ワイが文章をちょっと詳しく評価する![38]

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 テレビ番組の取材を、自称美食家のワイは自宅にて受けることになった。
 台所にテレビクルーが入り、地元では有名な男性レポーターがメイクをばっちり決めていた。
 食卓には料理が並んでいた。
「で、では、ワイさん、お料理についてご説明下さい」
 マイクを持ったレポーターは吐き気を堪えながら聞いた。
「では、説明します。この前菜は、牛と馬のうんこサラダ。松坂牛の牛糞と馬刺しにする為に育てられた
肉質の良い馬の馬糞に、牛と馬の小便を加えて柔らかくし、消化不良のかいばや牧草を沢山含んだ、健康にとても良いものです」
「でも、うんこですよね?」
 レポーターが突っ込んだ。
「いえいえ、あくまでもサラダです」
 ワイは指でうんこサラダを掴み、口に放り込んで無表情で咀嚼した。
「うん、うまい」
 どうみても皿に盛られたものは、ただのうんこにしか見えなかった。
「お、お次は……おぇっ」
 レポーターがえずきながら聞いた。室内には様々な糞の匂い、小便の臭いが混じり合い、おぞましい臭気が充満していた。
「これは鶏のうんこスープです。よく運動させて、よい食べ物を与えた健康な名古屋コーチンのうんこに、
鹿児島産黒豚の小便を混ぜて作った最高傑作です」
「普通に名古屋コーチンのお肉を頂いた方が美味しそうですが」
「馬鹿な事を。その美味のコーチンのうんこと黒豚の小便だから、絶品なんじゃないか」
 ワイはスプーンで一口飲んだ。
「この塩加減が堪らないんだよなあ」
「つ、次に行きましょう」
 これ以上、コメントを聞きたくないと考えたレポーターが遮った。
797微食家ワイ 2/2:2014/04/19(土) 18:41:14.85
「こちらは、何でしょうか?」
 茶色いステーキのような形をしたものが平皿に載せられていた。
「これはメインディッシュの、ライオンのうんこで作ったステーキですね。あいつら新鮮な生肉しか食っ
てないし、消化不良の獣肉まで入っていて、豪勢なんですよ。うんこに含まれてる獣臭い体毛や獣の歯、
骨はそのままでは食べられないので」
 ワイが説明する中、気持ち悪さに耐え切れなくなったレポーターが遂に嘔吐し、他のスタッフも連れら
て吐き、台所が吐瀉物塗れになって、酸っぱい胃液の臭いまで室内に混ざった。ワイは「吐瀉物はそこの
バケツに入れておいて。あとで料理して食べるから」とさらりと言った。それを聞いたスタッフが更に吐
き気を催して、げろげろげろっと激しく嘔吐した。
「歯と骨は砕いて粉々にして、体毛は気にならない短さまで切ってうんこに混ぜて、うんこをステーキの
形にして焼きます。ステーキソースにはライオンの下痢便を搾って作った大便汁を使用し、ライオンの小便と合わせます」
「わっ、わかり、ました……。あとは何があるんですか?」
「これですね」
 ワイが手で指示した先には、丸い粒上の、一目見てウサギの糞とわかる物があった。
「なんだかわかりましたからもういいです」
「もういいわけないだろう。これは食後のデザートだ。うさぎのうんこチョコ。上質のベルギーチョコを
沢山食べさせたウサギのうんこをチョコボール状にしたものだ。ほろ苦くてうまいぞ」
 正気を保つのでやっとになっているレポーターに、ワイが畳みかけ、一口うんこチョコを食べた。
「飲み物はこれだ。ブドウ、リンゴ、ナシ、甘い果物ばかりを食べさせた黒豚、松阪牛の小便。美味し過ぎてごくごく飲めるよ」
 そう言ってワイはグラスに注がれた黄色い小便を、喉を鳴らして美味そうに飲んだ。
「いっ……以上、美食を究めたと豪語される微食倶楽部よりお届けしました」
 リポーターが締めくくる後ろで、ワイはバケツに入っているスタッフとレポーターが吐いた吐瀉物を美
味しそうに一気飲みし「この胃液の酸っぱさが良いんだよなあ」と笑みを浮かべていた。