ワイが文章をちょっと詳しく評価する![6]

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 救世主《メシア》が降り立った。
 空の切れ端、雲間から一本の細長い光線が槍のように森へとのびた。瞬く間の出来事だった。
(あれは、《妖精の泉》の近くだ)
 森と村を隔てる川ぞいで、飼い犬の散歩をしていたスコット・ローランドは、いち早く異変に気付くと、いつものルートを変更して森を目指した。
 《ほうき蜘蛛(ブルーム・ウィドウ)の森》。娯楽に乏しいリクセンの農村では、こどもたちの主な遊び場になっていた。
 彼も小さい頃には仲間と共に木登りや小動物狩りに明け暮れたものだ。畑仕事の手伝いをするようになったここ数年は、すっかりご無沙汰になってしまったが。
8692/2:2011/04/15(金) 10:25:19.49
 だが足は覚えているものだ。道なき道を迷うことなくすいすい進んでいった。
 やがてうっそうとした木々の世界は晴れて、開けた空間に出た。
 森の奥には花畑に囲まれた美しい湧き泉があり、《妖精の泉》と呼ばれていた。
 咲き乱れる色とりどりの花――吹き抜ける風に花びらが舞い上がる。
 瞳が合った。
 それは、人気女性お笑いコンビ《ハリセンボン》の痩せている方であった。

             ――完