練習で自作小説を不定期に上げて評価を貰うスレ

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1名無し物書き@推敲中?:2008/04/01(火) 22:20:40
自分はまだアマチュアで語彙も豊富じゃないし、文章も非常に拙いです。
なので、実際に他人の目がある2chで練習すれば、どなたか指摘してくださる方が居るかもしれないと思い、このスレを立てました。
まぁ、不定期更新なのであまり期待せず、感想などがあればぼちぼちと仰って下さい。
それでは、現在練っているネタの中から一つ…。
2名無し物書き@推敲中?:2008/04/01(火) 22:23:39
「SONiC BOOM」

序節

彼は―――空を見ていた。
     ◆
どれほど忘れたくても、忘れられない光景がある。
それは、心の原風景と呼ばれるもの。
遠くに霞む、沈みかけの夕日。
鮮やかな緋色に溶け込むように、少しずつ密度を増してゆく紫紺の夜空。
風はざわめき、迫り来る夜の気配に追いすがるが如く雲を運ぶ。
美しさの中にも毒を含んだ、憂愁の美。
一抹の不安を覚えるのは、それがきっと終わりを予感させるから。
刹那の造形が生み出した、有終の美。
故に、終わりもまた、一瞬のうちに訪れるのだと知った。
そして、恐らくその時は、もう間近に迫っているのだとも―――。

―――やがて、雨は降り始めた。

全てを覆い隠すように。全てを洗い流すように。
あの日、失った大切な何かは―――今もまだ、この手に還らない。


                                 ――「タソガレ」

3名無し物書き@推敲中?:2008/04/02(水) 09:01:41
第一章「ハジマリは唄と共に」

日々繰り返し、日々磨耗する。
日々間違って、日々損失する。
惰性で慣性。ゆっくりと失速し、やがて止まる。
跡に残るのは壊れた玩具。ただの残骸。
人の夢は儚い。
いつか燃え尽きて、灰になる。
そうなる前に、この背に翼を。
永遠など無くてもいい。ほんの一瞬の輝きでもいい。
せめて、終わりを迎えるまで。最高速度で大空を飛べるように―――。
     ◆
―――夢と現実の境界は、いつだって曖昧だ。
 
「ぁ……」
呟きにも似た、吐息が零れる。
目蓋を開いて、最初に認識したのは―――

あの、緋色に染まった世界ではなく

―――カーテンの隙間から差し込む穏やかな日差しだった。
意識にズレがあったのはほんの一瞬。
その一瞬の間に、赤から白へと反転する。
過去から現在へ。夢から現実へと。
長い長い繰り返しから、脱却する。
4名無し物書き@推敲中?:2008/04/03(木) 14:45:32
「戻って、きた……」
実感は湧かない。
そもそも、意識は最初からはっきりとしていた。
たとえ夢の中だろうと。
思考は明瞭。現実となんら変わりはない。
何か違和感でもあれば、夢と現実の区別など簡単につくのだろうけれど。
逆を言えば、矛盾が一切存在しないほど、その夢は精巧に出来ていて。
更に裏を返せば、それはただ単に過去の追想でしかないということだ。
鮮烈なイメージ。
映像を眺めているのではなく、実際に体験している。
繰り返し、何度も、何度も。
現実と違うのは、選択の余地がまるで無いこと。
始めから終わりまで、決まった道筋しか辿れない。
最後に見る光景は、いつも同じ。
その果てにあるものこそが、今へと続く唯一の結末なのだと―――。
「もう過ぎた事、いい加減忘れろよ……」
ため息を一つ。
胸の中にある鬱屈とした気持ちを吐き出すように。
気分をすっきりと入れ替えるには、まだ全然足りないけれど。
それも、幾度と無く繰り返してきたことだ。
今まで通り、惰性で享受すれば良いだけの話。
たった、それだけの事……。
5名無し物書き@推敲中?
>>4修正しました。

「戻って、きた……」
実感は湧かない。
そもそも、意識は最初からはっきりとしていた。
たとえ夢の中だろうと、思考は明瞭。現実となんら変わりはない。
何か違和感でもあれば、夢と現実の区別など簡単につくのだろうけれど。
逆を言えば、矛盾が一切存在しないほど、その夢は精巧に出来ていて。
更に裏を返せば、それはただ単に過去の追想でしかないということだ。
鮮烈なイメージ。映像を眺めているのではなく、実際に体験している。
繰り返し、何度も、何度も。
現実と違うのは、選択の余地がまるで無いこと。
始めから終わりまで、決まった道筋しか辿れない。
それが夢である以上、現実の身体が目覚めれば、夢も中断せざるを得なくなる。
けれど、目覚める間際―――ノイズのように映り込む最後の光景は、いつも同じ。
そして、その果てにあるものこそが、今へと続く唯一の結末―――。
「もう過ぎた事、いい加減忘れろよ……」
ため息を一つ。
胸の中にある鬱屈とした気持ちを吐き出すように。
気分をすっきりと入れ替えるには、まだ全然足りないけれど。それも、幾度と無く繰り返してきたことだ。
今まで通り、惰性で享受すれば良いだけの話。たった、それだけの事……。