2ちゃん王国物語

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1HIRO
 ……なのです。誰も書かないでね。お願いします。
2HIRO:2000/04/24(月) 15:36
序章

 花は咲き誇り、空の色が明るくなる季節であったが、王子の顔は曇っていた。
「ヒロ、そんな顔をしないでおくれ……」
 レイン王は、最後の力を振り絞るように片手を上げる。
 その手を胸に押し抱き、ヒロックス王子は必死に込み上げるものを堪えていた
が、とうとう亜麻色の澄んだ瞳から涙を零した。しかし、それを拭いもせずに父
王を見つめている。
「ネット・ランドは荒廃してしまった……こんな世界を残していく父を……私を
許しておくれ」
「父上、何をおっしゃるですか!」
「……分かっているんだよ。もうダメだということを……」
 青い顔で溜め息をつくレイン王に、王子は艶やかに光る金髪を揺らして微かに
笑ってみせた。父を元気づけようとしたのだが、その試みは失敗して、また幾筋
かの雫が頬を伝う。
「いいえ、オイラが、、、オイラが、必ずネット・ランドを平和にして。。。」
 言葉は最後まで続かない。
「うぐぅっ……」
「大丈夫ですか、父上!?」
「……あとは頼んだぞ、ヒロ……」
「ち、父上ぇっ!!」
 ネット・ランドに歴史の転換期が訪れた日だった。
3HIRO:2000/04/25(火) 09:17
第一章

 新しい王冠が馴染まないのか、ヒロックスは、何度も紐を結び直していた。
 昨日、戴冠式も終わり、今日は謁見用の広間で挨拶に訪れる人々の対応をして
いる。退屈な時間が続く内に、彼は何度か欠伸を噛み殺した。
 だが次の瞬間、入って来た人物を見て背筋を正す。
「王子……あ、いえ、ヒロックス王、私からのお祝いの品です」
 叔父のマーヴ伯爵が、一人の無愛想な青年に荷物を持たせて現れたのだ。
 伯爵は、昔から“男色に精通している”という噂があった。証拠として良くあ
げられるのは、男性使用人達が美形揃いだということだ。確かに、その青年も、
一目見たら視線が逸らせないほど整った顔をしている。
 若い王が見惚れてしまうほどに――。
 この国の文化は、男色に対して偏見を持っていない。むしろ、高貴な男性のた
しなみですらある。
「どうかなさいましたか? ヒロックス王」
「あ、えへえへ、、、祝いの品を見せていただきますです。。。」
「はい、喜んでいただけると嬉しいのですが。――トール、荷物をこちらへ」
 “トール”と呼ばれた青年が近づいてくると、ヒロックスは胸が次第に高鳴る
のを覚えた。流れる夜色の髪、強く光る黒曜石の瞳、造形だけではなく全てが王
の心を揺さぶるのだ。
「どうぞ」
 侍従長のエルユキンに、色とりどりの宝石で飾られた箱が手渡される。白磁の
肌と灰色の髪を持つこの男も、城では評判の色男だ。二人が並んだ姿は、まさに
一幅の絵を思わせ、立ち居並んだ侍女達から感嘆の声が漏れた。
 その時、ヒロックスの心にある閃きが走る。
4HIRO:2000/04/26(水) 09:35
「南の紅珊瑚に、北の青水晶か。すごいですねぇ、、、ところで叔父上、運んで
来た男も貢ぎ物ですよね?」
「(゚Д゚)ハァ!?」
 マーヴの得意そうな顔が、瞬時に蒼く変わった。
「い、いえ、王……その男は、奴隷市場でも非常に高値で……」
「ならば、、、それだけの金貨をお支払いしますです。」
「………」
 いつもは陽気な伯爵が黙ってしまうと、他の人間にもそれが伝わり、一同は固
唾を飲んで成り行きを見守っている。
「ふ……分かりました。王がそこまでおっしゃるのならお譲りしましょう」
「叔父上、ありがとうございますぅ」
 マーヴは元々、年の近い甥に甘いところがあるのだ。
 広間にも、いくつかの溜め息と共に安堵の雰囲気が漂った。が、長身の青年だ
けは、不愉快そうに口を引き結んでいる。新王は、少しだけ罪悪感に近いものを
感じたが、胸が弾むのを押さえられなかった。
 しかし、エルユキンの質問で現実へ引き戻される。
「それはいいんですが、どこに配属なさるおつもりですか?」
「トールは、酒の知識が豊富です。酒蔵の出納係などが適任でしょうな」
「とマーヴ様はおっしゃってますが?」
 ヒロックスが答える前に口を挟んだ伯爵へ、忠実な侍従長は、“あくまで主人
は王一人”と言いたげな態度でかわしてみせた。ムッと唇を歪めつつも、マーヴ
は気にしないといった風で横を向く。
 このようなやり取りは、二人に限らず城の中では珍しくはない。
 仲が悪いということではなく、政治の世界は奇妙で微妙なバランスの上に成り
立つものであり、会話の全てが駆け引きなのだ。
5HIRO:2000/04/28(金) 10:43
 ヒロックスが、半ばウンザリしながらトールを見ると、目が合った青年は“関
係ない”というように肩を竦めてみせた。思わず王はクスクスと笑ってしまい、
それを誤魔化すために金色の髪を整えるフリをする。
 そして、我に返って自分に驚いた。
『父上が倒れられてから、こんなに素直に笑ったことがあったかなぁ、、、この
トールという男は不思議です。。。いや、オイラが退屈しすぎてたのかも。』
 と、ヒロックスが納得しかけた時、後ろから延びてきた手が腕を掴む。
「ヒロぉ、お仕事まだ終わらないの?」
「ムギティ、、、!」
 ヒロックスの声に広間中の視線が集まった。
 そこへ現れたのは、切れ長の瞳を持つ赤い髪の少年で、小動物を思わせる瞳を
クリクリと動かしながら、王の肩へ親しげにもたれかかる。
「仕事してる時は出てきちゃだめですぅ。」
「だって、この頃可愛がってくれないから、僕、欲求不満なんだもん(ピュア)」
「あとで必ず部屋に行きますです、、、だから。。。」
 臣下達の注目を浴びた若い王は、困ってたしなめたのだが、甘えることに慣れ
たムギティは一向にやめようとはしない。それもそのはず、彼は男ながら後宮で
も一番の愛人なのだ。
「王は執務中だ。いい加減にしろよ、ムギティ」
 それを見かねたのか、エルユキンが一歩前に出て咎めた。
「僕がヒロのお気に入りだからって妬いてるの? やだな、愛されなくなったの
は、君に魅力がなかったせいじゃないか、エルユキン」
「こ、こいつ……」
 キツい目になった侍従長に、ヒロックスは“いいから”と首を振る。ここでも
めれば、あとで更に面倒なことになりかねない。
6名無しさん:2000/07/13(木) 10:35
これ、放置されちゃってるけど、続き書いていいかなぁ
7名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/03(日) 07:22
u
8名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/16(月) 04:44
テスト
9★名なし★:2000/11/05(日) 03:45
k
10アゲ商事(株):2000/11/05(日) 16:36
アゲるのが商売なもんで。

しっかし、くだらねえなこりゃ。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2000/12/26(火) 00:48
HIROさん〜、続きは?
12名無しさん@お腹いっぱい。:2001/02/04(日) 14:56
続きないの?
13名無しさん@お腹いっぱい。:2001/02/04(日) 15:48

「やだな、愛されなくなったの
は、君に魅力がなかったせいじゃないか、エルユキン」
14名無しさん@お腹いっぱい。:2001/02/07(水) 13:01
三ヶ月越しだ4から5のあいだ 
15偽HIRO:2001/02/07(水) 15:23
>>6
許可します。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2001/02/08(木) 16:09
続きは?
17名無しさん@お腹いっぱい。:2001/02/11(日) 04:18
>>13
hidoi...(;;)
18名無しさん@お腹いっぱい。:2001/03/30(金) 17:11
あーもう誰でもいいから続き書いてくれ!
気になる!!
19名無しさん@お腹いっぱい。:2001/04/08(日) 14:20
k
20 :2001/06/21(木) 14:16
21編集長:2001/06/21(木) 15:42
>>1->>5 しりあがり寿に作画させたいような話だ
22名無しさん@お腹いっぱい。
ムギティ以外の名前の由来が不明だ。