267 :
†magic†:2005/12/06(火) 14:31:36
真っ赤な満月の夜だった。強い風に吹かれながら、その女魔道師は、高台の上に立つ。
長い黒髪がバサバサと絹のようにはためく。
女は、妖しい笑みを口元にたたえて、暗闇の空に向けて両手を広げた。
『次元の壁を破り…我を運び賜え…』
ガガッ…稲妻が闇夜に光った。
『デヴィジョン!!』
空間がグニャリと捻れる。七色のオーロラを放ち、宙が渦を巻く。
ガガッ…再び雷鳴が轟く。稲光が闇を照らす…そこには女の姿は無かった。
268 :
†scan†:2005/12/06(火) 14:45:22
職探しに没頭していた順平の眼前の空間が捻れる。
「な…なんだ?」
目を丸くして覗き込む彼の前に、異空間から女魔道師が現れる。
「見つけた…」
漆黒の瞳が妖しく光る。
「な…何者だテメェ!」
ブンッ…茶髪が雑誌を投げつける。
『業火!!』
ボゥン…ぶ厚い雑誌が燃え落ちた。
「な…な?!」
椅子から跳ね上がって逃げ出す順平。
「待て!なぜ逃げる!」
茶髪の行動に不審を抱いた霞は、テレパスで彼の記憶を読んだ。
「…バカな…」
衝撃が彼女の全身を貫いた。
「あの女が…」
霞は、両の拳を力一杯握り締めた。
269 :
†拉致†:2005/12/06(火) 14:46:53
黒パンに黒ブラの女魔道師は、体育座りのまま悲嘆に暮れた。
「私は…」
彼女の夢は、無惨な現実に打ち砕かれた。
「美由紀…か」
自虐的にふっと笑うと、彼女は深い溜め息を一つ吐いた。
「…彼は…もう…私を必要としていない…」
彼女はふらふらと立ち上がると、行き場を無くした捨て猫の様な寂しい顔をした。
「デヴィジョンは…一生に一度しか使えないのに…」
彼女は、生涯を順平に捧げる覚悟で、時空を越えてきた。
彼と幸せな家庭を築く事だけを夢見て、闘ってきた。生き続けてきた。
…今の彼女は、生き甲斐を失った、ただの異邦人だった。
「…どうしよう…」
彼女はいつまでもぶつぶつと呟き続けた。
彼女の奇抜な格好に、道行く人が次々に振り返る。
「ひゅ〜。活かしてんねぇ〜」
途中、ガラの悪い不良達に声をかけられた。
「………」
ガシッ!無言で通り過ぎようとする彼女の腕が強い力で掴まれた。
「あ…何を…」
驚いて振り返る彼女の口に、いきなりハンカチが押し当てられた。
「うむぅ…!」
強力な催眠薬を吸わされた霞は、何の抵抗も出来ず、ふらりと倒れ込む。
ガシッと男達が彼女を掴むと、数人がかりで運び、ワゴン車に押し込んだ。
270 :
†accident†:2005/12/06(火) 14:57:28
遠くなる意識の中、彼女が必死に叫び続けてた言葉。『順平』
彼女の心の声が届いたのか、茶髪の男はバイクを駆らざるを得なかった。
『ボボボ…バゴォン…』
排気音が唸る、アクセル全開だ。
『ガォォォオーー…』
道路は渋滞だった。道行く車の合間を縫って疾走する真っ赤なバイク。
「あいつが呼んでやがる…」
彼の中に、謎の女の助けを呼ぶ声がリフレインしていた。
ハッ…その時突然、彼の目の前にババァが飛び出してきた!
「くそったれがぁあッ!!」
『ギュパァアー…』
避けようと無理にハンドルを切る、その瞬間、彼の体がバイクから吹き飛んだ…。
271 :
†panic†:2005/12/06(火) 15:00:47
『ドコォオ!』
吹き飛ばされた順平の体が、白いワゴン車に衝突した!
「グハァ…ッ」
血を吐き、白目を剥いて失神する順平。
ぶつかった振動で、中の男達が慌てる。
「何事だぁ!」モヒカンが叫ぶ。
「変な男がぶつかってきやがった!」金髪が声を荒げる。
「渋滞で動けねえって時によ…くそったれがぁ!」スキンヘッドが歯ぎしりする。
「ヤベェ、警察来やがった!」サイレン音を聞いたオールバックがペッと煙草を吐き捨てた。
やがてパトカーが白いワゴン車の前で止まった。
ガーと運転席の窓が開き、とりあえずモヒカンが顔を出した。
4人の男達が身構える、パトカーから降りてきたのは、小太りの中年禿げだった。
「こいつぁ人身事故や、お前ら免許証を出せやぁ!」
小太りが鋭い目つきで男達を威嚇する。
「免許証だと…?」
モヒカンの顔色が途端に変わった。
「んなもん持ってねーべ?あ、な?」口からペッと唾を吐きかけた。
唾を頭頂部に吐かれた怨三の表情が一気に険しくなる。
「どりゃあ!!」
とっさに襟首を掴むと、窓からモヒカンを背負い投げた。
272 :
†panic†:2005/12/06(火) 15:02:27
『ドカァ!』ゲハァ…たちまち道路の真ん中で嘔吐するモヒカン。
「どんどんかかって来いやぁあ!!」
すっかり興奮した怨三が、腹の底から大声を上げる。
バタム…たまらず扉を開けてスキンヘッドが飛び出してきた。
「ざっけんじゃねぇえーッ!!」
『ビュン』飛びかかり様の右ストレート!
「ウホッ♪」
シュッ…怨三しゃがみ込み、右ストレートが頭頂部を掠める。
「どっせいぃ!」
怨三、寝転び際すかさず巴投げ、ふわり…とスキンヘッドが宙に舞う。
273 :
†panic†:2005/12/06(火) 15:10:56
『ガッシャァアー…ン』後方の車のフロントガラス直撃!ガラスが粉々に砕け散る。
「ぎゃあああああ!!」
運転していたババァの顔面血まみれ!
バタムッ…今度はオールバックが真っ赤な顔で踊り出てきた…瞬間、
『ズダァン!!』
見事な一本背負い!ボキィ…オールバックの背骨が折れた。
最後に残された金髪が焦って車を走らせる!
『ドカァン!』
前方の車に衝突!血まみれで運転席から飛び出てきた男を、怨三、相手の襟首がっちりキャッチ!
「せいやぁあッ!!」
逆さ落とし!ベキャア…ッ! 首の骨が折れ、金髪、即死!
「あっちゃ〜、やり過ぎてもうた〜…」
怨三、走って逃走!
結局、ワゴン車の中には、催眠薬で眠らさた霞だけが残された。
274 :
†panic†:2005/12/06(火) 15:18:38
病院内の個室のベッドに、その茶髪は寝ていた。
お見舞いから帰った美由紀は、彼のアパートで留守番しているハズだ。
美由紀が居なくなった後、順平の個室にテレポで女が現れた。
催眠薬の効果が切れた後、彼女はテレパスで彼の居場所を見つけたのだった。
初めは驚いていた茶髪だったが、次第に、この女が異次元の世界からやって来た魔道師だと理解した。
「てめぇ…バイクの修理代、ちゃんと払えよな…」
霞はベッド横の腰掛け椅子に座っていた。彼女は俯いたまま、ぼそっと答えた。
「お金なんて…持ってないもの…」
「はぁ〜…」
やれやれと首を振る順平。ベッドから起き上がる。
「痛つつ…」
彼の逞しい上半身は、肩から背中にかけて包帯が巻かれていた。
「…?」
彼の鍛え上げられた肉体を前に、顔をあげた霞は目を潤ませた。
(順平…)
彼女の心の中で熱い激情が渦巻く。霞は茶髪の体を無言のままじっと見つめていた。
「おい、聞いてんのかよ。ちゃんと金払えよなー」
逆立てた髪はぐしゃぐしゃだ。彼の目尻が険しく吊り上がる。
「聞いてんのかッ!」
怒鳴り声にビクッとする霞。ようやく我にかえった。
275 :
†hospital†:2005/12/06(火) 15:19:55
「え…な、何?」
頭の中がポーッとしている。彼女は虚ろな目で茶髪の顔を見た。
「…なぜ怒ってるの?」
順平は、ハァ〜と首を振ると、深い溜め息をついた。
「もういいよ…」
「あ…お金は無いけど…せめて、これくらいは…」
ギシ…力無くうなだれる順平の腰の辺りに、女がのしかかった。
「…わ、わ!?」
女は、仰天する茶髪のシーツを剥ぐと、彼のパジャマと下着をスルリとずり降ろした。
「うふ…可愛い…」
妖艶な眼差しをじっと順平の下腹部に向けている。
「バカ、やめろ!」
ドン…茶髪を押し倒すと、女は髪をかき上げて、彼のペ○スをカポッとくわえ込んだ。
四つ這いの体勢で、ジュポジュポと美味しそうにペ○スをしゃぶる霞。
「…く…いきなり何しゃがる…」
ねっとり絡みつく霞の舌が、順平のペ○スを刺激する。
彼女の柔らかな唇が捲れ、順平を根元まで優しく包み込む。
「んふ…」
時に長い髪をかき上げては、彼女は頭を前後してフェラを続ける。
「ん…むぅ…」
彼女の頭の動きが徐々に激しくなる。順平のエキスを絞り取るように強く吸い込む。
276 :
†hospital†:2005/12/06(火) 15:22:19
「んむ…!?」
先端が、喉の奥に当たって、たまらずむせた。
「!!ケホッ、ケホッ!」
刺激で目に涙がブワッと溢れる。
彼女は一通り咳き込むと、ハァ…と息を整えて、再び奥までくわえ込んだ。
「う…む…」
ヌルリ…熱くてぬめぬめした感触が、茶髪のペ○スを襲う。
彼女の蠢く腔内で、我慢の限界を迎えた茶髪は、たまらず白濁液を放出した。
ビュクッビュクン…
「んむう…!?」
喉奥に流れ込んでくる苦い液体にむせ返りそうになりながらも、一滴残さずに飲み込む霞。
彼女の鼻先にツーンとした強烈な匂いが充満する。
「ん…くぅ…」
目に涙を溜めて、懸命に、液体をこくんと飲み込んだ。
「はぁ…はぁ…」
息を切らしながら、彼女は満足気な笑みを満面に浮かべた。
「うふ…いっぱい飲んじゃった…」
277 :
†hospital†:2005/12/06(火) 15:23:37
唇をペロリと舐めて、彼女は愛おしそうに順平を見つめた。
「…順平?」
茶髪は、ぐったりしていた。そういえば、行為の最中も、一言も喋らなかった。
「…あ、…ごめんなさい…」
頬を真っ赤に染めて、彼女は恥ずかしそうに俯いた。
(私…やっぱり邪魔なのかな…)
彼女が、いそいそとベッドを下りようとした時だった。
ガシッ…手首を思いきり掴まれた彼女が、黒い目を大きく見開いて茶髪を見た。
「まだだ…逃がさねぇぜ…」
すっかり彼は悪魔の様な凄まじい形相になっていた。
「孕ませてやる…」
彼は、眉間に皺を寄せ、野獣の様にギラついた真っ赤な目で霞を睨みつけた。
「……え?」
呆気に取られた霞の作り笑いがひくっと痙攣した。
278 :
†hospital†:2005/12/06(火) 15:27:01
〜(一部略)〜
夜、茶髪の男はズキズキ痛む頭を抱え込んでいた。
あの妙な女魔道師の中に3発も出してしまった。
彼は自分の愚かさを呪った。
女はすっかりご機嫌で、気持ち良さそうに病室のシャワーを浴びていた。
シャワー室の中から聞こえてくる軽やかな歌声に、茶髪は苛立ちを覚えた。
(ちきしょう…ひでえ歌だぜ)
音痴というか、聞いた事もない変てこりんなその民謡歌が、茶髪の怒りに拍車をかけた。
(くそったれがぁあッ!!)
『ドンッ』茶髪は、たまりかねて壁をぶっ叩いた。
【これが機に、彼女は妊娠し、茶髪は美由紀に振られますw】
279 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:39:51
スロ屋に入ると、順平は財布の中から紙幣を取り出した。
それを目を丸くして見つめる怨三。
「ん?何だよ、気持ち悪ぃな…」
怨三の熱い視線に気づいた茶髪は、怪訝そうに財布の中身をそっと隠した。
「おほッ♪い〜もん持ってるじゃないのぉ、順平ちゃ〜ん♪」
猫撫で声を震わせながら纏わりついてくるハゲに、茶髪は苛立ちを覚えた。
「あ〜もぅ、鬱陶しいな!分かったよ…ほら。」
一万円札を差し出すと、小太りが、目をカッと見開いて順平を見た。
「ヒャハッ♪」
その小太りは驚くべき速さで、紙幣をピッと剥ぎ取った。
「グヘヘ…」
にやけ笑いを浮かべながら、もぞもぞと紙幣をズボンのポケットの中にしまい込む小太り。
余りにも卑しいその行動に、茶髪はプッと失笑してしまった。
「さぁハゲ、好きな島で好きな台打てよ、俺は吉宗の島にいるからよ。」
「うほっ♪」
そう叫んで猿の様に口をすぼませると、不気味に笑いながら怨三はホールの奥へと姿を消した。
280 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:41:45
50分後……茶髪は、貧乏揺すりが止まらなかった。
(ダメだこの糞台…演出も何も出やしねー…)
知識も皆無の順平は、201G止めの吉宗を、415Gまで回して辞めた。
(ふすま全然閉まんねーし、…このボッタ台が!)
ガンッと台を小突くと、茶髪はふらりと席を立った。
ふと見ると、黒ぶちメガネのデブエナが、島の端で、じっと立ちながら順平の台を見つめていた。
茶髪が台をどいた瞬間に、そのデブエナは、瞬間移動…見事にスッとさり気なく台をキープした。
(18kもスっちまった…また美由紀に怒られるな…)
ボリボリと髪を掻きむしりながら、茶髪は自販機のジュースを買った。
ガシャコン…冷えたコーラを飲みながら、茶髪は怨三を探して、島を巡回した。
(あれ…、ひょっとして怨三か…?)
鬼武者の島で小太りを発見した茶髪は、慌ててコーラを飲み干した。
島の真ん中の台で、ドル箱4杯並盛りしてる怨三の傍に急いで駆け寄る茶髪。
「よお、絶好調じゃねーかよハゲ!」
順平は、満面に清々しい笑みを湛えて、怨三の背中をポンと叩いた。
背中を丸めながら、いそいそとメダルを箱に詰めていた怨三の体が、ビクッと反応した。
281 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:42:48
だが、小太りは茶髪には目もくれず、黙って鬼武者を回し始めた。
「おい…怨三…」
小太りのただならぬ気配に気づいた茶髪が、ふと液晶を見ると、ミシェルが走っていた。
何故か、そこで怨三のボタンを押す手がピタッと止まる。
続いて、怨三が第2ボタンをゆっくり押すと、バッと服を脱ぐミシェル。
『ブルル〜ン♪ポインポインポイン…』
まさにその瞬間だった。怨三の目が一瞬、クワッと大きく見開かれた。
「グフフ…」
目を真っ赤に充血させながら、小太りは前屈みになって液晶をぐっと見つめる。
「はぁ…な〜にやってんだよぉ、ハゲ…」
茶髪は髪をぐしゃぐしゃと掻きむしりながら、周囲を見回した。
島の奥にいた若い店員が、にやにやしながら怨三の様子をずっと観察していた。
(ひゃ〜、いい恥じ晒しだなぁ…)
茶髪は他人のフリをしながら、怨三の傍を急いで離れた。
(あと1万あるし…また何か適当に打ってみっかな…)
282 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:44:54
と、その時。吉宗の島を通った茶髪は、思わず我が目を疑った。
「なっ…!」
自分が先程まで打っていた台がピカピカと光っていた。
その眩しい光を顔面に浴びながら、恍惚の表情で姫ビジを淡々と消化するキモデブ。
(あ…あんの野郎〜…俺の目の前で…『姫BIG』を…)
茶髪の中でドス黒い殺意が渦巻いた。
島の中に入ると、通り過ぎながら、BB履歴をチラッと見た。
(くっ…BIG2回も引きやがったか…)
更に液晶を見た途端、茶髪の全身に電気が走った。
(ぐっ……おみくじに当選してやがる…)
ダダッ…茶髪は急いで店を飛び出した。
店を出ると、自販機の横にあるゴミ箱で吐いた。
「ゲハッ!…カハッ……!」
あのまま店にいると、さっきのキモデブを殴り殺してしまいそうな気がしたのだ。
「ハッ…ハァ…ハァ……」
しばし呼吸を整えると、彼はタバコを出して一服…精神の安定を図った。
スパァ〜…夕日が目に染みる…かなりの時間が経過した。
(怨三…もうお前ぇしかいねぇ…)
暫くする内に、茶髪の中で、ふと安心感が湧いた。それは、あの小太りハゲの箱だった。
(元はと言えば俺の金じゃねえかよ…奴の出玉…)
283 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:46:03
再びホールの中に入ると、茶髪は急いで鬼武者の島へと急いだ。
すがるような思いで、必死に小太りハゲの姿を探す茶髪。
…が、しかし、怨三の姿は消えていた。
「ちっくしょ…あんの野郎ぉ!!」
引き返す間際、チラッと怨三の台の履歴を見た茶髪は、頭を殴られた様な衝撃を感じた。
(BIG回数が…更に5回も増えてやがる…!!)
必死に小太りの姿を探す順平…島という島を巡回した。
リオデカーニバルの島も巡回した。…が、もはや店内のどこにも、怨三の姿を確認出来なかった。
(こうなりゃ…残りの1万で…なんとか…!)
つい無意識に吉宗の島に移動した茶髪の目が、チカチカと眩んだ。
順平の座っていた台…千両箱…+3箱カチ盛り…
そして…椅子の上には…
頭を揺らし、『浜崎あゆみの歌を口ずさみながらノリノリで』姫ビジを消化する黒縁のメガネデブ…。
その光景を目撃してしまった順平は、キレずにはいられなかった。
284 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:50:14
もしも、デブが他のBIGを選び淡々と消化していただけなら、こんな事にはならなかったであろう。
だが致命的な事に、その黒縁メガネのデブオタは、あろうことか、…
『姫BIGを!』
『浜崎あゆみの歌を口ずさみながら!』
『ノリノリで!!』消化していたのである!!
「こんッの野郎ォオ!!」
ダッと駆け込むと、茶髪は一目散にメガネデブに殴りかかった。
ただならぬ気配に驚いて、デブが振り返った瞬間…
グシャアッ!!! デブの顔面に順平の怒りの右ストレートがめり込んだ。
ガッシャーン…ひっくり返る千両箱、吹き飛ぶドル箱…島の通路内に多量のメダルがこぼれる。
「死ねよッな?いいから!!てめえ、早く死ねッ!!!」
デブの上に乗っかって怒涛の様なパウンドの嵐!
ゴッ!!ゴッ!!ゴッ!!ゴッ!!! …たちまちデブの鼻は折れ、メガネは砕け、顔面は血まみれだ。
「死ね死ね死ね死ね死ねぇええッ!!!!!」
必死に叫びながら、何度も何度も、デブの醜く変形した顔面を力一杯に殴り続ける順平。
ゴキャアッ…鈍い音が響くと同時に、デブの首が、カクン…と折れた。
285 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:52:45
「警察だ!離れて両手を上に挙げろ!」
数名の店員と主任が血相を変えて走り込んできた。
「ィーーヤッはぁ〜〜〜〜〜!!!!!」
ゴッパァーーー… 茶髪の前蹴りが主任の顎を力一杯に蹴り上げた。
ズゥゥン…転倒する主任。
周りに店員達が駆け寄る。色々な島からたちまち人が集まってきた。
ざわ…ざわ… 群集の中を、飛び蹴りで強行突破する順平。
「どけやオラァア!!!」
グッシャアーーー… 強烈な右ハイで群集を蹴り飛ばす順平。
「お前らみんな死にゃあがれぇえーーーーッ!!!」
『ヴォン…』更に、回転して後ろ廻し左ハイ!!
バッキャアーー……ドドォォォーーーー…… ドミノ倒しの様に倒れ込む群集と店員。
店長が控え室奥の扉を開けて飛び出してきた。それを見た茶髪がダッシュ…
タタタ…『ダンッ!!』驚愕に目を見開く店長の顔面に…
ドグシャアッ!!!…戦慄の真空飛び膝!!!!!!!
ダァンッ…顔面を陥没させられて、扉に思いきり叩きつけられる店長。
「ヒャッハァーーー!!!ざッまぁみやがれぇえええ!!!」
腹の底から思いきり怒鳴り散らすと、茶髪は急いでホールを飛び出し逃げ出した。
286 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:57:34
「最ッ高だぜぇい!!ヒィャッハァ〜〜!!!!」
眩しい夕日を背に受け、全速力で街中を走る茶髪の全身を、心地よい疲れと爽快感が包み込んだ…。
かなりの距離を走った。後ろを振り向いたが、もはや追っ手は来なかった。
タタタ…そして、茶髪が信号を無視して歩道に駆け出した直後の事だった…。
キキィィィーーーッ……ドォン………順平の体が、真っ赤な夕焼けの中に舞った…。
その翌日、茶髪は、凶悪犯罪の容疑者として全国に第1級指名手配されていた。
新聞でその記事を何度も読み返した怨三は、プハァ〜…と煙草の煙を吐き出した。
一抹の寂寥感が小太りの心を吹き抜ける…
「あかんがな…」
怨三は、ポケットから万札を12枚取り出すと、その金を眺めながら、悲しそうに呟いた。
287 :
†番外編A†:2005/12/06(火) 15:59:33
「わしに電話くれりゃあ良かったのに…こんなことしてもおたら…」
怨三は、目に涙を溜めながら、力なく、ドサッ…と椅子にもたれ込んだ…。
「もう……あかんがな……」
小太りの脳裏を、茶髪の屈託のない明るい笑顔がよぎった。
「…順平ちゃん……」
怨三の頬を、一筋の涙がツゥ…と伝った。
【補足】
順平の目にした瞬間は、メガネデブが、丁度歌詞の
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ…」
というフレーズを、『目を細めながら』、『鼻にかかった裏声で』熱唱してるのを見て、
更に千両箱に嫉妬しての、怒り爆発です。
【完】
288 :
†番外編B†:2005/12/06(火) 16:08:01
とあるビル街の薄暗い路地裏…1人の哀れなキャサ男が、屈強な2人組に抑え込まれていた。
スロスロ「デェッヘッヘ…ねぇ〜順平ちゃ〜〜ん♪…本当にコイツ犯っちまっていいのぉ〜〜?」
順平「へへ…鬼畜なお前ぇには丁度手頃なデザートだろ…いいんじゃねえか?好きにしなよ…」
スロスロ「ヒャハッ♪久しぶりの男もたまにゃ〜え〜もんだでぇ〜」
ホモジ「嫌じゃ…何するんじゃあ、やめろお!」
順平「暴れんな、よ、なぁッ!!」
『ドボォッ…』
もがくホモジのドテっ腹に順平の強烈なボディブロー炸裂。
ホモジ「ゥボッ!?オゲェーーー…!」
ビチャビチャと胃の内容物を地面に吐き散らすホモジ。
順平「かー、きったねぇなぁ〜…オラ…頭起こしてよ…しゃぶれや…」
ホモジの吐物に塗れた口にイチモツを強引に押し付ける順平。
順平「テメー…、歯…立てんじゃねぇぞ…もし変な真似してみろ…首の骨…折れるぜ…?」
スロスロ「ゲェッへッへ…ケツもっと突き出せやコラァ〜〜♪」
289 :
†番外編B†:2005/12/06(火) 16:09:17
ホモジのケツ穴にマグナムを押し当てるスロスロ…『ミチミチ』…鈍い粘膜の裂ける音がした。
『ブチン!!』
ホモジ「ひぃギィャァアーーーーッ!!?」
スロスロ「ウホッ♪え〜ぇ悲鳴じゃあ〜〜♪なぁ順平ちゃ〜〜ん、そっちどない?」
順平「チッ…全然良くねぇよ…コイツ所詮ホモジだ…面倒くせぇな…もぅ折っちまうかぁ〜?」
スロスロ「ウッハハぁ〜〜あ!!!ぇ〜ぇ締まり具合じゃあ〜〜〜〜ッ♪♪」
スロスロの太っといマグナムが、涙で顔面ぐちゃぐちゃのホモジのケツ穴に何度となく突き刺さる。
粘膜は大きく裂け、ホモジのケツ穴からはおびただしい流血…。
スロスロ「ぃ〜〜〜〜ヤッはぁ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
情け容赦なく激しく腰を降るスロスロ…既にホモジのケツ穴は裂傷し、多量の出血が見られた。
突如として襲いくる得も言えぬ激痛に、生命の危険を感じとるホモジ…が、時既に遅し。
『ビリィ…ッ』
鈍い、嫌な音がした。遂に、スロスロのマグナムが、火を噴いた…直腸穿孔…
290 :
†番外編B†:2005/12/06(火) 16:10:55
ホモジ「うぎゃあああああああああーーーーーーーーー!!!!!」
順平「だぁってろっつってんだろぉがぁっ!!!」
『ゴキィ…ッ』
鈍い音とともに、ホモジの首が折れ曲がった…糸の切れた操り人形の如く、カクンと崩れ落ちる。
スロスロ「アッチャ〜…順平ちゃ〜〜ん…ほんま頼むわぁ〜〜〜…ソレあんたの悪い癖やでぇ〜…?」
お楽しみを奪われたスロスロが、顔をしかめて思わず舌打ちする。
順平「ケッ…つまんねぇぜ…おい、…スロスローーーッ!!!!!…次…女子中生探しに行くぞ♪」
スロスロ「ヒャハッ♪やっぱそ〜来なくッちゃ。順平ちゃ〜ん♪」
順平「はっ…鬼畜だな…」
スロスロの嬉しそうな笑顔を憎々しげに見つめながら、吐き捨てる順平。
厄介事に巻き込まれない内に、2人は、その場を急いで後にした。
その場には、首が曲がり、剥き出しのケツからは血を垂れ流した無惨なホモジだけが取り残された…
291 :
†軍鶏†:2005/12/06(火) 16:14:28
夜更け…2人の男に絡まれた順平。
対複数戦の基本は、どちらか一方を速攻で潰す…。
@に対しダッキング→『シュッ』…ミドルレンジからの左アッパー!間一髪でスウェーする@に対し、
『ダンッ!』軸足(左)の踏み込みを固めての…『ヴンッ』…左ロングフック!→
…『ヒュン!』…慌ててウィービングでかわす@…順平の一撃必殺の左フックが空を切り裂く…次の瞬間…!
『キュッ!!』…すかさず軸足(左)を半回転以上回して踏み込みッ→『ヴォンッ!』…右回しハイキック!!
『ドカッ!』…@の側頭部に遠心力の乗った順平の右踵がヒット→ガクンと左膝をつく@、
…『ダンッ!』…走り込み様、地面を左足裏で蹴りつけ、そのまま勢いをつけた飛び右膝…!→
『グシャアッ!』…@の顔面を粉砕!…『ドシャア』…鼻と口から血を吹き出しつつ、仰向けに倒れ込む@…
『ズダダダッ』…間伐入れず、Aのタックル→を紙一重で切る順平、バックステップで間合いを取る。
292 :
†軍鶏†:2005/12/06(火) 16:15:54
…も、再びAの低空タックル→『ブンッ』…すかさず順平カウンターの右フック、…をスカし…
『ダァンッ』…テイクダウン!寝技での勝負を挑むA。
ポジショニングを巡る攻防→半身を捩ってウェイトシフト、マウントを狙う順平…も、ウェイト差負け。
Aにマウントを取られ、Aのパウンドラッシュを浴び、ボコられる順平→顔面が腫れ上がる。
Aがトドメの右ストレートを振りかざす一瞬、Aの上体が浮く→その間隙をつき、
『ガバッ!…ヒュンヒュン……ガチィッ!』
腰をくの字に折り曲げて瞬時に下半身を滑り込ませ、順平の足三角絞めがAの首にガッチリ入る…
も、とっさに左腕一本潜り込ませて防ぐA、極まらない。
Aの右腕を取り、アームロックに持ち込む順平…だが、相手は強引に取られた腕を引っこ抜く。
293 :
†軍鶏†:2005/12/06(火) 16:19:34
再びパウンドでボコられる順平、Aの渾身の右パンチが順平の顔面をぶち抜く→彼の目玉がぐるんと上転、
思わず白目を剥く順平、勝負あったかに見えた。その時…順平の上半身がバウンと跳ね上がる→
彼の左腕がAの首にヒュンと巻き付く→そのまま右手で左手を組み合わせ、がっちりロック。
最後の力を振り絞り、Aの首を思いきり絞めあげる順平。『無意識』のフロントチョークがAを捉えた!
ギリギリ…力一杯Aのネックを絞め上げる順平→彼の決死の関節技が、Aに対して、完全に極まる。
Aの脳が虚血状態に陥る→口から泡を吹いて堕ちるA→ぐったりとなったAを力無く払い除ける順平。
満身創痍でフラリと立ち上がった彼の眼前に、屈強な大男が1人、立ちはだかっていた…。
【continue】
294 :
†突撃†:2005/12/06(火) 16:24:42
アジト内部での死闘。
見張りの雑魚を裸締めで仕留めた怨三が先陣を突き進む。
目的は、アジトの最深部に潜む憎き犯罪組織のリーダー、遠藤の抹殺だ。
「順平ちゃん、急がんかい!」
細い入り組んだ通路内、振り返った小太りが汗だくで叫ぶ。
「ちょ…待てよ禿げ!」
茶髪が後に続く…その時、三叉路の角から姿を現した大男が、怨三と順平の間にすかさず立ち塞がる。
辺りに忽ち血生臭い空気が充満してゆく。
「おっと。逃がさねぇ。お前は」
体格の良い長髪のロン毛が、ゴキキと指を鳴らしながら低く唸った。
「ここで死ぬんだからな」
「じゅ…順平ちゃん!そいつの始末は任せたがな!」
そう言い残すと、小太りはとっとと先に進んでしまった。思わずチッと舌打ちする茶髪。
ダンッ…!男の高速タックル…順平カウンターの膝…合わない!
ズダァンッ…テイクダウン!
「ぐはぁっ」
ガチィ…とっさに両脚ガードポジションを取り相手の動きを封じる茶髪。ウェイト差が有りすぎる。体力が持たない!
ブォンッ…茶髪に上体をコントロールされ、男のマウントパンチは間一髪でスカされる。
295 :
†突撃†:2005/12/06(火) 16:25:59
ヒュン…相手の上体が浮いた瞬間、腰を折り曲げ、相手の首・左肩に滑り込ませた両脚をクロスさせる。
左腕を両手で取り、肘をピンポイントで極めつつ力技…
ググッ…バィィン!!腕が伸びた!!下からの飛び付き腕十字固め成功!
…ギシ…軋みを上げる男の左肘…靭帯が、関節が壊されてゆく。
「うがぁあああッ!!」
男が左腕一本極められたまま、順平ごと持ち上げる!そのまま硬い床に叩きつけられる寸前…
「馬鹿があっ!!」
ボキィッ…鈍い乾いた低音が響いた。
「ぐ…あああああ!!!」
左腕を右手で庇ったまま、激痛に全身を焼かれ立ち尽くす大柄な男。
トン…飛び十字を外して地に立つ茶髪がラッシュをかける!
「シッ!!」
ドボォッ…容赦無い順平の左ミドルが男のレバーを粉砕! くの字に折れ曲がる巨体。
「セイッ!!」
キュパァ…ッ! 屈み込んだ男の左側頭部に、茶髪の鋭い右ハイが迫る…
ゴシャア…ッ!! 大きな破壊音と共に冷たいコンクリートの床に叩き付けられる男…
ズダァン…砂埃が巻き上がる、意識を無くしたその巨体は、もはやピクリとも動かなかった。
「禿げぇえッ!!!」
怒りに目を血走らせながら、茶髪はダッシュで小太りの後を追った。
296 :
†突撃†:2005/12/06(火) 17:19:52
一方、一足先を進んでいた怨三の方も、遠藤の刺客に足止めを食らっていた。
「死ね」
ダダッ…低く呻くと、ゴツい体格をしたスキンヘッドが襲いかかってきた。
「ウホッ♪」
ヒラリと身を翻してタックルを交わす小太り。
その見た目に似合わぬ俊敏な動きに、スキンヘッドが唸った。
「チィ…このブタ野郎が…」
ペッと唾を吐くと、凄みを利かせて小太りを睨みつける。
「行くぜブタぁ!!」
ビュン…挨拶代わりの右フックがしゃがんだ怨三の頭頂部を掠める。
「終いだハゲ」
次の瞬間…スキンヘッドの強烈な左アッパー!!
「ムホッ…」
ヴンッ!! …空を切る、怨三、間一髪、必死のスウェーバック!!
「無駄だ」
ダンッ!!スキンヘッド、左足を踏み込み!一瞬で間合いを殺す!
「くたばれブタ野郎ォッ!!」
流れるコンビネーションから繰り出される、スキンヘッド、渾身の右ストレート!!
「ヒャハッ♪」
ヴォン!!…またしても空振り…怨三、懸命のマトリックススウェー!!!!!www
「ィ〜〜ヤッはぁ〜〜〜〜!!!」
297 :
†突撃†:2005/12/06(火) 17:21:46
怨三、相手の襟首をガッチリ掴んで。そのまま豪快な巴投げ!!
ブンッ!…ドシャアーー…硬いコンクリートの床に背中から叩きつけられるスキンヘッド。
「うがぁッ!!」
背骨を強打、起きあがれないスキンヘッドに対し、怨三、執拗な追撃!
「グッヘはぁ〜〜♪」
タンッ…ジャンプ一番、小太りの体がふわりと宙に舞った! …
ドボァアッ!!? 怨三、痛烈なヒップクラッシュがスキンヘッドの顔面を粉砕!!
「うぎゃあぁあぁいゃあああーーーーー!!!」
二重の意味で必殺!! スキンヘッドの絶望に満ちた痛々しい絶叫が細い通路内にこだました。
「ヘッ…あんのハゲ野郎…」
タタタ…通路を走る茶髪の耳にも、その絶叫はしっかりと届いていた。
「俺が追い付くまで死ぬんじゃねえぜ♪」
298 :
†十鬼衆†:2005/12/06(火) 17:24:11
遠藤の緊急要請を受信し、全世界より集められた格闘の猛者達が通路の各エリア内に配置された。
その名も゛十鬼衆゛。サンボや柔術、空手やムエタイ、テコンドー等を使いこなす武闘家集団だ。
「こちら遠藤。十鬼衆に告ぐ。侵入者2名を至急抹殺せよ。」
インカム通信を受けた゛十鬼衆゛達が待ち受ける中、何も知らずにアジト内部を疾走する無防備な2人。
アジト内の各地に取り付けられた無数の監視カメラが、走る2人の姿を確実に補足する。
「ボス…何も十鬼衆を使わずとも、私達には銃火器があるわけですが…」
ベレー帽を目深に被った色黒の男が言葉を濁した。ブラジル系、2mはあろうかという長身の大男だ。
「くく…久しぶりの侵入者だ…私は楽しみたいんだよ…奴らの悪足掻きぶりをな…」
病的な素振りで、首をコキッとさせて遠藤は気味の悪い薄ら笑いを浮かべる。
「はっ…しかし…もしもの事がある場合は…」
ダグは、遠藤の顔色を伺いながら慎重に言葉を選んだ。
「既にボクサーのスカルヘッド、レスリングの使い手キンケイドの2名がやられてるわけですし…」
動揺を隠しきれない大男の上擦る言葉を、遠藤がピシャリと遮った。
299 :
†十鬼衆†:2005/12/06(火) 17:25:37
「もしもの時は!!分かってるよな、ダグ…お前が始末しろ。」
「はっ…ラジャー。」
軽く敬礼すると、ダグと呼ばれたその大男はアジト最深部に位置する司令室を出た。
本名、ダグラス・マーティン。彼は副司令室に戻ると、モニター前の椅子にドカッと腰掛けた。
ダグは、眉間に苦悩の皺を作って、遠藤の相変わらずの我が儘な振る舞いに、深い溜め息を一つ吐いた…。
今回の侵入者は強い…ダグは、その事実を肌で実感していた。
以前の山奥倉庫襲撃事件にて青服を着ていた男が、実はダグだった。
「小太りハゲはともかく、あの茶髪は注意しとかないとな…」
モニターを見つめながら、彼は静かに唸った。
300 :
†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:27:41
タタ…タン…薄暗い通路の奥は、小さな広間で行き止まりになっていた。
「チッ…見失ったか…」
クルッと反転する茶髪の背後に、人影が現れた。
ヒュン…気配で間一髪その男の長い横蹴り(サイドキック)を後ろ向きに交わす順平の頬が切れる。
「ケッ、現れやがったなぁ!!」
バッ…一際脚の長いその男に向き合う茶髪。ゴキキ…順平が不適な笑みを湛えて拳を鳴らす。
「ようこそ、我がDエリアへ。私はリー・ソッキュ。お前を地獄へ誘う案内人だ。」
男が軽く挨拶する。この男、体格は至って普通だが、脚が異様に長い。
リーと名乗る脚の長い銀髪の男と対峠する順平。(この構えは…こいつぁサウスポーか…)
ジャリ…間合いを詰める茶髪男…リーの左側面を向ける構えは、典型的なテコンドーの構えだ。
ビュ…アプソギ→右中段突き(モントンチルギ)を潜り込んで交わす茶髪の眼前にリーの靴底が迫る。
左前蹴り(アプチャギ)→垂直上段ハイ→膝を胸の辺りまでつけるような感じで蹴り上げる変則上段。
301 :
†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:48:45
シュバァ…間一髪、スウェーで交わす茶髪の鼻先を掠める。(こいつ、テコンドー使いか!)
タタン…バックステップで間合いを取る茶髪が、ダッキング→渾身の右ストレートを放つ!
「いっけぇええ!!」
ヒュバッ…その顔面をリーの不意を突いたティチャギ(右後ろ蹴り)が襲った!!
ドガァン…背面からの意表を突いた右後ろ蹴り…右ストレートを放っていた茶髪の顔面がカウンターで蹴り上がる!
「がはぁっ!!」
一瞬、茶髪の動きが止まる。(き…効いたぁ〜〜!)頭がグラグラする…視界が霞む。
「〜…んの野郎ォオッ!!」
叫ぶ茶髪を前に、またしてもリーがクルリと背中を向ける。
「ざけやがってぇえッ!!」
ダッ…茶髪が駆け込む。(タックルで倒すっきゃねえ!)
ドボォッ…茶髪の腹部にリーの背面左後ろ蹴りがヒット!
「グハァッ!」
茶髪の体がくの字に折れ曲がる、間伐入れずにリーが回転しながら宙に飛ぶ。
302 :
†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:50:48
シュバァッ…右前蹴り!(ダブルティチャギ)のコンボ攻撃だ!!
ゴシャァ…ッ!リーの右脚が、順平の顔面を更に蹴り飛ばした!!
「うがぁッ!!」
ドサァ…床に倒れ込む茶髪男。既に彼の顔面が血まみれだ。
ビュビュッ…左後ろ蹴り→背向け→入れ代わりの右後ろ蹴りが、立ち上がった順平を更に追い込む。
(くっそ、これじゃ近づけねぇ!!)焦る茶髪の眼の前で、またしてもリーがクルリと背中を向けた。
ターン(背を向け→半回転→宙に飛んでの右廻し蹴り)が順平の側頭部を襲う!
ガキィッ…辛くもクロスガード!タタ…後退する茶髪の間合いを即座に詰めるリー。
フォン…間合いを詰めながらのネリョチャギ(踵落とし)が茶髪の脳天に降り注ぐ。
「舐めんなぁあ!!」
ドガァッ…頭上クロスガードする茶髪の腕が軋みを上げる。次にリーの強烈な踵を食らえば…折れる!
「う…ぐぅ…っ」
激しい痛みに耐える順平…リーが更にクルリと背中を向けた!
ティフリギ!(後ろ廻し蹴り)→強烈な旋風脚が順平の髪の毛をバサリと蹴りつけた。
303 :
†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:52:13
「うるぁあッ!!」
ダンッ…ダッキング→ドボォッ…茶髪の強烈な左フックがリーのレバーを強打!!
「ぐぅ…?!」
ヒュン…屈み込むリーの顎に順平、コンビネーションの右アッパー!それを交わすリー、
「終わりだ!!」
ダンッ!即座に間合いを詰める順平、全体重を載せた左ストレート!!
バチィッ!リーが掌ガード、シュン…再び左脚を胸に引き寄せて天に上げるリー。
「くっそ…また踵落としかあ!!」
ゴキャァッ…頭上クロスガードしたハズの順平の右腕ごと弾き飛ばすリーの左前廻し蹴り炸裂!!
踵落としからの前廻し蹴りへの連携技『アプフリギ』により地面に蹴り倒される順平…
「…う…ぐぅ…」
地面に這ったまま、ゲホゲホと咳き込む茶髪男。見下ろすリー。順平の瞳が遂に怒りに燃え上がった!!
304 :
†決着†:2005/12/06(火) 17:54:14
満身創痍でふらりと立ち上がる順平。顔の血を拭う暇もなく、
キュンッ…再びリーのティフリギ!
「ここだぁ!!」
スパァ…順平、リーの右後ろ廻し蹴りをしゃがみ込み交わし様、両手を地に着いての回転脚払い!
ズダァンッ…リーが仰向けに転倒、すかさずリーの右脚を取る茶髪。
キュキュン…ガチィッ…流れる一連の動きで綺麗な関節技、『ヒールホールド』が一瞬で極まった!
「ギブアップしやがれ!!」
茶髪が息を荒く叫ぶ、も、リーは応じない。
「ぐ…ああぁあぁああ!!」
リーの悲痛な呻き声を聞く茶髪の怒りが爆発した!
「もう死ねええッ!!」
ゴキゴキャアッ…!!
鈍い破壊音と共に、リーの右膝が粉砕された!
「ィヤッはぁ〜〜〜〜ッ!!!」
ゴッパァーー…ン…最後にリーの顔面を思いきり蹴り上げ、完全決着。
失神した彼はその後、立ちあがる事は無かった…。
「う…あ…?」
スタァン…茶髪がふらつきながら転倒した。(く…すぐにゃ立ち上がれねぇか…)
シュボッ…その場に座り込んで、シケモクに火を点ける。
(ハゲ…死ぬんじゃねぇぞぉ…)茶髪の顔からは既にニヤけ笑いが消えていた…。
305 :
†異世界†:2005/12/06(火) 18:00:14
指令室にダグラスが息せき切って飛び込んできた。
「ダグ!これは一体どうした事だ!!」
「分かりません、ボス!突然、空間が捻れて…」
「くそっ、アジトからの通信が取れない…外界から遮断されてる!」
ブチィ…遠藤が葉巻を噛み切った。
「ダグ…ここはどこだ…?私達は、今…どこにいる…?」
遠藤が病的な素振りで両手を天にかざしながら囁いた。
「わ…分かりません…ただ…我々は…異世界に紛れ込んだようです…」
空間が突然グニャリと捻じれた後、アジト内部の人間は不思議な違和感をずっと感じていた。
遠くで爆発音が轟いているのがアジト最深部の指令室にまで聞こえてくる。
「タイムスリップ…したのか…?」
信じられないといった面もちで、遠藤がダグを見つめた。
「わ…分かりません…」
一方、茶髪と小太りの2人にも、事の重大さは伝わっていた。
「チッ…一体どうなってやがる?」
茶髪がボサボサ髪を掻きむしった。
エリアGで死闘を繰り広げていたキックボクサーのジャンと怨三も、戦いを中断していた。
306 :
†異世界†:2005/12/06(火) 18:01:59
「な…なんやて…こら一体…?」
太ももをさすりながら訪ねる怨三に、ジャンは両肩をすぼめた。
「アイ キャント アンダスタン…」
ワーワー…アジト外部からは、おびただしい数の奇声、罵声、絶叫、爆発音が轟き渡っていた。
「順平…分かるか?私だ…」
エリアDの小広間で休んでいた茶髪がふと頭を上げると、目の前に見覚えのある長髪の女が立っていた。
「お前…なんでここに…!?」
立ち上がる順平の腰がストンと落ちる。戦いのダメージがまだ残っている。
「無理するな、私に任せろ」
絹の様な黒髪をなびかせて、女は歩み寄ってきた。
『ヒーリング』
シュウゥゥ…茶髪の傍にしゃがみ込むと、彼女は手のひらから光を放出し、順平の胸に当てた。
「う…おぉ…?」
みるみる体力が回復してゆく。茶髪は驚いて女を見た。
「倒したハズの魔王が復活した。一刻の猶予も無い。どうも太古の魔道師が禁呪を用いたらしい。」
彼女は、ふぅと深い溜め息をついた。
「ディヴィジョン…どこかの魔道師が中途半端な呪文を唱えたせいで…私達も巻き込まれたらしい。」
「何だと、俺達だけがか?」
307 :
†異世界†:2005/12/06(火) 18:03:10
「違う、このアジト一帯だけだ。」
「なんで…!」
「時空間の経緯によれば、このアジトは魔王の城塞の元所在地に当たる。恐らくそれが関係してるのかも…」
言葉を濁す女魔道師の胸ぐらを不意に掴むと、茶髪は声を荒げた。
「んだとぉ!?なら、霞…なんでお前がここにいんだよ!!」
「私は…」
霞は俯きがちに呟いた。
「テレパスで…お前の後を…ずっとつけてた…」
照れる霞の頬がほんのりと朱に染まった。
「ぐっ…ならなんで!もっと早く助けなかった!お前の魔法なら、ちょちょいのちょいで…!」
「迷惑をかけると思っていた!!」
女魔道師が、茶髪を正面からキッと見据えてきっぱりと言いきった。
「いざとなったら助けるつもりだったッ!!」
女魔道師の凛々しい顔を見つめたまま、順平はもはや何も言えずにいた。
「兎に角…このアジトから出るのは危険だ。今、レジスタンスと魔王の直属軍が交戦中の真っ只中だ」
「…なぁ、霞…さっきから魔王って…何だよ?」
茶髪が女の胸ぐらを掴んだまま軽く揺さぶった。
308 :
†異世界†:2005/12/06(火) 18:04:23
「俺たちは…ロールプレイングの世界に紛れ込んじまったとでも言うのかよッ!?」
「ロールプレイングなんかじゃない!!まだ分からないのか?」
霞は順平の手を振り払った。
「これは異世界での、れっきとした戦争なんだ!!」
怒涛の貼り付けだなw
よく分からんが、まぁ迫力はあるな
レス一つも無いね。
誰も見てない事が判明した以上、これ以上の投稿は時間と労力の無駄。
よって、
【打ち切り】
今後再びこの板に投稿する事はあり得ないです。
今後は、本格的に新人賞狙って書いていくつもりなので、これで失礼。m(_ _)m
”インテリジェント・ゴリラスーツ”を常に身に着けることが、この未来社会での第一のルールだった。
それを着用しない外出は、まさしく死を意味した。ゴリラスーツに装備された高価な機械が発見次第
すぐ反応し、パワーアームで、即撲殺。辺り一面が肉片や汚物で汚れても、パワーアームできれいに
掃除するから手は汚れずに済む。未来社会では水は人の命よりも高価だから、それは環境にも
やさしい。指先すべてに仕込まれた、肉食の昆虫が全ての肉片や汚物を食べてしまうのだ。その後、
今度は虫が排泄した糞がゴリラスーツの動力となるのである。何と合理的であろうか。
このゴリラスーツを開発した、J・チャリティ博士はその為に大いに苦労した。
DQNな実力ナンバーワンコテ
早稲田大学文学部英文科卒業、二十四歳
工房のときに停学歴あり
ジャージで登校w
山の中にある高校
北海道出身
札幌という説も
その名は、小、小学生、小 ◆PBtykf5sPQ
薬物をやっているそうなので、検査してあげてください。
インテリジェント・ザ・ゴリラ・スーツ!!!!!
316 :
名無し物書き@推敲中?:
/⌒`ヽ
二 と(、A , ) つ < イナバウアー
三 V ̄Vノ( ゝ
二 └=ヲ└=ヲ