「ふん、お前いい体してんな」そいつは入学一発目の混沌とした教室で無遠慮に腕を掴んできた。
「俺は松田雄大だ、お前は?」
「は、早川卓です」松田は横に居た大柄だが気弱そうな男の腕を掴んで前に出した。
「こいつは荒川勇吾な」「う…うんよろしく」
「さて自己紹介も終わった事だし、今からお前も西高十二神将が一人だ」
なんか面倒そうなやつに捕まった。「ど、どういうことですか?」
「この西高を統べる頂点の一人に選ばれた」
「頂点て…」しかしおかしなやつだが仲間は多そうだ、友達を作るのに利用するのも手かもしれない。
「他の人たちは?」「俺とお前とこいつだ」
「四天王にもなってないよ!」
「今から増やす、お前もついてこい」ダメだ、間違いなく痛いやつだ。こんなやつとつるんでたら俺まで火傷しかねない。
「あ、あの俺いいよ、11人集まったら言って、そんとき考えるから」
「お前はファストリバーと名乗るがよい」「人の話聞いて!それに何そのだっさい二つ名みたいの!」
「こいつはワイルドリバーだ」「聞いてないよ!」
「運がいいぞお前ら、登場のポーズの時にセンターの右と左だ」「なに登場のポーズって!何の活動中?」
「学校の平和を守る活動中だ」「やっと答えてくれたけど意味不明!」
「俺達はこの学校の平和を守る守護神だ」「生徒会に任せようよ!」
「生徒会は表の組織で、俺達は裏の組織だ」「登場ポーズまでキメておいて!?」
「仮面を被るから大丈夫だ」「だれか助けて!」
「お前が困っている者を助けるのだ」「俺十分困ってるよ!」
「それはいかん、俺が助けてやろう、なんで困っている」「変な人に絡まれてるんですよ、荒川君なんか言ってやって」
「うむ、私も力になろう」
「お前もか!もうやだ二人ともあっち行ってよ」
「ではこの血判状に拇印を押すのだ」「何この血っぽい何か、なんで二人とも指に絆創膏巻いてんの?」
二人がニカっと笑って絆創膏を巻いた親指を立てた。
「ひ…ひぃ、た、たすけてーーー!」俺は一目散に教室を飛び出した。