474 :
名無し物書き@推敲中?:
【 <検証>『この世界の片隅に』『こどもの指につつかれる』類似箇所 】
●検証対象
第13回(2009年)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品
『この世界の片隅に 前後編』発行所・双葉社 著者・こうの史代
第114回(2012年)文學界新人賞受賞作
『こどもの指につつかれる/文學界六月号』著者・小祝百々子
●検証理由
『こどもの指につつかれる』は、こうの史代氏のドラマ化もされた漫画『この世界の片隅に』に似ているという文學界スレで指摘され議論に発展したため。
●小祝百々子
第114回(2011年)文學界新人賞候補作『孕みの木の実はされるがままだ』は選考委員吉田修一氏からで映画『アバター』との類似を指摘されている。松浦寿輝氏からは西欧近代小説エイモス・チュツオーラの『やし酒飲み』とも比較され酷評に終わった。
●両作品の世界観
『この世界の片隅に後編p126』
「まるで左手が描いた世界のように」のフレーズ
=『こどもの指でつつかれる』
(うしなった)左腕が描いたハルの人生
●共通点1:子供がいない。あるいはできない。
1・『この世界の片隅に前編p209〜210』
「もしかして子供が出来んのを気にしとんのか?」p210 スズの夫の台詞から
=『こどもの指でつつかれる』
「ハルには妻も子もなく」p22 ※ハルは妻と離婚している
475 :
名無し物書き@推敲中?:2012/06/13(水) 05:44:45.93
●共通点2:離れ離れになった身体を思う
1・『この世界の片隅に 後編第35回P121〜128P(122〜123,P126)』
すず(主人公)がうしなった右手に思いをはせる回。
後編P122〜123見開き 失った右手を見つめたスズの独白
「昨日 ない事を知った右手 六月には 晴美さんとつないだ右手
五月には 周作さんの寝顔を描いた右手
四月には テルさんの紅を握りしめた右手
三月には 久夫さんの教科書を書き写した右手
二月には 鬼いちゃんの脳みそを拾い上げた右手
一月には カルタを取りまくった右手
去年の十二月には 水原さんの手を握った右手
去年の十一月には おねえさんの着物を裁ち間違えた右手
去年の十月には 震えながら引き出しを開けた右手
去年の九月には 周作さんをぱしぱし叩いた右手
去年の八月には リンさんにすいかを書いた右手
去年の七月には 利根と日向と憲兵さんに出会った右手
去年の六月には こまつなのタネをのせた右手
去年の五月には 楠木公に驚愕して箸を落とした右手
去年の四月には たんぽぽの綿毛を摘んだ右手
去年の四月には たんぽぽの綿毛を摘んだ右手
去年の三月には ふるさとを描きとめた右手
去年の二月には 初めて周作さんに触った右手
一昨年の暮れには 海苔すきが大好きだった右手
七年前の二月には うさぎをいくつも描いた右手
十年前の八月には すみちゃんのために砂にお母ちゃんを描いた右手」
=『こどもの指につつかれる』失われた片腕の側に持ち主の人生を回想させる形式に変えたと考察すると納得できる。
476 :
名無し物書き@推敲中?:2012/06/13(水) 05:46:45.45
2・『この世界の片隅に 後編 P171』
「右手……どこで何をしているのだろう」すずの台詞
=『こどもの指につつかれる P48』
「……幻肢という症状をご存知ですか。うしなわれた手足がまだあるかのように感じることです」
「朝方、夢うつつのとき、星の粉が左手の爪の間に入った、と感じることがあるんです」ハルの台詞
=『こどもの指につつかれる P49』
「私の左腕は、私に備わっていたときとは別の生き方をはじめたように思うんです。この前は夢の中で〜」ハルの台詞
●共通点3:幻肢
3・『この世界の片隅に 後編 P162』
すずが泣いている時に失った右手が現れて彼女の頭を優しく撫でて主人公のことを思いやるシーン
=『こどもの指につつかれる』の幻肢全体に相当。作者は左腕に変えてパクったんだと思われても仕方がない。
●共通点4:片腕を失う
『この世界の片隅に』
スズは主人の留守中に家を守る決意をするが、空襲で義理の姉の子供と手をつないで避難している最中に爆撃されて右腕を失う。
=『こどもの指につつかれる』ハルは弟が運転する車に同乗していたが交通事故に遭い左腕を失う。
477 :
名無し物書き@推敲中?:2012/06/13(水) 05:58:59.82
●共通点5:不和
『この世界の片隅に』
スズは空襲で義理の姉の子供と避難している最中に爆撃されてその子も失い、義理の姉と不和になる。
=『こどもの指につつかれる』ハルは弟が運転する車に同乗していたが交通事故に遭い左腕を失う。そのことをきっかけに弟と不和になる。
●共通点6:失った腕に興味を示す子供
『この世界の片隅に 後編 最終回 212〜214』
すず夫婦が食事中に子供が寄ってきて、
すずの亡くなった左手のないすそをじっと見つめて後に腕の通っていない袖をつかむ
=『こどもの指につつかれる 22〜24P』
こどもがハルの左袖をじっとみつめて、
すその中に手を突っ込んだり、ハルの袖を引っ張る。
2012年6月13日更新