文字でスケッチ

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1スケッチャー
現実世界の風景や状況を説明する文章を、公開批評するスレッドです。
自分達の住んでいる街の説明とか。旅行先で見かけた光景。
先人、達人たちのサンプルについての意見とか。ノウハウについて
いろいろ話せたらいいな。と思っています。
スケッチを投稿する時はあまり長くなりすぎないように、理想的には
10行以下でできたら、いいなぁ。です。ではでは、よろしくです。
2スケッチャー:2001/06/03(日) 20:32
アラスカには、ガソリンスタンドが少ない。
いったん街から離れると次のガソリンスタンドは100km以上先だったりする。
僕の借りたレンタカーは、まだメーターでは半分ぐらい残りがあるようだったが
念のために入れておくことにした。

スタンドは、プリペイド式だった。自分が何ガロン入れたいかを決めて
先払いをし、その分だけガソリンが出てくる仕組みだ。
ところが、ガロンとリッターの換算がよくわからないし、だいたい自分の
借りている車がどれぐらいガソリンが入るのかもよくわからないのだ。

通じない英語とさらにわけのわからないスケッチで説得し、特別に
満タンになるまでガソリンを出してもらうことに成功した。

一直線に伸びる道が地平線へ消えている。
行き先は、まだ見えない。

#すいません。いきなり自分で行数オーバーしてしまいました。
3スケッチャー:2001/06/03(日) 20:48
カナダ・バンフ。それは6月だったと思う。
街を歩いていると、なにやらフワフワと綿のようなものが落ちて来た。
あちらにもこちらにも、フワフワ。フワフワ。
気がつくと、降り積もっているところさえある。
フワフワに引かれるように、僕は、飛んで来た方角へ歩いた。
地元の人らしい品のいい、おばあさんを見つけたので
「このフワフワは何だ?」と聞いたら「コットンウッド」だと言う。
彼女が指さした先では、とんでもなく巨大な一本の木がもくもくと綿を吐き出し続けていた。

#う〜ん、うまく行かねぇっす。実話なんですけどねぇ。
単なるレポートと小説の中にはさむ状況説明の違いは、なかなかむずかしいかな。
4求人広告:2001/06/03(日) 20:50
紀行文読むと参考になると思われ
5名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 20:53
>>3

うお、嘘にしか思えないのが凄い。マジ?
6名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:16
「うっ、クサイ」
地下道の入り口に立った時、中から強烈なアンモニア臭がしてきた。
以前、近くの工場でアンモニアが漏れて、この地下道にも流れこんだ。
という話しを聞いたことがある。
が、これは、明らかに人間のそれの臭いだ。
操車場の下を貫くその地下道は、とてつもなく長いくせに途中に灯かりがない。
両側からの入り口の光は、暗さに目がなれていない僕には暗闇にしか見えない。
徐々に目が慣れてきた。歩いている人間はいないようだ。
僕は、つとめて冷静に歩き出した。自分の足音が反響する。反響する音が突然ふたつに
なったりしたらイヤだな。とほんの少しだけ考えながら。

まんなかあたりまで来た時に、横たわる毛布の塊が見えた。
「うっ、ひ、ひとが入っていたりはしないだろうな」
じっくりと確認する勇気なんてない。
いろんな考えが一気に押し寄せ、僕は走りだした。
ようやく出口にたどりついた時には、もう臭いは気にならなかった。
僕は、通路に向かって「ばかやろー!」と叫んで、一目散に走って逃げた。

#中学生の頃だったかなの記憶。
73:2001/06/03(日) 21:21
>>5
本当です。びっくりしたんだよね。わたし。
それも一本の木だったんだもんねぇ。
他にも近くに木があって、それらの相乗効果だったのかもしれないけどびっくりでした。
最初、おばあさんは「コーン・ウッド」って言ってるように聞こえたんだけど
よーく聞いたら、「コットンウッド」だった。それを聞いてなるほどね。と思いました。
「ひぇぇ〜」と驚いているわたしを見て、おばあさんは、自慢げでした。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:26
>>4
「風景描写」から「状況描写」という物語がどのような場所で
行われているのか。というのは、話のリアリティを高める上で
とても重要だと思うんだよね。でも、それって、けっこうむずかしいから
多くの人が端折りたがるところでもある。
そこらへんのところを重点的にトレーニングしたい。と思っているです。
紀行文も参考にしたいと思います。
9名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:27
>>7

世界にはメルヘンな風景があるのう。
10名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:58
大晦日の夕方、東京駅で集合した僕たちは、鎌倉を目指した。
鶴ケ岡八幡宮で初詣をすませ、初日の出を見るために由比ガ浜で移動する。
暗くて広い砂浜には、いたるところに火が見えた。
みんな暖をとるために、木をさがしてきて焚き火をしているのだ。
さいわい海岸には、打ち寄せられた木がたくさんあり、燃料には困らない。
ところが、われわれの焚き火はなかなか火がおきない。
どこかから新聞紙をさがしてきて、みんなで囲いがんばってみるのだが
どうしてもだめだ。
ちゃっかりした連中は、ここぞとばかりに普段ではありえないようなあいそを
振りまいて、近くの焚き火にあたらせてもらっていたりする。
東の空が明るくなって来た。僕達がいっしょうけんめい海の上を見つめていると
突如、左の三浦半島の上から太陽が上がった。

砂浜全体に「がーん」という雰囲気が広がった、次の瞬間あちこちで笑い声がひびいた。
間のぬけた新年の始まりだ!

#高校2年生の時だったと思う。寒い中、一生懸命待ったのにちょっとショックでした。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 22:21
高校生のクセに、男同士5人のグループで京都に出かけた。
その帰り、鈍行の列車で東京に帰る時のことだ。
停車した駅でまどから外を眺めていたら、後ろの車両の窓から男が顔を出している。
ホームには、女の子が立って涙ぐんでいる。
それに気づいた僕たちは、かわるがわる窓から身体を乗り出し。聞こえないぐらいの
声で「こーいびとよぉー。ぼくはたびだつー。ひがーしへとむかうれっしゃで」
などと、はやしていた。
そのとき、ひとりが「距離。じゃないんだよな。」と言った。
ほかのひとりが「そうだ。な。」と言った。
みんなして思った。「距離じゃないんだよな。」って。

「ゴトン」みんなは列車と動き出した。

青くて素敵だぞ!みんな!
12名無しさん@神奈川県民:2001/06/03(日) 22:21
>>10
笑っちった。
太陽は東から昇るって小学校で習ったでしょ〜?

でも由比ヶ浜と三浦半島の位置関係が脳裏に浮かばない人には
オチがイマイチわかりにくいかもね。と思いましたです。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 22:38
>>11
初心者さんかな?
「じゃないんだよな。」等の句点はイラナイですよ。
それと後半は日本語になってない&独りよがりだと思うんですが。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 22:46
>>13
ご指摘ありがとうございます。
「」の中で、途中に「。」をつけ、最後に「。」をつけたのは、
あえて、それぞれの少年達が、頭の中でつっかかるような。反芻するような。
イメージを出したかったので、あえてしつこく使ってみました。
後半が、文章として日本語になってないのもピッタシカンカンです。
これもそれぞれの少年達が、勝手に「そうだ。そうだ」って思っているのを
表現したかったんですが。
何か、他にいいスタイルがありましたら、アドバイスをお願いしま〜す。
1514:2001/06/03(日) 22:55
あっ、それで最初の「距離。じゃないんだよな。」が最後に「距離じゃないんだよな。」
に変化するのは、みんなが「そうだそうだ」という自分の実感に対して
徐々にしっかりとした確信を持つ。という部分も表現したかったのですが。
これについてもご意見をお聞かせいただると感謝感謝です。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 23:10
白い壁紙をした三畳ほどのせまい部屋に、ハードディスクのうなる音がしている。
壁際はどこも本棚やデスクと椅子、ラックがおかれていて、どれも荷物が詰まっている。そのせいで小さな部屋はさらに窮屈に見えた。
ただ、フローリングの掃除だけはきちんとされていて、踏み場もない不潔な部屋ということはない。
ブラインドの降ろされた窓際の椅子に座り、窓の外から聞こえてくる乗用車のエンジン音と、パソコンの冷却ファンの音を聞きながら俺は今この文章をタイプしている。
17名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 23:19
「」の最後の。は、作者の意図を読者が理解できないから不要。
読点と句点を読者がどう捕らえるか考えよう。
地の文が日本語になっていなかったら、単なるお馬鹿と思われる
危険があるから気をつけよう。
表現とは読者に伝わっての表現です。これは大事。
18名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 23:28
事務所として借りている3DKのマンションは、かなり狭い。
DKなどという名前のついている部屋だって「どこで食事すればいいんだ」と
言うほどに狭い。
しかし、食事が困難なのは、狭さのせいではない。
極端に散らかっているのが最大の原因だ。

道路沿いの洋間が、仕事部屋だ。
21インチディスプレイの中に広がる、仮想デスクトップだけが、
この部屋で唯一整理された空間だ。
脚の踏み場のない資料に囲まれて今日もオレは仕事を続けている。

外でよっぱらいの叫び声が聞こえてる。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 23:43
>>3
コットンウッドとは関係ないかもしれないが、
似たものとして、「柳絮」の描写をお楽しみください。

並木の柳の葉が軽く髪のように靡き、
綿屑のような柳絮がへんぽんと
路の上空を吹き舞わされていた。(小田嶽夫『城外』)

柳絮は繁った葉かげに咲いていて、
下からは見えなかった。
そいつがかくれんぼの子供のように、
葉陰からとび出て来るのだ。(大山捷平『大陸の細道』)

落ちて来たやつは地上につもって、
薄桃色の絹の蒲団が敷いてあるかのようであった。(大山捷平、前掲書)

20名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 23:53
直してみました。よろしくお願いします。

高校2年の夏。僕たちは、男4人で京都にでかけた。
その帰り、夜行列車で東京へ向かっている時のことだった。
停車した駅で窓を上げてホームを眺めていたら、泣いている女性を見つけたんだ。
女性の向かいには、窓から顔を出している男性がいるのが見えた。
状況はなんとなく理解した。
僕たちは、かわるがわる窓から顔を出し、
「こーいびとよぉー。ぼくはたびだつー。ひがーしへとむかうれっしゃで」
とはやしたてた。
そのときひとりが「距離、じゃないんだよな」とつぶやいた。
するともうひとりも「そうだよな」とつぶやいた。
各自が席におさまって、腕を組んで考えている。
全員がつぎつぎに「そうだ。距離じゃないんだ」と口にした。
誰かに言い聞かせるように。
そして、黙ってしまった……

列車は動き出した。
21名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:04
すいません。もう少し変更しました。
人がじっくりと考えている時には、つぎつぎにはしゃべらない方がよさそうだから。

高校2年の夏。僕たちは、男4人で京都にでかけた。
その帰り、夜行列車で東京へ向かっている時のことだった。
停車した駅で窓を上げてホームを眺めていたら、泣いている女性を見つけたんだ。
女性の向かいには、窓から顔を出している男性がいるのが見えた。
状況はなんとなく理解した。
僕たちは、かわるがわる窓から顔を出し、
「こーいびとよぉー。ぼくはたびだつー。ひがーしへとむかうれっしゃで」
とはやしたてた。
そのときひとりが「距離、じゃないんだよな」とつぶやいた。
するともうひとりも「そうだよな」とつぶやいた。
各自が席におさまって、腕を組んで考えている。
僕が「そうだ。距離じゃないんだ」と口にした。
少し興奮していたかもしれない。
そして、みんな黙ってしまった……

列車は動き出した。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:10
>>20
良くなってるよ。
最後に泣いている女性の描写を入れると綺麗にまとまるよ。
これが一番難しいけどね。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:10
たびたびすいません。もういちどよろしくです。

高校2年の夏。僕たちは、男4人で京都にでかけた。
その帰り、夜行列車で東京へ向かっている時のことだった。
停車した駅で窓を上げてホームを眺めていたら、泣いている女性を見つけたんだ。
女性の向かいには、窓から顔を出している男性がいるのが見えた。
状況はなんとなく理解した。
僕たちは、かわるがわる窓から顔を出し、
「こーいびとよぉー。ぼくはたびだつー。ひがーしへとむかうれっしゃで」
とはやしたてた。
でも、本気ではやしたてるものではないとも、どこかで感じてはいた。
そのときひとりが「距離、じゃないんだよな」とつぶやいた。
するともうひとりも「そうだよな」とつぶやいた。
各自が席におさまって、腕を組んで考えている。
僕が「そうだ。距離じゃないんだ」と口にした。
少し興奮していたのかもしれない。
そして、みんな黙ってしまった……

列車は動き出した。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:27
高校2年の夏。僕たちは、男4人で京都にでかけた。
その帰り、夜行列車で東京へ向かっている時のことだった。
停車した駅で窓を上げてホームを眺めていたら、泣いている女性を見つけたんだ。
女性の向かいには、窓から顔を出している男性がいるのが見えた。
状況はなんとなく理解した。
僕たちは、かわるがわる窓から顔を出し、
「こーいびとよぉー。ぼくはたびだつー。ひがーしへとむかうれっしゃで」
とはやしたてた。
でも、本気ではやしたてるものではないとも、どこかで感じてはいた。
そのときひとりが「距離、じゃないんだよな」とつぶやいた。
するともうひとりも「そうだよな」とつぶやいた。
各自が席におさまって、腕を組んで考えている。
僕が「そうだ。距離じゃないんだ」と口にした。
少し興奮していたのかもしれない。
そして、みんな黙ってしまった……

列車は動き出した。
窓を下ろす時に、なんどもうなずいている彼女のすがたがほんの少しだけ見えた。
僕にもいつか、あのまなざしに耐えなくてはならない日がくるのだろうか。

-----------------------------------------------------
なんかいろいろ自分で書き換えていたら、あの時の
彼女の気持ち、電車に乗って去らなければならなかった彼の気持ちとか
いろいろ考えてしまって、涙が出てきてしまった。
ほんの他愛のない、思い出だったはずなに。
言葉って本当に不思議なんだな。
ありがとう>22さん
25名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:37
>>22
おいおい、さっきからアドバイスしている奴、随分偉そうだな。
『意図的』に偉そうに書いてるならが
『無意識』に偉そうに書いてるとしたら、やめたほうがいいと思うぜ。気分が悪くなる。
見てる側に不快感を感じさせちゃいけないねえ。(言ってる事は正しいと思うが)

おっと、俺はわざと偉そうに書いているんだが。
26名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:41
>>24
>そして、みんな黙ってしまった……
はない方がいいと思われ。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:51
あれは数年前の夏、冷夏の長期予報が外れた酷暑の夏。
私も一緒に行くと言ったのに、単身赴任で良いだって?
そんなとき登りホームに入ってきた夜行列車から、
顔を交互に出してはやし立てるアホ4人組がいた。
「こーいびとよぉー。ぼくはたびだつー。ひがーしへとむかうれっしゃで」 と、
古い歌を調子っ外れで歌って。
私はマジに怒っていた。
「このガキ、降りてこい!」と、
怒鳴ったときにはもうホームに2本の列車がない。
ホームに1人残された私を、駅員が珍しそうに見ている。
改札を1度出た私は、乗車券と新幹線の指定席券を買い直して、
着の身着のままで恋人の後を追っていた。

その結果、私のお腹に赤ちゃんがいる。
親にも連絡しなかったから後でもめたけど、現在の私は幸せだよ。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:55
>>27
わあ〜2000年問題だ〜
2917=22:2001/06/04(月) 01:04
>>25
スマソ
虎の穴に書いてるつもりでいた……

>>24
頑張ってください。
30名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:06
>>29
まあ、時代はいつでもお前を見ている
31名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:06
24だけど、いろいろ指摘をもらってなるほど。と思えたらがんばって直すですよ。
困ってしまうのは、「あれダメ」「これダメ」って欠点ばかりを
指摘されることかな。「けなす」だけだったらダレでもできて
しまうからね。わたしもアドバイスをする側になったら、
「ここをこうしたらいいんじゃないか?」ってプラスの意見を言えるように
なれたらいいな。
あと、今回いろいろ直して思ったんだけど、たかだかこれだけの長さの文章で
その時の自分達の気持ち、彼女の気持ち、彼氏の気持ちをいろいろ分析しただけだって
涙が出て来たり、自分で認めたくない気持ちを発見したりして大変な思いをしちゃったわけです。
これが、山あり谷ありの本格的な小説を書いている人は、それらの心労も
また、ものすごい大変そうですね。

>>27
なるほど、同じような体験をしているんですね。
けっこう、日本中にたくさん経験者がいるのかもね。
わたしの場合は、20年以上前の話で、大田ひろみのあの曲はリアルタイム
のものでしたよ。

では、引き続き、「文字でスケッチ」よろしくです。
(って、言ったら、わたしがスケッチャーだって、ワカチャウネ。)
32名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:11
あれは数年前の夏、冷夏の長期予報が外れた酷暑の夏。
同棲中の彼が急に転勤することになり、気持ちの整理がつかなかった。
私も一緒に行くと言ったのに、単身赴任で良いだって?
そんなとき登りホームに入ってきた夜行列車から、
顔を交互に出してはやし立てるアホ4人組がいた。
「こーいびとよぉー。ぼくはたびだつー。ひがーしへとむかうれっしゃで」 と、
古い歌を調子っ外れで歌って。
私はマジに怒っていた。
「このガキ、降りてこい!」と、
怒鳴ったときにはもうホームに2本の列車がない。
ホームに1人残された私を、駅員が珍しそうに見ている。
改札を1度出た私は、乗車券と新幹線の指定席券を買い直して、
着の身着のままで恋人の後を追っていた。

その結果、私のお腹に赤ちゃんがいる。
親にも連絡しなかったから後で色々ともめたけど、現在の私は幸せだよ。
あのときのアホガキ4人組、今でも思い出すと殴りたくなる。

*************
ちょっと書き足しました。
まさか2ちゃんの人口過疎、創作文芸板であのときの書き込みを読むとはね。
世の中広いようで狭いよね。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:17
>>31
別人でしたか。
20年前じゃないもんね、私の場合は。
>>32はリロードする前に送信したもので、ごめんなさいです。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:52
そのラーメン屋は、どうやら有名らしい。
でも、オレはそこが近くにあるから行くだけなのだ。
間口4m、奥行きが7mぐらいでそれほど大きくはない店だ。
ガラス張りの入り口を入ってすぐ左側に食券の自動販売機がある。
5000円札と10000円札は使えない。さらに500円玉も使えない。
もちろん、あの韓国のコイン対策である。まったくもってなんでまるっきり別の
国のコインがそっくりの大きさや重さになるんだか、理解不可能だ。
ある日突然、異国の国で、「この人がおまえのふたごのおにいちゃんだよ」って
ご対面させられたぐらいの不可思議さだろう。違うか?
なので、両替が必要だ。中にいるおにいちゃんに言って、100円玉に変えてもらうしかない。
オレが頼むのはいつも「細めん」と「半ライス」だ。いつも同じものを頼むから、店の外に
オレの顔が見えただけで、作り始めているんじゃないかなんて勘ぐってしまうこともある。
時々、ヘソをまげて「ゆず塩」でも頼んでやろうかと思うんだが、やっぱり「細めん」の
ボタンを押してしまうのだ。だって、「ゆず塩」はまずいからな。
カウンターの椅子に座って。といってもカウンターしかないのだが。
「固め、濃い目」と付け加えながら、食券を渡す。
オレは、やわらかい麺が大嫌いなのだ。
手元に来たラーメンにこしょうをかけると、シャーシューとスープをしっかりと
保存しながら食す。メンを食べ終わったら、ごはんを投入だ。
グルグルかきまぜる。とてもおいしいのだが、すぐ隣に人がいる時ははばかられる
こともある。特に好みのタイプの女性が座っていたりすると、やはり、ごはんとスープを
交互に口に入れて食べようかと思うこともある。
しかし、たいがいの女性は、男に連れられてここに来ているので、わたしは遠慮は
しない。がばっと入れて、ぐちゃぐちゃかきまぜて、わしわしわし。と一気にかきこんでしまうのだ。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 02:11
強引に押しかけて同棲を再開して数ヶ月後。
生理が遅れて婦人科・産婦人科検診の初診、
出来ていた場合のあれやこれやで、私は緊張していた。
「あら、あなた初診なの。大丈夫よ、こんなの慣れよ、慣れ」
同じ長椅子に座っていた子供連れおばさんのセリフ、
こんなことに慣れたくないんですと、言えない内気な私。
少し離れた長椅子に若い子が1人、高校生かな。
診察室はカーテン1枚、名前を呼ばれて立ち上がる若い子。
聞こうと思わなくても、担当医達との会話が聞こえてしまう。
「15週目ですね、中絶ですか?」
「ほら、やっぱり最近の若い子は……」
私の名前が呼ばれて隣の診察室に入って診察台の上。
「14週目です」
「ほんと、あの子も中絶するんじゃない」
先程のおばさんが別な人との会話、聞こえてるよ。
私の診察が終わって、また同じ長椅子で会計などを待つ間、
根ほり葉ほり質問する子連れのおばさん、余計なお世話じゃ!
同年代の人がご主人と一緒に受け付けを終える。
いいなあ、彼に打ち明けたらきてくれるかな?

翌月の定期検診、彼に頼み込んで無理やりきてもらった。
おばさん達の好奇心は私の彼へ、その日の男性は彼1人でした。
ごめんね。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 02:16
ならぶのは大変だ。
ならぶ先が、いくつかに分かれている時などは、
たまたま自分の並んだ列の進み具合が遅いと
イライラしてくる。

たとえば、きっぷの自動販売機だ。
一番後ろにならんだあたりで、きっぷ売り場の上の路線表で金額を確認する。
ひとり前に進んだあたりで、その金額が自分のポケットにあるか確認する。
小銭がなければ、札入れを出さなくてはならない。
自分の行き先が路線表のどこらへんにあるか見当がつかない時は、
もうひとり前に進んだあたりまで、料金の確認が遅れることもある。
料金も確認した、お金も用意した。
なのに、自分の前の人間がいざ買う段になってから、上の路線表を確認したり
さいふを取り出したりするのは、イライラしてしまう。
特に、あと10円が足りなくて、バッグの中をひっかきまわしているのを見ると
「あー、この10円使ってくださいな。」と思わず寄付したくなるぐらいだ。

でもたまに逆のパターンもあるのだ。
JRの私鉄近郊連絡線の自動販売機は、「JR」というボタンを押さないとJRのきっぷを買うことができない。
自分の前にならんでいる人たちが、ぞくぞくと脱落して行くのは、
やはり、「うれしいこと」というべきなのだろうか?

トイレやスーパーマーケットでは、どのような戦いがくりひろげられているのだろうか?
報告を待つ。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 02:31
あれは、わたしが、箱根を運転している時のことだった。
ところどころに霧の塊がただよっていてイヤな感じがしていた。
いくつの霧のわきをうまくすり抜け。しばらく走ったあとに
そいつは、突然前に立ちはだかった。
気体ではなく、なんかスライムみたいな白い流動体が、車を飲み込もうと
今か今かと待ち構えていた。
「ボンッ」と音がしたような気がして、霧の中に突入した。
同時に、すべての音が消えてしまったような気がした。
まったく何も見えない。ライトの光は牛乳の海にもぐってしまったかのように
効き目がない。ただほんのわずか、センターラインが見えるだけなのだ。

慎重に慎重に車を走らせ、その霧から逃れた時。
はじめて、わたしはノドが乾いているのに気がついた。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 03:20
深夜のマンションだった。ほとんどの部屋で灯りが消された後の時間帯
だ。薄ら闇に常夜燈が朦げに光る。月は細く、全てを紫から黒へと染め
上げ、その月を横切る細長い雲が、細く静かな雨を降らせていた。雨は
地面に吸い込まれ、全く音を響かせない。時々、聴こえる猫の鳴き声が
嫌に耳に触っていたのだが、俺の靴音がその鳴き声を掻き消した。乾い
た埃の匂いさえ感じられる静かな闇夜だ。
暗さに慣れた眼球で踊り場に放置された三輪車や植木鉢を確認しながら、
無機質なコンクリートの階段を登る。コツン、コツンと靴音だけが響く。
数分もしないうちに屋上への扉に辿り着いた。不必要に丈夫な扉の前だ。

# 行数は守れましたが、これがスケッチなのかは不明です。
39名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 03:22
このスレって求人くんの言う「写実」そのものだな。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 03:27
1歳年下の彼女は図書室で待っていた。
本の虫どころか、小学4年生で横溝全集、早川SF全集を読破するつわもの。
中学1年生に進級しても読書量は学校一、市立図書館でも有名人、堪らない。
テレビにリモコンなんてなかった時代、一度座ると立ち上がるのに苦労する彼女、
テレビを1人で見ない習慣になったそうだ。
部活で遅くなるから1人で帰るように伝えて、部活終了後真っ直ぐ帰宅する。
彼女が帰宅していれば、必ず点いている照明が消えている。
夕日を背中に自転車を中学校まで走らせ、とぼけて駐輪場に置く。
階段を駆け上がって図書室へ、だが図書室は施錠されている。
彼女の教室、下駄箱を確認して未だ校舎内にいる。
職員室で先生とお茶を飲んでいた。
「○×君、今日は迎えにこないんじゃないの」
俺のおしめまで替えたことのある先生、担任だから彼女よりも性質が悪い。
10分も歩くと疲れたと根を上げる彼女、室内でも杖は必須アイテム。
彼女の足元には、かさばる大判の本が複数……誰が持つと思っているんだ?

チャリンコをこぐ俺の横を、助手席に妹を乗せた先生の車が通る。
先生、実の妹の送り迎えは毎日やってくれ。

41スケッチャー:2001/06/04(月) 03:35
スケッチする。っていうことがなんとも定義しにくいことなんだけど。
「文章」によって「絵・シーン」を思い浮かべられたら素敵だな。と思うのです。

たとえば、川端康成の「伊豆の踊り子」の冒頭では

道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、
すさまじい早さで麓から私を追って来た。

とかが、わたしにとってのひとつのイメージなのですが。主人公は
まだひとことも発してはいないけど、状況説明というか効果的なスケッチだけで
もうぞくぞくするような物語が始まっているような気がするのです。
わたしは、初心者なのでよく知らなかったのですが、志賀直哉の書いたものには、
さらなるあざやかな状況描写がたくさんあって、びっくりしています。
勉強にはげみたいものです。
42スケッチャー:2001/06/04(月) 03:43
志賀直哉随筆集からもひとつ、わたしには、この景色がはっきりと見えるようでした。

「峠の雲」
三島へぬける峠の向うにまばゆいほどの白雲がちょっと頭を出した。
ト見る間に顔を出した。咽を出した。首全体を出した。
淡い緑の山に雲の黒い影が動く。湖面には漣(さざなみ)が立つ。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 04:33
彼女との結婚式、田舎なので殆ど同窓会ののりだった。
同棲のあげくのできちゃった婚、他県に嫁いだ先生のスピーチ。
「元担任の妹と同棲した結果が、これです」
先生、実の妹を「これ」で、俺の幼児のころからの恥だらけ、結婚式なんだぞ。
妻の親代わりじゃなかったらスピーチなど頼まない。
職場の上司、同僚の一部が爆笑……先生、恨むよ。
これが東京だったら、妻の仕事関係者まできて全国規模の笑われ者だ。
妻の仕事関係者からの祝電、名前を読み上げる司会者、どよめきが上がる。
「○△先生って、あの推理小説のか?
今度は漫画家の△□先生、サイン色紙を頼む」
同僚から頼まれるだけで安心した俺、考えが甘かった。

それから数ヶ月後、漫画家の△□先生から少女漫画本が届く。
その作品の中で、俺達の結婚式のエピソードがもろに描かれていた。
「知らなかったの、△□先生、きてたのに」
当時の俺は普通のサラリーマン、少女漫画家の本名まで知るか!
44名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 05:01
>>43
志賀や川端を乗り越えて見せた!
45名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 05:11
朝、尾長の鳴き声で起こされる。
実家の周りは雑木林と呼べるほどの防風雪林。
祖父から聞いた話では、昔とんびや鷹が巣を作ったと言う。
田んぼの中に3軒の家、実家は古い農家、納屋だの蔵が敷地内に立つ。
幼稚園のころまでは一軒屋と呼ばれた。
田んぼの中に突然あるという意味だった。

田舎でも宅地化が進む、小学校時代でも未だ田んぼが多かった。
高校生時代、市役所が移転してきて、あっという間に市街地のど真ん中。
農家は廃業、切り売りする田んぼがなくなったころ、
尾長の鳴き声がハシブトカラスの煩い声、朝でも夜でも1日中。
尾長のときは十数羽程度、カラスは百羽以上の騒音と糞公害。
雑木林は1本残らず切り捨てた。
電柱の電線がカラスのねぐらになっただけ、季節感も何もない。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 05:29
春、肥料のために蒔いたレンゲ草の花絨毯。
田植えが始まるまでは子供の天国、野球も鬼ごっこもレンゲ草の海。
夏、稲の育った田んぼでザリガニ採り、タニシにメダカ、ドジョウにフナ。
秋、稲刈り後の干しわらで秘密基地ごっこ。
直ぐにばれて叱られて後片付。
冬、田んぼで雪遊び。

今はない幻の国。
47スケッチャー:2001/06/04(月) 10:29
「ピピピピピ」目覚ましが鳴る。
「んっ、朝だ」わたしは、目覚ましを止めながら「あぁー、起きられた。よかった」と思っている。

「ピピピピピ」目覚ましが鳴る。
「んっ、朝だ」わたしは、目覚ましを止めながら「あぁー、昨日もこんな感じだったな」と思っている。

「ピピピピピ」目覚ましが鳴る。
「んっ、朝だ」わたしは、目覚ましを止めながら「あぁー、あたらしい一日がやってきた」と思っている。

……

「ピピピピピ」目覚ましが鳴る。
「んっ、朝か」飛び起きて目覚ましを止めながら見たらもう昼だった。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 10:48
六月、尾瀬、風が見えた。
みわたす限りの草原を、風が走ってくる。
緑に輝く草をたなびかせながら、風が走ってくる。
「あそこだ」「そこだ」「ここだ」
風は、わたしの帽子を舞い上げて、走り抜ける。
「あっ、もうあんなところにいる」

八月、穂高、風が聞こえた。
テントの中にいると、風がよく聞こえる。
遠くにいるときは、小さいけれど高くてするどい音
だんだんと、だんだんと、鈍い声に変わりながら近づいてくる。
「そろそろ来るぞ」と覚悟する。
ゴゴゴゴォーとうなりが高まった。
「ばぁーん!」とテントは叩かれて、ひしゃげ、そして静かになる。
どこかで次の声が生まれてる。
49名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/04(月) 11:16
誰か『汚い』風景も書いてみてよ
50名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 11:40
昔、中学生の頃窓の外に小さな水槽を置いてカメを飼っていたんだ。
けっこうマメに水を取り替えたりして世話をしてたんだけど
ある時、エサを忘れた。
まぁ、一日二日エサを忘れたぐらいで、カメは死にはしないんだけど。
少なからず、日のあたるところだから、水は替えてやったり足してあげたり
日陰に移してやったりしなければ、たちまちのうちに干上がってしまうことになる。
それは、わかっていたんだけどね。なぜか、ほったらかしにした。
でも、やっぱりこわかったんだろうね。カメの水槽が目に入らないように窓はあけなかった。
一ヶ月ほどがすぎて、水槽を見た。
やっぱりカメはひからびて死んでいた。
本当は、もっと詳細にリアルに状況スケッチを書くこともできるけど
上でも書いたようにその時のカメのつらさとか、自分の非道さに立ち向かわなくては
ならないとすると、なかなかできない。ボロボロになりそうだからさ。

言葉というかそれらしい文字をつらねて、それらしいことを創出することはできるけどさ。
自分の経験を生かした創造で、リアルなスケッチを見てみたいなぁ。

「汚い風景」で、ただ「汚い言葉」が書き連ねられるだけのものが出て来ない
ことを祈ります。
51名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 11:50
夕方だった。僕は急いでいた。
なんで急いでいたのかは、忘れてしまったけど、走ってた。

路地の曲がり角を抜けて、次の曲がり角を目指している時。
ふいに、足裏にやわらかいものを「かなりしっかりふんづけている」のを感じた。
「うっ、うんこでもふんづけてしまったか」と一瞬世界が凍りついた。
振り返ったら、カエルがいた。
じっとしている。
「あぁ〜、死んじゃったのかぁ、ごめんよぉ」
「びょーん」
カエルは、草むらに飛び込んだ。
「……」
わたしは、用事を思い出し、また走り出した。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 11:53
>>50
『汚い風景』を書いてほしいといったのは、
なんだかみんな奇麗事しか書いてないから。
物事のいい面しか見てない……裏側を見てないとでも言おうか。

>ボロボロになりそうだからさ
作家(に限らず芸術家全般)ってのはそういうもんだろ。
現実を直視する力があってこそ、いい文章をかけるんじゃないか?

あんたの言ってる事、それは逃げだと思うんだが
53名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 12:08
>>52
ふふふ、その通り。
だから、わたしは小説のプロにはなれないのであ〜る。
52さんの、現実を直視した「汚い風景」のスケッチも待ってるよ〜ん。
5452:2001/06/04(月) 12:10
言い過ぎたかもな
トラウマになってんのなら書けなくてもしょうがないが。
………まあ、君の心の奥深くまで俺は知る由も無いが、
克服できるなら…したほうがいいと思う…ような気がする
5552:2001/06/04(月) 12:12
>>53
俺は小説家志望じゃないんだな
画家志望
56名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 12:43
小さい頃、なぜかウンコが好きだった。
と言っても別に食べたりするワケではない。いじくるのが好きだったのだ。
人間のウンコにも興味はあったのだが、ほとんどは便器に直行してしまうので
対象は、必然的に犬のウンコだった。

遠くになにかが落ちているのを発見する。
近づくにつれ、それがウンコであることを確認するとやにわにうれしくなる。
木の枝やら固い枯れ草のクキを探し出すと、意気揚揚とウンコに立ち向かう。

あまり乾きすぎているウンコは面白くない。ちょっとつついただけで
粉々になってしまうだけだからだ。
かといってあまり新鮮なのは、逆に木の枝にからみつきすぎて困ってしまう。
先にこびりついてしまったウンコを取ろうと振った瞬間に勢いあまって
ランドセルとかについたりすると、かなり悲しいことになる。

やはり、外側が少し乾いていながら、割ってみると、中味はちょっとねっちょり。
というちょうどステーキの「ミディアムレア」みたいなのがぴったりなのだ。
ころあいがいいと、中から虫がうようよでて来ているのも見ることができる。

ウンコをいじる時に木の枝がいいと言ったが、最上なのはなんと言っても
枯れ竹の割れたものだ。なにがいいかというと、ちょうど粘土細工の竹べらみたいに
ウンコを切ることができるのだ。細かく観察するためには、この機能は欠かせない。

犬のウンコは、だいたい毛がまじっている。
自分のべろで身体をなめているのだから当然だ。
なので、竹べら棒を使っても反対側がくっついてしまうことがある。
そんな時は、もう一本棒をさがしてきて二刀流になることもあった。

自分の持っている棒が、目前にあるウンコより弱そうだったら、決してムリを
してはいけない。「切れないなぁ」「割れないなぁ」とがんばっているうちに
棒が折れて、勢いあまってウンコに手を突っ込んでしまうこともあるからだ。

ちょうど、そんな場面をクラスメートに見られたら、小学校生活を
「えんがちょ」(汚いヤツを村八分にする遊び)攻撃で悲惨なものにしてしまうから。
時々、顔をあげてまわりを見渡す余裕も必要なのだった。
5756=53:2001/06/04(月) 12:54
>やはり、外側が少し乾いていながら、割ってみると、中味はちょっとねっちょり。
>というちょうどステーキの「ミディアムレア」みたいなのがぴったりなのだ。

の部分には、
>断面を見ると、「鰹のたたき」に似ていることもある。
を追加してください。
どうですかねぇ。52さん。汚さ加減は。まだまだ足りないかな。
なんか、自分の記憶をスケッチしていると、つぎつぎにいろんなことを思い出すのが面白いです。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 13:05
>>57
ごめんもう許して
59名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 14:09
印象に残ったシーン
     ↓
    思い出
     ↓
 美化されている

これが普通だろ。
痛い厨房がいるね。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 14:17
美化して語ることに意味があるんじゃあ?
6159:2001/06/04(月) 14:19
>>60
それが普通だよな。
余程、性格が捻じ曲がっている厨房らしい。
6259:2001/06/04(月) 14:28
かちゅーしゃを導入して、自分であぼ〜んするんだ。
便利だよ、読まなくて済むから。
63名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 15:05
わたしは歩道を歩いていた。
ちょうどわたしの斜め前あたりで、一台の車が右のウィンカーを出して減速した。
交差点ではないが、向う側の細い道にでも入ろうとしているのだろう。
後ろの車がつかえて、のろのろになる。
斜め後ろでバイクのエンジン音が高まった。
振り返ると、センターラインよりに進路をとったそのバイクは一気にレースのように加速している。
反対車線の車がとぎれた。
ウィンカーを出していた車はハンドルを右へ切った。
バイクはものすごい勢いでそれに向かって突進する。
「あぁあぁー」
結果を一瞬で予測したわたしは、声にならない声をあげ見守った。
「どかぁーん!」激突したバイクはひしゃげ、ライダーは、車を越えて
10mほど前方まで飛んで行った。
もう、ぴくりとも動かなかった。

#衝撃的な事故の目撃でした。しばらく気分が重かったです。
6457:2001/06/04(月) 16:06
>>58
だっ、だめですかい?「汚なすぎる?」
あぁ、せっかく、もっと面白くするアイデアを加えようと思ったんだけどな。
「ちょっと、いじってくか?」と僕は友達を誘った。
とかいろいろね。ははっ、でも自分でも「汚い」と思うので自粛するであります。
65名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 17:59
>>64
筒井康隆の最高級有機肥料を読んでみなされ。もっとすごいから。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 18:08
>>64
汚い模写をしたければ別スレを立てろ!
67名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 18:22
いやそういうことじゃなくてさ、美化してばかりで本当にいいのかなと、
言いたかったんだけど。
>>60
>>61
本気でそう思ってるの?
68名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 18:25
「風景・光景の描写を」美化して伝えるのはちっとも悪くないだろう。
そのときの自分の境遇まで美化していたら別だな。
ところで、「本当に」ってのはなにをさすの?

69名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 18:35
>>68
美化して書くのはかまわないんだけどね。
俺の言い方がまずいのかな。
「きれいな風景を美化したもの」ばかりだから、
「汚い風景を美化したもの」も読みたいというか。

本当にってのは、「美化して語ることに意味があるんじゃあ?」って部分。
うーん、根本的に考え方が違うかも
70(゚д゚):2001/06/04(月) 18:54
以前はヒンズー教徒しか足を踏み入れることができなかった
パシュパティナート(ヒンズー教寺院)だが、最近はかなり近い
所まで、観光客も見学できるようになっていた。寺院の下を流
れるバクマティ河のほとりには、古ぼけた見学用のベンチが規
則正しく並んでいる。足と腕を剥き出しにした所で非難めいた視
線を浴びる訳ではなく、カメラを取り出すのにためらう必要もな
い。かつて異教徒を寄せ付けなかったはずの聖なる場所は、長
い年月を得て、のどかな観光名所へと変貌を遂げたようだ。
対岸では質素な葬式が行われていた。仰々しい、けれどもすっ
かり色の褪せた服に身を包んだ僧が両手を挙げて大きな声で叫
んだ。絵の具で均一に塗りつぶしたような青空の下、死者の家族
は声の限りに泣いていた。鮮やかな布に包まれた遺体はじっと、
灰になるのを待っている。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 22:55
汚い風景。ってどのようなものなの?よくわからないです。
衛生的に汚い。ってこと?
でもそれって、それを書く人の印象でどうにでもなってしまうように思うけど。
たとえば、食べ物にハエがたかっているのを、「ハエの存在」をメインに書けば
普段ハエなんかいないところに住んでいる人は不潔だと思うだろうし。
「食べ物にありついた」というところに注目すれば、ハエなんかは問題ではなくなる。
そこらへん、どうなのかな?
72名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:16
あれだよな、同じ原爆の風景でも「裸足のゲン」の風景と
川端康成の「黒い雨」の風景じゃえらい違いだものな。
綺麗汚いは観察者のポジションによるものと思われ。
ギギギ。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:22
>>71
廃墟とか
74名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:47
香港:6月
航空機の故障のため、成田で9時間も待たされた我々が香港に到着したのは、
もう、夜中の12時をまわっていた。
飛行機のドアが開けられ、異国の空気が一気に入って来た。
通路を抜け、税関に近づくほどに、空気がネットリと濃くなって行く。
台風が通過した直後の香港は、熱気と湿気ではちきれそうになっている。
先をいそぐ客が、ゲートからオレを「そこ」に押し出した。

#うっとうしい、空気のスケッチ
75名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:12
風景なんて、その時の心情と何に着目しているかでどうとでもなるもんだが。

>>72
小学生当時の拙い記憶を紐解くと、『黒い雨』って井伏鱒二のような気がする。
違ったかなぁ、検索するのは面倒だなぁ。
原爆関係の本は嫌いなんだよぉ。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:19
>>70
焼いた灰をガンジス川に流したり、同じ水で身体を洗ったり。っていう部分の表現も
見てみたくて、キボーン。
あっ、もしかして場所がぜんぜん違うのん?
77名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:22
>>75
ごめーん、井伏鱒二だ。記憶違い。
サーチしてきたよ。 逝ってまいります。
78名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 01:52
カップを置いて、ボタンを押す。
今日三杯目のカプチーノだ。
「ガガガガガ」と「ゴボゴボゴボ」が入り混じったような音が始まり、
泡だらけのミルクがカップいっぱいに注がれ、最後にコーヒーが泡の中に吸い込まれて行く。
さっきまでは間違いなくそうだった。
なのに、今は、なぜかカップの半分までしかたまっていない。
僕はカップをかかげながら、店の奥に声をかけた。
「ミルク切れているみたいなんですけど……」
79名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 02:00
2リッターのペットボトルのふたをあけ、片手に持ち傾ける。
丸い出口の下半分に添えた唇を水が直撃する。
勢いあまった水は、ほんの少しだけあいている上半分から
鼻の穴にまで飛び込む。
「うへっ」
僕は、もう一度両手を添えて、今度はじっくりと傾けた。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 09:01
家の窓を開け放しているのにもかかわらず、風はそよとも動かない。
肌から浮き出た汗のつぶは、表面張力でお互いを引き合い大きなつぶになる。
そして、重力に負けて「つー」とつたい落ちて行く。
外を通る車の音、鳥の鳴き声、遠くで聞こえる電車の音がからみつく。
僕は、今日三度目になる「リモコンを手に取る」を行い。やっとスイッチを入れた。
窓をしめてまわりながら、季節が遠く薄まって行くのを耳にした。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 10:13
イタリア:フィレンツェ、5月
列車は海岸沿いのコースを進みはじめた。
「イタリア晴れ」というほどスコーンと晴れた空の下、
遠くにベネツィアの街並みが見えて来た。
僕はうれしくなって、窓をあけたさわやかな風が入ってくる。
しかし、潮の香りがまったくしないのが不思議だった。

駅から外へ出た僕たちは、目の前を走る運河、行き交う観光客、
自動車のない風景にびっくりした。
まるでおとぎ話の世界に放り込まれたみたいだった。
絵に描いたみたいに、コントラストがはっきりとしすぎている。
僕は、自分が魔法を使えそうな気がして、丸めた地図をキラリと一振りしてみたが
誰一人、ブタに変身したりはしなかった。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 10:22
げげっ、「イタリア:フィレンツェ、5月」ではなくて
「イタリア:ベネツィア、5月」でした。ゴメソ。
アレ、6月だったかなぁ?
83(゚Д゚):2001/06/05(火) 15:49
河にせりだした一畳ほどしかない質素な焼き場は、河の流れに沿って
等間隔に設置されている。コンクリートで固められた台のへりは深くえ
ぐれ、この奇妙な弔いの歴史の長さを物語っていた。一番上流にある
のが王族用の焼き場と聞いたが、最も下流にある不可触民用のそれ
と、何ら変わる所はないように思える。 その日の死者は上流から数え
て三番目の焼き場に運ばれた。

湿った木の葉がくすぶるような煙をあげながら、布に包まれた体は
徐々に灰へと変わっていく。乾いた風のせいなのか、不愉快な匂い
はほとんどない。そして儀式がクライマックスを迎える頃、焼き場の
上に残ったものはほんの僅かに過ぎなかった。
ほうきのようなものでかき集められた灰と骨、そして燃え残った僅か
な肉の欠片は、川に潔くかき捨てられた。舞い散る遺灰は風に乗っ
て対岸まで舞い散り、観光客達は慌てて河の側を離れていく。
茶色く濁った水の中を粉々になった屍がゆっくりと流れていく。
淀みながらも河の流れは、決して止まることはない。

>>76
ガンジスはインドで、この場面はネパールでした。
猿が大量にいて、印象深かったデス。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 16:24
>>83
ありがとうございます。景色がしっかりと見えて来ましたよ。

今までわたしは、旅行などで写真を撮らずに、その場でスケッチブックに
絵を描くことがよくあったのですが、一緒に文章でのスケッチも書いておくと
あとあと、印象深いものになりそうですね。
写真はたくさんとっても、あとになるとあまり覚えていないことの方が多かったりするから。
わたしのばあいは。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 02:59
写真のかわりに文字のスケッチ。
すごく良いかも。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 06:57
本が一冊できそうですな。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 07:15
自費出版だな。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 13:38
紀行文だ小説の描写だ。って勢い込まずに、写真につける眺めのキャプション(注釈)
ぐらいのつもりで気楽に書くというのも、いいのかもしれないね。

まっ、純粋な風景だけでなく、心理的な状況説明とかのスケッチもあるから
全部それがあてはまるワケではないけどさ。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 13:42
「今日の昼食の風景」とかどう?
90名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 15:25
目の前の画面上にマウスのポインタをあちこち走らせ、仕事をバリバリ片付けて行く。
とっ、突然マウスが動かなくなった。
「フリーズだ」

自分自身が凍り付いてしまいそうな冷や汗をかきながら
僕はWindowsキーボードの、ALTキー、CTRLキー、Deleteキーを同時に押す。
画面には、現在使用中のアプリケーションを終了するダイアログが
出てくる。僕は、ほっとして「Yes」をクリックした。
がっ、そのまま何の変化もない。
「フリーズだ」

自分自身が凍り付いてしまいそうな冷や汗をかきながら
僕はWindowsキーボードの、ALTキー、CTRLキー、Deleteキーを同時に押す。
しかし何の反応もない。
「フリーズだ」

自分自身が凍り付いてしまいそうな冷や汗をかきながら
しかたなく本体のRESETボタンを押した。
画面は消え、再起動の状態に入った。
しばらく待っていると、黒い背景に白い文字が表示された状態で動かなくなってしまった。
「フリーズだ」

自分自身が凍り付いてしまいそうな冷や汗をかきながら
よーく見ると、フロッピーディスクがドライブにささったままになっていた。
僕は、取り出しボタンを押し、フロッピーを手に取ると、キーボードのキーを押した。

身も心も凍りつくような夜は、まだスタートしたばかりだった……
91名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 16:06
目の前に坂道がそそりたって来た。
僕は、負けないようにペダルの上に立ち上がり「ぐいっ、ぐいっ」と力を入れてこぎ始める。
突然、「カラカラカラ」と音がして、渾身の力をこめられたスニーカーは宙を切った。

「あちゃー、チェーンがはずれちゃったよぉ」と思わず口から漏れてしまった。

近くのブロック塀に、チェーンの側をこちらがわにして自転車をたてかけ、僕はしゃがみこんだ。
前の大きなギアにチェーンをかけると、後ろがはまらない。
後ろを優先させると、前のギアを覆うには、長さが足りない。
前にかけたり、後ろにかけたり、同じことを何度も繰り返すうちに、
手は油汚れで真っ黒になって行く。
「そうだ!」
僕は、あるアイデアを思いついて、親指ぐらいの太さの木の枝をさがして来た。
チェーンを後ろのギアにかけてから、前の大きなギアに一部をかけ、
そのチェーンがはずれないように、木の枝をつっかえ棒にしてゆっくりと
ペダルを回すのだ。どうやら、うまく行きそうだ。
「やった!」

僕は、真っ黒になった両手をアスファルトにこすりつけた。
こすってこすってこすって、砂の中に手を突っ込んだ。
南の国の黒人の手のように、手のひらの部分だけが白くなったのを見届けて
僕はよろよろとこぎはじめた。
92名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 10:58
郵便局にて

僕は、A4の封筒に入れた印刷物を送るために郵便局に来た。
平日の午前中でもあるから、それほど混んでいるわけではなかったが、
四人ほどの列ができていた。僕はその一番後ろに並んだ。
窓口はふたつあるが、並んだ列によって早い遅いがないようにと、
あらかじめ一列に並ばせて、寸前でそれぞれあいた窓口に進むようになっている。
そのせいなのが、並んでいる人には、イライラした感じはない。

僕の順番が来た。前へ進み封筒をわたしながら、尋ねた。
「普通郵便だといつ着きますか?」
「早ければ明日ですね」
「じゃぁ、明後日にはまちがいなく着くってことですか?」
「そうですねぇ」
「それで、お願いします」
「はい、200円になりますね」
局員はそう言いながら、切手代わりに打ち出したシールを貼り付けていた。
僕は、自分の出したお金の代わりにレシートを受け取った。
外に出たところで、それをポケットにねじこんで「よし、メシでも食ってくか」とつぶやいた。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 14:44
>>3
今さらだけど。
日本では「けむりの木」と呼ばれているそうだ。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 09:34
age
953:2001/06/10(日) 16:42
>>93 なるほど、わたしの感じた「もくもく」という雰囲気は、やはり他の人も
そう感じていた。ということですね。
96「汚い」ちゃれんじ:2001/06/12(火) 05:36
汚い風景・・・かあ・・・・。

刑事達は管理人に頼んで、A子の部屋のドアを開けた。
開かれた板一枚がせきとめいていたのだろう、つんと鼻をさす匂いが、蒸し暑い夏の空気と一緒に噴き出してきた。
「私はここで、終わられたら管理人室におりますんで声をかけてください」
管理人はそそくさと、刑事達をおいて帰っていってしまった。
「鑑識呼んだ方がいいんじゃないですかね」
若い刑事が年配の刑事に小声で言う。
普通に喋るだけでも、部屋の空気が自分の肺を汚しそうな、物が腐ったような匂いがただよってくるからだ。
「連絡してきてもらえ、俺はちょっとだけのぞいてみる」
現場主義でとおしている年配の刑事は、ハンカチを口元にもっていき、鼻と口を覆った。
自分の汗の匂いと、A子の部屋の中からするすえた匂いが、それでも進入してくる。
入り口の側に、いくつものぱんぱんにふくれた黒いゴミ袋が山と詰まれていた。
床に散乱した清涼飲料のポリ容器、缶、丸められた紙ゴミ。
刑事の踏み出した足元から、ゴキブリが走り出していった。


#うーん、「汚い」の定義ってむずかしいなあ・・・

97名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 08:44
うーん・・・
98名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 12:45
タイの雑誌などでは、よく殺人事件の被害者の写真とかが、どーんと
大きく載っていますね。なんかまるで「物」みたいな感じで悲惨というよりは
不思議な感じです。
ブラジル方面でも殺人事件の被害者の写真はたくさんあるようです。
われわれ普通の日本人がこういったショッキングな場面の実物を見る機会と
いうのは、まずないでしょうから、ここらへんから想像を膨らませて状況を書くしか
ないんでしょうね。
個人的にはどうしても必要にせまられた時以外は、あまり書きたくない状況では
ありますね。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 13:13
小さな頃、ショウリョウバッタで遊んだのを思い出した。
小学校からの帰り道、家のかべにとまっているショウリョウバッタを
捕まえるところからこの遊びはスタートする。
このバッタは、薄い黄緑色をしていて、細長い体型をしており、
アゴのはさむ力が非常に強いのだ。
ランドセルからノートを出し、一枚の紙の端をしっかりとバッタにくわえさせる。
そしてしっかりくわえたタイミングを見計らって、一気にそれを引き離すのだ。

バッタの頭はノートに残り。胴体はもう一方の手に。
小さな殺戮者達は、自分のノートにたくさんのバッタの頭を
残すために、ものすごい勢いでつかまえていたんだ。

今となっては、ムネがむかむかする思い出だが、小さな頃
確かにそれが、楽しい遊びだった時期があったのだ。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 22:16
悪徳政治家のぶくぶくふとったおやじが、げほげほしてるとか・・・もシーンとしては「汚い」かなあ?
101名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 20:16
>>100 うん、いいね。書いてミソ!
わたしゃ、国会中継とか見ないからあんまりイメージがわかないや。
1022チャンネルの知的所有権を使わせて下さい。:2001/06/14(木) 20:23
         ※ 御断り  ※
以前2チャンネルのスレで自分の持ち物に名前をつけるとしたら?
と,言うスレが立っていました。
気に入ったのが二つありました。良亀とクララでした。
僕のホームページに遣わせてください お願いします。
只今、源氏物語(愛の秘め事挿入編)の桐壺の少女時代を
描いております
母の秘儀伝授(1)(2)で使わせて貰いました。
http://www3.ocn.ne.jp/~genji/
103名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 20:57
梅雨らしい雨の一日だった。
普段は干上がっている川が流れを取り戻していた。
トラクターのかき混ぜた田圃の、轍の後に争うように飛び込んでいく白鷺。
電線を渡り道を渡っていった小猿。
雨にぬれた黒いアスファルトに桃色の花が咲くように潰れてた、
猫。

なにかと自然と動物に縁があった一日だった…
104名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 21:09
>>103 素敵な景色をありがとう。
わたしが今いるところは、街のどまんなかだからうらやましいや。
こちらもやっぱり雨模様です。
晴れている時と違って、雨の空は光が乱反射するのかいつもより白っぽくなって見えてます。
でも、この雨がやんで一気に晴れると今度は、空気中のチリが洗いながされて
しまうから、ものすごいクッキリとするんですよね。
明日は、ジョキジョキ切り抜けるほどのクッキリした空が見えるとうれしいな。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/16(土) 07:31
サルベージ。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/16(土) 22:52
僕はドアを押して、そのハンバーガー屋に入っていった。
席はもういっぱいだ。
さっき僕を追い越して行ったグループが座っていたので、
ほんのタッチの差だったことを知った。
しかたがないので、店の外のベンチに座った。
風には、おだやかな活気があって、ほっぺたを「サワサワ」とくすぐって行く。
「うーん、外の方が気持ちいいかもしれないぞ、今日は」
ドアの方をチラチラ見ていると、カップルが出て来た。
「よし、入るか」と腰を上げたら、別のカップルが中に入って行く。
「どうも神様は、僕を外に座らせておきたいみたいだなぁ」
もういちど腰をおろした僕は、かばんから本をひっぱりだして広げた。
107(゚д゚):2001/06/17(日) 03:09
 ちらついていた小雨はいつのまにか止み、雲の谷間から
青空が覗いた。風の行く末によって、照らし出される情
景は色を変える。
 無造作に植えられたパーキングエリア横の木には、赤い
実が幾粒か実っていた。太陽の光を浴びる度に、小指の爪
ほどのささやかな実は、鮮やかな色を一層際立たせた。
「食べられるかな」
「食べられないよ」
赤い実は、葉の陰から不意に顔を覗かせ、のん気な顔でそ
よいでいる。

#今日の一枚。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 07:42
>>107
おみごと
109名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 01:50
今日、イタリアンファミレスで、カップルがお互いの視線を
まったくそらさずに延々と会話しているのを見たよ。
見事だった。
アツアツカップルの特権だと思ったね。
で、あの視線をそらさずに、じっと話すのは、お互いが「これから肌を触れようとする」
無言の信号なのかな?なんて思ったんだけど。どうなんだろ?
110名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 13:57
あげ
111名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 17:28
ここ数日は、けっこう蒸し暑くて窓を開け放っていた。
ときどき、風に乗って和服の化粧に通じるような強いおしろいの臭いがしてたんだ。
そう、僕にとっては、鼻がひんまがりそうだからまさに「くさくてたまらん」の
方の「臭い」だったんだよね。
で、今日はその臭いがした時に、窓の外を覗いてみたんだ。
そしたら、路地をはさんだ向かいの大家さんの庭になにやらピンク色の
花が咲いているのを発見した。
僕は降りていって、臭いをかいでみた。
「うーん、わからないなぁ」
あの強烈な臭いがちっともしないのだった。
ピンク色の大柄な花は、幾重ものしわしわの花びらが重なって形作られていて
白に近いピンクからショッキングピンクに近い濃い色までグラデーションに
富んでいた。
クキは緑色で2m以上の高さにまでまっすぐ伸びていて、花はそこから
直接横向きに咲いているようだった。
僕はもういちど、あの臭いの正体を確かめるべく、鼻を押し付けたけれど
結局わからずじまいだった。
帰って来て図鑑で調べたら「立葵(たちあおい)」という植物だった。
隣のページに「白粉花(おしろいばな)」というのが載っていたけれど、あの臭いの正体はどこかで
咲いているかもしれない、この花のせいなのだろうか?
112名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 18:05
今日も暑い日だった。
じっとしていても汗ばみ、動くと汗が流れた。
カタカタと手を動かしながら、発熱体の前にいるのも馬鹿らしい
ので、散歩にでも出かけることにした。
外の陽射しは6月らしくとても強かったけれど、時折吹く風が心地
よく頬を撫で、暑さを和らげてくれた。僕は「今」という季節を
楽しみながら、何故かオチをつけなくてはいけないという強迫観念
に捕らわれていた。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 22:10
そう言えば、6月って一年のうちで一番紫外線が強いらしいね。
紫外線で気になるのは日焼けだけど、それが今はさらに進展して皮膚ガンの心配まで
するようになって来ているし。
「夏は日焼け」と言って、こぞって薄着を競ったのは、はるか昔になりけり。というところかな?
おかげで、長袖のTシャツとか売れているんだろうねぇ。
オゾンがどんどん壊れて行ったら、そのうちにヨロイでも着ないと出歩けなくなって
しまうのかな?
そんな未来になる前に、せっせと散歩することにしようかな?
明日も晴れるといいな!
114名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 00:09
うーん
115名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 00:12
>>114
お前、さっきっから一言二言のレスだけでスレageまくるの止めろよ。
それとも根性のないage荒らし?
116スケッチャー:2001/06/20(水) 11:00
あっ、突然思い出した!

まだ小さな頃、田舎に行くと夜がすごく怖かったんだよね。
街燈なんて、本当に見渡す限りまったくないところだったから。
その代わり、空はすごくキレイで星が夜空にまるでパズルのように
バキバキバキって組み込んであるように見えて。
いくらでも勝手に好きな星座を作れそうだった。

ある時、親戚のおじさんに連れられて夜道を歩いていた。
確か、もうひとつの親戚の家に行って夕食をとったあとに帰るところだったと思う。
街燈もなし、懐中電灯もなし。それでもほんのわずかに歩く道は見える。
月は出ていなかったと思う。星明かりだけだったんじゃないかな?
かすかな明るさの中を歩いているから脚を大きく上げないと、
まだ小さな僕にとっては、石とかにつまづいて大変だった。
まわりを薄緑色のボンヤリとした光が光跡を引いて飛び回っている。
「ホ・タ・ルだよね?」おじさんに聞いた。
「そーだぁ」とだけ聞こえた。
もちろん、ヒトダマとかを信じていたわけではないけれど、不思議な光景だった。

坂を登り終えて公民館のわきを右にまがり、たんぼに挟まれた道に出ると田舎の家が見えるはずだ。
するとなぜか、夜にもかかわらずわらぶき屋根の形がはっきりと見えるのだ。
「あれ、おかしいな」
と思ってもういちどよく見ると、屋根全体がなんとなくボーと薄緑色に光っていたのだ。
なんでその時に、おじさんに「あれもホタルだよね」って確認しなかったのかは
わからないが、惹きつけられたように目を離すことができないまま玄関をくぐった。
怖さとかよりも不思議な気持ちでいっぱいだった。

翌朝はすっかりそんなことを忘れて、また、いとこ達と遊びまわり。
その日の夕方、母親と妹と一緒に東京へ帰る電車に乗った。
田舎の家はその年の秋に改築してわらぶき屋根はなくなってしまった。

あの不思議な光景は、それから目にしていない。

#今、冷静に考えると「ひかりゴケ」の一種だったのかもしれませんね。
わらぶき屋根が古くなって、かなりコケだらけだったから。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 11:35
このスレすごい。
ランボー対策であげます。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/22(金) 14:18
久々に徹夜だった。
夜中に腹が減ったので、何か買い出しに行くことにした。
外に出ると、空気がひんやりする。
夜中だとばかり思っていたら、東の方がぼんやりと白くなっていた。
明け方と呼ぶには、まだまだの時間なのに。
昼間は、すでに蒸し暑くて、夏に片足突っ込んでいるみたいだけど
「今」は、1ヶ月逆戻りした空気が、半そでの布が届かない腕に冷たさを押し付けまくるのだ。
僕は「うっひゃぁー」と叫びながら、無人の街を、ウキウキしながらコンビニまで走った。
119118:2001/06/22(金) 14:28
×半そでの布が
○半そでTシャツの
だったなぁ。最初のだと「が」「が」って来ちゃうからなぁ。
うーん、残念だ。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 13:51
大きな倉庫の影のような場所が見える。
ピアノが鳴っている。
白いタイツ姿のプリマドンナが現れ、伴奏に合わせて踊りだした。
曲が終わると、左側に消え、しばらくしてまた現れた。
半透明の白いレースで出来たふわふわの飾りを持っている。
さし始めた夕日の逆行の中で、飾りとともにそのプリマはキラキラ輝いている。
伴奏が始まった。
踊りは、さきほどよりダイナミックになり、踊ったあとが大きなサークルになる。
そのサークルを二巡目でなぞりはじめた時、その勢いのまま後ろ向きになった。
一瞬、そのまま宙返りをするように身体を伸ばし、脚を跳ね上げる。
プリマは地に落ちることなく、空へと浮き上がった。
プリマは大きな螺旋をえがきながら空へと上って行く。
その顔を前から眺めている僕は、さらに速いスピードでその先導をし、
プリマの前方を演奏しているピアノの伴奏も追い抜いた。
グルグルまわる街の風景が、どんどん遠ざかって行く。

っちゅう、夢を昨日、見ました!
121名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 14:12
うぇ〜ん、なかなかみんな投稿してくんないのねぇ。
ほとんど、自分のばっかりで、ちとかなピーっす。
みなさん、よろピクです。
122(゚д゚):2001/06/24(日) 02:29
窓を開けた。淀んだ煙草やアルコールの匂いは、網戸の細かい隙間
から静かに追い出されていく。朝の空気は冷たく、余分なものを何一
つ含んではいない。
 寝入っていたはずの友人は、一瞬体を固くした。一晩中語り明かした
はかない証拠は、跡形もなく窓の外へ消えていった。

#
飲み会の後のさわやかなんだか寂しいんだか分からない
次の日の朝の一枚っつうことで(゚д゚)
123名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/24(日) 05:36
飲んでたのかよ
124名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/24(日) 11:35
昔ながらの横丁にならんでいる店の奥に、引き寄せられるように、わたしは入って行った。
裏口の引き戸を開けると、その先は廃屋だった。
窓には、くもの巣がはりつき、透明ガラスの向うには
ポスターをはがしたらしいあとが、くっきりと残っているくすんだ色の壁が見える。
「もう、何年ぐらい人がいないのだろう?」
見れば、隣の家も廃屋だ。その先に見える家も、そのまた先も。
いったいこの辺りは、どうしてしまったのだろうか。
ふと、気がつくと門柱の上に、ホコリだらけのヘッドフォンが乗っていた。

ナゾな夢は、まだまだわたしを放してはくれないようだ。
125124:2001/06/24(日) 11:42
ボンカレーの看板が、壊れたブロック塀にへばりついていた。
とかを入れればよかった。金鳥の蚊取線香とか? くやし!
126名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/24(日) 13:50
開け放たれたままのベランダへの窓越しに、
干した洗濯物、隣の家の屋根、テレビのアンテナ、そして空。
どこからか、幼い子供どうしの他愛のない喧嘩の声が聴こえる。
娘が階段をあがってきて、そろそろ出かけよう、とはしゃいでいる。
今日は娘が二十歳になってはじめての投票日なのだ。
だからといって、わざわざ新しいワンピースを着ることもあるまいに。
隣の屋根に、見たことのない鳥がとまり辺りを見回している。
目の横のあざやかな黄色は、──それが吉報であれ凶報であれ──
俺に何かのメッセージを伝えにきたのだろう。
──まあいい。そろそろ出かけよう。
127126:2001/06/24(日) 13:51
スレちがいならごめん
128名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/24(日) 14:04
ばっちりだよ〜ん!>>126
ちゅうことは、さいたま市民なのかな〜ん。わたしと同じだ!
129名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/24(日) 16:08
泣いている父親からは茹でたとうもろこしの匂いが少し、した。
僕は左の耳でそれを見ていたが、何の感情も湧かなかった。
130126:2001/06/24(日) 23:19
ありがと >>128
都議選です。 またきます。
131名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/25(月) 00:24
夕方のハンバーガー屋に、買ったばかりの文庫本を持って飛び込んだ。
外に残る熱気と、店内にたくさんいる客のおかげで、クーラーの効きも
今ひとつのようだった。

コーヒーを頼み、文庫本に読みふけっていると、なんだかぞくぞくして来た。
顔をあげて周りを見渡すと、客はもう自分ひとりだけだった。
クーラーは、昼間そのままの強さなのか、本に集中できないほどになってくる。
「おい、まさか、僕を追い出そうとして強くしてるんじゃないだろうな」と
思ったけれど、店員は僕に目を合わせようとは、しなかった。
「もう、限界だぁ」と、本を閉じ、すっかり暗くなった外に出た。
しめっぽくて、暑苦しい空気に包まれて、なんか安心してしまった。
132名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/26(火) 06:26
この街のマクドナルドにはガラス製の巨大なパラソルを持つテラスがあり、
そこには四人掛けが精一杯の小さな備え付けの丸テーブルが八つあった。
昼休みに食事をした後にエスプレッソでタバコを吸うのが日課になっていた僕は、
青空がビルの合間からのぞく今日もテラスに座ってマルボロを燻らせている。
試験が終わってしまったからだろうか。
先週までいた学生風のお客はどこにも見当たらなかった。
しばし道行く人々を眺めていると、
足元に鳩がやってきて盛んに何かをついばんでいる。
鳩の攻撃する先をじっと見てみると、
黄色のフライドポテトを突っついているみたいだ。
三本目のタバコを吸い終わったので大きく背伸びをしてから立ち上がり、
テラスを離れ向かいのオフィスに足を向ける。
頬を撫でる涼しい風に南半球の冬の季節を今僕は感じていた。
133名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/26(火) 23:24
今日は、日陰に隠れたくなる一日だった。
134いくら:2001/06/27(水) 04:04
駅の改札をでる街にでると色の風景が迎えてくれる。レンガ畳は淡いオレンジ、立ち
並ぶ店舗の色は薄い肌色。だけどそれ以上に中央に植えられた泰山木の緑は、力強い。
風に葉を揺らすその木の下で、モスバーガーを食べる人、日光浴をしている人、ただ
通り過ぎる人。
自然の流れを無視しないその街の作りは所々に緩やかな坂がある。
バイト先へと急ぐ私の足には、レンガを通して少し土の感触を感じた気がした。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/27(水) 09:42
冷気が頬を刺激する朝、ベットの上で僕は静かに瞳を開く。
シャワーの音色が目覚まし代わりになってからもう三年。
ベットから身を起こしいつもの白いスリッパに足を入れる。
ミネラルウォーターをやかんに入れて、カチッ、カチッと二回で
コンロに火が点る。
甲高い笛の音が雄叫びを上げるのを合図にコーヒーカップを用意する。
フィルターの半分までコーヒーを入れてからやかんを手に取り、
ゆっくり螺旋状にお湯を注いだ。
芳香が部屋を満たした時、バスタオルを身体に巻いた彼女が台所に
やってきた。
僕は彼女にカップを手渡すと小さな木製のテーブルに腰掛け、
淹れたてのコーヒーをすすりながら朝刊に目を落とす。
今日もこうして一日が始まる。
いつになったら妻の淹れたコーヒーが飲めるのかと想いながら。
136名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/27(水) 09:56
古びた街並みの裏通りを歩いていたら、ビルの間に看板があった。
白地に黒の太文字で「立小便禁止」と書いてある。
看板の下には、度重なる雫の痕が……
僕は、ぐるっと回りを見渡し、納得した。
「なるほど、したくなりそうな場所だ」
137名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/27(水) 23:27
 開けっ放しにした窓からは、さっきまで降り続いた雨によって
湿らせた風がそよいでいた。カーテン代わりに吊るした布は
風が吹くたびわずかにそよぐ。
 ただし肝心の部屋の持ち主といえば、先ほどからディスプレ
イの前でカタカタキーボードを叩くだけ。雨に濡れた空気の匂
いにすら気付かず、ひたすら煙草を吹かしている。

#今の(゚д゚)。
138名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 02:01
冷房の効かないオフィスの中で眠い目を無理やりこじ開けながら
仕事をしている。目の前の柱に掛けられた時計にしばしば目を遣る。
時間は悠々としていていっこうに進む気配がない。
こくんと首に衝撃を感じるたびに慌てて背筋を伸ばして瞳を開ける。
遠くの席にいる部長秘書が冷たい視線を送ってきた。
ああ、早く終業時間が来ないかなとおもいつつ、2chをこっそり
見る毎日が終わる日ももう近い。
僕は首になったのだ。明日が最後のご奉公だ。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 05:27
頬杖を突いてみた。
一日剃らなかった顎髭の感触を手に感じて、疲労の度合いが増してくる。
モニターには下塗りで止まっているキャラクターの絵が映り、見直す度に
立体の曖昧な取り方のせいで塗れない場所が出てくる。
何度も描きなおそうかと思うが、その度、いい加減、完成させないと前に
進めない気がして思い止まる。
「このままこだわっていても、進まないけどな……」
タブレットのペンを手の中でクルリと回し、俺は作業に戻ることにした。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 22:48
夜、十時を回った駅前のラーメン屋で、スーツを着た年配の女が冷やし中華を食べていた。
その向うには、カバーで表紙を隠した本を、読みながら口を動かしている女がいる。
隣では、男がジョッキにビールを半分残したまま、顔を真っ赤にして携帯電話でメールを打っている。

今ごろの時間を、風呂上りの家族団らんですごしている人もいるのだろうな。
とほんの少しだけ、頭の中をよぎったりもした。

自分に足りないものが、「幸せの形」だったりする訳では、ないのにね。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 23:19
職場に着くと、すぐにネットにつないだ。チェックするサイトはむろん
2chと虎穴だ。隙をぬってはリロードを繰り返す。何度も何度も。ある
期待に胸を膨らませて。

駄目だ。今日もいない。空虚な風が胸を通り過ぎる。
いつからだろう。こんなにもアイツのことが気にかかるのは。
アイツがいないだけで、空の色まで違って見える。
今日も一日、仕事が終わった。私はパソコンの電源を切って家路につく。
明日こそは、気になるアイツと出会えることを夢見て。

アイツの名は、テル。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/28(木) 23:33
壊れかけたエアコンがカラカラと回る。
実際のところは回ってはいないのかも知れないけど
そんな音が仕事場に響く。
昼過ぎに買ったミネラルウォーターのボトルは
飲みさしのままキャップをなくしてしまい、
小さな虫の死骸が浮かんでいる。
煙草はすでに尽き、シケモクしようにも
事務の女の子が、帰りしな、吸殻をきれいに片付けてしまった。
時計は11時を過ぎ、買いに行こうにも心当たりがない。
外の道路で、車の急ブレーキの音がした。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/29(金) 00:19
陽射しが、いくらか柔らかくなった午後5時頃、C言語の参考書を買いに
本屋に入った。
店内の空気はエアコンに冷やされ、肌に心地よい。
気分良く立ち読みで一冊ずつの内容を吟味しながら、これだという本を
探す。
やがて一冊の本を手に取った。これなら十分に希望にそった情報が期待
できるだろう。
しかし、五百ページはある分厚い本だ。予測としては三千円辺りだろう
か。
裏表紙の値段を見る。
二千五百円だった。
予測よりも五百円もやすい。今晩は飯にありつける。
レジで会計を済まし外にでると店内と外との温度差に途端に汗が吹き出し
始める。
今日は精のつくものを食べよう。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/01(日) 00:55
ラジオをつけてみる。
適当な位置から少しずつチューニングして声が入るのを待つ。
「……です。これから――」
わずかに電波が入るところで止める。
ここから、どんな放送かを考えるのが好きだ。俺は新聞をとっていないのでラジオ
番組のプログラムなどさっぱりわからない。
けれども俺はラジオが好きだ。
145名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/01(日) 17:16
さがってるのでage。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/02(月) 01:22
ラジオが、僕達の空想の窓だった頃がある。
それは、聞いている人間にそういう頃があるのか、
時代そのものにそういう頃があったのか?
定かでは、ないのだけど。

鼻の奥がジーンとしてくる、思い出だった。

耳の中に流れてくる、深夜放送のテーマ曲は何ですか?
あの頃、僕は、誰を好きだったんだっけ?
友達と何を、語り合っただろうか?
世の中の何に、不満や怒りを持っていたのだろう?
胸に燃やしていた夢を今、あなたはどんな形で手にしているのでしょうか?
147名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/02(月) 01:52
炊き立てのご飯でおにぎりを作る。
手に乗せるご飯は火傷しそうな程に熱く、放り捨ててやろうかと思うが
苦々しい事に腹の虫はぐうと鳴るのだ。
具は塩だ。
塩のみ。
実に男らしい。
貧乏とは言わない。男らしいのだ。
飲み物は水だ。
AMPMで買った南アルプスの天然水。2リットルのペットボトル
をもう三日も愛飲している。あと一週間はもつだろう。
貧乏ではないのだ。水道も止められてはいない。
ホカホカのおにぎりに、同じく80円で買った味塩をふりかける。
美味い。
あとはたんぱく質だな。
卵はヤマザキデイリーストアで一パック130円で売っていた。
殻を割り生卵をぐっと飲み込む。
よし、あと三日はこれでいこう。
実に健全な食生活だ。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/03(火) 03:38
学校の屋上の外周には格子が立てられいてる。眺めのいい景色など拝むこともまま
ならない。よじ登ることが出来ない様に、鼠返しまでついている厳重さだ。
うちの学校で自殺者が出たなんて話しは聞いたことがない。
ならばこの格子は何のためにあるのか。
「社会という檻を生徒に実感させる為だよ」
友達のくだらない冗談。
でも、自分の無力さは実感できる。
この格子を越えれば自分を超えられるのでしょうか?
149名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/04(水) 03:09
雲ひとつない空には太陽が輝き、通りを歩く人もセーターを肩に担ぎ
日差しを手でかざして談笑している。マック・カフェに入ると、外の
テラスに学生風の五人がノートを開いて話し込んでいる。
そう、休みの前の試験の季節なのだ。エスプレッソを一杯だけ一息に
飲んで、あとはおしゃべりをおやつ代わりにしている。
たまに吹く涼しい風も、前髪を優しく撫でつけるだけで気持ちがいい。
南半球の冬はこうして何事もなく過ぎていく。
150名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/04(水) 06:03
暗闇の中でフォークリフトの運転。
アスファルトはウネウネと山谷がある。もう、凄く怖い。運んでる荷物
はプラスチックの空ケースだから、重量が無い。斜めに傾けばグラグラ
と動き、くしゃみ一つで吹き飛びそうだ。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/04(水) 16:27
灰色の街。

目に入るものは人の頭、頭、頭。
下を向けばその頭数の二倍の足。
電車から流れ出た人の波にすくわれて、改札へ。
そこは水門のように一時的に流れを止めてまた吐き出している。

人の流れは駅の出口で放射状に広がった。息をつく。
私はビルの列に沿うように流れている細い川……といっても
川に沿って建物を建てたのだろうが……の上を横切る。

川は錆色をした水がほんの少し残っているだけだ。
水自体のせいか、それとも途切れることのない車から出る排気ガスのせいか、
その一帯は朝も昼も夜も鼻をつく臭いが漂っている。
濁った空気が身体に染み付いていく気がして、息を止めて服を払う。

私は、どうしてここにいるんだろう。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/04(水) 17:22
弁当を食べ終わった、昼休み。屋上に行ってみた。
カンカン照りで、さぞかし暑いことだろうと思っていたら、
けっこうな風が吹き抜けて、気持ちよかった。
でも、さすがに、日差しは強く、思わずシャツを脱いで上半身裸になってしまった。
ふと、気づくと、隣のビルの屋上では、水着を着た女性がふたり、日光浴をしていた。
僕は、「都会も、なかなかのものだ」と思い、「こんにちは」と声をかけた。
ふたりは、びっくりしたらしく、建物の中に引っ込んでしまった。
僕は、「日本は、なっとらん!」と大声で叫んだ。
もっと、身体に太陽を!すみからすみまで太陽を!特に女性はつつみ隠さずが大切だ。
日本は、遅れているぞ。だんことして遅れているぞ。
と、強く強く思った、昼下がりだった。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/04(水) 19:18
>>152
ちょっと点が多いと思うなり
154152:2001/07/04(水) 23:50
>>153
えっ、それって「点数がいいよ!」ってこと?
満点じゃないけど、点が多い。ってことなんだね?
うれしいな。へへへっ(んなこたぁーない!)
155(゚д゚):2001/07/05(木) 00:04
文京区音羽通りのピークは1時過ぎ。数十台のタクシーに
照らし出される道は、嘘みたいに明るい。慌しく入館しては
駈け出ていくバイク便業者や汚れた食器を回収するため
だけに、ビルに足を運ぶ仕出し業者。そして近くのロイヤル
ホストでは、夜を徹した打ち合わせが今日も日付をまたい
で行われている。
コーヒーのお替わりがよそわれる度に眠気はじりじりと強
まっていく。あのカフェインの魔力でさえも、入稿明けの打
ち合わせには、何の意味もないないらしい。隣のテーブル
には年老いたカップル。ゆっくりと交互につつく宇治金時は、
既に半分ほど溶けてしまった。
「ですので、この企画では弱いんですよ」
人のよい編集者が、珍しく声を震わせた。
さっぱり読めない文字で埋められた原稿用紙。
規則正しく増えていく灰皿の中身。
溶けかかった宇治金時の爽やかなグリーンだけが、
音羽の夜を救っている。そしてそんな瞬間でさえも、
夜明けは確実に近づいている。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/05(木) 00:36
>>155
オオ アソコノ ロイヤルホスト ガ オハナシ ニ デテクルナンテ!
157名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/05(木) 06:16
昼の休みだ。近くの川で車を止め、俺は惰眠を貪ろうとしていたのに目の前を一匹
の猿が通りやがった。この川の上流、山には猿の一団が生息していることは知っていた
のだけれど目の前にいやがったら気になるじゃねぇか。
俺はそっと猿に近づいてみた。
「ほーれ、ほれ」
「うきー」
猿は警戒心を顕わにしている。だが逃げない所は気に入った。
「ほーれ、弁当だぞー」
「うきー」
猿は俺の手から弁当を奪うと一目散に逃げ出した。
俺は山に向かって走っていく猿に石をぶつけながら「またこいよー」と声をかけた。
158名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/05(木) 14:41
よく行くラーメン屋のチャーシューが、一枚しか入っていなかった。
いつもだったら、二枚入っているのに……
「不況は、こんなところにまで来ているのだなぁ」
とシミジミと見つめてしまった。

そしたら、店のおやじがそれを見て、
「あっ、ゴメンゴメン。間違えてたよ。はい、おまけ」
と二枚もチャーシューを入れてくれた。
「日本もまだまだ捨てたものではないな。未来も明るいぞ」
と思った。

ラーメン屋でのおめでたい青年の風景であった。
159153:2001/07/05(木) 21:52
>>154
んなこたぁーない
160名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/05(木) 21:59
>>159
いくらなんでも「点」はないでしゅよ〜
161名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/05(木) 23:33
>>160
点が多いんだよ
162名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:09
>>161
読点と書こうよ
163名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:13
腹が減っていたので、目についたそこの店に入った。
きれいな白木のカウンターがあり、そのすぐ前にはネタの入った透明なガラスのケースがある。
僕は、お茶の置かれた席についた。
感じのいい、おやじがすぐに声をかけてくる。
「へい、らっしぇい。なんにしましょうか?」
「えーとね。あそこに書いてある、名詞と形容詞を握ってもらえるかな?」
「へい、名詞一丁、形容詞一丁」
「あっ、あと慣用句と四文字熟語もね」
「へい、慣用句一丁、四文字熟語一丁」
「お酒は、冠詞あるかな?」
「へい、熱燗にしますか?」
「いや、冷でいいよ」
なかなかの、味わいだった。ネタも豊富だ。
ただ気になるところもなかったわけではない。
「おやじ、これちょっと読点が多くないか?」
「へっ?点々のことですかい?ははっ、これが家の流儀なんでさ。
丸もたくさんサービスしときますよ」
目の前に、読点で細かくブツ切りにされた、ネタがずらずら〜と並んだ。

「うぉ〜やめてくれぇ」

と思ったら、書きかけの原稿によだれを垂らしながら寝ていた自分に
気がついたのだった。
164名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:14
>>162
読点が多いんだよ
>>164
句点が無い、と書こうよ。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:22
>>165
句点が無いんだよ
167名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:43
>>166
……(←三点リーダー)が無い、と書こうよ
168今日:2001/07/06(金) 01:35
とても日差しの強い日だった。
僕は額の汗を手の甲で拭いながら歩いていた。
熱射にたえるために俯いてあるいてたから
ほとんど、まわりなんか見えていなかった。
ところが、信号で立ち止まったとき、
ふと、横にひとりの女の子がいるのに気がついた。
顔をあげると、ごく自然に彼女と目が合った。
透き通るように白い肌。電車が起こす風に煽られて
まるでそれ自体が生命をもつもののように
舞い踊る黒髪。僕は目が覚めるような気持ちで
彼女の顔を見つめ返した。
彼女は僕と目が合うと同時に、にっこり微笑んだ。
いつまでたっても薄い唇の両端に微笑を湛えていた
いつもは、女性と目が合うとすぐそらしてしまう
小心者の僕だというのに、この日に限って僕は、
何の恐れも抱くことなく、むしろ仄かな安らぎさえ感じていた。
いつまでも続けばいい。そう思った。
実際、永遠に続くような気がした。
しかし、現実は残酷だった。
踏み切りがあがって、僕と彼女は
車のクラクションによって道路の左右に分けられた
正確にいうと、僕だけ端に寄った。
彼女は、道の真中に立ち尽くしていた。
車の運転手にどやされても、僕にそうしたのと
同じように、にっこりと笑い返していた。
車の運転手は
いっこうに立ち退く様子を見せない彼女にむかってこう罵った。
「なんだ、馬鹿か」
そう、彼女は近くの擁護学校の生徒だったのだ。
僕は後頭部を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
やがて、彼女は小走りで踏み切りを渡っていき、
彼女のせいで立ち往生していた車の列も
次々と彼女を追って踏み切りを渡っていった。
僕だけがそこに残された。
いつしか僕は泣いていた。
泣いても泣いても、次から次へと涙がでてきた。
とても日差しの強い日だった。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 02:40
>>167
不毛だよ
170名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 05:19
そっと目をあけると、空まで届くような茶色い壁があった。
まとまらない頭で状況を掴もうとする。
俺はいまどうしている。
あお向けになって地面に転がっている。
「……そうか、落ちたんだ」
茶色い壁は崖だった。俺は崖の上から落ちたんだ。
「納得できたら少しは動こうぜ」
自分で呟いて体を起こす。
その時、自分の隣にコンクリートのブロックが落ちていることに気がついた。
刹那、体に怖気が走り、落ちた瞬間が頭の中でフラッシュバックする。
それはコマ送りの光景だ。少しづつ、空が遠ざかっていく。体を動かすなんて指令
は頭の中に存在しない。完全に宙に放り出されている。
「地面を見たりしなかったのは正解だったな」
落ちている最中に自分に迫ってくるブロックなど目の当たりにしていたら、その場で
ショック死でもしていたかもしれない。
俺は立ちあがると服についた土を払う。そして体を軽く動かしてみる。
異常は無い。
「……よし、帰るか」
普段使っている通学路はあの崖の上だ。少しふらついて崖から落ちてしまったわけだが
思わぬショートカットだ。
もう二度とご免だが。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 13:25
昼下がりの電車の中で、楽しそうに語らうふたりの若者がいた。無言の会話だ。
でもしきりに手を動かし、豊かに表情を変化させうなずきあっている。そう手話だ。
わたしは、内容のまったくわからないその会話をニコニコと眺めていた。

わたしのすぐ後ろでは、別のふたりの若者が大きく脚を開いて、
思い切り尻を前にずらし、半ば寝そべるように座っていた。
時々、思い出したように「かったりー」「あぁ、かったりーなー」
と面白くなさそうな顔をして、時々声を発していた。

手話のふたりも、やはり「かったりー」とかの言葉をやりとりしていたのだろうか?

ナゾがうずまく、昼下がりの車内の風景だった。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/07(土) 03:24
目が覚めると陽はとっくに落ちていて辺りはもう目を凝らしても闇の中。
昼の間に集めた薪に日をつける。
静かな夜だ。
目の前を流れる川の音しか聞こえない。
ここにキャンプを張ってもう三日。あと一週間も経てば不審人物が川原でキャンプ
を張っているとか言われるんだろうなぁ。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/07(土) 16:07
「パチッ」
はぜた焚き火の火の粉が、コットンジャケットの肩口にぶつかった。
小さなコゲの痕ができる。化繊だったら穴があいてしまうところだ。

燃えさかる炎の前で車座になって酒を酌み交わしていた仲間も、
ひとり、またひとりと夢の世界でいびきをかき始める。
それにつられてか、焚き火の炎もおぼろで眠たげだった。
最後に残った俺も、少し離れた自分の寝袋に潜り込んだ。
鬱蒼とした森の木々に映る影が、ゆらゆら揺れてまるで躍っているようだ。
胸元にかけたジャケットに沁み込んだ、いくつもの焚き火の思い出に包まれながら
夢の世界へと急降下を始めた。
174(゚д゚):2001/07/07(土) 18:31
 目が覚めるとすっかり陽は陰っていた。数日間開けっ放しの窓からは
久しぶりに冷涼な風が吹いていて、夏に紛れて秋が顔を見せたような、
そんな不思議な心地がする。
 萎れた鉢植えに慌てて水をやりながら、怠惰な眠りと引き換えに放棄
した数々の「やるべき事」に頭を抱える。
・友達への電話
・たまった洗濯物の処理
・荒れた部屋に秩序を
・書きかけの小説に結末を
 今日は七夕だという。笹の葉に最後に願い事を託したのはいつだった
ろう?剥き出しの肌にそよぐ夏らしからぬ風の中に答えはない。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/08(日) 04:28
あ、今日は七夕か!
失念していた。三日前の俺の誕生日も親からの電話で思いだした程、俺は時間間隔
を失っている。
というか、過ぎてるよ!どうするよ。天の川見れんよ。
とりあえずカーテンを開いてみる。
隣のマンションの壁だよ。空すら見えんよ。
どうするよ?
176名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/09(月) 02:01
窓から見える景色は時代を重ねるごとに変わっていく。右の家はよく犬の糞
が落ちていた空き地だ。正面の図書館は草叢で、エロ本が山のように捨
ててあった。
ザリガニが釣れた貯め池も埋めたてられて道路になった。
現在がリアルすぎて過去の光景はもう、幻想のような気がする。
あそこにはもう、家が建っていて埋めた宝物を取りに行くこともできない。
あの頃の土の感触だけは今も手に残っているのに。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/10(火) 05:19
12時過ぎの駅にはサラリーマンの疲れた顔がならんでいる。
自販機でどのジュースを買おうかと悩むサラリーマン。
泣きつかれたようにベンチで俯くサラリーマン。
携帯で陽気に話すサラリーマンでも不精髭は隠せない。
日本のサラリーマン事情を知るなら駅にいけ!
178(゚д゚):2001/07/11(水) 02:46
久しぶりに訪れたワタリウム美術館。まだ18時半前
だというのに、既に大勢の人がいた。2ちゃんねるのイベ
ントらしく、モバイラーが幅を聞かせ、「ひろゆき」やら何やら、
慣れ親しんだ言葉の数々が溢れ返っている。
塀に寄りかかりながら列に加わり、文庫本を片手に開演
を待つ。夏の夕暮れ時だというのに空気は穏やかで、
アスファルトも熱気を発してはない。目に入る建物の
アルミで出来た窓枠は陽の光を目一杯吸い込んで、
金色にキラキラ光っていた。
遅れ気味のスケジュールに誰一人不平を言うものはない。
私は時折吹く風で灰が舞わないようにとそっと煙草の火を
消した。

#楽しかったデス(゚д゚)
179名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/12(木) 04:16
財布の中身による視線の変化。
コンビニに入ってみた。
多い頃は靄がかかったように大雑把でぼやけていた気がする。
何を選ぶにも視線は緩やかだった。
少ない今、鷹のように鋭くギラついた目だ。範囲も固定されている。
規定以上は全て除外。
値段を日割りしたりもする。
獲物は絶対に逃さない。
それは日を追う毎に鋭くなっていく。
給料日に辿り着く日まで。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/13(金) 02:38
珍しく空は灰色に垂れ込め、薄ら寒い風が町を撫でつけていた。
天を仰ぐことなく、ひたすらアスファルトに視線を這わせて歩いていく
過ぎ行く無数の脚、脚、脚。
いったいその脚が誰のものなのかも、今のわたし、いや誰にとっても
どうでもよいことに違いなかった。
過ぎ行く能面はところどころで留まり、そして流れさってゆく。
わたしは一人で昼飯を食べ、そう考えていた。
181名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/13(金) 04:22
夏のある日、片山君と僕は釣りにでかけた。
片山君は地図とかに載っていない場所に妙にくわしい。
今日は裏山の林の中へと進んで行く。僕一人ではとうてい帰れそうも
ないほど深くへと鼻歌を歌いながら歩いていく片山君。
林を抜けると小さな池があった。
ここには陽も差さず夏だというのに、うすら寒い。
「おい、ここにしようぜ」
片山君が勝手にここを釣り場所に決めてしまった。
「ここって釣れるの?」
緑色の小さなこの池はどう考えても魚が棲めそうには見えない。
「大丈夫、大漁だよ。俺、ここの魚食ったこともあるし」
「ええ!」
ありえない。片山君はパンが床に落ちたとき一口も食べてないのに汚
い と言ってごみ箱に捨ててしまうような人だ。
でも、ここまで自身たっぷりだと反論する気にもならなかった。勢い
で 言った冗談かもしれないし。
僕ら二人はここに糸を垂らすことにした。
それから数分。
「よし、来た!」
本当に釣れてしまった。そこそこに立派なフナだ。
片山君は釣り針を外そうとする。だが、意外に魚が暴れるので魚の口
から でた血が手についてしまった。
「うわ、汚ねぇ」
片山君は手を振りながら血を拭うものを見つけようとする。
ぼくもティッシュを片山君に渡そうとポケットの中のティッシュを
捜す。
「いいや、ケロッピ!!」
片山君は僕のTシャツに血をなすりつけてきた。
「や、やめてよ」
信じられない!常識を疑う行為だ。
「ケロッピ、ケロッピ」
僕がいくら抵抗しても意味不明な単語を連発して片山君は僕のTシャ
ツで手を拭く。
「ケロッピ、ケロッピ」

その後、僕は泣きながら家に帰り、血で塗れたTシャツをこっそり洗濯
機に投げ込んだ。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/13(金) 21:04
22時には会いに行けるとメールしたのに、私はまだ、家にいる。
買ったばかりのボサノヴァのCDは、クーラーの効かない部屋
に必然性をもたらしている。たとえば皮膚を伝う汗。吐き出す度
に空気を濁すメンソールの煙草の蒼い煙。

これから駅に隣接したオープンカフェに行く。私はきっとビールを
頼み、ノートを広げ、そして空気も凍でつくような国の話を書きな
がら、彼が来るのをゆっくりと待つ。機械的に行き交う人々を時
折眺め、剥げかけた口紅をせわしなく何度も直し、ウォークマン
から流れる音楽に聞き入り、ビールのグラスを湿らせる水滴の
一粒一粒を丁寧にナプキンで拭く。

そろそろ行かなければと私はコンポの電源に手をかけた。
目に浮かぶことを目に浮かんだとおりにこなす週末。
思い描いた事を丁寧になぞる幸せな週末。

#イッテキマス(゚д゚)
183名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/14(土) 02:41
一人で幸せにひたってろー(゚д゚)ゴルァ
184名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/14(土) 04:13
昔の知り合いとチャットをしている。
互いの環境の違いや変化は面白い。故郷の風景を思い浮かべると自然
にタイプも早くなる。
185名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/15(日) 04:00
現在午前四時。
眠い。
うつらうつらと文章を打つ。
ある意味すごくわかり易い風景ではないだろうか。
このまま独白を続けていれば文章になるのでは?
そう思いながらオチもつかず寝る
ぐぅ
186(゚д゚):2001/07/15(日) 23:23
とうとう夏に屈服した。クーラーのスイッチを入れた。
殺人的な暑さはすぐに影を潜める。あっけないものだ。
こんな事なら意地をはらなければよかったと苦笑い
する。ただ熱気を潤すささやかに冷えた風を感じられ
ないのは少し寂しくもある。ベッドに寝転び、本を読み
ながら汗を流し、夏に紛れこんだささやかな風を剥き
出しの肌で味わう。クーラーを入れた瞬間に、そんな
些細の楽しみからは遮断されてしまうのは何だか少し
残念だ。

その代わりベランダに干したままの掛け布団は、夏をぐんぐ
んと吸い込んでいく。よく干した布団ほど快適なものを私は
知らない。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/16(月) 03:15
運動不足の身体に軽いストレッチ。
音を立てる関節が動く事に不精過ぎるぞと警告を発する。
一呼吸、整えて前屈に挑戦。
手が足の指先まで届かない。
まずいぞ。
鼻息を荒くして、前へ、前へと指先を伸ばす。
……。

すいません。明日から毎日運動します。
188(゚д゚):2001/07/17(火) 01:53
気を抜くとすぐに襲い掛かる睡魔に負けじと時折頬をつねりな
がらPCの前で格闘する。明日までに作らなくてはいけない資
料の一つ一つが正にいわゆるプレッシャー。一人ぽつんとデ
スクに座る自分のああ、何たる惨めなこと。効きすぎたクー
ラー、閑散としたデスク。うんざりしながら窓の外を眺めた。
美しい夕焼けでさえ、今日の私には恨めしい。

#いや、まじで最近昼の仕事が忙しくて(泣
189名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/17(火) 07:19
脳裏に浮かぶ風景がある。今でも鮮やかさを失わない。
朝焼けに照らされた黄金の風景。
立ちすくんでいた。
何も考えずにその数秒の風景を眺めていた。
ふと我にかえると陽は充分にのぼり、そこには普段と変わらぬ水田。あの数秒とは
違う、ただ金色なだけの稲穂が風に揺られていた。

何も考えずに家に帰った。
窓からは光が差しこんでいたのでカーテンを閉めて部屋を暗くして寝た。
ベッドに横たわり浅い眠りの中で、もう一度あの風景が見れることを願う。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/17(火) 23:24
>>186

>その代わりベランダに干したままの掛け布団は、夏をぐんぐ
>んと吸い込んでいく。

う〜ん、いいなぁ。この「夏を吸い込む」っちゅう表現がねぇ。
191名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/18(水) 04:13
>>190
「その代わり」が癖になっていると思われ
注意した方がいいかもね…
192名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/18(水) 08:05
日を追う毎に暑さを増す、夏の昼。
道路のフェンスに腰をかけ、コンビニで買ってきた卵サンドを
頬張り、道行く車を眺めていると突然一羽のカラスが目の前に降り
てくる。
「な、なんだ!?」
困惑する俺に対し、カラスは遠巻きに俺を中心として周囲をぐるぐると
回りだす。
これを見て、ようやく理解ができた。
「ああ、そうか。えさが欲しいのか」
だが、俺は鳥にえさをやることに少し抵抗があった。
秋葉原の万世橋で鳩一匹にえさをやってしまった為に、他の鳩、数十匹
を呼び寄せてしまったことがある。
しかし、カラスもえさをねだるのか。
ふと、カラスを見るとさっきよりも俺との距離が縮まっていた。
少しづつ、少しづつ、獲物との距離を近づけていくんだろう……。
「この辺のずうずうしさが鳩との違いなんだろうなぁ」
すでにカラスは俺の隣にいる。
俺は立ちあがりカラスとの距離をとった。
カラスは俺をじっと見つめている。
「ほら」
パンくずをカラスに放りなげてその場を足早に去る。
幸いにもカラスの大群は現れない。
安堵しながら、ふと明日のことを考えた。
この道は通らないことにしよう。
懐かれでもしたらたまらないし、明日、この場に来てカラスがいない事
に落胆するのもいやだ。
後ろを振り返るとカラスは食い難そうにパンくずを漁っていた。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/18(水) 10:56
朝の通勤でハンドルを握る。
フロントグラス越しの空は白泡を漂わせ、黒く浮かび上がる
オフィスビルの輪郭を消し込んでいく。
広い歩道を闊歩する人々を追い越し追い越され、わたしは渋滞
を進んでいた。
ラヂオから流れる70年代ポップスが、心地よく耳に響いてくる。
エアコンから送出されるひんやりとした冷気に煙草をひと吹きし、
右手の人差し指でハンドルにリズムを刻む。
中央フリーウェイのドライブを想い出し、左右の風景に目を留めた。
ドトールコーヒーでコーヒーを片手に談笑する女性が、肩の隠れる
髪を首筋から左手で持ち上げると、さわやかな風がそれをふっくら
と持ち上げて、開いた指に髪を絡ませる。
彼女の笑顔のなかで、赤い口紅が光る唇が動いていた。
その笑顔を見届けると、ゆっくりとブレーキから足を離して、
交差点を突っ切っていった。

今日もいつもの一日が始まる。
でも、すこしだけいい気分の一日が……

# なあんてことをしてないなぁ。はぁ、と。
194(゚д゚):2001/07/19(木) 01:02
テーブルの端に置いたクーラーのリモコン。
無意識に手が伸びた、けれど、雨のせいで今は少し寒い気さえする。
しばらくファンの回る音に聞き入った後「切」のボタンを押し、閉
めた窓を代わりに開けた。
夏の雨は土と草と、ほこりの匂いがする。ありふれた匂いの
ようだけど、他の季節よりは濃密な匂い。小刻みに音を変える
雨音さえ、どことなく力強く、正に夏を今、感じている。
追われるように過ごしたこの3日間。PCの横には相変
わらず推敲が必要な研修用資料が積んである。ただ久
しぶりに季節を感じたせいか、気持ちが少し高揚してきたように思う。
スコールのように降った雨は、乾ききった植木鉢を充分に
湿らした後、やがて止んだ。
さあどこから手をつけようと心なし明るい気分で今、PCに
向かっている。

#ウソウソ。研修用の資料は明日に丸投げ(はぁと)
195名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/19(木) 01:11
今日、図書館に本を借りに行った。
目的の本がどこにあるかわからなかったので、設置してあるコンピューターで
検索してみた。作家の名前を入力して「検索」キーを押すだけだ。
結果は残念ながらそこには所蔵されていなかった。
「あーあ、せっかく来たのになぁ」
ふと思いついて、ためしに、自分の名前を入れてみた。
すると、なんとあったのだった。
昨年出したホームページデザイン関連の本が、そこに表示されていた。
それは、書店で自分の名前が並んでいるのを見るのとは違った感触だった。
何か、不思議な満足感だったな。
いつの日か、自分の書いた小説もこのディスプレイの中で
表示されることを夢見て、強い風の中自転車をキコキコ漕ぎながら帰って来た。

夢に終わらせたくはないよ。
そうだよね?
196名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/19(木) 09:33
 いつもと同じでした。
 隣街まで買い物に行こうと車を走らせていたのです。
 通るコースは、いつも使っている急な下り坂が2段ある道。
 一段目を降りると十字路があり、そこを左折するとまた下り坂という少々危ない
道。
 一応、無事故、無違反の私は安全運転を心がけており、一段目を下ったあとスピー
ドを緩めて無理無く左折です。
 そして2段目の下り坂。
 車が坂の半ばで止まっていました。
 逆さまで。
「えーと……」
 とりあえず自分の車を止めて下車。現場を見ます。
「左折に失敗?」
 曲がり角付近の木が不自然に倒れています。
「木にぶつかって車体が回転して、ここまで滑ってきた?」
 曲がり角から坂の半ばまで結構距離があります。以前テレビで見た衝撃の映像
百連発並みの状況だったようです。
 しかし、何故私はこうも冷静なのか。
「人は乗ってるのかな」
 自分の口から出た言葉でやっと自分が何をすべきか思い当たります。
 私が急いで車に向かおうとした時、車をはさんで向こう側から「おい、おい、何だ
こりゃあ!!」と四十半ばのオジさんが駆け寄ってきました。
「なぁアンタ見たか。凄かったぜ」
「え?いや、事故ったところは見てないです」
 オジさんは「残念だったなぁ」といいながら車の中を見ています。反転した車は
下になっている屋根の部分がほとんど潰れており、生きていても中は酷い状況で
しょう。「おーい、生きてるかぁ!!」オジさんは呼びかけます。すると中から、
か細く「……うー、うー」と声が。
「おし、大丈夫だな?直ぐに救急車を呼んでやる」
 オジさんは携帯を取り出しました。
 私は何か出来ることが無いかと周りを見ているとどこからか人が集まってきてい
ます。
「何、何、これどうしたの」
「え、事故?」
 大半は野次馬でしたが、この際、有り難いと思いました。立っているだけなのは
居たたまれない。
「おい、早く出してやった方がいいんじゃないか」
 誰かの発言にみんなが賛同します。
「おし、お前。そっち持て」
「行くぞ」
 グラリと揺れる車体。しかし、非難の声が。
「やめろ!う、うー……うー!」
 車内の人の声です。
車体が揺れると痛みが走るようです。私達は何もできませんでした。


 救急車のサイレンが遠くから聞こえてきます。あれから10分ほど、私達は車の
周囲でただ喋っているだけでした。
 残酷という言葉をこれほど強く感じる瞬間は一生の内でもそうはないでしょう。
 救急隊員は到着すると、すぐに車のドアを外しました。
 すると中から人が転がりだしてきます。
「ああ、そうすればよかったのか……」
 この十分は何だったのか。

 ただ、自分の無力さを嘆くばかり。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/20(金) 06:21
布団が怖い。
俺は布団に入るとぐっすりと寝てしまう。朝、昼、晩、関係無くだ。
8時間きっかり寝てしまうこの体質は健康的な異常性だ。
うっかり布団に横たわろうものなら、そのまま天国行きだ。
寝ることは嫌いでは無く、むしろ好きなのに……。
ああ、布団が怖い。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/20(金) 11:25
ゴルァの小説が怖い。
俺はゴルァの小説を読むと批評の虫が疼いてしまう。
会社、家、ネットカフェ、関係なくだ。
ゴルァの小説に引っかかってしまうこの体質は、健康的な異常性だ。
うっかりゴルァの小説でも読んでしまったならば、
そのまま簡素ウラン行きだ。
ゴルァの小説を読むことは嫌いではなく、むしろ好きなのに……
ああ、ゴルァの小説が怖い。

# はぁと
199名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/20(金) 12:39
2ちゃんがこわい。
俺は2ちゃんにつなぐとどっぷりとはまる。朝、昼、晩、関係なくだ。
8時間以上つないでしまうこの体質は不健康な異常性だ。
うっかりパソコンに向かい合おうものなら、
そのまま自分がたてた糞スレ行きだ。
ゴルアの煽りを読むことはすきではなく、むし嫌いなのに・・・
ああ、ゴルアの煽りが怖い。

# はぁと
200(゚д゚):2001/07/20(金) 13:34
創作文芸板がこわい。
創作文芸板につなぐとどっぷりとはまる。朝、昼、晩、関係なくだ。
1日8レス以上つけてしまうこの体質は典型的な2ちゃんねる依存症だ。
うっかりネットに繋げないようなものなら、
自分がつけた糞レスの行方が気になり仕事が手につかない。
煽られるのはすきではなく、むしろ嫌いなのに・・・
ああ、創作文芸板が怖い。

# はぁと
201名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/20(金) 13:54
(゚д゚) がこわい。
(゚д゚)のレスを見るとどっぷりとはまる。朝、昼、晩、関係なくだ。
1日8レス以上つけてしまうこの体質は典型的な(゚д゚) 依存症だ。
うっかりネットに繋げないようなものなら、
自分がつけた糞レスの行方が気になり仕事が手につかない。
煽られるのはすきではなく、むしろ嫌いなのに・・・
ああ、(゚д゚) が怖い。

# はぁと
202名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/21(土) 01:11
(゚д゚) 印が怖い。
俺は(゚д゚) 印を見るとちゃちゃを入れたくなる。朝、昼、晩、関係無くだ。
8時間きっかりスレをチェックしてしまうこの体質は健康的な異常性だ。
うっかり(゚д゚) 印を発見してしまおうものなら、そのままちゃちゃ入れだ。
ちゃちゃを入れるのは好きではなく、むしろ嫌いなのに……。
ああ、(゚д゚) 印が怖い。

# はぁと
203名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/21(土) 09:05
小学生の頃、奇妙な体験をしたことがある。

長い下り坂を歩きながら下校していた、わたしは、ふと工事現場で足を止めた。
そこは大規模な工事を行っていたようで、周囲1km見渡す限り整地が成されていた。
だが、一箇所だけ際立った壁のような場所がある。その壁の上には家が立っていた。
坂の上から二本に枝分かれして一本はわたしの通学路、もう一本は降りの無いこの家
へと至る道。坂の半ば迄行くと、二本の道に高低差が出来て壁になるわけだ。
そしてわたしはこの家をじっと見上げていた。理由は簡単。「危ないんじゃないか」と。
いらないお世話という気がするが、実際この高さから落ちれば骨の一本は折れるだろう。
と、その時何かが落ちてきた。
思わず「げっ!!」と声が漏れる。
わたしは、その何かが落ちてきた場所に駆け寄った。そこにいたのは……。
「ザリガニ?」
上を見上げる。誰もいない。
捨てたのだろうか。
それともこのザリガニが勝手に落ちたのか。
幸い……といっても別にザリガニなら心配はしないが体に以上は無いようだった。
「本当に危ないな」

だからといって小学生のわたしが上の家に掛け合ったりするはずも無く、その場
を去った。あのザリガニは一体なんだったのだろう。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/22(日) 12:18
駅から家へと帰宅する途中、野菜の販売をしている店がある。
今日も私が帰宅する時刻は午後11時過ぎ。
夜遅くまで開いている野菜販売は非常に有難い。

今日も帰り際、立ち寄ってみた。
この店は露店のような形態で中は傘のついた丸型電球一個に照らされていて微妙に
薄暗く、明かりに群がる蛾が電球に当り、カッ、カッと軽い音がした。
私は商品を一通り眺める。実際の所、私が調理にしようできるのは、レタスや
ネギなどの切れば食えるような類のものだけだ。いつか、変わった野菜にも挑戦して
みようとは思うのだが、行動には至らない。

取り合えず、エノキとモヤシを購入しようとレジの前に立つ。
「190円になります」
露店のようだと形容したが接客する店の主人は的屋というよりはアルバイトの
大学生に近い。
お釣りを受け取って私はその場を去った。
帰途、ああいう雰囲気の店はいつまでも残っていて欲しいものだと思った。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/23(月) 10:54
小学校の頃、小石川植物園の庭にある池でよくザリガニを捕った。
エサは駄菓子屋で買った、味付きの酢づけイカ。これをよく噛んだ後に
たこ糸にしばりつけ、ザリガニのいるところに放り込む。
ザリガニの前方に送り込み、ふわふわと上下させる。
小さな頃は、ザリガニが餌を取って食べようとしてイカを挟むものだと思っていたが、
今にして思い出せばうるさく感じて挟むに至ったのかもしれないなどとも感じるのである。
とにかく、ザリガニはイカをがっちり挟む。
こちらはそれを上から見ながら、しっかりと掴んだところを見計らって一気に引き上げるのだ。
持ち上げられる時にハサミを離してしまうやつもいるが、最後までしっかりと握って
いる奴は、引き上げられた勢いのままその頂点で堪え切れずにイカから離れて空中に飛び出す。

放物線を描いたザリガニが着地するあたりのコンクリートの石段には、打ち付けられて
つぶれて、ひからびた赤茶けた死骸をよく見かけたものだった。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/23(月) 16:31
朝の4時、ビルの屋上に立った。
わたしはこのビルには何の縁も無い、ただの中学生で、管理が、ずさんなのを良い事
に時折忍びこんでいるのだ。
周囲には霧が浅く立ち込めていて肌寒い。だが、わたしは両手を広げて、大気を感じ
ながら喉に空気を流し込んだ。冷水に浸かるように全身まで、冷たさが広がっていく。
「ん……」
声が漏れ体が震えた。
だけど、わたしは目を閉じ、その感覚を逃がさない。

遠くから、車のクラクションの音が聞こえた。
雀の声も聞こえる。
繰り返される生活の音が少しづつ聞こえてきた。
でも、まだ足りない。

風の音がした。
わたしは刹那、目を開く。
霧が風によって割れ、目の前に街が広がってくる。
「よし、朝だ」
まぶしいほどの色が太陽によって照らされ温度が上がっていく。
この光景を見ると、この街のように霧に閉ざされていた気分が晴れる。

わたしは人に見つからぬよう、そっとビルを出て、自宅に向かった。

今日も良い気分で学校へ。
207(゚д゚):2001/07/23(月) 20:31
 バスに乗るのはやめた。だって夕陽に照らされた、家へと続く商
店街がきれいだったから。暑く濁った空気が閉じ込められた部屋に
戻るまで、歩いてもほんの数十分。たまには街を見て歩くのも悪くない。
 商店街は分かりやすい匂いに満ちている。ステーキ屋の前からは
焼けた肉の匂い、パン屋の前からは小麦粉を少し焦がしたような匂い。
夕食を済ませたばかりの私には少々胃のもたれる匂いではあるのだけ
ど、分かりやすい匂いが溢れる街というのは、何て幸せそうに見えるの
だろう。いつの間にか姿を現した淡い色の月は、そんな夕暮れ時の商店
街を、優しくゆっくりと照らし始めている。
 
208名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/24(火) 11:05
 コンビニでアイスを買いました。
 ガリガリ君、60円。
 帰り道、ガリガリとアイスを噛み砕きながら、60円はかなり安いなと思い、
自分の子供の頃と物価の比較なぞをしてみます。
 そういや、最近は百円以下で買える品物も少ないな……。
 曲がり角を右折しながら、また一口ガリガリ君を頬張ります。もう半分ぐらいしか
ありません。

 小学校低学年程の子供が3人、目の前を突風のように駆け抜けていきます。
 ふと、今の子供の小遣いに頭がシフトしました。
「最近の子供は結構、貰ってるはずだよな……」
 もしかすると、このガリガリ君を毎日食べられるほどの額をもらっているのかも
しれない。自分の頃はせいぜい1,2個が限度だった気がする。
「100円になーれ」
 妬ましい……。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/24(火) 21:26
>>208
ガイガリ君って興味あるな〜
210名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/25(水) 14:12
 11月23日、朝。
 寒風とミゾレが吹く中、俺は自転車での登校の途にあった。
 右手で傘を持ち、ハンドルを左手で操作する。時折、風に煽られ、凍結
した道に滑りそうになりつつ学校へと。
 荒い息を吐きながらペダルを漕ぐ。汗が吹き出るが、それは冷却の役目
を果たすのでは無く、風によって極端に冷えた水として、肌を刺すだけだ。
ミゾレだけでも、肌に当れば痛みとなるというのに。
「寒い、寒い、寒い」
 呪いのように繰り返す。
 日を追う毎に気温が下がっていくというのに冬休みまで日数がかなり残っ
ている。
 早く冬休みになれば一日中、暖房の効いた部屋で床に寝転がり回れるもの
を。

 唐突に風が吹いた。
 ミゾレが勢いを増し、仕方なく目の前に傘を差す。視界は足元にしか無い。
 かなり、危ないだろう、これは。だが、ミゾレに顔面を晒す気にもならなか
った。
「ちくしょう」
 恨みを込めてペダルをさらに漕ぐ。

「!」
 衝撃と、共に体が吹き飛んだ。
「ぐっ……」
 地面に投げ出されていた。
 擦れた肘と膝、そして、服に染み込む冷たい水。
「痛ぇ……ちくしょう」
 絞りだす声とともに辺りを見まわす。
 自転車は後ろで前輪を空転させながら倒れている。
 そして、俺の横には車があった。
 俺は前方不注意で止まっている車にぶつかったわけだ。
 俺はともかく、車の状態。
 微妙にバンパーが凹んでいるだろうか……。
「微妙だし……」
 俺は証拠になりそうなものが転がっていないか、辺りを見まわした。
 案の定、学生服のボタンが落ちていた。「見つかると面倒そうだしな」
 それを拾い上げ、自転車を立てなおし、早々にその場を去る。

 ふと、何の気無く、振り返ってしまった。
 そこには小学生が一人立っていた。
「……」
 呆然と小学生はしている。
「よお」
 何も答えは返ってこない。
「……」
 俺はがむしゃらにその場から逃走した。
211名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/26(木) 18:05
 7月25日、午後11時。
 相鉄、田園都市線はその機能が止まっていた。

『現在、代替バスが発車しております。もう暫くお待ち下さい』

 バイトを終え、やっと家に帰れると思った俺に突き刺さる現実。
「な……なんだ。そりゃ」
 期待が裏切られ肩を落とす。原因は多分アレだろう。
 東京は午後2時過ぎから、ほぼ全域が雷を伴う集中豪雨に見舞われていたのだ。
 バイトへの通勤途中、墨を水で溶いたような空を見て「これは荒れるなぁ」と呟
いたのを覚えている。
 駅員に話を聞けば、やはり原因は雷によるショート。今日はもう、電車は動かな
いそうだ。
 代替バスが来る時間を確認すると「本来より、増車して区間を回っておりますの
で、すぐ来ますよ」とのこと。
 バス停が正面に見えるベンチに座って、バスを待つ。

 ……5分が経過しただろうか。
 情けない声を出して腹の虫が鳴った。
「何か食べるか」
 幸いにも駅の隣にはAM.PMがあった。
 深夜のコンビニの光は蛾で無くとも群がりたくなる。
 店に入ると店員の中途半端に元気な声が迎えてくれた。俺はカレーパンを手に取
りレジに向かった。
「暖めますか?」
「はい」
 1分待つ。
 熱いカレーパンを受け取り外に出た。
 ホクホクと自分で喋りながら頬張る。
 暖かい物が美味しいと思うのは心細いからなんだろうか?
 カレーパンで満たされている自分を省みた。
「腹が減ってるからだよな……」

「ただいまバスが到着しました。ご乗車なさる方はお急ぎ下さい」
 それから更に五分程待った後、駅員に誘導されながらバスに乗り込んだ。
 夜間とはいえ、やはり電車の影響か、人数は多い。
 バスの中はコンビニとは違い必要以上の光を出さない眠気をもたらすような薄明
かりだ。
 一瞬の揺れと共にバスが動きだすと、少し気分が開放された。
 心の余裕が体に反応し、自然に伸びがおきる。
「んーっと」
 何気無く辺りを見まわすと、皆さすがに疲れているのか、仲間同士の会話も一言、
二言で途切れている。

 俺もため息を一つして無駄な疲れを負った今日の一日を締め括った。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/29(日) 13:20
今日は地元で祭りがある。
朝から盛大な太鼓の大音量かつリズミカルな叩きに俺の眠りは破られた。
朦朧とする意識の中で呪詛を呟く。
覚醒するにつれ、店の親父の呼び声やら、子供の甲高い笑い声やらが耳に入って
くる。
「楽しそうだな……」
賑やかな音が聞こえるとどうにも体が疼き布団の上をゴロゴロと転がってしまう。
暫くしたら行ってみるかと思いながら俺は二度寝した。
213名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/07(火) 13:59
時刻は11時を過ぎ、下手を打てば終電に乗り遅れる。
駅の構内。
俺は、ひたすらに眠気と闘いながらホームのベンチの背に持たれかかっている。
時折、意識が薄れかかる。その度、必死に意識を覚醒させ、起きる。
延々と繰り返えす。
電車はまだか。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 10:56
お風呂からあがり、部屋でひとり。
僕の、ひみつの時間。
ひきだしをあけると おねえちゃんの吊りスカートとぱんつ。
緑色のチェック柄と、白い猫柄。
さっき失敬したばかりのぱんつは、股のとこが微妙に色づいてる気がして、
その途端、僕のちんちんが「ぴく、ぴく」と動いて息が荒くなる。

畳と、白い蛍光燈と、チェックのスカートと白いぱんつ。
夜中の静けさのせいかな。明かりの下でぱんつが嫌にまぶしく見える。
いつもの僕なら、おねえちゃんの下着、だからどうしたという感じなんだけど、
今の僕はちがう。ひみつの僕は、おねえちゃんのぱんつとスカートを履いてよろこぶ、
"へんたいやろう"なんだ。

僕は、ごくりとつばを飲みこむと・・・おねえちゃんのぱんつに足を差し込んだ。
さっき、苦労して剃った剃り跡の上を女の子の柔らかいぱんつがすべると、
ちょっと痛いような、むず痒いようなおかしな感触が少しだけ両脚を走ったけど、
かまわずいつものように、上まで履いてしまった。

(やっぱり、ちょっと湿ってるなぁ・・・)

下着どろぼうのふりをするため、いつも干してあるとこを狙って手に入れる・・・だから、
どんなに苦労しても、「ほんのり湿っている」事の方が残念ながら多いんだ。
おまけに僕は男だから、刺激で立ったちんちんがムクっとぱんつを押し上げて、
上から覗くと中までみ〜んなまる見えだった。

・・・こんなとこ、誰かに見られたら・・・。

考えたとたん、僕の頭は真っ白になり、心臓がバクバク鳴りはじめた。
足が震えて立っているのが難しくなってくる。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/10(金) 22:36
なんだか、スケッチとは全然違うような投稿がけっこうありますねぇ。
まぁ、どういうのをスケッチと言うのかはっきりしないけどさ、よろしくですよ。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2001/08/11(土) 02:49
俺はもう駄目だ。

夏の過酷な陽射しと蒸す空気。肌から生まれ、滑り落ちていく汗は一向
に止まらない。水を呷る。だが飲んでもザルのように、水分が逃げていく
だけだ。
217名無し物書き@推敲中?:01/09/18 22:55
保守
>214
こういうのはエッチ文スレに書いてよ!いいよ!なかなか。
219名無し物書き@推敲中?:01/10/31 04:08
最近活用されてないのん、age
220名無し物書き@推敲中?:01/11/07 22:31
このスレ、もっと活用しようよ?
221名無し物書き@推敲中?:01/11/10 18:29
てst
222名無し物書き@推敲中?:01/11/10 19:38
へへっ、あっしの目の前には川が流れているんでゲス。
川の両脇には雑草がボウボウと生えているんでゲス。
あっしはダラダラ流れる川に近寄ったんでゲス。
黒ずんだ水面に顔を近付けると、
丸い嫦娥の下に、あっしの顔がボンヤリと映っていたんでゲス。
あっしはただもう胸がイッパイで、すっかり日々の憂悶も
薄れたってものデス。へへっ。
223名無し物書き@推敲中?:01/11/11 17:41
夜のシンとした中に、あっしはひとりでたたずんでいるんでゲス。
あっしはザワザワした木に囲繞されながら、ボンヤリと先を凝視したんでゲス。
すると真っ暗な中を、動く影が見えたんでゲス。
あっしはスッカリ震えあがって身を固くして、
もうどうにでもなってしまえ、と覚悟を決めたんでゲス。
へへっ、あっしはウッカリとしていたんでゲス。
あれはタダの雑草がそよいでいるだけだったんでゲス。へへっ。
224名無し物書き@推敲中?:01/11/18 02:47
悪いがあげさせてもらう。
225名無し物書き@推敲中?:01/11/18 17:14
へへっ、あっしはもうスッカリ飢えてしまって、
汗ばんだ手に小銭を握りしめて歓楽街へと向かったんでゲス。
周りを見渡せば玉虫色のネオンがあっしの目を突き刺して、
いささか憔悴しきってしまったんでゲスが、それでもなんとか
あっしは律動を湧き上がらせて、丁稚歩きをしながら向かったんでゲス。
その時すでにあっしは何もしていないというのに
ゴミのように疲れてしまって、もはやこれまで、
どうか好きにしてくださるがいいでゲスと、ヤケになったところ、
親切な方があっしにイッパイの紙幣を握りしめさせて、
その方は何も言わずに去って行ってしまったんでゲス。
あっしはまた、人の温かみに触れることができたんでゲス。へへっ。
226名無し物書き@推敲中?:01/11/20 20:44
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| そのままつづけて! .|
|__________|
   ∧_∧ ||
  ( ´∀`)||
  /   づΦ
227名無し物書き@推敲中?:01/11/22 16:26
コルァ!>>214の続きが気になるじゃねぇか!
頼むから書いてください。
>>227
エロスレへ逝け。
229瑶香:01/11/22 17:34
∧_∧
  ( ´∀`)
  /   づ
230名無し物書き@推敲中?:01/12/08 07:38
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| そのままつづけて! .|
|__________|
   ∧_∧ ||
  ( ´∀`)||
  /   づΦ
231名無し物書き@推敲中?:01/12/14 21:49
>>229
ずれてる。(プ
232名無し物書き@推敲中?:01/12/16 16:03
誰か書かない?
233続214:01/12/16 16:28
足が震えて、思わず座り込んでしまった。
小さなぱんつからちんちんの先っちょが飛び出してくる。
その木綿の布をこすってくる時、先っちょがきもちよくてイキそうだった。
がまんしないといけない。こんな恥ずかしいことしているんだもんもっと楽しみたいよ。
すっと、すっと長く……

しばらく快感とうしろめたさの板挟みになっていた僕はスカートに手を伸ばした。
ああ、だめだ、そんなことしちゃ……もう二度と普通の人にもどれなくなる。
そう思うとよけいに快感がますんだ。僕は、僕は本当のへんたいになっていたんだ。
スカートの上で迷っていた手が、獲物を掴んだあとははやかった。
僕はたちあがって、そのときまたちんちんがこすれて、すごく気持ちよかったよ。
すばやくスカートに足をいれて、腰まで持ち上げる。

おんなって異常に腰が小さいんだ。僕はやせているほうだけどきついよ、おねえちゃん。
ぱんつにつつまれたおちんちんは見えなくなったけど、僕の足がスカートから伸びている。
あぁぁ、イキそうだよ。助けてよ、誰か僕をとめてよ。へんたいになちゃったよ。
>>233
スケッチじゃないだろ。
235名無し物書き@推敲中?:01/12/17 07:19
>>234
それは本人にしかわからない事だ。
236名無し物書き@推敲中?:01/12/24 03:29
あげ
237名無し物書き@推敲中?:02/01/18 20:59
sketch
 
238名無し物書き@推敲中?:02/02/02 08:46
239名無し物書き@推敲中?:02/02/17 14:49
 時おり低く唸る電気ストーブの近くで、頬杖をつきながら考えつづけていた。
 妙案を捜し求めては、色々なものに目を向けるも、机の上の小物も、窓の外の
雨上がりの風景も、何も教えてはくれなかった。
 それでも、何かを書かなければと、さして面白くも無い文章を書きはじめた頃、
机の上に陽が差した。
 空に目をやれば、雲のすき間から、太陽が顔をのぞかせている。
 窓を開けようかと思い立ったものの、庭木が勢いよくしなるのを見て思いが萎
む。窓際まで歩いて目を凝らしてみれば、そこかしこで枯れ葉が渦を巻いていた。
 部屋の中の暖かさからは、外の寒さを窺い知ることは出来ない。
 私は思い切って、窓を大きく開けた。
 直ぐに飛び込んできたのは、冷たい清々しさだった。
241名無し物書き@推敲中?:02/03/05 15:39
わたくしは毎朝電車に乗って通勤しているのです。
大抵は混んでいますがたまに空いているときがあります。
座席が空いているのはとてもありがたいことです。
わたくしはからだを休めました。
何もすることがなく、うつむいていますと
うとうとしてきました。
ようやく眠りにつこうというそのとき、
電車内で大きな音がひびいたのです。
242名無し物書き@推敲中?:02/03/29 02:50
たわしは毎日のように食後になると食べカスで汚れた食器にあてがわれ、
ごしごしと擦られると、みるみる洗剤の泡が全身を包み、食器のヨゴレを落としていく。

ひとしきり水でながされた後、たわしは流しのすみに放置されるだろう。
243名無し物書き@推敲中?:02/03/29 11:00
いいスレだな。
244名無し物書き@推敲中?:02/03/29 11:23
わたしは毎日のように食後になると食べカスで汚れた食器をあてがわれ、
ごしごし擦ると、みるみる洗剤の泡が全身を包み、食器のヨゴレを落としていく。

ひとしきり水をながした後、わたしは流しのすみに放置されるだろう。
仕事が終わり家路につきます。
駅の改札を抜け階段を下りると、コンビニに立ち寄ります。
わたくしはそこで、おにぎりとサンドイッチを買います。
いつもの店員が、いつものように会計を済ませ、暖めますかぁ、
の声に、いいえ結構です、とわたくしは言います。
隣のレジには若い女性が。もしかすると昨日見た彼女かもしれません。
コンビニを出ると、もう一日は終わっています。
煌々と照りつける照明に照らされて、天空を仰ぐ気にもなれず、
わたくしは足元を見ながら、アパートに帰るのでした。

また明日がきます。
いつもと同じ明日が……
仕事が終わり家路につきます。
駅の改札を抜け階段を上ると、そこにはいつものようにたむろしている暴走族の姿。
彼らがいる時、私は今日が早めの帰宅である事を実感します。
バス停のベンチには若い女性が。もしかすると知り合いではないか、地元駅では
そんな期待が微かに脳裏をよぎります。
少し湿った風を肌寒く感じながら原付に乗ると、ヘルメットのプラスチック越しに
映る月を目の隅に感じながら、私は自宅へと向かうのでした。

また明日がきます。
いつもと同じ明日が・・・・・・
久しぶりの日本です。
想像していたよりも、ずっと明るい日本でした。
夜の街を徘徊すれば、昔行きつけた飲み屋はなくなり、人通りも
減っています。
終電までには終わるけれど、それでも酒をあおって、一日を懐かしむ
暇もなく、ただただつり革に掴まり最終電車で家路につきます。
やたら目に付く安い床屋が、目の前の席で携帯をいじくる女子高生が、
そんな光景はすぐに慣れていました。

南国にこもって8年が過ぎました。
そして極寒の日本の冬。
そんな期待は見事に裏切られ、でも、生まれて始めての千鳥ヶ淵
でのお花見に興じてもみました。
遠く押しの見えない空を仰ぎ見て、今日も一日が終わったと。

一日の終わりが見えない今となっては、すべてがわたくしの幻想
だったのでしょうか。
 パソコンの電源を入れて台所に立つ。
 棚から取り出した黒ラベルのインスタント・コーヒーは、スーパーまで買いに出
るのが面倒で、近くのコンビニで買ってきたもの。その時も、棚にちんまり収まっ
ていた。
 キャップを回し、中紙に指を一本突きたてて穴を開けると、そこから丁寧にめく
る。円周に添って鳴る、ペリペリって軽い音がなんだかおかしい。儀式みたいだ。
 と思ったら、確かに儀式かもしれない。いつもパソコンを使う前にはコーヒーを
いれる。スプーン一杯の粉を掬い、大き目のマグカップに落として湯を注ぐ。砂糖
は入れないほうが身体に良いと聞いてから入れてない。その代わりに冷蔵庫から牛
乳を取り出す。黒に近い茶色の液体に白い牛乳がダイブして、とろりと渦を巻いて
顔を出せば柔らかなキャラメル色に変わる。ほんわりと湯気まで丸まって見える。
 習慣というより、やっぱりこいつは儀式だ。今からやるぞ、っていう意識の切り
替え。なにをやるかって、そりゃあ、この板に来てるヤツならわかるだろ?
 部屋に戻ってデスクに座る。パソコンは立ち上がって、準備OK用意万端。一口
熱いコーヒーを啜って、さぁ、やるぞ。調子さえノレば、次にコーヒーを飲もうと
思い出す時には、すっかり冷め切っているだろうけど。
 そう、いつも熱いのは最初の一口だけ。それが嬉しくもあり悲しくもある、俺の
日常だったりする。だけど、明日もまたきっと冷め切ったコーヒーを飲むために、
いそいそと湯を沸かすのだろうなぁ。 
249名無し物書き@推敲中?:02/04/23 02:24
下がりすぎで危なっかしいage
250名無し物書き@推敲中?:02/06/17 14:12
251名無し物書き@推敲中?:02/06/30 15:46
252名無し物書き@推敲中?:02/07/16 01:17
253名無し物書き@推敲中?:02/08/02 21:45
254名無し物書き@推敲中?:02/08/24 23:17
「長時間の立ち読みはご遠慮ください」
コンビニの書棚にあるその張り紙の前で、立ち読みをしていた僕は
近くに寄って来た店員の暗黙のプレッシャーに負けて外へ出る。
雨の降りかたは弱くなっていた。
僕は首をすくめるようにして、次に雨宿りができそうな屋根を目指して走りだす。
2552チャンねるで超有名サイト:02/08/24 23:18
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256名無し物書き@推敲中?:02/09/13 03:23


保守し続けよう
サルベージ。