1 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:31:04
中二の時に、初めて短編小説を書きました。
iらんどにうpしてたのですが、描写が過激と言われ公開停止になってしまいました。
読みたい方は是非おっしゃってください。
70枚弱ですがうpします。
2 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:32:37
?
3 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:33:46
1です。
アドバイスとか批評とかいろいろ頂きたいので。
ブログ作ってそこでうpれ
感想を聞きたいなら、もったいぶらずにうpすればいいじゃん
6 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:44:57
ありがとうございます。
ではうpさせていただきます。
7 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:47:50
――十一年前
その時のことは、今でも鮮明に脳裏に焼き付けられている。真白いライトの下で、十センチ程水を張った湯船の中で、私は赤紫色をした唇をかすかにぴくぴく震わせていた。
「許しておとうさん許してお願い」
「黙れっ」刃物のような鋭い声で父が怒声を発す。父は変貌していた。もはや聞く耳を持たない冷酷な鬼へと。次の瞬間、私の白い頬に熱気を帯びた右の拳が、卓球でスマッシュを打つかのように飛んでくる。
金属で出来た風呂の縁に頭を強く打ちつけ、二、三秒意識が遠のく。叩かれたと分かった後にも、強い余韻が残されていた。頬が膨れ上がるような感覚。
今から考えてみるととんでもないことだが、私は小学校低学年の頃は少食であった。しかし母は夕飯を多めに作り私に食べさせていた。ある日、私と由希と父母の四人で食卓を囲んでいたが、私は途中で食べきれなくなって「もういらない。ごちそうさま」と言うと父が怒鳴った。
お前はこのくらいも食べれないのか!と。髪を鷲掴みにし、肌色の床に叩きつけられる。一瞬悪い夢かと思ったが、鼓動を打ちながらズキズキ痛む右肩がその感覚を制した。それが、今日のいたぶりの始まりだった。
8 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:48:57
「寒いよぉ、おとうさん、おとうさん」
尋常ではない寒さに嗚咽を漏らしながらも、その父の姿からは目が放せなかった。般若のような形相。
いつのまにか、父の手には私が使っているコップが握られており、幻想的に水面を揺らす水で満たされていた。僅かに零れ落ちているのが確認できた。
「食え!食ったら、許してやる。さあ、食え、食うんだっ!」
私の身体に、数人の男が小便を何か固いものにぶっかけたような音と共に、甘そうで苦そうな液体が降りかかってきた。私は思わず眼を瞑る。
その時私は、鼻の中に広がる匂いが水でないことを理解した。焼酎だ。父は私の身体に焼酎をかけたのだ。湯船が、フラフラしてしまいそうな、鼻を軽くつく匂いで満たされる。
「お前が残したメシだ、罪を知れ、罪をっ!」
続いて鬼は盛大に、勢い良く黒いバケツの中身を湯船、そう私にぶちまけた。まるで溜まっていたストレスを私にぶちまけ、自分だけ清々としたかったかのように。
黒いバケツの中身は、不気味に蠢く蛆虫が湧いた生ゴミだった。確かに私がこれまで残した食事の残骸があった。豆腐、人参、トマト、茄子・・・しかし全てが全て私の残した食事ではない。
卵の殻、大根の葉、キュウリのへた・・・家庭で出された生ゴミも混じっている。私の身体に容赦なくへばり付き、数十匹の蛆虫がまだ幼い繊細な部分を、くねくねとその体をうねらせながら這い回った。
泣き叫ぶ気力も失った私は、彼らのなすがままにされるしか無かった。
最後に、父の「写真を撮ってやる!これを晒しておけば、一生男が寄り付かないからな!」という、いやらしくもジンジンと頭に響く声を聞いたのを覚えている。現在となって考えてみれば、
その時、父は私が自分の子どもである事を否定しているような感じだった。
それ以来、私は一度として食事を残すような真似はしなかったが、まるで妹が成長することと比例するように、父や母からの虐待は以前にも増して冷酷で酷いものへと変化していった。
9 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:50:09
そして今となっては―・・・父母との会話もほとんどしなくなり、叱られるばかりの毎日を過ごす事となっていた。妹と会話する事も少なくなってしまったように思える。
昔はあんなに身近に感じた存在なのに、いつの間にか私は彼らから間隔を取り、無意識のうちに家族から遠ざかっていたのだ。なぜ?私は何もしていないのに。何もしていない。何もしていない・・・
“あいつ”のせいかもしれない・・・?
10 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:51:30
私の魄は形影無き墓標の下に居る。場所は自分でも良く分からない。いつのまにかここにいたのだ。導引された理由も分からない。
戦いに敗れた他のもの達も同じく此処にいる。名前もない、性別もない彼ら。あともう一歩で、現世に姿を成すことが出来たのに、運命による虐刑によってそれが叶わなかった。
だが、現世にたった一人生き残った『可能性』が居る。それは宿主によって仮名を付けられ、箱庭で今も育て続けられている。
それ以外の私を含む『可能性』達は皆、生き残った『可能性』を妬んでいる。それが消える期まで、我々はそれが消える事を、杭が打たれる事を願い続ける。不均衡なものはいずれ無となるべきなのだ。
その不均衡を無くす手段が、たった一つある。現世に姿はあるが、虚偽の存在である『可能性』に託すのだ。
あの事件の後、虚偽の『可能性』は六年ぶりに此処へ帰還した。帰還するまで、それは一つ目の『可能性』だった。しかしこれ以来、現世での存在を失った。だが現世にはそれの殻が残されていた。
そして私はその『可能性』をあくまでコントローラーとして抜け殻に戻す事を試みた。それの記憶から我々の像が消えない限り、虚偽の『可能性』は一本残った杭を打ちにいくのだ。
なかなか予想通りにはいかなかった。虚偽の『可能性』が完成するまでに、様々な副産物が生まれた。その大半は疏狂な人形だった。それも、いつかは役立つだろうと思う。
試行錯誤を繰り返し虚偽の『可能性』が完成したとき、計画はスタートした。
それから間もなく我々にとっての潮時がくる。時が満ちるのだ。全てを終わらせるための戯劇を始めようではないか。
第七の使いが喇叭を吹くとき、僕なる我々が果たすべき目標は達成されるだろう。
11 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:53:10
これが一次予選通過さくなの?
12 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:53:42
――現在
第一の天使が喇叭を吹いた
どんよりと曇り、灰色になった空。
平安時代の貴族とかから見れば、私たちは仲むつまじい者達と思われるのだろう。
だが実際の車内は、彼らや私たちがお互いを拒みあい、他人を寄せ付けない透明のバリケードを張り巡らし、お互いがお互いを拒絶し合い、遮断し合った世界なのだ。
なんの空気も流れ来ない私の心は、流れぬ水は腐るといった状態で、灰色の空のように黒く濁っている。
私の隣に座っているのは、顔を新聞紙でスッポリ覆ってしまった中年のサラリーマンだ。年齢も分からなければ、どこへ行くのかも分からない。
そして向かい側のシートには、座席に腰を下ろしてヘッドフォンで何かを聞きながらくつろいでいる小太りの青年の姿があった。
格好が良いとは思わなかった。時々こちらをちらちら見ている。私や姉のスカートの中身でも見えるのだろうか?
朝の電車内には、いつもタバコの煙くさい匂いと、まずそうなアルコールの匂いが充満している。彼らはこんな物で本当に心満たされているのだろうか?
電車が急カーブに差し掛かり、各バリケード内の乗客と荷物が一定の方向にぐーんと揺れた。規則正しいルートを進むようになって2ヶ月位経つが、大体もうどのくらいの距離を進み、どのくらいの時間がかかるのかも分かった。
「お姉ちゃん、電車って結構便利だよね」同じバリケード内に座っている姉に、私は静かに語りかけた。電車のエチケットくらいは守っているつもりだ。
「そう?でも、こう長くゴトゴト揺られると飽きるんだよね、機械的で」姉はただ、流れ行く風景を見つめていた。彼女の考えている事など気にもしなかったので、何を考えているのかは分からないが、いつになく真剣な目つきで窓に映るものを捉えていた。
乗り始めて十五分弱経っている。電車内に、車掌の低い声によって五回目のアナウンスが各バリケードに放出された。次が私と姉の降りるべき駅だ。そこからまたバスに乗り換え学校まで約十分。合計で約二十五分くらいの時間を要する。
中学校の徒歩という通学手段よりほんのわずかに早かった。
13 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:54:15
やがて電車は速度を緩め、ゆっくりとコンクリートとコンクリートの間に止まった。やや間があって、前後両方の乗車口がシューという音と共に開かれた。開ききる前から、数人の巨大な黒装束、いや、大勢の人が電車の中に入ってきた。
「部活、頑張ろうね、由希ちゃん」姉は自分から私に語りかけた。しかし、その声は弱弱しかった。姉はいつも、自分から私に話しかけたり、励ましたりする時はか細い声で話す。電車の中とはいえ、もう少し大きい声を出しても大丈夫じゃないの? と私は度々感じる。
そして、二人同時の動作で電車から出た。
14 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:54:51
姉のか細い声の理由は電車の中だから控えめに話す、ということだけではないだろう。今朝家を出る前、重い瞼を開いた状態でキープし、自分の部屋で制服に着替えていると下から声がした。
少しヒステリック気味に話している。母だ。姉に何かあったのだろうか?テストか?私はとても気になり早急に着替えた後静かに階段を駆け降りた。どうも、ダイニングルームかららしい。扉に顔を横に向けて近づけた。
「・・・あんたは少しは由希を元気付けなさいよっ、最近由希元気ないじゃない。毎朝電車の中でも一声かけるのよ、いいねっ」
母が怒ったときの、強い口調だ。そんなことで怒ってるの?私のためにそんなこと・・・恥ずかしいよっ。そう母に言いたかった。
姉が「はい・・」と小さく返事した。いつもなら自分もうるさいと感じる姉だが、このような時はとても静かにしている。
私はそれを聞き終え、妙な感触がするスカートを穿きなおしてドアを開いた。
「お母さん、お弁当」沈黙が流れる部屋に、私の声だけが大きめに響いた。
15 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:56:12
「つまり、公比2x=0の場合も等比級数として扱っている。この程度なら・・・」
数学教師の高政が、数列の極限に関する例題を、折り曲げた中指で黒板をカ、カ、カと叩きながら説明している。
そのため、黒板には高政が付けた指紋が顕微鏡で拡大した微生物の如く沢山散りばめられている。黒板を叩くリズムにも強弱があり、後になるほど音が大きく、激しくなる。
時折、教室内の掲示板が共鳴した。
高政の話を真面目に聞いている者などこのクラスにはいない。また高政も話を聞いていない生徒に対し注意をすることがあまりなかった。
校内で高政は結構若い方だった。他の教師は皆、手はガサガサに乾いており、顔にこれでもかというほど皺が刻み込まれたような者ばかりだった。
だが高政は、まだ顔に二、三個面皰が残っており、清々しい声をしていた。
年齢は大体三十代後半、あるいは四十代といったところだ。
「この掛け引きの方法を整理しておくように・・・」
やがて、四時限の授業に終りを告げるチャイムが無機質なスピーカーから鳴り響いた。同時に、昼食の頃合を告げるそれでもあった。
授業が終了しないうちに、皆はとっととノートやら鉛筆やらを机の中にしまっていた。妙にその音が大きく聞こえる。私もそれに従い、敏速に道具を片付ける。
「起立」の声がかかったのは、高政が「終わり」と発してから五秒位後だった。
そしてすぐ、教室内で大移動が始まる。自分の好きな所に移動し、好きな人と席を共にするためだ。このクラスでは、一人で昼食をとる者は誰もいない。つまり、誰か「仲間」がいるのだ。
しかし、電車の中と同じように他の仲間を寄せ付けないようバリケードを張ったような状態にしていた。
私のところには、仲良くなってから一ヶ月くらいの友達である真里が来ていた。クラスでは少し背が低い方だ。顔にはまだ幼さが残っているものの、陽を浴びて紺色に輝く制服姿が愛らしかった。
一つに束ねた淡い金色の髪が風と踊る。
タイトルとペンネームは?
17 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 12:56:54
「新しいチャリかぁ、いいなぁ〜」
私とは違い、真里は学校の近くに住んでいる。そのため、電車に乗る必要もなく、自転車のみで十分来られる距離らしい。そんな真里に、最初少し嫉妬心を抱いていた。しかし、時が流れるうちにそんなことをいちいち気にしないようになっていた。
「でも、チャリなんてあまり活躍しないんだよ、だって、何か用事があったら電車で行くし」
「えー、そんなことないよ。結構便利ジャン」
私は普段から、あまり外に出て遊ぶ事はなかった。あるいは、外出することが嫌いなのかもしれない。その分、中学校ではかなり勉強熱心な方だった。
熱心といっても、テストの点はクラス内で中の上、といった所だ。だが真里は自分と同じ園芸部という文化部のくせに、スポーツ万能な上に勉強も良く出来る。やはり生まれつきで出来る人と出来ざる人に分かれるものなのだろうか?
それとも、文化部は運動不足という私の概念から生じる考えなのかもしれない。
弁当箱を開けるのにはいつも力が要る。弁当で定番の三角形の握り飯が三つほど入れられていた。左端のそれを、プラスチックの箸で突き刺した。
18 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:04:52
1です。
失礼、ペンネームが本名のため、タイトルとペンネームは公開できません。ご了承ください。
本来タイトルは日本語ですが、自分で付けた英題は「The Way To The Abyss」です。
19 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:05:59
「ねえ、由希は美術部・・・だったよね?」ポテトサラダを頬張りながら、真里は口を開いた。
「そうだけど、何?」
ようやく、ポテトサラダは彼女の口の中から消えたようだ。「カメラがあるのに、わざわざ絵を書く必要なんてあるの?」
「でも、出来るだけ幻想的に・・・」
真里は肘を机に付け、「ふうん」と喉を軽く鳴らして見せた。「なんか怖い気がするなぁ。何か、現実までそこからかけ離れてくるみたいで」
「そう思う?そうなってくれたら嬉しいなあ、毎日がもっとおもしろくなってくれそうで。それに、そっくりに絵を描くのは面白いよ」
「でも、視覚伝達デザインとか、そういうのでしょ?」
「まあ、そうだけど・・・」
20 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:07:29
私がそう言った後、もうその会話は続かなくなって他の話題に変えられた。すこし嫌な気分が私の中で小刻みに揺れていた。
「そういえば・・・由希んとこのお姉ちゃんとウチの兄貴・・・同じクラスだよね。縁があるんじゃないかな?もしかしたら、出来ちゃってたりして」
何がおかしいのか知らないが、ケタケタと笑いながら目を細める真里。
「そんなことないよぉ。あんなブサイクで馬鹿な女」真っ赤な小ぶりのトマトを、一気に口に放り込む。ハムスターのように頬袋に溜めながら、果汁を搾り出すようにしてゆっくりと喉へ流す。
「凄い口。ビックリ人間みたいだね」私がトマトを食べきるのを待たずに、彼女はまた喋る。「そういえばウチの兄貴、最近どんどん暗くなっていくような気がするんだ。何か楽しくないなあ。
前まではすっごく明るくて、友達とも良く喋ってたのに、最近は家に帰っても、ただいまも言わず部屋に閉じこもっちゃってさ・・・」
漸くトマトを飲み込む私。「何か思い当たることがある?」
「分からないなあ。ここんとこずっと話してないもん」
「お姉ちゃんも・・・」そう言いかけた時、チャイムが低く一時を告げた。そして、寸断される真里と私。
「ウチ、そろそろ外行くから」真里はまだ半分以上残っている弁当の蓋を固く閉じ、ハンカチで結んだ。間もなく腐るのだろう、と思った。
「いってらっしゃい・・・」気付いた時には、クラスの殆どの人間が消えていた。こんなぶっ倒れそうな日に、何処へ行くと言うのだろうか。
ふと、視線を自分の弁当箱に戻す。その中には・・・おにぎりが一つぽつんと居座っていた。渋々、箸を突き刺して口へ運ぶ。味はしなかった。
21 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:08:37
22 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:08:40
全ての日課を終えた。後向かうべきところは決まっている。校舎五階に位置する第一美術室。
姉と共に中学生から美術部に入っていた私は部員の中でも特にうまいと顧問からも先輩からも将来を期待されている。
私にとっても特に嫌なことでもないし、素直に喜ぶべきだ。
同級生の中にも、先輩の中にも特に嫌な感じの人はおらず、安心して部活動に取り組める。それに、皆優しそうな顔をしており穏やかな性格なのでとても馴染みやすかった。
「こんにちは、お願いします」私は軽く頭を下げ、部屋の中に入った。部屋の中は相変わらずごちゃごちゃしており、優しそうな部員の姿とは極めて不釣合いな荘厳である。
私はすぐに近くの棚へと向かい、自分の絵を取った。ちなみにその絵はリンゴをデザイン化したものである。
「朝野由希」と裏に小さい字で書かれており、表にはレイアウトの下書きや配色などいろいろな計画が書き込まれている。
後はこの計画通りに彩色を施し、完成させるだけだ。しかし、ここがとても肝心であるので気を抜いてはいけない。―思い通りの絵が完成すればいいな。確かな目標を胸に作業の為の準備を始めようとした。
自然と、姉の方に目がいく。姉もまた下書きをしているようだ。
「・・・お姉ちゃん、何描くの?」
姉はチラリと私の眉間を見た。その後また2Bの鉛筆を握って答えた。
「今回は、絵の中から何かが迫ってくるようなイメージ・・・そんな絵を描きたいな」
私は「ふーん」と喉を鳴らし、まだほとんど何も描かれていない絵を眺めた。いや、中央部分に円が描かれており、そのすぐ上に文字が書かれている。
カーマイン
「お姉ちゃん?これ、カーマインって・・・この円の周り、全部赤にするつもりなの?もうちょっと、こう・・・」
「いいの、黙ってて」姉の一言で、自分の言葉が制された。姉は一体何を書くつもりなのだろうか?絵が迫ってくるイメージ・・・迫ってくる・・・
―いけない、あたしったら・・・早く製作しよっ。 水を入れる容器をもって、洗面台へと足を運んだ。
空が、一層黒味を増していったように思える。苦い、嫌な香りが漂ってきた。明日は雨になりそうだ。
23 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:10:02
朝、私は母から今日は遅くなる旨を伝えられた。
―帰るの十二時くらいになりそう。コンビニでお弁当でも買って食べててね。
父は今日も残業で遅くなるようだ。―残業残業といっても、私の方が忙しいに決まってる。そう感じていた。
24 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:26:36
姉も居る。自分と同じ部屋の机で、いつものようにトランス系のミュージックをヘッドフォンで聴きながら、リズムに合わせて身体を弾ませ宿題をしている。
高校になってから、随分と宿題が多くなったような気がする。姉も最初はそう思っていたのかもしれない。そんなことを考えながら、英語の予習に励んでいた。
ついつい、二日前に誤って彫刻刀で切ってしまった左手の人差し指に注目してしまう。可愛らしい猫がプリントされた絆創膏が無造作に貼られている。
もしかしたら、傷がここにあるという事よりも、その絵に注目しているのだろうか。
「ねーねーねー、お姉ちゃんそんなんで大丈夫?」
私は口だけを大きく動かした。人に話しかけるときは、いつも「ねーねーねー」を使っている。自分でもその動作が機械的に思えるのだが、別に悪い事ではなかろう。姉に声は届いただろうか?
やがて予感は的中した。ヘッドフォンを取り外し、「聞こえなかった、もっかい」と私に返した。しょうがなく、先ほど言った内容の要点をもう一度繰り返した。
すると、姉は再びヘッドフォンを掛けて大きく言った。恐らく、もう返答は無用という合図だろう。
25 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 13:32:06
誰も読んでねえよw
26 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 18:18:26
ホラ大って、こんなにレベル低かったっけ。
ホラー?
表現がどうこうは落とすための口実だったんじゃ?
28 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/06(金) 22:06:33
一次予選通過って、夢の中でだろw
29 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/07(土) 00:34:32
日本ホラー大賞って、これで一次通るの?
すげーレベル高いと思ってた。他で最終いった人が一次落ちたりしてるし。
俺も出してみようかな。
30 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/07(土) 00:55:57
31 :
名無し物書き@推敲中?:2009/03/13(金) 11:57:41
ホントの一次通過作が、ごはんの鍛錬場に出てるよ。
売春夫という近未来テイストの社会風刺ホラー
売春夫で思い出したがもう一つの南家の長男は南春夫らしい
ホラ大の応募規定読んでみたけど、
「未発表に限る」ってネットならおkってこと?
一般に未発表ってのは「商業的に未発表」ってことらしいけど
ホラ大もそれで合ってるのかな?
問い合わせたけど返事返ってこないよ。
t
35 :
名無し物書き@推敲中?:2010/01/23(土) 01:14:55
tes
テストです