◆バトラー・イン・ザ・ダーク◆

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1名無し物書き@推敲中?
独特の世界観をお楽しみ下さい。
定期的に連載予定です。暇な方、どうぞお付き合い下さいませ。m(__)m

尚、ご感想・ご要望などあれば何でも良いのでレスくれると嬉しいです♪o(^-^)o

では・・・

2名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:07:32
†序章† :2005/05/16(月) 21:20:58 ID:ApD3xHkn
絶望的な状況の中、絢は慎の唇に自分の唇を重ね合わせた。甘い束の間のキス。
絢「無事に生き残れたら…またいつか…2人だけで…旅に出ようね…」
慎は無念の悔し涙を腕で拭うと、精一杯の笑顔を浮かべてみせた。
笑顔と泣き顔がごちゃ混ぜになった複雑な表情だった。
慎「あぁ…約束だ…!」
なんとか声を絞り出してみたものの、とてもしゃがれて声にならなかった。
慎の心の叫びは、絢にちゃんと届いたのだろうか。
慎「…絶対だ…っ」
慎は、この状況を打破するために、必死に頭の中で思考を巡らしていた。
物陰に隠れはしたものの、敵は数名、それぞれ銃とライフルを持っている。
中の1人はどうやら念動力者らしい、慎の体を吹き飛ばす程とは、かなりの術者だ。
暗闇の中の息詰まる攻防…生死を賭けた命賭けの白兵戦…
絢のテレパス通信が途絶えて通じない所をみると、味方の碕と珀は既に殺られたらしい。
彼らの生体反応は完全に消失してしまった。
増援の霞は道中敵のトラップに填まった模様、生死は不明だが、やけに到着が遅い。



3名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:08:03
†序章† :2005/05/16(月) 21:21:37 ID:ApD3xHkn
慎「ふぅ…奴らが俺達の隠れ場所を探し当てるのも、時間の問題だ…ここはイチかバチか…」
絢「…ど…どうするの…?」
不安げに慎を見上げる絢の綺麗な瞳が潤んでいる。
慎の胸が切なさと不安で締め付けられる。
果たして生き残れるだろうか…今回の敵は今まで通り一筋縄で片づく相手じゃない。
良くて相討ち…悪くて無駄死に。
慎は、ギュッギュッと両手を握り締めると、ゆっくりと思念を集中させる。
…ピピピ…生体反応…近くに一体…遠方に三体…うち一体は念動力使い…バチバチ……
慎の思念が乱れる。集中しきれない。先ほど受けた足の指の痛みが引かない…。



4名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:08:25
†死闘† :2005/05/16(月) 21:25:03 ID:ApD3xHkn
意を決して慎が突撃する!
「うぉぉおお!!」
アドレナリンバランスをコントロールする事で、右腕に血流を集める、筋力は倍加。
一撃必殺の右が炸裂すれば、並みの人間なら吹き飛ぶ、だが、相手は強化人間。勝てる保証は無い。
絢の生体サーチ狙いは扉の向こうで各強化人間を操っている念動者。
慎が物陰から飛び出すと同時に降り注ぐ銃弾の雨、をかいくぐって扉をタックルで吹き飛ばす。
バフン、噴煙が部屋中を満たし、慎は敵の所在を見失う。
慎「絢、どこだ!」
絢からのテレパス応答が無い。焦る慎の体が何らかの力で吹き飛ばされる!
慎「ぐはぁ!」
固いコンクリートの壁に叩きつけられ、床に崩れ落ちる慎。
直後、強化人間の一体が天井から降り注ぐ。「ドカッ!」
起き上がり間一髪かわし様に強化人間の体に右ミドルキックを叩き込む。
「ガキン!」
硬い金属音を伴い慎の右足が痺れる。
強化人間の胴タックルを受けて地面に倒れ込む慎。
「ガハァッ!」



5名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:09:23
†死闘† :2005/05/16(月) 21:25:33 ID:ApD3xHkn
パウンドの嵐に慎は頭を相手の胸元にくっつけて凌ぐ、刹那、慎の左腕が捻れ、ロックが外れる。
慎の顔面に強化人間の右がヒット!「ぐしゃ!!」
「ぐぁあ!!」
絢はどうした?何で突然腕が捻じれる?何故、ただの右パンチがこんなに効くんだ?

慎の混乱した頭の中がパニックに陥る。とにかく脱出しない事には確実にヤられる!
「ダァあっ!」
鍛えた腹筋でブリッジ、強化人間を弾き飛ばす、そして強化した右腕で近距離から渾身のフック!
「バキャ!!」
慎の右拳が砕けると同時に、強化人間の側頭部を破壊、一体を撃破。
すかさず立ち上がると、念動者を探して辺りを見回す。
「いた…!」
煙杢の中に人影がほの見える、そこを狙って今度は左腕に血流を集める。
倍加した左腕を思いきり振りかざす!
振り抜いた左ストレートがヒットしようかという瞬間、またも慎の体が吹き飛ばされる。
「ガハァッ!!」
地面に仰向けのまま倒れ込む慎、相手の念動力には限りが無いのか?慎の額から汗が滴り落ちる。



6藤原みすず ◆/58MpLl8gc :2005/05/17(火) 23:09:32
田中癌十郎を登場させてほしい
歯は3本しかありません
74歳です
現役絶倫爺です
主役がいいです
7名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:09:53
†死闘† :2005/05/16(月) 21:26:15 ID:ApD3xHkn
と、そこへ無防備な慎の脇腹に蹴りが入り、苦痛の余り慎の体がくの字に折れ曲がる。
アバラが2〜3本イかれたらしく、呼吸する度に凄まじい激痛が慎を襲う。
目の前には2体目の強化人間。そして、もう一体。更に、もう一体。3対1だ。



8名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:10:36
†死闘† :2005/05/16(月) 21:28:22 ID:ApD3xHkn
「ふぉおぉお〜〜…」
強化人間Aのミドルで脇腹を痛めた慎は、呼吸を整える。
体内の鎮痛物質・エンドルフィンを生合成して、脇腹に集める慎、痛みは引いた。
「いくぞ…」
左腕に血流を集める。
「ズドン!」
強化人間Bに対して突進する慎の足がライフルで撃ち抜かれる。
「ぐぅっ」
そのまま振り抜いた左ストレートが強化人間Bの頭部を粉砕!
「バキャア!」
鈍い音と共に慎の左拳が破裂する。
「ズダダダ…」
強化人間Cがライフルを連射、慎の腹部を蜂の巣に撃ち抜く。
「ゴボォ…ッ」
口から血を吐き、崩れ落ち様に、胴廻し回転蹴りを放つ慎…ゴシャ…強化人間Cの頭部を粉砕。
奇跡の回転蹴りヒットで、慎の口元に笑みがこぼれる。が、事態は最悪な事に変わりはない。
残る敵は強化人間Aと念動者の2体。
「絢…」
這いつくばって呼吸を整える慎…彼に残された時間は僅かだ。
間伐入れず強化人間Aのサッカーボールキックが慎の頭を襲う…ガキッ!…両腕で辛くもブロック。
慎は腹部の出血を止めるために血小板を急速生成していた。出血が収まる。



9名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:13:50
うむ、アップテンポのなかなかノリのいい作風だな。
10名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:14:38
†死闘† :2005/05/16(月) 21:29:15 ID:ApD3xHkn
エンドルフィンを体内に多量に分泌したまま、慎の最後の攻撃が始まる。
「シッ!」
左ロー、右インハイ、「ヒュウッ!」
後ろ回し右ハイ…強化人間Aがことごとく捌く。近距離の息詰まる攻防戦。
「ガハァ…ッ!」
強化人間Aの膝蹴りが慎の腹部にヒット…再び開く傷口、溢れ出る多量の出血…
意識が遠くなる、慎はとっさにアドレナリンを脳内に大量分泌、襲い来る激痛に、我にかえる慎。
「うぉおぉお!」
再び左ロー、から右ハイ、敵のガードが上がる。
「せいッ!」
見逃さず、左ミドル、…ヒット!ぐらつく強化人間Aの顎が下がる一瞬の隙を、慎は逃さない。
慎の回転右肘が強化人間Aの顎を捉える、ゴッ…!! ヒット。
意識を失い倒れ込む強化人間。その頭部を蹴り上げ、完全破壊。残るは1人…念動力者のみ。

白々たる煙が消えゆき、視界が開ける…慎の目の前に、無残な光景が広がっていた…。



11名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:15:07
†終宴† :2005/05/16(月) 21:33:35 ID:ApD3xHkn
念動者が右手をかざす。その手には…。
無残にも切断された絢の頭部がぶら下がっていた。
慎の全身が怒りに燃える。体中が沸騰したように熱くなる。
「ウオォオオォーーー!!!」
ゴウッ…!走り出す慎の体が激しい強風で吹き飛ばされる。
ドガッ…!コンクリートの硬い壁に叩きつけられる慎。ブチン…慎の中で何かが切れる音がした。
「グォァオォオオォ!!」
慎が吼える。遂に禁断の秘術がベールを脱ぐ。トランスコンバージョン。慎の全身が光に包まれる。
「ガァアアァアーーー!!!」
慎の背中から黒い羽が生え、額から角がニョキリと伸びる。
デビル化した慎の額に埋め込まれた赤い宝玉からレーザービームが発射される。
「ビィーーー……!」
念動者は絢の首を投げ捨てると、呪文を詠唱、念動者の全面に透明バリアーが張られる。
「パキャーーーン…」
バリアーが粉々に弾け飛ぶ。
慎の吠吼が止まない、魂のレーザービーム2発目が放射される。
「ビーーーー……!」
呪文の詠唱が間に合わない、念動者の胸部をレーザーが貫いた。
「…ブホッ…」
緑色の血を吐く念動者の元に羽ばたき降りるデビル慎。



12名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:15:31
†終宴† :2005/05/16(月) 21:34:05 ID:ApD3xHkn
「恐怖を教えてやろう…」
慎の潰れたはずの手が再生、念動者の首を掴み、そのまま天高く持ち上げる。
「絢の味わった恐怖と痛みを知れ…っ!」
慎の爪が念動者の首にめり込む…ブシュウッ…念動者の首筋から緑色の血が吹き出る…
「絢は…こうして死んだんだぁーーっ!!」
慎の握力が最大級に達した時、念動者の首が潰れて頭部が弾け飛んだ。
…こうして魔の死闘は終わりを告げた。
戦闘跡地には、強化人間の死体4体、念動者の死体1体、そして絢の首無し死体と、
…変身の解けた慎の変わり果てた無残な屍が、まるで絢の首を抱くかのような形で転がっていた…。



13名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:16:30
土下座するからsageでやってくれ
14名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:17:08
いきなり主人公死ぬとは…(;・д・)
15名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:17:21
†予兆† :2005/05/16(月) 22:10:41 ID:ApD3xHkn
廃れた工場跡地に到着した霞の眼前には、惨状が広がっていた。
体内のホルモンをコントロールして肉体を強化できる慎や、テレパスを使う絢は死亡していた。
薄暗がりの建物内は、血の匂いと気味が悪いまでの静謐さで満たされていた。
霞は慎の変わり果てた死体を確認すると、一つ深い溜め息をついた。
彼女は密かに慎に想いを寄せており、彼が死んだ事実が未だに信じられずにいた。
「遅かった…か…」
低く呟き、呆然と辺りを見回す。敵とおぼしき強化人間の死体と、フードを目深に被った緑色の物体。
「第2隊全滅…か」
霞の目頭が熱くなり、涙が零れた。
既に第1隊も壊滅しており、残りの隊は、第3隊と霞だけになった事になる。
敵の数は未知数、こちらの本部を現在、第3隊が護衛しているハズである。




16名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:17:53
†予兆† :2005/05/16(月) 22:11:05 ID:ApD3xHkn
霞にはサイキネティック能力がなく、無線機で本部と連絡を取り合っていた。
「第2隊…全滅の模様…これから帰還します。」
本部から慌ただしい口調の連絡が入る。
「生存者か?こちら本部、敵部隊の襲撃を受けている!一刻も早く加勢してくれ!」
「何!第3隊はどうしたのですか!?」
「加勢を求める!第3隊は壊滅した!こちら本部、敵の襲撃を受けている、直ちに加勢してくれ!」
「な…!!」
霞は絶句した。屈強な能力者を揃えた第3隊が壊滅…!?霞の全身が戦慄に震える。
「生存者は…いないのですか!?豪は?焔は?」
「分からん…!敵は数名、能力者だ!これまで経験した事のない未知の能力者だ…!」
本部の通信者の声が絶叫に変わる。
「至急加勢を…うわ…?やめろ…うぎゃあーーー!!」
電波が乱れ、ザーッと通信が途絶えた。後には不気味な静寂だけが残された。



17名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:18:13
†激闘† :2005/05/16(月) 22:13:07 ID:ApD3xHkn
霞が、山奥に隠された本部へと、工場跡地から外へと一歩踏み出した瞬間だった。
「いやっはぁ!!」
小柄な男が屋根から降ってきた。
「チッ!」
男の飛び込み蹴りを間一髪、半身でかわす霞の前に、その男は両手両足を着けてフワリと着地。
5Mもの高さから飛び降りて平然としてる目の前の男は、紛れもなく能力者に違いなかった。
「天撃!」
右手を高々と突き上げて霞が叫ぶ、真っ暗な空から光の矢が現れ、一瞬にして小男を貫いた。
「うぎゃあーーー!!」
男がバリバリと感電しながら黒焦げになってゆく。勝負はついた。
「…たわいない…」
霞は小男を一瞥すると、長い黒髪を振りかざしその場を後にした。

本部付近の山奥に到着した霞は、見えない敵に遭遇していた。
「気旋…」

数個の気の塊が宙に現れ、霞の周囲をぐるぐる回り始める。霞は集中力を極限に高めていた。
一瞬でも油断すると確実にヤられる。霞は直感的に敵の強さを感じとっていた。
霞の背後の巨木がバキバキと音を立てて倒れてくる。



18名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:18:40
†激闘† :2005/05/16(月) 22:13:34 ID:ApD3xHkn
「く…後ろか…!」
とっさにサイドステップで飛び退く霞の真横に巨木が倒れ込む。
ズゥゥン… 舞い散る砂埃に視界を奪われ、霞の動きが一瞬止まった。
「ザクッ…!」
霞の頬に深々と切り込みが入り、鮮血が舞い散った。
「痛ぅ…っ!」
霞が悲鳴を上げた直後、霞の眼前の宙空に無言の血しぶきが飛び散る。気旋のトラップ発動!
「そこかぁ!気弾!!」
霞が指差す宙空目がけて、周囲を取り巻いていた小さな空気の竜巻が一斉に襲いかかる。
「グギャあアアァーーー!!」
鋭利な空気の刃が敵の体を八つ裂きにする。
血しぶきが人の形を縁どり、鮮血にまみれた人影が現れ、そのまま地面に倒れ込んだ。

「ハァ、ハァ…光学迷彩…か…」
乱れた呼吸を整えると、霞は本部入り口へと足を運んだ。

【to be continued】



19名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:19:02
†対複数戦† :2005/05/16(月) 22:16:07 ID:ApD3xHkn
本部の入り口には、見張り役として焔がいたはずだ。しかし、今は誰の姿も見えない。
慎重に歩を進める霞の頭上の木の上から、何者かが霞を監視していた。
木の上の監視人『妖術師か…1対1は分が悪い。複数で囲み、近接戦で一気に仕留めろ』
男A『了解!』
男B「…」(何故かベレー帽を目深に被っている)
男C『へへ…好みのタイプなんだがな…殺すにゃ惜しい女だぜ…』
既に、霞は敵に包囲されていた。4対1…絶望的な数字だ。
本部の堅牢な鉄製の扉の麓に、ゴツい体格の男の死体が一体転がっていた。
「焔…!」
見覚えのあるガッシリした姿の下に駆け寄る霞…彼女の注意力が途切れた一瞬だった…。
監視人『レディゴッ!』
監視人の念波を受け、一斉に男Aと男Cが霞に向かって襲いかかる。男Bは遅れ気味に動き出す。
ザザザ…草を掻き分ける音を感じて、霞は始めて異常を感じたが、既に遅かった。
異変を感じた霞が後ろを振り返る、霞の目が男Aの目とかち合った刹那…。男A「ひゃはッ♪」
霞「がはぁっ…!」



20名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:20:43
霞って強いな。最初からこいつがいれば、また展開も変わってたろうに…。・゜゜(>д<)゜゜・。
21名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:20:54
†対複数戦† :2005/05/16(月) 22:16:29 ID:ApD3xHkn
腹部に、男Aの強烈なボディブローを受けて白目を剥く霞。男Bが倒れ込んだ霞の体に肩を入れる。
ドン…ッ!強烈なショルダーアタック。失神した霞の体が一瞬宙に浮く。
反り返ったまま、脳天から地面に倒れ込む霞の無防備な頭部目がけて男Cの強烈な蹴り…
「ブワァーーーッ……」瞬間、強い突風が発生、霞の体を直下から真上へと押し上げる。
ブォン…男Cの鋭い蹴りが、空を切る。
「ブァァーーー……」霞の体が凄い勢いで宙に浮上する。高さ6M付近の宙空でそのまま静止。
監視人『何事だ!?』
男C『分ッかんねー、コイツ、急に浮き上がりやがった!』
男B「…」
男A『防衛本能という奴ではないのか?』
男C『メンドクセーーーなぁオイ!とっととヤっちまおーぜ!!』
ダンッ…!男Cが素晴らしい跳躍力で霞の頭上近くまで飛び上がる。
男C「ひャっはァ〜ッ♪これで、ジ・エンドだァ〜!!」
監視人『待て、…早まるな!様子が変だ!!』
男Cが両手を組み、霞の顔面に渾身のハンマーパンチを振り下ろした瞬間…男Cの全身が捻れた!
「ゴキゴキャゴキャッ!!」
男C「ウギィャアあぁアーーー!!!」
ドサッ…男Cのグチャグチャに捻れた血まみれの体が乾いた音を立てて地面に落ちた。



22名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:22:19
あちゃー…接近戦にはひとたまりも無いわけね…。||||(;-_-)||||
23名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:22:30
†反撃† :2005/05/16(月) 22:19:33 ID:ApD3xHkn
辺りがシーンと静まり返る…。男Aがゴクリ、と生唾を飲み込む。
監視人『生命反応消失…死んだ。』
男A『な、なにが…起きた?』
男B「…」
6Mもの高さを、仰向け状態のまま浮遊する霞の周囲を、気圧の渦が超高速で回転していた。
男B「…無意識に能力を解放して、自己を防衛している…」
男A「な…何だと?そんな事…出来る能力者がいるわけが…」
男B「目の前にいる」
監視人『迂闊に手を出すな…方法を考えて始末するんだ。』
宙に浮遊する霞の周囲を、超高速で振動する気圧の刃が強固に取り囲んでいる。
監視人『…レーザーを使え…』
男B「…」
男A『なるほどな…、俺の出番というわけだ。』
男Aが左手に巻かれた包帯を取ると、掌の中心に黒い小さな穴が開いていた。
彼の手の甲には照準機の様な異様な模様が描かれている。男Aが霞に向けて手をかざす。
男A「コォォォオオ…」
男Aの全身が眩しく発光、男の左手に流れて光が集まり、掌は一際輝きを増した。
男A『照準セット、誤差無し。…レーザーの充電…完了!』



24名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:22:56
†反撃† :2005/05/16(月) 22:19:58 ID:ApD3xHkn
監視人『よし、心臓を狙って撃て!発射!!』
ズドン…!男Aの腹部が破裂、男Aは大量の血や臓器を噴出して倒れた。レーザー不発のまま絶命。
監視人『…っ!?』
男B「お前の負けだ。」
監視人「な…貴様、何者だ…!!」
テレパス応答が無い時点で気付くべきだった。男Bが偽物だという事に。
男B「答える義務など無い、どのみちお前はすぐ死ぬ」
キュィィン…監視人が望遠眼の倍率を最大限に上げる、男Bを拡大視、ピピピ…サーチ機能で分析。
監視人「貴様…豪か!!」
豪「遅い!」
次の瞬間、(木の幹を超高速で駆け上り、)監視人の眼前に豪の姿が現れる。
監視人「貴様…テレポーターか!!」
ドンッ…!監視人の腹部が破裂する。高い木の上から直滑降、頭から真っ逆さまに落ちる監視人。
グシャッ…!監視人の頭部が砕け散り、勝負がついた。
豪「テレポーション?違うな…超高速移動だ。瞬間移動など出来る奴はいないよ…」
豪の両肩には鋭利な角の着いたショルダーパッドが装着されており、
これと超高速移動術を併用する事で攻撃力を倍化させていた。
豪の超高速突進(ショルダーチャージ)が炸裂すれば、敵はひとたまりもない。
豪が敵のベレー帽をわざと目深に被ってたのは、敵に正体を見破られない為だった。



25名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:23:20
†誓約† :2005/05/16(月) 22:20:59 ID:ApD3xHkn
霞の体が浮遊力を失い、地面に落下してきた。どうやら能力を使いきったらしい。
ガシッ…!豪が高速移動して、そのまま霞の体をガッシリとキャッチした。

豪「霞…良く頑張ってくれたな…」
気を失ったまま寝ている霞に優しく語りかける…豪の口元には微かな笑みが浮かんでいた。
豪「まだ、俺達は終わりじゃない…生き残ろう…戦って…勝とう…!」



26名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:24:49
豪と霞が組めば最強じゃね?
とりあえず騙された気分…(^_^;)
27名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:28:13
†休息† :2005/05/15(日) 16:39:39 ID:6IAnLRyK
ドォォォン… 遠くで爆発音が轟いた。本部が爆発炎上したのだろう、闇夜に噴煙が上がっている。
豪は霞を抱えたまま、高速移動で山林を駆け抜けていた。
高速移動の源は、その強化された脚と足の指にあった。豪の足の指は常人の3倍近い太さがあり、
その爆発的な瞬発力は、極限まで鍛え上げられた足の指先から生み出されたものだった。
更に、その瞬発力を増幅させるジェット噴射器を内蔵した特殊ブーツにより、超高速移動が可能だ。
が、高速移動出来る回数には、豪自身の体力面からの制限があった。
1日に何度も使えるものではなく、指先と両脚に物凄い負担がかかるものであり、
ある制限を越えてしまうと豪の足指は潰れてしまい、二度と歩けなくなってしまう危険性があった。
「追っ手は来ないな、撒いたか…」
ふぅ、と一息つくと、豪は遠くの切り立った岩山の中に洞穴を発見し、そこへ急いだ。
「今夜はここで野宿だな…」
豪の体力も脚力も限界に来ていた。力を使い果たした霞が回復するまで、十分な休息も必要だった。



28名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:28:35
†休息† :2005/05/15(日) 16:40:10 ID:6IAnLRyK
洞穴は予想外に広かった。人が10人位は余裕で入り込める程度の大きさだった。
「一晩眠れれば、十分だな…」
枯れ葉をかき集めて地面に幾重にも敷き詰め、そこに霞を寝かせる。
霞の頬の傷がやけに痛々しく感じた。美しい顔に出来た生々しい傷痕が、豪の胸を締めつける。
「すまない…本部は守れなかった。」
静かに眠る霞に囁きかけると、豪は張り出した岩壁の間に体をもたれかけて座り込んだ。
「敵の本拠地を…俺達2人だけで、叩くしかない…」
豪は不安を抱きながらも、スゥスゥ寝息を立てて眠る霞を一瞥してから、静かにそっと目を閉じた。




29名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:28:55
†不安† :2005/05/15(日) 17:27:35 ID:6IAnLRyK
霞は、不意の物音に目が覚めた。傍では、豪が岩壁にもたれかかったまま眠っていた。
(豪…?どういう事…?)
起き上がろうとした瞬間、有無を言わさぬ痛みと痺れが、霞の全身を駆け巡った。
「きゃっ…!」
全身の激痛に思わず仰け反る霞…霞が事態を呑み込むのに、少なからぬ時間がかかった。
(私…確か…男達に襲われて…、あっ!)
「豪っ!あなたが助けてくれたのね!」
豪は目を覚まさない。相当な深い眠りについている様子だった。
(動け…るわね)
豪に感謝しながら、なんとか上体を起こすと、瞬間的に足の爪先から脳天にまで激痛が駆け抜けた。
「痛っ…」
呻き声が漏れる。ダメージは、思いの他大きかった。…その時、山林の方からガサッと物音がした。
(敵襲…?)
霞の脳内で得体の知れぬ恐怖が湧き上がる。
(まずい…今、ここを襲撃されたら…全滅する!)
なんとか腕だけは動かせる…が、肝心の体が重くて動かない。
(見つかるわけにいかない…)
「気幕…」
霞が右手を眼前にかざす。やがて薄い大気の層が、洞穴の周辺に静かに張り巡らされていった。


30名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:29:19
†不安† :2005/05/15(日) 17:32:42 ID:6IAnLRyK
「気幕…」
霞が右手を眼前にかざす。やがて薄い大気の層が、洞穴の周辺に静かに張り巡らされていった。
これで誰かが洞穴の周囲に近付けば、微かな大気の振動…乱れによって、霞に伝わる。
(お願い…今は来ないで…)
霞の願いも虚しく、大気の層が微かに乱れた。何者かが近くに接近してくる!
(1人…いや、2人か…。)
「土沌…」
霞が右手をかざすと、洞穴の前の地面がモコモコと波打った。

山林の闇夜に、束の間の静寂が訪れる…それは嵐の前の静けさのようだった。
ボコンッ…!洞穴の前の地面が陥没し、何者かが地中に下半身をさらわれる。



31名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:29:22
ちゃんとした感想かいてる人って自演でしょ?
そんなすぐにキャラクター名とか出して感想言ってくれるわけないじゃん。
もう少し考えてやったほうがいいよ。
32名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:29:50
†遭遇† :2005/05/15(日) 17:53:33 ID:6IAnLRyK
ボコンッ…!洞穴の前の地面が陥没し、何者かが地中に下半身をさらわれる。
「くそッ!」
男の罵る声がした。正義感溢れる颯爽とした声だった。
その後に、間の抜けた女の声が続く。
「大丈夫ですかぁ〜?隊長〜。」
「心配するな、サクラくん!ぬかるみに足を捕られただけだ!」
「隊長ってば〜、本当にドジなんですからぁ〜」
クスクスと女の笑い声。それを聞いた霞は、何やら拍子抜けした気分だった。
(サクラ…隊長…?)
「土硬…」
霞が右手をかざしながら静かに文句を唱えると、地面は少しずつ本来の硬度を取り戻していった。
「何だ、足が…抜けない?うわぁ、誰か助けてくれ!!」
男の喚き声が闇夜の山林にこだまする。
「ええい、うるさい、静かにしろ!」
溜まりかねて霞が叫ぶ。
「お前達は何者だ!何故こんな所にいる!」
霞の怒り声を聞いて、男が慌ただしく応える。
「待ってくれ…!俺達は森の中にウッカリ迷い込んだだけなんだ…君達とは関係ない!」
それに合わせて女の声が続く。
「私達は帝劇の団員なんですぅ、お願いですから、隊長を自由にしてあげて下さい〜!」
霞の目に、懇願の眼差しを浮かべながらヒョイと洞穴の中を覗き込む小さな女の顔が映った。



33名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:31:13
何でそこでサクラ大戦のキャラが出てくるわけ…?(^_^;)
34名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:31:55
一さんの独特のケータイ顔文字が動かぬ証拠だよね。
35名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:33:23
大神サクラって、まぁ、キャラは違うんだろーけどさ…爆笑WWWヾ(≧∇≦)〃
36名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:33:34
†遭遇† :2005/05/15(日) 18:05:14 ID:6IAnLRyK
洞穴内は、パチパチと焚き火の明かりでぼんやりと照らされていた。
「くそッ…ズボンが泥まみれだ!」
大神が毒づく。
「だからこうして乾かしてるんじゃない」
つっけんどんに霞が吐き捨てる。
少し休んだお陰か、全身の痛みと痺れは徐々に引いてきていた。集中力も大分戻った。
(ふぅん…なかなか可愛いじゃない…)
霞「迷彩…」
洞穴の入り口付近の光の波長を岩山の迷彩に変換する事で、外からは洞穴の入り口が見えない。
これなら敵に気付かれる事はまずない。
「多少の違和感は勘弁してね…」
霞は、誰に言うともなく、長い髪をクルクル弄びながら独り言を呟いた。
豪もスッカリ目を覚まし、4人はお互いに各々の境遇を語り合っていた。
「ふ〜〜ん…帝激…ね…」
霞の虚ろな視線が宙を泳ぐ。おぼつかない彼女の目線に、大神は憤りを感じていた。
「…これ以上、俺達をバカにするのはやめて貰えないかな。」
大神の静かな口調が、彼の怒りの深さを物語っていた。



37名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:34:10
†遭遇† :2005/05/15(日) 18:17:36 ID:6IAnLRyK
「…これ以上、俺達をバカにするのはやめて貰えないかな。」
大神の静かな口調が、彼の怒りの深さを物語っていた。
「いや…すまない、霞は施術に物凄い集中力を必要とするから、実は相当に疲れているんだ」
豪が慌ててその場を取り繕う。
「彼女は、敵にバレないように、俺達の洞穴の入り口を隠しているんだよ。」
「…な!?」
大神の開いた口が塞がらない。そんな夢みたいな事が実際に出来るのか、この女は…!
「何者なんだ、君は…」
大神が驚きの表情を浮かべて、霞に問いかける。霞はクスリと悪戯っぽく笑う。
「うふ…実は私、魔法使いなの」
霞は自分のバカさ加減に内心ウンザリしながらも、適当なジョークでサラリとかわした。
霞の能力は自然の波をコントロール出来る能力であり、それを魔法と呼べるかどうかは疑問だった。
例えば、水の無い場所では水術は使えないし、土の無い場所では土術も使用出来ない。
(おい、霞…)
豪が怪訝そうに霞に向けて目配せする。
「ごめんなさい…冗談よ」
霞は茶目っ気たっぷりにペロッと舌を出した。
霞の醸し出す妖艶な雰囲気に、怒りつつもドキドキを隠し切れない大神…
そんなキョドった大神を、遠目から不安気に見守るサクラ…
洞穴内は、一種異様な緊張感で包まれてしまった。



38>36一部訂正:2005/05/17(火) 23:35:20
一部訂正 :2005/05/15(日) 19:10:02 ID:6IAnLRyK
洞穴内は、パチパチと焚き火の明かりでぼんやりと照らされていた。
「くそッ…ズボンが泥まみれだ!」
大神が毒づく。
「だからこうして乾かしてるんじゃない」
つっけんどんに霞が吐き捨てる。
「大丈夫ですよ〜大神さん♪それに、下着姿の大神さんも、とっても素敵ですぅ〜」
間延びした呑気な声で、大神を元気づけようとするサクラ。
(何だ…このバカ2人は…?一体なんなんだ…)
何気なく、霞はやる気なさげな虚ろな目をサクラに向ける。
少し休んだお陰か、全身の痛みと痺れは徐々に引いてきていた。集中力も大分戻った。
(ふぅん…なかなか可愛いじゃない…)
霞「迷彩…」
洞穴の入り口付近の光の波長を岩山の迷彩に変換する事で、外からは洞穴の入り口が見えない。
これなら敵に気付かれる事はまずない。
「多少の違和感は勘弁してね…」
霞は、誰に言うともなく、長い髪をクルクル弄びながら独り言を呟いた。
豪もスッカリ目を覚まし、4人はお互いに各々の境遇を語り合っていた。
「ふ〜〜ん…帝激…ね…」



39名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:37:13
†亀裂† :2005/05/16(月) 17:27:52 ID:pEdg21eU
たまりかねたサクラが、嫉妬に燃える目で霞を睨みつける。
「…ん?」
上の空でぼんやりと見つめ返す霞の余りの鈍さに、流石のサクラも業を煮やすばかりだった。
「あなた達、帝激から駆け落ちしてきたのは分かったけど…今の状況ちゃんと理解出来てる?」
唐突に霞が切り出した。先程までとは違う真剣な低い口調に、大神がゴクリと唾を飲み込む。
「とすると、だ…俺達も…やはり危ないのか…?」
「私達と関係を持った今となっては、あなた達もただじゃ済まないわね」
霞のあまりにも素っ気ない口ぶりに、大神は思わず両の拳を力一杯握り締める。
「そんな…」
両手を口にあてて絶句するサクラ。
「私達は関係ないですよぉ〜…何で私達まで命を狙われなきゃなんないんですかぁ〜!?」
目に涙を一杯に溜めながら、サクラが憐れにも泣きごとを言う。
「チッ…まるでガキだな…」
霞が小さく舌打ちした途端、それまで必死に怒りをこらえていた大神が突如として立ち上がった。

40名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:38:28
ちゃっかり訂正とかしてるし…(*^_^*)
41名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:39:31
なんかサクラ大戦キャラが出てきて雰囲気ガラリと変わったね。(=^∇^=)
42名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:39:42
†亀裂† :2005/05/16(月) 17:28:29 ID:pEdg21eU
「貴様ぁ!サクラくんをこれ以上泣かせるような真似をすれば!俺が黙っちゃあいないからなぁ!」
「待ってくれ、仲たがいしてる場合じゃないだろ!」
激昂して怒鳴る大神を豪が必死に抑える。霞は上の空でぼんやり天井の岩壁を眺めている。
怒りの煮えきらない大神は、ふてくされてドカッと腰を下ろすと、拳を地面に叩きつけた。
「くそ、くそ…っ!」
「頼む、どうか落ち着いてくれ…」
豪が大神を止める。
「君達を巻き込んだのは俺達の責任だ…君達に何かあれば、その時は俺が命を張って守る!」
真っ赤な目をした大神が、怒りを込めて豪を見上げる。
「約束する…」
豪が静かに言い切った。
「誰が守ってくれと言った…」
おもむろに大神が呟く。
「サクラくんはこの俺が守るんだ!…余計なお節介は…必要ないっ!!」
毅然たる態度で、断固として声を荒げる大神。
「大神さん…」
その姿に心を打たれ、サクラが潤んだ眼差しを大神に向ける。
ふぁ〜ぁ…霞は一つ小さな欠伸をすると、そのままウトウトまどろんでしまった。



43名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:40:16
†夜襲† :2005/05/16(月) 21:52:30 ID:pEdg21eU
すっかり夜も更け、山林地帯は丑三つ時となった。
一行は、明日の戦いに備えて眠っていた。用心の為、見張り役を1人、交代で付ける事になった。
霞が眠っている間は、光学迷彩が使えないため、洞穴の入り口が明らかになってしまうためだ。
豪が手始めに見張り、2時間後、次はサクラが代わった。その2時間後には大神が起こされた。
それから約数十分後…スゥスゥ寝ている霞の背後に忍び寄る人影があった。
…目を血走らせた大神であった。彼の胸中には、霞に対する怒りと欲情が混在していた。
霞の服装は、かなり露出度が高かった。上は黒のタンクトップに、下は黒のミニパンツ。
綺麗な長い生脚が、両の太腿の付け根からスラリと伸びている。
膝下まである漆黒のロングブーツが大神の情欲に一層火をつける。
ハァ、ハァ…大神の息遣いが徐々に荒くなる。
霞の腰にそっと触れると、生暖かい柔肌の感触が感じとれた。
露出した腰のくびれのラインを指先でそっとなぞる大神。実にきめ細やかな美しい素肌だった。
「ぅ…ん…」
くすぐったい指先の刺激に、霞のふっくらした唇から切ない吐息が漏れる。



44名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:40:36
†誘惑† :2005/05/16(月) 21:54:28 ID:pEdg21eU
霞の服装は、かなり露出度が高かった。上は黒のタンクトップに、下は黒のミニパンツ。
綺麗な長い生脚が、両の太腿の付け根からスラリと伸びている。
膝下まである漆黒のロングブーツが大神の情欲に一層火をつける。
ハァ、ハァ…大神の息遣いが徐々に荒くなる。
霞の腰にそっと触れると、生暖かい柔肌の感触が感じとれた。
露出した腰のくびれのラインを指先でそっとなぞる大神。実にきめ細やかな美しい素肌だった。
「ぅ…ん…」
くすぐったい指先の刺激に、霞のふっくらした唇から切ない吐息が漏れる。
少しもぞもぞした後、霞はゴロンと寝返りをうち、仰向けになってわざとらしく両膝を立てた。
ゴクリと生唾を飲み込む大神…霞の両腿の付け根のスジを、指先でパンツ越しに強くなぞる。
「あっ…ン…」
霞の唇から、明らかに一際大きな、艶っぽい喘ぎ声が漏れた。
太ももとパンツの隙間から、可愛いピンク色のパンティがチラリと覗く。
ハァハァ…大神の呼吸が一際激しくなる。と、その時…背後に気配を感じて大神が振り返る…。



45名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:40:58
†激昂† :2005/05/16(月) 22:00:50 ID:pEdg21eU
ハァハァ…大神の呼吸が一際激しくなる。と、その時…背後に気配を感じて大神が振り返る…。
バチンッ…!大きな音を立てて大神の頬が引っ叩かれる。真っ赤に頬を腫らした大神が、
ビクビクしながら正面を向き直す…目の前に、鬼の形相をしたサクラが大神を睨みつけていた。
「大神さん…〜〜」
声を押し殺して静かに唸るサクラの肩が、怒りの余りワナワナと震えている。
「ち…違っ…これにはワケが…!」
とっさに両手を顔前にかざし、首を横に振りつつ、弁明に尽力する大神…
そんな大神を鬼神の如く睨みつけるサクラのつり上がった目の縁に、ブワッと大粒の涙が溢れる。
「大神さん…どうして……ーー!」



46名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:41:22
†失恋† :2005/05/16(月) 22:02:02 ID:pEdg21eU
とっさに両手を顔前にかざし、首を横に振りつつ、弁明に尽力する大神…
そんな大神を鬼神の如く睨みつけるサクラのつり上がった目の縁に、ブワッと大粒の涙が溢れる。
「大神さん…どうして……ーー!」
怒りと悲しみの余り、サクラは絶句…その震える涙声は、途中から嗚咽に変わった。
「さ…サクラくん…」
茫然自失、その場に立ち尽くす大神。サクラの泣き声を聞いて、ようやく豪が目を覚ました。
「う〜ん…一体…どうしたんだ…?」
眠い目をこすりながら質問する豪の声は、もはや大神には届かなかった。
「す…すまない…サクラくん…」
肩を落としてガックリと両膝をつき、眉間に険しい皺を寄せ、うなだれる大神。
イマイチ事態が飲み込めない豪は、仕方なしに、ぼんやりと2人の姿を眺めていた。
その傍では、口元に意味あり気な微笑を浮かべた霞が、気持ち良さそうに寝息を立てて寝ていた…。



47名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:43:01
アダルト路線に入っちゃったよ…おいおい…ヾ(≧∇≦)〃
48名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:52:32
†死闘† :2005/05/17(火) 17:21:58 ID:XsZmjwzq
明朝、朝日が昇る前に、一行は、早々に行動を開始した。辺りはまだかなり薄暗かった。
洞穴を出ると、霞はすぐに『気幕』を詠唱…半径5M周囲に大気の薄い層を張り巡らせた。
ピーン…と霞の全神経が張り詰められる。
豪が先陣をきって歩く。真ん中に霞を配置する陣型だ。しんがりは帝激の2人が務める。
サクラの泣き腫らした両目がお岩さんみたいに塞がっている。それを懸命になだめる大神。
一行が魔の山林地帯を抜け出すと、遠くにようやく街が見えてきた。近くに湖が広がっている。
「うわぁ…綺麗…」
サクラにようやく元気が戻った。綺麗に澄んだ湖を嬉しそうに眺める無邪気な姿に、安堵する大神。
「よし、もう少しだな…」
豪が呟いた丁度その時、霞が小声で囁いた。
「は?…気の流れが乱れている…!皆、用心して!!」
(おかしい…私の『気幕』に引っ掛かからないなんて…そんな馬鹿な事ってこれまで一度も…)
気持ちの悪い嫌な汗が霞の全身にドッと吹き出る。悪寒と共に彼女の全身に鳥肌が立つ。
一行の動きがピタッと止まる。緊張感が途端に周囲を包み込む。突然、霞が鋭く叫んだ。
「後ろだ大神っ!」






49名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:52:54
†死闘† :2005/05/17(火) 18:20:32 ID:XsZmjwzq
突然、霞が鋭く叫んだ。
「後ろだ大神っ!」
とっさにサクラを突き飛ばし、大神が後ろを振り返る、ボウンッ!巨大な炎の渦が大神を包み込んだ!
「ぐわぁっ!」
「大神さん!!」
自分を庇って火球を浴びた大神を見て号泣するサクラ。
「チッ…!激流!」
とっさに霞が右手を振りかざす。
ザザザ…ドォォン…ッ!
湖面が波打ち、途端に水しぶきを上げながら巨大な水柱が噴き上がる。
そのままギュルギュルと螺旋を巻きながら、巨大な水柱が大神の元へと飛びかかる。
バシャーーーン…!
「うわぁっ!」
大量の水流をもろに浴びた大神は、勢いよく地面に転がった。霞のお陰で、火傷は軽傷ですんだ。
「ゲホッゲホッ…ハァ…助かったよ…」
「油断しないで皆!相手は最強の魔術師…ゼロよ!」
魔術師ゼロ…霞達を襲う敵集団の中ボスだ!そんな強敵が何故今…!?



50名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:53:20
†死闘† :2005/05/17(火) 18:22:24 ID:XsZmjwzq
「敵の姿が見えない!霞、補足してくれ!」
豪が叫ぶ。
「光学迷彩なんてもんじゃない…もっと高度な魔法よ!姿を完全に消してるわ!」
「気配で分からないのか!?」
「今やってる…!」
「野郎…どこに隠れやがった!出てきやがれ!!」
大神が吼える。
ゼロ『疾風!』
ドビュゥゥーーー…ッ!直後、豪の体が凄まじい突風で吹っ飛ばされる。
「ぐはぁっ!」
仰向けのまま体を地面に思いきり叩きつけられる豪、全身の痺れですぐには動けない…!
サクラは恐怖の余りうずくまって震えながら泣いていた。
「グゥ…捉えたっ…地縛!!」
霞が右手を握りしめると、丁度サクラの真横で砂塵が舞い、瞬時に人型を象り縛りつけた。
ゼロ『雷撃!』
「サクラ、そこから離れて!」
ビシャーッ!!サクラの頭上から落雷!バリッ…ズドォン…!!轟音を伴って地面が黒焦げになる。
「サクラくんっ!!」
悲痛な大神の絶叫が響き渡る。次の瞬間、噴煙の中から豪がサクラを抱えて飛び出してきた!
「大丈夫だ大神くん!間一髪でサクラさんは無事だ!!」
一瞬の安堵感の後、巨大な怒りで大神の全身に鳥肌が立つ。この相手だけは絶対に許せない!



51名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:53:42
†死闘† :2005/05/17(火) 18:25:02 ID:XsZmjwzq
「すまない、霞、豪…!」
己の無力さに腑が煮え立つのをどうしようも出来ない大神…。強くなりたい…。彼は心底痛感した。
「く…魔力に…差が有り過ぎる…抑えきれない…!!」
霞の強く握りしめた右手からポタポタと血が滴り落ちる。
「豪…!」
霞の叫びとほぼ同時に、豪が超高速移動を発動…その瞬間だった。
ゼロ『爆波!』
ブシュゥッ…!魔術師の詠唱と同時に、豪のジェットブーツが壊れ、彼の両脚が破裂した。
脳天を襲う激痛に耐えて放った豪の最後の超高速ショルダーチャージが砂塵の人型を破壊する!
バゴォン…ッ!
飛び散り砕ける人型の砂塵の中に、魔術師ゼロの姿は欠片もみえない!
「ど…どこ…!!?」
猛烈に焦りながらも、霞が集中力を最大限に研ぎ澄ます…ゼロの波長をどこにも感じとれない!
(なに…そんな馬鹿な…!!?)
ゼロの波長が一瞬完全に消え、豪のすぐ真後ろに再び現れるのを霞の脳波がかろうじて察知した!
「豪っ!!!」
霞が叫んだ瞬間、ゼロが豪のすぐ真後ろの空間に出現していた。
「な…瞬間移動…っ!!?」
思わず絶句!力の差は歴然だった。



52名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:54:07
†死闘† :2005/05/17(火) 18:29:38 ID:XsZmjwzq
「豪っ!!!」
霞が叫んだ瞬間、ゼロが豪のすぐ真後ろの空間に出現していた。
「な…瞬間移動…っ!!?」
思わず絶句!力の差は歴然だった。後ろを振り向いた豪の目が驚きの余り大きく見開かれる、
最後に豪が見た物は、目の前にかざされた魔術師ゼロの大きな掌だった。
「バキューン!!」
白い戦闘服の内ポケットから瞬時に銃を抜いた大神が引き金を引くとほぼ同時に、爆発音が轟いた。
ドゴォンッ…!豪の上半身が粉々に砕け散る。煙を上げながらドサリ…と倒れる豪の下半身。
そして、やや遅れ気味に、魔術師ゼロの体が…ドシャッ…と地面の上に崩れ落ちた。
大神の放った一発の銃弾が、奇跡的にゼロの頭部を正確に撃ち抜いていたのだ。
「豪ぉーーーッ!!!」
霞の悲痛に満ちた痛たましい絶叫が、夜明けの山中にこだましていった…。
とうとう敵の中ボスを倒した一行…残りはラスボスだけだ…だが、そこに歓喜は微塵も無かった。
激戦の後、おどろおどろしい不気味さに満ちた静寂が、その場をゆっくりと包み込んでいった…。

【to be continued】


53名無し物書き@推敲中?:2005/05/17(火) 23:57:40
まさか豪が死ぬとは…。・゜゜(>д<)゜゜・。
もうパーティー全滅じゃねーか?戦力残ってねーだろ!(`□´)
こんなんでラスボス倒すなんて絶対的に無理過ぎるってばよ!c-(-д-+)
54名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:00:29
最初のキャラ、慎が結局、一番最強キャラだったんじゃねーの?
デビルに変身すれば簡単に敵全滅できただろーに…勿体無い事したね…。・゜゜(>_<)゜゜・。
55名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:02:59
今回はココまでです。
これからのシナリオは現在思案中です。
遅筆ながら、定期的にこれからも連載できたらいーなーなんて思ってます!

以上、駄文で失礼しました!!!これからも応援してくださいっ!!!!!m(_)m
56名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:03:56
ごめん、あっちのほうのロマネスクファンタジーって言葉に期待してたんだけど、
けっきょくロマネスクはぜんぜん関係なかったのね……
57名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:09:13
>56
これからロマネスクの要素も盛り込んで行くつもりですよ♪
でもこれから当分引越しなどで忙しくなるんで、連載が大幅に遅れちゃうけど。m(_)m

ま、気長に待っててちょ♪♪
58名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:15:38
文章力は無いが、細かい背景描写が無いぶん、キャラの感情は良く伝わってくる。
まぁ、ストレートで簡潔明朗な文体は好感持てるんで、これからも頑張って下さい。
あと引っ越しとかもね。(*^∇’*)
また楽しみに待ってるね〜(=^∇^=)ノシ
59名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:17:20
ところで、ロマネスクって、どゆ意味?良く分かんないんだけど・・・
60名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:17:50
とりあえず即死回避オメ。
61名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:20:45
かなり暗い物語だね…
作者の内面が良く滲み出てるわ…
ま、なんだ…頑張れ…。
62名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:24:55
結局、作者はネクラで格闘好きなサクラ大戦オタって事でFA?

なんか、この文章読んでると、作者の内面の怒りや悲しみが伝わってくるようで鬱になる・・・
6356:2005/05/18(水) 00:29:01
>>59
さくーしゃさんがどういう意味あいで使ってるかわからんのだけれど、
本来は11、12世紀の西ヨーロッパの建築様式を指す言葉。
古代ローマの建築を彷彿とさせる要素を用いていたところから名づけられる。
テクノゴシックとか、バロックファンタジーとか、サイバービザンチンとかそういうノ
リの使い方だろうか。

期待しているからね、ほんとにロマネスクってくれよ。
64名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 00:29:22
作者よ、くれぐれも自殺だけはするなよ
65名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 01:19:49
コレって、ダンサー・イン・ザ・ダークからタイトル取ったのかな?
66名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 02:07:54
一通り読み終えました。(はぁ〜目が疲れたよ…)
なんか登場人物が次々と死んでしまってこれからどうなるのか想像もつかないね。
でも、作者の内面がにじみ出てるってレスには同意。
読み終えて、とってもやり切れない気持ちになりました。
ハッピーエンドを期待してますんで、どうか登場人物をもっと大切にしてあげて下さい…
以上、稚拙ですがレスしときますね。
67名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 02:42:06
ダンサー・イン・ザ・ダークのヒロイン、超悲惨だったな・・・思い出しただけで鬱になる。
68名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 04:07:40
最強キャラは今のところ慎で決まりかなぁ・・・
69名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 04:46:44
ラスボスの能力がまだ分からないから、最強キャラは未決定じゃない?
あの魔術師も結構強かったし、相性とかもあるんじゃないのかな。
魔法使いは呪文の詠唱に時間がかかるから、格闘家に接近戦挑まれたらアボンだし。
格闘家は個々の能力がそのまま優劣を分けると思うし。
個人的には、力はそれほど無いのに、頭脳作戦で勝利していくキャラが魅力的だね。
70名無し物書き@推敲中?:2005/05/18(水) 04:48:12
あと、エスパー系の能力が未だに良く分からない。使えるのか、あの系統のキャラって?
71名無し物書き@推敲中?:2005/05/19(木) 16:14:45
保守
72名無し物書き@推敲中?:2005/05/19(木) 19:44:46
俺、下記のサイトに小説書いて見たんだけど↓
http://art.eki.to/SKY-official/

感想とか意見とか聞かせて下さい。
今後もどんどん更新する予定なんでよろしくお願いします。
73:2005/05/19(木) 20:41:19
激ワロスWWWW
74名無し物書き@推敲中?:2005/05/19(木) 22:19:05
一番最強は大神でしょ???
75名無し物書き@推敲中?:2005/05/20(金) 20:51:13
続編まだ?
76名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 00:35:07
続き早く読みたい。
作者まだ構想練ってる最中か?
いい加減に続き書いてくれ。ロマネスク要素期待してるよ。
77名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:30:34
†別離† :2005/05/19(木) 16:19:23 ID:2GDokP9x
死闘を終えた3人は、街中へ入っていった。
街中は、雑多な人の波で賑わっていた。

あれから、霞は放心した様に何やらブツブツと独り言を呟き続けていた。
「…全滅…する…」
大神が霞の両肩をガッシリと掴んで彼女の体を激しく揺さぶる。
「しっかりしろ!俺達はまだ終わったわけじゃない!」
ボンヤリと大神を見つめる霞の寂しげな眼差しが、ふ…と優しくなる。
「…そう…ね…」
うなだれる霞の切れ長の瞳が、次第に悲しく曇る。
(…私を…助けて…)
そう言いたげな霞の胸中の機微を察したのか、大神がサクラに声をかけた。
「サクラくん、すまないが、ちょっと一緒に来てくれないか?とても大事な話があるんだ。」
「は?…何ですか…?」
キョトンとした顔のサクラの手を、優しく引っ張ると、大神は少し離れた大通りに移動していった。
ハァ…やがて一呼吸置くと、大神は静かに切り出した。
「サクラくん…すまないんだが…今すぐ帝劇に戻って貰えないかな…?」
78名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:31:15
†別離† :2005/05/19(木) 16:21:16 ID:2GDokP9x
「既にマリアやカンナ達には連絡を取ってある…もうすぐここへ到着するハズだ。」
突然の大神の言葉に、驚きの余り、思わずサクラの美しい目が大きく見開かれる。
「嫌ですっ!私、大神さんと一緒にいます!!」
ふぅ…頑なに拒むサクラの意志は思いの他に固い。大神は深い溜め息をつくと、遂に意を決した。
「頼む…帝劇へ帰ってくれないか。俺は、君をこれ以上危険な目に合わせたくはないんだ!」
「嫌です…!大神さんと離れるくらいなら、私…死んだ方がマシです…っ!」
「馬鹿野郎!!」
大神が不意にサクラの両肩を力一杯に掴んだ。
「君は帝劇に必要な存在なんだ!君が劇団を支えなきゃ誰が他に劇団を守る!?」
大神の一片の曇りもない真剣な眼差しがサクラの心を揺り動かす。
「俺は生きて必ずまた君の元へ帰ってくる…約束する!!」
「大神さん…」
サクラの目が途端に涙で溢れかえる。
「サクラくん…俺達は…いつだって、…」
次の瞬間、大神がサクラの華奢な体をグッと引き寄せ、ガッシリと抱きしめた。大神の声が詰まる。
「…一心…同体だ…!」
「大…神さ…ん・・・」
79名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:31:44
†別離† :2005/05/19(木) 16:23:21 ID:2GDokP9x
「サクラくん…俺達は…いつだって、…」
次の瞬間、大神がサクラの華奢な体をグッと引き寄せ、ガッシリと抱きしめた。大神の声が詰まる。
「…一心…同体だ…!」
「大…神さ…ん・・・」
サクラは涙を流しながら、大神の胸に顔を埋めたまま、しゃがれた声で静かに、そっ、と囁いた…。
「大神さん……、私……信じています……」

道行く人々が驚きの表情を浮かべ、抱きしめ合う2人を振り返り、そのまま通り過ぎて行く。

その場に1人取り残された霞は、2人の様相をとても悲しげに、ただ遠くでジッ、と見つめていた。

【to be continued】
80名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:32:30
†帝劇† :2005/05/20(金) 16:44:15 ID:ulA4WMAV
「隊長!」
到着した団員達が大神の元へ走る。
「サクラはどこですか?」
黒服に身を包んだマリアが大神を伺いながら冷静に尋ねる。
「隊長〜急に居なくなっちゃうんだもんなぁ〜…あん時ゃ正直、流石に焦ったぜぇ〜」
一際いかつい体格をした長身の女はカンナだ。
「ねぇ〜お兄ちゃん。この人だぁれ?」
霞を指差して大神に質問する金髪の小柄な女の子はアイリス。熊の人形を大事そうに抱えている。
「良く来てくれた、みんな。サクラくんは今、近くの宿で休んでいる。それから…」
大神が横に立つ女性の方を向くと、真顔で紹介した。
「この人は、霞…ある組織に狙われてるみたいなんだが、ある事情で、俺は暫く彼女と同行する。」
「隊長〜んな水臭ぇ事、言うなよな〜。事情とあらば、俺達も力を貸すぜ。」
笑いながらカンナが豪快に胸をドンと叩いた。
「すまないが…これは俺自身の戦いなんだ。みんなを巻き込むわけにはいかない。」
大神は隊員を見渡しながら、爽やかな笑顔で叫んだ。
「ありがとう、みんな!俺はこの用事が済み次第、必ず帝劇に帰ってくる。約束する!」
霞が気遣わしげに、涙に濡れた目をとっさに大神に向ける。
「本当に…私1人だけで…いいのに…」
81名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:32:51
†帝劇† :2005/05/20(金) 16:46:05 ID:ulA4WMAV
マリアが冷たい視線を霞に向けながら抑揚の無い口調で言った。
「あなた、一体何者なの?隊長となんの関係がある!?」
「わ…私は……」
霞の声が震えた。
「マリア、気にしないでくれ。この女性とは別に何も無い。ただ、恩を仇で返す事はできない。」
大神が慎重にマリアを諭した。緊迫した雰囲気がその場を包み込む。
団員達は、明らかに霞に対して敵意を持っているのが、霞にはしっかりと感じとれた。
「ご…ごめん…なさい…」
憂いを帯びた切れ長の美しい瞳が悲しく曇った。霞は隊員達をまともに直視出来なかった。
「お兄ちゃんに酷い事したら、アイリス、絶対に許さないからね!」
「てめー、何者なんだよ?俺達の隊長を独り占めする気じゃねーだろーな?」
「あなた…ただ者じゃありませんわね?気配が凡人のそれとは違いますわ。」
スミレが嫉妬に燃える目で霞を睨みつける。
「私達の隊長にもしもの事があれば、ただじゃすみません事よ!?覚悟なさって?」
「いい加減にしろ!!」
溜まり兼ねて大神が怒鳴る。
「この人の仲間がな、サクラくんの命を救ってくれたんだ!俺はその償いをしたいだけなんだ!!」

82名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:34:10
お、続編か?
83名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:35:28
†帝劇† :2005/05/20(金) 16:47:48 ID:ulA4WMAV
隊員達は、呆気に取られて大神を見つめた。
「なんや隊長はん…その女の事、偉ぉ買いかぶってますなぁ…なんやあったんですか?」
紅蘭が心配そうに大神を覗き込む。
「洗脳されてるわけじゃあなさそうね…」
マリアが吐き捨てた。
「分かったわ…私達は、サクラを連れて、一旦劇場に戻ります。ただ…」
刹那、マリアの鋭い目に、ふ…と哀愁が漂った。
「必ず、生きて帰って下さいね、隊長…」
マリアが大神の手をしっかりと握りしめた。

(ぅ…ごめん…なさい……)
霞は独り、心の中でひたすら謝り続けていた。

84名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:36:10
†夕暮† :2005/05/20(金) 19:00:51 ID:ulA4WMAV
「隊長…御武運を…」
マリアが最後に大神に手渡した物は、劇団に置いていった彼の守り形見、…日本刀だった。
長刀、短刀の2本。大神が二刀流という事を考慮しての、マリアからのささやかな配慮だった。
隊員達の帰る姿を見送った後で、大神は、霞と連れ添って街を歩いた。
「すまない…大神…」
霞の落ち込みきった様子に、大神は思いきって、彼女の肩をぐいっと引き寄せた。
「あ…なにを…!」
漆黒の綺麗な黒髪が風になびく。霞は大神に不意に抱き寄せられて、ひどく狼狽した。
「元気出せよ、いつまでも落ち込んでるなんて、君らしくないぞ。」
「あ…」
大神のおおらかな優しさに、霞は、自分の孤独な心がふわり…と包まれる気がした。
「ちょ…離せ…」
霞の頬が赤らむ。恥じらいの余り、頑なに彼の腕を引き剥がそうとする…が、大神の腕は離れない。
「やだ…やめろ…!」
頬を真っ赤にして、霞が大神を見上げた。その顔には淑女の様な初々しさが滲み出ていた。
「君を…助ける。俺が…必ず、君を自由にしてみせる…。」

85名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:36:41
†葛藤† :2005/05/20(金) 19:01:20 ID:ulA4WMAV
大神の目は真剣そのものだった。
霞の胸の鼓動が高なる。ハァ…彼女の唇から深く切ない溜め息が漏れる。
「……優しいんだな…お前……」
霞の視線が、つい大神の腰の辺りに目移りしてしまう。彼女は、はしたない自分を心から恥じた。
「…あの……有難う…」
顔を赤らめながら、しどろもどろにお礼を言う彼女のぎごちない仕草が、大神には新鮮に映った。
こんなにうろたえている彼女を見るのは、大神には初めての事だった。
その時、大神の中では強い葛藤が衝突していた。
サクラとの絶対の約束は破れない…かといって、今目の前にはにかんでる女性は非常に魅力的だ。
精神的にかなり弱っている今の彼女なら、もうあと一押しで簡単に陥落してしまうだろう。

86名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:37:02
†葛藤† :2005/05/20(金) 19:02:05 ID:ulA4WMAV
大神の目は真剣そのものだった。
霞の胸の鼓動が高なる。ハァ…彼女の唇から深く切ない溜め息が漏れる。
「……優しいんだな…お前……」
霞の視線が、つい大神の腰の辺りに目移りしてしまう。彼女は、はしたない自分を心から恥じた。
「…あの……有難う…」
顔を赤らめながら、しどろもどろにお礼を言う彼女のぎごちない仕草が、大神には新鮮に映った。
こんなにうろたえている彼女を見るのは、大神には初めての事だった。
その時、大神の中では強い葛藤が衝突していた。
サクラとの絶対の約束は破れない…かといって、今目の前にはにかんでる女性は非常に魅力的だ。
精神的にかなり弱っている今の彼女なら、もうあと一押しで簡単に陥落してしまうだろう。

【to be continued】
87名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:37:31
†約束† :2005/05/20(金) 20:30:49 ID:ulA4WMAV
やがて洒落たバーに入ると、霞は黙ってウィスキーを飲み干した。彼女の目がトロンと虚ろになる。
「おい、いい加減にしろ…ちょっと飲み過ぎなんじゃないのか?」
大神が慌てて霞の腕を掴む。が、それを振り切って、霞は更にグラスを2〜3杯空けた。
「ん…」
酔いが回った霞は、大神の肩に顎を乗っけて、大神の顔を暫しボーッと眺め続けた。
大神は目を逸らす事も出来ず、なすがままに、霞の美しい小顔を見つめ返す…。
端正な顔立ち。整った小さな鼻。切れ長の憂いを帯びた瞳。哀愁感漂う長い睫。柔らかそうな濡れた唇。
(優しく…介抱して…ね…。)
霞の潤んだ漆黒の瞳が物欲しそうにそう訴えかける。彼女の黒いタンクトップの上口からは、
彼女の豊満な胸がチラリと覗いていた。こうして見るとFカップは悠にありそうな巨乳だった。
大神はゴクリと生唾を飲み込んだ。明らかに彼女は今、自分を求めている…欲している。
「くっ…」
大神さん…信じています…彼の頭の中で、サクラの笑顔と、彼女の愛おしい呼び声がこだました。
「くそ…っ!!」
大神は、勢いに任せるままに、目一杯注がれたウィスキーをグイッと一気に飲み干した。

88名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:39:08
続きが気になる…||||(;-_-)||||
89名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:40:32
†次回、市街戦† :2005/05/20(金) 20:33:00 ID:ulA4WMAV
単身の大神に危機が訪れます。

【to be continued】

90名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:41:16
†市街戦† :2005/05/21(土) 17:46:24 ID:ViKxzLCM
月夜の街外れの草原。あれから、バーを出た大神は、霞を残して独り立ち尽くしていた。
すっかり眠り込んでしまった霞を宿のベッドに寝かせて、今は独り静かに、夜風に吹かれていた。
そよそよと靡く草の音…頬を撫でる生ぬるい風が、妙に心地よい。
「これで…良かったんだ…」
大神は自分の取った選択に苦悩を噛みしめていた。
霞が自分を求めていた事は明らかだったが、最終的に彼はその場の状況から逃げたのだ。
サクラとの生涯の誓いを破る事など、彼にはやはり出来なかった。
酔って火照った頭を冷やしていると、急に劇団の隊員達の顔が懐かしく浮かんできた。
今頃、サクラくんや、他の団員達は、さぞかし俺の事を心配してくれてるんだろうな…。
ぼんやりと思った時…彼はふと、周囲が異様な気配に包まれているのを感じて途端に殺気だった。
(やはり…囲まれている…)
大神は、腰に下げた鞘筒から、マリアに授かった護身用の長刀をスラリと引き抜いた。
…静けさの中、一際強い風がヒュウ…と草原をなびかせ、吹き抜けていった。…その直後…

91名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:41:22
だいたい30秒前後の間隔でコピペ連投されてるのに、
不自然な期待レスの前後だけ数分間隔があいてるんだね。

>>82
>>88


正直、もうちょっと頭使えよ
92名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:41:36
†市街戦† :2005/05/21(土) 18:02:34 ID:ViKxzLCM
…静けさの中、一際強い風がヒュウ…と草原をなびかせ、吹き抜けていった。…その直後…
「シャア!」
両手の甲に営利な鍵爪を付けた男が飛びかかってきた。
キン!
とっさに鍵爪を刀で受け流す大神。
「狼虎滅却!」
振り返り様、大神が吠える。
「快刀乱麻ァ!!」
一線!大神の縦切りに伴い、つむじ風が鍵爪の男を襲う!
ザンッ!
つむじの刃に巻かれて切り捨てられる男…鮮血が舞い、男が血しぶきを上げて倒れる。
ザザザ…
敵集団が大神を取り囲む。1、2、…2人!風下に移動しながら、敵の気配を正確に察知する大神。
「ハッ!」
不意に大神が後ろを振り向き、瞬時に抜いた脇差しを投げつける。
カキィン!
鋭い金属音が響く、後ろに1人、目の前に2人…合計3人…か!
ダンッ…
鍵爪の男達が飛びかかる、対複数戦の基本は長引くと不利だ!
キンキィンッ!
鍵爪達の猛攻撃を慣れた剣術でさばくと、大神は一気に勝負に出た。一際低い姿勢を保つ。
「狼虎滅却……〜〜」
独特の構えと共に、もう一つの鞘からスラリと短刀を引き抜く大神。これが大神式・二刀流だ!
低姿勢を取る『狼虎の構え』これは、大神が素早く勝負をつけたい時に選択する超攻撃型の構えだ。


93名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:41:56
†市街戦† :2005/05/21(土) 18:04:04 ID:ViKxzLCM
「キシャアーーッ」
間伐入れず、3人が大神に向かって一斉に飛びかかる!
「三刃成虎ォーーーッ!!!」
ドシュッ!ズバッ!ザンッ…!!
大神の二本の刀が閃光を放ち、3閃の刃の残像を映しながら闇を切り裂く!
…ドサドサドサッ…
ふぅ…大神が一呼吸置くと、3人は揃って草むらに倒れ込み、動かなくなった。
目にも見えぬ早業で3人を瞬時に切り捨てた大神。彼の居合い切りの極意が炸裂した瞬間だった。
「剣術には少なからぬ自信があるんだ、甘く見て貰っては困るな。」
カチン…両刀を鞘に納めながら、大神が低い声で静かに呟いた。
再び訪れる静寂…草原に吹き抜く生温かい風が、サラサラと大神の立て髪をなびかせる。
「サクラくん…もう少しだけ…待っていてくれ……」
草原に立ち尽くす大神の孤高な背中を、美しい月明かりが優しく照らし出していた…。

94名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:42:15
†不安† :2005/05/21(土) 18:30:44 ID:ViKxzLCM
その後、大神の心中に、とある凄まじい恐怖がよぎった。
その恐怖は、他でもない霞の身にも、同様に危険が迫っているのではないか、という不安感だった。
(今の彼女は……全くの無力じゃないか……!)
そして、まさかその不安が的中しようとは、彼にはどうしても想像する事が出来なかった…。
大神は、無力な霞を独り残して宿を出た自分の無責任さに、やり場のない猛烈な怒りを感じていた。

「く……霞…どうか無事でいてくれ…っ!」
大神は疾風の如く、宿に向かって草むらの中を懸命に駆け出した。
(霞の傍に…ついてやるべきだった……!!)
宿に向かって街中を必死に走る大神の額には、大粒の汗がうっすらと滲み始めていた…。
次回予告…『蹂躙』

【to be continued】
95名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:43:24
大神、やはり強いな。
96名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:45:37
『蹂躙』は後ほど掲載します。
97名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:45:49
†償い† :2005/05/21(土) 22:46:31 ID:ViKxzLCM

(中略〜『蹂躙』後〜)


「霞…ッ!」
2人の男達を斬り捨てると、大神がすぐさま彼女の元へ駆け寄る。
始めて見る彼女の美しい裸に、ハッと息を呑む大神。
…霞の裸体はとても綺麗だった。スラリと伸びた手足…くびれた腰のライン…大きな形の良い胸…
彼女の唇から、トプン…と溢れ出てきた白濁液を見た瞬間、大神の全身が悲鳴をあげた。
「うぉォォォォーーーーーー…ッ!!!」


書き込むなとの指摘があったので、休載に入ります。ゴメンナサイ。・゜゜(>д<)゜゜・。
さよなら〜またね…♪(*^-^*)ノ~~~

98名無し物書き@推敲中?:2005/05/21(土) 23:50:06
続編か…。
霞に何があったのか気になるな。
99名無し物書き@推敲中?:2005/05/22(日) 00:58:45
一体、彼女に身に何が起きたの?
もしかして、エッチなこと?あと、彼女は生きてるの?死んだの?
100ヴァンシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/22(日) 01:36:04
>99
霞…恐らくもう死んでるだろ。
作者が略したのは、余りの残酷描写に鬱になったんじゃないか?
101名無し物書き@推敲中?:2005/05/22(日) 12:19:56
略された内容が激しく気になる…
102名無し物書き@推敲中?:2005/05/22(日) 12:35:19
暗闇の執事
103名無し物書き@推敲中?:2005/05/22(日) 16:56:16
で、結局、霞は死んだのか?
霞が死んだら、もうラスボス関係なくね?
大神が後を引き継ぐのかな?帝劇団員を総動員したりしてWWW
104名無し物書き@推敲中?:2005/05/22(日) 18:08:44
この作者、キャラ簡単に殺すからな。
で、次の主人公は誰かな?
105ヴァンシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/22(日) 19:55:17
待て、まだ死んだわけではないのではないか?
まぁ続編を待とう。
106名無し物書き@推敲中?:2005/05/23(月) 01:03:37
恋愛要素をもっと盛り込んでくれると嬉しいんだけどな・・・
格闘要素ばかりじゃつまらんし飽きちゃった。
あと展開がぐだぐだ。もっとスピーディーに読ませてくれ。以上リクエスト。
107名無し物書き@推敲中?:2005/05/23(月) 12:09:25
ネタバレ。大神がもうすぐ死ぬらしい。
108名無し物書き@推敲中?:2005/05/23(月) 13:56:50
てか続編はまだなのか?
109ヴァンシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/23(月) 18:11:35
というか、いきなり展開がコロコロ変わるのは何とかならんのか。
あと、続編が遅すぎる。遅筆なのか、作者は?
それとも、ネタが尽きたか…。
110名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 01:05:00
続編はまだなのか…orz
111名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 10:37:17
案の定、霞の元にも敵が来ていた。大柄で筋肉質な男と、小柄で目の異常に大きな男の2人だった。
ドカン…!部屋の扉を思い切り蹴り飛ばす2人組。レベルでいえば明らかに雑魚クラスだった。
霞が普通の状態だったなら、苦もなく撃退出来たであろうレベル。
しかし、今、霞は酔って深い眠りに落ちていた。扉の破壊音にもまるで気がつかない。
大柄な男「なんだぁ〜?コイツ、ぐっすり寝てやがるぜぇ〜」
小柄男「ひゃは♪何かの術を使うって聞いてはいたが…こいつぁ楽勝だな…!」
大柄な男「まぁ〜そうだが、…見ろよこいつ、い〜体してやがる…」
小柄男「ただで殺すにゃ〜惜しいよなぁ〜…おい、兄貴…」
小柄男が不敵な笑みを浮かべて目配せする。
大柄男「あぁ…そうだな…」
男達が霞の寝てるベッドに近寄る…霞はスゥスゥと静かな寝息を立てて全く気が付かない…

112‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 10:39:27
小柄男が霞の黒いタンクトップを脱がすと、彼女の豊満な胸がプルンと揺れて露わになった。
「見ろよ…綺麗なピンク色してやがる…」
小柄な男が、霞の弾力性に富んだ両の豊かな乳房を鷲掴みして、乱暴に揉みしだく。
「…ん」
霞の艶めく朱に染まった唇から切ない吐息が漏れる。
小柄男が霞の尖った乳首を指先でつまむと、力一杯こねまわした。
「……ゃ…ん…」
「おい、見ろよ兄貴…コイツ、乳首が立ってきやがった。」
指で擦られる鋭い刺激に、霞の敏感な乳首が次第に膨らみ、ピンと立ち上がる。
「コイツ、感じてんじゃねぇのか?」
大柄な男が、黒いミニパンツの上から霞の秘部を指で激しくしごき始めた。
「…ぁ…ん」
霞の両腿が少しずつ開いていく。股関の辺りが徐々に湿り気を帯び始める。
「くくっ、たまんねぇなぁ〜…」
大柄な男は霞の両膝を抱え上げると、彼女のミニパンツをずり下ろしにかかった。
「……ん…」
泥酔している霞には、何が起きてるのか全く分かっていなかった。
ただ、体が何者かによって刺激され、鋭い快感が持続的に与えられるのをぼんやりと感じていた。

113‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 10:41:40
スルリとミニパンツを脱ぎ下ろすと、男はそれをポイッと床に投げ捨てた。
露わになったピンクのパンティの股関の部分が彼女の愛液でじっとりと湿っていた。
「なんだ…もうびしょ濡れじゃねぇか…」
大柄な男は、ごつい指先を、強い力でパンティ越しに霞の丁度秘部に押し込み始めた。
グッ…グッ…
「……ハァ…ハァ…」霞の呼吸が段々と荒くなってゆく。
「おい…コイツ…もうビショビショだぜ…」
大柄な男は、霞の両腿を片腕で抱え上げると、もう片方の手で無造作にパンティをずり下ろした。
愛液でぬめりを帯び、テカった霞の綺麗なピンク色の秘部が露わになる。
「へへ…頃合いだな…」
大柄な男がズボンを脱ぐと、いきり立ったソレは大きく反り返っていた。既に先端が濡れている。
「さぁて…じゃあ頂くとするか…」
霞の両腿を掴んで大きく開くと、男は反り返った巨大なソレを思いっきり霞の中にぶち込んだ!

114‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 10:43:25
「…ハァッ…うっ……!」
巨大なペ○スが、ズブズブと霞の熱く湿った奥深くに挿入されてゆく。瞬間、彼女の脳髄に電気が走る。
「…あッ……ハァ…ッ!」
霞の体が一瞬ビクンと大きく跳ねた。両大腿をパックリと開かれて会陰部に全く力が入らない。
全く無抵抗な霞のアソコを、男の逞しいペ○スが、ここぞとばかりに激しくピストンを繰り返す。
霞の真っ赤に充血した痛々しい陰唇が荒々しく捲り上げられ、敏感なヒダが強く擦られる。
男のペ○スが休みなく、霞の奥を何度も力一杯に突き上げる。先端部が彼女の子宮口をズンズンと小突く。
「あ…ん……あん!あん!あぁんッ!」
霞は無意識に腰を浮かせながら、襲いくる痛みと快楽に身を委ねて艶っぽい喘ぎ声を垂れ流していた。
「はぁ…ぁん…あん!ハァんッ!!」
霞の喘ぎ声が徐々に激しさを増してゆく。今や彼女の中は燃えるように熱く、
柔らかい無数のヒダが男のペ○スにネットリと絡みつき、男をギュ〜ッと締めつける。

115‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 10:47:39
「おいおい…俺にも楽しませろよ〜♪」
小柄な男もズボンを脱ぎ捨て、ビクビク脈打つ熱いソレを霞の唇の中に強引に割り込ませる。
「ん…ンンッ…!」
霞の口が反射的に男のソレを喉奥までくわえ込む。意志とは無関係に、殆ど条件反射に体が動く。
霞の唇が半ば無意識的に小男のペ○スに吸い付き、しゃぶりつく。
「ちっくしょ、このアマ…かなりの好きもんだな…っ!」
小柄な男が霞の頭を両手でグッと掴むと、硬いソレを彼女の奥に思いきり突き入れた。
「カハッ…!!」
喉奥を思いきり突き刺さされて、霞は思わずむせて咳き込んだ。
相変わらず大柄な男の方は、お構いなしに霞のアソコを力一杯に何度も突き刺し続けていた。
「ぁんッ!あんッ!…はぁんッ!!」
間伐入れずに、すぐさま小男のペ○スが霞の唇の中に再度挿入される。
「んふぅ…ッ!」
霞の唇と秘部が、2人の男達によって荒々しく犯されていく。凄惨な光景が繰り広げられ続けた。
「う…コイツ……凄い締めつけやがる…ッ!!」
大男の腰の動きが一際激しくなる。霞の最奥部を何度も何度も突き上げる。

116名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 11:36:46
ハードな
117‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 11:38:28
ゴリゴリッ…
「ぁぁぁぁぁあんッ!!」
下腹部に走る鈍い痛みに霞は思わず絶叫する。男の鬼頭が、彼女の子宮口に完全にめり込んでいた。
「ん…ンン〜〜ッ!!」
霞の泣き声にも似た悲痛な呻き声が、部屋中に響き渡る。
ズボッ…ズボッ…
男のピストンが止まらない。霞の胸がブルンブルンと大きく揺れる。ベッドがギシギシと大きく軋む。
「うおぉっ…!!」
一際大きな声を出すと同時に、大男の体がブルブルッと震えた。
ドクンッ……!
勢いよく霞の最奥部…子宮口にペ○スを深々と突き刺したまま、思いきり射精…
ドクン…ドクン…生暖かな液体が霞の内部に流れ込んでくる。
「………ぁ……」
霞の目尻から一筋の涙が頬を伝い、ベッドの上に滴り落ちた…。
やがて大柄な男が霞の中に埋めたままのソレをゆっくりと引き抜くと、白い粘液がトロリと糸を引いた。
彼女の秘部から大量の白濁液が、トプン、トプン…と次々に溢れ出てくる…。

118‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 11:41:22
一方では、小柄な男も、霞の髪の毛を乱暴にひっ掴みながら、激しく腰を振っていた。
「ンンーー…ん、ん、んんッ!!!」
いつの間にか霞の目からは、悲しく光る涙がとめどなくこぼれ落ちていた。
「うひゃ〜気持ちイィ〜〜♪」
小柄な男は思いのままに腰を振り、何度も何度も霞の喉奥を突き刺し、犯した。
「うぅっ!」
ドビュッ…!
ビュッ、ビュッ…小男の甲高い呻き声とともに、霞の喉に大量の熱い液体が放出された…。
霞の喉奥に大量の精液を射精した小男は、彼女の頭をガッチリ掴んでソレを彼女の奥に流し込んだ。
「ケホッ……ゴホッ!!…」
たまらずむせ込んで、口中に溢れかえる白濁液を吐き出す霞…。

「…ハァ……ハァ……」
霞の口とアソコから、白濁液がドプドプと、とめどなく溢れ出てくる。
彼女の美しい肢体は、男達に無残にも、やりたい放題に陵辱されてしまった。
そしてこの先、彼女の身に待っているのは、余りにも不条理な死だけであった。
「…ぁ……ハァ…ッ…」

119‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 11:41:47
息も絶え絶えに霞が悶える。彼女の美しい体は、哀れにも微かに震え、ぶるぶると痙攣していた。
意識は朦朧としたまま…そして、火照りきった体はまともに動かせもしない…。もはや絶体絶命だった。
「良かったぜぇ〜……さぁ〜て、…そろそろ、あの世にイキな!!」

大柄な男がおもむろにナイフを取り出し、ペロリと舌舐めずりする。
男が霞の心臓目がけて、鋭利に尖ったナイフの先端を、思いきり振り下ろそうとした瞬間だった。
「…ぁ………お…おが…み………」
霞が涙を流しながら、微かに口を開く…と、ほぼ同時に、部屋の入り口に突如現れた人影が叫んだ。
「待てぇっ!!!」
男達が驚いて振り向くと、そこには怒りに髪を逆立てた大神が、鬼の形相で男達を睨みつけていた。
「うぉぉおおーーー!!!無・双・天・威ィーーーッ!!!」
怒りに満ちた雄叫びをあげなから敵に向かって突進してゆく大神…その目が怒りに燃えている!
二刀を瞬時に素早く引き抜き様、クロスに刀を振り抜くこと一閃、2本の残光が宙を裂いた。

120‡蹂躙‡:2005/05/24(火) 11:41:59
一瞬の間を置いて、大柄な男と小柄な男の体から鮮血が迸り、ドシャッ…とその場に崩れ落ちた…。


121ヴァンシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/24(火) 14:21:51
今回のは、かなりエロいな。
ところで大神という人物はいつ死んだんだ?
まだトレース中なのか?早く続編を書いてくれ。期待しているぞ。
122名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 17:53:16
エロスwww
123名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 22:55:21
おいおい、いつからエロになったんだ?
124名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:01:12
麗 ◆yO06Z/4s8A :2005/05/23(月) 13:12:16 ID:bL0T+9i0
「……やめて…お願い…」
彼女が潤んだ目で順平を見上げながら、弱々しく囁いた。
「……くっ……!」
(こんなにもか弱い女が、俺を守りたいだと…!?ざけてんじゃあねぇぞお!!!)
彼の行き場のない怒りが心の中で爆発していた。
「あのな…」
霞を見据えながら、順平は静かに呟いた。
「俺は…正直、お前を信用してねぇ。守って欲しいとも思っちゃいねぇ。ただな…」
順平は、真正面から霞の美しい顔を憎々しげに睨みつけて叫んだ。
「そうやって、色仕掛けで人を誘惑して過酷な状況に巻き込んでんぢゃあねぇぞぉ!!!」
順平の怒りが霞にストレートに伝わった。彼女は順平からサッと目を背けると、無言になった。
綺麗な切れ長の睫に隠れて、彼女の目が良く見えなかったが、彼女の肩の細かな震えから、
順平は彼女が泣いてるのだと知った。スラッと零れ落ちた長い前髪が彼女の目を覆い隠す。
サラサラの艶のある美しい黒髪が、彼女の白く小さな顔に影を作る。
次の瞬間、順平は、ドキリとした。彼女のきめ細かな白い頬を、一筋の涙が伝い、地面に零れ落ちた。

125名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:01:47
麗 ◆yO06Z/4s8A :2005/05/23(月) 13:11:00 ID:bL0T+9i0
順平「何だよ、お前は!俺についてくんじゃあねぇ!!」
霞「…どうしてそんな事言うんだ?私は…ただ…」
霞は言葉に詰まった。
「お前を…守りたいだけだ…」
霞の漆黒の瞳が寂しそうに曇る。
「な…何だよ……何なんだよ…てめぇ…」
霞の悲しみに満ちた気配を察した順平は、わけもわからず不安になる。
「俺を…守るって…そいつぁどーゆー事だよ…あ!」
背筋に冷たい汗が吹き出し、たまりかねて順平が叫ぶ。
「はっ…俺が誰かに殺されるとでも言いてぇのか、あん!?」
無理に作った半笑いの笑みが思わずひくつく。彼の目に不条理な怒りの色が浮かぶ。
「人を勝手に巻き込んどいてよ…勝手に謝っといてよ…てめぇ人を何だと思ってんだよ!!」
遂に順平の怒りが炸裂する。彼は霞の肩を思いきり掴むと、無抵抗な彼女を激しく揺さぶった。
「……やめろ…痛い…っ!」
霞が泣きそうな声で小さく叫んだ。
霞の体はとても華奢で、今にも折れそうな程に細かった。
「……やめて…お願い…」

126名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:02:14
麗 ◆yO06Z/4s8A :2005/05/23(月) 13:12:16 ID:bL0T+9i0
「……やめて…お願い…」
彼女が潤んだ目で順平を見上げながら、弱々しく囁いた。
「……くっ……!」
(こんなにもか弱い女が、俺を守りたいだと…!?ざけてんじゃあねぇぞお!!!)
彼の行き場のない怒りが心の中で爆発していた。
「あのな…」
霞を見据えながら、順平は静かに呟いた。
「俺は…正直、お前を信用してねぇ。守って欲しいとも思っちゃいねぇ。ただな…」
順平は、真正面から霞の美しい顔を憎々しげに睨みつけて叫んだ。
「そうやって、色仕掛けで人を誘惑して過酷な状況に巻き込んでんぢゃあねぇぞぉ!!!」
順平の怒りが霞にストレートに伝わった。彼女は順平からサッと目を背けると、無言になった。
綺麗な切れ長の睫に隠れて、彼女の目が良く見えなかったが、彼女の肩の細かな震えから、
順平は彼女が泣いてるのだと知った。スラッと零れ落ちた長い前髪が彼女の目を覆い隠す。
サラサラの艶のある美しい黒髪が、彼女の白く小さな顔に影を作る。
次の瞬間、順平は、ドキリとした。彼女のきめ細かな白い頬を、一筋の涙が伝い、地面に零れ落ちた。

127名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:02:44
麗 ◆yO06Z/4s8A :2005/05/23(月) 13:16:12 ID:bL0T+9i0
順平は彼女が泣いてるのだと知った。スラッと零れ落ちた長い前髪が彼女の目を覆い隠す。
サラサラの艶のある美しい黒髪が、彼女の白く小さな顔に影を作る。
次の瞬間、順平は、ドキリとした。彼女のきめ細かな白い頬を、一筋の涙が伝い、地面に零れ落ちた。
「…う……わ……たし…は……」
彼女の透き通った声が悲しみで震え、上ずる。
「…お前だけ…は……私…が……命を…賭け……ても…」
言葉が上手く声にならず、何度もしゃくりあげる霞…。

「……う…ぅぅ……」
悲しみに震える霞の小さな体を、順平はわけもわからず何も言えずに両手で、彼女を優しく抱きしめた。

混乱した頭では、彼に出来ることはそれしか浮かばなかった…。

物語はもうすぐオシマイです。
かなり省略しちゃいましたが、もうすぐ終わるので…。・゜゜(>д<)゜゜・。

128名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:03:41
†接吻† :2005/05/24(火) 14:27:38 ID:xkV+Js9i
一通り旅支度が済むと、霞はいよいよ戦闘ブーツの紐を念入りに結び始めた。
「おい、どうする気だ…?」
「敵のアジトに乗り込む」
「俺たち2人でか!?」
「ああ、そうだ。人が多いと却って怪しまれる。奇襲をかけるには少数の方が都合がいい。」
「で、でもよ…」
順平は途端に不安に駆られる。霞の能力は大体把握出来ていた。確かに頼りになる戦力だ。が…。
「お前が死んだら、俺1人じゃ何も出来ねぇんだぞ、分かってんのか!?」
順平には能力が無い。使えるのは、昔、ジムで鍛えたボクシングテクニックだけだ。
「安心しろ…お前だけは…」
不意に霞が順平を振り仰いだ。笑顔の中に浮かんだその眼差しは、哀しみと愛おしさで満ち溢れていた…。
「私が…命を賭けて守る」
霞のあまりにも淡く儚い笑顔に、順平は胸を焼かれる気持ちになる。

129名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:05:22
なんだ?
話が凄い飛んでるな。どーなってるんだ!?
130名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:05:42
†接吻† :2005/05/24(火) 14:28:57 ID:xkV+Js9i
ふ…、と流れる束の間の静謐…2人の間には、信頼という見えない絆が、そこには存在していた…。
「ちっ、馬鹿野郎…!」
ふいと顔を背け、慌てて表情を隠す順平。霞の寂しさが痛い程伝わってくる…。彼の目が涙で滲む…。
「勝手な事ばっか言ってんじゃねぇよっ…」
照れ隠しにグシャグシャと頭を掻きむしる。今、この時…彼の胸中は、
あまりにもやりきれない歯がゆさと、…霞への淡い恋心とで、一杯になっていた。
か弱い彼女を、これ以上、孤独の真っ只中には放っておけなかった。
彼は、今まで辛い思いをしてきた彼女を、何としても幸せにしてやりたかった…。
「よし、そろそろ出発だ、きっとこれが最後の戦いになる。」
靴紐を結び終えた霞が、立ち上がろうとした瞬間だった。
「おい…ちょっと待てよ」
順平の手が、不意に霞の肩を掴んだ。ハッとして後ろを振り返る霞…。
「好きだ…」
唐突に屈み込むと、彼は、背後から霞の唇を強引に奪った。
「ん…む……」
突然の口づけに、霞の美しい目が驚きの余り大きく見開かる。…切なくも儚い時間が過ぎた…。

131名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:06:20
†接吻† :2005/05/24(火) 14:30:05 ID:xkV+Js9i
「プハッ…」
やがて霞は、順平から顔を離した。びっくりして彼を見つめる彼女の頬が真っ赤に染まっていく…。
「な…いきなり何を……!」
「す…すまん…」
霞からぎごちなく目を逸らすと、彼はポケットからおもむろに取り出した
紺赤色の古びたオープンフィンガーグローブをいそいそと両手に嵌めた。
「よしっ、…行っか!!」
順平が気合いを入れる。そんな彼を見つめる霞の大きく見開かれた目が、やがて優しく…ふっ、と細まった…。

132名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:06:40
†接吻† :2005/05/24(火) 14:32:24 ID:xkV+Js9i
次回、『白兵戦!』
物語は、いよいよクライマックスへ!

【to be continued】

133名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:07:54
ワケも分からずクライマックスとは…。(;・д・)
134名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:08:51
大神はどうなったの?
135名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:09:55
死んだらしい・・・
136名無し物書き@推敲中?:2005/05/24(火) 23:59:37
こいつパチスロ板で誰も読みたくもない小説晒してる痛い奴
137名無し物書き@推敲中?:2005/05/25(水) 00:03:24
むぅ、何故にスロ板・・・?
138ヴァンシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/25(水) 00:07:00
なかなかに上手いストーリー構成だとは思うが…、シナリオが練れていない。
もう少し基本的な小説の書き方を勉強した方が良いやうな気もする…。
あと、話が飛び飛びで、間が抜けてるのが痛々しい。惜しいとは思うのだが…。
139名無し物書き@推敲中?:2005/05/25(水) 00:18:43
糞アマ!!!!!スロ板来んな!!!!!!!!!!
140ヴァウシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/25(水) 23:44:45
今日も続編は無しか…。
こうも遅いと嫌気が差すが、まぁ良い。
今夜はミステリー小説でも嗜むとするかな。
141ヴァウシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/26(木) 13:20:20
パトリシアの検死官、終読。流石に超一流の女流作家、描写力が半端ないな。
昨夜は終始、唸らされっ放しであった…。
142ヴァウシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/27(金) 01:49:34
FBI犯罪捜査官、終読。
実際の犯罪に基ずくリアルな描写はまさに迫真の出来映え。
これが映画化されたらかなりヒットするのではなかろうか…。

しかし…この作者、もう書くの辞めたのか?いつまで経っても続編が来ないではないか。
143名無し物書き@推敲中?:2005/05/28(土) 00:53:11
ここに作品投稿してる奴は
スロットで負けすぎて頭がおかしくなった順平という分裂ぎみの人です。

144ヴァンシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/05/28(土) 02:33:28
順平?誰かそいつは。
作者が誰でも関係ないが、要は面白い作品であれば私はそれで良い。
がしかし、続編を書くつもりが無いのだろうか、この作者は。
いい加減に私もお気に入り削除してしまおうかと考えてるところである。
今日は、ミステリー物を一編嗜んだわけだが、激しくつまらなかった…。早く続編を読みたいのだが…
145名無し物書き@推敲中?:2005/05/29(日) 02:26:37
保守
146名無し物書き@推敲中?:2005/05/30(月) 10:40:42
不評につき、作者は掲載を中断した模様。
ご愛読ありがとうございました。
147名無し物書き@推敲中?:2005/05/30(月) 11:01:40
この手のスレで批評家ぶっているのは、十中八九大した文章書けない連中なんだろうな…
愚かで哀しい、憐れな脳内小説家です。
148ヴァンシュタイン ◆lhMdFRhtx6 :2005/06/01(水) 12:03:41
まさかエロで終わらせるとは…小生もうお気に入りから削除する
149名無し物書き@推敲中?:2005/06/04(土) 01:38:05
続き早よ載せれやゴルァ!
150名無し物書き@推敲中?:2005/06/04(土) 19:32:49
保守!
151名無し物書き@推敲中?:2005/06/04(土) 23:54:24
イイカゲンニスレオワレヨ・・・
152†白兵戦†:2005/06/06(月) 15:30:09
敵のアジトの目前にまで迫った2人は、息を潜めて機を待った。
順平がアジトの入り口付近の草村に隠れる。霞はやや距離を置いた場所から注意深く攻撃の気を待つ。
「気幕…」
霞の詠唱に従って、大気の層が薄い幕をアジトの入り口に張り巡らせる。
待つ事数分…気幕が微かに振動した。
「かかった!気弾!」
空気の弾丸が守衛の胸を射抜く。
「今だ、順平!」
予めアジトの入り口付近の草村に身を潜めていた順平が飛び出す。
ダッキングから近接して放った右フックが、気弾を受けて屈んだ守衛の顎をピンポイントで掠める。
ストン…と守衛が腰から崩れ落ちた。
「行くぞ霞!」
小声で叫ぶ順平の下へ霞が駆け寄る。アジトに侵入すると、内部は複雑な迷路の様に入り組んでいた。
岩壁を掘り抜いて作られたアジト。中は洞窟みたいな感じである。
「ボスはどこだ?」
順平の問いに霞は無言のまま視線を上に向けて示した。
「階段を探そう。」
敵の見張りが思ったより手薄だ。

153†白兵戦†:2005/06/06(月) 15:30:28
大神が死ぬ間際に繰り出した決死の大技、『震天動地』で、敵の大多数を倒した事が大きかった。
事実上、あの激戦で敵の大多数が死亡し、敵側も壊滅的なダメージを受けていた。
(すまない…大神…)
霞は心の中でそっ、と呟いた。今は敵のボスを一刻も早く倒して、
この悲しみに満ちた戦いを早く終わらせる事だけが霞の生きる全てだった。
「順平…」
霞が低く囁くと、そこには上に続く階段があった。
「俺が先に行く。」
順平は階段を登ると、辺りの様子を注意深く伺った。このフロアにも敵がいない…不自然だ…。
「順平、避けろ!!」
とっさに霞が叫んだ。次の瞬間、サイドステップした順平の真横の壁が大きな音を立てて陥没した。
「光学迷彩だ!私達の侵入がバレている!!」
「ちっくしょ、どーすりゃいーんだ!!」
バゴォンッ!!
順平が偶然しゃがんだ直後に今度は彼の頭上の壁が陥没した。
「捉えた!光露!」
霞が右手をかざすと、敵の光学迷彩が急速に解け、巨大なロボットの姿が露わになった。
身の丈2Mはあろうかという太い剛腕の持ち主。ボディはメタリック製か、鈍い光を反射している。

154†白兵戦†:2005/06/06(月) 15:43:30
「なん…ダッ!こいつは!?」
「恐らくボス直属の護衛兵、人造人間だ!」
ヒュン…ッ!
敵の剛腕が唸りを上げて順平の顔面に迫る。
間一髪、ウィービングでかわす順平の真上にボゴン…と大きな陥没が出来る。
「おいっ!俺にゃ倒せねぇぞ、こんなの!!」
順平が怒鳴る。霞の冷静な声が淡々と続く。「足を狙って!恐らく強化されてるのは腕と胴体だけだわ!」
「ちっきしょう!!」
ブォン…!空を切り裂く人造人間の左フックをかいくぐり近接、
相手の胴体を力一杯掴みつつ、順平は敵の踝を右の内股でバシッと叩いた。
ガクンと人造人間の腰が落ち、頭が下がる。「しまいだっ!!」
ゴッ…!
順平の左フックが敵の顎にヒットした。
ズゥゥン……粉塵を巻き上げて倒れ込む人造人間。
「痛ってぇーなぁ!!チクショウッ!!」
痛めた左拳と右足を庇いながら先を急ぐ順平。その後に霞が続く。
走る2人の目の前に、最上階への階段が見えてきた…。

155†死別†:2005/06/06(月) 15:46:55
走る2人の目の前に、最上階への階段が見えてきた。
「順平、慎重に行くぞ。」
「オう!」
細い通路は一本道になっていた。そこを駆け抜けると、やがて10畳ほどの小広間に出る。
その真ん中に、最上階への階段が真上へと続いていた。
遂に階段の元へ辿り着いた2人は、乱れた呼吸を整えていた。
「よし、もう一息だ。」
霞がそう言って間もなくだった。突然、後方から敵の増援が出現、霞たちの下へ走り込んできた!
強化人間が5体、三角帽を被った男が1人。計6体。
「まずいぞ…おい、どうすんだ!?」
「…落ち着け、まぁ、見てろ。」
冷静に状況を分析すると、霞が思念を集中させながら、ゆっくりと右手をかざす。
「気渦・旋風…!」
大気の渦がつむじを巻いて、霞達の後方の細い通路に空気のバリアを張り巡らせる。
「これで敵は…我々の下には近寄れない。さぁ、階段を登ろう。」
霞がきびすを返し、階段を登ろうとした時だった。
「ぐはぁッ!」
順平の声だった!驚いて霞が振り返る。そこには霞の気渦旋風を潜り抜けた強化人間達が、
156†死別†:2005/06/06(月) 15:47:22
いつの間にか霞達の周囲を取り囲んでいる光景が広がっていた。
強化人間達の怒涛の猛攻撃をことごとく浴びて、順平はサンドバッグ状態にされていた。
「な…どうやって…!」
霞が小声で叫ぶと同時に強化人間達が飛びかかってきた。呪文の詠唱が間に合わない!
グシャァ…ッ
鈍い轟音を響かせて強化人間達が吹っ飛んだ。順平の飛び回転蹴りが強化人間達を一蹴したのだった。
霞の目が驚きで見開かれる。そこに立っていたのは息を切らした満身創痍の血まみれの順平の姿だった。
「ゼッは…ゼッは…」
順平が叫ぶ。
「おい!早く階段を登れェーーッ!!」
霞は階段を駆け上がる事が出来なかった。
(お前だけは…私が命を賭けて守る…)
霞の脳裏に彼女自身の言葉が何度もリフレインする。
「何してやがる!俺は長くはもたねぇぞぉッ!!」
強化人間達の猛攻を凌ぎながら階段の登り口を死守する順平。
彼の顔面がみるみる鮮血に染まってゆく。
「ガハァッ!!」
突然、順平の全身から沸騰した血液が噴き出す!
ハッとして霞は通路の方向に目をやる…三角帽の男が何やら詠唱しているのを目撃する霞!
157†死別†:2005/06/07(火) 01:19:37
気渦旋風の向こう側の通路の岩壁には穴が開いており、こちら側の壁にも穴が…!
「くそッ、私と同じ術者かッ!?」
ガキィンッ!!鈍い金属音が響く。敵のストレートを避け様放った順平の後ろ廻し蹴りが、
強化人間の側頭部を捉えた、が、威力が足りない!!逆に敵のミドルキックを脇腹に食らって、
彼の体が、ガクンとくの字に折れ曲がる。肋骨を数本ぶち折られ、ガハァッ…口から血を吐く順平。
「土槍…」
呪文を詠唱する霞の額から汗が滴り落ちる。彼女の顔面は怒りと無念さで真っ赤に火照っていた。
「五貫葬送!!」
ズビュッ!…霞の叫びと同時に岩壁がメコメコとせり出し、鋭い槍を型造り、強化人間達を瞬時に貫いた!
ドシャドシャ…ッ
強化人間達が地面に倒れると、霞は倒れてる順平の下へ駆け寄った。
「お願い…しっかりして!」
「ごふッ…」
口から血を吐き出す順平の顔が、微かに緩んだ。霞が目に涙を貯めて順平の手を握り締める。
その時…ズバンッ!!
158†死別†:2005/06/07(火) 01:20:07
霞の体が鋭利な空気の刃で切り裂かれた!
「ぐっ…しまった!」
「〜…冷却…」
霞が大気を冷やし、自分の出血を凝結させて抑える。
「地縛!」
岩壁がせり出し、敵の体を補足しようとする…
が、敵の体の周囲に張り巡らされた鋭利な空気の刃で切り裂かれ、補足出来ない!
「…気刃…ッ」
霞の声が微かに震える。自分の術を真似される怒り…、順平を瀕死に追いやられた怒りで一杯だった。
「…ッ!!!」
その直後、瞬間的に起き上がり、憎悪に燃えた順平の体が地を蹴った!!ゴキゴキと鈍い音がした。
「無茶するな!!」
霞の叫びも聞かず、全身血まみれで駆け出す順平の速さに、敵の呪文詠唱が間に合わない!
「〜…!!!」
口から大量の血を吐き出しながらの瞬時に距離を詰めての左アッパー、
左フックのワンツーコンビネーションが敵の顔面を捉える、
敵の頭が右に大きく傾いた瞬間を、全体重を乗せた渾身の右フック炸裂!!順平の最後の攻撃だった。
グシャッ!!…ドザザァーーー………

159†死別†:2005/06/07(火) 01:22:43
三角帽の男の顔面が陥没、そのまま地面に倒れ込んで動かなくなった。

ドサッ…!
そして、すぐ後に、力尽きた順平がその場に崩れ落ちた…。


「おい、しっかりしろッ!!」
女の必死な叫び声が微かに聞こえる…順平の途切れかけた意識が戻ってきた。
「か…霞……?」
突然に激痛が彼を襲う。全身の強烈な痛みに、彼は自分の最後を悟っていた。
「…お…俺は…ゴボッ!」
順平の口からドス黒い血が吐き出される。
「喋るな…お願いだから…じっとしていてくれ…」
霞の目から涙が溢れ、とめどなく零れ落ちる。
「うっ…守れ…なかった……」
霞が順平の手を握りしめ、自分の額に押し当てて泣きじゃくる。
霞を見つめる順平の顔が、優しくなった。霞がこれまで一度も見たことのない優しい表情だった。
「…大丈夫…俺は…死…な…………」
そう言いかけた時、彼の体の力が急に抜け、順平の手が霞の手から零れ、地面に落ちた…。
「…〜〜〜ッ!!」
霞の哀しみに満ち溢れた悲鳴は、声にならなかった…。
160†激戦†:2005/06/07(火) 01:24:54
敵集団の軍勢に周囲を取り囲まれた霞と大神。状況は最悪だった。
「私たちを一気に潰しにかかるとはな…」
「霞…何がどうあれ、この場が事実上、正念場だぞ!」
夕暮れ時、平地での戦闘。敵兵はその数約50名を超えていた。
史上最大決戦の火蓋が、まさに今、切って落とされた!
「行くぞ、霞!」
大神が爽やかな笑顔を霞に向けた。
「先手必勝、快刀乱麻ァーーーッ!!」
大神が緒突猛進してゆく。縦切り一閃、つむじの刃が敵集をなぎ払う!
ズバドシュバシュ…ーーーッ!!
ドサドサッと敵兵が数名鮮血を撒き散らして倒れ込む。
「気旋風!」
霞が右手をかざすと、大気の渦が超高速回転しながら巨大な竜巻と化し、敵集団を撒き散らした。
「狼虎滅却ーーッ!」大神が両腕を天に突き立てながら敵集に単身突入、力一杯クロスに振りかざす!!

161†激戦†:2005/06/07(火) 01:26:59
「古今!無双ーーーーーーッ!!!」

トバドバドシューーーッ!!
更に敵兵が数名倒れる。
「大神!あまり無茶するな!!」
すかさず大神が敵集に囲まれる。
「チッ…煙幕!!」
霞の詠唱に伴って大神の周囲に砂埃が舞い上がる。敵は大神の所在を見失った。
「今だ、大神!!」
「うぉおぉぉおおーーーッ!!!」
大神の全身が金色に輝き始めた。
「天・狼・転・化ェーーーーーーッ!!!!!」
金色のオーラに身を纏う大神、一時、無敵状態と化す!!
「狼虎滅却〜〜……」低姿勢から大神が華麗な剣捌きを披露!
「三刃成虎ォーーーッ!!!」
ドシュッズバッザンッ!!
敵集団の数がみるみる減ってゆく。その数、残り20数名…

(この後、敵の術者に血まつりに挙げられた大神は、遂に最終奥義・震天動地を繰り出して息絶えます…)
162名無し物書き@推敲中?:2005/06/08(水) 03:05:42
【バトラー・イン・ザ・ダーク】今後まだまだ続きます!
163名無し物書き@推敲中?:2005/06/08(水) 03:08:18
スロットスレでは霞が死んで掲載終了したみたいだけど。ホンとにまだ続くの?
164名無し物書き@推敲中?:2005/06/08(水) 03:15:17
ついに、あの女キャラ死んだのか・・・
165名無し物書き@推敲中?:2005/06/09(木) 01:57:21
まだまだ続くって、もう終わりじゃん?
166†最終戦闘†:2005/06/10(金) 01:18:26
最上階に到達した霞の目の前には、1人の女が立っていた。
「よくここまで辿り着いたわね…まずは、おめでとうと言っておこうかしら?」
その女を一目見た瞬間、霞は思わず絶句してしまった。
目鼻立ちの整った端正な顔つき、物腰穏やかな柔和な口調。…紛れもなく霞自身であった!
「な…一体どうゆうこと?」
霞の問いかけに、その女は意味深な口調で語り始めた。
「察しが悪いわね…あなたは、私が作り出したキャラクター。私は、あなたのモデルなわけだ。」
「なっ…そんなこと…!ふざけるな!!誰がそんな馬鹿げた話、…ッ!!」
霞の動揺が絶叫に変わる。
「貴様を倒して、この血塗られた戦いを終わりにするッ…!!覚悟!!」
「待て!!」
女の一言で霞の動きがピタリと止まる。
「私を倒したら、あなた自身が消滅する事になるのよ」
「は……何を…?」
霞が動揺して怯む。呪文の詠唱が止まる。
「あなたは私…私はあなた」
女が静かに続ける。
「私を倒せば…この物語は幕を閉じる。あなたにこの訳が分かる?」

167†最終戦闘†:2005/06/10(金) 01:18:56
霞の額に汗が滲む。あの女は私自身…じゃあ…
「気刃…」
霞がゆっくりと右手をかざす…空気の一筋の刃が女の頬をそっと裂いた。その途端…
ブシュウ…ッ
霞自身の頬が切り裂かれ、頬から血が滴り落ちた。
「ば…馬鹿な…そんな事って…」
たじろぐ霞の元に女がゆっくりと歩み寄る。「無駄な事はよしなさい…あなたはまだ気が付かないの?」
女の口元に不気味な微笑が浮かぶ。澄んだ目が霞を真正面から射抜く。
「この世界を作り出したのは…紛れもなく私自身であり…それはあなた自身でもあるのよ…」
「ええい、黙れ!私は私だ!おまえを倒して終わりにしてやる!!」
「気渦・旋風!!」
ズバンッ!!
女と同時に霞自身の全身も空気の刃で切り裂かれた。
「かは…ッ!!」
血を吐いて倒れ込む霞の脳裏に様々な思いが走馬灯のように立ち込めた。
(あなたは…何を望むの…?)
あの女の声が、直接、霞の頭蓋に響く。
(わ…私は……)
霞の思考はそこで途切れ、やがて無限の静寂と暗黒が訪れた。

168イ・スンヒ ◆BF/SpOqQTQ :2005/06/11(土) 13:23:17
私の小説を読んでくれた方、ありがとう。
最終回を掲載します。ご愛読、感謝します…さようなら!(T▽T)/~~~
169イ・スンヒ ◆BF/SpOqQTQ :2005/06/11(土) 13:27:53
霞が目覚めた時、周りには懐かしい顔ぶれが揃っていた。
剛「おい…大丈夫か?大分うなされてたみたいだが…」
大神「…俺は何もしちゃいないぞ…」
何故か大神は顔を真っ赤にしてキョドっている。
サクラ「霞さん…大丈夫ですかぁ…私、心配しちゃいましたよぉ〜?」
霞には、事態が上手く飲み込めなかった。どうも、悪い夢を見ていたらしい。
洞穴の中は、焚き火の薄明かりと、暖かい気温…そして、死んだハズの懐かしい面々…。
霞「う…ぅ……」
頭がずっとズキズキと疼いている。霞の願いは…今、このメンバーに囲まれていた時代に戻ること…。
霞「あ…あの女は…!?」
我にかえって、霞は低く呻いた。
剛「あの女…!?なんだ、お前…何か悪い夢でも見てたのか…?」
剛が心配そうに霞の顔を覗き込む。
「チッ、女って…どこにそんな奴がいるんだよ」
大神が舌打ちする。
「あ〜、それって、ひょっとして私のことですかぁ〜?」
相変わらずとぼけた口調でサクラが笑う。
(これが…私の望んでいた願い…なのか?)
「私は…」

170イ・スンヒ ◆BF/SpOqQTQ :2005/06/11(土) 13:28:25
霞は、呆気にとられた表情を浮かべたまま、面々を見渡した。
「お前たちと…ずっと……」
霞の声が詰まる。腹の底から悲しみが湧き出すのを止められない。
「……一緒に……」
霞の頬を涙が伝い零れ落ちた。
面々は驚いて霞を見守っている。
「大丈夫だ。俺達は、どこにもいかないよ。」
剛が霞の肩を優しくポンと叩いた。
「霞…俺はサクラくんを帝劇に無事に連れて帰るまでは、決して死んだりなんかしない。」
霞の心情を察した大神が、力強い口調で静かに呟いた。
「霞さ〜ん…泣かないで下さいよぉ〜。うぇ〜〜ん…」
つられて貰い泣きしてしまうサクラ。一同が揃うこの洞穴での休息…この束の間の幸せこそが…
霞の真に求めていたものだったのだ…。この瞬間、決して、彼女は独りなんかじゃあなかったのだ…。


【終幕】
171名無し物書き@推敲中?:2005/06/12(日) 17:46:41
続きまだなの?
172名無し物書き@推敲中?:2005/06/12(日) 18:03:44
ロマネスクはあ〜?
173名無し物書き@推敲中?:2005/06/13(月) 01:43:58
これのどこがロマネスクなんだろ…ガッカシ…
174名無し物書き@推敲中?:2005/06/16(木) 18:45:26
もうこのスレ要らねんじゃね?
175名無し物書き@推敲中?:2005/06/22(水) 05:00:01
保守
176名無し物書き@推敲中?:2005/06/25(土) 18:47:48
堅守
177名無し物書き@推敲中?:2005/06/26(日) 01:16:17
まだまだ続くとか言ってるわりに、あっさり終わったなw
178名無し物書き@推敲中?:2005/06/27(月) 12:00:45
死守!
179名無し物書き@推敲中?:2005/06/29(水) 10:42:27
死守ぅ〜〜ッ!
180名無し物書き@推敲中?:2005/07/04(月) 02:42:29
w。
181名無し物書き@推敲中?:2005/07/15(金) 23:42:06
固守
182名無し物書き@推敲中?:2005/07/18(月) 03:13:23
歌守
183名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 11:23:49
ちょwwwこのスレまだあったのかwww
184山ア渡:2005/08/17(水) 22:47:44
ぬるぽ

>>184
ガッ
185名無し物書き@推敲中?:2005/08/26(金) 00:44:59
新たな題材がなかなか思い浮かばないなぁ…
186名無し物書き@推敲中?:2005/08/26(金) 18:26:20
>>185
ここの続き書けば?
187名無し物書き@推敲中?:2005/08/27(土) 21:15:13
ファンタジーはリアリティが無くて面白くないから、
もっと現実的なお話を書いてみようかな。
ここの続きは無理だけど(笑
188名無し物書き@推敲中?:2005/08/27(土) 21:57:01
著者全額負担の、まあ、いいや
189†逃避行†:2005/08/29(月) 11:50:10
闇夜に浮かんだ月明かりが、ビル街を走り抜ける2人の姿を朧気に照らしていた。
順平「何もたもたしてんだよ、ほら急げよ禿げ!」
好三「ゼェゼェ…」
小太りの中年男が、息を切らしながら茶髪の男の後に続く。
好三「ちょ…ちょっと待ってぇや〜…」
油汗で顔面びっしょりの小太りの中年男は、禿げあがった額をテカらせつつ悲鳴を上げた。
好三「こんだけ逃げりゃ、もぉ大丈夫やろ…ゼェゼェ…」
順平「バカっ…呑気な事言ってる場合じゃねえだろ…っ!」
茶髪の体格の良い男が声を荒げる。
順平「ちょっとは分かれよ、この薄ら禿げ!!」
好三「ゼェー…ゼェー…」
額にびっしょりかいた油汗を腕で拭いながら、中年男が哀願の目で茶髪男を見上げた。
好三「んもぉ…分かってるがな…! そんなカリカリせんといてぇなぁ〜…」
順平「てんめぇ〜〜…元はと言えばてめぇが逃げ遅れなきゃあこんな事にゃあならなかったんだろーがっ!!」
茶髪男が小太り男の胸ぐらを荒々しく掴んで叫んだ。
順平「いいか!良く聞きゃぁがれこんデブ!!俺らのした事は犯罪なんだよ!!強姦罪!!」
190†逃避行†:2005/08/29(月) 11:50:44
茶髪の男が、小太り男の胸ぐらを掴んで激しく揺さぶりながら大声で叫んだ。
順平「聞けよブタっ!!ブタ小屋に入りたくなきゃあ、ここは逃げるしかねぇんだよ…っ!!」
好三「んなこた分かってるがな順平ちゃん…もぅ揺さぶらんといてぇな〜!!」
順平「甘えた事言ってんぢゃねぇええーーー!!!」
『ヴォンッ』
好三「ウホッ♪」
順平の左フックが空を切る。
しゃがんでかわすと、中年男はすかさず順平に謝った。
好三「せやからゴメンナサイゆうとるやないけ!あんま調子乗るんやないで糞ガキゃ〜!?」
順平「ぁん?上等だ、やんのか禿げ!!」
小太り男の挑発的な態度に順平の怒りが爆発した。
『ヒュン!』
素早く左回しハイ!…
『バシッ』
小太り男左腕ガード、お返しの右ジャブ→
『ビシッ』ヒット!
順平「くはぁッ!」
好三「死ねやぁ!!」
好三、左ショートアッパー!→『バシッ』順平右手ガード
順平「ウハッ!しっびれるぅ〜〜〜♪」
順平、左フック!→『ヴンッ』好三スウェー
好三、右ショートアッパー!『ヒュッ』順平スウェー
順平「ぃ〜〜ャっほぉ〜〜〜!!」
191†逃避行†:2005/08/29(月) 11:52:22
順平、仰け反りつつ右脚飛び延髄蹴り→『ドガッ』
好三「ゲハァ!!」
好三、倒れ込んだ順平の頭部目がけてサッカーボールキック→『ガシィ!』→両腕キャッチ
順平「終いだデヴッ!!!」
『ズダァン!』好三の片足を引き倒してテイクダウン。
順平「死ねやこん腐れ禿げェ!!」
マウントからパウンドラッシュ!!
『ゴッゴッゴッゴッ!!』
たちまち好三の顔面血まみれ!
順平「トドメだゴルァっ!!!」
好三「ま、待ッ!!!」
その刹那一瞬!!!好三、起死回生の命ごいwww
好三「ゲフッゲフッ…わ、悪かった!わしがッ悪かった…!!」
順平「今更おせぇーんだよぉぁあああーーーッ!!!」
トドメのチョッピングパンチ振り下ろしまさに直前!
『ピカッ??』
懐中電灯の眩しい灯りが2人の顔面を照らし出した。
警察「お前ら、犯人だな!」
順平「ヤベッ♪」
好三「あ…あぅ〜…?」
警官「お前達、待ちなさい!!」
順平「逃げっぞホルスタイン!!」
好三「あ…待ってぇな〜〜…ゲホゴホッ!!」
脱兎の如く駆け出した茶髪男の後に続いて、ヨタヨタと千鳥足で逃げる小太りの中年男。
それを追う警官。2人の逃亡劇が今まさに幕を開けた!!!【続く】
192†逃避行†:2005/08/29(月) 11:54:35
順平「後ろだ、禿げェーーーッ!」
急いで好三が振り返ると、どでかい猛犬が飛びかかってきた!
「ゥガウゥッ」
好三「むほっ♪」
サイドステップで猛犬の攻撃を避ける小太り男の華麗な立ち回りに、順平の顔に笑みが零れる。
順平「ひゅ〜♪や〜るじゃねぇかよホルスタイン!」
しかしその直後、順平の顔面が突如、強張った。
好三「いかんで順平ちゃん!油断すなや!!」
スチャッと地面に着地した猛犬が、次は順平に狙いを定めて突進してきた!
順平「うはっwウッソでしょぉお〜〜?」
ドーベルマンと戦うなんて彼には初めての経験だ。
「ガルルゥッ」
ジャンプ一番、狂犬が順平の顔面目掛けて飛びかかってきた!
順平「ハッ!」
右前屈ウィービング、狂犬の鋭い前爪を交わし振り向きざま…!
順平「シッ!」
193†逃避行†:2005/08/29(月) 11:57:30
『ドボォ!』犬のケツに右フック炸裂!「ギャイン!」
『ズザァーー…』悲鳴を上げた狂犬は着地に失敗、横ばいになって地面に滑り落ちた。
順平「…っ痛ぅ〜…!」
予想外に硬いケツに拳を痛めた順平、そして彼の左肩から血が滴り落ちる。
「グルルゥ…」
むっくりと起き上がった黒色のしなやかな犬が、怒りの唸り声をあげる。
順平の背筋に冷や汗がドッと噴き出す。…殺される…
順平「逃げんぞ好三ーーーーーーッ!!」
好三「うげ…マぁジかいなぁ〜?」
脱兎の如く駆け出す茶髪の後に小太りが続き、その後を狂った犬がしなやかな足取りで追いかける逃亡劇、
あっという間に2人と犬との距離がぐんぐん縮まってゆく。角を曲がった2人の目の前は、金網フェンスで行き止まりになっていた。
好三「どないすんねや順平ちゃん!」
走りながら怒鳴る好三。
順平「しゃぁねぇ、よじ登るっきゃぁねぇだろぉ!!」
『ガシガシガシガシッ』
2人は慌ててフェンスをよじ登り始めた。その時だった…
好三「あんぎゃぁあぁあああ!!!」
順平「一体どぉした薄ら禿げッ!」
驚いて順平が下を見ると、なんと好三が犬にケツを噛まれていた。
好三「アデデデデェーーー!」
順平「しっかりするんだバーコードぉーーーーーーッ!!!」
194†逃避行†:2005/08/30(火) 04:13:49
獰猛な狂犬から、命からがらなんとか逃げきった2人は、閉店間際のパチンコ屋に身を隠した。
2人は、とりあえず、空き台にどっかと並んで腰掛けた。
好三「ワチチチ…」
順平「ちっ…ケツ噛まれたぐれぇで大袈裟なんだよ…」
好三「なんやてぇ〜!?」
ケツをさすりながら、小太りの中年禿げが、充血した目をクワッと見開いて茶髪男を見つめた。
好三「おめぇな、わしがあの糞犬の犠牲んなったお陰で無事に逃げれたんやで!」
『シュボッ…』順平が呆れ顔でタバコに火を点ける。
順平「んなもんぐれぇ赤チン塗っときゃ治んだろーがよ…」
タバコをぷはぁ〜と好三の顔面に吐きかけた。
順平「はぁ〜…お前ぇはいちいち大袈裟なん、だ、よっ!」
『ビシッ』
好三「あでっ」
デコピンを食らい、顔にタバコの煙を吐かれた好三は、咳き込みながら真っ赤な顔で順平を睨みつけた。
好三「ゲフンゲフンッ…調子んのるんやないでぇわりゃぁ〜〜」
順平「ほい。」
ひょいと差し出された千円札を素早くむしりとると、好三は、ケッと毒づいた。
195†逃避行†:2005/08/30(火) 04:15:04
好三「わりゃぁ…んなはした金でご機嫌取ろうなんざ甘ぇんじゃ!」
小太りがすっくと席を立つと、茶髪の目の前に凄みを利かせて立ちはだかった。
好三「われ…もっとよこさんかいや…」
順平「あん??」
好三「こんガキゃあ…慰謝料…もっとよこさんかい…」
順平「……なんだと…?」
順平の眉がピクンと動いた。タバコを持つ手がピタリと止まる。
順平「…好三…お前ぇ…何を…言ってんだ…?」
2人の間に一触即発のビリビリムードが漂った。ゴクリと唾を飲むと、好三は思い切って強がった。
好三「…きさんに言うてるんや…早よ銭…渡さんかいぃ…」
ついにキレた茶髪が、すかさず立ち上がると、小太りの襟首を鷲掴みして叫んだ。
順平「こんのバカ禿げぇ!調子んのってんじゃあねぇぞぉ!!」
好三「ウホッ♪上等じゃあ!ヤレるもんならやってみぃやあ!!」

『ガシャーーーン!』小太りの首投げを食らって台の窓ガラスに叩きつけられる茶髪男。
順平「くはッ!」
腰に激痛が走る。ヨロヨロと立ち上がると、怒りに燃える目を小太りに向けた。
順平「や〜りゃがったな薄ら禿げェ!!」
好三「ドンドンかかってこいやぁああああ!!!」
196†逃避行†:2005/08/30(火) 04:16:53
ホール内で揉み合う2人に気づいた店員が、すかさず店長を呼んできた。
事務所から息を切らせながら、くたびれた感じの黒縁の眼鏡デブが走りこんできた。
店長「私…支配人の斎藤と申します…」
ゼェゼェと息を整えると、一呼吸置いて、デブはまず、2人に挨拶をした。
店長「あの…お客様?ゼェ…当店内は暴力行為は禁じてますので…ゼェ…どうか御退店下さいませ…」
斎藤は、割れた台の窓ガラスを見ると、眼鏡の縁をくいっとさせて、つぶらな瞳を光らせながら慎重にこう言った。
店長「それから…誠に申し上げにくいのですが、罰金として、…ガラス代…10万円お支払い戴きます。」
2人の目の前で深々とお辞儀する店長。その瞬間だった。
順平・好三「おるぁああ!!!!!」
『ゴシャ…!』
順平の右膝が店長の顔面を、好三の両腕ハンマーパンチが店長の後頭部を、ほぼ同時に粉砕!
「かはっ…」頭部を完全破壊され、白目を剥いてホールの地面に崩れ落ちる店長。
ざわめくシマ…すぐさま飛び出してきた主任が、携帯で110番通報する。
197名無し物書き@推敲中?:2005/08/30(火) 04:18:54
好三「どないすんねや順平ちゃん!」
順平「んなもん逃げるっきゃねぇだろッ!!」
ホールを飛び出し再びビル街を逃走する2人。走りながら、突然小太り男が笑い出す。
好三「ひゃはッ♪最っ高やなぁ順平ちゃん!あの店長、前々からいけ好かんかったんや!」
両腕を高々と突きあげながら、茶髪が感極まってピョンと飛び上がった。
順平「ィ〜ャっほ〜〜い♪ざま〜みゃがれあのバカ店長!!笑い止まんねぇぜえッ!!」
愚かな2人の次の行き先はいずこ?

【続く】
198【次回予告】:2005/08/30(火) 04:21:46
「婦女暴行、強姦、殺人、器物破損、暴行至傷、その他諸々…」
いかつい体格の警官が、野太い低音で素早く説明する。
「死刑か終身刑は確実だ、覚悟するんだな。」
その直後、茶髪男が飛びかかった。
「ざっけんじゃねぇぞおッ!」
『バチィッ』
茶髪の右ストレートを左手で軽く掴むと、警官は思いきり握り締めた。痛めた拳に激痛が走る。
「ぐわぁッ」
「何すんねや、離さんかいぃ!」
小太りの中年ハゲが低空タックルで挑む!
『ヒュン…』空を切り裂く鋭い音がした…
『バキィッ!』
「ブホッ!」
『ズザザーーー…』
側頭部にミドルキックを食らって地面に這いつくばる小太り。
「禿げェーーーーーーーッ!!!」
怒りに燃える茶髪の飛び膝が警官の顎を襲う…『ガチィッ』、警官がとっさに順平の首を両腕で抱え込む。
飛び膝が殺され、警官の首相撲がガッチリと決まる。
『べキベキッ!』鈍い音がした。
「カハッ…」
左わき腹に首相撲からの強烈な右膝を食らって地面にうずくまる茶髪男。アバラが数本ぶち折れた。
「じゅ…順平ちゃん…ッ!!」
「来んな禿げ…逃げろぉ…!」
199†死闘†:2005/08/31(水) 02:33:51
すっかり辺りは闇に包まれた。月明かりが優しくビル街を照らしている。
茶髪男が、無人駅の長椅子に前かがみに座り込みながら、携帯片手に黄昏ていた。
『ガシャコン…ッ』
「ほれ…喉乾いたやろ…」
自販機から戻ってきた小太りが、茶髪の目の前にコーヒー缶をそっ…と差し出すと、彼の横に黙って腰かけた。
「なぁ…わしら…これから先、どないすりゃあえぇんやろなぁ…」
「ヘっ…なるよーになるさ…」
茶髪はカチカチと携帯を弄っている。小太りがチラ見すると、そこには綺麗な女性が映っていた。
「ひゅ〜♪え〜女やのぉ〜」
「バカ!勝手に見んじゃねぇよ」
『ゲシッ』茶髪が小太りの足を蹴り飛ばす。
「あだっ!そない怒らんかてえぇがな〜」
「こいつぁな…」
茶髪がしみじみと語り始める…小太りは、その話の一部始終を、神妙な面もちで拝聴した。
「ふ〜ん…それやったら、その女、今どこにおるんやろか…」
「さぁねぇ…皆目見当もつかね。」
200†死闘†:2005/08/31(水) 02:35:59
不良どもに囲まれた女を助け、それを機にその女と同棲を始めた順平。
料理も上手く、家庭的な優しさを持った女の温かみに、順平の荒んだ心は癒やされていった。
だが、ある日、女が忽然と姿を消した。最後の書き置きには、『楽しかった、有難う…』とメモを残し行方をくらました女。
それ以来、彼は荒れた。街では暴力を振るい、片っ端から見知らぬ女を襲った。
「ほなら順平ちゃん、未だにその女の行方分からんのか?」
「んー…まぁね…」
『シュボッ』タバコに火を点けると、物思いに耽りながら、プハー…と煙を吐き出した。
「分かんねぇんだ…生きてるか死んでるのかさえも…」
小太りがヒョイと茶髪のタバコを一本取り上げると、顎をクイッとしゃくった。
「ほらよ。」
『シュボッ…』茶髪が小太りのタバコに火を点ける。
プハァ〜〜…煙を吐き出しながら、今度は、小太りが静かに話し始めた。
「わしもな…」
201†死闘†:2005/08/31(水) 02:36:43
小太りは、去年の冬に会社にリストラされて、そこからギャンブルに嵌っていった事、
それから家庭事情のもつれで、愛する妻子が家を出ていった事。
借金の形に、家を差し押さえられ、思い出の詰まった大事な一軒家を奪われてしまった事など…
…小太りは、時々しゃくりあげながら、涙ながらに話した。
「お前ぇも色々あったんだな…」
茶髪が小太りの肩を優しくポンと叩く。2人は、何だかしんみりとしてしまった。
いつしか外はシトシトと雨が振り出し、強い風が吹いていた。
…と、その時だった、眩い灯りがピカッと2人を照らし出した!
「な、なんや?」
「バカ、警察だ!逃げっぞハゲ!」
素っ頓狂な声を上げて目をパチクリさせる小太りを後目に茶髪が駆け出す。
「おっとぉ、ここは通さねぇ。」
ガッチリした体格の警官が、2人の行く手を阻む。
順平は、一目見てこの警官がただの警官じゃない事を感じとった。
「婦女暴行、強姦、殺人、器物破損、暴行至傷、その他諸々…」
いかつい体格の警官が、野太い低音で素早く説明する。
202†死闘†:2005/08/31(水) 02:37:41
「死刑か終身刑は確実だ、覚悟するんだな。」
その直後、茶髪男が飛びかかった。
「ざっけんじゃねぇぞおッ!」
『バチィッ』
茶髪の右ストレートを左手で軽く掴むと、警官は思いきり握り締めた。痛めた拳に激痛が走る。
「ぐわぁッ」
「何すんねや、離さんかいぃ!」
小太りの中年ハゲが低空タックルで挑む!
『ヒュン…』空を切り裂く鋭い音がした…
『バキィッ!』
「ブホッ!」
『ズザザーーー…』
側頭部にミドルキックを食らって地面に這いつくばる小太り。
「禿げェーーーーーーーッ!!!」
怒りに燃える茶髪の飛び膝が警官の顎を襲う…『ガチィッ』、警官がとっさに順平の首を両腕で抱え込む。
飛び膝が殺され、警官の首相撲がガッチリと決まる。
『べキベキッ!』鈍い音がした。
「カハッ…」
左わき腹に首相撲からの強烈な右膝を食らって地面にうずくまる茶髪男。アバラが数本ぶち折れた。
「じゅ…順平ちゃん…ッ!!」
「来んな禿げ…逃げろぉ…!」
口から血を吐き出しながら、茶髪男が叫ぶ。「俺に構うなッ、…逃げるんだぁーーー!!」
203†死闘†:2005/08/31(水) 02:40:02
「うおぉぉおーーーッ!!!」
好三が凄い勢いで突進してくる、決死のぶちかまし…!
『ドコォン…』
好三の痛烈なぶちかましが警官のみぞおちに炸裂!
「ぐほっ…」
ぐらついた警官は、瞬時に態勢を立て直すと、小太りの脚に狙いを定めて強烈なインロー!
『ベキィッ!』
膝に走る猛烈な激痛に歯を食いしばって耐える好三。
「まだまだぁッ!!」『ドカァッ』
すかさず小太り渾身の左アッパーが警官の顎にヒット!…も、耐える警官。…次の瞬間…
『ゴシャ…』
「ゲハァッ…!」
逆に打ち下ろしのチョッピングエルボーを肩に食らって轟沈。ガクンと地面に座り込む好三。
「くたばれ極悪犯ども!!」
警官の空気を切り裂く鋭いローが、好三の側頭部を襲う、クリティカルヒットなら命は無い!
「ぅるぁあーーーーーッ!!!」
『ゴキン…!』
脇腹の激痛に耐えて繰り出した、順平の決死の頭突きが警官の急所にカウンターヒット!
「ぐぉお…!」警官の動きが止まる。
「死にゃぁがれッ!」
『ゴキャア…』
雨に濡れた地面に寝転がったまま放った順平の踵蹴りが、警官の右膝を完全粉砕!!
204名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 02:44:52
誰か読んでる人いるの?レス無いし、なんか虚しいんだけど。
205†死闘†:2005/08/31(水) 02:45:45
「ぐがぁぁああああああ!!!?」
たまらず地面に片膝をつき、うずくまる警官。
「今だ禿げェーーーッ!!!」
『ダンッ』瞬間、雄叫びを上げながら小太りの体が宙に舞う!
「ぃーーーヤッはぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
好三、警官の頭頂部めがけて、全体重を乗せた決死のジャンピンエルボー!
『グシャア……』
「グハァ…!」
白目を剥いて仰向けに倒れ込む警官…遂に決着がついた。
血反吐をはいて地べたに寝転がる茶髪を、急いで抱き起こす小太り。
「大丈夫か…順平ちゃん!」
「はっ…見ての通りの有り様さ…ゴホッ」
顔面蒼白、ビチャビチャと地面に血を吐く茶髪男、…事態の重さを小太りは一瞬で察した。
「じっとしてえな…今、医者に連れてったるさかい…」
折れたアバラが内臓に突き刺さっている…そう好三が判断するのに時間はかからなかった。
「へへ…ざまぁねぇな…」
茶髪が自虐的に笑う。
「すまねぇ…禿げ…俺を、置いて行け……」
「な…なぁにアホな事抜かしとんねや…ほら…今、医者に連れてったるさかい…」
目の縁に涙をためて、小太りは動揺を必死に隠した。涙声が上ずる。
206名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 02:48:27
連続投稿うざいな
207†死闘†:2005/08/31(水) 02:48:46
「だ…大丈夫やて…心配すなや、順平ちゃん…?また、昔みたいに悪さ…一杯して遊ぶんやろ?」
小太りが泣き笑いを浮かべる。
「また、いつもみたいに悪さして一緒に遊ぶんやろ…?な、なっ…絶対に死ぬんやないで…!!」
「はっ…バカ言ってんじゃねぇよ…俺が死ぬわきゃねぇだろが…ゴホゴホッ!」
「黙っとき!余計な事喋らんでええ!!」
「へへ…だ〜いじょぶだって……………。」
そして、順平は意識を失った…。
「順平ちゃん…?順平ちゃん…、死ぬなぁあああーーーーーー!!」
小太りの絶叫は、闇夜を吹きすさぶ風雨にかき消された…。
208†山奥†:2005/08/31(水) 02:51:29
人気の無い山奥に、その錆れた診療所はポツンと建っていた。
廃れた診療所内の待ち合い室の椅子に腰掛けて、中年の小太り禿げがそわそわしながら腕時計を見る。
待つ事2時間…集中治療質のドアがガーッと開くと、緑色のオペ着を身に纏った若い女が出てきた。
蘭「簡単な応急処置は完了した。肺に突き刺さっていた肋骨は摘出し、今はカテーテルとドレーンを留置してある」
好三「どないな病状や?…命に別状はないんやろな!?」
心配そうな表情で口早に尋ねる小太り男。
蘭「まぁ、ちょっとした外傷性血気胸だな。血圧が落ちてた為、ルートを確保して、
そこから昇圧剤、ステロイド、抗生剤を投与してある。輸血も考慮したが、
コイツの血液型にマッチする血清が在庫に無かった為、断念した。」
鋭い目つきの若い女性がたんたんと続ける。
蘭「左肺が虚脱していた為、カテーテル留置して持続的陰圧吸引を施工している。胸腔ドレナージで胸腔に貯留した出血を吸引。あと酸素マスク…」
少し考え込んで、再び流暢に話し始める女。
209名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 02:52:37
何だよ時間て
210†山奥†:2005/08/31(水) 02:52:56
蘭「麻薬が切れてる為、代わりに簡単な鎮痛剤を筋注しておいた。あと、咳を鎮める鎮咳薬投与…。」
ふぅと深い溜め息を一つ吐くと、女の口元に意味あり気な微笑が浮かんだ。
蘭「私は無免許、いわばもぐりで外科医やってるんだ。当然、保険は利かないからな。」
好三の顔が強張る。
好三「い…幾らなんや…?」
蘭「100万は支払って欲しいところだけど…」
再び、含み笑いを浮かべる女。好三の背筋に寒気がはしる。
蘭「私の頼みを聞いてくれたら…チャラでいいけど」
小太りがゴクリと生唾を飲み込む。
好三「な…なんや…その頼み事って…」
蘭「行方不明の私の妹を、あなた達に見つけ出して欲しいの」
好三「行方不明て…一体いつからなんや…?」
蘭「丁度半年前になるな…ある日家から出て行ったきり、戻って来なかった…ほら、これが妹だ」
女が胸に下げたペンダントをパカッと開くと、中に笑顔の女性の写真が入っていた。
好三「こ…これは…」
小太りが目を大きく見開いた。小太りの全身に戦慄が駆け抜ける。
小太りは、ハッとしてベッドに寝ている茶髪を振り返った。
(順平ちゃんの探してる女やないけ…)
211名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 02:54:43
だからいちいちうざいて
212名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 02:55:51
同一人物と勘違いしてるバカがいる(プッ
213†山奥†:2005/08/31(水) 02:56:12
好三「よっしゃ、その話、乗った!」
小太りがポンと膝を叩く。蘭は不思議そうに小太りを見つめると、綺麗な目をパチクリさせた。
蘭「何か心当たりでもあるのか?」
目を細めて、訝しげに小太りの顔を見つめる女。
好三「いやぁ…まぁ…なんちゅーか、その…」
唐突に小太りが笑う。
好三「わはは…なるようになるやろ!」
ふ、と蘭が軽蔑の冷たい眼差しを小太りに向けた。
蘭「勝手なことばかり言わないで。何の手がかりもないのよ?警察に捜索依頼出しても無駄だった。」
好三「当てがあるといえば…あるんやけど…」
言葉を濁したまま、小太りはふぃと集中治療室の方向に首を向けた。
214名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 16:56:36

【コテ自由】今日ボロ負け集まれ117【雑談自在】
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/slot/1125253189/l50

↑の78でこの糞小説スレの主がこのスレdat落ちさせて欲しいってさ。
更に驚くべきことに、この板の住人レベル低いんだとさ。てめぇの小説の糞ッぷりはおいといてな。
ちなみにこのウンコ小説の続きもわざわざパチスロのスレッドで誰も望んでないのに連載中だ。

78: 麗 ◆yO06Z/4s8A 投稿日: 2005/08/31(水) 23:03:33 ID:hrwB8hnM
文章を構成するのは難しい作業なんだ。
分かりにくい表現を使いたくない、難しい語彙や単語を使いたくない。
実写により近いテンポの良いストーリーを構成する事が私の目標なんだ。
残念ながら一般教養不足で浅い内容のものしか生み出せないが、それが私の限界だ。
だから当面の間は小説の書き込みは中断します。まともな暮らしに戻ります。

思った以上に心のエネルギーを消費する上、自分の感情も不安定にすらさせる過酷な作業…
それが創作という奴なんだ。私は…正直、疲れた…。当面休息とさせて欲しい。
あと、創作文芸板は下らぬ実力も持たない下等民族の集合体だと判明した。
◆バトラー・イン・ザ・ダーク◆も早くdat落ちして欲しいと切に願っている。
それから、今日で禁スロ50日目に入った。素直な感想【金がなかなか減らなくなった。】
…では失礼。
215名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 17:51:33
ここすんごいな
216名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 20:07:12
読むやついるのか?
217名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 21:18:01
スロ板からスッ飛んできました













麗チネ
218名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 23:08:21
住民レベルがひくいってのは事実だしな
言ってる本人がそのなかに含まれているのが悲劇だが
219名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 23:28:59
麗氏ね ごみばらまくなよ 定期的にあげとこか
220名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 02:36:53
晒しあげ
221名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 17:48:41
記念パピコ('A`)
222名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 17:49:56
一つ気になったんだが、この小説、板住民はどう思ってんだ?

レスplz
223名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 00:52:50
晒しあげ
224名無し物書き@推敲中?:2005/09/12(月) 22:54:56
スロ板からまきこ
ここの小説まともに読んでるやつすごいな
てかこの板の住民きもい
225名無し物書き@推敲中?:2005/09/12(月) 23:35:43
うんこ小説age
226名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 01:59:37
         __ -─ーー一一- __
      ,-‐´::             \
    ./:::::::::          ,/⌒\\
    /::::   , -──-----─'′ ,ノ  ヽl
   l:::  /´::::::::     -─--‐'    ,-‐ .|
.   |::  /::::::::::::    __     /   .|
    |::: l_::::::::::::::   ̄    ̄      _  .|
.    |::::: `‐、:::::    -─- ::::    <´::    |
    |::: i⌒l |::::::      :::::/:::   \    |
.   | |∩| |::::::       ::/:::::    ヽi  |   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.     |:::|| l.| |:::::      | (;::::    _,八_|  | フフ・・・・・・
     |: |6|| |:::::::    _ノ   `‐-― '′ __ノヘ|  | へただなあ 麗くん (43歳童貞警備員)
.     | ゝ.人|::::::   ̄「ミ==-─一^~ニ-‐'1|.|< へたっぴさ・・・・・・・・!
     |::   λ::::    ヾ、、_ニ ̄二二三‐-ノノ .|   | 文章の作り方がへた・・・・
.     |:   |: l:::::::::    `‐ニ二──_二ノ .|  \____________
.      |: |::::丶:::::::::::::       ̄ ̄_,,-‐  丿
.    ,/|: |::::::::丶,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,,/
   /  ||::  ::::::::'ーー‐----―一 ''  ̄|\_
  /   .  |::     :::::::::::::::::::::::|  \
227名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 10:36:46
続きは?








晒しあげ
228名無し物書き@推敲中?:2005/09/16(金) 08:20:50
うんこ小説晒しage
229名無し物書き@推敲中?:2005/09/17(土) 01:33:55
ボロ負けスレあげるなよ 麗
とうとう全員にスルーされてミジメでたまらんかwww
230名無し物書き@推敲中?:2005/09/17(土) 18:11:53
馬鹿晒しage

きんもーっ☆
231名無し物書き@推敲中?:2005/09/19(月) 01:47:42
とりあえず


晒しage
232名無し物書き@推敲中?:2005/09/21(水) 21:49:04
晒しあげ
233†対峠†:2005/12/06(火) 01:55:30
順平達が山奥の診療所に身を潜めて、約1ヶ月が過ぎた。
順平の怪我も随分良くなっており、彼はベッドで柔軟体操をしたりして、なまった体をほぐした。
そんなある日、診療所のポストに一通の手紙が届けられた。
差出人は不明だったが、その内容はかなり残酷なものだった。
『妹を預かっている。返して欲しくば、明日の深夜、1人で、現金1億用意して倉庫に来い』
同封された地図には、その倉庫への道しるべが記載されていた。
その夜、それを見ながら、3人は、丸テーブルを囲んで悩み込んだ。
好三「どうするんや、順平ちゃん」
眉間に深い皺を寄せて、好三が茶髪に尋ねる。
順平「へへ…あいつ…ようやく見つけたぜ…あんの野郎…」
ぶつぶつ独り言を呟き続ける順平。こらあかんわ、とばかりに小太りが首を振る。
好三「蘭ちゃん…もぉコイツはあきまへん…使いもんになりまへんわ…」
蘭「どうやらそのようね…目が完全にイってしまっているもの」
好三「蘭ちゃん…1億も持ってないやろ?」
234†対峠†:2005/12/06(火) 01:57:38
蘭「いいえ…今までの貯金を使えば、何とか1億はあるわ」
好三「あかん、あかんて…その金、もっと大事なことに使わんといかんがな…」
思いもよらない言葉が自分の口から出てきた事実に好三は、驚きを隠せなかった。
蘭「ありがとう…あなた、優しいのね」
女が小太りに微笑みかけた。温かみを帯びた女の眼差しに、小太り男の胸が熱くなる。
好三「任しとかんかい、わしらが何とかしたる!」
言いきって、小太り男がドンと胸を叩いた。
蘭「…でも…どうするの?若い彼は。あの様子じゃ、一緒に連れてくのは危険だわ」
好三「奴はな…今回は参加させるつもりないけん…診療所で大人しくしてて貰うわ。」
好三が、薬剤庫を顎でしゃくった。
「蘭ちゃん、睡眠剤を使うんや…あれをな…あの廃人の首にでもブスッ、や…」
小太りが、不気味に笑いながらジェスチャーしてみせた。それを見た蘭の表情が途端にしらけた…。
235†対峠†:2005/12/06(火) 01:58:33

深夜…遂に、約束の時刻が近づいてきた。好三と蘭は、茶髪男を覚醒剤で眠らせた後、
偽の紙束を詰め込んだトランクケースを持って倉庫に赴いた。
蘭を単独で向かわせ、好三がこっそり後を尾行・監視した。
倉庫内部は、裸電球の薄明かりで朧気に照らし出されていた。ムシ暑く、かなり埃っぽかった。
蘭が先ず、頑丈な鉄製の扉を開いて中に入ると、途端に扉が何者かによって閉められ、鍵をかけられた。
蘭を倉庫内に見失った好三がチッと舌打ちする。これでは監視が出来ない。
仕方ないので、小太りは、入り口の鉄製の扉に耳を押し当てて、中の様子を伺っていた。
その時、彼の背後で、土がジャリッと音を立てたのに、迂闊にも好三は気付かなかった…。
236†失策†:2005/12/06(火) 02:01:26
丁度その頃、中では、蘭が数人の大男達に取り囲まれていた。
その中のリーダー格らしきやや小柄な男が、やがて倉庫の二階からゆっくりと降りてきた。
男「現金は持ってきたんだろうな」
蘭「ええ…まずは妹を返して!」
男「まぁ、そう急くな。まずは自己紹介から…俺の名は遠藤。この犯罪組織を束ねるボスだ。」
葉巻をくゆらせながら、その上品な出で立ちの男はプカ〜と煙を吐き出した。
遠藤「ところで…」
男は、慎重に切り出した。
遠藤「先ずは、そのケースの中身を確認させて貰おうか?」
蘭「嫌だね…妹の安全を確認するのが先だろ?…妹を返して。」
女の媚びない強い口調に遠藤の口元がニヤリと緩む。
遠藤「馬鹿な女だ…が、威勢は一丁前だな、…次の肉奴隷に調教するには最適の逸材だ…」
虚ろな視線を宙に向けるその男の病的な振る舞いに、蘭はゾッとした。
(この男…イかれてる…)
蘭「妹に…一体何をした…」
蘭は、絶望的な状況下で、必死に食い下がった。
男の虚ろな目が、ゆっくりと蘭に向けられる。
237†失策†:2005/12/06(火) 02:01:56
遠藤「妹は?だと。ははは…お前、つくづくめでたい女だな…」
その刹那、男の目がくわっと開いた。蘭の全身を舐める様に眺め回すそのいやらしい視線に、
彼女は思わず強い吐き気を催した。
蘭「妹…美由紀は…どこにいるの…?」
目眩と吐き気に卒倒しそうになりつつも、蘭は何とか必死にこらえた。
遠藤が一際大きな笑い声を上げた。倉庫内に、不気味な音響がこだまする。
遠藤「妹だとぉ?…どうしても聞きたいか…?」
蘭「早く言え!」
必死に叫ぶ女の耳に、残酷な事実が告げられた。
男は、宙を泳ぐような視線を浮かべて、夢遊病者のように身振り手振りを交えて語った。
遠藤「…4ヶ月前…我々は1人の女を誘拐した……それから……集団で…徹底的に犯しまくった…」
男は恍惚の表情を浮かべていた。
遠藤「腹が大きくなってきたのに気がついたのは…丁度一週間前…」
男が途端に歯ぎしりして怒りの感情を露わにした。
遠藤「…闇の人身ブローカーに売り払ったよ……殺すよりはマシだと思ってな…」
蘭「それじゃ…彼女は…美由紀は…!?」
238†捕獲†:2005/12/06(火) 10:30:03
蘭「それじゃ…彼女は…美由紀は…!?」
両手で口を抑えて、女が小さな悲鳴をあげる。
遠藤「ご名答、ここにゃいねえよ…おい、野郎共!!」
遠藤の一括と同時に、屈強な男2人が蘭を後ろ向きにして両手をロープで縛りつける。
口にはガムテープ、目には黒布で目隠しをされた女は、何の抵抗も出来ずにその場に突っ伏した。
遠藤「…さっき連絡が入ってな…裏庭に潜んでいた溝ネズミを一匹捕獲したそうだ…」
男が、小脇に蘭を抱えて、二階へと上がっていく。
遠藤「俺は…これからお楽しみタイムだ…お前らは、溝ネズミの相手をしてやりな…」
ふと思い出したように振り返ると、男は笑った。
遠藤「ケースの中身はどうせフェイクだ…欲しいのは、最初からこの女1人だった…問題ない…」
不気味に言い終えると、遠藤は二階に上がっていった。
一階には、屈強な黒服に身を包んだ男達5人。
それから、…キィと扉が開くと…ボロ雑巾にされた小太りが倉庫内に無造作に放り投げられた。
好三をたった1人で半殺しの目に合わせた青服の男が、合流…計6人となった。
239†死闘†:2005/12/06(火) 10:34:35
(…ガォン……ガォオン…)
遠くからバイクのエンジン音が急速に接近してくる!
「ガォォオオオオオーーー…」
『ドッゴォーーーーーーーン!!!』
鉄製の扉をぶち破り、バイクが唸りをあげて突撃してきた!!
「イーーーーッはぁーーーーーーーッ!!!!!」
『ガシャーーーン…』
犯罪団のど真ん中にバイクを倒れ込まながら、ジャンプして飛び降りる茶髪男!
額から流血、両脚の骨を折られ、身動きのとれなくなった瀕死の好三が力無く呻く。
「…!?……じゅ、順平ちゃん……なん…で……?」
「何だ、コイツは!?」
黒服に身を包んだ屈強な男共が一斉にたじろぐ。
噴煙の立ち込める中を、不敵な笑みを浮かべながら茶髪が素早く駆け出す。
「どーけどけェーーーえ!!!」
脇に差した2本のトンファを素早く取り出すと、すぐ目の前にいる男を殴り散らす順平。
『ゴガガッ』
「うがぁ!」
『ズゥン…』顎、みぞおち、額、各種急所をトンファの先端で撃ち抜かれた男が悶絶して倒れ込む。
「野郎!構うな、そいつもやっちまえ!」
「了解!」
一斉に襲いかかる大柄な男達。その数、残り5人。
240†死闘†:2005/12/06(火) 10:35:49
「ヒュッ!!」
『ゴッ!』
一際背の高い男にトンファを投げつける。
「シィッ!」
『パキャアッ』
ひるんだ男の細身の脚に、すかさず痛烈な右ロー!
「しゃあッ!!」
『フォンッ』
ガクンと体制を崩した男の側頭部に、今度は切り返しの強烈な左ハイ!
『ゴッパァーーーン!!!』
大男が吹き飛ばされる。そのパワーは、とても病み上がりとは思えない。
「ひゅ〜〜ぅ♪今日は一段と飛〜ぶねぇ〜〜〜♪」
爽やかに笑う順平。
「野郎ぉ!」
すぐさま中肉中背の男が突進してくる。
「っヒョオーーーーッ!!!」
順平、そのまま回転→【踏み込み!】→後ろ回し右ハイ!
『ベキィッ!』
男のガードした右腕がへし折れる!
「ぐぁあああ!!?」
「ぶっ飛べぇぇえええええーーーーーーッ!!!」
『ダンッ…』
順平、着地した右脚で地面を蹴り、全体重を載せた飛び左ハイ!!
241†死闘†:2005/12/06(火) 10:38:12
『べキャアッ!!』
側頭部を粉砕され、血を噴き出しながら地べたに蹴り倒される男。
まさに旋風脚。
残る3人の大男が、間伐入れずに3方向から一斉に飛びかかってくる!!
「ヒャッハァーーーーあ!!!」
『タァーーーン…』
素晴らしい跳躍力で宙を舞う順平。
真ん中から走り込んでくる相手に対し、ノーモーションの飛び膝一閃!
『グシャアッ!!』
顔面粉砕!血しぶきをあげて吹き飛ぶ男。
着地した順平に向かって、間伐入れず左右両隣から2人の男が襲いかかる!
その中でも左側の男は、あの好三をたった1人で半殺し状態にした青服の男だ!
「若造がぁ!!」
右側から左ミドルキック、左側から右ストレート!
「ぃーーーヤッ!!!」
『ガキキィッ!』
左ミドルを右脚、右ストレートを左腕で同時ガード、
「クソがぁ!」
『ヒュン』
右側の男が入れ替わりの右ミドル!
『タンッ…』
「ッヒョォーーオ!!!」
順平、バック宙……『ブンッ』右ミドルが空を切る!
着地→体制を崩した右側の男に対し、ダッキング近接→ウィービングフェイント織り交ぜての、
242†死闘†:2005/12/06(火) 10:38:45
『キュッ!』
左足に重心を固めての左ショートアッパー『ゴッ』顎粉砕→左フック『パァーン!!』側頭部粉砕!
『ズダダァーーーン…』
その時一瞬、順平の張り詰めた緊張が緩んだ。
「へっ…捕まえた」
『ガチィッ!』
青服の男が、油断した順平の背後を掴む→力づくで引っこ抜いての豪快なジャーマンスープレックス!

《ゴキャアアッ!!!》

「ぐはぁっ…!!」
後頭部を固いコンクリートの地面に思いっきり叩きつけられる順平。
闘いの風向きが変わった…。
「ぐ…ぅぉぉ…ぉぁあああああーーーー!!!」
襲いくる痺れに全身を震わせながら立ち上がる順平の目前に迫るぶち抜きラリアット!!
『ドガァ…』→クロスガード!体ごと吹っ飛ばされる順平。
『ドシャァーーーー…』
「ぐ…ぅ…ぅぁぁあああああ!!!」
『ベキィッ』
再び立ち上がる順平の右脚に、間伐入れず青服の強烈なローが炸裂!
「がぁ…ッ」
ヒ骨が折れる激痛に崩れ落ちる順平…その顔面を目がけて男の渾身の右ロー!
『トン…ッ』
ヒットの瞬間……順平、軽く跳ねると体をクルッと一回転…!
243†死闘†:2005/12/06(火) 10:41:08
「ィーーーヤッハぁーーーーッ!!!」
『ゴシャア…』
順平、快進の胴廻し回転蹴りが男の脳天を直撃!!
「ぐ…うぉお…」
全身を硬直させたまま、必死に耐える青服の男。
『ガシッ』
跳ね起き様、男の首を両腕で掴むと、瞬時に飛び膝!!
「死んねぇえええ!!!!!」
『グシャア!!』
痛烈な一撃を浴びた瞬間に意識喪失!…崩れ落ちる男。
粉塵立ち込める薄明かりの倉庫内、激戦を制した茶髪が、やがて、ゆっくりと動き出した。
244†死闘†:2005/12/06(火) 10:56:28
激戦を制した茶髪は一呼吸置くと、焦点の定まらない目で好三の方を見てニカッと笑った。
「いょ〜〜ぉ禿げ〜…ざまぁねぇなぁ〜〜〜?…ヒャッハァ〜♪」
まるで酔っ払いの様な、呂律の回らないだらしない口調だった。
「…あかん、順平ちゃん…行くな……二階には……行くなぁ……!」
好三の必死の叫びは、もはや茶髪の耳には届かなかった。
敵のジャーマンで後頭部を地面に叩きつけられた際に、順平の両耳は、衝撃で鼓膜が破れていた。
「…美由紀……いま…助けに行くぜ……」
目を真っ赤に血走らせ、ぶつぶつと独り言を呟きながら、彼はふらつく足どりで歩き出した。
やがて、耳と後頭部からドクドクと血を流しながら、順平はその場を後に、上への階段を登り始めた。
順平のその怪しい挙動を眺める小太りの背筋に、ゾワゾワと冷たい汗が噴き出す。
(順平ちゃん…きっと…きっと生きて帰ってくるんやで…)
好三の悪い予感はやがて的中する事になる。その時、彼は、既に脳内出血を起こしていた…。

245†終焉†:2005/12/06(火) 11:01:09

鉛のように重い足を引きずって、一段、また一段と、最後の力を振り絞って、登り続ける茶髪男。
(ねぇ…順平、この子と〜っても可愛いよねぇ〜!)
「美由紀…」

(順平、まぁた喧嘩してきたのぉ?んもぉ…顔中アザだらけじゃないのぉ…)
「美由紀…」

(あっはははは!やだ〜この子ったらくすぐった〜い!)
「美由紀…」

(ねぇ〜?今日の晩ご飯なんにするぅ?お魚焼いてみたんだけど…焦げちゃった…テヘ)
「美由紀…」

(んもぉバカ!お風呂覗かないでよ〜!スケベなんだからぁ)
「美由紀…」

246†終焉†:2005/12/06(火) 11:02:05
(キャハハ!今日の映画、とっても面白かったねぇ〜!)
「美由紀…」

(ねぇ…順平?もう寝た?…うふふ)
「美由紀…」

(順〜平!なにしてんのよ、早く早く〜電車乗り遅れちゃうよぉ!)
「美由紀…」

(私…順平の赤ちゃん欲しいな〜…ダメ?)
「美由紀…」

(ねぇねぇ、このレストラン、とっても美味しくない?私、気に入っちゃった!)
「美由紀…」

(順平、ちょっとちょっと〜いやぁだ〜なぁにしてんのよ〜!)
「美由紀…」

(私と…一緒に、いつまでもいてくれるよね?…ずっと…きっと約束だよ…?)
「美由紀…」

(順平…愛してるよ…)
「美由紀…」
「美由紀…」
「美由紀…」


ぶつぶつと独り言を呟きながら、階段を一段ずつ登る茶髪男。
247†終焉†:2005/12/06(火) 11:02:54
過去の色々な思い出が、彼の脳裏を走馬灯の様に駆け巡る。

彼の瞳の中には、失った最愛の女性の姿しか映っていなかった。

最愛の女性の幻影しか、見えていなかった。

意識が朦朧としてくる。もう、動く気力もない。それでも、足が勝手に階段を登っていく。

長い、長い階段を登りきった時、彼の目の中に飛び込んできたのは、…最愛の女性?
いや…似ているが少し違う。だが、似ている…女が、裸で横たわってる姿だった。
裸電球の朧な薄明かりが、埃っぽい室内をぼんやりと照らし出している。
その丁度真ん中あたりに、口から一筋の血を垂れ流した裸体で倒れている女性。

「み…美由…紀…?」
彼の焦点が蘭の死体を捉えるまでには、少し時間が必要だった。

「はは…美由紀…お前…なに…寝てんだよ…」
順平が、目に涙をためて女の傍によろよろと跪いた。

248†終焉†:2005/12/06(火) 11:04:41
「なに…裸で寝てんだよ…はは…いい加減…起きろよ…」
彼は、泣き笑いに似た廃人のような表情をしていた。

「美由紀…ほら…起きろよ…迎えに来たぜ…?」
女の体はピクリともしない。
茶髪が蘭の死体を、そ…と抱きおこした。

「起きろよ…なぁにいつまでも寝たふりしてるんだよ…っ!」
茶髪が冷たくなった蘭の体を激しく揺さぶった。

「美由紀…起きろよ…なぁ…一体どうしちまったんだよ…!?」
蘭の首がカクンと折れ曲がった。首の骨が折れていた。

249†終焉†:2005/12/06(火) 11:27:06
「悪い冗談はよせよ…美由紀……美由紀ぃ!!」
力無い手で、蘭の頬をパシパシとひっぱたく茶髪男。

「ふざけるのもいい加減にしろよ…!また2人で暮らすんじゃなかったのかよ…ッ!」
自然に、涙がとめどなく溢れ出てきた。

「なんで…どうして!急に出て行ったりしたんだよ…理由ぐれえ聞かせてくれよぉッ!!」
涙声で叫び続ける順平。
「野郎…起きやがれ!!いい加減にしやがれこの野郎ぉ!!」
微動だにしない蘭の裸体を力一杯抱きしめながら絶叫する茶髪男。

「くそったれがぁ!!勝手に死んでんじゃあねぇよーーーーーッ!!!!!」

下では、順平の悲しみに満ちた絶叫を聞いていた瀕死の小太りが…静かに涙を流していた。
250†epilog†:2005/12/06(火) 11:29:35

「おい、いつまで寝てるんだ。」
女の低い声で目を覚ました順平。そこは薄暗い洞穴の中だった。
「随分とうなされてたぞ。また昔の悪い夢でも見てたのか?」
「…え?…お前…霞…」
黒のタンクトップに黒のミニパンツを穿いた女が、彼を冷たい眼差しで見つめていた。
「夜明けと共に出発だ。」
そう言い放つと、女が小さな顔を順平に近づけた。
「…大丈夫か?」
憂いを帯びた漆黒の瞳が順平を見つめる。
「…あ…ああ……昔の夢を見てた……」
頭がズキズキと痛む。後頭部を抑えながら、彼はゆっくりと体を起こした。
「…なぁ霞…お前は…俺の過去を…何故知ってるんだよ…」
切れ長の睫に隠れた澄んだ瞳が悲しく曇る。
「簡単なテレパスだ。お前の脳波を読みとらせて貰った…」
女がフイと顔を背ける。
「あの後、蘭という女を殺した男は非常口から逃走…小太りの男は、そのまま絶命したんだ。」
冷酷な口調で淡々と話を続ける女。
「お前は、倉庫で意識を失い、数日間、生死の境をさ迷った。」
女が再び順平を見た。澄んだ眼差しが陰る。
251†epilog†:2005/12/06(火) 11:30:05
「黒服の犯罪者共は、お前を死んだと思ってトドメを刺さずに逃走…結局、あの晩生き残ったのは」
女の鋭い視線が順平を見据えた。
「お前1人だけだった。」
「はッ…何を今更…」
茶髪男が軽く笑った。
「つまんねぇ話を今更すんなよ…霞」
「つまらないだと?貴様はどこまで自分に嘘付きなんだ。」
女が順平のシャツの襟首をグイと掴み、自分の顔に引き寄せた。その手に思わず力が籠もる。
「愛する存在を失ったお前の苦しみが痛い程に伝わってきた。」
霞が順平をグイと抱き寄せた。
「お前に二度と辛い思いはさせたくないんだ。」
その柔らかな唇から、ふぅと溜め息が漏れた。
「私がお前を守ってみせる…絶対だ。」
茶髪の頬が赤くなる。
「へッ…まさか女に守って貰う事になるとはね…俺もヤキが回ったかな…」
「好きなんだ…お前のことが…」
252†epilog†:2005/12/06(火) 11:32:02
次の瞬間、女が茶髪を抱き寄せて口づけした。
「…ぅ…む…」
欲情的な、熱い口づけだった。
(お前は私のものだ…忘れるな…お前だけは…私が必ず…必ず…命を賭けて…守る…)
黒のレザーの女が、強引に茶髪を押し倒した。
『ドサッ…』
…夜明け前…決戦前夜の情事だった。

【完】


【順平は、その後、霞を庇って絶命します。詳細は、創作文芸板◆バトラー・イン・ザ・ダーク◆】
253†番外編†:2005/12/06(火) 11:54:44
順平「おい禿げ、急患だ、今から緊急オペ始めんぞ、助手を頼む。」
好三「なんやて?堪忍してぇな順平ちゃん…わし、直明けから1日外来でくたくたやのにぃ…」
泣きべそをかく中年の小太り男を尻目に、茶髪男は続ける。
順平「つべこべ言ってんじゃねぇよ…おら禿げ、とっととオペ着に着替えんだよ!」
好三「ひぇ〜…んな殺生な〜」
泣き言を呟く小太りの横で黙々とオペ着に着替える茶髪男。
順平「俺ぁ先に麻酔かけとくからよ、ほら、さっさと着替えて手洗いして来いよ。」
着替え部屋を出る直前、ふと茶髪が振り返る。小太りに笑顔を向けると、ニカッと笑った。
順平「終わったらパブでも行こーぜ。んじゃ、お先に行って待ってんぜぇ♪」

30分後…茶髪男は苛立ちを隠せなかった。たまらず付き添いの看護婦に怒鳴る。
順平「看護婦さんよぉ、あのデブはまだ手洗いしてんのかい!?」
看護婦「こ…好三先生は…なんでもお腹の具合が突然悪くなったとかで…確か、今もトイレに…」
順平「ふざけんな!一刻を争うこの大事な時に、トイレで気張ってるだとお?」
看護婦「は…はぅぅ…」
254†番外編†:2005/12/06(火) 11:56:30
怯える看護婦を血走った目で睨みつけると、順平は言いきった。
「あのデブは多分来ないつもりだ、俺達2人で今より胃ガンのオペを開始する!」

更に30分後、茶髪男は危機を感じていた。
難しいとされる胃全摘のオペ、皮切から開腹までは順調だったが、肝心の血管の結刹が上手くいかない。
順平「く…ここまでなのか…」
諦めかけたその時だった。オペ室の扉がガーと開くと、そこには小太りの中年男が立っていた。
好三「お待たせ♪順平ちゃん」
順平「おぉ…来てくれると信じてたぜ、禿げ!」
順平の満面に笑顔がこぼれる。
順平「よし、お前ぇが第一助手を務めてくれりゃあ百人力だ、時間もねぇ、早ぇとこ終わらせんぞ!」
好三「よっしゃ。任しとき!わしが来たからにゃあ、大船に乗ったつもりでいろやぁあ!!」
小太りがドンと胸を叩いた。
255†番外編†:2005/12/06(火) 11:58:37
更に30分後…茶髪男は荒れていた。
順平「コッヘル、コッヘル!なぁにモタモタしてんだよ禿げ!!」好三「今渡すがなぁ順平ちゃ〜ん!」
『カシャーン…』
乾いた音を立ててコッヘルが床に落ちた。
好三「あちゃ〜…まぁたやってもうた…」
順平「これで何度目だと思ってんだよ腐れブタ!早く新しいのよこせってば!!」
好三「ケッ、えっらそーに…何様のつもりじゃいわれぇ…」
小太りがぶち切れた。
順平「仲間割れしてる場合じゃねーだろ!さっさと新しいコッヘルよこしゃぁがれ!」
好三「へいへい…」
小太りの横柄な態度に、茶髪の目つきが一際険しくなる。
好三「お〜こわ…」

256†番外編†:2005/12/06(火) 12:00:35
更に30分後…オペ室内は、罵声と怒号が飛び交っていた。
順平「バッカ野郎、てめぇ、禿げ!その血管切んなっつったろぉ!!」
好三「うるせーんじゃガキゃあ!そっちこそ早よ胃ぃ、取り出さんかいやぁ!!」
順平「お前ぇが大事な太い血管切りゃぁがったせいで、血圧下がってんだろぉがぁ!!」
好三「うるせぇえ!良く聞けこん糞ガキゃあ…例え死んでもなぁ、
責任は全部、執刀医のお前ぇがかぶるんだでよぉ、わしにゃあ関係ねぇんじゃぁああ!!!」
その刹那、怒りの余り、茶髪の全身に鳥肌が立った。
順平「な…なんだと……!?きっさまぁ〜〜〜〜!!!」
好三「なんじゃい、やるんかいわりゃあ!!」
順平「くっ…今ぁ喧嘩してる場合じゃねぇ…デブ…オペが終わった後……分かってるよな……?」
好三「じゃかぁしい!こんな血管、焼きゃあええんじゃい!焼きゃあ!!」
小太りの中年禿げは、突然、電気メスを取り上げると、それを大動脈に押し当てた。
順平「ま…何しゃがる…!」
『ジュジュゥゥーーーッ…』
たちまち焦げ臭い匂いが室内中に充満する。
257†番外編†:2005/12/06(火) 12:02:47
次の瞬間、茶髪男が、小太りに飛びかかった!!
順平「何てことしてくれたんだぁあああ!!!!」
好三「ウホッ♪」
順平の右ストレートをしゃがんで交わすと、小太りは強烈な左アッパーを繰り出した。
『グシャアッ…』
「キャアアアアアーーー!!!」
看護婦の恐怖に満ちた悲鳴がオペ室内に響き渡る。
インターホンで呼び出しを受けた院長が慌てて駆けつける、オペ室の扉を開けると、そこには…

顔面血まみれで失神している茶髪男が床に突っ伏しており、
オペ台の上には、出血多量で死亡した患者が横たわっていた。
事態を重くみた院長は、ゴクリと唾を飲むと、室内をゆっくりと見回した。
やがて部屋の片隅を見た時…院長は、余りの凄惨な光景に、心臓発作で倒れてしまった。
そこには、立ちバックで看護婦のケツに夢中で腰を打ちつける、狂った小太り男がいた…。

【終幕】

258†worker†:2005/12/06(火) 14:05:51

朝日が眩しい。
ベッドから這い出ると、彼はシャワーを浴びた。
朝食のパンを食べると、汚れたシャツを着て、黒い革ジャンを羽織る。
ズボンは黒のレザーパンツだ。
赤ソックスに体操靴。両拳には紺のグローブ。
茶色の髪をムースで逆立て、バリバリに固める。
黒いグラサンを装着、口にくわえた煙草にシュボッと火を点ける。
鏡を一瞥、ニカッと笑うと、グラサンの奥がキラリと光った。

『ゴゥン…ゴゥゥン…』
真っ赤な川崎のバイクに跨ると、アクセル全開、朝日の街中に駆け出した。
『コォォォォォ…』
向かい風が彼の髪をバサバサとなびかせる。
バイクを駆る時、彼は極めて真剣な表情になる。頭の中は真っ白だ。
ひんやり冷たい外気が頬を撫でる、風と同化する。彼はまたもニカッと笑った。
『ギャギャギャッ!』
警察署の前にバイクを止めると、ひらりと飛び降りた。
入り口付近にて、同僚の男がすれ違い様、朗らかに挨拶する。
「順平ちゃん、今日も派手よのう!」
男の名前は怨三。殺された好三の弟だ。
年は50代、殺された兄に似て、頭が見事に禿げ上がっていた。
体格は、兄に似て小太りだった。
259†worker†:2005/12/06(火) 14:06:38
一方の茶髪男は、20代、背丈は170ちょいと小柄ながら、締まった体をしていた。
「いょ〜お。禿げ具合に更に磨きかかってきたじゃね〜か。ヒャハ♪」
「んもお、からかわんといて〜なぁ!」
小太りは、ほれっと鍵を投げ渡した。
「順平ちゃん、出入り自由や、今日も好きに遊んできや!」
「サンキュー怨三!」
資料室の鍵を開けると、真っ暗な部屋の中で、茶髪はぶつぶつ独り言を呟く。
「美由紀…きっと、探し出してやる…」
『パチッ』
部屋の蛍光灯がパッと一斉に点灯し、茶髪は目眩を覚えた。
『ガララ…』
引き戸を開けると、過去数年間の事件簿を取り出した。
260†worker†:2005/12/06(火) 14:07:44
『ブゥ…ン』
パソコンの電源を立ち上げる。カチカチ…パラッ…パラッ…カチカチ…
資料に目を通しながら、ネットで事件の流れを追う順平。
作業は、もうかれこれ数ヶ月続いてきた。
犯人の消息を知る手がかりが欲しかった。
「ん…こいつぁ…」
2日後、闇オークションの開催が横浜で予定されてるとの情報を突き止めた。
「もし…奴らが関わってたなら…」
茶髪の目がキラリと光った。
261†worker†:2005/12/06(火) 14:09:01

2日後、深夜。
首都高をバイクで疾走する男が一人。
『コォォォォォーー…』
メーターは100kmを超えていた。
強風にバタバタと黒い革ジャンをなびかせる。茶のツンツン髪はバサバサだ。
黒いグラサンの奥が燃えている。怒り、激情、恨み、殺意。
『ゴパァーーーー…』
バイクが横浜ICにて急カーブした。とっさのハンドリングで全体重を傾ける。
『キュキュキュキュ…』
地面に真っ赤な火花が散った。
『ドルン…』
裏取引先の港に着いた順平。ひらりとバイクから飛び降りる。
262†worker†:2005/12/06(火) 14:10:47
港は、コンテナやクレーン車等の機械が溢れ、迷路の様になっていた。
「チッ…場所が分からねぇ」
腕時計を見る。深夜23:50分…オークション開始まであと10分。
『ヴヴヴ…』その時、焦る茶髪の内ポケットが振動した。
ピッ「俺だが」
「順平ちゃん?わしや!」
聞き覚えのある男の声。
「禿げ?何だよ、こんな時に!」
「場所が分かった!港口から13番目の倉庫の中、目印は車や!」
「車か…サンキュー!」
ピッ!電源を切ると、茶髪はゴキッと指を鳴らした。
「美由紀ィ…」
不気味な笑みが口元に浮かんだ。
タタタタ…闇夜を走る黒い人影が一つ。
その少し先に13倉庫がそびえ立つ。倉庫の周りには黒い高級車が数台。
263†striker†:2005/12/06(火) 14:23:11

「オォオオオォ…」
倉庫内は、熱狂的な盛り上がりを見せていた。
ピー…マイクの音響が耳をつんざく。
「えー、皆様、大変お待たせ致しました。ではこれより、開催致します!」
「ウォォオオオ…ン」
黒服を着た司会者の挨拶に伴い、拍手喝采の大満場だ。
「商品No.1、アヘン10t!」
10.000j!いいや、100.000jだ!俺は1000.000j出す!
こうして次々に落札されてゆく。
「商品No.5、美女!」
遂に、胸踊る瞬間がやってきた。眩いライトに照らし出された中に現れたのは、紛れもなく…
「美由紀ッ!!」
茶髪が会場内へ飛び出した。黒服の集団に瞬時に取り囲まれる。
「侵入者だ、殺せ!」
合図に伴って黒服集団が一斉に銃を取る。
「バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!」
ズシャアーー…転がりながらコンテナの影に隠れる茶髪男。
「へへへっ…ひゃははっ!」
シュボッ…煙草を取り出し火をつけて一服。
プハァ〜…煙を吐き出しながら、愛しの女性に巡り会えた余韻に浸る茶髪。
(まだだ…まだこれからだ…)
彼は素早くポケットの中から数個のビー玉を取り出した。
(行くぜ美由紀ィ!!)
264†striker†:2005/12/06(火) 14:23:42
『バサァッ…』電灯でぼんやり照らされた宙の中に黒い影が舞う。
『バンッバンッバンッ!』
たちまち銃弾の雨を浴びて蜂の巣にされる物体は…ジャンパーだ!
「ィ〜〜〜ヤッはぁーーーーッ!!」
超低空タックルで猛進、男の1人を肩からぶちかましてぶっ飛ばす茶髪男。
数人の男達がすかさず銃を向ける。その瞬間!ヒュッ…
『パリィーン…』
電灯が割られ、狭い倉庫内は真っ暗闇と化す。
「撃つな!共倒れになる!」
「セイッ!!」
ビュン…『ドッパァーーン…』
強烈な左ミドルで吹っ飛ばされる男。
残りの黒服達がざわめく。
「イョーーーーオッ!!」
『ゴシャアッ』回転右エルボーで黒服の顔面粉砕!順平そのまま回転…
「はぃーーーーヤッ!!」
『ゴッパァーーーーン』右後ろ廻し蹴り!吹き飛ぶ黒服。
「シッ!!」
『ゴキャア』飛び込み右ロングアッパー!黒服の顎が潰れる。
「イーーーーーッ!!」
『ベキャアッ』アバラをぶち折る左ボディ!キュン…順平逆回転…
「ッハァーーーーーー!!」
ヒュン…『グシャアッ』ガードの上から強引に左廻しハイ!蹴り倒される黒服。
「固まれ!一カ所に集まるんだ!」
265†striker†:2005/12/06(火) 14:25:27
その直後…タタタタ…駆け足の音…
『ダン!』
「ッヒョォーーーーーオ!!!」
『グシャア!!!』
顔面を思いきり飛び蹴り!!ぶっ飛ばされて、ドミノ倒しに崩し倒される男達。
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねェェェエェェェエーーーーーーッ!!!」
倒れた男達の顔面や体中をスタンピングで力一杯踏みつける茶髪男。
『ベキャゴキャバキャグチャア…ッ!』
骨の折れる音、内臓の潰れる音…地獄の様な破壊音が倉庫内に反響する。
最後に残された司会の男が素早く銃を向ける。
『パンッパンッ!』
チュイィーーン…ドラム缶に跳ね返る銃弾。
『ヒュ…』その直後、焦る男の真後ろに現れた順平!男の腰を両腕ロック、仰け反り…
「貴様は死ねぇえッ!!!!!」
『ベキベキィッ!!』
豪快な低空ジャーマンで男の首を完全破壊!!!
その間、ものの1分の出来事だった…。

266†sound†:2005/12/06(火) 14:29:36

男達を潰し終えた順平の耳に、女の嗚咽が聞こえる。
「美由紀…」
彼女が、順平の声に反応した。
「順平…?」
『ガシッ』
「ほら、もたもたしてんじゃねぇ!」
暗闇の中、茶髪男が女の手を掴んで走り出した。
「あ…ちょっとぉ!」
「しっかり掴まってろよぉ!」
『ドルン…ドルン…』
美由紀を後部座席に載せると、ひらりと飛び乗りアクセル全開だ。
『バゴォオン!』
ガァァァァーーー…首都高を駆け抜ける茶髪の脳内に、メランコリックなメロディーが流れていた。
チュン…チュン…
「ねぇ…起きて…」
目が覚めると、自室の床に寝てた。
「美由紀…」
順平の瞳の中に、あの女性がいた。ずっと探し求めてた最愛の女性がいた。
「朝だよ…」
優しく微笑む彼女の姿が、順平には、まるで天使に見えた。
(やっと…一緒になれたな…美由紀)
ガバッと彼女を抱き寄せると、熱い口づけを交わす2人。

…こうして、霞の変化により、順平の運命もまた変わっていた。
彼は、今度こそ、幸せな家庭を手に入れたハズだった。
そう…嫉妬に狂った女魔道師が、彼を奪いに現れるまでは…。
267†magic†:2005/12/06(火) 14:31:36

真っ赤な満月の夜だった。強い風に吹かれながら、その女魔道師は、高台の上に立つ。
長い黒髪がバサバサと絹のようにはためく。
女は、妖しい笑みを口元にたたえて、暗闇の空に向けて両手を広げた。
『次元の壁を破り…我を運び賜え…』
ガガッ…稲妻が闇夜に光った。
『デヴィジョン!!』
空間がグニャリと捻れる。七色のオーロラを放ち、宙が渦を巻く。
ガガッ…再び雷鳴が轟く。稲光が闇を照らす…そこには女の姿は無かった。
268†scan†:2005/12/06(火) 14:45:22
職探しに没頭していた順平の眼前の空間が捻れる。
「な…なんだ?」
目を丸くして覗き込む彼の前に、異空間から女魔道師が現れる。
「見つけた…」
漆黒の瞳が妖しく光る。
「な…何者だテメェ!」
ブンッ…茶髪が雑誌を投げつける。
『業火!!』
ボゥン…ぶ厚い雑誌が燃え落ちた。
「な…な?!」
椅子から跳ね上がって逃げ出す順平。
「待て!なぜ逃げる!」
茶髪の行動に不審を抱いた霞は、テレパスで彼の記憶を読んだ。
「…バカな…」
衝撃が彼女の全身を貫いた。
「あの女が…」
霞は、両の拳を力一杯握り締めた。
269†拉致†:2005/12/06(火) 14:46:53

黒パンに黒ブラの女魔道師は、体育座りのまま悲嘆に暮れた。
「私は…」
彼女の夢は、無惨な現実に打ち砕かれた。
「美由紀…か」
自虐的にふっと笑うと、彼女は深い溜め息を一つ吐いた。
「…彼は…もう…私を必要としていない…」
彼女はふらふらと立ち上がると、行き場を無くした捨て猫の様な寂しい顔をした。
「デヴィジョンは…一生に一度しか使えないのに…」
彼女は、生涯を順平に捧げる覚悟で、時空を越えてきた。
彼と幸せな家庭を築く事だけを夢見て、闘ってきた。生き続けてきた。
…今の彼女は、生き甲斐を失った、ただの異邦人だった。
「…どうしよう…」
彼女はいつまでもぶつぶつと呟き続けた。
彼女の奇抜な格好に、道行く人が次々に振り返る。
「ひゅ〜。活かしてんねぇ〜」
途中、ガラの悪い不良達に声をかけられた。
「………」
ガシッ!無言で通り過ぎようとする彼女の腕が強い力で掴まれた。
「あ…何を…」
驚いて振り返る彼女の口に、いきなりハンカチが押し当てられた。
「うむぅ…!」
強力な催眠薬を吸わされた霞は、何の抵抗も出来ず、ふらりと倒れ込む。
ガシッと男達が彼女を掴むと、数人がかりで運び、ワゴン車に押し込んだ。
270†accident†:2005/12/06(火) 14:57:28

遠くなる意識の中、彼女が必死に叫び続けてた言葉。『順平』
彼女の心の声が届いたのか、茶髪の男はバイクを駆らざるを得なかった。
『ボボボ…バゴォン…』
排気音が唸る、アクセル全開だ。
『ガォォォオーー…』
道路は渋滞だった。道行く車の合間を縫って疾走する真っ赤なバイク。
「あいつが呼んでやがる…」
彼の中に、謎の女の助けを呼ぶ声がリフレインしていた。
ハッ…その時突然、彼の目の前にババァが飛び出してきた!
「くそったれがぁあッ!!」
『ギュパァアー…』
避けようと無理にハンドルを切る、その瞬間、彼の体がバイクから吹き飛んだ…。
271†panic†:2005/12/06(火) 15:00:47

『ドコォオ!』
吹き飛ばされた順平の体が、白いワゴン車に衝突した!
「グハァ…ッ」
血を吐き、白目を剥いて失神する順平。
ぶつかった振動で、中の男達が慌てる。
「何事だぁ!」モヒカンが叫ぶ。
「変な男がぶつかってきやがった!」金髪が声を荒げる。
「渋滞で動けねえって時によ…くそったれがぁ!」スキンヘッドが歯ぎしりする。
「ヤベェ、警察来やがった!」サイレン音を聞いたオールバックがペッと煙草を吐き捨てた。
やがてパトカーが白いワゴン車の前で止まった。
ガーと運転席の窓が開き、とりあえずモヒカンが顔を出した。
4人の男達が身構える、パトカーから降りてきたのは、小太りの中年禿げだった。
「こいつぁ人身事故や、お前ら免許証を出せやぁ!」
小太りが鋭い目つきで男達を威嚇する。
「免許証だと…?」
モヒカンの顔色が途端に変わった。
「んなもん持ってねーべ?あ、な?」口からペッと唾を吐きかけた。
唾を頭頂部に吐かれた怨三の表情が一気に険しくなる。
「どりゃあ!!」
とっさに襟首を掴むと、窓からモヒカンを背負い投げた。
272†panic†:2005/12/06(火) 15:02:27
『ドカァ!』ゲハァ…たちまち道路の真ん中で嘔吐するモヒカン。
「どんどんかかって来いやぁあ!!」
すっかり興奮した怨三が、腹の底から大声を上げる。
バタム…たまらず扉を開けてスキンヘッドが飛び出してきた。
「ざっけんじゃねぇえーッ!!」
『ビュン』飛びかかり様の右ストレート!
「ウホッ♪」
シュッ…怨三しゃがみ込み、右ストレートが頭頂部を掠める。
「どっせいぃ!」
怨三、寝転び際すかさず巴投げ、ふわり…とスキンヘッドが宙に舞う。
273†panic†:2005/12/06(火) 15:10:56
『ガッシャァアー…ン』後方の車のフロントガラス直撃!ガラスが粉々に砕け散る。
「ぎゃあああああ!!」
運転していたババァの顔面血まみれ!
バタムッ…今度はオールバックが真っ赤な顔で踊り出てきた…瞬間、
『ズダァン!!』
見事な一本背負い!ボキィ…オールバックの背骨が折れた。
最後に残された金髪が焦って車を走らせる!
『ドカァン!』
前方の車に衝突!血まみれで運転席から飛び出てきた男を、怨三、相手の襟首がっちりキャッチ!
「せいやぁあッ!!」
逆さ落とし!ベキャア…ッ! 首の骨が折れ、金髪、即死!
「あっちゃ〜、やり過ぎてもうた〜…」
怨三、走って逃走!
結局、ワゴン車の中には、催眠薬で眠らさた霞だけが残された。

274†panic†:2005/12/06(火) 15:18:38

病院内の個室のベッドに、その茶髪は寝ていた。
お見舞いから帰った美由紀は、彼のアパートで留守番しているハズだ。
美由紀が居なくなった後、順平の個室にテレポで女が現れた。
催眠薬の効果が切れた後、彼女はテレパスで彼の居場所を見つけたのだった。
初めは驚いていた茶髪だったが、次第に、この女が異次元の世界からやって来た魔道師だと理解した。
「てめぇ…バイクの修理代、ちゃんと払えよな…」
霞はベッド横の腰掛け椅子に座っていた。彼女は俯いたまま、ぼそっと答えた。
「お金なんて…持ってないもの…」
「はぁ〜…」
やれやれと首を振る順平。ベッドから起き上がる。
「痛つつ…」
彼の逞しい上半身は、肩から背中にかけて包帯が巻かれていた。
「…?」
彼の鍛え上げられた肉体を前に、顔をあげた霞は目を潤ませた。
(順平…)
彼女の心の中で熱い激情が渦巻く。霞は茶髪の体を無言のままじっと見つめていた。
「おい、聞いてんのかよ。ちゃんと金払えよなー」
逆立てた髪はぐしゃぐしゃだ。彼の目尻が険しく吊り上がる。
「聞いてんのかッ!」
怒鳴り声にビクッとする霞。ようやく我にかえった。
275†hospital†:2005/12/06(火) 15:19:55
「え…な、何?」
頭の中がポーッとしている。彼女は虚ろな目で茶髪の顔を見た。
「…なぜ怒ってるの?」
順平は、ハァ〜と首を振ると、深い溜め息をついた。
「もういいよ…」
「あ…お金は無いけど…せめて、これくらいは…」
ギシ…力無くうなだれる順平の腰の辺りに、女がのしかかった。
「…わ、わ!?」
女は、仰天する茶髪のシーツを剥ぐと、彼のパジャマと下着をスルリとずり降ろした。
「うふ…可愛い…」
妖艶な眼差しをじっと順平の下腹部に向けている。
「バカ、やめろ!」
ドン…茶髪を押し倒すと、女は髪をかき上げて、彼のペ○スをカポッとくわえ込んだ。
四つ這いの体勢で、ジュポジュポと美味しそうにペ○スをしゃぶる霞。
「…く…いきなり何しゃがる…」
ねっとり絡みつく霞の舌が、順平のペ○スを刺激する。
彼女の柔らかな唇が捲れ、順平を根元まで優しく包み込む。
「んふ…」
時に長い髪をかき上げては、彼女は頭を前後してフェラを続ける。
「ん…むぅ…」
彼女の頭の動きが徐々に激しくなる。順平のエキスを絞り取るように強く吸い込む。
276†hospital†:2005/12/06(火) 15:22:19
「んむ…!?」
先端が、喉の奥に当たって、たまらずむせた。
「!!ケホッ、ケホッ!」
刺激で目に涙がブワッと溢れる。
彼女は一通り咳き込むと、ハァ…と息を整えて、再び奥までくわえ込んだ。
「う…む…」
ヌルリ…熱くてぬめぬめした感触が、茶髪のペ○スを襲う。
彼女の蠢く腔内で、我慢の限界を迎えた茶髪は、たまらず白濁液を放出した。
ビュクッビュクン…
「んむう…!?」
喉奥に流れ込んでくる苦い液体にむせ返りそうになりながらも、一滴残さずに飲み込む霞。
彼女の鼻先にツーンとした強烈な匂いが充満する。
「ん…くぅ…」
目に涙を溜めて、懸命に、液体をこくんと飲み込んだ。
「はぁ…はぁ…」
息を切らしながら、彼女は満足気な笑みを満面に浮かべた。
「うふ…いっぱい飲んじゃった…」
277†hospital†:2005/12/06(火) 15:23:37
唇をペロリと舐めて、彼女は愛おしそうに順平を見つめた。
「…順平?」
茶髪は、ぐったりしていた。そういえば、行為の最中も、一言も喋らなかった。
「…あ、…ごめんなさい…」
頬を真っ赤に染めて、彼女は恥ずかしそうに俯いた。
(私…やっぱり邪魔なのかな…)
彼女が、いそいそとベッドを下りようとした時だった。
ガシッ…手首を思いきり掴まれた彼女が、黒い目を大きく見開いて茶髪を見た。
「まだだ…逃がさねぇぜ…」
すっかり彼は悪魔の様な凄まじい形相になっていた。
「孕ませてやる…」
彼は、眉間に皺を寄せ、野獣の様にギラついた真っ赤な目で霞を睨みつけた。
「……え?」
呆気に取られた霞の作り笑いがひくっと痙攣した。
278†hospital†:2005/12/06(火) 15:27:01

〜(一部略)〜
夜、茶髪の男はズキズキ痛む頭を抱え込んでいた。
あの妙な女魔道師の中に3発も出してしまった。
彼は自分の愚かさを呪った。
女はすっかりご機嫌で、気持ち良さそうに病室のシャワーを浴びていた。
シャワー室の中から聞こえてくる軽やかな歌声に、茶髪は苛立ちを覚えた。
(ちきしょう…ひでえ歌だぜ)
音痴というか、聞いた事もない変てこりんなその民謡歌が、茶髪の怒りに拍車をかけた。
(くそったれがぁあッ!!)
『ドンッ』茶髪は、たまりかねて壁をぶっ叩いた。

【これが機に、彼女は妊娠し、茶髪は美由紀に振られますw】
279†番外編A†:2005/12/06(火) 15:39:51

スロ屋に入ると、順平は財布の中から紙幣を取り出した。
それを目を丸くして見つめる怨三。
「ん?何だよ、気持ち悪ぃな…」
怨三の熱い視線に気づいた茶髪は、怪訝そうに財布の中身をそっと隠した。
「おほッ♪い〜もん持ってるじゃないのぉ、順平ちゃ〜ん♪」
猫撫で声を震わせながら纏わりついてくるハゲに、茶髪は苛立ちを覚えた。
「あ〜もぅ、鬱陶しいな!分かったよ…ほら。」
一万円札を差し出すと、小太りが、目をカッと見開いて順平を見た。
「ヒャハッ♪」
その小太りは驚くべき速さで、紙幣をピッと剥ぎ取った。
「グヘヘ…」
にやけ笑いを浮かべながら、もぞもぞと紙幣をズボンのポケットの中にしまい込む小太り。
余りにも卑しいその行動に、茶髪はプッと失笑してしまった。
「さぁハゲ、好きな島で好きな台打てよ、俺は吉宗の島にいるからよ。」
「うほっ♪」
そう叫んで猿の様に口をすぼませると、不気味に笑いながら怨三はホールの奥へと姿を消した。
280†番外編A†:2005/12/06(火) 15:41:45
50分後……茶髪は、貧乏揺すりが止まらなかった。
(ダメだこの糞台…演出も何も出やしねー…)
知識も皆無の順平は、201G止めの吉宗を、415Gまで回して辞めた。
(ふすま全然閉まんねーし、…このボッタ台が!)
ガンッと台を小突くと、茶髪はふらりと席を立った。
ふと見ると、黒ぶちメガネのデブエナが、島の端で、じっと立ちながら順平の台を見つめていた。
茶髪が台をどいた瞬間に、そのデブエナは、瞬間移動…見事にスッとさり気なく台をキープした。
(18kもスっちまった…また美由紀に怒られるな…)
ボリボリと髪を掻きむしりながら、茶髪は自販機のジュースを買った。
ガシャコン…冷えたコーラを飲みながら、茶髪は怨三を探して、島を巡回した。
(あれ…、ひょっとして怨三か…?)
鬼武者の島で小太りを発見した茶髪は、慌ててコーラを飲み干した。
島の真ん中の台で、ドル箱4杯並盛りしてる怨三の傍に急いで駆け寄る茶髪。
「よお、絶好調じゃねーかよハゲ!」
順平は、満面に清々しい笑みを湛えて、怨三の背中をポンと叩いた。
背中を丸めながら、いそいそとメダルを箱に詰めていた怨三の体が、ビクッと反応した。
281†番外編A†:2005/12/06(火) 15:42:48
だが、小太りは茶髪には目もくれず、黙って鬼武者を回し始めた。
「おい…怨三…」
小太りのただならぬ気配に気づいた茶髪が、ふと液晶を見ると、ミシェルが走っていた。
何故か、そこで怨三のボタンを押す手がピタッと止まる。
続いて、怨三が第2ボタンをゆっくり押すと、バッと服を脱ぐミシェル。
『ブルル〜ン♪ポインポインポイン…』
まさにその瞬間だった。怨三の目が一瞬、クワッと大きく見開かれた。
「グフフ…」
目を真っ赤に充血させながら、小太りは前屈みになって液晶をぐっと見つめる。
「はぁ…な〜にやってんだよぉ、ハゲ…」
茶髪は髪をぐしゃぐしゃと掻きむしりながら、周囲を見回した。
島の奥にいた若い店員が、にやにやしながら怨三の様子をずっと観察していた。
(ひゃ〜、いい恥じ晒しだなぁ…)
茶髪は他人のフリをしながら、怨三の傍を急いで離れた。
(あと1万あるし…また何か適当に打ってみっかな…)
282†番外編A†:2005/12/06(火) 15:44:54
と、その時。吉宗の島を通った茶髪は、思わず我が目を疑った。
「なっ…!」
自分が先程まで打っていた台がピカピカと光っていた。
その眩しい光を顔面に浴びながら、恍惚の表情で姫ビジを淡々と消化するキモデブ。
(あ…あんの野郎〜…俺の目の前で…『姫BIG』を…)
茶髪の中でドス黒い殺意が渦巻いた。
島の中に入ると、通り過ぎながら、BB履歴をチラッと見た。
(くっ…BIG2回も引きやがったか…)
更に液晶を見た途端、茶髪の全身に電気が走った。
(ぐっ……おみくじに当選してやがる…)
ダダッ…茶髪は急いで店を飛び出した。
店を出ると、自販機の横にあるゴミ箱で吐いた。
「ゲハッ!…カハッ……!」
あのまま店にいると、さっきのキモデブを殴り殺してしまいそうな気がしたのだ。
「ハッ…ハァ…ハァ……」
しばし呼吸を整えると、彼はタバコを出して一服…精神の安定を図った。
スパァ〜…夕日が目に染みる…かなりの時間が経過した。
(怨三…もうお前ぇしかいねぇ…)
暫くする内に、茶髪の中で、ふと安心感が湧いた。それは、あの小太りハゲの箱だった。
(元はと言えば俺の金じゃねえかよ…奴の出玉…)
283†番外編A†:2005/12/06(火) 15:46:03
再びホールの中に入ると、茶髪は急いで鬼武者の島へと急いだ。
すがるような思いで、必死に小太りハゲの姿を探す茶髪。
…が、しかし、怨三の姿は消えていた。
「ちっくしょ…あんの野郎ぉ!!」
引き返す間際、チラッと怨三の台の履歴を見た茶髪は、頭を殴られた様な衝撃を感じた。
(BIG回数が…更に5回も増えてやがる…!!)
必死に小太りの姿を探す順平…島という島を巡回した。
リオデカーニバルの島も巡回した。…が、もはや店内のどこにも、怨三の姿を確認出来なかった。
(こうなりゃ…残りの1万で…なんとか…!)
つい無意識に吉宗の島に移動した茶髪の目が、チカチカと眩んだ。
順平の座っていた台…千両箱…+3箱カチ盛り…
そして…椅子の上には…
頭を揺らし、『浜崎あゆみの歌を口ずさみながらノリノリで』姫ビジを消化する黒縁のメガネデブ…。
その光景を目撃してしまった順平は、キレずにはいられなかった。
284†番外編A†:2005/12/06(火) 15:50:14
もしも、デブが他のBIGを選び淡々と消化していただけなら、こんな事にはならなかったであろう。
だが致命的な事に、その黒縁メガネのデブオタは、あろうことか、…
『姫BIGを!』
『浜崎あゆみの歌を口ずさみながら!』
『ノリノリで!!』消化していたのである!!
「こんッの野郎ォオ!!」
ダッと駆け込むと、茶髪は一目散にメガネデブに殴りかかった。
ただならぬ気配に驚いて、デブが振り返った瞬間…
グシャアッ!!! デブの顔面に順平の怒りの右ストレートがめり込んだ。
ガッシャーン…ひっくり返る千両箱、吹き飛ぶドル箱…島の通路内に多量のメダルがこぼれる。
「死ねよッな?いいから!!てめえ、早く死ねッ!!!」
デブの上に乗っかって怒涛の様なパウンドの嵐!
ゴッ!!ゴッ!!ゴッ!!ゴッ!!! …たちまちデブの鼻は折れ、メガネは砕け、顔面は血まみれだ。
「死ね死ね死ね死ね死ねぇええッ!!!!!」
必死に叫びながら、何度も何度も、デブの醜く変形した顔面を力一杯に殴り続ける順平。
ゴキャアッ…鈍い音が響くと同時に、デブの首が、カクン…と折れた。
285†番外編A†:2005/12/06(火) 15:52:45
「警察だ!離れて両手を上に挙げろ!」
数名の店員と主任が血相を変えて走り込んできた。
「ィーーヤッはぁ〜〜〜〜〜!!!!!」
ゴッパァーーー… 茶髪の前蹴りが主任の顎を力一杯に蹴り上げた。
ズゥゥン…転倒する主任。
周りに店員達が駆け寄る。色々な島からたちまち人が集まってきた。
ざわ…ざわ… 群集の中を、飛び蹴りで強行突破する順平。
「どけやオラァア!!!」
グッシャアーーー… 強烈な右ハイで群集を蹴り飛ばす順平。
「お前らみんな死にゃあがれぇえーーーーッ!!!」
『ヴォン…』更に、回転して後ろ廻し左ハイ!!
バッキャアーー……ドドォォォーーーー…… ドミノ倒しの様に倒れ込む群集と店員。
店長が控え室奥の扉を開けて飛び出してきた。それを見た茶髪がダッシュ…
タタタ…『ダンッ!!』驚愕に目を見開く店長の顔面に…
ドグシャアッ!!!…戦慄の真空飛び膝!!!!!!!
ダァンッ…顔面を陥没させられて、扉に思いきり叩きつけられる店長。
「ヒャッハァーーー!!!ざッまぁみやがれぇえええ!!!」
腹の底から思いきり怒鳴り散らすと、茶髪は急いでホールを飛び出し逃げ出した。
286†番外編A†:2005/12/06(火) 15:57:34
「最ッ高だぜぇい!!ヒィャッハァ〜〜!!!!」
眩しい夕日を背に受け、全速力で街中を走る茶髪の全身を、心地よい疲れと爽快感が包み込んだ…。
かなりの距離を走った。後ろを振り向いたが、もはや追っ手は来なかった。
タタタ…そして、茶髪が信号を無視して歩道に駆け出した直後の事だった…。
キキィィィーーーッ……ドォン………順平の体が、真っ赤な夕焼けの中に舞った…。

その翌日、茶髪は、凶悪犯罪の容疑者として全国に第1級指名手配されていた。
新聞でその記事を何度も読み返した怨三は、プハァ〜…と煙草の煙を吐き出した。
一抹の寂寥感が小太りの心を吹き抜ける…
「あかんがな…」
怨三は、ポケットから万札を12枚取り出すと、その金を眺めながら、悲しそうに呟いた。
287†番外編A†:2005/12/06(火) 15:59:33
「わしに電話くれりゃあ良かったのに…こんなことしてもおたら…」
怨三は、目に涙を溜めながら、力なく、ドサッ…と椅子にもたれ込んだ…。
「もう……あかんがな……」
小太りの脳裏を、茶髪の屈託のない明るい笑顔がよぎった。
「…順平ちゃん……」
怨三の頬を、一筋の涙がツゥ…と伝った。

【補足】
順平の目にした瞬間は、メガネデブが、丁度歌詞の
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ…」
というフレーズを、『目を細めながら』、『鼻にかかった裏声で』熱唱してるのを見て、
更に千両箱に嫉妬しての、怒り爆発です。

【完】
288†番外編B†:2005/12/06(火) 16:08:01
とあるビル街の薄暗い路地裏…1人の哀れなキャサ男が、屈強な2人組に抑え込まれていた。
スロスロ「デェッヘッヘ…ねぇ〜順平ちゃ〜〜ん♪…本当にコイツ犯っちまっていいのぉ〜〜?」
順平「へへ…鬼畜なお前ぇには丁度手頃なデザートだろ…いいんじゃねえか?好きにしなよ…」
スロスロ「ヒャハッ♪久しぶりの男もたまにゃ〜え〜もんだでぇ〜」
ホモジ「嫌じゃ…何するんじゃあ、やめろお!」
順平「暴れんな、よ、なぁッ!!」
『ドボォッ…』
もがくホモジのドテっ腹に順平の強烈なボディブロー炸裂。
ホモジ「ゥボッ!?オゲェーーー…!」
ビチャビチャと胃の内容物を地面に吐き散らすホモジ。
順平「かー、きったねぇなぁ〜…オラ…頭起こしてよ…しゃぶれや…」
ホモジの吐物に塗れた口にイチモツを強引に押し付ける順平。
順平「テメー…、歯…立てんじゃねぇぞ…もし変な真似してみろ…首の骨…折れるぜ…?」
スロスロ「ゲェッへッへ…ケツもっと突き出せやコラァ〜〜♪」
289†番外編B†:2005/12/06(火) 16:09:17
ホモジのケツ穴にマグナムを押し当てるスロスロ…『ミチミチ』…鈍い粘膜の裂ける音がした。
『ブチン!!』
ホモジ「ひぃギィャァアーーーーッ!!?」
スロスロ「ウホッ♪え〜ぇ悲鳴じゃあ〜〜♪なぁ順平ちゃ〜〜ん、そっちどない?」
順平「チッ…全然良くねぇよ…コイツ所詮ホモジだ…面倒くせぇな…もぅ折っちまうかぁ〜?」
スロスロ「ウッハハぁ〜〜あ!!!ぇ〜ぇ締まり具合じゃあ〜〜〜〜ッ♪♪」
スロスロの太っといマグナムが、涙で顔面ぐちゃぐちゃのホモジのケツ穴に何度となく突き刺さる。
粘膜は大きく裂け、ホモジのケツ穴からはおびただしい流血…。
スロスロ「ぃ〜〜〜〜ヤッはぁ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
情け容赦なく激しく腰を降るスロスロ…既にホモジのケツ穴は裂傷し、多量の出血が見られた。
突如として襲いくる得も言えぬ激痛に、生命の危険を感じとるホモジ…が、時既に遅し。
『ビリィ…ッ』
鈍い、嫌な音がした。遂に、スロスロのマグナムが、火を噴いた…直腸穿孔…
290†番外編B†:2005/12/06(火) 16:10:55
ホモジ「うぎゃあああああああああーーーーーーーーー!!!!!」
順平「だぁってろっつってんだろぉがぁっ!!!」
『ゴキィ…ッ』
鈍い音とともに、ホモジの首が折れ曲がった…糸の切れた操り人形の如く、カクンと崩れ落ちる。
スロスロ「アッチャ〜…順平ちゃ〜〜ん…ほんま頼むわぁ〜〜〜…ソレあんたの悪い癖やでぇ〜…?」
お楽しみを奪われたスロスロが、顔をしかめて思わず舌打ちする。
順平「ケッ…つまんねぇぜ…おい、…スロスローーーッ!!!!!…次…女子中生探しに行くぞ♪」
スロスロ「ヒャハッ♪やっぱそ〜来なくッちゃ。順平ちゃ〜ん♪」
順平「はっ…鬼畜だな…」
スロスロの嬉しそうな笑顔を憎々しげに見つめながら、吐き捨てる順平。
厄介事に巻き込まれない内に、2人は、その場を急いで後にした。
その場には、首が曲がり、剥き出しのケツからは血を垂れ流した無惨なホモジだけが取り残された…
291†軍鶏†:2005/12/06(火) 16:14:28

夜更け…2人の男に絡まれた順平。
対複数戦の基本は、どちらか一方を速攻で潰す…。
@に対しダッキング→『シュッ』…ミドルレンジからの左アッパー!間一髪でスウェーする@に対し、
『ダンッ!』軸足(左)の踏み込みを固めての…『ヴンッ』…左ロングフック!→
…『ヒュン!』…慌ててウィービングでかわす@…順平の一撃必殺の左フックが空を切り裂く…次の瞬間…!
『キュッ!!』…すかさず軸足(左)を半回転以上回して踏み込みッ→『ヴォンッ!』…右回しハイキック!!
『ドカッ!』…@の側頭部に遠心力の乗った順平の右踵がヒット→ガクンと左膝をつく@、
…『ダンッ!』…走り込み様、地面を左足裏で蹴りつけ、そのまま勢いをつけた飛び右膝…!→
『グシャアッ!』…@の顔面を粉砕!…『ドシャア』…鼻と口から血を吹き出しつつ、仰向けに倒れ込む@…
『ズダダダッ』…間伐入れず、Aのタックル→を紙一重で切る順平、バックステップで間合いを取る。
292†軍鶏†:2005/12/06(火) 16:15:54
…も、再びAの低空タックル→『ブンッ』…すかさず順平カウンターの右フック、…をスカし…
『ダァンッ』…テイクダウン!寝技での勝負を挑むA。
ポジショニングを巡る攻防→半身を捩ってウェイトシフト、マウントを狙う順平…も、ウェイト差負け。
Aにマウントを取られ、Aのパウンドラッシュを浴び、ボコられる順平→顔面が腫れ上がる。
Aがトドメの右ストレートを振りかざす一瞬、Aの上体が浮く→その間隙をつき、
『ガバッ!…ヒュンヒュン……ガチィッ!』
腰をくの字に折り曲げて瞬時に下半身を滑り込ませ、順平の足三角絞めがAの首にガッチリ入る…
も、とっさに左腕一本潜り込ませて防ぐA、極まらない。
Aの右腕を取り、アームロックに持ち込む順平…だが、相手は強引に取られた腕を引っこ抜く。
293†軍鶏†:2005/12/06(火) 16:19:34
再びパウンドでボコられる順平、Aの渾身の右パンチが順平の顔面をぶち抜く→彼の目玉がぐるんと上転、
思わず白目を剥く順平、勝負あったかに見えた。その時…順平の上半身がバウンと跳ね上がる→
彼の左腕がAの首にヒュンと巻き付く→そのまま右手で左手を組み合わせ、がっちりロック。
最後の力を振り絞り、Aの首を思いきり絞めあげる順平。『無意識』のフロントチョークがAを捉えた!
ギリギリ…力一杯Aのネックを絞め上げる順平→彼の決死の関節技が、Aに対して、完全に極まる。
Aの脳が虚血状態に陥る→口から泡を吹いて堕ちるA→ぐったりとなったAを力無く払い除ける順平。
満身創痍でフラリと立ち上がった彼の眼前に、屈強な大男が1人、立ちはだかっていた…。
【continue】
294†突撃†:2005/12/06(火) 16:24:42

アジト内部での死闘。
見張りの雑魚を裸締めで仕留めた怨三が先陣を突き進む。
目的は、アジトの最深部に潜む憎き犯罪組織のリーダー、遠藤の抹殺だ。
「順平ちゃん、急がんかい!」
細い入り組んだ通路内、振り返った小太りが汗だくで叫ぶ。
「ちょ…待てよ禿げ!」
茶髪が後に続く…その時、三叉路の角から姿を現した大男が、怨三と順平の間にすかさず立ち塞がる。
辺りに忽ち血生臭い空気が充満してゆく。
「おっと。逃がさねぇ。お前は」
体格の良い長髪のロン毛が、ゴキキと指を鳴らしながら低く唸った。
「ここで死ぬんだからな」
「じゅ…順平ちゃん!そいつの始末は任せたがな!」
そう言い残すと、小太りはとっとと先に進んでしまった。思わずチッと舌打ちする茶髪。
ダンッ…!男の高速タックル…順平カウンターの膝…合わない!
ズダァンッ…テイクダウン!
「ぐはぁっ」
ガチィ…とっさに両脚ガードポジションを取り相手の動きを封じる茶髪。ウェイト差が有りすぎる。体力が持たない!
ブォンッ…茶髪に上体をコントロールされ、男のマウントパンチは間一髪でスカされる。
295†突撃†:2005/12/06(火) 16:25:59
ヒュン…相手の上体が浮いた瞬間、腰を折り曲げ、相手の首・左肩に滑り込ませた両脚をクロスさせる。
左腕を両手で取り、肘をピンポイントで極めつつ力技…
ググッ…バィィン!!腕が伸びた!!下からの飛び付き腕十字固め成功!
…ギシ…軋みを上げる男の左肘…靭帯が、関節が壊されてゆく。
「うがぁあああッ!!」
男が左腕一本極められたまま、順平ごと持ち上げる!そのまま硬い床に叩きつけられる寸前…
「馬鹿があっ!!」
ボキィッ…鈍い乾いた低音が響いた。
「ぐ…あああああ!!!」
左腕を右手で庇ったまま、激痛に全身を焼かれ立ち尽くす大柄な男。
トン…飛び十字を外して地に立つ茶髪がラッシュをかける!
「シッ!!」
ドボォッ…容赦無い順平の左ミドルが男のレバーを粉砕! くの字に折れ曲がる巨体。
「セイッ!!」
キュパァ…ッ! 屈み込んだ男の左側頭部に、茶髪の鋭い右ハイが迫る…
ゴシャア…ッ!! 大きな破壊音と共に冷たいコンクリートの床に叩き付けられる男…
ズダァン…砂埃が巻き上がる、意識を無くしたその巨体は、もはやピクリとも動かなかった。
「禿げぇえッ!!!」
怒りに目を血走らせながら、茶髪はダッシュで小太りの後を追った。
296†突撃†:2005/12/06(火) 17:19:52

一方、一足先を進んでいた怨三の方も、遠藤の刺客に足止めを食らっていた。
「死ね」
ダダッ…低く呻くと、ゴツい体格をしたスキンヘッドが襲いかかってきた。
「ウホッ♪」
ヒラリと身を翻してタックルを交わす小太り。
その見た目に似合わぬ俊敏な動きに、スキンヘッドが唸った。
「チィ…このブタ野郎が…」
ペッと唾を吐くと、凄みを利かせて小太りを睨みつける。
「行くぜブタぁ!!」
ビュン…挨拶代わりの右フックがしゃがんだ怨三の頭頂部を掠める。
「終いだハゲ」
次の瞬間…スキンヘッドの強烈な左アッパー!!
「ムホッ…」
ヴンッ!! …空を切る、怨三、間一髪、必死のスウェーバック!!
「無駄だ」
ダンッ!!スキンヘッド、左足を踏み込み!一瞬で間合いを殺す!
「くたばれブタ野郎ォッ!!」
流れるコンビネーションから繰り出される、スキンヘッド、渾身の右ストレート!!
「ヒャハッ♪」
ヴォン!!…またしても空振り…怨三、懸命のマトリックススウェー!!!!!www
「ィ〜〜ヤッはぁ〜〜〜〜!!!」
297†突撃†:2005/12/06(火) 17:21:46
怨三、相手の襟首をガッチリ掴んで。そのまま豪快な巴投げ!!
ブンッ!…ドシャアーー…硬いコンクリートの床に背中から叩きつけられるスキンヘッド。
「うがぁッ!!」
背骨を強打、起きあがれないスキンヘッドに対し、怨三、執拗な追撃!
「グッヘはぁ〜〜♪」
タンッ…ジャンプ一番、小太りの体がふわりと宙に舞った! …
ドボァアッ!!? 怨三、痛烈なヒップクラッシュがスキンヘッドの顔面を粉砕!!
「うぎゃあぁあぁいゃあああーーーーー!!!」
二重の意味で必殺!! スキンヘッドの絶望に満ちた痛々しい絶叫が細い通路内にこだました。
「ヘッ…あんのハゲ野郎…」
タタタ…通路を走る茶髪の耳にも、その絶叫はしっかりと届いていた。
「俺が追い付くまで死ぬんじゃねえぜ♪」

298†十鬼衆†:2005/12/06(火) 17:24:11

遠藤の緊急要請を受信し、全世界より集められた格闘の猛者達が通路の各エリア内に配置された。
その名も゛十鬼衆゛。サンボや柔術、空手やムエタイ、テコンドー等を使いこなす武闘家集団だ。
「こちら遠藤。十鬼衆に告ぐ。侵入者2名を至急抹殺せよ。」
インカム通信を受けた゛十鬼衆゛達が待ち受ける中、何も知らずにアジト内部を疾走する無防備な2人。
アジト内の各地に取り付けられた無数の監視カメラが、走る2人の姿を確実に補足する。
「ボス…何も十鬼衆を使わずとも、私達には銃火器があるわけですが…」
ベレー帽を目深に被った色黒の男が言葉を濁した。ブラジル系、2mはあろうかという長身の大男だ。
「くく…久しぶりの侵入者だ…私は楽しみたいんだよ…奴らの悪足掻きぶりをな…」
病的な素振りで、首をコキッとさせて遠藤は気味の悪い薄ら笑いを浮かべる。
「はっ…しかし…もしもの事がある場合は…」
ダグは、遠藤の顔色を伺いながら慎重に言葉を選んだ。
「既にボクサーのスカルヘッド、レスリングの使い手キンケイドの2名がやられてるわけですし…」
動揺を隠しきれない大男の上擦る言葉を、遠藤がピシャリと遮った。
299†十鬼衆†:2005/12/06(火) 17:25:37
「もしもの時は!!分かってるよな、ダグ…お前が始末しろ。」
「はっ…ラジャー。」
軽く敬礼すると、ダグと呼ばれたその大男はアジト最深部に位置する司令室を出た。
本名、ダグラス・マーティン。彼は副司令室に戻ると、モニター前の椅子にドカッと腰掛けた。
ダグは、眉間に苦悩の皺を作って、遠藤の相変わらずの我が儘な振る舞いに、深い溜め息を一つ吐いた…。
今回の侵入者は強い…ダグは、その事実を肌で実感していた。
以前の山奥倉庫襲撃事件にて青服を着ていた男が、実はダグだった。
「小太りハゲはともかく、あの茶髪は注意しとかないとな…」
モニターを見つめながら、彼は静かに唸った。
300†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:27:41

タタ…タン…薄暗い通路の奥は、小さな広間で行き止まりになっていた。
「チッ…見失ったか…」
クルッと反転する茶髪の背後に、人影が現れた。
ヒュン…気配で間一髪その男の長い横蹴り(サイドキック)を後ろ向きに交わす順平の頬が切れる。
「ケッ、現れやがったなぁ!!」
バッ…一際脚の長いその男に向き合う茶髪。ゴキキ…順平が不適な笑みを湛えて拳を鳴らす。
「ようこそ、我がDエリアへ。私はリー・ソッキュ。お前を地獄へ誘う案内人だ。」
男が軽く挨拶する。この男、体格は至って普通だが、脚が異様に長い。
リーと名乗る脚の長い銀髪の男と対峠する順平。(この構えは…こいつぁサウスポーか…)
ジャリ…間合いを詰める茶髪男…リーの左側面を向ける構えは、典型的なテコンドーの構えだ。
ビュ…アプソギ→右中段突き(モントンチルギ)を潜り込んで交わす茶髪の眼前にリーの靴底が迫る。
左前蹴り(アプチャギ)→垂直上段ハイ→膝を胸の辺りまでつけるような感じで蹴り上げる変則上段。
301†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:48:45
シュバァ…間一髪、スウェーで交わす茶髪の鼻先を掠める。(こいつ、テコンドー使いか!)
タタン…バックステップで間合いを取る茶髪が、ダッキング→渾身の右ストレートを放つ!
「いっけぇええ!!」
ヒュバッ…その顔面をリーの不意を突いたティチャギ(右後ろ蹴り)が襲った!!
ドガァン…背面からの意表を突いた右後ろ蹴り…右ストレートを放っていた茶髪の顔面がカウンターで蹴り上がる!
「がはぁっ!!」
一瞬、茶髪の動きが止まる。(き…効いたぁ〜〜!)頭がグラグラする…視界が霞む。
「〜…んの野郎ォオッ!!」
叫ぶ茶髪を前に、またしてもリーがクルリと背中を向ける。
「ざけやがってぇえッ!!」
ダッ…茶髪が駆け込む。(タックルで倒すっきゃねえ!)
ドボォッ…茶髪の腹部にリーの背面左後ろ蹴りがヒット!
「グハァッ!」
茶髪の体がくの字に折れ曲がる、間伐入れずにリーが回転しながら宙に飛ぶ。
302†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:50:48
シュバァッ…右前蹴り!(ダブルティチャギ)のコンボ攻撃だ!!
ゴシャァ…ッ!リーの右脚が、順平の顔面を更に蹴り飛ばした!!
「うがぁッ!!」
ドサァ…床に倒れ込む茶髪男。既に彼の顔面が血まみれだ。
ビュビュッ…左後ろ蹴り→背向け→入れ代わりの右後ろ蹴りが、立ち上がった順平を更に追い込む。
(くっそ、これじゃ近づけねぇ!!)焦る茶髪の眼の前で、またしてもリーがクルリと背中を向けた。
ターン(背を向け→半回転→宙に飛んでの右廻し蹴り)が順平の側頭部を襲う!
ガキィッ…辛くもクロスガード!タタ…後退する茶髪の間合いを即座に詰めるリー。
フォン…間合いを詰めながらのネリョチャギ(踵落とし)が茶髪の脳天に降り注ぐ。
「舐めんなぁあ!!」
ドガァッ…頭上クロスガードする茶髪の腕が軋みを上げる。次にリーの強烈な踵を食らえば…折れる!
「う…ぐぅ…っ」
激しい痛みに耐える順平…リーが更にクルリと背中を向けた!
ティフリギ!(後ろ廻し蹴り)→強烈な旋風脚が順平の髪の毛をバサリと蹴りつけた。
303†テコンドー†:2005/12/06(火) 17:52:13
「うるぁあッ!!」
ダンッ…ダッキング→ドボォッ…茶髪の強烈な左フックがリーのレバーを強打!!
「ぐぅ…?!」
ヒュン…屈み込むリーの顎に順平、コンビネーションの右アッパー!それを交わすリー、
「終わりだ!!」
ダンッ!即座に間合いを詰める順平、全体重を載せた左ストレート!!
バチィッ!リーが掌ガード、シュン…再び左脚を胸に引き寄せて天に上げるリー。
「くっそ…また踵落としかあ!!」
ゴキャァッ…頭上クロスガードしたハズの順平の右腕ごと弾き飛ばすリーの左前廻し蹴り炸裂!!
踵落としからの前廻し蹴りへの連携技『アプフリギ』により地面に蹴り倒される順平…
「…う…ぐぅ…」
地面に這ったまま、ゲホゲホと咳き込む茶髪男。見下ろすリー。順平の瞳が遂に怒りに燃え上がった!!
304†決着†:2005/12/06(火) 17:54:14
満身創痍でふらりと立ち上がる順平。顔の血を拭う暇もなく、
キュンッ…再びリーのティフリギ!
「ここだぁ!!」
スパァ…順平、リーの右後ろ廻し蹴りをしゃがみ込み交わし様、両手を地に着いての回転脚払い!
ズダァンッ…リーが仰向けに転倒、すかさずリーの右脚を取る茶髪。
キュキュン…ガチィッ…流れる一連の動きで綺麗な関節技、『ヒールホールド』が一瞬で極まった!
「ギブアップしやがれ!!」
茶髪が息を荒く叫ぶ、も、リーは応じない。
「ぐ…ああぁあぁああ!!」
リーの悲痛な呻き声を聞く茶髪の怒りが爆発した!
「もう死ねええッ!!」
ゴキゴキャアッ…!!
鈍い破壊音と共に、リーの右膝が粉砕された!
「ィヤッはぁ〜〜〜〜ッ!!!」
ゴッパァーー…ン…最後にリーの顔面を思いきり蹴り上げ、完全決着。
失神した彼はその後、立ちあがる事は無かった…。
「う…あ…?」
スタァン…茶髪がふらつきながら転倒した。(く…すぐにゃ立ち上がれねぇか…)
シュボッ…その場に座り込んで、シケモクに火を点ける。
(ハゲ…死ぬんじゃねぇぞぉ…)茶髪の顔からは既にニヤけ笑いが消えていた…。
305†異世界†:2005/12/06(火) 18:00:14

指令室にダグラスが息せき切って飛び込んできた。
「ダグ!これは一体どうした事だ!!」
「分かりません、ボス!突然、空間が捻れて…」
「くそっ、アジトからの通信が取れない…外界から遮断されてる!」
ブチィ…遠藤が葉巻を噛み切った。
「ダグ…ここはどこだ…?私達は、今…どこにいる…?」
遠藤が病的な素振りで両手を天にかざしながら囁いた。
「わ…分かりません…ただ…我々は…異世界に紛れ込んだようです…」
空間が突然グニャリと捻じれた後、アジト内部の人間は不思議な違和感をずっと感じていた。
遠くで爆発音が轟いているのがアジト最深部の指令室にまで聞こえてくる。
「タイムスリップ…したのか…?」
信じられないといった面もちで、遠藤がダグを見つめた。
「わ…分かりません…」

一方、茶髪と小太りの2人にも、事の重大さは伝わっていた。
「チッ…一体どうなってやがる?」
茶髪がボサボサ髪を掻きむしった。
エリアGで死闘を繰り広げていたキックボクサーのジャンと怨三も、戦いを中断していた。
306†異世界†:2005/12/06(火) 18:01:59
「な…なんやて…こら一体…?」
太ももをさすりながら訪ねる怨三に、ジャンは両肩をすぼめた。
「アイ キャント アンダスタン…」
ワーワー…アジト外部からは、おびただしい数の奇声、罵声、絶叫、爆発音が轟き渡っていた。

「順平…分かるか?私だ…」
エリアDの小広間で休んでいた茶髪がふと頭を上げると、目の前に見覚えのある長髪の女が立っていた。
「お前…なんでここに…!?」
立ち上がる順平の腰がストンと落ちる。戦いのダメージがまだ残っている。
「無理するな、私に任せろ」
絹の様な黒髪をなびかせて、女は歩み寄ってきた。
『ヒーリング』
シュウゥゥ…茶髪の傍にしゃがみ込むと、彼女は手のひらから光を放出し、順平の胸に当てた。
「う…おぉ…?」
みるみる体力が回復してゆく。茶髪は驚いて女を見た。
「倒したハズの魔王が復活した。一刻の猶予も無い。どうも太古の魔道師が禁呪を用いたらしい。」
彼女は、ふぅと深い溜め息をついた。
「ディヴィジョン…どこかの魔道師が中途半端な呪文を唱えたせいで…私達も巻き込まれたらしい。」
「何だと、俺達だけがか?」
307†異世界†:2005/12/06(火) 18:03:10
「違う、このアジト一帯だけだ。」
「なんで…!」
「時空間の経緯によれば、このアジトは魔王の城塞の元所在地に当たる。恐らくそれが関係してるのかも…」
言葉を濁す女魔道師の胸ぐらを不意に掴むと、茶髪は声を荒げた。
「んだとぉ!?なら、霞…なんでお前がここにいんだよ!!」
「私は…」
霞は俯きがちに呟いた。
「テレパスで…お前の後を…ずっとつけてた…」
照れる霞の頬がほんのりと朱に染まった。
「ぐっ…ならなんで!もっと早く助けなかった!お前の魔法なら、ちょちょいのちょいで…!」
「迷惑をかけると思っていた!!」
女魔道師が、茶髪を正面からキッと見据えてきっぱりと言いきった。
「いざとなったら助けるつもりだったッ!!」
女魔道師の凛々しい顔を見つめたまま、順平はもはや何も言えずにいた。
「兎に角…このアジトから出るのは危険だ。今、レジスタンスと魔王の直属軍が交戦中の真っ只中だ」
「…なぁ、霞…さっきから魔王って…何だよ?」
茶髪が女の胸ぐらを掴んだまま軽く揺さぶった。
308†異世界†:2005/12/06(火) 18:04:23
「俺たちは…ロールプレイングの世界に紛れ込んじまったとでも言うのかよッ!?」
「ロールプレイングなんかじゃない!!まだ分からないのか?」
霞は順平の手を振り払った。
「これは異世界での、れっきとした戦争なんだ!!」

309名無し物書き@推敲中?:2005/12/06(火) 18:06:56
怒涛の貼り付けだなw
310名無し物書き@推敲中?:2005/12/06(火) 18:08:26
よく分からんが、まぁ迫力はあるな
311名無し物書き@推敲中?:2005/12/08(木) 16:13:50
レス一つも無いね。
誰も見てない事が判明した以上、これ以上の投稿は時間と労力の無駄。
よって、


【打ち切り】
312名無し物書き@推敲中?:2005/12/08(木) 16:16:39
今後再びこの板に投稿する事はあり得ないです。
今後は、本格的に新人賞狙って書いていくつもりなので、これで失礼。m(_ _)m
313†異世界†:2005/12/09(金) 01:00:54
”インテリジェント・ゴリラスーツ”を常に身に着けることが、この未来社会での第一のルールだった。
それを着用しない外出は、まさしく死を意味した。ゴリラスーツに装備された高価な機械が発見次第
すぐ反応し、パワーアームで、即撲殺。辺り一面が肉片や汚物で汚れても、パワーアームできれいに
掃除するから手は汚れずに済む。未来社会では水は人の命よりも高価だから、それは環境にも
やさしい。指先すべてに仕込まれた、肉食の昆虫が全ての肉片や汚物を食べてしまうのだ。その後、
今度は虫が排泄した糞がゴリラスーツの動力となるのである。何と合理的であろうか。
このゴリラスーツを開発した、J・チャリティ博士はその為に大いに苦労した。
314名無し物書き@推敲中?:2006/01/19(木) 23:56:28
DQNな実力ナンバーワンコテ
早稲田大学文学部英文科卒業、二十四歳
工房のときに停学歴あり
ジャージで登校w
山の中にある高校
北海道出身
札幌という説も

その名は、小、小学生、小 ◆PBtykf5sPQ

薬物をやっているそうなので、検査してあげてください。
315名無し物書き@推敲中?:2006/02/04(土) 16:33:17
インテリジェント・ザ・ゴリラ・スーツ!!!!!
316名無し物書き@推敲中?
       /⌒`ヽ
  二 と(、A , ) つ  < イナバウアー
 三    V ̄Vノ( ゝ
  二    └=ヲ└=ヲ