【ひとりぼっち】アリの穴９４【夕暮れの街】

俺の文章を誰かが読む、そして コジーが長い文章を書き込んだ狙いが分かる。
誰も、最初は 不審に思った筈だ。コジーは何を血迷ったのだろう、全く意味不明
の文章を書き込んだりして、そう思ったに違いない。
誰だって動機はあるものだ。犯罪者にも動機はある、動機の為に犯罪を犯すの
だ。まして善良な市民だ、動機は必ずあるはずだ。ここで注意をしなければいけ
ないのだが、はたしてコジーが善良な市民かどうかそれは俺にはわからない。
多分、犯罪者ではないだろう、これはあくまでも俺の推測でしかない、確信があ
るわけではない。
コジーは速打ちを得意としているのは良く分かる、確かに速い。
だがそれでも、頭の中のシーンに追いついていない。頭の中に浮かぶ文章を打
てないのだ、大体人間の頭に浮かぶものは全部表現できるものではないのだろ
う。例えば、喋るという表現がある、誰かと会話するときは頭に浮かんだものを
喋って表現するものだ。文章表現できる人間は、文章で頭に浮かべる。頭の中
で文章化しようとするものだ。
テレビを見ている、ドラマだったり、或いは映画だったりする。大体俺の場合は途
中で嫌になる、見るのが嫌になってしまうのだ。内容がつまらないと感じてしまう
のだ。ストーリが陳腐で腹が他って仕方がない。その時ふと感じるのは、その苛
立ちを文章にすれば、かなり素晴らしい文章が書けると思う。
ところがそれをしない、詰まらない番組をどう詰まらないのか文章表現したところ
で何の価値もないことに自分で気づくのだ。
さて、それなら自分でストーリを作り変えたらどうか、それも面倒くさい、大体そん
なことができるくらいなら、こんなスレを見ていたりしないものだ。
ところが、コジーはその試みをやってしまった。だが失敗だった。成功したとはい
えない、もしそれを成功させたならおそらくこのスレにはいないだろう。