よくわからんお題で次の人がSSを書くスレ

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558名無し物書き@推敲中?
今となっては、笑い話になってしまうけれど
その時、俺はこの話を心の底から信じた。
何故、俺が信じてしまったか他人に説明することは
難しい。きっと我々が普段見ているものは
不確かだということを酸素があることすら
偶然だと説明するのが難しいのと同じなのだろう。

天気予報どおり西からの温かい風は
大粒の雨を運んできて山の峰の向こう側で光ったと思うと
たちまちに、あたりは薄暗くなった。
その時、俺は渓流釣りに来ていて馬鹿なことに
ライトをつけっぱなしにして川に下りてしまい
戻ってきたときにはバッテリーが上がっていたというわけだ。

俺は竿と釣ったばかりの山女をトランクにしまい毒ついた。
よりにもよってこんな場所で!
たまたま見つけたその川は廃道になった私道の先にあって
よそものはおろか、町の人間さえも知らないポイントだったから
助けを呼ぶために延々、歩くはめになりそうだった。