202 :
ふみあ:
あの娘相当人見知りをするんだなあ、となにか微笑ましいものを感じながら座ると、
「さ、さきほどはありがとうございました。」
と言う声が聞こえた。振り返ると隣の席に先ほどの彼女が座っている。
「どういたしまして。気にしないで、全然大したことしてないから。」
この程度で感謝されても困るのでそう断わっておく。
ステージ上座の方にある非常口の上に備え付けられたLED式のデジタル時計がAM9:30をちょうど指した頃、突然照明が落とされ、ステージの上が明るく照らされる。
「始まったな。」と小声で一人ごちた時、壇上に誰かが上がってくるのが見えた。
203 :
ふみあ:2009/06/20(土) 06:02:03
「それでは皆様、ただ今から202X年度、第11X回聖リリカル女学院高等部入学式を開始いたします。まずは、当学院理事長、西脇 貞子より祝辞と挨拶を述べさせていただきます。」
という女性の挨拶と共に演壇の前に現れたのは、パープルのスーツに、濃いバイオレットのレンズのサングラス、ご親切に頭の白髪まで淡い紫に染めた。いかにも口うるさそうな胡散臭い70位のおばあさんだった。ふーん、この人が今の理事長か。