1 :
幼女狩人:
かつて文学板にあったスレだが、創作文芸の方がしっくりいくだろ。
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、
ベッドの中で自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな毒虫に
変わってしまっているのに気がついた。固い甲殻の背中を下に
して、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、
まるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた
腹部が見えた。
>かつて文学板にあったスレだが、
言い訳は要らない。なおらないなぁ、言い訳体質
向こうを追い出された者でも投稿してよい。許可する
掲示板は自由な場所だ。書け「幼女狩人」
何やるのかよくわからんぞ。説明せんかい。
4 :
幼女狩人:2006/08/04(金) 22:48:58
6 :
音魏 ◆KOF//8R/qo :2006/08/04(金) 23:16:47
面白そうなスレじゃねーか。自分流に書くのね。
7 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/04(金) 23:18:10
とりあえずコテはやめとこうぜ
8 :
音魏 ◆KOF//8R/qo :2006/08/04(金) 23:19:50
ある夏の朝目覚めると、俺はムシになっていた。
暑かった。ムシ暑かった。
10 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/05(土) 00:45:45
無視するか
朝だったよ。それは朝だったよ。
グレゴール・ザムザは怖い夢を見たよ。
グレゴール・ザムザは怖い夢を見たよ。
グレゴール・ザムザは怖い夢を見て起きたよ。
ザムザは起きたよ。
グレゴール・ザムザは虫になったよ。
大きくて醜い茶色の虫になったよ。
ザムザは虫になったよ。
グレゴール・ザムザは虫になった……
……それから?
それからのことは知らない。
12 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/05(土) 17:03:19
虫になっちゃった
虫になっちった
どないしよか
6 :音魏 ◆KOF//8R/qo :2006/08/04(金) 23:16:47
面白そうなスレじゃねーか。自分流に書くのね。
自分流じゃなくて、カフカの「変身」のこの冒頭を
他の作家の文体を真似て、書くというスレだと思った。
喧嘩を売っているわけではない。
例えば夏目漱石の坊ちゃん風にとか。
村上春樹っぽくとか。
大江健三郎風とか誰か書いてみてよ。
目を覚ましたザムザの目に入ったのは、己の固い体だった。
背中の甲殻が固い。
もたげるべき頭が固い。
褐色の、グイと引き絞った弓型の節で分け目を入れられた腹が固い。
考えるまでもない。
否。
考えることもできない。
なんという。
なんという。
まったくなんという怪異であろうか。
たまらぬ毒虫であった。
16 :
ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :2006/08/06(日) 15:30:26
17 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/06(日) 15:46:23
放浪中の神父発見!
18 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/06(日) 15:47:31
ふっ、なんの事だ。神父などいない。
19 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/06(日) 15:51:40
枕を投げてみれば分かる。不器用な蝉みたいに羽織りを脱ぎはじめるぞ。
20 :
ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :2006/08/06(日) 15:53:39
あたし、毒虫に、変わっちゃったンです・・・。
思わず背中を下にして、仰向けになったンです・・・
思わず、ジュン、ってしちゃいました。
すごく固くって、丸く膨らんでるンです。
おまけに、ピクン、ピクン、と脈打ってるンです。
すごくコーフンしちゃいました・・・
21 :
ブル伍長 ◆Xoaxo7g2Iw :2006/08/06(日) 15:54:42
|д・)ノ
俺も頑張って宇能鴻一郎で書いてみたよ。
(↑頑張らなくて良し。)
創作文芸板でやるのだから、それぞれが自分の文体でやった方がいいね。
文学板の方で、ほとんどやり尽くした感がある。
物足りなければ、文学板の方で次スレ立てればいいんだし。
創作に携わる人間がやるとどうなるのか?
オリジナリティー溢れる傑作を期待w
23 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/06(日) 17:14:26
期待age
「不安な夢を見た。どういう夢かというと、毒虫になってしまうものなんだけれど。
ちょっと落ち着こう。まだ夢から覚めたばかりで興奮してる。
だって、普段、夢なんて見ないんですよ。僕は。僕は一旦眠りにつくと、
意識は滞り、映像の浮かぶ余地なんて全くないんですから!それが、それがですよ!
昨晩は、どういうわけか、夢を見たんですよ。何年ぶりかしら。はて。それも心地良い夢でなく、
不安な夢なんですから、もう、やになっちゃう。あ、ちょっと落ち着こう。冷蔵庫から牛乳とってくるから、
ちょっと、待ってて!
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
グレゴール・ザムザはまるくふくらんだ、褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部を見て叫んだ。
>>24 独り言から始まる物語というのが個性的ですね。
最後の行にもオリジナリティーが欲しかったです。
なんか悪い意味でドキドキするような夢を見て
目覚ましが鳴るのより一時間くらい早く起きた。
部屋の中がもうだいぶ明るくなってしまっていた。
目が覚めてもまだ不気味にドキドキして落ち着かない。
僕は大事にしている木綿のタオルケットを引き寄せた。
先月あの子が泊まった時から洗濯も交換もしていない。
朝の風に肩が肌寒かった。タオルケットをあごまで掛けて
ここに一緒にいた時のあの子の匂いを思い出そうと思った。
匂いはほとんど消えていても、そうすれば気持ちが落ち着く。
うまくできなかった。なぜかタオルケットが取れなかったのだ。
足元にあるはずなのに手が届かない。
その場を目で見ようにも首が上がらなかった。
そもそも体じゅうの感覚がおかしい。
自分が息をしている感じがしなくて、僕は金縛りかなと思って
必死に身を起こした。もがくようにして手足の届くものを探した。
そして僕にかろうじて見えたのは、手足が触れたのは、
先月新調した夏物のお気に入りのパジャマの破れたあとと、
なんか妙に薄光りする皮膚の茶色い殻だけだった。
僕はこれと似たものにはどこかで見憶えがあると思った。
昔家庭菜園の土いじりの時によくいた毒虫がそれだった。
僕は虫になってしまった。とりあえずそのことだけは理解していた。
あの子とBまでしか行けなかったのだと思うと自分が悲しくなってきた。
27 :
綿矢りさ:2006/08/06(日) 22:13:14
不安がかすかに鳴った。
その音は私の心に響いていて、それって思い違いじゃないかとも思うのだけど、
確かに鳴り続けているのだ。
ふと気がつくと、私の体は原色をちりばめた、それはあたかも大きな毒虫とでも
いうようなものになっていて、果たしてこれは夢だろうか、なんて思うんだけど、
夢にしてはこのはっきりとした意識の覚醒は何なのだろう。
なんだか体の自由が利かなくて、ようやっとのことで首を伸ばして鏡を覗いてみると、
よく分からないけど、硬く光沢を持った背中、丸く膨らんだ横じまのTシャツみたいな
おなかが見えたので、ああそうか、そういえば私は昔からこういうものだったのだって、
妙に納得させられた。
ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、
グレゴール・ザムザのままだった。
次の朝、やっぱりザムザのままだった。
きっとその次の朝もザムザのままであろう。
∧ ∧
( ´・ω・`) oO(……)
_| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<⌒/ヽ-、___
/<_/____/
ある朝目が覚めると、すっかり会社の始業時間は過ぎていた。焦った。
なぜか、目覚まし時計を壁に投げつけた。粉々になった目覚まし時計を見たら、わらけてきた。
はははは。なんで時計を粉々にしたのだろうか、と、しばらく考えていたら、またわらけてきた。
よし、起きるか、と身体を起こそうとしたのだが、やけに重い。というより上半身を動かせない。
これは時計を壊した罰があたったのだろうと、神様に懺悔をしてから、もう一度、身体を起こそうと
試みたのだが、やっぱり動かない。ふと目を自分の身体に向けると、そこには、もはや人としてのそれは何もなかった。
あるのはただ褐色をした、無機物なようなものだった。
以前、わたしは、この褐色を見たことがあった。それは、まだ一週間前くらいことで、台所で夕食の用意をしていたのだけれど、
味ぽんをとろうと引き戸を開けるためにしゃがむと、そこに褐色の毒虫がいた。
慌てたわたしは、そこらにあった料理本を手に取り、叩きつぶした。執拗に。なんどもなんども叩いた。悪意はなかったが、
その褐色がやけに癪にさわった。
30 :
川上弘美:2006/08/06(日) 22:51:34
最近よく変わる。
朝起きるたびにいろいろなものに変わっていて、
始めのうちは伸びたり縮んだりするだけだっけのだけど、
近頃は人間ではないものにも変わってしまう。
昨日は蝦蛄だったし、一昨日はメザシだった。
今日はというと、硬くて曲がらない背中、節くれだった腹、
おそらく毒虫のようなものになってしまったのだろう。
蝦蛄やメザシのときは母が起こしに来ては
「まあ、美味しそうですね」などと呟きながら
私を食卓に並べていたのだが、今日は食卓ではなくゴミ箱行きだろう。
怖いですか、ええ怖いです。
手足を動かすたびにかさかさと乾いた音を立てて、
布団の上を無様な格好で這い回る。
母さん、声にならない声で呼んでみた。聞こえないらしかった。
怖いね、ええ怖いです。
>>26 いいですよ。物凄く個性的です。
特に、一文中で主語を二つ使用しているのがいいですね。
自分が毒虫になっていることを決定付ける文で、こういった読みにくい文を使うところに個性をかんじます。
ちょっと子供っぽいというか、少女チックなザムザ君もいい味出してます。
>>28 こういうスカし方、結構好きです。
物語は始まることなく、また終わることも無いのですね。
これはこれで、ひとつの哲学かもしれません。
AAの……部分には、どんな言葉が入るのでしょうか?
ザムザはその時何を思ったのだろう……
読者の想像力を刺激します。
>>29 「わらけてきた」という表現が個性的だと……
思いません。
これはね、ザムザの個性を表現しているものの、作者の個性ではないのです。
個性的な文と、個性的なキャラクターでは、意味が違うのです。
毒虫になっているはずのザムザ君は、どのようにして時計を投げたのでしょうか?
もういちど、練り直してみて下さい。
あなたの個性を見たいのです。
つまらないのなら素直につまらないと言ってやれよ
>>1 ごめんなさい。
なんかスレの方向性が変わってしまったかも……
しばらくこの方向でやってみたいのだけど、どうでしょう?
>>34 つまらないとは思っていません。
下手糞だとは思っていますが……
37 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/07(月) 00:46:43
良スレあげ
29は子供っぽいけど面白かったよ。感性に光るものを感じる。
39 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/30(水) 21:44:08
ある夜、グレゴール・ザムザが逃避的な夢へふと赴いてみると、
スレッドの中で良スレが480番目という、とてつもなく低い位置に
落ちてしまっているのに気がついた。固いキーボードの背中を下に
押して、書き込む支度が整っていて、ちょっとばかりマウスを動かすと、
まるで価値のない、自演だらけの、紋切り型の煽り文句でちゃちゃをいれられた
創文板上層部が見えた。
繰り返しの毎日が思いも寄らぬ形で変化を遂げた。
手に濡れたものを覚え目覚めた。いや、手ではなかった。
身動きをとろうにも一身じろぎすらかなわない。
それでもやっとの思いでおっくうに頭をもたげた先に見えたものは
……それは夢の続きのようで、そうではないことを撓まない背骨が伝えていた。
枯葉色の竹のふしのようなものが、そこには在った。
枯葉色のそれと違ったのは、それは在った――明らかに生気を含み生きていたのである。
41 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/11(月) 01:25:37
意味があるという作家もいるが、まったく無しという作家もいる。
幼女風とか作者A風とかふしはら風とかやりやすそうだ。
俺には無理だが。
43 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/27(水) 08:24:26
アスペルガー残飯、諦めて働け。おまえに小説は無理だって。
44 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 00:30:06
嫌な夢を見た。不安を煽る気味の悪い夢。
内容は覚えちゃいないが、雰囲気は覚えている。
まあ、それもこの現実よりはマシだろう。いや、さっきのは夢中夢かも。
そう思いたいぐらい、この現実はイカれていた。
グレゴール・ザムザは、朝起きると虫になっていた。
気の利いた比喩なんかじゃなく、そのまま。虫。
身をよじると、固いカラがシーツを擦って、ざりざりと音を立てる。
腹筋(今でもそう呼んでいいのかは知らないが)に力を入れると、
爪楊枝みたいな小さな足が、おぞましく並んで蠢いているのが見えた。
これが、グレゴール・ザムザの足だ。
吐き気がしてきた。
45 :
名無し物書き@推敲中?:2006/12/02(土) 00:54:11
47 :
名無し物書き@推敲中?:
ある朝、とてつもなく大きな毒虫が不安な夢からふと覚めてみると、
洞窟の中で自分の姿が一人の、グレゴール・ザムザに
変わってしまっているのに気がついた。柔らかい無毛の背中を下に
して、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、
まるくふくらんだ、肌色の、弓形の柔らかそうな
腹部が見えた。