1 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :
2000/09/17(日) 22:39 飛行船のドアを開けるとバイキンマンは三つ又の銛を抱いて、ベッドの上に横になっていた。 「来たね」 バイキンマンは眼を閉じたまま、落ち着いた声をかけた。アンパンマンは無言で立ち尽くす。 船内のあたたまった空気がアンパンマンに絡むようにして森の広場の方向へ駆けていく。 アンパンマンはバイキンマンを見つめる。禿げた頭の緩やかな曲線の上にそそり立つ二本の角。 濃い黒。殴られて潰されたかのような横にひろがった鼻。分厚く血色のわるい唇。 股間をぴっちりと包み込む紫色のブリーフ。小太り気味の小さな体。短い足。
2 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:47
「照れるなあ」 バイキンマンは目を開いた。 「アンパンマンたら、見つめるんだもん」 舌足らずな甘え声で言い、半身を起こす。アンパンマンの顔面を横目で見る。 「まいったなあ。テカテカ光ってるよ」 銛の柄を手の甲でコツコツ叩く。 「勝ち目ないよな、なあ、おまえ。アンパンマンたら、アンパンチ使えるんだよ。 アンパンチとは卑怯なりィ」 おどけて言いながら、ゆっくり立ちあがる。小首をかしげて、アンパンマンの機嫌をとるように言う。 「せめて、ブッとばすのは、広いところにしてよ。ここだと満足に銛も振るえないじゃない。 あまりにフェアじゃないよ。そうだろ?」 アンパンマンはぎこちなく頷いた。バイキンマンが失笑した。 「変な男だよな、アンパンマンは。問答無用でブッとばしちまえば、簡単にカタがつくじゃない」 バイキンマンは顎をしゃくり、三つ又の銛を抱き、アンパンマンの脇をすり抜けるようにして 飛行船から出た。先に立って歩きはじめる。アンパンマンは大きく息を吸い、下腹に力をいれて バイキンマンに従う。
3 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:54
「鮮やかだねえ。いい月だ。満月だったんだ、今夜は」 バイキンマンは夜空を仰いでうっとりした声を出す。 アンパンマンは生唾を呑む。心臓が壊れそうに暴れている。 「アンパンマンも深呼吸してごらん、落ち着くよ」 とたんにアンパンマンは、弾かれたように拳を構えた。 「あいかわらず気が短いんだからな、アンパンマンは。そんなに俺を殺したいか……」 バイキンマンは嘆息した。森の広場は、生茂る木々に囲まれてほぼ無風で、 木々に縁取られた天から夜露がゆっくりおりてくる。 アンパンマンはバイキンマンの二本の角が夜霧に丸まっていくのをぼんやりと見た。 「どうやら、今夜が俺の命日になりそうだね。どうあがいてもアンパンチにはかなわないもんな」 呟きながら、徳山は銛を肩口からゆっくりと滑らせた。 バイキンマンの濃い黒が夜に溶け込んでしまうのにくらべて、アンパンマンのテカテカした 顔面は月のきらめきを青白く反射して、圧倒的な存在感があった。
4 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:55
「嫌だな……勝ち目の無い勝負をするのは……」 ふたたびバイキンマンは嘆息した。首を左右に振り、溜め息をつく。 「満月の夜。アンパンマンの。光る顔。夜露のごとし俺の真心。辞世の句だよ。 ひどいもんだね。これでけっこう動転してるんだ。アンパンマンの手にかかって死ぬなら運命だって、 さっきまで思ってたんだけど、やっぱり死ぬのは嫌だよ」 表情が変わった。上段に構えた。隙がなかった。どうせ死ぬならば、アンパンマンの腕の一本も 切り落としてやろうという気迫がバイキンマンの小さな体から溢れていた。 アンパンマンは胴を震わせた。バイキンマンの闘争心に圧倒されていた。 自身の中途半端さを心底自覚させられた。
5 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:55
撃たねばならぬ。アンパンマンは全生命をかけて撃たねばならぬ。これから先、生きていくつもりならば、 右の拳を、アンパンチを、すべてバイキンマンのはち切れそうな体に撃ち込まねばならぬ。 アンパンマンはこの時になって、ようやく大人になる試練を迎えた。絶望的な試練だった。 しかし、撃たねばならぬ。アンパンマンはバタコさんを抱き、あまつさえジャムおじさんも抱き、 抱くばかりで何ひとつ撃ったことがなかったのだから。 常識的な社会ではありえない大人への関門が、アンパンマンの前に立ちはだかっている。 女を抱くことは、じつは抱かれること。男(例:ジャムおじさん)を抱くことは、慰められること。 与えられることなのだ。だから、撃て。バイキンマンという関門を撃て。撃ち殺せ。
6 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:55
バイキンマンはにっこり笑った。硬直したアンパンマンを見つめ、微笑した。 上段の構えを崩し、左手で銛を持ち、軽く顎を引いた自然体で礼をした。 直後ふたたび上段に構え、切っ先をぴったりアンパンマンの赤い鼻に向けた。 上段に構えた銛の真上に縁取られた空の満月。 異様な大きさで膨らんで、バイキンマンの背を柔らかな、冷たい、青い光で包んでいる。
7 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:56
木霊が耳の奥底で響く。 広場の夜は深く、しんとしている。 アンパンマンは初めて月を見た。遠吠えを聞いた。 だから息をするのを忘れた。 アンパンマンの呼吸が止まるのを見計らったようにバイキンマンが、つぎ足で一息に間合いを詰める。 バイキンマンが迫る。 アンパンマンは我にかえった。拳を引く。力を込める。 アンパンチは出なかった。 力が抜ける、革手袋に覆われた右手を凝視する。 ジャムおじさん! 叫んだ。呪った。声は出ない。
8 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:56
バイキンマンが迫る。丸太のベンチを飛び越える。アンパンマンの両目の間に三つ又の銛が迫る。 アンパンマンは逃げた。かろうじてかわし、背を向け、広場を全力で駆ける。無様に走る。 足の短いバイキンマンは徐々にアンパンマンに離されていく。 バイキンマンは短い息をつき、駆けるのをやめ、落ちつきはらって歩き出きはじめた。 アンパンマンは荒い息をしてぬかるむ広場を、惨めに、泡を食って走りまわる。 力が、出ない。眼前が歪む、揺れる。倒れこむようにただがむしゃらに走った。 地面のくぼみに足を取られ、アンパンマンは転んだ。倒れた。気付いたら広場の真ん中で尻餅をついていた。 バイキンマンが見下ろしていた。 見上げたその背後で月が歪んで揺れた。無言でアンパンマンを見みめている。 銛が光った。 アンパンマンは狼狽して拳を、子供のするように、振り回した。
9 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:57
バイキンマンは腰をかがめアンパンマンの視線に合わせる。哀れむようにアンパンマンを見つめる。 「どうしちゃったの、無様だね」 苦笑に軽蔑がまざる。 「捨てられちゃったみたいだね、ジャムおじさんに。たぶん顔を焼く時に イースト菌じゃなくてバイバイ菌を入れたんだろうね。それとも椎茸の菌かな(ピュア」 バイキンマンは言葉を続ける。 「愛と勇気だけが友達だなんて、謙遜だと思ってたけど、本当になっちゃったみたいだね」
10 :
気合一発危機一髪髪の毛一本オッス俺波平 :2000/09/17(日) 22:57
アンパンマンは立ち上がろうとした。けれども立つことができなかった。 腰が重くて、地面に付いた腕が支えきれない。繰り返し試みたが、途中で腰がくずおれる。 体の重たさはどう仕様もなかった。視界が傾いて、地面に転がる小石が見えた。 それきり起き上がれなくなった。ひとしきりもがいたが、どうしても起き上がれない。 せめて無様に開かれた両足を閉じたかったが、それもできなかった。 アンパンマンはジャムおじさんに裏切られたという事実も忘れて、 ただ起き上がれなくなった自分に絶望した。両手で顔を覆うと、腕全体がわなないていた。 そのわななきが、胴にも足にもひろがった。ついさっきまでは予想もしなかったことだが、ひどい恐怖感がきた。 アンパンマンは、大声で助けを呼ぼうとした。けれども、もはやそれも叶わなかった。 唇がこわばって、声が出ない。アンパンマンは震える両手で顔を覆ったまま、 ただ二度、三度、幼児のようにしゃくり上げたにすぎなかった。 (完)
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/02(月) 19:31
バイバイ菌・・・あはは・・・。
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/20(金) 23:11
age
面白い・・・。
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/03/21(水) 14:18
またしてもあげー。
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/03/21(水) 18:28
う、うまい。なんてこった。
え〜感じぃ
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/04/06(金) 12:55
うまいじゃんー
18 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/04/08(日) 01:42
原作のあの絵よりもかなりリアルに想像してしまった・・・面白い。
19 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/05/05(土) 23:14
20 :
名 :2001/05/06(日) 07:26
age
もっと読みたいよ~
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/11(月) 17:41
殺陣スレの参考になるんじゃないか
23 :
革命家 :2001/06/11(月) 20:20
ハラショー。すばらしい緊迫感。パチパチ。 (あんまり感動したので、出張中)
あんぱんまん。めいさく。
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/12(火) 05:41
おお!シリアスアンパンマン!ぶらぼー♪
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/12(火) 06:02
好きだあ
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/12(火) 08:40
あんたは大物になるぞ!! もっと書いてくれ!!
28 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/13(水) 21:52
もったいないからあげておくー
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/21(土) 14:56
age
30 :
27 :2001/07/22(日) 10:31
age
31 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/22(日) 15:57
もったいないからあげておくー
32 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/22(日) 18:28
これは、一人の男が書いたものかい? それともよって多寡って皆で書き込んだのかい? とにかくおもしれー!!
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/22(日) 23:15
1の作品がもっと読みたい!
なんか、そこまで絶賛する程のものでもないような。 そこそこ楽しめるといえば楽しめるけれどね。
>>34 ちょっと自分の感性を疑ってみたほうがいいね。世間ではなく、君がズレているのかもしれないぞ。
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/23(月) 01:00
>>34 目の付け所が1はすごく(・∀・)イイ! のだ
38 :
34 :2001/07/23(月) 07:20
いや……俺も面白いとは思うんだけどさ。
>>11 -33が、ひたすら誉めまくる姿を見て、少し引くというか、何と言うか……。
まあ、人はそれぞれだからね。いいけど。
話としての面白さより、小説技法としての面白さ、上手さを 誉めているんだよ。特に描写はなかなかだよ。
>>38 あの陽気なアンパンマンがここまでシリアスになるとは・・・
ってちょっと感動したのさっ!
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/25(水) 10:32
あの幼稚なアンパンマンが?
42 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/26(木) 18:02
すげぇイイよ 1が書いた文章もっと読みたいよ どこか他でも書いてたら教えれ
スレタイトルと1の文章がなんか期待させる。 その辺もうまいと思った。
感動しました。特に (ピュア ってのが良かったですぅ。
45 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/26(木) 23:05
これ二次創作でしょ? 3のスレの下から3行目に出てくる「徳山」って誰?(藁
46 :
徳山 :2001/07/27(金) 00:25
>>45 俺もそこ気になった。
まさか部分的に単語を入れ替えただけのパクリ文章?と思ったが・・・
47 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/31(火) 07:51
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお 絶対ゆるさねえ!!
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/31(火) 11:52
ワラタ
49 :
:2001/08/01(水) 03:27
二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け! 二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け! 二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け! 二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け! 二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け! 二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!二次創作は出て行け!
倉庫逝く前に…
51 :
名無し物書き@推敲中? :01/10/02 16:56
徳山って誰ーー???
52 :
名無し物書き@推敲中? :01/10/30 16:58
つづきかいてー
53 :
名無し物書き@推敲中? :01/10/30 23:41
初代絵本のアンパンマンの雰囲気だな。今のアニメ調と違って、 随分シュールで不気味だったのを覚えている。
54 :
名無し物書き@推敲中? :01/10/31 00:37
5分で理解できる「創作文芸板の軌跡」スレ
55 :
名無し物書き@推敲中? :01/10/31 02:25
おもろい
懐かしい、まだ落ちていなかったの?だれ定期カキコしてるの?
58 :
名無し物書き@推敲中? :01/10/31 19:40
誰なんだよ徳山って! ストーリー上重要な人物なのか?気になるじゃねえか。
59 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/05 19:59
薩摩揚げ
60 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/05 22:35
はやくつづきかけよ!
61 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/05 23:48
おもしろかったよ! すごいなー
ageられる度にファンを増やして行く未完の傑作?
最初、自分は、アメコミを連想した。 アンパンマン自体が、スーパーマンのパロとも言えるしネ。 バイキンマンの顔のリアルな描写など見て、ヤルなぁー、と思った。 そういう手もあったかぁ!! と。 自分的には、そのママ、アメリカのハードボイルド小説とか、その 流れをくむ、ハーラーエリスン?とかのSF短編の様に行くのでは、 と、期待したのだが; ナンカ; 剣豪小説の様になっちゃつたのが、自分的には残念かぁナ;と。 でも、投稿のタイムスタンプみると前後3本が同じ、 22:55なのは、ナンカ、裏が有るのダロフか? でも、アメコミにはアメコミの文体の様なものがふさわしい と感ぜられたのは収穫か。 >1>2辺りまでは、アメコミのスーパーマンとかバットマン とかの絵柄が浮かんでご機嫌ダッタYO!!
64 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/18 06:21
>>5 の最初のあたりで、餓狼伝かと思っちゃったYO!
65 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/18 12:57
おれは高橋源一郎の「ペンギン村」を思い出したYO! パクリとはいわないYO!
66 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/30 05:39
アンパンマン マンセー
67 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/30 05:41
そして他のスレをあげたがるやつ。 ワンパターンだね。プッ。
68 :
名無し物書き@推敲中? :01/11/30 13:52
>>1 、真性厨房だろ。何も知らないヴァカが!!
2chはな、IPをしっかり記録しているんだぜ? んなこたぁ常識だ! クズ!
初心者板か削除板へ逝ってみろ。ここが「匿名掲示板」などではないと判るから。
串刺してようが関係ねえ。どこのサーバー管理者もISPもトラブルはゴメンだし、
匿名を笠に着て好き放題する貴様みたいなガキが大嫌いときている。
喜んでサーバーログを提供してくれるだろうよ。
さて、貴様の素性が判ったらどうするか?
プロバイダに連絡してアカウントを取り消す……なんて幼稚な事はしねえ。
貴様んちの周辺で張り込む。そして貴様の醜い姿をデジカメで撮る。
それを適当な「無料ホームページ」にアップロードし、
貴様の大好きな 2ちゃんねるの各板に貼り付けてやる。
氏名、年齢、住所、電話番号などと一緒にな。
そして知っての通り、2chにはごく僅かだが本物の狂人がいる。
今から作業を始める。
簡単ではないし、時間もかかるだろう。俺自身へのリスクもある。
だが俺は本気だ。地の果てまでも足跡を辿り、
とことん貴様を追い詰めてやるからな!
貴様の末路をasahi.comの社会欄で読むのが、今の俺の最大の望みだ。
なつかしい。1年以上前のログがまだ。 しかし徳山って結局誰だったのか。
珍スレ保存あげ
ただいま303番目
72 :
名無し物書き@推敲中? :01/12/20 20:00
マニファクチア
74 :
名無し物書き@推敲中? :02/01/22 18:59
75 :
名無し物書き@推敲中? :02/02/05 22:34
76 :
名無し物書き@推敲中? :02/02/13 00:09
ねえ。 1じゃないけど、カレーパンマンの死 ってので続きかいてもいい? 禿げしく下手くそかもしんないけど。
77 :
リボンさん ◆KILL/WjU :02/02/13 00:13
78 :
名無し物書き@推敲中? :02/02/13 00:15
● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ●● _ __-- \ / / ̄\ \ ● ● ● ● / __ | O \ / / \ / | ● ● / |O _--__ / | ● ● | __ / V | | V |-__ | ● ●● | |_ / / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ● ● | /---- / / < うあぁ ボクのあんこが・・・・ \ / \__/ / ● \ \ \/ _--  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ --___-- ● ● ● ● ● ● ●● ●●●● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
バタン、と大きな音が飛行船の部屋に響いた。 カレーパンマンが扉を開けていた。彼はそこで立ち尽くした。 「やあ、来たね」 バイキンマンが、ちらりと後ろを振り返って言った。 「あいかわらず、脂ぎった顔だねえ(ピュア」 バイキンマンは目を細めてにっこりと笑った。紫色の唇が横に広がる。 その顔は、カレーパンマンからは見えなかった。カレーパンマンには、 バイキンマンの声がまったく届いていなかった。 バイキンマンはビデオ撮影を再開した。 「ショクパンマン……」 カレーパンマンは、やっとそれだけを言った。顔の中央から大きく二 つに割れている口は、何も語らない。 カレーパンマンは唖然としていた。放心している様子だった。
過剰なストレスが、カレーパンマンの顔を歪ませた。ここに辿り着く 前、さっき見た光景が、カレーパンマンの脳裏にフラッシュバックし始 めていた。それは自分ではどうしようもなかった。 ジャムおじさんが首を吊って宙に浮いている光景。ズボンからは糞尿 が滲んで、床に滴っている。部屋には強烈な異臭が充満している。バタ コさんとチーズの姿は何処にもない。 また少し吐き気を催した。だがカレーパンマンは、こらえた。フラッ シュバックが収まってくる。 カレーパンマンは考えを振り払った。目の前の光景に集中する。めま ぐるしく思考が錯綜していることには、自分でも気づいていた。
ピンク色の躰が妖しくうごめいた。妖しい嬌声が響く。 その躰の太股には、ヌメった液体が付着していた。それは妖しい光沢 を放ち、光を反射していた。 カレーパンマンはショクパンマンを見つめていた。 ショクパンマンは、一瞬、カレーパンマンと眼を合わせた。だがすぐ に目を逸らした。 ショクパンマンは腰を機械的に動かしていた。ドキュンちゃんの嬌声 が部屋に響く。 「ねえ、バイキンマン。さっさとアイツを片しちゃってよ」 脚で指図する。ドキュンちゃんは、バイキンマンを冷たい視線で見つ める。その足のつま先は、カレーパンマンの姿を捉えていた。 ドキュンちゃんは、躰をベットに横たわらせている。 ドキュンちゃんは笑顔を崩さない。 ドキュンちゃんは、ショクパンマンの躰にさらに強く抱きついた。二人 は折り重なるようにして、ベットでもつれ合う。その光景を楽しそうに バイキンマンは撮影していた。 ドキュンちゃんは腕をショクパンマンの首に廻した。さらに強く抱き ついた。口が半開きになる。脚を蜘蛛のようにショクパンマンの腰に絡 みつけた。 「いいわ、ショクパンマンさまぁ……」 ドキュンちゃんは、そろそろ絶頂が訪れようとしていた。 ショクパンマンは無表情で腰の動きを早めた。 「しょうがないな……」バイキンマンが言った。 パイキンマンは、手に持っていたビデオカメラを三脚に備え付けた。 後ろを振り返り、カレーパンマンの姿をじっと見据える。 「ここじゃなんだし、別の場所に移ろうか」 「ああ……」 声にならない程の声で、カレーパンマンはバイキンマンに応えた。 バイキンマンは、部屋に立て掛けていた三つ又の銛を手にとった。 二人はドアに向かって歩き出した。バイキンマンは堂々とカレーパン マンに背中を見せていた。 「さっさとブッとばしちまえばいいのに、君もアンパンマンと変わらな いねえ。武士道精神かい?」 後ろを見せたまま、バイキンマンが先にドアに手をかけた。部屋を出 た。 カレーパンマンもその後につづいた。
森の広場はどこまでも夜空が広がっていた。寒い時期ではなかった。 だが、寒々と感じられた。カレーパンマンは、自分の膝ががくがく震え ているのを自覚していた。 夜が深い。辺りは、しんと静まり返っていた。 風はなかった。それでも、地の一面に生えている草が揺らいでいるよ うに感じられた。 自分が星空から嘲笑されているかのように、カレーパンマンには感じ られた。 カレーパンマンは近くにあったソレを見て、また唖然と立ち尽くした。 「アン…パンマン……」 そこにはアンパンマンの無残な死体が転がっていた。 香ばしく、美味そうな死臭が、その一面には漂っていた。 「さっきから君は驚いてばかりだねえ(ピュア」バイキンマンがまた、 にっこり笑った。 その笑顔は、今度はカレーパンマンは見逃さなかった。バイキンマン の無邪気な笑みを見て、彼は戦慄した。なぜだか、バイキンマンの笑顔 が神々しく感じられたことに、自分でも驚いた。 「それじゃあ、始めようか」バイキンマンが言った。 手に持った三又の銛を構えた。 「ああ……」 カレーパンマンが応えた。腹に力を込めた。
カレーパンマンは、バイキンマンの余裕の表情が薄気味悪く感じられ ていた。だが何も考えないことにした。戦いのことに全神経を集中する。 今まで結果的にバイキンマンに負けたことはなかった。今度だってそ うだ、とカレーパンマンは思った。自分で自身を勇気づける。気力も残 りのカレーパワーも、問題ない。いける。ヤレ。アンパンマンの仇をと れ。気力を充実させる。 カレーパンマンはグッと強く歯を噛み締めた。全身を伝う汗で、さら に自分の顔が脂ぎったように感じられた。 カレーパンマンは拳を硬く握り締めた。 静寂。無音。空が、音もなく落ちてくるように思えた。 バイキンマンが脚に力を込めた。グッ、と地面が鳴った。先に動いた のはバイキンマンだった。 走った。間合いを詰めた。スピードを加速する。 カレーパンマンは拳にさらに力を加えた。迎撃態勢に入る。足を肩幅 に開き、右足を後ろへとずらした。腰の重心を沈め、腕の力を抜いて、 いつでも素早く拳を打ち出せるようにした。 「ヒーフュ〜〜〜(ピュア」 銛を撃ち出した。まるで楽しんでいるかのように、バイキンマンは声 を発した。 ヒュ、と音を立ててバイキンマンの銛が虚空を斬り裂く。 グッ、っと足を半歩ほど踏み込ませ、カレーパンマンはバイキンマン の顎めがけて拳を振り上げた。 「キャ〜、こわーい(ピュア」 はしゃぐように、舌足らずな甘え声でバイキンマンは言った。 顎にかする寸でのところで、バイキンマンは攻撃をかわす。 イケル、そう確信した。バイキンマンの腹ががら空きだった。 一撃で決められる、とカレーパンマンは思った。バイキンマンの腹め がけて、思い切り拳を撃ちだしていた。
しまった、とカレーパンマンが思ったときには、遅かった。思い切り 大振になっていた。タタタ、と体が思わずよろけた。 二、三歩よろけて、手を地面に着きそうになるのを必死にこらえられ たとき、ようやくカレーパンマンは顔をあげた。だが、カレーパンマン の目の前には、バイキンマンの姿はなかった。 カレーパンマンは無駄な動きのないように、目だけでバイキンマンの 姿を必死に追った。探した。姿が見つからない。 この闇夜は漆黒のバイキンマンにとって、非常に有利だった。 「ここだよ」 穏やかで、恐ろしく冷静な声だった。バイキンマンは銛を突くように 撃ち出した。バイキンマンは斜め後ろで躰を低くしていた。 間一髪のところで、カレーパンマンは攻撃をかわすことが出来た。体 をゴロゴロと転がせ、膝をついて立ち上がる。 バイキンマンは笑顔を崩さない。追撃しようと銛の持ち方を変えて、 カレーパンマンに飛びついた。 追撃をかわすことは出来ない、そうカレーパンマンは瞬時に判断した。 カレーパンマンは空へとエスケープしようとした。だが、出来なかった。 誰かに後ろから羽交い絞めにされた。 カレーパンマンが反射的に振り返ろうとしたとき、何か鈍い衝撃が、 自分の腹に走り抜けたことに気がついた。 全身から力が抜けてゆくのを感じる。思わず膝をついた。視界が僅か にぶれた。なぜか目がかすんだ。 「ずいぶん、あっけなかったねえ」バイキンマンが言った。 苦笑を浮かべて、バイキンマンはカレーパンマンを見おろしていた。 血色の悪そうな唇をいやらしく歪めて、バイキンマンは楽しそうに話 を続ける。 「無様だねえ。カレーパンマンっていうくらいだから、もうすこし華麗 に動き回ることも、出来たんじゃないの?(ピュア」 にっこりとした笑顔を見せながら、バイキンマンはカレーパンマンの 目を見つめた。だが、カレーパンマンはバイキンマンのことなど、見て いなかった。 「ショクパン…マン……なんで?」カレーパンマンがうめいた。 カレーパンマンの視界から、徐々に色が失われてゆく。腹から鮮血が 溢れ出していた。 空には一面の星空。銀色に輝く、月。 カレーパンマンが最後に見たのは、孤独な孤独な、月だった。 (了)
以上。なるべく1の文体を真似ているつもり。 さすがに、詩的な部分はコピれんかったょ。。
86 :
名無し物書き@推敲中? :02/02/18 02:16
ねぇ、アンパンマンてさ、 あたまなくても生きてるんでしょ? どうやって殺すわけ?
>>86 本体はもちろん胴体です。
頭部はバッテリー兼インタフェースです。
カレーパンマンの死おもろかった 食パンマンとドキュンちゃんのAV撮影シーンワラタ
わーい。感想ありがと。>88 今見ると直したくてしょうがないところがいっぱい あるけど感想貰えて素直に嬉し!
90 :
名無し物書き@推敲中? :02/02/19 13:50
あんた等最高だよ!!
すげえ、俺が創作文芸に初めて来た時あがってたスレだよ。 地下でずっと続けてたなんて知らなかった・・・
「アンパンマンって怪我したらどうなるんだろう? おしるこが出てくるのかな?」 「そうだ!!今日アンパンマンショーがあるから確かめてみよう」 アンパンマンショーの直後 アンパンマン役がイスに座っているところに子供Aが近づき 家から持ってきた包丁を突き刺す。 運悪くそこは心臓だった。 「アンパンマンも血を流すんだ・・・・」 アンパンマン役はそのまま床に倒れる。 「顔がぬれて力がでないんだ。」 その時バイキンマン役が壁越しに 「オイ次の準備急げよ!!」 と声をかけてきた。子供Aはあせった。 「どうしよう。アンパンマンは顔がぬれて力がでないのに。」 「助けなきゃ・・・・・」 子供Aはアンパンマン役を刺殺した包丁を持って バイキンマン役の所へ向かった。 ずっと前に書いた作品です。
93 :
名無し物書き@推敲中? :02/03/07 00:23
>>92 うまいね。何かアンパンマンとシリアスなのは意外と合うのかもしれない
94 :
名無し物書き@推敲中? :02/04/03 01:16
fghd
95 :
アソパソマソ :02/04/03 05:10
拳を振り下ろした時には、バイキンマンは一丁跳びに横をすり抜けていた。 同時にかすかな痺れを腹に感じる。 「終わったな・・・」 バイキンマンの乾いた声が聞こえる。視線を落とすと、奴が手にしていた 銛が深々と腹を貫いていた。手足の感覚が無くなっていくのが分かる。鼻 の奥に生臭い臭いが立ち込める。これが死の臭いか。 「おまえは死ぬ。せめて最後は安らかに祈るがいい・・・」 奴の声がやけに遠くから聞こえる気がする。俺は震える手で銛を掴むと ゆっくりと引き抜いた。肉の裂ける音と同時に血が噴き出す。痛みは無い。 ただ手足の痺れがひどくなり、徐々に意識が薄れていく。 「フン。自ら死に急ぐのか?」 「俺は・・・貴様ごときの・・・手では死なん・・・」 最後の力を振り絞り、逆手に持った銛を再び腹に突き立てた。既に何の感覚も無い。 一呼吸置き、一気に横一文字に腹を捌く。臓物が飛び散ったが、もうそれが自分 の物だという気はしない。 テレビの前では子供たちが固唾を飲んで見ているだろう。俺の生き様を、そして 散り際を子供達に見せておきたかった。いずれあの子達の中から俺の志を継ぐ者が 現れるはずだ。 ジャムおじさんの顔が浮かぶ。カレーパンマン、ショクパンマン、そして バタコさん。楽しかった。最高の仲間だった。この十数年の思い出が走馬灯の様に 頭をよぎった。 ふと空が見えた。抜けるように青い空。なんだか久しぶりに見た気がする。気付いた 時には俺は仰向けに倒れていた。目の前一杯に広がる青い世界に、そのまま吸い込まれ ていくような気がした。
2年前のスレがまだデータ落ちしてないとは(w
>>96 懐かしくて泣きそうになった。
同時に、この板過疎だなぁって思った。
「アンコパンは永遠に」 「エンペラー・オブ・バクテリア」。アパーン国の皇帝、通称バイキンマン。 彼は同時に天才科学者で、現在では考えられないほどの技術者なのだ。 そんな彼が狂気に犯されたのは、わずか数ヶ月前のことだった。 始まりは、アメリカに対する核攻撃。 彼はご自慢の平気であっという間に最強と言われた超巨大国家を滅亡へと導いた。 それを皮切りに、彼は続々と他国への侵略を始めた。 これは、そんな巨悪に立ち向かう勇敢な戦士達の物語である・・・・・・ 続編は本日中に。
↑ゴメン。5行目「平気」じゃなくて「兵器」ね。
いつまで待てばいいんだと100ゲット。
101 :
名無し物書き@推敲中? :02/04/16 14:07
101回目の催促だど
徳山はこの作品の謎を残すためのスパイスだったと思われる
アンパンマンって例のスレ亡き後、文芸板の最古スレかな、、、
104 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/07 23:43
age
105 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/17 18:28
すごい日付だな、このスレ
ぴよぴよ / ̄ ヽ |^◇^ ヽ ←2ちゃねらー ( ) ''ゝ'''ゝ´ ∧_∧ ツカマエタ!! ⊂(´∀` ) / ̄⊂ ) |^◇^ ヽ( 丿 ( )(_) ''ゝ'''ゝ´ ぴよぴよ ∧_∧ / ̄(´∀` ) アッタカーイ! .| ^◇^) ⊂ ) ( ) | | ''ヽ'''ノ''(_(_)
107 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/19 15:09
徳山。
108 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/19 16:35
結局徳山は誰だったんだよ誰か教えてくださいませ
109 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/24 02:58
徳山昌守
111 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/24 16:13
>>110 ワロタ、そして驚いた。
(―д―)眠ゴルァ
112 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/24 21:45
股を塞いだ時には、バイキンマンは一張羅を脱ぎ捨て、俺の尻に自分の一物を擦り付けていた。 同時にかすかな痺れを尻に感じる。 「終わったな・・・」 バイキンマンの乾いた声が聞こえる。視線を返すと、奴が手にしていた 一物が深々と俺を貫いていた。手足の感覚が無くなっていくのが分かる。鼻 の奥にイカ臭い臭いが立ち込める。これがカウパー液の臭いか。 「お前は犯された。せめて最後は同時にフニィッシュしてみるがいい・・・」 奴の声がやけに遠くから聞こえる気がする。俺が震える手でシーツを掴むと 奴は一物をゆっくりと引き抜いた。肉のこすれる音と同時にカウパー液が垂れる。痛みは無い。 ただお腹の痺れがひどくなり、徐々に意識が薄れていく。 「フン。自ら尻を振るのか?」 「俺は・・・貴様ごときの・・・モノではイカん・・・」 最後の力を振り絞り、両手に持った自分のチンポを握り締めた。既に敏感な感覚になっている。 一呼吸置き、一気にちんぽの皮を剥く。カウパー液が飛び散ったが、もうそれが自分 の物なのか奴のものなのかわからない。 テレビの前では子供たちが固唾を飲んで見ているだろう。俺のイキ様を、そして 乱れ際を子供達に見せておきたかった。いずれあの子達の中からも俺を犯す者が 現れるはずだ。 ジャムおじさんの顔が浮かぶ。カレーパンマン、ショクパンマン、そして バタコさん。楽しかった。最高のケツの穴仲間だった。この十数年の思い出が走馬灯の様に 頭をよぎった。 ふと空が見えた。抜けるように青い空。なんだか久しぶりに見た気がする。気付いた 時には俺は自分のチンポを狂った様にこすっていた。目の前一杯に広がる青い世界に、そのまま吸い込まれ ていくような気がした。
113 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/25 08:55
2000
114 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/25 11:18
「ぼくの顔をお食べ」 アンパンマンは、腹ぺこで倒れていた原始人の子供に自分の顔を差し出した。 原始人の子供は、自分の頭の何倍の大きさがあるアンパンにかぶりつくと、 あっという間に腹に納めてしまった。 口が残っていたら、「ぎゃあっ」と、悲鳴を上げただろう悲劇がアンパンマンを襲った。 子供が、アンパンマンの胴体に抱きつくと胸のあたりに噛みついたのだ。 黒いあんこが飛び散り、1キロくらいの肉魂が削り取られた。 アンパンマンは、必死に子供を振りほどこうと体をねじるが無駄だった。 子供の2噛み目で肩を食いちぎられ、左腕が辛うじてぶら下がっている状態になった。 アンパンマンの意識が薄れ、動きが鈍った。 子供は、アンパンマンの胸をかみ砕き、心臓を飲み込んだ。 顔中、あんこだらけにした子供は、ふくらんだ腹をさすりながら、 動かなくなったアンパンマンのポケットから、牛乳をとりだし、腰に手を当てて飲み干した。 (完)
115 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/25 14:01
「ぼくのチンポをお舐め」 アンパンマンは、路地裏で体を売っていた原始人の子供に自分の亀頭を差し出した。 原始人の子供は、自分の口の何倍もの大きさがあるアンパンのチンポにむしゃぶりつくと、 あっという間に膣内に納めてしまった。 理性が残っていなかったら、「あああっ」と、悲鳴を上げただろう快感がアンパンマンを襲った。 子供が、アンパンマンの胴体に抱きつくと乳首のあたりに噛みついたのだ。 白い精液が飛び散り、1ミリgくらいの量が絞り取られた。 アンパンマンは、必死に子供をイカせようと腰を振るが無駄だった。 子供の2噛み目で腰を抜かされ、チンポが辛うじてそそり立っている状態になった。 アンパンマンの意識が薄れ、動きが鈍った。 子供は、アンパンマンの胸を噛み噛みし、精液を飲み込んだ。 顔中、精液だらけにした子供は、ふくらんだ子宮をさすりながら、 動かなくなったアンパンマンのポケットから、財布をとりだし、金を取り出して投げ捨てた。 (了)
116 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/30 14:12
徳山は銛を肩口からゆっくりと滑らせた。
白いカーテン越しに青い芝生が見えた。風は芝生を揺らし、アンパンマンに夏を予感させ、 雲のかたまりを山の向こうへ流して行った。アンパンマンは蝉の声が聞きたがったが、蝉はまだ 暗い土の中で長い夢を見ていた。 ―――蝉 むかし、カレーパンマンや食パンマンと一緒に蝉の抜け殻を集めたことを思い出した。今でこそ あまり見かけなくなったものの、むかしは森に入れば幾らでもあったのだ。みんな夢中でポケットに つっこんだものだった。 抜け殻は生きてはいなかった。かつて生きていたわけでも、これから何かが生まれるわけでもなかった。 けれど幼いアンパンマンは力強い命を確かに感じていた。森の中には友の笑い声と、鳥のさえずりと、 けたたましい蝉の鳴き声がいつまでも響いていた。 アルコールの臭いが漂う病室で、アンパンマンは目を閉じた。
118 :
名無し物書き@推敲中? :02/05/30 21:24
白いティッシュ越しに薄汚いチンポが見えた。自らのチンポを握る手は激しく上下しており、アンパンマンに絶頂を予感させ、 生命の元の液体を先端に添えられたティッシュの中へ注ぎこんでいった。アンパンマンはイク時に声を出したかったが、恥ずかしいので暗い部屋の中で一人寂しく静かに射精していた。 ―――ドピュピュ むかし、カレーパンマンや食パンマンと一緒にチンポをこすりあったことを思い出した。今でこそ あまり見かけなくなったものの、むかしは男性寮の中では幾らでもあったのだ。みんな夢中で相手のしりの穴に つっこんだものだった。 精液は乾いてはいなかった。何か新しいオカズがあった訳でも、想像で抜こうとしている訳でもなかった。 けれど若いアンパンマンは、また迫り来る絶頂を確かに感じていた。チンポをしごく手には生暖かいティッシュと、ぬめぬめとしたチンポの先端と、 けたたましい量の精液がこびりついていた。 イカくさい臭いが漂う部屋で、アンパンマンは目を閉じた。
119 :
名無し物書き@推敲中? :02/06/08 17:36
120 :
名無し物書き@推敲中? :02/06/17 09:46
かびたんじゃないの?
121 :
名無し物書き@推敲中? :02/06/28 22:13
ココまだ残ってたんだ
124 :
名無し物書き@推敲中? :02/07/03 01:15
age
125 :
電波マニア ◆7OCEI4N6 :02/07/05 10:43
/ ̄ ̄ ̄\ / ∧ ∧ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ・ ・ | < 勝手に頃すんじゃねーよ。氏ねよおめーら | )●( | \________ \ ー ノ \____/
126 :
名無し物書き@推敲中? :02/07/07 03:40
2000/09/17(日) 22:39
127 :
マスター(ほんもの) :02/07/08 20:00
∫ ∫ ___ のんびりアゲ | | | .´∀`.| |.....茶....| <ヘヘヘ> `──´  ̄ ̄
128 :
名無し物書き@推敲中? :02/07/08 22:22
2000年9月
129 :
名無し物書き@推敲中? :02/07/18 00:50
130 :
名無し物書き@推敲中? :02/07/18 17:52
あれから二年
131 :
名無し物書き@推敲中? :02/07/22 21:22
damedahiraganaga
132 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/02 04:19
ヒント 徳山はヤクザデス 徳山はホモです
おい、徳山の正体教えてやるんだから盛り上がれよ! それにしても誰も答えを書いていないのにはビビッタ。
135 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/02 18:34
age
136 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/02 20:01
教えて
137 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/02 20:05
徳山昌守
1は 花村萬月の『ブルース』のパクリでした。 最後の決闘シーン 数年の問題に終止符・・・・・・・・・・・・・・・。
139 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/03 21:30
そうだったの!
140 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/05 12:40
age
141 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/09 14:15
age
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143 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/09 16:02
アンパンマン始まったー。
144 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/10 21:27
(#`Д´)ツーハッシュオネガイシマス!!!
145 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/28 12:38
このスレは死なせない!
146 :
名無し物書き@推敲中? :02/08/28 12:59
もうすぐ二周年だね
寒い。 冷房。
148 :
名無し物書き@推敲中? :02/09/03 20:14
おまえら、かつての勢いはどうした?!
149 :
名無し物書き@推敲中? :02/09/03 23:44
徳山昌守
ネタばれはホントなのかな? だれかおしえてちょんまげ
151 :
名無し物書き@推敲中? :02/09/15 21:18
明後日
152 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/04 16:14
153 :
◆JOdoraM5II :02/10/06 06:10
ワラタ
154 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/06 06:16
155 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/07 04:58
(・∀・)イイ!
156 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/07 05:00
157 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/07 17:30
こんな面白いものが… はじめますて、わらわせていただきますた
(;´Д`)ハァハァ
159 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/09 18:10
age
(ピュア
花村萬月のブルース、懐かしいなぁ。 1が好きなヤツは読んでみろよ。 村上がギターを弾くシーンはしびれるぜ。
ワロタ
163 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/10 09:58
2年もかよっ!
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
2nextに紹介されると、すぐ↑みたいな厨房がわいてくんのな。
>>3 の中に出てくる
>呟きながら、徳山は銛を肩口からゆっくりと滑らせた。
ってなんだ?
「徳山」という人が出てくる物語を
登場人物をアンパンマンとバイキンマンにしただけの盗作じゃないのか?
と言ってみるテスト
世の中からアンパンマンが 忘れ去られても、このスレはつづいて欲しい。
このスレを見て、バイキンマンの声優の魅力を再確認しました。
175 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/10 17:35
age
176 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/10 17:46
もしかして2ちゃん最古スレって現在ここ?
>>176 そんなことを書くと、またラウンコが攻めてくるぞ。
179 :
無命 ◆vPGSxyaeQs :02/10/10 19:09
先日、アンパンマンの歌詞をみたら、涙が出るくらい深い歌詞ですた。 アンパンマンのマーチの方。
180 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/10 23:06
ナーニを見てよーろこぶ♪
書いてみました。 アンパンマンはいつもの通り、バイキンマンを倒し、パン工場に帰ってきた。 いつもと変わらない建物、空に向かって延々とのびるような煙突。 だが、なぜだか、今日は無機質な感じを受けていた。 それは、なにか大きな出来事の前触れかもしれなかった。 中に入ると誰もいなかった。 まさか、とアンパンマンは思った。 すると、外から人の気配を感じた。 アンパンマンはとっさに身構えた。 だが、それは、バタ子とチーズであった。 彼らは町に買い物に行ってきたのだが、もう一人、ジャムおじさんの姿が見えなかった。 アンパンマンはジャムおじさんの行方をバタ子に訊ねてみたところ、 ジャムおじさんは、アンパンマンの定期巡回に出掛けたあとに少し遅くなると 言い残し出掛けていったというのであった。 アンパンマンの心の中には、納得の気持ちと共に何か引っかかるものがあった。 アンパンマンは、ふと周りを見回し、あるものに気付いた。 それは、まだ残っている温かみが視線の先から届くかのような机の上に手紙があった。 其の手紙が、白く冷たい空白と何か訴えかけるような黒い線が文字を表して、置かれていた。
そこには”アンパンマン、話がある。きっと今まで貴様の心の中にあった疑問に応えられるかどうかわかないが、 まあ、来てくれ!ただし、この順序で来てほしい。理由は、来てから話そう。バイキンマンより”と順路とが書いてあった。 アンパンマンは、「バイキンマンは、たった今さっき、アンパンチでブッとばしたはず。どういうことだ? なぜ、彼は、僕よりもこのパン工場に到着して、そして、帰りを待たずに去っていたのか?」ということが、 頭を駆け巡り、バタ子はアンパンマンの視線の定まらない目を見て、 疑問と恐怖が増幅されると同時に椅子に座りこんだ。 そして、二人の考えの中で唯一重なること、 つまり、ジャムおじさんの行方とバイキンマンの行動との間にある関係が存在することであった。 アンパンマンは、沈黙し、パン工場のドアのノブを静かに回し、 青く、どこまでも染み込んでいきそうな空へ飛び去っていった。 開けたままのドアが、風によってゆっくりと閉り、 普段は聞くことのないドアの金属の軋みが、工場をつつみこんでいた。 リクエストがあれば続きを書きますけど。
続きを、希望します。
>>181-182 文末が「た。」で終ってばかり・・・
文才が無いにも程があるな(シャレでやってんのか?)厨房なら消えろ。
>181 リクエストを募る事が出来るほどの実力はないと気付け。 続きはいらない
>181-182 ホントに悲惨な文章だね
あんぱんまんはぁ〜きみっさぁ〜♪(ナンチャテ)
2NEXTに紹介された・・・ すごい日付
189 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/12 15:31
?
>>190 評価というものを全く分っていない厨房ハケーン
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 俺様専用しおり ( ´凵M)<今日はここまで読んだぞ、っと。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>>190 はいはい、自分の作品をケチョンケチョンに言われて腹が立ったんでつね(プ
195 :
名無しさん :02/10/13 12:28
イイ!!
196 :
ある晴れた夜のお話。 :02/10/14 10:21
まだ夜は長い。 静かに厨房のドアが開き、憂鬱な表情のバイキンマンが立っていた。 「・・・・来てくれたのか。」 冷たいパイプ椅子に腰掛けたカレーパンマンが言う。 「容態は?」 「あまり・・・良くない。医者は今夜が峠だと言ってる。」 カレーパンマンは下を向いたままだ。 部屋の真ん中の調理台に横たわるアンパンマン。 その表情は苦しそうだが、どことなく微笑んでいる印象をうける。 周りを取り囲むように、ジャムおじさん、バタ子、ショクパンマン、ドキンちゃん、 その他数人の親族、友人、関係者が座っていた。
197 :
ある晴れた夜のお話。 :02/10/14 10:22
アンパンマンはいつもどおりパトロールに出ていた。いつもどおり。 その日は接近していた台風の影響で、かなりきつめの雨が降っていた。 彼は雨合羽を着てはいたものの、やはりパンはパン。 きつい事には変わりなかったのだ。 「今日はもう無理だな。。」 独り言をつぶやき、帰路につこうとしたのは大きな川の上。 水かさは雨により増大して、気味悪くうねっていた。 ふと下を見下ろすと、川の真ん中に出来た陸地に、 ーとは言っても人一人がやっと立てる広さだがー 小さな子供が取り残されてるのを発見した。 子供は泣き叫び、助けを求めている。 アンパンマンは雨合羽を深く着直すと陸地に舞い降りた。 「もう大丈夫だよ。ほら、僕の背中に乗って!」 「でも川に大事な宝物を落としちゃったんだ。。」 「宝物って、一体なんだい?」 「。。。ピンバッジ。。お父さんに貰ったピンバッジ。。」 「・・・・。」 それから数時間後、ズブ濡れになって倒れているアンパンマンが、 パン工場から少し離れた所で発見された。
198 :
ある晴れた夜のお話。 :02/10/14 10:38
アンパンマンの身体はカビによって侵食されていた。 カビは心臓にまで転移し、もはや手の施しようがないほど蝕まれていた。 「バカだよ。こいつは。」 カレーパンマンがアンパンマンの額の汗をぬぐう。 厨房内にはどこか切なげな、しかし暖かい空気に満ちていた。 「彼らしいじゃないですか。ピンバッチに命をかけるなんて。。」 ショクパンマンは落ち着いた様子で話した。 「・・・。彼は10歳で両親を亡くしてから、ずっとここで育ったんです。 初めてここに来た時、ピンバッジを握り締めてましたね。何のピンバッジだったでしょうか。。」 誰に語るとでもなくショクパンマンは言う。 「小麦粉戦士 フランスパンマン。」 今度はバタ子が口を開いた。 「小さい頃にお父さんに貰ったって、肌身離さず持ってたわね」 「"僕の宝物なんだ!"とよく嬉しそうに話しておったのぅ。」 ジャムおじさんが相槌を入れた。
199 :
ある晴れた夜のお話。 :02/10/14 10:53
「自分と重なったんだろうね。小さい頃の。寂しくて、一人ぼっちで。 どうしようもなく不安な自分とね。」 そう言うとジャムおじさんはアンパンマンの側へ立ち、手を握った。 「ジャ、、ム、、おじ、、さん」 「なんだい?アンパンマン。」 「僕、、、そろそろ、、、ダメ、、みたいです。だから、、 最後に、、、一つだけ、、、お願いして、、いいですか。」 「・・・。なんでも言ってごらん。なんでも。」 「今だけ、、今だけでいいから、、、僕の、、お父さんになってください。」 「あぁ、あぁ、、いいとも。お前はずっとわしの息子だよ。アンパンマン。」 ジャムおじさんは流れる涙を拭こうともせず、ただただアンパンマンだけを見つめていた。 「父さん、、、ありがとう、、もう、、新しい顔はいらないから、、ね。」 そう言い残すと、アンパンマンはそっと瞳を閉じた。 まるで眠っているようなその顔は、喜びに満ちているように思えた。 厨房にいる皆が、そう感じていた事は言うまでもない。 そしてここに、アンパンマンという少年の、短い生涯の幕が降りたのだった。 まだ日は昇らず、 ただ青白い月だけが、 少年の心と、 彼が愛した街をつつんでいた。
200 :
>>196-199の作者。 :02/10/14 10:58
(´-`).。oO(うわぁ。。糞駄文かもしれない。。)
>196-199乙。アンパンマンの臨終の床か…一応アンパンマンの死だが…。 「所詮パン」だから、ベッドじゃなく調理台なのが笑いどころで、且つ 文学的な要所と見てよいか?(w 駆けつけたバイキンの言動なりが欲しかったけど。 ・・・・・・・ところで、アンパンマンって少年だったのか?
202 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/15 18:07
>>201 タンレスありがとうございますた。
文学的要所でもなんでも好きなように解釈してくらはいw
自分でも後で読んでみて基本的に台詞少ないのに気づいた次第でつ。アイ。
アンパンマン少年説ね。はい。パラレルなんで気にしないでw
203 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/15 18:10
<<202の続き。 一応少年ってのは比喩的な表現のつもりです。 なんかこう、正義の味方って少年気質なとこあるじゃないですか。 そういうのを考慮してあえて少年という表現をしてみました。以上。
>>203 ああ、ナルホド…
言われて見れば確かに、そういうテーマのある文章だね。
205 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/15 23:23
>>204 そうなんです。そういうテーマなんですw
ていうかここのスレ二年前からあるくせにまだレスが200程度なのが。。
206 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/17 03:09
バイキンマン氏(ばいきん・まん=俳優、本名、同じ) 五日午前一時ころいなり寿司をノドにつまらせ 都内の事務所で死去。享年五十三歳。 葬儀告別式の日取りは未定。 主な出演作品に「それいけ!アンパンマン」などがある。 【同居人・ドキンさんの話】 どういうわけか、食べ物を急いで食べるクセがあって、必ずノドにつまらせるんです。 盗らないからゆっくり食べろといつも言っていたんですが、、、、 たんびにヒックヒック言うので、最近は食べ物を与えないようにしていました。 私の留守に買ってきて夜食を食べてたようです。 麦茶とか冷蔵庫にちゃんとあったのに、イキナリ食べるから。 日頃、『死ぬときになってつまらない人生だったと思うのだけはヤダ』 と言ってましたから本人としては本望だったのじゃないでしょうか。
208 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/18 16:36
関係ないが、漏れのじいさんがアンパンマンのことを *団子鼻*と言っていたのを思い出した。
だれか、脇キャラの大量殺戮とか・・・・
210 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/19 00:04
アンパンマンじゃないけど、 キカイダーのラストってショックじゃない? みんな死ぬんだぜ。デビルマン並の終わり方。
211 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/21 14:40
またーりしようよ  ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧_∧ ( ・∀・) ( ⊃旦と ( ⌒)⌒) ┳┳
212 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/21 20:19
そんな事言ったらロト紋のラストなんかどうなるんだ みんな死んでその後で生き返るんだぜ
え〜、ロト紋ってそんな終わりかただった? あんま覚えてないや。 でもそんなラストもありといちゃありなのでは? ああ、また読みたくなってきたな。
214 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/22 13:48
age
215 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/23 09:15
age
216 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/23 09:18
アンパンマンは♪〜となりの親父〜♪
217 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/23 09:19
アンパンマンが言いました。 定年退職させて・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ...
218 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/23 09:26
アンパチ
219 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/23 15:15
AAどこ?
220 :
名無し物書き@推敲中? :02/10/25 06:03
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| || ドキュンは 。 Λ_Λ いいですね。 || 無視! \ (゚ー゚*) ||________⊂⊂ | ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ | ̄ ̄ ̄ ̄| ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ | | 〜(_( ∧ ∧ __( ∧ ∧__( ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ 〜(_( ∧ ∧_( ∧ ∧_( ∧ ∧ は〜い、先生。 〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,) 〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
あぼ〜ん
102回目の催促だど
224 :
名無し物書き@推敲中? :02/11/04 21:21
どうにもうまいねこの人ぁ
225 :
名無し物書き@推敲中? :02/11/10 02:25
こげぱんごとく竈にぶちこんだれ。
すごい。
いつかこのスレが最古スレになる可能性についてかも
まじっすか?
創作文芸板って、DAT落ちしづらいのかな?
231 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/07 12:00
しないよ
232 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/07 23:21
時々、アンパンマンみたいな顔のガキがいるよな。
>>232 それは只のデブなのか
アンパン吸ってるようなヤンキー顔という意味なのか。
234 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/09 01:21
どちらも言えるかも
235 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/14 20:31
236 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/14 20:39
238 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/20 12:32
なんだよ・・・この板・・・
239 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/22 09:53
良スレage
240 :
名無し物書き@推敲中? :02/12/22 10:17
電波お花畑=なりきり型の電波 創作文芸=本物の電波
242 :
月・ピ・エ ◆/bb.....Cc :02/12/31 16:12
なんだよ・・・この板・・・
243 :
名無し物書き@推敲中? :03/01/01 20:27
明けまして、お
このスレはなんで2000年から2003年を股にかけて続いてんだよ(w
食パンマンは横たわっている。 そして絶えゆく我が死をみつめている。 色は無い。 意外と乾いてるものだなあと思う。 そして冷静でもある。 乾いてると思ったのは実感だ。 文字どうりの意味ではないが、乾いているということだ。 リスロンSを200錠トリスで胃に流し込んだのは 10分前。 命が溶けていく。 これも実感だ。 10分前食パンマンは後悔していた。 なぜトリスなんだ。1000円あるならV・O買えばいいのに。 死ぬ人間にお釣りなんか必要無いのに、もといお金は必要無いのに。
意識が白くなってゆく ・ ・ ・ ・ ・ ・ 食パンマンはいま死んだ。 埃っぽい部屋でひとり。 遺書らしきものは見つからない。 あるのは食パンマンだったタンパク質のかたまり。 ベッドも何も無い部屋。 固い床に仰向けで。 薬の瓶とトリスのボトル、リスロンSが3,4錠散らばってる。 西日が差してきた。 埃がきらきら光っている。 開かれたままの魚眼レンズに映る。 しかしそれだけ、何処にも伝わらない。
西日が食パンマンをてらす。 5分前だったらあたたかいと感じてくれたかもしれない。 もうすぐ夜が来る。 朝も来る。 なにも変わらない。 全て終わったこと。 この男が生きてきたこと、死にたどり着くまでの思考。 全て途絶えた。 雨粒が一粒水たまりに波を広げて、静かに消えた。 意味としての大きさは雨粒一粒も、広がった波も、それと等しい。 それだけのことだ。
248 :
名無し物書き@推敲中? :03/01/04 17:57
バタコさんの膣内はしっとりと湿っていた。 ジャムおじさんはすぐに射精感を覚えたが、それが興奮のため なのか薬の作用なのかはわからなかった。ベッドの軋み音に合わせて 揺れる真っ白い尻を眺めていると、この女がつい一ヶ月前までは処女 だったのが嘘みたいだった。 「ああ……ジャムおじさん、もっと」 バタコさんは肘の力を失い、枕に顔を埋めて甘い声を上げた。 沁み一つないコック帽がはたりと落ち、床で何度か揺れる。
最初はレイプだった。 アンパンマンがパトロールへ出かけている間に、ジャムおじさんは バタコさんを押し倒した。 バタコさんは激しく抵抗し何度も食パンマンの名を呼んだが、頬を 2、3回ぶん殴るとすぐに大人しくなって、ただじっと陵辱に耐えていた。 ジャムおじさんはまだ汚れを知らないバタコさんの体内に欲望をぶちまけ、 気絶したその姿を写真に収めた。 赤い筋が一本、床に散った小麦粉を染めていた。
「あ、わたし、もう……」 「よし、出すぞ」 「あの、お願いします。外に……」 ジャムおじさんは酷薄に鼻を鳴らした。そして腰の動きを速め、一気に射精した。 ジャムおじさんは事を終えた後、女とベッドで過ごす時間が大嫌いだった。 媚薬を使った相手であれば尚更だ。バタコさんは薬の余韻から覚め、啜り泣き を始めている。 露骨に舌打ちし、ジャムおじさんは全裸のまま寝室を出て行った。階段を下り 風呂場のドアを開ける。
熱いシャワーを浴びながらものにした女達の顔を思い出してみるが、いつも 上手くいかない。はっきりと記憶しているのはせいぜい五、六人程度で、あとは 霧が掛かったようにぼんやりしている。 ジャムおじさんは自分と関わった不幸な女達のことを思い、女を不幸にする ことでしか生きていけない自分自身を思う。そして最後に浮かんでくるのは、 なぜかメロンパンナちゃんの笑顔だった。 「あの女は違う」 ジャムおじさんは奇妙な無力感に苛まれ、そう独りごちた。 グラニュー糖を散らした黄色い顔や細く折れそうな体を思い浮かべ、懐かしい 胸の痛みを覚えた。今までどんな女にも感じることのなかった温かさを与えて くれる女。メロンパンナちゃんは特別な存在だ。
もし、今からでもやり直しが効くなら……。 馬鹿な思い付きだった。しかしそんなことを考えている自分のことが嫌いでは なかった。小さい頃から夢見てきた家庭をメロンパンナちゃんとなら築けそうな 気がする。 ジャムおじさんはシャワーを顔全体で受け留めながら、彼女に会いに行く決心をした。 全てを清算することは不可能だ。それでも彼女なら許して受け入れてくれると思えたのだ。 不意に脇腹に焼けるような痛みを感じた。視線を落とすとそこから鋭角を持った 金属が突き出ている。 痛みが瞬時に拡がり、意識は背後に立つ誰かへと向けられた。 振り返る。バタコさんだった。 「あなたが悪いんです」 バタコさんはさっきと同じように泣いていたが、口元は引き攣るように笑っている。
筋肉が収縮したような感覚の後、ジャムおじさんはタイルの上に倒れ込む。 視界が歪んだ。瞼越しに日の光を浴びているようにきらきらと輝き、すぐに暗転した。 バタコさんがまだ何か話している。ジャムおじさんの聴覚はすでにそれを捉えることは 出来ない。 暗幕を見詰めながら、ジャムおじさんはメロンパンナちゃんの顔を思い浮かべようとする。 駄目だった。何も現れてくれない。そこには闇があるだけだ。 バタコさんの第二撃が頭頂部に振り下ろされるまで、ジャムおじさんは闇を凝視していた。
(^^)
>>249-254 スバラシイ!!!!!!
アゲて、みんなにも見て貰いたいね。
でも、荒れちゃうしなぁ〜。歯がゆいなぁ〜。
258 :
名無し物書き@推敲中? :03/01/07 17:37
かまわずage
259 :
名無し物書き@推敲中? :03/01/07 17:43
で、早速荒れてきたと(w
261 :
名無し物書き@推敲中? :03/01/07 23:16
age
保守
263 :
名無し物書き@推敲中? :03/01/14 18:45
この板じゃ、dat落ちはぬるいぜ。
で、徳山ってだれ? ありものの小説の名前をすりかえたのか? 徳山だけすりかえ忘れたのか? で、アゲ。
(^^)
266 :
名無し物書き@推敲中? :03/01/19 17:08
名スレ認定。
保守
保守
sage?
270 :
名無し物書き@推敲中? :03/02/02 23:39
本ネタ、花村萬月『ブルース』
保守
醜い則子はイクオとアンパンマンのペニスを掴んだ。 時田さんはそれをジャムおじさんと見ていた。
〜完〜
…このスレまだあるのか…
275 :
名無し物書き@推敲中? :03/02/18 16:08
COOLなスレだぜ・・・。
ヒソーリ保守
保守
逝き続けるアンパンスレ……
保守
このスレは花村満月氏のスレに変わりました。
何気にすごいな、このスレ。
282 :
名無し物書き@推敲中? :03/04/15 18:53
教授!日付が20世紀です! 素晴らしい…アカデミー賞にノミネートしよう
(^^)
ご長寿記念カキコ
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
286 :
そしてまだまだ続く :03/04/20 12:23
22世紀へと・・・
guest guest
288 :
bloom :03/04/27 11:09
>>287 a. [ドメイン名] NMA.NE.JP
b. [ねっとわーくさーびすめい] えぬえむいんたーねっとめがあくせす
m. [登録担当者] KT5125JP
n. [技術連絡担当者] KT5125JP
y. [通知アドレス]
[email protected] Personal Information: [個人情報]
a. [JPNICハンドル] KT5125JP
b. [氏名] 高木 克巳
c. [Last, First] Takagi, Katsumi
d. [電子メイル]
[email protected] f. [組織名] 名古屋めたりっく通信株式会社
m. [肩書] 取締役
n. [Title] Director
o. [電話番号] 052-588-2244
p. [FAX番号] 052-588-2245
y. [通知アドレス]
[email protected] Personal Information: [個人情報]
a. [JPNICハンドル] ST4072JP
b. [氏名] 鶴長 鎮一
c. [Last, First] Tsurunaga, Shinichi
d. [電子メイル]
[email protected] f. [組織名] 名古屋めたりっく通信株式会社
o. [電話番号] 052-588-2244
p. [FAX番号] 052-588-2245
y. [通知アドレス]
[email protected]
( ;´Д) < アンパンマンたすけてぇ〜〜〜!
できない相談だ。
___ / \ ________ / ∧ ∧ \ / | ・ ・ | < パソに頼るなおめーら | )●( | \________ \ ー ノ \____/
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
294 :
真実を告げる者 :03/05/23 21:59
徳山の謎を教えてやるよ。
まさかこれがテンプレだとは誰も思うまい、マイナーだし。
徳山ってのは登場人物の名前さ。
>>1 のアホゥが尻尾を見せた証拠。
まさか名前書きなおし忘れるとはバカだねえ。
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
296 :
名無し物書き@推敲中? :03/05/30 21:50
ほっしゅ
297 :
名無し物書き@推敲中? :03/06/03 15:04
>>294 だから、どうだちゅうの?
大体、元が駄作だし、自作自演の褒めカキコ連発w
なさけねぇスレだよ。
298 :
名無し物書き@推敲中? :03/06/07 16:14
jjjjjjj
300 :
美人で若い。そのくせ誰にでもさせる ◆XRhOafI0.w :03/06/07 16:29
___ / \ ________ / ∧ ∧ \ / | ・ ・ | < ソーサのバットにはアンコが入ってたらしい | )●( | \________ \ ー ノ \____/
アソパソマソは美人で若い。そのくせ誰にでもさせるだらしないパンだ。
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
303 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/12 15:26
(・Д・;)煤s寝るなよオイ
304 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/13 18:27
あげませう
305 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/13 19:19
(°Д °)<おまえだれだよ
306 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/13 21:39
なんかすごい。
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
308 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/16 15:01
(°Д°)<だから寝るなよ
309 :
アンパンチ :03/07/16 17:56
ジャムおじさん『まったくバイキンマンは何回やっつけてもやってくる・・・』 アンパンマン『ぼくに任せて下さい今回は先手を打って、バイキンマンの基地に殴りこみます!』 そう言うと、アンパンマンはバイキンマンの基地に乗り込みました。 アンパンマン『やい!バイキンマンやっつけてやる!』 バイキンマン『そんな・・・オレはまだ何もしてないぞ!』 アンパンマン『うるさい、覚悟しろ!アー――ンパンチ!』 しかし今日のアンパンマンはなぜか体調が悪かった。 アンパンマン『あぁーっ!アンパンチが外れたー』 バイキンマン『ワハハハハ!形勢逆転だな!水をかけてやる!』 ≪バシャバシャ≫ アンパンマン『あぁーっ!顔がふやけて力が出ない〜』 しかしアンパンマンはここで奇策に出た。
実はジャムおじさんからひそかにもう一つの顔をもらっていたのだ そして・・・・・ アンパンマン『元気100倍アンパンマン』 バイキンマン『うげ〜まさか顔を持っていたとは〜〜〜』 アンパンマン『覚悟しろ!バイキンマン ア〜〜ンパ〜〜ンチ』 バイキンマンはものの見事に吹っ飛び基地のガレキの下に埋もれて 二度と出てくることはなかった END
312 :
名無し@らりるれろ :03/07/26 15:02
age
(・Д・)<なにがageだゴルァ
アンパンマンは暗い地下室で激しい自己嫌悪に襲われていた。 「なんてことだ・・・俺は・・・俺は・・・。」 今日の昼間の出来事だった。 アンパンマンは深い谷底に出向いていた。バイキンマンが谷にすむ小人族を奴隷にしようとしていたからだ。 この悪事を何度暴いて、何度阻止してきたことだろう。それでも今日も悪事が起こった。 アンパンマンは正直、無力感と脱力感を感じていた、それが正義の味方にあるまじき考えでも。 バイキンマンをアンパンチで空中に吹き飛ばせば、小人族には感謝をされるだろう。しかしそれが何になろうか。 腕を振り回しているとき、ふとそんな考えが頭をよぎる。
今にもアンパンチを繰り出そうかという時、目にあるものが映った。 それは谷の壁から岩が突起したものだった。まるで一角獣の角である。 アンパンマンは無意識に拳を振る方向を変えていた。あの「角」の方向に。 「・・・アーンパーンチ!」「ハヒフヘホ・・・ザシュッ!」 観衆だった小人族は何かがおかしいことに気が付いた。 バイキンマンは絶命していた。勢いよく飛ばされたその身体は「角」に突き刺さっていた。心臓を鋭く貫いていた。 なんとも惨い光景だった。バイキンマンの顔は苦痛に歪み、衝撃の勢いで自分の顎が舌を噛み切っていた。 「あ、あ・・・バイキン・・マン・・・」 アンパンマンは突然、自分のやったことに恐怖と不安を覚えた。 そしてその場から逃げるように飛んで行った。
316 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/29 21:31
___大文豪___|_ | __憂文_∧_∧|_  ̄| __避_ (∀・ )_|_ 大人の階段のぼーるぅぅ♪  ̄| _諦 と つ__|_  ̄| 笑_< <ヽ |______|_  ̄| _(_)呆γヽ文____|_  ̄| ___(__ノ嫌文____|_  ̄| ____怒文_______|__  ̄| ____驚文_______| | ____知文_______| | ____親文_______| | ____好文_______|
今頃、街中にこの話が広まっているだろう。 アンパンマンがコロシをした、と街では騒がれているのだろう。 アンパンマンは「やっつける」ことをせずに「コロシ」をしたのだ。 非道なバイキンマン、だがそれを殺した俺はもっと非道なのかもしれない。 自己嫌悪が次々にやってくる。 「このクソ野朗!死んじまえ!」 アンパンマンは自分の頭部を殴りまくった。何度も何度も。 頭はぼこぼこに変形し、割れた顔の隙間からはあんこが飛び出ている。 もう正義の味方ではいられない。その事実がどうしても認められなかった。 アンパンマンはもう誰にも愛されない。尊敬されることもない。 初めて自分が人に信頼されるのが嬉しいことなのか気づいたのである。 「・・・アンパンマン、ありがとう」 小さな声が聞こえた。 それは昼間助けた小人の一人であった。ドアの小さな隙間から入ってきたのである。 アンパンマンは小さな「ありがとう」に涙が止まらなかった。小人も泣いている。 やがてアンパンマンの涙は自分の顔を湿らせ崩れさせた。そして倒れたまま動くことはなかった。 アンパンマンは天に召されたのだった。「ありがとう」の言葉を最後に聞いて・・・。
ふう・・・初めて始まりから終わりまでをまとめた小説を書いた 突っ込みどころがあったらどんどん言って。
とりあえず自分に突っ込み。
>>314 の
<アンパンマンは正直、無力感と脱力感を感じていた、それが正義の味方にあるまじき考えでも。
って所、無力感と脱力感は考えじゃないね。
320 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/29 22:06
>>319 その前に「無力感と脱力感を感じる」がおかしい。
321 :
名無し物書き@推敲中? :03/07/29 22:07
うわーん!!アンパンマンをころさないで〜!! (小5のくせにアンパンマン好き)
小5のくせに2ちゃんに来ることの方が問題だと・・・。 もっと外であそびな いや、待てよ、創作文芸板に来てるってことは・・・?????
というか小5なら殺さないでとやるでしょ。
ドキンちゃんは、歩幅の違う食パンマンを追っていた。 時折、春特有の強い風が吹く。 触角を乱暴に撫で付ける風が吹く度に、 ドキンちゃんは何かしら胸騒ぎの様なものを覚えた。 「ごめん。大丈夫? 疲れてないですか?」 ドキンちゃんの表情に気付いた食パンマンが、歩調を緩めた。 「えっ? ううん。だいじょうぶ! せっかく食パンマンが 散歩に誘ってくれているのに、疲れるもんですかっ!」 そう言って笑うドキンちゃんを見、食パンマンも淡く笑う。 「ごめんね、少し歩こうなんて言い出して。 無理しなくて良いですからね。ドキンちゃん」 「・・・そんな・・・」 (無理してるのは・・・あなたの方じゃないですか・・・) ―――言ってしまうと、食パンマンが辛くなる。 彼女は言葉を飲み込んだ。 胸が苦しい。苦しい。苦しい。息ができない。 再び突風が、2人の間を駆け抜ける。 轟音が響く中、食パンマンが風に向かって呟いた。 誰にともなく、呆然と、ただ呆然と。 「アンパンマンがもういないなんて・・・、 今でも信じられないんですよ・・・・・・」 言葉尻は、吹きすさぶ風音に掻き消された。
アンパンマンが、流行の青カビに冒されていると 周囲が気付いた時には、既に手遅れだった。 初期段階なら、顔を取り替えるだけで済むものの、 青カビは顔だけでなく、胴体にも、神経そのものにも根を延ばしていた。 ―――末期カビ、だった。 事態を知ったジャムおじさんは、驚き、悲しみ、そして怒った。 気付かない筈無かった。 アンパンマン自身が、己の青カビの痛みに気付かない筈が無かった。 初期段階で食い止められた筈だった。 「死ぬ気なのか!?」 ジャムおじさんは怒りにまかせ、 何度もアンパンマンの顔を、新しいものと入れ替え続けた。 しかし、本体のカビがすぐに侵蝕し、何度やっても顔は崩れ、 餡子は菌糸にまみれた。 「もう、いいんです。 ボクはいいんです。 ・・・ジャムおじさん。 ボクは、もういいんです。 少し・・・・・・疲れてしまっただけなんです」 菌糸に冒され麻痺する唇で、最期にそう言ったという。
「バイキンマンが死んでから、まだ半年も経ってないのに。 ひどいよ、アンパンマン・・・・・・」 「ドキンちゃん・・・」 アンパンマンが夭折する半年前に、バイキンマンは不慮の死を遂げていた。 どうという事ない事故だった。 崖から足を滑らせ、そのまま・・・・・・だった。 あれだけ「アンパンチ」を食らっても平気だったバイキンマンの、あっけない死である。 誰も泣くことすらできなかった。 バイキンマンの遺体が地中深くに埋められて尚、誰もが思ったものである。 ―――これは、冗談だ。きっと今にバイキンマンが飛び出してきて・・・ 『はーひふーへほー!! 驚いただろー? 大成功っ! 俺様って天才!』 だがいくら待っても、バイキンマンは隠れたままであった。 半年が経ち、ようやく誰もが<バイキンマンの死>を実感しだした頃・・・・・・ 「な、なんで、死んじゃっ、た、のよぅ、アンパンマン・・・っ・・・」 言葉の最後は、嗚咽に変わった。 自分が泣くと、食パンマンが辛くなる。 そう解っていても、疑問とやり切れなさが溢れて止まらなかった。 「ドキンちゃん・・・」 「ね、なんで? 助かろうと思ったら、助かったんでしょ? アタシ、アタシが馬鹿だから解んないの?」 拳を握り締め、泣くまいと彼女は肩をいからせた。 しかし、ぎゅっと閉じた瞼からは、涙が止めどなく流れては落ちる。 「ドキンちゃん・・・。 私にも解りませんよ。 誰にも、・・・誰にも、解りません。 アンパンマンの事なんて、解っていなかったんです。 解ったふりをしていただけなんですよ・・・」
「もしかしたら、本当のアンパンマンを知っていたのは、 バイキンマンだけかも知れませんね・・・・・・」 食パンマンは知っていた。 バイキンマンが亡くなってから、彼の墓を度々訪れるアンパンマンの姿を。 そこにいる「彼」は正義のヒーローでもなく、陽気な人気者でもなく、 おそろしく孤独な、ぞっとするほど孤独な個体だった。 食パンマンは「彼」に声をかけることも出来ず、その場を逃げた。 (あの時、声をかけていたら・・・アンパンマンは闇に引きずられなかっただろうか?) 「食パンマン?」 鼻を啜り上げる涙声を聞き、食パンマンは我に返る。 「ああ、・・・すいません。ドキンちゃん」 自分もまた闇に飲み込まれかけていた事に、食パンマンは気付いた。 「ありがとう。ドキンちゃん」 「何もしてないよ?・・・・・・ね、それより・・・どういう意味? 『本当のアンパンマンを知っていたのは、バイキンマンだけかも』って」 「そうですね・・・今となっては、もう確かめる術は無いのですが、 アンパンマンは、バイキンマンと戦う事で、 自分の存在を、確かめ続けていたのではないかと思うのです」 そう言い食パンマンは、バイキンマンと戦うアンパンマンを思い起こした。 (私達といる時に見せる、品行方正なヒーロー然とした仮面を脱ぎ、 アンパンマンはただ一途に、がむしゃらに戦っていた気がする。 まるで一つ一つ己の存在意義を確かめる様に、 悲しいほど純粋に戦いにのめり込んでいた・・・)
「今になって思うのです。私やジャムおじさん・・・みんなみんな、 アンパンマンの何を見ていたのでしょうか。 困った時に助けてくれるヒーロー? 過ちはひとつも犯さない、完璧な英雄? ・・・そんな偶像を押し付けてはいなかったか? 無意識のうちに、彼に重荷を背負わせていたのではないか? 泣き言ひとつ吐けず、失敗ひとつできない。そんな状況に追いやっていたのは 私達の方ではないのか?」 「・・・・・・食パンマン・・・」 「私達は、あまりにもアンパンマンを知りすぎ、 同時に、あまりにもアンパンマンを知らなすぎた。 知ろうともしなかった。・・・いや、知りたくなかった。 弱い、俗人なアンパンマンなど見たくなかった。 完璧なアンパンマンを求めた。 追い詰め、追い詰め、ヒーローに追いやった。 ・・・・・・アンパンマンを死に至らしめたのは・・・・」 「食パンマン!駄目!!」 「・・・私達だったのかもしれない・・・」 風が、轟、と吹き抜けた。
乾いた音が、春の野原に響いた。 食パンマンは頬を押さえ、目の前の少女を見る。 ドキンちゃんは、食パンマンをぶった自分の手を、 やり場なさげに、握ったり開いたりを繰り返す。 「ご、ごめんなさい! でも、だって、なんだか食パンマンが・・・・・・」 言いかけ、どもる。 「私が?」 「・・・風に、連れて行かれそうだったから・・・」 小さい声で、顔を真っ赤にしながらドキンちゃんが呟いた。 (ああ、この子は・・・なんて感覚の強い子だろう) 食パンマンは自分が今、この小さな痛みに救われた事を よく理解していた。 自分の中に巣食う闇。アンパンマンの囚われた闇と同種の闇。 それが徐々に晴れていくのを感じた。 「ありがとう」
遠くから呼ぶ声が聞こえ、2人は振り返る。 「おおーい。お二人さん! 特に食パンマン!! いないと思ったら、葬式サボってデートですか!? パン工場は弔問客の山で、もうエラい騒ぎなんだぞ 少しは手伝えってのー!!」 カレーパンマンが、カレーを噴出しながらやって来る。 どうやら怒り心頭のご様子だ。 食パンマンとドキンちゃんは顔を見合わせ、笑い合う。 「帰ったら、怒られるかな?」 「そうですね。二人で一緒に怒られましょうか」 2人は手をつないで、カレーパンマンの方へ歩き出した。 風はひたすら何かを薙倒すように吹き続いている。 この大きな悲しみも、風と共にいつか消えて熔けゆくだろう。 ―――アンパンマン、ありがとう。
332 :
風葬『言い訳』 :03/07/31 00:33
・・・・・・。 こんなに長くなるとは。 こんな面白いスレがあるとは知りませんでした。 新参者ですが、参加させて頂きました。
333 :
スネ夫の最期 :03/07/31 00:47
「中村くん、私はちょっとでてくるから……」 骨川はそう秘書に言い残して部屋を出た。 株式会社骨川商事。資本金1億円。骨川は2代目である。 社長の世襲には社内からの反発もあったが、結局初代社長であり、現会長の 父親が押し切った。社長とはいえ父親の傀儡。だが骨川は社内で髀肉を嘆きつつ 無為に時間を過ごすことを良しとしなかった。仕事がしたかった。 父親をあっといわせたい。そう思った骨川は父に黙って自らの会社を興した。 資金は幼馴染みに借りた。新会社の事業もその幼馴染み、剛田が取引先を 紹介してくれたことで何とか起動に乗る、筈だった。 骨川の目の前に大男が座っている。アルマーニのスーツ、腕時計はロレックスの金無垢、 靴はオーストリッチ。髪の毛は七・三にきっちりと分けられている。 「ジャ、いや、剛田さん。何とか、何とか手形の期限をジャンプしてもらえませんか!」 「スネ夫よお、俺も慈善事業でやってるわけじゃねえんだ。俺の金は俺のもの。 きっちり期限は守ってもらうぜ?」
「そ、そんな。期限までに金を用意するのは俺には無理だ。頼む!後生だ」 「お前が駄目でも親父がいるじゃねえか。用立ててもらえ」 「親父に?駄目だ……今更そんなことできない」 「テメエじゃ金を集められねえ、親父にも頼めねえとなると、万事休すだな。 スネ夫、あきらめろ」 「……」 「……わかった。俺も鬼じゃない。ひとつだけ方法がある」 「ええっ」 「お前が所持している骨川商事の株式、全部俺が紹介する第三者に譲渡しろ」 「……どういうことだい?」 「俺たちは密かに骨川商事の株式を買い集めていた。そして、お前の持ち株を あわせると、名義こそバラバラだが筆頭株主に踊り出る」 「ま、まさか!」 「そうだ。骨川商事を乗っ取る」 「そんな……。じゃあ、ジャイアン、いや、剛田さんが紹介してくれた 取引相手が姿を消したのも?」 「さあ〜?そんなやつの行方は知らないなあ?大方フィリピンあたりで 豪遊してるんじゃないの?」 「この……!……かっはっ……ぐぅ」 骨川がテーブルに突っ伏す。 「おや?社長、確か心臓病の持病持ってましたよね?急に立ったりすると 体に悪いですよ?」 剛田が伝票を骨川の方に押しやる。 「じゃあな、骨川社長。株式譲渡の書類、近いうちにサインしてもらいに行くぜ? 所詮、お前のものは俺のものなんだよ」 剛田を追わなければという思いとは裏腹に体が全く動かない。 視界から急速に光が失われていく。テーブルから床に崩れ落ちる。 ウエイトレスが甲高い悲鳴を上げる……
スレ違いなんだが、ダークさが原作に近い。
>>336 有難うございます。
これで夢見よく眠る事ができます。(笑)
(^^)
340 :
名無し物書き@推敲中? :03/08/03 20:28
がんばるまん
341 :
325-332 :03/08/03 22:21
342 :
名無し物書き@推敲中? :03/08/05 11:28
343 :
darren :03/08/12 15:19
カナリワロタ
344 :
名無し物書き@推敲中? :03/08/15 04:57
バタコの死キボンヌ
345 :
名無し物書き@推敲中? :03/08/15 18:18
落ちそうなのでアゲ
徳山〜♪
徳山氏ね
348 :
名無し物書き@推敲中? :03/08/23 23:49
徳山イ`
3年続いて350レス程度とは…(*´Д`)
350 :
名無し物書き@推敲中? :03/08/31 13:57
あげ?
351 :
名無し物書き@推敲中? :03/08/31 18:58
あげ
sage
353 :
大検田舎カッツェ嬢ドキドキリミットMAX+HBG ◆va2KrOhAnM :03/08/31 20:32
もの凄いスレを見つけてしまった!! 2000/09/17(日) 22:39だと!!! あ〜〜まだ僕が青春の日に浸る前じゃないか、、もう直3年経とうとするなんて素晴らし過ぎる!!! よってえれええええええ 記念カキコ〜〜♪ミ(w
354 :
大検田舎カッツェ嬢ドキドキリミットMAX+HBG ◆va2KrOhAnM :03/08/31 20:33
カキコできるなんてうれぴーキャピ(w
見習わなければ……
357 :
アソパソマソ日記 :03/09/07 16:20
【7:12】バタコの笑い声で起床。まだ眠い。顔を洗う。顔が濡れて力が出ない。歯はみがかない。俺には歯がない。 【7:22】朝食のかわりに顔にアンコをつめる。頭が重い。イヤになる。 「パトロールに行っておいで」ジャムの言葉だ。うるさいんだよ。俺は警察じゃないただのパンなんだよ。 「気を付けて!」うるせぇんだよこのバタコが。 【7:35】ダルいパトロール出発。庭ではうるせぇ犬がわめいている殺すぞ。 【7:43】「助けて〜!」カレーが叫んでいる。俺にどうしろっていうんだよ。 【7:50】カレー救出。バタコにビーフシチューを入れられたらしい。うだつの上がらない奴だ。 【8:03】今日は曇りだ。気分が盛り上がらない。早く工場へ帰りたい。 【8:46】バタコがニヤニヤしている 【9:30】早朝パトロール終了。 【9:40】帰宅。 【9:45】お腹がすいた。頭にアンコを詰める。また頭が大きくなる。 【10:11】みんなで談笑。バタコの笑い声にみんながいらつく。 【11:20】バイキン男 登場。 【11:22】「よ〜く来たな、アンパンマン!」 相変わらず元気な奴だ。 「やめろ〜!カバ子ちゃんを離すんだ!」本当はどうでもいい。カレー早くこい。 【11:40】カビルンルンに襲われる。臭い。顔が湿って力が出ない。 【11:42】「アンパンマーン大丈夫〜!」バタコだ。タイミングが良すぎる。どこから見ていたんだ? 【11:43】「新しい顔よ〜!」さようなら、アンパンマン127号、こんにちはアンパンマン128号。バタコがニヤニヤしている。 【11:45】「いくぞ〜!あ〜んぱ〜んち!!」ただの右ストレートだ。 「バァイバァイキ〜ン〜…!」このセリフには飽き飽きしている。 【11:49】戦闘終了。「大丈夫?」格好だけ聞いてみる。 【11:53】カレーが来た。「アンパンマン!助けに来たよ!」遅すぎる。帰れ。うだつの上がらない奴だ。 【12:30】帰宅。工場前で犬が127号を食べていた。バタコがニヤニヤしてこっちを見ている。 いやがらせか?殺すか?
【7:12】ドキンの笑い声で起床。まだ眠い。顔を洗う。晴れているせいで力が出ない。歯はみがかない。磨こうがどうせ全部虫歯だ。 【7:22】朝食にカビルンルンを喰う。まずい。イヤになる。 「カバオでもさらっておいで」ドキンの言葉だ。うるさいんだよ。俺はどうせならメロンパンナでシコシコしたいんだよ。 「アンパンマンに気を付けて!」うるせぇんだよどうせ会ったらやられるんだからどうでもいいよ。 【7:35】ダルい誘拐に出発。そこら辺ではカビがわめいている殺すぞ。 【7:43】カバオ誘拐。「助けて〜!」カバオが叫んでいる。俺にどうしろっていうんだよ。俺だって本当は面倒くさいんだよ 【7:50】食パン登場。適当にあしらう。うだつの上がらない奴だ。 【8:03】今日は晴れだ。気分が盛り上がらない。早く基地へ帰りたい。 【8:46】下で天丼が「てんてんどんどん」などと歌っている。なんなんだ? 【9:30】カバオ誘拐完了。 【9:40】帰宅。 【9:45】お腹がすいた。カビルンルンを食べる。吐きそうになる。 【10:11】ドキンと談笑。ドキンの笑い声にいらつく。 【11:20】アンパン 登場。 【11:22】「バイキンマン、カバオ君を離すんだ!」 相変わらず元気な奴だ。 「へへーん、返してほしくば倒して見ろ!」本当はどうでもいい。どうせやられるんだ。そういう風になっている。 【11:40】カビルンルンをアンパンマンに襲わせる。臭そうだ。「顔が濡れて力がでなーい」などとわめいている。 【11:42】「アンパンマーン大丈夫〜!」バタコだ。どうせどこからか覗いていたんだろう。 【11:43】「新しい顔よ〜!」はぁ、このパターンだとまもなくやられるはずだ。ドキンがニヤニヤしている。 【11:45】「いくぞ〜!あ〜んぱ〜んち!!」とりあえず痛い。 「バァイバァイキ〜ン〜…!」とりあえず言うことだけは言っておく。 【11:49】戦闘終了。ある程度まで飛んで基地に帰る。 【11:53】ドキンが戻ってきた。「何やってるのよ、もう!」うざい。食パンのところにでも行け。うだつの上がらない奴だ。 【12:30】基地前でカビルンルンが共食いしていた。ドキンがニヤニヤしてこっちを見ている。 いやがらせか?殺すか?
359 :
アソパソマソ日記2 :03/09/07 17:32
【7:12】バタコの笑い声で起床。まだ眠い。顔を洗うと力が出ないのはわかっているんだが、ホコリまみれよりはマシだ。 顔が濡れて力が出ない。バタコがニヤニヤしている。 【7:22】朝食。そういやなんで朝のパンと一緒に俺の新しい顔を作ってくれないのかとジャムじじいに 聞いてみたが、要領を得ない。バタコがタダ飯喰らいは早く死んでねーとか言っている。殺すか? 「パトロールに行っておいで」ジャムの言葉だ。「気を付けてアンパン男!」男とかいうなこのバターが。 【7:35】ダルいパトロール出発。庭ではチーズ犬がわめいている。昨日の夜みたいにバタコを悦ばせてろ。 【7:43】「助けて〜!」カレーが叫んでいる。今日もか? ほっとこう。 【7:50】カレー、学校の校庭に落下。バタコに味噌を入れられたらしい。うだつの上がらない奴だ。 【8:03】今日はよく晴れている。アンコが乾いてきた。ヤバい。早く工場へ帰りたい。 【8:46】バタコがいない。またチーズ犬とじゃれているのか? 【9:30】早朝パトロール終了。 【9:40】帰宅。 【9:45】お腹がすいた。頭にアンコを詰める。また頭が大きくなる。 【10:11】みんなで談笑。カレーの寒いギャグに全員固まる。 【11:20】バイキン男 登場。 【11:22】「よ〜く来たな、アンパン男!」 オマエは今言ってはいけない言葉を言った。 「やめろ〜!カバ子ちゃんを離すんだ!」本当はどうでもいい。バイキン野郎を再起不能にしてやる。 【11:40】カビルンルンに襲われる。クソ。顔が湿って力が出ない。 【11:42】「アンパンマーン大丈夫〜!」バタコだ。免許の無いオマエがどうしてアンパンマン号で待機できるんだ? 【11:43】「新しい顔よ〜!」さようなら、アンパンマン128号、こんにちはアンパンマン129号。バタコがニヤニヤしている。 【11:45】「いくぞ〜!あ〜んぱ〜んち!!」今日だけは本気だ。 「バァイバァイキ〜ン〜…!」吹っ飛びながら喋れるとは相変わらず器用な奴だ。 【11:49】戦闘終了。「大丈夫?カバ子ちゃん」二度も誘拐さんなブスが。 【11:53】カレーが来た。「アンパンマン!助けに来たよ!」遅すぎる。帰れ。バタコにワサビでも詰められてろ。 【12:30】帰宅。工場前でチーズ犬が128号を食べていた。半分に割れていてグロかった。吐きそう。
フラッシュで見たことある。 元ネタはどこ?
チーズ氏ね
362 :
名無し物書き@推敲中? :03/09/14 11:13
>顔を洗う。顔が濡れて力が出ない。 ワラタ
氏ね
安芸
はぁ?
367 :
カラスン千か :03/10/05 15:51
アンパンマンが1かんたたかわんかったらやばいことになるぜ
368 :
カラスン千か :03/10/05 15:52
アンパンマンが1かんたたかわんかったらやばいことになるぜ
メールが来た、アンコからだ。 「今日7時からコンパ!、都合が悪かったら返信してちょ。場所は・・・。」 またコンパかよ、アンコ。ほんと好きだな、オマエは武豊の弟か。 んで、「してちょ」ってなんだよ。オマエはマジキモイ。 パトも終わって用事もないし、しゃーねー、一応顔出すか。 それにしてもまた駅前の「村さ来」か、ワンパターンなんだよアンコ。 ココいつもガラガラなのにアンコのバカは大層に予約までしてやがった。 村さ来から金かなんか貰ってんじゃねーだろーな? オレ、アンコ、カレー、ジャムと、 バタコ、ドキン、ウサギ、リス、の4対4のコンパ。 もっといい女いねーのか、まあ幹事がアンコだからこれが限界か。 いい女もいねーし、Myあだ名でも付けて遊んでおくか。 とりあえず、バタコ。幸薄そうだな。コイツは「幸薄」。 次ドキン、女王様のつもりかブサイクが。まるで勘違い女神田うのだな。 んじゃこいつは、フィリピーナ。 んでウサギ、オマエは・・・充血。 最後にリス、こいつ特徴ねーな。服でいいや、紺。 もちろん実際にはそんな名前では呼んだりはしない。 呼んだらどんな目に合うかわからん・・・。
とりあえずオーダーだ。 男はみんな生中、女もとりあえず一杯目は生中、かと思いきや3人が生中。 だが勘違い女フィリピーナがカクテルなんか頼みやがった。 チェーン店の居酒屋でカクテルか、美味いわけねーだろ。 オマエはカクテルが飲みたいんじゃなくて カクテルの名前を言いたいだけなんじゃないのかと小一時間(ry 。 その後は普通に雑談、映画の話とか連ドラの話。 映画は見るけど連ドラなんて見ねーから、オレはずっと聞き手に。 特に幸薄が「月9&ジャニヲタ」らしく、完全にイニシアチブを握っている。 こいつの口を縫合しているシーンが頭をよぎった。 酔って来たのか、ジャムがジジイのくせして 「それじゃこのへんで、メルアド交換ターイム!」とかいいだしやがった。 ジジイ・・・、いい年してメルトモでも欲しいのかよ。 しかも「ターイム!」ってなんだ?こんなやつ呼ぶなよ、カバ夫呼んどけ。 アンコが男連中のメアドを幸薄に送信、 逆に幸薄が女連中のメアドをアンコに。 アンコからみんなに女連中のメアドのメール送信。オレは削除だが。 そのあとカレーが、またいつもの下ネタトーク。 カレー、空気読め。みんなひいてんだよ。 カレーの下ネタトークのせいで雰囲気が悪くなり、お開きに。 さあ帰ってTVでも見ようと思ってたら、 アンコのヴァカが「カラオケBOXへいこう!」とか言い出した。 こっちも予約してやがるし。 あいかわらずアンコはこうゆうことだけ手回しがいい。 断る理由も思い浮かばず、しぶしぶついて行くことになった。
BOXについた、まあバラけて座る。 右にフィリピーナ、左に紺が座った。 みんなビールかチューハイだが、またフィリピーナがカクテル。 またかよ、業務用のカクテル飲んで美味いか? いきなりカレーが懐かしのアニソン歌ってるし・・・。 幸薄と紺がえらくノリノリだし・・・。 しばらくしてフィリピーナが、「デュエットしない?」 なんでお前とデュエットしなきゃならんのだ。 とりあえず建前上、「いいねー、何にしようか?」なんて言ってみて 「うーん、なにがいいかなー?」とか言って歌本をペラペラめくってた。 デュエットなんてする気ねーし、選んでるフリだけ。 そこでカレーのバカが「『2人のアイランド』なんてどう?」 とか言って割り込んできた。誰でも知ってる歌だし、 断る理由がねーじゃねーか、余計なこと言うな。カレーマジうざい。 フィリピーナ「私歌えるけど、食パンマン君はどう?」 オレ様「うーん、どうだろ?歌えるかな・・・。」 フィリピーナ「んじゃ、けってーい。」そう言って入力しやがった。 歌が始まった。なんか腕組んでくるし・・・。 それほどラブラブな歌でもねーだろ。 歌のあいだ中、カレーがえらく盛り上げていた。 カレーむかつく、オマエの頭の中身バラすぞ。 歌が終わってカレーが、オレに耳打するフリしながら丸聞こえのデカイ声で、 「ラブラブ?食っち今日はお持ち帰り?」 フィリピーナが「いやーん、カレーパンマン君ってば。」 おい、カレーよ「食っち」ってなんだコラ? そんなふうに呼んだことねーだろ、いつもの「さん」付けはどうした? まあこの場で変なことはしない、コンパじゃなきゃ速攻ボコッてるが。
372 :
食パンマンのひとりごと :03/10/05 23:37
「さあ、そろそろお開きにしよう。明日もあるしね。」 歌が途切れた所でアンコが言った、やっと帰れる。 男がチョット多めの割り勘で会計。 クソ不味いカクテルは飲み放題には入らねーんだよ。 ったく、フィリピーナに多めに払わせろ。 それじゃ解散、カレーが「同じ方向だから・・・」 と言って、幸薄とタクシーで帰っていった。 まあ、アニソンの話とかで盛り上がってたみたいだし。 しかしかわいそうに、カレーのスカトロプレイの餌食か。 飛んで帰ろうとした時、ポケットから紙クズが落ちた。 見てみると、「ドキンです♥お電話待ってます、090・・・」 いつの間に?当たり前だが速攻破り捨てた。 帰る途中でクマ夫が泣いているのを発見、無視。 パンダ子もなんか泣いてた、無視。 やっと家にたどり着いた、シャワーを浴びてベッドに転がりこんだ。 ベッドに入りさあ寝ようとしたとき、「ピンポーン」ドアを開けると、 充血「また私にへんなあだ名付けてたんでしょー?」 オレ様「んなわけねーじゃん、早くシャワーでも浴びてこいよ。」 オレの3次会が始まった。
373 :
名無し物書き@推敲中? :03/10/05 23:42
ごめん、あんま面白くない
374 :
食パンマンのひとりごと :03/10/05 23:49
ごめん、おれは面白くない
カレーのバカ加減にワラタ
| | | ヽ. | | | ● ● | .ノ | ○  ̄ ̄ ノ ___ / \ ________ / ∧ ∧ \ / | ・ ・ | < 上は新しい彼女だよおめーら!! | )●( | \________ \ ー ノ \____/
失せろ
___ / \ ________ / ∧ ∧ \ / | ・ ・ | < お嬢さんを僕にくださいよおとーさん!! | )●( | \________ \ ー ノ \____/
379 :
名無し物書き@推敲中? :03/11/04 11:09
消えろ
なんか・・・・・・・・・・・アンパンマソ見る目変わりそうだ
ffffffffffffffffffffffffff
___ <_葱看>、 / I .((ハ)) i \ ノゝ゜ヮ゜ノハ uiYu みるまらー .〈|: _> ∪∪
383 :
名無し物書き@推敲中? :03/11/24 07:35
jjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjj
ジャムおじさん「まったくバイキンマンは何回やっつけてもやってくる・・・」 アンパンマン『ぼくに任せて下さい今回は先手を打って、バイキンマンの基地に殴りこみます!』 【そう言うと、アンパンマンはバイキンマンの基地に乗り込みました】 『やい!バイキンマンやっつけてやる!』 バイキンマン「そんな・・・オレはまだ何もしてないぞ!」 『うるさい、覚悟しろ!アー――ンパンチ!』 【しかし今日のアンパンマンはなぜか体調が悪かった】 『あぁーっ!アンパンチが外れたー』 「ワハハハハ!形勢逆転だな!水をかけてやる!」 ≪バシャバシャ≫ 『あぁーっ!顔がふやけて力が出ない〜』 「トドメだ喰らえっ!」 【しかしアンパンマンはここで奇策に出た】
『待て!バイキンマン!ドキンちゃんを人質に取ったぞ! ドキンちゃんがどうなってもいいのか?』 「卑怯だぞ、アンパンマン!」 『うるさい、お前の日頃の悪事に比べればどうってコトはない!』 「わかったから!ドキンちゃんだけは助けてくれ!」 『よしよし・・・・』 【アンパンマンはバイキンマンを捕まえました】 『おーい!町のみんな〜、バイキンマンを捕まえたぞ〜!』 町のみんな≪やった〜!さすがアンパンマン≫
『さて、町のみんな!捕まえたバイキンマンをどうする?』 ≪死刑がいい!≫ ≪死刑!死刑!≫ 『満場一致で可決されました。じゃあ、ドキンちゃんは?』 ≪死刑がいい!≫ ≪死刑!死刑!≫ 『満場一致で可決されました。』 カバ夫「ちょっとやりすぎじゃないの?アンパンマン!」 『なんだカバ夫君!君はバイキンマンの味方なのか?』 「いや、そういう訳じゃ・・・・・・」 『よし!カバ夫君も死刑だ!』 ≪えぇーーっ!??≫ 『逆らう奴はアンパンチをくらわせるぞ!』
『それからジャムじじいは顔を常に1000個は作っておけ! いつも肝心な時に足りなくなるんだから』 ジャムおじさん「そんなに作れん!」 『何?アー―ンパンチ!』 「ぎゃあぁぁーーっ」 【アンパンチがジャムおじさんの顔に炸裂した】 『毎日、徹夜で作れ!なんなら食パンマンや カレーパンマンの分は作らなくていいぞ!』 「わ・・・・わかりました・・・・」 『それから、いつも町を守ってやってんのにタダ働きはないだろ!? 町の人間から税金を取ることにする。今日から消費税100%!!』 ≪・・・・・・≫ 『明日、バイキンマンとドキンちゃん及びカバ夫の公開処刑を行う! 町のみんなはしっかり働いて税金納めろよ!!』
≪みんなでアンパンマンをやっつけようよ!≫ ≪ここはバイキンマンを助けてアンパンマンと戦ってもらおう!≫ 【バイキンマンは町のみんなに助けられ、アンパンマンと戦う事になった】 バイキンマン「やい!アンパンマン!勝負だっ!」 『何!?町のみんな裏切ったな!』 <いざ勝負!> 『アー―ンパンチ!』 「バイキンパンチ!」 【史上最大のパンチ合戦はクロスカウンターとなった】 ≪相討ちだ!両方とも死んだぞ!≫ ≪ううぅ・・・・・バイキンマンありがとう・・・・≫ 【そして、この町にはアンパンマンもバイキンマンもいなくなりました。 しかしバイキンマンは今でも町の英雄で、町にはバイキンマンの銅像があります。】 〜やりすぎ!アンパンマン〜 終わり
面白あげ
マンパソ
・
「アンパンマン!新しい顔よ!」 またか・・・ 毎日毎日同じ事の繰り返し。 新キャラ登場→新キャラと絡む→バイキン登場→ピンチ→新しい顔→アンパンチ→バイバイキン 分かってんのよ。もうグダグダなのはさ もう飽き飽きなのよ。この前、バイキンマンの背中にチャックあるの見ちゃったし。 俺はこの世界が普通だと思ってたし、俺はヒーローなんだって思ってた時期もあったけど。 もしかして、長期ドッキリ? 考えて見ると、チーズに「おつかれさまでした!」って言われるの変だしさ。 それに、アンパンの質も年々落ちて言ってるし、この前さ、バタ子さんに 「ちょっと風邪引いたみたいだから休みたい」って言ってみたけど、蹴られて 「働け!金もらってんだろう?」って言われたし。 その後、「新しい顔」にパブロンが3錠まざってて、少し救われた気分になったけどさ。
金なんて貰った事ないっての。 そういえば、子供の頃、夜中にパン工場の明かりが付いてたから、覗いてみたらさ、 いつも優しいジャムおじさんが、手に大量の万札持ってニヤけてたな・・ あれが俺の金? 今まで疑った事なかったな。いつも優しいから。 なんか嫌になってきた・・・ そうだ、死のう・・ ちょうど、ここにロープあるし首吊って死のう・・ 11月25日深夜、俺は首を吊った。
ドサッ アンパンと胴体が切り離されて、胴体だけが落ちた。 意識が遠のいていく・・やっと終わるんだ、これでやっと・・ 遠のく意識の中で、聞き覚えのある声がした。 「アンパンマン!新しい顔よ!」 また俺の憂鬱な一日が始まる
395 :
名無し物書き@推敲中? :03/11/26 15:58
397 :
綾瀬深桜 ◆qnBeHfchc. :03/11/26 21:02
はつです。厨房1の綾瀬を宜しく!携帯からなんで今日はこのあたりで…いずれはここに載ってるような作品を書きたいですね(-"-;) 一応文芸部なんです☆☆ でわ。
おとこの○○○をくわしくせつめーしてみろ
けっ。
401 :
名無し物書き@推敲中? :03/12/05 19:28
あげまーす
士郎「さあ、みんな食べてみてくれ。これが究極のアンパンだ。」 雄山「むむ、これは・・・。」 栗田「まあ、なんて美味しいアンパンなの。」 一同「これは美味い、甘すぎないアンコとパンの香ばしさ。最高だ。」 一同「ああ、なんて美味しいアンパンなんだ。 おはぎ等の和菓子も美味しいが、アンパンがこれほど美味いとは。」 士郎「さあ雄山、これ以上のアンパンを持ってきたんだろうな。」 雄山「士郎よ、アンパンマンの顔を持ってきたようだが オマエは何もわかっちゃいない。私の志向のアンパンはこれだ!」 ガチャ。 アンパンマン「なんか呼ばれて来たんですが・・・。」 雄山「士郎よ、古い顔と今付いている顔と、どちらが美味いと思う? ではみなさん、食べてみてください。」 一同「美味い、こんなにも違うものなのか。」 士郎「くっ、確かにくっ付いている新しい顔と旧顔とでは 元気になる度合いが2.53倍違うことはデータ上明らかだ。 くそっ、アンパンマンとのアポさえ取れれば・・・。」 雄山「あっはっはっは、オマエがアンパンを語るなど百年早いわ。」 士郎「俺はまだまだだった、ここまで差を付けられるとは・・・。」 アンパンマン「チンチンシュッシュッ。」
403 :
名無し物書き@推敲中? :03/12/20 09:47
ダレンは失せろ・消えろ・はぁ?氏ね
彼がそこについた時、そこには先客がいた。 彼女は今まで彼が一度も見たことの無い服で着飾って、大理石の前に手を合わせていた。 「あら、来たの」 彼女は振り返ってそういうと目をそらせ、二度と見ようとはしなかった。そして、水桶を手にしていそいそと墓前から退いた。 彼は背面からの斜陽を受けながら、花屋に白い目で見られながら買ってきた花束を手に抱えて墓石の前へと歩み出た。 「ヒーローの鑑ね。ライバルの墓参りに来るなんて」 帽子を脱いだドキンが蟻を潰すような口調で言った。墓標に頭でっかちの滑稽な影が落ちた。アンパンマンは手を合わせるでもなく墓の前に立っていた。不思議な気分だった。ついこの間まで憎みあいしのぎを削っていた相手が、今はその生涯を終えて永遠の眠りについている。 バイキンマンの死因は、天然痘だったという。おそらくは宿敵のアンパンマンを今度こそは倒すためにどこからか入手したものに誤って感染してしまったのだろうが、ばいきんの親玉とでもいうべき男が細菌にやられるとは、皮肉な最期だった。 「まさか、あいつが俺よりも早く逝ってしまうなんて、思ってもいなかったんだ」 アンパンマンが、ぽつりと言った。ドキンは何も答えなかった。
そう、終わりがあるとは思っていなかった。自分とバイキンマンとは、いつまでもこのままだと思っていた。 自分はいつまでもみんなのヒーローで、彼はいつまでもみんなの恨みを買う悪役であり… しかし、そんな事が間違いだったと、あの日を境に知ってしまった。それも、自分だけが間違っていたのだと。 「なあ…あいつはさあ、僕を倒すために生まれてきたんだよなあ?」 アンパンマンはドキンに尋ねた。ドキンはアンパンマンの方を見ること無く答えた。 「ええ。そう聞いているわ」 「じゃあ…」 太陽はいつのまにか山の向こうに沈もうとしていた。 「僕は何のために生まれたのかな」 バイキンマンは、自分を倒すことが生きることそのものだった。 その理由は分からない。しかしだとすれば彼の生涯はそれなりに充実していたはずだ。一方、自分はどうだろう。 彼よりも先に生まれて、そして、彼の方が先に逝ってしまった。見ようによってはバイキンマンがアンパンマンの 人生の暇つぶしに存在したように思えるが、実際には…
「自分がバイキンマンよりも不幸だなんて思うんじゃないわよ」 ドキンは冷たく言った。 「それとも…あの葬儀がよっぽどショックだったのかしら、あなたには?」 アンパンマンの脳裏に、再びあの日の光景が蘇ってきて、柔らかいパン生地の顔がこわばった。 彼の目前にあるバイキンマンの墓には、「バイキンマン 享年16」と彫られた後に、こういう文字が刻まれていた。 「生涯みんなを振り回し町に活気を与え続けた愛すべき悪役 ここに眠る」 アンパンマンは湖の上を飛んでいた。あたりはどうしようもないほど薄暗かった。 アンパンマンの瞳の裏では、一月ほど前に行われたバイキンマンの葬儀の情景が再現されていた。 それは異常な光景だった。そしてそれを異常な事と思っているのが自分だけだということが異常だった。
町の大通りいっぱいに掲げられた、「ありがとうバイキンマン」の大きな垂れ幕。音楽隊の奏でる荘厳な音楽のなか、ドキンたちに担がれて町を行進した立派な黒い棺。そしていつまでも泣き続けた町の人々…ジャムおじさんも泣いていた。 バタコさんも、カレーパンマンも、食パンマンも泣いていた。ミミ先生も、学校のみんなも泣いていた。涙を流す者の中には、おむすびまんや鉄火のマキちゃんなど、わざわざ遠くから足を運んだ人々もいた。 アンパンマンだけが泣いていなかった。ただ、泣きたくなっていた。 そんな取り返しのつかない時になって、初めて気付いた。正義のヒーローと許し難い悪役という構図など、自分の中にしかなかったのだ。みんなはもっと高いところから自分たちを見ていたのだ。おそらくは、バイキンマンも。 湖面がまだ僅かに差し込む光を精一杯反射していた。その爬虫類の鱗のような波模様を見下ろしながら、アンパンマンはふと思った。 自分が死んだら、あれほどの葬儀が与えられるだろうか。
バイキンマンは自分を倒すという自己の目的と同時に、町のみんなに胸踊るアトラクションを提供するという公のための役目を、おそらくは自覚して行っていたのだろう。 もちろんそのアトラクションは自分の存在無しに成り立たなかったが、しかし彼のいない自分に一体何ができただろうか。悪役が活躍するのにヒーローは不可欠な存在ではない。しかし悪役無くしてヒーローは活躍できない。 ヒーローが悪役がいないのに活躍しようとしても、単なる「いいひと」になるだけだ。 自分が今までやってきたことは幼すぎた。そして幼さを脱して成長するための機会は、もう自分には残されていないのだ。 目の下のあたりのパン生地が湿っているのに気がついた。自分が泣いていることを知って、もっと泣きたくなってきた。バイキンマンのこと。自分のこと。今までのこと。これからのこと。 最近のこと。すべてが泣く理由だった。 眼下には薄黒い湖が広がっていた。飛び続けていると、涙が風に流され横に流れた。 その日がアンパンマンの生涯の最後の日になったことをみんなが知ったのは、四日後湖のほとりに流れ着いた彼の服が見つかった時だった。その服にはもう生命は宿っていなかった。 おそらくは誤って湖に転落したか、あるいは湖の上を飛んでいる時に雨にでも打たれたのだろうと思われた。その日は雨など降っていなかったのだが… そして、盛大に葬儀が執り行われた。
409 :
名無し物書き@推敲中? :03/12/26 21:33
保守あげ
「顔が濡れて力が出ない」 今までに何度この言葉を叫んだのだろう。 僕はそれを知っているし、 頭の中にその場面を幾つも思い浮かべることが出来る。 しかし、それは本当に僕の記憶なのだろうか。 それは本当に僕だけの記憶と言えるのだろうか。 そのことを考えている間に、 目の前には新しい顔が飛んできていた。 朝目が覚めると、甘い香りが鼻についた。 起きあがって調理場に行ってみると、 ジャムおじさんが僕の餡を作ってくれているところだった。 餡が無いと僕は一日満足に働く事は出来ないし、 最近はバイキンマンも力を付けているから 用心の為にも予備の餡は必要なのだ。
自分が後ろから覗き見ていることに気付かない様子に、 胸締め付けるような罪悪感を感じた。 こんな、こんな顔を彼に見せるわけにはいかない。 胸の苦しさを無理矢理押し隠して、僕は彼にあいさつをする。 「おはようございます、ジャムおじさん」 いつもの笑み、変わらないその微笑みで彼は僕にあいさつを返した。 「ああ、おはよう。アンパンマン。もう起きたのかい?」 変わらない彼の顔に少しだけ心が痛んだが、 それを悟らせないよう僕は明るく返事を返した。 「ええ。朝早くからジャムおじさんが働いているのに、 僕だけいつまでも寝ているわけにはいきませんからね」 こうして一人で空を飛んでいると、 思い悩んでいたこともしばらくの間だけは忘れられる。 義務としての仕事が気分転換になるなんておかしなことだ。
だけど、僕が、例えその僕が誰であろうが、 この街の平和を守っているんだ。 そう思うことの出来るパトロールの間だけが僕の安らぎだった。 しかし、この街の平和を守る。 変わらない平和。 その時そう思った瞬間、僕の想いは砕け散った。 何処かから叫び声が聞こえてくる。 「アンパンマーン、助けてー!」 あの声は確かカバ夫の声だ。 一体どうしたというんだろう? すぐに助けに行かなくては! しかし、それと同時にそう考えている自分に強く疑問も感じていた。 僕は彼を助けに行こうか迷った末に結局声のする方に飛ぶことにした。 僕が仕事を放棄するということは緩慢な自殺なのだ。
そう思いながら。 カバ夫と、そしてバイキンマンがそこにはいた。 いつもと変わらないバイキンマン。 そのことに強い愛情を感じながら、 同時にそれ以上に彼を憎く思った。 「出たな、アンパンマン! 今日という今日こそはおまえに勝ってやるのだ!!」 そして、戦いは始まった。 憎い。悔しい。 行き場の無い怒りが僕の中には溢れかえっていた。 最初は僕がリードしている。 しかし、彼は僕の弱点を知っているのだ。 所詮僕は独りでは戦えないのだ。
そのことに僕は初めて気付いてしまったのだ。 どれだけ努力しようとも、どれだけ戦おうとも、 そのことだけは絶対に変わりはしないのだ。 その怒りを顔にだけは出さないよう、 バイキンマンにだけは見せないよう、 僕は必死で運命を変えようと戦っていた。 身体に力が入らない。 顔がふやけ、心なしか皮すら崩れてきている気すらする。 またもやバイキンマンに顔を濡らされてしまったのだ。 酷く惨めな気分だった。 これまでの中でこれほどの無力を味わったことは、 一度たりとて有りはしなかった。 運命は変えられなかった。 もうすぐ顔は飛んでくるだろう。
僕の新しい顔。 そして、新しい顔の僕。 その僕は、その僕は運命を変えられるだろうか。 変わらない自分を手に入れられるだろうか。
416 :
名無し物書き@推敲中? :03/12/27 22:58
417 :
名無し物書き@推敲中? :03/12/28 18:10
やれやれ。
アンパンマンの腹部をバイキンUFOから繰り出された拳がいかずちのごとく打った。その瞬間、アンパンマンの口から漆黒の吐血がほとばしる。目の前がかすむ。飛び散ったアンコがUFOのコクピット窓に付着した。
草むらの向こう、藪の下。『それ』は横たわっていた。 強烈な悪臭。グチャグチャの頭部、あんこがバケツでぶちまけたかのよう にそこらかしこに散らばる。赤いマントは引き裂かれ、雨風に晒されて色褪 せている。 嗚呼、土の上、地面を夥しい蟻たちが群れ蠢く。一匹一匹があんこまみれの 頭部に、大穴のあいた胴体に群がりついばむ。まるで蛆虫の如く、中に囓り 入りては外に食い破る。 蟻どもは歯で囓り、捻り、引き裂く。蟻どもは戦利品を持って巣穴へとも と来た道を帰っていく。ああ、そのあんは、もとは彼の脳。そのパンはもと は彼の腕。蠅達も群がる。卵を産み付ける為。 嗚呼、彼のあの雄姿は見る影もなく、今はまるでhacchiの犯される如く。 私は悪臭に耐えきれなくなりその場を去った。
420 :
名無し物書き@推敲中? :04/01/02 00:07
age
外に出られない日が続いている。 あれからちょうど一週間だ。 ジャムおじさんが死んでしまった日から。 いや、僕がこの手で殺した時から。 僕も、バタコも、町の人達も、みんなみんな勘違いしてた。 ここはファンタジーじゃない。ここはメルヘンなんかじゃない。 怪我をしたら痛いし、頭が欠ければ死んでしまうんだ。 ジャムおじさんがそれを教えてくれた。 煙突掃除をしていた時だった。 それは数少ない僕に出来ない仕事の一つだった。 煤で顔が汚れてしまうからだ。 もうお歳ですから無理しない方が、僕はそう言ったけど ジャムおじさんは明るく笑って煙突に登っていった。 今思うと他に残っていたのは女のバタコさんしかいないんだから、 僕の忠告なんて何の意味もなかったんだ。
しばらく経ってジャムおじさんが落ちてきた。 その時まだおじさんは生きていたんだ。 いや違う、まだまだ、全然死ぬような怪我じゃなかったんだ。 でも、そこからの僕らは残酷だった。 痛みで身体も動かせないおじさんの横で、僕らはパンを焼き始めた。 ジャムおじさんの顔型のパン。 焼き上がったパンを、バタコさんが投げつけた。 当然ジャムおじさんの顔は入れ替わらない。 その時、気付けば良かったんだ。 答えはすぐそこにあった。 その時の僕はどうかしてたんだ。 入れ替わらないジャムおじさんを見て、僕はおじさんの顔を切り落とした。 そうして焼きたてのパンをおじさんの頭にはめ込んだ。 みるみるパンは赤くなった。どんどんパンは湿っていった。 そうして今、僕は家から出ることがなくなった。 その理由が罪悪感だけならどんなに良いことか。 僕は外に出るのが怖ろしいんだ。 代わりのパンのなくなった今、この顔をなくすのが怖ろしいんだ。
423 :
名無し物書き@推敲中? :04/01/02 23:12
こうして、ぱさついてきた頬を触って、 カビついてきたアゴを触って、 僕に残された最後の時間を、こうして座って過ごしている。
バイキンマンを持ち上げるのがコツ
「あ〜だりぃ」 邪夢おじさんはただ毎日パンを焼き続ける日々に埋もれ、かなりブルーだった。面白いことはないのか? 「あ、そうだ!」 邪夢はふとある名案を思い付いた。アンパンマンのあんこが練り上がると、邪夢はおもむろに、包丁を持ち出しリストカットを決めた。血はだらだらとあんこに染み込む。邪夢は 顔面が壊れてしまうのではないかと思われるぐらい、狂いきった笑みを浮かべていた。そしてそのままアンパンマンの顔は完成し本体に装着された。 「いってきます」 アンパンは何事もなかったかのようにパトロールに出かけた。 そいて夕方… 「今日も無事パトロール終わりました」 何の変哲もないと思われていたアンパンであったが、チーズが鳴きながら迎えにでた瞬間彼の態度は急変した。 「あ?うるせーんだよオラァァァ!!」 アンパンはチーズにアンパンチを本気でかました。チーズは血を吐き出しながらブッ飛んでいき、星のクズと消えた。その光景の一部始終を見つめていた邪夢にばタコ。殺意の波 動に目覚め、みなぎる力を押さえるのが精一杯のアンパンに、ばたはチクビを激しく勃起したまま言葉を失っていた。しかし邪夢はギラギラと目を輝かせ、既に射精を果たしてい た。 「美しい…」 邪夢もまたみなぎる衝動を押さえきれず、一回射精したというのになおもたくましく180度の勃起を維持していた。 がしかし次の瞬間!アンパンの顔はブッ飛び新しい顔に刷り変わってしまった。アンパンの殺意は瞬時に消え失せ普通のアンパンに戻ってしまった。 「だ誰がこんなことを!」 その犯人はばたであった。 「よかったわね、元に戻って。」 邪夢は絶望感にさいなまれ、ペニ棒も玉袋にめり込んでしまったのではないかと思われるぐらい、一気に収縮してしまった。しかしこの特異な性癖をばたに悟られたくなかった。 「そ、そうだな」 邪夢はばたの行為を敢えて肯定せざるを得なかった。そしてその夜はいつものように過ぎた。しかし邪夢だけは違った。欲望を解放しきれなかったストレスが夜が更けるにつれて 増大し、オナニーの回数は10回を越え、果てには血が出るほどだった。
朝…、邪夢は新たな決意に目覚め、昨夜の煩悩の色は全く見られなかった。いつものようにあんこを練り上げると今度は、ズボンを下げた。卑隈な表情を浮かべながら、手コキを 始める。そして… 「…うっ!」 大量の白い液体はあんこにふりかかり、粘りと共に固く結合した! 「くっくっくっ、これでスペルパンマンの完成だ…」 顔を装着されたアンパンはまたも何の変哲もないように見えた。しかし邪夢は既にその秘められた気配を悟っていた。 「今日もイッてらっしゃい」 「…イッてきます」 アンパンの下半身はもうズボンを張りさけんばかりに勃起し、その先端は濡れそぼっていた。街に繰り出すアンパンを尻目に、邪夢は既に勝利を確信していた。夕方戻ってきたア ンパンの目は尋常とは思えなかった。下半身はドロドロでズボンとも呼びがたい状況であった。ばたが迎えに出て来るなりアンパンの息は荒くなった。 「オオオ オッ!」 アンパンはばたに襲いかかり、たちまち彼女の身の動きは全て封じられた。彼女は無惨にも犯されていく…。 「だ、だめ!やめて!」 鳴き叫ぶばたにアンパンは更に欲情する。邪夢は犯されるばたに静かに語り掛けた。 「何を嫌がることがあるのかね?こういうの大好きだろ?自分の本能に問いただしたらどうだ?さぁ羞恥心は捨てて欲望の虜になっておしまい。」 その言葉に触発されたのか、ばたは淫乱に振る舞いだし、何度もイッた。そして最後はばた自らアンパンの上にまたがり、お馬のお稽古をおっぱじめるにまで至った。そして欲情 の限界に達した邪夢はすべてを解放し、雄叫びを張り上げながら乱行に至った。もう、邪夢のこの世に思い残す未練はすべて消滅した。最後にばたに全身全霊を振り絞った渾身の 中出しを決めると、それ以降邪夢が再び息を吹き返すことはなかった。 こうして邪夢は75年の尊き天命を全うした。
↑【創作文芸】ジャムおじさんの死
429 :
名無し物書き@推敲中? :04/01/30 15:02
>ばたはチクビを激しく勃起したまま言葉を失っていた >なおもたくましく180度の勃起を維持していた >粘りと共に固く結合した! >全身全霊を振り絞った渾身の中出し この辺、最高に迫力のある素晴らしい文章だ。
顔射で顔が濡れて力が出なくなるとばかり
431 :
名無し物書き@推敲中? :04/02/10 16:38
<<403を殺せ
, ' ' ´ ` :, ;' `, ; .:,';' .,:'; :,' ,: ´ ´ ,; ;: `' ; ' / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ,' ;,',',' ,;' < 氏んだぞおめーら ; ´´ , :' \__________ ,' , ' ' / \ / ∧ ∧ \ | ○ ○ | | )●( | \ ∀ ノ \____/
433 :
名無し物書き@推敲中? :04/02/13 06:14
保守
435 :
名無し物書き@推敲中? :04/02/28 20:36
436 :
名無し物書き@推敲中? :04/02/28 20:37
3EVE3H5h5245dえS4
(☆ゅ☆)
439 :
名無し物書き@推敲中? :04/03/24 09:44
age
440 :
名無し物書き@推敲中? :04/04/09 19:55
age
441 :
名無し物書き@推敲中? :04/04/16 21:33
なんだ、このスレまだあんのか・・・
保守。
hosyu
445 :
名無し物書き@推敲中? :04/05/21 17:27
446 :
名無し物書き@推敲中? :04/06/14 02:29
あげとくか
447 :
名無し物書き@推敲中? :04/06/20 14:20
アンパンマンがデンプシーやったらバイキンマン死ぬんじゃないか?
448 :
名無し物書き@推敲中? :04/06/27 23:19
どこまでも続く広大な白い砂浜の真中に横たわる、たった一人の女の子がいた。 全身がオレンジ色の肌に覆われ、先端がぽっこり丸くなっている一角を携え、 顔の色は砂浜よりも遥かに白く、頬はわずかに紅色をしている。 「しょくパンマンさまぁ……」 彼女は深い夢の中で、憧れの人である食パンマンに手を引かれ、穏やかな波打ち際を 二人きりで駆け抜けていた。 この海は青く、その水の色は、よく晴れた空の青色と同化していた。 沖の方を自由に羽ばたき回っているかもめ達が鳴いている。 女の子のすぐそばで、誰かの足が砂に沈む「ザッ」という音がした。 そこには、褪せた紫色の服に、肉や皮すらない白骨だけを入れた、人型のものが立っていた。 「ドキンちゃん……」 ホラーマンが、大好きなドキンちゃんの寝顔を見下ろしながら、ひどく落ち込み、浮かない顔をしていたのだ。 彼は決して短くない時間を、そうして頭を悩ませ、苦しむことに費やした。 やがてホラーマンは決意を固めると、沈みきった面持ちのまま、そっとドキンちゃんの傍らに ひざまずき、幅が狭く、なだらかな彼女の肩を何度かゆすった。 「ドキンちゃん、ドキンちゃん」
するとドキンちゃんはゆっくりと目を開き、眼球のない、鼻のない、唇のない、肉も肌もない、 ただただ白く、いびつな形をした気色の悪い顔をその瞳に映すやいなや、飛び上がって絶叫した。 そしてホラーマンに、顔がくるくる回転するほどのビンタを見舞うと、目一杯首を伸ばして、こう怒鳴った。 「なんで起こすのよ!せっかく素敵な夢を見てたっていうのに!」 が、その時突然、ドキンちゃんは頭の中に響き渡る激痛に気付き、すぐさま頭を抱えてうずくまった。 ホラーマンは、雨のごとく飛んできて顔にかかったドキンちゃんの唾を少し気にしながら立ち上がり、 「痛みますか?それは私のせいなんですねぇ、すいませんですぅ」 と、下を向いたまま心配そうに謝った。 「あんた、あたしに何したってのよ?それよりここはどこなの?あたしはバイキン城にいたはずよ」 ドキンちゃんが角の横の辺りを軽くさすりながら尋ねた。 「覚えていらっしゃらないですかぁ、そうですよねぇ、ホラァ」 ホラーマンは尚も申し訳なさそうに口を開いた。「実は、ばいきんまんがアンパンマンを倒すために協力 してくれと言って、私に頭を下げてきたんですねぇ、それで私は、『はい、何でもしますよホラァ』なんて 安請け合いしたんですけど、そのお願いっていうのがですねぇ、とってもとっても、恐ろしくて、ホラァ、 私にはできないことだったんです。それで、ばいきんまんは私が言うことを聞くようにドキンちゃんを人質に 取ろうとしました。それで私は、暴れるあなたの頭を棍棒で殴って気絶させ、ここまで必死に担いで来たんです」
ドキンちゃんはなぜか血の気が引いていくのが自分でわかった。頭の痛みもそれに比例して引いていった。 まさか、あのばいきんまんがそんなことをするはずがない、そんな度胸があるわけない、と心の中で復唱した。 「それで……」ホラーマンは更に悲しそうな顔をし、語を次いだ。「『お前の大好きなドキンちゃんに悲しい 思いをさせたくなければ、大人しく俺様に従うのだ!』と言って、何かを私に見せつけました」 ドキンちゃんは冷や汗を垂らし、生唾を飲んだ。 「な、何を出してきたってのよ?」 「はい、夢中だったもので見てなかったのですが、恐らくは、食パンマンかと……」 それはドキンちゃんが最も恐れていた言葉だった。いや、これでも彼女の急所ははずしているといえる。 ホラーマンは確証を持って語ったわけではなかったからだ。 「あんた!どうして黙って逃げてきたのよ!あたしは助けてなんて頼んだ覚えはないし、なんでしょくっ―」 ドキンちゃんは、食パンマンの名前を唱えようとしたが、急に涙と嗚咽が押し寄せ、それ以上喋ることが できなくなってしまった。砂浜に崩れ落ち、膝と手が温かな砂の中に埋まった。滴り落ちる涙が砂の粒を打ち、 波打ち際の、色の濃い砂のように変えていった。 もし本当に、あの、しょくパンマンさまがばいきんまんに捕まり、拷問にあっていたらと思うと、 まるでこの広い海の底に飲み込まれるようだった。
常に暗黒の雲に覆われ、雷鳴の轟いているバイキン城の薄暗い研究室で、食パンマンが両手足を針金で縛られ、 吊るし上げられていた。 全身がほとんど黒色で、ドキンちゃん同様の形をした角が頭に二本立ち、ゴムボールとうりふたつの鼻を持つ ばいきんまんは、彼にとって憎たらしい、白色をした食パンマンの顔を何度も何度もはたきながら、ホラーマンと ドキンちゃんが帰ってくるのを待っていた。 食パンマンは既に体力が底をつき、ほぼぐったりとしていた。 「そんなものか、食パンマン。アンパンマンならそんな針金はおろか、鎖で縛ってもへっちゃらだぞ」 ばいきんまんが手を後ろで組み、顔を近付け、にやっと笑って見せた。 食パンマンは少し顔を上げ、口の中に溜まっていた血をぺっと吐きかけた。 すると、ばいきんまんは食パンマンがまとっている純白のマントで、額にかかった唾液と血の混ざった液体を 拭い、黙ったまま鞭を拾い上げ、一度びしっと伸ばした。穏やかだったばいきんまんの表情がいきなり恐くなり、 鞭を食パンマンの首に巻き、思いっきり締めつけた。 気道を完全に塞がれた美男はうめき声を上げることすらできず、傷ついた顔をひたすら歪めた。 「あんまり俺様を怒らせるなよ、ドキンちゃんが帰ってくる前に殺しちゃうぞぉ〜」 ばいきんまんは怒りに震える声で彼に迫った。
と、その時、研究室の扉が開き、目を真っ赤にしたドキンちゃんが、ホラーマンを引きずるように入って来た。 「おかえり、ドキンちゃん。待ってたんだから」 ばいきんまんは首を締めていた鞭を解き、床に落とした。 ドキンちゃんが食パンマンの元へ慌てて駆け寄ったが、彼はもはや意識を失いかけており、いくら名前を呼んでも ぴくりとも反応してはくれなかった。 振り返ると、ばいきんまんがビーム銃を食パンマンの顔に向けて立っていた。 「さぁ、ドキンちゃんも縛られてちょうだい。でないとホラーマンが言う通りにしてくれないんだ」 ホラーマンは扉の前に立ったまま、全身を震わせて泣いていた。 ドキンちゃんが食パンマンを背にし、四肢を大の字に開いて、 「ばいきんまん、しょくパンマンさまを放して」 と、溢れそうになる涙を堪えながら懸命に頼んだ。ばいきんまんが溜息をつき、言った。 「君って本当にワガママなんだなぁ、トホホ。じゃあ、かわいそうだけど君にも痛い思いをしてもらうか」 「待ってください、ホラァ」ホラーマンが口を挟んだ。「あなたの言うこと、全部聞きます。だから、だから せめて、私の目の前でだけはドキンちゃんを傷つけたりしないでください……」 ばいきんまんは、銃の向きを変えずに、しばらくホラーマンをにらむと、やがて、「行け」というふうに 顎を斜めにしゃくって合図した。
ホラーマンは半ば駆け足で研究室を後にした。 「ばいきんまん、あたし達仲間じゃなかったの?」 「仲間?憎きアンパンマンを倒す代償としては些細なことだと思わないかい?」 ドキンちゃんは、ばいきんまんの恐ろしい一面を初めて見た。 「あんた、今までこんな人じゃなかったのに」 「いいから」ばいきんまんが銃口をドキンちゃんの顔に向け直した。「暴れてもらっちゃ困る、早く縛られて」 ドキンちゃんは勇気を振り絞った。 「あたしを撃てるの?撃ってみなさいよ」 ばいきんまんは目を一層吊り上げ、「どこまでも頑固なんだから」とつぶやいた。 ドキンちゃんは強く目を閉じ、顔を少し下に向けた。 が、食パンマンが搾り出すように 「待って、ドキン、ちゃん。言う、通りに……」 と、言葉を吐き出したので、ドキンちゃんは両手を下ろし、 「わかったわ」 と言って力なく服従した。
一方その頃、パン工場では、ジャムおじさんがアンパンマンの新しい顔を焼いていた。 上顎に白い髭を蓄えた、優しい顔の老人だ。 助手のバタコが、しめらせたタオルを耐熱手袋代わりにかまどの扉を開き、取り出した顔を 首のないアンパンマンに装着してやった。 焼きたての大きなアンパンは、アンパンマンの顔としてにっこり笑うと、 「ありがとうございます、ジャムおじさんにバタコさん」 と一言礼を言った。 黒い目はレーズンのように小さく、頬は赤くふっくらしていて、輪郭はほぼ完全な球形をしている。 アンパンマンはいつものように、 「それじゃ、パトロールに行ってきます」 と、二人に挨拶を告げると、早速かまどの煙突から外へと飛び出した。 ジャムおじさんは、アンパンマンの姿が見えなくなると、 「さ、お腹を空かしている人たちに配るためのパンを作ろう」 と、バタコを誘った。バタコは快く 「はい、頑張りましょ」 と返事をした。
ジャムおじさんが小麦粉を練り始めた時、バタコが、番犬のチーズが外で妙に騒がしく吠えている のに気付いた。どうしたのかしら、と独り言を言いながら窓に近寄ってみると、何かが 猛スピードでこちらに突っ込んでくるのが見え、危険を察したバタコは咄嗟に窓から離れた。 それとほとんど同時に、ガラスの窓を豪快に突き破ってパン工場の中に飛び込んできたものがあった。 ガラスの破片と窓枠の木が床に散らばり、高い音を奏で、バタコの額と手をかすめた。 ジャムおじさんは窓から遠い調理台の上で作業をしていたので、怪我をしなくて済んだが、 突然の来訪者にあっけに取られ、腰を抜かしてしまった。 呼ばれざる客は、顔に帯状の白い布を巻きつけて目だけを出している、群青色のマントをつけた、 二人のよく知る少女だった。ロールパンナだ。 「ロールパンナちゃん!」 バタコが叫んだ時には、彼女が目にもとまらぬ早業で、ジャムおじさんの首に武器である長いリボンを 絡めて締め上げていた。 「やめて、ロールパンナちゃん。メロンパンナちゃんが悲しむわ」 バタコが意外と冷静に説得した。 「メロンパンナ?妹のことか。心配はいらない。あいつのメロンジュースに毒を入れた」 ロールパンナはそれ以上に冷静に、いや、もはや情など見えないくらい冷たく言った。
「どういうことなの?」 バタコは狼狽した。 「知っての通り。あたいはばいきんまんに作られた。だからばいきんまんに従うだけ」 「違うわ。あなたを作ったのはジャムおじさんよ」 「嘘。お前達に騙されないように、ばいきんまんに言われてる」 バタコは絶句した。ロールパンナが続ける。 「あと、妹はばいきんまんを裏切ったそう。だから、こうするしかなかった」 バタコは唇を噛み、涙を流した。 「ひどい、何も、殺さなくたって……」と。 ロールパンナがジャムおじさんの首を一層強く締めた。ジャムおじさんの顔が真っ赤になり、 目がうつろになり始めた。 ジャムおじさんは、苦しくて、切なくて、悲しくて、涙を堪えられなかった。 本当は声を上げて泣きたいくらいだったが、敵となったロールパンナがそれを許さなかった。
アンパンマンの視界に、沢山の仲間達が平和に暮らす、明るい町が見えてきた。 しかしそれは、いつもの美しい町ではなくなっていた。近付けば近付くほど、その悲惨な状態が アンパンマンの心の一番弱い部分に迫っていった。 町の至る建物に火が放たれ、道には濁った色のカビがびっしりと生え、そのカビの、顔をしかめたく なるような強い臭いと共に、どこからともなく血の匂いまで漂ってくるのだ。 人の気配がなくなった大通りに降り立ち、周りを見渡してみると、その光景はまさに地獄絵だった。 遠くからは時々、助けを求める子供の悲痛な叫び声が届いた。 「アンパンマン!助けて!ママ!せんせー!」 僕に助けを求めてる、みんなが僕を呼んでる、アンパンマンはそんな事実に生まれて初めて恐怖した。 彼がどこへ行って誰をどうやって助ければよいものかと、途方に暮れていると、燃え盛る建物の中から、 食いしん坊なことで有名なカバオ君が、息を切らしながらかろうじて這い出て来た。 アンパンマンは、急いで少年の元へ駆け寄り、そっと肩を起こした。 「大丈夫かい?カバオ君。いったいどうしたっていうんだ」 「アン、パン、マン……」カバオ君はぼそぼそとつぶやき始めた。「かび、るんるん、が……」 「かびるんるんだって?これは全部、ばいきんまんの仕業なのかい?」 カバオ君は一度頼りなくあえぎ、強く閉じたまぶたの隙間から大粒の涙をこぼした。
「ぼ、僕、お腹、空いた……」 「よし、僕の顔をお食べ、ほら」 アンパンマンは自分のこめかみの上の部分を手でちぎり、カバオ君の口に持っていった。 「あり、が……」 カバオ君が口を半分開けたまま、少しも動かなくなった。彼は、最後の欲求を満たす前に、死んだ。 「カバオ君!」 アンパンマンは一回だけ名前を呼んだ。もう無駄だと、わかっていた。 長い間自分を慕ってくれた仲間を救うことすらできなかった、肩書きだけのヒーローは、自らの 欠片を力なく地面に転がすと、カバオ君の背中を片腕に乗せたまま、ほんの少しだけ、泣いた。 しかし、まだ自分に必死で助けを求めている子供達の声に、気持ちを奮い立たせ、涙を袖で拭った。 カバオ君の遺体をそっと下ろし、立ち上がった。 「行こう」 そうつぶやいた時、喉頭部にひんやりと冷たく、鋭い何かが当たり、初めて自分の置かれている 状況を理解した。 一匹のかびるんるんが、アンパンマンの頭に長い槍を突き付け、仲間に、集まるように合図をしていた。 そして無数の、武装したかびるんるん達が、あっというまにアンパンマンを取り囲んだ。
だ、誰か書き込んでくれ、連投規制にかかっちまう
バイキン城の研究室では、ドキンちゃんと食パンマンが二人きりで吊るされている。 ばいきんまんは最後の仕事を済ませると言って、城を出ていった。 ドキンちゃんが、ボロボロになるまで殴られ続けた食パンマンに、元気なく話しかける。 「ねぇ、しょくパンマンさま」 食パンマンは少し間を置いて、やっとのことで「何だい?」と返事をした。 「ばいきんまんは、ホラーマンに何をさせるつもりなの?」 食パンマンが歯を弱々しく食いしばり、言った。 「パン工場、を、壊して……ジャム、おじさんも……」 「えっ……」 ドキンちゃんはそれきり、何も言わなかった。
町を襲ったかびるんるんの数は、三千を超える。その、槍で武装したかびるんるんの極一部が 一斉にアンパンマンに食いかかり、彼を追い詰めていった。 空を飛ぶための茶色いマントは、縦に引き裂かれ、使い物にならなくなっていた。 必死に間合いを取りながら、急所である顔をやられないよう、飛びかかってくるおびただしい数の敵を、 手で払い落としたり、殴り飛ばしたりして、新しい顔を手に入れるべく、パン工場の方へ徐々に向かっていた。 まだカビを生やされたり、槍で貫かれたりはしていないものの、力の源である顔の一部を 自らの手でちぎってしまったので、全ての力を出しきれずにいたのだ。 町を出ると、すぐそこが森となっていた。ここの木を上手く利用すれば、なんとか逃げ切ることが可能かもしれない。 アンパンマンはそう思った。 かびるんるんが突き出してきた槍を両手で奪い取り、それで手近な敵を一通りなぎ払うと、武器を捨てて 一目散に森林の中へ走り出した。 間もなく、追ってきたかびるんるん達は次々と木に激突し、所々で軽い渋滞を引き起こし始めた。 しかしそれも、彼らにとってそれほど不利になることでもなく、町の方から数を増やし、ばらけつつ 色々な方角からアンパンマンを追った。 そして、アンパンマン自らもまた、生い茂る木を避けながら走らなければならず、かびるんるんと比べて かなり体の大きいアンパンマンにとって、それはちょっとした課題だった。
追っ手の行く手をさえぎろうと、一本の大木を引き抜いて倒そうとした。 が、顔のわずかに欠けた部分のためにそれが叶わず、木に手をかけて踏ん張っている間に 多数のかびるんるんがアンパンマンに追いついてしまった。 その数は町で遭遇した時より遥かに多く、入り組んだ森の中を走る上で邪魔な武器を捨てて来た者も かなりいた。これではあっさりと囲まれてしまうわけだ。 幾百匹いるともわからぬ敵を、アンパンマンはことごとくぶちのめした。それでも彼らの勢いは 衰えることを知らず、いつしか手足にカビがまとわりつき始めていた。 そしてついに、一匹のかびるんるんが顔面にとりついた。アンパンマンはすぐさまそれを払い落としたが、 彼らは容赦なく全身の各所にとりつき、カビによってその部位を侵した。 顔を汚されたアンパンマンが倒れようとした、その時、しつこく体や顔にしがみついていた かびるんるんのほとんどが地に落ち、苦しみ出した。 見ると、彼らの体には何やら黄色い液体が付着していた。香りから察するに、それはカレーだった。 「カレーパンチ!」 との、聞き覚えのある声が聞こえると、アンパンマンが倒し損ねた大木が根元付近で折れ、 地面に倒れ、かびるんるん達を容赦なく叩き潰した。重たく、大きな音がそこら一帯を制し、 枝の上に巣を設けていた鳥達が驚いて一度に飛び去った。
顔にカビが生えたせいで目が霞んでいたが、崩れ落ちた大木の上に立って腕を組んでいるのが誰か、 それははっきりとわかった。アンパンマンの古くからの味方であるカレーパンマンが、助けてくれたのだ。 「アンパンマン、とにかくここは俺に任せて、さっさと逃げな」 カレーパンマンは勇ましくそう言うと、進撃しようとするかびるんるん達を一匹も逃すことなく 殴り、蹴り、あるいは口からカレーを噴射して叩きのめした。 「ありが、とう……」 彼の声がカレーパンマンに聞こえたかは定かではなかった。 アンパンマンはまだ立っているだけの力を残されていたので、そのままよたよたと走って パン工場へ向かっていった。 長い時間、前へ前へと進み続けていたが、日が傾き、空が暗くなり始めた今になって、 とうとうパン工場へ辿り着いた。 しかし、そこには彼の望んだ光景はなく、それどころか、町で見た惨状より、 もっと残酷な運命が、アンパンマンを待っていた。
かまどの煙突からは真っ黒な煙がもくもくと立ち昇り、窓が粉々に砕け、バタコがチーズを抱き抱える ように倒れていて、そこから少し離れた所に、頭蓋骨が転がっていた。 アンパンマンは倒れ込むように、バタコのそばに膝をついた。 「バタコさん、これは……?」 バタコが口を利けばまだ良かった。名犬と言われたチーズも、人形のようになってしまった 優しい女の子の死体の、温かそうな腕の中で、静かに目を閉じたまま、舌を垂らしっぱなしにしていた。 「どうなってるっていうんだ……」 アンパンマンが、これ以上ない絶望と悲しみに打ちのめされていると、 「すいません、ホラァ」 という、乾いた声が聞こえたので、そちらを見ると、転がっていたあの頭蓋骨が喋っていた。 「ホラーマン?」 「はい、ドキンちゃんを人質に取られて、無事放してもらうためにここを爆破しました……」 それからホラーマンは、抜け殻のようになって硬直しているアンパンマンに、頭だけで 泣いて謝り続けた。 じきにバイキンUFOがアンパンマンの後ろ、約3メートルくらいのところに着陸した。
ホラーマンは口を閉じ、アンパンマンが、ばいきんまんに背を向けたまま尋ねた。 「君は、何のために、こんなことを……?」 ばいきんまんはUFOから飛び降り、ゆっくり、一歩ずつ確実にアンパンマンの背後に近付いていった。 「答えるまでもないだろ、アンパンマン」 かびるんるんの軍勢が、森を抜けてそこへやってきた。ばいきんまんは彼らに言った。 「ご苦労ご苦労。今日、俺様はアンパンマンとの戦いに勝利した!ハッヒフッヘホー!」 食パンマンは、泣き叫ぶドキンちゃんの隣で、いつのまにか息をしなくなっていた。 カレーパンマンは、大木の上で顔がぺしゃんこに潰れ、八本の槍に体を貫かれ、仰のけになっていた。 ロールパンナは、自分が殺したメロンパンナの死を嘆き、ロールリボンで首を吊っていた。 ジャムおじさんは、廃屋と化したパン工場の隅で、失敗したパンのように焦げていた。 町では、未だに肉の焦げた臭いや、カビと血の海に埋もれて泣き叫んでいる子供達がいた。 アンパンマンは、膝を地面についたまま後ろに倒れ込み、もうほとんど見えていない目で ばいきんまんを見上げた。一生のうち最も、敵が大きく見えた瞬間だった。 ばいきんまんが、手下のかびるんるんから借りた槍でアンパンマンの胸を一突きにした。 アンパンマンは全く反応しなかった。ホラーマンのひからびた嗚咽も、間もなく途絶える。 (完)
466 :
名無し物書き@推敲中? :04/07/01 08:10
すげ
468 :
名無し物書き@推敲中? :04/07/03 17:41
アンパンマン…グロイ
今までで最高の作品はどれだろう。
470 :
名無し物書き@推敲中? :04/07/04 18:53
>>469 なんか、ジャムおじさんが鬼畜でバタ子を姦っちゃって、
でも自分は救われたくてメロンパンナを想ってるって話が良かった。
最後にバタ子に刺されるやつな。
471 :
名無し物書き@推敲中? :04/07/09 11:53
ヒマつぶしにパトロールに出かけてみた。といっても男、子供はスルー。僕が助けるのは女のみ。「アンパンマーン!!」お、さっそくお呼びだしだ。声のした方向に行くと、そこにいたのはバイキンマンとバタコ。はち合わせしちゃったらしい。涙目で助けを求めるバタコ。 「僕、しょせんパンなんで…」そう言い捨てると僕はその場を飛び去った。バイバイキーン。 これも全てオマエが悪ぃんだよ、バタコ。 さて、僕がアイツを無視した理由はどーれだ? 1、僕の顔に「もったいなーい」とか言って腐った餡子使ったから。 2、使用済みの顔を犬の餌にしてたから。 3、僕達のコスチュームを全身タイツ(蛍光系)にしようとしてるから。 さーて、分かったかな?正解は………全部。 殺るか?アイツ。
472 :
アソパソマソ :04/07/14 03:34
http://www6.ocn.ne.jp/~dra25/asopaso/aso00.html ___
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473 :
名無し物書き@推敲中? :04/07/14 04:31
こ の ス レ ま だ あ っ た の か よ !!!!!
448さんのが凄すぎる…。
バイキンENDの決定版って感じですよ
478 :
名無し物書き@推敲中? :04/08/10 16:30
479 :
名無し物書き@推敲中? :04/08/25 03:51
凄いなー・・・ここ。
480 :
名無し物書き@推敲中? :04/09/05 11:50
保守上げ。
481 :
名無し物書き@推敲中? :04/09/05 11:52
気がつけば4周年間近ぢゃないか。
4周年を記念して誰か新たな作品を投下しないか?俺か?俺の使命なのか?
484 :
名無し物書き@推敲中? :04/09/14 23:34:20
今、書いているが4周年に間に合うか分からんな…。 誰か頼む。 ついでに上げとく。
そこで俺が何かをひらめくわけだ。
スマソ書けなかったorz
大丈夫、俺は今遅れ馳せながら書き始めてるから。
4周年記念カキコw
今日のアソパソはここをみているかのようなシリアスぶりだった。 まじで号泣した。
490 :
名無し物書き@推敲中? :04/10/11 23:31:17
おぉ、そういえば四周年だ。 おめでとう。
ドッキンがまだ一般的で平均的なきわめて安定した精神状態にあったとき、 あんぱん野郎に言い放ったことがある。彼女はそれを、 ほとんど思考すらできなくなったことを一瞬だけ認識した二日前からずっと、 ぼんやりと思い返し続けていた――公正を期したいというのなら、 思い出しているのではなく、脳味噌のずっとずっと奥のほうから、 いま彼女がいるこの延々と煙を吐き出す牢獄のように、 自動的にその記憶が表に排出されてきているといってもいい。 とにかく、ドッキンはアレのことしか頭にない性欲満タンの中学生のように、 繰り返し繰り返し、その状況やら音やらが目前から向かってくるのを見つめ続けていたのだ。 いまやそれだけが唯一の外的繋がり、 あるいはまさしく現実であると思え(この二つが同時にやってこないだけましだが)、 二日前のように時折り浮上してくるわずかな正常意識を認めたときも、 ただその想像の世界の中で、実体のない赤い体を、そして口を動かし、話すだけだった。 「ごめんなさいアンパンマン」 言うまでもないことだが、描いている世界は過去のもので、時はとまってしまっている。 正常な体と精神をもっていたときに言ったあの言葉、あの状況から始まって、 わずか数秒で最初に戻る。それが終わりなく続くのだからたまらない。 ばい菌男の頭を蹴っ飛ばしながら、どうにかしなさいよと怒鳴り散らしたいところだ、 少なくとも昔の彼女であればそうするだろう。もはや脳内の世界はかぎりなく現実に近い。 ばい菌男に言う内容について、いっさい考えられない。この牢獄から出して、と考えられない。 曖昧な空間ではない確立されたこの場のことを考えられない。謝るしかなかった。 わずか数秒……その間にドッキンは言い続けるのだった、「ごめんなさいアンパンマン」。 彼女は昔、アンパン野郎にこう言ってしまったのだった―― “いまどきアンパンなんて存在価値皆無なのよ( ゚Д゚)ヴォケこのツルツルのいやらしいハゲが”。 それから、悪の軍団であるジャムズ・パン工場の連中に、性のはけぐt
カバオくんは純朴な子供であった。 「アンパンマンの本体は胴体?いや、絶対にそんな事はない!」 あの日、お腹が減って泣きじゃくっていた僕に、 優しく声を掛けてくれたアンパンマン。 彼の声はどこから発せられていただろう? 間違っても、いつも生意気な表情を浮かべている畜生 (ほら、胸元に寄生してやがるあいつ)ではない筈だ。 「僕の顔をお食べ」という甘い声が僕の耳に届いた瞬間、 同時に躍動していたのは間違いなく彼の口元なのだから。 あの場所に僕の救い主様が宿っているのは確実だったんだ。
まあ、僕もこの事に気付いたのは最近なんだけど。 皆が「バイキン野郎の卑劣な行為を打ち破った英雄」に群がっている間に、 ひっそりと冷たい大地に接吻をさせられる羽目になっている あのお方の姿を見て、酷く考えさせられた。その結果、解ったんだ。 あの、僕に最初に顔を差し出してくれたアンパンマンは、もういないってね。 それから何度も、例の交換シーンを観察した。 表向きには「わあ!ありがとうアンパンマン」なんて言ってても、 裏では「この偽者野郎め…」と腹を煮え滾らせていたんだ。 でも、この考え方も撤回しなければならなかったんだ。 だって、くだらない偽者だと思っていた新たなアンパンマンも、 僕に優しく顔を分けてくれたんだから。 何が何だか解らなくなった。そして僕なりに理解した。 僕が見てきた「アンパンマン達」は、全てひっくるめて 一人の「アンパンマン」だという事を。(憎らしい胴体は別だけどね) 交換時に魂が抜け出して乗り移りでもするんだろう、きっと。
しかしこの考え方も、更に打ち崩されたんだ。 いつからか、僕は必死に「見放された顔達」を収集するようになっていた。 そして物置の深くに、それを保管しておいた。 あのまま野晒しになって鳥に突付かれるのなんて、見てられないからね。 毎日毎日様子を見にいった。覗き込む僕に、何かを語りかけてくる気がしたんだ。 僕のこういった行動を周囲の人達は不快に思ったらしい。 「アンパンマンの本体は胴体」だなんて話をありのままに受け入れている あいつらには、僕の心が解らなくて当然だけど。 「奴はいかれてる、危険人物だ」僕は学校、 いや、街中でこう噂されるようになった。 月日は流れ、古い顔達はどんどん腐敗が進んでいった。 そして僕は聞いてしまった。確かに彼らは言ったんだ。 「…嫌だぁ…助けてくれ…死にたくない…」 僕は思わず「お、おわぁ!」と声をあげてしまったが、 数秒後には失礼な反応をしてしまった事を反省した。
「やっぱり…あなた達は生きていたんだ。別々の意識を持っていたんだね」 少し間を置いて、アンパンマンの内の一人が静かに「そうだよ」と言った。 「僕は感謝してた…僕を生み出してくれたジャムおじさんに、感謝してた。 でも今は違う、あいつは僕を見放して、僕のまがい物を選んだんだ」 間髪入れずに「僕からすれば君だってまがい物さ」と、隣の顔も言った。 「あ、気付かなかった、おまえがあの時の新しい俺か!」 少し目付きの悪いアンパンマンが言った。そう、 よく見ると、同じ人物の筈なのに皆が皆違った顔立ちをしているのだ。 「ジャムの野郎にもまだまだムラッ気があるのさ」とは、ヒゲ面の彼の弁だ。 「死にたくない…死にたくないんだ…」一番奥の端に置かれた顔が悶える。 「彼はもうお終いさ。見ろよ、鼻がもげかかっている」 「僕たちもいつかああして消え行く運命なんだな、あぁ!」 何十も集まった顔達は一斉に嘆き節を口にし始めた。
僕は予想外の出来事にたじろぐばかりだったが、ようやく落ち着きを取り戻した。 「好きなだけあなた達を生み出し、バイキンマンにやられたらさよなら、 なんて、ジャムおじさんは酷すぎる!」 奥の端が言った。「頼む…復讐してくれ…あの男に制裁を…」 「そうだ!やってくれ!」「僕を裏切った、あの胴体にも罰を与えろ!」 僕は困惑した。しかし、奥の端から聞こえていた苦しげな呼吸音が途絶えた時、 場のアンパンマン達の怒りは最高潮に達し、僕を決心させた。 翌日、僕はバイキンマンの基地へ出向いた。 気難しい印象のあった彼だが、僕への協力を快諾してくれた。 勢い付いた僕はすぐさま彼と共にパン工場を襲撃しに行った。 そこから先はよく覚えていない。薄れ行く視界の彼方には、 飛んで行くバイキンマンと新たな英雄伝に湧く民衆達、 そしてまた新たな「見捨てられた顔」が誕生していた。
497 :
名無し物書き@推敲中? :04/10/14 00:32:46
みんな凄いや。是非小説家に。
脳内作家大先生
499 :
名無し物書き@推敲中? :04/10/14 11:45:14
普通レベル→魯迅、甲賀三郎、マラルメ、アポリネール、ピンチョン、ヘンリー・ミラー いまいち・ダサレベル→バーセルミ、ブルトン、藤枝、タゴール、ボルヘス やばい(低脳)、近寄りがたいレベル→ドストエフスキー、谷崎、三島、吉増、ベケット、舞城 救いようがないレベル→大江、プルースト、大西、中野重治、高橋源一郎、折原、田口ランディ ごみくず、大便レベル→村上春樹、中原中也、カフカ、ロブ・グリエ、埴谷、荘子、宇野 地球に必要ない→西尾、ラノベ作家、金原、横溝
空高し 伝説的スレの 500ゲト
502 :
名無し物書き@推敲中? :04/11/15 08:50:45
503 :
名無し物書き@推敲中? :04/11/22 12:41:53
上げ
「アンパンマン、もうそろそろタイムリミットのようだな」 バイキンマンが叫ぶ声が、僕の乾いた皮膚に響いた。 すでにひび割れが始まっている。 「ま、まだだ!」 ひび割れた唇が辛うじてその言葉を発した時、突如つむじ風が吹き 唇の表皮のひびから砕けたパン粉が風に舞った。 その粉を吸い込んでしまい、僕は強く咳き込んだ。 「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」 咳と同時に、黄変したパン粉が噴き出てきた。もう限界だった。 続いて、脳の奥から強い吐き気が催してきた。 「ぐ、ぐえええっ……」 僕は、ジャムのように赤黒く変化し腐った餡をよだれをたらすが如く 口から延々と吐き出し続けた。 「げへっ、げへっ、ぐへっ……」 「あ〜あ、汚らしいったら、ありゃしない」
さっきまで、あんなにふっくらやわらかいパンで 満たされていた僕の脳は、今はヘチマのたわしのように スカスカに乾ききっていた。 もう何も考えることができなかった。それでも僕は、 罵り続けるバイキンマンに憤りの言葉を発しようとした。 「へふれはどろどがなへ、はもれど、に……」 もう言葉にならなかった。 「何を喋っているんだい? もう言葉も話せないのかいアンパンマン。 俺様が何もしなくても、頭を取り替えて三分でその有様じゃ、 もう戦うことなんてできないね。ジャムおじさんの焼いた頭は今日はそれで最後なんだろ。 ぎゃはははは!」 網膜に写るバイキンマンの姿が歪み、そのけたたましい笑い声も だんだん聞こえなくなっていった。
目を覚ますと、すでに朝だった。 「すまん。私の力不足のためにアンパンマンにこんな辛い思いをさせて……。 いくら焼いても追いつかないんだ」 ジャムおじさんは疲れきった声で言った。 どうやら僕は、昨夜も首なしのまま夜を過ごしたようだ。 「気にしないで、ジャムおじさんが悪いんじゃない」 僕がそう答えると、 「そんな言い方はやめて! まるでそれじゃあ牛丼マンが悪いみたいじゃない!」 バタ子が悲しげに言った。 「ごめん。牛丼マンも悪くない……」 でも、そう言いながらも、僕は牛丼マンを心の中では恨んでいた。 確かに牛丼マンは死をもって罪を償ってくれた。 でも、よりによって、なぜ、世界のみんなのために一番 一生懸命に戦ってきた僕がこんな目に遭うのか……。 あの時、一緒に牛丼を食べた食パンマンもカレーパンマンも、 なんともなかった。その食パンマンが今、心配そうに僕を見つめている。 そんな目で見ないでくれ。君の柔らかくきめの整った白い肌を見ていると、 自分だけが不幸なのが悔しくて仕方がない。 あの時、牛丼マンがふるまった牛丼を食べてなければ、こんな、 こんなことにはならなかったのに……。
それにしても、体だけはどうしてこんなに元気なんだ。 すっかり異常プリオンに侵されてしまっているはずなのに。 一緒に体も朽ち果てて、命を失うことができたなら、どんなにか楽だろう。 再びアンパンの頭を取りつけられ意識を取り戻した瞬間から、 既に頭部のプリオン汚染が始まっている。 これでは生き地獄だ。 辛さに我慢できず涙が溢れてきた。 こんなことに水分を使ってしまったら、頭の中がすぐに乾いてしまうから駄目なのに どうしても涙が止まらない。 その日も、貴重な頭をあっという間に一個費やしてしまった。
>>507 無粋とは思うが、狂牛病の認識が間違ってる。
>唇の表皮のひびから砕けたパン粉が風に舞った。 生々しくて良いです。
510 :
名無し物書き@推敲中? :04/12/18 15:52:23
たまには上げ
511 :
名無し物書き@推敲中? :04/12/20 01:19:15
よし、そろそろ徳山だよ。
512 :
名無し物書き@推敲中? :05/01/03 10:55:46
あげとく
あげ
514 :
名無し物書き@推敲中? :05/01/03 22:13:44
このスレも長く続いているなー
515 :
名無し物書き@推敲中? :05/01/17 22:28:00
agemasu,agemasu
516 :
名無し物書き@推敲中? :05/02/15 18:14:08
いいねw
517 :
名無し物書き@推敲中? :05/03/03 08:58:26
504〜507 遅レスだけど、 この話も氏ぬ事さえできないって言う話なのね。
ジャムおじさんが亡くなってから久しい。 ドキンちゃんは夫のバイキンマンとかつて暮らしていた森を歩いていた。 「なんだか、今にも彼が飛んできそうな空ね」 バイキンマンは妻の手を握っただけで何も言わなかった。 葬儀の日にパンの焼き釜が最後に焼いたのはジャムおじさんの遺体で、 いつもと違う焦げた煙の匂いは参列者の目にやけに染みた。 「一人にして下さい」と喪主のアンパンマンに言われると、 みんなは黙って店を出るしかなかった。 しかしバイキンマンだけは、 「どうせ顔のストックがいくつもあるんだろう? これからも容赦しねーぜ!」 と元気づけのために憎まれ口を叩いて乱暴にドアを閉めて出ていったが、 二度とアンパンマンを襲うことはなかった。 「こんな時にまでそんなこと言うことないでしょ!」 店の外にまで響いたバイキンマンの声を聞いて、ドキンちゃんはそう怒鳴りつけた。 バイキンマンは何も言わずにドキンちゃんを通り過ぎた。 数日後、バイキンマンがブックオフで頼んだ本がドキンちゃんの家に届けられた。 お隣留守なんでハンコだけでも押してもらえますか? 宅配便のニイチャンにそう言われてドキンちゃんは最初、 なんでアタシがそんなことしなきゃなんないのよと思ったが、 どんな本を注文したのかという好奇心には勝てず、ハンコを押すとビリビリと封を切った。 『アンパンの作り方』と書かれた表紙を見て、ドキンちゃんは「馬鹿ね……」とつぶやいた。 パン粉や小豆を大量に買って家に戻ってきたバイキンマンはドキンちゃんに本を渡されて、 「これからは行き当たりばったりで攻撃するんじゃなくて、研究してやるんだ」と声を張り上げた。 「待ってろよ、アンパンマン! 絶対に倒してやる!」 「素直じゃないんだから」 「あ? 何か言ったか?」 「コシアンとツブアンでは性格が変わりそうね。繊細か朴訥か。 アンパンマンをやっつけたかったらコシとツブの割合も計算しないとね」 「さすがドキンちゃん! ……ちっ、少しジェラシーだぜ」 「ん? 何か言った?」 「ううん、バイキンが入らないようにしないとなって」 ここまで書いて飽きた。文藝の書かなきゃ。
519 :
名無し物書き@推敲中? :05/03/09 00:22:31
ジャムまで殺すなwwww
>518 わるくないね
>>521 何も考えずに思いつきでダラダラなんとなく書いてったら途中から飽きてきたんだけど
改行制限に引っかかって空行をやめたらなんか納まりが悪くなったっていうかでもニレス(ふたれす)にする程でもない
っていうかまあ何はともあれありがとう。
522 :
名無し物書き@推敲中? :05/03/13 23:55:38
あげ
523 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/28(月) 21:00:47
あげるよ
524 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/28(月) 21:31:39
いらねー
アンパンマンは深夜目覚めると、横で眠る妻のバタ子を盗み見みた。 丸刈りの頭に月光が反射していた。アンパンマンは思わず目を細める。 バタ子が尼のように丸刈りなのは、アンパンマンが自分だけ坊主なのに、お前は何だ? と二日前に怒鳴り散らかした事が原因だった。 すまない、バタ子……。胸中で発せられたアンパンマンの懺悔はバタ子に届く事はない。 一人ベッドを抜け出すアンパンマン。黒いマントに黒いブーツ、 平常時とは一風変わった井出たちで家賃4万3千のアパートを抜け出した。 翌朝、バタ子が目覚めた時にはアンパンマンは仕事に出ていた。 バタ子は鏡を見ないようにしながら、手早くカツラをみにつけた。 いまだ現役のカリスマ美容師として活躍するメロンパンナにもらった品だ。 鏡を見れば、三日前と変わらない自分の姿がある。 あの日以来、アンパンマンは変わってしまった。 結婚当初の中はとうに冷め切っていたとはいえ、それでも生活には愛があった。 いまではバタ子が焼いたアンパンを着用するのは月に一度、あるかないかだ。 お前のアンパンは塩がきき過ぎてんだよ!!おれを殺すきか!! バタ子の脳裏に、アンパンマンが自分を愚弄した言葉が鳴り響く。 目尻に浮いた涙を拭いながら、バタ子はお座なりに朝食を済ませると、 洗濯をしようと、アンパンマンが脱ぎ散らかした衣服を手に取った。 ポケットをまさぐっていると、何か細長いものが入っている。 それは血にまみれた食パンの耳だった。バタ子の血の気が引いた。 薄ら寒くなった身体、震える指先で今日の朝刊を手に取る。 目的の記事はすぐに見付った。 『菓子パン人間連続殺人事件の犯人いまだ捕まらず 今度の被害者は人気イケメンタレントの食パンマン様』 テレビをつけると、高級住宅街にある食パンマン家が生中継されていた。 マイクを持ったレポーターのドキンちゃんが、神妙な面持ちで原稿を読み上げている。 まさか、犯人は!? バタ子の手の中で血で湿った食パンの耳が潰れて千切れた。
アンパンマンがスタジオに入ると、スタッフ全員が彼に向かって頭を下げて挨拶した。 中を見回したアンパンマンが眉をひそめた。 「おかしいですね、いつも真面目な食パンマンが遅刻とは。珍しいこともあるもんだw」 高笑いしたアンパンマンは周囲の空気が思いのほか冷たい事に気がつく。 「どうかしたんですか?」 共演者であるカレーパンマンに声をかけるアンパンマン。 「まだ聞いてないのかよ、ったく。殺されたんだよ食パンのやつ」 皆知っていることだからと、普通の声音で喋るカレーに、アンは小声でなおも訊ねた。 「いつ、分かったんですか?」 「昨日の夜中ぐらいなんかな。ギリギリ今朝の朝刊に記事が載るぐらいだよ」 「犯人はやはり…」 「ああ、そうだろうよ。まったく、菓子パン人間にだって人権ぐらいあんだよ。 そこんとこ犯人は分かってんのかね。お前も気をつけろよ、アン」 カレーは冗談交じりに言う。 「これで人気ドラマ「それいけアンパンマン」の関係者がこれで三人も殺されちまった 次は主役のお前の番かもしれないぜ」 「それはカレーさんも同じじゃないですか。あまり脅かさないでください」 「悪い悪い」 大口開けて笑うカレー。アンは背中をバシバシ叩かれながら、笑いながら咳き込むフリをしていた。 「今度主役のとりかた教えろよ、てめえ」 「コツなんかないですよ」 この日を境に、アンパンマンの消息が途絶えることをカレーは知らなかった。
バイキンマンは苛立っていた。原因はたった今終了した捜査会議にあった。 最初の犯行が起きたのが一ヶ月前。それ以来、次々と殺される菓子パン人間たち。 最初の被害者はロールパンナ。バイキンマンの婚約者だった。 遺体には暴行の痕跡があり、膣内には強姦の跡が残されていた。 いまだ犯人の手掛かりすらつかめてはいない。 捜査資料をゴミ箱に放り込むと、バイキンはホラーマンのデスクに詰め寄った。 「ホラーマン課長、俺は独自に捜査させてもらいます」 体格の良いバイキンに迫られたホラーは、怖気づきながらも顎を開いた。 「それはいかん。たった一人とはいえ暴走を許す訳にはいかん。いかん」 「そういうと思ってました」 妙に物分りのいいバイキンの態度にホラーは拍子抜けし逆に不安になった。 「俺は今日限りで辞任します」 不安は的中した。警察手帳など官給品をデスクに置き、最後に辞表を提出される。 「こ、こんなものは受取る訳にはいかない」 バイキンは署内の誰よりも刑事として優れている。軽々しく辞めて貰う訳にはいかなかった。 「課長、俺もう決めてたんです。今度のホシを置き土産に退職するって。だから順序が変わっただけです」 窓を開け足早に去っていこうとするバイキンに、ホラーが言った。 「な、なぜこの事件にそれほどの思いを抱く?」 「課長、おれ寿退社するつもりでした」 「は?」 バイキンは悪戯っぽく笑うと、窓から飛び降りて見えなくなった。 次の瞬間には土星のような形のUFOに仁王立ちになったバイキンマンが現れた。 しかし、その姿も高速スピードで星になり見えなくなった。
528 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/29(火) 20:40:33
ふむふむ
529 :
ペコちゃん ◆SF36Mndinc :2005/03/29(火) 20:54:02
530 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/29(火) 21:00:20
531 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 14:54:34
「ありがとう、アンパンマン!」 「気を付けて帰るんだよ!」 手を振りながらウサコは森から駆けていった。 バイキンマンに襲われていたところを自分が助けてやったのだ。 戦いの途中急に降りだした俄雨のせいで危なかったような気もするが、今の顔が新しくつけ変えられ、難を逃れたのだ。 後ろからバタコの声がかかる。 「アンパンマン、帰るわよ?」 「…ごめん、バタコさん、先に帰っておいてよ。 僕はもう少しこの辺りをパトロールするよ。」 分かったわ、というバタコの返事とジャムのアンパンマンは働き者だなァという呟き声が聞こえ、遠ざかるエンジン音が背中に響いた。 静寂が広がる。 誰もいなくなり僕は作っていた快活な笑いを崩した。 パトロールなどやる気はない。 先に帰らせたのも、ジャムとバタコと居るのが嫌なだけだ。
532 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 14:56:07
ふと足元に転がっている「かつて僕だったもの」が目に入った。 濡れていて脆くなっているのと、交換の際の落下の衝撃で形が崩れていた。 目は虚ろにぼんやりとこちらを見上げている。 もう、使い捨てられたただのパン。 「フン」 自虐心が頭の中で渦巻く。 しばらくすると蟻達がよってきて転がっている僕の顔をかじりはじめる。 森だからだろうか、ほんの数分で蟻は何百匹と集まってきて、顔を運ぼうとしだした。 その反動なのか顔の口がパクパクと開いた。 「気色ワリィ」 その顔をかかとで踏みつけぐしゃぐしゃと潰す。 切り捨てられたものに興味はない。 そして、僕は「永遠」だ。
533 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 15:04:16
冷えてきたのでパン工場に戻ろうとすると、 上空から耳障りなしゃがれた声がした。 バイキンマンだ。 僕の前に降り立ち、自信たっぷりの表情で 「今度こそ負けないぞアンパンマン!」 と僕を指差し言った。 溜め息を吐きながら僕は返した。 「君の相手をしてやるほど退屈じゃない」 「アンパンマン…?」 「うるさいんだよ」 「さっきと違って一段と冷たくノリが悪いな」 「さっきと違って?何にせよ君に言われる筋合いはないよ」 「ほんとにお前はよく性格が変わるよな」 バイキンマンは肩をすくめた。 「ハハッ、この僕が?僕は僕だよ」 バイキンマンが何か言いかけたが人の声が聞こえたので、僕は会話をやめ振り返った。 こっちに向かって歩いてくる。 バタコだ。後ろにジャムもいる。 「アンパンマン、迎えに来たわよ。…バイキンマンが一緒に居るわ!」 バイキンマンを見ると甲高い声でバタコは叫んだ。 「なんとバタコ、早くアンパンマンにこの新しい顔を!」 ジャムは風呂敷から新しい顔を取りだし、バタコにパスした。 顔がリレーされる。 全く勘違いもほどほ… 「アンパンマン、新しい顔よ!」
534 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 15:29:23
いきなりの出来事に僕は混乱した。 顔面を殴られたような衝撃とともにぐらりと視界が揺らいだ。 「え…」 景色が急速に左へと走り、 右頬に何かがいきおいよくぶつかった。 強烈な痛みに思わず絶叫しそうになり、次の瞬間急速に意識が失われ始めた。 何が起こったんだ? 沸き上がる疑問を後回しにし、 目を精一杯に動かして状況を確かめようとした。 視界の端にアンパンチをくりだす自分の体を捉えたところで僕の記憶は疑問と不安を抱えたまま途切れた。 どれくらいたったのか分からない。 痛みに僕は目を覚ました。 さっきのは一体何だったんだ? 目に、どんよりとした曇り空と高くそびえる森の木々が写り、 視線を下へ移動するとこちらを見下ろし笑っている僕の姿がぼんやりと写った。 さらにぎりぎりまで視線を下げたところで、僕は状況を理解した。 はっきりと見えた。 僕に首から下は無かった。 蟻達がよってきて頬をかじり始めた。 痛い、必死に訴えるが声にならない。 蟻達のせいで頬に穴があき、アンがこぼれた。 どうして―。 またも視界が霞んだが、もう一度だけ世界がはっきり見えた。 近付いてくる、自分のかかと――。
535 :
ペコちゃん ◆SF36Mndinc :2005/03/30(水) 16:32:39
夜遅くまで待っていたが、アンパンマンは帰宅しなかった。 朝陽が眩しい。立ち上がると、ズレたカツラがするりと落ちた。 何度も警察に通報しようかと迷った。しかし夫は芸能人だ。 もし、あのパンの耳が事件と何の関係もなかったら、 無用なスキャンダルを作ることになりかねない。 しかし、血塗れのパンの耳を持っているなんて普通じゃない。 バタ子は勇気を出して問詰めるつもりだったが、その日、夫は帰ってこなかった。 不倫だろうか。バタ子には不倫相手に電話をかけて追い払う勇気がない。 探偵を雇い真偽を確認しようとするまでの決意もつけられない。 ましてや、夫を問詰める勇気などない。 パンの耳に関して問詰める勇気も、なくなった。 何もかもうんざりだ。 寝不足で隈のできた顔に溜め息をつき、バタ子は寝ようと布団に入った。 うとうとし始めた時、窓ガラスを叩くコツコツとした音が聞えた。 カーテンをひくと、ボロボロに傷ついたアンパンマンの姿があった。 驚いたバタ子が窓を開けると、アンパンマンが倒れこんできた。 それを抱きかかえるバタ子。アンパンマンの頭は大きく欠けていた。
「アナタ、すぐに新しい顔を」 アンパンマンをベッドに寝かせ、台所へ行きかけたバタ子が申し訳なさそうに誤る。 「ご、ごめんなさい、アナタ」 アンパンマンは毎朝、必ず頭を取り替える。 いつもなら夜に生地を練り上げ、翌朝には焼き上がるようにタイマーを設定している。 それが今日に限って忘れていた。バタ子の心はそれどころではなかったのだ。 「いいんだ。バタ子」 アンパンマンの声はと小さく、とても聞き取りにくい。 「悪かったな。お前に辛くあたって。お前にもう迷惑はかけない」 冷凍アンパンを解答しながら、背後から語りかけられるアンパンの声が、 新婚当初の、思いやりに溢れた懐かしい響きだという事に気がつく。 「アナタ、昨晩は何をしていらしたの?」 「それはいえない」 素っ気無い言葉からは優しげな響きが消えていた。 「離婚しますか」 バタ子は三日前から考え出したことを口にした。 「離婚なんかしたらジャム叔父に顔合わせが出来なくなる」 バタ子は当惑した。振り返ってみたアンパンの欠けた表情には、 怒鳴り散らかした事が嘘のように優しげな顔をしていた。 「じゃあ、どう償ってくれるんですか?いまさらそんな態度をとって。 いったいあたしに何をしてくれるんです?」 「もうすぐ分かる」 アンパンはそう言うと、ふらふらと立ち上がり、窓枠に足をかけた。 「アナタ、せめて新しい頭に変えてから」 「いい、最後にお前の顔が見たかっただけだ。それじゃあな」 飛びかけたアンパンが振り返っていった。 「お前のアンパンが一番心地よかったよ」 今度こそアンパンマンは飛び去っていった。 その姿は紛れもなくバタ子が愛した男のものだった。 「あなたー!!」 晴天の空に消えていくアンパンに、バタ子は精一杯に叫んでいた。 また、なかむつまじい夫婦に戻れるような気がした。
539 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 19:15:17
>>525 いい感じ。さらに続きキボン!
>>531 スレタイに沿ってて良かった。グッジョブ!
540 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 21:06:16
おもろい。
541 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 21:07:01
おもろい。
542 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/30(水) 21:18:04
いいな、これ
543 :
531 :2005/03/30(水) 22:15:22
544 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/31(木) 10:46:14
揚げパン。
545 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/31(木) 12:05:12
〇 ●三 ピュー <|> 新しい顔よ!} ハ 〇 ●三 <|> ハ 〇●三 <|> ハ 三 <|> ハ _| ̄|
ドキンちゃんは悲しみにくれていた。 マスコミには公表していなかったが、食パンマンとドキンちゃんは婚約していた。 お腹には食パンマンの子供がいる。いったいこの子をどうすればいいんだろう? ドキンちゃんは自分のお腹を見下ろした。いまは殆どまだ目立たない。だが、 これから月日を重ねるごとに変化していくのだろう。しかし、 共にそれを見守っていく筈だった男はもういない。 「おれがいるんだから、悲しそうな顔は止めろよ」 セフレのカレーパンマンが言った。二人は裸でベッドで横になっている。 場所はカレーの自宅マンション。 「ガキがいるってのに、目立たないもんだな」 カレーがドキンちゃんの腹を撫でながら言った。手は次第に下がり、 股を包み込むように置かれた。パイパンの心地良い感触を楽しむカレー。 「あんたさ、なにか知らないの?」 「うるせーな」 カレーはまだ濡れていないドキンちゃんの中に指を突っ込んだ。 もっとも、今日はいくら愛撫されようが濡れそうにない。 しかし、こんな時でも男と会ってしまう、己の弱さがドキンちゃんは悲しかった。 「ちょっと乱暴しないでよ!」 足でカレーの顎を蹴り飛ばすと、ドキンは枕をベッドの端に下がり膝を立て、枕を抱いた。 「そんなに怒るなよ。もう何度も同じこと訊かれてウンザリしてたんだ」 カレーは自嘲気味に呟きながら首を竦めた。 「共演者が殺されるたびに事情聴取されてきたんだ。分かってくれよ」 カレーの目は枕に押し上げられた豊かな胸や、真っ白い太腿をいったりきたりしている。 「分かったわよ。ねえ、今日はレイプごっこしない? あんたは、あたしを拉致して自宅に連れ込んだ異常者で、 セックスしながらビデオを撮るの」 「ハメ撮りか」 カレーは承諾した。二人の関係を示すような物は残してこなかった。 関係を知っている人物もいないはずだ。撮影後、ビデオをを取り上げれば問題ないと思った。
カレーが使用済みコンドームを、ドキンの口に押し込んだところで撮影は終了した。 「もう一発しようぜ」 「そうね。じゃあ警察には話していないことをあたしに話してよ」 「そんなもんねーよ。そんなことより早くやらせろ」 「話してくれるまで嫌よ。何かあるんでしょ?何もないのにこんな事件が起きる訳ないじゃない」 舌打ちするカレー。 「一つ思い出したよ。最初に殺されたロールパンナだが、あいつ脅されてたって噂だ」 一発やり終えたことでどこか満足しており、カレーは口を滑らした。 「なんで?誰に?」 「そこまでは知らない。だがお前の婚約者が相談に乗ってたぜ。何か聞いてないのか、 俺の方が教えてもらいたかったが、その様子じゃ知らなかったみたいだな」 にやりとカレーが卑猥な笑みを浮かべた。 「他の相手とよろしくやってたのは、お前だけじゃなかったみたいだな」 「食パンマン様がそんな事するわけないじゃない!!」 怒鳴ったドキンちゃんは、そのままベッドからおりる。 「何やってんだ?」 脱ぎ散らかした衣服を身に着け始めたドキンに、カレーが訊ねた。 「もうあんたとは寝ないわ」 「はぁ?」 「それと電話もしてこないでね」 「なんだよ、ガキ産むつもりか?中絶しろよ」 「中絶ですって!」 そんな事考えもしなかった。 「もう一度言うわよ。あんたとはもう会わない。 中絶も絶対にしないわ。それじゃさようなら」
「おい!!待てよ!!」 カレーは立ち上がって部屋を出ようとするドキンの肩を掴んだ。 「いいのか?おれとの関係がばらされてもよ。人気アナウンサーさん?」 もう片方の手はドキンちゃんの尻に伸ばされた。 「そんなことしたらあんたを強姦罪で訴えてやるから」 腕を払いのけながらドキンは言った。 「強姦したなんて証拠はないぜ?」 「あんた馬鹿ね」 ドキンちゃんは、ついさっき活用したばかりのビデオを取り出した。 「公表したかったらすることね。 あんたは刑務所いきで、あたしは悲劇のヒロインとしてのし上がるわ」 「てめぅ…ぐあ!!」 カレーは呻きながらその場にひざまずいた。 ドキンちゃんの後ろ蹴りがカレーの股間を直撃していたのだ。 一人残されたカレーは携帯電話に手を伸ばした。 最初にかけた電話は繋がらない。 股間の痛みに震える指先で、カレーはなおも携帯を操作した。 『はい、こちらカバオ興業』 今度は繋がった。 「カバオを出せ」 『すいません、どちら様でしょうか?』 「どちら様じゃねえんだよ!!テメェが誰だ!!」 『失礼』 受話器からもれたカレーの声が聞えたのか、電話の相手が変わった。 「いるんなら早く出ろ!」 『すいません、カレーさん。いま立て込んでましてね。知ってるでしょう。うちはいまチーズ組と揉めてましてね』 「仕事を頼みたい」 『時期が悪いですね』 「大した仕事じゃない。ある女を襲って持っているビデオを回収してくれ」 『まあ、それぐらいなら。若いのに任せましょう』 「今夜中に頼む」 『終わり次第報告させましょう』
549 :
名無し物書き@推敲中? :2005/03/31(木) 18:53:12
ドキンちゃんは自宅のあるマンション前でタクシーから下りた。 周囲は薄暗く、植え込みに潜んでいたチンピラが飛び出しきたとき、 ドキンは悲鳴をあげる間も無く野太い手に口を押さえつけられていた。 背後から抱すくめられ身動きも出来ない。 バッグが奪い取られた。 ドキンはかかとを振り上げて、背後の男の股間を潰した。 しかし、助けを求めようと開けた口は、自ら閉じざるえなかった。 「物分りがいいな姉ちゃん」 男は四人いる。一人はバッグを漁っている。一人はドキンが倒した。 一人は周囲を見張っている。最後の一人がドキンに拳銃をつきつけていた。 銃口には消音装置が装備されている。 「カレーが仕向けたのね」 答えるものはいない。 「ありました」 バッグを探っていた男がビデオを掲げた。 銃を持った男が、もう言っていいとドキンに手を振った。 ドキンがマンションのエントランスに入ろうとしたとき、 肩を強く握られ無理やり振り向かされた。 「ちょっと付き合って貰おうか」 ドキンが股間を蹴り上げた男だった。 「おい」 銃を持つ男がたしなめるが、そいつは聞く耳をもたない。 強引にどきんを引きずる先には、一台の乗用車が無断駐車されている。 車内に押し込まれて犯されるのだろう。銃の男の様子から判断する限り、 こいつらが受けた命令はビデオを回収するだけ。 既に命令は完了している。ここで叫び声をあげれば、逃げ出してくれるだろう。 そのドキンの心情を読んだかのように、タイミングよく男の手がドキンの口を塞いだ。 銃の男が指示すると、見張りについていた男が運転席に、 バッグを漁っていた男が助手席に乗り込んだ。 命令に背く男に向かって、銃の男がまあいいかと曖昧な笑みを返した瞬間、 ドキンはその場に崩れ落ちた。急に掴まれていた手を放されたのだ。
先ほどまでドキンを拘束していた男がうつ伏せに倒れる。 銃の男も倒れた。拳銃がドキンのそばに転がった。 ドキンは反射的にそれを掴んでいた。 異常事態に気がついた車内の男たちが飛び出した。 何か、黒い物体が車をのり越えるように過ぎ去る。 ふらふらと起き上がり、ドキンは周囲を見渡した。 四人の男が倒れている。なにがなんだか分からない。 ドキンちゃんは不意に肩を叩かれて驚いた。 「怪我はないか?」 包容力のある暖かい声だった。振り向いた先にいたのは、 「バ、バイキンマン!?」 「間に合ってよかった。それはおれが預かろう」 ドキンはバイキンに拳銃を渡した。 「その人たちは、死んでるの?」 「いや、気絶してるだけだ。だがあと少しおれが遅れていたら死んでいただろう」 控えめに広げられた逞しい腕の中にドキンちゃんは飛び込んでいた。 バイキンはドキンの頭を優しく撫でている。 「ここは危険だ。いったんおれの隠れ家へ避難していてもらう」 頷くドキンと共に、UFOに乗り込んだバイキンは夜空に消えた。 ジャムおじさんの愛称で親しまれる一人の男がいる。 菓子パン人間の父と呼ばれ尊敬される男だ。 パン一族保護法案を作り上げ、国会で可決されるまで、 彼一人の力で行なわれたといって大げさではない偉大な男だ。 法案はそれまで虐げられてきたパン一族を菓子パン人間と改め、 人間と変わらない社会的地位や人権を彼らにもたらした。 ジャムはその功績を認められ、ノーベル平和賞を受賞している。 都内の一等地に立つパンビル。地上50階の各階には、 菓子パン人間専用の病院、学校、裁判所などの各種施設が設置されている。 菓子パン人間たちが暮らす上で必要とされるすべてのものが、パンビルにある。 これを作り上げたのも、運営しているのもジャムおじさんだ。 最上階にある自分のオフィスに、ジャムは訪問者を通した。
「メロンパンナ。調子はどうだ」 「は、はい」 ジャムはゆっくりとした動作でメロンパンナに近付く。 メロンパンナはわずかに顔を俯かせている。頬には赤みがさしていた。 ジャムはメロンを正面から見下ろしていたが、おもむろに手を伸ばす。 「きゃぅん!」 平らな胸を無理やりにつかまれ、メロンパンナは思わず身をくねらせた。 乳首の位置を捜し求めて、ジャムの指が芋虫のように這いずり回っている。 「相変らず、いい感度をしておるの」 メロンパンナとロールパンナはジャムの性奴隷だった。 物心ついた時から育てていたためか、姉妹がジャムに刃向かった事は一度としてない。 ジャムはメロンパンナを床に転がすと、尻に跨りバックで犯し始めた。 ジャムがオフィスに呼び出すときは必ずセックスをする。 これが何年も続けば、オフィスに到着した時点で、秘部は愛液で濡れそぼっている。 己のペニスには自信があった。だが老齢には勝てない。 長々と前戯をしていては、それでもう疲れ切ってしまう。 呼べば濡れている、メロンとロールは便利な性玩具だったのだが…。 「い、いやです、食べながら…しないで、ください」 腰を振りながらジャムはメロンパンナの頭にかじり付いていた。 ロールがいなくなっても、メロンが残っていればそれでいい。 持て余すほどの精力など、とうに無くなってしまっていた。 いまやメロン一人残っていれば充分だった。 問題なのは、ロールが殺されたという事にある。なぜ殺されたのだろうか? 連続殺人だということも、気になるところだ。 ジャムはメロンの中に射精すると、ソファに深々と腰掛けた。 メロンは上半身を起こし、ジャムのペニスを口に含む。 口内に広がる生臭い匂い。それだけでメロンの子宮は疼き、 新たに溢れ出す愛液に押し流されるようにして、膣口から精液がボタボタと絨緞に零れ落ちた。 「姉さんの事件について、本当に何も知らんのか?」 メロンは鈴口を舌先でつつきながら頷いた。
「仕方ないの」 ジャムは受話器を取ると、ビル内にある学校の職員室に電話した。 「はい」 「みみ先生、元気にしておるかね」 「あらジャム校長先生。どうかなさいましたか?」 「うむ、ある調査を頼みたい」 「例の事件の事ですね。既にいくらかの調査が終えておりますので、 近日中にレポートを提出させていただきます」 「頼むぞ」 みみ先生の受け持つクラスは、昼に行なわれる通常授業のほかに、特別授業がある。 裏社会で生きる術を教える特別授業を受けた生徒は、世界中の犯罪組織に散っている。 他の学生に先立って卒業を迎えたカバオは、国内で最大規模の暴力団の組長になっていた。 卒業後、何の進路も取らなかった数人のエリートで、 ジャム直属の諜報機関JAMが組織されている。 機関を纏めているのは勿論みみ先生だ。 ジャムはJAMに命令を下した。すぐに事件の全貌があらわになるだろう。 組織が活動するには大金が必要だ。なるべく節約したかったのだが、この際しかたない。 問題がおきてからでは遅いのだ。 ジャムおじさんはメロンパンナの頭を一掴み千切ると、満足げに口に運んだ。 なんか無用に長くなってきた。それに、 どんどん本家アンパンマンからかけ離れていくがいいのか? スレタイは守るが主人公はバイキンマンになるかもしれん。 下ネタは多分今回で最後になる。レスしてくれた奴らサンクス。
554 :
名無し物書き@推敲中? :皇紀2665/04/01(金) 22:02:49
ラストでどう締めくくるのか…期待あげ
555 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/02(土) 15:09:18
AGE
「襲われた心当たりはあるのか?」 ばいきんUFOは窮屈だ。スペースの問題からドキンちゃんは バイキンマンの膝の上に座っていた。 「カレーマンの差し金よ、きっと」 「奴らはカバオ組の下部構成員に間違いない。ここら辺で使い捨ての下っ端に 拳銃を持たせられるほど余裕のある暴力団はカバオ組しかない」 「そう」 ドキンはカメラのことを思い出した。 「これのことか?」 急にそわそわしだしたドキンを見て、バイキンはメモリースティックを差し出した。 バイキンは黙ってそれをドキンに差し出す。 「訊かないの?」 「何をだ?」 「これの、中身とかよ」 「訊く必要はない」 「どうして」 バイキンは名刑事としてテレビ、雑誌などで過去に特集が組まれている。 ドラマ「それいけアンパンマン」では主人公に敵対する悪役としても活躍している。 もっとも出演しているのは本人ではなく、本人そっくりのCGだ。 「だって刑事じゃない。事件がおきたら捜査するのが仕事でしょ」 バイキンは嘆息し答える。 「刑事はやめた」 ドキンは驚いた。 「窓、開けてもいいか?」 「え、ええ」 バイキンが捜査レバーの横にあるボタンを押すと、UFOの上半分をカバーしているウインドウが開いた。 夜風がUFOの中に吹き込んで流れていく。 二人にはなびく髪の毛がなく、つるリとした頭皮が月を淡く映し出していた。 「おれは犯人を捕まえることが、残された家族や恋人に出来る一番の方法だと思っていた。
だがそれは違った。犯人なんて捕まえてもしょうがないんだ」 「それは違うと思う」 ドキンは食パンマンを殺した犯人が捕まらず自由を得ていて欲しいとは思わない。 「事件の最初の被害者を知っているか」 「ロールパンナでしょ」 それいけアンパンマンがデビュー作の女優の卵だった。 二面性のある役を見事にこなし、今後の活躍が注目されていた。 「彼女はおれのフィアンセイだった」 「え?」 「おれは彼女を失ってしった。犯人なんて捕まえてもしょうがない。 死んだ彼女が戻ってきさえすればいいんだ。そう思った。 それが一番の願いだ。だがそんなことは不可能だ。最前の方法が叶わない以上、 あとにどんな事をしようが、それは結局問題から目を逸らさせるだけだ」 「そんな、今まで沢山の人が貴方に感謝してきたと思います 自分がしてきた事を無駄だといって、その人たちの思いまで無駄にするんですか」 「これはおれだけの問題だ。他の誰も関係ない」 「貴方だけじゃない…」 ドキンの言葉にバイキンマンは胸が締め付けられるような不安感に襲われた。 「あたしも、いま起きている事件でフィアンセを殺されました」 ドキンは涙声で言った。二人は密着しているため、彼女のふるえがバイキンにも伝わっている。 「食パンマンか」 ドキンが頷いた。バイキンの不安が的中した。 「あたしは犯人を見つけ出したい」 「見つけて、どうするんだ?」 「いまは、分かりません」 「ならば、決めておけ。おれが必ず犯人を見つけてやる」 「でも、刑事は辞めたんじゃ」 「おれはおれ個人として犯人を見つけ出すために刑事を辞めたんだ。 この事件は、刑事としてでなく、おれ個人として向き合うために」 「貴方は、見つけたらどうするんですか?」 「さあな、おれも分からなくなったよ」 前方に、暗雲たちこめるバイキン城が見えていた。
食パンマンは自分が三日後に殺されるんじゃないかと少し思っていた。 仕事終りに共演者らとの飲み会が終り、 アンパンマンと二人、夜空を飛行中のことだった。 「いいんですか、こんな夜遅くなって」 「いいんですよ」 アンはしこたま酔っていた。 「もうすぐ撮影が終了しますね」 「あー」 「出演者が亡くなっていくのに、撮影がつづくとは驚きでした」 食パンマンの頬も赤いものの、アンほどは酔っていなかった。 「スポンサーがやれといえばやりますよ。みんなお金が第一ですからなー」 「アンパンマンさんは知り合いでしたか?」 「誰と?」 「なくなった方々とですよ」 「うーん、とくにいなかったな」 「ロールパンナとは、どうでした?」 アンの顔付きが変わった。 「回りくどいやり方は苦手なのでストレートに言わせて貰います ロールパンナを殺したのはアンパンマンさん、貴方でしょう」 「ど、どこに、そん…な根拠が」 アンパンマンの目が×印になっていた。わかりやすい顔である。 「ぼくは彼女から相談を受けていました。内容は貴方がしつこく迫って困るというものでした」 「わ、わたしは彼女に迫ってなどいない!!」 「分かっていますよ」 冷静さをかいたかに見えるアンを尻目に食パンは冷静そのものだ。 「ぼくは彼女が嘘をういていると思い、少し様子を見ていたんです。そして目撃してしまった」 しばし沈黙が二人を包んでいた。 「見られていたのか」 アンパンマンの目つきが鋭さを帯びた。もう×印ではない。 「自首してください」 食パンマンがそう言った瞬間、アンのマントが閃き、食パンマンは彼の姿を見失った。
「あれは事故だった」 アンの声がどこからともなく聞えた。食パンは周囲を見渡した。 「だ、だったらなおさ」 食パンマンは最後まで喋れなかった。 突然、正面に姿を見せたアンパンマンの拳を受けて吹っ飛んでしまった。 体制を立て直そうともがく食パン。だが体制を建て直し正面を向いた時には、 既にアンが背後に回りこんでおり、食パンは羽交い絞めにされた。 「ロールパンナはある人物に性的行為を強制されていた」 アンの腕が食パンの首に食い込んでいく。 「わたしはそれをやめさせようとしたんだ。だが彼女は怯えていた」 「や、やめて、ください」 「あれは事故だった。ある人物の影に怯えきっていた彼女は、 わたしが説得している最中に足を踏み外して転落した」 「やめてください!」 食パンマンは無我夢中で腕を伸ばし、アンパンマンの頭をむしり取った。 パワーが落ちたアンから食パンが逃れる。 「そしてそのあと、わたしは偽装工作をした」 「自首してください」 「それは出来ない」 「なぜですか? ロールパンナの事故死のあと起きた連続殺人事件に関わっているんですか?」 「無関係だ」 「だったら」 「自首するつもりならあの時にしていた」 「三日だけ待ちます。それまでに自首してください」 「その前にお前を殺す」 食パンマンは向かってくるアンパンマンに向かって 隠し持っていた水鉄砲の引き金を引いた。 「三日だけ、待っています」 そういい残し食パンマンは去っていった。 顔が濡れて力が出ないアンパンマンに、そのあとを追う力はなかった。
560 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/06(水) 08:00:11
応援あげ
561 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/09(土) 17:29:03
あげ
約束の三日後。食パンマンは駅前で待ち合わせをしていた。相手はアンパンマンだ。 警察へ自首しにいく約束だった。日付が変わる直後まで食パンは律儀に待っていた。 しかしアンパンマンはやってこず、代わりに電話が一本。 待ち合わせに遅れるが必ず行く、待っていてくれと。 食パンマンは信頼してまった。まったく良い人っぷりを発揮していたが、 この行動が彼を死に至らしめる。いつの時代も正直ものは損をするものだ。 駅には夕食漁りに出ていたホームレスが帰ってきていた。 食パンマンはそんな彼らにカップ酒を振舞った。彼らは喜んで礼をした。 彼らの誘いを断って、一人缶珈琲を飲んでいると、誰かの視線に気がついた。 アンパンマンだろうか?視線の主は光の当らない路地からこちらを見ている。 食パンマンは周りを見回した。アンパンマンなら隠れることは無い。 ふつうに飛んでくるはずだ。あれは誰だろう? 一人、あてがあった。先月まで自分を付回していた猟奇的な女性ファンだ。 心優しい食パンマンは極悪なストーキングを許し、 もうしないという口約束だけで示談した。まさか約束を破られたのかだろうか? 食パンマンは警戒しながら、暗闇に潜む人影に近付いていった。 あと数メートルにまで近付くと、人影は踵を返して駆け出した。 「おい、待て」 反射的に食パンマンは追いかけて路地裏に入った。角に消えた相手を追って自分も曲がる。 曲がった先に、人影はなかった。上空に飛び上がって見下ろそうとした。 しかしこれは失敗だった。相手はすぐそばの物陰に潜んでいたのだ。 上を見上げた食パンマンは強烈なタックルを受けて倒れこんだ。 「だ、誰だ!」 あまりに相手の動きは素早く、食パンマンに見えたのは黒いシルエットだけ。 女性の力で、鍛え上げられたラグビー選手のようなタックルはできない。 襲い掛かってきたのは男だ。これまでの人生で他人から怨みをかった事はない。 今度のことだって、自分に出来ることは…そこまで考えて食パンマンは凍りついた。 まさか信じたくは無いのだが。まさか、食パンマンの瞳から涙がこぼれた。
相手がそうであったのなら、それは仕方がない。誰だって逮捕なんかされたくないのだ。 だが信じた自分の心はどうなんだ? ただ踏みにじられただけだのか? 馬鹿正直に信じた、自分が愚かだったというのか? 食パンマンの頭をそんな思いの数々が駆け巡った。 「やめて、やめてください」 馬乗りになった相手の強烈なパンチを見舞われながら、食パンマンは抗議した。 だが止まらない。どんどん意識が遠のいていく。 「アンパンマンさん! 自首する約束だったじゃないですか!」 そう叫んだとき、相手の動きが止まった。やはり、やはりそうなのか。 食パンマンはそのスキに水鉄砲を取り出すと相手の顔面に向かって発射した。 ピュッピュッ 相手は真正面から受け止めた。食パンマンは助かったと安堵した。 しかし現実がその思いを裏切った。 銃を握っていた手がつかまれ、もの凄い力で銃口が逆の方向に曲けられる。 そんな馬鹿な!? 確実に命中したのに!? 超高圧力で噴出される特性の水鉄砲だ。前回使ったものとは違う。 たとえマスクを被っていても貫通するはずだ。 驚愕する食パンマンの顔面に、水鉄砲が発射される。次々と発射される。 力の抜けた食パンマンの両腕がだらりと垂れた。全身が麻痺したように動かない。 黒い男は立ち上がると、食パンマンの胸を踏み潰した。 「うがぁはっ!」 肋骨が折れ、肺に突き刺さる。足が動かされるたびに、強烈な痛みが食パンマンを襲う。 だがそんな痛みにも疑問が優った。なぜだ!? なぜ水鉄砲が通用しなかった? 相手は脚、腕と食パンマンの四肢を順番に砕いた。万力のような力でへし折った。 もう指一本さえ動かせない。いま何時だろうか。ドキンちゃんは何をしているのだろう。 食パンマンが最後に思うこと。それは婚約者と、そのお腹の中にいる子供のことだった。 ぼくには婚約者がいた。もし、その人に会ったなら伝えてくれ。ぼくは幸せだったと。お腹の子供をよろしくと。 吐血しながら、うわ言のように食パンマンは言った。 胸倉を掴みあげられ、顔面を殴られた。ふやけていた頭が散った。食パンマンは絶命した。 「覚えておこう」 そう言って、男は去っていった。
564 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/12(火) 01:52:29
続き早めにお願いします。
565 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/12(火) 10:53:42
応援あげ
アンパンマンは黒尽くめの格好で待ち合わせ場所へと向かっていた。 水鉄砲対策に、パーティ用のマスクをかぶっていた。食パンマンを殺すつもりだった。 しかし、駅前には誰もいなかった。なぜだ? なぜ待っていない? 食パンマンは警察に一人でいってしまったのだろうか。 律儀な彼のことだ。そんな真似はしないと思っていた。 だが悪いのは自分だ。文句の言える立場じゃない。 これなら変な画策をせずに、正直に自首していればよかった。 バタ子にはつらく当り、一時の思いで食パンマンを殺そうとした自分を悔いた。 アンパンマンはマスクを捨てると、駅前をうろついた。 もしかしたら、食パンマンが待っているかもしれないと思ったのだ。 だが、彼に出会う事はなかった。いまからでも遅くない。警察に行こう。 そう思ったとき、一人のホームレスがアンパンマンに話しかけた。 「あんたあの人と待ち合わせていたのかい?」 「あの人って」 アンパンマンはとりあえずききかえした。 「食パンマンだよ。あんたドラマで共演してるんだろ。それで」 「あの人はどこへ行ったんです!」 「なんだ? 血相かえて。さっきまでそこら辺をうろついてたが、何分前だったたか、 あそこの路地へ入ったきり出てきたとこは見てないよ」 問題の路地へ入って暫く進むと、凄惨な殺人現場がそこにはあった。 食パンマンは殺されていた。手足が奇妙な方向を向いて曲がっている。 頭が血とともに、そこら中に飛散していた。 アンパンマンはその一つ、食パンマンの耳をつまむとポケットに入れた。 食パンマンを殺してしまったのは自分だ。もちろん直接殺したわけじゃない。 だがこの場所で待たせていたのは自分だ。責任は絶対にあるのだ。 犯人をみつけよう。みつけて奴にこの耳を突きつける。そして自首しよう。約束を果す。 アンパンマンは誓った。いまは亡き食パンマンに。
すぐにこの場を立ち去ろうとしたアンパンマンは足を止めた。 死体が倒れている場所とは違うが、明らかに文字のようなものが血で地面に書かれていた。 食パンマンが遺したダイイングメッセージだった。 アンパンマンはしゃがんでそれを読み取ると、拾った耳を取り出し、押し付けて血文字を食パンの耳に写した。 かすれてはいるが、判読できないほどではなかった。アンパンマンはそれを丁寧に仕舞うと、 道路の文字を消してわからないようにした。 これで犯人は分かった。あとはこの手で捕まえるだけだ。証拠もある。 だが出来るだろうか。アンパンマンは不安だった。一人では勝てない相手だったのだ。 翌朝、アンパンマンは何も知らないような顔をしてスタジオ入りしたが、 誰一人として自分を疑うそぶりを見せるものはいなかった。 事件に関係していることに気がつき、疑っている様子もみられなかった。 ひとまずは安心だ。なにせ逮捕される訳にはいかない。自首でなければならない。 だがいつ警察に踏み込まれないとも知れない。自宅には帰れない。 食パンマンが文書のようなものを残しているかもしれないのだ。 その日、アンパンマンはホテルに部屋をとった。 早朝。ドアがノックされた。 どんどん激しくなるドアのノック。 「警察だ。開けなさい。いるのはわかっているんだ」 声がドアの向こうから聞えた。 やはり食パンマンは何かを残していた。だが捕まるわけにはいかないのだ。 アンパンマンはそっと窓をのぞいた。パトカーは一台も見当たらない。 「なんですか?」 ドアを開けると、スーツ姿のやきそばパンマンとハンバーガーキッドがいた。 「アンパンマンだな」
アンが頷く。二人は形式どおりの挨拶を終えると、二日前のアリバイを訊ねてきた。 「夜は寝ていましたが」 「奥さんと一緒に?」 「ええ」 「ずっとですか?」 「はい」 アンの答えに、二人が顔を見合わせた。 「おかしいな。午前2時ごろに○○駅前で貴方の姿が目撃したうえに、会話までした人物がいるんですがね」 アンパンマンはまいったという風に笑った。 「わかりました。場所を変えてお話します。着替えたいので待っていてもらえますか」 「いいだろう」 ドアを閉めようとすると、やきそばパンマンがドアを掴んだ。 「おれは中で待たせてもらうよ。飛んで逃げられちゃ敵わないんでね」 もっともな発言だ。 アンパンマンは思う。恐らく目撃した人物というのはあの浮浪者だ。 食パンマンが何か遺していたなら、問答無用で連行されていたはず。 どうやらまだ決定的な証拠を握られてはいないらしい。 この場は大人しくしていれば言い逃れられるだろう。だがどうする。 多少時間のズレはあるものの、殺害現場に居合わせていたのは紛れも無い事実。 うまい嘘を突き通せるか自信が無い。 アンパンマンは窓の前に立ち睨んでいる、やきそばパンマンを一瞥した。 みたところ武器は持っていないようだ。だがどこかに隠し持っているかもしれない。 部屋の前にも刑事が一人いる。二人以外にも監視している刑事がいるのだろうか。 犯人が出向いてくれれば丁度よかったのだが。仕方がない。 アンパンマンは荒っぽい手段をとることにした。 出るふりをしてドアを開け、立って待っていたハンバーガーキッドの顔面を殴った。 「貴様!」 やきそばパンマンがホルスターから拳銃を抜いて構える。 しかし即座にしゃがんだアンパンマンの強烈な足払いで倒れこむ。 アンパンマンはやきそばの拳銃を奪い取ると、弾を抜き取った。
「ぼくは犯人じゃありません」 そういい残し、アンパンマンは部屋に戻り、窓に向かって走った。 「と、止まれ!」 すぐに回復したハンバーガーキッドが銃を構える。 止まるわけがないアンパンマン。 ハンバーガーは躊躇わず発砲した。いまを逃したらチャンスはない。自慢の早撃ちで全弾撃ちつくした。 だが、狙いが甘かった。撃ちつくされた弾のどれもが、アンパンマンが飛び去る事を妨害できなかった。 「この下手糞が!!」 悪態をつきながら、やきそばパンマンは予備の銃を取り出して撃った。 もうすでに飛びたったあとなうえ、確実に狙いをつけたために一発撃つのが限界だった。 銃弾は命中し、アンパンマンの頭が大きく欠けるのが二人に見えた。 しかし、構わずに飛び去っていくアンパンマン。 スピードは鈍くとも、飛び立たれてはお仕舞いだった。二人はすぐさま緊急配備を要請した。 バイキンマンが隠れ家でドキンちゃんと情事に耽っていると、同僚だったハンバーガーから電話がきた。 「おい、いつまでサボってる気だ?」 「おれは辞めたんだよ」 「ばかやろう。あんなやり方で辞められるわけないだろ。早く戻って来い。お前がいないと捜査の指揮が落ちるんだよ。まあ、今回の件に関しちゃもう踏み込むだけだがな」 「どういうことだ?」 「ああホシはアンパンマンだった。ちょっと事情聴取にいったらすぐにぼろを出しやがった。マスコミには緘口令を敷いていま秘密裏に動いてる。捕まえてみて万が一違ったら、面目が潰れるどころじゃないからな」 「それで踏み込むだけってのは」 「やつはいま郊外の×山に逃げ込んでる。警察が山を取り囲むようにして包囲網をしいた。飛んで逃げようものなら狙撃銃で撃ち落す。逃げ場は無い」
「おれもすぐに行く」 電話を切ろうとした気配が伝わったのか、ハンバーガーが慌てて言った。 「彼女のことは残念だったな」 「気にしてないさ」 身支度を整えはじめたバイキンマンを見てドキンちゃんが起き上がった。 「どうしたの?」 「出かけるぞ。犯人が見付った」 バタ子は一人悩んでいた。今朝、瀕死の夫を見てからずっと考えていた。 そして決心した。警察へいくのだ。言って捜索願を出そう。 必ず見つけ出す。そうしたら二人で誰も見知らぬ土地でまたやりなおすのだ。 テレビを消そうと、リモコンを手に取った時、ちょうど画面が切り替った。 「ただいま番組の途中ですが緊急特別番組を放送いたします。 連続殺人犯を警察が×山に逃げ込んだとの情報が入りました。 中継のカビルンルンさん」 郊外にある山だ。ヘリコプターから撮影されている。 恐れることを知らないテレビ局が暴挙に出たのだった。 ヘリの下、山のふもとに設置された捜査本部から、拡声器ですぐに撮影をやめ引き上げるよう警告が発せられている。 バタ子は直感で判断した。あそこに夫がいると。 バタ子は急いでパン生地を練りオーブンの扉を開いた。 真っ赤な炎がバタ子の顔を染めた。
アンパンマンは×山の中腹にある山小屋にひそんでいた。 二人の刑事を振り切り、その足でパンの耳をとりに家へ戻った。 最初はバタ子の留守に入り、会わないでおこうと思っていた。 しかし、これが最後になるかもしれないと思うと、会わずに入られなかった。 パンの耳はなぜか引き千切られており、証拠物件には使えそうも無かった。 だがバタ子との関係がいまだ冷め切っていないことを知った。 いまならまだやり直せる。アンパンマンはそう確信した。 この修羅場を潜り抜けて、バタ子と遠い異国へ旅立つ。そこでやり直すのだ。 食パンマンには悪いと思う。バタ子に会って、あっさりと決心が鈍った自分が弱いと思う。 罪を犯した事は確かだ。死体を冒涜した。しかし、人殺しをしたわけではないのだ。 真犯人を暴けば、許してくれるはずだ。殺された罪も無い人たちの無念を晴らす。 所詮は自己満足だという事も分かっている。自分の罪を償わないで、何様だという事も。 それでもアンパンマンには守るべき人がいた。彼女のために、生まれ変わるのだ。 アンパンマンはコンビニで買ったアンパンを取り出した。 中身の餡子を取り出して、かけた頭に盛り付ける。その表面に余ったパンを貼り付けた。 全開ではないものの、これで少しはまともな動きが出来る。 アンパンマンは山小屋から出ると、トラップを仕掛けた。なんとしても逃げるのだ。 山のふもとの捜査本部。 「ハンバーガー刑事、未確認飛行物体が山に近付いています」 「なに」 ハンバーガーキッドは空を見上げた。バイキンUFOだと分かった。 「あの野郎いまごろのこのこと。よし、警察犬レアチーズが到着次第こちらも一斉に行動を開始する」 着陸したUFOからドキンちゃんとバイキンマンが山に降り立った。 バイキンマンは腰に日本刀と拳銃を装備し、手にはショットガンを持っている。 「ここに、犯人がいるの?」 ドキンちゃんが不安げに言った。 「そうだ。これを持て」 バイキンマンは大型のナイフをドキンちゃんに放った。 おっかなびっくりドキンちゃんが受取った。
「こんなもの要らないわ。あなたが守ってくれるんでしょう」 ドキンちゃんはバイキンマンに惚れており、絶対的な信頼をおいていた。 同じ境遇を経験しているのだ。きっと分かり合えると思った。 「そうだ。お前たちはおれが守る」 「え」 バイキンマンの言葉に、ドキンちゃんは混乱した。 お前たちというのは、自分とお腹の子供のことを指している。間違いない。 なぜバイキンマンが知っているのだろう? 「どうして知ってるの?」 カレーや知っている人は少なからずいた。きっとそこから聞いたに違いない。 「食パンマンから聞いた」 希望が無残に打ち砕かれた。ドキンは残された可能性にすがった。 「でも見付ったときには死んでいたって」 「おれが殺した」 バイキンマンの言葉に、ドキンちゃんは地面が傾いたかのような錯覚に陥った。 「そんな、どうして」 バイキンマンは無言でドキンちゃんに背中を向けた。 「さあ、好きにしろ」 ドキンはナイフをみつめた。気がつくと、それをバイキンマンの背中に突き刺していた。 「あ、あ」 ナイフと皮膚のすき間から滲み出る血。ドキンがナイフから手を放した。 犯人への怨みと、バイキンマンへの恋心とに混乱し、ドキンちゃんが泣き崩れる。 「もしおれが生きて帰ってきて、きみが許してくれるなら、結婚してくれ」 重症を負いながらも、山林に消えていくバイキンマンが最後に言った。 「あの台詞を頼む」 バイキンマンの姿が見えなくなった。 溢れ出る涙を両手で拭いながら、ドキンちゃんが立ち上がる。 「助けてーアンパンマーン!!」 ドキンちゃんの涙声が山中に響き渡った。
「レアチーズが到着しました」 「よし行くぞ!!」 おおーと号令が木霊する捜査本部。が、一同がどよめきに包まれた。 「どうした?」 振り返ると、一台のトラックが猛進してくるのが見えた。 「おい、一般車両は立ち入り禁止だ! 止まれ!!」 数人の警官が進行方向に立ち停止をうながしたものの、ひき殺された。 「あのトラックを止めろ!!」 一斉に銃が抜き放たれる。複数の銃声が重なった。 フロンドガラスが割れ、タイヤを打ち抜かれたトラックがコントロールを失った。 車体を傾けながら捜査本部だった仮説テントに突っ込む。 「た、退避しろー!」 トラックが爆破炎上し、山に火の手が伸びた。あっと言う間に燃え広がった。 場が一気に混乱した。そのスキに、バックパックを背負ったバタ子さんが山に入った。 作戦の第一段階は成功したようだ。トラックのパワーなら検問突破は難しくない。 だがその先に待っている警官隊には敵わない。タイヤを撃たれて横転するのは分かりきっている。 だからこそ、バタ子はそこに好機を見出した。 案の定、トラックは横転した。トラックには炸薬が満載されていた。 横転のショックで爆発し、炎がばら撒かれ山は火事になる。 そして沢山の消防隊員が駆けつける。バタ子は予め消防服を装着しており、もう一着持っていた。 アンパンマンを助けたら、消防服を着せて二人で下山する。 混乱した現場で二人を怪しむ余裕のある者はいないだろう。完璧な作戦だ。 しかし、トラックから飛び降りるタイミングがあと一歩遅かったら死んでいた。 だが何とか生きている。絶対に何とかしてみせる。バタ子は死に物狂いだった。 助けを求める悲鳴に、隠れていたアンパンマンがビクリと反応した。草木が揺れる。 「そこか」 声の方向へアンパンマンが顔を向けた。散弾銃を構えるバイキンマンの姿があった。 「やめるんだバイキンマン」 「なにをこしゃくなアンパンマン」
574 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/14(木) 20:58:48
応援あげ
散弾銃が火をふいた。草木が弾け、削り取られた木の皮があちこちに散る。 距離が離れていたことと、バイキンマンの動きが鈍かったお陰で、アンパンマンはかろうじてよけた。 「お前が連続殺人犯だったんだな。バイキンマン」 アンパンマンが樹木の陰に隠れながら叫ぶ。思ったより力が出ない。 「なぜロールパンナを殺した。アンパンマン」 「殺していない」 「嘘をつけ!」 背にしていた樹木が砕け散り、木の焦げるいやな臭いが漂う。 「お前に人のことをいう資格はないぞ、バイキンマン!」 アンパンマンはさっと樹木の陰から跳びだす。 「おれはロールパンナを愛していたんだ!」 前転しながら、アンパンマンが散弾銃をかわし、新たな樹木の陰に隠れた。 かわしきれず、足に何発が鉛玉が食い込んでいた。 「それが理由か」 バイキンマンが丸腰のアンパンマンへとゆっくりと近付いてくる。その顔は汗だくだ。 バイキンマンはロールパンナが他殺体出ないと分かっていた。 事故死だとすれば、殺人罪は適用できない可能性がある。大した罪にはならないと、犯人が自首してくるかもしれない。 それでは駄目だ。バイキンマンは自らの手で復讐するこに決めていた。そのために、 新たな犠牲者を自ら生み出した。そして刑事である立場を利用し連続殺人事件に仕立て上げた。 これで犯人の自首を躊躇わせた。そして、食パンマンの妙な動きに気付いた。 襲ってみれば、犯人の名前を吐いた。 「お前はここでおれが殺す。そしてアンパンマン、お前が連続殺人事件の犯人になるんだ!」 バイキンマンが回り込んで、アンパンマンに銃口を向けた。 「お前の悪巧みは失敗する」 「なにお!」 「ただ逃げているだけだと思ったのか」 踏み込んだバイキンマンの足が、細く透明な糸をぷっつりと切断していた。 たわめられていた木の枝が解き放たれ、勢いよく振られる。
「なっ!」 とっさに避けようとしたが、背中の傷が疼いて足が動かなかった。 見事に枝がバイキンマンに直撃する。衝撃で散弾銃を落とす。 アンパンマンが落ちた散弾銃を遠くに蹴り飛ばし、バイキンマンに飛び掛った。 二人はもつれながら斜面を転がった。 転がる度に、バイキンマンの背中に刺さったままのナイフがより深く刺さり、傷口をえぐる。 木の幹にぶち当り、二人が止まる。バイキンマンが上、その下にアンパンマンという体制。 バイキンマンは拳銃をぬき、アンパンマンに突きつける。 「これまでだな。アンパンマン」 引き金を引こうとしたバイキンマンの動きが止まる。痛みで一瞬の間、気を失っていたのだ。 傷のことなど知らないアンパンマンはチャンスとばかりに膝を折り曲げ、 二人の間に割り込ませると、バイキンマンを蹴り飛ばした。 蹴り飛ばされる寸前、バイキンマンが正気を取り戻す。 鳴り響く銃声。 蹴り飛ばされたバイキンマンは背中の痛みで起き上がれない。 弾丸が頭の片隅に命中したアンパンマンもまた動けなかった。直撃はしていない。 なんとか命は取り留めている。しかしここで無理に動けば、頭が崩れ死んでしまう。 ゆっくりとだが、バイキンマンが立ち上がろうとしている。 アンパンマンがピンチになった時、当然の如く響き渡る声があった。 「アンパンマーン!! 新しい顔よー!!」 消防服を着たバタ子さんが、斜面を駆け上ってくる。 「バタ子、来るんじゃない!」 叫ぶもののアンパンマンは動けない。 「そうはさせるか!!」 膝立ちのバイキンマンが銃を向ける。 バタ子が新しい顔を見事な動きでスローインする。 同時にバイキンマンも撃つ。 華麗な放物線を描いて飛んでくる新しい顔は、銃弾をかいくぐってアンパンマンに見事に受け止められた。 「元気100倍!アンパンマン!」
完全回復したアンパンマンがバイキンマンに向かっていく。 バイキンマンは銃を捨てると、日本刀を構えた。 「ア〜ンパ〜ンチ!」 バイキンマンの日本刀が空振り、アンパンマンの右ストレートがバイキンマンの頬へ吸い込まれるようにしてヒットした。 吹っ飛んで、木の幹に激突するバイキンマン。幹に押し込まれ、背中のナイフが柄まで、傷口に呑み込まれた。 刃先が貫通して、お腹の皮膚を突き破って出る。血を吐いて倒れこむバイキンマン。 ふもとからあがった火の手が、すぐそこまで迫ってきていた。煙がもうもうと立ちのぼってくる。 「はやく逃げないと危険だ」 アンパンマンがバタ子のもとへと駆け下りる。 まず謝るんだ。そう思い抱きしめたバタ子の身体がおかしい。 「バタ子?」 バタ子は眉間を撃たれて死んでいた。 「そんな!」 あの時、バイキンマンが狙ったのは新しい顔ではなく、バタ子だったのだ。 「バタ子――!!」 悲鳴に隠れるように、銃声が響いた。アンパンマンの新しくなったばかりの頭の一部が散った。まぐれ当りだった。 バチバチと燃えて爆ぜる木々。白煙に包み込まれ、発砲した者の姿が見えない。 死んだバタ子を抱いたまま、アンパンマンが倒れた。 ザッザッザッと、煙の中から現れたドキンちゃんが斜面を駆け下りる。 拾ってきた散弾銃の銃口を、ドキンちゃんはアンパンマンの頭に押し付けた。 「運がなかったわね」 「バタ子…」 引き金がひかれ、飛び出した散弾がアンパンマンの頭をバラバラに吹き飛ばした。 悲惨したアンコが、血液より黒く、血液より重く地面に落ちて動かない。 アンパンマンは死んだ。 ドキンが離れると二人の死体が火の手に呑み込まれた。
散弾銃を放り捨て、斜面を急いで駆けあがるドキンちゃん。 「バイキンマン!!」 ドキンちゃんはバイキンマンを持ち上げると背中に担いだ。まだ息がある。 しかし重い。だがこんな事で負けるわけには行かない。 下からは、燃え盛る業火が迫り来る。残された時間は少なかった。 ゆっくりとだが、確実に這い上がっていく。 バイキンUFOに早くたどり着くのだ。そうすればこの地獄を脱出できる。 燃え盛る炎がUFOを包み込むその時まで、残された時間と命はあまりにも果敢ない。 火よりも赤いドキンちゃんが、闇より黒いバイキンマンを担いで登っていく。 白煙と陽炎のむこうに、バイキンUFOが見えてきた。あともう少しと、踏み出した足が滑る。 バイキンマンの重みを支えきれず、ドキンちゃんはころんだ。 狭い背中から滑るようにバイキンマンが落ちていく。 もう、すぐそこにまで火の手が迫っている。ここで落ちたら助からない。 落ちていくバイキンマンに向かって、ドキンちゃんが必死に手を伸ばす。 その手が、バイキンマンの手首を掴んだ。しかし、自重のないドキンちゃんは踏ん張れない。 慌てて、何か支えになるものを探し、地面から顔を出している石を掴んだ。 「力をかして。あたしの可愛い赤ちゃん」 落下は止まったものの、これ以上動こうとすれば二人とも落ちてしまう。 「お願いだから力をかして…パパを助けるのよ」 か細い腕が震える。もう駄目なのだろうか。ドキンちゃんの目尻からポロポロと涙が零れ落ちた。 零れ落ちた先、涙の粒がバイキンマンの頬で弾ける。 ずっと閉じたままだった、バイキンマンの目が開いた。
バイキンマンの重みが減り、突然軽くなった。 「おれが少しだけ飛べるってこと、知ってたか?」 バイキンマンの顔色は酷く悪いが、その顔は安らぎに包まれていた。 「ばか」 軽くなったバイキンマンを引き上げ、背負いなおす。 ドキンちゃんがまた一歩、バイキンUFOに向かって踏み出した。 おわり
何かが体を貫いた。それがバイキンマンの銛だとアンパンマンはやっと気付く。 「終わりだよ…、アンパンマン」 アンパンマンは立ち上がろうとした、まだ負ける訳にはいかないのだ。だが体には全く力が入らなかった。 「僕は…、死ぬのか?」 ああ、とバイキンマンは悲しそうに言い、顔を伏せた。 腹からはとめどなく血が流れ出ている、痛みは無かった。不思議と恐怖も無い。 アンパンマンはバイキンマンが震えているのに気付いた。 「泣くなよ…」とアンパンマンは言った。バイキンマンが鼻をすすり上げる。 「泣くくらいなら最初から殺すなって」と言い、ちょっと笑ってみる。バイキンマンも泣きながら笑った。 ふいに強烈な眠気が襲ってきた、自分を叱咤し、目を開け続ける。瞼を閉じればそこには死が待っている。 「バイキンマン、そこにいるかい?」 いるよ、と言ってバイキンマンはアンパンマンの手を握った、暖かかった。 「良かった」 「怖いのか?」 「怖くはない、…なんだか寂しくんだ」 また眠気が襲ってきた。抗わず、瞼を閉じる。 体が一瞬浮いた様な感じになる。 じゃあな、親友。 呟いた。 声になったかどうかは分からなかった。
581 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/16(土) 18:51:00
結局どれが優秀作品だ?
583 :
名無し物書き@推敲中? :2005/04/21(木) 21:33:13
age
アナタは知っているだろうか? どれだけ痛めつけられても、頭を取り替えることによって全回復。 その不滅の肉体に、愛と勇気をスローガンに悪を砕く男を。 これは、そんな男――アンパンマンの物語である。 第一章 アンパンマン生誕編 とある産婦人科医院の分娩室。 「まずい、頭と足が逆さまだ!」 「ここは帝王切開で」 「駄目だ!いまさら遅い!こうなったら力尽くで引きずり出す」 「そんな、それこそ生まれてくる赤ちゃんの命に関わります!!」 医師は看護婦の制止に耳を貸さず、尿道から飛び出た赤ん坊の頭を掴んだ。 「すぐに新しい顔の用意を!!」 医師の言葉に、一人の看護婦が急いで駆け出す。 「わ、わしの子供は、大丈夫、なの、か?」 「助けて見せます!」 苦しげなジャムおじさんの問いかけに、医師は自分に言い聞かせるように言った。 数分後…… べチャべチャっと音を立てて、一匹の赤ん坊が世に生を受けた。 「う、生まれたのか…」 台に横たわり、大股開きの格好をしていたジャムおじさんが呟いた。 「やったわね」 その傍らに立つ、バタコが歓声をあげた。 「立派な男の子ですよ」 勢いあまって床に落ちた赤ん坊を、ゴム手袋越しに摘み上げた看護婦が言った。 「新し顔を早く」 アンコまみれになったゴム手袋を外しながら、医師が落ち着いた声でいった。 アンパンマンは頭のない状態でジャムおじさんの尿道からひねり出された。 頭がないのは、医師が引き抜く最中に力を入れすぎて、潰してしまったからだ。 しかし心配は無用。ここは充分な設備が整っている。設備の中には、ちゃんとパンを焼くカマも含まれていた。 すぐに焼きたての顔が届けられ、新しい顔でアンパンマンが産声を上げた。 「元気100倍アンパンマン!!」
585 :
名無し物書き@推敲中? :2005/05/22(日) 22:01:42
579 タイトルがエヴァ?
586 :
雨李 ◆TAPQNXfTD6 :2005/05/22(日) 22:29:33
んなタイトルあったっけ?
記念パピポ ゴメンなサィ
五年に渡る長寿スレだな
589 :
525 :2005/07/19(火) 02:11:41
>>585 遅レスだが
エヴァのタイトルで合ってる
企画段階で予定されていたタイトルを話しにあわせてもじった
>566から全部そう
新しいの読みたい?
590 :
名無し物書き@推敲中? :2005/07/19(火) 03:44:49
優秀作品を決めよう
誰かいる?
いる。
死の淵から(・∀・)ノ
A・)ノ
596 :
エロ君 :2005/09/20(火) 13:16:51
アンパンマンは、工場の屋根で立ちすくんでいた。あたりは闇に包まれている。 工場の周りには、それぞれ武器を持ったかびるんるん達が、アンパンマンをやっつけようと身構えている。 ばいきんまんは、まだ見えない。遠くの方から聞こえる叫び声が、この世の終わりを感じさせていた。 いつもとは違う。アンパンマンは、深く目を閉じた。 いつもなら――いつもなら、ばいきんまんが誰かを騙し、 アンパンマンを襲わせる。それを無事解決し、ばいきんまんに“アンパンチ”を入れる。 ばいきんまんは、「ばいばいきーん」と叫び、自分の家に戻り、終わる。ただ、それの繰り返し。 あぁ、途中でバタコさんが顔を投げて「元気百倍!」とか叫ぶ。全てが想い出。今思えば、楽しかった思い出。 「アンパンマン」 誰かの声が聞こえた。アンパンマンは、声のする方へと振り向く。 「食パンマン、やっと来たんだね」 食パンマンが、大量のかびるんるんを掻き分けながら、工場の下まで歩いて来た。 「最後に言いたいことは?」 食パンマンが、不敵な笑いを口に浮かべながら、アンパンマンを見る。 「何も――無いよ。早くやってくれ」 「あらぁ?」 食パンマンが、にやりと笑う。それは、食パンマンがするはずの無い気持ち悪い笑い方であった。 「“あの”アンパンマンが、もう諦めたんですか?」 「どうして……」 アンパンマンが、悲しい表情で食パンマンを見つめる。拳は、音が出るほど握り締められている。 「どうしてこんな事になったんだい?」 「それは――そうだね。君のせいですよ」 「僕の、せい?」
597 :
名無し物書き@推敲中? :2005/09/20(火) 20:13:37
うはwwwwまだあったのかwwww いいスレだよな。
598 :
名無し物書き@推敲中? :2005/09/22(木) 10:54:33
パンツ
599 :
名無し物書き@推敲中? :2005/09/25(日) 15:51:27
くさいお
600ずざあああああああ
601 :
名無し物書き@推敲中? :2005/09/26(月) 12:43:27
unnkoooooooooooooooooooooooooo
602 :
名無し物書き@推敲中? :2005/09/28(水) 13:35:03
ぶりぶりぶりー
603 :
名無し物書き@推敲中? :2005/09/28(水) 22:38:48
うほっ
とりあえず記念sage
605 :
名無し物書き@推敲中? :2005/10/11(火) 10:34:18
agetocouka
<per>33 ペアー
わっからっないーもうなんにもーどーしたらいいのかわっからっないー
記念あげ
記念さげ
記念ほしゅ
ほす♪
612 :
名無し物書き@推敲中? :2005/12/07(水) 01:55:05
長寿age
長寿sage
614 :
名無し物書き@推敲中? :2005/12/28(水) 16:30:45
615 :
名無し物書き@推敲中? :2005/12/31(土) 19:41:44
賽銭五郎も糞だと思うぞ
617 :
名無し物書き@推敲中? :2006/01/06(金) 15:34:31
___ / \ / ∧ ∧ \ | ・ ・ | | )●( | \ ー ノ \____/
618 :
名無し物書き@推敲中? :2006/01/06(金) 15:42:44
619 :
七誌の権兵衛 :2006/01/07(土) 09:53:09
kietaasdamadenonndenaita
・・・いんちんしゅしゅ
621 :
名無し物書き@推敲中? :2006/02/14(火) 15:41:20
長寿スレage
長寿スレsage
623 :
名無し物書き@推敲中? :2006/02/16(木) 16:34:27
ぷげらっちょ
てかなんでアンパンマンはレイプされてんお?
625 :
名無し物書き@推敲中? :2006/03/18(土) 17:10:11
すげえ!このスレまだある!!!
|ー`)マターリ
記念。
628 :
名無し物書き@推敲中? :2006/04/13(木) 19:37:53
アソパソマソ
約2年ぶりにこの板に来た。
既に使い古された表現だが、「まだこのスレがあったのかと驚きを隠せない」。
>>525 の作品は素晴らしかった。
しかし、ひとつだけ疑問が残る。どうでも良いことかもしれないが、2人目の被害者は誰だったのだろう?
630 :
名無し物書き@推敲中? :2006/05/03(水) 05:10:22
それが書き込まれてからもう一年も経ってるんだな。
631 :
名無しだゴルァ・д・ :2006/05/22(月) 02:02:39
バイキンマンが笑った。 細く、柔らかに・・・微笑んだというほうが正しいかもしれない。 「もう会うこともないだろう。」 いつになく穏やかでゆったりとした口調がやけに僕を不安にさせた。 どう反応してよいものか、僕の口からなかなか言葉が出てこない。 「バイキンマ・・・」 「さよならなのだ。」 僕がうまくつむぐ前に彼は背を向けた。 向かう先は眩い光。 「どこへ行くんだ」 声が震えた。 「どうして行くんだ」 さっきよりも声が大きくなる。 「まだ戦いは終わってはいないじゃないか!!」 この声が背を向けた彼に届かないはずはない。 だが彼はこちらを向いてはくれないのだ。 どれだけ罵詈雑言をぶつけようとも振り返ってなどくれはしない。 光の中にバイキンマンの姿が完全に見えなくなる。
632 :
名無しだゴルァ・д・ :2006/05/22(月) 02:03:56
「バイキンマンッッッ!!!」 温かいパンの匂いがする。 この目覚めの悪さはカーテンの隙間から顔をのぞかせる朝日には到底知る由もないものだ。 「アンパンマン?入るわよ。」 情けない僕の声にバタ子さんが不安そうに部屋の扉を開けた。 「・・・?辛そうな顔してるけど、悪い夢でも見たの?」 悪い夢。そう、悪い夢であってほしい。 そう思うのは正義のヒーローとしてふさわしくない事だ。 「ちょっとね・・・。」 自分の隠れた願望に愕然としながらバタ子さんの問いをあいまいに流す。 バタ子さんもそれ以上追及することはなく少し苦笑して部屋を出て行った。 「本当にただの夢だろうか・・・?」 独りつぶやいた軽い言葉に重い不安が圧し掛かる。 どうして不安になる事があろうか。悪の根源が絶たれてしまうというのに。 喜ばしいことであるだろうに僕は・・・。 そしてそれは不意に脳裏によぎった。 もしバイキンマンがいなくなってしまったら・・・僕は一体どうなる? 今まで考えることすらなかったことだ。 バイキンマンがいるからこそ僕は存在しているんじゃないのか? 「僕はバイキンマンによって生かされているんじゃないのか?」
633 :
名無しだゴルァ・д・ :2006/05/22(月) 02:06:53
僕は気づいてしまった。 ただのアンパンに戻らずに済む唯一の方法を。 気づいたら最後だ。僕はもう戦えない。 僕はきっと戦いの中で彼を殺してしまわないかと不安になるだろう。 殺してしまったら・・・僕は正義のヒーローでいる事はできなくなる。 だから彼に満足なアンパンチすら食らわすことはできない。 けれどそうなれば僕はただのアンパン以下の存在となる筈だ。 いっそ正義のヒーローのまま朽ち果ててしまおうか。 このまま目を閉じれば死ねる。 そんな気がしていた。 うっすらと目を閉じていけばそこにあったのは つい先ほどバイキンマンが歩んでいったあの光だ。 意識が遠のいていく。僕は安らかに死ぬことができるだろう。 この不安から一刻も早く抜け出せるのならば その光がどこに続いていようとも全く不安ではなかった。 「アンパンマンッ!!バイキンマンが!!!」 僕はすべてから解放される。 終わりですが何か問題でも´д`
634 :
名無し物書き@推敲中? :2006/05/22(月) 05:53:27
記念ぱぴこ
635 :
名無し物書き@推敲中? :2006/06/03(土) 15:27:09
長寿スレage
636 :
名無し物書き@推敲中? :2006/06/03(土) 19:33:03
637 :
名無し物書き@推敲中? :2006/06/04(日) 17:59:27
| 人がごみのようだ!!
~~~~~~~∨_______ γ===============┐
. γ;二二二, ll .__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄// \_______\
. _ // ∧_∧ |.|| | .| l l,,,,,,,,,,,,,,,,,,\___\
[_].//( ´∀`).| || | .| ヽヽ丶 |8|| ̄ ̄ ̄|6|
.└/l__/__ ).| || .|__| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽヽ ヾ-ー「:l|_____ヽ .||
| (_/ [||| --|_________ヽヽ ゞ |.:ll ______\ヽ ∧_∧ ポイッ
lフ ,------|.l_|二二l_l/ ̄ ̄/l /γ二二..ヽヽ __ヾ |.:|____ヽ⊂(∀` )ミ
[ll三// ̄ヽ\|.\===l二二l__l /// ̄ヽ\~ヽヽ_匚|]_||___||_. (⊂ )
└--l .※ ..l ..凵======-l/.l .※ ..l |_l~(\__/~'==l=======l==/y 人
丶 ./_/ 丶_/_/ .丶 ./_/_/ ̄~~丶_/_/_/ ̄ ̄ ̄ (___)__)
>>636 ワロたw
638 :
名無し物書き@推敲中? :2006/06/22(木) 10:30:08
ぱねぇ(´∇`)
639 :
名無し物書き@推敲中? :2006/07/13(木) 23:31:52
ぱねぇ(´∇`)
640 :
名無し物書き@推敲中? :2006/07/29(土) 20:30:16
あぶら揚げ
641 :
名も無いただの○○ :2006/08/26(土) 14:39:08
「もういいのだよ」 ジャムおじさんは言った。 あたりは真っ暗闇の夜。パン工場の裏。もう工場の明かりさえも点いてはいない。 まさか人が来るなどと思っていなかったアンパンマンは、ひどく心臓を鳴らし、振り向かずに顔を上げた。 「君は私が造ってしまった。ヒーローであるように、生きる意味を与えて」 ジャムおじさんはアンパンマンの背中にそう話しかけた。アンパンマンは暗闇に溶け、うすらぼんやりとした影しか見えなかったが、ジャムおじさんはしっかりと、彼だけに話していた。 「私はね、ここ数年、君が悩んでいる事を知っているんだ。もう、子供たちだけの為に生きることは強要しない。自分を見つめなおし、自分のためだけに生きてくれていい」 後ろの声に、アンパンマンは震え上がった。目を大きく見開き、心にはどんよりとした、気持ちの悪い生き物のようなものが入り込み、広がり、蠢いた。一番求めていたはずの言葉。なぜ誰も僕の人生は助けてくれない?いつもそう心の中で思っていたのに。
642 :
名も無いただの○○ :2006/08/26(土) 14:40:08
「ジャ……ム……おじ……さ」 それなのに……それなのに……。 「いいんだ、もう。君は感情を持っている。私はそれまでもを造った覚えはない。君のものだ。だから、好きなように生きなさい」 アンパンマンは心の中で繰り返す。 (好きなように……生きる……) そうだ。子供たちの為に生きてきた。何度バイキンマンに殺られそうにそうになっても、ずっと、ずっと、生かされて……。町のため、死ぬことができないのを悟ったのはいつだったか。だから造ってくださったジャムおじさんに報いるためにと騙し騙し生きてきたんだ。 悩むアンパンマンを蹴たぐるように、ジャムおじさんは言い放った。 「何のために生まれて、何のために生きるのか。君は答えられる。でもそれは、自分から見つけたものなのかい?」 どこからか風が吹き、森がざわめいた。夜なのに鳥は啼き、月は妖しく宙にある。 ジャムおじさんはせかさず、ただじっと返答を待った。その空気を感じ、アンパンマンはついに口を開かざるを得なくなった。 「でも、もう、そんなことは、できないです」 ジャムおじさんは、表情を変えなかった。 噛んで含めるように、あくまで優しげに言う。 「いいかい、アンパンマン。もちろん君が辞めるというなら、みんなの記憶から君を消すつもりだよ」 アンパンマンは固まった。それをわかりながら、ジャムおじさんは続ける。 「未来の自分は未来だけを生きるんだ。顔は、もうパンをやめる。人と同じくらい生きられる素材にしよう。もう、君は悩まなくていい。僕らも、君も、新しい世界に生まれ変わるようなものだ」 アンパンマンは、やはり後ろを振り向けなかった。 「一日あげるよ。その間に考えなさい。命を捧げてまで人を助けることを、自分から選んでよいのかを」 ジャムおじさんはそうして去っていった。アンパンマンだけが、闇に残された。 次の日、アンパンマンは町をただ歩いていた。町のみんなのはしゃぎ声や、こちらに手を振ってくれる声。そのすべてには、僕の存在があるんだ。 しかし、それを代価に命を捧げるのか。助けられるみんなは幸せでも、果たして僕は? 答えは、出ないままだった。
643 :
名も無いただの○○ :2006/08/26(土) 14:42:01
いつしかアンパンマンは、バイキンマンのアジトまでやってきてしまっていた。不気味な崖。枯れた細すぎる木。本当はここにバイキンマンがいることはずいぶん前から知っていた。 もし僕がヒーローを辞めるとなればこれも見納めだろう。 ああ、僕は何で戦ってきたのだろう。 おそらく、今日、この時間に叫び声が上がり、僕がそれをただ黙って見て、助けなかったとしたら、それはその人に、その家族に、町のみんなに、とても恨まれるだろう。 なんでなんだ。僕はどうして悪いことをしたような目で見られる?勝手に頼っていたのはみんななのに。 やっぱりヒーローは辞めようか。記憶も消える。そうだ。これ以上、僕の自由を奪わないでくれ。当たり前だろう。僕だって自分のために生まれてきたんだ。 その瞬間、足元から、虫がわめくようなか細い声が上がってきた。 「たすけて くれ い」 町の住人だった。崖にしがみついているようだ。ここがバイキンマンのうろつく場所だと知っていて、今まで声を出さなかったのか。どうしてこんなところに居るんだろう。アンマンマンはそんなどうでもいいようなことを考えながら、虚ろに、視線を彼に落とした。 「アンパ ンマン 、たすけて〜」 アンパンマンは、無情に、その様を見下ろした。僕にそんな義務は無いんだ。明日になれば、この記憶も消える。ここで手を出したら、またためらいが出る。助けることなど造作ないが、そのためだけに生きるのはもうごめんなんだ。何も考えないように、そう心に言葉を並べた。 しかしアンパンマンの無い耳元を、何かが掠めた。ぼんやりとそれを追えば、ああ、食パンマンだ。 「今助けるよ!もう少し、頑張るんだ」 そういって、かっこいい白のヒーローはマントで急降下、町の住人Aをさっと拾い上げて空に舞い戻る。一瞬、アンパンマンは食パンマンと目が合ってしまった。その目の色は、憤慨も軽蔑も同情も、何も無かった。住人Aも、同じ色をしていた。アンパンマンは、目をそらした。
644 :
名も無いただの○○ :2006/08/26(土) 14:42:57
バイキンマンのアジトを眺めながら、何時間か時間を潰した。日が暮れてきた。もう帰ろう。 マントは使わず、一人で黙々と町への道を進んだ。 町に着くと、空気が違うのを感じた。そうか。住人Aはもうここにいる。話は広まったのだろうか。どんな反応を示されるだろう。 アンパンマンは明日になれば記憶も消える、ということを念頭に置くのを忘れずに、一歩、踏み出した。 町の住人たちは、アンパンマンに何も言わず、遊んだりしゃべったりしていた。 ああそうだ。アンパンマンは顔を伏せ、一人で笑う。誰にも僕を責められはしないんだ。僕だって、生きている。 もう、自由か。いよいよ、自分の為に生きられる日が来たんだ。 アンパンマンは、笑いながら、涙をこらえた。ああ、でもどうして、心の中からあの生き物が出て行かないんだろう。 やっぱり、涙があふれた。 とまらなかった。 そしてまた、パン工場へ歩き始めた。 あたりは星空。雲は無く、しかし静かな夜だった。 パン工場には、参列するたくさんの喪服姿。アンパンマンは、棺の中だった。 町の住人は、悲しげな顔で、手を合わせていた。 ジャムおじさんは、一人、工場の裏で、コック帽を下ろした。 「アンパンマン、君は、孤独な生涯だったのかもしれない」 月は明るかった。満月だ。 あのあと、アンパンマンはジャムおじさんに、死なせてほしいと願い出た。 ジャムおじさんは、それでいいのかと聞いた。アンパンマンは頷いた。 「何のために生まれて、何のために生きるのか……」 ジャムおじさんは、夜空に向かって、そう、歌っていた。とても悲しい音色だった。 食パンマンとカレーパンマンは、工場の影からそれを聞いてた。 自分と、見つめあいながら。
645 :
名も無いただの○○ :2006/08/26(土) 14:43:49
―えんど―
646 :
名無し物書き@推敲中? :2006/08/26(土) 15:48:45
ζ ./ ̄ ̄ ̄ ̄\ ../ \ /\ ⌒ ⌒ | ||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒つ | ポッポー .| _||||||||| | \ / \_/ / .\____/ l ヽ___ / ,,...---`ニニニ==、,,__ l / ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ l三三三> | iヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ/三三/''ー- 、 ヽ. ヽ、ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ.∠三=‐''´>‐--‐' ヽ、`'''ー‐---‐'''´_,,...--‐'''´ `''ーッ--t_,r'''´ _/._/
647 :
名無し物書き@推敲中? :2006/08/26(土) 18:43:33
あげ
さげ
649 :
名無し物書き@推敲中? :2006/08/27(日) 00:34:44
あげ
さげ
651 :
名無し物書き@推敲中? :2006/09/03(日) 23:38:49
ヽ(`Д´)ノボッキアゲスパイラル!
652 :
名無し物書き@推敲中? :2006/09/04(月) 01:10:40
888 :阿部敦良 :03/02/25 11:37 それにしても、無名草子さんたちとは、さぞやすごい作家先生の匿名書き込みなんでしょうね。 作家なんて才能が全てだから、津井ついみたいに、いくら努力したって駄目なものは駄目ですよ。 私なんか、早々に見切りをつけて趣味の世界で細々ですから。 小説現代ショートショート・コンテスト優秀賞受賞 阿部敦良
とある砂浜。一着の死体が漂流したとの知らせを受けてバイキンマンは現場に直行した。 現場には発見者の青年がいたが、目ぼしい情報が得られないと悟ったバイキンマンは 連絡先を聞いてすぐに返した。いま、一人の部下とともに死体に目を下ろしている。 漂流死体からは大抵の場合、目ぼしい証拠が見付からない。 黒鯛やアナゴ、タコが死体を食い散らかすからだ。 そのうえ、海にもまれた死体には、頭髪、陰毛、指紋、かき傷、表皮剥離、その他の遺留品。 陸上でならば残るはずのそれらが、一切残らない。海に放り込まれた死体には 犯人を告発する余力は残されていないのだ。特に、それが菓子パン人間であれば尚更だ。 漂着した死体は、いったい○○パンマンなのか、一見しただけでは分からない。 アンか、食パンか、はたまたカレーか、○○に入る部分が謎だった。 「署に戻って行方不明になった菓子パンをリストアップしろ」 命じられた部下はすぐに端末のある港湾事務所へと向かった。 指示を出したバイキンマンは、しばしの間、死体を見つめていた。 陰惨な事件の匂いがした。普段なら、嬉々として捜査に乗り出すところだ。 しかし、バイキンマンはあと、いくつかの事件を解決したら、警察を止めようと思っている。 バイキンマンには婚約者がいる。相手はロールパンナだ。このことは誰も知らない。 身寄りのいない彼女の育ての親、ジャム小父さんですら例外ではない。 妹のメロンパンナですら知らないはずだ。バイキンマンは発表する気がない。 結婚後は、二人で誰もいない無人の地に移り住むつもりだった。 誰にも告げずに蒸発する。二人でゆっくりと暮らすには、この世の中は腐りすぎている。 バイキンマンは刑事という職業柄は最近、治安が特に悪化傾向にあることを知っている。 そうでなくとも、近年、頻発するテロの脅威は菓子パン人間にも及んでいる。そればかりか、 菓子パン原理主義の過激派集団が人間を襲うのが今のご時世だ。
ジャム小父さんが菓子パン人間の権利を勝ち取って以来、平和だった世界が崩れはじめていた。 世界的な発明家で有数の資産家でもあるジャムには絶大な権力がある。 菓子パン人間の権利獲得は、ほぼ彼一人の力によるものだった。ジャムは政府要人にも多数の友人がいる。 ジャムがいなければ、菓子パン人間はとっくにこの世から姿を消していた。 ジャムの建設した東西に長く伸びる超巨大施設パンビルは菓子パン人間の生活基盤そのものだ。 人間の子どもや主婦の絶大な支持を集めるドラマ「それいけアンパンマン」。 かつて、この番組の人気は菓子パン人間と人間の友好の証であった。近年、その視聴率は下がりつつある。
あえてここで聞いてみるけど、「アンパン野郎が!!ラリってんじゃねーぞ!!」ってどうなったの?
656 :
名無し物書き@推敲中? :2006/10/04(水) 10:29:56
あの〜っ、ずっと待ってるんだが・・・・
そうかそうかザンパンマン死んだか これで創作板も平和になるなwww
その理由は明白だ。菓子パン人間の権利拡大を狙う過激派の存在である。彼らはジャムのバックアップをのもと独立国家を形成した。 そこまでは良かった。 だが、問題が発生した。彼らは人間を拉致した。その目的は、人間の脳を研究し、 菓子パン人間の奴隷にするための方法を模索することだった。まったくもって非道な人体実験である。 いまはまだ、噂の段階に過ぎない。一部の排他的な人間が信じているに過ぎない。だが、真実である。 いずれ確かな証拠が白日の下に晒されるだろう。一ヵ月後か、一年後か、正確な見通しはついていない。逆にいえば、明日、そうならないとも限らない。 菓子パン人間と人間の全面戦争が勃発する可能性もないではない。 それが人間同士の争い重なり世界戦争へと発展すればこの世は地獄となる。 見通しの暗い世界に、希望はない。バイキンマンの蒸発計画は、幸せな家庭を作るため、 ただそれだけのためにあった。もともと、バイキンマンには身寄りがない。ロールパンナと同じだ。 ロールパンナの準備が済み次第、バイキンマンは蒸発する決意を新たにした。 深夜、仕事を終えたアンパンマンは家路を急いでいた。空を飛びながら、なにげなく眼下に広がる住宅街を見下ろした。 既にほとんどの家が消灯しているようで、街灯の光だけが空しく家々を飾っていた。早く家に帰ろう、アンパンマンはそう思いなおし、前へ向き直った、その時だった。 「ん?」 青白い閃光が見えた。目の錯覚だろうか。アンパンマンは飛行速度を落としながら、目を凝らした。 勘違いではなかった。なにか、不思議な光の玉が路上に浮かんでいた。それが通過すると、街路樹が揺れる。 新聞誌、空き缶、たばこの吸殻といった路上のゴミが空中に舞い上がっていく。 謎の現象を目の当たりにしたアンパンマンは、我知らず地上に降り立っていた。 「熱い!」 光の玉に近づいたアンパンマンは慌てて背後へ飛び退った。バチバチと爆ぜる音がし、熱波のようなものが辺りを覆いつくしている。 茫然としたアンパンマンの目の前で、光がどんどんと弱まっていく。そして見る間に消えてしまった。オゾンの臭いが周辺に立ち込めていた。
アンパンマンは命の次に大切な頭を両腕でガードしながら、周囲を見渡した。誰もいない。 まるで先ほどまでの出来事が嘘のように静まり返っている。その静けさが、逆に不気味だった。 頭上を見上げると、街灯が消えていた。地面に電球などの破片が飛び散ってる。 あの光は幻ではなかった。確かに、何かがここにいたのだ。アンパンマンの背筋を悪寒が走った。ここにいては、危険だ。そんな予感がした。 アンパンマンは精神を集中して気配を探った。無音だった。生物の気配もない。気のせいだったのか。 ほっと胸を撫で下ろしたアンパンマンは空へ飛び立とうとした。アンパンマンは気付いていなかった。 アスファルトの黒い地面が盛り上るようにして、スライム状の物体がアンパンマンに向かって触手を伸ばしていた。 不意に脚を引っぱられたアンパンマンは狼狽した。目が×印になってしまっている。引き込まれるまま、アンパンマンは地に伏した。 黒いスライムは噴水のように盛り上がり、徐々に形を成し始めていた。それは、アンパンマンがよく知る人物に酷似していた。 「ば、バイキンマン!?」 「オレは、バイキンマンであって、バイキンマンではない」 アンパンマンは差し出された手に助けられながら立ち上がった。目の前には、明らかにバキンマンにしか見えない菓子パン人間が立っている。 「どういうことだ?」 「おれは最先端のナノ構造技術とバイオエレクトロニクスを用いて開発されたバイキンマンだ。 開発者であるバイキンマンのDNAをベースにしているが、生体データを取得すれば、どんな生物にも変身できる。見ていろ」 バイキンマンはなにか考え込むように黙って俯いたかと思うと、電気ショックを受けたように背筋をピンとそらした。 体が痙攣し、震えている。皮膚の色が変化していく。黒から赤、黄色、肌色。黒い触覚が縮み、まん丸の頭になる。 「そんな、ばかな!?」 アンパンマンは鏡を覗き込んでいるような気分だった。 「先ほどの接触でお前のデータを採取した。残念ながら、オレが作られた世界にお前は存在していなかった」声まで、アンパンマンはまるで自分の録画された声を聞いているように思えた。 「声だけではない」 「え?」 心を読まれたとしか思えない発言にアンパンマンは驚かされた。
「頭の中の餡子でさえ、同じものを再現している。 取得したデータをもとに、DNAコンビュータが設計し、ナノマシンが組上た。 一応いっておくと、お前の心まで再現は出来ない。超高感度知的センサーでお前の表情や発汗量の変化を検知、分析しただけだ。 しかし、最初にお前に出会えたのは幸運だった。既に死亡してしまった菓子パン人間のデータを持ち帰るのも、オレの仕事の一つだからな」 そう言うと、バイキンマンは再び元の姿に戻った。 「バイキンマンが発明した、新しい機械なのか……」 アンパンマンの疑問に、 「まあ、そういうことだ」 バイキンマンは頷いた。現役の刑事であるバイキンマンの趣味が発明であることは世間一般に知れ渡っている。 ドラマ「それいけアンパンマン」にCGで出演するバイキンマンはメディアに取上げられることもあり、子どものヒーローである アンパンマン、抱かれたい菓子パン人間ナンバー1の食パンマン、元グラドルの人気キャスターとして活躍しているドキンちゃん、 ら同様抜群の知名度を誇っており、その食生活から趣味、過去の交際関係まで週刊誌にすっぱ抜かれていた。 「ぼくが死ぬっていうのは、さっき、そんな風に言ったように聞こえたけど」 アンパンマンは相手が機械であることが分かり安心した。それでも、個人が趣味で作れるようなロボットではない。 正体が明確になってなお、不明な点が多い。その最たるものが発言の内容だった。 「詳しい日時は教えられないが、お前は近い将来殺害される」 「なんだって!」 「だが安心しろ、オレは未来を変えるためにやってきた。お前の安全はオレが保証してやる」 「未来から……やってきた」 バイキンマンの言葉を噛み締めるようにアンパンマンは復唱した。 「そうだ」 頷きながら、バイキンマンが話しを進めていく。 「詳しい事はいえないが、お前は近い将来、ある菓子パンの死に直面する。それを契機に人生の歯車が狂い破滅へとひた走ることになる」 「そんなこと、信じられない」 突然言われて、はい、そうですか、なんて言える訳がなかった。 「信じなくてもいい。だが、これだけは覚えておけ。この瞬間にもう、お前の運命は変わり始めている。
なぜなら、お前の中ではもう自身に降りかかる災厄への危機感が芽生えているからだ。単純なことのように思えるだろうが違う」 「そんなこと言われても」 アンパンマンは目の前のバイキンマンにどう対応していいのか判断しかねていた。発言を鵜呑みにするには馬鹿げている。 だが登場の仕方といい、姿を変えたトリックといい、無視するにはあまりに異常な存在だった。 「いいか、運命は変わらない。だがそれはあくまで世界の想定の範囲内に限られている。未来から送り込まれたオレはこの世界の運命に囚われずに行動できる。 この世界がオレの存在に気付く事は一生ない。オレに対抗できるのは、オレと同じ運命を共有するものだけだ。そんな奴はこの世界に存在していない」 バイキンマンは一息つくと、空を見上げた。 「オレはもう行く。お前は暫くバタコをつれて旅行にでも行け。仕事も休め。それがお前のためだ。愚かな運命を甘受したくはあるまい」 再び体を震わせたバイキンマンの背中にマントが生えた。 「本当はお前を助けるつもりはない。だがオレ様を助ける為には、お前の運命を変えなければならない。 ドラマの中で敵対しているオレとお前が、現実の世界でも殺しあうことは、お前だって望まないだろう」 「どういうことだ? ぼくとバイキンマンとの間に何が起こるんだ?」 「詳しい事を教えてやる道理はない。おまえ自身に運命を変える力はないからな。ただ、オレの助言を受け入れるだけしか術はない。 それで運命が変えられるのなら、簡単なことだろう。じゃあな、しばらく大人しくしていろよ」 そういい残すと、バイキンマンは夜空に飛び立っていった。アンパンマンは茫然とその姿を見送った。 バイキンマンは運命を変えると息巻いていたが、そもそもアンパンマンは、これからの人生に危機感を抱いていない。 バイキンマンの曖昧な言い分によれば、ある菓子パン人間の死が、悪い方向に人生を変えてしまうらしい。 運命を回避するには、バイキンマンの助言を聞き入れるしかないらしい。だが、具体的な対処法は何一つ教えてくれなかった。本当に仕事を休んで旅行に行けば安全なんだろうか。旅行先で、不幸に見舞われないとも限らない。
そもそも、本当にあのバイキンマンは未来から来たのだろうか。正確な判断を下すには圧倒的に情報が不足していた。 しばらく突っ立っていたアンパンマンだったが、考えるのに疲れ家路につこうと飛び立った。 家に向かいながら、明日、バイキンマンに直接問いただそうと決めた。妻のバタコには、まだ言うまい。悪戯に恐怖感を煽ることはないと思った。 街灯の壊れた路上が、再び眩い光に照らし出されたのは、それから数分後のことだった。 ジャムの手足となって非合法活動に従事する秘密機関JAM。菓子パンビルの地下奥深くに大半の施設が集中しているが、 唯一、ビル外に施設を持つ部隊がいる。パンビルはどんな事態が起きようとも、菓子パン人間の聖地として保証されている。 人間が立ち入る事の出来ない、世界で唯一の場所であり、各国の諜報機関とも時に衝突するJAM職員の命を保証する格好の隠れ家である。 それゆえ、国際手配されたテロリストをかくまう裏のホテルとしても有名だった。高額な宿泊料金はJAMの資金源として活用される。 菓子パン人間にとって不利になる如何なる証拠もまた、パンビルに保管している限り、表に出ることは無い。 パンビルがある限り、JAM職員には絶対のセーフティロックがかけられているということである。 逆に、パンビルの外に拠点を持つということは、有事の際には切り捨てられるということである。 その部隊の名前は486部隊。兵器製造、開発を受け持つセクションでJAMの予算の大半が費やされている。 全員がカミカゼ特攻隊のように、命を捨てる覚悟で活動している。施設には爆薬がセットされており、隊員は皆、自殺用の猛毒を常に携帯している JAMの中でもジャムを特に崇拝する狂信者の集団といっても過言ではなかった。 「わざわざ、お越しにならなくても」 部隊と統括するクリームパンダはジャムを出迎えた。 「なに、大事な研究だからな」 研究所内にあるモニタールームにクリームパンダはジャムを案内した。 巨大な画面には十数の画面が分割して表示されている。そのどれもが監房を映している。中にはベッド、机など家具が誂えられている。 そこらの安ホテルに比べれば、よっぽどまともな部屋である。
ここには拉致された人間が収容されていた。管理された食生活、適度な運動を強制させられているが、 それは人間が健康に生活できるようにするためのもので、彼等の中には、ここに来て、拉致前より健康的な生活をしているものも多い。 「人体実験の経過は極めて良好です」 「ふむ」 監房に一人でいるものもいれば、男女数人で収容されているものもいた。 「これが」 クリームパンダがモニターを操作して、ある独房を画面いっぱいに表示した。 まるで夫婦のような、人間の男と女が暮らしていた。女は腕に赤ん坊を抱いていた。この施設で出産した子どもである。 「これが、実験の成果か。やっと、この目で確認できたの」 ジャムがほくそえんだ。その目は赤ん坊を捉えている。人間ではない、しかし人間である奇怪な赤ん坊。 顔の半分が菓子パンで、もう半分は普通の人間の顔をしている。人間と菓子パンのハーフだった。 「一体一体、手術で生殖器を改造していた段階では、計画の実現性は極めて低い状態でしたが、ようやく具体的な計画の見通しがたちました」 「うむ、たいしたもんじゃ」 クリームパンダは一個のカプセルを取り出した。丸いビー玉のような物体だ。 「この中に数億のナノウイルスが入っています。人間の生命機構には一切影響を与えずに、生殖器のみをピンポイントで攻撃します。 本来、治療用に考案された薬物配送システムによる薬物投与の最適化を目指すアプローチのノウハウが大いに役に立ちました。 攻撃された生殖器をそれまでどおり機能しますが、作り出す精子、卵子に含まれるDNA情報はすべて菓子パン人間のものにすりえられています」 「その結果が、あの赤ん坊ということじゃな」 「はい。感染したとしても、異物として検知されることはありません。ウイルスは内部構造・表面構造ともに安全な運搬体として生分解性高分子 を集合させた微粒子を利用しているので、人体の免疫機構にも破壊される恐れはありません。一度感染したが最後、菓子パンの子どもを身ごもるまで
感染の事実に気付く事は無いでしょう。人々は我知らずに、菓子パンの子どもを身ごもることでしょう。 現在、大量生産のための工場を建設中です。なにせ全人類に感染させるとなると、生半可な量では間に合いませんからね」 「出来るだけ急ぐんじゃ。巷では人間が拉致されて改造されていると噂が流れ始めておる。今はわしの権限で報道規制を敷いているが、 メディアの力を完全に押さえ込むことは出来ん。過激派の活動も牽制せねばならんしな。 人間達がわしらの真意に感づく前に、すべてを終わらせるのじゃ」 「はッ」 クリームパンダが敬礼した。 「人間の数を菓子パン人間が上回れば『それいけアンパンマン』に世界が追いつく。そのときこそ、菓子パン人間が天下をとるのじゃ」 ジャムの高笑いがモニタールームに響き渡った。菓子パン人間はジャムに逆らえない。世界が菓子パン人間で埋め尽くされれば、事実上、世界にジャムに屈服する。 二日目。 バイキンマンは再び死体が漂着した渚にいた。 捜査は難航していた。行方不明になった菓子パン人間のデータと、漂着した死体を照合してみたものの該当者はいなかった。 菓子パン人間は出世時にDNA情報を記録される。菓子パン人間はパンビル内にある産婦人科で産み落とされている。 出産にはジャム独自のノウハウが必要で、他の場所での出産は困難とされている。パンビルに記録のない菓子パン人間は論理的には存在していない。 そこで捜査の手を広めるることにした。行方不明になりながらも、捜索届けが提出されていない菓子パン人間がいるはずだった。 今度は菓子パン人間の全データで検索した。驚くべき結果が出た。捜査員一同が息を呑んだ。 漂着した菓子パン人間はここでも該当者が出なかった。
665 :
名無し物書き@推敲中? :2006/10/09(月) 16:48:52
続きが気になるアゲ
666 :
名無し物書き@推敲中? :2006/10/13(金) 22:10:53
(´∀`∩)↑age↑
(´∀`∪)↓sage↓
続き楽しみに待ってます
669 :
目撃者 :2006/11/17(金) 00:41:48
風の強い夜だった。 どうしてかな、あの夜僕は眠れなかったんだ。 風の音がうるさかったのかも知れない。 いや、そうじゃない。 本当はわかっていたんだ。 アンパンマンが死んでしまったこと。 本当は風の音なんかしなかったんだ。 ただ自分の心臓が張り裂けそうに速く打っていたんだ。
670 :
目撃者 :2006/11/17(金) 00:42:36
ベッドに入るとすぐに窓の外の音に気がついた。 バイキンマンの声だった。 はじめはまた悪企みをしてるんだと思った。 アイツ前にも夜に外で見たことがあったからね。 でも様子がおかしかった。 誰かを連れていたんだ。 暗くてよくわからなかったけれど とても尋常じゃない雰囲気だけは伝わってきたよ。 やがて二つの影は躍るように交わった。 しばらく見ていると片方の影が倒れそうになった。 そこでやっと僕はある考えにたどり着いたんだ。 あれはアンパンマンじゃないか?
671 :
目撃者 :2006/11/17(金) 00:43:28
なんで夜にアンパンマンとバイキンマンが? 倒れているのはどっち? カレーパンマンやショクパンマン、バタコさんにジャムおじさんは? とめどなく疑問がわいてきたけど、答えなんてわかるはずも無かった。 ただ、バイキンマンの銛がアンパンマンの体を貫通したのを見たとき 僕は急いでカーテンを閉めてベッドに身を隠した。 今までとは違う。それだけはハッキリわかっていた。 体が揺れて頭が痛くなった。息が苦しくなり唾が洪水のように口の中をめぐった。 胸を不規則な感覚で叩かれる感覚があったがすぐに何も感じなくなった。 時間の感覚も感情も無くなった。煙のような自分を何とか繋ぎとめようと 朝が来ることを願うばかりだった。 何も考えられない頭がただひとつのシーンだけを繰り返していた。
672 :
名無し物書き@推敲中? :2006/11/23(木) 20:08:47
続きが気になるアゲ
673 :
名無し物書き@推敲中? :2006/11/30(木) 20:31:42
続きが気になるアゲ
674 :
531 :2006/12/01(金) 02:06:17
675 :
531 :2006/12/01(金) 02:11:02
まだこのスレ残ってた
>>531-
>>534 厨房のときに書いたんだよな。
キメェ――
アンパンマンの死をウキウキで書いてた純粋な?女子中学生は2年で友達ゼロのキモ女子高生に進化しますた。
暇だしこのスレの長寿を願って2、3日中に新しいの投下するわ。
なんかしらんけど、記念カキコいっとくわ〜
まだあったのか
あった
長寿スレ
祝・長寿スレ
長寿スレに記念カキコさせてもらうぜ メリークリスマス
取りに行ったけどなかった。次は一時間後に取りに行くです。
もう無いの?
鯖移転記念
ここももう・・・
まだかなまだかな〜
687 :
名無し物書き@推敲中? :2007/01/30(火) 07:21:24
age
688 :
名無し物書き@推敲中? :2007/01/30(火) 08:22:34
みんなが望む ザ ン パ ン マ ン の死
689 :
名無し物書き@推敲中? :2007/01/31(水) 10:11:16
aaaaaaaaaaaaa
690 :
名無し物書き@推敲中? :2007/02/05(月) 21:25:58
ヽ~~ ̄ ̄ ̄ ̄ ,二 | ヽ/ヽ_,,-''川川 | ,イベ, i 川 | /ヽ ) | i''''-,,,_\ /_,,,,,-ッ'-i {≡ '''二'''≡ ,イi ) ヽ≡;ノl lヽ≡ノ i i ヲ 過疎り過ぎだっ・・・・・! iヽ cUっ r l レ | .i r==≡=='''ヽ 人 | ageてやるっ・・・・! i L二エ二,,フ/ i | | u 平 / i | L___ /__,-''',''ヽ、 \__,,-''' / ≡ヽ K~ /≡≡≡≡ヽ |ii入/ ≡≡≡≡≡ヽ |//≡,,-'''≡~ヽ、≡ヽ /≡ / '≡≡ ヽ≡ i /≡≡≡r''~~~~~'''-,,, i≡ i
691 :
名無し物書き@推敲中? :2007/02/11(日) 14:49:27
692 :
名無し物書き@推敲中? :2007/02/16(金) 22:29:51
age これ読んだの何年前だろ?なつかしいぁ
みんなが望む ザ ン パ ン マ ン の死
保守
696 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/02(金) 07:39:56
ヽ~~ ̄ ̄ ̄ ̄ ,二 | ヽ/ヽ_,,-''川川 | ,イベ, i 川 | /ヽ ) | i''''-,,,_\ /_,,,,,-ッ'-i {≡ '''二'''≡ ,イi ) ヽ≡;ノl lヽ≡ノ i i ヲ 過疎り過ぎだっ・・・・・! iヽ cUっ r l レ | .i r==≡=='''ヽ 人 | ageてやるっ・・・・! i L二エ二,,フ/ i | | u 平 / i | L___ /__,-''',''ヽ、 \__,,-''' / ≡ヽ K~ /≡≡≡≡ヽ |ii入/ ≡≡≡≡≡ヽ |//≡,,-'''≡~ヽ、≡ヽ /≡ / '≡≡ ヽ≡ i /≡≡≡r''~~~~~'''-,,, i≡ i
ageてもレスが付かないわけだが
すげー なんだここ…
699 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/15(木) 16:00:44
700 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/15(木) 16:19:34
700ざんす。
ミーが華麗に記念カキコするでアフトローゼ!
702 :
大検田舎カッツェ嬢ドキドキリミットMAX+HBG ◆va2KrOhAnM :2007/03/15(木) 17:55:14
いや、この場合、元のコテにするか。
>>353-354 です・・・
いやあ〜、少しだけ適当にスレを読んでたら、
こりゃ、驚いた!昔の自分の書き込みがあるじゃありませんか!!!!!
ウ〜〜〜ン、実に4年振りですねえ〜
あの時に書き込んだのは、2003年8月31日・・・
それじゃあ〜、いっちょ昔の自分に祝して、
約3年半年15日振りの2度目の〜〜〜
記念カキコオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
で
記念カキコ〜♪ミ(w
それじゃあいずれ1000は貰いますんで(w
703 :
大検田舎カッツェ嬢ドキドキリミットMAX+HBG ◆va2KrOhAnM :2007/03/15(木) 17:55:54
またカキコできるなんてうれぴーキャピ(w
そうか ザンパンマン死んだか ♪合唱!
706 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/18(日) 09:03:32
707 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/22(木) 09:15:10
永遠に保守
709 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/22(木) 21:12:40
>>708 こんだけ続いてるスレは絶対に保守すべきだろアホか
710 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/29(木) 13:34:34
愛と勇気だけが友達さ。
711 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/29(木) 13:54:01
そうか ザンパンマン死んだか ♪合唱!
712 :
名無し物書き@推敲中? :2007/03/30(金) 17:58:55
バイキンマンの優しさ
かびかびるんるん
さばいてん
715 :
名無し物書き@推敲中? :2007/04/15(日) 11:17:28
愛と勇気だけが友達さ
あんぱーんまーん!
717 :
名無し物書き@推敲中? :2007/04/17(火) 16:55:50
そうか ザンパンマン死んだか ♪合唱!
偽善とハッタリの上に成り立っている生活 それがネット上だけなら問題は無いだろう せいぜいウソをウソと見抜けないボンクラが傷つくだけだ だが現実でもそうなら おまえの人格はいちどきに崩落するよ
古参が多いこの板でもここが最古か
がんばれこのスレ
頑張れこのスレ
723 :
名無し物書き@推敲中? :2007/05/15(火) 01:25:01
うお、すげえ古いスレだ
724 :
名無し物書き@推敲中? :2007/05/15(火) 18:13:51
アッー!ンパンマン バイキイイッー!ンマン
725 :
名無し物書き@推敲中? :2007/05/15(火) 22:55:05
俺の書斎はDIYで作ったバイキンUFO仕様。 紫に塗った板を丸めて、その中に椅子と机を置いただけなんだけどね。 現在は3歳の娘の一番のお気に入りスペースになってしまってるが。
時は早くすぎる 光る星は消える だから君はいくんだほほえんで 軽く鬱になる。
727 :
名無し物書き@推敲中? :2007/05/22(火) 20:48:36
アッー
728 :
名無し物書き@推敲中? :2007/05/22(火) 21:16:47
ほっさw
729 :
名無し物書き@推敲中? :2007/05/26(土) 13:00:09
アンパンマンとバイキン黒騎士小説化希望
730 :
名無し物書き@推敲中? :2007/06/11(月) 18:18:28
がんば
731 :
名無し物書き@推敲中? :2007/06/26(火) 06:59:31
これはギネス
732 :
名無し物書き@推敲中? :2007/07/05(木) 21:15:32
733 :
名無し物書き@推敲中? :2007/07/07(土) 18:46:02
734 :
名無し物書き@推敲中? :2007/07/16(月) 14:19:06
七年近い年月
735 :
名無し物書き@推敲中? :2007/07/16(月) 19:39:11
友達は愛と勇気だけ
736 :
名無し物書き@推敲中? :2007/07/17(火) 17:50:03
成りすましと犯罪だけが生き甲斐さ@残飯マン
738 :
名無し物書き@推敲中? :2007/07/31(火) 15:22:45
740 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/01(土) 22:11:24
741 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/02(日) 14:15:18
一か月程前から、この家に僕以外、誰もいなくなった。 目の前には大量のアンパンが散らばっている。 長いこと、そこに散らばっていたから、もう食べられはしない。カビが酷い。 これらはバタコさんが作ったアンパンだった。 ジャムおじさんが作っていたように、顔がついている。 つぶらな瞳、赤く膨れた鼻に、ぽってりとしたほっぺた。僕の顔の交換用だ。 でも決定的な違いがあった。 交換用として作られたのに、その機能を果たさなかったのだ。 だから僕は、もう半年も同じ顔を使い続けている。 ジャムおじさんが死んだ半年前から。 ジャムおじさんはこの家で、皆に見守られながら、眠るように息を引き取った。
↑続き書けカスw
アパマンショップ
744 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/11(火) 09:18:30
14 名前: 名無し物書き@推敲中? Mail: 投稿日: 2007/04/24(火) 11:02:01 世の中すべてが潰れてしまえばいいのだ。 高橋ブタ一郎のような出鱈目野郎の腹ばかり脹れる世の中だ。 この世は利権だ。 利権がすべてだ。 文学の連中がそう教えてくれる。
745 :
ミステリー編 :2007/09/12(水) 17:27:17
埃まみれのテーブルに並ぶ自分の顔達、午後の軟らかい陽射に照らされたソレら はどれも穏やかな笑顔を浮かべている。 アンパンマンはその内の一つに手を伸ばした、だがカビで変色したスペアンパンは 掴んだ先から崩れていく、 自分の頭になる筈だったあんぱん、体の一部にも食物にもず無残に崩れたあんぱん、 「なんで、、、。」 何時から、、、いつ頃からこんなことになってしまったん だろう、、、 アンパンマンはつぶらな瞳で何も無い空間を凝視する、擦りガラス越しに指す光に 漂う埃がイヤにうざったく感じられた。 まだ俺から見える世界が均整をとっていた頃、どんな問題が起きても只黒いアイツ をぶん殴れば全てが円く納まった時代、蛮勇の笑みも今ではふざけたにやけ面に見 える。 やり場の無い怒りに駆られてアンパンマンはテーブルの上の顔を全部払い除けた、 飛び散ったスペアンパン達は形を留める事無く床に散乱した、グズグズになった あんこの中で名も分からない虫が蠢いているのが見える、
746 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/22(土) 20:06:01
ageeeeeeeeeeeeeee
747 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/30(日) 09:23:58
ageeeeeeeeeeeeeeeeee
748 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/30(日) 17:09:43
ある年から、冬が無くなった。 その次の年の夏。 永遠に溶けないはずの山頂の大雪が溶け出し、町沿いの川が氾濫した。 僕は、みんなを救助した。できるかぎり。 雨の中では僕の力は弱まる。いやたとえもし晴れていたとしても、きっと全ての人を 助けることはできなかったろう。手足が足りなかった。 なにもかもが足りなさすぎて、僕はバイキンマンにさえ助けを求めた。この僕が、バイキンマンに、だ。 もちろん断られた。バイキンマンはずっと笑っていた。笑いすぎてあごがはずれても、ずっと。 食パンマンがドキンちゃんを説得して、バイキンマンをひっぱり出してくれなかったら、 被害はもっと増えていたと思う。
749 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/30(日) 17:11:20
カバ男くんは死んだ。ウサ子ちゃんはカバ男くんのからだにすがりついて、ずっと泣いていた。 二人がつきあってたなんて知らなかった。僕は、なにもしらなかった。 みんなは氷の魔王の呪いだと言った。 吹雪をあやつる氷の魔王。あいつは強かった。僕がえいきゅうに凍りづけにされて、 二度と立てなくされそうになるくらいに。 僕は、怒っていたのだと思う。だから一時の感情に流され、バイキンマンと手を組んだ。 魔王は悪いやつだ。倒さなければいけないんだ。そう頭から信じ込んで、氷の魔王の話を聞こうともしなかった。 なぜ旅人を凍らせるのか? なぜ殺さずにおくのか? あんな雪だらけの場所で、何をまもっていたのか? 僕は、なにもしらなかった。知ろうとも、しなかった。
750 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/30(日) 17:17:25
川の氾濫は、氷の魔王の呪いなんかじゃない。僕が氷の魔王を倒したからだ。 僕が力まかせに氷の魔王を倒して、彼のまもっていたものを奪ったからだ。 バイキンマンと同じだ。 氷の国。生き物のいない王国。近寄る旅人を凍らせる魔境。 そして、永久にとけない大雪の番人。冬の創造主。 彼は魔王なんかじゃなかった。彼はただそこにいただけだ。ただ強かっただけだ。まもるものにつりあうくらいに。 ある年から、冬が消えた。 僕は異変に気付かなかった。今日は天気がいいですねと声をかけたときの、ジャムおじさんの不安な顔にも。 僕のせいで、たくさんの人が死んだ。僕のせいで。僕のせいで。僕のせいで。僕のせいだ。
751 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/30(日) 17:53:28
バイキンマンはひとしきり笑ったあと、僕をおもいきり殴った。 ふっとんで、ガラクタの山にぶつかる。 「バーカ!そんなくだらないことを言うためにはるばる俺様の秘密基地にまで来たのか!」 バイキンマンは怒っているようだった。倒れたひょうしに、天井の無数のレーザー砲が僕を狙っているのが見えた。 おまえが来ることくらい高性能レーダーでお見通しだ。おまえらに見つかったときにそなえて、 迎撃の準備だってしてあるんだ。バイキンマンは、そんなことは当たり前だと言った。そうなのだろうか?そうなのだろう。 「なのになんだ!この前は『救助を手伝ってください』で、こんどは泣き言をいいにきたのか!」 ふざけるなと叫びながら、バイキンマンは僕を殴った。僕は殴れなかった。もし殴ったら、ぜんぶ バイキンマンと同じになってしまいそうだったから。 気を失う前、そうか何も知らなかったのか、とつぶやく声が聞こえた。ちくしょう、という声も。 気付いたとき、バイキンマンはUFOに乗り込むところだった。 すぐにUFOは浮かび上がり、下部から巨大なパンチマシーンが出てきた。 僕は目を閉じた。そして唐突に、誰でもいいから殴られたかったのだと気付いた。確かにばかばかしい。 僕を本気で殴ってくれる人が、バイキンマンしかいなかったなんて。 ドカーン。轟音と共に壁を突き破り、僕は吹き飛んだ。いつも僕がバイキンマンにやっていたように、僕は星になった。
752 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/30(日) 18:12:10
森のなかで僕は目が覚めた。木の枝が数本折れて、地面に落ちていた。からだじゅうが痛かった。 マントもぼろぼろでもう飛べそうにない。顔は完全に潰れている。おまけに、あたりは暗く、 ひどく寒かった。 「どうしたの!アンパンマン!」 僕を見つけたのはうさ子ちゃんだった。彼女に見つかるくらいなら、狼に食われるほうがましだった。 もっとも、それは叶わぬ望みだ。僕のからだは狼が好きな味ではない。 うさ子ちゃんの連絡で、すぐにアンパンマン号がやってきた。バタ子さんが手で顔を付け替えて くれると、なんとか動けるようになった。 「誰にやられたんだい?」「きっとバイキンマンに違いないわ!」 その通りだ、とは言わなかった。バイキンマンは怒っていた。きっと、今回は突然押し掛けた僕のほうが悪かったのだ。 潰れた顔の中で何かがキラリと光った。 僕はジャムおじさんやバタ子さんにばれないように、こっそりそれを拾った。 丸くて薄い。真ん中に穴が空いている。下手くそな字で「バカへ」と書いてあった。
753 :
名無し物書き@推敲中? :2007/09/30(日) 18:30:33
深夜。僕は倉庫にいた。 以前アンパンマン号の中でこれと同じものを見たことがあった。確かシーディーロムとかいったか。 アンパンマン号の操縦席のコンピュータ。その横に、ぴったりの差し込み口があった。 コンピュータが起動すると、バイキンマンそっくりの顔をした人工知能がディスプレイに現れた。 「ハヒフヘホー! キョウモテンサイ バイキンマン! オレサマニ ハイッテイル ジョウホウハ ヒトツダケダ! サア、ヨメ!」 一冊の古びたノートが映し出された。表紙は下手くそな字で書かれていた。 アンパンマンに関する考察。 僕は、それを見つめて、しばらくほうけていた。なぜかはわからないが、懐かしいような、愛しいような、 不思議な感じだった。 操縦席には、いまも低い音が響いている。
一度ページをめくり始めると、止まらなかった。 僕は夢中でそれを読み進めた。 アンパンマンが嫌がること100個、アンパンマンの弱点の顔への攻撃方法、 アンパンチの破壊力、アンパンチへの対抗策…… たくさんの項目を読み飛ばした。あの、人助けなんか絶対にしないようなバイキンマンが、 こんなものまで渡してくれたのだ。そうまでして僕に見せたいものとはなんだろう。 いくつもの項目の先で、ついに僕の目は止まった。 アンパンマンの誕生。 僕が生まれた理由。そうだ。僕は、いつも、ずっと、それが知りたかった。 分らないまま終わる。そんなのは嫌だと、知らずに口ずさむほどに。 ひどく集中していたからだろうか。僕は背後の物音に気付かなかった。 クリックしようとする手を、誰かが止めた。
「こんなところで何をしているんだい、アンパンマン。風邪をひくよ」 「ジャムおじさん!」 僕は、すぐに罪悪感でいっぱいになった。ジャムおじさんの断りも無く、倉庫に入って、アンパンマン号を いじったのだ。しかも、バイキンマンのくれたものを見るために。 もしかしたらアンパンマン号が壊れることだってあるかもしれなかった。暴走して町で暴れるように プログラムすることだって、バイキンマンならできるかもしれない。 背中に冷たいものが流れた。 僕はどうしたんだろう。こんなことをするなんて。それに、バイキンマンが渡してくれたものがなんであれ それが信用ならないってことくらい、僕が一番よく分かっているはずじゃないか。 でも、ジャムおじさんは何も言わずに、僕に毛布をかけてくれただけだった。 そして、しばらくたって。ジャムおじさんは僕にたずねた。真実を知りたいのかい、と。
ある男の話をしよう。 その男は、パンを作ることが好きだった。 誰よりもパンを作ることが好きで、好きで好きで好きで、それだけが好きだった。 ほかのことは全部、嫌いだった。 だからその男は、誰も住んでいない丘の上に、パン焼き窯と家を作った。 それから、ずっと、ずっと、おいしいパンを作ろうと努力してきた。 誰も、食べてくれる人などいなかったのに。 ある日、森で倒れている女の子を見つけた。男は、そのときようやく、試食係が必要だと思った。 その子はパンを食べた。毎日パンを食べて元気になった。 けれど、決して笑わなかった。喋ることもなかった。 男は試食係が居ることには満足していたけれど、おいしいとも、まずいとも言わない 試食係には不満だった。それに、男が求める究極のパンを作るためには、いろいろと 足りないものがあったのも、不満の理由だったかもしれない。
ある日、その男は、試食係が水と小麦粉を混ぜてこねているのを見た。 水と小麦粉の配分は、それはもうひどいもので、テーブルも床もびちゃびちゃだった。 なによりひどかったのは、男が世界中から集めてきた酵母菌のうちの いくつかが、水浸しになってしまっていたのだ。 男は激怒した。自分でも分らないうちに、試食係の腕をつかんで、小麦粉の山の 中に叩きつけていた。部屋じゅうが真っ白になった。 自分は何をしているのだ。大切な酵母菌がまだ机の上に残っていたかも しれないじゃないか。まだ救えたかもしれないのに、だいなしにしてしまったんだぞ。 うるさい。 俺は試食係に怒っているんだ。酵母菌など知ったことか。 真っ白な中で、男は笑った。命よりも大事な酵母菌だったはずなのに、今ではどうでもよかった。 涙が出るほど笑ったのは何年ぶりだろう。思い出せなかった。 白い霧が晴れたとき、試食係も笑っていた。ひどくきれいな笑顔だった。 女の子をここから放り出すのは簡単だ。 だが、この子は水と小麦粉を混ぜたひどいものをパンだと思い込んだまま町に下りるのだと思うと、 男は心底ぞっとした。それだけは避けねばならない。 男はその日から、試食係を、助手にするために、さまざまな混乱を背負うことになる。
また、月日が流れた。試食係はようやく助手と呼べるくらいになった。 男はある日、助手にひとつ質問をされた。 「おじさんの夢はなんだったんですか?」と。男はおじさんと呼ばれるような年に、助手は女の子とは 呼べないよう年になっていた。 「笑わないと約束してくれるかい?私は、知性あるパンを作りたかったんだよ」 男は助手に自分の夢を語った。食べる者の好みに合わせて、さまざまに味を変えるパン。 相手の空腹度を知り、さまざまに量を変えるパン。欲しがるものには与え、食わず嫌いの 者の興味を引き、食べることの幸せを思い出させてくれるパン。 言葉を喋り、愛を知り、自分は何のために生まれたのかと悩むパン。 男が夢の全てを語り終えるまで、助手はずっとその話を聞いていた。 男がなぜ笑わないのかと聞くと、助手は笑って答えた。だって笑わないと約束したじゃないですか。 助手は好奇心あふれる声で言う。 「ねえ、一緒にパンを作りませんか。私もずいぶんうまくなったんです。もしかしたら、その夢のパンが できるかもしれない!」 男は知っていた。知性あるパンを作るには、とても特殊な酵母菌が必要だということを。どれだけ地上を 探しても、そんな酵母菌は無かったのだということを。所詮それは、かなわぬ夢だということを。 それでも、男は一緒にパンをつくることにした。若き日の夢を思い出させてくれた助手のために。
轟音と共に空が裂け。2つの星が地に落ちた。 それは星のようだったが、ただの隕石ではなかった。星のように見えたのは、特殊な小型UFOであり、 必要なものを、ある星から、この星に運んできたのだ。 ひとつは険しい山の上に、ひとつは無人の丘の上に。そうセットされたはずだった。 だが、少しだけ長い時の中で、人は町を作り、男は丘の上に家を建てていた。 一つの星は煙突の中に飛び込み、跳ね回った。そして。パン焼き窯の中で熱されていたパンの中に、落下した。 高温どころか高熱。たちまち湿度が消し飛ぶような過酷な環境は、UFOが運んできたものをだいなしにするには ほとんど十分だった。だが、それは賢かった。これほど過酷な環境においてさえ、より生存に適した場所へと 移動し、己の能力を発揮できるようにその場所を作りかえることくらいは造作のないことだった。 だが、それとて、無限の柔軟性があるわけではない。最初の一歩は、違えることのできない一歩であった。 しかし後戻りはできない。今を乗り越えなければ、明日は来ない。たとえ、すべての記憶と、ほとんどの能力を 失うことになっても……絶対に……。 「いたた……いったい、なにがおこったのかしら」 「くうっ……パンはどうなった!パンは無事か!」 パン焼き窯が、内側からゆっくりと開く。それは男が待ち望んだパンであった。叶わぬと諦めかけていた、 夢のパンであった。理屈ではありえない何かが、現実にそこにあった。すべてのパズルのピースが 瞬時に組み上げられる感覚。奇跡。いや、そんな陳腐な言葉では言い表せない、無限の歓喜。 「ぼく、アンパンマン!」
ディスプレイから光が滲み、機械がブーンという音を吐き出している。 「小型UFOが、僕を運んできたんですね」と、アンパンマンが言った。 「僕は、運ばれてきたんですね。バイキン星から」 そうだ、とジャムおじさんは答えた。 そうか。僕はバイキンマンだったんだ。 僕は、バイキンマンになるはずだったんだ。 送られてきた菌はふたつ。それは、たぶん、大事なことだったはずだ。 忘れてはいけない理由が、目的があったはずだ。 でも、忘れてしまった。僕はバイキンマンにはなれなかった。 僕はパンの中に突っ込んで、そして、パンになってしまった。 アンパンマンになってしまった。 床に涙が落ちた。いつのまにか、視線は床へと落ちていたらしい。 光沢ある床にパンが映り込んでいた。まるで自分ではないようだった。 いつも笑っている顔。何も知らない顔。自分を正義の味方だと 思っている顔。バイキンマンとは似ても似つかない、パンの顔。 ふいに、僕は自分がもうパン無しでは生きられないことに気づいた。 バイキンマンが以前、僕に対して、弱いと言っていたのを思い出した。 そうだ。僕は確かに弱い。 自分でそれを知ろうとしておきながら、真実にうちのめされるほどに。
アンパンマンが黙ってしまうと、ジャムおじさんはまた静かに語り始めた。 バイキン星が、他の星にふたつの菌を送り込んで来る理由は、菌を選別するためだという。 星に運ばれた菌は、その星に適した姿に進化し、バイキンマンとなる。二人のバイキンマンは、 生まれつき憎みあう。高い知能と憎悪。バイキンマンたちは、その星の全てを己のために利用し、 気まぐれに支配し、気まぐれに破壊する。そして、どちらかが死ぬまで戦うのだ。 戦いの勝者はバイキン星へと帰り、長い長いバカンスを得る。これは、ドキンちゃんから聞いた話だ。 ドキンちゃんは気まぐれだが、嘘はつかない。真実だと思っていいと、わしは思う。 アンパンマンはただ聞いていた。二人のバイキンマン。戦う運命。どこか遠い国の話のようだった。 わしは、今までに幾度もバイキンマンを消滅させるチャンスに恵まれた。 実を言えば、最初に会ったときから、バイキンマンが石鹸に非常に弱いであろうことには 見当がついていた。だから、そうしようと思えば、わしはその戦いを終わらせることができた はずじゃ。バイキンマンを消滅させ、アンパンマンを勝たせる。だが…… ジャムおじさんはそこで口を止め、顔を歪めた。 勝者は、バイキン星に連れ戻される。例外無く。反重力装置、物質圧縮装置などの 高度な科学力を持ったバイキン星の使者に対し、わしらのような野蛮人の抵抗は 無意味じゃ。じゃから。わしは。アンパンマン、わしはな…… さきほどの話で呆然としていたから、アンパンマンにはジャムおじさんが何を言いたいのか とっさにはわからなかった。だが、ジャムおじさんの声が震えていることに気付いて、 アンパンマンはなんとか話を理解しようと思った。バイキンマンとアンパンマン。 倒せたはずのバイキンマン。勝者はバイキン星に連れ戻される。つまり……
わしはな、アンパンマン。アンパンマンに、お前に、ずっとここにいて欲しかったんじゃよ。 それは、一人の男の偽らざる本心だった。運命を背負ってこの星にやってきた菌を、 ただ己の夢に重ね、その傍らに留め置こうとした。決して愛ではない。エゴだ、とジャムは思う。 バイキンマンに対し、アンパンマンは弱い。アンパンマンを勝たせ、しかし勝ちすぎないように するには、アンパンマンの弱点である顔の補充を、自分が引き受けねばならない。 バイキンマンの襲撃を受けてみて初めて、相対することの困難さが理解できる。 敵は、強い。アンパンマンの顔を作る程度ならともかく、バイキンマンのUFOと互角に 渡り合おうとするなど狂気の沙汰だ。だが、もう決めたことだ。やらねばならなかった。 今まで見下していたはずの大量生産を、突然心変わりしたふうを装って開始した。 秘密基地と秘密兵器を作り上げるには、どうしても先立つものが必要だった。 バタコは町の人たちがパンを食べて喜ぶのがうれしいと言ってくれた。こんなにおいしい パンですもの、食べないなんて損ですよ、と。だが、もうバタコは子供ではない。 わしの変化にも、薄々気づいていたはずだ。それでも、育ての親という立場を利用し、 アンパンマンのための道具と考えたことが無かったといえるだろうか? それに、倒せるはずのバイキンマンを放置してきたことで、さまざまな者が迷惑を受けるのを、 ときには悲嘆にくれるのを見てきた。アンパンマンにそれを解決させることで、世間は わしらに同情以上の感情、尊敬を持って接してくれている。だが、それが偽善だと ジャムは知っている。もっとも自分が憎んでいた人種に、今の自分はなってしまっているのだ、と。 だがそれももう終わる。アンパンマンが真実を知った今となっては、何の意味も無いことだ。
「ジャムおじさん」 アンパンマンはジャムおじさんをまっすぐ見て言った。 「バイキンマンは、僕のことをバカだと言いました。ひとつは、僕が何も知らなかったから、 もうひとつは、僕に勇気が無いからだと思います」 「勇気?」ジャムは思わず問い返していた。あの恐ろしいUFOと空中戦をするアンパンマンを 地上から見ている身としては、アンパンマンに勇気が無いなどとは思えなかった。 「勇気です。僕には、アンパンマンには、覚悟する勇気が足りなかったんだ」 ジャムおじさんは驚いていた。目の前にたっていたのは、先ほどまでのアンパンマンでは 無いように見えたからだ。その瞳にはもう涙は無く、その肩にはもう脱力はなかった。 眉はきりりとしていて、鼻はおいしそうに輝き、茶色いマントが風格を醸し出している。
「僕は、自分がやったことにうろたえていました。後悔もしました。僕の力は、本当に 僕が使っていいものなのか。自信を失って、自分が分からなくなって、迷っていました。 でも、僕わかったんです。だから、泣かないでください。ジャムおじさん」 言われて、ジャムおじさんは自分が泣いていたことに気づいた。 「僕は、アンパンマンです。いままでも、これからも、ずっと、アンパンマンです。 バイキンマンの悪さは、僕がやめさせます。みんなが笑って暮らせるように、 毎日パトロールします。おなかがすいた子がいたら顔を食べさせてあげます。 顔が濡れても絶対にあきらめません。マントが破けても降参しません。 僕は平和のために戦います。いつもどおりに」 アンパンマンはジャムおじさんを抱きしめた。思ったよりも小さいなと、思った。 僕が守ってやらなくちゃ、とも。 「僕は逃げたりしません。だから、泣かないでください。ジャムおじさん」 アンパンマンは微笑んだ。ジャムおじさんはなんとか涙を止めようと思ったが、 どうやら止まりそうになかった。みっともないな、とジャムおじさんは思った。 だが、どんなにみっともなくても、自分がいま幸せだということだけは確かなのだろうと ジャムは思う。
765 :
名無し物書き@推敲中? :2007/10/08(月) 09:27:45
おお、アンパンマンが実はバイキンマンだったというのはちょっと斬新だった。
766 :
名無し物書き@推敲中? :2007/10/19(金) 06:56:40
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
767 :
名無し物書き@推敲中? :2007/10/28(日) 03:08:50
だがその夜、ジャムは独りでパン工場で飲んでいた。 愛飲している30年もののスコッチを注いだグラスを傾けながら、 炎の一点を見つめている。 何故おれはこんなところでパンを焼いているんだ-------。 ジャムはここ数日ずっとそのことばかり考えていた。 そしてある結論に達しつつあった。 本当のところ彼はずっとそれに気づいてはいたが、目を背け続けてきたのだ。 なぜなら、それは彼自身の存在意義に関わる問題だったから。 アンパンマン------あいつは本当のマザーファッカーだ! ジャムは心のなかで吐き捨てるように呟いた。 彼は自分がパンを焼かなければいけない理由を、 アンパンマンのせいであると考えていた。 アンパンマンがいつもいつも顔を取り替えなければ、 俺がいつもここにいる必要はない。 いや、それよりも問題なのは、あいつがヒーロー面をしていることだ。 あいつがヒーローである限り、 そのフォローをしている俺も善意の人というレッテルを貼られ続ける。 逆にそのフォローを投げ出せば、間違いなく白い目で見られることだろう。 「ファックファック、どいつもこいつもファック野郎だ!」 声に出して悪態をついても、空しいだけだった。 そんなことをしても何も変わらない。 実際、変わることを本当に自分が望んでいるのかどうかも確信はなかった。 パン工場のむせ返りそうな芳醇な香りの中で、ジャムはぽつりと呟いた。 「白い米が食いてえ」
このスレもう7年も続いてて、なお話はまだ更新中? すげーな
769 :
名無し物書き@推敲中? :2007/11/25(日) 20:44:51
俺が小学生のときに見たスレがまだある・・・ 今ではすっかり大学生 ワレズとかはやってたな・・・割男とか
創作文芸板スレッドの金字塔
771 :
アンパンマン :2007/11/26(月) 15:17:27
風呂入れないんだよな
772 :
名無し物書き@推敲中? :2007/12/10(月) 20:43:11
記念パピコ
なんで埋める? ネタをパクったのか?
余程の暇人ニートのすることだな。
なんてことを…