【幹事】創作文芸板競作際 夏祭り2009★10【失格】
952 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 07:38:51
SFマガジンを買ってきたので、小さい公募の話を。
■毎月投稿可能な読者投稿募集
●SFマガジン リーダーズ ストーリィ
400字詰め原稿用紙5枚程度。タテ書き。鉛筆不可。商業誌未発表の創作に限ります。
原稿に住所・氏名・年齢・職業を明記し、封筒に「リーダーズ・ストーリィ応募」と
朱書し、郵送してください。応募原稿は返却しません。入選者には金一封。
なお、掲載作品の版権および隣接権は早川書房に帰属します。
送り先
株式会社早川書房
〒番号 101-0046
東京都千代田区神田多町2-2
※10月号入選作「自殺」
(■以下作品内容完全ネタバレにつき注意!)
トリックはよくあるといえばあるような気もするが、舞台設定に気を取られていて、一瞬何が起こったか把握できなかった。5年前に5光年先で撃たれたレーザーが、5年後に起こった問題を解決するという。SF的知識というか理科的知識が使われた作品だった。
>半径十キロにおよぶ薄い皮膜の反射望遠鏡――。
とか、こういう小道具がいいなぁと思った。5光年先を映像として見れるんだが、
それが5年前の映像だっていうのも面白かった。全部読んでからタイトルを見るとまた驚く。
誌面ページとしては、3ページで、
入選作品がイラスト付きで掲載。
次点の4作品があらすじと星敬の選評が40文字から120文字くらいで掲載。
全文掲載作品に選評が無いのは寂しいかった。
953 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/04(金) 08:56:36
がちがちのsFだな
954 :
サワヤマ ◆M590ctbPns :2009/09/04(金) 12:53:35
955 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 15:43:45
>>953 ガチガチじゃないSFってどんなのだろうなぁ。
956 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 16:57:46
コバルト 2009年9月号
ベストショートショート(400字詰め原稿用紙2枚〜5枚)
ttp://cobalt.shueisha.co.jp/toukou/bs.html 入選1作佳作3作
本買ってきたけど、これで2万円とか1万円とか貰えるのは凄いな。
掲載されたものには一枚イラストがつくみたい。
(■以下、賞研究のためネタバレ含)
入賞「お隣さん」(約2枚)
強引な気がするけど、ショートショートってこういうもんなのか。
ミスリードを使ってる。隣に住むスターと逆隣に住む荒くれ者の間に
挟まれた主人公。引っ越ししたいけど出来ない。それは何故か?
ここは動物園だからだって話。予想はつかないといえばつかないけど、
主人公が狸なので、スターのパンダ、狸、荒くれ者のライオンという
檻の並びで無理矢理な感じがして、綺麗に落としてあるとは思えなかった。
選評でもそう言われてるけど(笑)なら入賞させんなと思う(笑)
佳作「願い」(約5枚)
これはもう関西系のお笑いがわからないと、「だから?」になってしまう。
俺は関西系の笑いが苦手で、テレビのお笑いも見ないくらいなんで。
「隠し事」と「書く仕事」のイントネーションで起こるこの物語の落ちが
どうも気持ち悪い。話は失望した作家志望の主人公が、偶然見つけた神社で
神様に書く仕事をしたいとお願いするが、隠し事をする仕事に就くという流れ。
描写でほとんど映像が浮かばないのも苦手。
957 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 17:04:58
佳作「掃除ロボット」(約3枚)
この作品は選評にまず突っ込みたい、『冒頭でネタバレしてしまうのが残念。
旦那が出てきたところで、「邪魔だから」と書いてあったので、結末が予想できてしまいました。』(原文ママ)
って書いてあるんだが。お前はなぜそれを佳作にしたのかと、なぜ1万も払ってるのかと(笑)で、
内容だが、主人公の女性が精巧なお掃除ロボットにお掃除させていたら、旦那を吸い込みかける。
助けるかとおもいきや、旦那のしていた結婚指輪だけを引き抜いて、旦那はお掃除ロボットに吸い込まれてエンド。
若干ブラックジョークなんだけど、気になるのが、主人公がお掃除ロボットを止めてまで取り戻した、
純プラチナに小振りダイヤのついたような結婚指輪をする男って気持ち悪いってこと。
佳作「タクシー」(約3枚半)
怪談調に始まる深夜のタクシーとその客。勝手にタクシー強盗だと勘違いした運転手が、
客が止めろと言うのも聞かず走らせた結果。客が車内にゲロを吐くという流れ。
ゲロ吐いて終わっちゃうので。これで1万円ってどうなの?とまた不思議に思う。
これの選評だけもうひとひねりあるですねとか書かれてる(笑)
選評を気分次第でやってるように思える。選評してる人おそるべし。
で、この賞はマスターレース(入選と佳作でポイントを溜めて年間のトップを決める)
ってのがあるんだけど、掲載されてる人がやっぱり上位だね。まだトップが3Pとかなんで、一回入賞すれば追いつけるけど。
しかし、今回入賞した空●洋、お前何作おくってんだ(笑)
最終公募みたいなもう一歩の作品リストってのが掲載されてんだけど、この人
6作も送ってるよ(笑)ここの賞って文章に拘るわけじゃなさそうだから、
簡単なオチが思いついたら送ってみると小遣い稼ぎにはなるかも?
しかしコバルトで注目なのはプチポエムの方かも?
阿部和重と加藤千恵が対談形式で寸評を語ってくれるし、1720通とかくるらしいが(笑)
入選1作佳作2作最終24作(抜粋)が掲載されるみたい。応募はケータイコバルトから。
入選1万円佳作5千円だし。加藤千恵の「ゆるいカーブ」って本は気になるなぁ。
全然知らなかったけど、俺の書いた小説とタイトルが似てるな。
958 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 17:07:54
短編の公募はともかく、
ショートショートは例え受賞したとしても身内に自慢できるぐらいでプロになることはもちろん、
物書きで飯を食いたい人間にとってプラスにはならないと思うんだが。
おれが知らないだけで、そうでもないのか?
960 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/04(金) 17:26:27
961 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 20:34:53
>>959 受賞しただけでプロにはなれないんじゃない?
奇跡が起きて編集に気に入られたり連続して受賞してれば選者に名前を覚えられるくらいで。
>物書きで飯を食いたい人間にとってプラスにはならないと思うんだが。
華々しく文芸誌にのるような大きな賞を獲ってデビューする事しか眼中にないならそうかもね。
アリにさらす行為よりはショートショートに送った方がカネになるかもしれない。
俺は崇高な理想があって純文学をやりたいというわけじゃないし、そんな時間もない。
デビューまでの道のりをマラソンに例えれば、ショートショートは給水地点みたいなもんだろう。
小さい事でも賞が獲れたり掲載されたりの経験を積めばモチベーションアップにも繋がる。
メインのでかい賞用のだけ書いてたら行き詰まる時もあるだろうし、そんな時に何か息抜きに
書くのならショートショートや随筆がいいんじゃないか?テーマが設定されている事も多いし、
お題に沿って書くことの練習にもなる。
俺の場合で言えば、きららの佳作をもらったのもそれなりにモチベーションアップの維持には
なっているよ。これが無かったら単なるアリで評価されただけって事になるしね。
デビューへの道を走りながら、小さい賞で下積みってのが俺は役に立つと信じてるけどね。
まぁ繰り返すようだが、俺は「文学」と呼ばれる作品を殆ど読んできてないので、
そっちに憧れて作家を目指したいわけじゃないからこういう考え方が出来るのかもね。
最近小説すばるがエンタメの賞だって理解したくらいだし(笑)
俺はどんなジャンルでも自分に適性があるならそれを書いていたいんだ。
だからショートショートなんかで色んなジャンルにチャレンジするのも面白い。
エロだろうがミステリだろうがSFだろうがなんでもいい。
ラノベは年齢的に現実的じゃないんでショートショートとかで挑戦する事があっても長編は
書かないだろうけどね。もう俺には時間がないのさ。毎晩深夜帰宅だしなぁ(笑)
962 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 20:44:30
で、ショートショートのプラスの面だけ書いてきたが、マイナス面だと、
一定期間に原稿を書ける枚数に上限があるとすればその分
ショートショートに削られて、メインの原稿がおろそかになる可能性があるって事だよな。
そこはメインの賞との相談で書けない時はショートショートを放置すればいい。
幸運な事にショートショートは大概毎月募集してる。一月放置しても問題無い。
俺は自分の考えた物語を形にしたいだけなんで、極端な事を言えば小説じゃなくても
随筆でもノンフィクションでも脚本でも短歌でも詩でもなんでもいいんだよな。
純文学しか書きたくない人とは相容れないのかもしれないがね。
俺は純文学だけを書きたいわけじゃないし、どっちかと言えば売れるエンタメ作家になりたい。
文壇とかもどうでもいいし、兼業作家で生活していければ幸せだね。
一応仕事でだし小説ではないが、自分の書いてるものは既に毎月活字になっているし。
今後も毎月活字になっていく職についてるから言えるのかもしれんけどね。
大方の人が最初に通るだろう、自分の文章を活字にしたいっていうのは充足されてしまっているから。
もしも、俺が言ってる事以外で、
>物書きで飯を食いたい人間にとってプラスにはならない
という事があれば、考えてみたいので、教えて欲しい。
純文学とかだと文が荒れるとか、研ぎ澄ました集中力が切れるとかなのかな?
物書きにも種類が多いからちょっとはっきりわからない。
>>960 島がネタか、面白そうだなぁ。小説講座免除ってのも大阪在住の人にはいいね。
教えてくれてありがとう。
963 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 20:54:36
まぁ、偉そうに言っても俺なんか、書いてる文章を上司に丸ごと書き直されたり、
アカを一杯入れられてかなり書き直されるレベルだからなぁ(笑)
小説を書くための基礎メソッドとか言う本を買ってみたりしてるし。
ほんとレベルの低い話ですまんな(笑)
964 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 21:19:25
965 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 21:48:44
966 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 22:08:03
四コマ漫画っていいたかったのに。四個漫画って(笑)
さて、金曜日の夜は誰もいねぇか。久々に創作の参考に映画でも借りてくるか。
泣ける邦画を借りてこよう。ではまた。
967 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/04(金) 22:49:41
カーブは才能ないよ
968 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/04(金) 22:58:26
天才なら才能がなくてもやっていけるよ。
カーブが天才だといっているわけではないが。
969 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 22:58:55
多分年末辺りから公募レース参加するので、一応決意表明だけしてみる
純文学系統じゃなくても、たまに顔出していい?
ついでに言うと、才能と努力は掛け算の関係にあるんじゃないかと思う
971 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 23:05:58
>>970 アンチも含め出入り自由だと思うよ。
許可は要らないぜ。
たまに遊びにおいで下さいな。
972 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 23:09:01
>>970 ちなみに俺は純文にも出すが、
成りたいのはエンタメ作家。
なんで純文にこだわる必要一切ないと思う。
ラノべも純文も区別無く公募に頑張る人が集まるスレになればいいね。
>エロだろうがミステリだろうがSFだろうがなんでもいい。
これらは全部難しいから。専門分野だけに。
一番垣根が広くて、一番誰にでも書けるのが純文学。
974 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/04(金) 23:58:12
>>973 乱暴だなぁ(笑)
俺は純文も難しいと思うけどね。
乱暴な言い方を許されるなら、
純文は魂の叫びだと思うしなぁ。
どれだけ作者が自分を追い込んでいけるかが、純文な気がする。
俺は誰にでも書けるとは思わないなぁ。
975 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/05(土) 00:01:06
ブログを純文学という奴もいたからな。
白い飯に下痢をぶっかけてカレーだよという奴がいても、
ま、いいだろう。
誰も食いはしないが。
>>974 それはあなたの固定観念か思い込み。
ずいぶん前に文學界新人賞を獲った「クチュクチュバーン」とか読んでます?
あと数年前の「オブ・ザ・ベースボール」とか。
前者はスラップスティックですし、後者はSFですよ。ほとんど。
そういう意味でカテゴリーエラーが極めて少ないのが純文学なんですよ。
客観的に、誰でも書けるというのは応募数を見ても分かると思います。
ってことで寝ます。明日も仕事なんでw
いい逃げでごめんね。
978 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/05(土) 00:34:52
>>976 じゃあ純文って何って話になるよなぁ。
まぁ当然のごとく例に上がってる作品は
読んでないからなんともいえんが。
純文になんらかの共通点はないのかい?
単なる、雑多なジャンルの受け皿かい?
あまり好きな言い方じゃないが、
時代を反映している今を表現してる作品
ってことかな?
誰にでも書けるものってないと
思うんだけどね。
つまらないものも書けた事にするなら
誰でも何でも書けるだろうし。
979 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/05(土) 00:37:50
まぁジャンル論をやった所で
どうにもならんだろうが
よく本読むねぇ。
圧倒されてばかりだな。
本を読むのが好きじゃないと
作家になれないのだろうかね。
980 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/05(土) 00:59:39
>>976 誰でも書けるつもりで応募している人は多いが、
受賞者以外は「純文学」ではないというのが現実だろう。
まあ書き散らしただけの、太宰の二十世紀旗手も評価の高い純文学ですよ。
結局純文学って何なのかよくわからん
どこからどこまでを純文がカバーしているの?
983 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/05(土) 01:08:43
984 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/05(土) 01:15:23
985 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/05(土) 01:18:03
純文学とは、日本語による表現力だよ。その芸術性だ。
それが理解できない奴は手を出しても無理だ。
自分が何で勝負しているかわかってないんだから。
986 :
カーブ ◆eu6FcMZ8vE :2009/09/05(土) 01:20:35
>>985 芸術か。俺は理解できんかもなぁ。
感覚でしか判断できんし、美術館は好きだが、
見るのも感覚的に好きか嫌いかだけだなぁ。
好きな絵とかの前になら時間を忘れて見入る事が出来るが
好きじゃない絵とかの芸術性を理解しようとはしないなぁ。
まぁ、おれは純文学向きでないのは自分で分かってるよ。
もっぱら文学してるんだよくらいに思っておけばいいんじゃないの。
私はファインアートオンテキストぐらいに思ってる。
>>985 発想より技巧に重きを置いているという認識でいいのかな?
990 :
名無し物書き@推敲中?:2009/09/05(土) 02:16:07
>>988 現時点では芥川賞作家となっても世界では通用しないからね。
>>989 何もって「発想」というかにもよる。
他の芸術を見ればわかるが、
単純に技巧が優れているかどうかではないはずだ。
月並みな言い方になるが、「何か」があるな。特異な「何か」が。
その「何か」を表現するのに、どんな視点、どんな文体で表現するか。
それらすべてを含めての、表現力であり、芸術性だ。
ま、理屈で考えるより、ひたすら書きながら探り当てるしかないな。
エンタメは理屈で考えた方がいいと思う。プロットは大事だな。
そっかなるほどね。
純文学を日本特有のあれだという前提に立てば。
エンタメは基本構成ありきだもんね。
マンガとかいっぱい読んでいると
体感でできそうぽいけど。体で覚えているから。
>>949 >これはもう映像がそこにあるという流れで読む方がいいんじゃないか?
小説には色々な要素がありますが、文体が目立ち過ぎれば相対的に
その他の要素は目立たなくなるものだと思います。
76さんがその文体をアピールしたいのであれば話は別ですが、
それ以外の要素――たとえば物語や思いなど――を大切にしながら
作品を書いているのであれば、文体の個性やアラはもっと控えめであるべき
だと思います。脇役は主役の前に立つべきではないという意味です。
カーブさんはよく「文章はいいが中身が無い」と仰っていましたが、
それは脇役が主役を押しのけている状態なのでは?と思います。
また、時折映画の技法をそのまま小説に持ち込む方がいらっしゃいますが、
それは映画だから有効な技法なのであって、小説でも有効とは限りません。
どんなに映画が好きであっても、その点の区別はすべきだと思います。
二次創作やコテネタのように一部の人(ここでは映画ファン)向けに
書いているのであれば構いませんが、読者層を著しく狭めているという
意識は必要だと思います。
>有機体としての強さっていうのが、よく分からなかった
有機体としての強さというのは、チームプレーの強さみたいなものです。
作品の中の部分と部分、要素と要素が絡み合って生まれる妙味のような。
>異国に注目して人種とか国籍とかの話としては弱いとは思った。
ノーウェアについて、これは高いレベルでの話になると思いますが、
たしかにお国柄のようなものは薄かったと思います。それぞれのキャラや
設定から、異国の香りはしませんでしたね。演出の問題とは思いますが、
数文程度でもこの手の描写を加えておくと、作品に雰囲気が生まれたかもしれません。
>麻薬というのはそれだけで道具立てとして強い力がある
麻薬については、作品中での使い方にもよると思います。
悪の象徴として使うような出し方や、クライマックスに出してくるような
やり方は、どうしても古臭さや安直さが付きまとってしまうと思います。
サプリメントでも飲むように、日常の中でサラリと吸引する程度なら、
現代的と言えるかもしれません。ノーウェアの場合はその中間で、
「古臭いけど、悪くは無いな」というのが私の印象でした。
ただ、カーブさんの仰るように、これからの時代は、麻薬に頼り過ぎた
雰囲気作りはNGになるかもしれませんね。
麻薬を出しても、作品中でクローズアップするべきでないと思います。
>>950 >毎回似たような内容の展開になってしまうのは
現在の私は感想を付ける時のポリシーとして、あまり内容に触れないように
していますが、76さんの作品にある頻出のテーマとは「他人/社会に対する不信感と、
善なる弱者への哀悼」だと感じています。獣に襲われた小鳥を悼むような。
>後と女を書くのが硬いとは感じる。
女性の造形については固いと思いますが、男性の造形も固いと思いますので、
バランスは取れていると思います。私個人はリアリティを演出の手段くらいにしか
考えていませんので、そういうキャラの固さもあまり気にはなりませんでした。
物語性や思想性を前面に出すのなら、キャラは飽くまで記号としてのみ存在
させるという方法もありだとは思います。大江さんの作品には顕著な傾向ですね。
>売れるかどうかという観点からだと、どうなんだろ?
私自身、プロの編集ではありませんので、どんな作品が売れるのかは
想像するしかありませんが、76さんの表現はとても劇的で力強いですので、
それを生かしたエンタメが向いているように思います。古臭い言葉や
表現をどうするか、が、一番の問題ではないでしょうか。
>>951 >自分の文章を読み直すとなんか文章が捻れている感じを受けるからね。
私もそう感じます。あと、会話文に近い冗長さを感じますが、
小説用の文体としては一概に悪いとばかりは言えないかもしれませんね。
雑誌用としてはNGと思います。それと、上司の方に文章を訂正されているのが、
最近の文章の荒れの原因かもしれませんね。二つ目の文体を覚えるのだという
決意の下、小説用と雑誌用をハッキリ分けた方が良いように思います。
日本語の他に英語を覚えるような感覚で。
>内面描写を伴わない行動はそれがたくさん集まった時
>これを意識して書いてみようと思います。深みや魅力か。
この辺りについては、ヘミングウェイ「老人と海」を読まれると
もっとハッキリするように思います。
ちなみに、私にとっては、この作品がもっとも映像的です。
また、映像を重視して書きたいのであれば、視覚以外の感覚を描写中に
あまり使わないようにすれば、相対的に視覚が浮き上がって来るように思います。
映画の技法でも、映像を強調するために無音にすることがありますよね。
映画風であれば、視覚メインの描写に聴覚を少々混ぜるような感じでしょうか。
実際に実験したことはありませんが。
>>954 形式化されていない文章のことだと思います。
英語辞書には多数の例文が乗っていると思いますし、
英語学習の際はたくさんの定型例文を覚えると思いますが、
その様式から外れた異端の文章ほど相手には伝わりにくくなるはずです。
たとえ、それが文法的に正しくとも。
日本語の書き言葉も同様だと思います。
一般的な形式から外れた文章ほど読みづらい、という点において。
あの言葉、この言葉、三十にちかき雑記帳それぞれにくしゃくしゃ満載、
みんな君への楽しきお土産(みやげ)、けれども非運、関税のべら棒に高くて、
あたら無数の宝物、お役所の、青ペンキで塗りつぶされたるトタン屋根の倉庫へ、
どさんとほうり込まれて、ぴしゃんと錠(じょう)をおろされて、それっきり、以来、十箇月、
桜の花吹雪より藪蚊(やぶか)を経て、しおから蜻蛉(とんぼ)、
紅葉も散り、ひとびと黒いマント着て巷(ちまた)をうろつく師走にいたり、やっと金策成って、
それも、三十にちかき荷物のうち、もっとも安直の、ものの数ならぬ小さい小さいバスケット一箇だけ、
きらきら光る真鍮(しんちゅう)の、南京錠ぴちっとあけて、さて皆様の目のまえに飛び出したものは、
おや、おや、これは慮外、百千の思念の小蟹、あるじあわてふためき、あれを追い、これを追い、
一行書いては破り、一語書きかけては破り、しだいに悲しく、たそがれの部屋の隅にてペン握りしめたまんま、
めそめそ泣いていたという。
二十世紀旗手
――(生れて、すみません。)
太宰治
「このひとは、まだ生きているのですか?」
「さあ、それが、さっぱりわからないんです。十年ほど前に、京橋のお店あてに、
そのノートと写真の小包が送られて来て、差し出し人は葉ちゃんにきまっているのですが、
その小包には、葉ちゃんの住所も、名前さえも書いていなかったんです。空襲の時、
ほかのものにまぎれて、これも不思議にたすかって、私はこないだはじめて、全部読んでみて、……」
「泣きましたか?」
「いいえ、泣くというより、……だめね、人間も、ああなっては、もう駄目ね」
「それから十年、とすると、もう亡くなっているかも知れないね。これは、
あなたへのお礼のつもりで送ってよこしたのでしょう。多少、誇張して書いているようなところもあるけど、
しかし、あなたも、相当ひどい被害をこうむったようですね。もし、これが全部事実だったら、
そうして僕がこのひとの友人だったら、やっぱり脳病院に連れて行きたくなったかも知れない」
「あのひとのお父さんが悪いのですよ」
何気なさそうに、そう言った。
「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、
いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」
人間失格
太宰治
1001 :
1001:
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