1 :
問題は竹島だ ◆tea.L0AFl. :
竹島とは、周知の通り、日本と韓国が領有権を主張し合っている、あの小島の事である。
さて、みなさん、こんな、国際問題に発展している竹島は、小説の格好なテーマになりうる
と思わないか? 日韓の俳優を起用しての映画ってのも、結構面白いかもしれない。
まあ、韓国が嫌いな人にはうっとうしいだけだがな。・・・ただし、別に韓国マンセーでやっ
ているわけでは、ない。 そして、 このスレタイを立てた別の理由は・・・
>>2-4あたり。
2 :
名無し物書き@推敲中?:2005/04/16(土) 22:30:59
実は本当の所、私、某板で、竹島問題の、どんな部分でモメているのか、日本側の主張を堅持
する立場を取って、日韓の意識の違いを提議しようと、ストーリーをもった話で、進めてきました。
しかし、第4章を書くに当たって、いわゆる「韓国スター」が嫌いな人に、不快な思いをさせてしま
う事に気付き、その板での書き込みを、やめる事にしたのです。
3 :
問題は竹島だ ◆tea.L0AFl. :2005/04/16(土) 22:32:31
この問題は、日本での、韓国嫌いを加速させ、韓国の俳優の良ささえも、否定されてしまう。やっ
ぱり、国際問題と、文化交流は、つながっているんだなと、改めて気付かされた騒動だった。
あ・・・もう一度いいますが、私別に、韓国マンセーでは、ありません。 あしからず。
尖閣諸島は?
第1章−第1話
「竹島物語」・・・出演:深田恭子/草g剛 /ぺ・ヨンジュン/ユンソナ/その他
ストーリー/
午後6時30分、釜山から出発した大型フェリー「ビートル号」は、博多港へ向かう途中、災難
に遭ってしまう。それは軌道を大きく変えた大型台風が、ビートル号に向かって近づいてきたの
だ。そして直撃し、フェリーは大破、乗客は海に投げ出され、乗客の悲鳴があちらこちらで響き渡
る。・・・何人の命が奪われただろうか・・・ そんな暗い海の中、一人の女性の声が聞こえてくる。
「剛〜っ!どこなの〜っ!」 ・・・恭子は、必死に泳ぎながら恋人の名を叫んだ。すると、
「僕はココだよ〜!早く助けて〜!!」 剛の声だ。恭子は助けを求めるその声の方向に、懸命
に泳ぎ進んだ。そしてそこで目にしたのは・・・一つの浮き輪に多くの人が群がる中、他人を寄せ
付けないよう、他人を突き放し、浮き輪を独占して泣きじゃくっている、彼の姿があった。
「恭子お、寂しかったよお・・・」 「・・・」 そして恭子は、再会の喜びよりも、思わず怒鳴ってしまう。
「もう、あなたが韓国の大学に留学しようと言わなければ、こんな目に遭わなかったのよ!」
・・・一方、甲板の切れ端に掴まる ぺ とユンソナ 「とんだ新婚旅行だね。w」 「・・・ふつう、
困った顔をするのよ、こんな時って・・・なんで笑顔??」
真っ暗な海の中、浮き輪と甲板はひたすら漂流し続けた・・・・一体、どれ程の時間が経ったの
だろう・・・ 辺りが白々と明るくなり、日が顔を出した頃、浮き輪と甲板の二つの漂流物は、一つ
の島にたどり着いていた・・・ 。剛・ ぺ 「ここは一体・・・」
恭子「助けが来るまで、当分、ここで二人だけの生活ね」 剛「そんなの寂しくて嫌だ〜」
ユンソナ「おなか空いた・・・」 ぺ「何か食べ物を探してくるよ、二人だけのブレイクファースト」
ウンソ「まだ笑ってる・・・顔疲れない?」
そして、4人は出会い、共同生活を始めていく事になったのだ。
6 :
名無し物書き@推敲中?:2005/04/16(土) 22:39:13
>>5 1−2話
4人の共同生活の中、恭子の顔をじっと見つめる、ぺ・ヨンジュンの姿があった。
そして、2人きりになったとき・・・ぺ・ヨンジュンが、ついに!!
「ぼくの恋人になってください」
深田恭子「あ、私、そんな・・・どうしよう・・・」
そのころ ・・・
ユンソナ「名前、変えたら?」
草g剛「例えばどんな?」
ユンソナ「チョナン・カンとか」
剛「それ、イイかも!!」
しかし、ぺ の浮気を知ったユンソナは、怒り爆発!
この孤島での共同生活が、恐怖のどん底に!!!
1−第3話 (
>>8)
ペ・ヨンジュン「ぼくたち、この島で、二人きりで暮らそう・・・」
深田恭子「そんなの、無理だわ。だって、あなたには彼女が、私には剛が、いるもの・・・」
ぺ「ぼくのこと嫌いかい」 恭子「そ、そんなわけではないけど・・・」
ぺ「だったら大丈夫だ。この島の反対側に行こう、きっとそこがぼくらのパラダイスだ。」
なかば強引に恭子の手を引き、歩き出すぺ・ヨンジュン・・・
しかし、ゴツゴツした岩だらけの足場に、二人の足取りは危なげで、なかなか前へ進めない・・・
一方・・・「私のダーリン、遅いな〜」 「そー言えば恭子も朝、そそっかしく 出て行ったきりだ。」
もう日が沈もうとしているのに帰ってこない二人に、心配し始めるユンソナと草g剛。
「私、見てくる」 「ちょっと待ってよ、怖いから一人にしないでよ」
二人は海岸沿いへ走り出した。 「確かダーリンは、この辺で魚採ってくるって言って・・・」
もう、辺りは人陰がみえるのがやっとの薄暗さだ・・・
「あ!あそこに焚き火のくすぶりが!!」 剛が声を上げ、二人は走りだした・・・
「あ、ダーリンのマフラーだ、やっぱりここへ・・・あれ? なんか違う匂いが・・・」
「ちょっと貸して、これ、恭子の匂い・・なぜ?あいつ湧き水 汲んでくるって山の方に行って
るはずなのに・・・」
しばらくの間、二人は沈黙したままだった。が突然、ユンソナは草gの 胸ぐらをつかみ、震え
た声でいった・・・。 「これはどういう事なの!」 「苦しいよ、ぼくに言われても・・・」
「ダーリン、私を裏切って、駆け落ちのつもり?」
「ゆ・る・さ・い・・・」 ユンソナの愛情が憎悪に変わった瞬間であった。
「と、とにかく二人を探そう!」 そう、剛が声をあげた時、日はすっかり落ちていた。
逃げる二人と追いかける二人・・・果たして4人の運命は、ど〜なる?
1−第4話 (
>>9)
恭子「はあ、はあ、待って、私、もう歩けない・・・」
ペ「恭子、がんばって、もう少しで、この岩山から抜ける・・・」
恭子「そんなこと言ったって、どっちの方角から来て、どこへ行ってるのか 分からないのよ、それ
に少し寒い・・・」
座り込んでしまった恭子に、ぺが駆け寄り、自分の上着を掛けてあげた。
恭子「あ・・暖かい・・・」
ペ「いいかい、恭子、僕たちは東の方へ向かってるんだよ」
恭子「なぜそんな事分かるの?」
ぺ「夜空を見上げてごらん。」
夜空には、こぼれんばかりの満天の星たちがあふれていた。
恭子「わー・・きれい・・・。」
ぺ「あの、ダブリューの形にみえる星座を知ってるかい?」
恭子「ええと、確か、カシオペア座ね。」
ぺ「そう、その端の延長線の結んだところから六つ分の星が、北極星なのさ。」
恭子「ふ〜ん・・・でも、それが、方向とどんな関係があるの?」
ぺ「北極星は他の星と違って動かず、常に北を指してるんだ・・・ つまり、僕たちは北極星に向か
って右側を進んでいるから東なんだよ。 そしてカシオペアというのはギリシャ神話で・・・・」
ぺの腕に抱かれながらうっとりと話を聞く恭子であった・・・
その時、微かに波の音を耳にした恭子は、惹かれるように音の方向へ進ん で行った。
「海岸が近いのね。」 とその時、月明かりが何かを照らして いるのを見つけた。
「なにかしら?」
1−第5話 (
>>10)
「なにかしら?」 月明かりに照らされた何かを見つけた恭子がささやいた。
二人は、その物体に向かって駆けていった。
それは材木で組み立てられた、背丈ほどの小さな建造物であった。しかし、既に黒く風化し、
今にも崩れんばかりの、 遠い昔の造り物のようでもあった。
ぺ「何だろう、これは。」
恭子「もしかして、これって・・・鳥居? ねえ、ライターを貸して。」
ぺはワケもわからず、ライターに火をつけ、そこに書いてある文字を照らた。
大学で国文学を学んでる恭子は、そこに書いてある文字を何とか解読していった。が、突然、
両手を口に当て、震えだしたのだ。そして、その意味の一つ一つを、説明しだし、その意味を
理解した時、ぺはがくぜんとした・・・
ぺ「この島は一体? 無人島ではないのか?」
二人は、目の前に立ちはだかる大きな謎に、ただ、立ち尽くすのみだった。
と、そのとき、眩しいサーチライトと共に、爆音が鳴り響いた
恭子「きゃーっ!!」
必死に恭子を抱きしめるぺ・ヨンジュン「一体なんなんだ!」
さて、次号、急展開、一体何が、起こっているのか???
1−第6話 (
>>11)
サーチライトの眩しい光と、爆音の次に、暴風が吹き荒れた・・・軍用機ヘリだった
すると、拡声器から声が聞こえてきた。
「ハムニダ、ハムニダ、パンにハム、ハサムニダ」
「なんて言ってるのかしら?」
「これはハングル語だよ、恭子・・・しかし何で軍用機が?」
ヘリは着地し、銃を持った軍隊が5名、降り立った。
小震いする恭子を抱き寄せるぺ・ヨンジュン・・・
「心配しないで、ぼくに任せて。」
駆け寄ってきた軍隊に、両手を挙げ、笑顔で応えるペであった
すると、軍隊の隊長らしき人物がぺに話しかけた
「パンにジャム ツケルニダ」・・・なにか、話しているらしい・・・
と、すると突然、銃の柄で、ペの腹部を激しく叩き付けた・・・
「ぐぁっ・・・」、どすっ・・・その一撃でぺは倒れ、気を失ってしまった。
「きゃーっ」絶叫する恭子に、他の部下が取り囲み、手錠をかけ、目隠しを
した。恭子には、今何が起きているのか、全く理解できなかった・・・
分かることは、この島には韓国軍がいて、私たちを捕らえたと言う事だけで
あった・・・
1−第7話 (
>>12)
軍用機ヘリに乗せられた二人は、もう、抵抗する気力を失っていた。
どこかに着いたらしい。本部基地になのか?手錠は外されたが目隠しのまま連れられ、
ある部屋に押し込まれた。
「ここは一体どこなの?」
すると、部屋の奥から、声がした
「あ・・ 恭子、恭子じゃないか!寂しかったよ〜、わ〜んあああ・・・」
「ダーリン!ダーリン!ダーリンッ!!」
それは、剛とユンソナの懐かしい声であった。
「君達も捕らえられていたのか・・・ううっ」ペは腹部を押さえ、うずくまった。
「大丈夫?」と恭子とユンソナは同時に駆け寄り・・・はっとお互い顔を見合わせた。じっと
恭子をにらみつけるユンソナ。
「あ、あの・・」と恭子、するとユンソナは「・・・しょうがないわね、こんな状況では争ってる
余裕もないし、けんかはおあずけね」 と肩の力を抜いた。
「ごめんなさい・・・」と、涙をためる恭子。
その頃、剛は、「ショボーン・・・」
1−第8話 (
>>13)
剛「この島、なんか絶対変だよ、岩しかない所なのに、軍隊はいるは、物々しい軍の施設は
あるは、それなのに、なぜか庶民的な郵便ポストも見かけたよ。」
ユンソナ「そうね、こんな島、韓国にあったかしら・・・」
恭子「ここ、韓国の島ではないわ」 ユンソナ・剛「?」
恭子「私、見たの。」 毅「見たって、何を?」
恭子「私、この島で、鳥居を見たの!」 毅「ええっ?なんだって!」
ぺ「トリイってなんだ?」 ユンソナ「日本の神様を迎える門のこと、あるいは日本の神様の
体そのものを現しているもの」
ぺ「そうか・・それであんなに書き込まれていたのか・・・・」
ユンソナ「書き込まれたって、何が?」
その質問に、しばらく沈黙の時間が流れた・・・・
そして、恭子は重い口を開いて語り始めた
元和2年、米子の漁民村川家が幕府の渡航許可を得てこの島に渡ったこと。あの鳥居は、
その時、安全の漁を祈願して建てられたこと。しかし昭和27年、突然、島に近寄れなくなっ
て、漁民の当惑と混乱が起きたこと。
恭子は淡々と語った。
「そして、平成15年10月・・・」と、そこまで語った時、恭子は声を震えだし、話すことができ
なくなってしまった・・・・
「どうしたの?」ユンソナは、恭子の顔を覗き込んだ。
「日本人の漁師が、韓国軍に殺されたのだ・・・・」 ペ が代わりに、押し殺した小さな声で
言った。
剛「そ、そんなばかな、そんなことしたら国際問題じゃないか!」
1−第9話 (
>>14)
「そ、そんなばかな、そんなことしたら国際問題じゃないか!」
日本人漁師が、韓国軍に殺されて事実を聞いた剛は、声を荒げた。
「ううん、本当なの。」 恭子はつぶやく。
それは、漁師たちが同じように大しけで遭難してこの島に漂着し、助かった仲間たちと島を
調べるため漁具を武器に奥地へ行った。すると、一人の仲間が数人の韓国軍に囲まれ、
横たわって死んでいた。軍はすぐにヘリを出し、遺体と共に日本へ引き返し、この事件は、
漁具が暴発しての事故死、として片付けられたのだった。
「しかし」 と恭子は声を荒げた、「鳥居には、その仲間の遺体には、顔が変形するほどの
殴られた痕があり、そして、足で踏みつけられたアザが、全身にあったと書いてあった・・・」
毅「殴り殺したのか・・・ひどい、ひどすぎる・・・」
再び、沈黙が訪れた・・・とその時、ドアの開く音が聞こえた
「ハムはハムでも、マルダイハムニダッハッハ。」
1−第10話 (
>>15)
「ハムはハムでも、マルダイハムニダッハッハ。」 ドアの向こうから、穏やかで低い声が響
いた。軍服の勲章から、司令官のようであった。すかさず、ユンソナと剛は、その司令官に駆
け寄り、ハングル語で救済を求めた。・・・が、ユンソナが受け答えに困っている。何か、もめて
るらしい。
剛「何の目的で上陸したのか、旅行客と言うなら証明を見せろ、だって、どーしよう・・・」
すると、司令官の後ろにいた先ほどの隊長が、横たわっている ぺ に近づき、グッタリとした
体の胸ぐらをつかんで、怒鳴りだした。 「パンにジャムツケルニダ!!!」
と、その瞬間、ぺ は隊長の腰に差してある拳銃を引き抜き、隊長を羽交い絞めにして、
こめかみに銃を向けた。 「さ、みんな早く、ぼくの後ろへ!!」
「あわわわ、なんてコトを・・・」 剛は一人、パニックにおちいった。
4人は、脱走するためのヘリを要求し、隊長を人質に、ヘリへ乗り込んだ。
「さあ、日本へ向かうのよ!」 ユンソナは、へりの操縦者に命令した。
1−第11話 (
>>16)
「さあ、日本へ向かうのよ!」 ユンソナは、へりの操縦者に命令した。
ヘリが飛び立ち、揺れた瞬間、隊長はぺの痛めた腹部を肘蹴りした。「ぐっ」ぺは、その
激痛に、腹部を押さえる。隊長はその隙に、ぺの、拳銃を持つ右手首をつかみ、拳銃の
奪い合いになった・・・ ぺ「剛、早く、この拳銃を受け取れ・・・」
「あわわわわ、ダメだよぉ・・・」 この時、既に、剛は、腰を抜かしていた。
が、なんとか立ち上がり、剛は手を伸ばし、拳銃を受け取ろうとしたが、その瞬間・・・
手を滑られ、拳銃は、ヘリの外へ落下してしまった。
「もう、剛のバカ、意気地なし!!」と、ユンソナと恭子。
拳銃がなくなってしまった2人は、動きが止まり、お互い、睨みつけ合う。
すると、隊長は、不適な笑みを浮かべはじめた。そして舌ずりをしながら言い出した。
「あの日本人の漁師は、ボコボコ殴って、楽しかったな〜。もっとも、すぐに、死んじまって、
賭けには、ならなかったがな。今度はお前で、楽しませてもらうぜ。」
恭子「なんて言ってるの?」 ユンソナ「・・・」 恭子「お前があの漁師さんを・・・」
声を失い、震えている恭子の手を、ユンソナはそっと握りしめた。
「だが、本当にお前で楽しめるのかな・・・へっへっへ・・・」と、ハムハムニダニダ言いながら、
上着を脱ぎはじめた。
剛「わぉ、超マッチョ!」
さて、筋肉隆々のこのマッチョに、ぺ・ヨンジュンは太刀打ちできるのか???
1−第12話 (
>>17)
筋肉隆々の男の前に、全員、緊張の糸が張り詰めた・・・・
剛「もう、だめぽ・・・。 降参しようよ、島に戻ろうよ〜・・・・」
「・・・ちょっと待ってくれ、俺も服があると動きにくい」そう言うと ペ はシャツのボタンを一つ一つ
外し、片手で上着を脱ぎ捨てた。そこには、厚い胸板と、割れた腹筋が現れ、腕には血管が浮き上
がり、体中が汗で光っていた。
恭子「すごい・・・・」 ユンソナ「でしょっ♪」 剛「・・・・・・んぐっ」
隊長「ほほ〜・・・これは鍛えてあるな・・・へっへっ」とハムニダ言いながら、ペに襲いかかったっっ!!
隊長とペとの戦いは、壮絶で、その度、何度もヘリが大きく揺れた。
「何か叩くもの、叩くもの・・・ああ、あった!」 ユンソナが、何かを探して出した。なぜか、ヘリにフライ
パンがあったのだ・・・。そして、フライパンの取ってを両手で掴み、思いっきり振り下ろした・・・
グァ〜〜〜〜ン、鈍い音が響いた。隊長の後頭部に直撃したのだ・・・「ぐぇっっ!」 倒れる隊長、
その胸ぐらを掴み、拳を振り上げると、ぺは、はにかみながら言った。「まず、これは、海岸で不意打ち
を食らったオレの分だっ!」 バギッッ、ガシャーンンンン・・・グッタリ倒れる隊長を持ち上げ、「そして
これは、お前に殺された漁師の弔いの一発だ」ベギッッッ・・・ ぺ のすさまじい攻撃で、隊長はドアに
叩きつけられ、ぐったりとした。と、その時、ヘリが乱気流に煽られ、その勢いでドアが開き、隊長は
ドアの外へと飛び出し、海に投げ出された。「あ〜れ〜・・・・ぇぇぇぇ」
ぺ 「あの体なら、死ぬこともないだろう・・・」
「やったーっっ!」と、喜ぶ剛と恭子の声を制するように、ユンソナが声を上げた。
「待って、このヘリ、韓国に向かっている・・・」 「ええっ?」
ヘリの窓から辺りを見廻すと、韓国軍の戦闘機に囲まれていたのだった・・・。
1−第13話 (
>>18)
ヘリは、韓国ソウル・ヨンサン基地へ着陸した。
降りると、軍服の列隊の中、ネクタイを締めた3人が出迎え、丁寧にお辞儀をしてきた。
そして、ターミナルに着くと、蝶ネクタイの要人らしき人物が現れ、さながら、とても和やかな
空気が漂っていた。
ユンソナ「なんか、雰囲気が変だよね。」
要人の導くまま、応接間に通されたが、その豪華で広いドア、高い天井、きらびやかな装飾品
は、あまりに場違で、4人は戸惑いを感じた。
要人「みなさま、この度は不遇にも遭難に遭われ、ご苦労な事だったと存じます。既に捜索
は打ち切られているのですが、ほとんどの方が亡くなられ、大惨事だった中、このように
生存されます事は、大変喜ばしい限りでございます。まず、お名前の確認を。そのあと、
すぐにご家族に連絡されてください。きっと、大変、お喜びになることでしょう。」
その要人は、流暢な日本語で話しをし出した。どうやら、全員、日本人と思っているらしい。
要人「で、みなさま、潮風に当たってらっしゃるようで、この後、シャワーでもどうでしょう。
あるいは何か、飲み物でも?」
剛「腹減った。何か食いたい。飲みたい。眠いので、毛布が欲しい。」
1−第14話 (
>>19)
剛「腹減った。何か食いたい。飲みたい。眠いので、毛布が欲しい。」
確かに、4人とも、何も飲まず食わずで、丸一日が経っていた。
要人「分かりました。すぐにお飲み物を。その後、シャワーでも浴びてください。食事の用意
をしておきましょう。すぐ休める部屋もとっておきましょう。」
あの島での出来事は夢だったのか・・・その話題に全く触れない要人に、4人は狐に包まれた
ような気分であった。
4人はすぐに親に連絡を取った。剛の親は、泣くわ騒ぐわで、かれこれ一時間話していた。
シャワーを浴びた4人は、豪華な南フランス料理を平らげ、オーブリオンワインを2本開け、
個室となった各部屋で、死んだように眠りに就いたのであった。
ZZZZZZZZZZZ・・・・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ピー・・・ガガ・・・
「北緯レーダー37度9分方向に飛行物体通過、危険度1.5・・・民間機予定通り飛行」「了解」
「・・・おい、あいつらの親への電話連絡、不都合な内容は、妨害音をちゃんと入れたか?あと、
その盗聴記録の、国防部への提出は?」
「はい、まず、親への電話連絡は、不都合な箇所は全くなく、妨害音は、実施せず、です。
そして、23時5分、長官への提出と報告、完了済ませました。」
「・・・ふむ、ご苦労・・・あと、あの4人の各部屋のモニターはどれだ。」「はっ、こちらです。」
「へっ、なんだこのガリガリ男、涙を流して寝てるぜw・・・・しかし、運のいい奴らだ。」
1−第15話 (
>>20)
さて、次の日、4人は呼び出され、国防部の役員と思われる人物から、変な話を聞くハメになった。
国防部役員「君たちの事件は、私たちの力及ばず、既に、日本韓国、両国のマスコミに知れ渡る
騒ぎとなってしまった。軍の一部の腑抜けどもが、相変わらず、ハエどもとつながっておる・・・。
それでだ、君たちの体験したことは、是非、公にしないで欲しい。大人になって欲しいと言っ
っているのだ。君達は、日韓の友好を保つ上で、重大かつ重要な人物になっているんだよ。
言っっている意味が分かるだろう。この大きな責任を背負ったと思って、約束してくれ。」
剛「ちょっ、ちょっと、待ってくれ。何のことか、ワケ分かんないよ。実際ぼくたちは死にそうな思い
をしたのに、それを黙ってろなんて・・・・」
国防部役員「まだ、気付いていないようだな・・・ あの島は、トクド なんだよ」
その時、ぺ・ユンソナ・恭子に、緊張が走った。
ユンソナ「え? まさか、そんな・・・あんなところまで漂流していたなんて・・・」
ぺ「・・・やはり、そうか・・・・」
剛「? トクドってなに?」
恭子「トクドとは、どくとう、独りの島って書くの。つまり竹島のことなの」
毅「竹島?・・・ああ、あの韓国領の、」
恭子「バカっ!!」
さて、4人は半ば強制的な黙秘の約束を押し付けられ、それぞれの故郷へ帰ることになった・・・・。
1−第16話 (
>>21)
さて、4人は半ば強制的な黙秘の約束を押し付けられ、それぞれの故郷へ帰ることになった・・
ぺ「ユンソナ、恭子と二人きりで話したいことがあるんだ。いいか?」
ユンソナ「・・・・いいわよ。」
ユンソナは、ぺと恭子をエレベーターの入り口まで送った。
エレベーターの中、伏せ目がちな恭子の顔を、じっと見つめる ぺ であった。
二人はターミナルの屋上へと出た。
「あっ、冷たい・・・」外の空気に触れた恭子は、小さな声で囁いた。
「恭子・・・」話しかけようとする ぺ に、背を向けて、手すりに両手を添え、恭子は
ゆったりと流れる雲を眺めた。
「こんな形で、お別れなんて、寂しいね・・・」
軍用機の離着陸する爆音が、二人の会話をさえぎった・・・
そして静寂が訪れた時、ぺ は、力強く言った。
「まだ、君のことを、愛していると言ったら」
恭子は思わず振り向き、首を横に振った。目には涙が溢れだしていた。
1−第17話 (
>>22)
「まだ、君のことを、愛していると言ったら」
静寂が訪れた時、ぺ は、力強く言った。
恭子は思わず振り向き、首を横に振った。目には涙が溢れだしていた。
だが、伝えなければならない言葉を探すが、見つからない。
ぺは、微笑みを浮かべ、しばらくの間、恭子の顔を見つめていた・・・
が、恭子の心を悟ったのか、ぺは目を細め、そして振り向き背を向けてエレベーターへと
歩き出した。
「待って!」
ぺが振り返ると、恭子はぺの胸に飛び込んできた。
「目がこんなに真っ赤になって・・・」そう言うと、ぺ は恭子のほほを両手で包み
指で涙をふいてあげる。すると恭子は目をパチクリさせ、ぺの顔をみつめた。そこには、
とても澄んだ瞳があった。
そして、ぺの瞳がだんだん近づいてくるのがわかった・・・「あっ」
唇と唇が重なりあった。
二人は、そのまま、抱きしめ合った。
「私も、あなたのことを、愛しています・・・」
二人は、これが最後の別れだと理解していたが、そのまま抱きしめ合い、
空白の時間が、流れた・・・・
その後、4人は何事も無かったかのように、故郷にかえり、
すべては解決したかに見えた・・・が、運命はそれを許さなかったのである。
<竹島物語−第2章> 第1話 (
>>23) T18
ソウルから、大韓航空機で成田空港へ帰ってきた二人を、大勢のマスコミが待ち構えていた。
「草gさん、奇跡の生還おめでとうございます、今の感想を!」「深田さん、お母さんに一言!」
質問とフラッシュが飛び交い、二人は、驚きながらも、日本に帰ってきた喜びを味わった。
すると、テレビ局の腕章を付けた一人の青年が近づいてきた。
「こんちわっ! とあるテレビ局のADやってます。え〜と、これからの二人のスケジュールは、
次のようになってます・・あっ用紙とペン、渡しますね。・・あ、ぼく、香取慎吾といいます!
よろしくね」
そう言いだすと、いきなり分刻みのスケジュールの説明をしだした。
剛「もしかして、ぼくたち有名人?」 恭子「そうかもね、でも、日本のマスコミって、こんなに
強引で、図々しいの?」 慎吾「あれっ、ぼくのことかな?ゴメンね、仕事だからさ・・・」
恭子「あ、いえ、別に・・・ごめんなさい・・・」 慎吾「ここだけの話、実はぼく、働いている
職場、大っっっ嫌いなんだよね。会社も上司もサイアク、将来、独立しようと思うんだ、そん
ときはスポンサー、ヨロシク!」 恭子・剛「はあ・・」
気さくに話し出す慎吾に、戸惑う二人だが、憎めない軽快なしゃべりに、心地よさを感じていた。
ズンズンズン、チャッチャッチャラララ〜♪♪・・・軽快なジャズの音楽と共に・・・・
「こんばんわ、21時54分、朝日々放送の、放送ステーションの時間です。
総合司会者は私、杏館伊知郎がお送りします」
つづく
26 :
おじん ◆abcDBRIxrA :2005/04/17(日) 11:14:24
>>1 そもそも竹島の認識が間違ってる。
サンフランシスコ講和条約において、竹島は日本固有の領土として認められた。
日本は半島沿岸の他の島の領有権は放棄させられたが、竹島は放棄の対象になっていない。
韓国は竹島を一方的に領有宣言して、守備隊を派遣し、占拠している。
ゆえに竹島は「日本の領土だが、韓国が不法占拠している島」。
これが日本政府の見解。
なお韓国では、サンフランシスコ講和条約については、国民に詳細を教えていない。
韓国は民主主義の発展途上国。いまだ思想の自由や言論の自由が制限されている。
(/-\) 竹島を小説のテーマに選ぶのなら、韓国における情報統制や教育のありかたをもっと調べたほうがいいね。
27 :
ほげ:2005/04/17(日) 11:57:49
>>26 まあ、今頃になって竹島問題を国民が知ったということのほうが
問題なわけで。
尖閣諸島の問題も同様。
>>26 竹島の、韓国の不法占拠については、理解してますよ。
あと、李承晩ライン後の蛮行についても書くが、それより、歴史的
背景を追及していきたいと考えているが・・・
>>27 別板では、竹島問題をよく知らない人の為に、提議したのですが、
日本でもまだまだ、韓国の主張が正しいと、考えている人が、
残念ながら多いようですね。
あと、このストーリーの中盤は、物語としての性質を失うのだが、
ま、結局、私の提議の意図は、「竹島って、何?」に答える事で
あるので、それは仕方がない事なのである。
しかし、物語としての流れは、維持してみよう。堅い話もアリって
事で・・・。この問題は、歴史的背景から発展し、現在の韓国の
騒動あたりが、題材として、オイシイ。
2−第2話 (
>>24)T19
「こんばんわ、21時54分、朝日々放送の、放送ステーションの時間です。総合司会者は私、
杏館伊知郎がお送りします。」
二人は、朝日々放送のスタジオにいるのであった。
「まずお二人は、遭難から奇跡の生還を果たしたわけですが、なんでも、韓国軍に救出され、
韓国・ソウルで手当てを受けられたとの事ですが、どうでしたか、ソウルでの、一泊は?」
剛「いやー、凄かったです。天井がきらきら光るシャンデリアの部屋で、フランス料理に、
超高級なワインに、そして、ふっかふかのベットでグッスリと寝ることができました」
杏館「すごいっ!すばらしいな〜、聞いた話によると、一般人はめったに足を入れることの
できない、VIP館だったようですよ。それで、韓国という国をどう、思われましたか?」
剛「はい、もう、最高です。いっぺんで好きになりました。」
杏館「いや〜、そーですか(ニコニコ)、あれ、お嬢さん、元気がないようで、だいぶお疲れのよう
ですが・・・もし、韓国という国がなかったら、あなた達は生きて帰れなかった訳ですから、
ほんとうに素晴らしいことだと思います。」
恭子「・・・・・・」
一方、テレビカメラの足元でカンペをもつ慎吾は
「また始まったよ、杏館のやろー・・あいつ中国と韓国の話になると、力、はいるんだよな〜っ」
すると、カメラマンが囁き声で「おい、慎吾、声 でけーぞ」と注意した。
「あ、すまん拓哉」 と、後ろから「おい、木村、何してる、そこ パン だ」 拓哉「ちーす」
今日の放送ステーションは、「遭難からの奇跡の生還、そこに、韓国軍の決死の救出が!」など
と銘うった、番組の放送時間のほとんどを使った大特集が、延々だらだらと続いていった。
2−第3話 (
>>29 T20)
杏館「さて、この送ステでは、他局では、入手困難な、驚くべき貴重な資料が届いています。
他局では、韓国軍の海からの救出と報道されていますが、実は二人は、遭難後漂流し、
そして漂着したのが、なんと、今話題の、あの、竹島だったのです。」
「なんで、そんな事知ってるのよ!!」突然、声をあげた恭子に、スタジオは一瞬、静まり返った。
杏館「いや・・・ははは、お嬢さん、元気になられて、良かった・・・実はですね、これは、
朝日々新聞社が、独自の韓国ルートから入手したもので、是非、お二人にその時の苦労話し
などを、お伺いしたいのですが・・・」
剛は小さな声で言った。「ねえ、恭子、ちょっと、ヤバイよね・・・」 恭子「仕方ないわ、私たちから
話し出した訳でもないし・・・」
そして、いつの間にか、番組は竹島についての話題へと変わっていくのであった・・・・・
2−第4話 (
>>30)/21
そして、いつの間にか、番組は竹島についての話題へと変わっていくのであった・・・・・
杏館「遭難して、竹島についた事は、本当にラッキーでしたね。あそこは、韓国がしっかり管理
しているので、ちゃんと島にさえ到着すれば、あとは命を落とすことなど、あり得ません。
いや〜・・・竹島に渡れるって、うらやましいな・・・。ぼくが行こうとしても、韓国が許可して
くれないからね。でも、やっぱり竹島は、韓国がしっかり管理してほしいものです。さて、
君達はまだ知らないと思うが、あの島は、随分昔は、実は、韓国の領地だったんだ。
韓国の文献で、1481年に編纂された「東国輿地勝覧」や1454年の「世宗実録地理志」に
出てくる于山島という島は独島、つまり竹島のことで、また「東国輿地勝覧」によると、鬱陵島
とその属島の于山島を含む于山国は512年に新羅に編入されたので、竹島は6世紀初め
から朝鮮領、つまり韓国の領地、ということになるんですね。ところが旧日本軍は、中国や
ロシアと朝鮮半島の奪い合いになり、日清戦争、日露戦争と進み、その中で日韓議定書を
韓国におしつけ、その過程で1905年、閣議をもって竹島と命名し、半ば強引に島根県の
隠岐島司の所管にしたんだよね。でも、韓国もがんばって、1952年1月18日、サンフラン
シスコ平和条約の発効直前の3ヶ月前に、李ラインを宣言し竹島を取り戻したんだ。そう考え
ると李承晩大統領の海洋主権宣言は、 とっても偉大な宣言だったんだ。
「どっちの国の番組なんだか・・・」とため息をつく慎吾に、「しーっ!!」と拓哉。
2−第5話 (
>>31)/22
「どっちの国の番組なんだか・・・」とため息をつく慎吾に、「しーっ!!」と拓哉。
杏館「つまり、こういうことなんだ、日本にとって、竹島なんか行くこともないし、なくても
構わないのに、戦争で分捕ったから、そもまま貰っちゃえ、と考えたんだよね。
そこで、君達にメッセージが届いています。福●県で、活動をされている方からの
お便りです。読みますよ。『私たちは、独島完全復帰運動の活動をやっています。
あなた方は、韓国の善意を享受した数少ない日本人だと思います。是非、その
お礼を、私たちと一緒に行いませんか。どうでしょう。とてもやりがいのある活動
ですよ。あなた方は、私たちのヒーローなのです。』・・・ ま〜このようなお手紙
を頂いているのですが、なにか、お返しをする言葉があったら、是非この場で!」
杏館は、目を輝かせ、恭子と剛の顔を見て、発言を促した。
すると、恭子は立ち上がり、しっかりした口調で話し出した。
2−第6話 (
>>32)/23
すると、恭子は立ち上がり、しっかりした口調で話し出した。
「お誘い、ありがとうございます。しかし、この番組を見ている皆さんは、大きな勘違いを
なさっています。どこの国の所有かを考えたいのであれば、相手方の意見もしっかり聞き、
尊重すべきです。それなのに全く聞く耳を持たずに相手を非難し、一方的に、こちらの物
だと主張するのは、道理から外れています。竹島は古来、日本の漁師さんたちの生活を
支えてきた、とても大事な島なのです。だとするならば、間違いなく竹島は、立派な
日本の島だと主張したとしても、非難を受ける理由は、どこにも無いはずです!」
・・・・・
この瞬間、杏館は何が起きたか理解することができず、大きな口をあけたまま、喋ることが
できなくなってしまった。スタジオのスタッフも、あまりの予想だにしないハプニングに、
ざわつき始めた。
慎吾「うおっほっほっほ、生放送で言っちゃってくれたよ。すげーなー、あいつ。ちょっと
見直したぜ」
と、慎吾の頭上から「パチパチパチッ」・・・「おい、拍手はマズイだろう、拓哉」
「あっ やっべー」
杏館「・・・ハハハハ、いきなり難しい質問しちゃったから、混乱させちゃったかな?お嬢さん、
ごめんなさいね。 視聴者のみなさま、大変、誠に、申し訳ございませんでした。・・・
あ・・う、え〜えと、では、れれ? 次は・・・なんだ?」
拓哉「慎吾!カンペカンペ」 慎吾「へっ・・ととと」
杏館「あ〜、はいはいはい、では、次に、スポーツの話題です。徳永さんっ?」
「は〜い、スポーツの徳永有美です。では、始めに、大相撲春場所・・・」
2−第7話 (
>>33)/24
「は〜い、スポーツの徳永有美です。では、始めに、大相撲春場所・・・」
オペレーションルームでは、スタジオのモニター画面を食い入るように見つめる者たちがいた。
「プロデューサー、番組の最後の1分間に、フォローの原稿と映像を、用意しましょうか?」
と、ディレクターが声をかける。
プロデューサー「もう遅い。それに、そんな事したら、あ○る優の二の舞になってしまう・・・
チッ、素人だと思って台本を用意して置かなかったのが、裏目にでやがった・・・」
そう言うと、アウロラ製の木製万年筆を奥歯でギリギリ噛み締めた。そして、
「おい、朝日々新聞社に、明日の朝刊の一枠に、この件について、世論操作の記事をうまく
書いてもらえるよう、頭下げて、頼んでおけ!!」 と怒鳴った。
ディレクター「はい・・・」
とその時、
トゥルッ トゥルッ トゥルッ トゥルルルルルルルルルルルル・・・・・・・・
プロデューサー・ディレクター「早速、来やがったか・・・」
局内の、受付案内の電話が、一斉になりだしたのだ。
2−第8話 (
>>34)/25
局内の、受付案内の電話が、一斉になりだしたのだ。
「はい、こちら朝日々放送本局、放送ステーション、番組受付、担当の○○です。・・・
あ、その件につきましては、大変申し訳ございません・・・・」
全国から一斉にクレームの嵐の電話だ。
しばらくすると、一人の受付嬢が、対応に苦しんでいた。
「ディレクター! 国際電話で、韓国からのようなんですが・・・」
「あ、こちらもです」 「こっちもです」
ディレクター「ぐ、ぐ、ぐ、ぐ・・なんてことだ、国内放送なのに・・・ 至急、韓国語対応
担当者たちを呼んできてくれ!」 受付嬢「分かりました」
対応に追われ、走り回っているディレクターに、声がかかる。
プロデューサー「おい、そんな事よりお前、KBS(韓国放送公社)にも連絡を入れておけ」
ディレクター「あっ!! 確かに、では早速・・・」
プロデューサー「それでだ、ソウルへ出向くことも伝えておけ。お前はソウルに行って、
KBS役員のご機嫌でも取って来い。金なら上に言えばいくらで出る。ゴルフでも女でも、
役員の喜ぶことに使って来い。」
ディレクター「私が・・・ですか?、それは、ちょっと荷が重過ぎます・・・」
プロデューサー「ん? なんだ この俺が行け とでも言うのか?」
ディレクター「あ、いえ・・でも・・・分かりました。私が行って参ります。」
プロデューサー「ふむ、分かってると思うが、この件が韓国で放送されたら・・・俺とお前の
首が飛ぶんだからな・・・」
ディレクター「ガクガク ブルブル・・・・」
そして、クレームの電話の嵐は、深夜遅くまで続くのであった・・・・・
2−第9話 (
>>35)/26
放送が終了し、スタジオ内の後片付けを手早く終わらせた慎吾は、剛と恭子に声をかけた。
「今日はお疲れ様!」 「あ、どうも・・・」と恭子
「あんた、すげーな、さっきの発言、カッコ良かったぜ」と拓哉
「えっと、こちら様は?」と剛が慎吾に聞く。
拓哉「木村拓哉ですっ!慎吾とは大学からの親友なんだ、よろしく!」と答えた。
そして「ね、ね、二人とも、今日、時間ある? 食事に行こうぜ、おごるからさ。」
と拓哉は二人を誘い、4人は食事に行くことになった。
着いた所は、どこにでもある、居酒屋だ。ちょっと気を利かせて慎吾が、恭子の顔を見て言った。
「あ、ごめんね、テレビ局って稼いでいるように思われがちなんだけど、実際、そうでもないん
だよね。」と言うと、「もう、ぜんぜんっ」と拓哉。
お互い、自己紹介を済ませ、話を始めると、意外にも、考え方やこだわりに共通点が多く、4人は
大いに盛り上がった。
すると、後ろの席で飲んでいるサラリーマンたちが、何かボソボソ話し出した。
「おい、見てみろよ、あの女。あいつ、今日、送ステで、バカ発言 したヤツだよな・・・」
「ああ、ホントだ。全く、日本にあんなやつがいるから、国際問題起こすんだよな」
「中国や韓国が怒ってんだぞ、分かってないよな〜」 「相手が納得するまでゴメンなさいって、
謝ることが、一番の円満な解決方法なのに、それができない。」 「あ〜あ、国際人の恥!
親の顔見てみてーよ。」
けなし続けるその言葉は、4人の耳にしっかり入っていた。
2−第10話 (
>>36)/27
けなし続けるその言葉は、4人の耳にしっかり入っていた。
恭子はたまらず、「あ、私帰ります・・・」 と言うと
「気にすんな、大体、謝れ、謝れっていってるヤツは、おじさん世代なんだよね。
戦後GHQ教育をモロに受けて洗脳されてやがる。で、お爺ちゃん世代のほうが、
まだまだ健全、で、若者はと・・こいつらどーなんだろう・・・分かんねっ」
と拓哉がフォローを入れる。
「もしかして私たち、お爺ちゃん世代?」 恭子がそう言うと、全員、大笑いした。
すると、奥の席から、スーツ姿にバッチをつけた男性が声をかけて来た。
「もしかして今日、放送ステーションに出演された方ですよね。」
「はい・・・」 恭子が答えると、
「いやー、奇遇だな、いや、運命かな。テレビで貴方を見て、是非、お会いできたらなと
思っていた矢先、まさかこうして、こんな所でお会いできるとは・・・・」
「あの・・・どちら様で・・・」
「おおっと、失礼、私、このような者です。」と、名刺を渡した。
― 島根県議『竹島の日』運営委員会・幹事・・・・中尾彬 ―
2−第11話 (
>>37)/28
― 島根県議『竹島の日』運営委員会・幹事・・・・中尾彬 ―
「あ、いやね、本当は普段ネクタイをしないんだよ。ねじれた巻物が好きでね。はっはっは・・・
あ、分かんないか。」
一見、厳つい顔のその人物は、なぜか親しみのある雰囲気を醸し出していた。
しばらくの間、今日の発言について盛り上がると、恭子が、不意に
「私、島根に行ってみたいな。」と言い出した。
「おお、来い来い・・・休日は全国行脚で忙しいから、平日の方が都合がいいな・・・」
「うわ〜、嬉しい、平日ならいいのね。」と恭子。
慎吾「じゃあ、ぼくたちも行こうぜ。」
「おいおい、仕事、仕事。」と拓哉。
慎吾「だ・か・ら・さ、仕事で行くの!」 拓哉「へ?」
中尾は、自分の予定を恭子に伝え、自分の席へ戻っていった。
その後も、4人は話題に尽きず、大いに盛り上がり、気付いた時には深夜1時を回っていた。
2−第12話(
>>38)/29
4人は、大いに話が盛り上がり、気付いた時には深夜1時を回っていた。
「そろそろ、お開きだね、お姉ーさーん! おあいそね!」
慎吾は、テーブルに来た店員に、料金を済ませていると・・・
「ひっ」 恭子の突然の声に、全員、驚いた。
剛「どうしたの?」
恭子「あのカウンターの、一番奥の席に座っている人・・・私たちがソウルから
乗ってきた飛行機に、一緒にいた人だ。」
剛「え? あんなに、たくさん乗っていたのに・・・人違いだよ。」
恭子「機内で、私がお化粧を直しに行った時、ドアが開いてあの人が出てきたの。
それで、目が合った瞬間、あの人、やばいって顔して、顔を隠すように席に
戻ったの。何だろうなって思って、記憶に残っていたんだけど・・・・」
剛「でも、こんな居酒屋で一緒になるなんて、そんな偶然、あるのかな・・・」
慎吾「なんか、ひっかかるね・・・」
拓哉「・・・・なな、みんな、俺が合図をしたら、ダッシュで店を出てみようぜ。」
慎吾・恭子・剛「うん、分かった。」
拓哉「いっせーのー・・・せっ!!」
4人は、一斉に店から出た。
謎の男は、慌てて上着を着て勘定を済ませると、店を飛び出した。
剛「あ・・・付いてくる・・・・」
2−第13話(
>>39)T30
剛「あ・・・付いてくる・・・・」
慎吾「毅、後ろを振り向くな。」
男は、一定の距離を保ちつつ、確実に尾行していた。
拓哉「みんな、あのビルの間の、細い街路を曲がるぜ。」
4人は、足早に、曲がり、ビルの影に消えた。
男は、慌てて走り出し、その街路に入ると・・・
拓哉「おっとっとっと、お客さん、何の御用ですか?」
4人は、入り口付近で、待ち構えていたのだ。
「ハムニダ〜」男は慌てふためき、壁に張り付いた。
拓哉「・・・ナニ人だお前、ストーカーは犯罪だから、警察へとだな・・・」
ジリジリ男を追い詰める拓哉
すると男は、拓哉を押し退け、逃げ出した。
拓哉「痛てっ、んなろ〜・・いくぞ、慎吾!!」
「よっしゃ〜っ!!」
二人は、男を追いかけた。が、この男、とんでもなく足が速い・・・・
「あんだよっ オリンピック選手かっつーのっっっ!」
「拓哉、まかせたっ!」
拓哉の後ろを走りながら慎吾がに叫んだ。
「ジャスティン・ガトリン みて〜なフォームで走ってんじゃね〜よっ!!」
拓哉はサッカーさながら、上体を反らし、男の足元めがけてスライディングをした。
ズササササーッ、バタッ!!! 男は足をもつらせ倒れこんだ。
2−第14話(
>>40)/31
ズササササーッ、バタッ!!! 男は足をもつらせ倒れこんだ。
「だあ〜っっ!!」 追いついた慎吾は声を上げ、倒れた男の上に飛び掛り、
取り押さえる。
「おい、日本人を舐めんなよ、コラッ!」と胸ぐらを掴んで拓哉が叫んだ。
その時、男の懐から、バッジが転げ落ちた。
「なんだろう、これ?」慎吾は拾うと、小さな記号が刻まれているのが分かった。
拓哉が覗き込んだ。「なんて書いてあるのか、分かんないな。」
「ニダ〜!!」男は拓哉に押さえ付けられながら、ジタバタ騒ぎ出す。
「お前は、騒ぐな。」と、拓哉がにらむ。 慎吾「暗号っぽいね。」
拓哉「・・・だが、その中にアルファベットらしき文字が、書いてあるぜ。」
慎吾は、街灯に照らしながら、目を凝らして覗き込んだ。
「ん〜・・・N・・I・・I・・かな?」慎吾がそう言った瞬間、
男は、胸ぐらを握っている拓哉の手を押しのけ、腰からナイフを取り出し、
なんと、自らの喉元をかき切ろうとした。
「わっバカッ」 二人は、男を取り押さえ、ナイフを奪い取った。
拓哉 「なんだよコイツ、自害しようとしたのか?」
追いついた恭子と剛と共に、近くの派出所に男を引き渡した。
4人はお互い連絡先を教えあい、それぞれ帰途についた。
ピッピッピッピー・・・
「こちら321、ニュヨーク・標的XY、IT商談を済ませ、タクシーでレストランKへ
直行。」 「了解。」
「723です。たった今、平壌のZWが喜び組とラブホテルへ入りました。」 「了解」
とその時、荒げた声が、
「・・・なに!NO222が、東京での任務遂行に失敗した?」
2−第15話(
>>41)/32
「・・・なに!NO222が、東京での任務遂行に失敗した?」
「・・・すみません。アメリカと違って日本は監視網がゆるいので、安心でもしたのでしょう。」
「・・・で、ばれてないだろうな・・・」
「はい、それは、大丈夫です。我々が、KCIA(韓国謀略・諜報組織)であることは・・・」
「で、後の二人は無事なのか?」
「はい。849は既にホテルモントレ銀座へ到着し、待機しています。それにもう一人の・・・」
「おい、そんなことより、早く、222の件、手を打っておけ!」
「あ、それは大丈夫です。実はその、もう一人とは、666のことでして、既に彼に、222の
件を任せています。」
「・・・666を行かせているのか・・・ふふふ・・・たかが東京ごときで、贅沢だな。まあ、ヤツの
腕なら、間違いないだろう。よし、分かった。ではすぐに、この件をNII(日本国立情報学研究所)
のアイツに報告しておけ。」 「はい・・・・」
「午前5時30分になりました。NHK、朝のニュースです。本日、深夜、2時頃、港区芝公園前
派出所で、ストーカー行為をしたとして、取調べを受けていた韓国人男性が、突然、警官に襲い
掛かり、警官の腰に装備していた拳銃を奪いとり、自殺しました。調べによると、拳銃の痕が、
自ら撃ったとされるこめかみの他に、頭部にもう一箇所見つかり、これが、いつどのようにして
撃たれたのか、謎が深まっています・・・・」
そして数日後・・・・
「ん〜〜っ・・・やっと着いた! やっぱ、東京からじゃあ、遠いなー」 恭子は、大きく背伸びをした。
剛「そうだね、来るだけで、半日が過ぎちゃった。飛行機で来たかったけど、恭子は車窓から見え
る、四季折々の景色、大好きだもんね。さて、中尾彬さんは、どちらかな?」
中尾「おお、よく来たね。ようこそ、島根県へ!」
つづく
44 :
名無し物書き@推敲中?:2005/04/18(月) 16:04:37
韓国へ行くと、いずれ日本と韓国は、一つの国になるって言う人多いね、
なんで、そんな事思うんだろうか。
<竹島物語−第3章>第1話 (
>>42)/33
中尾「おお、よく来たね。ようこそ、島根県へ!」
三人は、JR松江駅で待ち合わせをしていた。そしてすぐに山陰本線へ乗りこんだ。
恭子は車窓を眺めた。 日が傾きかけた淡い光の中、神社や田んぼや土間の民家・・・
そこには、日本の失われつつある原風景が残っていた。
恭子「好きだな、こういう眺め・・・」 そういうと、不意に、テレビ撮影の現場が目に入った。
「あれ? あの、撮影の人たちって、香取さんと木村さん?」
剛「あっ ホントだ。」 中尾「なんだいあいつら、玉造温泉に来ているのか。」
「はーい、では二人とも、いいですか。団子を食べ歩きながら、風景を語るシーン#18、
スタートッ」と、慎吾の響く声。
「あ〜ら、この団子、とっても、おいしいわねえ、美香さん。」
「もう、お姉さま、景色、景色。」
「あ″〜、こいつら、せっかくの絶景ロケ、ぶち壊し。」と、カメラを回しながらブツブツと拓哉。
「わおっ、叶姉妹じゃん」と、剛・・・ 電車は、心地よく3人を揺らす。
中尾「島根県は、海・山の景勝や多くの温泉にめぐまれた観光県なんだが、近代工業の発展が
おくれたため山間部では過疎化になやんでいる。人口は今、76万人くらいかな。」
恭子「でも、とっても歴史がありそう・・・」
中尾「この一帯の出雲平野は弥生遺跡が100ヶ所以上点在し、また、初期の大和政権に対抗する
一大勢力があったんだ。」
恭子「大和政権に対抗って、すごい・・・」
中尾「ここのご先祖さまは、それはそれは勇敢な豪族だったんだよ。でも、古代律令制下に治めら
れると出雲国、石見国、隠岐国の三国がおかれ、山陰道に属した。」
恭子「隠岐国・・・隠岐って竹島に一番近い島ね。」
3−第2話 (
>>45)/34
恭子「隠岐国・・・隠岐って竹島に一番近い島ね。」
中尾「そう、既にその頃から竹島を含む一帯が、生活の場だったんだ。竹島周辺は昔から、
アワビやサザエ、ベニズワイガニ、ワカメなどの海産物の漁場であり、アシカ猟の猟場
だったからね。」
恭子「竹島が、日本人の 古代からの 生活の場・・・・・」
中尾「まず、出雲国については、日本神話の舞台であり、大和政権下に入る前は、独自の文化圏
を形成していた、まさに日本、発祥の地だ。石見国は、7世紀末〜8世紀初めに石見国庁に
下級官人として赴任した柿本人麻呂は「万葉集」に多くの秀歌をのこしている。」
剛「あ、柿本人麻呂って知ってる知ってる!飛鳥時代の歌人で、四国や中国や九州につかわされ
た人のコトなんだよ、恭子。」
恭子「没後に、すでに「万葉集」の中で伝説化されていて、「古今和歌集」の序においては歌聖として
神格化されている歌人のことね。でも、宮廷歌人なのに、身分の低い官人って、かわいそう。」
剛「ふ・ふ〜ん・・・」
中尾「そして、日本海にうかぶ隠岐国は古来「遠流の島」とされ、平安時代には官僚で文人の小野篁、
鎌倉時代には後鳥羽上皇や後醍醐天皇がながされ、ゆかりの遺跡や伝説が今もつたわる。」
剛「隠岐って、刑をうける島だったんだ・・・」
中尾「さあ、ここで降りよう。」 3人は、宍道駅をおり、歩き出した。
恭子「竹島は、太古の昔は日本人の生活の場だったのに、なぜ、今は近づくことができなくなって
しまったの?」
中尾「はっはっはっ・・・隠岐の歴史を辿って研究した人が、必ずぶつかる疑問だな。さあ、着いた。
見てごらん、これが、我が県が誇る、宍道湖さ!」
そこには、夕暮れ時の真っ赤に染まった空の中、それを映し出して色づく雄大な湖が広がり、
その中に、一つの島が、日没を背景に、かすんで見えた。
まるで、真っ赤な湖の中に、シルエットの孤島が浮かび上がっているようだった。
恭子「わ〜・・キレイ・・・・」 剛「これは絶景だな!」
3−第3話 (
>>46)/35
恭子「わ〜・・キレイ・・・・」 剛「これは絶景だな!」
中尾「湖の東側に浮かぶあの島は嫁ヶ島というんだ。宍道湖は塩分を含み、海水の10分の1
ぐらいの濃度だが、底層では塩分はさらに多く、これが全国一の産量をほこるヤマトシジミ
に絶好の生息条件となる。他には、ワカサギ、フナ、コイ、アユ、シラウオ、ウナギ、ウグイ、
ハゼ、スズキ、ナマズ、エビなどなど・・・・70種をこえるんだ。つまり、内水面漁業も盛ん
なんだ。」
剛 「はははは、旨そう・・・腹減ってきた・・・」
中尾「おお、そうか、そんな事だろうと思って、今日の旅館は、格別、料理の旨いところを
選んでおいたぞ。」
恭子・剛「やったー!!」
剛「ご・ち・そーっ ご・ち・そーっ 」 3人は、心はずませ、旅館に向かった。
一方・・・
「拓哉お疲れ」と、缶コーヒーを投げる慎吾。 「サンキュー」と拓哉が受け取る。
慎吾「ちょっと、休憩を取らないと、結構ハードだね。」
拓哉「まあな・・・しかし、まさか慎吾に『湯の旅・温泉の宿』のロケ地を決める決定権があったと
はな・・・俺もくっ付けて連れてくれるし・・・そろそろ、ディレクターに出世だな。」
すると、慎吾が大笑いした。
「かかか・・・実は、今のディレクターが面倒臭がって、外回りの仕事のほとんど、僕に回して
くる・・・最近は、自分の大事な仕事も僕に相談してくる時もあるし・・・なんで、あんなのが
ディレクターやっていけるのか、分かんない。」
拓哉「・・・まっ、会社には、そんなヤツもいるって事さっ。おし、後ひと仕事、入浴ロケだ。最終日
の明日は、現地解散だから・・・な、慎吾。」
「もち! 剛と恭子ちゃんの観光に、付き合おうぜ!・・・実は今さっき、メールを打って、連絡
をとったトコ・・」と慎吾。 拓哉は、パンッッ と慎吾の肩をたたき、 「グー!」 と合図した。
3−第4話 (
>>47)/36
さて、温泉旅館で料理を目の前にする3人
恭子「わ〜おいしそ・・・」
中尾「ここの郷土料理で 『宍道湖七珍』 っていうんだ。これ目当てにくる旅人も、結構いるん
だよ。」 剛「うまっ、ふんぐふんぐ・・」
恭子「私、竹島がなぜあんなに問題になっているのか、よく分からない。」
中尾「う〜ん、そうだな・・・ 一言で言えば 韓国が竹島を不法占拠しているから なんだ。日本
国土を大事に思う日本人は、このとんでもない行為に、激怒している。」
剛 「日本国土を大事に思う日本人って・・・変な言い方。でも、不法なら、裁判に訴えればいいじ
ん。」
中尾「いいかい。この問題はそこらへん近所で起こる不審者住居侵入の事件が起きて、憲法35
条で裁きましょう、というのとは訳が違う。国際社会の常識は、もっとシビアで現実的だ。」
恭子「どういうことなの。」
中尾「世界の領土問題に関して言えば、ある国が相手の領土に不法占拠したとしても、相手国が
何も言わなければ、国際社会は合意したものだと解釈し、占拠した国のモノだと認めてしまう。
つまり、既成事実をつくった方の勝ちとなってしまうんだ。」
剛「だったら、竹島は、とっても危ない。」
中尾「そう、もう、とてつもなく危険な状態だ。」
3−第5話 (
>>48)/37
中尾「そう、もう、とてつもなく危険な状態だ。」
剛「だったらそれこそ、すぐに、裁判を。」
中尾「国際法で裁く裁判って言うのは、両方の国がテーブルに着かなければ始められないんだ。」
恭子「・・・そして韓国は、国連機関の国際司法裁判所に出ることを、かたくなに拒否しているのね。」
中尾「もう少し詳しく言うと、日本が国際司法裁判所への付託を、韓国側に働きかけても、韓国は
応じようとしない、と言う事になる。」
剛 「もっと他の手立てはないの?」
中尾「後は提訴する手もあるが、国際司法裁判所はこの提訴についても、両国合意の上でないと
受け取らないから、韓国が合意しない以上、結局同じことなんだ。」
剛 「わ〜、もう手の打ちようがない。」
中尾「まあ、待て、結論を急ぐな。確かに今のままでは、韓国は裁判のテーブルに着きそうにもな
い。だからと言って何も行動を起こさないのでは、先人の努力が水の泡になってしまうんだぞ。
どんなに厳しい状況であっても、しっかり日本の主張を唱えて、国際社会の耳に響かせていく。
そういう毅然とした態度が、後々国際司法裁判所へ韓国を引っ張り出す原動力となったりもす
るんだ。」
そういうと、中尾はお猪口に日本酒を注ぎ、飲み干した後、やや上目使いで、低い声で言った。
「だがな、そんな事ばかりに気を取られても、この竹島問題の本質は、何も分からずじまいな
んだぞ。」
3−第6話 (
>>49)/38
「だがな、そんな事ばかりに気を取られても、この竹島問題の本質は、何も分からずじまいなんだぞ。」
恭子「竹島問題の、本質・・・・」 剛「それって、何?」
中尾「まず、この問題に関しては、韓国側がかなり先手を打っている。」
剛「だから本質って何?」 恭子「先手・・・・・」
中尾「ちょっと難しいぞ。」 剛「も〜もったいぶんないで、早く早く!」
中尾「いくぞ、歴史書・文献には、実にあいまいな表現で書かれているものが多い。それを
韓国は、見事に、利用している。」
剛「あ・・う、わけがわかんない・・・・」
中尾「つまりだ、あいまいな文献が、韓国の手掛かると、とてもクリアな主張に変身してしまう、
と、言っている。」
恭子「もしかして、それって、捏造?」
このとき、中尾は、ニヤッと笑った。
中尾「詳しくは、明日、ある人物を紹介しよう。実は俺もその人物と遭うのが始めてなので、
とても、楽しみなんだ。」
剛「やっぱ、中尾さんって、人脈、すごい・・・」
中尾「あとな、竹島に関する発信情報の量なんだが、日本に比べ、韓国のほうが、はるかに多い。
当然、日本語版なんか、もう、うじゃうじゃだ。その中には、日本寄りだと欺いて、じんわり、
韓国側へ引き寄せる高度は物も、結構ある。ま、つまり、判断力のない日本人が何もしらず
ホームページを見てしまうと、簡単に洗脳されてしまうという仕掛けだ。さらに残念なことは、
実際に竹島を生活の場としてきた日本人漁村の声は、ネット上では、皆無と言っていい。
よって、史実調査で隠岐を訪れた人は、生の声を聞くと、溢れている情報とあまりにもかけ
離れていて、愕然とするのだ。」
剛「ホームページ・・・わわわ、日本の若者も、ターゲットとなっているのか・・・・」
3−第7話 (
>>50)/39
剛「ホームページ・・・わわわ、日本の若者も、ターゲットとなっているのか・・・・」
中尾「そして、韓国の扇動家たちが、もっとも力を入れているのが、竹島を、朝鮮への
侵略戦争と結びつけて、日本側に詰め寄る作戦だ。」
剛「侵略戦争の話しになると辛いな・・・」
中尾「なんだお前、俺と話しているにも関わらず、戦争と聞いただけで、そうなってしまう
のかい。」
恭子「つまり、この竹島の問題は、あの時の戦争以前からあったのだから、戦争と切り
離して考えるべき、って言うことね。」
中尾「おい、俺がこれから言おうをとした事を・・・お前、本当に賢いな。ただな、これが
一番頭が痛い。このテーマを持ち出した途端、韓国人は、理論ではなく、感情でくる
ので、もう、議論にならない。しかも、日本人でさえ、こいつのように自虐的になって
萎縮してしまうし・・・」
恭子「でも、さすがにあの時の戦争は、日本が悪かったものね。」
中尾「いや、それは違う。」
恭子・剛「??」
恭子「あの戦争が、正しかったとでも?」
中尾「・・・きみは若い。だから理解するには、まだ難しいな。もうこれで、話は終わろう。」
剛「わっ、そんなんじゃ、納得できないよ。」
恭子「そうです。おっしゃって下さい!」
中尾「ふふふ・・・分かったよ・・・」
恭子と剛の厳しい視線は、日本人の若者が失いかけている、迫り来る活気さに満ちており、
中尾を喜ばせた。中尾は、魚の白身をつつき、ビールをコップ並々につぎ飲み干し、
若者には負けぬぞ、という視線で、心を戦闘態勢にし、静かに聞き出した。
中尾「お前ら、ではな、戦争はなぜ悪いんだ? 」
3−第8話 (
>>51)/40
中尾「お前ら、ではな、戦争はなぜ悪いんだ? 」
恭子「・・・それは、人の命を奪うからです。」
剛「な〜んか戦争に、良い戦争があるみたいな言い方・・・」
中尾「・・・よしよし、ちょっと前にさかのぼって説明しよう。」
中尾「コロンブスが大陸を発見して、大航海の時代が到来した時、ヨーロッパ人は、現地の資本を
利用すると豊かになる、という事を、学んだんだ。」
剛「現地の資本って何?」
恭子「その土地の、資源や農産物や人間の労働力」
中尾「そうだな。ここから、植民地の時代が訪れる。七つの海を制したイギリスなんかは、それを
貿易として活用し、莫大な利益を上げる事になる。ところが、ヨーロッパの国々が植民政策を
始めだすと、まだ手付かずの未開の国が残り少なくなって、奪い合いになったんだ。」
剛「あ、だから日本でも、ペリーさんが来て、鎖国をやめて、開国して植民地になって・・・・
あれっ???」
恭子「ペリーはアメリカよ。」
中尾「いやいや、アメリカもヨーロッパと一緒さ。軍艦で乗り込み、その相手の出方をじっくり見る。
冷静に欧米の作法に則って対応できれば、交渉するに値する国だとみなし対等な立場で、
条約を薦めてくる。まあ、日本の場合、対等ではなかったがな。しかし未開地だったり、逆上
して攻撃して来るような場合には、当時の欧米の習慣法により、武力によって攻撃し、植民
地にしてしまう。まあ、黒船の時に日本は、統制がとれ、しっかり構造をもった社会で、作法
を重んじることのできる国だと認められたんだな。それでも、当時の日本は、鉄砲と刀という
軍事力の脆弱さを見透かされて、不平等な条約を結ばされてしまった。ようやくそれが解消
されるのは、日本が富国強兵であると認められた後だった。」
剛「ペリーさんって、えげつないな・・・」
3−第9話 (
>>52)/41
剛「ペリーさんって、えげつないな・・・」
中尾「時間はかかったが、ようや日本は、欧米の仲間入りを果たした。しかし、そのことに異常な
までに不快を示したのが、中国(当時の清)だった。その当時、中国は欧米が勢いを増すなか、
実に古い体制のまま、安住していたんだ。イギリス人は、何度も中国とよりよい関係をつくろう
と努力したが、中華思想が抜け切れないままの中国は、イギリスを西の果ての田舎の国くらいに
しか見てなかった。まず、イギリスは貿易という対等な関係での契約を望んでいたのに、田舎者
の朝貢に契約は不要、と言い出し、イギリスの重要な貿易商品であった綿の製品を、絹と比べて
粗悪なものとバカにし、とうとう、イギリスは激怒してしまう。アヘン戦争なんか、中国に同情する
歴史家が多勢だが、イギリスに言わせれば、アヘンの貿易こそ、怒りの象徴だったんだ。」
剛「中国って、なんかバカ。」
中尾「ま、本当はな、中国と清とでは国家体制が違うんだが、国民性は似ている。」
剛「でも、中華思想って?」
恭子「中華思想というのは、世界の中心は自分達だって、考えることなんですよね。」
中尾「おう、その通り。漢民族の伝統的な自己優越思想だ。清は満州族の王朝だが、この伝統は、
脈々と受け継いでいた。そしてこれが、朝鮮半島の問題を引き起こす。」
中尾「当時の世界は、弱肉強食の時代。帝国ロシアは、中国の満州、朝鮮半島を狙い、最終的には
その先にある日本を欲しがっていた。日本としては、中国とロシアの脅威から身を守るために、
なんとしても、そのことを朝鮮に自覚させたかった。しかし・・・実は朝鮮は中国の従属国と
なっていたんだ。日本を守るためには朝鮮との関係強化が不可欠だっただけに、この構図は、
本当に日本を苦しめた。」
剛「えっ 中国は欧米より遅れていたのに、なんで朝鮮は中国に従っていたの?」
3−第10話(
>>53)/42
剛「えっ 中国は欧米より遅れていたのに、なんで朝鮮は中国に従っていたの?」
中尾「実は朝鮮も、中華思想がしっかり浸透していたんだ。別の言い方をすれば、中国の冊封
体制の中にあった。つまり、朝鮮にとって中国はヤクザの親分であり、その親分の敵国日本
と関係を結ぶことは、許される事ではない。そして、日本と中国との間に緊張が生まれる。」
恭子「そして、日清戦争が勃発したんですね。」
中尾「その通り。そして、その日清戦争なんだが・・・なんと日本が、余裕で勝ってしまった。
対照的にこの戦争で負けてしまった中国は、威張っていたが実は弱かったと言う事が明白
となり、この弱肉強食の時代、あっという間に英・露・仏・独・日などの帝国主義列強により、
中国本土が喰われ始めたんだ。義和団運動により一旦おさまるが、辛丑条約によって、中国
は、列強への従属がいっそう深まることとなる。」
剛「なんか中国、情けないね。」
中尾「さあ、こっから凄いぞ。弱肉喰って、強者同士のぶつかり合いだ。さて、中国本土を喰う時、
日本が勝った戦争なんだから日本に権利があるはずなのに、露・独・仏が文句を言い始めた。
いわゆる三国干渉だ。アメリカはというと、アジアの利権を狙っていただけに、このチャンス
を逃すまいと列強に働きかけ、中国進出の機会をうかがっていた。この時、ロシアは事ある
ごとに、日本とぶつかった。まずロシアは満州をものにする為、その目前までシベリア鉄道
を建設して、満州の利権をねらい、更に遼東半島の旅順と大連を租借して朝鮮を手に入れよ
うとした。この行為は日本に脅威を与え続ける。何度もロシアと交渉を続けるが、その甲斐む
なしくロシアは満州を占拠し、ついに戦争がはじまる。それが・・・・」
剛「はーい、日露戦争、だね!」
恭子「って、話の流れから、当たり前でしょ。」
中尾「それで、この日露戦争も、なんと、日本は勝利してしまう。」
剛「日本って、つおい!」
3−第11話 (
>>54)/43
剛「日本って、つおい!」
中尾「これには、さすがに世界は、度肝を抜かれた。『あの、ようやく近代化したばかりの日本が、
帝国ロシアに勝った』ってね。そして、白人に虐げられ、自信を失っていた植民地の人々も、
この快挙に驚き、そしてとても喜んだ。この戦争での日本の勝利は、その後、様々な国で起る
る、民族自決運動の土壌となったんだ。まあ、実の所この勝利には、ロシア国内のごたごたの
お陰もあったのだが、世界が驚いたのは、あの、ロシアのほこるバルチック艦隊を、日本の
艦隊が撃破したことなんだ。そう考えると、東郷平八郎には、もっと敬意の目を注がなければ
ならないんだが、学校では、ちゃんと教わったかい?」
恭子・剛「いや、それほど・・・」
中尾「この戦争の行方は、日米関係の悪化へとつながる。その緊張の中、日本は国際連盟で孤立
へと追いやられるんだ。そして真珠湾攻撃から太平洋戦争へ、つまり第二次世界大戦の始ま
りだ。」
毅「真珠湾攻撃って言ったら、日本側の奇襲攻撃なんだよね。」
中尾「ふふふ・・・ここにも、真実と歪曲が入り乱れている。ただ真偽はどうであれ、ルーズベルト
の思惑通り、米世論の対日戦高揚がピークとなり、翌日、宣戦布告をおこなうことができた。」
恭子「戦争って、捏造が常に付きまとっているんですね。」
中尾「そうなんだ。各国の腹黒い連中が、文書や証言や、写真なんかで、コツコツ作り上げていっ
た。ようやくその真実を解き明かそうという研究も始められているが、一方、捏造を真実として、
堂々と外交のカードに使っている国も見受けられる。」
剛「日本人って、そういうの、弱そう・・・」
中尾「はっはっは・・・日本人は、ウソがつけないからな。そして、そんな日本人の素直さ、お人よ
しさが、戦後、多くの損害と屈辱を被っている。」
恭子「・・・・」
剛「で、日本はアメリカに負けたんだよね。」
中尾「ああ、そうだ。広島と長崎に、大きな傷跡を残してな。」
3−第12話 (
>>55)/44
中尾「ああ、そうだ。広島と長崎に、大きな傷跡を残してな。」
恭子「そして世界に平和が訪れたんですね。」
中尾「いやいや、朝鮮のとっては、悲劇の始まりだった。日本が敗戦し、朝鮮半島の統制が空白
になった時、その日を待ち焦がれていたソ連は、待ってましたとばかり、朝鮮半島の北半分
を占拠してしまう。この時、軍事境界線ができる。しかしソ連はそれでは飽き足らず、その境
界線である38度線を越え南へ詰め寄ってきた。慌ててアメリカがそれに応戦し、そして
朝鮮戦争が勃発する。」
剛「なんか、ソ連って、けんかを仕掛けてばかりだ。」
中尾「確かにな。そしてソ連は北朝鮮の朝鮮人民軍を率いて『南半分の人民の解放』の名の下
に、勢いを増し、ソウルを陥落させる。負けずにアメリカもソウルを奪回、さらに平壌を占領
したが、今度はなんと、中国の義勇軍がソ連側に付き、参戦してしてきたのだ。これにはさ
すがのアメリカも面食らった。そしてこの時アメリカは、日本の朝鮮進出の理由を理解し、そ
して、背負ってきた苦労を、思い知らされることとなる。戦況は混乱を極めたが、戦線膠着状
態の中、1951年、ソ連は、休戦を提案、関係各国はこれを受け入れ、朝鮮休戦交渉がはじ
まった。しかし交渉はなかなかすすまず、ようやく1953年休戦協定が調印されたが、この
時、韓国は拒否している。そしてこの結果、朝鮮半島は、38度線を堺に国が真っ二つにわ
れ、そして現在の韓国と北朝鮮ができあがる。この戦争で、アメリカ・韓国軍側は、50万人
近い戦死者と100万人ほどの負傷者を出し、ソ連・朝鮮人民軍、中国義勇軍側は100万人
ほどの戦死者とほぼ同数の戦傷者を出したとされる。また、民間人の死亡者、行方不明者
は南北あわせて200万人以上にのぼったといわれ、まさに同じ民族が争ってしまった、
悲劇の結末であり、そして、その苦悩は後々尾を引くことになる。」
3−第13話 (
>>56)/45
中尾「・・・悲劇の結末であり、そして、その苦悩は後々尾を引くになる。」
恭子「・・・・・・」
中尾「どうだい、恭子も剛も、少しは理解できたかな?」
恭子「・・・わたし、まだ、この戦争が正しいとは思えない・・・この話、すべてを受け入れる
ことは・・・ 」
中尾「はっはっは・・・お前は正直だ。それでいい。俺はお前達を洗脳しようなんて、考えている
わけではない。ただ今の日本では、こういう話を聞く環境がないからな。俺はそれを伝えた。
そしてお前は、そう考えた。今はそれで十分だ。」
剛「あああ、僕はヤバイ、洗脳されたかも・・・・」
中尾「ははは、それも良かろう。とにかく今は、時間をかけて、自分の頭でじっくり判断すること
だな。」
「でも!」 恭子は、叫んだ。
中尾「なんだい?」
恭子「もし日清・日露戦争で日本が朝鮮に進まなかったら、日本は各国に引き裂かれ、また、
第二次世界大戦で日本が負けたから、朝鮮半島が二つに引き裂かれてしまった、と言う
事は、分かりました。」
この言葉に、中尾は、目を細め、大きくうなずけた。
中尾「それが分かれば、もう、何も言うことはない。」
剛「あああ、とうとう、恭子も洗脳されちゃった・・・もうだめぽ。」
中尾「おおっと、せっかくの料理が冷めてしまう。さあ、食べた食べた。」
恭子・毅「いただきま〜す。」
中尾「でな、これはスズキの奉書焼といって、これまた格別に旨い。」
恭子「うわ〜、美味しい。香りもいいし・・」
中尾「だろ。」
剛「うまっ うまっ 旨い!」
3−第14話 (
>>57)/46
3人がごちそうを平らげている時・ ・ ・ ・
「はい、では入浴のシーン#25!」
自然の岩々が作り出す、荒々しい露天をカメラは捕らえ、次第に被写体へと流す。
拓哉「おし、いい感じ!」
「ちょ〜っとカメラさん、そこからではなく、斜めか上から撮ってくださる。そして時々、
胸元のツヤツヤをアップでね。ぐふっ」
拓哉「あーへいへい」
慎吾「とと、お姉―さーん、ちょっと黙っててくださいね―、では美香さん、台本通りに!」
美香「わ〜、気持ちい〜 肌にしっとり、潤いを与える感じね。山陰地方屈指の古湯で
ある玉造温泉は、ナトリウム、カルシウム硫酸塩、塩化物泉で、最高泉温70.8℃、
毎分の湧出量は613リットル。リウマチ、神経痛、皮膚病、婦人病などに効用が
あるんですよ。」
「今度こそ、筋書き通り、完璧っっ」と拓哉
すると、「ここの旅館、外国人観光客も、結構いるのね、ぐふふふふっ」と姉
「お姉さま、今日は大人しくしてくださいね。毎回、外国の男性の方を、お部屋に
お呼びなさって・・・ もう毎晩、うるさくてかないません。」
「うふん、美香さん、それは大丈夫よ、今日は、休息の日。」
慎吾「あ〜・・・お姉さん、美香さん、それ、放送できなませんから!」と、カチンコで
自分の肩を叩く。
「こいつら、頭ん中、そればっか!」と、カメラを回しながらブツブツと拓哉。
・・・・
恭子「あの、私・・・」恭子は箸を止め、話し出した。
中尾「おお、なんだい。」
恭子「私、隠岐に行ってみたい。真実が知りたいの。」
中尾「はっはっはっ・・・そう言うと思った。よし、明日の日程は決まりだな。」
その頃、剛は・・・「ふんがっぐっぐ」
つづく
3−第15話 (
>>58)/47
「やっぱり外は、風が強いわね。」 髪を押さえながら恭子はいった。
剛「ねえ、もう、中に入ろうよ。」
恭子、剛、中尾の3人は、フェリーに乗り、隠岐に向かっている途中だった。
恭子「でも、この風、あまり冷たくない。」
中尾「ここは、対馬海流だからな。たとえ真冬でも比較的温暖なんだ。」
剛「ところで慎吾と拓哉、後から連絡するって言ったっきり、連絡ないね。」
一方、その頃・・・
慎吾「おお、きたきたきたっ! これ、でかいぞ!」
拓哉「おし、慎吾、引きこみに合わせて、リールを巻け!」
二人は既に、隠岐に来ており、磯釣りをしていた。
慎吾「やったー!、大物、ゲット!」
拓哉「早速さばこうぜ。3枚におろして、刺身とあぶり焼きだな。」
二人は、60センチはあるメジナのウロコをとり、内臓をとって、さばき始めた。
実に手慣れたものである。拓哉は刺身にし、慎吾は半身を串に刺してあぶり焼きだ。
拓哉「やっぱ、うめーな」 慎吾「離島、最高!」
一方、フェリーでは、
中尾「隠岐は、島根半島から北方約42から85km離れた、日本海にうかぶ島々の総称を言う
んだ一番大きい島は「島後」といい、その南西に「島前」の各島がうかぶ。島後は西郷町ほか
3村、島前は2町1村にわかれている。人口は2万6千人くらいだ。」
すると、遠くに島が見え出し、近づくにつれ、せり出した岩々が現れた。
剛「わお、断崖絶壁!」
3−第16話 (
>>60)/48
剛「わお、断崖絶壁!」
中尾「隠岐は各島とも第三紀にできた火山島で、溶岩台地の海食崖が発達して、海岸や山頂は
国立公園となり、その景観を保っている。今見えている国賀海岸は西ノ島町にある景勝地で、
ここは天然記念物に指定されており、断崖がつづいている先には、摩天崖、鬼ヶ城とよばれ
る名勝もある。また、岩部が空洞化して橋梁状になった通天橋、矢走二十六穴とよばれる
海食洞や、明暗の岩屋などの奇景もみられるんだ。」
恭子「こんな環境で生活している人って、たくましいそう・・・」
剛「なんか、観光客は、多そうだね。」
中尾「そうだな。ここは、この自然景観と、史跡や伝説にもめぐまれ、更に離島ブームにも乗って
観光地化がすすんでいるんだ。海中公園も3カ所が指定され、各地にキャンプ場や海中展望船
なども導入され、磯釣り客やスキューバダイビング客の、格好の遊び場だ。」
剛「夏に来たら、楽しそう。」
一方、慎吾と拓哉は、昼飯前の小腹を満たし、心地よい潮風に当たりながらくつろいでいた。
拓哉「そろそろ、剛と恭子ちゃんが到着する時間だな。」
慎吾「よし、では、迎えに行くとするか。」
2人は西郷港に向かった。
到着してしばらくすると、フェリーの降り場から3人が出てくるのが見えた。
「よっ!ようこそ、隠岐の島へ。」と拓哉が声をかける。
恭子「あっ、木村さん、それに香取さん。」 剛「な〜んだ、先に来てたんだね。」
中尾「彼らが、テレビ局で知り合った友人なんだね。」
中尾に挨拶する慎吾と拓哉。
慎吾「これからどうするんですか。僕たち、この島の観光スポット、いろいろチェックしていた
んで、レンタカーでも借ります?」
すると、中尾が笑い出した。
3−第17話 (
>>61)/49
すると、中尾が笑い出した。
「確かに、せっかく隠岐に来たからには、観光はしなくてはな。だが、その前に心のもやもや
をスッキリさせないといけない。」 と言って、中尾は恭子を見た。
恭子「香取さん、木村さん、昨日、ケイタイで話したこと、覚えていますか?」
慎吾「えっと、宿題だから覚えてねって言われて・・・確か、韓国との間で起きている竹島の問題
ついて、だったよね。」
木村「竹島問題は、日本が正当性を訴えているのに、韓国側はそれからは逃げて、解決と関係
のない事がらを主張して騒ぎ立て、問題の解決どころか、余計問題をこじらせ、二国間の関
係を悪化させる一方・・・ってことだったよね。」
剛「わっ、お見事!」 恭子「う〜ん・・・」
中尾「はっはっは、付け焼刃の知識にしては、まずまずだな。」
剛「つまり、この竹島問題の核心が何なのかを確認するのが、先決なんだって。だから観光は後
回しなんだ。がっかり。」 慎吾「でも、面白そうだね。」 拓哉「よし、付き合うか。」
すると、向こうから、ワゴン車アルファードが近づき、止まると年配の男性が降りてきた。
「中尾先生、お待ちしていました。どうぞ、皆様もお乗りください。」
中尾「おお、これは忙しい時に、手間を取られたな。館長。」
この男性は、五箇村隠岐郷土館の館長であった。
全員、車に乗り、窓からの磯の景観を眺めた。
中尾「まず、竹島を理解する上での基礎知識が2点ある。一つは鬱陵島という島の存在だ。
もう一つは、竹島が昔、松島という名で呼ばれていた事だ。」
剛「うつりょうとうって、落ち込みそうな名前。」
館長「鬱陵島は ウルルンとう とも読みます。ただ私ども年寄りは うつりょう という名で
馴染んでいるのですが・・・」
恭子「・・・竹島は昔、松島と呼ばれていた・・・」
3−第18話 (
>>62)/50
恭子「・・・竹島は昔、松島と呼ばれていた・・・」
慎吾「なんだか、ややこしいぞ。」 拓哉「ここらへんが歴史を嫌いにさせる原因だよな。」
中尾「そうだな。しかし、この問題は、もっと更に、ややこしくなる。」
館長「まず、竹島は、隠岐諸島から北西約157kmのところにある島をいいます。日本海の
ほぼ中央、北緯37度9分、東経131度55分に位置し「東島」、「西島」の2つの主島と、
数多くの岩礁からなっており、古くから好漁場として知られていますが、断崖絶壁の火山
島で人が生活するには適さない環境となっています。」
慎吾「ふ〜ん、で、さっきの鬱陵島というのは?」
中尾「鬱陵島というのは、竹島のさらに先にある、韓国領の島なのさ。」
剛「な〜んだ。鬱陵島って、日本の島ではなく、韓国の島だったんだ。」
館長「いえいえ、実は山陰地方の漁民は、鬱陵島を日本の島と考え、竹島で船を休めながら、
鬱陵島まで漁をしていたのですよ。」
拓哉「では、昔は鬱陵島も、日本の領土だったのか。」
中尾「・・・・・」
館長「さあ、着きました。この島の歴史を学ぶ、資料館です。どうぞ。」
一行は車を降り、資料館の中に入ると、漁具、農具、生活用具などの島の生産用具が多数、
展示してあった。その中に、額縁の付いた、大きな写真があった。
剛「うわっ、この写真、牛の戦いだ。」
「これは、牛と牛が戦う競技で、牛突きといいます。隠岐にながされた後鳥羽上皇をなぐさ
めるために始められたのが起源とされています。」
館長はそういうと、一般閲覧客の立ち入ることのできない、特別史料室へ案内した。
「さ、こちらへ、どうぞ・・・」
3−第19話 (
>>63)/51
「さ、こちらへ、どうぞ、・・・」
館長は、そう言って部屋に招くと、全員をソファーに座らせ、山陰地方の郷土史などのさまざまな
史料をテーブルに出しだした。そして、その中の一つ『大宝二年 虫害、不作』から始まる、隠岐
の郷土史料を広げ、説明を始めた。
館長「これは、隠岐国の役人が書き留めた記録で、この史料では、大宝2年、つまり702年から
のことが書かれています。もちろんそれ以前にも、松島や鬱陵島に漁に出かけていたとする
記録は数多く残っていますが、この文献が、一番信頼に値するのです。」
剛「えーと、松島って、竹島の昔の呼び名なんだよね。」
中尾「そうだ。昔は、竹島のことを松島と呼んでた。そして、鬱陵島は名無しだった。ところが
17世紀初頭、伯耆国、現在の鳥取県の米子の海運業者だった大谷甚吉が、航海中に暴風
に遭い漂流して鬱陵島に漂着た。それがきっかけで、この島を『竹島』と呼ぶようになったん
だ。甚吉は、この島近辺の漁業権を、他の漁民より優位に立とうと考え、帰国後、同志の
村川市兵衛とはかり、1616年に江戸幕府から鬱陵島への渡航許可を受けた。」
剛「あれ? ちょっと待って。竹島=鬱陵島??」
慎吾「これは、ややこしいな・・・」
館長「少し、混同されているようですね。」
中尾「はっはっは、さっそく、こんがらかったか。あのな、現在の竹島という名は、1905年に
付けられたんだ。それ以前は、鬱陵島が 竹島 だったんだ。分かるか?」
拓哉「分かったは分かったが、確かにややこしいな。」
剛「僕は、ちょっとやばいかも・・・」
恭子「・・・と言うことは、現在の、竹島の名の由来は・・・」
館長「そうです。現在の竹島という名は、この鬱陵島の竹島から取って付けられた、名前なの
です。」
3−第20話 (
>>64)/52
館長「そうです。現在の竹島という名は、この鬱陵島の竹島から取って付けられた、名前なの
です。」
剛「まさかこの年で、受験みたいな歴史勉強をする羽目になるとは、なはは・・」
館長「大谷、村川両家は、その後、毎年交替で鬱陵島に渡り、アシカ猟やアワビの採取、木材の
伐採などを行い、両家の『鬱陵島の経営』は78年間続けられます。当時鬱陵島へ渡るコース
は、隠岐島から松島を中継地にしており、大谷、村川両家は、この『松島の経営』をも手がけて
います。松島が航路中の寄港地、漁猟地として利用されアシカ猟を行っていた記録も残って
おり、江戸幕府は松島に対する渡航許可も1656年に出しています。」
剛「ええと、松島が、現在の竹島で、それで鬱陵島が、昔の竹島で・・ううう、ツライ・・・」
慎吾「剛、鈍すぎ!」
中尾「そして、韓国も、この歴史的経緯・事実に対しては異論は出ていないんだ。」
剛「だったらやっぱり、当時、鬱陵島も、日本の領土だったの?」
館長「確かに、大谷、村川両家が鬱陵島を経営していたということは、韓国も認めています。しかし
17世紀末になると、朝鮮からの出漁者がふえて紛争が生じたため、鬱陵島への渡航は禁止さ
れたました。しかし、松島での漁業はつづけられました。この時、朝鮮人の安龍福が1696年、
来日し、鬱陵島である『于山島』は、朝鮮領であると訴えてきます。もう一度いいますが、その後
も、大谷、村川両家の松島の漁業は続けられています。」
剛「わっ、今度は、于山島 だって・・・もう、何がなんだか・・・」
拓哉「館長、この、于山島 というのは一体?」
3−第21話 (
>>65)/53
拓哉「館長、この、于山島っていうのは一体?」
この時、中尾は、館長が答えようとするのを制し、静かに答えた。
中尾「日本と韓国の論争の一つは、この『于山島』ってのが一体どの島を示すのか、という点なん
だ。朝鮮の文献では、この于山島に関し正確な記述がなく、どの島を指しているのか特定する
事ができないんだ。しかし、韓国はどうしてもこの于山島を、松島と結び付けたいらしく、いろん
な解釈をつけてくる。日本側は、その矛盾点を的確に指摘し、韓国の主張は既に論破されてい
るのだが、韓国側はなぜかそれを受け入れようとせず、文献と程遠い解釈を付けてきては今だ
に、松島は于山島だから韓国領だ、と主張し出すので、日本の歴史学者はとてもいら立ってい
る。ま、この件は後で別の人物から説明がある。その者に詳しく聞けば分かるだろう。」
恭子・慎吾・拓哉・剛「・・・・・・・」
館長「では、続きを。そして日本は幕末を向かえ、混沌とした中、明治政府が誕生し、国内外共に慌し
くなりました。この時期、諸外国から日本の国土について問われ、慌しく調査がなされ、内部調
査について、1860年代末から80年代末まで、あらゆる文書が飛び交います。太政官の指令
も一貫性がなく、内務省もおおわらわでした。この、混乱の中、悲劇が起こります。『隠岐騒動』
です。」
剛「それって、米騒動と関係ある?」
恭子「もう、関係あるわけないでしょ!」
3−第22話 (
>>66)/54
恭子「もう、関係あるわけないでしょ!」
館長「いえいえ、米騒動も、お米への投機・外米輸入の規制、業者の買い占め、都市人口の急増
といった、世の中の構造基盤が揺いで招いた混乱、と言う意味では似たようなようなものです。
隠岐騒動とは、この混乱の幕末期、四方を海に囲まれている隠岐の島民が、もしこの島を外国
船が襲ってきた時、お上はちゃんと助けてくれるのだろうか、という不安を常に持っていたので
すが、その不安どおりに、外国の軍艦が隠岐西郷湾に入港したという事件が起こり、それがき
っかけで起きた騒動の事をいいます。この時、松江藩の代官は充分な対応を取ることができず、
島民の松江藩に対する不満が募っていき、このご時世、自分達の身は自分達で守らなければ
ならないということを悟ります。そして1868年3月19日、島民たちは三千人余に武装して蜂起
し、島内の郡代を追放してしまい、ここに『隠岐自治政府』が設立しました。しかし、この自治政
府は、太政官からの『隠岐取締令』により出兵した松江藩の武力攻撃により崩壊してしまいます。
しかし隠岐県庁が西郷に置かれるまで、この自治政府は、1年余り続きました。」
中尾「幕末と明治初期の混乱は全国で見られたんだが、この混乱期に出された公文書を、一番喜
んだのが、韓国の歴史家だった。とにかくこの時期の文書を調べると『この地域やこの島は、こ
の期間、日本の統制下に入っていない』と、言える物がいくらでも出てきたんだ。」
恭子「韓国が、この時期の公文書で、探していたものとは・・・」
中尾「そうだ。松島に関するものだ。韓国は、このまたとない絶好のチャンスにわくわくしていただろ
うな。そしてついに韓国の想いは叶った。1877年、松島を日本領土から外すとする、太政官指
令書があることを発見したんだ。そして鬼の首を取ったかのように、この文書について追求しだ
した。」
慎吾「うわっ、ヤな性格・・・」
つづく
3−第23話 (
>>67)/55
慎吾「うわっ、ヤな性格・・・」
館長「ですが、松島、つまり竹島は1905年に日本に再編入されるまでのこの期間、日本人
以外に実効支配されたことはないという証拠は、既に証明されていて、これも、韓国の
不発に終わったのです。」
剛「でも・・・韓国って、日本の歴史もしっかり、調べているんですね。」
中尾「おう、それはもう徹底的に、あいまいな記述はないか、血まなこになって調べている。」
剛「なんか、大事な歴史を、他国のあら捜しでおとしめられる見たいで、ヤだな。」
中尾「実はな、韓国はそれも狙っている。日本の国民に『日本の歴史には、受け継がれるほど
の価値はないんですよ』ってね。もし、日本の歴史が価値あるものとするなら、同時に朝鮮
の先人の不甲斐なさが、浮き彫りになってしまうからな。」
「そんなの気にしなくったって、韓国人は、今の自分達に誇りを持てばいいのにな。」
拓哉はそうつぶやいて立ち上がり、本棚の資料に手をやった。
中尾「まあな・・・しかしな、人様の歴史を他人が手を加える行為は、許されるものではないん
だぞ。」
館長「韓国による日本史の歪曲は、日本歴史家の調査により隈なく否定され、韓国の主張は
事実無根だということが、証明されています。」
慎吾「そりゃあ、他人が手を加えようとしても、本家の目は欺けないだろうよ。もう、頼むぜ、韓国。」
中尾「だが、それにも関わらず、学術上否定された歪曲歴史が韓国、そして日本国内、そして
なぜか中国に垂れ流状態なんだ。」
拓哉・慎吾「はあ・・・・」
拓哉は再びソファーに腰を下ろし、ため息をついた。
館長「そのことが、日本の歴史学者たちに、屈辱を与え続けているのです。」
そしてこの時、中尾は力のこもった声で、いった。
中尾「だがな、なぜかそのあら捜しに協力し、その歪曲された内容の宣伝に加担している、日本
の新聞社があるんだ。そこが何より腹立たしい。」
「うっ、なぜか胸が痛い。」と、胸を押さえる慎吾。
3−第24話 (
>>69)/56
「うっ、なぜか胸が痛い。」と、胸を押さえる慎吾。
恭子「別にあなたたちは直接関係ないから、責任はないと思うけど・・・」
中尾「いやいや、それを支えている者たちとして、会社の理念を変えようとする意思がないの
なら、やはり、責任は発生するぞ。」
拓哉「はは・・、やっぱ、竹島の日を創案した会の幹事だけあって、厳しいな・・・」
館長「話を続けましょう。韓国は、この時期の松島所有の正当性を、『大韓帝国』だった当時に
発布された勅令に求めます。1900年のこの勅令の41号には『鬱島郡守は台霞洞に置
き、区域は鬱島と「竹島」、「石島」を管轄すること 』と記してありました。この時大韓帝国
では鬱陵島を、鬱島と改めています。これをもって韓国は『わが国の公文書にはっきり、
「竹島」と記されている。』と、主張してきます。しかし、日本の歴史専門家はこの主張に
笑止します。お気づきかと思いますが、当時はまだ「竹島」とは呼ばれていないのですか
ら。つまり、松島であり、あるいは『りゃんこ島』と、呼ばれていました。そして朝鮮も日本
の真似をして、この「りゃんこ島」という呼び名を用い、定着していました。では一体、この
勅令文の「竹島」とはどの島を示すものなのか。調査の結果、鬱陵島の北東に位置する
「竹嶼」ではないかと言われています。しかし今度は、この「石島」が竹島だ、と言ってくる
のですが、韓国の史料には、この石島について位置すら記されておらず、どの島を示して
いるのか特定できないのです。多分、鬱陵島の付属小六島の中のどれかなのでしょう。
しかし、それでも韓国は食い下がり、今度は石島と独島の発音が似ていると言い出す始
末で、日本側は、コロコロ変わるその主張に、もう、手に負えない状態なのです。」
剛「なんか、韓国、もう必死だ・・・」
3−第25話 (
>>70)/57
剛「なんか、韓国、もう必死だ・・・」
館長「さて、松島はようやく、1904年、隠岐の漁業者中井養三郎がこの島の領土編入として、
『貸下願』を政府に提出。これを受けて政府は翌1905年、島名を「竹島」とし、隠岐島司の
所管としました。1939年以降は島根県五箇村の一部となっています。」
慎吾「あ、1905年にようやく、今の「竹島」の名になったのか。・・・って、あれ?では、鬱陵
島は?」
中尾「・・・残念ながら明治政府は、鬱陵島を、朝鮮の島と認めてしまったんだろうな。」
剛「わ〜、もったいないな。」
居子「・・・この時代、日本は日清、日露戦争で非常体制だったんですよね。だったら朝鮮は、
竹島編入の件について、日本に対し言い出せなかったんでは・・・」
館長「いえいえ、隠岐島司の所管とした時点では、韓国は日本に対し、自由に言える立場に
ありました。しかし当時韓国は、竹島編入の件について、まったく無頓着でした。」
中尾「あのな、今だから言うぞ。はっきりいって当時の朝鮮は、りゃんこ島、つまり竹島の事
は、まったくどうでも良かったんだ。人の住めない島に、全く関心はなかった。にも関わ
らず今頃になって、これを侵略戦争と結び付け、騒いでくるから、わしらはムカムカして
いるんだ。」
拓哉「もう、いいがかりだな。」
館長「しかし日本は、人が良いと申しますか、韓国の主張をすべて聞いてあげました。韓国
に言わせると、1905年の日本による竹島編入は、強制的に行われたもので無効であり、
また、一地方政府が秘密裏に行った手続きであって、法的効力は持たない、というもの
でした。」
中尾「しかし、竹島の編入手続きは、「国際法」に則った適法な手続きがなされたものであり、
まったくの合法なんだ。 また、このことは当時新聞でも報道されており、一地方政府が
秘密裏におこなった手続きという指摘は見当違いだ、という見解をだしている。つまり、
ここでも、韓国は、論破された格好だ。」
剛「国際法なら問題ないよね。もしかして、韓国の突っ込みどころって、ズレているのかな。」
中尾「お前が言うか。」 剛「ははは・・・」
3−第26話 (
>>71)/58
中尾「お前が言うか。」 剛「ははは・・・」
館長「この問題は、戦後処理の混乱が原因であると言えるのです。つまり第二次世界大戦中は、
朝鮮半島そのものが、日本の領土だったので、問題はなかったのですが、日本が敗戦して、
日本の領土が見直され、そして、様々な問題が噴出してきました。」
中尾「1946年1月29日に連合国軍最高司令官総司令部覚書667号の『若干の外郭地域を政
治上行政上日本から分離することに関する覚書』により沖縄、小笠原諸島、奄美諸島、そして
竹島は、一旦、日本国土から、切り離されてしまったのだ。」
館長「その後、沖縄、小笠原、奄美諸島は、日本に返還されました。しかし・・・」
中尾「しかし竹島は、1952年1月18日、韓国初代大統領の李承晩が、日本海に「李承晩ライン」
なるものを一方的に引き、海洋主権なるものを勝手に宣言した。そのラインは、竹島をも取り
込み、その結果、日本への返還が困難になった。」
慎吾「なんだよ、それ・・・」
剛「そんなの、無視すれば良かったのに。」
3−第27話 (
>>72)/59
剛「そんなの、無視すれば良かったのに。」
館長「いいえ、向こうは軍を派遣し、「実効支配」という、強盗まがいの手に出てきたのです。」
中尾「そして韓国は、人の庭に居座りながらも、自分達の正当性を主張してきやがった。まず、
あの一方的な決議である「カイロ宣言」を、まるで聖なる声明のごとく高々と掲げて日本を指
弾し、「マッカーサー・ライン」で竹島が日本の漁船操業領域から除外されていることを強調し、
「サンフランシスコ講和条約」での日本が朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権の放
棄という条文を盾に、竹島も手放して韓国によこせ、と言い出しやがった。」
館長「しかし「マッカーサーライン」は暫定的なものであり、 「サンフランシスコ」講和条約につい
ても、竹島がどちらの国のものかについては、一切述べられていません。」
中尾「問題はな、さっき述べた「李承晩ライン」なんだ。まったくいきなり一方的に引きやがって、
隠岐の、いや日本の漁民の生活をおびやかし、そして・・・許しがたい非道な行為をやりやが
った。」
恭子「それって、一体・・・」 館長「・ ・ ・ ・ ・」
重い沈黙が続き、中尾は静かに目を閉じていた。
つづく
3−第28話 (
>>73)/60
重い沈黙が続き、中尾は静かに目を閉じていた。
恭子「・・・中尾さん、大丈夫ですか。」
中尾「あ・・・いや、すまない。ははは・・・この俺が感情的になってどうする。お前達も
覚えておけ。対立する相手がいた場合、感情的になっては絶対にダメだ。どう動けば
自分達が有利となる状況を作り出せるのか、常に冷静に考え、頭を働かせなければな
らない。まあこの非道な行為も、これから行く先で、落ち着いて説明する事にしよう。」
慎吾「日韓の間って、大きな溝があるんだな・・・」
中尾「よしよし、話の続きをしよう。つまりだ、韓国は軍隊を率いて竹島に不法に占拠して
いるってことだ。そして日本は、その違法行為に対して、1954年9月25日、領有問題
懸案として国際司法裁判所に付託することを韓国側に提案した。しかし韓国政府はこれ
に応じず、現在に至っているわけだ。」
慎吾「・・・でも、なんで韓国は裁判から逃げるんだ?」
恭子「それは・・・韓国自身も、明らかに不法で行っているって、自覚しているから・・・ なん
ですよね。」
館長「それもありますが、それだけではありません。この国際司法裁判では、時間が経て
ば経つほど、韓国側に有利に働く一面もあります。いわゆる、「実効支配」が正当だと
認められることを、韓国は期待しているのです。」
拓哉「くそっ、ひでーコトしてやがんのにな。」
すると、中尾は不敵な笑みを浮かべて言った。
3−第29話 (>> 75)/61
すると、中尾は不敵な笑みを浮かべて言った。
中尾「まあ、そうだな。しかし実はな、韓国政府の狙いはそうなんだが、国民の方はその辺を
詳しく知らされていないんだ。つまり韓国の国民は、政府の竹島での行いはすべて正しい
と思い込んでいる。さて、韓国政府のやった事は、不法占拠だけではない。蛮行もある。
そんな状況のもとで、国際司法裁判になったらどうなるか。まず、自国民の目の前にその
事実がさらされ、そして、世界中がその蛮行を知るに至ってしまう。韓国政府はそうなる
ことを恐れている。そしてそうなれば間違いなく、韓国政府は国際社会の信用を一気に失
うことになるだろうな。」
慎吾「・・・その蛮行って、さっき言った 許しがたい非道な行為 なんですよね。」
館長「確かにそれもありますが・・・もしかしたら、もっとたくさんの、私たちの知らない隠ぺい
された事件も出てくるかもしれません。」
中尾「いいや、間違いなく、出てくるな。」
拓哉「・・・韓国って一体、どんな国なんだ? いや、それ以前に、日本政府は何やってんだ。」
その時、職員が、ノックし部屋に入ってきた。
職員「館長、あの方が、中川さん宅にいらしているそうです。」
すると、館長が立ち上がり、みんなに声をかけた。
館長「ではみなさん、そろそろ移動しましょう。中尾先生、あの方が近くにいらっしゃっている
ようなので。」
中尾「うむ、分かった。」
一行は、資料館を出た。そして、徒歩で移動しだした。
剛「でもなぜ、こんなに問題が大きくなっているのに、日本政府って、何もしてくれないん
ですか。」
3−第30話 (
>>76)/62
剛「でもなぜ、こんなに問題が大きくなっているのに、日本政府って、何もしてくれないん
ですか。」
中尾「・・・政府間レベルのやり取りは、君たちが理解するには少し難しいだろうな。日本政
府も対応策がないわけではない。だが、それには駆け引きが必要となってくるんだ。そ
して日本政府は今、「動」ではなく「静」を選んでいる。まあ現時点で、政府が動く気配は
ないわけだから、俺たち島根県が代わりに、こうやってがんばっているんだがな。」
慎吾「と言うことは、島根県が国の代わりに、韓国と戦っているってコトですよね。そんなん
では、かなうわけがないですよ。」
中尾「いやいや、韓国の反応を見ていると、あながちそうともいえないぞ。俺はな、この問
題、わざわざ御上が出てこなくても、この島根県という一地域の活動で、韓国を十分悩
ませ、手ごわい相手だと思わせるに必要な効果を与えることができると、考えているん
だ。いやいや、もう十分効果は出てるがな。がっはっはっは。」
拓哉「このセンセイ、今の状況、楽しんでいるぜ、ちょっと、カッコイイかも。」
皆、その言葉に笑い出した。そして中尾の豪気な言葉は、全員、感奮を受けた。・・・ いや、
恭子だけが不機嫌な顔をしている。・・・・そして、高められた場の空気を制するかのように、
恭子は大きな声で言った。
「でも!、そのことが、日韓の関係を悪化させてしまったと感じます。もっと、韓国の国民が
納得できるやり方ってなかったのでしょうか。」
3−第31話 (
>>77)/63
「でも!、そのことが、日韓の関係を悪化させてしまったと感じます。もっと、韓国の国民が
納得できるやり方ってなかったのでしょうか。」
恭子は大きな声で言った。
慎吾「わっ、恭子ちゃんって、強気だ。」
館長「確かに、日本国内では、そのような意見が大半ですね。しかし、この問題を、デリケ
ートな外交問題と考えて、韓国を気遣っていた日本に対し、韓国は、独島切手を発行す
るといった、あまりに無神経な、日本の心情を逆なでする行為に出できました。それで
も日本は、冷静に受け止め、遺憾の意を表すに留めましたが、それに対し韓国の国民
は、日本の姿勢を罵倒し、暴言を吐き、してやったりと言った顔付きで、勝ち誇った態度
で来ました。そんな状況の中、島根県が竹島の日を制定したのに、その決議をなぜ、
日本国内がここまで非難するのか、まったくもって理解に苦しみます。」
と、館長は悔しそうに言う。
拓哉「いっ・・・これ、俺ら特集を組んでやったよな。某新聞社をバックにつけて・・・」
「くー・・・またまた胸が痛い・・・」
中尾「恭子よ、自分の物を取られて黙っている国があると思うか? お前は本当に甘ったる
い考えの持ち主なんだな。いいか、国と国との交渉で、国益を考えず、相手の言いなりに
なって、それで丸く収まるわけがない。収まると感じるお前の感性は、既に間違っている。
そんなことしたらな、丸く収まるどころか、相手はますます調子に乗って、更なるわがまま
を言い出してくる。これが国際社会の常識だ。覚えておけ!」
頭ごなしに叩きつけられた言葉が、恭子の頭に響いた。恭子は顔を赤らめ、涙目になっていた。
しかし恭子は、中尾に食ってかかっていった。
恭子「な・・、中尾さん、やっぱりそれっておかしい!そんな事が世界の常識なら、世界は
戦争だらけになってしまいます!」
剛「あわわわわ・・・恭子・・・」 拓哉・慎吾「すげーなー・・」
つづく
3−第32話 (
>>78)/64
剛「あわわわわ・・・恭子・・・」 拓哉・慎吾「すげーなー・・・」
恭子は、キッと中尾をにらみ付けた。自分の発言に中尾がどう答えるのか、その時が来るのを、
じっと待っていた。すると、なんと、中尾は笑い出したのだ。
「ふっふっふっっふっふ・・・・」
「?」 恭子は、むっとした顔で中尾を見る。
中尾「はっはっはっはっは・・・お前のそんなところが好きだ。エネルギーがあっていい。若い
やつはそうでなくてはな。わしらの時代はそろそろ終わる。おまえらが、これから先、この
ような、日本を叩こうとする外交問題から逃げず、真っ向から立ち向かってくれるように育
ってくれれば、それが本望だ。それにはまず、今のうちに外交とは何か、日本の国益とは
何か、そんな事を、じっくり考えていかなくてはな。」
恭子「・・・・・」
恭子の、納得のいかない表情に、慎吾、拓哉、剛は焦りをみせる。
そして、恐る恐る慎吾が聞いた。
「あ・・・あの、中尾センセイ、質問なんですが、竹島問題って、やっぱり大きな問題ですよ
ね。だったら、それを一地域で取り組もうなんて言うのは、やっぱり少し無理があるのか
と思うのです。いっその事、もっと国の中枢にいる人に働きかけた方が、いいかと・・・」
中尾「ああ、本当だ。確かにそうだな。」
すると、館長が誇らしげに答えた。
館長「中尾先生は、ちゃんと働きかけられていらっしゃいますよ。中尾先生は国会議員とも、
とても交流が深い。それ以外にも先生は色々な活動をされています。そして現在、全国
を飛び回り、講演をされ、竹島問題だけではなく、韓国や中国、北朝鮮に関する様々な
国際問題について、若者にも訴えておられるのです。」
3−第33話 (
>>80)/65
館長「様々な国際問題について、若者にも訴えておられるのです。」
剛「中尾先生って、若者に劣らず、とっても元気。」
拓哉「でも・・・今の若者、果たして、しっかり聞いてくれるでしょうか。」
中尾「・・・全員が、聞く必要はないな。将来、国を動かすことのできる、一握りの人間が理解
してくれれば、それで十分だ。」
拓哉「はは、そこまで見越しての講演会か・・・、すごいな。」
館長「そして、ここだけの話し、中尾先生は、小泉首相の出席される国会議員の懇親会にも
招待された事があるのです。そして、そこで小泉首相に声を掛けられ、首相を相手に、
意見をのべられた経験もおありなのですよ。」
剛「へっへ〜・・・」 慎吾「もしかしてセンセイって、とっても偉いんだ・・・」
意外にも、中尾が政府とつながっていることに、一同は驚きを持って敬意の念を持った。しかし
ここで、拓哉が素朴な疑問を口にした。
「だったらこの問題を、小泉さんに頼んでもらいうことは、できないのかなと、思うんですが。」
その言葉で、皆、中尾を見た。
中尾「小泉首相は、ちゃんと考えている。今は国民にそれが伝わっていないんだがな。この
問題は、日本と韓国の庶民レベルの騒ぎで済んだらよかったのだが、韓国政府が関わっ
てきた。確かに、首相も、そろそろ動く時期かもしれないな・・・」
拓哉・慎吾・恭子・剛「・・・・・・・・」 中尾のその言葉に、一同は黙り込んだ。
すると、館長が、指を指していった。
館長「あ、あの家の門の前で、お婆さんと話されている方が、そうです。」
そこには、膝まである紺のコートをまとい、ソフトフエルト帽をかぶった、身だしなみの良い
男性が立って、老婆と会話をしていた。
3−第34話 (
>>81)/66
身だしなみの良い男性が立って、老婆と会話をしていた。
館長「紹介しましょう。この方は、高麗大学で韓国政治を教えられ、韓国では政治学界の元老
と呼ばれ、そして現在、日本と朝鮮の歴史を研究されている、大学教授の韓国人、H・S氏
です。」
剛「わっ、高麗大っていったら、国立のソウル大や同じ私立の延世大と並んぶ、韓国最難関
大学の一つじゃん。」
すると、流暢な日本語で、返事が返ってきた。
H氏「いやいや、恥ずかしながら高麗大からは追い出されてしまいました。今は日韓の文献
による史実の相違を調べながら、地方大で細々とやっています。」
中尾「お会いできて、光栄です。」 H氏「こちらこそ。よろしくお願いします。」
「先生方、こんな所で、立ち話は何ですから、ささ、こちらにどうぞ。」
老婆はそういうと、家の裏庭に案内し、縁側へ通した。そこからは日本海が見渡せた。
恭子「あっ、風が気持ちいい・・・」 潮の風が、心地よく吹いていた。
慎吾は大きく背伸びをした。 「う〜ん、空気もうまいし、しかも、眺めも最高だ!」
拓哉「ここでの生活は快適だな。先人の知恵はすごい。」
剛「あ〜、生き返る〜・・」
なかなか座ろうとしない一行に、老婆は声をかけた。
「ささ、みなさな、腰を掛けて下され。」
おのおの、縁側に腰を掛けた。時より磯から、波しぶきの音が響く。
そしてH・S氏が話し出した。
H氏「今、日韓関係は、節目の時を迎えています。」 中尾「・・・・・」
・・・ピー・・カタカタカタ・・・・・
助手「鈴木研究部長、島根県の隠岐から、キム主任あてに電話が入っていますが、キム主任
がいません。」
鈴木「またいないのか、何をやっているんだ、ヤツは。」
ここは、NII(日本国立情報学研究所)情報メディア研究室・103ルームである。
3−第35話 (
>>82)/67
ここは、NII(日本国立情報学研究所)情報メディア研究室・103ルームである。
鈴木「しょうがない、私が変わろう・・・」
鈴木が電話ボックスに入ろうとしたとき、資料室の奥から、キムが顔を出した。
キム「私なら、ここにいる。」
助手「もう、いつもどこにいるんですか!」
鈴木「・・・・・・・」
そして、キムはボックスに入り、受話器をとり、小窓から鈴木と助手の様子をうかがいながら、
低い小さな声で話し出した。
キム「・・・おお、お前か・・・NO666。こんな時間に連絡を取るとは非常識だな。・・・
な、何! H・Sが日本に来ているだと? なぜ、何のために・・・、まあいい、やつは
もう、大学を追い出され、今は何の権限も持っていない。心配するな。よし分かった。
ソウルの本部には、私のほうから連絡をしておく。お前も、くれぐれも気をつけろ。」
そう言って受話器を置き、電話ボックスから出てくるキム・・・
助手「どうしたんですか。キム主任、顔色が悪いですよ。」
鈴木「・・・・・・・・」
キム「あ、いや、妻と子供が島根県に旅行に行っててな、子供が急に熱を出してしまって。」
助手「まあ、それは大変。・・・ところで、釜山大学の研修生・チュンさん、結局、来ませんでし
たね。ここでの研究、とっても優秀だったから、今回の3度目の来日、とても楽しみだった
のに・・・」
キム「え?、ああ、あいつか・・・実はな、日本に着いた日の深夜、彼は、拳銃で自殺したそう
なんだ・・・」
助手「ええっ!?」
3−第36話 (
>>83)/68
助手「ええっ!?」
キム「釜山大から連絡があったんだが、なんでも港区で飲んでいて、その帰り、彼は釜山の
実家に電話を入れたらしい。その内容が、『日本の娘にフラれちゃった。もうだめぽ、日本
の女性に抱きついて自殺します。』と言ってストーカーをして捕まり、その後、派出所で
自殺したらしい・・・」
鈴木「・・・・・」
助手「あ・・それって、数日前の、早朝のNHKニュースで言ってた事件・・・」
と、その時、インターフォンから音声が入った。
「202ルームの佐藤だけど、誰か手があいている人、知能システムデータのパソコン入力、
頼む。」
すると、キムがインターフォンに向かい「分かった、私が行こう」と答えた。 そして「君も付いて
きてくれ。」と言って部屋を出て行った。 「はーい」 助手は返事をして付いていった。
部屋に一人残された鈴木は、コーヒーを入れ、椅子に腰掛け天井を見上げた。
鈴木「ふ〜・・チュンか・・・ヤツは、釜山大の学生だと聞いていたが、コソコソとしていて、動き
がどうも怪しかった。しかも国立図書館の立入制限閲覧室に通い、自分の研究と全く関係
の無い、日本の島々について随分調べていた。何かの情報を外部に漏らしているのでは、
と疑ってはいたんだが、もう、その真実を追究することもできないな・・・」
そういうと、コーヒーを一口のみ、つぶやいた。
「しかし、キムのやろう、あいつも怪しい。動向に気をつけないといけないな・・・」
つづく
第3章−37話 (
>>84)/69
一方、隠岐では・・・
中尾「この問題は、日本と韓国の、国民性の違いも関係しているの思うのですが・・・」
H氏「確かにそうですね。・・・まず、文献に関し、日本・韓国両方のあらゆる史料に目を通
しても、竹島は古くから、朝鮮ではなく、山陰地方の人々の生活圏であった事は、既に、
明らかとなっています。倭人と朝鮮人は、どちらも農耕民族でありますが、倭人は海洋
民族としても知られており、海での生活が日常でした。しかし、その海への征服感が、
「倭寇」という海賊を生んでしまったわけなのですが・・・。一方、朝鮮では、時代によっ
て、様々な王朝による覇権争いの渦中に巻き込まれ、不幸な一面があります。ただ、
日本人の多くが考えている、中国からの支配、というイメージは全てがそうではありま
せん。4世紀後半から6世紀にかけての古墳からは、金冠その他の金製品や西方系
のガラス器など、特異な文物が出土しています。これは、この時代、中国文化より北方
遊牧民族の、つまり騎馬民族の影響が強かったことを示しているのです。しかし狗肉
食などの食文化は、その影響下でも無くなる事なく、続けられました。」
恭子「朝鮮の歴史って、とっても複雑なんですね。」
剛「でも、狗肉食というのは・・何の肉?」
中尾「犬の肉のことだ。」
慎吾「うげっ、犬の肉を食べてるのか・・・」
H氏「犬肉の料理は、現在でも、韓国ではボシンタン、北朝鮮ではタンコギと言って、日常、
よく食されています。しかし、北方遊牧民族は、犬を狩猟犬として飼っており、生活を
支える家族の一員と考えられているので、それを食べる習慣などはありません。また、
同じく狩猟民族を含んでいるヨーロッパ人については、犬は猟犬の他、愛玩動物として
の存在でもあり、それを食する行為については信じがたいらしく、とても忌み嫌ってい
ます。」
中尾「日本でも、まず食わないからな。」
剛「うう、ありえない・・・」
拓哉「しかし、朝鮮の人は、騎馬民族の血が流れているって事なのか。」
第3章−38話 (>> 86)/70
拓哉「しかし、朝鮮の人は、騎馬民族の血が流れているって事なのか。」
H氏「はい、そうです。騎馬民族の共通点は、馬で駆け回ることは得意ですが、海の上での行
動は、まったく苦手としている事です。つまり、領土拡大するには、海を渡るより大陸への
進出を好みます。元寇での日本の勝利は、日本の学校教育では、台風による神風である
と教えられていますが、実際にはそれだけではありません。壱岐と博多湾を行き来する、
海を挟んでの戦術に元軍があまりにも不慣れであった事に対し、海上戦を得意とする日本
軍は、陸上戦に入る前に元軍の船を攻撃し、打撃を与えたこと、そして元軍には船を作る
技術が乏しく、お粗末な船しか造れず、日本海の荒波に耐えられなかった事などが、その
敗因だとされています。」
剛「あれ? 朝鮮って、元をつくって元寇だっけ??」
慎吾「なぜそうなる? はい、中学校から勉強し直してください!」
拓哉「騎馬民族は、馬術が得意だが海が苦手で、そして倭人は、海が得意なのか・・・」
慎吾「そして海が得意な結果、日本は、倭寇という海賊が誕生したのか。」
H氏「倭寇については、日本の学校教育では、南北朝期後半の14世紀と、戦国期の16世紀が
特に活動していたと教えられていると思いますが、実は既に5世紀には、頻繁に出現してい
ます。そのことは、高句麗広開土王碑文の中に記されいます。ということは倭寇は、5世紀
以前から存在し、各国へ渡航していた事が分かります。」
恭子「5世紀といったら、日本海や東シナ海は、まだ命がけの渡航の時代ですよね。」
H氏「そうですね。そして、海の苦手な朝鮮人が、陸から遠く離れた竹島まで出かけ、領地と考え
ていたという主張は、あまりにも、無理があるのです。」
拓哉「日本は倭寇がいたから、竹島を含め日本海、東シナ海は我が物顔だったんだな。」
慎吾「まさに海の男達だね。倭寇って、学校では悪いヤツらだと学んだが、なんか、カッコいい
かも。」
倭寇と言う海賊が、5世紀には既に、朝鮮、中国にまたがる海を征服していたという事実は、若者
達に、驚きと同時に、誇りを感じさせた。
第3章−39話 (
>>87)/71
倭寇という海賊が、5世紀には既に、朝鮮、中国にまたがる海を征服していたという事実は、若者
達に、驚きと同時に、誇りを感じさせた。
剛「きっと竹島や尖閣諸島は、倭寇の秘密基地だったんだよ。だったら韓国や中国は、もう日本
の領地と認めてもいいんじゃないのかな。」
H氏「確かにそのようにとらえる事が、自然の流れだと思います。しかし倭寇をもって、竹島を日
本の領地とするのは無理があります。そして韓国の主張は、どちらが海に対し優位なのかで
はなく、文献や史跡による記録をもとにしなければならない、といった点です。」
拓哉「・・・韓国では昔、竹島を、于山島と言っていたそうですね。」
拓哉が鋭く切り込んだ。そうなのである。韓国の主張とする、竹島所有の根拠が、今まさに、この
大学教授から聞くことができるのである。
H氏「ほほう、よく調べられていらっしゃる。」
拓哉「あ、いや、さっき聞いたばっかだから・・・」
「さ、さ、みなさま、喉が渇いたでしょう。」
老婆はそう言うと、お茶を差し入れた。そして、皆、それぞれに口にし、一息ついた。
H氏「まず、朝鮮史で、于山国、あるいは于山島について書かれている文献は、主に、三国史
記、太宗実録、世宗実録の地理志、東国輿地勝覧、八道総図、粛宗実録、春官志、堺界考、
東国文献備考、鬱陵島検察日記、大韓地理誌などが、挙げられます。」
慎吾「ふえ〜、なんかいろいろあるな。」
H氏「この中で、島を現す『于山島』の記述は、1417年に編纂された『太宗実録』に初めて
出てきます。そしてここに出てきた于山島を、韓国では竹島、つまりトクドとしています。
しかし、この『太宗実録』の記述には、『安撫使の金麟雨が于山島から還ったとき、大き
な竹や水牛皮、芋などを持ち帰り、3人の住民を連れて来た。そして、その島には15戸
の家があり男女併せて86人の住民がいる。』といった箇所があり、実際の竹島はこの
様な環境でまったくないため、于山島は竹島以外の島を指していると考えられます。」
慎吾「そんなに人が生活できる環境なら、確かに、竹島とは違うな。」
第3章−40話 (
>>88)/72
慎吾「そんなに人が生活できる環境なら、確かに、竹島とは違うね。」
恭子「この『太宗実録』は、竹島に関するものの中で、最も古い史料なんですよね。」
H氏「そうですね。ただ、韓国に現存する最古の文献で、1145年、金富軾により編纂され
た『三国史記』には、別の解釈が読み取ることができます。」
剛「三国志っていったら、張飛や劉備に孔明と関羽それから曹操なんかが出てくる時代の
ことなんですよね。すごい!」
H氏「いえいえ、中国史実の魏・呉・蜀の三国ではなく、高句麗・百済・新羅という、朝鮮史で
の三国のことです。そして韓国ではこれを紀伝体の「正史」としています。この中に『512年、
于山国が服属を願い出てきて、別名を鬱陵島という。』という記述があり、韓国側ではこの
于山国が、現在の鬱陵島とその周辺の島のことを示しているとしています。」
慎吾「正史か・・・つまりこの『三国史記』は、信憑性があるという事ですね。」
H氏「もちろん正史と言えども、歴史事実を引き出すには厳密な史料批判が必要となってきま
す。ただ、この『三国史記』を否定すると、朝鮮の歴史そのものが揺らいでしまうのですが・・・。
そしてこの『三国史記』の記述なのですが、実は于山国の周辺の島のことは記されておらず、
国名が于山国であることから、当時の鬱陵島の呼び名が于山島である可能性が高いのです。
つまりこの正史をもって、于山島が竹島だと言う事はできないのです。」
拓哉「昔の文献を調べていくのは、大変なんだな。」
A氏「そうですね。そして当然、この頃の朝鮮史料は、全て漢文で書かれています。ところが
実は、韓国の歴史家は、日本の歴史家に比べ、漢文を読む力が劣っているのです。そし
てよく読み間違えたりもする。それについて日本の歴史家が誤りを指摘しても、すぐには、
指摘された箇所が理解できない。こんな状態なので、作業が遅々として進まないのです。」
中尾「確かにそれも、日本と韓国の歴史認識がズレてしまう原因の一つなんだよな。」
剛「韓国の歴史家、全然ダメじゃん。」
第3章−41話 (
>>89)/73
剛「韓国の歴史家、全然ダメじゃん。」
H氏「ははは、お恥ずかしいことです。続けましょう。1454年に編纂された『世宗実録』の
地理志には『于山、武陵二島は県の真東の海中にある。二島はお互いに隔てること遠く
なく、天候が清明であれば望み見ることができる。新羅の時、于山国と称した』と于山島
の記述が見られます。しかしこの『天候が快晴であれば望み見ることができる。』を、遠く
離れた小島の竹島、とするのは、まず無理があり、それは、朝鮮本土から見た鬱陵島と、
于山島のことを指していることが分かります。つまり、この文献での于山島は、鬱陵島の、
付属の島である、と言えるのです。また1481年編纂の『東国輿地勝覧』でも、于山島を、
朝鮮領と記述していますが、原文では『風日清明なれば即ち峰頭の樹木及び山根の沙渚
歴々見るべし。風便なれば則ち二日にして至るべし』とあることから、同じく朝鮮本土から
見た鬱陵島である事が分かります。このように、これらの史料をもって、于山島がトクドだ、
と言う韓国の主張は、まったく無理があるのです。」
中尾「まあ、峰頭から樹木が見えるのなら、もう竹島ではないな。しかし、昔の人がいくら目
が良いからといって、竹島まで見えたのでは、もう、びっくり人間だな。」
剛「びっくり人間って、中尾センセイ、古っ 」
H氏「また、1745年の『春官志』には、『蓋しこの島、その竹を産するを以ての故に竹島と謂い、
三峯ありてか三峯島と謂う。于山、羽陵、蔚陵、武陵、磯竹島に至りては、皆、音号転訛して
然るなり』とあり、竹島・三峯島・于山・羽陵・蔚陵・武陵・磯竹島は、皆同じ島であり、竹を産
する事が書かれています。」
拓哉「朝鮮には昔から竹島って言われる島があったのか。まあ竹が採れるってのは、日本の
竹島ではないけどね。しかし、七つも呼び名があるって、統一すりゃーいいのに。」
剛「でも、竹が採れるから竹島って、なんか単純で分かりやすい。」
第3章−42話 (
>>90)/74
剛「でも、竹が採れるから竹島って、なんか単純で分かりやすい。」
H氏「また、1530年に出された『八道総図』という地図には、于山島が鬱陵島の西側に
描かれています。」
慎吾「鬱陵島の西側って・・・鬱陵島より于山島の方が韓国に近いじゃん。なんでそれで、
竹島と主張できるの? もう、わけがわかんない。」
H氏「そうですね。しかし、1728年に編纂された『粛宗実録』には、1696年、朝鮮人の
安龍福が二度目に来日した時のことが書かれており、そこで安龍福が、『松島は即ち
于山島だ。これもまた我が国だ。』と答えた、とあるのです。またこれ以外にも于山島
が朝鮮領であるとの記述が現れることから、韓国では、正に松島が于山島である確固
たる証拠だ、としています。」
慎吾「ここでいう松島って、竹島のことでいいんですよね。」
中尾「ああ、そうだ。」
拓哉「ということは、この証言、重いな。」
剛「あっ! ということは、安龍福の証言により、とうとう、竹島が于山島だって証明されて
しまうんだ!」
第3章−43話 (
>>91)/75
剛「あっ! ということは、安龍福の証言により、とうとう、竹島が于山島だって証明されて
しまうんだ!」
H氏「いえいえ、安龍福の証言の中に、『倭人は、「私は松島に住んで生活しており、たま
たま漁採の為に来ただけだ。」と答えた。』とあるのです。先ほども言いましたが松島、
つまり竹島は、人が住める環境ではない。つまり安龍福は本当の松島の事は全く知ら
なかったので、でたらめを言ったか、日本人が呼ぶ松島を、鬱陵島に付属した別の島と
勘違いしていたためと考えられます。また、一連の安龍福の証言は他にも事実と合わな
い内容が多いため、この安龍福の証言は事実を過大に脚色した作り話である可能性が
非常に高く、この歴史書は、史実としての信頼性が、とても低いのです。」
慎吾「なんだよ、こいつ、マルコポーロと同じ事やってんじゃん。」
中尾「まあ、渡来先や旅行記での証言は、大体、面白おかしく作り変えていることがほとんど
だな。当時、それを防ぐためにも、写経など、宗教、学問、公文書などの写しを持って帰って
いだが、安龍福は、松島の証言に関して、それがない。」
剛「うわっ、出た、捏造だ。」
恭子「もう、捏造っていうのは、史料を書き替える行為を言うのであって、この場合、事実
と違う史観なんだから、それだけでは捏造とは言わないの。分かった?」
剛「う、分かったような、分からないような・・・」
H氏「しかし、この安龍福の証言は、至る所に影響を与えることになります。1756年に編纂
された『旅菴全書』の中の『堺界考』にも、于山の名が出てきます。その中で于山島と鬱陵
島は一つの島なのか、于山島がいわゆる松島のことで二島併せて于山国なのか迷って
おり、安龍福の証言を勘案していることが分かります。」
慎吾「安龍福の嘘が、広がっていくのか。」
つづく
第3章−44話 (
>>92)/76
慎吾「安龍福の嘘が、広がっていくのか。」
H氏「そうですね。さらに、1770年に編纂された『東国文献備考』では、『輿地志に謂う、鬱陵、
于山皆于山国の地。于山は即ち倭の所謂松島なり』との一節があります。これにより韓国
政府は、松島が于山で于山国の一部であり、すなわち朝鮮領である証拠だとしています。
本文にある通りこの一節は、輿地志の記述を引用した事が分かりますが、輿地志が成立
した1656年には、日本では鬱陵島への幕府の渡航許可が下りていません。 そのため、
1656年当時、松島の名が朝鮮に知られていることはなく、後半の『于山は即ち倭の所謂
松島なり』は輿地志からの転記ではない事が分かります。文面や『東国文献備考』の書か
れた時期からすると、安龍福の証言を引用していたという事が分かります。」
拓哉「事実とは違う証言が、こんなに影響を与えるているんだな。恐いよ。」
慎吾「まさに、今の中国や韓国の状態だな。」
中尾「いやいや、中国や韓国での、歴史を好き勝手に手を加えるやり方に比べれば、まだま
だかわいい方だ。 ただでさえ歴史書というのは怪しい箇所がいくらでも出てくる。それは
正史といえども同じ事なんだ。そして、歴史というのは正しく読み取らなければ、真実が見
えてこない。そしてこの真実こそ多くの叡智を与えてくれるんだ。嘘の歴史から学ぶと、誤
った道へ踏み外してしまう。これは、真理なんだ。よって歴史家は、何が真実なのか、しっ
かり調査していかなければならない。この作業はとても大変だが、後々の引き継ぐ者たち
の事を考えたら、手を抜くことのできない、とても重要な作業なんだ。それは同時に、国の
信頼にも関わる大切な問題なんだ。」
H氏「国際社会は、そのことに気付き始めています。真実を調べようとせず、都合のいいよう
に歴史を歪曲して外交カードに使っている国は、これから先、世界から軽蔑されることで
しょう。」
拓哉「その捏造された歴史を鵜呑みにして、発狂したデモで建物を破壊したり、自らを傷つけ
る異常な抗議行動をやり出すあいつらって、もう終わってるよな。」
第3章−45話 (
>>94)/77
拓哉「その捏造された歴史を鵜呑みにして、発狂したデモで建物を破壊したり、自らを傷つけ
る異常な抗議行動をやり出すあいつらって、もう終わってるよな。」
H氏「話を続けましょう。そして『鬱陵島検察日記』では、1882年、鬱陵島の検察使に任命
された李氏朝鮮の李奎遠が鬱陵島を調査した時の日記に、于山島の記述があります。
そこには、李氏朝鮮の第26代高宗が、彼に、『松竹島、于山島は鬱陵島の傍らに在り、
しかしてその相距たる遠近いかん。また何れの物有りや否や』と質問しています。これ
に対して李奎遠は『于山島は即ち鬱陵島にて、于山は古の国都の名なり』とし、『松竹島
は即ち一小島にて、相距たること十里、その産するところは即ち檀香と簡竹』と、答えて
いています。」
慎吾「おいおい、「松竹島」って、松島でもなく、竹島でもなく・・・なんて紛らわしい名前だ。
しかし、この文献では、はっきりと、于山島が鬱陵島だって言っているんですよね。」
中尾「十里か・・・約2kmってトコだな。鬱陵島から目と鼻の先の距離だ。」
H氏「はい、そうですね。どれを取っても、竹島と異なります。また、韓国の歴史家兼書道家
の玄菜によって編纂された地理書『大韓地理誌』のなかに、大韓全図という経緯度入り
の、かなり正確な付属図が付いています。そしてこの『大韓地理誌』は大韓帝国の学校
でも使われたことのある信用性の高い地図となります。この地図には、鬱陵島と並んで
于山の名が記載されています。ところが、この地図には于山島とはなっておらず、その
ことから于山が鬱陵島とその周囲に記載されている、島全体を指しいるか、または于山
の文字の位置関係から、于山が現在の鬱陵島に付属する、チュクドという島であること
が推測できるのです。・・・・以上が于山島に関するものです。韓国で扱われているもの
は、大体これくらいでしょうか・・・」
拓哉「・・・となると、結局、どれも、竹島が韓国領だと言えるものは、無しか・・・」
第3章−46話 (
>>95)/78
拓哉「・・・となると、結局、どれも、竹島が韓国領だと言えるものは、無しか・・・」
H氏「韓国の歴史家は、どうしても韓国の領土としての主張を有利に持って行きたい。そこ
で、日本側の根拠も疑うべきだと考え、日本史料の中で史実とつじつまの合わない箇所
を徹底的に調べ出しました。」
拓哉「へ? 朝鮮史が違っているのに、日本史を調べて立場を有利に持っていこうとする
って、どういう思考の持ち主なんだ?」
慎吾「キタキタキタ――――ッ!! 日本の歴史書攻撃―――っ !!!」
恭子「でも・・・日本の史料は、日本の歴史家が、既に検証済みなんですよね。」
中尾「ああ、そうだな。」
拓哉「しかも日本の歴史書には、発音が音韻体系で書かれてる漢字や、会意によってつくら
た日本独自の漢字もある。韓国歴史家は、そんな史料をちゃんと読めるのか? まったく
漢文でさえちゃんと読み取れないヤツが、何を言ってんだか。ホントに図々しいよな。」
剛「拓哉って、意外と物知り・・・」
慎吾「あ、拓哉は、国文学部卒なんだ。しかも理系にも負けないほどのデジタル知識がある。
更に機械いじり大好きと来て、もうマルチ。」
恭子「国文学って、私と一緒。」
H氏「文献ではさすがに日本歴史家にかないませんでしたが、韓国が特に目を付けたのは、
日本の歴史地図なのです。そして狙われたのが、長久保赤水、林子平、伊能忠敬などの
作製した日本地図です。しかし、その中の、地理的位置が不確かで、北海道や諸島の形
や大きさが全く違う地図を引っ張り出して指摘した所で、それが、日本側の不利になる事
はありませんでした。また、当時の地図作製の依頼者の意図が地図に現れた、史料とし
ても意味をなさない物も、日本側は却下しました。また、当時から日本では、松島という名
の島が、宮城県の仙台湾、鳥取県の浦富海岸、熊本県の天草など、全国に点在しており、
その確認から出発する的外れな韓国の指摘に、日本歴史家はまったく相手にしていない
が現状です。」
第3章−47話 (
>>96)/79
H氏「的外れな韓国の指摘に、日本歴史家はまったく相手にしていないが現状です。」
中尾「もう、ひたすらこの繰り返しなんだ。時間が経てばまた、韓国の史料は正しく、日本側
が怪しい、と主張してくる。」
H氏「きっと、韓国の歴史家、そして政府は、もう、意固地になっているのでしょう・・・
心ある韓国の歴史家は、日本の主張が正しいことを認めているのですが、韓国の歴史
調査の学会では決してそれを認めようとしません。なぜそうなるか、理解に苦しみます。
そして、そういう風潮に耐えられなくなった私は・・・とうとう韓国人として、やってならな
いことをやってしまった・・・・」
拓哉「? なんですか、そのやっていけない事って?」
中尾「・・・いや、それはもういい。H氏、あなたの勇気は、日本人だけではなく、世界中の
識者が褒め称えています。自分を責めないで下さい。そして誇りを持ってください。」
拓哉・慎吾・恭子・剛「???」
若者4人は、何について話しているのか分からなかった。しかし、それがH氏の素性の核心の
話題であることは、直感的に理解した。しかし、中尾は、その話題からそらそうと、あえて別の
質問をした。
中尾「一つ疑問なのは、この竹島の日本古来の島だという主張に対して、韓国人はなぜ、
あれほどまでに加熱した反応となってしてしまうのか。それが分からない。」
H氏「今、韓国の扇動家は冷静さを失っています。最近は、日本の発っするもののどんな事
でも、むりやり過去の歴史に結びつけ、徹底的に、韓国の国民を煽り立てます。しかしそ
のやり方があまりに過激な為、国民の中には「火病」をおこす者も出てきて、問題となって
います。ナショナリズムは、スポーツなどでは一体感が味わえ、心地のいいものですが、
民族の自尊と結び付けられて煽られると、苦痛となります。そしてその苦痛は、相手国の
政治に向けられ、結局、相手国の国民感情をいたずらに傷つける結果となり、大きな外交
問題に発展してしまいます。」
中尾「まあ、そう考えると、韓国の国民も大変だな。」
剛「でも、ファビョンってなに?」
つづく
第3章−48話 (>> 97)/80
剛「でも、ファビョンってなに?」
H氏「ファビョンとは、火の病 と書きます。この火病は、世界の中でも朝鮮にしか見られな
い特有の精神疾患病で、1996年、アメリカの精神科協会は、文化欠陥症候群の1つと
してこの病を公認しました。これは、強い怒りを抑えすぎる事よって起こるストレス性の
障害で、症候としては、呼吸困難、動悸、パニック、全身の疼痛、不眠、疲労、切迫した
死への恐怖、不快感情、消化不良、食欲不振、心窩部に塊がある感覚などが挙げられ、
ひどい場合には死に至る場合もあります。」
拓哉「うわ、そんなになるまで、煽られているのか・・・」
H氏「韓国人は、日本人の理解できない、様々な困難があるのです。韓国人の民族意識に
は、常に北朝鮮とつながっています。一つの民族が二つ以上の国家にまたがって分布
することは、世界的にはありふれた事例なのですが、韓国人にとっては、本来ひとつに
統一されるべき国家が仮に分かれているだけという、分断されてしまった、という屈辱
的意識が常に存在しているのです。」
慎吾「確かに日本人には、その想いは分からないな。」
第3章−49話 (
>>99)/81
慎吾「確かに日本人には、その想いは分からないな。」
剛「でも、韓国では古い世代が少なくなって、その意識も薄らいできていそう。」
拓哉「いやいや、今の韓国の統一を望む活動は、若者もかなりいる。きっと古い世代が次の
世代に願いを託しているんだろうな。そして若い人もしっかりそれを引き継いでいる。」
H氏「・・・実は、韓国の若者は、その統一に対する見解も二分しているのです。民族意識に
ついて北朝鮮では、朝鮮民族という呼称をよく使いますが、韓国では、朝鮮 という言葉
を国名で使われなくなった事もあり、どの世代でも、朝鮮という呼び名は、既に昔の呼称、
という意識を持つようになりました。更に近年、韓国の中心世代では、自分たちが「朝鮮
民族」と呼ばれることを嫌がる傾向も見られ、自分たちを朝鮮民族とは別の 「韓民族」
としての意識を持つようになっています。そしてその傾向は、若年化するほどに強まり、
将来への統一への希望も下がりつつあるのが現状なのです。」
剛「え? 朝鮮人なのに、朝鮮って呼ばれるの嫌がっているの?? 何でだろう・・・」
中尾「あのな、だから、日本人のお前がいくら考えても分かるワケないだろうって言っている
だろう。」
剛「まあ、それは、そうだけど・・・・」
拓哉「あ、俺、剛の言いたいこと分かるぜ。例えば、大和って言われたら、逆に誇りに感じる
もんな。」
H氏「確かに日本人はそうですね。しかし韓国の若者は、朝鮮という言葉の響きを、なぜか、
他国からの蔑称と感じるのでしょう。朝鮮から発した誇りある文化はたくさんある。そう
いう事をしっかり理解すれば、このような間違った嫌悪感はなくなるはずなのですが・・・」
第3章−50話 (
>>100)/82
H氏「しっかり理解すれば、このような間違った嫌悪感はなくなるはずなのですが・・・」
拓哉「なんか、人の目、気にしすぎているんじゃないかな。例えば倭人の「倭」という言葉
は中国では「小さい」「遙か遠い辺境な地」「柔順でよく従う性格」という意味で使ってい
る蔑称なんだろうけど、また李氏朝鮮でも、「倭奴」といって日本人を忌み嫌う言葉だっ
たけど、そんなこと、日本人の若者って、だから何? って感じだよね。むしろ、豪族や
ハニワ をイメージして、親しみやすい響きとしてとらえている。つまり受け取り方次第
で、変わってくるんではないのかな。」
恭子「言われてみれば、確かにそうね。」
剛「え? 倭ってそんな意味だったの、ちょっとショック・・・・」
慎吾「お前なあ・・・」
H氏「確かに、日本の若者の、そんな所が羨ましいです。きっと、欧米にも肩を並べられる
ほどの、自信や誇りに満ちているのでしょう。韓国の若者も、そうであって欲しいのです
が・・・」
中尾「日本人でも、偏屈になってるヤツは一杯いるがな。しかし韓国の若者もあなたのよう
な方がきっといる。そして、彼らが日韓のわだかまりを取り除いてくれる、光 となってく
れるはずです。」
中尾「そして、彼らが日韓のわだかまりを取り除いてくれる 光 となってくれるはずです。」
H氏「私も、日本にも意識の高い若者がいると信じています。もちろん、あなた方もですよ。
そして、竹島問題についても、日韓の若者同士が、今の膠着した険悪のムードから全く
違った視点で日韓の関係を見直し、二国間の交流に大きく貢献していってくれる事を望ん
でいます。」
恭子「二国間の交流・・・、あの戦争で考えると、アメリカは日本の敵国だったのに、今はしっ
かり、良きパートナーとして、お互い認め合っていますよね。韓国でも、そのような関係
が可能だと思うのですが・・・」
第3章−51話 (
>>101)/83
恭子「韓国でも、そのような関係が可能だと思うのですが・・・」
H氏「相手国と親しくなれるかどうかは、その時の国のリーダーの方針によって、大きく異なり
ます。そして韓国は、初代大統領である、李承晩が就任した時に、すべてが始まりました。
まず、彼の手がけた政策は「反共」でありました。彼の夢は、「北進統一」の名の下、資本
主義国家による朝鮮半島の「武力統一」でした。彼の反共主義は、北朝鮮と共産主義を同
情的に論じることがタブー視され、政敵を「親共産主義的」、「北のスパイ」として、次々と摘
発・処分していきます。その反共政策の結果、分断体制が固定され、李承晩の権力基盤は
強固となりましたが、政権党である自由党の不正腐敗、企業との癒着、アメリカの援助に依
存した経済体質なとの問題が噴出します。その結果、1960年4月、大統領選挙の不正に
憤慨した学生や市民を中心とする糾弾運動が起こり、自国にいる事ができずついにハワイ
に亡命する事となりました。韓国では、これらの糾弾運動を「四月革命」と呼んでいます。」
慎吾「なんか、やっている事むちゃくちゃだ。これでは韓国の国民に嫌われても当然だね。」
H氏「確かに、「朴正煕」の“漢江の奇跡”と呼ばれる経済発展の実績と比べると、権威主義に
固執し、市民の抑圧や経済の停滞をもたらした張本人であった彼は、韓国での評価はよく
ありません。しかし、最近、日韓の緊張が高まるにつれ、「建国の父」 として再評価される
機運が、高まりつつあります。」
剛「?日韓の緊張で、なぜ再評価?」
慎吾「そりゃ〜、こいつが、強い韓国の象徴だからなんじゃないのかな。」
H氏「確かにそうとも考えられますが、実は、李承晩は、反日主義者としても有名なんです。」
慎吾「げっ、反日主義者かよ・・・・」
第3章−52話 (
>>102)/84
慎吾「げっ、反日主義者かよ・・・・」
H氏「李承晩は、戦後の経済復興でアメリカに頭が上がらず、その姿勢は国内の暴君ぶりとは
異なり、国民の不満もそこにありました。そこで彼は、国内に多くの親日派がいることを知り
ながらも、反日という思想を、権威主義政権の基盤を固めるための、自己正統化の論理とし
て利用していきました。」
慎吾「自分が本源である事を誇示するための反日かよ。」
剛「えっ、でも、親日の人たちはどうなったの。」
中尾「弾圧されたのさ。」
慎吾「弾圧って・・・こいつ権威主義者というより、独裁者だな。」
H氏「それは、容赦ない反日政策でした。その親日派の徹底処分や、また日本文化流入の禁止
などが行われ、その反日が当時の政策としてふさわしかったのか甚だ疑問ですが、彼の願
いがかなった事は、現在の韓国を見れば分かると思います。」
拓哉「最近の韓国の反日騒動は、この政策の成果なのか・・・・」
H氏「ところが・・・実は、李承晩は、朝鮮が日本統治下にあった時期の殆どを海外で過ごしてい
たため、日本や日本人の事をよく理解していなかったのです。 つまり、反日感情も、とても
抽象的で、日本や日本人について、おどろおどろしいイメージをもっていました。つまりイメ
ージによってつくり上げた悪意をもって、政策に織り込んでいったのです。」
慎吾「なんだ、そりゃ〜・・・」
中尾「つくられた、悪の日本人像か・・・」
拓哉「ちょっと待て、こんなめちゃくちゃな大統領のつくった反日なら、韓国の国民も、いずれ
正しい日本人観を持つようになって、態度を改めるはずだ。」
H氏「いいえ、当時、できあがってしまった「反日によって自尊を保つ」といった構造が、現在に
至るまでに、確実に根付いてしまったのです。」
慎吾「そんな、自尊心ってあるかよ、なぜそうなるんだ、韓国の国民。」
第3章−53話 (
>>103)/85
慎吾「そんな、自尊心ってあるかよ、なぜそうなるんだ、韓国の国民。」
中尾「・・・自尊の手段が反日となると、ちょっとヤバイな・・・」
H氏「・・・そう考えると、今の韓国での反日の風潮は、李大統領の再評価というより、植えつけられ
たものの再確認によって共感を得ている、と言えるのです。」
剛「李大統領って、これから英雄になってしまうのかな・・・」
H氏「・・・しかし、李政権は、やってはいけないことをしてしまった・・・なぜ、国のリーダーが、日本
の漁民に対してあんな恐ろしい事件を起してしまったのか・・・・」
中尾「・・・・」
館長「・・・わ、私は、絶対に、韓国を許しません! ね、そうでしょう、中川のお婆さん。」
中尾「あ、いや、お婆さんのいる前で、この話題は止めておこう・・・」
老婆「・・・・・」
慎吾、拓也、恭子、剛は、この会話の中に、張り詰めた空気を感じ、言葉が出なくなってしまった。
一行の会話は途切れ、長い沈黙が訪れた。
館長「あ・・・わ、私、つい、過ぎました事を・・・話題を変えましょう。」
老婆「いいえ、せっかく若い方がいらっしゃる。どうぞ、話してくだされ。あらあら、お茶が冷めて
しまった。新しいのに代えてきましょう。」
そういうと、老婆は、家の奥へ入っていった。
拓哉「恐ろしい事件とは、韓国が竹島で行った、蛮行の事ですよね。」
中尾「・・・ああ、そうだ。李承晩は、反日政策を、日本の領海と領土に向けたんだ。」
恭子「反日政策を日本の領海と領土に向けた・・・。あの〜 日本の領海と領土とは、李承晩ライン
と竹島の韓国編入のことですよね・・・」
中尾「ああ、そうだ。」
恭子「・・・ あ、と言うことは、李承晩はこれらを正当は理論でやったのではなく、単なる反日感情
でやってしまった事になる・・・」
第3章−54話 (
>>104)/86
恭子「・・・ あ、と言うことは、李承晩はこれらを正当は理論でやったのではなく、単なる反日感情
でやってしまった事になる・・・」
H氏「・・・よく気が付かれました。まったくその通りなのです。彼は、数ある反日政策の一つとして、
これらを行なっていったのです。この時李大統領は、実にすばやく、これを実現させていきま
す。まず、1952年、一方的に海洋主権宣言を行い、朝鮮半島周辺の最大二百マイルの水域
内に「李承晩ライン」なるものを引き、その内側に存在するすべての天然資源や水産物を、我
が国の所有物であると主張しました。この時彼は、詭弁を使いました。この「李承晩ライン」は、
日韓の平和維持を目的としてものだと言ったのです。そして、その名も、「平和線」と改称して
います。」
拓哉「平和線だと?ふざけたヤローだ。」
H氏「そして彼は、この、まったく根拠の無いこのラインを口実に日本漁船を拿捕しはじめ、翌年
の1953年1月12日、このライン内に出漁した日本漁船の徹底拿捕を指示したのです。」
慎吾「こいつの頭の中の国際ルールは、どうなってんだ? しかし、漁船を相手に拿捕なんて、
あり得ないな。警戒告知や、警報だろ、普通は。 まさか人質にとって金を要求するわけで
もないだろうに。」
中尾「いや、その まさか を、やったんだ。」
慎吾「いっ?」
H氏「韓国政府は、その国際法上認められていない李ラインによって、拿捕した漁民を「人質」
として利用したのです。」
拓哉「やってることが、もう逝ってるな・・・」
第3章−55話 (
>>105)/87
拓哉「やってることが、もう逝ってるな・・・」
H氏「そして、日本漁民を人質に取られた日本政府は、彼らを帰してもらうために、在日朝鮮人
の犯罪者を仮釈放して、在留特別許可を与えました。その犯罪在日朝鮮人の数は、472人
にものぼります。さらに韓国政府は、その人質を外交のカードとして使い、日韓基本条約と、
それに付随する日韓漁業協定を、韓国に圧倒的有利な内容で締結さました。 そして、その
日韓基本条約に、竹島は紛争処理事項として処理され、棚上げされたのです。抑留された
被害者は、日韓漁業協定が成立する1965年まで抑留され、韓国に人質として利用され、
その年月、最大13年にも及びます。」
剛「勝手にライン引いて、平和線だと言って、漁民つかまえて人質にして、犯罪者を釈放して、
二国間の条約や協定を有利にして、そして竹島問題が棚上げにされて、人質は13年間拘
束・・・って、これ、マフィア映画でよくある設定だ。」
拓哉「まさしく、マフィア、ヤクザの世界だな。で、外交交渉するほどだから、漁船一隻や二隻
なわけないんですよね。」
H氏「拿捕された船は328隻で・・・」
拓哉「おいおい、マジかよ」
H氏「拘留された人数は、3,929人となります。」
剛「さ、3千9百???」
慎吾「お前ら、よく考えてみ、これは、犯罪だよな。韓国は、犯罪国なのか。」
H氏「うっ・・・・」
拓哉「いや、ちょっと待て、肝心なことが聞きたい。全員、無事で帰ってきたんだろ?まさか
人が死んだってことないよな。」
拓哉がそういった時、重い沈黙が続き、館長は握りこぶしをつくり、震えていた。
拓哉「この沈黙って ・ ・ ・ そうなのか?」
第3章−56話 (
>>106)/88
拓哉「この沈黙って ・ ・ ・ そうなのか?」
中尾「1953年、韓国政府は、李ラインの内側に入った日本の漁船の拿捕を指示した、とは
言ったよな。 その年の2月4日、第一大邦丸事件という悲劇が起きてしまう。済州島付
近で同船の漁労長が韓国側に銃撃され・・・死亡したんだ。」
剛「ひっ、殺してしまったんだ。」
中尾「日本政府は韓国政府に対し、第一大邦丸の事件を公海上で発生した事件として抗議
したが、逆に李承晩大統領は、日本漁船の「李承晩ライン」侵犯を警告であると主張して
きた。」
恭子「ひどすぎる・・・」
すると、館長が、重い口を開けて言った。
「死傷者は、これだけではありません。うっうっう・・・」
慎吾「な・・・ センセイ、この船長だけではないのですか?」
中尾「・・・」
恭子「中尾さん、話してください!」
中尾「ああ、分かったよ。死傷者数は、44名だ。」
その中の一人が中川の婆さんの夫で、また、館長の友人でもあったのだ。
恭子「あ、」 剛「あわわ・・・」 慎吾「いっ 」 拓哉「まじかよ 」
4人はこの時、平和を勝ち取った時代に、しかも国連憲章の誓いに則っている日本と韓国の間
に、想像もつかない惨事が起こっていた事実が存在することを知り、言葉を失ってしまった。
108 :
竹島物語 ◆tea.L0AFl. :2005/04/28(木) 02:40:33
つづく 上げておきますね。
第3章−57話 (
>>107)/89
4人は、言葉を失ってしまった。
すると、老婆が部屋の奥からお茶とおやつを持ってきた。
老婆「あらあら、みなさま、お通夜のように押し黙って、まあ、若いもんも一緒になって、 ほれ、
これは、わたしの手作りぶたまんじゅうじゃよ。うまいけ、これでも食べて元気を出しなされ!」
そこには、普通の肉まんサイズの二倍はある、ふっくらほくほくとした、出来たばかりの手作りまん
があった。
剛「わわっ、おいしそ〜、いただきます。こっちの大きいほうもらおっと、はぐっ、うまっ、うまっ」
慎吾「お前ってなんかすごいな。こんな話を聞いた後なのに・・・でも、そういう所、好きかも。」
拓哉「よし、俺らも食おうぜ。」
恭子「うん 」
4人は、辛い話にもめげることなく、老婆のだした、「ぶたまん」を口いっぱいに、ほおばった。
中尾と館長とH氏は、ガツガツ食べる若者の姿ににあきれながらも、そのたくましいさに笑顔が
こぼれた。しばらくすると、恭子はお茶を飲んで一息つき、立ち上がると、手に付いた「ぶたまん」
の薄皮を、庭の流し場で洗い落とし、戻って大人しくしていたが、不意に中尾に尋ねてきた。
「日本と韓国の抱えている問題は、解決に向かっているのでしょうか。」
皆、その言葉に耳を傾けた。
「いくらなんでも、当時より前進しているじゃないかな。」 剛が答える。
中尾「そうだなあ、確かに両国とも、このままで良いと思っているわけでは、ない。両国の歩み
寄りは、戦後、確実に行われてきた。その第一歩としての日韓予備会談は、朝鮮戦争のさ
なかの1951年10月に行われたんだ。これが、『日韓条約』の始まりだ。 日韓条約 とは、
「日韓基本条約」と、それに付随する「日韓漁業協定」、「賠償請求権問題の解決と経済協力
に関する協定」、「在日韓国人の法的地位および待遇に関する協定」、「文化財および文化
協力に関する協定」などの協定・外交公文の総称をいう。そしてこの本会談が61年5月まで
5回おこなわれた。」
剛「ちゃんと話し合いは、やっていたんだ。」
第3章−58話 (
>>109)/90
剛「ちゃんと話し合いは、やっていたんだ。」
中尾「しかし交渉がすすむにつれて、李承晩ラインをどう扱うか、また日本統治時代の在韓財
産権の処理、日本代表の植民地支配を美化する発言についての抗議、対日賠償請求権、そ
して竹島の帰属問題など、様々な懸案事項が出てきたんだな。」
慎吾「ほとんど、韓国側の言い分を取り上げているみたいだ。」
中尾「当時の日本は、敗戦国としての思いが残っていたので、強く言えなかったのだろう。しか
もこの時の交渉相手は、李承晩だったので、お互いの落とし所が見つからず、なかなか交
渉が先に進まなかった。しかし1961年の四月革命で李政権が倒れ、代わって朴正熙政権
が成立すると、アメリカの圧力もあって交渉は急速に進展し、以後、2回の会談で懸案は解
決に向かった。李承晩ラインについては1965年3月までに廃止することで合意した。対日
賠償請求権については、無償贈与3億ドル、政府借款2億ドルと、3億ドル以上の民間借款
などの供与が確認された。なお、当時の韓国の国家予算は3,5億ドル程度であったから、
この金額がどれだけ莫大だったか、想像つくだろう。」
剛「な〜んだ、日本ってそのお金で、韓国を買うこともできたんだ。」
ガクッ とこける慎吾。「普通はここで、日本の出費の多さに驚くところだろ?」
中尾「剛よ、お前も面白いことを言うヤツだな。あとな、これも知っておいて欲しいことなんだが、
実は、この戦争での日本の行いは、合法的に韓国を併合したのであって、国際法上、韓国
に対して国家賠償をする必要はなかったんだ。そのため「日韓基本条約」本文においても、
賠償については一切触れられていない。この資金は、「日韓基本条約」に付随する「経済協
力協定」によって経済協力金として支払ったんだ。ま、当時の日本が、韓国の要求をすべて
受け入れたのが、問題ともいえるのだがな。また、この時、北朝鮮の問題の統一見解も出さ
れたが合意にはいたらなかった。これらから分かるように、この会談の趣旨は韓国の希望
を、どう、かなえてあげるか、だったんだ。」
第3章−59話 (
>>110)/91
中尾「この会談の趣旨は韓国の希望を、どう、かなえてあげるか、だったんだ。」
拓哉「いつの時代でも、敗戦国というレッテル貼られると、立場弱いよな。」
H氏「それに対し韓国は、この条約で、大きな恩恵を受けるのです。韓国ではこの後の経済的
急成長を『漢江の奇跡』として、朴正煕政権の功績のように言われていますが、その成長に
必要な膨大な資金は、まさに、日本によるODA(政府開発援助)によるものなのです。韓国
の経済成長は、日本が支えてきたのです。」
剛「韓国は、もっと日本に感謝すべきだね。」
中尾「まあな、そして、現代の日本はこれから先、竹島と同様に、漁業水域についも、しっかり
主張しなくてはいけない。」
H氏「李ラインに代わって1965年、日韓漁業協定が結ばれ、その31年後の1996年、日韓首
脳会談で、次の新しい漁業協定では領土問題を切り離して交渉をおこなうことで一応の合意
を得て、経済水域の画定と同時に、新協定の改定の方向で、進めました。」
中尾「だが、この新協定について、朝日新聞は、1998年1月24日(土)の社説に「大道を見失
うな」というタイトルを付け、『新しい漁業協定は、領土(竹島のコト)をも絡んでくる。漁業問題
に終始する日本は、その事に気づくべきだ。韓国の感情を逆なでしてはいないか。金大中氏
はこの協議を、「朝鮮戦争以来の試練」と呼んでいる。韓国の立場を考えよ。』といった、馬鹿
げた指摘を掲載して話を蒸し返し、その結果、韓国は、日本のまっとうな漁業権の主張でさえ
も非難をし出し、この「新・日韓漁業協定」が結ばれるまでに、随分難航したんだ。」
慎吾「嗚呼、またしても朝日、もうダメだ。」と胸をおさえた。
H氏「しかし、なんとか無事に、1999年、新しい「日韓漁業協定」が結ばれました。」
そういうとH氏は、おもむろにバッグからペンと用紙を取り出し、日本地図と韓国地図を描きだし、
説明をし始めた。拓哉、慎吾、恭子、剛は、その図を覗き込む。
H氏「みなさんに、現在の「EEZ」と「日韓暫定漁業水域」を、是非、理解してほしいのです。」
第3章−60話 (
>>111)/92
H氏「みなさんに、現在の「EEZ」と「日韓暫定漁業水域」を、是非、理解してほしいのです。」
そういうとH氏は、日本の周りに「EEZ」の線を描き、次に、竹島の周りを丸で囲み、「日韓暫定漁
業水域」と書き込んだ。
剛「竹島って、日本と韓国のちょうど真ん中あたりなんだね。」
慎吾「日本海って広そうだけど、線を入れて限定してしまうと、意外と狭いのかな。」
すると、恭子がH氏に尋ねた。
恭子「あ、あのー、EZZと言うのは、何でしょうか・・・」
拓哉「俺も分かんね。」 慎吾「あ、ぼくも。」 剛「わわ、ぼくも。」
中尾「ああ、そうか、海で生活する者の常識は、お前らには通用しないか。あのな、まず陸地から
12カイリまでの海を「領海」と言う。それに対して、「EZZ」というのは、陸地から200カイリまで
の海のを指すラインで、「排他的経済水域」もしくは「200カイリ水域」って言うんだ。「領海」に
ついては、名のごとく主権の及ぶ海だから、他の国は許可なく入ることはできない。それに対
して「EZZ」については、主権は及ばないが、つまり他国の船の航行などは自由だが、その中
の地下資源や水産資源などを優先的に利用できる水域のことを言うんだ。」
剛「領海は12カイリで、EZZは排他的経済水域で200カイリか、なるほど。」
恭子「あの、それで、「日韓暫定漁業水域」というのは・・・」
H氏「この「日韓暫定漁業水域」というのは、図に描いたように、竹島の周りの海域の事で、両国の
漁船の共有水域としたのです。」
慎吾「あ、これで、解決が一歩前進したと言えるのですね。」
中尾「いやいや、表向きは両国の漁獲が制限付きで認められているが、韓国軍による頻繁な監視
のせいで、日本漁船が近づけないのが現状なんだ。それに加え、韓国の漁船のマナーは最悪
で、無秩序な操業を繰り返し行いやがる。そしてその結果、ベニズワイガニなどの大事な漁業
資源が枯渇してしまい、深刻な問題となっているんだ。」
第3章−61話 (
>>112)/93
中尾「ベニズワイガニなど大事な漁業資源が枯渇してしまい、深刻な問題となっているんだ。」
拓哉「こんな韓国の漁船に対し、日本側は何も言わないのですか。」
中尾「いいや、日本はちゃんと抗議している。そしてそれはしっかり韓国にも伝わっている。実は
な、漁業資源の管理について、日韓両国政府が近く、協議を行うことが決まっている。5月中
にも開かれる予定なんだ。」
剛「えっ、5月中って・・・ もう始まっちゃう。」
H氏「そうですね。しかし、予定通り行われるか心配です。韓国は、4月25日予定だったこの協議
から、逃げていますから・・・。」
中尾「ま、逃げているというより、時間を稼ぎだ。韓国は自分達の有利になる環境をつくっている。
しかしなぜか韓国は、この協議に向け、北朝鮮と竹島問題について会談しており、その韓国
の領有は正当であるという、一致した見解を出している。」
拓哉「別に、この問題で、北朝鮮を引っ張り出す必要もないだろうに・・・」
慎吾「まあしかし、協議なら、真っ当な形で、お互いの主張をぶつかり合える。がんばれ、
ニッポン!」
海辺からは、心地よい波しぶきの音が聞こえ、潮風が吹いていた。
きっと竹島も、このような自然環境なのだろう。すると拓哉が、大きく背伸びしながら叫んだ。
「あー、竹島、行ってみてーなー」
第3章−62話 (
>>113)/94
「あー、竹島、行ってみてーなー」
拓哉が、大きく背伸びしながら叫んだ。
中尾「ははは、今の状況じゃ、日本人は行きたくてもいけないな。まず、あの軍隊をどうにかしな
いといけない。」
慎吾「あ、やっぱり、日本人がいったら、命がヤバイですよね。」
H氏「いえいえ、それはないでしょう。いくら軍隊といってもそこまでは・・・。もう、戦後の混乱期は
とっくに過ぎていますからね。」
中尾「まあ、いくら、あちらさんが騒いでいるといっても、あの時と比べたら、今の日韓の関係はだ
いぶまともになった方だ。」
確かに現在は、日韓の緊張と言っても、韓国の行いは、抗議デモと焼身自殺であって、日本人へ
の危害や、日本国土への攻撃は見られない。しかし、恭子は、それを否定して言った。
「いいえ、私はそうは思わない。竹島での韓国軍の行いは、とてもずるいし、卑怯で、汚い。」
突然の、恭子のとげとげしい言葉に、一行は驚いた。
慎吾「あ、なんかさ、恭子ちゃん、ここで韓国軍を非難するのって、ちょっと違うかも。」
恭子「えっ、どうしてです?」
慎吾「どうしてって・・・ だってさ、恭子ちゃんは韓国軍って知らないでしょ。この竹島問題は、韓
国政府がやっているのであって、別に軍が悪いわけではない。もしかしたら自衛隊のように
良心的だったりして、なははは。」
恭子「香取さん。あなたの方こそ知らないのに、そんないいイメージ持ってはいけません!」
ムキになる恭子に、中尾が声をかける。
「おいおい、お前、どうしたんだい。」
拓哉「なんか、恭子ちゃんって、まるで竹島に行ったことがあるような言い方してるよ。」
第3章−63話 (
>>114)/95
拓哉「なんか、恭子ちゃんって、まるで竹島に行ったことがあるような言い方してるよ。」
その言葉に、恭子は隠しきれないことを悟り、立ち上がり、みんなの方を向いた。
「わたしと剛は、遭難にあったあと、実は・・・」
まさに、恭子は、あの出来事を話し出そうとしていたのだ。剛は驚き、叫んだ。
剛「わっ 恭子、ちょっと待って、ぼくたち、日韓友好の重要責務を背負っているんだよ、、わっ、
ダメ!!! 」
中尾・A氏・慎吾・拓哉・館長「???」
NO.666「ちっ 」
・ ・ ・ ・ ・
ピー・・・ガーガーガー・・・・
「こちら321、中国珠海でネット主催者が、中国外務省の孔泉報道局長と談合を終え、現在ソープ
嬢の接待を受けています。」 「了解」
すると、怒鳴り声が聞こえてきた。
「何?!日本シマネで、あの女が、トクドの件を話し出しているだと!!ちょっと待て、すぐ司令官と
代わろう。」
司令官「なんだなんだ、騒々しい!ええい、受話器をかせ・・・、おう、666よ。どうした。」
NO.666「あ、実は、・・・と言うことで・・・。司令官、私は至上指令Xを遂行する覚悟は出来ていま
す。7人を殺害した後、精神かく乱剤を飲めば、その後の取調べも軽微、簡単に済むと思われま
すので・・・・」
司令部「ふふふ・・・ハッハッハ・・・」
なぜか、司令官は、うれしそうに笑った。
NO.666「?」
つづく
第3章−64話 (
>>116)/96
NO.666「?」
司令部「やはり軍の、殺さず日本へ帰した判断は間違っっていたようだな。しかし、国防部役員の
クズども、あれだけ接待をしておきながら、小娘一人、口止めできないとは、情けないヤツラ
だ。ぐふふ・・・もう、これで我々はヤツらに協力する義理も必要性もなくなった。今後、我々は、
単独の行動を検討しよう。ぐふふふ・・・・」
NO.666「あ、私目は、どのように実行すれば・・・」
司令部「放っておけ、仮にヤツらが日本で騒ぎ出しても、トクド内での事件調査は、我が国の国防
部が行う事になる。国防部が好き勝手に、事件の真相をでっちあげるだろうよ。」
NO.666「・・・はい分かりました。では、このまま偵察を・・・」
「うむ、では頼んだ。」 といって、司令官は受話器を置いた。
「あ、司令官、大丈夫でしょうか・・・」
司令官「お前は、まだまだ使えないな・・・。おい、一応、NIIのキムにでも、連絡を入れておけ。」
「あ、はい・・・」
一方、隠岐では・・・
中尾「・・・なるほどな。日本の漁師が、韓国の軍隊に殺されたのか・・・」
慎吾「すぐ、警察に、いや、外務省に連絡をしましょう!」
中尾「いや、それは無駄だ。」
拓哉「なぜです?」
中尾「それを、誰が調べる?」
慎吾「それは・・・日本の警察・・・かな・・・」
中尾「どうやって調べる。」
拓哉「それは、日本の警察なり、国会議員が竹島に出向いて、事実確認を・・・」
第3章−65話 (
>>117)/97
拓哉「それは、日本の警察なり、国会議員が竹島に出向いて、事実確認を・・・」
中尾「ふふふ・・・、まだまだ国際の常識を理解していないようだな。お前らな、北朝鮮の拉致
事件の経緯を見ても大体分かるだろう。仮に訴えても、確認するのは、竹島に占拠してい
る韓国軍が行うことになる。しかも既に、この事件は、漁具の暴発として処理されている。
今更騒いだ所で、何も変わることはない。国も相手にしないだろう。マスコミに訴えても、
韓国を気にして、動くことはないだろうな。」
館長「しかし、よくご無事で帰って来られた。それが何よりです。」
拓哉「しかし、2人とも、すごい体験をしていたんだな・・・」
つかの間の沈黙の後、中尾が立ち上がり言った。
「ちょっと、みんなで海岸線を歩こう。結構、気持ちがいいぞ。」
一行は、外に出て、砂浜のある場所に出た。歩き出すと、中尾が話し出した。
「なあ、恭子よ、韓国の歴代の大統領が、なぜ苦労したか、分かるか?」
恭子「あ、いいえ。」
中尾「さっき、李承晩と朴正煕の話をしたが、李は初代から第3代まで11年間、朴は第5代か
ら第9代までの16年間と、二人とも実に長い間、政権を握っていたんだ。」
剛「11年と16年って、長すぎ。」
H氏「ただし、李承晩は四月革命で失脚して、「許政」が大統領権限代行に立ち、その後第4代
の「尹潽善」が就任するのですが、今度は彼がクーデターで退任を余儀なくされ、退任に追
いやった「張都暎」が代行に立って、朴正煕が就任するまでつなげました。」
剛「韓国の政治って、ややこしいんだね。」
中尾「そしてその朴正煕も、人権抑圧を行い、独裁政治をしたんだ。」
恭子「独裁政治って、朴大統領もですか。」
H氏「そうです。そしてその結果、彼は暗殺されてしまいます。」
拓哉「暗殺か・・・」
慎吾「韓国で大統領になるって、命がけだな。」
第3章−66話 (
>>118)/98
慎吾「韓国で大統領になるって、命がけだな。」
中尾「韓国は、「開発独裁」が成功した国なんだ。「開発独裁」とは、経済発展と開発のためには
少々人権抑圧しても独裁政治の方が効率がいい、という考え方だ。そして、朴正煕は、まさ
に、これを行い、日本の資本を受け入れて高度経済成長を実現させた。何度も言うが、これ
が「漢江の奇跡」だ。そして、一躍NIEs(新興工業経済地域)の一翼を担うまでに成長する。
その朴正煕が1979年に暗殺され、次に政権を握ったのは、「粛軍クーデタ」によって軍
の実権を掌握し、国家保衛非常対策常任委員となって、軍政反対をかかげる民主化運動で
ある「光州事件」を武力で鎮圧した、第11・12代大統領の全斗煥である。 そして彼もまた、
人権抑圧しながら経済発展を実現し、貿易収支を黒字化させ韓国を先進国の一員にまで押
し上げたんだ。」
拓哉「人権抑圧で経済発展って・・・ 社会主義の反体制民衆の弾圧とも違うし、なんかすげ〜
国だな。」
H氏「しかし韓国は、そのお陰で先進国に近づき、そして民主化にも近づき、とりあえず目標を
達成して落ち着きました。そしてようやく、過去の政策を検討する作業が始められました。し
かし作業を進めていく中で、国民は 「あの開発独裁は、一体何だったのだろうか。果たして
あれでよかったのだろうか。」と、気付き始めたのです。」
慎吾「そうか、ようやく気付いたのか・・・って、気付くの遅いよ。」
H氏「そうですね。しかし、現在でも韓国国民は、自国政策を自問することに終始し、まだまだ
関係国の国情を気遣う精神までは育っていないようです。そして、その、自国政策の自問
での疑問は、竹島にも向けられました。」
拓哉「まだまだ、韓国は、成熟した国とは、言えないな。」
第3章−67話 (
>>119)/99
拓哉「まだまだ、韓国は、成熟した国とは、言えないな。」
中尾「当時、竹島問題は、日韓交渉妥結を急ぎたい朴正煕にとって、まさにのどにささったトゲ
だったんだ。何とかしたいが、下手に妥協したら自国民から何をされるか分からない。その
時アメリカは、竹島を「日韓共有」にしてはどうか、と提案した。しかし、そんなことは国民に
納得させる事ができないと考えた朴正煕は「いっそのこと竹島を爆破したい」と、アメリカ高
官に言っていたんだ。その結果、李承晩から引き継いだ、日韓基本条約や同時に締結され
た旧日韓漁業協定には、また日韓紛争解決交換公文にも、「竹島」については、まったく触
れられていない。日韓の紛争は、平和的に解決することを約束した 『日韓紛争解決交換公
文』 では、当初「竹島紛争」がある旨を日本側草案に盛り込んでいた。しかし、当時の首相、
佐藤栄作の判断で、これは削除されたんだ。これはどういうことなのか。当時の状況から考
えると、これは佐藤の、朴に対する配慮だったと考えられている。 というわけで、朴正煕と
佐藤栄作の間で、暗黙のうちに竹島問題は「棚上げ」されたんだ。」
剛「竹島問題は、朴さんを苦しめたんだな。しかし、国民を抑圧しながら、国民に気遣うなんて、
なんか、わけ分からない人。」
拓哉「いや、わけが分からないのは、当時の韓国の国民じゃないかな。朴は、実績から考える
と、韓国の発展に貢献した人物だからさ。」
H氏「韓国国民の歴史的評価は、朴正煕と全斗煥に絞られています。全斗煥については、『6・
29民主化宣言』を掲げる盧泰愚に選挙で敗れて政界から身を引いたのですが、その後、
「粛軍クーデタ」を軍反乱罪に、「光州事件」を内乱罪に、そして在任中に不正な政治資金を
受けとった容疑で追起訴されて、それらの一連の事件で処罰されたので、韓国内で全斗煥
は、裁かれた大統領として歴史的評価は定まっています。つまり、評価が分かれているの
は、朴正煕の方なのです。」
第3章−68話 (
>>120)/100
H氏「韓国内で全斗煥は、裁かれた大統領として歴史的評価は定まっています。つまり、評価
が分かれているのは、朴正煕の方なのです。」
剛「え?、全さんは粛軍クーデタや光州事件で政権に就いたんでしょ? それなのに、なんで
政権をやめた後に、それについて、処罰されたの?」
拓哉「つまり、力で奪った政権なんだから、退陣後に、その違法性を問われたのだろう。」
剛「そんなんだったら、すぐに問題視して処罰すればいいのに。日本だったら、任期中でも国民
や国会が、絶対に許さない。」
慎吾「ま、この事件は、日本ではなく、韓国だからな。ところで、全斗煥がどんな人物だったのか
は分かったんだが、朴正煕の方が、よく分かんないな。」
恭子「なぜ、朴正煕は、暗殺されたのですか?」
H氏「朴正煕は、慶尚北道の貧しい農家に生まれました。 しかし、少年のころから成績優秀で、
師範学校に進み、卒業後は数年間、教員生活を送っています。その後「満州国」の軍官学校
を経て日本の陸軍士官学校に入り、日本敗戦時には「満州国」軍の将校でした。1945年に
韓国陸軍に入り、主として情報、作戦を担当しました。」
剛「わっ、この人、日本軍に入っていたんだ。」
H氏「朴正煕は日本軍に携わりながら日本から多くのことを学んでいきました。その時のことを、
『日本の先進化された科学技術と知識と節制に訓練された精神は、眠っていた私の中の韓
民族の魂を奮い立たせた。』と、回想しています。」
恭子「あ・・・ あの旧日本軍が、韓国の大統領に、感銘を与えている・・・なぜ・・・」
中尾「別に珍しいことではない。お前が知らないだけだ。」
つづく
123 :
名無し物書き@推敲中?:2005/05/13(金) 16:03:53
チョンドファンさんは一度オーゴン非理清算で軽〜く罰されてるんだけどね。キムヨンサムさんのときに
昔の話を蒸し返されて国家反逆罪で死刑判決に。(´・ω・`)でもまぁ、たしかいつもの刑の執行停止→国
外追放のおきまりのパターンで落ち着いたと思う。間違ってたらスマン。
愛国保守
┌───┐
│ ● │ 千代田区千代田1-1-1に向かって敬礼
└───┤
│
λλ
/ ゜_゜)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
127 :
誰でも知ってる超有名なマンガ嫌韓流っ!!!:2005/10/30(日) 19:35:19
┐ ∧,∧ <ライブドアまだまだ上がりそう。1000円まで行くかな?
| ( )
 ̄⊂/ ̄ ̄7
∧,∧ アレ?!
┐( ⌒ヽ
│⊂ 、 )
 ̄ =/ ̄ ̄7
┐ ∧,∧ ウソ?!
│( ヽ
 ̄⊂ 、 ) =/ ̄ ̄7
∪^∪ / /
売りっ売りっ売りっ!
┐ ∧,∧=
│( ヽ=
 ̄⊂ 、 ノ⊃= / ̄ ̄7
∪= / /
△
(´・ω・`)
___ (U. U
/ || ̄ ̄|| )ノ
| ||__||
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ミ ,'⌒>
| | ( ./ / l、_>
129 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/30(月) 19:17:24
130 :
航空甲参謀源田少佐:2006/01/31(火) 14:20:02
図上演習を行うと韓国軍は皇軍の敵ではないので小説になりにくいのではないかね、
海上保安庁と島根県警でも鎧袖一触であるな。
131 :
親韓人:2006/02/17(金) 16:15:47
え?独島って韓国の領土じゃないの?何で日本の領土なの?以前韓国俳優の
ヨン様がホームページ上で「独島は韓国の領土」って言っていたのを聞いた
ことがある。ヨン様が言っているのだから独島は韓国の領土じゃないの?
日本は戦前の頃、韓国を植民地としたでしょ?その時に韓国領の独島も日本
領としたんじゃないの?
そしたら、韓国の人が「独島は韓国領」というのは当然でしょ?なのにどう
して日本人は「独島(竹島)は日本領」っていうの?
その前に在日米軍の基地を撤去してよ。
132 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/24(金) 15:40:32
竹島は日本の領土です。朝鮮人は全員キチガイだから処刑したほうがいいよね。
133 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/24(金) 15:43:49
竹島からでていけ朝鮮人。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
筑紫23の偏向報道にはもう我慢できない!!!
スポンサー「キリン」に対して抗議の不買運動実施中!!!
日本のためにご協力をお願いします!!
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
135 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/24(金) 15:50:50
朝鮮人は日本のマネをしなさい。日本人は世界で一番優秀だから。
136 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/25(土) 12:38:52
竹島からでていけ朝鮮人。
137 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/25(土) 12:55:46
2ちゃんねらーは小林よしのりやこういう漫画が唯一の情報源なんだーなー。
138 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/25(土) 13:51:50
竹島からでていけ朝鮮人。
139 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/16(日) 11:00:24
武闘行動を控えて、韓国の日本に対する武力占領を
世界の言論で弾劾する戦略が最善だ。
侵略国韓国を徹底的に糾弾せよ!
ノムヒョンに侵略行為を謝罪させよ!
140 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/10(水) 16:09:54
141 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/27(火) 19:49:23
独島は韓国領だね。まちがいない。
でも、竹島は日本領なんだよ。これもまちがいない。
ところで、独島ってどこにあるんだっけ?僕の所の韓国の地図は古くて載ってないんだ。
142 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/27(火) 19:52:53
プロットとしては、防人として独島に住む韓国兵がインターネット掲示板で、美しい日本人
女性と知りあうなんてのはどうだ?
最初は独島はウリナラの領土ニダ、という兵士と、力でねじふせようとする竹島の兵士は
嫌い、という女性とはかみあわないが、休日に対馬旅行に行ったとき、偶然知りあった
二人が、互いにネットで知りあいだときがつきショックをうける。
しかし、互いの愛の力で、どちらのものと決める事のおろかさと海の資源をともに守る
崇高さに目覚めて、二人の故国に帰っていくというストーリー、こりゃウケますよ。
143 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/30(金) 10:29:16
144 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/27(木) 13:02:19
145 :
名無し物書き@推敲中?:
どんなに無い余裕を絞り出しても私は知っているんだ、残飯
おまえが顔真っ赤で書き込んでいることをね
待つだけ待って「終わりか? 残飯」
今晩も楽勝だよ。ぶははは!
バカ残飯(←ATOK標準単語登録済み)