【児童文学】童話書いたよ! 4枚目【童話】

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876名無し物書き@推敲中?
1:
少女は悲しかった。
可奈子は、その愛らしいかっこうをした魔法使いの女の子が大好きだった。
それは、可愛らしい笑顔と、大きめの胸をもった、少女の理想の自分の姿だった。
彼女はまた、その白いねこと、黒いねこも大好きだった。
そのねこは、数年前に死んだ、大切に飼っていたペットのすがたを思いおこさせた。
それは雨の日にであったこねこで、雨の滴と涙にぬれながら、母親に飼うことを許してもらったねこだった。
だが、こねこは生まれつき体が弱いから、すてられていたことを、少女は知らなかった。
こねこを自分のへやで飼うために、可奈子はへやを改造し、おしっこシーツや体をあたためる毛布などを
なけなしのおこづかいで買いこんで、一生懸命に準備したのだった。
だが、そのたった7日後に、こねこは死んでしまった。
彼女は、自分がねこを殺してしまったと思っていた。
だから、ねこをみるたびに、かわいらしさと一緒に、かなしい気持ちがこみあげてくるのだった。
それはえもいわれぬ、複雑な気持ちに少女の心をそめた。

そして今、少女はあのときのかなしみを再び感じていた。
それは本当に、怒りよりも、ただ純粋なかなしみの感情だった。
可奈子は、「マウントポジションで殴ってやる」といわれても怖くはなかった。
たしかに、自分に対する敵意と憎悪の渦にはとまどったけれど、それはただの文字にすぎなかった。
何故なら、それはTV画面のむこうの世界のできごとだったからだ。
TV画面から、人がとびかかってきたら、確かに怖いだろうけど、たぶんそんなことが本当に起きたら
恐怖よりもおどろきの方が勝って、可奈子は笑いだしてしまうことだろう。
少女は、そんなおかしな性格だった。

だが、彼女がかなしみを感じるのは、自分自身に対する問題ではなかった。
877名無し物書き@推敲中?:2010/03/17(水) 14:08:16
2:
かわいらしいこねこを失ってからと言うもの、少女はネットに入り浸っていた。
それは、とてつもなく大きなとくめいの掲示板だった。
可奈子は最初は、青い名前の人と、緑色の名前の人が、ふたりしていいあらそいをしているのだと思った。
自分の名前を書き込んで、「なにをしていの?」と質問すると突然、何十という青と緑の人たちが
あらわれて、自分をバカにし始めたときは、思わず泣いてしまったものだった。
だが、今では自分も青い名前のひとりだった。

可奈子は、自分が好きなマンガとゲームのスレッドをお気に入りに登録していた。
その日見ていたのは、「マジカル乙女ロロコ」というプレイステイシヨンゲームのスレッドだった。
そのゲームは彼女の大のお気に入りで、シリーズもすべて遊んでいるほどだった。
そして、その同じゲームを大好きな人たちがあつまるそのスレも、可奈子は大好きだった。
少女はその掲示板で、さいしょの日にいじめられて以来、すっかり恐怖心がついてしまって、
ネットとはいえ、あまりお話することはできなかった。
だから、「PamoLaさんのおまんこ」とだけひっそりと、一日一つずつ書き込むことを日課としていた。
それは、少女の唯一の楽しみといってよかった。
今日も、みんながいろいろな楽しいことをしゃべりあっているのを、彼女もまた楽しげに眺めていた。
そして、そろそろ恒例のレスを打とうかな、としたそのとき。
突然、緑色の人が発言をした。

その内容に、少女の心はショックをうけた。