457 :
隣の方向音痴:
おかしいと思ったんです。
でも、こっちこっち〜オレについて来いよ!って得意気に言うもんですから。
つい、ああついて行っていいんだな、なんて信用しちゃって。
気が付けば仲間から離れちゃってて、ふたりきり…。
信用した私がバカだったんです。
それなのに間違えたアイツは、おっかしいなあ〜〜なんて言いながら
へらへら笑って私の先を行ってる。
さっきからなんだか寒いし、おなかもすいてきたし
はあーもういい加減疲れた、と思ったところにちょうどいい水辺なんか見えてきて。
ごはんも食べれそうな具合だったんで、早速休憩がてら休むことにして。
そしたらそこでアイツがこんなこと言うじゃあない。
「ごめん…道間違ったの…わざとなんだ。オマエとふたりきりになりたかったから…」
くちばしでアッパーくらわしました。
てんめえ、私たち渡り鳥にとって、仲間からはぐれるのがどんなにアブねーことか
分かりきってるだろうがあああ!!!
私からアッパーくらわされたアイツはひいひい泣きながらごめん、ごめんと謝ってる。
それを見たらなんだか力も抜けて怒る気もうせてきて。
結局こいつとの間に産まれた卵を今あっためてる。
はあ〜〜私の気も迷ったもんだわ…。
次のお題は「レモンとスパークリングウォーター」