自作小説を書いて見るスレ

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189ふみあ
2-5初登校?
>>薫
「ところでクーちゃん。この後どうするの。」
と、食事を終えて食堂を出てから葵姉ちゃんが訊いてきた。
「どうって、この後ホテルに泊まっているお母さんと合流して9時半からの入学式に出席するけど。」
「と、いうことは今日が初登校となるんだね。」と春日さん。
「ここも一応学校の中ですから、登校というのかはわかりませんけど。」
「確かにここも学校の中だ。登校とは少し違うかも知れないね。」
「すでに学校内にいますからね。強いて言えば建物から建物への移動でしょうか。」
「そういうことになるね。ということは君の初登校は昨日ということになるのかな。」
「そういうことになりますね。」
190ふみあ:2009/06/18(木) 04:36:36
そこに葛城さんが、
「そういえば式は何時に終わるんですか。」
「12時半だそうです。」
「あら結構かかるのね。」と葵姉ちゃん。
「ついでにオリエンテーションも済ませるそうだから。」
「なるほど。」
「じゃあ、終わった後にみんなでどこかに遊びにいきませんか。薫さんに街を案内したいですし。」と葛城さんが言うと。
「お、いいね。」と春日さん。
「そうしましょう。」と葵姉ちゃん。
「お気遣いありがとうございます。」
「どういたしまして。お気になされることはないですよ。」
「ところで、」とずっと気になっていたことを訊く。
191ふみあ:2009/06/18(木) 04:37:16
「講堂ってどこにあるんですか。」
「んーそうだなあ。一言ではいいきれないし。」と春日さん。
「ややこしいところにあるんですか。」
「いや、そういうことではないんだがね。」
「なにせん広いからねえ。」と葵姉ちゃん。
「迷ってしまう可能性もありますからね。」と葛城さん。
「そんなに広いんですか。」
「少なくとも裏の丘の向こうまで一応学校の敷地ですよ。」
「ま…マジで?」
「そういえば去年迷子になってしまった子がいませんでした?」と葵姉ちゃんが言うと、
「ああ、いたねえ。なんて言ったかなあの娘。」と春日さん。
「あの時は大変でしたねえ。」と葛城さんも相槌をうった。
「学校の中で遭難しちゃった人がいらっしゃるんですか?!」と驚くと、
「3日3晩捜索して、見つかった時は相当衰弱されてましたから。」
なんか嫌だな、それ。
「そうなってはいけないから私たちが薫さんを案内して差し上げますね。」
「ありがたいですが、母と一緒に回ることになっているんです。」
「かまいませんよ。薫さんのお母さんにもお会いしたいですし。」
「はあ、じゃあお願いします。」

2-5終わり、2-6に続きます