自作小説を書いて見るスレ

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171ふみあ
2-2をうp!

2-2大いなる誤算
>>薫
 胸ポケットに校章が刺繍してある白いブラウスを羽織り、裾に白いラインの入ったシンクのスカートを穿き、黒い革ベルトを締め、チャックのついていない半袖のセーラー服のような、白い襟に紺色のラインが入った赤い上着のようなものを頭からかぶり袖を通す。
「これでいいのかな。」と訊くと、
「ええ、後はネクタイをして、出来上がり。」
「ふつうネクタイしてから上着を着いひん?」
「後からネクタイをシャツの襟に通して、押し込んだ方が皺になりにくいでしょ。」
なるほどねえ。

「これ、お姉ちゃんと色違うんやね。」
「これで学年を区別するのよ。クーちゃんたち一年生は青、私たち二年生は黄緑、
そしてお姉さま方三年生は桜色という風にね。」
「へえ、学年章じゃないんだ。ところでこれ三年間ずっと同じ物を使うの?」
「まさか、来年はクーちゃんも私と同じ黄緑を使うことになるわ。」
「ふーん。じゃあさ、体操服はどうなの?」
「体操服?」
「例えば学年ごとにジャージの色が違うとかさ。」
高市高校は学年ごとにジャージの色が違い、6年間同じ物をずっと使う。だから、毎年新色のジャージがでて、今年の一年生はどんな色のジャージをしているのか、楽しみにしたものだった。だからこっちでもそうなのかと思って聞いてみたのだ。しかし…
「ないわ、みんな同じものを使っているもの。」
「なんだつまんないな。うちの学校がそうやったからこっちでもそうなんかなと思ったのに。」
「うちのって高市?」
「うん、そうだよ。」
「へえ、高市って変わっているのね。」
ここほどじゃないと思うけどな。