725 :
正義の味方 1/4:
「おいお前、パコらせろ」
不良高校生の佐々木が中学生カップルに絡んだ。でっぷりした体にゴリラ並の腕力、喧嘩の腕が自慢だった。
「やっ、やめて下さい!」
彼氏の大畑は震えながら声を絞り出す。眼鏡を掛けてガリガリ、喧嘩はからっきしで、ちょっとした精神障害を持っていた。
「うるせえ馬鹿野郎」
佐々木は大畑をぶん殴る。大畑は尻もちをつき、鼻血がだらだらと流れて止まらなくなった。
「勇貴君!」
彼女の美羅は大畑に駆け寄った。今にも泣きそうな顔をしていた。二人の関係はただならぬものだった。
一緒に死んでくれる人募集、という大畑のニコ生動画を見て、自殺を止める為に連絡してきた少女が美羅だった。
流れる鼻血と熱を帯びる鼻梁、痛みに、大畑は生きている実感を得て、希死念慮がなくなっている事に気づいた。
「パコろうぜ、メスガキ!」
佐々木は美羅の細腕を掴む。美羅は必死に抵抗する。大畑も必死で引き剥がそうとするが、佐々木に殴られるだけだった。
「助けてえ!」
美羅が叫んだ。
726 :
正義の味方 2/4:2014/04/16(水) 00:01:15.28
「参上!」
強力な助っ人から現れた。
「きゃああああ!!」
にもかかわらず美羅は悲鳴を上げた。それもそのはず。助っ人は全裸で、頭部のみハート形の着ぐるみを装着した変態だった。
「正義の味方、ワイ!」
「何が正義だ、この変態野郎!」
佐々木が殴りかかる。ワイは拳と蹴りを何十発も叩き込まれ、投げ技まで掛けられ、僅か数分で半殺しにされた。
「何だお前? 正義の味方とかほざくから強ええのかと思ったら、最弱じゃねえか」
佐々木は呆れたように呟いた。
「ワイパンチ!」
突如ワイはパンチを繰り出した。佐々木はワイの顔面を手で掴んで防いだ。ワイはその体勢で当たりもしないパンチを延々と繰り出していた。
「お前馬鹿だろ?」
佐々木が手を放して吐き捨てる。
「違うよ、ワイだよ」
ワイが姿勢を正して直立不動になって答える。
「はあ?」
佐々木がワイの顔面に正拳突きを叩き込んだ。ワイは鼻血を出しながら倒れ、その際に口から抜けた前歯が飛び出てきた。
727 :
正義の味方 3/4:2014/04/16(水) 00:02:54.30
「そろそろ、本気出すよ」
ワイが言った。これだけ打ちのめされたにもかかわらず、強がりを言っている感じではない。
「さっさと出せよヴォケ!」
「巨大化せよチン棒!」
ワイが叫ぶと、途端にワイの股間に生えていたペニスが長さ10メートルのとても固い棒になった。
「なっ、なんだお前!」
佐々木が驚く。
「せえいりゃああ!!」
ワイが腰を横に振り、佐々木の横っ面を遠心力で強力な武器に化けたチン棒でぶん殴った。佐々木は数メートル先に吹き飛ばされた。
「ばっ、化け物か、てめえ……」
体を起こした佐々木が口の端から流れる血を手の甲で拭った。
「まだ終わりじゃないよ。伸びよチン棒」
ワイのチン棒が細長くなり、そのまま勢い良く伸びて佐々木の口に入った。
「おえっ!」
チン棒の先端に喉奥を当てられた佐々木はえずいたが、頭を動かしてもチン棒が自由自在に伸びる為に口から出せず、えずき続けた。
「スペルマアタック!」
ワイのキメ台詞と同時に、チン棒の先端から精液がとめどなく流れ続けた。佐々木が抵抗しても無駄で、精液を飲んでしまった。
佐々木はゲイでない。ペニスを口に押し込まれただけでも気持ちが悪く屈辱なのに、
知らない男の精液を飲まされた怒りは想像を絶するものがあった。
728 :
正義の味方 4/4:2014/04/16(水) 00:09:15.31
「てぇ……めぇ……えっ……」
ワイがチン棒を引っ込めると、佐々木が殺意を帯びた鋭い眼光でワイを睨みつけて、憎悪の籠った声を出し、起き上がってきた。
「楽しかった?」
「ぶっ殺してやる!」
佐々木が突進してきた。ワイはチン棒を再び伸ばして硬度を最強にし、渾身の力で佐々木の脳天に振り下ろした。
どおん、と頭が叩き割れるような心地よい響きがして、佐々木は強烈な一撃に脳震盪を起こしたが、
そうなるより前にワイのチン棒が佐々木の顎と首の間に食い込み、そのまま救い上げる形で物凄い力で払い上げた。
佐々木は中空を舞い、十メートル近く飛ばされて、落下する際、背中を地面に叩きつけた。痙攣して口から泡を吹いていた。
「大丈夫ですか、お嬢さん」
ワイは手の代わりにチン棒を美羅に差しのべた。
「きゃあああ!!!」
「なんでこうなるんだよう……」
ワイは交番の掲示板を見て呟いた。指名手配犯の中に、全裸の変質者の写真があった。言うまでもなくワイだ。
美羅と大畑は、ワイを助けてくれた恩人でなく、ただの変態として警察に訴え、地元署もただの変態として扱ったのだ。
人助けをする度に、警察から変態としてマークされ、犯行歴が加算されていくのだった……。