべてが、波一つ立てずに昇り、それを見る僕が
昇っている。雪はその限りない上昇の指標でしかなかった。
「スティル・ライフ」
解説に書いてあった文章。私的には何とも思わなかったんだ
けど、こういう発想の転換は、小説を書く上では大事だな、と
思った(゚д゚)
社会っていうのは、つまりたくさんの梯子なんだ。高いのや
低いのや、細いのや幅が広いの、それにしなやかでよく揺
れるのとか剛直でまったく揺れないの、いろいろな梯子が
林立している。われわれはそれに登るわけだ。普通の人は
一つの梯子に登りはじめると、それをなるべく高くまで登ろう
とする。でも、登り始める時には頂上は見えないから、高い
と思ってもそうでないことがある。行きどまりになると、また
下まで降りて別の梯子を探さなくてはならない。
「梯子の森と滑空する兄」より。
#何だか切ないなぁ、、と、、
44 :
?:2001/06/25(月) 05:23
奥様の名前はサマンサ
そして、旦那様の名前はダーリン
ごく普通の2人は
ごく普通の恋をし
ごく普通の結婚をしました
でも、ただひとつ違っていたのは…
奥様は魔女だったのです。
まずは、リズミカル。そして、キャッチー。
掴みの文句として、是非見習いたい文章ですね。
っていうか、こんなのもありですか?
ありです
同じく。キャッチは短いゆえに印象が強い。
くうねるあそぶ。 糸井さんの車のキャッチ。
47 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/25(月) 14:54
B級グルメ板で見つけたキャッチ
胃袋の共感は 魂を運びます。
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/25(月) 14:55
スマソ間違えた。
胃袋の共感は魂を結びます
キャッチだと「うまい文章」とは違う気がするなあ。
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/25(月) 22:49
「あついな〜」
知的エリート学生が集う文京区の一角にある
5流私大、拓殖大学に通う3年生、英一は大学を後にした。
通学路は山手線でそこから新宿へ向かう・・・。
自宅は小田急線沿線の梅ヶ丘駅である。
英一はあまりの暑さに新宿でぶらり途中下車。
とりあえずアイスコーヒーで喉を潤わそうと喫茶店を探した。
今流行りの「スタバ」にはあまりに場違いな気がした英一は
迷わず「ドトールコーヒー」に足が向いた。
「アイスコーヒーのL」と注文するとあどけない顔をした
お姉さんが80円のおつりを手渡してきた。
「あ〜、こんな子がうちの大学にいて俺の彼女ならな〜」
などと淡い妄想を抱きつつ
「友達に紹介する時は『俺のモーニング娘』って紹介しよう」なんて
英一の妄想はアイスコーヒーの氷を急激に溶かした・・・。
新宿の街を歩いているとヨドバシカメラが目に入った
「携帯電話でも見てくか・・・。」とふと思った英一
「N503、いいな〜29500円・・・。」ユニクロで買ったチノパン
のポケットに突っ込んでおいたPHSを握り締めて2Fのパソコン
コーナーへ向かった・・・。
「ノートパソコンもいいよな・・・。」とふとVAIOが目に飛び込んだ
「でもな〜2chしかやらないしな〜」英一はPLINCOのCD−R
(10枚398円)を以前、親父に頼まれて買った電子レンジのポイントで
支払うと店を後にした・・・。
駅のホームに向かうといつもどおり人がごった返していた・・・。
今日も席取合戦のスタンバイでサラリーマンが急行のドアが開くのを
待っている・・・。
「あいつらそんなに座りたいのかよ・・・。何処住んでんだ?
石巻温泉辺りか?愛甲石田か?新松田かも・・・。」なんて
世田谷区民である英一は熱さのせいもあり
見下した目でそのまま各駅停車のホームへ降りていった
「各駅停車向ヶ丘遊園」行きの電車が発車寸前であった。
英一はそそくさと乗り込むと棚の上に捨ててあった
「週刊少年ジャンプ」が目に入った、
「超〜、ほしい〜」英一は棚に手を伸ばしたくて仕方なかった・・・。
しかし、下北沢に着くや頭の悪そうな高校生が2人乗ってきた
池ノ上の駒場学園の高校生である。
「おっ!ジャンプあるぜ」その高い方の高校生に感づかれてしまった・・・。
英一は「くそ〜、梅ヶ丘に着いたら採ろうと思ったのによ〜」
「駒場鹿の野郎ムカツクぜ〜」
英一はめざましテレビの占いが11位だったのを思い出し正当化したのであった。
梅ヶ丘の駅に着くと商店街の一角にある「セブンーイレブン」に入った。
英一はこち亀を立ち読みして「雪印コーヒー牛乳」を1本買って自宅に着いた
部屋に着くなりSOTECから昔出た「Imac」のパチ物に電源を入れた
お気に入りをみると「カウパー君の大冒険」が目に入った・・・。
そういや閉鎖したな・・・。
英一はカウパー君をお気に入りから削除すると
「2chBBS」にアクセスした・・・。
固有名詞多用すれば文章がキャッチ―になるというのは
単純な発想だろ?
要はその人の感性でないかい?文章がキャッチ―かどうかというのは。
「秋」
信子はふと眼を挙げた。その時セルロイドの窓の中には、ごみご
みした町を歩いて来る、杖を抱へた従兄の姿が見えた。彼女の
心は動揺した。俥を止めようか。それともこの儘行き違はうか。
彼女は動悸を抑へながら、暫くは唯幌の下に、空しい逡巡を
重ねてゐた。が、俊吉と彼女との距離は、見る見る内に近く
なつて来た。彼は薄日の光を浴びて、水溜りの多い往来にゆ
つくりと靴を運んでゐた。
「俊さん。」
――さう云ふ声が一瞬間、信子の唇から洩れようとした。
実際俊吉はその時もう、彼女の俥のすぐ側に、見慣れた
姿を現してゐた。が、彼女は又ためらつた。その暇に何
も知らない彼は、とうとうこの幌俥とすれ違つた。薄濁つ
た空、疎(まば)らな屋並、高い木々の黄ばんだ梢、
――後には不相変(あひかはらず)人通りの少い場末
の町があるばかりであつた。
「秋――」
信子はうすら寒い幌の下に、全身で寂しさを感じながら
、しみじみかう思はずにゐられなかつた。
#よくありがちな小説の終わらせ方の見本として。
『ここまでおいで』のサビ
悲しいのが好きな程
人に囲まれてないから
ゴキゲンな奴が好き!
どうにもならないから
どうにかやれそうだぜ
ゴキゲンな奴が好き!
気楽に気長に愉快にやろうぜ!
ゴキゲンな奴(・∀・)ワル! チョウカコイイ!!
皮肉にもお前は氏んでしまった……
123123123123123123123123123123123123123123123123123123123123
何の数字かわかるか?
お前のキーボードを叩いた数字だ。
何度もカウントされていった。
1、お前のキーボードを叩く数がテレビに公開されていてな?
みんなで見守っていた……。
必死に叩いている音と累計だけを放送する番組。
ガタガタガタガタお前はいつまでも叩いていた。
みんなはその数字だけ見守っていた。
「なんて凄い早さだろう。どんどんキーボードを叩いた数が増えていくよ。母さん、この人一秒に10回は叩いてるよ。」
「黙って見てなさい!あんたはねぇ、この人ぐらいになってもらわないと困るのよ!」
「えー、そんなの無理に決まってるだろぉ、こんな人いるわけないよ〜〜。」
「ええ、そうね別にこの人になれって言ってるんじゃないわ、近づけ。」
って会話もあった。
それからお前は、この数字の一歩手前で氏んでしまった。
永眠だったな。
ゴメン、俺や全国のみんなは気付いてやれなかった……。
お前の叩くキーボードの数だけに身を取られて、お前の健康状態に関して考えることがなかった……。
そしてお前はこの数字後1押しというところで……。
ぐぅ、無念だ。でも、君は凄いよ。もう、君に関して何も言わないよ。
あれから、押してあげた。僕が最後の1押しを……。
偉大でした。敢闘賞をあげます。市民栄誉賞も。でも、総理大臣賞は柳沢に取られちゃったね。
国民栄誉賞は、西村という人でした。
日本人の心にはお前が全てなんだよ!!
1は、全ての関係者からシュクフクされ、息を引き取りました。
以降、1のコピペは終わりとなります。
1の関係者のみなさん、今日で1のシリーズ量産は終了となります。
長らく見守って下さった方々、これからもコピペを愛し続けて下さいますよう心から願っております。
以上、1の関係者一同からの最後の1を愛し続けてくださった方々への送り言葉でした。