この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十ニヶ条

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384告白 ダメ 雲
「このまえ高橋先輩に告った」
 ストレッチをしながら美幸が突然切り出した。
「ふぅん」
 僕は側で屈伸をしながら必死に動揺を表面化させないよう気のない素振りで応えた。
「ダメだった…」
「そっか」
 今度は深い安堵を顔に出なさいように言った。見つめる先の助走路にはその憧れの先輩が今まさに砂に向かって走っている。
 ふと美幸の記録がここ数日落ちていた事を思い出した。
「今日は空が高いな」
「…うん」
 すがすがしい秋晴れの日、浮かぶ雲も青い天井もとても高くて、今日はいつもより飛べそうな気がした。

今砂の上で笑っているあいつよりも。


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