この3語で書け!即興文ものスレ

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1めんじ
所詮2チャンネル。お遊び、お遊び。
与えられた3つの語をすべて使って文をものせば?

お約束
 ・前の人が決めた3つの語(句)を全て使って文をかく。
 ・最後の行に、次の人のために3つの語(句)を示す。
 ・長すぎてもつまらんので12行以下を目安に
 ・ジャンルは自由。(小説・評論・雑文・通告・dj系)
ただし官能系はしらけるので自粛。

最初のお題は「鎌」「アスファルト」「でんぐりがえし」
ではどうぞ
2名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 03:22
「らくごのご」みたいなものか?
ますは君が例を示せ。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 03:22
やあ、みんな寝てるかな。僕は起きてる。夜行性なんでね。
でも夜起きていると、昼間起きている人には一生経験できないような
出来事に遭遇することもあるんだ。
心なしか、日中より冷たく、長く、そして狭いアスファルトの上を
コンビニに向かって歩いていると、前から鎌を持ったおじいさんが来るんだ。
「ただの農業の人さ……。この辺りには畑もあるし、不思議じゃないよ」
自分に言い聞かせるけど、時刻を考慮すれば明らかに不審だよね。
いくら何気ないフリを装っていても、老人との距離が縮まって来ると、
心臓がでんぐりがえしをするかのように、胸の中で蠢くんだ。これが、恐怖。
でも結局、何事もなく老人の横を通りすぎるんだ。ただの杞憂だったんだよ。
もっとも、後ろを振り返っても誰もいなかったりした時は、
気のせいってことにするけどね。
あ、次は「赤子」「異」「りんご」でよろしく。

こんな感じでいいの?
43:2001/05/27(日) 03:23
うわ、題も入れたら十三行あるや。
題は別と考えていいのか?
5名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 03:31
ダメじゃん!
まちがい無いじゃん!
おっ……
追われているっ。
振り返る余裕なんかない、背中にせまる音でわかる。車が、俺のバイクを、
お、追って来る!
背中全部にびしびしと
「ひき殺してみようかな……」
相手の気配が伝わって、く、くる。
追い越したときに横目で見たドライバーの、黒目が小さい血走った眼からして
ラリってるのは、まちがいないんじゃないか? 窓を締め切ったセダンに一人乗りで、車内が全部ピンク色の
煙で満ちているなんて、ぜったいに、ヤバイっ!
奥歯を噛み締めて、希望を求めて前を見ても、山の曲線に沿って、鎌みたいにまがった路が続いてるだけじゃん。
その先は……
曲がりきったその先は……
ずっと、
ずっと、
ずっとずっと、ずっと! 一本のアスファルトが続いているだけだ。
カーブを曲がるとき、背中に迫るドライバーがアクセルを踏み込んだら
俺だけが、崖に突き出されてしまうに違いない。
底のみえないような、崖へ、ダイブだ。
背中から、クラクションの高い音が聞こえてきた。
何度も何度も鳴らして、俺を音で押しこもとしている。

バイクから離れ、でんぐりがえしの要領でアスファルトに転がり出たのは
ジャンキーの車に撥ね飛ばされる寸前だった。
バイクを巻き込んだ車は、カーブをまがることはできずに、
崖の淵を飛び越えて飛び出し、空中にちょっと止まって、
またたく間に地面の底へ落ちていった。

映画よりもずっと地味な爆発音が、底から這い上がってきた。
空の高みに昇っていく黒煙は、すこしピンクがまとわりついていた。


「犬」「子供」「りんご」

6めんじ:2001/05/27(日) 03:47
>>4
いいんじゃない、堅苦しくしても意味ないので。
>>2
ソラソーダ、ソコデ↓

「こんにちは。赤子1個ください。」
えっ?と思わず耳を疑う。でも間違いなく男はそう言ったのだ。
「赤子はお取り寄せになりますが。」
いかがなさいますか、そう応えた私も間違いなくどうかしている。
乳幼児を品物のように取り扱っているわけがないではないか。
それにここのところ在庫は切れている。第一たったりんご1個と
では、割が合わないというものだ。私はそういって男を追い払い、
早々に店じまいをして、家へ帰ることにする。
朝目を覚ます。傍らに昨日の夕刊が丸まっている。ろくに見もせずに
くしゃくしゃにしたそれの小さな記事に、私の眼がふと留まった。
「赤子2個進呈 りんご3個と交換」
縁は異なもの、交渉成立だ。

・・・こんな電波系もアリです >>2-3

次は「ユーゴ」「味噌汁」「とっかえひっかえ」で。
(本当に続くのか?このすれ..)
7めんじ:2001/05/27(日) 03:52
>>5
書き込み中だったので気が付きませんでした、すいません
8名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 03:58
時間がアワナイのがこわーい >>7
9名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 04:01
ユーゴ爆撃の際、石原軍団が難民のために味噌汁を炊き出したのは有名な話だ。
渡社長は次のようにその時の模様を振りかえる。
「いやー、とっかえひっかえミソスープ、ミソスープって人々が押し寄せてくるから、
こまちゃったよ」
次、「炎」「演歌」「政治経済」
10名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 04:48
政治経済と歌を並べると、みんなは訝るだろう。
しかし、この二つは無関係ではない。例えば、演歌。
初めは演説のための歌だったということを、諸君は知ってただろうか?
歌には啓蒙の効果がある。他人の心をある程度操作する力が。
諸君らにも経験があるだろう?
深く暗い海に沈んでいた心が、少しだけ楽になったり、
逆に炎ののように熱していた心が、湖水の如く沈静したり。
歌は趣味の分野を越えて、政治や経済にも応用が聞くのだ。
諸君らも、国家などを歌うときはその裏の意味を考えると
なかなか面白いかも知れない。いや、私は右○ではないが。
次のお題は「月」「胃」「科学」で。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 05:25
「いやはや、わが国の科学力で、あと十年以内に月に行くことなんて
できるのだろうか。無理だろうなあ。でも命令だからなあ。それにしても
無茶言うよなあ。フセイン大統領も。あいたたた。考えたら胃が痛くなって
きちゃったよ」アラブの科学者の独り言。

次のお題「小泉首相」「セブンイレブン」「カラ出張」

12名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/05/27(日) 05:40
押し迫る奇形達の群れが小泉首相に謝罪を求めていた。
「奇形はキモイから会いたくない」
常々そう言っていた小泉だが、国民の支持率のため、
奇形達を「人間」として認めなくてはならなかった。
「はぁ」ため息をつき、セブンイレブンへ入る。
最近お熱の浜崎あゆみのCDを予約していたのだ。
「あゆ萌えぇ」
少したってきたチンコの位置をずらし、
小泉はふと思った
「カラ出張って何?」

次のお題「穴」「将棋」「絵画」
13名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 10:21
>>12
笑っちゃいけないんだが不覚にもワラタ。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 11:03
将棋名人戦第7局、最終戦。
永世棋王である山崎は、悲願の名人位奪取に燃えていた。
ここまではすべて、得意の穴熊囲いを使って戦ってきたが
敵もさる者、ここまで温存していた穴熊破りの必殺戦法
「藤井システム」を、最終戦で初めて繰り出してきた。
山崎は、焦った。
何よりも冷静さを取り柄にしてここまでの地位を
築いてきた男が、不覚にも「おぅ」と声をあげてしまった。

そんな場面を描いた絵画。5800円。お宅にも一枚どうぞ!


次のお題〜「酒」「泪」「漢」
15名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 12:45
ttp://www.luice.or.jp/~deai/backn/bt/bt016.html
より

俺の情けない話を聞いてくれ。
俺はなんてゆうか、口べただ。
だから自分の気持ちをうまく伝えることができないんだ。
いや正直に言おう。単に勇気がないだけなんだ。

だから俺はいつも好きになった女とは、うまくいかない。
ただの友達になってしまうんだ。

そんな俺は誰にも言えない失恋を繰り返すだけだ。
そう俺は、また、失恋しちまったんだ。

俺はその子が好きだった。
何度かデートみたいなこともした。
しかしやっぱり俺は、単なる男友達以上にはなれなかった。
その子にとって俺は、単なる男友達以外の何者でもなかった。

だからその子は、ゆうべ、俺に向かって、
私もやっと彼氏ができたよと嬉しそうに報告してきたんだ。

俺は、精一杯の空元気を振り絞って、祝いの言葉を伝えたよ。
あんたもがんばりなよと励まされ、むりやり笑ってうるせえと答えた。

その夜俺は酒に弱いくせに、無性に酒に溺れたくなって、
浴びるように酒を飲んだ。
しかしこんな時に限って、ちっとも俺は酔えなかった。
ムチャクチャに飲み続けたら、
あっという間に気分が悪くなり、俺はトイレに駆け込んだ。

トイレにはいつくばった俺の目が滲んでいたのは、悲しいからじゃないぞ。
情けなくって涙が出たんだ。

そのまま俺は、トイレで朝を迎えた。

こんな俺の願いはただ一つ。
結婚式には呼ばないでくれよ?
16名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 12:46
「わしが男塾塾長、江田島平八である!!」
江田島は酒をあおり泣いていた。いま彼の目前では漢たちの熱い戦いが繰り広げられている。平八の目に一粒の泪が宿るとともに、男塾の2ちゃんねる侵攻趨勢がきまった。圧倒的な敗北。敗退する桃と塾長は男泣きにくれていた。

次はのお題、「おやじ」「携帯メール」「熟女」
17名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 13:35
 前の人の出した三題、全部おやじくさい発想だなあ、と私は一見して思った。
 「携帯メール殺人!」などとわざわざ書き立てるマスコミとそっくりだ。「怪傑熟女!」
などを喜んで観つつ、文句を垂れていた口なのだろう。
 どうして彼らの思考は画一化されていくのだろう、と改めて私は考える。

次は「いたち」「せき止め液」「チャット」
18名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 14:11
「きゃっ!?」
智津子は、道路脇から飛び出したいたちに驚いて、
手に持っていた紙袋を取り落としてしまった。
紙袋の表には「せき止め液 四日分 速水耳鼻科」と
書いてあったが、それがみるみるうちに泥水で滲んでいった。
「もう、あったまきちゃう!! そうだ、……」
どんな時でも智津子は、誰かと繋がっていたい。
早速、携帯電話を取り出してチャットを始めた。
相手は、「ヌール」と名乗る謎の人物であった。


次のお題〜「日本ダービー」「本棚」「コントロール」
19名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 15:58
第68回日本ダービーはジャングルポケットの勝利に終わった。鞍上の
角田騎手は、気性難が少しあり、かかりやすいという弱点を持つジャングル
ポケットを上手くコントロールして、勝利へと導いた。
私は本棚から一冊の本を取り出した。作者は寺山修司。その本にはこう書いてあった。
「競馬が人生の比喩ではない。人生が競馬の比喩なのだ」
私は今日の素晴らしいレースを見て、いっそうその言葉が正しい、と思った。
次は「数学」「目薬」「カレンダー」
20名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/27(日) 20:37
壁のカレンダーが夜風に揺れている。数学の宿題をExcelでかたづけたぼく僕は目薬をさしながら思った。ワープロで漢字力の低下が叫ばれて久しいけど、卒論もワープロ打ちがあたりまえの時代だ。授業もPCで計算させてくれたら楽でいいのにな。

次のお題 「洗濯」「ビーチパラソル」「高層ビル」
21名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 00:48
さすがに一週間もためていると下着がなくなってしまうので、
藤田はようやく重い腰を上げてコインランドリーへと向かった。
洗濯は嫌いだ。めんどうくさい。しかし、体臭の染みついた服で
バイトに行くわけにもいかない。
洗濯物満載のかごを両腕で抱え、せめてものなぐさみに
演歌なんぞを口ずさみながら通りを歩く。
このあたりにも開発の波は押し寄せてきていて、築何年やら
見当もつかないほど古い木造の平屋が連なる一角を抜けると、
もうそこは高層ビル街である。
「……ぶない! そこの人、避けて!!」
ふいに女性の金切り声が、上の方から聞こえてきた。
藤田はさして興味もなかったが、何となく声のした方を
見上げてみて、気づいた。
まさに藤田の頭をめがけて、ビーチパラソルが降ってきていた。
傘は閉じている。先端がまっすぐ自分の眉間を狙っている。
藤田はそれだけ理解すると、軽く半歩ほど飛びすさった。
どす、と鈍い音がして、パラソルはアスファルトに突き刺さった。
ビルを見上げるが、ベランダには誰もいない。
屋上からでも吹き飛ばされたのだろうか。それにしては
警告を発した女性の姿がないのが不自然ではあるが。
藤田は二度頭を振りその問題を保留して、歩き出した。


次のお題 「ウインク」「裂傷」「アタッシュケース」
22名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/05/28(月) 01:00
ある日の昼下がり、僕は洗濯をしていた。
僕の家のベランダからは、高層ビルの群れが良く見える。
ふと聞こえる歌声。
ビルに設置された巨大スクリーンで音楽を流しているようだ。
耳をこらして聞いてみる。
「ビーチパラソル・・・
アイ・スクリーム、ユウ・スクリーム・・・」
・・・榊原郁恵だった。
(まだ歌ってたんだ。)
何故か涙が止まらなかった。

次のお題 「天然水」「ゾンビ」「スカイダイビング」
23名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 01:05
>>22
12分も21氏の方が早いじゃないですか。リロードに気を付けましょう。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 01:20
涙でスクリーンが歪む。いいや。本当に歪んでいるのだ。
スクリーンから空中へと、郁恵は実体化して、その中空へとスカイダイビングした。
僕はその落ちる瞬間をコマ落ちのフィルムを観るように、身体を震えさせて見てい
た。喉がひきつり、無意識に指が天然水のペットボトルを探る。
たった数十メートルの落下が何十秒にも感じられる。
……落ちた。
赤いものが散らばった。が、肉片はまだ蠢いている。……ゾンビか。
肉片などではない。蟲だ。

「木星」「源泉徴収」「洋館」

>>23 すいません。>>22から続けます。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 01:25
ジェラルミンの『アタッシュケース』は重かった。
いや半ば予期していた重量だった。金塊でも入っているのか。
鳴海はケースを足元に置き、ネクタイを緩めた。
大腿部の『裂傷』は確実に体力を奪っている。
「まともな会社なら労災ものだな」
この仕事を始めて何度呟いたか知れない。
着いた。高層ビルの屋上が取引先だ。
梅雨時の湿った夜風が黒いジャケットを煽る。
相手はまだ来ていないようだった。真夜中の狭い屋上に人影はない。
突如大音響が響き渡る。
「な……!」
聞いたことのあるメロディー。
「淋しい熱帯魚……『ウインク』か?!」

次、「古新聞」「模試」「スピーカー」
26名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 01:28
>>22>>24ごめん
遅かった。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 03:48
>>25 お題「古新聞」「模試」「スピーカー」

スピーカから極めて事務的な女性の声で終了のアナウンスが流れる。
大学受験に失敗して三度目の浪人生活にもすっかり慣れてしまった。
答案用紙を係員に手渡した後、僕は鞄の中から弁当箱を取り
出した。
「頑張ってね」と母が丹精込めて作ってくれたものだ。
おかずにはタコの形をしたウインナ―ソーセージと肉団子。
飯の箱を空けたら、日の丸の旗まで入っていた。
模試を頑張ったところで大学に入れるわけではないのに、母はいつも
こうして弁当で応援してくれる。
弁当を包んであった古新聞の記事を読むともなしに眺めていた。
「採点ミス―三年前から」という記事に目を留める。
記事を見て僕は身体が震えた。
午後の模試を受けるのはやめ、慌てて大学の事務室に連絡をする。
「至急、こちらにおいでください」
事務員の声に従い、二時間後僕は大学の事務室に駆け込んだ。
「申し訳ありません」
深深と頭を下げる事務員の姿に、僕は大声で答える。
「じゃあ、合格なのですね」

ここでいつも目が覚める。こんな浪人生が五万といるに違いない。
僕は午後の模試の準備を始めた。

次、「カーニバル」「水虫」「富士山」
28名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 05:43
今、浅草橋を越えた先にある銭湯、昔ながら壁に富士山が描かれている湯に浸かっている。
もうすぐリオのカーニバルを模した浅草カーニバルの季節。
人前で踊るという快感を知ったのは、まだ去年のことだ。
しかし、今年も出場する為には、早く持病を治さなければ・・・。
外傷などにも効き目があるという湯河原の湯を運んでいるというこの銭湯なら、私の水虫もよくなるかもしれない。
女性に多い持病は外反母趾と水虫である、と雑誌で読んだことがあるが、ある意味当たっているかもしれない。


うーーん、思い付きで書いたからつまんないか?スマソ。

次、「モナコ」「ギター」「浪花節」
29名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 06:04
 ※アップする前にリロードしてすでにレスがついてないか
  確認を
 ※12行以下が目安です
 ※何レスか置きに各レスの評価をしてあげると書いた人も参考に
  なるのでは?(例えば1〜5段階くらいで)

 本文とはかんけいなくてスマソ
30名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 06:39
私はある金持ちとモナコを旅した。彼は非常に紳士的であり、
多くの金持ちが持ち合わせているような嫌味さのかけらもなかった。
だが、一つだけ彼には奇妙な癖があった。
彼はパーティーに出ると必ず浪花節を披露した。それはとても聴ける
代物ではなく、単なる自己満足以外の何物でもなかった。
モナコでは彼はかなり高貴な人達が集まるパーティーに呼ばれ、私も
同席することを認められた。
ここでは、彼の浪花節は参加者の気分を害し、日本人が奇異な目でみられる
ことを助長しないか、私は心配していた。
だが、それは杞憂だった。彼の浪花節はモナコの人々には新鮮だったのだ。
最後はギターやドラムまで持ち込まれ会場は熱狂に包まれた。
私はあれほど楽しい夜を過ごしたことは他にない。

次は「缶コーヒー」「浜辺」「苦情」
31名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 07:24
えぇ〜、短歌じゃないんだもん。やっぱ書くのに時間かかるしさ
多少、重複してしまってもしかたないよぉ。
せっかく、みんなが書いたものだったら、みんな見てみたいなぁ。
あっ、わたしも書かねば!
32名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 08:20
民家も街燈もまったくない暗い海岸沿いの道を、男は運転していた。
昼間、営業の仕事で客から延々と苦情を聞かされ続ける。という苦痛から
開放されて、少しほっとしているところだ。

「なんでこうも自分の思い通りにことが運ばないのだろうか?
すべてが、裏目に出てしまって、結局その火消しをしてまわらなければ
ならない。オレはそういう星の下に生まれてしまった。ということか・・・
あぁ、日常の苦痛から逃れたいものだなぁ。」
そこまで、考えがまわると、さきほどの安堵感は、また明日の苦痛を
思い浮かべて暗い気持ちへと変わってしまった。

男はノドが乾いていた。
会社に戻る前に、缶コーヒーでも買って飲もうと思っていたのに、
まったく自動販売機が見つからないのだ。
さきほどから、ずいぶんと運転を続けているのに。である。

とその時、道が大きく右に曲がるところで、ひさしぶりの街燈の下に
ぽつんと自動販売機を見つけた。海水浴場の浜辺への入り口だろうか。
急いで車を降りた男は、販売機の前でポケットをさぐった。
しかし小銭がまったくみつからない。
「ちきしょー、ふざけやがって!」男は、さらなる不運をなげきながら
販売機のボタンをガチャガチャと押したが何の反応もなかった。

あきらめて、車のドアをあけた瞬間、自動販売機から「ガシャン」と
音がした・・・

#ぐぇぇぇ〜、うまく落ちがつけられんかったぞなもし。
次は、「くじら」「虹」「少年」でよろしく!
33名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 08:28
10分もすると、漆黒に沈む夜の海がフロントガラスの
向こうに見え始めた。潮騒は、ここからは聞こえない。
メーターがカチッと音を立て、運転手がミラー越しに
ちらりと私に目をやった。気付かれているはずは無い。
私のジャケットの中で、それはまだ静かに眠っている。
いよいよだ。海は私をただ誘っているように見えた。

浜辺に出てしばらくは北を目指した。海沿いの林が、
私の犯罪を覆い隠してくれる場所まで。
手頃な流木を見つけると、私はその上に買っておいた
缶コーヒーを置いた。10m程離れて、振り返る。
波が私に向かって吠えたける。近所の苦情で捕まる
なんて馬鹿らしいと、安島はこの浜をしきりに勧めた。
あの男は、波が今この時私に囁き掛ける事を、知って
いたのだろうか。
やってしまえ、やってしまえ。お前の怒りを吐き出して
しまえ。

汗の滲んだ手で、私の怒りを掴み出す。豆粒のような缶コーヒー
の缶に向けて構えると、海はうれしそうに轟いた。
あの男は、明日こうして私の前に立つ。安島と私の全てを
奪った男。指はためらわずに引き金を引いた。
哀れな缶カラが内容物を血のように撒き散らしながら、
宙を飛ぶ。どこかで、汽笛が悲しげに泣いた。

次は「カンテラ」「面長」「ピーナッツ」

3433:2001/05/28(月) 08:29
あちゃーオフラインで書いたらかぶってしまいました。
難しい。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 09:23
「おじちゃん、これうまいよね。なんのお肉なの?」
少年は、ニコニコしながら、わたしに問いかける。
「くじらだよ。」

「うそだぁ。だって、くじらって魚じゃないか。これはぜったいお肉だよ。」
少年は、口をとんがらせて、わたしに反論する。
「くじらだよ。」

「あっ、でもそんな話を先生に聞いたことがあるぞ。じゃぁこれは本当にくじらなの?」
少年は、上目づかいでわたしを見ながら、わたしに同意を求める。
「くじらだよ。」

外は、すっかり雨があがっていた。
少年はそれをみると。「あっ、これだったら帰れるぞ!」とつぶやいた。
「おばちゃーん、ごちそうさまでした。」
奥の方にいる家内に大声で挨拶してから、黒塗りの大人用自転車に
三角乗りをして坂道を降りて行く少年を、わたしはながめていた。

セミが思い出したように合唱を始める。
空には、虹が浮かんでた。
3635:2001/05/28(月) 09:26
うっ、三題を決めるの忘れてた。
「牛」「ねずみ」「猫」でよろしく。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 13:15
>>31
即興なんだから、時間をかけずに書こう

あと、いったん書いてから、リロードし、
書いたもののコピペを使うと重複は防げるぞ。

せっかく書いたのだからというなら
「上の人に続いてください」とか書いて書き込むとか。sageで
38名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 13:37
少年は、今日も牛丼屋に入っていった。
まっすぐ帰宅しても、夕飯は用意されていないからだ。
しかし最近、妙な噂をちょくちょく耳にするのが、
少年にとっては気がかりであった。
「あの店、牛じゃなくて猫の肉使ってんだぜ」
たわいもない戯れ言だと、その場では取り合わなかったが
ひとりになるとどうしても妄想が頭に浮かんでしまう。
猫……。野良猫だろうか、それとも肉牛のように「肉猫」
なんてのがいるのだろうか……。エサはねずみなのかな……。
「はい、どうぞ」
不意に目の前に現れた丼に、妄想が重なって見えてしまった。
去年行方知れずになったミケの顔が。
少年は、知らず駆けだしていた。


次のお題……「墓」「山吹色のお菓子」「汁」
39名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 13:45
「おぉ、牛だ牛だ。いやぁ、本当に北海道に来たんだなぁ」と叫ぶ私。
牛なんて、今までだってさんざん見て知っているのに、
見渡す限りの広い牧場に放されている牛を見て、初めて北海道に来た
実感がわいて来た。

しかし、それにしてもナゼ私は、こんな牧場にいるのだろうか?
ハテ?
記憶をたどっても、大きなトラックに轢かれそうになったというのを
最後にプッツリととだえている。

まぁいい。とりあえず、今はこうして、気持ちのいい草原にいることが
できるのだから。のんびりするぞぉ。
今ごろ学校では、みんな勉強でもしているのだろうか?
イヤだイヤだと思いながら仕事をしているのだろうか?
まったく、人間というのは大変なものだ。と心から思うよ。

ちょうどその時、目の前をねずみが走って行くのが見えた。
この世で一番嫌いな生き物がねずみだったわたしなのに、なぜか
追いかけて行きたい衝動が。
「アレ、どうしてだろ」
とりあえず、その衝動にかられて追いかけようとすると、後ろから
「あまり、遠くへ行っちゃダメよ」と叫ぶ母親の声がする。
振り返るとそこには、一匹の猫がいた。
はっとして、わが身を見ると、わたしも一匹の猫になっていた。

#びえぇ〜ん、いっちょうけんめいに書いたのに、遅かりしぃ。
上の人のお題に続いてくださいませ。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 14:52
文章力や構成力のある人間は、短く書ける。
みんな短く書く練習だと思って、せめて15行以下には収めようぜ
最近12行以下の文章の方が少ないぞ。
412で且つ10:2001/05/28(月) 14:58
取りあえず前半の評価をしてみるよ。
>>2>>10はおれなので除外。

>>5 2点 よく分からなんだ。
>>6 4点 オチに異常性が利いてた気がする。
>>9 5点 短くまとめ、題もうまく挿入している。素晴らしい
>>11 4点 ほぼ同上。
4232=35=39:2001/05/28(月) 15:30
32=35=39で、わたしなので、感想は省きます。
あと、よくわからなかったのもあるので、そこらへんも感想をひかえさせてください。

3.面白いけどよくわかんなかった。
5.誰がどこから見て話をしているのかむずかしい
6.は、けっこうお気に入り。うまい。
12.すごい、ぶっとんでる。
18.これもぶっとんでる。
21.うまいと思う。
27.そこはかとなく、なんか惜しい。
28.「わたし」が女性であることをなんかもっとわからしめる表現があるとええな。と思いました。
33.面白いと思うけど、いろんな形容詞がとびかっていてなんか、わたしには難しかったです。

以上です。
わたしも一応、本職の物書きなんだけど、書いているのは、Webデザインなどの
解説書とかだから、観点が他の人と違っているかもしれないので、気にさわったら、スマソ。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 15:37
おだい
「銀行」「熊」「OL」
44名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 15:40
>>1 落ちみたいなのは、考えなくてもいいかい?ここらへんを考えると、なかなか
短く書くのが難しいのだよ。いや、もちろん、うまい人は短い中でしっかりと落ちを
作っているのだけどな。オレ、凡人だからさ。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 15:44
「墓」「山吹色のお菓子」「汁」のお題ぢゃないのん?
お題しりとり、みたいにしたいよん。てゆうか、
「即興文書いた人だけが、お題を出せる」ってしたいよん。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 16:15
「オレちいさい頃、本当は、母ちゃんが嫌いだったんだ。
でもある日、小学校で授業を受けている時にな、呼び出しが
あったんだよ。『内堀ユウスケ君、おうちへ急いで帰ってください。』ってさ。
家にたどりついたら、みんな泣いているんだよ。
母ちゃんは、顔に白いハンカチみたいのを乗せて寝ていた。
本当は、知ってたんだよ。もう二度と起きることはないってな。
それなのに、ずーっと母ちゃんをゆすって起こそうとしていたんだ。鼻汁たらしながらさ。」
由香里にそう言ったユウスケは、また、母の墓前に手を合わせた。
ふたりがこうして墓参りをするようになってから、もう何年たったのだろうか?
「パパぁ、早くあのお菓子屋さんい行こうよ。絵里、あの山吹色のお菓子、大好きなんだ。」
娘が、ユウスケの手を引っ張って、せかす。
「ママも好きよ。」由香里が言うと、
「えっ、パパのことを?よく聞こえな〜い!うふふ。」と笑いながら
山門を走り抜けて行った。

次のお題は「看板」「ガスタンク」「空き缶」でよろしく!
47名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 16:19
×「えっ、パパのことを?よく聞こえな〜い!うふふ。」と笑いながら
山門を走り抜けて行った。

○「えっ、パパのことを?よく聞こえな〜い!うふふ」と笑いながら
絵里は山門を走り抜けて行った。

ゴメソ
48名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 16:52
「やや、どーもどーも遅くなりまして」
頬のこけた青白い顔をした中年男性が、精一杯の笑みを
浮かべながら取引先のもとに現れた。
「いえいえ、なかなかこの辺は迷いやすいですからなあ」
取引先は以外にも好意的に接してきた。
「いえ、まったく申し訳ないです、…あっ、そうそう
これは小耳に挟んだのですが、貴公は空き缶をお集めで
いらっしゃるとか…」
「はは、ばれましたか、実はその通りなんですよ」
「はっはっは」
二人の穏やかな笑い声が応接間に響き渡る。
と、同時に爆発音が轟き、ビルは粉微塵に吹き飛んだ。
どうやら地下格納庫に隠しておいたガスボンベが
爆発したらしい。
二人の辞世の句は、なんとも穏やかな笑い声であった。

次のお題は「老人」「捕らえられた宇宙人」「エレキギター」で
お願いします。

49名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 17:23
これが! 齢80を数える老人の曲か!
俺はライブハウスに響くロックな旋律と、
それを弾くシルバーな方々の外見のギャップに戸惑った。
ヴォーカル、ベース、エレキギター、ドラム、キーボード。
完全にそれぞれの音が融合している。
彼らが言うには、NASAに捕らえられた宇宙人から聞き出した
若返りの秘訣を使っているそうだが、
この光景を見れば信じないわけにはいかない。
「ぐげっ」
恍惚とする俺の耳に、そんな声が届いた。
老人たちは、心臓麻痺で死んでいた。
それ以来、俺は宇宙人を信じない。

次は「プログラム」「レーズン」「摩天楼」で
50名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 17:35
けっこうみんなコロコロ死んぢゃうね。死なないのもあったらキボーン!
51名無しさん@お腸いっぱい:2001/05/28(月) 18:23
ども。14=18=21=38です。
ボクの中で面白かったものだけピックアップしてレスをば。

6 電波系好きなもんで。でもそれだけじゃなく、オチも秀逸。
10 ひとひねりあるとよかった。これを誰かに語らせるとか。
24 続きが気になるー。SFチックで好き。
25 ワラタ。前後半の落差がいいです。
33 お題が自然に使われているのが良いです。うまい。
35 ノスタルジィ〜。情景が目に浮かびます。
39 変身ものとしてよくまとまってますよね。短いともっといい。
46 あのお題がこんな話に、という驚き。

まあ、ボクの感性はひとから「変だ」とよくいわれるので、(w
気にしないでくださいね〜。
52奥さん米屋です:2001/05/28(月) 18:36
一昨日よりとげぬき地蔵の露店で買ったレーズンを食い続け、
いよいよ自らが人なのかレーズンなのか判然としなくなっている。
此処は何処だろう。
僕は今、足の下いっぱいに敷き詰められた
懐かしい色のレーズンを踏みしめている。
下を見るが僕の足自体は見当たらない。
僕はやはりレーズンなのか。
そんな時の対処法など僕の頭にはプログラムされていないので、
さし当たっては歩くことにした。
口の中にレーズン、両手にもレーズンの袋。
両手がレーズン。
輝く黄金色のレーズンの道が、僕の未来の方へ延びている。
気がつくと、周りには僕くらいの背丈の大量のレーズンたちが、
僕と同じ方向へ向かって歩いている。
どうして歩くのかはわからない。
ただ、前方、かなり遠くに巨大な摩天楼が見える。

次のお題は「美術館」「葬祭」「ビタミン」
よろしく!
53名無しさん@お腸いっぱい:2001/05/28(月) 18:49
遅かったか……。

「ふう……」
少年はプログラムを打つ手を止め、脇に置かれたお盆の上から
彼のお気に入りであるレーズン入り食パンを一切れつまみ上げ、
ココアで流し込んだ。
摩天楼の一角を成している「澤崎ビル」の85階には、もう
日付が変わろうかという時間になってもまだ明かりが点っていた。
社長子息兼天才プログラマーである澤崎桂馬は、この部屋で
極秘プロジェクトを進行中なのだった。
「さて、と。もうひとがんばりしたら寝ようかな。……まったく、
人ってのはどうしてこう欲深いんだろうな。昔から……」
桂馬の目には、異質な光が宿っていた。
神々しくもおぞましい、異世界を覗いた者のみが持つ、光だった。


お題は52さんの「美術館」「葬祭」「ビタミン」
でよろしくです。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 18:49
(・∀・)イイ! コノスレオベンキョニナル

最初から自分で考えていると、どうしても料理しやすい情景ばかりになっちゃうんだよね。
でもこうやって、一見無関係(イジワル?)に見えるお題をうまくつなごうとすると、
新しいアイデアが出てきたりするんだよね。
自分で自分に対して無理難題のお題を課す。というのもなかなかいいかモナー。
55名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 19:16
「これ、いいと思わない?」
京子が指差した絵は、気味の悪い抽象画だった。タイトルは……「葬祭」、とある。
それにしても気味が悪い。初デートの美術館で、こんな絵に出会ってしまうとは。
渦を巻いたような背景に、たくさんの人々が描かれている。
色調が暗いためか美術館の照明か、どの人物も顔がはっきり見えない。
「こんな絵のどこがいいっていうんだ」
絵画に目を背けながら言って、それから激しく後悔した。楽しいデートをぶち壊すような一言だったろう。
恐る恐る京子の様子を窺う。しかし京子は別段気にした風でもなく、ただじっと絵を見つめていた。
内心安堵した。これからは言動に気をつけよう。
お詫びのつもりで、僕は絵を誉めてみることにした。
「よく見たら、なかなかいい絵じゃないか」
京子は答えない。ただじっと絵を見つめている。いつもの優しい微笑も、今は消えている。
やっぱり怒らせてしまったか。
「どうしたんだ。怒ってるのか?」
京子は答えない。じっと絵を見つめて、僕の方を見ようとしない。
「なあ、京子」
京子の視線と絵の間に割り込んで、真正面から顔を見つめた。
僕は、悲鳴をあげた。
なんと、オチを思いつかなかったのだ。
どうやらビタミンが足りない。

ホラーにしようとして失敗作。逝ってきます。
次のお題は……「深海」「糸電話」「便器」の三つでよろしく。
5655:2001/05/28(月) 19:20
ごめんなさい。差し支えるようでしたら飛ばしてください。平謝り。
57名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 19:45
「みっちゃん、ぼくが将来、宇宙飛行士になったら結婚してくれる?」
「いいとも」
 何とも気の抜ける返事がドアの隙間から伸びている細い糸を伝って私の耳に届いた。
 みっちゃんは戸の向こうで和式便器にまたがっている。
 岩清水のようなちょろちょろというかぼそい音がきこえた。
 あの日、糸電話での約束から二十年。
 私は天上はるかな深海に浮かんでいた。青い惑星が見える。
 宇宙飛行士として、そしてかつて宇宙を夢見たひとりの少年としての感慨が私の胸に広がっている。
 みっちゃんは、もう、いない。

 次のお題は「短パン」「箱」「火」でどうぞ。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 19:55
短パンで跳び箱失敗するとイタタなのは火を見るより明らかです。

次のお題は「昆布」「退廃的」「デビット・ボウイ」
59短パン/箱」「火」:2001/05/28(月) 20:06
まさくんの短パンは魔法の短パン。そこから何でも取り出せる。
昨日はあめだまを出してくれたし、おとといはおもちゃのロボットを出していっしょにあそんだ。
ある日、まさくんは引っ越すことになった。遠い、遠い街へ行くんだって。
ぼくはさびしくて涙が止まらなかった。まさくんは短パンからハンカチを出して、ぼくの涙を拭いてくれた。
そして、ひとつの箱をくれたんだ。
まさくんはそれを、もういちど会えたらいっしょに開こうと言って、トラックに乗って行ってしまった。
それから何日か、ぼくはごはんも食べられなかった。

ふと、昔の思い出が蘇った。僕はあれから、一度もまさくんに会っていない。
まさくんのくれたあの箱、今はどこにあるだろう。僕は部屋の中をひっくり返して、あの箱を探した。
箱はすぐに見つかった。もう何年も経ったというのに、箱は昔のままだった。
僕はそっと蓋を開けた。箱の中では、まさくんが燃えていた。まさくんの火はあっという間に広がり、僕と僕の世界を真っ黒に焦がした。
60奥さん米屋です:2001/05/28(月) 20:31
51さんみたいな
感想or批評レスが時々あると
うれしいよね。
61名無しさん@お腸いっぱい:2001/05/28(月) 20:31
>>58
ひでえ……。(w
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「だから、デビッド・ボウイは退廃的だと言っておるのだ!!」
「はぁ?」
僕は一瞬、何が起こったのかわからなかった。
電車の中で、隣に座ったおじさんからいきなりこんなことを
言われれば、無理もないと思う。
そのおじさんは、僕の困惑をよそになおもまくし立て続けた。
「お前を若者としてまったく認めない! なぜなら、スーツを
着ているからだ! そんな鬼畜米英の糞ニューヨーカー共が
着るようなものを着ておって、何が日本男児じゃ! 片腹痛いわい!
だいたい、歌謡曲というものはだな、……」
おじさんの演説はえんえんと続いている。
おじさんの口からは、ほのかに酢昆布の臭いがした。


次のお題……「堀」「芝」「くらげ」
6258:2001/05/28(月) 21:16
お堀端の芝生にくらげの死骸があがってるよ。

次のお題・・・「オランダ」「懐中電灯」「開口一番」
63名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 21:35
>>59
すごい……。これだけの行数&お題の縛りの中で
ここまで魅せるとは……。脱帽です……。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 22:10
或るオランダ帰りの夫婦は、
旅の疲れからか、自宅に着いたなり二人ともすぐに眠りに
ついてしまいました。
もう夜も更けこんだ頃、不意に夫は目を覚ましてしまいました。
夫は仕方が無いので、暗闇の中、懐中電灯で遊ぶ事にしました。
そこで、夫は妻の姿が見えない事に気が付きました。
懐中電灯であちこちに探りを入れて、ようやく
発見した時の開口一番
「頭しかない……」

次のお題・・・「耳」「葉緑体」「洗剤」
65名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 22:17
耳をすませば、聞こえてくる。
葉緑体がネズミの首を噛み千切る音。
洗剤が異空間への扉を開く音。
耳をすませば、聞こえてくる。
君の脳が溶けていく音。

次は「カレー」「極道」「仮面」
「カレーの町から見るドーバーの白い壁はなかなかだったよ」
そう話す男はまさに紳士そのものといった様子だ。
しかしその様が極道という本性を隠す仮面であると、私は知っている……

次は「資料集」「窓」「牛乳パック」
67名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 23:05
おねがいしますよぉ。みなさん。
もちっと長くして魅せて欲しいです。
楽しみにしておりますので。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 23:22
私は資料集をまとめ、図書館から帰る支度を始めた。
まったく、この仕事も因果な物だ。本が好きで図書館で働き始めたが、
逆に押し寄せたのは書類だけで、本を読む時間など殆ど残されていない。
窓辺から夕暮れの町を見るために佇む。町は、いつまでも動き続けていた。
侘び濡れたように走る路面電車…… 日とを乗せて走る路線バス……
いい加減私はもううんざりしてきた。文字の海に飲まれ、騒音の世界に飛び出しては
家に帰る日々が続く毎日。唯一の友は空き地で拾ったあの子犬だけだった。
今でも家にいるのだろうか。私が帰らなくなったら誰か世話をするのだろうか。
窓辺に立ち、そんな事を考えている私の脳裏に、あの牛乳パックが浮かんできた。
ああ、きっとあいつはそのパックからまたミルクを貰うのだろうな。
そして私のことなど忘れてしまうのだろうな。
踏み出した足は空を切り始め、私は図書館の窓から地上へと……

次のお題は「蚊取り線香」「生物学」「テニスボール」で。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 23:33
「あっ、もしかしたら!」
城田刑事補の大きな声が、開け放たれた資料室の窓から外へと響いた。
「アホ、大声出して脅かすんじゃない」
一緒に資料を調べていた丸山刑事がたしなめる。
「それに、そうやって飲み食いしながら資料集を読み漁るのもやめろ。こぼしたらどうすんだ。」
そう言われても城田は、それにまったく気づかないかのごとくあいかわらず牛乳パック片手に
資料を食い入るように見ていた。

「先輩、もうちょっとなんすよ。もうちょっとなんすけどね。」とブツブツ
つぶやいていた城田が突然さけんだ。
「あった!これだ。見つけたぞ。刑事長(でかちょう)見つけましたよぉ。」
と飛び跳ねながら、部屋を勢いよく出て行った城田のあとには、
案の定倒れて中味をぶちまけられている牛乳パックと、雑巾を持って苦笑している
丸山の姿があった。
「まったく、進歩のねぇヤツだ。」

#やっぱ、間に合わなかったわねぇ。不運だわ、わたし。
上の人のお題でよろしくです。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/28(月) 23:57
電気を消してふとんに横になる。
しばらくすると耳元で「ぷぅ〜ん」という羽音がする。
「あっ、きたな。」と身構える。
「ぷぅ〜ん」という音が止まったところで目をつむったまま
いるであろう位置に見当をつけて平手打ちをする。
「やったか?うまくいったのか?」自問自答する。
でも相手は「蚊」だ。うまくいったとしてもてごたえはない。
そこで、しばらくまた耳元に集中する。
まだ羽音が聞こえていれば、こちらの作戦は不成功に終わっているということだ。
羽音が続くかぎり、眠りにつくことができるまでこの作戦は実行させられる。

翌朝、寝不足の目と、かゆさに負けてひっかいてテニスボールのように
腫れてしまった頬を見て、「今日こそは、蚊取り線香を買って来よう。」と
決心するのだが、それはまだ達成されていない。

今夜も蒸し暑くなって来た、作戦実行の時刻は刻一刻とせまって来ているようだ。

お題は、「くつ」「リボン」「自転車」でよろしく!
71名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 00:01
 じゅっ。
「はうっ」
 良助は声を上げた。彼の腕には火のついた蚊取り線香が押しつけられていた。
「熱いかい?痛いかい?開放されたいのなら、きみが、来月、生物学学会で発表するはずの論文のフロッピーの在処を教えてもらおうか」
「きさまっ、そこまでして自分の地位を守りたいのか!?」
 良助は痛みに歪む顔でかつての学友を睨みつけた。
「くはは。あたりまえだろう。ほれほれ、はやく吐かないともっと苦しむよォ」
 男はテニスボールを良助の口の中に思いきりねじこむ。
「あうううううううっ」
 良助の、丸いボールにふさがれた、口のわずかな隙間から悲痛な声が漏れ出る。
「あはははははははははははは!」
 男は当初の目的を忘れ、良助をなぶることに快感を覚え始めていた。
  
 ここってひそかに人気スレ?
 次のお題は「倉木麻衣」「臓器移植」「一発屋」でおねがいね。
 
7270:2001/05/29(火) 00:02
手ごたえがないがゆえに、思わず必要以上に力が入る。
羽音が途絶えなければ途絶えないほど、どんどん力が入って、少々痛くもある。

ってなのをやっぱ入れて、他を短縮した方がよかったかなぁ?
まじめなんだけど、なんかおかしい。って雰囲気を出せたらよかったのだけど。
ご意見、求むです。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 00:02
71のものだけど、ごめん、遅かった。お題は70のでおねがいね。
すまそ。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 00:07
あっ、え〜とさ。できればお題の中に人名とかの固有名詞って
やめたほうがよさげ。だと思うんだけど。
とっぴょうしもない組み合わせは、いいと思うんだけど、固有名詞が
あると、展開が限られるような気がして心配だぞなもし。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 00:28
固有名詞自体が、ユーモアだし、挑戦だと思うがね。
7670:2001/05/29(火) 00:30
#うっ、もうしわけねぇっす。
本当は、こう書きたかった。っちゅうことで、もう一回だけアップ
させてくださいまし。なので、sageで。

電気を消して暗くなった部屋でふとんに横になる。
しばらくすると耳元で「ぷぅ〜ん」という羽音が鳴り響く。
「ヤツだ。」とピーンとくる。そして身構える。
「ぷぅ〜ん」という音が止まったところで目をつむったまま
いるであろう位置に見当をつけて思い切って平手打ちをする。
躊躇してはダメだ。ゆっくりたたいたのでは逃げられてしまう。
「パシーン」と音が鳴り響き。またもとの静寂に戻る。

「殺ったのか?うまくいったのか?」自問自答する。
でも相手は小さな「蚊」だ。うまくいったとしてもてごたえはない。
そこで、しばらくまた耳元に集中する。
羽音が途絶えなければ途絶えないほど、どんどん力が入って、少々痛くもある。
この時にイラついてムキになって、手をぐーにしてたたき、脳震盪を起こすのも
いるらしいから、気をつけて欲しい。
暗闇の中で、自分のことをなぐりつづける姿は一度見てみたいものだが
それは、なかなかかなわないことのようだ。

翌朝、寝不足の目と、かゆさに負けてひっかいてテニスボールのように 腫れてしまった頬を見て、
「今日こそは、蚊取り線香を買って来よう。」と 決心するのだが、それはまだ達成されていない。

今夜も蒸し暑くなって来た、作戦実行は刻一刻とせまって来ているようだ。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 00:33
「くつ」「リボン」「自転車」

いつになったらこんな生活から抜け出せるのだろう。
僕はやるせない気分で銀行を出た。また新たに借金が増えた。
小さい頃は、もっと夢があった。あの頃の自分が今の自分を笑って
いるに違いない。昔思い描いた「いつかきっと……」はまだ実現しない。
僕の足取りはくつを持ち上げているような感じがするほど重かった。
自転車でも持っていればな…… 初めて自転車で漕ぎ出した時のあの感覚
が懐かしい。
何かに抑えつけられたような気分のまま家路につき、途中でコンビニに入った。
「いらっしゃいませ」一歩入った途端、僕に明るく澄んだ声が掛けられた。
僕はその瞬間打ちのめされたような感じを覚えた。この頃聞く声はみんな
事務的であり、単なる空気の振動だったのだ。
その白いリボンをした女の子のおかげで、僕はもう少し頑張れそうな気がした。

 次は「インコ」「線路」「みかん」でお願い
78名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 00:37
おれも固有名詞反対。
とくに倉木麻衣とかは、名前は知ってるけど、
どんな奴かまでは知らない。

せめて使うなら歴史的な有名人にして欲しい。
あるいは文学系の人間。みんなが知ってるのにしようよ。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 01:01
「誰かに見られているな。」とずっと感じながら歩いていた。
ふと電線の上を見た時に、その視線の主がわかった。
「インコ」だ。おおかたどこかの鳥かごを抜け出してきたのだろう。
それにしてもなぜ一緒についてくるのだろうか?
僕は、手の中のみかんをまたひとふさちぎって口に入れた時に納得した。
「あっ、そうか。ヤツは腹が減っているんだ。きっとこのみかんを狙っているのだろう。」
試しに、ひとふさちぎって、空中へ高く投げ上げると、案の定、それに飛びついたのだ。
しばらく歩いて、踏み切りを通りかかった時、僕はいじわるなアイデアを思いついた。
「カーンカーンカーンカーン」と音が鳴り響き、遮断機が降りる。
僕は、みかんをひとふさちぎって、タイミングを待った。
急行列車が今まさに前を通り過ぎようとする瞬間、僕は、その列車の前の空間めがけてそれを投げたのだ。
列車の通り過ぎたあとには、羽根のちぎれたインコが線路の上に転がっていた。

ほんのちょっぴりそうなることを期待していただけなのに、実際にそうなってみると
僕は自分のしたことに、ほんの少し後悔した。
でも、あいつが悪いのだ。あいつが僕をつけまわしたからいけないのだ。

それから数日後のことであった。僕の周辺に変化があらわれはじめたのは……

#お題は「湖」「目覚し時計」「かぜ薬」でよろしく!
80名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 01:04
 ぽっぽー。黒い煙をもくもくと吐きながら機関車トーマスが渓谷の橋を渡っているのが、
 線路に両手足をくくりつけられた良助の視界の端にかすかに見えた。
「ほらほら、きみが来週発表するはずのインコの生態に関する研究のフロッピーの在処をはやく吐かないと、トーマスに轢かれちゃうよん」
 男はゆっくりとみかんをちぎって食べながら楽しそうに笑った。
「くっ、誰が貴様なんかに…!」
「…かわいくない子だねぇ」
 男の目がすっと細まった。みかんをしぼって、その汁を良助の目の中に垂らす。
「ふぎゃああああああああぁ」
「くはははははははははは」
 男の嗜虐的な笑い声に機関車の汽笛の音がかぶさった。

 じゃあ、固有名詞はやめにして、
 お題は「完全脱毛」「わりばし」「ヨガ」でおねがいね。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 01:06
80のものだけど…
くそっ、また先越された。すまそ。
なんて回転率のいいスレなの!
でもこのスレたのしいわね。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 01:10
今のお題は「湖」「目覚し時計」「かぜ薬」です
83名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 01:23
42=46=69=70=79です。
疲れたっす。(面白いけど)
59は、あの行数の中であれだけ書けるなんて、ホントうまいと思った。
一番最後でみーんな燃えちゃって、アチャーって思ったけど(藁)
魅せてくれるねぇ。
もう、寝るっす。仕事あんまり進まなかったっす。(涙)
84名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 02:30
木こりは一休みしようと思いました。朝から何だか熱っぽかったのです。
薬を飲もう。
森の中の湖まで木こりは歩き、その水をすくおうとしたとき、
「はうっ」
胸元から、かぜ薬が湖の中に落ちてしまいました。
木こりは悔しくてめそめそ泣いていました。
すると、湖がごぼごぼと泡立ち、何かが中からせりあがってきました。
「おほほほほほほほほほほほほ」
それは女神さまでした。
「あなたの落としたのは、こっちのかぜ薬?それともこっちのバイアグラ?」
「オラが落としたのはかぜ薬ですだ」
 木こりが正直に答えると、
「おほほほほほほほほほほ。エラいわね。ご褒美に両方あげるわ。風邪を直して今晩はハッスルしてね。あと、バイアグラの使いすぎでがんばりすぎちゃって
 明日の朝起きれないと困るでしょうから、このめざまし時計もね」
「ありがとうごぜえますだ」
「あでゅー。」
 女神さまはまたごぼごぼと沈んで行きました。

 先を誰かに越されていなければ、
「坊主」「レースクイーン」「カツ丼」でおねがいね。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 02:55
坊主頭のカメラ小僧が必死にレースクイーンを写している。俺はあいつは可哀想な奴だ、
と思いながら、車をピットからスタートラインに進める。レース前というのは、不思議とレースの事ではなく、
どうだっていいことを考える様にしている。昨日食ったカツ丼美味かったな、
縁起担ぐ俺ってばかだな、というようなことを。
ランプが点滅する。フラッグが振られた。
次は、「なめくじ」「机」「愛撫」でお願いします。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 03:06
人は僕を馬鹿にする。
理由は単純。僕の性癖のせいだ。僕はなめくじが愛しい。
このぬらぬらした感じがたまらず、思わず愛撫したくなる。

台所に生息していた一匹を捕獲して以来、僕は彼を飼っている。
机上で動くなめくじは、鑑賞の対象として十分なほど、綺麗だ。

悲劇は突然に、僕らの日常に襲いかかった。
こぼれた塩が、なめくじに振りかかってしまったのだ!

虚無感の漂う僕の部屋に、テレビからニュースが流れる。
『本日午前ごろ、塩を精製する工場が爆破される事件がありました。
犯人は逃走中で、当局はテロリストの疑いがあるとして犯行声明の発表を──』

次のお題は「マシンガン」「魂」「咀嚼」で
87名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 03:18
僕はテレビのスイッチをオフにする。最後にマシンガンから放たれる銃声が無
闇に響いた。当たったかな。死んだかな。
僕は殼に閉じ込もる。僕はなめくじを愛しているが、僕自身はカタツムリだ。
僕は魂を殼の奥へ奥へと追いやる。あのなめくじは、剥き出しだったから、塩
なんかに殺られたのだ。僕の責任じゃない。なめくじが悪いのだ。大切な部分
は奥へ奥へと隠さなければならない。

人は僕を馬鹿にする。
理由は単純。僕が弱虫のせいだ。僕がなめくじを愛しているカタツムリのせい
だ。剥き出しの、ぬらぬらした、あの、無防備すぎるなめくじに、やっぱり僕
は意識的に塩をこぼしてしまったんだと……。

僕は僕を軽蔑する。

次のお題は「木星」「源泉徴収」「洋館」で。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 03:20
「咀嚼」を忘れた。ウツダ。スマソ。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 04:07
「源泉徴収」という言葉を僕は辞書で引いた。だが、僕の辞書には
その言葉は記載されていなかった。おかしい。なぜだ。金田一大先生
の編集なのに……。もしや僕を陥れようとする誰かの罠か。誰だ。
卑怯だぞ。姿をあらわせ。だが僕の声は相手には届いてないだろう。
何とか対策を講じなければならない。僕はある知り合いをたずねた。
彼の住居となっている洋館は森の中にあり、その存在を知るものは
わずかだった。僕はある人物を介し彼のことを知った。
彼は隠遁者であり、その容貌も一見して奇抜であった。だが彼は不思議な
能力を持っていたのだ。他人の願望を条件付で成就してくれるのだ。
僕の願いはもちろん見えない敵の駆逐である。僕はその条件を満たすべく
昨日から時間をかけて準備していた。極秘のルートから入手したクローン
人間についての文書と地球人のDNAだ。彼はそれを受け取ると裏庭の大きな
カプセルの中にしまった。誰かがとりに来るのだろう。
願い事を約束どおり叶えてもらい、洋館をあとにしたが、玄関を出てすぐ、
こんな声が聞こえたような気がした。「ふふふ、これで地球人どもも木星の植民地だ…」もしかしたら気のせいかもしれない。

次は「砂漠」「下着」「電気ドリル」

90名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 06:19
最近、虎の穴自体から影響を受けるようになった気がする。
それと自分の文章を客観的に見れるようになった。まあ何も見えずに
暴走する時も楽しいんだけど。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 06:21
↑すまん!虎の穴スレに書き込んだつもりだった。
92名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 06:35
あふれでてくる文字のつらなりが、まるで砂漠を満たす砂粒のようにすべて同じように見えてしまう。
わたしは少し疲れているのだろうか?
寝ることにしようか。
パジャマに着替えようと、下着だけになった瞬間「その言葉」を見つけた。
妙に気になる。おまえは誰なんだ。見たことのない形をしているぞ。
おまえには、どんな意味があるというのだ。
おまえは、どんな使命を持ってそこにいるというのだ。
そこまで言おうとしたときハタとわたしは気がついた。
「そういえば、あそこにもいた。昨日も見かけた。いや以前にも」
すでにいろんなところにお前がいたことを、わたしは特に
気にもとめなかっただけなのだということを。

わたしは知りたいのだ。おまえの本当の意味を。
おまえをそこに置いたヤツの頭に電気ドリルで穴をあけてでも調べたいと思ってゐる。
おまえの名は「はうっ」

#最近、いろんなところで聞くのよねぇ。この言葉。いろんな場面で使われている。
でもなんかいまいち具体的にイメージしにくいのだ。わたしは。
だれか教えてチョンマゲ!
お題は、「ごみ箱」「ネットワーク」「ブリーフケース」でよろしく!(藁)
9392:2001/05/29(火) 06:41
×まるで砂漠を満たす砂粒のようにすべて同じように見えてしまう。
○まるで砂漠を満たす砂粒のようにすべて同じに見えてしまう。

の方がよかったね。ゴメソ。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 07:12
今日もいつもの時間に2chをチェックする。
それにしてもこの膨大なログはどうしたものだろう。
とにかくそれをブリーフケースに保存して気付く。
HDDの容量がピンチではないか!!
誰もが経験するだろう、この状態。
無駄な物は多いが、捨てられずにたまっているデータ。
相変わらずゴミ箱はカラッポのままである。
容量を増やそうにも増やすこともできない。
意味もなく、ゴミ箱を空にするのボタンをクリック。
……。
いっそ、ネットワークから離れることができれば、こんな思いはしないだろうに。
虚しさが僕を襲った。

次のお題は「ジャングル」「原住民」「トーテムポール」でよろしく!ヽ(´ー`)ノ
95名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 08:30
「パリの骨董品屋の店先で見つけたんだよ」和夫がそう言うのを、達也は聞いた。
すっかり黄ばんで固くなってしまったページを興味深くめくっていると、
「ほら、オレ昔からアフリカが好きだったじゃないか。」と和夫は続ける。
「そうだよな。小さい頃もジャングルとか、原住民とか、トーテムポールの話でよく盛り上がったもんなぁ」
と達也が話しをすると、
「バカっ、トーテムポールは、アメリカインディアンだ。ごっちゃにするな」と和夫は声を張り上げる。
「で、僕を呼んだのは、ナゼだ。こんな古ぼけた外国の本を見せるためにか」達也は本を閉じて和夫に言い返す。
「違うさ。これだよ。その本にはさまれていたのさ」和夫は、手書きの古ぼけた地図を手渡した。
「宝の地図だよ。以前からナゾだったソロモンの秘宝のありかにそっくりなのさ。
やっと、探していたものに、めぐりあえた。ってことだよ。」
「そうだ、あとこれも見ておけ」
達也がそれをあけると、アフリカ行きの航空券だ。それも達也の名前が書いてある。
「なんだ、これは」
「そうだよ。お前の分のチケットさ。向こうではよろしくな。あっ、お前パスポート切れてなかったよな」

「和夫のヤツ、こんな地図を信用するのかよ。とばっちりだ」冒険のゴングは突然鳴らされた。

#お題は、「かばん」「ベルト」「段ボール箱」でよろしく!
96名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 09:39
「おだまりっっっっ!」
「あうううううううううっ」
 ぴしっ。
 思いきりしなった革のベルトがイスに手足を縛り付けられた良助の裸身に食いこんだ。
「フロッピーはどこ!どこなのよ!」
 男は焦っていた。押入れの中を必死の形相で漁る。
 男は、ふと怪しげな段ボール箱を見つけた。それを見た良助の顔色が変わった。
「この中ね!」
 厳重に封をされた段ボール箱の蓋を男は引き剥がす。
「その箱は、それだけはやめてくれぇぇぇぇ!」
 良助の悲痛な声が響き渡った。そして男が段ボール箱から見つけ出したものは。
「なんじゃこりゃああああああああああっ!」

 次のお題は「日本刀」「ギプス」「らくだ」でお願い、プリーズ。 
97アザラシ症候群:2001/05/29(火) 10:27
わたしには、以前から気になっていたことがあった。
町中を歩いていると、時々、アザラシのような鳴き声が聞こえるのだ。
ある時、若い女性とすれ違う時、あまりの美しさに見とれていたら、なんと
アザラシの鳴き声を口にしたのだった。わたしは一瞬耳をうたがった。
いったん気づくと、あちらでもこちらでも、アザラシの鳴き声ばかりだ。
いったいどうなっているんだ。世の中はどうなってしまうのだ。

テレビを見れば、アナウンサーまでが「日本刀あうっ」「ギプスあうっ」「らくだあうっ」
とやっている。
「まったく日本語はどうなってしまうんだ。」と苦々しい思いをしながら、わたしは床についた。

翌朝、すっかり寝坊してしまったわたしは、遅刻しそうだったので急いでいた。
階段をかけおり、通りに出てタクシーを止めた。
わたしは運転手に行き先を告げた。
「駅まで頼む。あうっ!」

#へへへ、煽りじゃないよ。ネタだよ〜ん。
お題は、「手紙」「ストーブ」「キーホルダー」でよろしく!
98名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 12:34
あたしは、金閣寺の前に立ち尽くしていた。
あたしの通う立命館大学からこの金色に燦めく建造物まではチャリで十分。
闘志が引火したストーブのようにめらめらと燃える。
宿敵・ヒッキ―とのガチンコ対決を目前に控えて。
母と離婚した父親からの手紙は、捨てた。わたしはもうひとりでやっていける。
金閣寺のキーホルダーを持ったひとりの修学旅行生らしき厨房があたしに近づいてきた。
「あなたは、もしかして、あの倉木麻衣さんではありませんか?」
わたしは、勝つ。勝ってみせる。

次のお題は、「肉体労働者」「針」「悶絶」でおねがい、プリーズ。おほほほほほほほほほほほほほほほほ。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 12:35
あたしは、金閣寺の前に立ち尽くしていた。
あたしの通う立命館大学からこの金色に燦めく建造物まではチャリで十分。
闘志が引火したストーブのようにじわりと燃えたってくる。
宿敵・ヒッキ―とのガチンコ対決を目前に控えて。
母と離婚した父親からの手紙は、捨てた。わたしはもうひとりでやっていける。
金閣寺のキーホルダーを持ったひとりの修学旅行生らしき厨房があたしに近づいてきた。
「あなたは、もしかして、あの倉木麻衣さんではありませんか?」
わたしは、勝つ。勝ってみせる。

次のお題は、「肉体労働者」「針」「悶絶」でおねがい、プリーズ。おほほほほほほほほほほほほほほほほ。
100名無しさん@お腸いっぱい:2001/05/29(火) 12:45
悶絶するような真夏の日差しの下、山崎は道路工事にいそしんでいた。
昨日まで肉体労働者をバカにしていたことを激しく悔やむ。
いくらスポーツで鍛えた体力に自信があっても、これはなかなかに
骨が折れる。
「ようし、そろそろ休憩にするか!」
現場主任の声で、作業員たちはぞろぞろと持ち場を離れる。
しかし山崎は、この時を待っていた。
皆にあまり遅れても不審に思われるので、これから数分間が勝負だ。
山崎は、針を取り出した。そして、什器の機械部分を慎重にいじる。
ばちばちっ、と火花が散る。山崎はにやりとした。
復讐は今始まったばかりだ。


さ〜て次のお題は〜「ロンリー」「翼」「鎧」で願います。
僕は高校の教室で薪ストーブの前に座りぼんやりとしていた。そこに、同じクラスの武夫が入って来た。
「なんだ、裕次。またアイツのことを思い出しているのか。
まったく少しつきあっていただけなのに、いつまで忘れられないでいるんだ。
そんなだから、ゆーウジウジ、ゆーウジウジ。ってバカにされてんだぞ。
おおかた、アイツにもらった手紙でもまだ持っているんだろ。そんなものは、
燃やしちまった方がいいんだ。くだらねぇ思い出なんかぜーんぶ燃やしてしまえ。ってんだ。」

その通りだ。僕は優子からもらった手紙をまだ大切に持っている。思い出を
そう簡単に捨てることはできないのが自分なのだ。そうか、燃やしてしまえば、きれいさっぱりと忘れられるじゃないか。

僕はポケットから取り出したキーホルダーを自転車のカギにさし、自宅に
手紙を取りに帰った。そして、その思い出を燃やしてしまうために学校に戻った。
教室には、誰もいなかったが、まだストーブの火は、残っていた。
僕は、薪をくべる口を鉄の棒で開け。思い出を燃やすため火をつけたのだ。

遠くでサイレンが鳴っているのが聞こえる。
僕は、優子との思い出がつまった学校が燃えて行くのをながめていた。

#ははっ、ちょっと結末が途中でワカチャッタねぇ〜。失敗だぁ。
うぅ〜、それに遅かりしかぁ。しかもふたつもずれてる。
すんまそん、上の方のお題でよろしくです。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 13:22
「??? いけねぇ・・・」
目が覚めると家から4、5分離れた公園の地球儀の中で寝ていた。
いやなことがあると俺はここにくる習性があるらしいが、今は、
そんなことを思い出すことは必要無い。
「アメリカ。ねぇ」
陽子が本格的にNYで芸術の勉強をしたいと打ち明けられた。
強いな、鎧をまとっってるようだったな。
リーマンで満足しない生活を送っている人間には嫉妬すらできや
しなかった。
♪チャンチャン ちゃん チャラーラン・・・
メール着信を知らす翼を下さいの着メロが懐で響いた。
街頭の下で立ち止まってメールを読んだ。

何を一人で悲劇ってたのだだろう。
目の前の道が少しだけ輝いていた。
Only isn’t lonely.

次「玄関」「かっこいい!!」「チタン」でね。
103ロンリー・翼・鎧:2001/05/29(火) 13:23
娘の亜里沙が、シングルレコードを持って来た。
「パパ、これ友達に聞かせてもらってすごく気に入ったから、思わず中古レコード屋
さんで、買ってきちゃったんだけど。亜里沙よく考えたら、レコード聞けるプレーヤー
なんて持ってなかったのよね。だからさ。パパのステレオで、MDに録音してよ。」
「あぁ、いいよ。」と言ってわたしの手にわたされたのは、ボビーヴィントンの「ミスター・ロンリー」だった。
「懐かしいなぁ。」と言うと、娘は「えっ、パパ知ってるの?」という顔をした。
「受験勉強をしながらな、深夜放送でいつも聞いていたんだよ。」
わたしは、プレーヤーにレコードをセットし、MDで録音をスタートさせた。
懐かしく、聞きなれたあのメロディーが流れはじめる。
娘は、目をつぶって曲を聴いている。この娘の母親のあの頃のように。
ふたりのはじめてのデートは、原宿だったなぁ。ケンカをしてお互い鎧のように
意地を張り合った思い出。つぎつぎに思いだす。
その妻も、翼のある天使に連れられ天国に召されて、もう5年か……

「そうだ。亜里沙。明日は原宿に行こうか。クレープ食って。歩行者天国を歩いてさ、楽しいぞ」

そう言葉にしようと思った時には、娘は「パパありがとう」と言ってすでに出かけたあとだった。

#人間たまには、ノスタルジーにひたってしまう。っちゅうこってすな。
お題は「雷」「蛙」「ラーメン」でよろしく!
104間に合わなかったのねぇ。:2001/05/29(火) 13:26
103ですけど。リロードした時は、ちゃんと間に合っていたのに
アップしたら、遅かりしになっておりゃぁした。
ということで、お題は、上の「玄関」「かっこいい!!」「チタン」でよろしくです。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 14:22
「危ないよぉ。チタンが抜けちゃう」
「チタンじゃなくてトタンだ…」
最後まで指摘できなかった。トタン屋根を突き抜けて、僕は玄関に落ちた。が、
一階建てのボロ長屋で助かった。足首が痛むが、骨折はしていないだろう。彼
女が、壊れた扉を踏み越えて、駆け寄ってくる。
「かっこいい!!」
「言葉の使い方が間違っているよ、お前」
彼女は、阿呆な言葉とは裏腹に、僕の怪我の様子を手早く確認している。
「やっぱな、無敵だものね」
無邪気な彼女は、昨日、僕に別れを告げた亜里沙だった。彼女は自分を馬鹿に
見せることを好んだ。そして、自分のことを全く語らず、僕の全てを知ろうと
試みた。僕の全てを受け入れようとするかのように。
しかし、昨日、そんな彼女は僕に別れを告げた。そしてそのとき、はじめて彼
女は自分のことを少しだけ語った。
「パパ問題なんだぁ」
106名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 14:23
お題を忘れてしまいました。
「道路」「真空パック」「無人島」
107名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 14:28
 あたしは校舎の正面玄関を出て、キャンパスを歩き出す。
「チタン、メタン、ラジウム…」とぶつぶつ呟く化学オタとすれ違う。
 コロンビア大には「かっこいい!」と言えるイケメンはいないの!?
 あたしの二番煎じの粗悪ダミー、倉木麻衣とのガチンコ対決は二週間後。
 不遜にもJポップの女王のあたしに歯向かうつもりらしい。作詩しかできない小娘の分際で。
 しゃらくさい。
 ひとりの白人学生があたしに近づいてきた。
「Are you ウタダ・ヒカル?」
 イッツ・オートマティック。


 次のお題は「虹」「太もも」「逆襲」よ!
 くははははははははははははははははは。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 14:30
くそうっ、また遅かったか。ごめんなさぁぁぁぁぃ。
お題は106でね。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 16:25
無人島に流れ着いて二週間、未だ助けは来ない。
目を覚ました時そばに落ちていた真空パックの保存食も、もう残り少なくなっていた。
進退窮まった。俺は危険を承知で海岸から離れる決意をした。
それから三日、山を迂回して延々砂浜を歩いてゆくと、舗装された道路が見えてきた。
なんだ、これは。ここは無人島ではなかったのか。だとすれば、俺は今までなにをやっていたんだ。
唖然としつつも道路に駆け寄る。どうやら車は通っていないようだ。焼けたアスファルトが裸足に辛い。
そのまま道路を歩きつづけた。
この道路はどこまで続いているのだろう。そう考えた時だった。
なんだ、これは。
道路に血痕があった。血を流したまま引きずったような痕だ。血痕は新しく、まだ乾いていない。
血痕を辿っていくと、遠くに人影が見えた。血痕はその人影のところまで続いている。怪我をしているのか?
人影がこちらを振り向いた。まるで鬼のような形相で、口から血を流している。凄まじい速度で近づいてくる。
逃げなければ。駆け出そうとして、倒れた。ふと気が付くと、足が無い。起き上がろうとして、腕も無いことに気付いた。
なんだ、これは。
後ろを見ると、あの人影が俺の体を喰っていた。

次は……「宗教」「粘液」「ロボット」
110名無しさん:2001/05/29(火) 17:17
町を歩いていると駅前に人だかりが出来ている。
どうやらまた新手の新興宗教が集会をしているらしい。
はっきり言ってしまえば俺は宗教なんてモノの価値が分からないが、
それにのめりこむというのはどういうことなんだろうか。
以前知り合いは「ドロドロの粘液に絡めとられるようなもの」と言っていたが……
件の集団は移動を開始したようだ。教祖と思しき男を先頭に
ロボットのような動きで彼に従っていく信徒たち、その中に俺は妹の姿を見つけた

次は、「馬券」「下着」「ポスター」
111名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 17:30
「おぅ、今日はお前にいい話しを聞かせてやるよ」
『………』
「ドロセラって知ってるか?食虫植物のモウセンゴケのことだよ」
「まぁいいや。ちょっと聞け。これは、粘液を出して虫をつかまえて食っちまうんだよ」
「どうだ。驚いたか」
「問題はここからだ。宗教的ヒエラルキーから言ったらよ。かーっ、かっこいいなぁオレ。
ヒエルラキーなんて、言っちまったよ。いいか、そのヒエキラルーから言ったら神様が一番偉くて、
その次が人間なんだよ。次が他の動物、その下に植物なんだよ。これはわかるな?」
「で、植物が動物をとっつかまえて食ってしまう。っていうのは、どういうことなんだ。ええ?」
『………』
「だまってたんじゃわかんねぇんだよ。どういうことなんだよ。」
「これは、ヒエラルキーの格下のヤツが上のものに歯向かってるってことじゃねぇのか。」
「これは、人間が神に歯向かっているのと同じことじゃねぇか。」
「抹殺だ。ドロセラなんて、食虫植物はこの世から抹殺だ。」

男はこわれたロボットに向かってしゃべり続けていた。

#ありゃまぁ、また乗り遅れてしまったのねぇ。
上の人のお題でよろしくです。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 17:34
下着の中に馬券とポスターが入っていた。

「鍵」「電動」「砂糖」
113名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 18:04
「このおじしゃんは魔法使いじゃな」縁日の屋台でわたあめを作っているところを
じーっと見つめていた、正平は言った。
何もないはずの空間にわりばしを泳がせぐるぐるまわして行くうちに
大きなわたあめができて行く。子供にとってはとても不思議なことだったのだろう。
そういう大人のわたしだって実はわたあめは不思議だ。
どうやって作るのだろうか。わたしは、客が切れたころあいを見計らって
作っているおやじにたずねた。
「あっ、これはね。砂糖を熱して、溶けたものを電動のうちわであおいで浮かびあがらせて
それを巻き取っているんでさぁ」
と、聞いている間に正平は向こうにとっとと歩き出した。
どうやら、わたあめは欲しくはないらしい。
正平は、首からぶらさげた貯金箱とそのカギをにぎりしめて、どうやら次なる獲物を探しているらしい。

#トレーニングになるけど、けっこう疲れるわぁ、これ。
お題は、「帽子」「指輪」「ところてん」でよろしく!
114名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 18:17
みっつのお題のうちのふたつがの密接なつながりを見つけるor作れれば、
みっつめは、そこから派生したエピソードでつなげられる感じだね。
小説を書く時に、うまいこと読者を裏切るのは、面白いと思うけど。
ここでのみっつのお題から、みんなが予想するのとは全然異なった方向に
展開してしまうのも、またなんか楽しいや。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 18:22
無くした指輪を求めて迷い込んだ先は、陽の光も差さない薄暗い森でした。
早く指輪を見つけて帰らなくっちゃ。マリコちゃんはそれと知らず、森の奥へと入ってしまいました。
きょろきょろと辺りを見回して歩いてゆくと、帽子をかぶった緑色の服の男の子が立っていました。
マリコちゃんは男の子に訊きました。「私の指輪を見なかった? とっても綺麗な指輪よ」
男の子は少し考えて、それからのんびりと答えました。「それならあっちに落ちてたよ」
マリコちゃんはお礼を言って、さらに歩いてゆきました。
しばらくゆくと、ところてんが宙に浮かんでいます。マリコちゃんはところてんに訊いてみました。
「ところてんさん、ところてんさん、私の指輪を見なかった? とっても綺麗な指輪なの」
ところてんはぬるぬると答えました。「それならわしが食べてしまった。探すのなら君を飲み込んであげよう」
マリコちゃんはところてんに食べられてしまいました。
それから誰も、マリコちゃんを見た人はいません。

次は「万華鏡」「月」「斧」
116名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 18:40
満月。
童女くるくる万華鏡。
月下、障子に斧の陰。
童女くるくる万華鏡、三角四角、金粉銀粉、赤に青。
唐紙開きて、夜の風。
童女くるくる万華鏡、行灯おかっぱ、文机。
畳みしみし消す足音。
童女くるくる万華鏡。
斧は一閃、転がる頭(こうべ)
おかっぱくるくる転がって、金屏風を血で汚し。
万華鏡は手を放れ。

次は「立方体」「恐竜」「心電図」
117名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 18:50
ゲゲッ、シヌネ シヌネ バガバガ シヌネ。 シニ マクリダネ。
ミンナ ケコウ、コロスノ スキ?
118116:2001/05/29(火) 18:54
ああ、そういや死んでるね。
殺人は強いから出やすいのでしょうなあ。
気をつけます。
119名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 18:55
コロス ホウガ ハナシヲ ツクリ ヤスイト オモワレ
120名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 19:12
>>118
いや、別に気をつける必要はないよ。
死にオチは、好き好きだから、いいんじゃないかな?
ただ、もし自分の書くのが、いつも死にオチだとしたら、ここはトレーニングと
考えて、いつもとは違う展開にするとかもありだと思うけどね。
いつも、画一的なThe Endスタイルでは、自分自身としては納得できないからさ。
121名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 19:30
だって死なないオチって難しいんだもん。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 19:53
そいつは慣れた手つきで、立方体の中の丸いボールのようなものを取り出して並べた。
次から次へと線をつなぎ心電図を計っている。
「それは。そのボールみたいなものは。たまごなのか?」オレは聞いた。
「いえ、魂です。本当にこの世の中に生まれたものは、形と命を得ますが
人々の想像の中で生まれたものが得るのは、この魂だけなのです。
大切にされている魂は、ふと人々が思いだした時、心に現れますが
死んでしまった魂もいるのです。イヤ、殺されてしまった魂。と言った方が
いいかな?」そいつは、言った。
気味の悪いことを言うヤツだな。
「じゃぁ、その殺されてしまった魂はどうなるんだ?」
「ああなります。」そいつが指した先には、何もない空間が広がっていた。
「何もないじゃないか。」
「そう、何もなくなるのです。永遠に消えてしまうのです。その人の心からもね。」

「オヤ、この恐竜の魂は生きていますね。大切にされていたんでしょうね。
スヤスヤと眠っていますよ。ちょっと中を見てみますか?」
小さなのぞきまどから、中を見せてもらった。

「あっこれは。」
それは、オレが想像で作り上げた恐竜そのもの。小さな頃の大切な友達だった。

#っちゅうことで、まぁ、言いたいこと言わせてもらっちゃったかなぁ。って感じ。
お題は、「エスキモー」「夏」「鳥のから揚げ」でよろしく!
123名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 20:09
アラスカの夏は短い。
自然はその短い夏に駆け足で生命の息吹を巡らす。
彼は水辺に立って遠く夏を見ている。
「えすきもー、は、にほんでは、アイスクリーム、のメーカーです」
その娘は良く笑った。大学の休暇で来たと言っていた。
子供が飛行機に乗って地の果てに遊びに来る。夢の国だ。と彼は思った。
日本の夏は蒸し暑い。
都会の空気は移動を忘れたかのように垂直にしか動かない。
彼女は安居酒屋で背を丸め、目をすがめて片手のビールをあおる。
「わたしは、あいすくりーむを、たべません」
あの青年は良く笑った。あの場所で狩りをして暮らしていると言っていた。
自然の中、人間の本分を守って慎ましく暮らす。夢のような国。と彼女は思った。
彼女は冷めた鳥の唐揚げを八重歯で噛んだ。

次はー「鳥居」「暗闇」「ゲームボーイ」
124名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 20:14
 まさか誰が予想しただろう。
 突然海底からものすごい量の石油が噴き出し、海を呑み込もうとは。火山が
それを暖め、油の海が沸騰しようとは。
 地球に常夏が訪れた。
 それでも人類はなんとかそこに適応し、生きていく。
「またペンギンか」
 かつてエスキモーと呼ばれた人達が、かつてペンギンと呼ばれた鳥をぶら下げて
いた。浮かない顔をした彼らは、その鳥の足に紐をつけ、海に放り込む。
 しばらくたってから引き上げると、そこには立派な鳥のから揚げの出来上がり。
「もういいかげん飽き飽きだよ」
 男の一人がため息をつく。

お題「チーズケーキ」「ジャンボジェット」「蚊」
125124:2001/05/29(火) 20:14
ごめん、かぶった。123さんので。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 20:57
少年は、ゲームボーイに夢中になりすぎて、あたりが暗くなって来たのに気がつかなかったみたいだ。
ふと、少年のゲームボーイを横から引っ張るヤツがいる。
「ダメだよ。僕が終わるまでちゃんと順番を待てよな。」そういって、
そちらを見上げると、大きな鬼達がが何人も列を作って待っていた。
やがて、鬼達は、手持ち無沙汰になったらしく、目の前の広場でゲームと
同じようなバトルを始めた。金属の棍棒や、くさりがぶつかりあうたびに
その鳥居の下の一角は、暗闇の中がまばゆい光につつまれる。
いつしか、少年は、ゲームボーイよりもそちらに気をとられていた。
少年は、ゲームボーイバトルの達人である。鬼達に負ける気はしなかったので参加することにした。
武器は、槍を選んだ。しかし、槍が重すぎて持ち上がらない。相手の攻撃をよけることもできない。
相手の鬼は、少年がかわいそうになってしまって手加減するが、少年はまったく
反撃することができないのだ。くやしくって、くやしくって大声で泣き始めた。

その泣き声をききつけて、少年をさがしに出ていた母親が見つけてくれた。
家へ帰る時に、少年が大好きなゲームボーイを持っていないのに気づき「あれっ、どうしたの?」と聞くと
「いいんだ。もうやめたんだ。今度はゲームじゃなく本当に強くなれるように頑張るんだ。」

鬼達は、少年の残していったゲームボーイで今夜もどこかで騒いでいるかもしれない。電池が切れてなければね。
127名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 21:01
あっ、お題を忘れた。
「ふくろう」「水門」「キャンプ場」でよろしく!
128名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 21:32
きょうは、かていきょうしのゆういちさんと丹沢にキャンプにきています。
ゆういちさんはふくろう先生でゆうめいなかていきょうしセンターから来ています。
ボクはゆういちさんと虫とりをしたり、さかな取りをしたりして一日中あそびました。
ばんご飯はバーベキュウをしました。
夜はテントで寝ました。

夜、なんだかズボンが冷たいので、ヤバイッっと思ったボクは起きました。かいちゅう電とうをつけると、なんだかまわり中水びたしです。しかもゆういちさんがいません。
テントの外に出てみると、川がひろがって水がでているみたいです。
ボクは不安になってゆういちさんをさがして、キャンプ場をうろうろしました。
「おーい」上りゅうの水門のほうから、ゆういちさんの声がしました。
はしってそっちのほうに向かうと、水門の横の土手にゆういちさんがいました。
「かずくん、水門の土手がケッカイしそうなんだ、早く行ってキャンプ場の人たちを高いところへ逃がすんだ」と土手のキレツをふさぎながら苦しそうにいいました。
「わかったよ、でもゆういちさんもあぶなくなったらにげてね」
ゆういちさんは苦しそうな顔をしてうなずきました。きれつは見てる内に大きくなっていきます。いっこくのゆうよもなりません。
ぼくは走りました、大声でサイレンみたいにさわぎながら走りまわりました。
さいしょはわけがわからなくてどなる大人たちも足下の水をみてあわててにげはじめました。
みんなが安全な土手の上に出たとき、どおんというおなかにひびく音がして水門がケッカイしました。
「せんせー!」
そのとき、きせきがおきました、先生の背中につばさが、あれはふくろうのつばさです。
ぼくはうれしくて、あんしんしてとびあがりました。せんせいはばっさっばっさとこちらに飛んできます。
「せんせい、これで死人オチはさけれたね!」せんせいはむひょうじょうにぼくらをみわわしました。
「おれのひみつをしったな」先生のスニーカーから鳥の足がにょっきり生えて、まわりはさつりくのあらしになりました。

これが、ボクの夏休みでいちばんのおもいでです。


おだいー、「鉄橋」「潜水艦」「大福餅」
129名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 22:09
83=92=95=97=101=103=111=113=122=126です。
(あちゃー、今日もたくさん書いてしまったかぁ。)
批評をするとやっぱ気分悪くする人もいると思うので
特に気に入った作品だけをやっぱり、115かな?
さりげなくするすると深みに誘い込んでいる。
>「それならわしが食べてしまった。探すのなら君を飲み込んであげよう」
の言い換えもなかなか芸が細かいと思います。
う〜ん、もうプロなんじゃないのぉ?絵本作家とかさ。
死にオチは苦手なんだけど、115のストーリーの終わり方はありだな。と思いました。
っちゅうことで、もしよかったら、わたしの作品を含めて
他の作品の批評なんぞもしていただけるとありがたいです。
130名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 22:14
>>129
つうか、あんたもプロだろ。
なんでそんな落差の高いオチをぽんぽん連発できますか。
122がぶらぼー。泣けました。
131115他:2001/05/29(火) 22:39
ワアイ ホメラレタ ウレシイナ
132名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 22:51
かたたん かたたん 煙を吐いて 汽車は鉄橋渡るとこ
ゆっくり ゆっくり 渡っていくと 大福餅が 降ってきた
大変 大変 スピード落とせ 大福餅に ぶつかるぞ
汽車は 止まれず ぶつかって そのまま海に まっさかさま
汽車は 波間を 走りゆく 潜水艦も びっくりだ
線路の音は ないけれど 楽しく走る 広い海

次は「ミサイル」「泡」「電子レンジ」
かたたん かたたん けむりをはいて きしゃはてっきょうわたるとこ
ゆっくり ゆっくり わたっていくと だいふくもちが ふってきた
たいへん たいへん スピードおとせ だいふくもちに ぶつかるぞ
きしゃは とまれず ぶつかって そのままうみに まっさかさま
きしゃは なみまを はしりゆく せんすいかんも びっくりだ
せんろのおとは ないけれど たのしくはしる ひろいうみ
134129:2001/05/29(火) 22:59
>>130
お褒めにあずかり光栄です。上でも書いたかもしれないけど一応プロのもの書きでは、ありんす。
でも、Webデザインとかの関係だから、実務的な文章ばかりですね。
だから、ここのスレッドはとても勉強になります。

自分で書いててホロっとしちゃったのは、103かなぁ。
今の自分がこういう境遇ってワケじゃないけど、いろいろ考えるとちょっとグッとくる。
「ロンリー、アイミスターロンリー」って歌いながら書いていたんだ。
でも、他に書いたのも好き。122も好きだし。126の鬼は、自分で書いておきながら
「こいつら、いったいどんな顔して順番待ちしているんだろ」と考えたら
思わず「かわいい!」と言っちゃったもんね。
あっ、でもなかには、皮肉っぽく読めてしまうのもあったかもしれないけど、スマソ。

このスレッドで一番最初に書いたのは、32だけど。こういったスタイルの文章って
書いたことなかったから、お題をこなすだけでかなり難しかったけど。
今は、楽しいっす。どうやって言いたいことを言うか。ウケ狙いのポイントとかね。
このスレッドを立ててくれた1には、ほんと感謝しているよ。ありがとう。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 23:00
うん、ひらがなのほうが、はざわりがいいかんじ。
136名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 23:04
横レススマソ。115は「かけすさん かけすさん」から取ってるの?
137名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 23:06
>>134
おー、やっぱり、小説系でも行けそう。
オチはセンスだから天賦に近いと思ってます。
良い物をもってていいなあ。

わっしは今日初なんですが、楽しいですね。
116=123=128でした。
(三本で息切れしたヨ)
138115他:2001/05/29(火) 23:08
>>136
>「かけすさん かけすさん」
それ、なんでしたっけ。なんかものすごく懐かしいです。
115の元ネタはどっかにあった気がしますが、記憶の彼方に逝ってしまっているようで……。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/29(火) 23:25
電子レンジからミサイルが飛び出して僕は泡を吹いた。

次は「タイヤ」「タイヤキ」「泳げ」で。
140136:2001/05/29(火) 23:39
>>115
よしざきまさみ『こぐまのぼうけん』(ポプラ社)です。
名作です。知ってる人がいるなんて・・・感激。
あ、皆様、脱線させてすいません。引き続き名文をよろしくお願いします。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:04
142名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:06
 段ボール箱の中には、無数のたいやきが入っていた。
「この中のどれかにフロッピーが…!」
 男は、かたっぱしからたいやきを手で割り始める。まっぷたつに切断されて泳げなくなった鯛たちが床に重なって行く。
(ああ、駄目だ、フロッピーが見つかるのも時間の問題だ…)
 良助が絶望的な気分に襲われたそのとき、外で甲高いタイヤの摩擦音が聞こえた。
 ブレーキ音。
(まさか、あかねが助けにきてくれた!?)
 ばんっ。勢い良くドアが開かれる。
「何者!?」男は異様な風体の女にびびった。
「ダーリン!たすけにきたっちゃ!」

 次のお題は「じゅうたん」「便座」「クロワッサン」でおねがいよぉぉぉぉぉ。
143名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:14
「ばっかやろー、なんでスタートに立ってから『泳げません』なんて言うんだよ。
おまけに、水に落ちたらアップップでおぼれそうになって、タイヤチューブ投げてもらうなんてよ。
人間のくせに泳げないなんて信じられないぜ。おかげでおれたちのクラスはビリっけつだ。」
クラスメイトは、こう吐き捨てると、ぶいっといなくなってしまった。

そうか?そうなのか?だって人間はもともと陸の生き物なんだから泳げなくたって当然じゃないか。
あんなに怒るのは、どうかしている。健一は、ロッカーに隠してあった、たいやきをかじりながら思った。
時計を見ながら「よし、ちょうどいい時間だ。帰るとするか。」
歩いて家に帰りつくと、医者がいた。医者は僕に目を合わせないように、あわてて帰って行った。
母は、僕を見るなり「健一、なんでおまえだけが。かわいそうに」と言いながら涙ぐんだ。

いいんだ。その涙のわけを僕は知っている。

父親が遅い時間に帰って来た。僕がお帰りなさい。を言いに行くと父親は濡れた
服を着替えていた。「いやぁ、もう大変だったよ。仕事先でトラブっちゃってさ。
おかげで、電車を降りたらすっかり満ち潮さ。結局駅から家まで泳いでくるはめさ。
まぁ、今後のことを考えたら慣れておかなくてはならないんだけどな」

そう、地球温暖化が進み、氷山がどんどん溶け出してここらへん一帯は、あと一年もすれば、
潮の干満に関係なく完全に水没する運命なのだ。人類はその時のために数世代にわたって
改良を加えられて来た。だから、確かに今の人間は泳げて当然なのだ。

「健一の疎開先、考えておかないとね。これから一生転々とする人生になるのかもな。」
僕は首をさすりながらうなずいた。そう、僕はエラがない突然変異なのだ。

#ははっ、案の定、遅れをとってしまいましたね。
別のスタイルをやってみようと思ったら、ちとむずかしかったです。
上の人のお題でよろしくです。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:15
空飛ぶじゅうたんには、何故か便座が取り付けられていた。
じゅうたん売りの男は便座の中を覗いてみろ、と強引に俺を引っ張った。
黒々とした見事なクロワッサン型のウン○が自己主張していた。
このじゅうたんは便器付きの最新型だが、流す機能は備えていないのだという。
まさか、これをこのまま売りつけるつもりなのか?
冷や汗を流す俺の横で、男は喜々として商談を始めた。

次は「変身」「破壊」「女王」
145143:2001/05/30(水) 00:15
うっ、もうしわけねぇっす。sage忘れた。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:16
やっと見つけたトイレは工事現場の一角にあった。
下痢腹を抱え、ようやくズボンを降ろして便座に腰を落ち着けると、
外からブルーン・ブルーンと言ううなり声が。今更出だしたウンコを止めるわけにもいかず、
ただその音が近付いてくるままに身を任せていると、ようやくウンコが切れて水の中に落ちた。
丸い、三十円ぐらいのクロワッサンのようなウンコだった。
ケツを拭き、外へ出ようとしたときに突然、その駆動音が真横から鳴り響いてきた。
気付いたときには便所事体は横倒しとなり、くみ取り式の糞尿が体一面に掛かっていた。
便所から出て、クソまみれの体でブルドーザーの運転手に言う。
「危ないじゃないか、気を付けてくださいよ」
運転手は言った。「あーりゃ、いたのか」
僕の歩いた後には、糞尿が赤絨毯のように続いていた。

次のお題は「夢」「谷」「壁」の三つで。
147146:2001/05/30(水) 00:19
うわ、遅れた。
144のでお願いします。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:28
「変身」「破壊」「女王」

街を破壊する革命軍の群れは城を取り囲み始めた。
「パンをよこせ!」
「王をひきずりおろせ!」
「女王を吊るし上げろ!」
ベランダからその様子を眺めながら、女王は今までに味わったことのない
スリルを感じていた。ドレスの隙間から中に手を差し込むと、熱い息を吐き
ながら呟いた。
「濡れてる・・・」
彼女は変わろうとしていた。欲望に身を焦がすただの女に変身しようと
していた。
149名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:28
おれは>>139ではないが
>>141
別にいいじゃん。特にルールを破っているわけでもなし。
一応日本語の文章と呼べるレベルではある。

せっかくいいスレなんだから、
初めに決められた以外の規定は設けないようにしたい。
150名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:32
>>148は1の規定が守られていると言えるか?
151名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:35
>>148
お題を提出せよ
152めんじ:2001/05/30(水) 00:36
144 「変身」「破壊」「女王」 で書きます
あと、推奨として
まぎらわしいので冒頭に「何番の題で書くか」を書けば?と提案します
自分の題を飛ばされると多少悲しいですが・・やむなしですね
----
汎用便器「女王1号・女王2号」取扱説明書(抄)
変身ボタン:
 ・変身を行う際に使用します。おしり洗浄時のみ使用できます。
・一度押すと断続的な変身を繰り返し、もう一度押すと
   通常の変身に戻ります。(女王2号のみ)
・危険ですのでビデスイッチと併用しないでください。
   急激な圧力がかかり、臀部を破壊するおそれがあります。
----
なんか難しそうなので電波化してみました・・・

次は「ロープ」「ずぼら」「スプレー」でお願いします。
レスの順序が悪かったら飛ばしてください。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:39
>>152
ワラタ
154148 官能系は駄目だったのね:2001/05/30(水) 00:45
「夢」「谷」「壁」

どこまでも壁が続いていた。一体どこまであるのかは村の誰も知らなかった。
ある日旅人が村長を訪れ、あの壁の向こうには何があるのかと訊ねた。
「なにもない。壁の向こうは谷じゃ。乗り越えると転落するだけじゃ」
しかし旅人は困った。壁を越えなければ北には行けない。

ある日のこと、旅人が見た夢の中でお告げがあった。
「壁の向こうにはこの村に住む住人と同じ民族が暮らしている。何も
恐れず壁を越えるが良い」

旅人は決心し、次の日にはそのキムチのおいしい村と別れを告げることにした。


お題は152でいいです。

155名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 00:52
「ったく、ズボラな奴だな」
久々に親友のアパートに遊びにきた俺は、その部屋をみて呟いた。
雑誌、ロープ、文房具、画材道具などが散乱しているのだ。
「で、部屋のご主人様はどこ行きなすった?」
その部屋には誰もいなかった。あいつは芸術家志望の恋人とここに住んでいる。
しかし、いまは二人ともいない。奇妙な程大きく赤いオブジェがあるだけだ。
ふと、散らばるいくつかの雑誌に目をやる。「芸術の真髄」「自殺マニュアル」「スプレーの使い方」。

そこで俺は気付いた。
オブジェは、良く見れば、人間の大きさだ。形も。手足をだらんとさせたような……。

それは、赤いスプレーを掛けられた友人だった。首を吊らされた死体を、真っ赤に染められている。
足元にはタイトルがあった。
「地獄の裁き」

次は「アインシュタイン」「菊」「釣り」でよろしく
固有名詞がだめならアインシュタイン→発明で
156変身・破壊・女王:2001/05/30(水) 00:53
「きれいになりたい願望は女の子だったら誰だって持ってるわよねぇ。」
と目の前の女の子ふたりにコーラスで言われてしまった。
いや、そんなことはオレもわかっているんだ。「変身しすぎは、問題があるんじゃないか?」って言いたかっただけだ。
でもそんなことは言うワケには行かない。こちらは街頭アンケートをさせてもらっている身だからな。
「ありがとう、参考になったよ。」オレがこういうと、ふたりは「ばかじゃないの!」と大声を出して、歩いて行った。
確かに、彼女達が一生懸命努力するのもわかるんだ。やはりどんな男をつかまえるかによって
自分の人生も大きく変わってくるんだからな。
ははっ、まぁだからこそ、オレを捕まえる女もいない。ってことか。
自嘲しながら、暑さをさけるためにオレは、木陰に移動した。
ふと、足元をみると木の根元にアリの巣を発見した。入れ替わりたちかわり働きアリがエサらしきものを
くわえて巣の中に運んで行く。多分女王アリのところに持って行くのだろう。
「幸せファミリーってわけか。」一瞬カッとして、踏みつけて破壊したい衝動にかられたが踏みとどまった。
「オレはオレ、マイペースでやるさ。」
手帳を見る。「今日は、あと12人アンケートを取らなくっちゃな。よーし、頑張るぞ!」

#遅れまくりだけど、sageでよろしくです。
お題は、上の人のでお願いね。
157155:2001/05/30(水) 00:55
冒頭に題書くの忘れたー。
ウツダ イッテクル
158156:2001/05/30(水) 01:08
あぁ、スマソ。
×「今日は、あと12人アンケートを取らなくっちゃな。よーし、頑張るぞ!」
○「今日は、あと12人アンケートを取らなくっちゃな。よーし、頑張るぞ!」オレは立ち上がった。

っちゅうことでおねぎゃぁします。こまかくてスンマソン。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 01:37
(アインシュタイン、菊、釣り)
白い菊の花が咲く川のふちを、僕たちは歩いていた。

「釣りに行こう。」
そう言って隣のにーちゃんはいつも僕をここに連れて行った、
手を引いて、まだ小さな僕に合わせてゆっくりと歩く人だった。
僕は幼子頃にも母親に見つかりはしないかとドキドキしていたんだ。
僕の母親はにーちゃんと遊ぶことを良く思っていなかったから。
にーちゃんの手は大きくて、白シャツを少し捲り上げていたのを覚えてる。
僕よりずっと大きかったくせに、アインシュタインみたいに悪戯っぽく笑う人だった。

大きな松の木が生えてるあたりで、僕たちは釣りをはじめた。
にーちゃんはいろんな生き物を捕まえて、いちいち名前まで知ってるんだ。
幼い僕の憧れだった、だけど・・・

僕が小学校に上がるころ、にーちゃんが死んだって知らされた。
僕は、知ってたんだ、にーちゃんの腕を這っていた醜いミミズ。
それの意味する所がなんなのかなんて、もちろん判らなかったけど。
だけど、訊いてはいけないことのような気がしていたんだ。

あの川辺から白い菊を摘んでにーちゃんの前に置いた。
ちいさいころの、思い出。


長いですな・・・
次は「口紅」「プランクトン」「ちょうちん」で一つ・・・
160アニヲタボーダー初号機:2001/05/30(水) 01:59
「口紅」「プランクトン」「ちょうちん」

キミは酔うといつも「人間なんてちっぽけなもんよ」と愚痴をこぼしていた。
しこたま酔っ払ったキミをアパートまで送り届けたとき、キミは部屋を出て行くボクの背中に寂しいと呟いたね。
振り返る勇気がなかったボクを許して欲しい。
翌日、警察に呼ばれてキミのアパートに戻ったボクが見た物はビーカーの底のプランクトンのように、ユニットバスにたゆたうキミだった。
今のボクには赤ちょうちんの下でもっと赤い顔をしたキミの寂しそうな顔しか思い出せない。
セピア色のキミのポートレイトの中でキミの口紅だけが赤く光っている。

テーマ「妹」「夏休み」「ジョギング」
161名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 02:14
「妹」「夏休み」「ジョギング」

蝉時雨が空気を震わせる。夏休みだからと妹と一緒に田舎に来たものの、
都会の喧騒が可愛く思えるほどの音の洪水に、僕らは呑み込まれていた。
「うるさいね」妹も同感らしく、口をとがらせる。
「森の近くだからうるさいんだ。川の方に行ってみようぜ」

迂闊だった。川の近くは危険だとジョギング中のおじさんに言われたとき、
その言葉を素直に聞いて退き返すべきだった。
妹の手前、なんとなく自分の意志を曲げるのが恥ずかしく思えて、ここまで来た。
大雨。川は水位が増し、道は希望とともに消えた。妹ともはぐれた。
「もうダメなのかな」足元を侵食する濁流の中、僕はぽつりと呟く。
蝉は、僕を嘲笑うかのように、そつなく鳴き続けている。

あの後、妹が呼んできた村の人に僕は救助された。
以来、蝉時雨は僕にとって死神の哄笑にしか聞こえない。


人が死なないと上手くオチつけられん……! おれも未熟だ。
次のお題は「生産」「星」「新聞」で
162めんじ:2001/05/30(水) 02:27
「生産」「星」「新聞」

斜め上から誰かに見られている。
生産活動を誰かに見られている。
この世界に住むことを許された代償に、日々贖いつづける無駄な
ロットの繰り返しだ。
歩留まりは悪い。暗くて星が見えない。
やむを得まい。電灯をつけて作業を続けよう。
・・・もう向こうの空が白んできた。あと1時間もすれば、
新聞配達の青年がペダルを漕いで現れる。
今日もドラマは始まらないだろう。

次は「ミサイル」「マニア」「味」で
163名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 02:28
やはり遅かったか……
160「妹」「夏休み」「ジョギング」
−−−−−−−−−−−−−−−
最近、どうも妹の様子がおかしいので追及してみることにした。
「おい貞子、どうかしたのか?」
「な、なんでもいいじゃん! ほっといてよ」
僕は妹の後をつけることにした。ナップサックに夏休みの宿題を
入れていたが、それにしては袋がふくらみすぎだ。
たばこ屋の角を曲がると、奴は走り出した。とはいえ、こちらに
気づいたわけではなさそうだ。小走りの妹をこっそり追っていると、
僕は何でわざわざジョギングなんかしてるんだろうという
気持ちにもなってきたが、それ以上に好奇心の方が強かった。
妹は目的地らしい古びた洋館の前で立ち止まった。そして、
辺りを見回すと中に入っていった。
僕は庭に侵入し、鎧戸の開いている窓からそっと覗き込んだ。
即売会場だった。妹はメイドのコスプレをしてはしゃいでいた。
兄として、許してやろうと思った。


鬱……次は161の、「生産」「星」「新聞」です。
164163:2001/05/30(水) 02:29
さらに遅かった…次は162さんの「ミサイル」「マニア」「味」です。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 03:10
ミサイルの作り方を研究してる少女。
3回目の引越しで住むことになった家の、斜向かいの家にその子は住んでいた。
年は僕よりも少し小さいくらいで、なんでも、妄想壁があるとかで噂だった。
僕は一度彼女と話したことがある。
「てきのれーだーがもうすぐわたしをつかまえるのだからそのまえにわたしのみさいるでこうげきしなくちゃ」
そのためのミサイルを作っているそう。
僕はなんだか怖くなって、「そんなわけないじゃない、くだらない妄想だよ。」
と言った。彼女の真実に僕まで呑まれそうで、
それがその時の僕にできた唯一の抵抗だったのだと思う。
しかし彼女は突然震えだすと、ナイフを振り回してわめき始めた。
「あんたもやつらのなかまなのねっっっっ!!!???」
幸い、柄の部分が右の頬に当たっただけで済んだのだが、
相当強くぶつけたらしく、自分の家に逃げ帰ったときには口の中いっぱいに
血の味が広がっていた。
それから僕は何ヶ月もしないうちに4度目の引越しをすることになり、彼女とはそれきりである。
彼女がどうなったのか、今でもわからない。


次は「こうもりがさ」「コタツ」「糸でんわ」で。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 03:10
162さんの「ミサイル」「マニア」「味」

兵器マニアの彼の部屋には驚くほどの、モデルガン、ミリタリー服、
戦車や戦闘機の模型、その手の雑誌が、集められていた。
現役の自衛官も見たらきっと驚いただろう。彼がその世界に目覚めたのは
小学五年生の頃であり、以来味をしめて、小遣いを貯めてはコレクション
の充実に充てていた。
なぜ日本には徴兵の義務がないのだ。彼は時々そう口にした。
自衛隊があるじゃない、そんなに戦闘や兵器が好きなら入隊してみては
どうかというようなことを僕は何度か言ってみたことがある。
だが答えは、いつも否だった。彼によると軍隊とは徴兵によって大部分が
構成されなければならず、そうでないと軍隊の存在理由がないのだと言った。

憲法の戦争放棄の条項が改正され、第三次世界大戦が始まった。彼は徴兵されて戦線に送られている。核ミサイルによる世界の終りの惨状が僕の頭の中を
支配しつつある。彼の言葉を時々思い出す。

お題:「精神」「電球」「カエル」
167166:2001/05/30(水) 03:13
あらら秒違いかな
165さんの「こうもりがさ」「コタツ」「糸でんわ」がお題です。
168名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 03:30
165さんの「こうもりがさ」「コタツ」「糸でんわ」

このおまじないは以下の手順で実行せよ

1.まず部屋の真ん中に直立する。
2.こうもりがさを開き、すぐに閉じる。(開く時間が長すぎてはいけない)
3.そしてすかさず、「あうっ」と三回唱える。(笑ってはいけない)
4.糸でんわのそれぞれ一方を左右の耳に当て、「メーデーメーデー
 応答せよ。こちらPCH493N」と二回叫ぶ。
5.ここで部屋をでて、トイレに入り小便をする。(残尿がないように慎重になること)
6.コタツの中に入り、電熱線の赤い光を4分33秒間眺める。(瞬きは10回以内に抑える)
7.最初の部屋に戻り座る。
8.三分後6から1までの手順を逆に実行する。
9.そしてつぎのお題を提示して終了だ

 「建築」「精力」「デカルト」
169名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 03:56
「この建築物は世界最古のものだ。建築学者のデカルトが設計したのさ」
ふうん、すごいのねえ。
「こっちをごらん。労働者が精力的に働いているね。この人たちはみんな教祖デカルトの洗礼を受けたのさ」
ふうん、すごいのねえ。
「今度はこれを見て。十年も前に大ヒットしたアニメさ。
 『起動戦死ガソダム』っていってね、主人公のデカルトが巨大ロボットのガソダムに乗って宇宙で戦うのさ」
ふうん、すごいのねえ。
「まだまだあるぞ。これは……」
ふうん、すごいのねえ。
ところでデカルトって誰?

次は「桃」「スピーカー」「ダイナマイト」
170名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 06:26
「桃」「スピーカー」「ダイナマイト」

我々は部屋に乗り込んだ。残り時間はもう僅かしかなかった。
「いそげ! あと五分で爆発するぞ!」
ダイナマイトのある場所は分かっていた。スピーカーの裏である。
手分けして奥の部屋を探した。しかし見つからない。スピーカーどころか
ステレオすら見つからない。しまった。誤認情報か!
「やばい! 二分切っちゃったよ!」
どんなときにも冷静なはずの留吉が叫んだ。仕方ない。逃げるんだ!
「隊長、音が・・・」
いつもは頼りないジョセフが叫ぶ。我々は耳を澄ませた。カチカチと秒を刻む音。
みな一斉にテーブルの上の桃を見た。私は条件反射でその桃をつかんで窓の外に
投げた。我々が笑った次の瞬間、部屋の中が真っ白に光った。

次のお題「アンパンマン」「ドイツ観念論」「ビデオテープ」
171名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 06:45
「桃、スピーカー、ダイナマイト」
父はスピーカーの前に腰を下ろすと、乱雑な部屋の様子には
目もくれず、持ってきた桃をかじり始めた。あのスピーカーの
値段を聞いたら、きっと父は火のように怒るに違いない。この部屋に
ある物の九割は、学費と称して受け取った仕送りで買ったのだ。
だが今は、父は何も言わない。
出来る限り時間をかけてお茶を入れると、僕は仕方なく父の前に座って
桃を手に取った。父が顔を上げずに言う。
「今年の桃はいい出来だ」
父が作った桃はスーパーで売っているものにくらべると、ひどく形が
悪かった。それに今日は、やけに苦い。
「お前、本当に大学をやめたのか」
苦い桃をかじりながら、僕の頭は昨日の夜から練り上げたいいわけを
必死で思い出そうとしていた。だがだめだ。何も思い出せない。
かといって、本当の事を直接言う勇気はなかった。
大学を勝手にやめた事だけでも父は怒っているだろうに、
小説家になりたいなどと言い出せば、火の中にダイナマイトを
投げ込むようなものだ。

かぶってますが、せっかく書いたので。お題は170でお願いします。


172「アンパンマン」「ドイツ観念論」「ビデオテープ」:2001/05/30(水) 06:47
「これが呪いのビデオテープ……」
注意深く端を持って、ビデオデッキに差し込む。震える指で再生ボタンを押すと、陽気な音楽が流れ出した。

なにがきみーのーしーあわせー なーにをしーてーよーろこぶー

「こっ……これは!」
驚いて画面を注視すると、タイトルが明らかになった。
『アンパンマンとお勉強シリーズその13・ドイツ観念理論の巻』
なんということだ。呪いの正体はこれだったのか。
抜けていく気力と薄れゆく意識の中で、ビデオの音声だけが聞こえていた。

やめろーバイキンマンゆるさないぞーアーンパー……

次は「烈風」「キノコ」「大観衆」
173172:2001/05/30(水) 06:58
「観念理論」ではなく「観念論」であることに気付いた。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 07:29
「烈風」「キノコ」「大観衆」

 オラたちのキノコをバカにするでねぇ

【ブダペスト28日=大村康法】

 ブダペストの大統領公舎に民衆が押し寄せる騒ぎがあった。
現地報道機関によると、暴動を起こしたのはキノコを主に栽培して
生計をたてているキノコ農民であり、先月可決されたキノコ流通
基準法に反対しての行動だとみられている。キノコ流通基準法
とは市場に流通するキノコに基準を設け基準に満たないキノコは
廃棄処分にするというものである。またキノコ農家の男性は自分の
陰茎よりも長いキノコを栽培しなければならないという食料省の
指示への反発も含まれていると考えられる。
 烈風が吹き荒れる中、農民は大統領公舎の玄関のドアノブを持ち
去ったり、家畜の糞を庭に撒き散らすなどし、警官隊と衝突した。
逮捕者も出て周囲の住人や通行人が大観衆となって道路を封鎖した。
 これを受けて大統領は法案の一部見直しを検討したいとコメントした。

次は「四番目」「めんたいこ」「パラドックス」
175名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 10:17
四番目・めんたいこ・パラドックス

「世の中に『絶対』なんてことはないんだ!」って、あいつ豪語していたよな。
でも、それって、おかしくはないか?パラドックスに陥ってるじゃないか。
世の中のすべてのことに「例外」があるのならば、あいつの言ってることにだって
例外があるわけだから、正しくなくなる。
逆に、あいつの言ってることが正しいとすれば、あの言葉自体が「絶対正しいことになる」
う〜ん、あいつもわけわからんこと言うヤツだよなぁ。
まぁいい。それよりもまずは、はらごしらえだ。
僕は、メニューの4番目にある、めんたいこ茶漬けを頼んだ。好物のひとつだ。
しばらくして、茶漬けが運ばれて来た。
僕は、これまた大好きなソースをたっぷりとかけてからかきまぜ、口に入れた。
「ぐぇっ!」なんでこんなにまずいんだ。
僕は、しかたがないので、これまた大好きな酢をたっぷりとかけてからかきまぜ、口に入れた。
「ぐぇっ!」なんでこんなにまずいんだ。
僕は、店のおやじに文句を行った、「なんでこんなにまずい茶漬けをだすんだ。」
「おかしいですねぇ。」と言いながらおやじは、僕の茶漬けの味見をした。「ぐぇっ、まずい」
とおやじは、叫んだ。
僕は、しかたがないので、おやじをいれてからかきまぜ、口に入れた。

#しかし、ここのスレッドは、信じられないほど盛況ですなぁ。
お題は、「スニーカー」「電池」「呪い」でよろしく!
176名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 10:44
四番目・めんたいこ・パラドックスで、もう少しリズムを強調してみました。
たびたびスマソ

「世の中に『絶対』なんてことはないんだ!」って、あいつ豪語していたよな。
でも、それって、おかしくはないか?世の中のすべてのことに「例外」があるのならば、
あいつの言ってることにだって例外があるわけだから、正しくなくなる。
逆に、あいつの言ってることが正しいとすれば、あの言葉自体が「絶対正しいことになる」
う〜ん、あいつもわけわからんこと言うヤツだよなぁ。パラドックスってヤツかい?

まぁいい。それよりもまずは、はらごしらえだ。
僕は、メニューの4番目にある、めんたいこ茶漬けを頼んだ。好物のひとつだ。
しばらくして、茶漬けが運ばれて来た。でもなんでキザミノリが乗っていないんだ。
僕は、しかたないので、大好きなソースをたっぷりとかけてからかきまぜ、口に入れた。
「ぐぇっ!」なんでこんなにまずいんだ。
僕は、しかたがないので、これまた大好きな酢をたっぷりとかけてからかきまぜ、口に入れた。
「ぐぇっ!」なんでこんなにまずいんだ。
僕は、店のおやじに文句を行った、「なんでこんなにまずい茶漬けをだすんだ。」
「おかしいですねぇ。」と言いながらおやじは、僕の茶漬けの味見をした。
「ぐぇっ、まずい」とおやじは、叫んだ。
僕は、しかたがないので、おやじをいれてからかきまぜ、口に入れた。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 11:36
少女が天空を見上げる。紺青をキャンバスに真っ白な
雲が形を変えながら勢い良く流れ去る。
「ああ、もうおしまいなのね」
そう呟いた少女の両手には、今見た雲のように
白いスニーカーがぶら下がっていた。
「最後の電池が切れてしまった……」
そう言うと、少女はため息をつきしゃがみこんだ。
その時少女はまだ気づいていなかった。
スニーカーのゴム底に呪いの文字が刻み込まれて
いたことを。
少女はそのまま地に倒れこみ、永遠の眠りについた。


次、「うなぎ」「葉巻」「月見団子」
178名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 11:48
遅かったか……。
>>174 ワラタ! こういうアプローチもいいにゃあ。
お題:スニーカー・電池・呪い
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こっちに来て、もう何日になるだろう……。
携帯電話の充電池は、切れて久しい。やみくもに歩き回って、
お気に入りのスニーカーにも穴が開いてしまった。
俺は、洞窟の中に草を敷いて寝転がり、村人の話を思い出した。
『魔の山に棲む古老を訪ねなされ。良い策があるやもしれぬ』
「まったく、そのじいさんはどこにいるんだよ!」
吐き捨てるようにそう呟いた直後、背後から声がした。
「若いの、何をしておる」白髪の老人が立っていた。
「あんた、ひょっとして魔の山に棲む古老か!? よかった、あんたに
会いたかったんだ! 頼みがあるんだ、俺を」
「呪われよ」
古老が右腕を振ると、急速に現実感が薄れていった。
「ああ、次はどんな世界に飛ばされるんだろ……」


次は177の「うなぎ」「葉巻」「月見団子」です。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 12:03
「うなぎ」「葉巻」「月見団子」

「俺、月見団子たのむわ」店先の縁台に腰掛け男は葉巻をくゆらせた。

「はい、お待ちどうさま」月見団子が皿に乗って出された。
「おぅ、早いな。んっ!これはどういうことだ。俺は月見だんごを頼んだんだぞ」
「はい、ですからこれが月見団子ですよ」
「ふざけんじゃねぇぞ。普通『月見』って言ったら、生たまごがポッカリと乗っているものだろう
オメェ、そばやで月見そば頼んで、生たまごが乗っていなかったら怒るだろうがよ
オレは、月見団子はいろんなところで食べているから、よーくわかる。お前のところのはニセモンだ。」
「まぁしょうがねぇや、許してやるよ。食ってやるよ。この団子。」
「その代わり、あそこに書いてある『うなぎの蒲焼』を持ってこい。俺、好きなんだよ。
アレ。いつも食ってるんだ。いいか、今度こそニセモンを持ってくるなよ。俺は
よく食っていて、くわしく知っているんだ。だまそうなんて考えるなよ!」
男は、言いたいことを一気に言い終えると、また葉巻をくゆらせた。

店の人間が、とんだ災難だ。という顔をしながら奥に引っ込もうとした時に
男は、ひとことつけ加えた。
「あっそうだ。ちゃんと缶切りも忘れずに持ってこいよ。」

#お題は「植木屋」「給水タンク」「フランス料理」でよろしく!
180名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 13:38
屋上の給水タンクの横で、がっくり。
「植木屋というフランス料理の店の話?
見えないよ!
ぜんっぜんストーリーが見えないよ!
もう一回プロットを書きなおすかしないとな」
最初のアイデアとしては、倒れかけた植木屋に
居候として飛び込んできた女子高生がフランス
料理の店として再出発を図るという。
飛び過ぎだよなぁ。
フツーに植木さんつうシェフの設定にするか。
屋上からおりようとしたその時、給水タンクの
横に茶色い小ビンが転がってるのを見つけた。

続いてのお題は「コニカ」「ボルテスV」「擬音」でGO
181名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 13:48
>>180
固有名詞はやめないか? 辞書に載ってるような奴ならともかく。
ボルテスVを知らない人は、そのお題を活かしきれないと思うんだ。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 13:51
>>180
「ボルテスV」ってナニ?固有名詞じゃないのをキボーン。本当は「コニカ」も
固有名詞なので、こまっちゃうのよ〜ん!
183名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 14:01
「ダーリン!たすけにきたっちゃ!」
 ボルテスVのコスプレをした異様な風体の娘は最愛のひと、良助をいじめていた男をキッとにらみつけた。
「ゆるさないっちゃ!食らうっちゃ!どかああああああああああん!!!」
 擬音まじりに娘が叫ぶと、電撃が娘の指先ほとばしった。
 その激しさはコニカのカメラのフラッシュの光の数千倍であった。
「ぴぎょおおおおおおおおおおんっっっ!」
 男は青白い電撃に包まれ、びくびくとからだをふるわせた。
「ダーリン、大丈夫っちゃ?」
 娘が、縛られた良助の手足をほどく。しかし良助はそのとき恐ろしいものを見た。
 男の体は異様な変化を見せ始めていた。それは今や人間とは呼べないものに変わりつつあった。

 固有名詞二つも出すのはやめろ。ひとつならともかく…
 次のお題は「ハイレグ」「ヤンエグ」「ノーパン喫茶」でおねがいね。
 おほほほほほほほほほほっっ!!!!!
184名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 14:15
「ハイレグ」「ヤンエグ」「ノーパン喫茶」(オダイコンバート、アリガート)

「おほほほほほほほほほほっっ!!!!!」僕の後ろで高らかに笑う声。
あわてて後ろを振り返ると、そこにはハイレグの女が立っていた。
「なぜだ。僕のことを笑ったのか?」いぶかしげに見返した僕のことなど
おかまいなしに、その女は消えてしまった。
気がつくと、次々にあちこちでそのわらい声は、鳴りひびいた。
「おほほほほほほほほほほっっ!!!!!」あそこのヤンエグも、
こっちのノーバン喫茶の客引きも、みーんな笑っている。
みんな、どうしちゃったんだ。

不可解なナゾをかかえたまま帰宅した僕は、今すべてを理解した。
みんな、みーんな。183。あなたのせいだったのですね!

#お題は、「爪切り」「トンボ」「サングラス」でよろしく!
185名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 15:22
「爪切り」「トンボ」「サングラス」

「あいつだ」サングラスをして爪きりで爪を切っているフリをしながら
こちらをうかがっている。ストーカーまがいにわたしをつけねらっているあいつだ。

あしたになれば、今日さえ乗り切れれば、わたしは幸せになれるのに。
メール交換で知り合った、やさしい人と一緒になれるのに。
でもそのためには、その人との待ち合わせの場所に急がなくては。
あの人は、わたしを待っていてくれてるのに。

でもそのためには、あいつの横を通りぬけなくてはならない。他に道はないのだ。
わたしは、顔をかくすように下を向きながら、素早く通り抜けようとした。
男は、前をふさぐように立ちはだかった。
まわりに人はいない。そいつは、ナイフを取り出して構えた。
わたしは、覚悟した。もうわたしに幸せは来ないのだと。
と、その時、ナイフの先にトンボが止まった。男は、それを振り払おうとするが
それでも、ナイフの先にしがみつく。しばらくそれを繰り返したが、男は突然、怒鳴った。
「気が抜けちまったよ。行けよ。とっとと行っちまえよ。」

「ありがとう」わたしは、そう言った。
それは、その男にだったのだろうか。トンボにだったのだろうか。

急いで待ち合わせの場所に向かうと人垣ができていた。
「即死だったらしいよ。」とざわめく人をくぐり抜けて行くと、
明日から一緒の幸せをつくるはずっだった人は、救急隊員のかぶせたシートの下に横たわっていた。

#ぎょぇ〜、ちょっと重すぎたかな?
お題は「輪ゴム」「ドロップ」「ハチ」でよろしくです!
186名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 16:10
「輪ゴム」「ドロップ」「ハチ」

道ばたで、石を拾った。
子供の頃口にしたドロップの色と同じ、綺麗な石。
その中には、一匹のハチが閉じこめられていた。
「ああ。こんなところにいた」
声にふりむいた僕の手から、老紳士は、ひょいっ、と石を取り上げると、
ポッケから取り出した輪ゴムをかけて、引っぱった。
石を通り抜けた輪ゴムには、もがくハチが捕らわれていた。
「もうこんなところに迷い込んじゃあだめだよ」
老紳士はそう言ってハチを逃がすと、僕に石を手渡した。

あとにはただ、綺麗なだけの石が残った。

#お題は「三輪車」「夕焼け」「キノコ」でお願いいたしたく候
187名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 17:05
>>186
きれいだ……。激しく(・∀・)イイ!!
188名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 17:16
開発が進行して、古い家屋が潰されていく。古い住民は街を追われ、新しい住
民が建設進行中の団地に続々と入居していく。

夕焼けに照らされ、団地と建設機器が黒く大きな影を落としていた。
その影のなか三輪車が捨てられていた。その傍らには可愛らしいフランス人形
も。……誰かが悪戯したのだろうか。人形の美しかったであろう金髪は黒く焦
げ、首がぐらぐらと外れかかっていた。
加藤は、勤め帰りに、この人形と目があった。駅前のスーパーの袋からパスタ
やキノコが見えている。かなりの量である。会社の都合のため、新しい団地で
一人暮しをしていたのだが、妻と子どもが、明日、引越してくる予定なのであ
る。
加藤は人形の気味の悪さに目をそらせ、そして三輪車に目をとめた。
「裕ちゃんに丁度いいな」
右手に鞄とスーパーの袋を一緒にもち、左手に三輪車を抱えて、帰宅した。そ
して、押し入れを開けて、裕ちゃんに声をかけた。
「裕ちゃん、今日、到着したんだ。早かったな。ほら。三輪車だよ」
髪が焦げ、首に青痣のある裕ちゃんはニッコリと微笑み返してくれた。

お題は「テープレコーダー」「道徳」「納豆」
出遅れ、せっかくだから俺は上げるぜ。

ゆうじはキコキコ三輪車をこぐ。

真っ赤な夕焼けを目指して一心不乱にキコキコこぐ。

アスファルト、街灯、ベンチ、白線、真っ赤、真っ赤。

ゆうじはいっしょけんめいにキコキコ三輪車をこぐ。

後ろには夜。灰色のキノコ雲。

ゆうじはいっしょうけんめいキコキコ三輪車をこぐ。

ほうしゃのうにおいつかれないように。


お題は上のでよろしゅうに。
190名無しさん@お腸いっぱい:2001/05/30(水) 19:22
「テープレコーダー」「道徳」「納豆」

「という結果になりましたので、慎一くんは明日までに死んでください」
道徳の時間。クラス全員による投票結果を、担任が伝える。
「死ーね! 死ーね! 死ーね! 死ーね!……」
児童たちはテープレコーダーのようにその言葉を繰り返す。
慎一は嬉しかった。これで、ようやく死ねる。
早速、天井の梁にロープが掛けられ、人間の体重を支えられるよう、しっかりと輪が作られる。
慎一は、椅子の上に立ち、ロープを首に掛けた。
「死ーね! 死ーね! 死ーね! 死ーね!……」
ああ、最期に納豆が食べたい……。
慎一がそう思った瞬間、ロープと椅子がかき消え、慎一は床に放り出されてしまった。
クラス全員が落胆の声を上げる。
「ああ、ようやく死ねると思ったのに……」
不老不死という檻からの脱出には、並大抵ではない労力が必要だった。


さて、お次は〜「ダイヤモンド」「影」「切なさ(切ない)」で。
191名無しさん@お腸いっぱい:2001/05/30(水) 20:12
「慎一がそう思った瞬間」
→「慎一が不覚にもそう思ってしまった瞬間」
の方が、よりわかりやすいですかね。
ダイヤモンドでできているガラス切りの刃の鋭さを指の腹で何回も試す、陽子。
校舎のガラスをキュキュキュと丸く切り裂き。落とす。
切れる。
頬の傍らに張り付けるように小さくつぶやく。
刃物の用には見えない。図面を引く道具みたい。
ガラス面に直角に当て引く。高い悲鳴を上げてガラスは二つに分かれる。
切ない思い出は切れるのか。
ロッカーの上、頬に膝を当てて陽子は考える。
床の上に四角く切り取られた月光の白い領域。左手かざし影をつくる。
影の左手にガラス切りをトンと置き、切る。
影は切れ、ひらひらと遠くに逝ってしまった。
切れる。  切れる。  切れる。
陽子は振り返り、ずっと後ろに付いていた思い出の前足を切り払った。
これでわたしは自由だ。


おだいは、「あづき」「こーひー」「ゆず」であります。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 21:07
↑ぎゃ、前回のお題が残ってた。
逝ってきます。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 22:13
「俺んちくるときにさ、それかってきてよ」
電話の向こうで健一が言った。
「えっと、なになに?「あづき」「こーひー」「ゆず」?なんだこりゃ」
「一人暮らしだとさ、時々居るんだよ」
幼馴染の健一は、今、東京の大学に通うため一人でアパート住まいだったはずだ。
「そんなものもなんだ」
「やっぱり、あじがちがうっていうかさ、地元の食べたくなるんだよ」
「ふーん」
あいづちをうちながら、俺は健一も変ったなと思った。
昔はマクドとか焼肉とかああいうのが好きだったのに。
いや、故郷を離れるというのはそういうものかもしれない。
俺は地元の大学にかよってるから、一人暮らしの寂しさというのはわからないのだから。
「OK、どれくらいほしいんだ?なんだったら先に郵便でおくるけど?」
「いや、そんなにいらないんだ、小豆は一にぎり、コーヒーも一袋でいいよ」
俺が了解したことを、嬉しそうに、でもちょっと恥ずかしそうに電話の向こうで健一が答えた。
「遠慮するなよ、まあ、好みもあるだろうから、持ってったの気にいったら言ってくれよ、後で送るし」
「うん、ありがとう、住所は前と同じだから」
「ああ、わかった、まよったら電話するから迎えにこいよ」

そして、俺は連休を利用して東京にいった。
健一の住所のメモを見ながら歩き回った。
もしかしたら、まちがえてるのかもしれないとおもって、実家に連絡もした。
実家の親も、いつも健一から連絡があるから、そこに住んでるだとおもっていたのだ。
健一の言っていた住所は、ただ空き地だった。
それも最近じゃない、ここ数年はバブル崩壊のおかげで買い手がつかないのだと、近所の人が教えてくれた。


「コーヒーは自分で、あづきは世話になったやつに、ゆずは鍋物にいれたくてさ」
俺は最後につぶやいた健一の言葉を、頭の中で繰り返した。
「鍋?この暑いのに?」
「こっちは寒いんだよ、とっても寒いんだ」
お題は「白くま」「きつね」「おおかみ」で、いかがでしょ?


195194:2001/05/30(水) 22:14
次の、お題は「白くま」「きつね」「おおかみ」で、いかがでしょ?
196名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 22:39
>>186 すばらしく、たまげた。
少ない行数は、やっぱり童話系、絵本系が向いているかもね。
もちろん、その人の能力が一番重要だと思うけど。

今日は、本屋さんで、「エッセイ上達法」という本を買って来た。
いろいろ参考になることがあったよ。普通だったら「こんなことが書いてあった。」
とかいろいろ議論や哲学に持ち込むんだろうけど。ここのスレは実践する場所だからね。
作品を書いて、結果を示せればいいな。
頑張るでぇ!
197名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 23:04
三匹は、それぞれに自分の美しさをを自慢しあっていた。

「どう、わたしの長くてフサフサした金色のしっぽ、キレイでしょ」
キツネが自慢すれば。
「冷たい海にもぐっても、寒くないツヤツヤした毛だぞ。オレがいちばんだ」
シロクマが対抗する。
「シルバーに輝く、僕の美しさにかなうヤツはいないね。」
オオカミが胸をはる。
仲の悪い三匹の意見がそろうことは、絶対になかった。

ちょうどその時、ヒゲもじゃの男が、百発百中の鉄砲をつれてやって来た。
きれいな毛皮をさがしている毛皮商人だ。

「はっはっは。誰の毛皮が一番きれいだって?おれさまの鉄砲は、ぜったいに
狙いをはずさないぜ。さぁ、言ってみろ。そいつをつかまえてやる。」
鉄砲は、男のワキで三匹をジロリと見回した。

「そっ、それは〜、コイツだ!」
鉄砲はジワジワと狙いをすまし、すかさず指差されたヤツを撃った。

ドキューン!
大きな銃声がしたあとには、もじゃもじゃヒゲの毛皮を持ったヒトが倒れていた。

#童話系、逝ってみましたぁ。
お題は、「潮干狩り」「最中(もなか)」「缶詰」でよろしく!
198197:2001/05/30(水) 23:13
あっ、どのテーマで書いたのか、忘れてたね。(見ればわかるけど)
「白くま」「きつね」「おおかみ」でした。
なかなか186みたいには、うまくいかないもんだね。がんばるっす!
お腹をすかせた白くまは、氷原の彼方に赤い筋を見つけました。
白くまが駆け寄ってみると、そこには一匹の傷ついたきつねがうずくまっていました。
白くまはすぐに襲いかかり、弱ったきつねを押さえつけました。きつねは白くまに懇願しました。
「おねがいです、おねがいです。私が食べられてしまったら、この子たちは生きていけません」
草陰を見ると、生まれたばかりの三匹の子ぎつねが、震えながら母ぎつねの様子を見守っていました。
傷ついた母ぎつねは、子どもたちにとったばかりの獲物を食べさせていたのです。
白くまは母ぎつねをはなして、代わりに子ぎつねを食べようとしましたが、やはり母ぎつねは泣いて懇願します。
「いいえ、いいえ、白くまさん。この子たちが食べられてしまったら、私も生きてはいけません」
白くまはしばらくじっと母ぎつねを見つめていましたが、やがて後ろを向いて歩き出しました。

その次の日、白くまはおおかみに食べられていました。
200、「潮干狩り」「最中(もなか)」「缶詰」:2001/05/30(水) 23:26
夏に想う。
潮干狩り。最中のような貝殻と、波にさらわれる砂。
花火。ひまわりのような大輪を、空いっぱいに咲かせて。
風鈴と桃の缶詰。夜風に涼み、すいかをかじる。
軒一面の提灯。祭り囃子が聞こえる。
みんな、消えていく。
秋が来る。

次は「夕焼け」「ギロチン」「フィクション」
201名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 23:29
疲れた……
潮干狩りをしながら缶詰をかじる。
未だに蓋は開かない。
無人島での一時……
残るはふやけた最中、一つだけ。

次は「手」「目」「毛」で。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/30(水) 23:31
ありゃ、早い者勝ちってことで。
203197:2001/05/30(水) 23:42
粘着質でゴメソ。
童話系とか言ってるクセに、全体の語感がぜんぜんよくなかったね。
×仲の悪い三匹の意見がそろうことは、絶対になかった。
○仲の悪い三匹の意見がそろうことは、絶対にありませんでした。
って感じで、続ければよかった。
逝ってきま〜す。
204お願いだぁ。:2001/05/30(水) 23:59
たまに、誰か批評を頼むぅ〜!(作品書いてる方が楽しいんだけどさ。藁)
きびしい評価でもいいからさぁ。今後の糧にしたいよ〜ん。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 00:27
>>204
いやぴょん。
このスレはストレス解消に使うんだぴょん。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 00:30
200「夕焼け」「ギロチン」「フィクション」

広場にはもう人だかりができていた。
その中心にはギロチンが用意されている。
法改正が行われ、死刑は全てギロチンによる、公開処刑
となった。まだ施行後間もないので人々の関心を集めているのだ。
一部の群集がざわめきだした。罪人が連れてこられたのだろう。
その罪は反逆罪である。国家転覆やクーデターについてのフィクション
を多く発表し、民衆の思想を反体制に傾けようとしたのだ。
公開処刑は見せしめとして行われ、人々は罪を犯すことを恐れる
ようになる。権力者の言う事をよく聞き、政府に対する不満も
抑圧するようになる。この国は既に情報の統制も行っている。
だんだんと、そういうのがおかしいと思わなくなってきている。
いつか心理学の本で読んだ権威への服従というやつかもしれない。
処刑が終り、夕焼けの空の下、人々は家路についた。

次は「雨」「カレー」「シュール」でお願い
207名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 00:41
201「手」「目」「毛」

「いいですか。目に毛が入っても、絶対に手でこすってはいけませんよ」
マルチーズのママは子供たちにそう言い残して死んだ。

お題は206の「雨」「カレー」「シュール」

208名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 00:57
「雨」「カレー」「シュール」

僕が「シュールな雨」という原稿を書きながら、いっしょうけんめいコンピューターを見つめていると
突然、うさぎが画面から顔を出した。
「ははーん、君だね。『批評はいやぴょん』とか言っていたのは」
ところが、うさぎは僕のそんな言葉なんて気にも止めず、時計を気にしている。
なにやら忙しそうな様子だ。締め切りに追われているのだろうか?
突然、うさぎは画面の奥に向かって走りだした。
僕は、逃がしてなるものかと、その行く手に、次から次へとアプリケーションを
立ち上げた。
「ほらほら、もう逃げられないぞ。どうだどうだ。僕の作品を批評しろぉ〜!」

ところが僕のおんぼろコンピューターは、あろうことかメモリー不足で
それ以上、アプリケーションを立ち上げられなくなってしまったのだ。
ガックリしている僕に、うさぎは、お尻ペンペンしながら、その隙間から姿を消してしまった。

どこかで、カレーの匂いがした。
目をさました僕は、おなかがすいているのに気がついた。

#お題は、「お願い」「批評」「ウヒョー」でよろしく!
209名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 01:03
「お願い、このスレに書いてても感想が欲しいのよ……
 批評して!」
「いいのかい?」
「構わないわ」

 逝ってよし

「ウヒョー」
こうして一人の勇者が崖から飛び降りてまた登ってきたという……

 完

次は「雲」「蜘蛛」「公文式」で。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 01:08
「雨」「カレー」「シュール」

僕はカレーショップで一時間前に頼んだカレーを待っているところだった。
いつもなら一時間も待たされれば怒って店を飛び出しているだろう。だが
今日は違った。何しろ僕が頼んだのは、「ポークカレー(シュール味)」
だったからだ。
シュールなカレー・・・。考えただけで気がおかしくなりそうだった。それは
まっとうなサラリーマンを満足させてくれる品に違いない。なにしろシュールな
カレーだからな。単なる熱い白御飯に山吹色のカレーじゃないよ。最低、ロケットは
付いてるだろうね。ロケットぐらいは付いてないと、シュールなカレーなんて言えない
よ。それでそのロケットがお皿を一周してくる間に、御飯の山には雨が降るんだ。
あれ、いまルウの中に何か潜ったぞ?

お題は209の「雲」「蜘蛛」「公文式」で。

211208:2001/05/31(木) 01:29
スマソ。208ですが、チト気になる部分を訂正させてください。

僕が「シュールな雨」という原稿を書きながら、コンピューターに向かっていると
画面から、ひょっこりとうさぎが顔を出した。

スンマソンでした。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 02:15
129=143=156=175(176)=179=184=185=197=208でした。
おかげで、まだ仕事が終わりません。
眠たいけど、自業自得ですな。
うさぴょん、今度は、メモリー増量しとくから、逃がさんぞぉ!(藁)
213名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 06:41
「雲」「蜘蛛」「公文式」

浜崎姉妹は五年生に上がってから急に賢くなった。公文に通い出したのだ。
算数はいつも零点に近かった姉妹の豹変ぶりに、お母様方は溜め息をついた。
「これからは公文式よ!」
公文熱は僕にも飛び火した。ちょっとした迷惑だ。でも今から思えば虚しい
熱狂だったと思う。浜崎姉妹はその後、姉は毒蜘蛛連合のレディースのリーダー
になり、妹はあゆとか呼ばれて女子高生の人気者になった。
まあ、いずれにしろ僕には、雲の上の存在だけど・・・。

次のお題「酒」「泪」「男と女」
214名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 06:47
「雲」「蜘蛛」「公文式」

小学校5年生の梅雨のことだった。
放課後、校庭で友達とキャッチボールに夢中になりすぎてしまった僕は、公文式の塾へと行く時間にすっかり遅れてしまった。

途中、近道をしようと田んぼの畦道を走っていたら、急に大粒の雨が降り始めた。
週末には、所属していたリトルリーグの試合がある。雨に濡れ風邪をひいてはかなわない。僕は畦道の先にあった大きな楠の木の下で、雨宿りをすることにした。

空を見上げる。風とともに黒い雲が流れていく。

15分ほどで小降りになり、雨の粒も小さくなった。
木の葉と木の葉の間、雫で光る蜘蛛の巣を通して、雲の切れ間から夕陽が見えた。

結局、僕はその日の塾を休んだ。


ちなみにこれは実話です・・・意味はあまり無いが。


「レモン」「テープレコーダ」「フラット3」でよろしく。
215214:2001/05/31(木) 06:49
被ったか・・・スマソ。
213のお題を優先してください。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 07:47
「酒」「泪」「男と女」

「この酒が返して欲しければ、天使の泪を500リットル用意しろ」
それは無理だ。いくら悪魔のいうことでもそれは無茶すぎる。
「もっと楽な課題はないのか」
「じゃあうまか棒602,594,000本持ってこい」
これも無茶だ。まったく近頃の悪魔は…
「もっと楽なものを頼む」
「小泉首相を連れてきて、なんてったってアイドルを歌わせろ」
多忙なのを知らないのだろうか。ニュースくらい見るようにしてもらいたい。
「ちょっと無理だ。違うのを頼む」
「じゃあ男と女の局部をそれぞれ500切り取ってこい」
変態なのだろうか。悪魔も精神を病む時代なのか。
「それはできない。すぐにできそうなものを」
「じゃあ次の3つの言葉で創作しろ」
「わかった。その3つの言葉を教えてくれ」
「『幻想』『尻』『カメラ』の3つだ」
217名無しさん@お腹イパーイ:2001/05/31(木) 13:24
>>214
いいっす!実話だけあって、ストーリーに無理がないし描写もうまいっす!
218名無しさん@お腹イパーイ:2001/05/31(木) 13:25
217です。ゴメン、sageで書くの忘れた。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 16:28
「へへへ、ダンナ。かわいこちゃんの尻の写真があるんですけど、いかがですか?」
首からカメラをぶらさげた男が、ニヤニヤしながらすりよって来た。
「お安くしておきますよ。金貨一枚でけっこうです。」
「高いじゃないか。」
「ダンナ。だって正真正銘のピチピチギャルのお尻ですよ。安くはできません」
「よし、わかった。買おう」
わたしは、金貨一枚を男にわたし、もの陰に走った。

走ったせいなのか、興奮しているのか、ドクンドクンと脈打つ心臓が
さらなる幻想をかきたてる。

袋をあけ引っ張り出した。
ハァハァハァ。
わたしは、小さな赤ん坊の尻の写真を握り締めて泣いていた。

#お題は「雪男」「雪女」「やぶさめ」でよろしく!
220名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 19:43
雪男 雪女 やぶさめ

それは雪女にしか見えなかった。
白いコート、白いブーツ、白い手袋、純白のマフラー。
透き通るような白い顔、艶のある黒髪をボブにして、唇だけが赤い。
自動販売機の横にかがみ、白く湯気をたてた缶コーヒーをすすっていた。
ボクはバイクを止め、ヘルメットを脱いで雪女に話しかけた。
「だれか、まってんの?」
「うん、雪男」
「……来そう?」
「たぶんこない」
「どうして」
「バイクの後ろで騒いで事故らせたんで、怒ってる」
「へえ、じゃ、どっか行かない? おごる」
雪女はちょっと考えて立ち上がって、ボクの方にとことこと近づいてきた。
ボクの渡すヘルメットを手慣れた感じで被り、ボクの後ろに足を開いてまたがった。
バイクを一吹かしして、ボクはアクセルをつないだ。
「あっ、缶」
雪女はのみ差しの缶コーヒーをやぶさめみたいにゴミ箱に放った。
缶は狙いを大きくはずれ、ゴミ箱の縁に弾かれ脇に寝ていた猫をおどかして転がった。
雪女は加速中のバイクから後ろに飛び降り、たたらをふんでよろけ、もちこたえ、道をわたろうとして、対向車線の車にぶつかり、倒れずふんばり、バンパーをけ飛ばし、缶を拾い、丁寧にゴミ箱に入れ、道を渡り、帰ってきた。
「しっぱいした」
ボクは雪女の顔を見つめ、こいつはバカというより、なんかすごい奴だと思って。
ボクは雪女がいっぺんに大好きになった。

お題は「抜刀」「防御」「永遠の愛」
221名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 21:17
激しい雨の中で、俺はようやく、奴に追いついた。
俺の姿を見て、逃げ出す奴の襟首をひきずりたおし、路肩に転がした。
ただでさえ人気のない場所だ、奴は観念したのか、延々と逃げた理由を俺に話す。
金で体を売る女郎の言葉に迷って藩を裏切るなどと、怒りこそあれ信じることなどできない。
「お願いだ!あいつがまってるんだ」
奴の懐は、持ち出した金で膨れていた。醜悪な心の形が、見えた。
俺は抜いていた剣を鞘にしまった。馬鹿らしくなったのだ。
「金を半分よこせ、それで目をつむってやる」
奴は一瞬嬉しそうな泣きそうな顔をした、目が泳ぐ。
半分では、恐らく女の代金はまかなえない、半分の金を選ぶということは、自分の命だけ助けるということだ。
「じゃ・・・じゃあ、半分だけ」
奴は笑いながら俺に金を差し出した。
俺は答える代わりに、抜刀する。
「永遠の愛じゃなかったのか?」
答えのない問いを吐き捨てて、俺は奴の金を全て取り戻した。
「これは藩が戦(いくさ)にそなえて防御を固めるためにかき集めた金だ、返してもらうぞ」

奴から取り戻した金が俺の懐で存在を主張しつづけていた。
俺は奴が口にした「永遠の愛」などを信じない。
俺は苦笑いすると、藩邸へ急いだ。
雨は止まない。


お題は「電車」「コーヒー」「お店」 でどうでしょ?
222名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 21:30
おお、時代劇!!
渋いねえ。
223(・∀・)イイ!!:2001/05/31(木) 21:52
ワーイワーイ、時代劇だ。カコイイ!
わたしも書きたかったけどうまくまとまらなかったぁ。
ネットで「抜刀術」を調べて終わってしまった。(藁)
224名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/05/31(木) 22:13
カウンターで受け取ったコーヒーに、砂糖とミルクを入れる。
かきまぜたスプーンは、カップを離れる前にフチのところで
ほんの少しの間、押し付けられ残ったしずくを、カップの内側に
そわせて、落とす。
茶色の液体をなめらかに振り切ったスプーンは、カップのワキに
そえられる。
もう、はるかな昔から僕に身に付いたクセ。そうあの日から。

僕と彼女は、初デートを若者に有名な街にした。
電車の中では緊張していた会話も、歩行者天国をふたりならんで
歩く頃には、すっかりうちとけて。
同い年のはずなのに、彼女がすっかり大人の雰囲気だったのにもびっくりした。
お店に入り、僕はコーヒーを注文した。砂糖とミルクを入れてガチャガチャ
かき回したあと、空中で振ってから下に置こうとした瞬間。彼女は
「ダメよ。そういうふうにしたら。いい。こうするのよ。」と言って
カップのフチにスプーンを押し付けてしずくを落としてくれた。

あの日以来、僕はそうやってコーヒーを飲むのがあたりまえに
なっていった。そして、これからも一生こうやって行くのだろう。

遠い昔にわかれてしまった彼女に、出会った人たちに、
僕も何かを残してあげられたのだろうか?

スプーンが、キラキラ笑っていた。

#へへへっ、実話なんですぅ。
お題は、「かに」「もちつき」「どんぐり」でよろしく!
225名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 22:19
224ですけど、長かったですね。すんません。
上の説明の段落は、バッサリと取っちゃってもよかったかな?
デートの場面での説明とだぶっちゃってるしね。はぁ、むずかしいっす。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 22:24
説明の明確さに心奪われたぜい。
(解説書書きさんかな)

デートシーンがありきたりで、ちょっと萎え。
実話だからしょうがないかな。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 22:44
ピンポン、224=Webデザイナーライターでありんす。
映像的なシーンを流麗に文章であらわすのは、むずかしいですよね。
なので、とりあえずは、詳しく解説(笑)してみました。
名文家には、本当に目の前に見えるような文章を書く人いるもんね。めざそうぜ!です。

確かにデートの場面は、ちょっと自分の郷愁に酔いすぎてひねりが足りなかったなぁ。(反省)
がんばるっす!
228めんじ@まだ職場:2001/05/31(木) 22:47
「かに」「もちつき」「どんぐり」

かにの朝は早い。
寝癖直しもそこそこに、くたびれた背広を羽織る。
コーヒーを飲む暇もなく、かには部屋を飛び出した。
今日は9:00から定例進捗会議だ。そのあとクライアントからの
ヒアリングに出かけ、午後からは懸案になっているもちつきを
片付けねばならない。
そのとき胸ポケットのどんぐりがカタカタ鳴る。
かにはどんぐりを取り出し、スウィッチを押す。
得意先からのクレームだ。
今日も残業が確定してしまった。 (つづく)

次は、「ふすま」「招き猫」「ソウルフル」
※このレスが遅きに失した場合は前の人のお題でお願いします
229名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 22:50
>>228 ハゲシクワラタ!
230名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 22:55
>>228
かにさんがんば(笑)なドラマがあって好き
あれから何年経つだろう。今でも時折思い出す、幼い日々。
あのころ、私は引っ込み思案で、家の中で本ばかり読んでいた。
他の子との遊びについていけず、泣いて帰ったこともある。
唯一友達と呼べたのは、隣に住んでいたろくちゃんだけだった。ろくちゃんは色々な遊びを知っていて、よく山へ誘ってくれた。
川でかにをつかまえて、かわいそうだと私が言うと、ろくちゃんは微笑んで川へはなした。
近所でもちつきをしていると、連れ立ってつきたてのもちを食べに行った。
私たちは、いつも一緒だった。少なくとも、B29が空を飛び始めるまでは。
私は暗い電灯の下で、いつ来るかも分からない空襲に脅えた。外で遊ぶこともなくなり、ろくちゃんとも会えなくなった。
私たち一家は警報の音に外へ飛び出した。燃えていく町並み、広がる火の海に、ろくちゃんは取り残された。
出征していた父も戻らず、長い戦争は終わって、それからろくちゃんはいなくなった。
私はろくちゃんの、あのどんぐりのような瞳を忘れない。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2001/05/31(木) 23:18
「ふすま」「招き猫」「ソウルフル」

毎年、夏休みには祖父母の家へ遊びにいくことになっている。昔ながらの木造建築で、夜中にぎいぎい鳴る板張りの廊下は、見事に夏の夜を演出してくれる。
そんな家にはひとつくらい、不思議な話があるものだ。
開いてはいけないと言われている「開かずのふすま」。開けば不幸が訪れるという。
田舎の生活に飽き飽きしていた私は好奇心を抑えられず、ある日ふすまを開いてみた。
懐中電灯で照らしてみると、目の前にはソウルフルな招き猫。卓越したマーシャルアーツで私を追い詰める。
電光のごとく飛び交うパンチとキックに、私は避けるだけで精一杯だった。
慣れない運動にバランスを崩して、私は招き猫の一撃に昏倒した。
目覚めると朝。祖父母に話してもまともに取り合ってはもらえない。だが、あれは決して夢などではない。
それ以来、開かずのふすまを開くことは、無い。

次は「髑髏(どくろ)」「電波」「ヒゲ」
233めんじ@まだまだ職場:2001/06/01(金) 00:55
「髑髏(どくろ)」「電波」「ヒゲ」

明治通りから早大の方にちょっと入ったところに東京ヒゲセンターは
ある。だいたいお昼の12時ぐらいから営業しているが、最近館長が
むちうちになったらしく、ぐるぐる巻きの首でバランスを崩しつつ、
どうにかこうにか開錠するので、30分ぐらい遅れて開館することが
多い。
その日も遅れ気味の営業開始だった。館内はがらんとして、お客は僕
のほかには高山さんと髑髏さんしかいなかった。館長は僕らには目も
くれず、爪の先でしきりに、なにか輪っか状になった電波をいじって
いた。
「次のお題はなんだ?」 不意に声がした。ふりむくと髑髏さんだ。
お題といわれてもなんのことかわからない。とっさに僕は叫ぶしかなかった。
「飴! 携帯! 溝!」
というわけでよろしくおねがいします。(苦しさが胸を突くな)
234名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/01(金) 01:53
「飴」「携帯」「溝」

「携帯用のカンテラも持ったし、あとは……」
いつも俺はこうして、装備品を口に出して確認することにしている。
今日の依頼も、相変わらずゴブリン退治だ。ま、駆け出しの
冒険者にはおあつらえ向きの雑用ではある。
月明かりの下、宿を出て、大通りを城門に向けて歩いていく。
その道すがら、側溝のふたに足を突っ込んで困り果てている女性を見かけた。
俺は別段何とも思わなかったので、素通りした。
不意に、背後に殺気が迫る。短剣を抜きざまに振り返ると、女の右手から伸びた爪が、目の前にあった。
なんて力をしていやがる。剣で受け止めた爪が、徐々に顔に近づいてくる。
女の、毒々しい飴色をした目が、ねっとりとこちらを見据えている。
もうだめだ。
女の爪が目を突き、俺は光を失った。爪はなおも食い込んでくる。
遠ざかる意識の中、最後に思ったこと。
護符を持つのを忘れていたな。そそっかしいなあ俺は……。


え〜次は、「こうもり」「生」「早とちり」で願います。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 02:06
「飴」「携帯」「溝」(めんじさん、ごくろうさ〜ん!)

僕達が公園で待っていると、紙芝居屋さんはベルをジリンジリンと鳴らして自転車でやって来た。
「おじちゃん、アレくれよ。」と言うと、「何点のやつがいいんだい?」と聞かれる。
それは、「型抜き飴」だ。
薄い飴に、溝が切ってあって、いろんな形になっている。点数の高いものほど切り抜くのが
難しいんだけど、うまく行けば、たくさんのお菓子と交換することができるんだ。
だから、高得点を狙っているやつは、ちゃんと、細い針を携帯してきているのだった。

僕は迷うことなく「いちばん難しいヤツ」と申請した。
紙芝居屋は「本当にできるのかい?」という顔をしながら一枚の飴をわたしてくれた。
それは、犬の図柄だった。
もう、お小遣いを使いはたしていたから、この飴をうまく切り抜かないと何も食べることができないんだ。

紙芝居がはじまった。でも僕の飴はむずかしいから、なかなか切り抜けない。
あわてると途中でわれてしまうから、じっくりじっくりと攻める。

紙芝居屋がそろそろ帰ろうとするころ。ようやく僕のあめはきれいな犬の形になった。
僕はそぉっと、そぉっと、紙芝居屋のもとに持って行く。
一陣の風が吹き、飴が飛ばされそうになった。僕は思わずギュッと握り締めてしまったんだ。

涙を流すぼくに、紙芝居屋は、そっと梅ジャムせんべいをくれながらこう言った。
「いいかい、いちかばちか。なんてことばかり考えていたんじゃダメなんだぞ」

僕は、その言葉をかみ締めて生きて行こうと誓ったんだ。本当さ!
なのに、なのに、小説書いているなんてぇ。ごめんなさい、紙芝居屋さん。

#お題は上の人のでよろしくです。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 02:20
212=219=224=235でした。
221の時代劇タッチ、新鮮でした。わたしも書きたかったけどうまく書けなかった。
やっぱり、自分の頭の中のイメージがそこまで膨らませられなかった。
もっといろいろ読まないとダメだなぁ。と反省しました。
23728=214:2001/06/01(金) 04:16
「こうもり」「生」「早とちり」
23828=214:2001/06/01(金) 04:25
しまった、間違って書く前に押しちまった(^^;
改めて・・・短く早く!

「こうもり」「生」「早とちり」

嵐の土曜日、同窓会の行われる隣町の居酒屋へと歩いた。
黒いこうもりを傘たてに立て、店の奥座敷へと歩いたが、知っている顔は誰もいなかった。

怪訝に思い、居酒屋の主人にたずねてみれば、今夜だと思っていたのは私の早とちりで、来週に予約が入っているとのことだった。

次の週の土曜日、同じ時間、空は満天の星空が輝いていた。

「侍」「後頭部」「サラダ」でよろしく。
239238:2001/06/01(金) 04:29
しまった!「生」を入れるのを忘れてた!!

>怪訝に思い、居酒屋の主人にたずねてみれば、今夜だと思っていたのは私の早とちりで、来週に予約が入っているとのことだった。
の次の行に。

>仕方なく私は、一杯の生ビールを飲みほした後、嵐の道を家へと向かって歩いた。

と付け加えてくらさい。

重ね重ねスマソ。
撃つ堕詩嚢
240名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 06:02
「侍」「後頭部」「サラダ」

侍はとりあえず、ファミレスに入った。
しかし侍にはメニューに書いてある料理の殆どが
理解できなかった。とりあえず、カツカレーと野菜サラダ
を注文した。店の客はみんな侍の頭を見ていた。
とりあえず、顔を赤らめた。
本当は刀を抜いて切り捨ててもよかったのだが、やめた。
注文の品が来たので、とりあえず食べ始めた。
初めて食べるカレーはなんともグロテスクであり、辛く、
奇妙な食感であった。後頭部に電気が走るようであった。
「これはまた、すごい料理でござるな」侍はカレーを見ながら
一人ごちた。とりあえず、全部食べてしまった。
とりあえず、寛永通宝で勘定をすませ外に出た。
そして今日もどこかをうろついている。

次は「リモコン」「顔」「大陸」

241名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 10:22
最近、街でやたらと無表情な人とすれ違う。
どうやら、顔の筋肉をコントロールするリモコンがうまく働かないらしい。
もちろん、大陸からの妨害電波によるものだということは誰もが知っているのだが。

遺伝子の組み換え技術と、よりエリートなわが子をという風潮が相乗効果を生み
世の中は、遺伝子操作によって作られた新人類がほとんどになってしまった。

その過程で、「表情はクールな取引をするためには、ジャマなものである」という
考えから、表情に関連する遺伝子ははずされてしまったのだ。
その代わり、必要に応じて表情を変えられるように、顔の筋肉を刺激するリモコンを
携帯するようになったのだが、それが動作してくれないのだからしかたがない。

あちらこちらで、無表情のまま笑っている人。無表情で泣き叫ぶ人。
オレにとっては、不思議な光景が広がっている。

あっ、オレかい?
オレの家は、先祖代々貧乏だったからさ。遺伝子組み換えとは無関係なのさ。
おかげで、ずんぐりむっくりで脚は短いし、顔もぶさいくさ。でも笑うことはできる。
抑揚のない終業ベルが鳴った。

駅へいそぐ帰り道、ガードの下で微笑む少女に出会った。物乞いだ。
オレは、なぜかうれしくなって、ポケットの中にあった小銭を全部わたした。

決めた。オレは、自分の遺伝子を未来へそのまま残すんだ。

#お題は、「左曲がり」「パンツ」「ぼくとつ」でよろしく!
242241:2001/06/01(金) 10:45
むむぅ。改行位置を間違えたがな。
>抑揚のない終業ベルが鳴った。
は、下の段落にくっつければよかったぁ。もしくは、独立させちゃうか。スマソ。
243名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/01(金) 13:17
「左曲がり」「パンツ」「ぼくとつ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「え、ええとつ、次は左曲がりのホールでして……」
「君、それはドッグレッグと言うのだよ」老紳士が再び苦笑する。
「ああっ、すす、すいません!」
俺は内心、頭を抱えていた。鈴木を連れてきたのは失敗じゃないのか?
社内でも随一の朴訥さを誇るこの男を接待に連れて行けと指示したのは部長だ。
俺には拒否権もあったが、むやみにたてつくこともあるまいと
承諾したのだが、ここまで鈴木は失敗しかしていない。
今も鈴木は汗をぬぐっているが、手にしているのはハンカチではなくパンツだ。
俺がさぞ苦々しい顔をしていたのだろう、取引先の社長が話しかけてくる。
カイゼル髭の立派な、老紳士だ。
「君、今日はたいへん有意義な時間を過ごせて、嬉しいよ」
「……はぁ?」俺は心底意外だったので、そんな返事しかできなかった。
「昔は、私も彼のように真面目に、一生懸命に物事に取り組んでおった。
いつからかな、枯れてしもうたのは……」
老紳士の言葉からは、みずみずしい想いが、ほとばしっていた。
鈴木は、お決まりのように「ファー」と叫んでいた。


お次は〜「外野」「安泰」「さもしい」で願います。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 18:48
「さもしいっ、さもしいっ、あさましいっ!」
別にじたんだ踏むのに節をつけなくても、とボクは思った。
「夢を投げ捨てて、サラリーマンになって、将来安泰でそれで満足なの!」
いきり立つ彼女をボクはソファーの上でだらんと逆さに安楽になっていた。
「もう、いいんだ、もともと小説の才能なんて無いんだから」
「毎日人にくたくたに成るまで働かされて、上役にぺこぺこして、才能を腐らせていく、それがあんたの望みだったのっ!!」
「うるせえっ!!外野はだまってろ」
ボクはソファーから立ち上がった。
「フリーターのバカ女になにがわかるって言うんだよ、だまりやがれくそアマ」
もうこうなったら仕方がない、最後の手段だ。
ボクは彼女をだきしめ、唇を奪い、白いセーターの後ろから手を入れブラのホックを外した。
「やめてよ、さもしいと思わないのっ!さもしいっ!さもしい!」
ボクは彼女の手を封じ、床に貼り付けた。
「発音まちがってるぞ、ばか」
彼女はイヤイヤをするように首を振り、涙で目をいっぱいにしながらボクを見て言った。
「さみしい」

つぎは「火炎」「牛乳」「引き潮」で。
245名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 18:49
さげてしまった。ので。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 18:56
いけねえ。
×いきり立つ彼女をボクはソファーの上でだらんと逆さに安楽になっていた。
○いきり立つ彼女をボクはソファーの上でだらんと逆さに安楽になって見ていた。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 21:37
遠くでサイレンの音がする。
昼飯の時間だ。
俺は埋立地で毎日毎日ゴミをならしている。
臭いんじゃないかって?鼻もすっかり馬鹿になってしまって、匂いも気にならないさ。
昼飯のパンを牛乳で飲み込んで、終わりだ。

波の音が遠い、ああ、引き潮なんだ。
ぼんやりと俺はゴミの中から掘り出した椅子に座っていた。
小さい頃は、こんな仕事につくことなんか思ってなかった。
学生時代、こんな仕事は馬鹿にしていた。
だけど結局俺は、この仕事をしてるんだ。

心の中で、ちりちりと火が燃える。
カラスの声がやけに大きく聞こえる。
ああ、うるさい、うるさくてかなわない。
カラスを追い払わなければ。
ゴミが喰われてしまう。
俺が喰われてしまう。


カラスはいなくなる。
俺もいなくなる。
火炎の中で俺は笑う。#なんかものごっつい暗くてすいません

#次は、「電話」「化粧品」「おじいさん」 でどうでしょ?


248名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 22:22
探偵はゆっくりゆっくりしゃべり始めた。
「受話器に塗られていた水、これはミーベという化粧品だと解りました。
この乳液は瓶から出した当初はねっとりと粘度が高いンですが、大気中の酸素と反応し三時間後にはサラサラになってしまうンですね。
それでも、水とは違うので…… 蒸発はしにくいンですよ。
犯人は前もって受話器にミーベを塗っておき、おじいさんが廊下を通ったときをねらって、電話を鳴らしたのです。これはこの屋敷の交換機に記録が残っていました。
おじいさんは受話器をとり、手を滑らし、そのままバランスを崩し、中二階から落下しました。」
「ばかばかしい、ナンセンスだわ」
「そう、受話器を取り落としたりしただけでは、確実に落下する保証はない。
ですが、ここからが犯人の恐るべきトリックなのです。まさに悪魔と言っていい」
「八反丸先生!それはいったい!!」

《CM》

「次のお題は、「疾風」「欄干」「寒椿」です」
249名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 22:24

こんなものも作ったが、出す勇気がなかった。

「電話」「化粧品」「おじいさん」

彼は感電話法の使い手だ。
彼は力強い小話で数々の敵を倒してきた。
名を厚化粧品川と言う。
敵はおじい
さんそを吐き出す怪人。
「いくぞ!おじい!!勝負だ」ビリビリ。
「おおー、今日こそ決着をつけるぞい、品川ー!!」ふはーふはー。
250名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 22:58
236=241でした。
今までこの板で、自分の書いたのをいろいろ見て、
なんかムリヤリにオチを作ろうとしてるみたいで。
「なんかムリしてるな。」とチョト自己嫌悪かな。
「毎回こんなんだと、まるで水戸黄門じゃん。」とか思った。
ただいま、研究続行中。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 23:07
オチは難しいが、努力してオチ癖をつけねば。
いついかなる姿勢、体勢からでも無理の無い、落差のあるオチが放てる。
それが俺の理想の文士だ。

余談では有るが、俺の良い三題噺の評価点として。
・オチがある。
・題が起承転結のキーとなっている。
・無駄な動きが無く、力みもない。

三題噺道、遙か遠くにして、道険し、修業あるのみ。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 23:10
>>251
あ、250さんへの突っ込みではない。
すべて、自分への問いかけである。

俺もまだ、未熟。
253名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 23:40
京にまあだ沢山の戦があったころだ。
とある橋で、鬼が出ると噂が立った。
真夜中の欄干にもたれる女がいる。
その女に声をかけると、女なら無事に帰れるが男は食われるというのだ。
腕に覚えのある侍が何人もでかけたが、一人も帰ってこなかった。

そんなある日、とある男が「俺ならば大丈夫だ」と胸をはった。
仲間は青くなったり赤くなったりして止めたが、男は真面目な顔をして行くといいはった。
冬にしては生暖かい夜だった。
男は仲間を橋のたもとからずっと奥の角に待たせて、一人歩いていった。
女が、立っていた。
男が近づいてみると、女は花売りの姿をしていた。

「もし、こんな夜遅くにどうした?」
「花を・・・花を落としてしまって」
「花?」
「そうです、花かごを侍に川に放られてしまって、
 私はどうやって生きていけば良いのかわかりません」
はらはらと涙を流す女に、男は言った。
「お前は生きてはいない、お前はあの時死んだのだ」
男の言葉に、女はぴくりと肩を振るわせた。
「お前の花は、これだろう?」
男は懐から一枝の寒椿を取り出した。
「お前が売った花が落ちたと言いがかりをつけられて、お前は斬られたのだ」

女が顔をあげると同時に、突然の疾風が橋をかけぬけた。
男の手から寒椿をもぎとり、空高く舞い上がった。
げらげらと笑う声だけが、見守る仲間に聞こえた。
その後しばらくして、男は病で死んだそうだ。


#次のおだいは、「桜」「時計」「道」でどうでしょ?

254253:2001/06/01(金) 23:41
すいません、きれちゃちゃいました
#次のおだいは、「桜」「時計」「道」でどうでしょ?
255名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/01(金) 23:46
>>253
おお!カコイイ、寒椿が利いている。
良い掌編だ。
256名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 00:13
>>253
う〜ん、ちょっと理解しにくい感じがするかな?
最初に「男は食われる」なのに、結末は「病で死んだ」だし。
「お前はあの時死んだのだ」という部分は、それじゃぁこれは
鬼ではなく、幽霊なの?この男が斬り捨てた記憶のある
女がばけて出ているの?って感じです。エラソに言ってスマソ。
257255:2001/06/02(土) 00:29
まあ、生つうか即興だから。
作品とはまた別じゃないかな。

寒椿が奇麗だったので俺は良い。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 00:50
>>249
いい! 3つはやりすぎかもしれないけど(w)、こういう
使い方はありですよね。まさにらくごのご。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 01:27
《 みんなこんばんわ、あたし、てんどうじさくら、さくらってよんでね。
はにゃー、おにいちゃんが校門の前であたしをよんでる、いそがなきゃ。》

「CCさくらなんて三回ぐらいしか見たこと無いくせに」
ぎく、パソコンに快調に嘘を並べているボクの後ろから、不機嫌そうな声がした。
「だいたい天道寺さくらってサクラ大戦のさくらじゃなかった?」
ぼくはあせって、インターネットエクスプローラーを立ち上げた。
「う、木之元さくらだったか」
「病的なマニアがいるんだからね、気をつけないと桜祭りだよ。」

《 がっこうの時計がかーんこーんなって、うわあ、ちこくだー。》

「そこの道の曲がり角でだれかとぶつかるのね」ボソリ、ボクのキーを叩く手が止まる。
「いいいいいじゃんかよお」
「まあ、いいわ、後であたしがさくらで入って、『>>  さんはすごいですね』ってフォローいれてあげるわ」
「いつもすまないね」とボクは振り返り、そこに誰も立っていないのに気がついた。

道はどこにでもつながっていると言った人がいた、時計をみながら桜並木を一緒に走った人だった、ずっと一緒にいようねと言ったけど、それはかなわなかった。ボクは背を丸め少し泣いた。居なくなったあの日より、居ないんだと気づいた瞬間の方がずっとずっと悲しいのはなぜなんだろう。
たたき付けるように投稿し、スレッドを上げる。

五秒後、約束通り彼女のサクラレスが付く。

「逝ってよし」とぼくはつぶやいた。と言うかとっとと成仏しやがれ。
悲しいじゃねえか。


「お題はね、『金』『銀』『パール』……」
「プーレゼント」
「うるせえっ!早く逝けっ!」
260名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 01:28
あげわすれー、俺が逝ってきます。

あと、お題は「金」「銀」「パール」です。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 02:11
そんなに高級なお店では、ないけれど。
フォークやスプーンなどは、しっかりとした銀製品を使っている誠実なレストランだった。

食事が終わり、デザートがテーブルに並べられた時に、
彼が小さな箱をわたしに手渡してくれた。
開けてみると、そこには、わたしが欲しがっていたパールのブローチがあった。
「わぁっ、ありがとう」
「誕生日おめでとう!」
そう言ってニッコリと笑った彼の口元で、金歯がキラリと輝いた。

#げげっ、また落ちをつけてしまったぁ。
お題は、「マロングラッセ」「パパイヤ」「じゃんけん」でよろしく!
262名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 02:34
「マロングラッセ」「パパイヤ」「じゃんけん」

あまくておいしいマロングラッセ
ひとつぶだけもらったマロングラッセ
ながめてあるいていうるちに
ないてる ちいちゃなおとこのこ
そのあしもとには つぶれたパパイヤ
きっとそれが そのこのおやつ
「じゃんけんしよう!」
ぼくはいう。
「じゃんけん! ぽん!」
つられててをだすおとこのこ
そのこは ちょき ぼくは ぐー
「ぼくのかちだ!」
ぼくはむねをはり マロングラッセをそのこにわたす
「だから、ぼくのマロングラッセときみのパパイヤと こうかんだよ!」

マロングラッセはなくしたけれど
ぼくにはきょう ともだちができた

#お題は「かもしか」「プール」「甘納豆」でお願いします
263名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 13:26
「腹へったぁ」そう言いながら、靴をぬぎ、有美の部屋にへたりこんだ。
スポーツクラブのプールで、休みもとらずに泳いできた僕は、
すでに、胸のカラータイマーが点滅中だった。
「ねぇ。なんか食わせてよ」
「え〜、困ったなぁ。あっそうだ。田舎から納豆を送って来たんだけど食べる?」
「あっ、オレ納豆食えないんだよ。ゴメン」
「糸引く納豆じゃないよ。浜納豆。実家のある浜松の名産。甘納豆とかの原型にもなったんだよ。
お味噌みたいでおいしいんだぞぉ〜。いらないんだったらあげな〜い」
「えっ、マジ食べてみたいぞ。それ!」
ごはんの上に、味噌みたいな浜納豆をのせて、お茶をかけて食った。
「うまい!お代わり」
有美はケタケタ笑いながら、次の一杯を僕に手渡した。

テレビでは、日本かもしかのドキュメンタリー番組が流れていた。

#お題は、「イエローページ」「ぬいぐるみ」「赤いマフラー」でよろしく!
264263:2001/06/02(土) 13:37
あぁ〜、すんげぇくやしい。
×有美はケタケタ笑いながら、次の一杯を僕に手渡した。
○有美はケタケタ笑いながら、四杯目を僕に手渡した。
にすれば、よかったぁ。ちょっと、狙いがボケてしまったぞ。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 18:24
「イエローページ」「ぬいぐるみ」「赤いマフラー」

くまのぬいぐるみを窓から放りだした。
めぐみの世界でいちばんのおともだちだったのに。
くまはくるくると回りながら川に水しぶきをあげて着水した。
「どおしてぇ、どおしてこんなことするの、ママァッ!」
めぐみは小さい足で床をバンバン叩いて泣きじゃくった。
「あんたが… じゃまなのよ…」
窓からの日光は白いエプロンに反射し、無表情な白い壁のようなママの顔をほのかに照らしている。
「くまさーん、くまさーん」
サイレンのように泣きながら、めぐみはくまさんの行方を目で追った。
ママはしゅるりと赤いマフラーを外すと、泣いているめぐみの後ろから、ふんわりとかけてやり。そのまま締め上げて、持ち上げた。
「マ、ママ、くるし……」
「おまえさえいなければ、おまえさえいなければ、あの人と、あの人は子供が嫌いなの、だから、おまえなんかいらない、おまえなんか最初からいらなかったんだ」
「マ…」
その瞬間、2m近い巨大でびしょびしょに水を吸ったくまのぬいぐるみが下から飛んできて窓を割り破って、部屋に入ってきた。
くまは手近にあったイエローページをひっつかみ、硬直したママを殴り飛ばした。
「もうだいじょうぶだよ、めぐみちゃん」
めぐみはコンコンと咳をすると、立ち上がり、歓声をあげてくまに駆け寄ろうとした。が、止まった。
「うわ、くまさん、どぶ臭い」

つぎはねえ、「ニッケル」「ナックル」「歌ってる」ですよー。
266名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/02(土) 23:51
短い文章での情景描写を勉強しようと思って、志賀直哉随筆集を買って来た。

<峠の雲>
三島へぬける峠の向こうにまばゆいほどの白雲がちょっと頭をだした。ト見る間に顔を出した。
咽を出した。首全体を出した。淡い緑の山に雲の黒い影が動く。湖面には漣(さざなみ)が立つ。

まるで、文字で風景スケッチをしているみたいだ。
こんなにも短くてうなる短文を書けるようになりたいものだと、私は思ふ。
スレ違いなので、sageで。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 01:59
<ニッケルのナックル>
ニッケルへぬけるナックルの向こうにまばゆいほどの白ナックルがちょっとニッケルをだした。ト見る間にナックルをかました。
ニッケルを出した。ニッケル全体を出した。淡いニッケルのナックルにナックルの黒いニッケルが動く。ニッケルの切断面にはナックルが歌っている。

ちょっと単語変えただけでゴミになりますな。
次は「鳥」「朝」「虚構」でどうぞ。
268めんじ:2001/06/03(日) 02:30
満員なのにふたりだけのコーヒーショップ。歌うように話す彼女。
朝だ。虚構を残して夢は消えた。あとに鳥の声。
269めんじ:2001/06/03(日) 02:31
次は「無視」「パターン」「デイタイム」で
270名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 02:34
「鳥」「朝」「虚構」

夏鳥たちは、夜明け前からそれぞれに歌いだした。
アレは彼らの求愛ソングなのだ。
オスがメスをナンパしている声なのだ。
鳥達は、朝からエロまるだしである。
それでも、さまざまなウソと虚構でだましあう人間よりは
はるかに幸せなのかもしれない。

羽根にかぶさった朝露がまだ乾かないトンボは、日があがってくるのをじっと待っていた。

#お題は「マウンテンバイク」「ルーレット」「銀だま鉄砲」でよろしく!
271270:2001/06/03(日) 02:36
ありゃま、遅かったか。
お題は、「無視」「パターン」「デイタイム」でよろしくです。
272名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 02:53
ハードボードのアンケート用紙みたいなのをかかえた女が
気持ち悪い笑顔を作りながら近づいて来た。
「難民募金、お願いします。」
「おっ、来た来た。毎度のパターンだね。ここは、無視無視」と
決心して、素早く通り抜けようとするオレ。
あまりにしつこくつきまとうので、大声で言ってやった。
「デイタイム!」って。

女は、小さな毛虫になった。鳥が飛んできてパクっと食べた。

#みんなで試してね。
お題は、「新聞」「サッカー」「バンザイ」でよろしく!
273名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 03:07
「バンザイ、バンザイ!」
やけに派手な服装をした若者が、しきりに「バンザイ」を繰り返す。
何も無いことは、それだけで幸福を生み出してくれる。
新聞は今や紙くず同然、目を向ける者など一人もいない。情報は淘汰された。
道端に落ちている色褪せた写真。拾い上げなくても内容がわかる。
サッカー選手を夢みていた頃を思い出した。滑稽なだけだ。

今日は珍しく雨が降っている。

次は「破片」「侵蝕」「手品」
274名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 03:21
「破片」「侵蝕」「手品」

道端で直立不動の姿勢を保つ男を、往来する人々は皆無視していた。
三時間が過ぎ、男の被る黒いシルクハットに見入る少年がいた。
「おじさん。手品見せてよ」
男は無言で瞬きもしない。
「これ直してよ」
少年はガラスの破片を突き出した。
男は急に動き出し、風雨に侵蝕された眼孔にガラスの破片を押し込んだ。
「ぼうや、ありがとう」
少年はウインクをして走り去っていった。

次は「竜神」「かき氷」「携帯電話」
275名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 07:28
「そこで竜神様がな……」
いつものようにあゆ婆さんが子供達に昔話を聞かせていた。子供達は
おやつのかき氷が溶けるのも構わず、これまたいつものように熱心に
聞いていた。話の内容はいつも竜神様が悪者を懲らしめるだけのワン
パターンな話だったが、セクハラおやじ、デブヲタ、盗撮教師、ヒッキー、
つんく等々毎回やられ役が変わるので飽きなかった。
と、婆さんの携帯電話から着メロが鳴り出した。
「もしもし?うんうん。えー?うっそー。マジで?分かった。バイバーイ」
婆さんは電話を切ると「続きはまた今度」と言い残し、そそくさと出掛けて
行った。
なんの変哲もない、いつもの光景である。

次は「カウントダウン」「アマチュア」「青空」でよろしく
276名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 08:03
アマチュアチャンピオンからデビューしたボクサーが1人引退した。
プロでは8回戦止まりだったのでこれ以上見込みナシとジムの会長
に引退を宣告されたからだ。
「もうおまえクニ帰れよ」
彼はそれを聞くと一通りの挨拶をした後に自分のアパートにとりあえず
戻った。
「これからどうするか・・・。」
悔しい気持ちはあったのだが彼にも自分の力がプロではイマイチだった
のがわかっていた。しかし5年プロをやっていた彼にはその他の道が
思いつかないでいた。
ふと最後の試合のシーンが想いだされた。
5回を闘ってイーブン、今日はイケルか、と思った6回2分27秒、相手
の何気なく出したカウンターが彼のチンに上手く掠った。彼は脳みそを揺
らされながらリングの青コーナー付近で倒れた。
遠くにカウントダウンの声が聞こえる。
ちきしょう・・。薄れゆく意識の中でやっとそう呟いた。

彼がはっと窓を見上げる。
青空だ。
彼の心とあまりにうらはらな晴天に、思わず自嘲った。

次「アイドル」「ソシュール」「なめ猫」なんかどうすか? 
277名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 12:01
ソシュールってなに?
なめ猫ってなに?
278名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 12:22
「お前は、悪魔だな!」
僕がさけんだとたん、アイドルは、ムクムクと巨大化し、恐ろしい顔で僕を見おろした。
僕は、ひるまずに、相手をせめた。
「ソシュール・ビーム!」
「なめ猫キ〜ック!」

見たことも、聞いたこともないような必殺技がなぜか僕の口からポンポンと出てくる。
悪魔は「ハァ?」と言う顔でせせら笑っていた。

#たのむから、固有名詞はやめようよぉ。有名なソシュールは、3人いて
言語学者、博物学者、植物学者ってそれぞれ分野が違う。
だから、ストーリーの中にソシュールという言葉を持って来ても、見ている
人が想像する人物像は、全然違うと思うしさ。そもそもわたしなんか
全然イメージもわかないし。
「なめ猫」も、ぜんぜんイメージ沸かなかった。「バター犬」じゃないんだよな。
って、インターネットで調べてみたら、昔のカレンダーとかで写真になっていた
ツッパリ系の衣装を着せられている「なめんなよ猫」がもとものなんだね。
でも、なめ猫のホームページを持っている人達は、それぞれにてんでバラバラな
解釈をしている。そうなると、やっぱりなめ猫をストーリーに入れたら
見ている人はまたイメージがごちゃごちゃになってしまうんじゃないかな?
まぁ、これは、わたしだけが勉強不足ってことなのかもしれないけどね。

って、ことでお題は「なだれ」「たつまき」「かぼちゃ」でよろしく!
279名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 12:36
「わあ〜たつまきだあ〜」
彼はかぼちゃを頬張りながら叫んだ
そしてなだれが起きた
みんな死んだ

次は「重力」「ウルフルズ」「司令官」でどうぞ
280名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 12:48
書き進めている論文を
「つまり、ソシュールはこう言いたかったのだ。」
というところまで書き進めた時、机の後ろでドーンという音とともに
三人の老人が現れた。
「おぉっと、そのソシュールをオレのことか?」胸に「言語学者」の
名札をつけた老人が言った。
「いやいや、わしのことじゃな?」名札には「博物学者」と書いてある。
「なにを言っておる。自分に決まっておろう」胸の「植物学者」の
名札を突き出しながら声をはりあげる。

僕はすまなさそうに彼らに言った。「いぇ、うちに住んでいるアイドル猫の名前なんです。」

口のまわりを念入りになめなめ、猫が「にゃ〜」と鳴いた。

#つまりわからない。不特定のイメージになる。ということを
逆手にとる方法もあるかな?
281名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:03
「うわぁ〜」
叫ぶ間もなく、ウルフルズは巨大な重力に飲み込まれた。
「うわぁ〜」
叫ぶ間もなく、重力は司令官に飲み込まれた。
「うわぁ〜」
叫ぶ間もなく、司令官はうんこにまみれた重力を排泄した。
「うわぁ〜」
叫ぶ間もなく、重力はうんこにまみれたウルフルズを排泄した。

#だんだん脱力してきた。まじに反応すると、自分がバカに見える今日このごろ。
「言葉の意味」なんてどうでもいいんだね。「自分がトレーニングする場」だなんて
肩肘はってがんばるのはアホくさいことなのさ。言葉は単なる文字と同列になっちまったのさ。
もう、どうでもいいや。
お題は「トトカルチョ」「ホッテントット」「アルバトロス」で
282名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:04
なめ猫なんて知っているのは30代後半と思われ
283名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/03(日) 13:20
>>281さん、鈴木啓示より。「投げたらアカン!」
>>282さん、20代後半だけど知ってますよ。(w
「重力」「ウルフルズ」「司令官」
−−−−−−−−−−−−−−−
「ウルフ。ルーズソックスはやめなさい」
「……しかし、司令官どのッ!」
「言い訳はよい。貴様はただ命令に従っておればよいのだ」
ウルフは、下唇をかみしめながら、無言で指令室を後にした。
これは、俺の妹の形見なんだ。妹を殺したお前に、そんなことを言われる筋合いはない。
ウルフの司令官への怒りは、もう限界すれすれにまで高まっていた。
突如、不快な警報サイレンが艦内に鳴り響く。
「敵襲! 総員配置につけ!」司令官の声ががなり立てる。
ウルフは、操舵室に向かった。
「取り舵いっぱい!……おいウルフ! なにをやっている、お前の持ち場は……」
レーザーガンが高音を発すると、操舵室は静かになった。
「……俺たちは、銀河を離れるべきじゃなかったのさ」
ウルフは、重力制御装置を破壊した。
地球の希望が消えた。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:23
そういや最盛期は小学生もグッズ持ってたような…… オレ30代後半
285名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:25
『不毛な議論』

アルバトロス「1度休憩を取りませんか?」
ホッテントット「じゃあここで休憩を取るか取らないか、
        みんなでトトカルチョしましょう」

次は「ノータリン」「言葉」「エゴイスト」
286名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:26
>>281
しばらくこのスレを見ていたけど、いろんな人がいるから仕方ないんじゃないの?
プロの人もいるみたいだし、プロを目指してがんばってる人もいるだろうし。
でも、そうじゃない人もたくさんいるから、方向性もごちゃごちゃだし。
中には、巧妙な「荒らし」を目的にした人もいるかもしれない。
誰もが他人に見せる文章を前提にして書いているんじゃないんだもの。
気が抜けたのだったら、無理して書き込まない方がいいんじゃないの?
287名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:28
>>286
題材がふざけ過ぎているのでは?
288名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:29
ルーズソックスのウルフに萌え。
投げたらあかんは同感。

アホな三題はすぐ記憶から消えるが、すごい奴はいつまでも残ってる
たとえばあめ玉に蜂とか追憶の中の恐竜とか
難しい組み合わせ、簡単な組み合わせがあるのだから、
固有名詞も難しい内だと思って、がんばろうや。
(でも固有名詞は避けてほしいのは同感)
289「ノータリン」「言葉」「エゴイスト」:2001/06/03(日) 13:36

言葉はエゴイストだ。ノータリンの心配なんかしちゃくれない。

次は「もりあがる」「へこむ」「ぺっちゃんこ」で
290名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:37
「そうだよ。確かにノータリンもいる」
286に俺は同調した。
「エゴイストにはなるなということだ」
神が286を代弁する。
「そうか。しょせん言葉は道具に過ぎないってことね」
俺は少々ヤケになる。
そして、捨て台詞を残して去っていく。
「お題は、理想、文学、運命だ!」
291名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:39
かぶった。スマソ

次は「もりあがる」「へこむ」「ぺっちゃんこ」で
292名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:39
>>289
上手いな
293「もりあがる」「へこむ」「ぺっちゃんこ」:2001/06/03(日) 13:44
川の土手までやってきた。
目の前を船が通過する。
うねりは、わたしの目の前までやってきて、
もりあがったりへこんだり。
遠くには、まだぺっちゃんこの川面がキラキラ騒いでる。

次は「とんかち」「栓抜き」「プリン」で
294名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 13:46
>>289
「もりあがる」「へこむ」「ぺっちゃんこ」難しいって(汗)
295名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:04
男「君のその右手に持っている…ものは……なんていうんだい?
女「とんかちよ」
男「そうか…じゃあ、左手に持っている…」
女「これは栓抜きよ」
男「!!こいつあ驚いた!!君はまさかとんかちと栓抜きでプリンを食べようって言うのかい?
  オマエは!傑作だ!そういうのを『無駄な努力』と言うのだよ!!」

次は「39度の平熱」「嘘の記憶」「片方から見た悪魔」
296「とんかち」「栓抜き」「プリン」:2001/06/03(日) 14:05

「あいつ、プリンの角に頭ぶつけて死んじゃったらしいよ。バカだよなぁ。」
オレは祐造に同意を求めた。
「俺は、そんなことよりビール飲みてぇんだよ。栓抜きは、ねぇのかよ。」
祐造は頭に半分めりこんだとんかちの柄をオレにぶつけながら、そう言った。

#けっきょく、極端に短い文章で作ろうとすると、なにもかもが唐突な
理不尽系になって行ってしまうのかもね。誰をも納得させるような説明もいらないし。
次は「シロアリ」「いたち」「健康食品」で
297296:2001/06/03(日) 14:08
ああ、スマソ
お題は、「39度の平熱」「嘘の記憶」「片方から見た悪魔」で
298名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:08
295か296かどっちよ?
299名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:14
>>296
同意。「文章」と「日本語パズル」とは違う。
300「39度の平熱」「嘘の記憶」「片方から見た悪魔」:2001/06/03(日) 14:17

4日ぶりに目が覚めた。
39度の平熱だと思っていたのは、どうやら嘘の記憶だったようだ。
閉めきったままの窓からほとんど暗くなっている外を見た。
ガラスには、片方から見た悪魔がニヤついている。

次は「ムームー」「むんむん」「むむっ」で
301名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:19
>>300
まさかあれを4行でクリアされるとは思わなかった
302名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:20
あー、少し長めの書いちゃった。かぶるけど許して。

一平は町の大工。とんかち片手に御贔屓先を回る毎日だ。
「ちわーす」
「あら、一平さん。ちょうど良かったわ」
未亡人の美津子がエプロンで手を拭きながら勝手口に向かう。
「納屋の雨漏り直してくださるかしら」
「へい」
一平は裏庭に回ると梯子をかけて納屋の屋根に登った。
小一時間経った頃、美津子が縁側から顔を出した。
「一平さん、プリンでもいかが」
「ふりんですか?」
一平が怪訝そうに美津子を見下ろす。
「やーね。プリンですよ。サイダーもありますよ」
「ありがとやんす」
美津子が栓抜きでサイダーを開けた瞬間、泡が飛び出し一平に降りかかる。
「あ、どうしましょ」
美津子は慌てて一平のズボンに布巾を押し付けた。
「あっ、奥様……」
美津子の目は妖しく光り、頬は仄かに赤らんでいた。

お題は、「39度の平熱」「嘘の記憶」「片方から見た悪魔」で>>297
303302:2001/06/03(日) 14:22
スマソ

次は「ムームー」「むんむん」「むむっ」で
304名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:23
ムームー星人「むんむん、むむっ」

#こういうお題ってさ、ルール違反じゃねえの?

次は「ホタル」「楓」「ロビンソン」
305名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:25
「ロビンソン」もルール違反じゃないの?
306名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:26
>>299
そう思う。短い文章でありながら現実から遊離していないものを
書きたいし、読んでみたい。
「なるほど!」と手を打ってしまうほどの新鮮な刺激を求めてみたい。
307名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:29
302もルール違反だな。スマソ
308名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:34
出来損ないのホタルはボクにこうつぶやいた
「ロビンソォォォンと楓」
ぼくには意味がわからなかった

次は「時間差トリック」「青い声」「3000マイル」
309300:2001/06/03(日) 14:39
>>304-305
いいの、いいの。「こりゃ、まいったなぁ」というお題は、
理不尽系か、お題連結系にすればいいのだから。現にみんなそうしているんだし。
「創作」っていうのとは違うと思うけどね。

ちなみに、「ムームー」「むんむん」「むむっ」は、

オレは、飛行機のタラップを降りた。
ムームーを来た美女達の歓迎と熱い太陽が、むんむんとむせ返っていた。

とその時、サングラスをした男が、スーツの中に手を入れ
何かを握り締めつつ足早に近づいて来た。
「やつだ!」
オレは、とっさにアタッシュケースを投げつけて、走りだす。
「ターン、ターン」乾いた音の直後に、鉛弾は、オレの耳をかすめて行った。

って、感じなのを期待してたっすぅ。
へへっ、むずかしかったっすかぁ?ゴメソ
310名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:41
>>309
むむっが入ってないよん
311300:2001/06/03(日) 14:42
げげっ、はずかしい〜!
×「やつだ!」
○「むむっ、やつだ!」
でした。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 14:54
>>308
ごめん、「青い声」じゃなくて「青い鳥」だった。
・・・どっちでもいいや
313300:2001/06/03(日) 15:04
チョトダケ修正、ゴメソ

4日ぶりに目が覚めた。
39度の平熱だと思っていたのは、どうやら嘘の記憶だったようだ。
閉めきったままの窓から、ほとんど暗くなっている外をチラリと横目で見た。
ガラスには、片方から見た悪魔がニヤつきながらこちらを見ているのが映ってた。

>>301
お題がすごく難しかったよね。でもそれぞれの言葉が長いから逆にイメージは
すぐ固まりやすかったと思うですよ。わたしは。
お題を出した人の想定するイメージもあるだろうから。
出題者自身もそのテーマでストーリーをカキコすると、ちょっと面白いかも。
って考えたよ。どうかな?
314名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 15:17
>>306
創作って言うのは、必ずしも現実だけを書くものではないのだから
そこにこだわる必要はないと思うけどな。
「なるほど」という作品は、わたしも見てみたいですが…
315名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 15:30

「時間差トリック」「青い声」「3000マイル」

「青い声」と呼ばれたネイティブアメリカンがいた。
彼の武器はその二つ名のとおり「声」だ。口に両手を当てて一声あげれば
物理的振動として駅馬車も騎兵隊も吹っ飛んでいく。その運動エネルギーが近づく時、大気が青く変わる事から青い声と呼ばれる。
余談だが、これはどうやらドップラー効果だったらしい、ネイティブアメリカン側の文書では「赤い声」と記されたものが見受けられる。
彼には敵が居る。「3000マイル」と呼ばれるこの騎兵隊の英雄は、文字通り特注のウインチェスターライフルで3000マイル先の敵を狙撃し倒したと言う。まあ、針小棒大な開拓時代の話だから割り引いて聞かねばならないが、相当な腕前のガンマンであったのは確からしい。
二人はデスバレーで対峙した。距離は約半マイル(約800m)二人とも相手の実力と恐ろしさはよく知っている、腕の立つ戦士たちに、よくあるように二人とも相手を尊敬していた。青い声は岩の後ろに隠れ、3000マイルは馬上、特注のウインチェスターを構えて微動だにしない。
コンドルが3000マイルの上に濃い影を落とした瞬間、青い声は岩から出て声を放った。
それと同時に3000マイルのウインチェスターが火を放つ。
音による大気の青い固まりが鉛玉と交差した。
銃弾と声では速度がちがう、銃弾は狙い違わず青い声の額をえぐった。3000マイルは愛馬に拍車を入れ、「声」ををひらりと避けた。
3000マイルはくるりと馬首を巡らせた、その瞬間に2発目の声が3000マイルの体を包み、吹き飛ばした。
死ぬ間際の絶叫を「声」に変えた、青い声の最後の時間差トリックだった。

二人の墓は今でもデスバレーで半マイルの距離を置いて並んでいる。

#ウエスタン初めて書いたー。
つぎのお題は「蜃気楼」「カワウソ」「日本海溝」で、どぞ。
316名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 15:35
>>315
すごいな。あの難題をよく消化したね
317名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 15:42
>>315
こういうの読むとショートショートって面白いな、って思うなあ。拍手。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 15:44
青い声をインディアンの名前と思いついたら、あとは早かったよ。

なんでこんなイメージが俺の中にあんだ、てのを引っ張り出してくれるから
三題噺は楽しい。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 15:53
絶体絶命だった。あと一点取られたら、わたしたちは負けてしまうのだ。
連続して三点とらなければ、わたしたちは負けてしまうのだ。
故国から3000マイル離れたこの国で。

「スージー、がんばってぇ!」
突然聞こえた。はっきり聞こえた。
「あの娘だ。」心臓病で入院しているあの娘だ。わたしと文通している
あの娘の声だ。でもいるはずはない。だって、たった今手術を受けているはずなのだから。
命をかけて戦っているはずなのだから。

わたしだって負けるわけにはいかない。
相手のサーブが打ち込まれる、レシーブされたボールが浮き上がる。
セッターがこちらにトスをあげる時に、ウィンクした。
わたしは、一瞬、ジャンプを遅らせた。ブロックが宙を泳ぐ、
わたしの打ったミサイルは、彼らを越えて相手のコートに突き刺さった。
わたしは、片手をあげながら着地し、雄たけびをあげた。

聞こえただろうか。わたしの声は。
わたし「達」は、絶対に負けないのだ。と。

#お題は上のでよろしくです。
320319:2001/06/03(日) 15:59
修正です。

×わたしは、一瞬、ジャンプを遅らせた。
○わたしは、一瞬、ジャンプを遅らせた。「ひとり時間差トリック」だ。

#抜けててスマソ。ウェスタンストーリー、初めて見た。カコイイね。
321名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 16:02
日本海溝にはカワウソが住んでます。
あ、後、蜃気楼もたまに起こります。

次は「ノータッチ」「岩人間」「逝ってよし」で、どぞ
322319:2001/06/03(日) 16:04
ぐぐぅー、まだ抜けてた。校正しているうちに肝心なところを削って
しまったのねぇ。わたし。

なので全文行きます。スマソ

絶体絶命だった。あと一点取られたら、わたしたちは負けてしまうのだ。
連続して三点とらなければ、わたしたちは負けてしまうのだ。
故国から3000マイル離れたこの国で。

「スージー、がんばってぇ!」
青い声が、突然聞こえた。はっきり聞こえた。
「あの娘だ。」心臓病で入院しているあの娘だ。わたしと文通している
あの小さな娘の声だ。でもいるはずはない。だって、たった今手術を受けているはずなのだから。
命をかけて戦っているはずなのだから。

わたしだって負けるわけにはいかない。
相手のサーブが打ち込まれる、レシーブされたボールが浮き上がる。
セッターがこちらにトスをあげる時に、ウィンクした。
わたしは、一瞬、ジャンプを遅らせた。「ひとり時間差トリック」だ。
ブロックが宙を泳ぐ、
わたしの打ったミサイルは、彼らを越えて相手のコートに突き刺さった。
わたしは、片手をあげながら着地し、雄たけびをあげた。

聞こえただろうか。わたしの声は。
わたし「達」は、絶対に負けないのだ。と。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 16:10
「さぁ、最強タッグの決戦だぁ。」
「次は、岩人間、岩人間にタッチか。」
「いや、レフェリー認めない。タッチを認めない。ノータッチだ。」
「怒った、岩人間怒った。レフェリーを岩石落としでノックアウト」
「これは、逝ってよしだぁ。」

#つまんない。個人的には、「逝ってよし」みたいな2ch用語は、
限られた対象にしか通じないから、なんかつまんない。
お題は、「預金通帳」「皮ベルト」「カフェオレ」で
324名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 16:24
預金通帳にはもはやカフェオレを買う金も残されていない。
まただ。いつもこうだ。俺は「後1歩」というところでチャンスを逃す。
1歩…そう、たった1歩なんだ。その違いで……たったそれだけの違いで………
奴は上に行った。俺は行けなかった。たった1歩の差で………

考えてもどうにもならない。俺は皮ベルトをきつく締めなおし、寂しく帰路についた。

325名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 16:26
>>324
おっと、忘れてた。
次のお題は「影」「ノスタルジー」「旧字体」でどうぞ
326名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 16:52
僕は学校帰りに、電柱に張り紙がしてあるのを見つけた。
どうやら、映画の広告らしいが、字が難しくて全然読めない。
国語の授業は苦手だけど、漢字はなんでも読めるを自負する僕にとって
「読めない」というのは、くやしさをつのらせ、ノートにその字を書き込んだ。

街の西側には、大きな精錬所があって、さらにその後ろには、大きな岩山がそびえてる。
精錬所をすっぽりと包み込んだ岩山の影は、僕をも飲み込もうとその舌をのばしていた。
僕は、つかまらないようにおおいそぎで、家にかけこんだ。
ノートと辞書をつきあわせてみるが、ちっとも見つからない。
父親の辞書を引っ張り出し、調べると「郷愁(きょうしゅう)」と
読むらしい。どうやら今では使われていない「旧字体」らしい。
「フランス語では、「ノスタルジー」と書いてある。

「ふ〜ん」

その頃の僕は、そういう「言葉」がある。ということしかわからなかった。

街灯がともり、とうふ屋のまのぬけたラッパの音(ね)がどこかで響いていた。

#お題は「つくだに」「橋」「ざりがに」でよろしく!
327326:2001/06/03(日) 16:56
×「読めない」というのは、くやしさをつのらせ、ノートにその字を書き込んだ。
○「読めない」というのは、やはりくやしかった。かばんからノートを取り出して、間違いのないように書き込んだ。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 17:00
>>326
>街灯がともり、とうふ屋のまのぬけたラッパの音(ね)がどこかで響いていた。

これ好き。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 17:13
 渓谷にかかるその橋は、近隣の行楽地への良い近道として、週末になると、かなりの交通量があった。
 初夏の頃になると、沢から大量のザリガニがあふれ出し、産卵地へ向かうのだろうか、その橋の上を群なして、
行進していく。
 そのため、初夏の頃、週はじめには、橋の上には挽きつぶされた無数のザリガニを見ることになる。
 火曜にもなると、腐敗して黒く変色し、ツクダニそっくりになった。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 17:16
紅茶、時計、河童、でよろしくお願いします。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 17:43
店員「いらっしゃいませ」
言った瞬間、目を疑った。そこに立っていたのは紛れも無く、
河童≠サのものだったのだ。
河童「え〜と、紅茶一つ。あ、砂糖多めに」
奴はなんの不自然さも無く行動を終えた。
………ただ1つ、奴は時計の存在を知らないらしい。こっちにとっては好都合だ。
まだ俺に運は残っている!!

…ダメだな
次は「なるほど」「鋼鉄」「説明しよう」
332276:2001/06/03(日) 18:26
「説明しよう、この鋼鉄ジーグにもう一つあるものを装備すると大変なことが起きる。」
永井豪が自分の描いたそのロボットの絵をペンで指しながら編集者にいった。
「なんですか、それは!?」
身を乗り出した編集者は次の言葉を待った。
「それはね」
「なんですか、もったいぶらないで教えてくださいよ。」
「・・・男性器なんだ」
「なんでそんなものつけると大変なんですか?一応子供ものなんですよ」
「わたしが‘鋼鉄へんちんポコイダー’にしちゃうからなんだ!へんち〜ん!」
「・・・なるほど、先生ってバカだったんですね。」

すいません。あんなことになるとは・・・。これからは固有名詞は止めときます。
「PC」「ドライブスルー」「きのこ」っちゅーことで。
でも意外な組み合わせのほうが面白いとおもうんだけどなあ・・・。ダメか。
333名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 18:50
>>332
いや、意外な組み合わせは面白いんじゃないのかな?
ただ、特定の人しかわからないネタで盛り上がるのは、イヤだなって感じです。
たとえば、特定のアニメが好きな人とかは、やたらと話しの中にそのネタを
入れますが、ほとんどの人にとってそれは、わからない話だと思うのですが、いかがでしょうか?
334276:2001/06/03(日) 19:30
まあ常識範囲だと思ったんですが・・・。私だけでした。
335名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 19:36
>>333

おれは特定アニメネタが全部解る自分がイヤだ。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 19:43
客観性。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 19:55
PCとキノコもってドライブスルーに行きたい
338276:2001/06/03(日) 20:01
簡単だった・・・。お題希望。
339276:2001/06/03(日) 20:01
簡単だった・・・。お題希望。
340276:2001/06/03(日) 20:02
二重すんません。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 20:04
お題「丸文字」
  「ふかわりょう」
  「清純派」
342名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/03(日) 20:48
「丸文字」「ふかわりょう」「清純派」

「まず、サメとフカは両方とも同じものを指しているのですよ」
と、清純派の女優もかくやというわざとらしい口調で、母が私に諭す。
「もう! そんな細かいことはどうでもいいの! 文章のデキを見てよ」
「……このような丸文字で書いた小説など、どこへ出しても読んでもらえません」
母はため息をついて、それ以上目を通すことなく原稿用紙を私に突き返した。
なによ、ちょっと自分が売れっ子作家だからっていい気になって!
「ふん! わかったわよ、もういいわ!」
捨て台詞をのこして二階の自室へ戻ろうとした私の腕を、母が握る。
「……何よ!」
「文字には、あなた自身が顕れているのですよ。あなたは日本語を、言葉を大事にしていない。そんな態度ではいつまでたっても小説などものせません」
私は何か言い返してやろうと口を開いたけど、何も言えなかった。
母が、泣いていたからだ。


さっきからあえて固有名詞を出している厨房さん、そろそろおねむの時間ですよ。
次は〜「さじ」「渓谷」「葵」でよろしく。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 20:52
>>342

うまいっ!! ふかわりょう。
344名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:18
渓谷に飛び込もうとして、やめた。この美しい景観を汚すこともない。
医者もさじを投げた。私はあと半年の命だと。
死ぬと分かっていながら、この白い檻の中で無駄な時を過ごさねばならないのか。
母は泣いていたが、それは私のためではない。私を失う自分のためだ。
父は泣かなかった。ただ、今はもう私を私と分かってはくれない。
外へ出ると、一面の花畑。太陽の光など、何年振りだろう。
私は花畑に倒れこんだ。草と土の匂いを思い切り吸い込む。
さようなら。
真っ青な空の下で、向日葵が揺れている。

次は「猫」「笛」「苗」
345名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:37
>>344
「向日葵」ってなんて読むんだっけ。「ひまわり」だったかなぁ。
と辞書で調べたら、その通りだった。
そこら辺をしっかりと、自分の頭の中に知識として持っていないと
こういうものは、出て来ないんだろうね。わたしも勉強するっす!

>>342
「ふかわりょう」の処理にはぶっとんだ。
うますぎて「えっ、どこにふかわりょうが入っているんだ。」って感じでした。
なるほど、こうやって変形すれば、自由度が高められますね。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:42
いや、自由度というよりも反則……というかお遊びだろうさ。
固有名詞を簡単に書いてしまうことへの皮肉もあるかもしれない。
固有名詞はあってもいいけど、時々、思いつかないときだけ、くらいがイイだろうなあ。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 21:47
ふかわりょうとか向日葵とか見ると、
国語力があっていいなあと、思ってしまう。
348名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 22:39

「猫」「笛」「苗」

猫笛草の苗を買ってきた。
猫笛草にはひょうたん型の小さな実がなり、その実を乾かしたあと、口にくわえて吹くと猫が来るという。
私は大の猫好きだ、身の回りのものはみんな猫グッヅで揃えているぐらい。
だが、猫は私が嫌いだ、近づくと逃げる、撫でようとすると噛みつく、未だ私はあのフアフアの毛皮の感触を楽しんだことがない。にゃあと言われて足に体をすりつけてもらったこともない。
だが、この猫笛草さえあれば、ねこさんの体の隅々までを蹂躙…… ごほん。
とりあえず、私は猫笛草を育て始めた。

三ヶ月がたち、猫笛草はたわわに実った、一つ一つ丁寧につみ取り、鍋に入れて三時間煮、中身を丁寧に取り出して、陰干しを二週間した。
ついにできた! 私は意気揚々と猫笛を持ち、近所の空き地に自転車を走らせた。
空き地の真ん中にすっくと立ち、猫笛を吹く。
ぷひょろろりろろろろ。
腰の抜ける音色で、猫笛は猫を呼ぶ。
きたきたきたきた猫が来た。わーいわーい、わたしによって……
猫がくる、猫がくる、猫がくる、土管の影から、板塀を乗り越えて、屋根からジャンプして、猫がくる、猫がくる、猫がくる、猫がくる、猫がくる。
猫の大群がやってきて。私は猫にもみくちゃにされた。

私は今、病院で全治二週間の入院をしている。
あのときの猫笛は壊れてしまったが、家にはまだ五つの猫笛が。
私は今悩んでいる。


#はいはい、私の正体が分かった人はマンガオタですよ、秘密秘密。
次のお題は「みそ汁」「あじの開き」「リンゴの花」
349名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/03(日) 22:42
えー、ふかわりょうです。(w
まさに346さんのご指摘どおりの意図でした。皮肉。
なんとしてもまともなかたちでは使わねーぞ、っていう。(w

でも、ふかわは文字列を眺めていればできるパズルだけど、
あおい→ひまわりは真の国語力が必要だから、
344さんこそがほんとにすごい。
僕は「葵の御紋」とかで使えるなと思って出したんで、
目からウロコが落ちました。脱帽です。

それでは続きをお楽しみ下さい。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 22:54
>>348
あず…………の、さ…………ですか。やっちゃいそー(w
351名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 22:57
今日の朝ご飯は、シメジのみそ汁と、アジの開きだった。
もぐもぐと食べる。
ふと見ると、庭の木が見事な花を咲かせていた。
何の木だったろうと考えてみる。りんご? そうだ。確かりんごだった気がする。
するとあれは、りんごの花という事になるらしい。
ミソ汁をずるずるすすりながら、ふと気づく。
このミソ汁、昨日の晩飯の残りだ。

はい、何か意味不明でした。無理矢理でした。
次は「青」「藍」「蒼」で。行け行けゴォ。
352名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/03(日) 23:01
>>348
マンガのことよくわからないけど、いいな。コレ。
楽しいよ。わたしも猫苗草欲しいぞ。
353名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/04(月) 00:24
薄ら青い空を眺めて少女はため息をついた。
今日も学校へ行かなくちゃいけない。クラスメイトたちは今日も私と話してくれないだろう。

「はなだいろの着物」女教師の声が響く。クラス中が嘆息する中で、少女だけが毅然と前を向いている。
「縹色」女教師に指名された少女はすらすらと黒板に書く。
「そうですね。藍で染めた薄めの色です。よくわかったわねえ」
少女は別段嬉しそうな様子も見せずにすとんと椅子に座った。
と、その顔は蒼白になった。彼女のオレンジ色の毛羽立ったスカートの下で、何か固いものがぐちゃりと潰れた感触がしたのだ。おそるおそる、腰を上げてみると、椅子の上にはひしゃげた甲虫が死んでいた。
周囲のクラスメイトはそ知らぬ顔で国語教科書に向かい、少女はひとり、頬を赤く上気させて甲虫を払い落とさねばならなかった。

なんで、あたしが、こんな目に。涙を浮かべる少女を振り返る者は誰もいなかった。
354名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/04(月) 00:26
あ、書き忘れた。
次は、「満月」「アイス」「新聞」で。
355名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:30
縹色とは藍の薄い奴なのか、勉強になる。
というよりも、なんだか博識な人がすげえ。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:34
「蒼天既に死す、黄夫まさに立つべし!」
買い物の帰りに公園を通ると、息子が隣のみどりちゃんと三国志ごっこを
していた。なにも女の子に黄巾賊をやらせんでもいいだろうに……と思い
つつふと横を見ると、みどりちゃんのお母さんが青ざめ気味の顔をしきり
に藍染のハンカチで拭っていた。
「おほほほ、お宅の息子さんは博学でいらっしゃいますわね」
上品ぶっていけすかない人だと常々思っていたが、さすがにこんな場面
で出会ってしまってはバツが悪い。力なく「はは、は……」と笑うのが精一
杯だった。
もっと遊びたいのにと文句を言う息子に「桃を食わしてやるから」と言い聞
かせて逃げるように家に帰ると、下の息子がテレビで戦隊モノ特撮番組を
見ていた。
「懐かしいなぁ、俺ん時はゴレンジャーだったかな……?」
それにしても今日はとんだ赤っ恥をかいたもんだ。

う。一歩遅かったか。
次は「満月」「アイス」「新聞」ね…
357名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/04(月) 00:34
353です。
「縹色」、たまたま高校の時にやった古文で出てきたんですよ。
なんか無理やりひねり出したという感じ。
358名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/04(月) 00:46
深夜に郷里の友人のホームページを見ていた。
昔から何を考えているのかよくわからないやつだったが、久々に更新されているページを見てたまげてしまった。
「アイスクリーム特集」だって?おい、確かやつは糖尿病になりかかっていると診断されていたはず。
私は苦笑して特集を読んだ。そしてまた驚いた。よくできている。

玄関の方で朝刊の投函される音がした。もう朝の2時だ。
7時には起きて子どもたちに朝食を作ってやり、小学校に送り出さなければいけない、寝よう、そう思い、寝室へ向かった。
途中、廊下の脇の窓から明るい満月の光が差してきて、私は濃紺の空に身を乗り出した。

おおい、妻よ、おまえが帰ってきてくれたらなあ・・・しかしおれはやり遂げるからな、安心して見ていてくれ・・・


「先輩」「特売」「乾杯」
359名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:50
みんなここ以外にはレスしてないみたい
360名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/04(月) 00:51
ん?どういうこと?
361名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:53
>>360
読んで字のごとく
362名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:56
全てのレスは「みんなこ子」という名前の子に対するものだ、という意味ですな。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 00:58
>>362
ああ、そうだね・・・
364名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:00
帰り道、近所のスーパーの店先を通りかかった。
まったくの偶然、その時僕はまっすぐ家に帰るつもりだったのに、なんとなく店に入ってみた。
夕暮れ時、買い物客で賑わう店内。その中で、僕は大きく赤い「特売」の文字に目を奪われた。

先輩半額。

いままで先輩には興味もなかったけど、このときばかりは何故か先輩が気になって仕方がなかった。
僕は意を決して先輩をカゴに入れ、早足でレジに向かうと清算を済ませた。
そして今、先輩が目の前にある。僕の、僕だけの先輩。

先輩が僕の家に来た夜、僕は独り、星空に向かって乾杯した。

次は「ヒーロー」「魔法」「野武士」
365名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:01
 蒸し熱い夏の正午、私は団地内を散歩する。若い肌をさりげなく露出した服
装に、可愛らしくアイスを嘗める息子をアクセサリーにして、私は団地内の
ショッピングセンターや公園を濶歩する。まだ、学校では先輩に苛められてい
る男子中学生の視線を感じる。子どもを産んだ身体に、どれだけ彼が魅力を感
じるのか分からない。しかし、彼の視線が私を女にする。
 空の青色が藍色に変化する頃に何かが変わる。残業の旦那は帰ってこない。
乾杯などをしているのかしれないが、本人は残業だと語っている。息子はテレ
ビに夢中になりながら、特売の惣菜で晩御飯を少しずつ頬ばっている。私は電
話に手を延ばす。携帯電話だ。旦那には内緒の携帯電話だ。
 発信音が鳴る。1秒後に切る。……私は数十回程度、これを繰り返す。宛先
は団地の住人たちだ。旦那と仲のよいふりをしている階下の馬鹿主婦。ゴミ出
しで文句を言った同じ棟の、セックスをしてもらえていない婆ぁ。あいつもこ
いつも気に喰わない。
 私は呼び出し音を鳴らし続ける。
 空の蒼の蒼さが闇色を帯び、姿形が曖昧になって、やっと、私は蝶から蛾に
なれる。誰にも見られない姿形だ。私は蛾の魅力に夢中にされつつあるのかも
しれない。満月の明りを避け、闇夜にはばたく蛾なのだ。いつか新聞に私の名
前が掲載される日までは……。

次は「ヒーロー」「魔法」「野武士」
366名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:03
ヒーローは魔法で野武士をやっつけましたとさ

……言ってみただけだから、気にしないで…
367名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:04
>>364
俺も先輩欲しくなっちゃったよ。
どこのスーパーで半額だったの。
368名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/04(月) 01:05
「先輩」「特売」「乾杯」ねえ・・・。

飲み会の幹事をやる、ということは、案外大変なものだ。しかも、良太のように公立大学の極貧サークルの内輪の飲み会であると。
日程を決め、参加者を確定し、メニュを揃えるところまでは順調に済んだはずだった。場所はもとよりサークルの部室である。
良太ははじめての幹事役に緊張しながらも、ともかく「乾杯!!」と叫んだ。
飲み会はさしたるトラブルもなく、皆ほろ酔いになりかかった頃、良太は部員から飲み代を徴収した。もう8月だ。新入生におごろうなんて殊勝な先輩はいない。
良太が少々食傷気味の先輩のところへ行くと、彼女は小銭入れを取り出し、請求額を尋ねた。
「1200円です」。一瞬沈黙が流れる。「1200円?」疑い深そうに彼女が呟く。そして、良太をきっと眺め、高らかにこう言った。
「あなた、何をやっているの?今日、あのスーパーで買い物をするなんて!15分歩けば特売をやっているスーパーがあるっていうのに!」
いや、やはり幹事は大変なものである。

次、「アイロン」「俳句」「灰皿」
369名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:15
最近、誰がどれを書いているのか、うすうすわかるようになってきた。
ひそかな楽しみかも。
370名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:17
>>369
「隊長! 伏兵が一人潜んでおります!」
371名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:20
>>370
そんな言葉は放送禁止
372名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 01:27
「みなさん、こんばんは。今週も俳句講座のお時間がやって参りました。
今週は特別ゲストとして弐番局流俳句の創始者である弐番局先生をお
迎えしております。先生、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「それでは早速ですが今日のお題は何がよろしいでしょうかね、先生?」
「そうじゃな……アイロンかな」
「は?」
「アイロンじゃ。何か文句でも?」
「い、いえ。そ、それでは先生、お手本の方をお願いします」
「うむ、お安い御用じゃ……サラサラっとな」
「それでは拝見させていただきましょうか」
「慌てるな、ここからが弐番局流じゃ。よいしょ」
「……?その灰皿で何を……うわっ、何燃やしてるんですか、先生!」
「こうすると願いが叶うんじゃよ」
「……はぁ。それで、俳句の方はどうなったんでしょうか?」
「おお、そうじゃったな。ふむ……『次の題 煙草しりとり ドブネズミ』。
どうじゃ?」
「アイロン関係ねぇ上に俳句じゃねぇじゃねぇかボケ」

長くなっちまったな…。しかもつまらん(鬱
次「煙草」「しりとり」「ドブネズミ」
373名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 02:59
ある日、庭の木の根元から、薄汚れたドブネズミが顔を出した。右の耳の先っぽがぎざぎざに短いやつだった。
ドブネズミは片手でひげをこすりながら、もう片方の手で僕を招いた。
「おい、ぼうず。おまえ、煙草を持っていないか」
僕は持ってないと言ったけれど、あんまりうるさくまくし立てるので、いつもパパが吸っている煙草を一本、パパの部屋からくすねてきた。
メンソールの煙草をくゆらせて、ドブネズミはうっとりと目を細めた。でも、火のついてない煙草なんて、なんだか格好悪いよね。
「ぼうず、これからしりとりをしよう。まずはおれから、チーズ」
ドブネズミが突然そんなことを言うので、僕はびっくりしてしまった。それで、急いで次の言葉をつないだんだ。
あんまりあわてていたものだから、僕は「ズボン」と答えてしまった。しりとりは「ん」がついたら負け。僕はドブネズミに負けてしまった。
「残念無念、おまえの負けだ。おまえの尻はもらっていくよ」
僕はもっとびっくりした。しりとりっていうのは、おしりを取るものじゃない。
だけどかまわずドブネズミは、さっさとおしりを取って木の根元に帰ってしまった。

その日から、僕のおしりはなくなった。
その日から、僕はドブネズミが大嫌いになった。

次は「奴隷」「数字」「徘徊」
374名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 03:20
ほんとは長編屋なのに、ここで遊んでいるうちにすっかり短編が好きになってしまった。
悔しい。
375374:2001/06/04(月) 03:26
短編じゃなくて掌編だった。でもやっぱり好き。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 04:41
「奴隷」「数字」「徘徊」

 おい、そこの青年止まれ そう言われたのが自分だと気付いたのは、もう一度
同じ言葉をかけられてからだった。がっちりした体格に、スーツ姿のその男は、
僕に近づいてくると、見下ろすように立ちはだかった。少年補導員かと思ったが、
僕は少年ではない。私服警官の職務質問なのか。
 お前、昼間から何をしている。男は睨み付けながら、言った。学校の教師に怒
られているように感じて不快だった。昼間から街中を徘徊して何が悪いのだろう。
もちろん働かず、税金も納めてない身なのでいくらか後ろめたい思いもあるが、
昼間からぶらぶらすることがなぜいけない。
 くだらないので逃げようと思い、僕は隙を見て走り出した。だが、相手はすぐに
追いついてあっけなく捕まった。その後の記憶はない。気付いたら鉄格子のついた
留置所のような所にいて、右肩に41173という数字が焼き付けてあった。犯罪を犯
した記憶は全くない。一体どうなっているのだろう。僕の家族は心配しているだろうか。
 ここでは、情報を遮断され自由がない。このような状況が、人の意思を削ぎ、奴隷
のようにするのだ。もう逃げる力も抵抗する気力もなくなってきている。今朝同じように
捕らえられている男が目の前を二人のごつい男に連れて行かれるのを見た。彼らの靴音が
ひどく怖い。今の僕を支えているのは過去の記憶だけだ。

次は「座布団」「スカート」「禁止」
377名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 05:00
「スカートとかけて…」
「ほう、スカートとかけて?」
「禁止事項と解きます」
「ほうほう、その心は?」
「見ると破りたくなります」
「がっはっは、アンタそんな事やってんのか? おーい山田君、
歌さんの座布団全部持ってっちゃって!」

次は「運命」「詐欺師」「窓」
378名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 06:21
「運命」「詐欺師」「窓」


俺はアパートの三階で奴を待っていた。
腕時計に視線を移すと、約束の二時はとうに過ぎ、
三時になろうとしている。
時折窓から眼下の路地を見下ろすが、奴の姿は何処にもない。
三日前、俺が奴に連絡を取った。
闇の世界では名の知れたスナイパーだ。
いつも通り,ボスから送られたターゲットを指示した紙袋を渡し、
終了後の待ち合わせ場所をこの部屋に指定した。
 ドン・ドン
ドアをノックする音に我に返った俺はドアに近づき覗き窓を見た。
奴が居る。
「旦那。仕事は終わりましたぜ」
ドアを開けると奴は部屋に入り込み、そして俺に銃口を向けた。
「これが運命って奴でさぁ」
「この、詐欺師め」
一発の銃声が鈍く部屋に広がった。

次は、「木星」「木製」「金木犀」
37966:2001/06/04(月) 06:26
「木星」「木製」「金木犀」

「ドーナツみたいな輪っかがあるのは、木星?」
「いや、それは土星」
図書室の木製の机に肘をついて、彼女と話していた。
窓の外から、金木犀の匂いを風が運んでくる。
中間テストはもう目の前だ。


・・・やっぱりオチってつけなくちゃいけないのかね?

「風」「風邪」「枷」でよろしく。
380379:2001/06/04(月) 06:32
ちなみに、HNが66になってたのは別のスレッドにカキコした名残です。
スマソ。
ちなみにσ(^_^)が書いたのは、28、214、238、379です。
全部オチがねぇよ・・・。
381名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 06:52
オチが無いと日記のようだ。それだけ。
382名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 07:02
「風」「風邪」「枷」

 この薄暗い地下牢に閉じ込められてどれほどの月日が経ったのか。
 壁に作りつけられた固いベットに臥していると、たまに風を感じることがある。
 週に一度の掃除の時に扉が開け放されるからと俺は理解していた。
 両足首につけられた鉄製の枷を引きずり俺はドアの隙間から廊下を窺う。
 薄暗い廊下ではマスクを掛けた門番が居眠りをしながら椅子に腰掛けている。
 いい気なものだ。
 風など引いたら最後、俺は薬も与えられず野垂れ死にだ。
 腕立てをすることだけが気晴らしであり、生き残るための術だった。
 俺は必ず生きてここを抜け出してやる。

次、「朝」「ライター」「みみず」
383名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 07:04
「風など引いたら最後」⇒「風邪などひいたら最後」っす。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 08:45
「朝」「ライター」「みみず」

 時計が鳴る。朝だ。とうとう最後の朝となってしまった。
 みみずが這いずるかのように布団を抜けだし、食卓兼作業場である、壁際の
テーブルへと向かう。ひとつ這うたびに畳がみしみしと音を立てる。安普請め。
稿料が入ったら、今度こそ引っ越してやる。
 目的地にたどり着き、ノートパソコンを復帰させると、ほどなく、液晶画面
にエディタのウィンドウが浮かび上がった。
 中の文章は……打ち掛けだ。原稿は、いまだ完成にはほど遠い。
 憂鬱を覚えながら、傍らの煙草を取り上げた。煙をたっぷりと肺に送り込み、
一気に吐き出す。気分は晴れない。もう一本。まだだ、もう一本……。ああ、
だめだだめだ。
 こわごわ時計を見ると、すでに起床してから三十分が経過している。もちろ
ん画面は何も変わっていない。憂鬱は積もる一方だ。
「ライター、辞めどきかな……」
 今までに何度もつぶやいた台詞だが、今日こそは至って現実的に思えた。

「赤色」「青色」「茶色」で。書きづらいなら「色」を外して構わないです。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 09:03
赤色けむしは青色けむしの背中の真っ青な色を眺めるのが好きだった。
茶色けむしはいつも落ち着いていて、まだ若い赤色けむしに美味しい葉っ
ぱの事や雨の日の気持ちのいい過ごし方など色々な話を聞かせてくれた。
でも赤色けむしはそういった恵まれた毎日を退屈に感じ始めた。変化の無
い日常。赤色けむしはけむし村を出て行く決心をした。
「どうせ退屈に生きても、冒険に生きても一度きりの人生さ」
次の日赤色けむしは朝早くに村を出た。沢山の朝露が門出を祝うちょっと
涼しい朝だった。

お次は「どんぐり」、「本」、「八百屋」
386作家志願:2001/06/04(月) 09:18
「赤色」「青色」「茶色」(難しいぞゴラァ)

おねえちゃんとわたしが、いっしょに学校へ行くときのことでした。
わたしは、まっ青に晴れた空を見て、うれしくなりました。
「おねえちゃん、きれいな空だね」
「そうね、雲がひとつもないね」
「うわぁ、本当だ。どこにもない、ねえ、おねえちゃん
どこを見てもないよ」
「本当だね」
「雲はどこにいっちゃったの?」
「えっ? う〜んとね…」
「あっ、赤いアサガオだ」
「ふう。
あら、アサガオなんてよく知ってるのね。おりこうさんね」
「へへ。アサガオの お家て、どうして茶色い土なの?」
「え? あははは…。え〜とね、それは」
「あ、みさきちゃんだ。おはよう、みさきちゃん」
おねえちゃんとわたしは、みさきちゃんに会いました。
いっしょに学校に行きました。
楽しかったです。
おしまい。
++++++++++++++++
やりにくかったぞ。
次は、「オートバイ」「命」「いろは坂」
387385:2001/06/04(月) 09:27
なんか俺、ダメでした?鬱だ氏脳
388作家志願:2001/06/04(月) 09:34
>>387お題が難しいから、仕方がないてば。
俺のも苦し紛れだし。
ああ、あと、かぶったのは、385の文章がまだブラウザに出てなかった
からだよ。当て付けじゃない。
389384:2001/06/04(月) 10:04
あら、難しかったすか……寝ぼけ頭で適当かましたもので、すんません(^^;
390どんぐり・本・八百屋:2001/06/04(月) 11:17
順当に行くとテーマは、「どんぐり」「本」「八百屋」ですね。

小さな頃に初めて自分の宝物のようにかんじたのは「どんぐり」だったかもしれない。
木の下で、どんぐりを拾いながら、ポケットいっぱいにつめこんで。
でも家に帰ると、かならず「どんぐり持って入っちゃダメよ、捨てなさい」
と、母親にポケットをひっくり返される。
あわれ、せっかくのどんぐりは、庭の藻屑と化してしまった。

少し大きくなってからは、本が家に帰ってからの友達だった。
世界名作文学全集とかを片っ端から読んで、泣いたり笑ったり。
「ごはんだよ」と言われても読み続けて怒られたり。

今は、会社帰り休みの日など、近所の八百屋によく顔を出す。
バラで売ってくれるから、ひとりぐらしのわたしには、うれしいのだ。
健康食に熱中しているからっていうのも大きいんだけどね。
「おにいさん、これちょうだいな」
「はいよっ!」
そういって包んでくれる、八百屋のおにいちゃんの笑顔がいつもうれしい。
「ありがとうございました」
店を出る時に聞こえるその声で「よーし、明日もがんばっちゃうぞ!」って思う。

次に一生懸命になるものを、もうわたしは見つけているのかもしれない。

#お題は「しわ」「社長」「ネックレス」でよろしく!
391名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 11:39
「オートバイ」「命」「いろは坂」

 奴は隣の高校の生徒と喧嘩をして停学になっていた。
 停学が解け明日から登校できるというその日に、奴はオートバイでコンビニに買い物に行った帰りに事故って入院した。病院にお見舞いに行くと左足は石膏で固められ、その足が吊られていた。
 「だせえよな。停学の最後の日に事故っちゃったよ」
 頭を掻きながら奴はいつも通り笑っていた。
 大学に入ってから奴との付き合いはなくなったが、大学三年の時に電話を受け取った。
 奴がサーフィンをしに海に言ったら波にさらわれ行方不明になり、とうとう葬式を挙げることになったと。
 葬式であの頃のダチに会ったら、奴はいろは坂のツーリングを楽しみにしていたそうだ。
 今日はそののダチの五回目の命日。
 いろは坂をバスに揺られて登っていく。
 今年は何人集まるだろうか。

(かぶったのでお題なし)
392名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 11:40
「しわ」「社長」「ネックレス」

公園のすみにいつも老人が座り込んでいる。
見るからに汚い服と埃にまみれ艶が無くなった髪に、
僕は哀れを感じていた。
ある日いつもの老人が手を合わせて祈っているのを見かけた。
初め数珠かと思ったものは、良く見ると真珠のネックレスだった。
少し黄味を帯びているが間違いない。
ゴミ漁りでもして見つけたのだろうと、それっきりその事は忘れて
しまっていた。
その老人に再会したのは三年後のことだった。
宝石店を数店抱える会社の社長だった俺が、夜逃げ同然で
借金取りから逃げ捲くり、なれの果てがホームレスだった。
「お前さんか」
老人は、寝る場所を探してうろうろしていた俺を暖かく
迎えてくれた。

# 次は、「灰」「梅干」「腕時計」
393385:2001/06/04(月) 12:34
>>388
ヨカターヨ 鬱直り生き返り
394名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 13:11
「ガリッ」と音がした次の瞬間「うっ」と相棒が呻いた。
「ちきしょう、歯が欠けちゃったよ」と騒ぎだした。
コンビニで買ったにぎりめしの梅干の種を噛んでしまったらしい。
俺は苦笑しながら、煙草の灰を落とした。
腕時計を確認した。時間だ。
「おい、静かにしろ」
車のルームライトも消した。俺たちは、また闇の一部になった。
あいつが、もうすぐ通るはずだった……

#お題は、「蒸しパン」「無視」「せむし」でよろしく!
う〜ん、自分のお題が貧困なような気がして来た。
395394:2001/06/04(月) 15:35
394ですが、お題で「せむし」がやりにくかったら「まむし」でもいいです。
「せむし」って言ったら誰もが「せむし男」のイメージにつながりすぎてしまうもんね。
どぞ、よろしくです。
396名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 18:36
蒸しパンの僕は例の虫パン事件以来、仲間のパンたちに無視されていた。
虫が入ったのは僕のせいじゃないのに……理不尽で仕方なかった。
と、僕の行く手に食パンとカレーパンがいるのが見えた。どうせ無視だろう
と思ってそのまま通りすぎようとしたが、彼らが僕の顔を見てニヤニヤ笑っ
ているので思わず「な、なに?」と言ってしまった。
すると彼らは「わー、虫が喋った!」と叫んでそのままどこかへ走っていった。
一筋の涙が僕の頬を伝った。ああ、僕は寿司になりたい。寿司になって奴ら
を見返してやりたい。

次は「鬱」「薔薇(バラ)」「黴(カビ)」
397名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 19:05
鬱蒼と茂る森の中 棘ある薔薇に囲まれて
かつての栄華の影もなく 朽ちた古城が建っていた

あるとき旅の王子あり 古城へ足を踏み入れた
扉を開けたその先は セピア色した別世界
黴と埃の舞う中で 眠りつづける姫ひとり

旅の王子は歩み寄り 眠れる姫にくちづけを
たちまち姫は朽ち果てて あとに残るは砂の山
両手に砂を握り締め 王子は嘆き悲しんだ

胸につるぎを突き立てて 眠れる姫の枕許
棘ある薔薇に囲まれて 眠れる姫の砂の許

次は「人形」「輪」「刃」
398<397>スマソ、修正。:2001/06/04(月) 19:07
鬱蒼と茂る森の中 棘ある薔薇に囲まれて
かつての栄華の影もなく 朽ちた古城が建っていた

あるとき旅の王子あり 古城へ足を踏み入れた
扉を開けたその先は セピア色した別世界
黴と埃の舞う中で 眠りつづける姫ひとり

旅の王子は歩み寄り 眠れる姫にくちづけを
たちまち姫は崩れ果て あとに残るは砂の山
両手に砂を握り締め 王子は嘆き悲しんだ

胸につるぎを突き立てて 眠れる姫の枕許
棘ある薔薇に囲まれて 眠れる姫の砂の許
399<397,398>度々スマソ。再修正。:2001/06/04(月) 19:12
鬱蒼と茂る森の中 棘ある薔薇に囲まれて
かつての栄華の影もなく 朽ちた古城が建っていた

あるとき旅の王子あり 古城へ足を踏み入れた
扉を開いたその先は セピア色した別世界
黴と埃の舞う中で 眠りつづける姫ひとり

旅の王子は歩み寄り 眠れる姫にくちづけを
たちまち姫は崩れ果て あとに残るは砂の山
両手に砂を握り締め 王子は嘆き悲しんだ

胸につるぎを突き立てて 眠れる姫の枕許
棘ある薔薇に囲まれて 眠れる姫の砂の許
400名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 20:50
「人形」「輪」「刃」

泣きながら、戦輪【チャクラム】の刃を研いでいた。真夜中のバスルームで戦輪の刃を研いでいた。
戦輪というのは、印度の古い武器だと、あいつは言った、土星の輪のみたいなハガネのフチに凍るような鋭い刃が突いた武器だ。
使い方はフリスビーのように投げる、戦輪はその軌跡に当たる物を全て切り裂く。
血まみれで脂が戦輪の刃に浮いている。ママレモンを使って血を流し、包丁を研ぐ砥石で脂を落とす。
お笑いだ、泣きながらそんな事を考える、侵略してきた宇宙人を唯一狩れる武器、印度に落ちた特殊な隕石の合金から出来た戦輪を、風呂場で台所用品で洗っている。
泣きながら考える、どうしてあたしなんだろう、どうして他のひとが選ばれなかったんだろう。彼は良い宇宙人だと言った、私もそれを信じたはずだ。
人形遣いってSFがあった、悪い宇宙人が人間と入れ替わって侵略するやつだ。彼は私に五枚の戦輪を渡して、キミの両親はそれだ、とぼそりと言った。
そうだったのか、と、その時は思った、私の言うことを何も聞いてくれないのも、妹ばっかり可愛がるのも、そのせいだったんだと。
涙で視界がぐにゃりとゆがんで、頬に熱く涙が落ちた。沢山。
じゃあ、なんで、こんなに悲しいんだろう。
こいつらは宇宙人だったんだ、宇宙人だったんじゃない、泣くこと無いじゃない。

戦輪のメンテナンスは終わった、チャリリと澄んだ音を鳴らして戦輪をひとまとめにする。
とりあえず、考えるのはやめよう、とりあえず、明日はヤツの言うとおり駅前にでて、宇宙人を狩ろう。
五枚の戦輪を繰り出して戦うあたしは、きっと踊っているようにみえるに違いない。

「電波じゃないもーん、本当に宇宙人はいますー。
次のお題は『火星』『絶壁』『ウイスキー』です。」
401名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 20:52
ノー!!宇宙人の陰謀だわ。
×鋭い刃が突いて
○鋭い刃が付いて
402名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 22:51
『火星』『絶壁』『ウイスキー』

朝からビルの三階にあるバーの窓際でウイスキーを飲んでいた。
駅前の交差点に目を落とすと、お椀のようなものを持った少女が踊っていた。
「まずい!」
慌ててバーを出た俺は屋上に駆け上がり、腕時計の蓋を開けた。。
「こちら電波三号。どうぞー」
「こちら母船。どうした?」
「戦輪もった女がいます」
「始末しろ」
俺は屋上の柵を乗り越え、するするとビルの絶壁を下りていく。
少女が踊りを止めるのを確認して俺は飛び掛った。
「キャー。誰?」
「ふっふっふっ。死んでもらう」
「死ぬのはあんたよ」
少女の戦輪が俺に向かってくる。六本ある手にビーム剣を握り、俺は必至に抵抗した。
「火星人め。とどめだ!」
少女の絶叫に五個の戦輪がそれぞれ二個に分裂する。
想定外の戦術に為す術もなく、地に臥したあと俺は消え去っていった。

# 次のお題は「風鈴」「しろ熊」「火山」
403名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:12
うひゃひゃ、続き物だ。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:24
マイナス30度での、氷がぶつかる音を聞いたことがあるだろうか?
それは、まるで、ガラスでできた風鈴のような、鋭い音だ。
でもそんな調べもこの北極海に面した入り江では、たびたびかき消されてしまう。
それは、氷河が海に向かってくずれ落ちる瞬間の大音響のせいだ。
白熊の親子は、その落ち込みの反対側にいた。
「ゴゴゴゴー」
母熊がその異変に気づいた。海底火山による地震だ。
氷河には、それまでにない大きく深い亀裂が走り始めた。
巨大な崩落がカウントダウンを始めた。
母熊は、子熊をうながし、一目散に高台へと走りだした。
あの大きな氷河のかたまりが一気に落ちたら、この入り江全体が怒涛の高波に
襲われることを知っているのだ。
「どどーん」氷河はいまだかってない大きさで、一気に崩落した。
海はうずを巻きながら、入り江を飲み込みはじめた。

#お題は「マラソン」「トランク」「きのこ」でよろしく!
405名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:44
>>402の続き。「風鈴」「しろ熊」「火山」

風鈴が鳴っている。清涼感溢れる心地よい音色は、温暖化に喘ぐ地球の暑さを紛らわしてくれる。
だが、無機的な機械や計器類の間では、夏の風物詩も異質なものに思えた。
宇宙人の中には火山の火口に住む者もいるが、それはごく特殊な連中だけだ。
第403星雲を故郷とするマターリ星人は、ことに暑さには弱いのだ。
墜落した宇宙船を修理するまでは母星には帰れない。人も訪れぬ深い山の中に、彼らは苦労して基地を築いた。
そんな彼らの秘密基地に、甲高い警報が鳴り響いた。レーダーに映る「何か」は、まっすぐ基地へ向かっている。
状況を把握できないまま混乱が広がっていき、基地は騒然となった。
そいつはどんどん速度を上げ、ついには基地へと突っ込んできた。

髪を束ねた少女だ。その少女の両手には見慣れない輝きがある。薄く、ドーナツの形をした、古代地球の殺戮兵器。
「覚悟しろ熊!」
踊るように駆け抜ける少女の手から、五つの戦輪が放たれた。戦輪はそれぞれ意思を持ったように、正確にマターリ星人へと向かっていく。
ねばねばした緑色の液体をしぶかせて、マターリ星人は次々と倒れていった。
少女は基地内の機械を片っ端から破壊してまわった。そのまま獣のような息遣いで戦輪を拾い集めると、少女はどこかへ駆け去った。
後には輪切りにされた熊型の宇宙人だけが残された。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:51
「風鈴」「しろ熊」「火山」

あたしは縁側の座って、しろ熊をばりばり音をたてて囓っていた。練乳が歯にねっとり絡み付き、頭がキーンと音をたてて痺れる。
「おばあちゃんちに来たらやっぱり『しろ熊』を食べるのがたのしみよね」
「東京の方には売ってないのかい?」
「みたこと… 一度あったけど、すぐなくなっちゃった」
おばあちゃんはやさしい、東京で辛いことがあったあたしを理由も聞かず受け入れてくれた。鹿児島に着いてもう半年になる、東京での事が嘘のようにここでの生活は穏やかでやさしい。
風鈴がチリーンと鳴って、夕方の涼しい風が蝉の声を少し遠くにやる。おばあちゃんの家は高台にあって、トウモロコシ畑の向こうに桜島が見える。
どーん、腰にくる大きな音と、一拍おいて、すさまじい揺れがあたしを襲った。
桜島が噴火! そんな、火山としては大正3年(1914)の大噴火以来噴煙を上げるだけだったのに!そんな、ヤフートラベルで調べてきたような感想も、火口から円盤が三機飛び出してくるのを確認するまでだった。
「あいつら、こんなところまで」私は腰に付けた戦輪を確かめた。
「あああ、また続き物なのかい」腰をぬかしたおばあちゃんがつっこんだ。
「だって、戦輪はお椀じゃないのよ、CDディスクの穴を大きくしたようなものなの、>>400の描写下手のせいで誤解されたまんまじゃ、くやしいじゃない」
「ああ、そんな厨な理由で、だからおまえは電波って…」
「うるさいっ!!」おばあちゃんに怒鳴ってあたしは両手に戦輪をもって駆けだした。我ながら酷い孫だと思う。
トウモロコシ畑を全力疾走する、チャクラムを投擲しトウモロコシの苗をなぎ倒し道を作くりながら、全力で円盤に向かう。
「おまえたちが、私に付けた名前を言って見ろ」無意識に私は吠え始める。
「私はチャクラムシューターだ!!」

#暴走暴走、って、いつのまにやら戦輪少女が人気者。w)
お題は>>404さんのでどーぞー。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:55
>>406
あ、しろ熊はアイスキャンデーです。一時期関東でも売ってたけど、最近はみかけませんな。
408404:2001/06/04(月) 23:57
来たね。来たね。「しろくま」って出た瞬間に「かき氷」がでてくるだろうな。
と思ったから、ちょっと意地を張って北国の「白熊」を登場させてみました。
409名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/04(月) 23:57
「マラソン」「トランク」「きのこ」

高橋は夜道を走り続けた。
時折通る車のライトが高橋の顔を白く照らしあげる。
五キロほど走ったところで田んぼのあぜ道に入っていく。
目の前に浮かぶ満月が妖しく白光を湛えている。
その月に目を奪われた瞬間、高橋はけつまずき、そのまま倒れこんだ。
「いたー」
高橋は起き上がり後ろを振り返る。
そこには月明かりに照らせれた古い皮製のトランクがあった。
剥がれかかった色とりどりのステッカーに月光が反射する。
トランクは高橋がぶつかった拍子なのか開いていた。
中には大きなガラス瓶が横たわり、中には赤や黄色に光るものが入っている。
蓋を開けてみるときのこのようだった。
一ヵ月後のフルマラソンで高橋は新記録を出した。
その後、走るたびに新記録を塗り替え、人は奇跡と呼んだ。
その理由は、いまだ誰も知らない。

# 次は、「守護」「腐臭」「クレヨン」
410名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:00
おお、ねらわれていたとは>しろくま。
うう、良い思いつきだと思ったんだが。(敗北感)
411名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:24
余計なお世話かもしんないけど、「守護」と聞いて
「守護霊」「守護神」「京都守護職」のどれが思い浮かぶかで、
全然違ったストーリーになるワケですなぁ。
412名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:26
会社の部下が中古で家を買った。築3年だが、聞けば破格の値だという。
数日は何事もなく過ごしたが、ある日部下は相談を持ちかけてきた。部屋の数が合わない、と。
家の設計図と照らし合わせてみると、たしかに部屋がひとつ足りない。
設計図に記されている、そこにあるべきはずの部屋が、壁の中なのだ。
部下は気味が悪いと言って、一緒に壁を崩すよう頼んできた。私も壁の中の部屋に興味があり、二つ返事で了承した。
部下と二人でハンマーやバールを用いて壁を破壊していくと、崩した壁のなかにドアが姿を現した。
ドアは木材や釘で固く守護されていた。一体この部屋に何が隠されているのか。
やっとこじ開けたドアの内側で、私は信じられないものを目にした。
腐臭漂う部屋の壁には、赤いクレヨンでいくつも「たすけて」と書かれていたのだ。

次は「粒」「空き缶」「テープ」
413名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:40
うっ、そのまんま「守護」だったか。
特殊な用法だから、「守護霊」「守護神」「京都守護職」のいずれかで
来るかと思ったけど。意外な結果でごじゃりました。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 00:53
最後のコーナーを回った。
ゴールまでもう少しだ。
「あとひとり」
アンカーの僕が、あとひとり抜くことができれば、
優勝は、僕たちのクラスに飛び込んでくるんだ。
クラスのみんなが、空き缶を打ち鳴らして応援している。
粒々の汗を跳ね飛ばしながら、僕はゴールテープに飛び込んだ。

#お題は、「なわとび」「耳鳴り」「夕焼け」でよろしく!
415412:2001/06/05(火) 00:53
>>413
ごめんなされ。
416414:2001/06/05(火) 01:07
ディーン・R・クーンツの「ベストセラー小説の書き方」を読んでから
ここんところ、どうも「アクション」方面にかたよっているかも。わたし。
417名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 01:14
>>416
ありゃ、いい本だよね。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 02:25
「なわとび」「耳鳴り」「夕焼け」

鎮守の森の境内の前で十名ほどの子供が遊んでいる。
女の子達は縄跳びをし、男の子達はチャンバラごっこをしている。
そこに天狗の面をつけた男が現れた。
子供達の視線がその男にくぎづけになった時、男は腰にぶら下げた
ほら貝を持ち上げ、猛々しい音を奏でた。
子供達はみな頭を抱え地面で転げまわる。
男は子供らを見回したあと、夕焼け目指して飛び去った。
まだ耳鳴りがする頭を抑えながら、俊平はその男が消え去るまで
見つめていた。
それは俊平がまだ五歳の夏の日のことであった。

# 次、「鳩」「ファイル」「水深」
419名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 03:04
「捨てちゃえ」
その一言で僕のラブレターはファイルから抜き取られ、びりりと破られて、はらりと撒かれて、プールの水深く沈むことになった。水泳部の最悪な自主トレが終了した直後のことである。タカシはプールを背にして飛び込み台の上に立ち、誇らしげに宣言した。
「ケンジはミッちゃんが大好きでっ〜す」
その声の大きさは、プール脇のバスケットコートで部活に集中しているミッちゃんの耳に届いてしまったはずである。僕は覚悟を決めた。
「俺はミッちゃんが好きだよ。仕方ねぇだろぉ」
数秒後、バスケットコートから見知らぬ声が聴こえた。
「ミッちゃんもケンジが好きだそうで〜す」
プールの底から紙片が舞い上がり、彼女に想いを伝える伝書鳩になった。冷やかしでもいい。僕は幸せに卒倒した。

「本棚」「靴底」「ステンドグラス」
420名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 08:38
>>419 鮮やか!
421「本棚」「靴底」「ステンドグラス」:2001/06/05(火) 09:44
ドゥオモ(大聖堂)の前の広場は、凸凹の石畳だった。
ゴツゴツした感触は、歩き急ぐわたしの靴底から足裏へとしっかり伝えられる。
まぶしい空に、ハトが一気に舞い上がった。
手をかざして見上げた先には、ドゥオモの尖塔がそびえていた。

大きなドアにもうけられた小さなドアをくぐりぬけると、空気はいきなり変わった。
それは、信仰心とは無縁の人間をも厳粛な気持ちにさせてしまうおごそかな空間だった。
あまりにも大きな空間にところどころに設けられた照明は、ほんの部分しか
照らすことができず、多くの部分は色の判別さえつかないモノクロームの世界だ。
それだけに、はるかに高い窓から太陽の光を取り込んでいるステンドグラスの
輝きが、いっそう輝きを増すのであろう。

わたしは、その空気の中で目を閉じ、大きく深呼吸をして、すべてを記憶の本棚に保存しようとしていた。

#お題は「トランペット」「沼」「タイヤ」でよろしく!
422421:2001/06/05(火) 09:51
2段落目の2行目の頭は、「それは」じゃなかったですね。「そこは」でした。
「それは」だと、「空気」をさしてしまうから「空間だった」で締めくくると
オバカ丸出しになってしまうのでした。(藁)
前列も「空気は」よりも「空気が」の方がよかったかな?
スンマセンでした。
423名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 17:50
「モザイクってあるでしょ。しってる?ブラウザの名前、そうそう。
まずトランペットっていうの立ち上げてね、プロバイダに接続するの。
いや、モザイクだけじゃダメでね。そーねー、例えるなら、モザイクが
車だとしたら、トランペットはタイヤね。わかる?何となくわかる?
そう、これで後はインターネットが出来るわけ。ネットサーフィン
ハマルよー。もう泥沼、間違いなし」
424名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 17:51
次は「爪切り」「粘着」「新聞紙」で、お願いします。
425名盤さん:2001/06/05(火) 19:26
俺の粘着系の指に鼻くそが着いている。
本当はこういうものはティッシュでふきとるべきものなのだ。
しかし何故新聞紙を選んでしまったのだろう
俺がもっと情報を求めているのか?
生きていくのに本等に新聞紙は必要・なのか?
つめきり!爪切りこそ俺が求めていた回答だ
爪切りには新聞紙はもってこいだ。新聞紙は
俺の一日分の死の片棒を裳ってゴミ箱に行く。
考えてみればそれは凄いことじゃないか。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 20:06
僕は、ベランダに新聞紙を広げて座り込み、足を乗せた。
爪切りで、プチプチと爪を切りながら、そこに載っている投稿欄に目を泳がせた。
そこには、確かに日本語の文字なのだけれど、意味もなく主張もない
言葉の羅列がずらずらと記されていた。
「そういう時代なのだな」
別に悲しいわけではないが、そういう思いがぼんやりとともって消えた。
僕は立ち上がり、ズボンについたネコの毛を粘着テープでぬぐって玄関を後にした。

#「勇気」「理由」「主張」でよろしく。
上の方がお題を出したならそれでもけっこうです。
427名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 20:06
僕は、ベランダに新聞紙を広げて座り込み、足を乗せた。
爪切りで、プチプチと爪を切りながら、そこに載っている投稿欄に目を泳がせた。
そこには、確かに日本語の文字なのだけれど、意味もなく主張もない
言葉の羅列がずらずらと記されていた。
「そういう時代なのだな」
別に悲しいわけではないが、そういう思いがぼんやりとともって消えた。
僕は立ち上がり、ズボンについたネコの毛を粘着テープでぬぐって玄関を後にした。

#「勇気」「理由」「主張」でよろしく。
上の方がお題を出したならそれでもけっこうです。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 20:08
あちゃ〜、サーバーエラーが出たので投稿できていないかと思って、
ボタンを押したら、二重投稿になってしまいました。ゴメソ。
429426粘着君:2001/06/05(火) 20:35
スンマセン、どうしても、語調というかリズムが気にいらないので、なおさせていただきました。
たびたび、もうしわけありませんです。

僕は、ベランダに新聞紙を広げて座り込み、足を乗せた。
爪切りで、プチプチと爪を切りながら、紙面の投稿欄に目を泳がせる。
そこには、意味もなく主張もない 言葉の羅列がずらずらと記されていた。
確かに、日本語の文字ではあるのだけれど……
「そういう時代なのだな」
別に悲しいわけではないが、そういう思いがぼんやりとともって、消えた。
「夢は、夢のままでもかまわない。そういうことか」
僕は立ち上がると、ズボンについたネコの毛を粘着テープでぬぐい、玄関を後にした。
430名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 20:55
「勇気」「理由」「主張」

「俺たちは勇気を振り絞らない!!」
三十人の農夫たちが村長の言葉を詠唱する。
「俺たちは勇気を振り絞らないー!!」

「ばーろー、もっと景気良く送りださねえか」
黒い甲冑に大剣を背負った戦士が馬上で苦笑する。

「俺たちはなんだかんだ理由をつけて助けに行かない!!」
三十人の農夫たちが村長の言葉を詠唱する。
「俺たちはなんだかんだ理由をつけて助けに行かないー!!」

村境から呪われ山に向かう峠で戦士は苦笑いを止めない。
(ま、正直な農民どもだよ)

「俺たちは、主張をせず、羊の用に暮らしている!!」
三十人の農夫たちが村長の言葉を詠唱する。
「俺たちは、主張をせず、羊の用に暮らしているー!!」

眼下に村が遠く見えるようになっても、風に乗って農民の声が小さく聞こえる。
「羊のように暮らせ、村の巫女は俺が助ける」
戦士は愛馬に拍車を入れた。

このあと戦士がドラゴンの元から巫女を助けたかどうか、歴史書に記載はない。
ただ、次の年この村を含む地方の領主が税を一割上げたため、この村を中心に
一揆が起こり、領主の一族を皆殺しにしたとだけ、伝わっている。

次のお題は「信心」「購買」「あべかわもち」だぜ。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 20:58
くそお、しくじったぜ。
×「俺たちは、主張をせず、羊の用に暮らしている!!」
○「俺たちは、主張をせず、羊のように暮らしている!!」
432名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:07
食べてみようかあべかわもち
あんこたっぷりあべかわもち
信心深い婆さんが
みやげのつもりで買ってきた
あんこたっぷりあべかわもち
食べてみようかあべかわもち
昼の休みの購買で
アンパン買って食ったけど
こっちがうまいぞあべかわもち
あんこたっぷりあべかわもち

お題:「昼」「あんこ」「婆さん」


433名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:08
>>432
434名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:21
「昼」「あんこ」「婆さん」

婆さんが久しぶりに静岡から横浜のボクの家に遊びに来た。
「ひろぼうや、おみやげ、あんこたっぷりのあべかわもちだよ、昼にたべようなあ」
婆さんはまた騙されて、いい加減なものを買わされたようだ。
「ばあちゃん、それはあべかわもちなんかじゃないよ」
ボクがそういってつめよると、婆さんはボロリボロリと涙をながした。
「ひろぼう、おばあちゃんをいじめるのかい」といってウオーンと泣き始めた。
やっかいなババアだ。
「ばあちゃん!あべかわもちってのは黄粉のついた餅で
あんこは入ってないんだよ。」

#つっこみネタですまぬ。
次は「滝壺」「鳥居」「マシンガン」 
435名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:21
あげわすれー。
436名盤さん:2001/06/05(火) 21:24
昼にばあさんと、臓物の前にいる。
これうまいけえ、食っとけえと、
あんこのたっぷり入った大福をさしだされる。

437名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:26
不思議だねぇ。「鳥居」と「爪切り」はみんなが思い浮かべやすいのかな?
みんなの琴線のどこに触れて出てくるんだろうね。
438名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:27
>>436
短いんだけど、妙な絵が出てきて萌える。
臓物がイイ。
439434:2001/06/05(火) 21:29
あー、鳥居がいしゅつでしたか。
あと、夕日も結構でるよね。

おわびに、既出お題集をまとめます。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:32
いやいや、別に既出でもいいんじゃないのかな?
自分の頭に思い浮かんだもので。
でも、「既出お題集」も、期待萌え〜。
441名盤さん:2001/06/05(火) 21:33
マシンガンで鳥居を打ち倒したいと思う。
でもそれは余にも罰当たりなので滝壷に
ありったっけのマガジンの弾をぶち巻く。
ちょっと悔しいので夜に硝煙のにおいを
かぎながらマシンガンと寝る。
442名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:44
「タンタンタンタンタン」
敵は、マシンガンを乱射しながら、すぐそこまで来ている。
「もう、ダメだ。」
鳥居信二は、自ら滝壷に向かって、ダイビングした。
443名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 21:47
「タンタンタンタンタン」
敵は、マシンガンを乱射しながら、すぐそこまで来ている。
「もう、ダメだ。」
滝壷信二は、鳥居の影に身を隠した。

#はははっ、これをやりはじめたら、キリがないね。反則なのでやめとこう。
444既出お題集1〜100:2001/06/05(火) 21:48
「鎌」「アスファルト」「でんぐりがえし」・「赤子」「異」「りんご」
「ユーゴ」「味噌汁」「とっかえひっかえ」 ・「炎」「演歌」「政治経済」
「月」「胃」「科学」・「小泉首相」「セブンイレブン」「カラ出張」
「穴」「将棋」「絵画」 ・「酒」「泪」「漢」・「おやじ」「携帯メール」「熟女」
「いたち」「せき止め液」「チャット」・「日本ダービー」「本棚」「コントロール」
「数学」「目薬」「カレンダー」 ・「洗濯」「ビーチパラソル」「高層ビル」
「ウインク」「裂傷」「アタッシュケース」・「天然水」「ゾンビ」「スカイダイビング」
「木星」「源泉徴収」「洋館」 ・「古新聞」「模試」「スピーカー」
「カーニバル」「水虫」「富士山」・「モナコ」「ギター」「浪花節」
「缶コーヒー」「浜辺」「苦情」・「くじら」「虹」「少年」
「カンテラ」「面長」「ピーナッツ」 ・「牛」「ねずみ」「猫」
「墓」「山吹色のお菓子」「汁」・「看板」「ガスタンク」「空き缶」
「老人」「捕らえられた宇宙人」「エレキギター」
「プログラム」「レーズン」「摩天楼」・「美術館」「葬祭」「ビタミン」
「深海」「糸電話」「便器」・「短パン」「箱」「火」・
「昆布」「退廃的」「デビット・ボウイ」・「堀」「芝」「くらげ」
「オランダ」「懐中電灯」「開口一番」・「耳」「葉緑体」「洗剤」
「カレー」「極道」「仮面」・「資料集」「窓」「牛乳パック」
「蚊取り線香」「生物学」「テニスボール」・「くつ」「リボン」「自転車」
「インコ」「線路」「みかん」・「湖」「目覚し時計」「かぜ薬」
「完全脱毛」「わりばし」「ヨガ」・「坊主」「レースクイーン」「カツ丼」
「なめくじ」「机」「愛撫」・「マシンガン」「魂」「咀嚼」
「木星(2)」「源泉徴収」「洋館」・「砂漠」「下着」「電気ドリル」
「ごみ箱」「ネットワーク」「ブリーフケース」
「ジャングル」「原住民」「トーテムポール」・「かばん」「ベルト」「段ボール箱」
「日本刀」「ギプス」「らくだ」・「手紙」「ストーブ」「キーホルダー」
「肉体労働者」「針」「悶絶」・「ロンリー」「翼」「鎧」
445既出お題集1〜100:2001/06/05(火) 21:50
木星が二回でてたよ。あと、マシンガンも既出だった。
こうしてみると壮観だねえ。
446既出お題集100〜200:2001/06/05(火) 22:04
「玄関」「かっこいい!!」「チタン」・「道路」「真空パック」「無人島」
「虹」「太もも」「逆襲」・「宗教」「粘液」「ロボット」
「馬券」「下着」「ポスター」・「鍵」「電動」「砂糖」・「帽子」「指輪」「ところてん」
「万華鏡」「月」「斧」・「立方体」「恐竜」「心電図」
「エスキモー」「夏」「鳥のから揚げ」・「鳥居」「暗闇」「ゲームボーイ」
「チーズケーキ」「ジャンボジェット」「蚊」・「ふくろう」「水門」「キャンプ場」
「鉄橋」「潜水艦」「大福餅」・「ミサイル」「泡」「電子レンジ」
「タイヤ」「タイヤキ」「泳げ」・「じゅうたん」「便座」「クロワッサン」
「変身」「破壊」「女王」・「夢」「谷」「壁」・
「ロープ」「ずぼら」「スプレー」・「アインシュタイン」「菊」「釣り」
「口紅」「プランクトン」「ちょうちん」・「妹」「夏休み」「ジョギング」
「生産」「星」「新聞」・「ミサイル」「マニア」「味」
「こうもりがさ」「コタツ」「糸でんわ」・「精神」「電球」「カエル」
 「建築」「精力」「デカルト」・「桃」「スピーカー」「ダイナマイト」
「アンパンマン」「ドイツ観念論」「ビデオテープ」・「烈風」「キノコ」「大観衆」
「四番目」「めんたいこ」「パラドックス」・「スニーカー」「電池」「呪い」
「うなぎ」「葉巻」「月見団子」・「植木屋」「給水タンク」「フランス料理」
「コニカ」「ボルテスV」「擬音」・「ハイレグ」「ヤンエグ」「ノーパン喫茶」
「爪切り」「トンボ」「サングラス」・「輪ゴム」「ドロップ」「ハチ」
「三輪車」「夕焼け」「キノコ」・「テープレコーダー」「道徳」「納豆」
「ダイヤモンド」「影」「切なさ(切ない)」・「あづき」「こーひー」「ゆず」
「白くま」「きつね」「おおかみ」・「潮干狩り」「最中(もなか)」「缶詰」
「夕焼け」「ギロチン」「フィクション」
447既出お題集100〜200:2001/06/05(火) 22:04
鳥居だしたの、俺だったよ。
バーカバーカ>俺。
448既出お題集200〜300:2001/06/05(火) 22:20
「手」「目」「毛」・「雨」「カレー」「シュール」・「お願い」「批評」「ウヒョー」
「雲」「蜘蛛」「公文式」・「酒」「泪」「男と女」 ・
「レモン」「テープレコーダ」「フラット3」・「幻想」「尻」「カメラ」
「雪男」「雪女」「やぶさめ」・「抜刀」「防御」「永遠の愛」
「電車」「コーヒー」「お店」・「かに」「もちつき」「どんぐり」
「ふすま」「招き猫」「ソウルフル」 ・「髑髏(どくろ)」「電波」「ヒゲ」
「飴」「携帯」「溝」 ・「こうもり」「生」「早とちり」
「侍」「後頭部」「サラダ」・「リモコン」「顔」「大陸」
「左曲がり」「パンツ」「ぼくとつ」・「外野」「安泰」「さもしい」
「火炎」「牛乳」「引き潮」・「電話」「化粧品」「おじいさん」
「疾風」「欄干」「寒椿」・「桜」「時計」「道」・「金」「銀」「パール」
「マロングラッセ」「パパイヤ」「じゃんけん」・「かもしか」「プール」「甘納豆」
「イエローページ」「ぬいぐるみ」「赤いマフラー」・「ニッケル」「ナックル」「歌ってる」
「鳥」「朝」「虚構」・「無視」「パターン」「デイタイム」
「新聞」「サッカー」「バンザイ」・「破片」「侵蝕」「手品」
「竜神」「かき氷」「携帯電話」・「カウントダウン」「アマチュア」「青空」
「アイドル」「ソシュール」「なめ猫」・「なだれ」「たつまき」「かぼちゃ」
「重力」「ウルフルズ」「司令官」・「トトカルチョ」「ホッテントット」「アルバトロス」
「ノータリン」「言葉」「エゴイスト」・「もりあがる」「へこむ」「ぺっちゃんこ」
「とんかち」「栓抜き」「プリン」・「39度の平熱」「嘘の記憶」「片方から見た悪魔」
「ムームー」「むんむん」「むむっ」
449既出お題集300〜400:2001/06/05(火) 22:28
「ホタル」「楓」「ロビンソン」
「時間差トリック」「青い声」「3000マイル」・「蜃気楼」「カワウソ」「日本海溝」
「ノータッチ」「岩人間」「逝ってよし」・「預金通帳」「皮ベルト」「カフェオレ」
「影」「ノスタルジー」「旧字体」・「つくだに」「橋」「ざりがに」
「なるほど」「鋼鉄」「説明しよう」 ・「PC」「ドライブスルー」「きのこ」
「丸文字」「ふかわりょう」「清純派」 ・「さじ」「渓谷」「葵」
「猫」「笛」「苗」・「みそ汁」「あじの開き」「リンゴの花」
「青」「藍」「蒼」・「満月」「アイス」「新聞」・「先輩」「特売」「乾杯」
「ヒーロー」「魔法」「野武士」・「アイロン」「俳句」「灰皿」
「煙草」「しりとり」「ドブネズミ」・「奴隷」「数字」「徘徊」
「座布団」「スカート」「禁止」・「運命」「詐欺師」「窓」
「木星(3)」「木製」「金木犀」・「風」「風邪」「枷」・「朝」「ライター」「みみず」
「赤色」「青色」「茶色」・「どんぐり」「本」「八百屋」
「オートバイ」「命」「いろは坂」 ・「しわ」「社長」「ネックレス」
「灰」「梅干」「腕時計」・「蒸しパン」「無視」「せむし」
「鬱」「薔薇(バラ)」「黴(カビ)」・「人形」「輪」「刃」
「火星」「絶壁」「ウイスキー」
450名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 22:30
400からはまた今度。
結論、既出気にすること無し。
木星はなぜ三回も。 酒と涙と(漢&男と女)ってのが印象的でした。
お騒がせさまでした。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 23:06
名盤さんはお題ださない方針らしいですね。
442さん、よろしければお題ください。
(あたしゃ434なもんで)
452442:2001/06/05(火) 23:09
了解です。
では、「あじさい」「ガラス」「はぐれ雲」でお願いします。
453名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 23:15
既出お題リストアップありがとさまでした。
454既出お題リスト:2001/06/05(火) 23:24
>>453
いやいや、ここには凄いお世話になってるから、ささやかな恩返しです。
だーっと並べただけで、あんまり役に立たないし。
(あー作者別に並べたい。求人君作らしいのもあったが…真作かな)
455名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 23:26
>>454 求人君作らしいのもあったが
どれでしょ。読んでみたい。
456名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 23:32
>>206
だが、ちがうかなあ?
気のせいかも。
457名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 23:36
>>456
読点が多いし文体が違うと思うな。
458名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 23:38
気のせいか。
題材と心理学の本に引っ張られたようだ。
描写も彼にしたら切れがいまいちな感じが今した。
459名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/05(火) 23:44
「あじさい」「ガラス」「はぐれ雲」

わたしの部屋の窓に、今日もひたひたと、雨が降りつける。
窓のガラス越しに見えるのは、ぼうっと染み出すようなピンクと紫の色。
あじさいはわたしの心を見透かす事もなく、そこでじっと咲いている。
いつしか雨があがっていた。
窓を開けると晴れ間がのぞく。
天空の雲は風に流され、大きくなったり、小さくなったり。
はぐれ雲がわたしに向かって笑っている。

# 次は、「地図」「煙突」「ファスナー」
460名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 00:00
Webデザイナーライター及び、「文字でスケッチ」スレッドの
スケッチャーです。
(「文字でスケッチ」スレッドは、あまりみんな書き込んでくれないので
かな〜り、名無しさんのわたしが書いていたりしますが(藁)
こちらのスレッドでのわたしの作品番号をお知らせしておきます。

32.35.39.46.69.76.79.92.95.97.101.103.111.113.122.126.
143.156.176.179.184.185.197.208.219.224.235.241.261.
263.270.272.280.281.289.293.296.300(313).309.319(322).
323.326.390.394.404.414.421.429.

でした。まだまだ修行だな。
461名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 00:05
>>460
そんな時代は勘弁
462名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 00:06
あ、スケッチャーさんでもあったのか。解説書の君。
あとでよって楽しむデス。
463460:2001/06/06(水) 00:10
不条理系なんだけど、なんかニヤっと笑ってしまう一連の作品は、
めんじさんが名無しで書いている可能性が高いのかな?なんて思ってるんだけど。
あと、童話系のお話で輪ゴムでハチをつかまえるヤツがやっぱ好き。
他にもいろいろと気にかかるやつはけっこうある。みんな名無しさんだから
誰が書いているのかわからないんだけどね。
464名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 00:47
>>461
「そんな時代」って、427の「新聞の投稿欄」のこと?
いやだよねぇ。文字はならんでいるんだけど、さっぱり意味も主張もわからない。
なんて時代が来たら。
まぁ、発信する側が「自分はこれを主張したいんだ」って
内容を持ち続けている限り、そんなことはないと思うけどさ。
ただ「自分が何を言いたいのかわからない」という
人ばかりになったら、けっこう危ないかもしれないねぇ。
そうならないように、わたしも祈ってま〜す。
465名盤さん:2001/06/06(水) 00:56
(ローソン)(アフガニスタン)(スタンガン)
466名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 01:04
名盤さん、そりゃみ〜んな「バリバリ固有名詞」のオンパレードだねぇ。
「コンビニ」「西アジア」「武器」とか
でも、今のところ有効なお題は、「地図」「煙突」「ファスナー」なんだね。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 01:14
はあっ、はあっ。煙突に登れば広がる町内の地図。
3D、しかも実物大!
私は、ジャンパーのファスナーを下ろし内ポケットからタバコを取り出す。
火を点け、すうっ。 一気に吸い込む。
煙突の代わりに私が煙を吐きながら周りを見渡す。
「ちっ。」
舌打ちと共に火のついたタバコを投げ捨てた。
構わない。どうせ誰も居やしない。
「鎮魂は終わりだ。」
私はタバコの味とは異なる苦さをかみ締めながら煙突を降りる。
そして、町を出るのだ。
この煙突も・・・・工場も、数日後には姿を消す。
巨大な地図は死ぬのだ。
「本当に苦いモクだぜ。」
私は、もう一度だけ、わが青春の地図に向かって振り向き、そしてもくもくと階段を下りた。
降りながら、何時しか私は泣いていた。

次は「星」「銀河」「SF]

468名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 01:27
「星」「銀河」「SF]

俺は流浪の時間旅行者。
己の体験をSFにして食い繋いでいる。
昨日は生物の住む惑星に辿り着き小銭を稼いだ。
その場所は虎の穴。
銀河伝説を書いてやった。
この生物に理解できるのかと不安はあった。
予想は的中し、虎の穴にダミーを潜入させる事にした。
いつこの星に舞い戻るかは知らない。
さらば、虎の穴。


次、「戦国」「家族」「伝説」
469名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 01:32
本棚を見上げました。この角度です。毎日、僕はこの角度で、この本棚を見上
げていたのでした。

学校で先生に怒られました。
「昼に星が見えるはずないだろ。言い訳するな。お前は単に授業に飽きて外を
眺めていたんだよ」
僕には確かに星が見えていたのです。銀河の星々の瞬きは、太陽の光に負けず
に、僕の眼球に到達していたのです。
でも、僕は何も言えませんでした。
それからです。僕が図書館に通うようになったのは。
毎日、天文学の本棚から、何冊もの本を出し入れしました。最後まで疑問は解
けず、僕はSFにまで手を延ばして、そして結局は、SFといえないSFを書き散ら
す、どうしようもない作家になってしまったのですが、それでも謎は現在でも
謎のままでありました。

僕は図書館に通い始めました。僕の少年の時間が、今、再び動き出そうとして
いるのかもしれません。

「戦国」「家族」「伝説」
470名盤さん:2001/06/06(水) 01:35
地図にのってる最後の銭湯の煙突のてっぺんで、
誰か立小便をするひとに対して警告の張り紙をするかで
物凄い夫婦喧嘩が起こったが、長男がスタンガンでかたをつけた。
それで長男は、ローソンに行き、新聞と充実野菜を買いながら店員に
貴方アフガンで死んだ兵士の気持ちはわからんでしょう!と
叫びたくなったがやめた。家ではもうすっきり夫婦喧嘩
は収まっていた。そこでしかたないとおもったが
、家族でサザエさんをみた。タマがニャ−ゴと叫ばなければ
家族は崩壊していた。危ない所だった。

471名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 01:37
>>470
472名盤さん:2001/06/06(水) 01:38
地図にのってる最後の銭湯の煙突のてっぺんで、
誰かファスナーおろして立小便をするひとに対して警告の張り紙をするかで
物凄い夫婦喧嘩が起こったが、長男がスタンガンでかたをつけた。
それで長男は、ローソンに行き、新聞と充実野菜を買いながら店員に
貴方アフガンで死んだ兵士の気持ちはわからんでしょう!と
叫びたくなったがやめた。家ではもうすっきり夫婦喧嘩
は収まっていた。そこでしかたないとおもったが
、家族でサザエさんをみた。タマがニャ−ゴと叫ばなければ
家族は崩壊していた。危ない所だった。

473名盤さん:2001/06/06(水) 01:39
2重書きこスマソ
474名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 02:03
名盤さーん!
どうか、どうか次のお題を出してください……。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 02:19
「戦国」「家族」「伝説」
じゃないの?
476名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 02:53
今日は誰もいないのね
477作家志願:2001/06/06(水) 03:40
「戦国」「家族」「伝説」

昨日は戦国ゲームやりすぎて、夜中の3時に寝てしまった。
明日も学校だというのに、俺の意思はなんて貧弱なんだ。
いや、あのゲームが悪い。
あのゲームが、俺に「プレイしてくれ」と懇願するんだ。
無言の懇願ほど、重く効果的なものはない。
俺の家族は、流石に寝静まっている。
隣の部屋では、両親がぐっすりといびきの合唱だ。
二階建ての家がうらやましい。
とにかく寝よう。
もう、俺の睡眠を阻むモノはない。
そうだ。
ここからは、俺の天下なのだ。
あのゲームの中の信長のように、夢の中では俺が大将だ。
さあ、寝るぞ。
く〜く〜。

ビリリリリビリリリリリリリリ。
「ああ、うるせぇな」
俺は目覚し時計「グッモウちゃん」を止めるため、
仕方なく手を伸ばした。
ビリ…。
「毎朝、不快にさせてくれるぜ。何時だ? う、
うわわわわわわわわわわわわ」
俺がこの後、台所のテーブルをひっくり返すくらい慌てたのは
言うまでもないだろう。
星一徹だって、あのアニメで一回しかひっくり返さなかったんだ。
俺がひっくり返してもバチは当たらんだろう。
言っておくが、俺のは足を引っ掛けてしまっただけだからな。

教室へと駆け込み、机に飛び込んだ。
「ふ〜、どうやら…」
「よかったな、おめでとう。田中」
「あ、先生。間に合って良かったです」
「お前、勘違いしているぞ」
「どういうことでしょうか」
「『おめでとう』と言ったのは、
本校始まって以来の100回遅刻伝説を達成したことだよ」
「あ、あれ?
どうして先生がここに?」
「こ、この大たわけが!!」

俺はとうとう、伝説の男になってしまった。
「遅刻男、田中か…」
「臨時に家庭訪問やるからな」
「先生様〜。それだけはご勘弁を〜」
「ふっ。たっぷりと絞られるがいい」
「うぐぅ」
+++++++++++++++++++++
また、苦し紛れだった。
今度は、「後輩」「恋」「桜の樹」

478作家志願:2001/06/06(水) 03:43
>>477
しまった。冒頭で失敗している。
修正
今日は戦国ゲームやりすぎて、とうとう夜中の3時に
なってしまった。

479名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 04:46
>>477
あなたの趣味が なんとなくわかりました
480名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 06:06
「後輩」「恋」「桜の樹」

戦国ゲームをやりすぎた俺が目覚めた時、
時計の針は十時を指していた。
「やべえ。遅刻だ」
髪をとかす余裕もなく、
慌てて着替えて後輩の待つ公園へと急いだ。
チャリンコを思い切り漕いで約束の場所へ向かう。
思わず俺の顔はにやけてしまっていた。
桜の樹が見えてきた。
あそこで待っているはずだ。
樹の後ろにでも居て俺を驚かそうとしているに違いない。
しかし――後輩は居なかった。
約束の時間を一時間も遅れた俺は、
その日、初めての恋を失った。
家に帰り戦国ゲームをする。
「ああっ! 今日も徹夜だ」

次、「失望」「鬱屈」「蒼白」
481名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 06:14
作家志願ってハンドル、ネタだよね?(ワラ
482求人案内:2001/06/06(水) 06:38
戦国マニア?
信長の野望?
仲間がいる。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 07:19
求人くんもやってみなよ。
「オチをつける」とか「前作の続きにする」とか、自分だけの
約束事を決めて、ささっと書き上げるとおもしろいよ。
もちろん、直書きはだめ。エディターで書いて貼り付けること。
484求人案内:2001/06/06(水) 09:04
すんごく難しそう。
その言葉を使えというわけではないのでしょう?
そういう感じが出ていればオッケイで次の3つの言葉は自由に設定できる?
485求人案内:2001/06/06(水) 09:30
失望 鬱屈 蒼白

 満員電車で3回も足を踏まれて降りると僕はカレーの匂いのする店の横を通り
町に出た。月代を剃ったように禿げ上がった親父が3人続けて通り
吹き出物顔の太った女ときゅうりのようにやせ細ったマニアックそうな中学生が
僕のすぐ側を通り抜けた。
 僕はもっと華やかな人が見たかった。雪のように肌の白い大人っぽい人か
もしくはこの世の幸せを独り占めするように破顔する女子高生が見たいと思った。
 しかし、結局通りには紅の字のような女たちは現れず嫌な匂いのしそうな奴ばかりだった。
それから「おはようございます」と会社の木製のドアを開けると中年で性格の悪い田中さんが
山積みの書類を抱えながら足を踏みつけ、
「気を付けなさいよ。ボーっと歩かないの」とおまけを残していった。
 昼休みにカレーのいい匂いがした店でカレーパンとあんパンを買って食べたけどおいしくなかったし
帰りの電車でも蒸し暑い奴らに囲まれた。
 部屋に帰って鍵を開けてなかに入ると洗い残しからカビた匂いがしたし部屋はビール瓶や本で
散らかっていて手の施しようがないほどになっていた。
 僕はこの繰り返し繰り返し現れる現実が嫌だなと思った。そしてそれが嫌だなと感じている
自分をもっと嫌なものに感じた。
 その後、ゴキブリを見付け畳の上の布団で寝入った後で僕の嫌いな地震があった。
 僕は自分の顔色が変わっていくのに気付いた。

 ネクストキーワード
手紙 辞書 音楽

 
486名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 09:30
1.に書いてあるとおり。
自由な発想を刺激する練習にもなる。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 09:34
求人くん。もう少し短い方がいいな。
でも、面白いでしょ。
488名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 09:47
「手紙」「辞書」「音楽」

芝が綺麗に刈られた公園に僕は一人寝転がっていた。
音楽を勉強しようとパリにやってきたのは
今から丁度三年前。
学校では何人かの友達もできた。
でも、みんな国に帰っていった。
イタリア娘が突然学校から姿を消してから二ヵ月後の今日、
彼女からの手紙を受け取った。
イタリア語で書かれたその手紙は僕には半分しか分からなかった。
彼女が僕の部屋に忘れていった辞書を鞄の中から取り出す。
ページから零れ落ちた写真を手にすると、
僕が笑っている姿が映っていた。

# 次、「仕掛け」「講堂」「おみくじ」
489名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 09:58
>>484

求やン、言葉をそのまま文に混ぜるのがルールだよん。
電話>感電話法 みたいに加工するのは一応OKみたい。
お題の固有名詞は倉木麻衣あたりは不可。
アインシュタインあたりは可。
常識的な名詞ならありのようです。

やっぱ求やンの文は絵がでていいなあ。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 10:28
>>489
何故倉木麻衣が不可でアインシュタインが可なんだよ
こういうところがむかつくんだよな
491名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 10:30
>>490
みんなが知っているかってことでしょ。
アインシュタイン知らない人がいるとは思いにくい。
ちなみにおれは倉木とやらを知らない
492名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 10:35
普通の辞書にも載っていそうな固有名詞はありでしょ。
って、なんでわざわざ固有名詞にこだわるの?
固有名詞なしでいいんでないの。
493求人案内:2001/06/06(水) 10:37
仕掛け、講堂、おみくじ

講堂には和尚の声が聞こえてくるラジカセの仕掛けがある。
僕はそれを知っていた。
和尚は裏の部屋であんみつでも食べているのだろう。はたまた鼻毛でも抜いているのだろうか?
奴らだっていい加減なものだそう僕は思っている。

僕はおみくじを買ってろくに中身も見ずに木に結んで石の階段を下った。
赤い大きな鳥居を抜けて往来を直進して八百屋やボロアパートを歩き過ぎた。
森と団地の陰になった人目のつかない公園で僕は見た。
和尚は黒い原付を腰掛の側に置き煙草をくゆらせていた。
胸ほどある繁みの隙間から気付かれないように見ていると
和尚はすごく嫌な顔をした。何かに怒っているような顔だ。
僕は一人でほくそえんだ。

次は「カクテル」「マザーテレサ」「ケータイ」
494求人案内:2001/06/06(水) 10:39
辞書言葉でいくということでしょうか?
でもビートルズとか入れてみたいですよね。
黙認になる?
495名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 10:42
お、いいね。
496名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 10:44
虎の穴に投稿があるから抜けます。
497名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 10:45
>>491
倉木麻衣を知らない時点でお前の知識は偏ってるよ
………って言うかネタだろ?知らない人間なんかいるのか?
498491とは別人:2001/06/06(水) 11:04
名前しか知らないが、何か?
499名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:08
>>497
偏見だよ。あと、スレの趣旨とは関係ないことだからsageようね。
500名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/06(水) 11:09
我々はこのような堕レスをした498の脳波を調べるべく一路ロシアへ飛んだ
501名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:13
>>499
でも、普通一般人、いや若者なら誰でも知ってる事だろ。
そういう意味では知識の幅が狭すぎるってことを言ったの。
大体テレビとか見てたら普通に情報として入ってくるだろ?

>sageようね。
こんな過疎地でageもsageも無いと思う
502名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:22
「カクテル」「マザーテレサ」「ケータイ」

我々は自分こそ駄レスをしている500と501をネタにカクテルを飲み、
マザーテレサによる愛の説教を聞かせてやろうと
ケータイを取り出した。

次は、「屈辱」「反論」「オマエモナー」
503499:2001/06/06(水) 11:23
>>501
>でも、普通一般人、いや若者なら誰でも知ってる事だろ。
それが偏見だと言ったのです。

sageはマナーです。こんなどうでもいいレスでスレをageてはいけません。
504作家志願:2001/06/06(水) 11:24
>>481
ハンドルがネタだとなぜ、バレた?
ちゃんとしたペンネームがあるのだけど、ここで公開したくない。
名前パクる厨房が絶対いる。なにせ、2chだし。
ここにいる奴で、自分のペンネーム名乗っている人はいないでしょう。
あんなクソ文章でも、プロ目指しているしね。
ああ、笑ってくれよ。
て、誰に言っているんだ? 俺。
505名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:28
>>493
うん、いいね。
でも、読点を打たないのは、求人案内君のスタイルなのかな。読んでいて息継ぎが
できないために、雰囲気の重さを増している感じだね。
こういう書き方は、多分に内容を誤解されやすいと思うんだけど、どうだろうか?
すでに、名をなしたプロならば独自スタイルとして通用することも、アマチュアの
場合だと、「よくわかんねぇ」で済まされてしまうことがあるかもしれない。
歯切れのいい文章での作品も見てみたいなぁ。と思っていますよ。

>>497
固有名詞に頼る。ということは、その言葉の持っている力に頼る。ということでも
あります。言葉の持っている具体性が強ければ強いほど、作品の中で暴れます。
そんなノーコントロールの文章を自分の作品として出す行為を「恥辱」と思わないなら
それもよし、です。(ただ、その暴れん坊な言葉を、他人に強制するのはやめてください。)

もちろん「おとずれて欲しい未来」は、あなたのもとから大急ぎで
逃げ出して行くことは間違いありませんが。
506名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:33
>>505
最後の2行がすごく気になる
説明しろよ
507名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:40
>>505 「読点を打たないのは、求人案内君のスタイルなのかな。」

あの程度の文長なら読点なくてもいいよ。
逆に、読点で文章の拙さを誤魔化すこともできるから、
読点なしで文意が通じる文章を書くのも修行になるよ。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:42
「屈辱」「反論」「オマエモナー」

結局のところ、この場所が罵倒の嵐になってしまうのは、
「作品」としてしっかりした形での反論ができないゆえの
「屈辱的なくやしさ」ゆえなのだろうな。ということを
わたしは、理解した。

わたしはハッキリ言ってやろうと、最中を食べながら夜道を急いだ。
「お前はくやしいだけだ。自分ができないくやしさを他人に
責任転嫁しているだけだ……」
そこまで言いかけた時に、ナイフを持ったあいつはわたしに突進してきた。
「おっ、お前」
最中の残り半分が、地面にゴロリと転がった。

#うぉ〜、2ch用語もやめてくれぇ。固有名詞以上の嫌悪感があるぞ!
お題は「椅子」「名刺」「カタログ」でよろしく!
509名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:53
「椅子」「名刺」「カタログ」

こうして軌道修正された事に俺は一抹の不安を感じていた。
――何かが違う。
俺は真剣にラップトップの画面を見詰める。
その時、後方で椅子が倒れる音が聞こえた。
「何やってんだ、お前は」
営業用のカタログを手に丸めた課長が、
赤鬼のような顔をして仁王立ちしている。
今にも振り下ろされようとしているカタログから視線をはずした俺は、
「課長。そろそろ昼飯ですな」
とにこやかに語りかけた。
慌ててラップトップの蓋を閉じた俺は、
現実世界へと引き戻されるのだった。

# 次は、「梅雨」「昼休み」「受付」
510名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 11:58
>>506
そのものズバリ「固有名詞バリバリの文章を書く人には未来がない」ってことさ。
固有名詞にこだわる人間ほど、ボキャブラリーが足りない。ということに
気がついて欲しいんだけどな。あっここで言うボキャブラリーとは
単語の数を知っている。ということではなく、適切なタイミングで適切な
言葉を使い分けできるか?ってことだよ。
ボキャブラリーの豊富な人ほど、「ムカツク」と「キレタ」の間にさまざまな
段階を表現できるんだよ。

>>507
うん、そうだね。そういった部分での勉強にもなるね。
511求人案内:2001/06/06(水) 12:02
と、読点の打ち方なんてあるのですか?
産まれてから一度も考えたことがない。
512作家志願:2001/06/06(水) 12:09
>>511
読みやすくすることが読点の役目。
声に出して読んでみて、一区切りと思った場所に打つ。
あとは、意味をはっきりさせたり強調させたりするのに、
効果的である。
有名な例文。
「ここではきものをぬげ」
513名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 12:09
麗美さんは、いいところで打ってたよ。
2ch偵察の為の偽装かと思ったくらい。
514名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 12:09
「梅雨」「昼休み」「受付」

「大人げない、か。言われちゃったなぁ。ふぅ〜」
山脇は、雨降りの外を見ながらこうつぶやいた。
ラーメン屋のテレビは、関東地方が梅雨に入ったと伝えるニュースを
伝えていた。
目の前に出された定食を食べ終わり、混雑する昼休みのオフィス街を
会社へと急いだ。
「やっぱり、あやまっておくことにするか」
午前中とは、少し軌道修正された頭に受付のあの娘の顔が浮かんだ。

#ははっ、まぁ、仲良くやりましょうや。マターリ板なんだもんね。
お題は、「水しぶき」「タクシー」「買い物袋」でよろしく!
515求人案内:2001/06/06(水) 12:17


声に出すですね。
516514:2001/06/06(水) 12:17
×会社へと急いだ。
○会社へと急ぐ。
だな。他が全部「〜した」の過去形になっているから変化をつけるためと
最後の「浮かんだ」への対になってリズム感がよくなるんじゃないかと思った。
日本語を書く時の規則は、比較的ゆるやかだから、難しい。とも言えるし
表現の工夫ができる。とも言えるな。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 12:19
>>510
いやね、それと俺とどう関係がある?って事。
俺がいつ固有名詞バリバリの文章(小説)を書いた?

俺は「倉木麻衣」という固有名詞について論争してただけなんだが。
「知らない人がいるからこの固有名詞は不可」は、もういい。俺も納得。

だが人の作品製作能力まで否定するような言い方はやめてくれ。
518求人案内:2001/06/06(水) 12:24
水しぶき タクシー 買い物袋

寅はタクシーの運ちゃんとやりやった。
「釣りはいらねえよ」
「ちょ、ちょっとお客さん足りませんよ」
「釣りはいらねえって言ってるじゃねえか」
「お客さんお釣り」
「へっ」少し高い声を寅は出した。やっとお金が足りないことに気が付いたのだ。
顔を少し赤くしながら財布を見た。しかしそこには小銭が少ししかなかった。
「ひぃ、ふぅ、みぃ」と数えていると露骨に運転手は嫌な顔をした。
「まけてくれない」といったが駄目だった。
「お客さん、困りますね」とイライラしている。

やっとのことで払い終え外に出た。寅は腹がたったので水しぶきをタクシーにかけてやった。
「ばかやろー」と言い合う。

しばらく歩いて気付く。買い物袋を忘れた。
519求人案内:2001/06/06(水) 12:26
「小泉」「田中」「橋本」
駄目?
520514:2001/06/06(水) 12:26
きちんと確かめろよ>自分
×ラーメン屋のテレビは、関東地方が梅雨に入ったと伝えるニュースを伝えていた。
○ラーメン屋のテレビからは、関東地方が梅雨に入ったことと伝えるニュースが流れていた。
重ね重ねスンマソンでした。やっぱり直書きは、やめた方がいいかな>自分
エディタで書いて、貼り付けるようにするか?
521名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 12:31
>>517
あっ、そうかゴメンゴメン。何がなんでも「倉木麻衣」を使いたいのかと
オモテタよ。で、そういう人だったら問題あるな。と感じたわけさ。
517さん自身の能力を否定したわけじゃないよ〜ん!
522名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 12:32
直書きはいけません。求人くんもダメよ。
523517:2001/06/06(水) 12:34
>>521
こっちもゴメンネ
524名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 12:37
>>519 ダメ
525名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 13:18
「水しぶき」「タクシー」「買い物袋」

頭の上の空が、くっきりと青い空と黒い雲で分かれているのに
気がついた僕は「へんな空だな」と見上げながら歩いていた。
両者は、しばらく押し合いへし合いしていたが、
黒い雲の側が「ぐぐぐっ」と乗り出し、ちょっとだけ優勢になった。と思ったその時
突然ものすごい勢いで雨が降ってきた。
「どうやら、青空は劣勢らしいぞ」
バカなことを考えながら、傘を持っていない僕は、靴屋の軒先に避難した。

急激な雨は、道路のへこみにあつまりはじめた。
そこは、ちょうど車のタイヤが通過するところ。
車が通るとしぶきが歩道に勢いよく撥ね上がる。

そこに傘をさしたバアちゃんが歩いて来た。買い物袋をさげている。
向うからタクシーが勢いよく走ってくる。
「パシャパシャ」細かな飛沫を上げながらタクシーがせまってくる。
「あっ、バアちゃんびしょ濡れだ。あぶねぇぞ!」と思った瞬間、
バアちゃんは、傘を「スッ」と斜めにしてそれを防いだ。
「うほぉー!」と拍手する僕を見て、バアちゃんは「ニカッ」と笑った。

テント地の屋根をたたく音が小さくなった。
顔を出すと頭の上には青空が広がっていた。
「おぉ、青空のうっちゃり勝ちだ!」
僕は、水溜りと飛び越えつつ、再び歩きはじめた。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 13:21
お題がないぞ
527525:2001/06/06(水) 13:28
えっ、求人君が出すかと思っていたんだけど、じゃぁこっちで出しておくことにするよ。
「チーズ」「陶器」「胃腸薬」でよろしく!
528名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 13:32
そういや求人くんが出すはずだったな。
オイラが却下したのに、他スレに活気があって忘れてた。
求人くんいないから、それにしましょ。
オイラもおちます。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 21:35
彼女が「お腹痛い」と言うので、手持ちの胃腸薬をやった。
がしかし、それは下剤。何も知らずに彼女は「ありがとう」だってさ。
あと数分でゼミの発表があるのにな。

ゼミの野郎共にとってのセックスシンボルが発表中。
彼女の様子がおかしくなった。効いてきたのか?
額から脂汗を垂らしながら、顎には迷路の様な皺を
作りながらけなげに発表する彼女。
その時だった。教室中にチーズの様な匂いが充満した。
皆は顔をしかめたが、彼女だけは違った。一瞬、子供のような、
あどけない顔をしたと思うと、その場で涙を流した。
彼女の陶器の様な白い太ももからは濁った液体が流れていた。
俺の鉢植えのような色をした陶器が大きくなった。
530名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 21:57
「いっか〜〜〜〜〜〜ん!!!」
とある陶芸家の声、その後に陶器の割れる音が鳴り響いた。
「こんな壷じゃいかんのだ!」

壷を割ることが趣味なのかと思えてしまうような師を仰ぎ、
毎日胃痛と戦い続けなければならなくなった少年N。
今日も胃腸薬を飲むためにコップに水を・・・と思ったが!
台所を探してもコップが一つもない。
「あいつとうとうコップまで割り始めやがったか・・・」
師に軽蔑の念を抱きながらも、水を入れるための器を探す。

見つかった、しかしそれは師が最も大切にしている伝説の壷であった。
もし傷付けてしまったらどうしようかとも思ったが、
それはそれで面白いと思ったNはその壷に水を注ごうとした。

やめた。びっくりした。
中からいかにも未来(2112年頃)から来たようなネコ型ロボットが出てきたのである。
唖然とするNに「それ」は告げる。
「気晴らしに未来に連れてってあげるよ、20秒だけ」

未来にやってきたNは戸惑った。何をすればいいのか・・・
仕方なく未来の風景をバックに、写真を撮ってもらうことにした。
カメラを持った「それ」は、声高に叫んだ。
「じゃあいくよ!ハイ、バター!」

面白くなかった。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 22:02
お題は……
532名盤さん:2001/06/06(水) 22:23
牛乳。ほうれんそう。フライドポテト。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 23:13
530です、色々ルール無視して申し訳ないですm(__)m
捻りが欲しかったもので。
次はきちんと・・・なってたらいいなぁ。
無理だろうなぁ(T-T)
##################################################
朝起きた。
牛乳を飲む、美味しい。
今日も平和な日常が繰り返されると思われる。
「ポパーイ、助けて〜」
今日も平和な日常が繰り返される。

仕方なく叫び声の方へ向かう。
するとお馴染みのブルートがオリーブを捕まえている。
今日もさっさと事を終わらせて仕事に行きますか。
取り出だしたるは力の素♪
そうさI love フライドポテト〜
I made of フライドポテト〜





まさかブルートもフライドポテトを持っているとは思わなかった(汗
これはどうにかせねば・・・
目の前にある不味そうな、青汁の成分第一候補っぽそうな緑の草をどう使えというんだ?
ほうれんそうかぁ、とりあえず食べてみよう・・・劇マズ。
むかついたからブルートに投げつけてやった。
おっ!?ブルートのやつアフォだから口に含みやがった。
結構効いている!?
今のうちにオリーブを助けられる、よし!

オリーブを助けた俺はすぐさま彼女を抱きかかえ、
彼女の口にほうれんそうを含ませた。
「お前おとなしくしてろよ」

これって結構便利アイテム?いつも持ち歩くことにしよう。
##################################################
ポパイの真実でした。
534530 && 533:2001/06/06(水) 23:16
省略悲しい(:_;)
530も533も長すぎたと反省sage
お題はどなたかplz
535名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 23:26
「吹雪」「炎」「稲妻」でどうよ?
536名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/06(水) 23:35
頼むからさ、ちゃんとお題にしたがって作品を書いた人は、しっかりと次のお題を
出してよ。流れが途切れるからさ。簡単に権利放棄をしないで!
第三者が出し始めると収拾つかなくなるからさ。
次は、「吹雪」「炎」「稲妻」でいいんだね?あとから、お題を出したりしないでね。
537(・∀・):2001/06/06(水) 23:42
530 && 533 && 534です。
もらら好きなんでここのコテハンで。
##################################################
「この桜吹雪が目に入らねーか!?」
決まったよ。
アツイよ。
炎のようにアツイよ。

姿勢を正した瞬間腰の稲妻が走った。
ぎっくり腰だよ助けてママン
##################################################
遠山左衛門尉の真実でした。(ウソ
538(・∀・):2001/06/06(水) 23:47
>>536
はい、申し訳ないです(^-^;

お題
「献立」「Y氏の隣人」「西部警察」
539535:2001/06/06(水) 23:47
連続で書きたいから題を出さんのか?
勝手すぎるぞゴルァ!
540(・∀・):2001/06/06(水) 23:49
俺、536さんの意味わかってないし(死
ごめんなさい、とりあえず「吹雪」「炎」「稲妻」でお願いします。
それと敬称抜けて申し訳ないです。
541(・∀・):2001/06/06(水) 23:53
連続取得申しsage

>>535さん
文考えているとそれで頭がいっぱいいっぱいで・・・
537はマジ天然です(死
すみませんm(__)m
とりあえずは536さん待ちということで自粛しておきます。
542(・∀・):2001/06/07(木) 00:01
>連続取得申しsage
連続取得て・・・連続投稿です。
本当に鬱です、、、もう現れません。
板汚し失礼しました。
543「吹雪」「炎」「稲妻」:2001/06/07(木) 00:25
3月初旬、山荘にて

窓の外を眺めた。
風向きが定まらずに、あちこちにぶつかりながら駆け抜けて行くのが見える。
「今日は荒れそうだ」そう予感した。

しばらくして、雪が「ぽそっ」と降り出した。
今時分の雪はつぶが大きい。大きいつぶが「ぽそっ、ぽそっ」と言いながら
いつのまにか途切れることのない降りになっている。
暗くなるにしたがって、降りが強くなってきた。まるで吹雪のようだ。
街燈に照らされる雪の軌跡が、どんどん横向きになって来た。

突然窓の外が一瞬明るくなった。
直後に、「パリパリパリッ、どっどーん」という雷鳴が響いた。
わたしは、窓に顔をこすりつけ目を凝らした。
雪に視界を邪魔された中で、かろうじて、稲妻の形が見えた。
同時に、山小屋の電気が消えた。
わたしは、そのままアームチェアに座りなおし、
暖炉の炎の前で「雪雷の轟き」に冬の終わりを耳で感じていた。

#お題は、「インスタント」「図鑑」「免許証」でよろしく!
544543:2001/06/07(木) 00:27
あっ、そう言えば「吹雪」「炎」「稲妻」 って、ファミコンのゲームに
なんか関連があるの?ネットでいろいろ調べて「そうなのか」と思った。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 00:47
>>(・∀・)
逝くこたぁないよ。そうやってみんな強くなっていくのさ。
あと、お題に固有名詞はやめてあげてね。

遅かったか……。「吹雪」「炎」「稲妻」で。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どんどん激しさを増す吹雪の中、二人は捜索を続けていた。
しかし、もう限界だった。視界は限りなくゼロに近い。
その時、前を歩いていた谷中は、背後の異変に気づいた。
振り返ると、後ろにいるはずの伊達がいない。
呼ぶ声は、どれだけがなり立ててもすぐに吹雪にかき消されてしまう。
谷中は焦った。焦りがミスを誘った。磁石をなくした。
麓への退路は、断たれた。
冷たい死が忍び寄る。指を蝕む。膝を這い上がる。肘を伝う。
谷中は、知らず雪に突っ伏していた。
気がつくと、雷が遠くに聞こえた。いや、近くだった。
稲妻が走り、目の前の木に落ちた。火の手が上がる。
木は、谷中めがけて倒れた。
心地よい暖かさに抱かれて、谷中は穏やかな気持ちになった。
谷中は炎に包まれていた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
お題は543さんの「インスタント」「図鑑」「免許証」ですじゃ。
546名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 01:04
勝手に怒って勝手に消えるのは幼稚だと思いますよ。
みんな文学やりたかったり楽しみたくて来てるんでしょ。
だったらそんなに肩肘張らないでいいんじゃないの?
・・・生意気だったらごめんなさい。

「インスタント」「図鑑」「免許証」

ひとり暮らしの食生活は荒む。
カップラーメンをずるずると吸い込みながら、哲は情けない思いで親からの葉書に目をやった。
「元気でやっていますか」。
ああ、せめてインスタントラーメンをゆでてねぎに卵ぐらいは入れたいなあ。
しかし、哲にはそれすら手間なのだ。
「昔、あなたが小学校だった頃、こんなことがありましたね」。
10年前を思い出し、哲はしばし箸を止めた。植物図鑑ばかり眺めている大人しい少年だった。
それが、今では・・・。
「私は、この間、50歳になりました。実は免許証を取ったのですよ。記念に、と思い。お父さんには大反対されましたけれどね」。
カップラーメンの妙に甘い肉片を見つめて、哲はふと、涙を落とした。

次のお題は、「メール」「化粧」「履修申請」
547名盤さん:2001/06/07(木) 01:05
インスタントカメラで、妻のなくした免許証を図鑑でしらべてみる。
勿論そんなものは乗っていず、ただ対象喪失というこ言葉だけが頭にちらつく。
お次は「のこぎり、首、土の中」で
メールで化粧しながら履修申請した。
履修申請は、見るからにメールな化粧であった。
化粧しているメールは、かなり履修申請であった。
孟宗に遅われた渡しわ、とりあえずエロエロこねてみた。
コレで飯のだ。忌みなんか執拗ないの田。

#ただ文字を組み合わせただけで意味もないなので、お題はパスします。
こんなんでもいいですか?
549名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 01:49
名盤さんはシュールでいいなあ。(短いけど)

(・∀・) さん、逝かなくてもいいよん。

>ぎっくり腰だよ助けてママン

にあんたの才能が光っている。(ような気がしないでもない)
また見せてください。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 01:59
>>549
シュールってどういうのを言うの?
551名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:07
語源はシュールリアリスムだな。
ダリとかの絵みたいなやつ。
象の足がながあああああい。

名盤さんのは何か変な絵が浮かぶのが妙。
上手いのか天然なのかはわからん。

>>436の臓物ばあさんに俺はやられたよ。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:13
>>550
553名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:14
>>551
それって、意味不明とは違う価値のあるものなの?(もちろん、ダリの絵とかは知ってるよ)
わたしは意味不明の日本語を見ると思わず吐きそうになってしまうのだけど、
みんなはだいじょうぶなの?
これは、決して個人攻撃とかじゃないよ。それよりも、みんながそれを楽しめているのか。
っていうところがとても気になるんだ。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:22
>>553
俺は割と平気。
実は字を見ると即座に絵に変換するくせがある。
でたらめな文でも、妙な絵と、ただの混乱とがあって結構おもしろい。
(三題話としたら、あんまり良くないので、増えると困るけどね)
555名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:33
>>554
なるほどねぇ。こうなってくるといい悪いじゃなくて、生理的なものかもしれないですね。
わたしは、読みにくい文章とかにあたると、途中で気持ち悪くなって先に進めなくなってしまうですよ。
なんか脳みそが拒絶反応を示すような感じがします。
まぁ、訓練してもこれは直らなさそうですが、自分。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:38
>>555
そういう人にはシュール系辛いかもね。
人それぞれ文のリズムとか立脚している美意識とか違うから
やっぱ、面白いね!
557名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:40
>>(・∀・) さん
私も残って欲しいに一票です。

無理矢理、お題、「メール」「化粧」「履修申請」

履修申請をしたが却下だった。
目の前のディスプレイには、ただ一通のメールが表示されていた。そして、そ
こには、遅刻した貴方が悪いという旨のみが書かれてあった。これで一年が浪
費される。たった数十分の眠りが、一年の浪費に化けたのだ。どんな女が化粧
したって、こんなに化けれるものではない。
と、僕の足元にいた蟻が「喋った」。
「たった一年だろ。俺はどうなるのよ。その一年が一生だよ。充実せえよ」

「ギリシア」「会社」「ファイル」
558名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 02:55
シュール系は好き。いや、むしろシュール系が好き。
じぇんじぇん関係ないけど555はよく喋りそうな気がするな。まくしたてるように。

>>557
>>547の題はノーカウント?
559名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 03:25
さて混迷を極めて参りました、三題文スレ。
この先、展開の予測がまったくつきません!
560名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 03:37
>>558
546さんがすでに書いたぶんに547さんがかぶっているので、
今の流れでよいと思われ。

「ギリシア」「会社」「ファイル」
561名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 08:43
会社のファイルの中に失われたギリシアが眠っている
もう眠ろう

「くりからもんもん」「まほろば」「げっぷ」
562名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 08:49
>>559
一行文スレと同じになって行くんじゃないのかな?三題一行分にさ。
563名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 08:53
煽りまがいの一行文とシュールの違いが、オレにはよくわからんよ。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 09:29
「くりからもんもん」「まほろば」「げっぷ」

まほろばに張り付けられているくりからもんもんは、げっぷをした。
「もうたくさんだ」
創造の時代は終わった。破壊の時が来たのだ。
悪魔はすぐ後ろまでせまっていた。

「三途の川」「拷問」「大王」
565名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 10:25
>>561
ひでぇ題だな(w

>>564
これもひでぇや(w
566名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 10:50
俺は真面目なふりをしているやつが大嫌いだ。虫酸が走る。
そういうやつがマジにやっているとなんでも邪魔したくなる。
ぶちこわしたくなる。
壊すのは簡単だからな。簡単で楽しいぞ。
やつが真面目なふりをして作ったものをぶちこわすのは快感だ。
こいつだけは三途の川の向うで閻魔大王に拷問にあおうとも
やめるわけにはいかない。

「臓物」「したたる血」「ぎょろ目」
567求人案内:2001/06/07(木) 11:18
臓物 したたる血 ぎょろ目

 飛鳥は僕にぎょろ目の一瞥をくれた。
「あなたは素知らぬ顔でそこにいるけど、あなたはもう気付いているはずよ」
 と飛鳥が迷惑しているのよといった顔でこっちを見るので、僕は少しよれた袖口をなおしながら、
「何の話だい?」と聞き返した。
「あなたの心は臓物からしたたる血のように傷ついて悲鳴をあげているじゃない」
 と飛鳥は答えた。僕はその言葉に一笑した。ひどく愉快な気分になったのだ。
「僕は極めて明朗で元気だよ。悲鳴をあげているのは君のほうだよ、だから僕のことをそんな風に思うんだ。
きっと疲れているんだよ、君は」
「・・・」
 飛鳥は沈黙した。
「少し袖まくりでもしてみるといい。庭をゆっくり散歩しておいで」
 飛鳥は背を向けた。
 僕はその背中に満足した気分になり、僕も背を向けた。

「ギター」「聴衆」「涙」
568名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 11:21
>>567
お、上手くまとめたな。いいねこれ。
569求人案内:2001/06/07(木) 11:23
本当?笑
短いとお決まりになりますよね〜。

美しいものが書けるお題がいいな、個人的には。
570a:2001/06/07(木) 11:40
a
571名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 11:40
そうだね。僕も美しいお題キボーン。
おどろおどろしいお題を好んで出す人の頭の中を覗いてみたいもんだ。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 11:45
ギターは突然あばれだした。
聴衆は逃げ惑い、ふみつぶされ、涙をしゃぶった。

「北斗」「必殺」「疾風」
573名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 12:00
北斗七星を見たい、それは青年の、夢だった。
厳格な家庭で育てられ、東京山の手を離れたことのない青年に、それはいつ果たされるとも予測のつかないあえかな願いだった。
ミッション系の大学に入学した彼は、「星見会」というサークルを見つけた。
彼の胸に疾風のごとく駆け巡る北斗七星への思い。おお、ついに見られるかもしれない。
青年は足取り軽く「星見会」の部室の扉を叩いた。
線の細い男が中にはひとり、机に向かい、ノートに何かを記していた。
「必殺・・・何技にしようかな・・・いい名が思いつかんな・・・うーん」。
部室の壁は青年には思いもつかぬ格闘技のポスターで埋め尽くされている。

5年後、「北斗」はプロレス界のスターになった。

「オリーブオイル」「OL」「組合」


574名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 12:09
OLがオリーブオイル風呂に入っていると
まわりに天つゆをかかえた男達がよだれをたらしながら寄ってきた。
風呂は突然沸騰する。

「狂牛病」「止まった柱時計」「いけにえ」
575574:2001/06/07(木) 12:11
組合の集まりが終わって、OLがオリーブオイル風呂に入っていると
まわりに天つゆをかかえた男達がよだれをたらしながら寄ってきた。
風呂は突然沸騰する。

「狂牛病」「止まった柱時計」「いけにえ」
576求人案内:2001/06/07(木) 12:24
狂牛病 止まった柱時計 いけにえ

狂牛病はひどくメルヘンチックで、止まった柱時計から妖精が飛び出してきそうな山奥にまで広まった。
ポコリンという可愛い名前をつけてもらった老人は揺れる肘掛け椅子から立ち上がり
爪先を伸ばすように広い草原を見詰めた。
 そこでは狂牛病の牛が円をかきながら20頭くらいで踊っていた。
そして鼻を垂らした妖精も一緒になって踊り、近所の馬鹿餓鬼も来て踊っていた。
(なんてふざけた奴らなんだ)とポコリンは思った。
(永遠に踊ってろ)
 しかし、老人は肘掛椅子に帰る途中少しだけ踊っていた。

「文学者」「科学者」「スポーツマン」
577名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 12:31
「文学者」「科学者」「スポーツマン」

文学者は科学者に飲み込まれた。
科学者はスポーツマンに飲み込まれた。
スポーツマンはミミズをすすって飲み込んだ。

「反逆者」「殉教者」「有象無象」
578577:2001/06/07(木) 12:33
文学者は科学者に飲み込まれた。
科学者はスポーツマンに飲み込まれた。
スポーツマンは緊張に飲み込まれた。
579めんじ:2001/06/07(木) 12:38
「反逆者」「殉教者」「有象無象」

はんぎゃくしゃ 【反逆者】
 正しい教えを守らず、頑迷に異教を守り通す悪人。
じゅんきょうしゃ 【殉教者】
 異教の教義に抗して、誠実に正しい教えを守る善人。
うぞうむぞう 【有象無象】
 宗教のなんたるかを知らない大多数の凡人。

次、「ズボンつり」「リバーシブル」「ダンディズム」
580名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 12:49
だぶだぶパンツのズボンつりが「パチン」とはじけた。
ずりさがったパンツの裏側からリバーシブルの「ひねくれ」がちょっと顔を出す。
わたしは、あわててパンツをひっぱりあげ、それを隠した。
「懸命でも一生」「気楽でも一生」
はて、わたしのダンディズムはどちらに軍配を上げるのだろうか?

「ラッパ」「手裏剣」「鳥目」
581求人案内:2001/06/07(木) 12:49
おもしろい。
582名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 13:39
「ラッパ」「手裏剣」「鳥目」

「こんなのをいつも吹いていたんじゃだめなのよ」
「本物を吹かなくっちゃ」
さっきまでブーピーととラッパを鳴らしていた女の子が
ふいに怒って、おもちゃのラッパを投げ捨てた。
「そう?本物にはなれなくても楽しいことだっていっぱいあるさ。
何をムキになっているんだい。ぼくは一生このままでかまわないさ」
男の子はプラスチックの手裏剣を磨いていた。

ふたりのいる木の上で、枝にじっとうずくまりながら聞いていた。
だれかが僕のことを「夜目が見えない鳥目だ」なんて言うけれど
僕には、もっと大事なものが見えているのを誰も知らないんだ。

「土塀」「巻紙」「くしゃみ」
583名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 13:52
なんか芸術性重視な作品が増えてきたな。
みんながそういう作品に走っているのか。
それとも一部の人が多数投稿しているのか……
584名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 13:56
「土塀」「巻紙」「くしゃみ」

土塀のわきに、犬がゴロンと死んでいた。
おなかからはウジがわいている。
「おじいちゃん、このウジってハエになるんでしょ」
「そうだな。でもみんながハエになれるわけではない。ウジのまま
一生を終えて、飛び立つことのできないウジもたくさんいるからな。」
わたしは、おじいちゃんの言ってることがよくわからなかった。
カラスが飛んできてウジのわいているおなかを突っついた。
犬はびくんとビックリしたみたいに動く。
まさかウジを食べているのだろうか。ウジはあとからあとから湧きだしてくる。
「はねの生えなかったウジは、どうなるの?」
「いや、どうにもならんよ。そのままじゃ。そのまんま。
わしも結局飛び立てなかったわい。わっはっはっは!は〜っくしょん!」とくしゃみをした。
おじいちゃんは、トイレットペーパーを巻紙のように、ささっと広げて
鼻をやけに長いことかんでいた。

「しつこい奴」「猫の手」「くまんばち」
585名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 14:25
「しつこい奴」「猫の手」「くまんばち」

いかにも酔っ払い。といった風情のしつこい奴がしきりにからんでくる。
真っ赤で大きな鼻が、まるでピエロのようだ。
「おぅおぅ、なんで逃げるんだ。えっ?どうすんだよ」
どうすんだ。と言われてもわたしは猫の手も借りたいほどに忙しい毎日を
送っているんだ。おまえなんかの相手をしているひまはない。
するとピエロは、こちらの気持ちを見透かしたかのように急に紳士然と尋ねてくる。
「じゃぁ、だんなは、毎日それで満足なさってるんですね。なんにもしたいこと
なんぞ、ございません。ってぇこってすか」
「うっ、そっ、それは」言いよどんだわたしを見てピエロは小さな箱を手渡して忽然と姿を消してしまった。
わたしだって、夢がないわけではない。ただなんと言っても忙しいのだ。時間がないのだ。
わたしは、ピエロにもらった箱を恐る恐る開けてみた。
「チクッ!」「痛い!刺された」
くまんばちがブーンと遠ざかって行くのが見えた。
ムネがちくちくする。さされたのはどうも小手先ではなかったようだ。
腕時計の針が急にゆっくりと動き出したように見えた。

「屈辱」「挫折」「現実」
586求人案内:2001/06/07(木) 14:30
しつこい奴 猫の手 くまんばち

ヘッセは快晴の庭を見ていた。
くまんばちが2匹光の中でもつれあうように飛んでいった。
ラジオからは「もう終わりだ、もう終わりだ」と叫ぶ曲が流れていた。
ヘッセはラッセルという名の猫の手をいじりながら、
「おーよしよし、いい子だね」と言った。笑い皺を一杯に作り、いつまでもいつまでもなでていた。
「こんな日がずっと続くことを私は願うよ」と庭を隅から隅までもう一度見た。
ラジオからはまだ「もう終わりだ、もう終わりだ」と叫ぶ曲が流れていた。
「しつこい奴だ」とヘッセは思った。
 お前みたいな世の中を疲弊させているんだと思った。
 こうしていることが一番。何の不満があるのだろうかと思った。
587求人案内:2001/06/07(木) 14:34
屈辱 挫折 現実

「屈辱を味わったよ」僕は大笑いした。
「挫折しちゃったよ」僕は大笑いした。
「現実はだから面白いんだ」と僕は大笑いした。
 手首でも斬って死んでやろうかと僕は思った。

・・・ワンパターンじゃん、俺。

「アメリカ」「ファミコン」「快楽」
588名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 14:37
いいねぇ。まるで掛け合い漫才を見ているみたいだ。(いい意味でだよ。)
589求人案内:2001/06/07(木) 14:43
瞬発的にやる意味はありますよね。
590名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 14:50
「アメリカ」「ファミコン」「快楽」

「僕、アメリカに行こうかと思っているんだ」
信二は、そうオレに聞いてきた。
オレはファミコンの画面から目を離さないようにしたまま
「なんで?」と聞いた。ファミコンの快楽を中止することはできない。
「だって、僕の日本の生活には『夢』がないんだもん」
「『アメリカには夢がある』って言うじゃないか。だからアメリカに行くって決めたんだ
きっとたくさんの人が、いい夢を見ているに違いないのだから。アメリカとはそういう国なんだ!」

オレはばかばかしくなって、訂正してやるのをあきらめた。
「信二。だからって、お前の不眠症が治るワケじゃないだろ?」とね。

「たらこ」「柔肌」「ささくれ」
591求人案内:2001/06/07(木) 15:15
>>590
おもしろーい。
こんなの僕好き。
592求人案内:2001/06/07(木) 15:23
「たらこ」「柔肌」「ささくれ」

「綺麗に裏切るなら許せるのよ」ホステスは言った。目から眉にかけて鋭いホステスだった。
だが、他は優しくてホステスをするような子には思えない。その柔肌からは少女の匂いさえした。
たらこ唇の男と目が合い、嫌悪感が走り、俺は舌打ちした。そして、
「おい、俺と一晩やらないか」と言った。
 ホステスは了解した。
 やはりホステスはホテルでも少女だった。
 鋭い目元はホステスなんかやっているからだろうと俺は思った。

 朝になり、目が覚め、時間が経った。ずっとベッドのふちに俺はもたれていた。
そしてふとささくれだったホステスの手を見て寂寥感が襲った。

593求人案内:2001/06/07(木) 15:23
「だっこ」「甘え」「母親」
594584:2001/06/07(木) 15:24
×鼻をやけに長いことかんでいた。
○やけに長い時間、鼻をかんでいた。
だな。うーむ、未熟だ。鬱打。
595名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/07(木) 15:35
質問!
けっこう、普段から「舌打ち」ってするの?
わたしは、まったくしないからなんか「舌打ち」のイメージがあまりわかないんだけどさ。
(どちらかと言うと「『ちっ!』と口を鳴らした」とかの方がくやしさとかのイメージがしやすかったりする。)
「慣用句」って言うか「常套句」っていうかこういう表現で他にもあるよね。
ちと違うかもしんないけど、「踵(きびす)を返す」とか「舌鼓を打つ」とかさ。
普段使わないようなこれらの言葉を使ってポンとひとことで説明してしまうのと、
日常的な言葉を使ってうまくイメージを描写して行くのとがあるワケで。
そこらへん、みなさんは、どう考えてどう使い分けしていますか?
596559:2001/06/07(木) 15:41
そうだ。なんで「舌打ち」がくやしさのイメージに直結しないかと言うと
わたしの場合は、この言葉のもうひとつの意味である
「おいしいものを食べた時の動作」という方が、結びつきが大きいからかも
しれない。と気がついたよ。
作者が「ここでくやしさを表現しよう」と思っているのに読者は
「おっ、なぜここでおいしそうにするんだ」と思っていることもあるかもしんない?
597595=596:2001/06/07(木) 15:42
559じゃなくて、595でした。スソマソ。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 15:43
俺も質問!
手はささくれだつか!?

心や爪ならともかく、手は……
599595:2001/06/07(木) 15:49
もう少し突っ込むと、
「妙子は悲しかった」という文章があるとします。
それを読んだだけの読者は、妙子が「どのように」悲しいのか。ということはわからない。
だから、可能ならば「妙子は悲しかった」と「説明」してしまうのではなく
妙子の動作などから、その悲しさをあらわすことができるといいな。
なんて思うんだけど、「妙子はペンダントを握り締め、天をあおいだ」とか?
そこらへんもみなさんは、どう考えますか?
600名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 15:54
>>598
そうだねぇ。手にうろこが生えていたらささくれそうな気もするけどね。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 16:16
>>600
鋭い目元ってのは伏線だったのかっ!やるなあ……
602600:2001/06/07(木) 16:37
いや、わたしは求人くんじゃないから、
どこらへんが伏線なのか、じぇんじぇんわかりませんが。(藁)
「鋭い目元」ってどんな目元なんでしょうね?目元って目の内側なんでしょうか
外側なんでしょうか?「すずしい目元」とかって、どんな目なんでしょうか?
ナゾは深まるばかりです。
603名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 18:35
金玉がちいさいって、よく言われないか?
604名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 18:40
>>603 肝っ玉?
605名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 18:42
指の、爪の付け根の辺りの皮が細〜く剥けて痛い状態が
「ささくれ」だと思うんですが。
それと「ささくれ立つ」は違うものなんですか?
肌ががさがさに荒れてる状態を「ささくれ立つ」と表現すると
ずっと信じていたんですが……。。。
606名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 18:46
へどが出るって、よく言われないか?
607名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 19:04
608名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 19:09
次は「だっこ」「甘え」「母親」。念のため。
609名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 19:26
「だっこ」「甘え」「母親」

だっころがりの唄

だっころ、だっころ、ほーいほい
枇杷が甘えか 梨が甘えか
でいたらぼっちに聞いてみろ

私がまだ小さい頃、母親がよく歌ってくれたものだ・・・。

次、「しゃもじ」「厠」「良心」
610名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 19:46
しゃもじをケツに挿して今日も俺はいく。
厠でクソしてる最中の輩を襲撃にいく。

便器には、流されるままの運命のクソが俺を待っている。
大丈夫、俺の良心も捨てたもんじゃないぜ。
俺はおもむろにケツからしゃもじを取り出し、
クソの運命をかえてやる。
たかがクソ、されどクソ。
俺にとってはおまえたちは絶世の食物だ。

クソレスにつきお題は辞退。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 21:11
「しゃもじ」「厠」「良心」

「やい、ゆうじ。早いとこ厠から出てこーい!」
「出てこ〜〜〜〜い!」
哲哉が大声で叫んだあとに、子分の連中が続けて合唱する。
ドアをがたがたゆする。蹴っ飛ばす。
そこへ担任の、百合子先生が通りがかった。
「どうしたの、みんな」
「ゆうじが、厠に入ったっきり出てこねぇんだ。
また、くせぇウンコをたんまりしてるに違いないんだ」
「だめよ、哲哉君。誰もがそう簡単に出せるワケじゃないの。
うなっても、うなってもおならみたいなのしか出ない人だっているのよ。
そういう人をいじめてはダメ。いいわね。」
百合子先生そう言いながら哲哉のおでこをしゃもじでぴしゃりと叩いた。
僕は厠の中でその声を聞いていた。聞きながら良心がとがめた。
そして、「なんていい先生なんだ〜〜〜、うっ!」と果てた。
そう実は、うんこではなく、オ○ニーをしてたのだった。

「天丼」「バランス」「継続」
612名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 21:14
鋭い視線。相手を射すくめるような鋭角の視線。
涼しげな目もと。クールかつ知的な印象を与えるまなじりの表情。

あ、いや。言ってみただけ。
613名盤さん:2001/06/07(木) 22:38
天井までのジャンプと階段の駆け昇りにどちらにしようか悩む
17歳の青春。それらはいつまでも継続不可能だ。だからヒッキ−
は事件を起こす。あれとあれが無ければ・・

お題「無常」「竿」「ガンジス川」
614名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 22:46
あっ、「天井」じゃなくって、「天丼」だったんだけど、まぎらわしくてゴメソ。
でも、いいです。
615名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 22:47
学習机の上で蹲踞の体勢を取り、竿をしごく。
今だ、俺には今しかない!!!
竿を握り締めながら学習机の上から飛び降りた。
落ちていく俺と精管を昇っていく3億の精子達。
奴等は壁にガンジス川を作り上げた。
数分後には乾いて命を落とすのだろう。
爽快感の中に無常を感じて俺は涙を一筋ながした。

お題「緑」「卵」「ファックス」

616名盤さん:2001/06/07(木) 23:02
残念だが時間だ「緑色のもんと卵」ちゃんとくとっけ、
自分だけ楽なろうなんてファックスはそう甘くないんだ。
お題は自分で考えろ。2ちゃん,くず,テレホでどうだ。
一応書いとく。
617名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/07(木) 23:13
「緑」「卵」「ファックス」

夜中に誰かが上に乗っているような気がして目がさめた。
とたんに、僕は手で口をおさえられた。
「静かにしろ、さわぐんじゃないぞ。言うことを聞け」
緑色のパンストを顔にかぶせたヤツが耳元でささやいた。
パンストがほのかにプーンと臭う。履き古しのパンストなのか?
僕は、恐怖におののきながら、かろうじてうなづいた。
やつは背中のバスケットから、卵を取り出した。
「さわぐんじゃない。だまって飲み込め」
僕は、やつの言うとおりにした。涙をこらえながら飲み込んだ。
「次はこれだ」タコスタイルに切れ目を入れて炒めた赤いウィンナーだ。
次は、卵焼き。次は、おにぎり。次は、お茶だった。
と、その時、隣の犬がはげしく吼えた。
やつは、すばやく窓をあけ、高らかな笑い声とともに闇に消えて行った。
FAXからは、「好きです!ハート」という紙が吐き出されて来た。

「かりんとう」「ニレの木」「ラケット」
618名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 00:24
「かりんとう」「ニレの木」「ラケット」

ちょっと暑くなってきた春の昼下がり。
ひなたでは、お姉ちゃんたちがラクロスに興じている。
僕はその様子をニレの木陰から眺めていた。
雲が動いたのか、だんだんとひなたの光が眩しくなってきた。
たまらずに目をつぶる。お姉ちゃんたちの楽しそうな声。
こつん。
ふと、僕の頭になにか小さな固まりが落ちてきた。
痛くはなかった。何だろうと空を見上げると。
うわぁ。
ニレの果実が、かりんとうに生まれ変わっている!
僕はかりんとう欲しさに、ラクロスのラケットで懸命に枝を叩く。
ぱらぱらと降ってくるかりんとうを、大きく開けた口で次々に受け止めた。
甘くておいしいや……。
「そうでしょ。人気のお店のなんだから」
お姉ちゃんの声とともに、急に目の前が眩しさでいっぱいになった。
みんなが僕を見ながら、にこにこと微笑んでいる。
「待たせてごめんね。おやつにしようね」
いっぱいに広げられたお菓子とお茶に、僕は自然に満面の笑顔を浮かべていた。

ごめんちゃい長すぎました。
次は「風鈴」「夕」「道」とかどーでしょー。
619求人案内:2001/06/08(金) 02:31
かなりいい加減だったのね。
620求人案内:2001/06/08(金) 02:43
風鈴 夕 道

じいさんは拾った木を杖にして、でこぼこ道を歩いた。
白ひげに白髪。歩くのは遅々として進まない。
じいさんは精神的にはまだしっかりしていたが、肉体的には弱っていた。
じいさんが同じ目線で下を向いて歩いていると風鈴の音がした。
じいさんは心で反応した。風鈴の音に懐かしさを感じた。
が、じいさんは歩調も目線も変えない。
早くどこかに行きたいのだろうか。

夕の空がじいさんの眼前に広がっている。
じいさんは気がつかないのだろうか。

「頬擦り」「細菌」「ついさっき」
621名無しの歌が聞こえてくるよ♪:2001/06/08(金) 04:47
「頬擦り」「細菌」「ついさっき」

「んまあ〜〜〜い♪」

ついさっきまでは鬼を怒らせたような形相をしていたのに

わらに住み着いてる細菌がゆでた大豆に出会ったという奇跡が

彼女の機嫌を直すといった奇跡を引き起こした・・・のか?

あ・・・ 頬擦りしてる

・・・糸引いてますよ

納豆巻きなんだから。

「チーズケーキ」「コンフリー」「目覚まし時計」
短いかな(藁
622名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 06:43
「チーズケーキ」「コンフリー」「目覚まし時計」

僕はホームに滑り込んできた電車に飛び乗った。
目の前のやつが急に「ピヨピヨ」と鳴き出した……
「おい、人間のくせになんでそんな鳥みたいな声出すんだよ。やめろよ!」
と言ったけど、ぜんぜんやめそうにない。
気がつくと、あそこでもここでも、僕以外のすべての人が「ピヨピヨ」言ってる。

僕は手を伸ばし目覚まし時計を止めた。
低血圧の頭を振り絞って「ふう、ヘンな夢を見ちゃったな」と思いながらシャワーを浴びた。
冷蔵庫から、残ったチーズケーキのかけらをさがして口に入れ、作りおきの
コンフリーとリンゴのミックスジュースを飲み干すと、僕は学校に出かけた。

僕はホームに滑り込んできた電車に飛び乗った。
目の前のやつが急に「ピヨピヨ」と鳴き出した……

「消火栓」「HIV」「冒険」
623名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 17:28
「消火栓」「HIV」「冒険」

 僕は意味も無く、消火栓を眺めていた。
 開け放した窓から、さらさらと風が入ってきて、僕の前髪を揺らす。前触れも無く、消火栓のすぐそばのスプリンクラーが、水を撒き始めた。強い陽射しに熱くなった芝生の表面に、生命を励ますかのように。

 気の早い蝉が遠くで一匹声を張り上げている。夏を間近に控え、僕の中の焦燥感は不思議と消えていた。

 今年の夏は僕にとって最後の夏になるだろう。今更、精一杯などという言葉は使いたくは無いが、やはり精一杯生きよう。それがどんな夏になるかは、僕次第なのだから。先ずは海に行こう。これが、HIVに感染して初めての冒険だ。

「新聞」「ガラスの階段」「渓谷」
624名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 17:30
>>623
改行し忘れ〜。
625名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/08(金) 17:47
ちぇ〜。先を越された。。まいいや。
「消火栓」「HIV」「冒険」
−−−−−−−−−−−−−−−
袴田総合硝子(Hakamada Integrated Vial、略称HIV)が今回のターゲットだ。
なんでも、硝子瓶業界では最大手らしい。
百戦錬磨の俺にとっても、さすがにちょっとした冒険だ。
都心から車でおよそ3時間、森を背負ってHIV本社ビルは立っていた。
俺はわずかな工具を手に車を降り、威容を誇るビルへと近づいていった。
夜明け間なしのビルには、明かりひとつ灯っていない。
警報装置は前もって切ってある。俺は、やすやすと正面玄関から侵入した。
社長室。ほとんどの会社なら最上階にあるものだ。
がしかしこのビルでは、それは2階にある。下準備はぬかりない。
俺は頭の中にある間取りを参照しながら、迷うことなく社長室へと向かった。目指すブツは、そこにある。
威厳を醸し出すドアの前に立ち、ノブをゆっくりと回す。鼓動が高鳴る。
ドアを一気に押し開く。
中にいた、秘書風の女性が驚愕の表情を示す。
「あはようございます。消火栓の修理に来ました」
「ああよかった! こっちです」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ちうことで、623さんの「新聞」「ガラスの階段」「渓谷」 で。
626名盤さん:2001/06/08(金) 19:48
新聞をガラスの階段にばら撒いた。僕に家にある階段は
中テラスのあるお金持風の階段なので、新聞が調度、渓谷
風にばら撒かれる。僕はその階段を上ったり下りたりしな
がらそこから見える景色をみたり消したりした。一番下から
見た景色ガ一番よく見えるような気がする。風変わりだが
これは僕の誕生日のプレゼントで、普通の家庭でもらうも
のはみな会社ごともっている。

お題は「石綿」「海女」「さくらんぼ」
627名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 20:32
海辺に海女が数人いた。
全身びしょ濡れで、寒かったのだろう、
乳首が立っているのがわかる。
俺のさくらんぼが疼きはじめた。
俺は砂浜に小さな小さな石綿色の水溜りをつくった。
そこで俺の分身はいるはずもない卵求めて
海女のごとく深くもぐっていくのだろう。

お題「今夜」「かぼちゃ」「頭」
628名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 22:21
今夜のメニューはかぼちゃの煮物。
明日のおやつはパンプキンパイ。
明後日はかぼちゃを天ぷらにして……。

はぁ……、家庭菜園っていっぺんに同じ作物が
収穫されるってところが欠点よね。
暫くは、かぼちゃ続きだわ。

「頭の中までかぼちゃになりそう。」
台所に山と積まれたかぼちゃを前にして、彼女はひとりつぶやいた。

次のお題。
「桜並木」、「花火」、「びーどろ」
629名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 22:21
父が言った。
「合格祝い。今夜、かぼちゃがウチに来るよ」
何のつもりだろうか。期待してみたのだが、かぼちゃとは…
「はぁ?いらないよ、そんなの」
「いらないといわれても、頼んでしまったからもう取り消せないんだ」
「はいはい、わかったわかった。もう出てってよ」
その顔は少し寂しそうだった。だが、同情はしない。
「取り消せない?そんなの知るかヴォケ」
やり切れなさやら怒りやらが交錯する。こういうときには寝るのが一番いい。
布団を引いてさっさと寝ることにした。

コンコン
ドアをノックする音で目がさめた。
すぐにピンときた。
かぼちゃ。
「ドア開いてるよ」
しばらくしてドアが開いた。僕は言葉を失った。
加護愛だ。加護愛が我が家に、やってきたのだ。
「こんにちわ」
はにかみながら挨拶するその姿。少し送れて父親が入ってきた。
「おっ、おいっ、こっ、コレっ」
父親は動揺する僕を見て、頭をぽりぽりとかいた。
「あー、言ってたじゃない、加護ちゃんだよ」
その時、全てを理解した。
「かぼちゃ……加護ちゃん」

お題「粘土」「GLAYニューアルバム」「床屋」
630629:2001/06/08(金) 22:23
カブッた…
631名盤さん:2001/06/08(金) 22:34
mu
632名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 22:40
「かぼちゃ」って手で紙に書いてミソ。
いくつもいくつも書いていると、
なんだか、楽しくてかわいくなってきちゃうのだ。
そんだけ!
633629:2001/06/08(金) 22:42
「変わってるねここ。花火がもう売りに出ているよ」
郊外のスーパーマーケット、ロペスが僕にいった。
「そんなの、全然変じゃないんだよ」
「だってまだ、桜並木を散ってないよ」
桜はまだ散ってない、と。
「とはいえもう6月だ。あそこの桜が季節外れなだけだよ」
「ふーん、そう。そこで、この花火を買おう。きっと一番乗りだ」
そして、彼は僕に選ぶように付け足した。
やれやれと思いつつ、彼が日本を感じていることを何だか嬉しく感じた。

夕刻の帰り道、季節外れの桜の下、早速花火をすることにした。
ライターで火をつけるが早いか、雰囲気が一変する。
「やっぱ線香花火はいいよ」
少しづつ重くなるびーどろのような火球、チリチリと散る光線。
見とれていると、ロペスは質問した。
「地味だね、これ。空に派手な花火、ないの?」
僕は少しだけ、がっかりした。彼にはまだ日本は遠いようだ。

お題「トルシエジャパン」「聞茶」「メールアドレス」
634629:2001/06/08(金) 22:45
書いてて自分でわかった。
説明が全然足りない。
だから所々で微妙に飛躍している。
情景がイメージできない。
実際書いてみると良くわかるわ。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 22:54
古くから「びーどろを吹く」という表現があるけれど、あれの正確なところは
ガラスでできた「ぽっぺん」という「ぺこん、ぺこん」という音の
するものらしいですね。
一応、ご参考に
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/maruyosi/popen.htm
「びーどろ」という言葉そのものは、ポルトガル語の「ガラス」という意味だそうです。
(ギヤマンは、オランダ語らしい)
636名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 22:58
「トルシエジャパン」「聞茶」「メールアドレス」

トルシエジャパンでは、聞茶を買うと、
もれなくメールアドレスを教えてくれるらしい。

「ルビー」「まくら」「思い出」
637名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 23:29
「ルビー」「まくら」「思い出」

いつも僕の腕まくらでスヤスヤと眠っていた君のことをちょっと思い出した。
あまりに気持ちよさそうで腕を引き抜けずに
しびれていた左腕の感触がなつかしいや……

僕は君の名前を書いて「さよなら」とルビをふった。

「虫さされ」「バーテン」「クラス会」
638名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/08(金) 23:44
バーテンになった俺、もちろんクラス会ではコキ使われる。
ただし、一つだけ見返りがあった。
智子の太股に虫さされの後があったんだ。
知ってるのは彼女と俺の二人だけだろうな。

お題「緊急救命室」「バッハ」「ダッチワイフ」
639名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 00:16
緊急救命室に、もう何百年も前に亡くなったバッハが
運ばれてきた。
一同びっくりしすぎてダッチワイフのような顔になってしまった。

お題「クリスマス」「飴玉」「ロッテリア」
640名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 00:32
クリスマスにロッテリアに行ったら飴玉をくれた。
こんなんでもいいか!
面白くもなんともないので、お題は辞退。
641名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 01:12
では僕がお題を出します。
「プーチン」「でじこ」「陰毛」
(なるべく読み物を書いてね、じゃないと盛り下がる)
642 :2001/06/09(土) 01:50
今回、お前に与えられたミッションはこれだ。
そういってプーチンが僕に渡した封筒には、でじこの写真が一枚
入っていた。
「……こいつをどうしろと?」
「そいつの陰毛を一本、見つけてそしてそれを燃やせ」
「了解しました」
僕はあえて、理由を訊かない。僕は与えられたミッションを
こなすだけの存在。それ以下でもそれ以上でもない。
ただし、どういう訳か僕にはプーチンが何を企んでいるのかが、
何となく理解できた。深く暗い心の底で、僕たちは何処かお互いを
探し合っている。必死で明かりを灯そうと、必死で相手に思いを
伝えようと、泥を蹴って進んでいるのだ。それを誰が責めることが
できるであろうか。
643642 :2001/06/09(土) 01:52
ごめん。お題を忘れていた。
「ビックリマンシール」「砂漠」「サイコロ」
644名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 01:54
「プーチン」「でじこ」「陰毛」

プーチンは、陰毛を掻きながら
「わたしは、でじことは、何であるかを知らないのです。固有名詞は苦手です」
と言った。

「原始人」「タイムマシン」「村八分」
645名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 01:58
「ビックリマンシール」「砂漠」「サイコロ」

砂漠でサイコロを振って、探し当てた場所には、
ビックリマンシールが埋まってた。
その裏には、こう書いてあった。
「固有名詞は、やめてくれ!」

「遊園地」「浮き袋」「懐中電灯」
646名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 02:05
固有名詞ダメなら見送ればいいのではとか思ったり。
作文ではないのでsage
647名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 02:12
延々と?
648ヘタレ物書き@〆切厳守:2001/06/09(土) 03:04
「遊園地」「浮き袋」「懐中電灯」

夜中に家を抜け出した僕は、川沿いにある公園を目指した。
天空には遊園地の装飾灯のような星がきらめいている。
川岸をゆっくりと大股で、地面を確かめるように歩いていく。
しばらく歩きつづけていたら、川のすぐ傍に懐中電灯を持った人影に気づいた。
僕は恐る恐る、でも見つからないように、そうっと近づいてみる。
少しづつ、少しづつ、物陰を探しては近づいていく。
あっと声をあげそうになるが、ぐっとかみ殺した。
そこには浮き袋を体中にくくりつけた怪人二十面相がいたんだ。

次、「番長」「ガキ大将」「ヤンキー」
649名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 07:11
「番長って、強いの?」
 そうだ、一番強いんだぞ。
「じゃあ、お兄ちゃん番長になってあたしを守ってね」
 わかった、約束だ。

 空襲を避ける中、近隣のガキ大将だった自分と、三つ下の妹が交わした幼稚な約束。
 妹は今、一番見晴らしのよい高台から町を見下ろしている。
 ヤンキーが作る新しい町は、妹を満足させられるだろうか。妹の好きだった風景を元に
戻してくれるんだろうか。
 星明かりの下、妹の傍らで、胸が崩れ落ちそうな気分のまま目を閉じた。
「決めたぞ」
 よそもんなんかに任せてられるか。番長なんかよりもっともっと偉くなって、昔の町を
取り戻してやる。いや、前よりももっと立派にして、お前を驚かせてやる。約束だ。
 時間はかかるだろうけど、待っててくれよ。兄ちゃん、今度こそ約束を果たすからな!

我ながら痛いのと途中が弱いんで書き逃げ
650名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 07:14
昨夜、番長、ガキ大将、ヤンキーの三者により、誰が一番強いかを、
話し合いで決める会議がもたれました。
しかしながら、議論が一歩踏み込むと、語彙不足により話し合いが進まず、
結局にらみ合いのまま、会議は物別れに終わりました。
651名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 07:31
うちの田舎では、やんちゃ坊主はガキ大将〜番長〜ヤンキーの順に進化します。
652ヘタレ物書き@〆切厳守:2001/06/09(土) 08:20
>>650
ワラタ。やっぱり今日は「ワラタ記念日」
お題がないぞなもし。

>>651
ガキ大将とヤンキーは見たことあるが、番長は空想上の動物という
意見もある。いたの?
653650:2001/06/09(土) 10:46
では、「コンビーフ」「自動ドア」「輸入」でお願いします。
654名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 16:04
「コンビーフ」「自動ドア」「輸入」

おかあちゃんがスーパーから出てくるまで、俺は自動ドアに片足を出して、のって、ひらいて、のって、ひらいて、を楽しんでいた。
自動ドアがしまって、また開くたびにエアコンのひゃっこい風が出て、たのしかった。
おかあちゃんが紙袋をかかえて出てきた。その袋から除いている缶詰を見て俺は怒った。
「なんだよ、またコンビーフかよ」
おかあちゃんは俺をみて悲しそうな目をした。
「しょうがないだろ、家にはお金がないんだ」
「だってよお、しかも、それブラジルの輸入品のやつじゃんかよ、あれは、しょっぱくてイヤだっていっただろ! なんだよ!」俺はじたんだを踏んだ。
おかあちゃんの目がぱちぱちとなって、泣きそうな顔になって、おれもかなしい気分になったけど、あのコンビーフは本当にマズイんだ。
おかあちゃんはいきなり、コンビーフでぱんぱんになった紙袋を俺になげつけた。
「三十九にもなって働かないでぶらぶらしてる奴が偉そうに文句いうんじゃないよっ!」
ブラジルから輸入した細長いコンビーフの缶詰が路上にてんてんところがって鈍く光をはねかえしているのを見た。

次は「カエル」「たんぼ」「大イタチ」
655名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 16:10
むむっ、それでは、「コンビーフは高級品」だから買えなかった
私の家は、どうなってしまうのだろう?
656名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 16:13
>>655
あはは、ブラジル製のしょっぱくて細長い安コンビーフが実在するんすよ。
まー、それはそれはすげえ味で。
657名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 16:28
ぎゃ、かあちゃん、まちがいだ。
×その袋から除いている
○その袋から覗いている
658求人案内:2001/06/09(土) 17:10
カエル たんぼ 大イタチ

カエルはその姿からは信じられないほど大きなたんぼで大イタチを見ていた。そして、
「おい」と呼びかけてみた。
彼だか彼女だか分からないイタチは振り向いて、
「なんだい」と返事をした。
「今、忙しいんだ」とも言った。
カエルは顔を擦りながら、
「俺は暇なんだ。ちょっと付き合ってくれない」と言った。イタチはネコバスのように今にも走り出しそうだったが、
「駄目だよ」と一応は答えてくれた。
「君のように暇じゃないの」
 カエルはひどくがっかりした。しかし、イタチは言った。
「でも、がっかりすることはないよ。すぐに素敵な人が君の前に現れるから」
 カエルは笑った。なんかとても愉快で笑った。
 だが、次の瞬間イタチはネコバスのように背を向けて去っていってしまった。
 カエルはこんなものさと思った。そして、
「まあ、いいや」と呟いた。
「ガンバロ」

「金玉」「女」「川島和津実」
・・・壊れてる、俺。
659名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/09(土) 17:41
予想通り遅かった……鬱駄。
「カエル」「たんぼ」「大イタチ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「あんたはまた! そんなことばかりしてると、大イタチ様にさらわれちまうよ!」
お決まりの脅し文句だ。婆ちゃんは、まだそれがボクに効き目があると思ってるんだ。
でも、そんな化け物がほんとはいないってことくらい、もうボクにもわかる。
ボクは婆ちゃんの声を無視して、ランドセルを放り投げるとさっさと外に出ていった。
ボー。ボー。ウシガエルののんきな声がてんでに響いてくる。
あぜ道を過ぎると、もうそこは森だった。いつものように腐れかけの木戸を横にどかし、ひみつ基地に入った。
しかしそこに、見慣れないものがいた。
大柄な大人ほどもある、大きな、イタチだった。イタチは、ボクの方をじろりと睨め付ける。
「よぉ。お仕置きだ」
そこからの記憶は途切れている。
ただ、帰り道の田んぼにきれいに並んでた稲の苗は、よく覚えてる。
家に帰って、婆ちゃんにごめんって言ったことも。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次は……。ふぅ。。。。。。。
660名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 17:58
>>659
まあまあ、遅い早いはあんまり関係ないよ。
お題権がつくつかないだから。

大イタチさまに萌え。
661求人案内:2001/06/09(土) 18:12
いいな〜。659。
分かりやすい(書きやすいお題でしたよね)

完成されたショートだ。やり手ですね。
662名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/09(土) 18:29
>>661
いやあ……カナーリ未完成品で、ageて鬱だったんだけど、
ありがとうね。。
663求人案内:2001/06/09(土) 18:48
いや、感激しました。
何で「おしおき」やねん。
という世界でしょう。笑
不合理なところがいい。
想像させるし。
664名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 18:56
「金玉」「女」「川島和津実」

ドキュメント川島和津実
求人君の出したお題(固有名詞やめろと言うに)川島和津実の正体を探るべく、ボクは行動を開始した。
とりあえず、カチューシャの画面から「川島和津実」の文字列をカットしてメモリに入れた。
返すマウス移動でインターネットエクスプローラのアイコンをクリック、起動させ、初期起動ページに設定したYAHOO!の検索窓に「川島和津実」をペーストした。
検索ボタンをクリック。(実行動中)
Yahoo!カテゴリとの一致 (1件)
エンターテインメント > その他 > アダルト > グラビアモデル、女優 > 川島和津実
……はい?
項目に侵入。
Azumi Gallery - 画像。
Azumi Syndrome - プロフィール、画像、ソフトウェア、掲示板。
と、とりあえず、Azumi Gallery - 画像の方にマウスをクリックした。
……なんだかエロ広告が一杯です、ど、どこに入口が……
■本日の女子校生ズッポリ画像■ ←あ、いかん、いかん。
俺は当初の目的である「川島和津実」を追わねば。
ENTER が三つもあるんすが。「Azumi Galleryの入口」つうこれか?
なんかまたおなじようなページが…ENTERが今度は二つ、し、下のENTERを。
む、外れのようだ。なんだか、ディンジャラスな匂いのするソフトを落としてつなぎ返せとか言ってる。
ふざけんなー。他のENTERも入ってみたが、なんだか迷路みたいでぐちゃぐちゃだ。
ボクはあきらめてIEを落とした。
こんなお題を出した、求人君なんか、金玉つぶしてしんでしまえと、ふと思った。
六月の風が窓から吹いてくる。少し暑い。(むりやり)

お題はね、「駆け足」「護岸」「図鑑」。求人君かんべんしてくださいよ。
665求人案内:2001/06/09(土) 19:18
上手い。
名作ですよ、これ。(笑いまくり)
666名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 19:24
わらってるばあいか、ゴラァ!
(あとの人の事も考えましょう)
667求人案内:2001/06/09(土) 21:56
な、なんだ。
護岸って?
僕の漢和辞典にはのってませんよ。
668名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 22:12
ごがん 【護岸】
川岸・海岸の堤防などを補強して、洪水や高潮などの水害から守ること。また、そのための施設。「―工事」

こ く ご じ て ん を ひ け ー ー

ttp://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/jp-top.cgi

こおゆうのもある。

……あれ、土手って意味はないのか>護岸を行くって感じで出したが。
わしがお題ミスか。
でも、護岸、何とかしてくれ。(無責任)
669求人案内:2001/06/09(土) 22:14
失礼。
「ごぎし」とか引いてました。
670求人案内:2001/06/09(土) 22:15
護岸するでいいんですね。
テトラポットも護岸。

心の護岸もあり?
671名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 22:17
(爆笑中)
難しい言葉知ってるわりに、ところどころ抜けてるようだね。

心の護岸工事でもなんでも、筋道が通れば問題ないですな。
672求人案内:2001/06/09(土) 22:21
抜けてますよ。僕は。
漱石とかで大抵、辞書引いて読んだけど
「これは読める」とか思って素通りしたのが殆ど間違ってるんです。笑
妹に聞いたらわかるんだ。5つも年下なのに。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:02
何で固有名詞ダメなの?
読んでみたけど、強制できるほどの理由なかったし。
1にも書いてないから、経緯を知らない新規参加者には
何それって感じだし。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:11
イメージ出来ない言葉は書きにくいからです。
さっきの「川島和津実」ネタなんかは苦し紛れのもので
1回しか使えません。
また、三語のイメージの絡み合いから話を作るのですが
固有名詞はかなり強いので実質二語になってしまうこともあるからですね。

どこまで固有名詞かって話になりますが、物の名前で世間の常識となってる
語は良いと、私は思っています。
(ホチキスとか言い始めたら煩雑なので>ホチキスは愛称で正式にはステープラ)
675名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:17
>>673
ニュートラルな状態で何かを書こうとする人には、固有名詞はすごく苦痛だと思うんだよね。
その固有名詞が「何」であるかを読者に説明しなくてはストーリーが作れない。
(意味不明のストーリーを作るのなら、「単なる文字jとして処理するだけだけどね。)
お題を出した人にとっては、その固有名詞はすでに周知のものだから、説明するほどの
ものではない。と思うのかもしれないけど。
わたしの考えでは、たとえば特定のコミック、アニメなどの世界にどっぷりとつかって
いて、広い目で環境を見ることのできない人が固有名詞にこだわっているように思うのだけど。
これは、偏見でしょうか?もし偏見ならば、考えをあらためさせていただきます。

逆に聞きたいのは、「固有名詞を出したがる人達は、何故そうしたいのか?」って
ことかな?
「固有名詞反対派」のひとりとしての意見は上に述べたから、「固有名詞賛成派」の
人の意見も聞いてみたい。
676名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:18
うーん。
固有名詞は、出す側としては面白くて
受け取る側のことは想定してなかった。
で、固有名詞混じりのお題を想定してみると
たしかにやりづらいね。

674の言うことはもっともなのでやめようと思う。
そして他人に強制できないなぁとも思った。
677名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/09(土) 23:23
固有名詞は、言葉自体に意味や属性があるから、
創作に使うには制限がかかりすぎてつまらんのですよ。
そんあわけで「駆け足」「護岸」「図鑑」
------------------------
もう、護岸工事のなされていない川は、日本でここだけになってしまった。
お父さんはそう言って、悲しそうに俯いた。ボクまで悲しくなった。
目の前で、一羽のチョウがはためいている。
赤や青や黄色を散りばめた、けばけばしい色の羽だ。
ボクは図鑑が好きでいつもながめているけど、見たことのないチョウだった。
チョウは川の方に漂っていった。
ボクは後を追った。捕まえたかった。だけど、捕まえちゃダメな気がした。だけどもっとよく見てみたかった。だから後を追った。
チョウは水面に止まった。川は流れていた。岩も中州もなかった。でも、水面に止まっていた。ボクは駆け足で近寄った。
チョウは、水に溶けた。流されたんじゃない。染み込んでいった。水は流れていた。でも、鮮やかな赤や青や黄色は、そこにあった。
ボクは手を伸ばした。手に、色が触れた。温かい。温かい。お父さんの声が聞こえたけど、どうでもよかった。温かい。
チョウは、ボクだった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なんでしょうね、これ?(w
次は〜「サウス」「華」「今日」でよろしく〜。
678名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:24
>>676

たしかに絶対に駄目だー!!と、こういう所では言えないから、お願いみたいなもんです。
理解してくれて嬉しいです。

ささ、書いてください、この遊びは真面目にやるとなかなか難しくて、面白くて、
勉強になるよん。
679676:2001/06/09(土) 23:24
最後の一行に、何だかいやなニュアンスがあるね。
「でもやはり他人に強制はできないと思う。」
こう書くほうが今の心境に近い。

気分を害してしまったなら謝る。
680名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:30
>>679

いえいえ、気分は害してないですよ。
お気遣いありがとうございます。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:30
あ、上げでかいちゃったよ、すまぬ。
682676:2001/06/09(土) 23:40
6月9日
休みなので買い物にでかけた。
駅まで行って財布を忘れてきたことに気付いた。
秋葉へ行ったのだが、地元の方が安かった。
昼食は中華料理店ですませた。
そうしたら、夕飯はラーメンだった。
今朝ウスターソースを買うように
頼まれていたことを忘れていてひどく怒られた。

テレーホ。
2chに書きこんだらレスが行き違った。
今日は運がないようだ。
もう寝る。

お題「リモコン」「公共機関」「脊髄」
683名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:45
>>682

あれあれと思ったが、6月9日が今日っすか、ソースがサウスっすか。
わはは、良いなあ。

おやすみなさい。
684名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/09(土) 23:55
「サウス」「華」「今日」

野球の練習のあとは、腹が減る。
だから、今日もみんなと一緒にこうやって中華屋に来たんだ。
カウンターに一列にならんでね。
でも、僕が座るのは、いつも一番左端なんだ。
理由?それは、僕が左ききだからさ。試合の時は貴重なサウスポーなんだけどねぇ。
僕が右隣にいると、はしを持った手のヒジがぶつかるからジャマなんだよね。お互い。
だから、一番左。

でも、今日は、先客がいた。黒いレザーのぴったりしたジーンズをはいて
ぴちっとした白いTシャツが似合っている女の人。その人が一番左にすわっていた。
僕は、その人の右隣に「すいません」と無意識につぶやきながら座った。
「ちらっ」と横目で見たら、とてつもなく美しい人で、どぎまぎしてしまった。

僕の頼んだラーメンの方が先に来たので、左ひじをあまり張らないように
遠慮しながら食べてたんだ。
そこに、彼女のカツどんが来た。彼女は、それをかかえるように右手で持つと
はしを左手に持ってガシガシとかきこんでいた。
僕もなんだかうれしくなって、ラーメンの残りを左手のはしでガシガシとかきこんだ。
「おぉ〜、運命ってこういうことか!」となんかうれしかったのだ。

「ビールびん」「霧氷」「ヒヤシンス」
685684:2001/06/09(土) 23:58
ありゃ、遅かったのかぁ。
お題は上の「リモコン」「公共機関」「脊髄」でね。
686684:2001/06/10(日) 00:01
×黒いレザーのぴったりしたジーンズ
○ぴったりしたジーンズ
687名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 00:30
「リモコン」「公共機関」「脊髄」

免許を持っていない僕にとって、公共機関の「電車」は重要な存在だ。
「あっ、やべぇ」
時計を見て、乗り遅れそうだった僕は、駅に走った。
ホームまで降りて行った瞬間に目の前でドアがしまってしまった。
「しまった!」
なんて、ダジャレを言ってる場合じゃない。
ところが、昔だったら、これにていっかんの終わりだったこの状況も
最近は変わって来ているのだ。
僕はポケットから「万能リモコン」を取り出すと、電車のドアに向かって
「開けゴマ」のキーを押した。本当ならば、それでドアが開いてくれるはずだ。
ところが、電車の中の乗客はいっしょうけんめいに「閉まれサザエ」の
キーを押して対抗しているのだ。電車は、ドアを開くに開けず悩んでいた。
と、背中に「どーん」と衝撃が走った。「脊髄ショックキー」の攻撃を受けたらしい。
その衝撃の瞬間に「開けゴマ」のキーを離してしまったので、電車は、出て行ってしまった。
振り返ると、駅員が「電車が遅れるから、開けゴマを使うなぁ!」とこちらにリモコンを向けている。
「うるせぇー!」って、僕が文句を言おうとしたら、なんと声が出ない。「だまれだまれキー」攻撃も
受けてしまったらしい。
頭に来た僕は、「オレは客だぞエヘンキー」で攻撃をしかけた。それをまともにくらった
駅員は、急に土下座し「ははぁ、すいません!」という素振りを見せたが
返すリモコンで別の攻撃をしかけてきた。僕はのけぞりながら、それをかろうじてよけた。

ふたりの戦いは、まだまだ続きそうであった……

「せっけん」「紫外線」「ピラミッド」
688名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/10(日) 00:46
>>687
(・∀・)イイ!!  ツボにはまっちゃったよ〜(www
689名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 00:55
>>687
マンセー! 面白し!
690名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 01:04
「これね、この石鹸、変な形だと思うでしょ?これがね、とってもイイのよ。
まずね、この香りかいでみて、イイ香りでしょ、これ嗅いでるだけでもアロマテラピーになる。
それでね、この石鹸で毎日体洗ってると、紫外線を防いでくれる膜を作ってくれるの。
はっきり言って、これ以外の日焼け止めって、ここだけの話、全部まがい物みたいなものでね。
厚生省もそれははっきり認めてるわけ、しらなかった?これ、オフレコですよ。
それとね、この三角石鹸、使わずに部屋に置いてるだけで、ピラミッドパワーでいろいろイイの。
朝もすっきり起きられるしね、とりあえず、一個いっとくでしょ?」
691名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 01:05
次は、「ダイオキシン」「塩ジャケ」「給食」で、よろしく。
692名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/10(日) 01:38
お腹いっぱいなんかではないのである。
昼から飲まず食わずなのである。
そしてこんなお題を出されたのである。
やむなく私は小学校の給食を思い浮かべる。
殺傷事件のあった小学校は給食の時間はもう終わっていたっけ。
給食はプラスチック製の容器に出される。
かの小学校がどうであったかは知らぬが、私が小さい頃はそうだった。
プラスチック製の容器からはダイオキシンがひっそりと流れ出ている。
そして児童の身体には毒が注入される。
刺されなくともじきに彼らは社会から放出される種種雑多な毒によって蝕まれ死に追いやられるのである。
ああ、塩ジャケが食べたい、そんなことを頭の片隅に思いながら、名を持たぬ私はパソコンに向かうのである。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 01:55
お題……。。。
694名無しさん@お腹いっぱい:2001/06/10(日) 02:25
ごめんなさい!
えと、「公共料金」「妖婦」「朝日」で。
695ヘタレ物書き@〆切無し:2001/06/10(日) 04:54
「公共料金」「妖婦」「朝日」


僕は電車の窓際に座って新聞を読んでいた。
遠距離通勤にも慣れ、新聞を読むのが日課になっている。
殺人、公共料金の値上げの見出しを見ながら、僕は記事に目を走らせた。
世の中は陰鬱としていて、逃げ場のない闇の中を右往左往しているかのようだ。
ふと顔を見上げると、斜め前の席に妊婦らしき人が座っている。
頬杖をついてうっすらと明るくなってきた景色を車窓越しに眺めている。
遠くをじっと見つめる姿がなぜか新鮮なものに見えた。
その目に朝日が映った時、僕はまた新聞を手に取り、目を落としたのだった。

#次、「ベーごま」「外套」「白帯」
696名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 06:00
あげ
697名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 07:52
「ベーごま」「外套」「白帯」

「ヴィーン、カチン、カチン」
健二の投げ入れたベーゴマが僕の渾身の力を振り絞ったベーゴマを
いとも簡単にはじき飛ばしてしまう。
ここは、子供達の真剣勝負の世界。
僕は、健二にくらべたらまだまだ白帯のへたくそな存在だった。
子供とは言え、負けたらベーゴマを取られてしまう。

そこへ、古びた外套を着た男が現れた、
「ふっふっふ、何を泣いているんだ。よしカタキをとってやろうじゃないか」
そう言って、僕のベーゴマを持つと健二に声をかけた。
「勝負しろ」
「よし」
「ヴィーン、カチン、カチン。くそぉ。」
「もう、ひと勝負。もうひと勝負」

五分ほどで、完全に勝負はついた。
ベーゴマは、すべて健二のものになっていた。
「ヘタクソっ!」
僕は、近くにあった犬のうんこをひろって、男に投げつけた。

「ビーグル」「嵐」「予感」
698名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 08:03
>>697 ワラタ
699名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 08:16
「ビーグル」「嵐」「予感」

「さあビーグル号に乗るんだ!」
波止場に毅然と立つ勇者は村人たちに叫んだ。
「さあ、早くしないと嵐がやってくる」
勇者の言葉に一人の老人が怪訝そうな顔をして、
勇者の前に進んだ。
「おぬし。嵐は去った。もう、過ぎ去ったのじゃ」
老人を鋭い目つきで見据えた勇者が、
こほんと一つ咳払いをした。
「予感だ。また嵐が来る予感がするのだ!」
老人は深くため息をつくと踵を返し勇者から遠ざかる。
老人が立ち去ったあと、勇者は自慢のビーグル号に乗り、
アフガン目指して旅立った。
「嵐は去ったか」
老人は赤いマンとを纏った勇者の三輪車を、
いつまでも見送っていた。


#次、「修正」「除光液」「オルゴール」
700名盤さん:2001/06/10(日) 10:56
除光液はほぼ必要なかった。彼女はそんなことでぼろ
を出すようなネカマじゃない。
オルゴールがくるみわり人形のメロディを奏でる。
いい所でとまったので彼女は修正する必要があると思った。

お題は「キリスト」「インターネット」「カリブ海」
701名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/10(日) 12:25
「キリスト」「インターネット」「カリブ海」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
いい時代になったもんだ。
このインターネットちうものを使えば、世界中の映像をうちにいながらにして見られるらしい。
エジプトだろうがクレムリンだろうがカリブ海だろうがアンコールワットだろうが、どこでもだそうな。
こんな時代になるたぁ、お釈迦様にもわかるめえ。
おらみてぇな田舎モンが、このマウスちうものをくりくするだけで何でもできちまうんだから、ほんま自民党に入れてよかったなぁ。
天気予報もニュースも、いっちゃん新しいやつがどんどこ流れてくるで。
「また通り魔殺人」「山形県、内陸部の朝方は霧」「ストライキで市電がストップ」
まぁ〜、目が回りそうだ。……あぁ、おらが郷里のことが出てるべ。
「今日未明、青森県八戸で立てこもり事件が発生しました。現在、犯人側からの要求はなく、当局では慎重な対応を……」
「おいジジイ、パソコンばっか眺めてねえで、金庫ぶっこわすの手伝えや!」
「あぁ、悪い悪い。おらたちのことも流れてたでな」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
切れがない。陳腐。青森県人の方すいません。キリストきらい。(w
次は〜「中ほど」「悦」「兆し」
702名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 17:10
「中ほど」「悦」「兆し」

その男の指先は、乳房の下側の中ほどのところまで来て、一瞬止まった。
それは、由美絵にとって、女の悦びを感じさせる兆しであった。
男は唐突に、由美絵の乳首の先に、強く吸い付いてきた。

男は、生後3ヶ月、由美絵の息子であった。

「もぐさ」「虫歯」「ライスカレー」
703名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 18:07
>>702
んなオチかい!
ワラタ
704名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 18:22
>>702
なんだ、えろ系のお題でえろ話か、芸がないな……と思いきや!
意外な展開に感服。
705名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/10(日) 21:17
702=697=687他色々のスケッチャーでした。
みなみなさまの「ワラタ」が、わたくしの生きがいでありんす。
しかし、「落ち」のない淡々とした物語を書こうとしても
なかなかできないものですねぇ。
706ヘタレ物書き@〆切無し:2001/06/11(月) 01:27
「もぐさ」「虫歯」「ライスカレー」

僕は昼休みになると公園に向かった。
行交う人々の群れから談笑が耳をかすめる。
途中弁当売りの軽自動車に立ち寄り、
買って来たライスカレー弁当をペンチで一人で食べてみる。
目の前には噴水。丸い水面の中心から吹き上がる水の筋が、
上空で弧を描き少しづつ広がりながら落ちていく。
故郷を離れて三年。次第に涙がこぼれてきた。
もぐさのように味気ない弁当を噛み締めながら、
涙は少しも止まらなかった。
足元に落ちている泥だらけの虫歯くんシールを、
力を込めて踏みつけてみる。
――故郷にはまだ帰れない。
僕は立ち上がり、食べ終わった弁当の箱をゴミ箱に放り込んだ。

#次、「邪魔」「電燈」「赤マムシ」
707名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/11(月) 01:54
……もう誰もみてないと思ったのに……。シクシク……。
「もぐさ」「虫歯」「ライスカレー」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おばあちゃん家に遊びにきた。お母さんも一緒だ。うっとうしい。せっかくの夏休みくらい羽をのばしたいのに。
おばあちゃん家に上がるといつもヘンなにおいがしている。もぐさのにおいなんだって。おばあちゃんが近づくとそのにおいでわかるんだ。
おばあちゃんはカレーを作ってくれていた。おばあちゃんはいつも「ライスカレー」って言う。カレーライスじゃないのかなといつも思うけど、めんどくさいから言わない。
おばあちゃんのカレーはとてもおいしい。お母さんには絶対作れないおいしさだ。いつもなら、たくさんおかわりするんだけど……。
だけど、今日だけは、カレーが食べられない。虫歯が痛いからだ。だけど、それを言うと歯医者に連れて行かれるから、言えない。歯医者は怖いから行きたくない。
だけど、カレーを食べないとおばあちゃんが悲しいがると思う。だから、食べたフリをすることにした。
ボクは、カレーのお皿を持って縁側に行った。そして、お母さんがこっちを見ていない隙に、縁の下にカレーをほかした。カレーのおいしそうなにおいが立ち上って、すごくもったいないと思った。
ボクは、スプーンでカレーをかきこむフリをしていた。
その時、目の前に突然半透明の膜をかけられたような気がした。びっくりして見上げると、おばけがいた。
『もったいな〜い、もったいな〜い』ボクは声が出せなかった。振り向くと、お母さんは寝そべってテレビを見ながらうとうとしていた。おばあちゃんは台所に行ってしまっていた。
『もったいな〜い、もったいな〜い』おばけはボクを頭から飲み込んだ。でも、イヤじゃなかった。
だって、それが当たり前だから。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
拡大解釈してください。。。(w
はぁ……。。お題が出したくて本文書いてるのに。。鬱鬱鬱
708名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 02:01
夜食にもぐさの草餅とオリジン弁当ライスカレーを食って寝たら、
翌朝になって数日おとなしかった虫歯痛がぶり返した。
鬱だ会社さぼろう。
709ヘタレ物書き@〆切無し:2001/06/11(月) 02:08
スマソ。空挙げするのもなんだから書いたのよん
710名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 10:35
「邪魔」「電燈」「赤マムシ」

僕がまだ小さな頃、毎年夏休みになると、祖父母のいる田舎に遊びに行っていた。
普段都会に住んでいる僕にとって、いたるところが冒険心を満足させてくれる
自然は、まさに天国そのものだった。
いろりのある部屋で、裸電燈の下、みんなそろって夕食をとっている時に、
こんがらがったロープのようなものがパサリとテレビの上に落ちて来た。
「あれ」
と思ってよーく見ると、「ぐぐっ」と動き出した。それはへびだった。
「赤まむしだ!」
僕は自宅の冷蔵庫に入っている父親のドリンクのことをすぐに思い浮かべた。
「あー、あれは青大将だよ」と言ってしばらく見ていたが、またすぐに
普通に食事をし始めた。青大将もまた、なにもなかったかのように部屋の
すみのすきまからするすると外へ出て行ってしまった。

その晩、僕はいなかではじめてのおねしょをしてしまった。
年上のいとこが言っていた、「便所の天井にはおおきなへびがとぐろを巻いているんだぞ」と
いう言葉、うそとは思えなくなってしまったからだった。
離れになっている田舎の便所は、あらたな冒険を強いられる場所となってしまった。

「必殺技」「たんぽぽ」「うるし」
711710:2001/06/11(月) 10:39
×「あー、あれは青大将だよ」と言ってしばらく見ていたが、
○祖父は「あー、あれは青大将だよ」と言ってしばらく見ていたが、

投稿前の確認は確実に!スマソ
712名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 10:58
ん? 「邪魔」使ってる?
713名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 11:22
「必殺技」「たんぽぽ」「うるし」

「必殺技たんぽぽ飛ばし」と言いながら僕は目の前にいる妹めがけて
たんぽぽの種を吹き飛ばした。

次の瞬間、妹は大きな声で泣き出した。
「うわぁーん、耳が聞こえなくなっちゃうー!」
以前、おばあちゃんに言われたことを信じているのだ。
「たんぽぽの種が耳に入ると、耳が聞こえなくなっちゃうぞ」と
言われたことをしっかりと覚えているらしい。

妹がいなくなった空き地でしばらく遊んだあとに家に帰ると
母が耳かきを手にして立っていた。僕の姿をみかけると
わざとこちらに聞こえるように言った。
「ミーちゃん、だいじょうぶ!お母さんミーちゃんの耳の中よーく見たけど
たんぽぽは入っていなかったよ。よーし、いじわるなおにいちゃんが
帰ってくる前に、おかあさんが作ったおいしい御汁粉を食べちゃおうか!」
「そうしよう。そうしよう。おにいちゃんには内緒にしておこう」
泣きやんだ妹もこちらをチラリとのぞきながら言葉を続けた。

ふたりがお汁粉を食べているワキに行って、戸棚からひっぱりだして
来た色のはげてしまったうるしのお椀をお面のようにカポカポと
動かし続けていたが、依然として僕は目に見えない幽霊のような存在らしい。

それをさとった僕は、鼻から大きなため息を出した。
シャツに残っていたたんぽぽの種は、その風に乗って、自分の落ち着く場所を
さがすべく、フワフワとただよいはじめた。

「海峡」「漁師」「嵐」
714名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 11:26
いいけど、長いな
715710:2001/06/11(月) 11:28
×いろりのある部屋で、裸電燈の下、みんなそろって夕食をとっている時に、
×こんがらがったロープのようなものがパサリとテレビの上に落ちて来た。

○いろりのある部屋で、裸電燈の下、みんなそろって夕食をとっている時に、
○僕のその幸福感は、突然、邪魔されてしまったのだった。
○こんがらがったロープのようなものがパサリとテレビの上に落ちて来た。

重ねがさねスマソ。
最初の構想では、「テレビを見ていて、それをヘビに邪魔される」だったのに
いろいろいじっているうちになくなってしまったです。
71615行圧縮版@713:2001/06/11(月) 11:45
「必殺技たんぽぽ飛ばし」と言いながら僕は目の前にいる妹めがけて
たんぽぽの種を吹き飛ばした。
「うわぁーん、耳が聞こえなくなっちゃうー!」と
妹は、大きな声で泣きはじめた。

しばらくしてから、家に帰ると 母が耳かきを手にして立っていた。
僕の姿をみかけると、こちらに聞こえるような声でこう言った。
「ミーちゃん、だいじょうぶ!お母さんミーちゃんの耳の中よーく見たけど
たんぽぽは入っていなかったからね。耳が聞こえなくなったりはしないよ。
よーし、いじわるなおにいちゃんが 帰ってくる前に、おいしいお汁粉を食べちゃおうか!」
「そうしよう。そうしよう。おにいちゃんには内緒にしておこう」
泣きやんだ妹もこちらをチラリとのぞきながら言葉を続けた。

戸棚からひっぱりだして来た色のはげてしまったうるしのお椀を
ふたりがお汁粉を食べているテーブルに乗せてみたが、反応はまったくなかった。
僕は、自分の前髪についていたたんぽぽの種をつまみとって「フッ」と吹き飛ばした。
たんぽぽは、居場所が見つからないかのように、いつまでもフワフワとただよっていた。
717名無しさん@お腸いっぱい:2001/06/11(月) 12:49
「海峡」「漁師」「嵐」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ようやく、嵐が過ぎ去った。
俺が「漁師なんて継ぐもんか!」って言ったことに、親父があそこまで怒るとは思わなかった。
でも、大学の四年間を都会で過ごした俺にはもう、きつくて危険な海の仕事に就く気はすっかりなくなっていた。
別にブルーカラーを蔑んでいるわけじゃない。むしろ逆で、俺は親父のことを尊敬してさえいる。
だからこそだ。
俺のような半端者には務まらない。
そう思う。いや、思いたかっただけかもしれない。
今日の明け方、親父は海峡の渦に呑み込まれた。
俺は、跡を継ごうと思った。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次〜「さりげない」「いにしえ」「碧」で。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 13:51
「碧」って、単体ではどう読むのかな?意味は?
「あおい」と読むのは、当て字?
あっ、もちろん「紺碧」のへきであることはわかるんだけどね。
それ以外がわからない。辞書を調べたけど、よ〜わからなかったです。
719名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 14:02
って、言ったあとに、今度は広辞苑を調べたら、載ってたよ。ゴメソ
「へき」という読みでいいんだね。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 15:43
…何故素直に「みどり」と読まない?(w
721名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 15:58
昔はみどりもあおもいっしょ?
722名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 18:23
>>687

これは良い。こんなとこで書くのが勿体無いくらいの出来。
723名盤さん:2001/06/11(月) 19:24
「この碧の石見つけた。」
彼女がそうささやいている。
それは古に由緒ある石で、
俺はそれについて詳しくも知らないけども。
ぺらぺらと由来を話すことが必要なのだ。
特にこの波にのまれて沈みかけたときには、
さりげなく現われた彼女にコミュニケーション
をとることも必要なのだ。
それとも俺は無人島で一人で
ガラスガ丸くなった石を。


お題『プリンタ』『野球』『帰り道』


724名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 21:02
 「プリンタ」「野球」「帰り道」

 金田伸晃、十七歳、彼はスプリンターだ。
 スプリンターとは陸上短距離競技選手だ。
 彼はスプリンターなので、いついかなる時も、ランニングに短パンでだっだっだと走るのだ。
 頭は悪いが、笑顔が素敵な好漢だ。
 今日も陸上部の激しい練習を終え、新しいランニング短パンに着替え、3キロ先の家まで走って帰るところだ。
「かーなーだーくん」にっこり微笑んで、伸晃に声をかけたのは、蒼倉みずえだ。彼女は朗らかで外向的、クラスの人気者で野球部のマネージャーだ。
「途中まで一緒に帰らない?」と朗らかに声をかけられたのだ。
 そんな経験のない伸晃はなにも言えずただ首を縦に振ったのだ。
 夢のような帰り道だ。伸晃が何度も何度も夢に見た女の子との帰り道だ。
「やっぱり金田くんて、無口なんだね」微笑みながら、みずえはそれでも嬉しそうにそう言ったのだ。
「いや、その」伸晃は無口の上、初めての体験に混乱するばかりで何も気の利いた事が言えないのだ。
「うちのクラスでもね、結構、金田君人気あるんだよ。国体での活躍すごかったから」夢見るようにみずえは言うのだ。
「凄かったなあ、あの、100mをはしる金田君。一緒に行ったみっちゃんなんか、一発でめろめろになっちゃって、もう、金田君のことばかっりいうのよ」
「き、きみは?」
 沈黙が訪れたのだ、伸晃は不意に口についた言葉を激しく後悔したのだ。
「わたしも…… ちょっと、好きになったかな」みずえははにかんでそう言ったのだ。
 伸晃はもうがまんができたなかったのだ、顔を真っ赤にすると、うひょうとも、わひょうとも取れる、奇声を一声発し、全力疾走で、だっだっだっだっだっだっだとかけだしたのだ。
 「あー、かなだくーん、ずるいよー、きみはーー」
 疾走が伸晃の返事だ、力強く一番自信のある姿をみずえに見せ、返事の代わりとするのだ。
 だっだっだっだっだっだっだっだっ。力強いフォームで伸晃は夕日に溶けてゆくのだ。だっだっだっだっだっだっだっ。

 次のお題は「ミキサー」「金鎖」「ウエディングベル」だ。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 21:32
おもしれぇじゃんか≫724
726名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 21:36
せんきゅー。
727「ミキサー」「金鎖」「ウエディングベル」:2001/06/11(月) 21:54
ウエディングベルが鳴る。新郎の控え室で俺はがくがくと震えていた。
「逃げるなら今だ、逃げるのなら今だ」
思い切って俺は控え室の窓から飛び出した。じゃらんという音がして振り返ると、足に太い金鎖がからみついていた。
畜生取れない、あわてているせいかのか、鎖はますます足にきつく絡みついていく。
頭の上からチェーンソーの様な音が聞こえた、もうだめだ、もうお終いだ。
ウエディングベルととチェーンソーの音が大きくなっていった・・・・・。

「あなた?どうしたの?会社におくれるわよ?」
妻が方を揺らして俺を起こしてくれた。朝食をつくっていたのだろう、台所のカウンターの上のミキサーが
ぎゅんぎゅん音を立ててジュースをつくっていた。
「はい、体にきをつけてがんばってね」
何かの雑誌でみたという、妻お手製の健康ドリンクを飲まされて俺は会社に行く。
夢の中の金鎖は足にからみついたまま。


次のお題は「記者」「コルク」「寿司」でどうでしょう?
728名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/11(月) 23:58
「記者」「コルク」「寿司」

「ここだ!この寿司屋だ」
メモと照らし合わせて間違いないのを確認すると、山城は店の中に入って行った。
「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ」
和服の女がカウンターにコルクのコースターを置きながらまねく。
山城は「こういうものなのですが」と言いながら胸ポケットから名刺を取り出し
カウンターの中にいる主人らしき男にわたした。
「○○雑誌…記者だと?」
「香織、帰ってもらいな。塩だ、塩持ってこーい!」
男はすごいけんまくで山城を追い出してしまった。

「これは、ひとすじなわでは行かないな」
半年前のあの事件の目撃者である、ここの主人の証言を得られるまで、
社には、帰れないと、山城は覚悟を決めた。

「ブラインド」「マリオネット」「尺八」
729名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 00:44
>>720
みどりなんて読まないんじゃない?一般的にはさ。
730名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 01:54
>>729
そうなのかな〜私は「みどり」で読んだな^^;漫画家の名前とかでみたことがあるせいかなあ・・・
731名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 04:24
何を指して一般的というのか、さっぱりわからんね。
732名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 04:44
お題出した人です。お騒がせしちゃってすいません。。
「碧」、「みどり」と入れて変換したら出ます。(ATOK)
へきでもみどりでも使えるからいいかな〜と思って出したんですよ。
733名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 05:49
ヘキでもみどりでもきよしでもたまでもなんでもいいから面白い話を書いてくれよ
最近駄文ばかりでつまらん
734名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 08:11
↑自分で書けい。
735名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 09:05
 
736名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 09:09
>>734
最近ではどれが面白かったのですか?
737名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 09:41
リモコンのお話が評判いい。>>687
738名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 10:00
>>733 ここは、読むスレッドじゃないよ。書くスレッドだよ。読むのはおまけ。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 10:04
意外に好評だな。頑張って面白いの書きましょ
あ、漏れの作品は名前挙がってないね(藁
740名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 10:26
リモコンの話を書いた687です。
ここは、自分では修練の場だと思っています。
突拍子のないみっつのお題の組み合わせから、苦しまぎれに
普段では想像もしないストーリーが頭に思い浮かんだりします。
自分で、書いたストーリーをここに投稿しなくても、頭で考えるだけでも
十分に効果的なトレーニングになると思います。
たとえば、昨日のお題である「さりげない」「いにしえ」「碧」で
浮かんできたシチュエーションンは「いにしえ・碧」の組み合わせで
ギリシャのミコノス島でした。
(個人的には、みっつのお題は必然的なつながりを持つようにしたいから)
ここを舞台にしてああだ。こうだ。と
考えながら、仕事の打ち合わせに出かけました。考えがかたまって
PCの前に座ったら、すでに他の方が書き込まれていましたが、自分が
考えたことは、自分自身のためにムダではなかったと考えていますよ。
741名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 10:51
>>738
ここは読み手の評価など気にせず、三語を使った落書きを垂れ流して自己満足するスレッド?
742名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:05
>>741
試してみれば
743名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:06
今のお題
「ブラインド」「マリオネット」「尺八」
744名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:07
>>741
書くのと読むのが、主従の関係になっている。ってことさ。
もちろん、読んで楽しい方がいいのはあたりまえだけどね、それは、各自の努力の範囲内でいいでしょ。
あくまでも主体は、書くことにあるのは間違いないよ。
文句があるなら、自分で作品を投稿して示せ!というのが基本スタンスなんだよなぁ。
求められているのは、「評論家」ではなく「創作家」そしてプラスアルファとしての「感想家」。
文句言いたいことがあるならば、お題にからめて、さらりと言いたいことを言ってのけるのが
スマートなんでないかい?
745名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:21
「ブラインド」「マリオネット」「尺八」

マリオネットは悲しかった。
「ああ。どうしてわたしはマリオネット?」
マリオネットに友達はいなかった。
「ああ、神様。友達をください」
マリオネットは暗かった。
「わたしに光を」
そのとき天空に一筋の蒼い煌きが発せられる。
そして浮遊船に乗った一人の虚無僧が尺八を吹き上げた。
ブヲー、ブヲー
マリをネットが涙を流す。
「神の啓示。神様、ありがとう」
マリオネットの瞳にブラインドが下り、視界が暗闇に包まれた。
暗黒の世界、それは悲しみのマリオネットの嘆き。
勇者になれなかったマリオネットは、
音もなく地に崩れ落ちた。
世界でただ一人の友人になれなかった虚無僧は、
マリオネットの瞳を隠すブラインドを手をかける。
「ああ、悲しみのマリオネット」
マリオネットは恐怖に身体を震わせていた……

「靴下」「笛」「氷河」
746名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:37
昼にもなると窓からの日差しが大分強くなる。
読み手のことを考えずに三語を取り入れるだけなら簡単じゃないか。
それなら創作文芸者なんて見得を切る必要もないぞ。
形見分けされた祖父のマリオネットを日差しから守るためだけに購入した、
尺八しかない幅狭のブラインドを降ろしながら、つぶやく。
「僕にもできた」

こんな感じですか?
747名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:40
そうです。
そして、徐々に面白いものを書いていく。
面白さにも色々あって、笑えるものだけじゃなく、
物語として違和感なく三語を使うのもこれまた面白い。
さらに、情感まで表現できれば言うこと無し。
奥が深いのです。
748名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:52
初心者は初心者の三題を書くし、
腕試ししたい人は高度な情感やテーマを見せると
やる人しだいの遊びでございます。
749名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 11:55
>>746
ソダソダ、エエゾ!
でもって、お題、ちょうだいな。
750名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 12:01
お題は、先に出した人のものを採用するから、今はこれです。
「靴下」「笛」「氷河」
751名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 12:15
「靴下」「笛」「氷河」

「蒼氷とは、きっとこのような光景を言うのだろう」と幸子は思った。
まわりをすべて凍りついた壁に囲まれているのだ。
幸子はハイキングコースを歩いている途中に、風で飛ばされた帽子を
拾おうとして、立ち入り禁止のこの氷河の上に入り込み、クレバスに落ちてしまったのだ。
首からさげた笛を吹いて助けを呼んだが、誰の返事もない。
このコースは、一日に数組しか歩かない辺鄙なコースなのだった。

氷の割れ目から見える空の色が青から紺、グレーへと変わり始め、
まわりの壁の形もぼやけてきた。
途中の水溜りで濡らしてしまった靴下が、冷えてきた気温とともに幸子の足先をしびれさせる。
腹も減っているが、お菓子の入ったザックはハイキングコースのわきに置いてきてしまった。

意識がふっと遠ざかる中、どこかで犬の声が聞こえたような気がした。
幸子は最後の力を振り絞って笛を吹いた。

ひとりぼっちだったその場所が、歓声につつまれたのはその数分後であった。
ハイキングコースに置き忘れられたザックが幸子の命を助けたのだ。

「原子力発電所」「米ぬか」「らくだ」
752名盤さん:2001/06/12(火) 15:17
アスワン・ハイ・ダムに原子力発電所を建てに行く。
そのために行くのならジ、ープよりらくだと言うことで、
らくだにゆられる。僕はらくだの足に擦り傷があるのを見つける。
すなおに米ぬかを塗ってやる。
擦り傷には米ぬかガ一番と婆ちゃんがいってた。
ばあちゃん長生きしてくれ。
時期にぬかるみが世界最大級の災害の大きさを知らせ・・


『充実野菜』『視力』『ウエットティッシュ』
753名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 15:35
僕は目が悪いので、目にいいといわれているブルーベリーをなるべく多くとるようにしている。
朝はブルーベリージャムのパン、ブルーベリーのガム、ジュース。
そんなことを大学の友人達に話したら、笑われた。
「ブルーベリー?ハッ、あほらし。そんなの古い」
「充実野菜を洗面器いっぱいに浸すのです。そして洗顔するの」
「やってみな。すぐ視力あがるよ」

はぁ、騙された。全員まとめて氏ね。
二日後、ウェットティッシュで眼鏡の曇りをふき取りながら思った。

「枕」「実験」「地図」
754名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 15:47
「充実野菜」「視力」「ウェットティッシュ」

視力のおとろえた人には、充実野菜がいいって聞いて飲んだんだけど、
特に変わりはないみたい。それは、いいことも悪いこともないってことだ。
飲み終わって、僕はウェットティッシュで口のまわりを拭いた。
拭きながら思ったよ。「面白いお話ってなんなのだろう?」ってさ。
やっぱり書いた本人がそれを面白がれるできばえでなくてはならない。
ってことなんだろうね。
自分の書いたものは、どうなんだろうか?
って、何回も見直したよ。けどわからない。「面白いんだ」って
信じ込んでいるだけかもしれないな。って思った。
あぁ、こんなんじゃ、いつまでたっても面白い話は書けないんだろうな。
ってことは、身にしみているんだけどね。
あぁ、でも僕の問題は、それ以前のお話なのかも?
まずは、「面白い話」ではなく「内容が理解できる話」を書こうと思ったよ。
逃げずにね。

「欄干」「物干」「干物」
755754:2001/06/12(火) 15:51
お題は、上の「枕」「実験」「地図」で。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 16:07
「枕」「実験」「地図」

僕は枕の上でゴロゴロしながら、さまざまな言葉を組み合わせ、
面白い表現の実験を重ねていた。
どのような組み合わせにしたらいいかは、すでに知識を吸収していたと思う。
小説の書き方の本を何冊も読んでいたからね。
ディーンRクーンツの「ベストセラー小説の書き方」は、ストーリーの組み立てに
谷崎潤一郎の「文章読本」は、日本語の使い方の心を学ぶのに
三島由紀夫や丸谷才一の文章読本も役にたった。
ちょうど、何かを書く時の地図や設計図みたいにね。
でも、そうやってたくさんたくさん勉強してみて、結局本からでは
得られないことがたくさんあるということも勉強したよ。
小説をたくさん読破するのは、重要なことだけどね。それだけじゃとうてい
ダメなような気がしている。

それは「実体験」ってことなのかな?ってなんとなく気づいてる。
「もっと街に出よう」僕はそう決心したんだ。
たくさん泣いて、たくさん笑って、もっともっと怒るのさ!

「山うど」「くずきり」「便器」
757名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 16:12
充実野菜って目にいいの?(初耳)
758名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 16:12
あ、組み合わせが、たまたま一緒になっただけか。
759756:2001/06/12(火) 16:18
×たくさん泣いて、たくさん笑って、もっともっと怒るのさ!
○たくさん泣いて、たくさん怒って、もっともっと笑うのさ!
760名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 16:38
マルチの等身大抱き枕に顔をうずめるととっても幸せな気分になれる。
トゥーハートには色んな女の子が出てくるけど、僕にはやっぱり、マルチが一番可愛い女の子さ。
僕は今、大学でロボット工学を専攻している。
ロボット工学なんて、以前はまるで興味がない分野だったんだ。
だけど、高校生の時、親友から借りたゲームソフト「トゥーハート」をプレイして
マルチと出会ったとき、僕は彼女に心を奪われた。
そして、決心をしたんだよ。
「僕の手で僕好みのマルチを作ってやる!」ってね。
その日から、僕は自分自身が変わったように思う。
それまでは自分が何をしたいのかもわからず、進学する理由だってみつからなかったのに、
マルチを作るんだ、と決心した時から、物事全てに対してまっすぐに取り組めるようになったと思うんだ。
明日行う実験だって、以前の僕だったらくだらない無意味なものだと思って、単位のためだけに無気力に取り組んでたはずだ。
だけど、大きな夢を抱いている今の僕は、マルチに出会うためにどんな小さなことも見逃したくない。
必要以上の集中力で取り組むつもりだよ。
朝起きてから夜眠るまで、僕はずっとマルチのことを考えているんだ。
クサイ台詞のようだけど、人生は決まったレールの上を走るように生きるよりも
自分の足で地図を書きながら、ゆっくりと生きていく方がずっと充実しているように思う。
もしもマルチに出会わなかったから、きっと僕はどこへいくかもわからない電車に乗って
遠くへ行っていたんだろう、そんな風に思うんだ。
僕はこの充実した日々を生きられることに、マルチに出会えたことに心から感謝している。
ありがとう、マルチ、大好きだよ。
761名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 16:43
↑「枕」「実験」「地図」
762名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 16:44
>760
なんじゃKOREA
コピペ?
763>761:2001/06/12(火) 16:45
ああ、なるほど。
お題は?
764名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 16:48
>>763
「スモーク」「襤褸」「飴玉」
でお願いします。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 17:04
ひぇー「襤褸」って言葉、はじめて見たので調べたら「ぼろ・らんる」って
読むんだねぇ。みんなすんごい文字知っているんだなぁ。
読者も辞書を離せなくなっちまって大変だね。
わたしは、この文字を使うことにすごい抵抗あるので、「ぼろ」と
いうひらがな・カタカナでもいいよね?
766名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 17:12
>>765
つーかよ・・・。
>>760は悪戯みたいなもんじゃないのか?
真剣に受け取るなよ・・・。
無視したほうがいい。
767名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 17:13
お題は
「山うど」「くずきり」「便器」
で続けようや。
768名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 17:19
「スモーク」「襤褸(ぼろ)」「飴玉」

「何かくれ」という表情で、少年が手を出しながら、わたしのそばに寄って来た。
その少年が身にまとっていた一枚のぼろキレは、まるでスモークされたかの
ごとき、色と強烈なニオイを放っていた。
しかし、その上に載っている顔から覗いている、飴玉みたいにクリクリっとした
目に一瞬心が動かされ、思わずルピー硬貨を手渡してしまったのだ。
次の瞬間、いったいどこにこんなに潜んでいたのか?と思うほどたくさんの
小さな子供たちが「僕にも」「わたしにも」と殺到して来た。
さきほどの一部始終を見ていたのだろう。
「あっちゃー!」
わたしは、自分のした行為に後悔しつつ、大通りへと一目散に駆け出した。

「ピアス」「お茶漬け」「万歩計」
769768:2001/06/12(火) 17:30
ありゃま、「スモーク」「襤褸(ぼろ)」「飴玉」 で書いてしまったよ。
「あっちゃー!」を入れるところを間違えてしまったよ。

>目に一瞬心が動かされ、思わずルピー硬貨を手渡してしまったのだ。

>「あっちゃー!」

> 次の瞬間、いったいどこにこんなに潜んでいたのか?と思うほどたくさんの

の位置だね。やっぱし。
怒涛のごとき勢いの数分で書くと、なかなか思い通りになりまへんなぁ。

いろんな人の書き込みのどこらへんまでがマジで、お遊びで、煽りなのかが
今いちよくわからなくて、困るのは確かですねぇ。
よくわかんないなぁ。という文章でも「シュールリアリスティックなんです」って
言われれば、「はぁ、そうなんですか。すいません」と言うより他ないのが
現状ですから、仕方ないですねぇ。
お題は、一応「ピアス」「お茶漬け」「万歩計」ってことでお願いします。
(「山うど」「くずきり」「便器」もわたしが出したお題だったりするけど)
770768=756:2001/06/12(火) 17:45
って、よーく順番を見たら。
「スモーク」「襤褸(ぼろ)」「飴玉」のお題は、有効ではなかったのね。
ありゃりゃぁ〜。
そんじゃ、正当に、「山うど」「くずきり」「便器」で行きましょう。
771名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 23:13
文が長くてくどいよなあ。全般的に。」
772名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 23:28
>>771 了解!お手本たのむ!
773名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 23:33
便器に座って、山うどの入ったくずきりを出しました。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 23:36
参加者の善意で成り立つスレだからな。
773レベルでも文は作ったことになってしまうのだし。
>所詮2チャンネル。お遊び、お遊び。
そうなのだが…
775名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 23:48
今まで、いろいろ投稿させていただいた経験からすると
40文字x15行あれば、一応「起承転結」を含めたストーリーを
書くことが可能なように思います。(わたしの力量の範囲でですが)
これが、極端に行数が少ない圧縮されたものになると、よほど奇想天外な
展開を考えないかぎり、「理不尽系」「シュール系」でないと組み立てが
難しくなるように感じています。

ということで、「40文字x15行以下」「5行以上」といった規定をわたしとしては
提案したいところですが、いかがでしょうか?
(当初の12行以下だと、通常のストーリーだとどう圧縮してもきびしいことが多い)
776名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/12(火) 23:51
「ここの山うどんはおいしいのよね、デザートのくずきりも珍しくておいしいし。」
友子はしあわせそうにうどんを食べている昨日までとはまったく違う態度の友人におもわず笑ってしまった。
「ねえ、なにがおかしいの?」
「だって昨日、もう私は終わっているのよー死んでやるーって言っていたのに…」
私がなるべく笑顔で言うと、友子は急に黙って食べる事に集中し始めたかと思うと、
「トイレ!!」
と言って、私の前からいなくなってしまった。
「ふぅー……行儀悪いな……。」
私はため息をついた、今友子はなにもしないで便器に座ってなにかに耐えているんだろう・・・・・。
なにかがなんなのか私にはわからない友子が自分で解決しなければいけないことだ、
働き始めたら自分のことで精一杯になってしまい引きこもっている友達と同じ時間は過ごせない、私にできることは自分が空いている時間に友人を連れ出し友人の気晴らしをする、ついでに自分の気晴らしもする。
「おまたせー。」
ニコニコしながらに友子は戻ってきた。なにかはきっとトイレに流してきたのだろう…。
私の前に座るとき少し辛そうな顔を見せたがまた少し伸びたうどんを食べ始めた。
友子私には解るよでも友子が解決する以外にはないんだよ。
私は友子の痔の始末まではできないんだから……。

人生で初めて書き込みました。オチが思いつきませんでした・・・・・。
1からずっと観てました。きっと多いですよ僕みたいな人間は続けてくださいこれからもまた書き込めるといいです。
お題773さんが出したならそちらでお願い。だしてないのならば、
「ないかく」「こるく」「まめ」
777名無しの歌が聞こえてくるよ♪:2001/06/12(火) 23:56
「山うど」「くずきり」「便器」
-----------------------------------------------------
テーブルの上にはくずきりの入ったガラス椀が置かれていた。
「黒みつと二杯酢、どちらがいいの?」
母は娘に尋ねた。
「どっちがおいしいの?」
「好みがあるからね・・・」
山うどが大木になるぐらいの時間、娘は考えた。

「どちらを選ぶか決まったかしら」
何かを思い立ったのか娘は立ち上がった。
「・・・トイレ行ってくる」
数分後、帰ってきた娘は二杯酢をかけることにした。

便器のふちには嘔吐のあとがこびり付いていた。
-----------------------------------------------ああ、御題が出せないなんて(藁
778ランボー:2001/06/13(水) 00:00
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
絶対ゆるさねえ!!
779名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 00:10
「ないかく」「こるく」「まめ」

「ズバーン」「ストライクツー」
内角高めに決まったボールに鼻形は、のけぞった。
「次こそ打ってやるぞ!保志君」
鼻形は、2689245回もの素振りでできた手の平のまめを見ながらつぶやいた。
この打席こそ、今までの練習で歓声した「真空切り打法」を見せる
格好のチャンスなのだ。

ピッチャーの保志がふりかぶって、投げた次の球を
鼻形は、渾身の力をこめて「真空切り打法」で叩いた。
ボールは、激しく回転しながらホームベース3m前方のグランドにめり込んだ。
回転は止まらない。
硬球は、表面がやぶれ細く巻かれたゴムが溶け、中のコルクまでもがけむりを
あげて燃え始めた。誰にもそれを手にすることは不可能だった。

鼻形は、高らかに笑いながら、ベースを回った。

#こういう場合のルールってどうなんでしょうね?
>>776 がんばろうねぇ!
お題は「マージャン」「どぶろく」「鼻輪」です。
780「マージャン」「どぶろく」「鼻輪」:2001/06/13(水) 03:02
「ロン!! うしゃあああーーーリーチ・イッパツ・タンヤオ・イーペエ・ドラ・ドラ・ドラ・・・・・」
なんでもありありルールの先輩のドラえもん行進が続いている片手にはどぶろくをもって酒臭いたらありゃしない、
「うしゃああああ!数え役満!ほれ!一年なにしてる全員裸になれ!ほれ早く!」
今ここは男だけの13人脱衣マージャン大会!この世でもっとも熱く!そしてむさいタタミ八畳の間。

一年のすすり泣きが聞こえてくる雨も降っていて湿気っぽいたらありゃしない、ちなみに先輩は頼まれてもいないのに最初から裸だ。入り口にも裸の別の先輩が仁王立ちしている。
「そんな!最初からドラ5枚めくりルールなんて反則だ…」
一年代表でマージャン打ってた奴が責任を感じて抗議の声を上げる。語尾がだんだん弱くなっていくのは可愛らしいが、馬鹿な奴だこの後負けた奴の罰ゲームも残っているのに…部屋には竹刀やらなぜか注射針やロープを吊るすフックや鼻輪等がある。

裸になったぐらいで帰れると思っている奴は考えがあまい夜は始ったばかり、まだまだ長いのだから、そういえば頼んだピザ屋が来ないなまあ雨も降ってるし…。
「ピサーラでぇすご注文ありがとございましたぁ。」女の子が立っていた……。
同時に全員体をくの字にして壁を向いた。湿った部屋で寒い空気と時間が流れていった……。
・・・これがほんとのハダカタンキマチ・・・ツモ 完。  

お題は「さいけん」「きんかい」「はんかち」です。

781名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 04:13
>>780
ええオチやないケー。 ワラタよ
ちょいと長いがの。
782名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 06:54
木枯らしの中、くしゅ、とくしゃみをひとつ。
かれこれ一時間は我慢を行った。これ以上は身が持たぬ。
商品はひとつとして売れぬどころか、立ち止まる者さえいない。
「我が襟懐、道行く者は理解し得ぬ」
ハンカチーフを用いて鼻をかみながらこぼした。
今日はもう畳んでしまおう。
「お待ちを。しばし細見させて頂きたい」
不意に、老紳士が一声かけてきた。
「どうぞ、ご存分に」
鼻をぐずつかせながら、ぶっきらぼうに言い放つ。
「待ちの相撲では品は売れませんぞ」
さんざん待たせた身分で、いきなり説教とくるか。大概にしてもらいたいものだ。
「ほう、これはよい品ですぞ。そこを行かれるあなた、ほれ見てご覧なさい……」
この老人と組んで品が売れたことはあまりない。そろそろ潮時だろう。
型どおりの台詞をはき続ける老人を眺めながら、つぎのさくらは別の人物に頼もうと決意した。
783怒りのマンボー:2001/06/13(水) 07:33
おおおおおおおおおおおおおおおおおお題がないすよ。
784名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 07:42
へぇ〜「襟懐」って「きんかい」って読んで「心の中、胸のうち」という意味なんだね。
知らなかったよ。辞書を調べて初めて知った。バカなわたしにもわかるような
言葉選びをしてもらえるとうれしいな。
785名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 09:19
「さいけん(再建)」「きんかい(近海)」「はんかち(ハンカチ)」

「がらっ」
「へい、らっしゃい」
今井は、太い首に巻きついたネクタイをゆるめ、手にもっていたハンカチで
額の汗をぬぐうと、白木のカウンター席に座った。
「とりあえずビールと、玉子ください」

頭の中で素早くシミュレーションが始まる。
「あの物件は、こうやって処分して、社員はこうやって整理する……」
会社再建請負業の今井の頭の中は、めまぐるしく動いた。
「お客さん、近海マグロのいいのが入ったんですが、どうですか?」と
オヤジが声をかけて来る。
普段ならそんな高いささやきには、耳を貸さないのだが、今日は違う。
「じゃっ、景気づけに、それ頼むわ」

ニュースでもたびたび話題になったあの会社の再建を請け負ったのだ。
今井の一世一代の大勝負が始まった。

「暗がり」「乱闘」「さくら餅」
786785:2001/06/13(水) 09:28
最初の「会社再建請負業の」はいらなかったね。ちょっとくどくなりすぎた。
「高いささやきには、」は「甘いささやきには、」とするべきだった。
反省、ゴメソ
787名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 10:10
とっぷり暮れた、薄暗い路地、剣士の周りを数名の男が取り囲んだ。
「ははは、目の弱いお前は、この暗がりでは、何も見えまい」
「昼の敵をとろうってわけかい」
差しの勝負では敵わぬと考え、暗がりの乱闘で仕留めようという、算段らしい。
確かに殆ど辺りの見えぬ剣士であったが、確かな勝算があった。
「覚悟!」
刺客の一人が、ダッと、踏み込んできた。と、突然
「うわぁ、なにこれ」
叫びをあげるや否や、剣士の白刃が、確実に刺客を打ち据える。
次々飛び込んでくる刺客も、皆叫び声をあげ、その声を頼りに、剣士は次々に切り倒していった。
剣士はこの日、近所のスーパーで安売りのさくら餅を、3パックばかり買い込んでいた。
取り囲まれたことを知ったとき、彼はそれを地面に撒いたのであった。
誰であれ、暗がりでさくら餅を不意に踏めば、叫び声をあげてしまうものである。
788名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 10:12
次のお題は
「救急車」「日本初」「大失敗」
でお願いします。
789名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 10:41
>>787
鳥目剣士さま、すてきです。ぽっ。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 11:41
「救急車」「日本初」「大失敗」

あれは、日本初の宇宙飛行士が帰還したというニュースの次の日だったと思う。
僕は、さっちゃんと健二の三人で近所の赤茶沼まで自転車に乗って出かけたんだ。
しばらく、沼のまわりをぶらついたあと、ここで僕は大失敗をしてしまった。
足元にある枝を、沼に投げようと手に取ったらそれはなんとへびだったんだ。
あわてて僕が手を離すと、そいつはくやしまぎれにさっちゃんに噛み付いて逃げた。
さっちゃんは、びっくりしたのかしばらく無言だったが、すぐに大声で泣き出した。
「医者につれて行かなくっちゃ」
荷台のついている自転車は、僕のだけだったので、さっちゃんをそこに座らせた。
「しっかり、つかまってろよ!」
そう、言い聞かせて僕は、懸命に漕いだ。前を健二の自転車が走って行く。
大声で泣いていたさっちゃんは、だんだんと元気がなくなって来た。
病院まであともうすこし。というところまで来て大きな交差点の信号が赤になった。
ここは、なかなか信号が変わらないので有名なところなので、有名なのだ。
突如、救急車のサイレンが響いた。怒ったような顔をして健二が「ピーポーピーポー」と
叫んでいるのだ。その迫力に気おされたのか、車が一台二台、やがてすべて止まった。
「行くぜぇ!」僕は、健二のあとに続いた。

「エレクトーン」「とうもろこし」「から梅雨」
791790:2001/06/13(水) 11:52
毎度の推敲不足ゴメソ
×大声で泣いていたさっちゃんは、だんだんと元気がなくなって来た。
この行はすべて省き。

×ここは、なかなか信号が変わらないので有名なところなので、有名なのだ。
○ここは、なかなか信号が変わらないので有名なところなのだ。
792名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 12:23
拙者は物陰から鳥目剣士の大立ち回りを覗き見ていた。
な、なんと。妙齢の美女が目も虚ろに、頬を桜餅色に染めているではないか。
突如、妙案が閃く。
大失敗をやらかせばよいのだ。そして鳥目剣士を油断させる。
「あいたたた……」
拙者は道端でこれ見よがしに転げまわる。
「どうした」
鳥目剣士は拙者に近寄るが、敵もさるもの、しかと刀に右手を掛けている。
「ああ。桜餅を拾って食べたのですが、ちと、腹痛を」
「落ちているものを食うとは。愚か者め」
鳥目剣士は拙者の声を頼りに刀を上段に構える。
「よー、日本初」
それを聞くや否や、鳥目剣士はずっこける。
「貰った!」
拙者は懐に隠し持った桜餅を鳥目剣士の顔に投げつける。一つ、二つ、三つ。
「うぐぐ」
「どうだ、鳥目剣士。糞入り、蛆虫入りの桜餅は! はっはっは」
それまで道端で身体を震わせていた美女が鳥目剣士に駆け寄った。
「鳥目剣士様――救急車をお呼びしなくては」
拙者は唖然としてその場に立ち尽くす。
拙者は敗者となり、静かにその場を立ち去った。

#長すぎ

ただいまのお題は「エレクトーン」「とうもろこし」「から梅雨」
793名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 13:09
蒸し暑い。午後6時30分。
から梅雨とはいえ、湿気たっぷりの風が、太平洋からこの町へ流れ込んでくる。
今日は、鍋に塩をたっぷり入れて、とうもろこしを茹であげた。
金色の粒が、うまそうに湯気を立てている。
たまらず、缶ビールをあけ、まず一口。そしてとうもろこしに、かぶりつく。
越してきたばかりで、部屋にはテレビさえ、まだない。
静かな部屋で独り、とうもろこしをやっつけていると、近所から、エレクトーンの音色が流れてきた。
童謡と、ディープパープルを織り交ぜて弾いている。
バンドをやっている幼稚園の先生なのだろうか?
なんにせよ、楽しい気分で、ビールもすすんだ。
しばらくテレビは必要なさそうだ。
794名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 13:10
次は「吾輩」「猫」「名前」でお願いします。
795名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 13:32
「吾輩」「猫」「名前」

夏目漱石の「吾輩は猫である」を読み終えたエミちゃんが
吾輩を抱き寄せて言った。
「まったくねぇ。この本に出てくる猫みたいなおりこうさんもいれば、
あんたみたいなバカ猫もいるのよねぇ」と、吾輩の白黒ブチの頭をパカパカとたたく。
ふん、勝手なお世話だ。だいたい空想上の猫なんかと較べられて
たまるかって言うんだ。と文句を言ったが
エミちゃんには「にゃ〜」としか聞こえないらしいのが、しゃくにさわる。

「エミちゃ〜ん、ごはん出来たよ」
「猫も連れておいで、ごはん用意したから」
ママの声だ。
吾輩は、エミちゃんにダイニングに連れて行かれ、猫缶をあけたご飯の
前に座らされる。吾輩の茶わんにはしっかり「猫」と書いてある。

『吾輩も猫である。名前がそうなのだ』

「にわか雨」「じゃのめ傘」「くしだんご」
796795:2001/06/13(水) 13:45
×『吾輩も猫である。名前がそうなのだ』
○そう、吾輩も「猫」である。名前がそうなのだ。
797名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 13:52
「エレクトーン」「とうもろこし」「から梅雨」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
エレクトーン占いというものが、あるらしい。相談者に話を聞いて、浮かんだメロディを奏でることで占うんだそうだ。
ま、どうせ昨今のサイコロ占いやら腹話術占いやらの亜流だろ、くらいの軽い気持ちで、私は占ってもらうことにした。
駅前商店街の一角にある、何の装飾も施されていないぶっきらぼうな鉄筋コンクリ−トのビルに足を踏み入れる。
途端に階上から「今年はから梅雨でしょうっ!!」という、カエルが首を捻られたようなか細い叫びが漏れ聞こえてきた。
二階の受付で私は名前を告げる。予約の名簿で確認した受付嬢が、私を部屋に案内する。
ほどなくして、占い師が現れた。とくにどうということもない、しなびた婆さんだ。ただ装飾品だけはやたらと豪華絢爛だ。その紋様はどれも六ぼう星が基調になっている。
「なんじゃい」婆さんが訊ねる。「はぁ、仕事運を」私が答える。
すると婆さんはすたすたと部屋の奥のエレクトーンの前にいき、一礼して椅子に腰掛けた。
ぎゅー。やにわに不協和音が鳴り響く。ぎゅー、ぎゅー。とても旋律とは呼べたものではない代物だ。
いくらもたたないうちに婆さんは演奏をやめ、こちらに振り返る。
「とうもろこしを買いなされ!!」そのひと言を残して、婆さんは出ていった。
なんだこれは? こんなものに私は何万円も支払ったというのか? 私は憤然としながらビルを後にした。

現在、私はさる大企業の中枢を担っている。あの時のとうもろこし相場が当たったのが発端だった。
件のビルには、貸店舗の看板がかかっている。
私はビルの前を通る度、婆さんの旋律を思い出す。二度と誰にも奏でられない、あの時あの場所でしか聴けなかったメロディを。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
長すぎ。減点5万点。
# 現在のお題は「にわか雨」「じゃのめ傘」「くしだんご」です。
798名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 13:55
「ぴっちぴっち、ちゃぷちゃぷ、らんらんらん。」
娘が、幼稚園で新しい歌を覚えてきたようだ。
「ねー、おかーさん、ジャノメデオムカエってなに?」
そうか、雨の日はいつも車でお迎えに行くから、この子には解らないんだ。
「じゃあ、今度じゃのめでお迎えに行ってあげる」
しばらくして、夕方、にわか雨が降ったので、じゃのめ傘で、お迎えに行った。
娘はじゃのめ傘がお気に入りのようで、黄色い長靴で、私の周りをくるくる回った。
娘の友達のお母さんに、車にのらないかと誘われたけれど、せっかくの雨を楽しむことにした。
駅に向かう途中、いい感じのお団子屋さんを見つけたので、串団子を2つ買った。
娘が楽しげに、少し前に流行った団子の歌を歌い始めた。
799名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 13:58
お題は「国境」「トンネル」「雪国」で。
さっきの「猫」といい、こんなお題、だめ?
800名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 17:32
>>799
よいでしょう。
そこからいかに発想を飛躍・転換できるかが勝負、ってことで。
801名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 18:09
「国境」「トンネル」「雪国」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
雪国出身の俺は、夏が苦手だ。しかし、そんな泣き言はいっていられない。
このトンネルを掘りぬかなければ、俺は死ぬ。
なんとしてもこの国から抜け出すのだ。
国境を越えることを、簡単に考えすぎていた。警備兵など、要所にしかいないものと高をくくっていたのだ。しかし、それは間違いだった。
……

落ちが思いつきませんでした。(氏
未完につきお題継続……。
802名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 21:12
「国境」「トンネル」「雪国」

バスに揺られてうつらうつらしているところを
斜め前に座っていた親子に起こされた。
親切にいろいろ説明してくれるのだが、
なんと言っているのか、さっぱりわからなくて恐縮してしまう。

冬服のエリを立てたふたりの兵士が、銃をワキにかかえ乗り込んで来た。一瞬緊張する。
が、みんなのパスポートを確認しているみたいだ。どうやら「国境」のようだ。
僕もパスポートを提出し、確認のサインをしてもらうと、
くもった窓ガラスをキュッキュッと袖口でこすり外を見た。
そこには、なにもない雪国の大平原にポツンとゲート付の建物があるだけだった。
トンネルも国境の壁もなにもない。どんよりとした灰色の空の下、
本当に拍子抜けするほどなにもない景色が広がっているだけだったのだ。

「ブップワーン!」
バスはホーンを長めに鳴らして、さらに北へと動き出した。
僕はその音が「スウーッ」と消えてしまったのを聞いて、
なにもかもがはるかな白い地平線に吸い込まれて行くような、
そんな優しさを感じて目を閉じ頭をうずめた。

「つづら折」「雨脚」「麓」
803名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 21:16
「国境」「トンネル」「雪国」

国境のトンネルをぬけるとそこは雪国だった。
そのとき俺は思った、ここは日本だ、国境のトンネルなど抜けると
そこは唐辛子の国であろう。
これは県境ではないのか。川端康成も物をしらぬ。
俺は思いだしつづける。
夜の底が白くなった、停車場について、女が窓をあけ叫んだ。
「駅長さーん、駅長さーん」
だんだん、俺の記憶は虚になってゆく、いい加減になってゆく、こ
の女、たしか、都会のいかれプーだったか、主人公に絡んで大騒ぎ
になるのではなかったかな、名前は雪子だったか。ちがったか。
確か風呂屋の娘かなんかがもう一人いかなっかったか?
なにしろ雪国を読んだのはずいぶんむかしの事だ。
ラストでは娼館が大火災を起こすのだったな、それで主人公はふか
い雪の中、汽車にのって都会に戻るのだ。たしかそうだった。
記憶のトンネルを抜けると、なんか違う話になっているような気も
するが確かめるすべはない

#お代は上の方から。
804名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 21:26
国境、雪国とくるとやっぱロシアっぽくなってしまうね。
ロシアは世界の雪国なのか。
805802:2001/06/13(水) 21:32
いや、イメージは、スウェーデンからフィンランドあたりで考えていたんだけど。
高い山が少なくて、なだらかな平原が連なっている。
実際に国境の風景って、あんまり特別な雰囲気じゃないらしい。なんて話を聞いて
いたもんだからねぇ。
で、この「文豪キーワード」もいいとは思うけど、もしかしたら、逆にイメージが
固定してしまいやすいものになるかも?って、ちと心配。
たとえば、上の「つづら折」「雨脚」「麓」は、川端康成の「天城峠」からとって
いるけど、シチュエーションが限られてしまうような。でも、楽しみではありんす。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 21:49
>>805
固定しているからこそ、壊す楽しみが出るので、それはそれでよいと思われ。
「口づけ」「残り香」「タバコの煙」とか出してみたい。(w
(↑五木ひろし、ね)
807名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 21:58
え、天城峠?
おれはもういっぺん、うろ覚え文学大作「伊豆の踊子」でやろうと思ったのに。

雨足がつづら折れを白くそめて、早足で上がってきた。

って。いきなりうろ覚えで間違えているような気もしないでもないが。
(絶対ちがうなこの書き出し)
808「つづら折」「雨脚」「麓」:2001/06/13(水) 22:10
山向こうのその小さい村にいこうとすると、その街からは峠をぬけるつづら折になった道路をとおらねばならない。
麓の街を出発した時は、空をおおった雲から、丁度ぽつりぽつりと雨粒がおちてきていたのだが、車ならば大丈夫だろうと出発したのだった。
峠に差し掛かる頃には、雨脚が激しくなりワイパーを一番激しくまわしても、視界が前方1mほどしかみえなかった。
「まいったね、これは」
同乗の東京からきた役員がつぶやいた。道路はアスファルトでおおわれてはいるが、やはり田舎だ。
「いつもこんなにこの時期は雨が降るのかね?」
テーマパークをつくるには適してないかもしれないなと、役員は車の中で肩をすくめた。


#お題は「かえる」「王冠」「お姫様」 でどうでしょ?
809808:2001/06/13(水) 22:13
落ちのつけ様がちょっとなくて・・・^^;うーむ
810名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 22:35
>>807
うっ、ゴメソ。間違えたのは、わたしだぞなもし。「天城峠」じゃなくて「伊豆の踊り子」
だったよねぇ。うぅ、ハズカチ

「道がつづら折になって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の
密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。」でごんす。
811名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 22:43
「かえる」「王冠」「お姫様」

昔むかしあるところに、女の子がいました。
女の子が沼の横を通りかかった時に、素敵な宝石のちりばめられている
王冠と、ケガをした小さなかえるを見つけました。
かわいそうに思った、女の子は、かえるを連れて帰り王冠も持って
帰りました。
夢の中に、「かえるのケガが直ったら、王冠をかぶせてみよ」との
おつげがありました。
女の子がかえるに王冠をかぶせたら、それはたちまちのうちに
王子様になりました。恩人である女の子は、お姫様に迎えられました。

でも、お姫様になった女の子は、王子様があまりにぶさいくなので
王子様の王冠を取ってしまいました。あわれ、王子様はまたかえるに
なってしまったのです。

それからです、毎日沼のほとりで、美形になりそうなかえるに王冠を
かたっぱしからかぶせている幽霊が出るとうわさされているのは。

「折れたたばこ」「すいがら」「嘘」
812名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 22:45
                              折れた煙草の吸殻で あなたの嘘がわかるのよ〜

                              あごめん、無視して。
813名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 22:46
>>810
おお、俺の記憶は確かだったが。
書き出しは全然違う(泣)
814「折れたたばこ」「すいがら」「嘘」:2001/06/13(水) 23:09
「嘘ついてる?」
ママがくすくすと笑って、カウンターの向こうから、俺の吸殻を灰皿の中から摘み上げた。
「そんなわけないじゃないか、愛してるのはママだけだよ」
薄暗いクラブの明かりの中で、ママの口元がゆっくり笑うのがみえた。
「折れたタバコは証拠よ」
俺の差し出した手を、ゆっくり押し戻してママは奥の席の客のところにもどっていった。
「今日は帰るか・・・」
女房の待つ家に。



#次のお題は「岬」「車」「崖」で
815名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/13(水) 23:44
「岬」「車」「崖」

男は、その場所へやっとたどりついた。
そこは、湖から岬のように突き出している突端だ。
湖の他の場所は、すべて崖のように切り立っているのに
ここだけが、水辺の近くまで降りることができるのだ。
男は、フライロッドを組み立て、リールの歯車をカチャカチャと動かしてみた。

すべてを確認し、満足すると、男は、ゆったりとキャスティングを始めた。
40フィート前方に、ニセモノのカゲロウがふわりと着水し、
静かな湖面にかすかな波紋を浮かび上がらせた。

#岬・車・崖で、やっぱり崖から車を飛ばしたら予想されすぎちゃう結末かな?
と思い、ちょっとひねってみました。
それでは、お題は806に成り代わりまして「口づけ」「残り香」「タバコの煙」でよろしくです。
816806:2001/06/14(木) 01:05
使ってくれてありがたう〜。(w
817名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 01:22
「口づけ」「残り香」「たばこの煙」

今になって麻生は、もっと早くに声をかけておくべきだったと後悔していた。
十メートルほど先を歩いている遼子の様子は妙だった。
制服の袖をしきりに鼻にあてては、2、3度叩き落とすような素振り。まるで浮気した中年男が
残り香を気にしているような仕草である。

その日、麻生は胃の調子が悪かったので、会社を早退していた。
3時頃だったろうか、駅を降り、ふと見るとガラス越しに遼子がいた。
せわしなく鳴り響く電子音とパチンコ玉をはじく音、さらにその騒々しさを誤魔化すため、より一層の
大音量で流される流行りの歌。明滅するランプに浮かぶ気怠く沈んだ人の顔。渦巻くたばこの煙。
その店内、光と音の喧噪の中で、遼子がパチンコ台と向き合っていた。
目深にかぶったキャップのため、顔ははっきりとは見えないが、麻生には分かった。
「学校をサボっていたのだ」
背中合わせに座っている人の間をかき分け、遼子の近くまで来たとき、遼子が意外なほど青白い顔をしている
のに気付いた。
手元のパチンコ玉は、ほとんど残っていなかった。遼子は財布を開け、続いてズボンのポケット
を探ると、どうやらナケナシと思われる五百円を引っ張りだした。
すぐさま玉貸出機に五百円を入れようとして、ちょっと手を止めた。
次に遼子がとった行動は、麻生には、信じられなかった。
遼子は、五百円を引き戻し、額の前で祈りを捧げ、続いて口づけをした。
そして五百円をパチンコ玉に変えた。
五百円は、あっという間に消えた。
遼子は、しばらくパチンコ台を睨んだ後、幽鬼のように席を立った。

次は「巨人」「たいほう」「たまご焼き」で!!
818名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 02:11
817さんは結構なお年ですか?
819名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 02:19
「巨人も大鵬も卵焼きもみんな嫌いだい。」
「そういうのが懐かしくなるときもあるの」
「あなた病気なのよ」
今日聞こえた電波

「ラジカセ」 「アナログ」 「肩をつく」
820名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 02:32
「巨人」「たいほう」「たまご焼き」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
巨人が攻めてくる。
日本は上を下への大騒ぎになった。
竹槍で闘おうとする者。
大砲を据え付ける者。
枕を持って逃げ出す者。
たまご焼きを片手に穴に籠もる者。
しかし、そのすべてが無駄になった。
巨人は、マリアナ海溝にはまって動けなくなったからだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
そのまま使わなくていいようにあえて「たいほう」ってひらがなにしてくれてんだから。。。。。。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 03:05
「巨人打撃コーチに大豊が就任」
やじうまワイドのこの一報を聞いた瞬間、私は朝食の卵焼きを鼻から吹き出した。
822名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 09:33
アナログのラジカセ持って歩いていたら、おぢさんが肩をつく。

ふふっ、この短くて意味不明なのは単なる、言葉の羅列さ。
ちゃんと文章なんか考えられないからな、オレは電波だから。
煽っているのさ。荒らしてやりたいのさ。
うまく仲間に入りたいけど、それができないのさ。イヤなやつなのさ。

今ふりそそいだ電波。

#ところで、「肩をつく」というのは、成句としてなにかの意味を
持っているのでしょうか?いろいろ調べたけどわかりませんでした。
もしかしたら、お題も「電波」?
「長い影」「手綱」「風呂敷包み」
823ご提案:2001/06/14(木) 10:04
さて、1のめんじさんが作ってくれたこのスレも、さまざまなジャンルの作品が
飛び交うようになって来ました。文学派の人、お遊び派の人。
長文派、超短文派。現実派、超自然派。固有名詞使いたい派、使いたくない派。など。
(実際に投稿している人の数はかなり少ないと思いますが、全体の数分の1は
わたしが書いているし(藁))
そこで、できれば、「文学・文章修行」として考えている人と、「文字パズルお遊び」と
考えている人で、スレッドを分けたらどうでしょうか?
文章修行としてやっている人は、文字パズルの短文を見ると気が抜けてしまいますし
パズラーの人は、長文を見ると「うぜぇよ」と感じたりもする。

幸い、この板は比較的土地があまっているので、住み分けが可能だと思うのですが。
みなさんの、ご意見はいかがでしょうか?
824名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 10:18
玉石混交の方がいいと思われ。
というのも、「文学・文章修行」かつ「文字パズルお遊び」好きの
方にも楽しんでもらえるものを書いてみたいとの欲求があるから。
なんてのが、できたらいいのだが…
825名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 10:29
両方試せるのも、いい感じですからね。
今の方式が、新陳代謝が早く良いのでは、と思います。
826名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 10:45
>>824,825
実際に投稿されている方の立場から、そういった意見がでるならば
わたしもそれらに沿うようにしたいと思います。

ただ、わたし自身に関して言えば、10分〜15分と、うんうんうなって、シェイプアップし
15行ぐらいまでに圧縮まとめて書いた作品のあとに、数行のシュール系(?)の作品が
出て、お題がするりと変わってしまうと。なんかすごい脱力感に襲われるのですが……
はぁ、修行が足りないだけなんですかねぇ。
827824:2001/06/14(木) 10:54
確かに、出来た、と勇んで投稿しようとしたら、数行の作品に
先を越されていた時はがっくり来ますが、たまにふざけたものも
投稿することもありますし……
数行というのは、やったことありませんが。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 11:04
PCの前で、あれこれと悩んでから書く。というのがそもそも、1の最初の構想で
ある「即興文」と大幅にずれてしまっている。という気もかな〜りしますね。
829名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 11:19
「長い影」「手綱」「風呂敷包み」

手綱の長い影が、風呂敷包みを踏み越えて、ずっと先まで伸びているのが見える。
「懸命であることが、懸命でないことより偉いわけではない。」
「懸命でないことが、懸命であることより楽なわけでもない。」
「ただ、懸命である人、懸命でない人がいるだけのことだ。」
わたしの賢明でない頭は、どうどうめぐりを繰り返した。
「もうすこし歩いてみるか」

「夏の夜」「涼風」「白ぶどう酒」
830名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 11:25
その時の気分で、長考したのや、即興のとか色々試せるので今のままのほうがありがたいといえばありがたいです。(笑)
調子とお題とがうまくあったときのとか、好きとかいってもらえたときは嬉しかったです。
私の場合は、一応、長考とはいっても10分くらいで考えつかなければ、個人的にはどなたかかかれるのにおまかせしてます。
また文全体は、参加当初は長い系してしまったので、最近はなるべく短くする努力をしてます^^;
831830:2001/06/14(木) 11:30
>>830
なんか変な文章になっちゃってすいません、いかんな〜やっぱ修行足りないなあ^^;すいませーん
832名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 11:40
「夏の夜」「涼風」「白ぶどう酒」

夏の夜、涼風にふかれながら、僕は麻美と議論していた。

「いつもいつも、そうまじめくさっててイライラしてくるわ。
なんでもっと楽しくやれないの?楽しいのが一番じゃないの」

「そりゃ、僕だって楽しくやってるさ。でも一生懸命にやっているからって
『おまえなんか、どうせ楽しみ知らないんだ!』って決め付けるのはどうかしてるよ」

「でも、あれこれ考えて悩んでいる時間が多いじゃない!そんなのは
『楽しくない生活』って言うのよ」

「ははは。そりゃ悩む時間だってあるさ。でもそれは自分の夢を実現させる
ためには避けて通れない時間なのさ。『夢』をあきらめてしまった君なんかより
よほど充実した毎日さ」

瞬間、麻美の顔色が変わった。
「あっ、つい言い過ぎてしまった」と僕は後悔した。
麻美は、コップに残っていた白ぶどう酒を一気に飲み干すと、
僕のわきを抜けて外へ出て行った。
風鈴の音はいつしかやみ、あたりには熱気が充満しつつあった。

「キャラメル」「滑り台」「草の中」
833「夏の夜」「涼風」「白ぶどう酒」 :2001/06/14(木) 11:42
老人は手の中のグラスに残った白ぶどう酒をゆらしていた。
部屋には老人以外誰もいない。
線香の匂いが、口に含んだ白ぶどう酒のそれとまざって鼻をくすぐる。
夜の涼風が、ベランダの軒先にかけてあった風鈴を鳴らして老人にその存在を思い出させた。
去年の夏の夜、近所の夏祭りにでかけた折に、妻にせがまれて買ってやった風鈴だ。
今年は何も買ってやる事ができなかった。
老人はグラスに残った白ぶどう酒を飲み干すと、ゆっくりと目を閉じた。

#お題、「隙間」 「過去」 「空」 でどうでしょ?
834833:2001/06/14(木) 11:43
すいません、833のお題なしで、
832さんの「キャラメル」「滑り台」「草の中」 でどうぞ。
835832:2001/06/14(木) 11:44
う〜ん、逆だな。逆。
議論している時には、風もなく風鈴もならない。ムンムンした暑さ。
でもケンカして彼女が出て行ったところに季節はずれのさむざむとした涼風が
通り抜けて行く。というようにすればよかったなぁ。
836832(修正版でげす。スマソ):2001/06/14(木) 11:56
夏の夜、風鈴がチリとも鳴かない熱気の中、僕は麻美と議論していた。

「いつもいつも、そうまじめくさっててイライラしてくるわ。
なんでもっと楽しくやれないの?楽しいのが一番じゃないの」

「そりゃ、僕だって楽しくやってるさ。でも一生懸命にやっているからって
『おまえなんか、どうせ楽しみ知らないんだ!』って決め付けるのはどうかしてるよ」

「でも、あれこれ考えて悩んでいる時間が多いじゃない!そんなのは
『楽しくない生活』って言うのよ」

「ははは。そりゃ悩む時間だってあるさ。でもそれは自分の夢を実現させる
ためには避けて通れない時間なのさ。『夢』をあきらめてしまった君なんかより
よほど充実した毎日さ」

瞬間、麻美の顔色が変わった。
「あっ、つい言い過ぎてしまった」と僕は後悔した。
麻美は、コップに残っていた白ぶどう酒を一気に飲み干すと、
僕のわきを抜けて外へ出て行った。

風鈴が激しく揺れ「チリチリリリリリリ」と突然警鐘を鳴らし始める、
季節外れの、さむざむとした涼風が、僕の心をはためかせ、ふきぬけて行く。
837どぅ:2001/06/14(木) 12:11
「だから、お前はだめなんだ!」
ビールの苦手な親父は山梨で手に入れた白ぶどう酒を片手に怒鳴った。
「お前にはムリだ。才能がない!」
さらに、“お前はキチガイだ”と付け加える。
「芸人になれるわけがない。お前は勉強だけしてればいいんだ。」
ドン!と“涼風”とラベルの貼ってある酒のビンを机に置く。
「わかったか!わかったらハイと言えっ!」
言わない僕にさらに腹を立てる親父。
「返事もろくにできんのか!?オレがお前ぐらいのときはなぁ・・・」
夏の夜はまだ続きそうだ。

next→「じゃがいも」「おっさん」「アフガニスタン」
838どぅ:2001/06/14(木) 12:16
いやーん、すでにお題が決まってる。
タイプが遅いなオレは悲しい
839名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 13:01
「キャラメル」「滑り台」「草の中」
僕が子供の頃、いつも遊ぶ公園には、かなり大きい滑り台があった。
それを滑ると、かなりの加速がついて、スリルを味わうにはもってこいだった。
ある日、それを逆に登ってみよう、と言う話が持ち上がった。
何度か繰り返すうち、登り終えるまでのスピードを、皆で競い合うようになっていた。
僕はグリコのキャラメルを口に含み、「一粒200m!」と言うが早いか、手すりをつかんで、登りはじめた。
しかし、キャラメルは口の中にとどまり続け、唾液があふれて呼吸が難しく、でも競争心はあって、
出来るだけ早く登ろうとするうちに、貧血を起こしてしまった。
滑り台のかなり上の方から、手すりを乗り越えて落ち、柔らかい草の中に投げ出された。
皆が集まって、顔をのぞき込んでくる。背中を思い切りぶたれたように、痛い。
意識はぼやっとして、死んでしまうのだろうと思った。
でも、すり傷一つさえなくて、10分もしないうちに、僕は滑り台を登りはじめていたのだった。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 13:03
次のお題は
「ばら肉」「青年」「お祭り」
でお願いします。
841名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 14:13
「ばら肉」「青年」「お祭り」

僕たちは、お祭りの帰りに焼肉屋によってメシを食っていた。
店の青年が持って来てくれたばら肉を受け取とった美香は、プレスされたステンレスの
肉ばさみでつまみ、網の上に乗せはじめた。
「あのさぁ、さっきの話の続きなんだけどさ。」
「なんだっけ?」
「ドラマの話だよ。覚えてないの?やっぱ、ドラマのある人生っていいよねぇ」
「そうか?あまりドラマチックなのは、疲れるだけだろ」
「なにー?つまんないこと言うなぁ。あんたはいつもそれだもんね」
「お前みたいに、あぶなっかしい人生のどこがいいんだ」
「ふんだ。もっと、ワクワクするようなハラハラドキドキが欲しいとは思わないの?」

僕は、身体をほんの少し乗り出し、焼肉のけむりを我慢しながら、小声でこう言った。
「よし、じゃぁ、これからふたりでホテルに行こう」

美香は、「えっ」という顔をしてこちらをマジマジと見つめた。
急にフェンシングのような構えをしたかと思うとその右手を突き出し
僕の鼻をつまんでこう言った。
「発想はよろしいが、そのドラマは却下されました」

なにごともなかったかのようにまた肉を焼き始めた美香は、もういちど
こちらを上目づかいに見ると「ぎゃお!」と猫のように口を開けて鳴いてみせた。

「ドラマが欲しい」とさけぶ美香自身が、僕には理解不可能なドラマだった。

「無骨な手」「卓袱台(ちゃぶだい)」「メロン」
842841:2001/06/14(木) 14:26
ゴメンナサイ

僕たちは、お祭りの帰りに焼肉屋によってメシを食っていた。
店の青年が持って来てくれたばら肉を受け取とった美香は、ステンレスの
肉ばさみでつまみ、網の上に乗せながら話しはじめた。

「やっぱ、ドラマのある人生っていいよねぇ」
「そうか?あまりドラマチックなのは、疲れるだけだろ」
「なにー?つまんないこと言うなぁ。あんたはいつもそれだもんね」
「お前みたいに、あぶなっかしい人生のどこがいいんだ」
「ふんだ。もっと、ワクワクするようなハラハラドキドキが欲しいとは思わないの?」
「わかった、じゃぁ、これからふたりでホテルに行こう」

美香は、「えっ」という顔をしてこちらをマジマジと見つめた。
そして、急にフェンシングのような構えをしたかと思うとその右手を
ぐいっと突き出し僕の鼻をつまんでこう言った。
「発想はよろしいが、そのドラマは却下されました」

なにごともなかったかのようにまた肉を焼き始めた美香は、もういちど
こちらを上目づかいに見ると「ぎゃお!」と猫のように口を開けて鳴いてみせた。
843名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 18:19
無骨な手が、今、ささやかな夕食の盛られた卓袱台の縁にかかった。
来る!卓袱台返しが来る!父ちゃんの卓袱台返しは、今日に始まった事じゃない。
でも、今日は、特別なんだ、どうしても駄目なんだ、やめろ!
今日は、貰い物のメロンが載っているんだ。生まれて初めてメロンが食えるんだ。
だが、もう遅い、卓袱台はすでに鈍角から鋭角に傾きを換えつつあった。
一瞬、味噌汁まみれ、米粒まみれになったメロンが脳裏に浮かび、気が遠くなった。
いけない、気を取り直し、ついに自由落下をはじめたおかず達の中、メロンめがけてタックルした。

今思えば、この出来事が、野球を捨て、ラグビーの道へと進むきっかけになったのかもしれない。
844名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 18:22
次は
「思いこみ」「試練」「道」
でお願いします。
845名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 18:58
「思いこみ」「試練」「道」

「勇者よ!この道の先には大きな試練が待ち構えておる。
それは『思い込み』という試練だ。おまえの思い込みが
おまえを苦難におとしいれまた思い込みがおまえを助けるのだ。ゆけ勇者よ!」

はっきり言って、予言者のじじいが何を言ってるのか、さ〜っぱりわからなかった。
しばらく進むと、「うどん屋」が見えて来た。ちょうどおなかがすいていたので
何かを食べようとくぐってみると、中は「せんべえ屋」だった。
おかしいなぁ。と思ってもういちど外に出ると「とんかつ屋」という看板がかかっている。
じゃぁ、とんかつを食べようと思ってもういちど中に入ったらそこは「スパゲティ屋」だった。
オレは、ようやくわかった。つまりこれが思い込みということが自分がしっかりと
していないから、いろんな店に見えて来てしまうのだ。と。
そこで、オレは確信を持って「スパゲティをくれ」と言った。
「絶対にスパゲティが出てくる」と思い込みながら、しばらく待っていると
「スパゲティ」が出て来た。
よし、食べるぞ。とフォークでくるりとまるめたら、もじゃもじゃ動いているではないか。
「みみずだ」
しかし、これもきっと思い込みで解決できることと考え、オレは「これはスパゲティなんだ」と
思い込み、口にした。口の中はじゃりじゃりした砂でいっぱいになった。
オレの思い込みが負けたのだ。
「うっ、どこで思い込みがくずれはじめたのだろう」
記憶を逆回転にたどり始めた。「おなかがすいていた」というのがそもそも「思い込み違いか」?
いやいや「じじいの予言」か?はたまた「自分が勇者である」ということそのものか?
と気づいた時、オレは、普通のかっこうをしている自分に気がついた。
なんだ、全部夢だったのか、とホッとしながら立小便をした。

自分が起きているという「最後の思い込み」に気づかないまま……

「水平線」「遠い国」「旅立つ」
846名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 20:32
>>842さんの

#なにごともなかったかのようにまた肉を焼き始めた美香は、もういちど
#こちらを上目づかいに見ると「ぎゃお!」と猫のように口を開けて鳴いてみせた。

のくだりが好き〜「おお、そういうのもあるあるか〜」みたいな(笑)
847名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/14(木) 21:23
842です。ども。
こういったしぐさをする女性を3人ぐらい記憶しています。
みんなホテルに誘ったわけじゃないですよ。(藁)
なので、特定の人に固有の動作、反応ということではないと思っています。
ただ、しいて言うならば、いずれの女性もどちらかと言うと美人タイプで
遊び慣れている感じでしたねぇ。多分、そこらへんに関係ありそうですね。
この時の美香のこの行動は
●このぉ、エッチ!
●もういちど、誘ってみてよぉ
●さそってくれてありがと
●まだ、はやいわよ。バカ
みたいな、そんな複雑な心境のあらわれかな?
この状況で、「美香は目のやりばに困ったように小さく『ばか』と囁いた」というような
ありがちな表現や、慣用句の使いまわしじゃチトつまらないと感じたです。
人間のなにげない動作の裏側にくっついてくる心理というのは面白いですね。
個人的には、このタイプの女の子好きです、わたし。
848名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/15(金) 13:26
それから3週間が経って、僕は旅立つ決意をした。
今まで僕が持っていたものと、これから持つことになるだろうものを、すべて失う覚悟を決めた。
身の回りの小物とタオルをひとつ、くたびれた鞄に放り込む。
ナイフを持っていこうかさんざん迷ったけど、結局置いていくことにした。これから僕が行く場所では、きっと何の役にも立たないから。
家を出る前に気付いたのは、郵便受けに入っていた手紙。僕に宛てられていたものだったけど、僕はそのままにしておいた。
ドアを開けると眩しい光が差し込んでくる。もうここへ帰って来る事は無い。僕は二度と振り返らなかった。
水平線の向こうに小さく、遠い国が消えていった。

次は「焦燥」「地獄」「蔓延」
849名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/15(金) 14:20
「焦燥」「地獄」「蔓延」

「ぐわぁーーーーーん!」
耳をつんざくような轟音さながらの直射日光による空爆から
ほんの少しでも身を守ろうと、俺は植え込みの樹の下に移動したが
それは頭を太陽の直撃弾から守るぐらいの、ほんの少しの影しか与えてくれなかった。

太陽は、真上をゆっくりゆっくり飛翔していた。

動きのにぶい熱風は、身体をなめまわすように通り過ぎ
俺たちの水分のすべてを奪って行く。
「待ち人来たらず」の焦燥感が、
腕時計をのぞき込みながらの「チッ!」という舌打ちを合図に
伝染病のようにあたりに蔓延して、さらに空気を重くする。

足元の砂を「キュッ」と蹴った。
運の悪いアリが煽られて、すりばち状の乾いた砂に「ポトン」と落ち込んだ。
上がって元にもどろうとするそばから砂はサラサラとくずれ落ちてしまう。
アリ地獄だ。
底から真っ黒で細身の虫がさささっとあらわれ、
あっと言う間にアリを引きずり込んで行った。

「ラテンアメリカ」「宣伝」「独断」
850名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/15(金) 14:44
「焦燥」「地獄」「蔓延」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
勇者は焦っていた。
魔王の侵攻は苛烈を極め、城壁は用を為さず、疫病は蔓延し、街に住む人々は疲弊しきっていた。
このままでは、「勇者」の地位が危うい。
勇者の焦燥は失態を呼び、もはや魔王に対し人々が抗うすべはなくなった。
やるしかないのか。
勇者は青ざめた顔で謁見の間に赴き、魔王討伐に向かうと告げた。
こんなはずじゃなかったのに……。
民衆の信頼さえ築いてしまえば、あとは楽に暮らしていける。父親のそんな姿を見て跡を継いだというのに。
しかしこの男には、勇者としての資質が確かに受け継がれていた。だからこそ、魔王の元へ赴くと申し出たのだ。

街は、辛うじて生き残った。
しかしそれは、地獄からの使者による恐怖の下に生きる、救いのないいのちだった。
恐怖の支配者は、かつて勇者と呼ばれた男であった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
# 現在のお題は〜「ラテンアメリカ」「宣伝」「独断」
851名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/15(金) 16:01
確かに、よく考えてみると一週間程前から様子が変だった。
トウモロコシの粉を貪り食い、時たまこちらを見ては奇声を発する。
妙子のこのようなあられもない姿を世間にさらすまじ、と
己の独断で自宅に監禁していたのだが、それももう限界のようだった。
てゆうか聡明な私は今悟った。これは心の病だ!心のケアだ!
……で、何とかシンという薬剤を数種与えて彼女をいたぶること2時間。
あの雌豚、簡単に吐きゃぁがったざんす。
「スペイン人……マッハむかつく………」
その言葉に脳裏を横切った光景があった。8月に決まった式と、
その後のムフムフな新婚旅行。妙子が得意げに、私の目の前にかざして
見せたのは「こんなにイケてるラテンアメリカ」という宣伝文句の
パンフレットではなかっただろうか。
昼下がりの優しい日差しの中、そんな彼女の真摯な想いに胸を打たれて、
私は言うべき言葉さえ失っていたのだった。
852名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/15(金) 16:02
すまん、題を忘れてた。
「臓器」「あさましい」「GDP」
853名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/16(土) 14:39
「臓器」「あさましい」「GDP」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
今の不景気は、新聞の見出しが招いたんじゃないかと勘繰りたくなってしまう。
「大型倒産」「GDP減少」「緊急制限発動」……資本主義とは、かくもあさましい獣のごとき所行なのか。
俺は厭になって、新聞を窓から投げ捨てようとした。
しかしその時、めくれた部分に目が止まり、俺は手を下ろした。
『あなたの臓器、売ってください』
なんたることだ、金の亡者め。貴様らはこんなものまで商売にしてしまうのか。
俺はいよいよ怒り心頭に発しながら、その広告に目を通した。
「……あなたの腎臓の、二つのうちひとつをいただければ、軽井沢の別荘を差し上げます!……」
別荘……。俺は早速、携帯電話のボタンを押した。
「あーもしもし、腎臓売ります。はい……」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次は、「渚」「誘惑」「やるせない」でよろしくぅ!
854禁鳥:2001/06/16(土) 16:17
「渚」「あさましい」「GDP」
−−−−−−−−−−−−−−−
光さす渚を俺は走りつづけた。
昨日からなにも口にしていない。
のどが乾く。海水を飲む。さらに乾く。この繰り返しだ。
幼い頃母がいった。
「この独活の大木がッ、涸れ井戸に水をたらすような
人生を送りやがれッ!!」
俺は不思議だった。そういっている母親の目は
黒目の部分が広がって、目全体が黒くなっていたから。
十年後、島を出た俺は大都会の真ん中で路上をさまよった。
あさましいこととは思いながらもゴミをあさった。
そうしていま俺は64。先などない。後もない。
GDPなどどうでもいい。小泉内閣などどうでもいい。
紫陽花のように、枯れゆくのみ。

==============
次はもちろん「塩」「ランドマークタワー」「蛍光灯」です。
855名無し物書き@推敲中:2001/06/16(土) 18:01
>>854
お、お題がごっちゃになっております……(涙
856名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/16(土) 18:01
唐揚げ
857禁鳥:2001/06/16(土) 18:35
申しわけない。お題がごっちゃになったので、罪滅ぼしにもう一つ。
「塩」「ランドマークタワー」「蛍光灯」で
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「母さん、塩がないよ」
俺は青菜の油いためを作りながら母に声をかけた。
「あんた、お隣に聞こえたらどうするの!
うちは買えないのよ、塩さえも。」
母さんはほつれた髪をせわしく撫でつけながら小声で言った。
僕は本当に悲しくて、将来は金持ちになりたいと思ったが、
無理だと思った。もうどうでもいい、やけっぱちな気持ちが
つのりにつのった。父さんがいた頃はこうではなかった。
ランドマークタワーにも連れていってもらった。
父さんが死んでからはずっとこうだ。塩もないが、夢もない。
俺はチカチカと明滅する蛍光灯を見ながら青菜を皿に盛った。
味なしの青菜だ。
============
次は「氷」「黒縁眼鏡」「ケンタッキーフライドチキン」ですね。
858名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/16(土) 21:55
「氷」「黒縁眼鏡」「(ケンタッキー)フライドチキン」

「はぁー!」
わきの下につっこんでいた手の平をひっぱりだし、僕は息を吐きかけた。
「寒いよ。寒いよタカシ。いつまでこんなところにいればいいの?」
由美子は僕に身体を寄せながら、弱々しい悲鳴をあげる。
「あの黒ブチ眼鏡の野郎さえ、いなくなれば、すぐに出られるさ」
「あと、どれぐらい?」
「それは、わからないけど……」
「ええっ、こんな肉の保存用冷凍庫に隠れてたら、氷づけになっちゃうよ」
「がんばってくれよ。あっ、そうだ。さっき買い込んだフライドチキンを食べよう」
袋の中からふたつひっぱりだし、ひとつを由美子にわたし、もうひとつを
自分の口に放り込んだ。
ほんの少し残っているだけの肉の温かさは、僕たちの体温も急速に
奪われているという事実を、あらためて噛み締めさせた。

「ガチャガチャ。ガシャ。」

僕はあわてて由美子の口を押さえ、物音のした方を見やった。
懐中電灯の光の楕円がひとつ、スルスルと奥の方へ伸びて来た。

「契約」「眼帯」「ポタージュスープ」
859名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 01:57
「契約」「眼帯」「ポタージュスープ」
妹は、ポタージュスープを口に運ぶとき、またこぼした。
左目を眼帯で覆っているせいだ。
帰ってきたときの泥で汚れたブラウスは着替えているが、腫れあがった顔と憔悴している表情はさっきのまま変わらない。
もう我慢できない。妹は、怒りよりもむしろ悲しみの感情が勝っているかもしれないが、私には怒りと憎悪しかない。
これが最初じゃないんだ。妹は黙っているが、これが最初でないことくらい知っている。
それどころか、ヤツの暴力はますます酷くなるばかりだ。
私は、上着をつかみ、外へ出た。

タクシーの中で、少し冷静になれた。
簡単ではあるが、契約書を作成している。ヤツにサインさせるためのだ。もう二度と妹に、我々に近づかない旨の契約書だ。
殴ってやりたい気持ちは、まだある。しかし、大学生のヤツと会社員をしている私とでは、同じ喧嘩でも自ずと意味合いが
違ってくる。今の仕事を失うわけにはいかない。こんな考えをするようになっては、もう歳を感ぜざるを得ないかもしれないが。

そういえば、友彦はいつ帰ったのだろう。たしか、彼と玄関先で飲み屋の話の続きをしていた時に、妹が帰ってきたのだった。
気を利かせて黙って帰ったのかもしれない。あいつは、冗談ばかり言っているようだが、いざとなると口は堅い。
このことも黙っていてくれるだろう。

ヤツの家の近くでタクシーを降りた。
見ると、ヤツの家の手前、暗い街灯の下でブロック塀にもたれるようにして誰か立っていた。
友彦だった。
汚れて、袖の裂けたシャツをぶら下げ、目と口の周りを赤く腫らした友彦は、私の顔を見ると照れくさそうに笑った。


次は「胸毛」「リボン」「雨あがり」で。
860ヘタレ物書き@〆切無し:2001/06/17(日) 10:41
「胸毛」「リボン」「雨あがり」

すりガラスに滲む紫陽花がわたしをなごませていた。
ひさしぶりの陽光を浴びたてるてる坊主が軒下に揺れている。
雨上がりのつかの間のアバンチュール。
わたしはうきうきしながら公園に向かう。
彼はわたしの作ったお弁当を心待ちにしているに違いない。
卵焼き、ミートボール、そしてリボンを結んだウインナー。
「まった?」
「いや、俺も今来たところだ」
彼の笑顔に、わたしもとびっきりの微笑返し。
彼はわたしの胸元のペンダントを見つめている。
去年の誕生日に、彼に貰ったわたしの宝物。
「おい」
「な、あ、に」
わたしは彼にもたれかかりながら甘えてみる。
「お前、胸毛剃り忘れてるぞ」

次、「孔雀」「鎌」「電磁石」
861名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 10:43
mumu
862ルパン:2001/06/17(日) 10:53
孔雀・鎌・電磁石

孔雀はオスの方が華やかなんだぞ。
あら、そうなの?発情の度合いが激しいってことかしら、ふふ・・・。
違うよ、オスの方が積極的で、ヴァイァリティがあるってこと。
ふーん、で、あんたはどうなのよ?
俺?俺だって、積極的さ、だからおまえのこと好きだって、もう何回も言っているじゃないか?
あら、そうだったっけ?
まーたとぼける。意地悪な女だなァ。
おいおい、おまえ一人で何をぶつぶつ言ってんだ?
うるせえ、百姓!
なんだと!てめぇこそ百姓だろ。鎌が似合っているぞ!
ちょっと、あんたたち、うるさいわよ!
黙れ、田舎女!
おいおいおいおい、混信が凄いな。
なんだ、これ?
巨大な電磁石みたいだ。
ガイガイガイガイガイガガガガガガーーーー
あんた、どうしたのよ、ねぇ、あんた!?
ガイガイガイガイガイガイッガガガガガガガガ

次は、葉巻・借金・ニュース
863名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 11:39
「葉巻」「借金」「ニュース」

「武下さん、なんで犯人がわかったんすか?」
中野はラーメンをズルズルとすすりながら、向かいの席でうまそうに煙草を吸う男、武下に尋ねた。
「あのニュースキャスターの一件か?」
「他に何があるんですか」
お昼時を過ぎたラーメン屋の店内には二人以外に客は居ず、テレビから流れる再放送の
刑事ドラマの音がやけに大きく響いている。
「愛人、上司との確執、ギャンブルにはまって借金まみれにあの死体。そんだけ理由があれば
普通は自殺と判断するわな」
「じゃあ、なんで」
「灰皿だよ」
「灰皿ぁ?」
「そう。やっこさん、最近煙草から葉巻に変えたんだわ。妻の証言では彼は家以外では
一服もやらない。ところがホテルで発見された灰皿には、煙草の吸殻があった。そっから
何かあるんじゃないかと思ったんだよ」

次は「サッカー」「スパイ」「鉛筆」
864ルパン:2001/06/17(日) 12:01
「サッカー」「スパイ」「鉛筆」

このサッカー場に、敵側のスパイが紛れ込んでいる。
ゲームが白熱し、ファンが咆哮している。
さて、どうやって探し出すか?
ふと私は気づいた。
奴からみれば、私がスパイということになる、な。
ともに相手の裏をかき、ともに騙し、牽制し、攻撃に転じる。
私はスタジアムの大観衆のまぶしさに目をしょぼつかせた。
いつしか私の周囲には、フーリガンのような連中が次々とやってきて、ライオンのように少しづつ近づいてくる。
あ、背後にも!

私はポケットの中で握り締めている鉛筆をポキリとヘシ折った。
865ルパン:2001/06/17(日) 12:03
しまった。
次は「夢」「海賊」「鏡」
866名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 12:31
「夢」「海賊」「鏡」

「あれが、諸積なのか?」
私は、テレビに映る画面を見て、思わず箸を取り落とした。
「もしかして……諸積って、あの諸積君?」
鏡越しにテレビを見ていた頼子も、気付いたようだ。
将来の夢を問われたとき、漫画の影響らしく、胸を張って「海賊になりたいんだ」と答えた男が。
幼い頃の気持ちを失わず、石油会社に入社し、世界の海を駆け回っているはずの諸積が、今テレビ越しに私たちを見つめている。
顔は憔悴し、無精髭の生えているのが見て取れた。
アナウンサーは、諸積が大型の脱税疑惑で逮捕されたことを訥々と読み上げている。
「私、小学生の時は諸積君に憧れてたのよ」
ぽつりと漏らす頼子の瞳は、諸積が警察署の中に消えていくのを教えていた。
「羨ましいな」
あいつの瞳には、まだ光が宿っていた。
逃げることしか知らない私達とは、全く違う、不屈の魂を灯して。

次は「日向」「扇風機」「狐」
867名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 12:58
「夢」「海賊」「鏡」

「えっ、なんだって。それじゃまるで海賊じゃないかぁ」
「大きい声出すなよ」
僕は直樹に目くばせをしながら、口に人差し指をあてた。
計画の全貌を聞いた直樹は、「とても信じられない」という顔をしていた。
「夢や冗談で話しているんじゃないんだ。だから手伝って欲しいんだよ」
「そっ、そりゃ、無理だよぉ!」
今度は、小さな声で顔をしかめながら直樹は返事をした。
その瞬間、その店にいくつか貼られている鏡の反射の連続の中にあいつの
姿を見つけた。パズルのように入り組んだ鏡のおかげで正確にはどこに
いるのかわからなかったが、確実にあいつだ。
「もう、一緒に組まざるを得ない状況になっちまったかもしれんぞ。
靴のひもは、しっかりしめてあるか?」
「なんだ、唐突に。どうしたってんだ」
「走る。走って逃げるんだ!」
僕は、出口を確認して走り出した。

お題は、上の人のでお願いします。
868ルパン:2001/06/17(日) 13:42
「日向・扇風機・キツネ」


人生には、日向と日影の両面があるんよ。
まあ、聞きなさい、つまらんかもしれんが、まあ、聞きんさい!
なァ、あんたはな、危うく、しょうもない女に騙されて、人生を棒にふるところだったんよ。
しかしな、あんたはやはり賢かったよ。
だからすんでのところで、アホなことせんと、目覚めたんよ。
な、もう改心しんさい。
あんたはな、狐に化かされていたと思えばイイ。
これからアンジョウやりなおしたらいいやんかァ。

「ねぇ!クーラーは無いの?暑い部屋だね、ここ!・・・だいたい、あんた、誰だっけ?」

あらぁ・・・、ねぇ、あんた、まだボケてるんじゃないの?まだ夢みたいなこと言ってるやないの?え?クーラって、何?
ちょっと!ちょっとおフミはん!扇風機もってきてやって!この子ォ、まだボケてんの。
869ルパン:2001/06/17(日) 13:47
また忘れてしまった。
次は、「時計」「不眠症」「ミサイル」
870名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 13:56
>>868
ふうっ、超難解な世界ですねぇ。
871名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/17(日) 22:08
「時計」「不眠症」「ミサイル」



ウサギが眠らないのはなぜ?

それはウサギさんが不眠症だからよ。

じゃあなんでウサギさんは不眠症なの? 不眠症ってなに?

不眠症ってのは眠れない病気の人のことよ。ウサギさんはミサイルが降ってくるかもって心配で眠れないのよ。

ふ〜ん……

 時計を気にしながらいいかげんなことを子供に教えている母親らしい女。
どうしてこう、母親って奴はいつも無責任なんだろう。

じゃあ、ウサギさんは空が落ちてくる心配ばかりしてた杞憂のヒトとおんなじなんだね。

 クソがきは賢しげに聞きかじりの単語を並べていた。


次のお題、
「指輪」「蛍」「天体観測」
872ルパン:2001/06/17(日) 22:22
「指輪」「蛍」「天体観測」

あのひとが、呉れた、結婚指輪。
でも、あのひとは、もう居ない。
わたしは思い出の7月を回想しながら、夏の夜に、この指輪をはめて、小高い丘の別荘から、そっと空を眺めるの。
夏の夜空は静かで、雄雄しい。
あたしが月なら、あなたは星。
ねぇ、どの星なの。
星の光りははるか数億光年の彼方から、あたしのもとへ。
ねぇ、今あたしが見ているあなたの星は、はるか昔のあなただったの?
今ごろになって、やっとあたしのところに届いているの?
これって、定めなのかしら。
それとも、ただの偶然なのかしら。

窓の外から、少し離れた遠くの林、かすかに蛍が静かにちらちらと。

「天体観測は一人でするものだよ」
あの人は、いつも得意げに、ちょっと気取ってあたしを楽しませたっけな。
あたしは、ひとり。
(なんだかこのネタ気に入った。創作に使おうっと。)

つぎは「別れ」「太陽」「タイヤ」
873「別れ」「太陽」「タイヤ」:2001/06/17(日) 23:36
人間作った平たい道。私たちが森を歩くとできる細い道よりずっとずっとおおきい。
硬い硬い体の獣が、人間をのせて凄い勢いで走る道。
「あの嫌なにおいは、タイヤというのが出してるんだ」
もっと麓からこの森に逃げ込んできた仲間がいっていた。
臭い、嫌な、におい。だけれども森はここにある。
春がきて、私たちは子供をつくる。
夏がきて、私たちは子供を育てる。
暑い太陽は、私たちも子供たちも獲物たちもそだてるけれど、あの嫌な匂いも際立たせる。
嫌な匂いが、鉄の獣のタイヤが私の子供をひき殺した。私の子供の屍骸の上を、最初の獣の仲間が通り過ぎる。
私の子供が嫌な匂いにまみれ、太陽がそれを乾かしていく。
「別れ」はもうずっと会えないこと。それを連れてくるのは、人間に従うあの硬い獣。


#「わた菓子」「金魚」「暗い夜」でどうでしょ?
874名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 00:31
「わた菓子」「金魚」「暗い夜」

祭りの帰り、暗い夜道を彼女と二人だけで歩いていた。
「このチャンスしかない」と、ずんずん僕は暗い方に歩いて行った。
そして唐突で、彼女に軽くキスをした。
「あっ、さっき、わた菓子食べたから口のまわりがべとべとするよね。ごめん」
そう言ってから、今度はもっと強く彼女を抱きしめながらキスをした。
「わたしの方こそごめんね。ジャリジャリしてて。
きっと、口の中にさっき食べた金魚のウロコが残っているのね」

「めんたいこ」「足袋」「一円玉」
875名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 03:03
「運転手さん、急いでください」
タクシーの座席で腰を浮かしながら、
私のイライラは絶頂に達していた。
上野発の最終列車に間に合うだろうか。
母が送ってくれた足袋を履いて踊った
最終公演の打ち上げもそこそこに、
私はタクシーをつかまえた。
故郷への想いが私を駆り立てる。
「お客さん、もうすぐだから」
運転手は呑気に鼻歌なんぞを歌っている。
私はポケットの中の一円玉を指先で転がしながら、
タクシーの進む方向をじっと見つめる。
膝の上に置いたお土産の明太子の袋を抱き込んで、
私は故郷への思いを噛み締めている。

次、「コーラ」「便箋」「風鈴」
876名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 03:05
こら!ヴィンセント!!
不倫なんてゆるさんぞ!!!
877名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 06:58
ママンのお使いで便箋と風鈴を買ってきました。
帰りがけにおだちんで百円の瓶コーラを買いました。
一口含んでやっぱりペプシコーラにすればよかったと思いました。
878名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 10:49
「コーラ」「便箋」「風鈴」
877さんが次のお題を書いていないので。

小さい頃、大事にしまっていた便箋を取り出した。
几帳面だった母らしく、私が無造作に放り込んでおいた小物は全て丁寧に収めなおされている。
雑誌の付録らしい安っぽいものばかりの中で、一つだけ作りのしっかりしたものが混ざっている。
窓から入り込む光に透かし、この便箋をどこで手に入れたのか考えてみた。
「あ、そうか」
ちりん、と鳴った風鈴の音が、私の記憶を引きずり出した。
隣町までお使いに行った帰り道、見知らぬ小母さんに声を掛けられたこと。
叔母さんの家でコーラを飲ませてもらい、便箋を見せてもらったのだ。
そうだ、その中で一番気に入ったこれを、私はもらったんだった。
知らない人の家にお邪魔したことがバレないよう、押入れに仕舞い込んだのだろう。
母は、全てお見通しだったわけだが。
今年で三周忌になる母の笑顔を、空に思い描いた。

次「眼鏡」「チラシ」「フェンス」
879名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 11:33
飾り気のない水銀灯がぎらぎらと会場を照らしている。
有棘鉄線のフェンスが天井まで張られリングを覆い囲っている。
熱気。
汗の匂い。
観客の怒号。
殺せ!殺せ!やれ!殺せ!
アドレナリンでいかれた奴らが
フェンスに向かってチラシだのビール缶だのを投げつけてくる。
だが観客とは対称に俺は極めて冷静だった。
いや、冷静というより本当にどうでもよかった。
観客がどこの誰で、胴元にいくら賭け金を払っていようが関係ない。
この試合に勝ち残れなければ、俺にはもっとむごい死が待ちうけているのだから。
リングに一人立ち、ただひたすら一点に集中していた。
やがてスモークが焚かれ、照明が落とされると対面に派手なレーザーライトが交錯し始める。
「・・・やっとチャンピオンのご登場か。さあ、早く来いよ。」
衝動を抑えるようにそう呟くと、
俺は熱気で曇った眼鏡をリング外へ投げ捨てた。

次「教会」「天気」「最高」
880名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 17:02
協会


いいお天気今日も利権で資本主義の精神から開放されて最高、
そうだ教会にざんげしなきゃ。
881名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/18(月) 21:40
教会での挙式。
天気は最高。
でも私の気分は最悪。
「野郎、金に目がくらんであんなブスを選びやがって」
ウェディングドレスに包まれた豚を睨みつけ私は呪いの言葉を吐き続けた。
882「教会」「天気」「最高」:2001/06/18(月) 21:40
「最高ですか〜!」
「最高です〜!」
今も頭に残るあの大歓声。
人々の視線が俺にくぎづけになって、スポットライトをあびる、あの快感。
鉄格子の窓からは空が見える、今日もいい天気だ。
去年の今頃は教会で大勢の信者にかこまれていたのに、最低だ。


#次は 「津軽」 「舟」 「象の檻」 でどうでしょ?
883ヘタレ物書き@〆切無し:2001/06/19(火) 09:01
「津軽」 「舟」 「象の檻」

ベンベンベン、ベンベンベン
軽やかな津軽三味線の音色が低い天井を突き抜ける。
三人組の三味線弾きが互いに目を見合わせ、
舞台には熱気が立ち込める。
海峡を渡る船に乗ったわたしは、
三年前、故郷を捨てた日のことを思い出していた。
動物園の飼育係をしていた父は、学校が休みになると、
しばしばわたしを連れて行ってくれた。
しかし、わたしにはそれが苦痛だった。
象の檻の中にいる父が、床に落ちている
汚れた藁をを拾うその光景を、
わたしは嫌悪した。
そして今日、生まれ変わったわたしを父に見せようと、
身体を震わせ潮風に向かって絶叫する。
わたしは、わたしは、倉木麻衣。
その時背中から声が聞こえた。
ゴラア!

#次、「迎合」「貨車」「蹂躙」
884大尊:2001/06/19(火) 18:14
迎合するな、対抗しろ。私はよくそう言われた。
誰からともなくそう言われた。そんな気がしているだけかもしれない。
今私は貨車に忍び込んで旅をしている。
どこへ行くかはわからない。空を飛ぶ鳥のように情けない心境だ。
なかなかつかない。これは夢か。
どうして天童よしみはあんなに太っているのかとふと思った。
あれほどの大物になるとまわりもイエスマンばかり。
「あちきなすびの天婦羅が食べたいわ」
「わかりましたお嬢様」
バカらしい。あれをお嬢さまと呼ぶのは犬をお犬様と呼ぶのと
同じくらいもの悲しい。あれをお嬢様と呼ぶとき
俺の人権はべこべこに蹂躙される。

次「念仏」「かしわもち」「ジントニック」
885名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/19(火) 19:06
教会で、柏もちくって、ジントニックのむと念仏出るよ。>884
886名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/19(火) 21:39
念仏唱えながら柏餅食ってみ。耳からジントニック出そうになるから>884
887名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 03:44
迎合するな、対抗しろ。私はよくそう言われた。
誰からともなくそう言われた。そんな気がしているだけかもしれない。
今私は貨車に忍び込んで旅をしている。
どこへ行くかはわからない。空を飛ぶ鳥のように情けない心境だ。
なかなかつかない。これは念仏か。
どうして天童よしみはあんなに太っているのかとふと思った。
あれほどの大物になるとまわりもイエスマンばかり。
「あちきかしわもちが食べたいわ」
「わかりましたお嬢様」
バカらしい。あれをお嬢さまと呼ぶのはTAKARA缶チューハイをジントニックと呼ぶのと
同じくらいもの悲しい。あれをお嬢様と呼ぶとき
俺の人権はべこべこに蹂躙される。
888名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 03:53
飾り気のない水銀灯がぎらぎらと会場を照らしている。
有棘鉄線のフェンスが天井まで張られリングを覆い囲っている。
熱気。
汗の匂い。
観客の怒号。
殺せ!殺せ!やれ!殺せ!
アドレナリンでいかれた奴らが
フェンスに向かってチラシだのジントニック缶だのを投げつけてくる。
だが観客とは対称に俺は極めて冷静だった。
いや、冷静というより本当にどうでもよかった。
観客がどこの誰で、胴元にいくら賭け金を払っていようが関係ない。
この試合に勝ち残れなければ、俺にはもっとむごい死が待ちうけているのだから。
リングに一人立ち、ただひたすら一点に集中していた。
やがてスモークが焚かれ、照明が落とされると対面に派手なレーザーライトが交錯し始める。
「・・・やっとチャンピオンのご登場か。さあ、早く来いよ。」
衝動を抑えるように念仏を呟くと、
俺は熱気で湿ったかしわもちをリング外へ投げ捨てた。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 03:57
「ぐわぁーーーーーん!」
耳をつんざくような轟音さながらの直射日光による空爆から
ほんの少しでも身を守ろうと、俺は植え込みの樹の下に移動したが
それは頭を太陽の直撃弾から守るぐらいの、ほんの少しの影しか与えてくれなかった。

太陽は、真上をゆっくりゆっくり飛翔していた。

動きのにぶい熱風は、身体をなめまわすように通り過ぎ
俺たちの水分のすべてを奪って行く。
「ジントニック来たらず」の焦燥感が、
腕時計をのぞき込みながらの「チッ!」という舌打ちを合図に
念仏のようにあたりに蔓延して、さらに空気を重くする。

足元の砂を「キュッ」と蹴った。
運の悪いかしわもちが煽られて、すりばち状の乾いた砂に「ポトン」と落ち込んだ。
上がって元にもどろうとするそばから砂はサラサラとくずれ落ちてしまう。
アリ地獄だ。
底から真っ黒で細身の虫がさささっとあらわれ、
あっと言う間にかしわもちを引きずり込んで行った。
890名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 03:59
確かに、よく考えてみると一週間程前から様子が変だった。
かしわもちを貪り食い、時たまこちらを見ては奇声を発する。
妙子のこのようなあられもない姿を世間にさらすまじ、と
己の独断で自宅に監禁していたのだが、それももう限界のようだった。
てゆうか聡明な私は今悟った。これは心の病だ!心のケアだ!
……で、ジントニックをたらふく与えて彼女をいたぶること2時間。
あの雌豚、簡単に吐きゃぁがったざんす。
「スペイン人……マッハむかつく………」
その言葉に脳裏を横切った光景があった。8月に決まった式と、
その後のムフムフな新婚旅行。妙子が得意げに、私の目の前にかざして
見せたのは「こんなにイケてるラテンアメリカ」という宣伝文句の
パンフレットではなかっただろうか。
昼下がりの優しい日差しの中、そんな彼女の真摯な想いに胸を打たれて、
私は言うべき念仏さえ失っていたのだった。
891名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 04:03
人生には、日向と日影の両面があるんよ。
まあ、聞きなさい、つまらんかもしれんが、まあ、聞きんさい!
なァ、あんたはな、危うく、しょうもない女に騙されて、人生を棒にふるところだったんよ。
しかしな、あんたはやはり賢かったよ。
だからすんでのところで、アホなことせんと、目覚めたんよ。
な、もう改心しんさい。
あんたはな、狐に化かされていたと思えばイイ。
これからアンジョウやりなおしたらいいやんかァ。

「ねぇ!ジントニックは無いの?暑い部屋だね、ここ!・・・だいたい、あんた、誰だっけ?」

あらぁ・・・、ねぇ、あんた、まだボケてるんじゃないの?まだ念仏みたいなこと言ってるやないの?え?ジントニックって、何?
ちょっと!ちょっとおフミはん!かしわもちもってきてやって!この子ォ、まだボケてんの。
892名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 04:03
自信作並べてみたYO!!
893名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 04:14
>>892
で、そのココロは?
894名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 04:20
ボキの自信作を楽しんで!!
895名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 04:32
>>894
アホ。新作で勝負しろ。
今のお題はなんなのだ!
896名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 08:49
熱気。
汗の匂い。
観客の怒号。

あたりでいいんじゃない?
897名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 15:58
お題が無いなら
「念仏」「かしわもち」「ジントニック」
でいいんじゃないの?
898名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 16:13
>>897
ジントニックって何ですか
本当になんですか
答えなさい
答えてください
「入れてぇ…」
899名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/20(水) 18:00
>>898
検索かけてみ。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 00:05
「熱気」「汗の匂い」「観客の怒号」

俺の右ストレート。
奴の左フック。
リング上はすごい熱気だ。
奴の汗の匂いが伝わってくるようだ。
観客の怒号。
ダウン。
俺は、負けたのか?
俺の汗の匂いがする。
マットはすごい熱気だ。
観客の怒号。
あいつは、倒れている。
あいつも同じことを思っているのだろうか?
勝ったのは、俺だったのか?

みんな同じこと考えていたんだろう?
901名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 04:13
「念仏」「かしわもち」「ジントニック」

ここ数日、ゴルアはエロ小説の執筆に熱を入れていた。
ウンウンと唸りながら妄想を巡らすその様は、
赤鬼が念仏を唱えるかのようであった。
一息つこうと、ジンを多めに入れたジントニックの飲み干し、
レモンの輪切りをつまんで、アア〜ンと舌の先にのせてみる。
「最近お題も出さない馬鹿たれが増えてきてない?」
ゴルアは、エロ小説の執筆の合間に覗き見た三題スレを眺めて呟く。
「ほんと、馬鹿は馬鹿よ!」
自分に言い聞かせるように声を吐き出したゴルアは、
二週間前に買った柏餅を頬張りながらエロ執筆を続ける。
「マンセーの箱、どう使うんだろ?」
ハルニストの手がける連載小説の虜となったゴルアには、
マンセーの箱の使い道だけが気がかりでならなかった。

次「箱」「小船」「槍」
902こりゃあ簡単でええわい:2001/06/21(木) 04:31
ここ数日、ゴルアはエロ小説の執筆に熱を入れていた。
ウンウンと唸りながら妄想を巡らすその様は、
赤鬼が小舟で揺られるかのようであった。
一息つこうと、ジンを多めに入れたジントニックの飲み干し、
レモンの輪切りをつまんで、アア〜ンと舌の先にのせてみる。
「最近お題も出さない横槍が増えてきてない?」
ゴルアは、エロ小説の執筆の合間に覗き見た三題スレを眺めて呟く。
「ほんと、馬鹿は馬鹿よ!」
自分に言い聞かせるように声を吐き出したゴルアは、
二週間前に買った柏餅を頬張りながらエロ執筆を続ける。
「マンセーの箱、どう使うんだろ?」
ハルニストの手がける連載小説の虜となったゴルアには、
マンセーの箱の使い道だけが気がかりでならなかった。
903「箱」「小船」「槍」:2001/06/21(木) 06:42
浪人仲間と別れた後、ほろ酔い加減で男は渡し舟の船着場にやってきた。
すっかり夜もふけて、舟はでていなだろうが、夜明けは近い、一番舟までここで酔い覚まししてようと思ったのだった。
「旦那、舟がご入用ですか?」
船着場の小屋にさしかかると、人気がないとおもっていた中から一人の老人が顔を出した。
一番舟を待つ旨を伝えると、老人はにこりと笑って、提案を男にした。
「いやね、私じゃちょっと重くて持ち上がらない箱がありまして、それを私の舟にのせていただけないでしょうか
そしたら、旦那の行きたい場所までお渡ししましょう」
男は二つ返事で了解し、老人の言う箱をもちあげた。確かに重い。なんとか老人の小船に箱をのせると、重みで船が少し沈んだ。
老人に促され、小船にのりこむと、カタリと足元で音がした。立派な槍が舟にのせてあったのだ。
「それですかい、以前、お渡ししたお侍さんがお忘れになっていかれたんですよ」
なれた手つきで老人は竿をさばき、小船は河をわたりはじめた。


#「うさぎ」「きつつき」「かまきり」でどうでしょ?
904名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/21(木) 13:14
「うさぎ」「きつつき」「かまきり」

クヌギの生えた雑木林を歩いていた。
少し先の木の表面を、小さな鳥がしきりに首を動かし何かを食べているようだ。
よく見るとどうやらそれは、小型のきつつきである、コゲラのようだった。
近くへ行って見ると、枝わかれするところになにやらスポンジみたいな
ものがあって、そこから出てくる虫を一生賢明に食べている。
もっとよく見ようと近づいたら、鳥は警戒して飛び立ってしまった。
スポンジからうようよ這い出て来ているのは、ミニチュアかまきりだった。
孵化したばかりなのだろう、どれもこれもひょろひょろで
大人のかまきりが持っている鋭い怖さというのは、まったくなかった。

とその時、足元から茶色い塊がロケットのように飛び出した。
それは、まるで三段跳びのように、「ぽーん、ぽーん、ぽーん」と
跳ねて行って、しばらく先で止まり、こちらを見た。
野うさぎだ。
後ろ足でヒョイと立ち上がり、興味深そうにこちらを覗きながら
耳をキョロキョロさせている。
こちらがずっとじっとしていると、安心したのか近くの草にパクリと食いついた。

5月のある晴れた一日の記憶

「無欲」「乾パン」「防虫スプレー」
905名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/22(金) 13:42
「無欲」「乾パン」「防虫スプレー」

朝起きてから何も食べていなかった。
パサパサの乾パンみたいな、昨日の残り物のパンにかじりついた。
蛇口をひねり、その下に斜め上に向けた顔をねじこみ、
消毒臭い水と一緒に流し込む。

頭の中は、あのことを考えていた。
そう、言葉を少し操ることができるようになったのかもしれない。
でも、それだけを楽しみにした無欲の時代はどこに消えてしまったのだろうか?
誰も彼もが自らの言葉を操りながら、時には雄弁に、時には繊細に。
機関銃のように放つ言葉の弾丸を、いつかは誰かが打ち返してくれることを
望むようになるのか?
無欲で突っ走ることは、けっきょく難しいものなのか?
わからない。そうなんだよね。

ハエがさっきから飛んでいる。
僕は、防虫スプレーをギュッと握って構えた。
「ブーン」「シューー」「ブーン」「シューーーーーーーーー」
僕は、見えない誰かに弾丸をあびせ続けた。

それは、誰?
僕もなのかい?

「変態」「もぐもぐ」「短冊」
906完全に名無し:2001/06/22(金) 19:41
今日は七夕、ぼくは短冊に願い事を書いた。
「変態もぐもぐ仮面のプラモデルがほしい!」
そしたらお母さんがにっこり笑って、
「今日はクリスマスじゃないのよ」って、
ぼくをベランダから投げた。

「野球」「そば」「ソクラテス」でお願いします。
 ↓
907名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 00:48
「野球」「そば」「ソクラテス」

隣町まで用事があって、自転車で出かけて来た。
あとは、帰るだけ。という段になって、なにやら腹が減って来た。
「なにか食べるところはないかなぁ」と、キョロキョロしながら
ペダルをこいでいる時にその店を見つけた。
「やきそば」と赤地に白文字の暖簾をくぐりぬけると、椅子の上に寝ていた
白猫がびっくりして、店の奥に逃げ出しこちらをうかがっている。
「おや、ソクちゃんどうしたの?」と言いながら、丸っこいおばさんが笑顔と一緒に顔を出した。
「あっ、いらっしゃいませ。どこでもいいですよ」と僕に声をかけた。
「ソクちゃん。って言うんですかこの猫」
いつのまにか、近くの椅子の上で丸くなっている猫を僕はなでていた。
「本当は、ソクラテス。っていう名前なんだけどね。面倒だから、ソクちゃん。
あの猫を拾って来た子供がつけたのよ。人なつこいでしょ?」
僕の目の前にある鉄板の上で、やきそばをつくりながら、おばさんはそう言った。

野球のユニフォームを着た少年達がどやどやと入ってきた。
練習帰りなのだろうか。
「おばちゃーん、僕、もんじゃ。ベビースターラーメンも入れてね」
「あっ、おれも、おれも」と騒いでいる。

「ビールは置いてないんですよ、すいませんね」と言われて出されたサイダーを飲みながら
いつか見たことがあるような、なつかしい光景に、僕は目を細めていた。

「ねりがらし」「芝居小屋」「ひざこぞう」
908名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 01:48
あの子はいつも芝居小屋の前に座って、
すりむいたひざこぞうに、ねりがらしを塗っていたね。
909名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 04:34
芝居小屋ではじめに教えられた嘘は
舞台に上がる前にひざこぞうにねりがらしを塗り込んでおくと
怪我をすることなく
公演を無事に終えられるというものだった
純というか
多分に愚鈍だったわたしは
周囲の人間が必死に笑いを殺しているのに気づかず
三年間もそれを信じて実行した
910名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 14:43
あのー、お題のほうは…。
911名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 15:06
>>910
うーん、多分自分で「こんなじゃ、ダメだな」とか思っているんじゃないのかな?
お題が出て来ない。ということは、まだ以前のお題が生きているんだから
それで書いたらどうだろか?
いろんな人がここをおとずれてはいるんだろうけど、実際にマジなものを投稿して
いる(いた)のはごく一部なように思われるから。
何人かが「虎の穴」へも投稿しだしてからは、なかなかこのスレの
システムがうまく機能しないようにも思う。まぁマタ〜リ行きましょう。
912名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 17:14
はい、こんなじゃぜんぜんだめだと思ってお題書きませんでした。
908そのままですぎょん。
他の方のうまい使い方を期待してますぎょん。
913めんじ@お腹いっぱい。:2001/06/23(土) 18:49
まだ、ひざこぞうが笑っている。
確かに俺はさっき、駅の階段を息をきらして昇りきったところだが、
そんなことでひざこぞうがくたびれたといいたいのではない。
現にひざこぞうが声を立てて笑っているのだ。
何を笑っているのか。そうまぎれもなくこの俺をだ。
奴がいうには、なぜお前は横のエスカレーターを使わなかったのか。
そのほうが楽じゃないか。最近じゃからしだってチューブに入った
ねりがらしを買うんだぜ。だいたい何を物憂げに街中をほっつき回っ
てるのさ。昨日だっておとといだって同じこと繰り返してたろ。
もっと楽になれよ。この世は所詮作り事さ。さしずめおまえが役者で
世間が芝居小屋ってわけさ。まあせいぜい頑張って演じてくれたまえ。
そこまで聞くと俺は、ひざこぞうを叩いて黙らせ、また歩き出した。

次、「ミシン」「中毒」「槍」
>>911-912
ま お遊びですから。スレはどこでもいいんじゃないすか
914_:2001/06/24(日) 02:02
あのーpart2ができてるんですが…
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=bun&key=993203769&ls=50
915めんじ:2001/06/25(月) 12:40
あ、ホントだ。ということで
916名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/25(月) 23:29
>>914
このスレはまずいよ。
削除した方がいいと思われ。
つうのが大半の意見です。
きちんとルールを明記しないと、つまらない諍いの原因になるよ。
917厨念坊:2001/06/26(火) 05:17
「ミシン」「中毒」「槍」

昔々のことじゃった。村には一人の男がおった。
奴の名は手琉尼。日々醜態を晒し、一時は村人から村八分になっておった。
醜態というのは他でもない。
隣村の娘を揶揄した駄文を人様に晒すことじゃった。
その日もまた手琉尼により駄文が村の掲示板に張られていた。
この掲示板は村人達が懸命にこしらえた文章を掲げる神聖な場所じゃった。
文体からいって奴に相違ない。こう書かれてあった。
 槍を持って紗羅を黙らせ
 番長はクソ喰い中毒死せよ
 猫はミシンで刺繍を習え
 手抜きは常套なぜ悪い
との罵詈雑言。
駄文ここに極まれり!
しかも困った事にその駄文を信仰する者まで出てきたのじゃ。
そして信仰者は手琉尼使徒と呼ばれ着実に膨張の気配を見せておる。
何とかせねばならん。
わしは秘策を三男坊に授けた。

次、「駄」「芝」「負け」
# Part2どうするか確定してないから続けます。
918名無しさん@お腹いっぱい。:2001/06/26(火) 07:26
新スレ作ったすー以降こちらでどうぞー

この3語で書け! 即興文ものスレ 巻之二
http://cheese.2ch.net/test/read.cgi?bbs=bun&key=993507604&ls=10
919厨念坊
あーコテハン記念のわしの名作がこれで消えていく〜〜
わしはこうして五年後デビューを目指すのじゃった。
  おしまい