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数年前の夏、とある女性のお母さんに呼び出されてしまいました。
場所は東京都下の某病院、１階ロビーの喫茶店です。おかあさん
は僕を怖い顔で睨んでいます。いい年していったい何をしている
野か、と僕を責めます。お母さんの隣に座っている女の子は、僕
が責められている間、ずっと泣きそうな顔をしてうつむいていま
した。もちろん最初に、とある女性と言ったのはこの女の子の事
です。彼女は黙ったまま顔を上げようともしません。おかあさん
は「もう二度と会わないでください」と言いました。
僕はこくりと頷きます。３人で喫茶店を出て一緒の電車に乗りま
した。おかあさんと女の子は家へ帰る為に、そして僕は会社へ向
かう為です。電車の中では誰も口を開こうとしません。やがて彼
女達の降りる駅へ着きました。僕は反対側の扉の前に立ったまま、
わざとらしく窓の外を眺めています。おかあさんの｢早く降りなさ
い」と言う声が背中から聞こえてきました。その後、小さく「い
やだ｣と言う声も聞こえてきました。その声と同時に服の裾を少し
引っ張られた気がします。やがて発車のベルが鳴り、扉の閉まる
音がしました。電車が動き始めてからしばらくして、僕はゆっく
りと振り向いてみました。もしかしたら、と言う気持があったの
かも知れません。しかし、そこにはもう誰もいませんでした。
電車は僕一人残してゴトゴトと揺れています。その時、僕はほん
の少しだけ胸が痛くなりました。そしてあの｢嫌だ｣と言う短い言
葉を最後に、二度と彼女の声を聞くことはありませんでした･･･。

●第二話
某日深夜、とあるお姉さんから呼び出されてしまいました。場所は
歌舞伎町の公園裏、ホテル街に面した薄暗い路地です。どうやら彼
女はすごく怒っているようで、普段より鼻の穴が一回り大きくなっ
ています。しかし僕には鼻の穴の大きさどころか、彼女の存在自体
がもうどうでもいい事でした。僕は一刻も早くこの場から逃れ、早
くお店に戻り、早く楽しいお酒が飲みたかったのです。でも残念な
がら彼女に伝える勇気が僕にはありません。ちょうどラヴホテルの
入り口付近で向かい合ったまま佇む二人。たぶん他人から見れば恋
人同士に見えるのでしょう。通り過ぎる何人かの人達は好奇な目を
僕達に向けていきます。だんだんと僕は、こうして立っている事に
我慢が出来なくなってきました。だから僕は、地球上でもっとも曖
昧な別れの挨拶「じゃあ･･････」を口にしました。すると彼女が、
ゆっくりとコートの前を開き始めたのです。そしてそこには、刃渡
り１０センチほどの光り物がしっかり握られていました。
お姉さんの手がプルプルと震えているせいか、それは水銀灯の下で
キラキラと光り輝いています。もちろん僕はそれを見た瞬間、全速
力で走り出していました。走りながら心の中で｢俺が悪かった、ご
めんなさい」を１０回くらい繰り返した事は言うまでもありません。
僕は今でも、光り物を出した時の青白い顔を夢に見ることがありま
す。でも一つわからないのは、消える直前に必ず薄ら笑いを浮かべ
る事です。もしかすると彼女は、未だに僕のことを恨んでいるのか
も知れません･･････。

遅くなってすまん。

まあ、オナニー一回してお酒でも飲んで寝ちゃえば？？

なんか麩菓子のようなあじわいでおれは好き。
「僕」はちょっと頭がおかしな人、って読み方でいいんだよね？

う〜ん、ストレートに言っちゃうと面白くない。
いい意味でも悪い意味でも麩菓子とは言いえて妙ですね。

１＞にたいして。
わたしは、「とある」が出てきたら、あとは読まないことにしています。
理由は、語感が嫌いだから。（すみません）
「ある」と「とある」ではどうちがうのかなあ？

主人公、いくつ？お母さんって言い方幼くない？
誰に向って話してるの？それとも書いてるの？
「数年前の夏、ある女性の母親に僕は呼び出された」って
始めるだけで、印象が随分違うと思うけど？

age

おもろい。軽妙でいい味。
シリーズであと一話は欲しいね。

でも超シビアなこと言うと
一話目のシツエーションは
現実にはほぼ絶対にありえない。
別れ話をした者同士が別れたあとに
同じ車両に乗ることは、たとえ方向が
同じでも絶対にしない。ってとこが
気にならなくもない。

さらにしつこく追及すると（すまん、暇なんだ）
二話目のラスト直前の

>でも一つわからないのは、消える直前に必ず薄ら笑いを
>浮かべる事です。

これがどっちつかずで悪いな。

ていうか、誰だ！１年前のれすっど上げた君は｡

結構おもしろいと思ったのに、一年も前のか（＾＾；

そしてあげー。

３ヶ月ぶりage