57 :
かえっこ ◆vKR9dNUc2M :
「予言」「狼」「墓標」
父が亡くなって、もう大分経つが僕達の悲しみ、憎しみは消えなかった。
僕と妹は今でも、あの日、無残にも腹部を裂かれ絶命した父のあの無残な姿を忘れはしない。
「じゃあ、いい子にしているんだよ。すぐに戻るからね」
って言葉を最後に、あの優しかった父は、お腹をすかし、幼かった僕達に食べ物を調達に出かけたまま帰ってこなかった。
「お兄ちゃんやっと…やっとこの日が来たのね」
父が眠る墓標の前で、まだ幼さの残る兄妹は改めて復讐の決意を誓った。
今朝、ついに頼んでいた森の占い師から憎き父の仇の住む場所を聞いたのだ。
予言で僕達の住むこの森の二つ先の村に住んでいて、この仇討ちがうまくいくと知らされた。
めざす村に着きそっと近づき窓をのぞく。
「お兄ちゃん…すごいよ!!二人ともいるよ」
そこには、仇の二人が偶然にも一緒にいて楽しそうに食べ物を口にしていた。
僕と妹は目を合わせ合図をし、同時に襲い掛かった!!
突然、狼2匹に襲いかかられ恐怖におののく表情の二人!
そこには、猟師と赤い頭巾をかぶった女の子が…
次のお題は「黄色いTシャツ」「古本屋」「石ころ」