トマト「私の戦闘力は53万ですよ」
437 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/16(土) 03:18:33
ギラギラと照りつける殺人的な日差しの中、畑の隅で大きなトマトの実が緑の苗をたわませていた。
極薄の皮の下にパンパンに果汁を詰めたような、熟れに熟れた見事なトマトだった。
柔らかな実を潰さぬように、ハサミを使って慎重に収穫する。
紅玉を思わせる艶やかな紅。手に取るとずしりと重い。
顔を寄せる。少しの青臭さと、土と、強い太陽の香りがした。
たまらず実にかぶりつく。熟れすぎた実はあっけなく潰れ、手と口元に果汁が滴る。
冷やしていないせいか、強く青臭さが感じられる。
噛む必要がないほどの柔らかさ、ほんの少しの酸味のあとを追って、強烈な甘みが口いっぱいに広がっていく。
強烈な甘みと旨みに、舌が踊る。
袖で口元を拭うと、たまらずもう一口。
口の中いっぱいに広がった夏の味。太陽に向かって一礼をすると、私は残ったトマトへと齧りついた。
438 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/20(水) 18:33:45
ダンボールをあけると、新聞紙と野菜のにおいがした。
一通のハガキと、しわくちゃになったビニールから丸々したトマトを取り出す。
今年は暑いから豊作だったろう。
ぴんと張った皮が、つやつやしている。青いヘタがでっぷりとした実に少し埋まっていた。
流しでボウルになみなみと水を張った。
二、三個のトマトを取り出してボウルに浸ける。氷も少し入れてやった。
浮かんでいる表面が水をはじいて、玉をつくっている。田舎で食べた甘酸っぱい味を思い出して、思わずつばが出る。
冷やして食べるのが最高だが、我慢できずにひとつを手に取る。
そっと鼻先へ持っていけば、瑞々しい匂いがした。思いきってかぶりつく。
溢れだす果汁をすすりながら、酸っぱい味にリンパがきゅうっと痛くなる。
しかし、舌に広がる余韻は、去年食べた味より甘かった。
ふと野菜に塩を振っていた祖父を思い出す。
滴るような果汁を光らせているトマト。
わたしは棚の塩に手を伸ばした。
トマトをかじりながらテレビを眺めていた。
トマトの汁が滴り落ちて床を濡らしている。
テレビでは外国の飛行機事故をやっている。
頬を冷たい水気に埋めると、だんだん獣の様相を呈してきた。
汁をすすり上げて立ち上がり、流しにトマトの残りを捨てて
勢いよく水を流した。
腕のべとべとが水の流れに落ちた。
茎がしなるほどにぎっしりと実を付けたプチトマト。
赤く熟して旨そうだ。
ぷちん、と一つもいで頬張った。
8月の太陽のせいでじんわり熱いトマトは、
それでも喉の乾きを一瞬忘れさせてくれるには充分だった。
皮が破れた瞬間あふれ出る汁を飲み込みながら、
右手は既に次のプチトマトを穫っていた。
441 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/25(木) 19:41:46
そのトマトは、水で薄められた豚の糞を養分に育った。つまり、糞で育てた有機栽培なのだ。
トマトからは微かに、糞の香りが漂う。
それは紛れも無く有機栽培された、みずみずしいトマトだった。
442 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/03(日) 04:19:19
素敵なスレだな。
カリソメの外面しかないスレだ
444 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/03(日) 14:48:36
トマト
間抜けた話だか、かなり期待してる
先読みムズイ
445 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/03(日) 16:02:06
吸血鬼が美味しそうに美女の血を啜るような感覚のポエミ〜なやつお願いします><
トマト大嫌いなんです><
食べられるようになりたい><
――悠里がとったイチバンあかいの おいしいよ! パパへ――
稚拙な文字がおどるメモと共に、ガラステーブルの真ん中に鎮座している
朱いトマトぼんやりと眺めた。
二年生になった悠里は、ばあさんの畑仕事の邪魔をしない程度には、
成長している。それが嬉しかった。
トマトを手にとり、弄びながらしばらく考えた。
娘からの贈り物を胃に収めてしまうのは何かもったいない気がしたが、
朱く熟れたトマトは、早く食べてくれと催促しているようにもみえる。
意を決して、素手で掴んだトマトをガブリとかじった。
少しの酸味とたっぷりのほの甘さが口中を満たした。
僕が優子さんにトマトを勧めたときの言葉が記憶によみがえってきた。
「あなたは、うんこを食べろっていわれたら食べるの?」
こんな美味しいうんこがあってたまるか!
娘に優子さんのトマト嫌いが遺伝しなくてよかった。
447 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/06(水) 19:27:08
トマトが食べてくれといっているようだった。
とても赤くてまるくて重いので、手に取ったあと、洗いもせずに齧りついてしまった。
水のように溢れ出す果汁が、とても甘い。
これでも長いかな
448 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/06(水) 20:59:12
丸くて恥じらう桃尻にかぶりついた直後に
俺の鼻腔は甘酸っぱい洪水に襲われた
トマトなのに桃尻って書いちゃだめだろ
カラカラに乾いた喉に、思いきり染み込んだ。
熟し過ぎたトマトは、そのまま大きなコップ一杯の水の様だった。
もちろん、ただの水よりはずっとずっと美味しいのである。
微かに、塩味も感じられた。
かじりつくと身の詰まった果肉に歯が食い込み、口の中を軽く縮めさせる酸っぱさがきた。そしてみずみずしい水分と青臭い香りと甘みが口の中に広がった。ゼリーのような舌触りのものに包まれたツブツブの種が、トマトを食らっている実感をさらに感じさせてくれる。
452 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 01:49:03
青い香り、喉の渇き
溢れ、こぼれ落ちる汁
口腔に貼りつく薄皮
犬歯で逃がさぬようにして種を噛む
453 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 02:03:34
私はトマトにかぶりつく。
「すじゅるぶじゅっじゅるる」
砂漠をさ迷い始めてかれこれ5日以上水分を取っていない渇ききった私の喉に赤い果汁が染み渡る。
454 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 03:34:09
トマトの皮が前歯に触れると、
舌が踊る
歯茎が笑う
青い空から、葉っぱの臭いがする
455 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 04:21:05
赤く膨らんだそれを絵里は口に含んだ。
舌でそれを転がし、滴る汁が喉を通るたび、絵里は目を細める。
>>453 五日以上水分無しで砂漠さ迷って生きてるのも凄いけど
突然トマトが現れるのも凄いな
ドラえもんにでも会ったのか?
457 :
名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 14:58:17
何かないかと水桶を漁ると、そこには大きく熟れた赤いトマトがあった。
それは内から外へとはち切れんばかりに膨れており、緑色のヘタはそれの赤と見事にマッチして眩しいほどだ。
思わずかじりつく。
次の瞬間、爽やかな香りがしたかと思えば、渇いた口のなかで甘酸っぱい果汁が広がった。
若い時の私は、トマトを美味しそうに書く場合、作中人物にそれを決して食べさせてはいけないと勝手に思い込んでいた。そのほうが美味しそうに見える筈だと。
潰したり、指を入れてみたり、あげくの果てには繰り返し繰り返しシャープペンの芯を刺すという傍若無人な行為までしてのけた。
そして今。久しぶりにこのスレを開けた私の両肩に天使と悪魔が乗っている。
悪魔は囁く。「熟れてるぜ、喰っちまえ。」
天使が私の耳朶を引っ張りながら言う。「だめよ。あなたはシャープペンの芯を忘れてしまったの?」
「ほら、噛りついちまえ。じゅくじゅくで喉の乾きが癒えるぜ。この喉ってのはお前の傷つき疲れはてた魂そのものさ。さあ喰え」
「乾き、贅肉をそぎ落とし、真っ直ぐに伸びたシャープペンの芯こそあなたの意志だったじゃない。もう忘れてしまったの?」
どちらの言い分ももっともだ。
しゃぶりつけばうまいのも知っている。
私はそれに手を伸ばし、絞るように握りしめ、それから潰した。
指に付いた汁を嘗めながら、自分が泣いているのに気付き、馬鹿だなあと思った。
459 :
弧高の鬼才 ◆zD.tvziESg :2009/05/13(水) 01:22:54
トマトを買ってきた。
食べるのがもったいない気がした。
掌で転がすと、それはうれしくて小躍りしているように赤色を乱反射させた。
胸のふたをあけて保存しようと思った。
数十年して、わたしは胸の中のトマトのことをおもいだした。
つややかで張りのあるトマトが指にはじめてふれたとき、潰したいくらいの嫌悪感に苛まれ人生に絶望していたことを思い出した。
トマトにうつる歪んだ顔にかぶりつきたい衝動に駆られたのだった。
胸のふたを、ぼくはあけるのをやめた。
悲しみがまた訪れるまでは。
2009・5 弧高の鬼才
うんこ
スラムドッグミリオネアで、うんこしながらトマトを食べ
るシーンがあったんだが、あれは凄いと思った。
主人公が肥壷に浸かりガバッとはい上がってくる。右手に
トマト。
くそまみれの主人公が口を大きく開けトマトをうまそうにかじる。
あれを旨そうに見せる監督の力量に感心した。必見。
氷水に浸してあるトマトを受け取ると、指先が少しじんとした。冷たいそれに唇を寄せて、優しく歯をたてる。ほんのり、いつもより甘い気がした。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い俺どっかでトマト食べてる。
スーパーで超完熟をうりにしたトマトが売られていた。その赤い艶めきは私の心をとらえて引きつけ、買って帰った。
赤い塊を水道で洗ってその場で立ったままかじりつく。すると少女から女へと変化を遂げようとしている季節の女子学生のように、青臭さとすっぱさを内に秘めた旨さが口内を満たした。
飛び跳ねたくなるようなこの甘さが、若者が持つエネルギーのようかもしれないと考える。
うまそうに書けない汗。
先日から、森が妙にざわめかしい。
森の動物た
森の動物た
が何かを私に伝えたがっている。
とても大事な事みたいだ。
私は芝生の上に寝ころがり耳をすます。
動物たちは次次に寄って来て、口々に「おいしいよ」と言って去る。
やはり私はそれを探さなくてはいけないらしい。
とりあえず芝生の上で立ち上がり、叫んでみる。
「しんごー!」
蜜蜂の群れがどこからかやって来て青信号を隠す。
どうやらおいしいのは、赤いやつらしい。
僕には
ぷっぷっぷっぷっ プチトマト
君には
アッアッアッアッ 青トマト
好き好き大好き
パックン ゴックン ジュルルルル
おー! グツグツ ラザニア, キンキン ブラッデーマリー
ああ、 シビレル ラタトゥイユ
シンクロして ……
カプット ジュワット フレッシュフルーティー
キャンドルライト ニ スケル ウスカワ ガ イロッポイ ネッ
シンクロして ……
アーウマカッタ!
なんか美味しそう
>>286,
>>287(www),
>>346,
>>363,
>>411,
>>437(6行目以降),
>>454,
>>458,
>>463 リアルではファーストトマトを好みます。
「トマトとうんこの共通点は?」
「どちらも自転車に乗れません」
「食って良し」
470 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/11(火) 19:32:36
ぜん 【▼膳】
0 (名)
(1)食器や食べ物を載せる台。特に一人前の食事を載せた台をいう。おぜん。
「―にのせて運ぶ」
(2)食事。料理。膳部。 (接尾) 助数詞。
(1)椀(わん)に盛ったもの(特にご飯)を数えるのに用いる。
「ご飯を二―食べる」
(2)一対の箸(はし)を数えるのに用いる。
「箸を一―下さい」――に上(のぼ)・る 料理として食膳に出る。
471 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/11(火) 21:15:02
赤いトマトはかじるとトマトのような味がした。これがトマトなのか……。
もうげしゅたるとほうかいした。
あと2百日くらいすると生まれてくるらしい子を宿している妻は、
今朝も水色のガラス皿に盛られたトマトにむしゃぶりついている。
おまえらはホラーでも書いてるのか?
474 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/12(水) 23:32:52
直のかぶりつきの表現ばかりだな
俺は調理されたトマトのほうが好きだ
475 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/13(木) 10:25:14
やべえwwwwwマジトマトうんめえwwwwwwwwパねえwwwwwwwwwww
いつも思うんだけどさ、
>>1の「かみ締めるようにむしゃぶりつく」って表現はおかしいよね。
「噛み締める」と「むしゃぶりつく」は全然違う動作なのに。
順番的には「むしゃぶりついて」そして「噛み締める」だよね。
「○○のようにむしゃぶりつく」って書きたいなら、○○部分は例えを入れないと駄目だよね。
獲物を喰い漁る猛獣のようにむしゃぶりつく →そしてじっくり噛み締める
もしくは幼なじみのおっぱいを前に野獣と化した、あの日の憲次のようにむしゃぶりつく
→そしてじっくり噛み締める。
それが正しい手順だよね。
ね?
477 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/13(木) 15:16:03
試しに、たまたま手元にあった「レアチーズロールちゃん」に
かみ締めるようにむしゃぶりついてみたところ、
クリームとスポンジが混然となった唾液が口の端から
ダラダラと垂れ、知障みたいになってしまった
よって
>>476 同意である
俺はトマトが嫌いだが、みんなが食事をしているので仕方なく食べたみた。
なぜか気にならなくて美味いような気もした。
これはやはり大好きなハンバーガーの間に挟まってるからはっきり苦味が出なかったのだろう
皮がはじけそうなほど張った艶のある赤いトマト
は?
481 :
ダーク鶯:2010/08/11(水) 21:16:06
真実は自分の目で確かめよう。
前人未踏(前代未聞か)トリバレ幹事(中身は誰だ?)による競作祭です。
貴方のご参加をお待ち申しあげます。
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/bun/1280844598/288『『『
288 名前:メーン ◆/l5uJ5lus6 [] 投稿日:2010/08/07(土) 21:09:27
○●○創作文芸板競作祭・夏祭り2010○●○
殺し・殺害・惨殺・刺殺・他殺・自殺・そして死。
テーマ……殺しと死
会 場……「アリの穴」
http://ana.vis.ne.jp/ 枚 数……3枚〜32枚(サイトの表示による)
日 程……投稿期間 08/20〜22(日付が変わったら終了)
感想期間 一作目投稿〜08/28 (日付が変わったら終了)
・作者さんは感想期間中一人一票、自作の感想欄に他者の作品の中からベストスリーを選んで投票してください。
読者賞とは別に作者賞を選出します。
・投稿は無記名でお願いします。
・マイナス点は結果に反映します。
・感想は記名・無記名どちらでも可
◎備 考
・内容説明欄に「創作文芸板夏祭り2010」と入れて下さい。
・作者さんは他作品へできるだけ感想をお願いします。みんなで祭を盛り上げましょう。
・以前にアリの穴や他の場所にに投稿した作品の再投稿は不可とします。
・複数投稿は不可です。
・作者投票をしない人は失格とします。
・犯罪を誘発する作品は投稿しないようにしましょう。
……』』』
※注意※
自分の目で見たからといって、真実が見えるとは限りません。参加は自己責任となります。あしからず。
上記URLスレッドのdat落ち後は、創作文芸板を「祭」で検索ねがいます。
大変、おじゃまいたしましたm(_ _)m
482 :
名無し物書き@推敲中?:2010/08/13(金) 04:13:59
あぜ道沿いにある畑の端に、真っ赤な実をつけたトマトの木が幾本か植わっていた。
七月の陽光は激しく、思わずもぎとったそのトマトにもぬくもりは残っていたが、私は構わずにそれにかぶりついた。
俺にはリコピンが足りないんだ!
俺はスーパーへ走った。
484 :
483:
トマトという文字が一文字もないことに気づいたので二行目を訂正。
俺はトマトを買いにスーパーへ走った。