ワイが文章をちょっと詳しく評価する![4]

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815ルーキー
今書いている作品の冒頭部分です
初心者の拙い文章ですがよろしくお願いします

 潰れた店の雨どいに逃げ込んだ俺はここで一息つくことにした。
 雨は相変わらず降り続き、弱まる気配もない。この雨ときたら服も肌も通り越して体を芯から冷やしてきやがる。本当にまいった。
 昔観た、豪雨の中ずっと主人を待ち続ける犬のドラマを思い出して試しにおもいっきり身震いしてみた。しかし俺の綿百パーセントTシャツは犬の体毛よりも
吸水性が強いというか濡れた服が湿った服になる程度の成果しか示さなかった。いや、まだ十分濡れた服と呼んでも差し支えなさそうだ。俺はそいつを
今度こそ湿った服に生まれ変わらせるために力いっぱい引き絞り、半裸のままに座り込んだ。盛大に息を吐く。
 めちゃくちゃに寒い。腕をさすってみたが鳥肌の総立ちを確認できただけだ。鼻水をすすりながら立ち上がり、いそいそと上を着る。
 はっ、と気付いて着るのを中止した。手を開いて視線を落とす。手相をみるような格好で目をいっぱいに見開いた。寒さからくるものではない寒気がした。
 全力を振り絞った右の手のひらは小刻みに震えている。しかしそれとは対称的に提げた服は水溜りを広げ続けていた。
 時間がないのは明らかなようだった。
 なんだか脚からも力が抜けてきて再び座り込んでしまう。、
 とりあえずは雨が止むのを待つしかないな、と俺は雨を恨めしく睨み、膝に顔をうずめた。
 コンクリートを雨水だけではない染みが広がっていった。涙ではない。汗でもなかった。見なくてもわかっていた。
 それは赤い色をしていた。