僕が君の文章を評価する

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エラソーなこと言ったお詫びに即興で燃料作成…最後メンドクサくなった。ごめんなさい


 雨は降り続く。波紋にたむろするその雨音に、いつしか街路樹までもが聴き入って、茂る葉
や長く育った枝たちを、その実、静かに優しげに傾ける。町はいつしか人を忘れ、車道を走る
無機質な鉄の塊もひと際まばらになる。そんなある時、街の一角、古ぼけた商店の看板下で
こんな会話があった。

「ほらそこ、これはもう、すぐに修繕しないといけない」

 飯嶋氏はひとつふたつ指さすと、静かに溜め息をはいた。商店の壁のそこかしこに亀裂が
入り、強風に仰られようものならすぐに倒壊してしまいそうだ。前の家主がここを後にしてか
らもう数十年もの月日が流れているというのだからそれも当然だろう。むしろ何故、こうして
平然と――少なくとも表向きは――建っているのか不思議なくらいだ。
 飯嶋氏はこの閑古鳥さえ寄り付かない店を如何に改装するかを思案していたが、その隣
当の発案者である笹吹の恍惚とした表情に、考えるのをやめ怪訝の色をあらわにした。

「ああ、いいよぉ飯嶋ちゃん。俺さ、ここ気に入ったよう」

 後日、飯嶋氏が痔になったのは言うまでもない。