【まったりと「奇面組」創作小説を創ろう】

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うーん、零くんにアタックするっていっても、零くんったらいつも豪くんたちと一緒だし、唯さん、千絵さん
もくっついてるし、ふたりっきりで会うのは難しいわね。どうしたものかしら。問題ねぇ。

 そ、そうだわ、以前千絵さんが零くんだけに唯ちゃんの誕生日を知らせて誕生日パーティーの企画を
発表したってことがあったけ。
どれどれ・・・・・・・・・・・あ、あったわ!「珠美の変わった物データファイル」によると、・・・・・・ふんふん、
なるほど、トイレね! 零くんトイレ長いからその出るところを捕まえればいいのね!よーし明日決行よ!

 「ふう〜半日もトイレに入ってるとさすがにこたえるな。」
来たわ来たわ(それにしてもホントに長いわねこの人)。
 「零くん!」
 「どあっ!?君は物月さん!どうしたのだ、いきなり。」
 「あのね零くん、ちょっとお話があるんだけど。」
 「話?いったい何なのだ?」
 「零くん、突然だけど明日の日曜日はヒマかしら?」
 「いやぁ、ヒマもなにも私は年中無休の大ヒマだが、日曜日に何かあるのか?」
 「うん、あのね、実はね、ここに遊園地のチケットがあるんだけど、よかったら一緒に行ってくれない?」
 「遊園地?ふふふ、この『遊び人の零ちゃん』と呼ばれる私に遊園地で勝負するとはいい度胸なのだ。」
 「あのねぇ、勝負するとかそういうんじゃないのよ。一緒に行かないって聞いてるの!」
 「そうかそうかスマンスマン、勘違いなのだ。物月さんから誘われるっていうのは意外だが、
  この遊び人の零くんに遊園地は切っても切れない関係ない関係のだ。よし、さっそく豪くんたちにも
言ってこよう。」
 「ちょ、ちょっと待って!豪くんたちには言わないで!」
 「えっ!なぜなのだ?たくさんいた方が楽しいのでは?」
 「そうじゃなくて・・・私は零くんと行きたいの・・・」
 「と、ということは唯ちゃんや千絵ちゃんには?」
 「・・・・内緒よ、内緒。それじゃ日曜日に一応西町駅でねっ!」
きゃ、言っちゃった!零くんを誘っちゃった!私だって唯さんには負けないんだからっ! 
 「あっ物月さん!待ってくれなのだ!」

 キーンコーンカーンコーン。
ふぅ、やっと今日も終わりね。明日が楽しみ、てへっ。

 「終わった終わった、やっと今日も授業終わったな、リーダー。」
 「おーっす!唯!明日は空いてるかー?」
 「なーに?千絵。」
 「実は昨日、映画のタダ券もらったのだ!」
 「ヒマだぜ。」
 「あんたたちには聞いてないわよ、豪くん!」
 「いいじゃない、千絵。みんなで行った方が楽しいじゃない。」
 「もう。お昼は自分持ちだからね。」
 「零さんも来るわよね?」
 「い、いやぁ明日は、み、店が手伝いをしちゃって、だから、そのちょっと  行けないのだ。」
 「なに訳分かんないこと言ってんのよ。」
 「いや、すまないのだ。ではっ!」
 「何でぇリーダーの奴おかしなこと言って。」
 「零さん・・・・」

 さぁ、今日は零くん来てくれるかなぁ。待ち合わせも既に1時間遅れてるし、やっぱり来ないか。
 「いやぁ、物月さん遅れてすまないのだ。」
 「あっ☆零くん!来てくれたのね!」
 「いや、約束だからね。」
 あぁやっぱり、私が見込んだだけの男だわ。
「じゃ、さっそく行きましょう!あっ!ちょうど電車が来たわ!ほら、乗り遅れちゃうわよ!」
  「のわ〜!腕引っ張らないでくれなのだ〜!!」

 さぁ着いたわ。それにしてもすごい人ねぇ。どれから乗ろうかしら!あら、あそこ特に人が集まってるわね。
  「ねぇ零くん!あっち行ってみよ!なんかすごい人だかりよ!」
  「よし、行こう物月さん。『遊び人の零ちゃん』としてはチェックしておかなくては!」
 
 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
 ふぅ。さっきのはちょっとすごかったわね。失神者続出してるのに営業やめないなんて、この遊園地も
いい度胸してるわ。
まぁ楽しかったけどね。零 くんなんて・・・ぷぷ!二等身ではしゃぎまくちゃって、もうかわいいわ、零くん!
  「零くんちょっとお茶でも飲んで休まない?立て続けに6つも乗り物乗ってるわよ、あたしたち。」
  「そうかい?私はまだまだ大丈夫だが。でもノドも渇いたし、そうしようか。おじさんアイス2つね。
物月さんは何味がいい?」
  「じゃ、ストロベリーお願い。・・・ところで零くん!いいかげん『物月さん』はやめてよ。唯さんには
『唯ちゃん』って呼んでるじゃない!
   『珠美』って呼んで。」
  「いやぁスマンスマン!なんかなれなれしいかなって思ってつい『物月さん』で呼んでしまってたんだが、
物月さんが、いや珠美ちゃんがいいって言うならこれからは『珠美ちゃん』て呼ばせてもらうよ。」
  「是非そうしてね。なれなれしいなんて、そんな他人行儀はやめてね。」

 う〜ん、零くんとふたりっきりで過ごせるなんて幸せよねぇ。あは、やだ、零くんったら顔中アイスだらけ
にしちゃって。
 もうしょうがないんだから!
  それにしても暑いわね。外の人たちも暑そうにしてるわね。ちょっと外でも眺めてみようかしら。 
  
  「それにしても零さんってかっこいいよなぁ!」
 (ん?零さんがどうだって?誰なのあの人達!)  
  「いやぁやっぱり潔くんでしょう!」
 (もしもし?あなたこの暑さで頭やられたんじゃないの?)
  「っていうか唯ちゃんがやー!」
  「そうですよねぇ、唯ちゃんがいれば十分!」
 (何よ何よ、みんなして唯ちゃん唯ちゃんって!ホントに何者なのかしらあの人達?)
  「オレ的にはやっぱり豪くんでないとダメというかね!」
 (豪くん?世の中には変わった女性もいるようねぇ。あの毛むくじゃらのどこがいいんだか・・・
  それにしても自分のこと「オレ」って言ってるのはなぜなの?あの人男なのかしら?ってことは・・・
やだあたしったら!)
  「オイラは珠美ちゃんがやっぱいいな!」
 (え?あたし?そんな、やだ、もう、照れちゃうじゃない!だけどごめんなさいね。あたしには零くんが
いるから。
  きゃはっ!やだあたしったら!)
  「オレは輝様が・・・」
 (???な・ん・で?)
「さーて、十分休んだし(まったくいつまで休ませるのよ、筆者のアホめ)、そろそろ行きま
    しょ、零くん!」
  「そうだね。なんか休みすぎて何が何だかわからなくなってきたところなのだ。」
 
  しかし、乗り物には飽きたし、何か面白いものでもないかしら。あ!あそこで何かやってるわ!
えっとなになに「ベストカップルコンテスト」やだ!あたしたちにピッタリのコンテストじゃない!
  「零くん、あれ出場しない?ねぇ出ましょうよ!」
  「ん?ベストカッポレ?」
  「もう!早く!行くわよ!」
  「のわー、珠美ちゃん引っ張らないでくでーなのら!」
 
  「さぁ参加締め切りまであと5分だよ、出場されるカップルはお急ぎください!」
  「はーい!あたしたち出場しまーす!!」
 
 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

  「さぁさぁ、いよいよ残り二組となりました!ここで残ったカップルをもう1度ご
   紹介しましょう!『××男さん&○○子さんペア』『一堂零さん&物月珠美さんペア』の二組です!」
 あらあら、ほんの冗談で出たつもりなのに決勝まで残るとはね!
  「零くん、すごいよね!あたしたち決勝まできちゃったわ!」
  「う、うん、すごいのだ。わ、わたしもビックリしてるのだ」
 あれ?嬉しくないのかな?零くん、なんか上の空みたい。
 
  「さて、最終審査は二人の愛の強さを見せていただきましょう!どんなことでもい
   いから、二人の愛を表現してください!」
 うわ、もうなんて用意が言いのかしら、このコンテスト!
  (零くん、ちょっと顔見せて!鼻にごみが・・・)
  (え、なんだって?珠美ちゃん。鼻にごみ?じゃ、悪いけどとってくれなのだ)
 やった零くんが顔を近づけてきた!よし今よ!
  「・・・おーっと一堂零&物月珠美ペアがお互いに顔を近づけています。これは!
   やりました!物月さん、一堂さんのほっぺにキス!!」
 やっちゃった!えへ!これで優勝は決まりね!
  「××男&○○子ペア、お互い恥ずかしがっているのか何もできません!・・とい
   ことで一堂零&物月珠美ペアを優勝としますが、みなさんどうでしょうか?」
 みんなも拍手で迎えてくれてるし、これで優勝ね!
  「みなさんも賛成のようですので一堂零&物月珠美ペアの優勝ということで、おめ
   でとうございます!!一堂さん、物月さん!!」
 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
 うーん今日は最高の一日だったわ!それにしてもさっきから零くんうかない顔してる
 わね。どうしたのかしら?
  「ねぇ零くん、どうしたの?さっきから黙っちゃって。」
  「いやぁ、その、さっきのコンテストの緊張が残っちゃってて・・・」
  「え?零くん緊張してたの?」
  「珠美ちゃんにキスされるとは思わなかったからね。」
  「あ、いやだった?」
  「いやだとかいうんじゃなくて、驚いたというか」
  「・・・そんなに自分に嘘をつかないで。分かってたわ。やっぱり唯さんね。ううん
   隠さなくってもいいの。それは承知の上だったんだから。ただ、一度でいいから零
   くんとデートしてみたかったの。引っ張りまわしちゃってごめんね。」
  「そ、そんなことはないのだ。珠美ちゃん、誘ってくれて嬉しかったのだ。これは本
   当なのだ。」
  「ありがとう、でもムリしないで。・・・やっぱ唯さんにはかなわないな。」
  「珠美ちゃん・・・・」

  「今日楽しかったわ。じゃ、またね。」
  「わたしも楽しかったのだ。本当に誘ってくれてありがとうなのだ。おやすみ。」

 ふぅ、やっぱ唯さんにぞこんなのね、零くん。さて、今度はどうやって零くんにアタックしよっかな!

                    珠美ちゃんのうれしはずかし番台物語〜完〜