あなたの文章真面目にリライトします。第二稿。

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107名無し物書き@推敲中?
対峙する3つの人外の影。
「ふっ・・・なかなか心地よい殺気を放っておるな」
そういったピッコロ大魔王にはまだまだ余裕の色が見えていた。
名を飛影というこの若干小柄とも言える少年の放つ殺気を、ピッコロ大魔王は軽くいなしていた。
飛影が弱いわけではなかった。
現に彼の放つ殺気は素人目で見てもわかるほど強いもので、大気が張り詰めていくのが感じられた。
(こ、このガキできるな・・・)
フレイザードもそれを察知していた。
そして、チャンスがあれば・・・と密かに己の機を逃さぬように構えを取った。
飛影とピッコロ・・・二人の間に舞う木の葉が殺気により消し飛んだのを合図に飛影が飛び出した。
速さに自慢を持っていた飛影はいきなり恐ろしいほどのラッシュをしかけた。
大気がどよめき、木々が荒れるほどの猛攻だった。
しかし、その猛攻でさえもピッコロを傷つけるには至らなかった。
「ふはははは。もっと楽しませてみろ!」
「ちっ・・・」
焦りの色を隠せない飛影。それとは対照的に余裕の笑みさえこぼすピッコロ。
飛影は己の額に巻いていた包帯をとった。
「邪眼の力をなめるなよ・・・」
その言葉を放つと同時に、飛影の額に第三の眼が開眼した。
その眼は額だけでなく全身に現れた。
「ほぅ・・・おもしろい」
(な、なんだあの異形は・・・プレッシャーが上がった!?あれならピッコロを・・・)
108名無し物書き@推敲中?:2006/05/13(土) 18:10:39
「貴様も本気を出せ。あとで後悔してもしらんぞ」
その言葉にピッコロは多少の驚きの顔を覗かせた。
「ほぅ・・・大口を叩くか小僧が!ふん・・・気が変わった。その度胸に免じて貴様を生かしておいてやろう。
次にあったときは本気でやってやる」
「貴様に次があると思っているのか?」
そういうと飛影はピッコロに斬りかかる構えをとった。
その時、飛影のほほを熱い何かがカスめた・・・。
そして次の瞬間、後方の森で大きな爆発音が起こった。
それは紛れもなくピッコロが放ったものだった。

━━今の・・・外れてなかったら死んでいた・・・
飛影の顔色が驚きを含むものから怒りを含むものへと変わっていった
━━なぜ・・・なぜ外した?手加減された?この俺が・・・!!!???
そこまで思考がいくと彼の肉体はピッコロへ向かっていくことを選択した。
その動きは邪眼の力を使う前と比べて大幅に速くなっていた。
しかし、ピッコロはその飛影よりも早く動き、飛影の動きを封じた。
「殺せ・・・」
飛影はそうつぶやいた。彼には氷泪石を探すという目的も、幽助と呼ばれる男と戦うという目的もあった。
しかし彼は心のどこかで自分が死ぬというのも悪くないと考えていた。
ここで死んだとしても彼には後悔はなかった。
「ふん・・・まぁそういうな。俺は貴様が気に入ったんだ。光栄に思え。
俺は妙に善人ぶったり身の程を知らぬ輩は好かんが、
貴様のような生意気な奴は嫌いではない。今はまだ生かしといてやろう。その命をどうするかはお前次第だ」
そういうと、ピッコロはその場に飛影を残して森の奥に去っていった。
フレイザードはその後を追うように森の中に消えていった。
109名無し物書き@推敲中?:2006/05/13(土) 18:11:48
(ピッコロ大魔王・・・甘い・・・甘すぎる!!)
フレイザードはそう思っていた。
「不思議か?フレイザード?」
まるで心を読んだかのようにそのまま話を続ける
「このゲーム以前も言ったように厄介なのは善人面したようなゴミが徒党を組んで襲ってくることだ。
ならば、徒党を組み強固な結束ができる前に減らすのが一番良い策だ。しかし、いくらこのピッコロ大魔王といえども、
身体は一つ。全ての集団を潰すにはいささか時間がかかる。
ならばあのような決して他人に媚びない輩を使い手伝ってもらうほうが得策だとは思わんか?最後にやつを殺せば結局は同じことよ」
(なるほど・・・確かに理にはかなってやがる・・・やはりピッコロ大魔王・・・油断にならん。それも己の力に絶対の自信を持っているからこそか・・・)
改めて早く手を打たねばという思いが頭を張り巡った。

飛影はしばらく倒れこんだままだった。

━━━━  手 加 減 さ れ た  
        こ の 俺 が ?  ━━━━

「くっくくっくっくっく・・・はーっはっはっはっはっは!!!!!!」

ピッコロ大魔王とか言ったな・・・この俺を生かしておいたことを必ず後悔させてやる。
彼の眼には狂気がやどっていた。
それは幽助と出会う前の・・・。蔵馬と出会う前の・・・。
たった一人で魔界の世界を生き抜いていたころの寂しく・・・そして悲しい眼でもあった。

一陣の風とともに黒き衣を羽織った狂気が飛び立っていった。