952 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 15:15:28.85
Eは今にも泣き出しそうだ。肩が震えている。
少女は何も言わないで運転席に戻ると、器に集め始めた。
私もしゃがみ込んでそれを手伝う、その器に手を突っ込んだ。
「危ないよ!!」
私は驚いて、その行為を止めようする。
Eは平気な顔でこう言った。
「大丈夫だよ。この宝石の中の偽物を探しているだけだからね」
953 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 15:21:40.26
Eは落胆しながら器から手を出すと、ベージュ色の石を取り出した。
私の話にはてんで聞く耳無しだ。
「これが偽物だよ!!」
とても綺麗な乳白色をしたその石、私はどこかで見かけたような気がする。
954 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 19:36:12.34
「偽物が混じってるとちゃんと元に戻らないから!」
Eは私にその石を渡すと、器に手でふたをして何度か振った。
ぴょろ。
Eが手を開くと、器の中からさっきの蜥蜴が元気に飛び出した。
「生きていたの?」
私は少しがっかりした。
乳白色の石が私の手の中でキラキラしている。
955 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 22:05:41.37
とても綺麗なベージュ色をした石、私はどこかで見たような気がする。
私は何だか、それがとても欲しくなって、思わず聞いてしまう。
「どこで売ってたのそれ…」
「Jから貰ったものなんだ…」
Eは石をそっと自分のポケットにしまい込む、私の手を取りJのいた座席へ導いて行こうとする。
956 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 22:14:07.47
私は訳が分からずにEの後について行く。
ふと、窓の外を見ると街の灯りが見えた。
良かった!!これで帰れるんだ!!
疲れた…すっごい疲れた…
「あれ、街の灯りだよね!!」
Eは無視したまま私の手を取ってJの場所へ向かおうとする。
嫌だ、私はまたあの人に会いたく無い!!
957 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 22:19:35.86
「Eちゃん、いやよ!」
私はEの手を振り払おうとする。でもできない。
Eの手が私から離れない。指相撲はあんなに弱かったのに!
「J、アスカをつれてきた」
Eが私を客席に引きずっていく。
「Eちゃん、やめて!いや!」
私はEに叫んだ。
958 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 22:25:22.75
もう、家に帰りたいのだ。
今日の夕飯は私の好きな牛丼だったはずなのに!
「そんな顔しないでさあ、私が考えた事では無いんだよ。Jに何かされたの?」
「そうでは無いけど…何だかあの人は目線を話してくれなかった…」
「ありゃまーそれはJの悪い癖だよ。…ごめんよ」
暫く気まずい沈黙が流れた後、Eちゃんは私にこう言ってきた。
959 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 22:32:31.08
「ではここでGを呼ぼう!!G!!おいで、おいでー」
Eちゃんはそう言うと口笛をぴゅいっと吹いた。
「何だよ。E」
不意に黒い物が目の前を横切ったかと思うと、大きな大きなテントウ虫がEの肩に止まった。
960 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 22:42:58.45
「僕は今の今まで食事中だったんだ。相も変わらず虫使いの荒いお子様だぜ」
私は驚きで声も出ない。人間、本当に驚いた時は声も出なくなるものだ。
「ふん。食事って言ったって、どうせアブラ虫オンリー何でしょう?
美食家を気取らないでよね」
Eちゃんは平然としている。
「な、何なのそのでっかい虫、しかも喋る!!」
「G!!ひっさしぶりー元気だった?」
テントウ虫はしたり顔で答える。
961 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 22:52:39.03
「ちょっとな。クラゲさんとこに行ってきたんだ」
「何、何なのその虫、喋ってるじゃない!?」
そのGと呼ばれた虫はEの肩に留まると
「クラゲさん元気だったぜ。蜥蜴のブローチはどうした?」
私の事、完全無視だ、この一人と一匹…。
「何やってんのお前ら」
前方から例の車掌姿の男が歩いてくる。
962 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 23:01:02.64
「車掌さん、おねがい次の駅で降ろして!」
私はEちゃんをふりほどいて、もじゃもじゃの車掌にすがった。
こんな変な女の子や虫、それに『あの男』のいる電車、もう耐えられない!
「それはだめだアスカちゃん、君は行くべき所があるはずだ。」
車掌が神妙な顔で答える。
「水族館でも博物館でもない…いったい何処に行くのよ!」
私は耐え切れず叫んだ。
963 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 23:10:27.50
「J、聞いてよ!!
この子がね、財産アスカだよ」
「ふむ…そんなことよりE、お前その手はどうしたんだ?」
Eちゃんは、たじろいている。
「…これは…その…えーっと…少し手が滑っただけだよ」
包帯を巻かれた手をEちゃんは必死に隠そうしている。
「そうか…アスカが手当てをしてくれたのか?」
何故この人私の名前を知っているんだろう。
「えーっと私。保健委員だったので、こう言うのは慣れてるんです」
「そうか。アスカは偉いな」
964 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 23:16:34.45
Jが客席から立ち上がり、くるりとこちらを向いた。
白銀の蓬髪を肩まで垂らした不気味なおじさん。
「ひいい!」
私は顔を覆った。
どうしたんだろう?初めて会う人なのに、怖くてたまらない。
いえ、なぜだか会う前からわかっていた。
あいつは怖い男。
「J、教えてあげて、この子行く先を!」
Eちゃんが、おそるおそるJに言った。
965 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 23:24:23.63
そう言いながらJと呼ばれた男はEの手を取って包帯を解いていく、
どうしてか傷一つ見当たらない。
私はびっくりする。
どうして何だろう。
でも、褒められて少し照れる。この人思ったより悪い人じゃなさそうだ。
「ようJ、そんなことよりNが目を覚ましそうだぜ。一緒に探しに行こうぜ」
Jさんは少しだけ嫌そうな顔をする。
「奴か、奴の事はほっとかないか?どーせロクな事言わないんだからな」
966 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/05(土) 23:32:50.01
「まあ行こうぜ。Jはああいってるが、Nには借りがあるはずだ。」
私の耳元で七星の翅をパタパタさせながらGがささやく。
「でもN氏だけは電車の何処を探しても見つからなかった、いったいどこにいるの?」
Eが首をかしげる。
井上
968 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 07:02:39.65
Gは羽をバタつかせながらゲラゲラ笑っている。
「アハハ。あいついっつも変な所で寝てるよなー」
「この前、座席上の荷物置き場だったよね」と、Eちゃん。
Jは頭を掻きながら渋々といった様子で車掌帽をかぶりなおす。
「仕方ないなぁ。それじゃあ一緒に探しに行くか」
「おぅ!!一緒に行こうぜ。マイハニー!!」とノリノリのG。
969 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 07:08:47.11
Eは飛び跳ねて喜んでいる。
「やったーこれで皆揃ったね。レッツゴー!!」
三人と一匹は、連れ立って列車の通路を歩いていく。
其れにしてもEちゃんと車掌姿のJさん。この二人どんな関係何だろう。
970 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 07:15:26.38
Jの年は20代後半ぐらいだろうか、Eちゃんは学生のジャケットを羽織っているから中学年ぐらいに見える。Gは如何にアブラ虫が美味であるか、Eちゃんに力説している。
何だろ、この虫、私は突っ込んだら良いものやら迷いながらついて行く。
「ここだな」
971 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 07:33:48.99
Jは車両取付のトイレの前に立つと、車両の反対側から勢いを付けてドアに跳び蹴りをした。
トイレのドアは粉々に砕けて、私は悲鳴を上げる。
「ちょ、ちょっとJ!!そんな事したら中にいる御老人とNさんに迷惑がかかるよ!」
972 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 07:48:24.98
Jは無言でずかずかと入り込むと、中にいる一人の青年を引っ張り出した。
先の細い金髪の蒼い目をした綺麗な人だ。
「おぅ、N。相変わらずだな」
青年は眠たそうに答える。
「…もぅ…なんだよ…人が気持ち良い寝てるのに…」
JはNさんと呼ばれた青年の胸ぐらを掴みあげると睨み付けながらこう言った。
973 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 08:11:02.12
「もうすぐ水族館だ。寝てる場合じゃねぇよ」
「話してあげなよJ。可愛そうだよ」
とEちゃん。
青年は無視して、こちらをむくと私の目ジッと見つめながらこう言いはなった。
「おい、そこのお前。このままだと拙いぞ?」
「…はい?」
「人がいい気持ちで寝てたっつーのに叩き叩き起こしやがって…」
Nさんは頗る不機嫌な様子でJを睨んでいる。
「あぁ!?人一人増えるだけでEにどれだけの負担がかかると思っているんだ」
傍らに佇む老人にNは目配せをする。
「知りませんよ。この前の角松線事件の事故はアナタ方が考えも無しに突っ走ったからだろう。同じ人に何回も何回も道聞かれて儂は案内係をかってでたがな。それはあの二人の為だ!!」
「まぁまぁお二人さん」
テントウ虫がNさんの頭上に止まり、仲裁に入る。
974 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 08:29:59.32
「ここにおられる新入りの財産アジコどのも困っておられるようだ。ここは一つ黄色の切符をアジコに預けてみてはどうかな」
「じゃあ、ちょっくら行ってくるわ」
虫は元気よく、便器の中に飛び込んでいった。
私は呆然と逸れを見送る。
「大丈夫なの!?今の虫!?水中動物じゃ無いんだけど!!」
Eはジャケットを脱いでこう答える。
975 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 08:34:38.93
「私もちょっと、ひと泳ぎしてこようかなー大丈夫。Gの羽にはね。防水加工がしてあるからね」
Nさんはツカツカと私に歩み寄る、黄色の切符を目の前に突きつけた。
976 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 08:44:28.55
「この切符はなぁ、自分が立っているこの場所、地面の裏っ側にもう一人の自分が居て、そいつとの架け橋となる。アイテムだ。大切にしろよ」
「お前にはもう関係の無いことだからな」
と、車掌帽を取りながらJが呟く。私に言っているのか、Nさんに言っているのか分からない口調だ。
Eはジャケットを肩に担ぐと胸はり、得意げに解説を始める。
977 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 08:59:18.53
「その自分と自分は足の裏で繋がっている世界は『同じ』世界なの。でも違うの」
何だかざっくりと説明されてもの凄く腑に落ちない気分だが、私はとりあえずこう答える。
「私、そう言えば今日電車に乗る時、自分の荷物を座席上に忘れたんだけど…知らない…?」
「えーっと荷物担当はOさんだからね。一緒に訪ねてみようか」
「…分かった…アナタ達の事の取り敢えず信用するわ」
私達はそう言うと、三両目の列車に移動する事にした。
「いやーEの頭は羽を休ませるのにちょうど良いわ」
Gはそう冗談めかして言うと「じゃあちょっと行ってくるわ」
と便器の中に飛び込んでいった。
「だ、大丈夫なの!?あの虫!?」
NさんとJは相変わらず睨み合ったままだ。
979 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 09:44:29.30
「お二人、落ち着いて…」
「へぇ、この子が財産アスカかぁ…思ったより不細工だな」
Jは溜め息をつきながら私の肩を抱く。
「これから一緒に旅をする仲間だ。アスカ、彼は案内役のN、説明を頼む」
Nは立ち上がると、私の顔をじろりと眺め、こう呟いた。
「お前は自分の影に捕らわれちまって居るな。そう言えば、自分の荷物はどうしたんだ?」
私はハッと気付く。
私の学生鞄が無いんだけど、どこに置いて来たのだろうか?
Eは遮るようにひょこっと顔をだす。
「あれ?」
Eはピタリと止まり、ジャケットを脱ぐと、先ほどの乳白色の欠片を取り出した。
「これ、Gに渡すの忘れちゃったーまあ良いか。アスカ、これ預かっておいて」
「いやいや、Eそれはこの子の持ち物じゃ無い。お前の手から直接クラゲさんに渡すべきだろう」
と、Jは私の手を引きながら答える。
男の人に余りふれたことの無い私は何だか照れてしまう。
先頭を行くJさんは案内役だと言うのに、後ろを振り向きもしない。
980 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 09:54:52.65
Gは考える。虫である自分と比べて、人間達はどのような目線で物事を見ているのだろうか。
そりゃあ俺は虫だから仕事はしなくて良いし、水道を使って自由に水族館やお菓子屋さんを行きき出来る。
あいつらはそんな俺を黙認しているが、多分本当は羨ましいんだろう。
981 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 10:00:13.08
Eはすこぶる上機嫌だ。
「アスカー荷物って何が入ってたの?」
「えーっと、教科書とか、ペンケースとか、あと…図書館で借りた本とかだけど?」
982 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 10:14:03.49
Eはすこぶる上機嫌だ。
「アスカー荷物って何が入ってたの?」
「えーっと、教科書とか、ペンケースとか、あと…図書館で借りた本とかだけど?」
「アスカ、Oさん多忙だから余り刺激しないようにな」
そんなに怒りやすい人なのかしら。
「まぁ言ってみれば、皆のお母さん役ってところかな?」
三両目の最後尾に運転席があるのが見えるはずだが。なぜかカーテンで隠されている。
「おーい。誰かいるかー?」
Nはカーテンの向こう側に呼び掛けながら、頭を掻く。
「Nさん、御髪が落ちてるよん♪伸ばすんじゃなかったのん♪」
Nさんは無視したまま、カーテンを引く。
983 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 10:29:20.96
そこには何かノートに書付ながら、電卓を叩いている一人の女性がいた。
中国服に身を包み、黒髪で切れ目の背の低い方だ。
「この前の角松線事件、世話になったな」
Nさんはそう言うと、Oさんが書いているノートを覗き込む。
そこに沢山の人の名前が書いてあった。
「えーっと…この中に彼女の名前が無いと言うことは…」
「もしかして…アスカは始めるの登校だったのかな?」
私は少しだけ身震いする。
どこにやったのだろう。ポケットにはハンカチと、定期券しか無い。
984 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 10:33:47.87
「登校?いったいどういうこと?」
私はは頭を抱えた。
おかしいここにくる以前のことを何も覚えていないのだ。
私はポケットの定期券を取り出して『降車駅』を確認した。
985 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 10:37:03.32
「アスカ、ちょっとこっち来い。お前のバッグこれだろう」
Jが差し出したのはスニーカー型のバッグだった。
「ち…違います。私のは普通のバッグにピースマークのブローチがついた物です」
「私の名前O、その子は?新しい迷子?」
「ちっがうよー只のオッチョコチョイだよー」
986 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 10:41:19.29
「この子、まさかまだ『資格』がないの?只のオッチョコチョイでここにくるなんて、とんでもない強運」
Oさんが目を丸くする。
「只のオッチョコチョイじゃないな、とんでもないオッチョコチョイだ」
Nさんがふっと笑った。
やっぱnが過大評価なんか?
988 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 11:09:12.98
「アスカちょっとこっち来い。お前のバッグこれだろう」
Jが差し出したのはスニーカー型のバッグだった。
「ち、違います!!私のは普通のバッグです」
「私の名前はO、その子は?新しい迷子?」
Oさんと呼ばれた彼女…?いや彼?はレッドの目を好奇心からか、切れ長の目を細くしながら私の瞳を覗き込むとこう言った。
「アナタの鞄の中に面白い本が会ったから、勝手に読ませて貰ったよ」
「へぇ…その本見覚えがあるな…」
Jは相変わらず私の肩を抱いたまま、覗き込んでくる。
いい加減離して欲しいんだけど…
〇さんは袖をひらりと翻すと立ち上がり、ノートをたたむと耳に挟んだペンを手に取ると、そのペンについているスタンプを私の手のこうに押してくれた。
989 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 11:33:05.82
「あなたも?もしかしたらAのイタヅラで屋根上にあるかも知れないよ」
「そうだね!!アスカ、見に行ってみようか」
それはちょっと…電車の上って電線が通っていて危険なんじゃないの?
そう思う私を完全無視してEちゃんは救護用のハッチをあける。
これで屋根まで上がるつもりだろうか?
「E、気をつけろよ。奴はすばしっこく逃げるからな…」
Jはそう言うと、私を抱きかかえてハッチに放り込んだ。
「えっ!?」
Eは私の首根っこを掴むと、ヒョイと屋根へ放り投げた。
少女とは思えない怪力だ。
そこで私が見たのは白髪にムラサキの中国服を着て、泣いている少年の姿だった。
990 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 12:02:19.24
(角松線事件の一番の被害者だ。白髪はそのせいだ。Nめ。また翁に頼るつもるだな…)
Nさんと瓜ふたつだ。兄弟なのだろうか?
「私の飼っていたハムスターが死んじゃったよーうわーん」
「またお前。あんだけ首輪付けとけって言ったじゃないか」
Jはヒョイと電線くぐり抜けると、Aの頭を撫でて、こう言った。
「お前なぁ。いっくら可愛いからってハムスターにアイスクリームなんかあげるからだろう」
「なによ!!」
Aさんは反発する。
「可愛がることの何が悪いのよ!!」
どうしよう…この二人、こんな所で喧嘩始めて、危ないと、危ないとは思わないのだろうか…?
蜥蜴にテントウ虫、そしてハムスター。
空が白けてきた。どうやらこのあたり一帯は樹海のようだ。
「ねぇEちゃん。私の飼っていたハムスターも可愛がりすぎたけど、ちゃんと生きてるよ。あの人どうして、ここに居るの?」
「駄目だよ。アスカ。泣いている女性にそんな事言ったら、それこそフォローしてあげなきゃ」
Jが口を挟む。
「もう次の次が動物園だから、別に良いだろう」
とJが口笛を吹きながら言う。Eが見事な曲芸で電線をかわして、Aにハンカチを差し出したからだ。
学
992 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 12:11:50.24
「む!コレは私のだから返さないよ!」と頭をボリボリ掻きながらAさんはクロスを私にくれた。
なんつー人だよ。この人。
「いや…その必要は無い。そろそろだな」
ピンポンパンポーン♪
「ケケケ、そろそろ水族館に着くぜーアスカ、覚悟しとけよ」
この声はGだ。
一体これから私達どこにたどり着くんだろう…。
993 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 12:30:52.23
Jは考える。財産アスカと引き合わせても良いものだろうか。
「うわーん、豚の貯金箱が割れちゃったよぅ」
と、Aさんと思わしき少年が喚いている。
「Aさん、まーだ損なもの持ってたの?」
「お、E、久し振りぃ、それより見てこれ、折角集めた私の宝石がバラバラだよう」
この人なんだ。
こんな所で破壊行動をしていたら、それこそ自分の身が危ないではないか。
なんか凄く嫌だ。
「あんまり集め過ぎたからだ。お痛がすぎるぞ、A」
「だって、Jが喜ぶと思って…ぼく、Jが好きなんだよう!!」
男同士なのにか、私は引きながら、じっと何も言わないことにしようとする。
994 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 12:38:25.33
「アスカー自分の荷物が見つからないの?あの人に聞いてみてくれないかな」
とEに乳白色の宝石を見せられながら言われた、黙っていると決めた瞬間に見透かされたようでドキリとする。
そうだった。
私、家に帰らなきゃ。
995 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 13:05:33.97
「Eちゃん、私この駅で降りないといけないの、どこで乗り換えればいい?」
私はEちゃんにポケットから取り出した自分(……だよね?)の定期券をみせた。
乗車駅のところに書かれていた駅名を。
『聖跡安達ヶ原』
どうすればいいの?
1000までいっても新スレは立てない
つまんね
999 :
名無し物書き@推敲中?:2013/01/06(日) 15:28:34.75
ほっしゅ
スレ違いだろ!やめれ
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。