自作小説を書いて見るスレ

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204ふみあ
 壇上に上がった西脇理事長はやや甲高い声で「あー、あー、ただ今マイクのテスト中、本日は晴天なり。皆様聞こえますでしょうか。」と前置きを置くと、同じような感じで祝辞と挨拶を云い始めた。
「えー皆様、わたくしは先ほどご紹介に預かった理事長の西脇 貞子と申します。本日はお日柄もよく、晴天に見舞われ、誠によろしい入学式日和をむかえられ、遠路はるばるお越しくださいました皆様と共に、今日この時を過ごせることを大変喜ばしく思います。
 生徒の皆さん、高等部入学おめでとうございます。保護者の皆様、御息女のご入学誠におめでとうございます。そして御来賓の皆様方、本日はお忙しい中、当学院の入学式にご足労いただき本当にありがとうございます。
 生徒の皆さんは、中等部、中には初等部や幼稚舎からずっと一緒の方がほとんどだと思いますが、高等部から入って来た子達ともども、この3年間でより一層友情を深めるとともに….」
 すまん、正直覚えているのはここまでだ。あとはこんな感じの話が40分も延々と続いただけだった。
205ふみあ:2009/06/21(日) 04:51:14
 「続きまして、学院長島本 和子より挨拶です。」
と紹介されて出てきた学院長は、紺色の僧衣に白いフードをしたシスターだった。歳はおそらく60前ぐらいだろう。西脇理事長のような話に聖書の逸話を交えたような訓話を30分くらいした。
 さらにその後、校歌斉唱をした。尤も歌っていたのは中等部からの繰り上げ組だけで、こちらとしては案内に書いてある校歌の歌詞を眼で追うのに精いっぱいだったのだが。
 続いて新入生の名前が順番に呼ばれた、どうやらこちらから見て真ん中の通路をはさんで左翼の7席×20列に1〜3組の生徒が座り、こちら側の右翼の8席×20列に4〜6組の生徒が着席させられているようである。
206ふみあ:2009/06/21(日) 04:51:55
 1組から順番に呼ばれ左翼の分が済み、4組の生徒の番になってしばらく経った頃。
「4組40番吉野 あゆみさん。」
「はい。」
と、先ほどひと悶着あったE-15の女子が名前を呼ばれて返事をした。そうか、吉野っていうのか。
 そして、4組が終わり5組目に入ったころ、
「5組 2番天城 祈さん。」
「は、はい。」
と、今度は僕の隣、さっきの女の子の名前が呼ばれた。同じクラスらしい。
 そして続いて、
「5組 3番綾小路 薫さん。」
おっと名前が呼ばれたぞ。
「はい。」
と返事をする。
 そのうち今度は
「5組 11番菊池 静香さん。」
「はい。」
とすぐ後ろから声が上がった。この人も同じクラスらしい。
 6組の45番の人まで名前が呼ばれると、保護者会長からの簡単な挨拶があり、なんだかんだとあった後入学式は終了した。

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