409 :
ふみあ:
だが名前を褒められてもうれしくなくはない。
「ありがとうございます。富士之宮さんも珍しい苗字ですね。」
「ああ、俺の家製薬会社をやっているんですよ。」
「ひょっとして、富士之宮さんて富士之宮製薬工業の御曹司なんですか?」
ジェネリックから始まって、近年面白い薬をいろいろ開発している事で医療者や学会の間で話題になった会社なので
名前だけは聴いたことがあった。
「え、ええ、ご存知なんですか?」
薬局用に風邪薬などの認可薬より病院へ直接卸すような医療薬をメインに作っている会社でCMなどは作っていないので
専ら医療関係者しか知らないような会社である。ただの女子高生がそんな会社を知っていることに疑問に思うのも無理ないだろう。
「いえ、父が医者をやっているのでそれで…」
「ああ、そうでしたか。」
などと少し会話に興じているとそばで見ていた進さんが。
「富士之宮も薫君も仲良くなるのは良いけどここではなんだ、居間の方へ移らないか?」
と提案したので同意して居間の方へ移動した
(取り敢えずここで切ります)